オルオ「二千年後の君へ」(90)
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オルオが主人公の転生現代パロ。
漫画で展開は知っていたがアニメを見て
やっぱり泣いてしまったので奴等を幸せにするために書いた。
途中までしか書き溜めしてないから、更新頻度は遅めかも
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たまに、ふと思い出すことがある。
一人の女のことを。
いつからその女の記憶が自分のなかにあるかはわからない。
顔や容姿は思い出せない。でも、その女を思い出す度に俺は不思議と幸せな気持ちになる。
しかしそれと同時に身体中が震えて涙が溢れ出るような、
まるで絶対に逃れられない闇の淵に立っているような、絶望が襲ってくる。
…彼女は誰なのだろうか。なんせ顔もわからない相手だ、よほど俺の中で印象の薄い女なのだろう。きっとガキの頃に会ったことのある人物に決まっている。
「どうしたオルオ。体調でも悪いのか?」
声を掛けられハッとして顔を上げれば、見慣れた上司の顔。
「いえ…大丈夫です。スミマセン。ぼーっとしてました」
「おまえは時々考え事しているかのように上の空だが」
リヴァイ課長は独特のカップの持ち方でコーヒーを啜る。
「気にしないほうがいいですよ課長。こいつが上の空なのはよくあることですから」
「…そうか、でも部下の悩みを聞くのは上司の仕事だ」
「あぁ、課長はしらないんでしたっけ?」
同僚のエルドとグンタは交互に俺の顔を見る。
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