オルオ「二千年後の君へ」(90)



*

オルオが主人公の転生現代パロ。
漫画で展開は知っていたがアニメを見て
やっぱり泣いてしまったので奴等を幸せにするために書いた。
途中までしか書き溜めしてないから、更新頻度は遅めかも

*




たまに、ふと思い出すことがある。

一人の女のことを。

いつからその女の記憶が自分のなかにあるかはわからない。
顔や容姿は思い出せない。でも、その女を思い出す度に俺は不思議と幸せな気持ちになる。
しかしそれと同時に身体中が震えて涙が溢れ出るような、
まるで絶対に逃れられない闇の淵に立っているような、絶望が襲ってくる。

…彼女は誰なのだろうか。なんせ顔もわからない相手だ、よほど俺の中で印象の薄い女なのだろう。きっとガキの頃に会ったことのある人物に決まっている。


「どうしたオルオ。体調でも悪いのか?」

声を掛けられハッとして顔を上げれば、見慣れた上司の顔。

「いえ…大丈夫です。スミマセン。ぼーっとしてました」
「おまえは時々考え事しているかのように上の空だが」

リヴァイ課長は独特のカップの持ち方でコーヒーを啜る。

「気にしないほうがいいですよ課長。こいつが上の空なのはよくあることですから」
「…そうか、でも部下の悩みを聞くのは上司の仕事だ」
「あぁ、課長はしらないんでしたっけ?」

同僚のエルドとグンタは交互に俺の顔を見る。

「…よく、一人の女性を思い出すんですよ。」

リヴァイ課長は一瞬口許にカップ運ぶ手を止め「ほう」、と小さく声を洩らした。

「ほんとに知らない女性なんですけどね、無心の時にいつも思い出すんです。思い出すっていっても容姿も声も思い出せないんですけど…」

俺はこの女の話をするのは好きじゃない。
容姿も知らない思い出もない女の説明をするとどうも言葉に矛盾が発生し、大抵の人間は首を傾げるからだ。

「その女性のことを思い出す時は幸せと悲しみでいっぱいになって、すごく複雑な気分になるんです」

ほらな。リヴァイ課長も不思議そうな顔をしてこっち見てるし。


「…なんでお前は、その思い出す奴が女だと分かるんだ?」
「へ?」
「顔、わかんねーんだろ」

確かにそうだ。
何故俺は気付かなかったんだ?
何故俺は奴のことを女だと決め付けていた?

「なんか、気味悪くなってきました…」
「まぁそういうなって!」

エルドがバシバシと背中を叩く

「ってーよ!」
「でも本当になんでお前は女だと思ったんだろうな」

グンタは肘をつきトントンとリズムよく机を叩きながら俺に問い掛ける

「知らねーよ。」

何故か不機嫌になった俺は
素っ気なくグンタに答えた

今日はここまで

見ててくれる人がいるならありがとう。
需要があれば続けるつもり

ミテルヨ!

>>7 アリガトウ!

期待

原作を見てない俺にはアニメのあれは衝撃がデカ過ぎた
次回は良い展開であってほしいな……

こんばんは。>>1 です
書きながら更新しようかなと


>>9 あの回は結構くるものがあるよな


今更だがこのSSはオルペトSSとなってます

見てくれている人がいる限り、どれだけ時間が掛かろうとも完結させる予定です

楽しみにしてる


女の話をして数日たったある日の夕方。
仕事の後、とくに用事のない俺は別の課のイアンと街の奥にある小さなバーで呑むことになった。
入り組んだ路地を抜け、ノスタルジーを感じるレトロな路地の深くに入り込めば小さな洒落たバーがたたずんでいた。


「珍しいじゃねーか。俺を飲みに誘うなんてよ」
「たまにはいいだろ?」

ギムレットを傾け、隣でチチを煽るイアンをじっと見る


「んだよオルオ。俺は男色趣味なんてねーぞ」
「んなこたぁお互い様だ」
「そんなことよりよ、オルオ…」

イアンは少しだけ声のトーンを落とす


「おまえ、彼女いねーよな」



なんてことを言い出すんだこいつは。
ていうかなんでいない前提なんだよ。

「喧嘩売ってんのかお前は」
「いや、そうじゃないんだって」

くくく、と喉を鳴らして小さく笑うイアンはなんとなく楽しそうである

「いやさ、おまえんとこの課長いるじゃん。あの人とな、この前あったんだよ」
「リヴァイ課長と?なんでまた」
「たまたまだよ。でな、そんときにさ結婚の話になってよ」
「まじか。でも課長にはハンジ次長がいなさるしな。結婚も間近なんじゃね?」
「そうだろうな。もちろん、リヴァイさんの結婚式の暁にはこっちの部も全力で余興を行う所存だ」


何が言いたいんだこいつは
まぁ、課長の結婚式の話は楽しみだが

「で、おまえは?それが俺を今日誘った理由だろ」
「ははは、バレたか。………いやさ、聞いてくれよリコのことなんだが―――」


イアンの話に適当に耳を傾けながら、俺は自分のことを考えてみる。

俺は何故だか、女運がない。
もはや女という人種から嫌われているんじゃないかと疑いたくなるくらい女運がない。
今まで彼女くらいはできたことはあるが、どうしても長続きしない。
どれだけ性格のいい女と出逢い、恋に落ちても、どうしてもふとした瞬間にあいつがちらつく。

あいつっていうのは、もちろんあいつだ。


てな感じで今はここまで

風呂入ったりして、少し書き溜めて
起きてたら25時くらいからまた書くね
見てくれる人、楽しみにしてくれてる人ありがとうね

毎日の楽しみになりました。

こんばんは >>1です

昨日はどうやら寝落ちしてたみたいだ
そして今夜もちょっと体調が悪いみたいだ

少しずつ書き込んでいくね

待ってるから書いて

オルペトなかなか無いから嬉しい ゆっくりでも超満足

はよ


「オルオ、聞いてんのかよ」
「! わりぃなんつった?」
「んだよ、またあの子のことか?」
「……」
「図星かよ」

嗚呼、いけない。また考えていたのか。

「まぁ落ち込むな。そうだ、これからリコ来るから」
「はぁ?まじかよ」
「まじだ。さっきメールがきた」


「俺いると気まずいだろ。俺ぁ明日も仕事だしそろそろ帰るわ」

そう言い、俺はカウンター席から立ち上がると
財布を取りだし中身をちらりと確認すれば少ない手持ちの中から一番大きな額の札を取りだしイアンに手渡す

「ほれ、金だ」
「本当に帰るのか?リコに少しだけ会って帰らないか?」


あと、これはいいから。と言ってイアンは俺の出したお札を
俺の胸ポケットに押し込む。
俺は乗り気はしないもののやはり先輩にはきちんと挨拶をしておこうと再びイアンの隣に腰をおろした


>>1だけど一つだけ言っていい?

なんだあの22話のアニオリ追加シーン
鬱過ぎて心臓止まりそうなんだけど

オルオのパパ上オルオに似すぎだろ

オルオさんって年下とか部下の面倒見が良さそうだから上司にしたい

こんばんは 体調が崩れていたので
更新できませんでした

今日から再開しようと思います
見てくれてる人が多いみたいで嬉しいです


「エルドの奴もよぉ、長い彼女いるよな」
「だからおまえ何だってんだよ。彼女いねぇ俺への当て付けかよ」
「なんだか今日は愉快だなー」
「そりゃ今からリコさん来るからだろ」

たわいない話をしていれば時間なんてすぐ経つもんで、
愉快だ愉快だと愉快そうなイアンの同期の恋人のリコさんはすぐにやってきた


「お久しぶりですリコさん」
「久しぶりだなオルオ。どうだそろそろ彼女できたか」

そしてこの彼女である。


「いえ、まだできてません」
「そうかそうかだろうと思った。いやぁ、よかった。おまえに紹介したい女がいるんだ」
「紹介ですか?」


どうやら俺は、まわりの恋愛事情を聞いて感化されてたみたいだ。

「女ですか?」
「嗚呼、本当は連れて来る予定だったのだがな。恥ずかしいから、といって来る途中で帰ってしまった。だからメアドだけ教えてください、と」
「その子と別れたのっていつです?」

「え?あぁ、ついさっきだが」
「俺、その子追いかけますね。その子の特徴は?」
「割と小柄で明るい茶髪で目が綺麗な子だ。服はスーツで多分すぐ分かると思う」
「ありがとうございます。イアン、ご馳走さま」


どうしても、その女を追わなければならない、そんな気がした


俺はジャケットを手に持ちすぐ店を出た。
店の入口には、フクジュソウが飾られていた



―――――

「おまえさ、誰連れて来たんだ?」

ほんのりと頬が色づいたイアンは隣に腰掛けたリコに問い掛ける

「言わなくても分かるだろ」
「やっぱりそうだよな」

「あいつらは幸せにならないといけねぇんだよ」

リコはイアンの顔を見上げる
イアンもまたリコの顔を見詰め小さく笑って静かに囁いた

「勿論、今度は俺たちも」

取り敢えず書き溜めた分はここまで

飯食ってくるわ

面白い。はよ

楽しみにしてる

楽しみなり


*


店に入る前は夕闇がワイン色に照らしていた空は
あっというまに濃紺の星空へと姿を変えており、
秋半ばの空気は、俺の体温を奪うには十分な寒さだった

「さみぃな…」

ジャケットを羽織り足早にひとつめの曲がり角を急ぐと



目に写ったのは明るい栗色の髪の毛。





一気に体温があがるのを全身で感じていた。
鼓動も駆け足で、留まることを忘れてしまったかのよう


「……っ、あ」

喉がきゅっとしまり、声が震えてうまく言葉を発せない


目の前の小さな背中がこちらをゆっくりと振り返ると、
美しく可憐な彼女の顔はびっくりした様な顔になり、
その直後 彼女は泣いてしまうのではないかと心配になるほどぐっ、と歪められた。

へいへい!へいへい!

つづきはよ

おぉぉぉ!!来たか!?




「……オルオ、さんですよね………?」

その女性は絞り出したような声色で俺の名を呼ぶ

「……っ」

どうしても声が出せずに俺は何度も何度も頷いた


今まで何度も想像した。
どんな顔をしているのだろう。
どんな表情で笑うのだろう。
どんな声で俺の名前を呼ぶのだろう。
でも どの想像もいまいちパッとせず、
考えるのを途中でやめて 再び無意識の世界で
会瀬を重ねていた


会瀬 ×
逢瀬 ○



「貴女は。貴女は、俺に会ったことが…ありますか、」

なんて とんちんかんな問いかけだろうか。
初対面で、それも、



泣きながらだなんて。


おまいら、待たせたな

俺だよ

待ってたよ馬鹿野郎

待ってるぜ

待ってるぜ!!

まじでお願い


続きを書いてくれ


やほう

待っててくれる人が多くて嬉しい
書いてないわけじゃないんだ ちゃんと書き溜めてるんだが
どうもいいフレーズが浮かばないんだ

安心した
気長に待ってるぜ~

うむ、待ってるからじっくり詰めてくれ

オルペト少ないからな…待ってる

ほしゅ


保守ありがとう!
本当に遅くてごめん

明日の夜に少しあげます

待ってる


*


中路地の噴水前のベンチに二人で腰を下ろした。
彼女は急に泣き出した俺の背中をずっと撫でていた

背中を撫でる手さえも懐かしく、さらに涙が溢れそうになる。
止まらない涙は 初めて出逢った相手とはあるはずもない
思い出の、 懐かしさからくるものにした。

「すまない。泣いたりして」

大の大人が号泣して女性に介抱されることに
気恥ずかしくなってしまい、
課長が言いそうな言葉を並べてみる。


きっと課長なら、女性向け漫画雑誌に出てくる
ハンサムな男のように絵になるのだろう

「それ、兵長の真似?」
「? 誰だ、兵長って」
「あ……。じゃ、なくて、課長の真似?」


こいつは リヴァイ課長のことを知っているのか

「リヴァイ課長の真似、全然似てないわよ」

ふふふ、と 彼女は綺麗に笑った

「ふん…。で、お前の名前なんつーの」
「あててみて」
「知るかよ」
「もー、つれないんだから」

わざとらしく頬を膨らます彼女はやっぱり可愛くて
つい目を逸らした。

「ペトラ。ペトラ・ラルっていうの。私の名前」


「俺はオルオ。オルオ・ボサド」

少し間をあけて、彼女は少しだけ哀しそうな顔をした

「知ってるよ。」

そして哀しそうな顔をしたまま
彼女はそう言った。


―――――――――――――

彼女は、ペトラ・ラル。
俺と同じ23歳。
職場は俺の会社の姉妹会社の受付をしているらしい
リコさんとは、高校時代の先輩と後輩だったそうだ

エルヴィン部長と関わりのあるペトラの会社の社長との
飲み会の席でリヴァイ課長と出会ったらしい

なんでリヴァイ課長のこと課長と呼ぶんだ? と 聞いたら
あだ名みたいなものよ、とのこと。

待ってた。

ありがとう

待ってたよ!




ベンチに腰掛けたまま 俺達は話し込んだ
俺はペトラの情報を知るのに必死で。
これまでの記憶の隙間が埋まっていくのを感じた。

「今日、寒いね」

ペトラはそう呟いて俺との距離を詰めた
脚が触れ合い、布越しに小さな温もり。
触れた部分から 出会った時から高鳴っている
鼓動が伝わりそうだ。

「私ね、ずっとオルオに会いたかったの」


それは俺の台詞だ。
俺もずっとお前に逢いたかった。

そんな台詞すらも言葉にできず、俺は小さく頷く

「…あのさぁ、可愛い女の子が寄り添って可愛い台詞を並べたら抱き寄せるのが普通じゃないの?」
「…あのなぁ、俺はこう見えて緊張してんだよ」

ペトラの手を奪い繋いでみる
女は冷え性、なんて聞いたことあるが
ペトラの手はとても冷たかった。


待っててくれてありがとう
俺、書くのが遅いんだ(多忙なのもあったが)
安価のは はやく書けるんだがなwwww

いくらでも待つで

ずーっと待ってるよ

二千年くらいなら待ってやろう

一万年と二千年前から


愛してる

待ってるよ

今日でテスト終了したので、
また書いていくよ

はやければ、今日の夜中

わっしょい待ってる!


「ありがと、オルオ」
「ん…」





「ペトラに出会ったらしいな」

翌朝、出勤すると窓を拭いていた課長が話を振ってきた

「情報がはやいですね。」
「まぁな。ペトラとは頻繁に連絡をとっている」
「そうなんですか」






「何も思い出せねぇか?」



まるで世界の時間が一瞬止まったようだった。
いや、多分止まった。


「…へ?あの、それはどういう」
「いや、心当たりがないならいい。」
「そうですか………」

でも俺にはそれが何故なのか、分からなかった。




――――――――

「オルオさん!」

呼ばれた方に顔を上げれば 見知った顔が手を振って
こちらに走ってくるのが見えた

「よお、エレンと、ミカサか。久し振りだな」
「オルオさん!お久し振りです」

エレンの少し後に立つ少女もぺこり、と控え目に頭を下げた。

「聞きましたよ。今度のバーベキュー!」

ニコニコと愛想のいいエレンは
話しても話足りない位のペースで話を列ねた。
高校生のエレンはなんでも、課長の親戚だそうで。
ミカサはその幼馴染みらしい。
何時もは、アルミンっつー幼馴染みも一緒にいるが

「今日はアルミン、彼女と下校するって」
「私達は邪魔にならないように二人で下校してます」
「ほーん……アルミンにも女がなぁ………」



なんだか先を越されたようで 少し悔しかった。



「オルオさんは今から帰宅ですか?」

鼻頭をほんのり赤く染めたミカサが首を傾げる

「あ?…あー…いや、待ち合わせが、な。」
「ペトラさんですか?」

いや。なんでおまえまで知ってるんだよ

「ぺと…?あぁ…調査兵団の…」
「そうそう、俺の上司だった」
「は?上司?高校生が何言ってやがる」
「え、もーオルオさんってば。もう何前年前の記憶は忘れたんですか?」
「ぶっ。なんだそれは。おまえは覚えてんのかよ」
「……オルオさん、言っていい冗談と悪い冗談がある…」



「まぁまぁミカサ!やっと数年ぶりにオルオさんに会えたんだから!」

「それもそう……」


「でもオルオさん、この“今”はいいですよね!みんな揃ってるし!」



「前は…アルミンとか、ジャンとか、ハンジさんは居なかったはず」





「ばか、ミカサ。もう前世の記憶は忘れたかよ?オルオさんもミケ分隊長も………オルオさん?」







こいつらは何を言っているんだ?


まてよ。年単位っておかしいよな。
あのあれだ、何百年とかに脳内補完してくれ

そして取り敢えずここまで。
受験が終わるまでには書ききりたい

頑張れ

がんばれ

あげ



そこからのことはあまりよく覚えていない。
縺れる足で帰宅するまでに何があったかも想像できない。

ちらりと部屋の壁を見上げる
―――嗚呼、ペトラとの約束があったのに。
この寒空の下だ。もうとっくに帰ってるだろう。




今は、何もする気が起きない。


―…ッくそ。どういうことだよ。
なんだよ前世って。しかも何回も。

頭が痛い 吐き気がする



―――――――――――

時計を確認する。
時計は丑三つ時に突入したころだった
どうやら、帰宅してから少しの間
寝てしまっていたらしい


机に放り投げていた携帯に手を伸ばし
確認するとペトラから三件の着信と
それと、リヴァイ課長からの着信が
数十分前に一件だけあった。

「………」

仕事の話ならやばい。
そう思い直ぐにかけ直す

「…もしもし、電話に出れないですみません。オルオです」
『―下。』
「へ……?下、ですか?」
『ベランダから顔を出せ』

急いで立ち上がり窓から外を見下ろした
…よく見えないな。


お久しぶり、>>1です
みんな保守ありがとう!
少しずつ再開していこうと思うので
良ければ見ていってください

乙乙

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