エレン「何してんだ?」 アルミン「コミケの準備」(47)

普段はVIPに居るのでここは初めてです
お手柔らかに
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──1900 男子寮201号室『エレン・アルミン・ライナー・ベルトルト』

エレン「コミケ?なんだそれ」

アルミン「エレン知らないの?壁内最大規模の同人誌即売会だよ」

エレン「???」

アルミン「ん〜……要するに、本を作りたいって人が自分で作った本を持ち寄って発表する場所なんだ」

エレン「お前本書いてんのか?」

アルミン「いや僕は買いに行くだけだよ。気に入った本があれば買う事も出来るんだ」

エレン「へぇ〜面白そうだな!俺も行っていいか?」

アルミン「え?まぁいいけど……目的もなしに行っても楽しくないと思うよ?」

エレン「色んな本があるんだろ?いろいろ見て回るだけでも面白そうじゃねぇか」

アルミン「まぁ止めはしないけど……初心者にいきなり夏は厳しいんじゃ……」

ライナー「いいじゃないか。案外、こういう真面目な奴ほどハマりやすいぞ」

ベルトルト「そうだね、僕も最初はこんなんじゃなかったし」

エレン「お前らも行くのか!?」

ライナー「もちろんだ、俺達は戦士だからな」

ベルトルト「あの場所は故郷と言ってもいい場所だよ」

エレン「そんなに凄いのか……!」

アルミン「それは言い過ぎだと思うけど……行くなら今のうちに準備済ませないとね」

エレン「準備?準備が必要なのか?」

アルミン「君は水も食料も刃もなしに戦えるのかい?」

エレン「戦い……?」

ライナー「目当てがないにしても最低限の知識が無いと死ぬぞ?」

エレン「死……?」

ベルトルト「あの場はまさに戦場だからね……」

エレン「ほ、本買に行くんだよな……?」

アルミン「だからそう言ってるじゃないか」

エレン「そもそもどこでやるんだ?遠いならそれなりに準備するのも理解できるが……」

アルミン「シーナ内地東門前アリアケ地区にあるビッグサイトっていう建物だよ」

エレン「シーナ!?遠くねぇか!?馬車で数週間かかるじゃねぇか!」

アルミン「昔はローゼのマクハリってとこでやってたからまだ近かったんだけどね……いろいろあって」

ライナー「遠いって言っても新幹船で1日くらいだぞ」

エレン「そ、そうなのか?新幹船ってそんなに速いのか……」

アルミン「そういうわけで水や食料を持っていかないといけない……わかった?」

エレン「あ、あぁ……大がかりなイベントなんだな……」

ベルトルト「それとカタログの諸注意を読んでおかないと──」

──2000 男子寮201号室『エレン・アルミン・ライナー・ベルトルト』

アルミン「──ってことなんだ。分かった?」

エレン「あぁ。しかし座学並みに頭使ったぞ……覚えること多すぎだろ」

ライナー「常識さえあれば読まなくてもどうにかなるぞ」

エレン「おい!?」

アルミン「い、一度は読んでおくものなんだよ!内容は毎回一緒だから読まなくなるけど……」

エレン「要は人に迷惑かけんなって話だろ?」

アルミン「まぁそういうことなんだけど」

エレン「なら大丈夫だな」

アルミン「ホントかな……」

エレン「なぁ、ミカサも誘っていいか?」

アルミン「!?」

ライナー「それは……」

ベルトルト「えっと……あまりよくない……」

エレン「なんだよ、ミカサを仲間外れにするつもりか?」

アルミン「そういうわけじゃないけど……えっと」

ライナー「エレン。色んな本があるって言っただろ?」

エレン「そう聞いたぞ」

ライナー「その色んな本ってのはだな……過激なものや閲覧に年齢制限がかけられているものまである」

エレン「か……過激?」

エレン(壁の外に関する書物や偏った政治思想ってことか……?)

アルミン(むしろそれが目的なんだけど……)

ベルトルト(それ目的の人が大半だと思う……)

ライナー「つまりそういうことなんだ。あまり人目についていいものじゃない……分かるだろう?」

エレン「あ、あぁ……そういう事なら……」

ミカサ「私がどうかしたの?」

エレン「!?」

アルミン「いつからそこに!?」

ライナー「まったく気が付かなかったぞ……!」

ベルトルト「僕より気配を消すのが上手い……!」

ミカサ「エレンに呼ばれた気がしたから今来た」

エレン「呼んでねぇよ!ここ男子寮だぞ!」

ミカサ「そう……分かった」トボトボ

ライナー「行ったか……、おいエレン。奴は危険だ、絶対に同行させてはならん」

アルミン「何があるか分かったもんじゃないからね……じゃあ準備急ごうか。お店閉まっちゃうし」

エレン「そんなに急いでどうすんだ?すぐに出発するわけじゃねぇんだし」

ベルトルト「いや、明日出発だよ」

エレン「はっ!?3日後だぞ?1日で着くんだろ?」

ライナー「だから前日入りして宿で待つんだろうが」

アルミン「だから急がないと」

エレン「あ、あぁ……」

エレン(なんでそんなに急ぐんだ……?)

──0330 翌朝〜男子寮201号室『エレン・アルミン・ライナー・ベルトルト』

アルミン「エレン起きて!そろそろ行くよ!」ユサユサ

エレン「んぁ……?まだ3時じゃねぇか……」

アルミン「始発に乗るって昨日言っただろ?」

エレン「始発ってこんなに早かったのか……」

ライナー「そんなんで大丈夫か?」

エレン「お前らについていけば大丈夫だろ」

ベルトルト「忘れ物はない?」

エレン「あぁ!荷物は持ったぞ!」

アルミン「……なんで兵站行進に使うバッグなの?」

エレン「だって俺バッグって持ってねぇからよ」

アルミン「まぁいいか……じゃあ行くよ」

──0420 新幹船こじか845号ウォール・シーナ行き〜船内

エレン「おぉ!速えぇ!?これが船なのか!?」

ライナー「騒ぐな」

アルミン「まぁ初めて乗ったんだから仕方ないよ」

ベルトルト「ライナーも最初ははしゃいだじゃないか」

エレン「これどうやって動いてんだ!?」

アルミン「あぁ、これは立体機動の技術を応用した高機動船って言ってね──」

──0500 船内

エレン「……飽きた」

アルミン「だろうね……」

ライナー「むしろよく1時間近くも楽しめたなお前」

ベルトルト「ライナーは10分くらいで飽きていたね……」

エレン「この船の中で1日過ごすのか……」

アルミン「ちょっと早いけどご飯にしようか。退屈だし」

エレン「そうだな、サイフどこにしまったっけ──」

──2100 南シーナ駅

エレン「長かった……」

アルミン「ほとんど寝てたじゃないか」

エレン「だってよぉ……」

ライナー「そんなんじゃ、明日の待機列はもっと大変だな」

エレン「そ、そんなに待つのか……?」

ベルトルト「炎天下の中4時間程度待つことになるよ。もちろん、寝れない」

エレン「はっ!?確か10時から始まるんだよな……?6時から並ぶ気か?」

アルミン「これでも初心者に気を配って遅めにしたんだけどね」

エレン「いつもは何時からなんだよ」

ベルトルト「4時半」

エレン「早すぎだろ!」

ライナー「俺達は戦士だからな」

エレン「戦士ってなんなんだよ」

──0534 翌朝〜南シーナ駅

エレン「こっから馬車に乗ってビッグサイトか!」

アルミン「違う違う。ここからケーヨー線に乗ってシンキバ駅に行くんだ。そこからリンカイ──」

エレン「え?なんでそんなめんどくさい事になってんだ?そのまま乗せてってくれたっていいじゃねぇか」

アルミン「富裕層の多い内地は馬車利用者が多いんだ。だから時間と区間を決める事で効率的に大勢を輸送しているんだよ」

ライナー「カタログで読んだだろ」

エレン「な、慣れてねぇんだから仕方ないだろ……」

ベルトルト「乗り換え自体はそんなに多くないし、Cojicaを持ってれば簡単だよ」

エレン「Cojicaって昨日買ったこれのことだろ」

アルミン「そうそう。あ、そろそろ発車みたいだから乗ろうか」

エレン「おう!」

──0556 壁際展示場駅

エレン「うぉっ!?すげぇ人の量だな!」

アルミン「3日間で60万人程度来るからね。1日当り20万人近くだ」

エレン「……ん?マリア奪還作戦に投入された25万人が人口の2割だろ?」

ライナー「おい、何だってそんな細かい事を気にすんだよ」

エレン「いや、でも」

アルミン「細かい事を気にしたらだめなんだ」

エレン「ここに人口の何割が……」

ベルトルト「別にいいじゃないか何割でも」

エレン「そ、そうだな……」

調査兵「一般参加者はこちらでーす!サークル参加者は──」

エレン「な、なんで調査兵団の人が案内してんだ!?」

アルミン「それについては並んでる時に話すよ、長くなるから」

エレン「お、おぅ……?」

──0600 東駐馬場

調査兵「4列に並んでくださーい!……皆さん、心臓を捧げてー!」

「「「はっ!」」」

エレン「え?は、はっ!」

調査兵「この列はBの5です!Bの5です!列を離れるときはこの番号を頼りに戻ってきてください!」

調査兵「列の固定は0830頃なので、それまでには列に戻ってきてください!取り残されます!」

調査兵「それではしばらくの間耐えていてください!もし周りに息をしていない人が居たらすぐに知らせてください!」

アルミン「さて、こっからが大変だよ」

エレン「ずっとここで待ってるんだよな?」

ライナー「ちゃんと暇潰しの道具は持ってきたか?」

エレン「わ、忘れた……」

アルミン「大丈夫大丈夫。話してればすぐだから」

ベルトルト「それじゃ僕は寝るよ……」

ライナー「俺はトイレ行ってくる。荷物頼んだ」

アルミン「分かった。それじゃなんで調査兵団が仕切っているのかでも話すよ」

アルミン「昔はローゼでやってたって言ったよね?」

エレン「言ってたな。いろいろあってシーナになったんだろ」

アルミン「そのいろいろっていうのが本の内容についてなんだ。過激な描写が青少年に悪影響が……みたいな」

エレン(やっぱり壁の外に興味を持たれると困る人が居るんだ……!)

アルミン「それで、イベント会場の運営に追い出されちゃってね……それでこのビッグサイトに移ってきたんだ」

アルミン「だけどまた問題が発生したんだ。憲兵団に目を付けられたんだ」

エレン「いけない本があるから、か?」

アルミン「そういうこと。昔は有志が集まって皆で運営していたから、成す術なく憲兵団に開催中止寸前まで追い込まれたんだ」

エレン「そんな……」

アルミン「そんな憲兵団の前に立ち塞がったのが調査兵団だったんだ」

エレン「調査兵団が?なんで?」

アルミン「調査兵団は巨人の居ない平和な世界を願って、人類の『自由』の為に命を賭けて戦っている志の高い人達の集まりだ」

アルミン「彼らは『自由』にとても強い思い入れがあるんだ。だから表現の自由が奪われることを良しとしなかった」

アルミン「もちろん憲兵団から強い反発があった。『壁の外で命を散らすことしかできない税金泥棒が』って」

エレン「内地に引きこもってるだけのくせにそんな言い方……」

アルミン「だけど調査兵団は一歩も引かなかったんだ。当時の団長はこう言ったんだ」

アルミン「『自由とは全ての人類に与えられた当然の権利である。誰であろうとこれを侵害することは許されない』」

アルミン「『それを妨げるものは例え相手が誰であろうと、例え命と引き換えにしてでも我々は最後まで戦い続けるだろう』」

アルミン「『我々の象徴である自由の翼……その翼に込められた意味は、自由への進撃である』」

エレン「おぉ……!」

アルミン「ちなみに当時の団長っていうのはキース・シャーディス。僕たちの教官だね」

エレン「え!?教官!?」

アルミン「何の成果も得られなかった、って言ってるけど本当はいろいろ守ってくれていたんだ」

エレン「教官……あんなにハゲ上がるまで……」

アルミン「まぁ最終的には審議にまでもつれ込んだ後、総統の『コミケ無くなったら困るわ』っていう発言で存続が決まったんだけど」

エレン「そ、そうだったのか……」

アルミン「だから今でも調査兵団が今も運営を担っているんだ。内地は憲兵団の影響力が強いから今でも嫌がらせがあるし」

エレン「なるほど……それで調査兵団が……」

アルミン「今こうして存続できている調査兵団とザックレー総統がこっちの味方だったっていうのが理由だね」

エレン「総統が味方するなんて意外だな、利か害かでしか判断しないんだろ?」

アルミン「訓練兵志願者や人材不足に悩む調査兵団に役立てられる、って言って利があるとしたんだ」

エレン「ん?」

アルミン「訓練兵は年齢制限を無視できるとか、調査兵団の人はサークルチケット貰えるみたいな特権つけて人を釣ってるんだ」

エレン「……それで釣れるのか?」

アルミン「人口の何割がここに来てると思ってるんだ」

エレン「そういやもの凄い人数がきてたな……」

アルミン「っていうのは建前で、ザックレー総統が毎回シャッター前に行くような大手サークルだったからっていうのが真実」

エレン「公私混同してんじゃねぇよ」

アルミン「まぁそれのおかげでこうしていられるんだから感謝しないと」

エレン「それもそうだな……って結構時間潰せたな。もう8時か」

アルミン「そうだね。まぁ、ここからが地獄だけど」

エレン「え」

ライナー「今戻ったぞ」

アルミン「長かったね、何かあったの?」

ライナー「熱中症かなんか知らんがトイレ列で何人も倒れててな……」


エレン「この程度の暑さで倒れちまうのか?まだ8時だぞ?」

アルミン「徹夜でもしてたんじゃない?」

ライナー「それは分からんが……おかげで列が進まなくて大変だったぞ」

エレン「そうか……ならトイレに行かないようにしないとな」

アルミン「頼むからちゃんと飲んでくれ倒れるから」

ライナー「倒れたらトイレ行けないどころの騒ぎじゃないんだぞ」

エレン「わ、わりぃ……」

──0830 列固定時刻〜東注馬場

エレン「列固定……だっけ?がそろそろなんだろ?」

アルミン「まぁ実際は40分ごろになることが多いけどね」

ライナー「おいベルトルト、起きろ」

ベルトルト「ん……?」

アルミン「そろそろ列固定だから」

ベルトルト「あぁ、ありがとう」

エレン「んで、列固定って何すんだ?」

アルミン「別に何もしないよ?」

エレン「え?」

ライナー「列から動くなってだけだ。座って待ってることに変わりはない」

ベルトルト「リストの再確認でもするかな……」

エレン「まだこのままなのか……」

アルミン「水でも飲んでゆっくり待ちなよ」

エレン「もう飲み飽きたぞ……」

──0900 東注馬場

エレン「あちぃ……」

ライナー「大丈夫か?」

エレン「平気っちゃ平気だけどよ……結構堪えるなこれ」

ベルトルト「壁際で風も吹かないからね……」

エレン「の割にはお前涼しそうだな」

ベルトルト「そんな事はないよ……」

ライナー「こいつはこれでもかなり苦しがってるんだぞ」

エレン「え、見えねぇよ」

ベルトルト「ご、ごめん……」

アルミン「水をたくさん持参して正解だろ?」

エレン「確かに。4Lって聞いたときは多すぎだろって思ったが……それくらい必要かもな」

ライナー「西待機と違って東は補給も絶たれているからな」

エレン「西?ってなんだ?ここ以外にも列があるのか?」

アルミン「西館に行く人はそっちに並ぶんだ。主に企業ブース目当ての人だね」

エレン「企業ブース?」

ライナー「お前はホントにカタログ読んだのか……?」

エレン「注意事項のとこだけ……」

アルミン「まぁ説明するけど。企業ブースっていうのはウォール教や商会、駐屯兵団、調査兵団なんかが居るスペースだよ」

エレン「ん?ここは素人の人が本を発表する場なんじゃないのか?」

アルミン「そうんだけど……プロやアマといった違いはあれど創作に対する意欲に違いはないんだ。だから受け入れる」

エレン「なるほど……」

アルミン「というのは建前で、運営資金を調達するために一般サークルとは比較にならない参加料を取る為にいるんだ」

エレン「おい」

アルミン「それは向こうも理解しているさ。その上で利益が出るから参加しているんだ。各兵団は志願兵の募集にも繋がるからね」

エレン「へぇ〜……いろいろあんだな」

アルミン「じゃあ回り終わって落ち着いたら調査兵団のブースに行ってみる?」

エレン「いいのか!?」

アルミン「もちろん。会場限定の壁外調査報告書とかもあるんだよ」

エレン「すげぇ!行く行く!」

──1000 開幕

ピクシス司令「注目!!」

エレン「!?」ビクッ

ピクシス司令「ただ今より!第83回コミックマーケットを開催する!」

「「「おぉー!!」」」パチパチパチ

エレン「は、拍手すんのか」パチパチ

アルミン「いつからあるのかは知らないけど毎回恒例だね」パチパチ

ライナー「さぁ、開戦だ」パチパチ

ベルトルト「今回は大手にあまり行かないから大丈夫なはず……」パチパチ

エレン「始まったんだな?もう中に入れんのか?」

アルミン「いや、多分あと30分くらいじゃないかな」

エレン「なんでだ?10時からなんだろ?」

ライナー「何人居ると思ってんだ」

アルミン「まぁいつでも動けるように準備しておいてね」

──1035 入場開始

アルミン「お、列が動き出したね」

エレン「や、やっとか……」

アルミン「地図はなくしてないよね?終わったら集合場所で待っていてくれ」

エレン「でかい廊下みたいなとこの、東6のほうのロッカーとか飲み物の販売所があるとこ。だよな」

アルミン「うん。僕は比較的すぐ終わるから僕のほうが先に待ってるかもね」

ライナー「俺は昼ごろには終わると思う」

ベルトルト「僕も昼過ぎだね」

エレン「わかった。それまでいろいろ見て回ってみるよ」

ライナー「検討を祈るぞ」

ベルトルト「幸運を」

アルミン「生きて帰るんだよ」

エレン(戦いに行くみたいな雰囲気だな……)

──1040 東6〜創作・アニメ・ゲーム(男性向)

エレン(すげぇ人だな……流されそうだ)

エレン(えぇーっと……アルミンが『エレンはこの辺りに行くといいいんじゃないかな』って言ってたのはここであってるよな)

エレン(へぇ〜……いろいろあってどれ見ればいいのか分かんねぇぞ)キョロキョロ

エレン(なんかどの本も薄いけど、素人が描いたとは思えないくらい絵が綺麗だな……だが)キョロキョロ

『バカとお芋と性教育』『とある兵団の性奴隷』『チビとノッポと時々ホモ』『俺がモテないのはどう考えてもてめぇが悪いジャン?』

エレン(なんだこの不穏なタイトルは……ん?なんだ?この本の表紙の子、ミカサに似てるぞ……?)ジー

売り子さん「よかったら見ていってください」

エレン「見てもいいんですか?」

売り子さん「どうぞー」つ『俺の家族がこんなに可愛いわけがない』

エレン「は、拝見します!」

エレン(この子はエレナって言うのか……なんか俺に似てるな……)ペラペラ

エレン(この子がミカさんか、なんかミカサにそっくりだな)ペラペラ

エレン(な、なんだ……?ミカさんが脱ぎだして……エ、エレナを襲い始めたぞ!?)

エレン(なんだこの本!?エロ漫画じゃねぇか!?しかももの凄い過激じゃないか!?これいけないものなんじゃ!?)

エレン(ライナーが言ってた過激な本ってこういうものの事だったのか……!)

エレン(でもすげぇ……なんだこれ!?ミカサにそっくりの子が俺に似てる奴を……って俺は何を考えてんだ!?)

売り子さん「どうですかー?」

エレン「あ、あの!えっと!こ、これっ!1冊ください!」

売り子さん「ありがとうござ……あ、年齢確認できるものお願いします」

エレン「はい!」っ兵団証

売り子さん「あ、訓練兵の方ですね。OKです、500円ですー」

エレン(高けぇ!?って手提げバッグもくれるのか)

売り子さん「ありがとうございますー!」ペコッ

エレン「ありがとうございます……」ペコッ

エレン(勢いで買っちまったぞ……)

エレン(けどなんだ?なんなんだこの高揚は……?すげぇ興奮してるぞ俺)

エレン(こういう本がたくさんあるのか……?)

エレン(もっと見てみたくなってきたぞ……)

エレン(もっと……買い尽くしてやる……ミカさん本を!1冊残らず!!)

──1130 東5〜創作・アニメ・ゲーム(男性向)

エレン「これ1冊ください」

売り子さん「500でーす」

エレン「はい」っ500円

売り子さん「ありがとうございますー」ペコッ

エレン(だんだん慣れてきたな)

調査兵「ここ一方通行でーす!」

エレン(うぉっ、そんなもんあんのか……まぁこの混雑じゃ当たり前か)

マルコ「やぁ!エレンじゃないか!」

エレン「マルコ!?お前何やってんだ?」

マルコ「見ての通りサークル参加だよ」

エレン「へぇ〜、お前同人誌描いてたのか!」

マルコ「そんなに絵は上手じゃないけどね……エレンこそ意外じゃないか、コミケに来るなんて」

エレン「アルミンについてきたんだ」

マルコ「あぁ、なるほど」

エレン「そんなことより、マルコが描いたの見せてくれよ」

マルコ「え、いいのかい?はい、これ」っ『醜い馬面の子』

エレン「ぷはっ!なんだこのジョンってやつ、まるでジャンみてぇだな!」ペラペラ

マルコ(まぁジャンなんだけど)

エレン「こいつミカさんに恋してんのか〜……って見向きもされねぇのな!」ペラペラ

マルコ「ど、どうかな……?」

エレン「すげぇ面白かったぞこれ!1冊くれよ!」

マルコ「あ、ありがとう!500円だよ!」

エレン「おぅ!」っ500円

マルコ「あとこれ!知り合いにだけ配ってるコピー本なんだ」っ『ミカさん@振り向かない』

エレン「印刷じゃなくて手描きなのかこれ、すげぇな……貰ってくよ」

マルコ「ありがとう」

エレン「冬も出るのか?」

マルコ「もちろん出る気でいるよ。出れるかは分からないけど……」

エレン「お前なら大丈夫だ!」

──1150 東5〜創作・アニメ・ゲーム(男性向)

エレン(結構な荷物になってきたな……)

エレン(紙袋くれる人が居たから助かったが……次からは本を入れるバッグも持ってこないとな……)

調査兵「はい列通りまーす!あ、すいませんっ!列通りますはい列通りまぁああす!!」ゾロゾロ

エレン(すげぇ列だな!これがサークル列ってやつか……きっともの凄い人気なんだろうな)

エレン(いったいどんな人がやってるサークルなんだ……?)

ダズ「あ、はい……新刊とグッズセットと……タペストリーですね」

エレン(ダ、ダズ!?え、ウソだろ!?)

ダズ「5,000円です……はい、ありがとうございます……あっ、差し入れ?ありがとうございます」

エレン(ダズすげぇな、意外な一面だ……っていけねぇ、そろそろ時間だな。集合場所に行くか)

──1200 ガレリア東6前〜ロッカー室兼飲み物販売所

エレン「ここであってんだよな?」キョロキョロ

アルミン「あ、エレン!こっちこっち!」

エレン「アルミン!ってもうみんな居るのか」

ライナー「あぁ、いくつか売り切れがあってな……」

ベルトルト「列がなかなか進まなくてね……委託に回したんだ」

エレン「なんかよくわかんねぇけど大変だったみたいだな」

アルミン「初参加にしては結構買ったね」

エレン「あぁ、いろいろ見て回ってたらどれも欲しくなってきちまってよ」

ライナー「ほぅ?どれどれ見せてみろ」

エレン「いいぜ、ほら」

『俺の家族がこんなに可愛いわけがない』『やはり私の腹筋はまちがっている』『這いよれ!あっかーにゃん!』『進撃の腹筋』

アルミン(ほぼミカさん本じゃないか……)

ライナー(どんだけ気に入ったんだこいつ……)

ベルトルト(あ、マルコのとこ行ったんだ)

アルミン「ミ、ミカさんが好きなんだね……」

エレン「なんか気になるっていうか、目に留まるんだよ」

アルミン(多分ミカサに似てるからじゃないかな……)

ライナー(どんだけミカサ好きなんだこいつ……)

ベルトルト(あ、ここのサークル出てたんだ。チェック漏れかな)

エレン「自分でもびっくりしちまったよ、こんなに買っちまうなんてよ!」

アルミン「まぁ楽しめたならいいんじゃないかな」

エレン「ああ!すげぇ楽しいな!冬も来ようぜ!」

ライナー「これでお前も戦士だな」

ベルトルト「だね」

エレン「あぁ!よくわかんねぇけどそうだな!」

アルミン「すっかり終わった気分でいるけど調査兵団ブースを忘れてないよね?」

エレン「はっ!?すっかり忘れてた!お、お金が……!」

アルミン「だろうと思って僕が行っておいたよ……はいこれ」

ライナー「それくらいの管理もできないとは戦士失格だな」

エレン「あ、ありがとなアルミン!これが調査兵団の……!」

アルミン「僕が行った時にはまだ売り切れがそんなになかったからね、いろいろあるよ」

エレン「一部売り切れがあったのか……なにが売切れてたんだ?」

アルミン「ペトラさんの抱き枕」

エレン「ならいいや」

アルミン(見ろ、全くブレがない)

ライナー(ミカサ以外には全くの関心を示さないな)

ベルトルト(あ、ミケ日記だ)

エレン「これが壁外調査報告書か……って漫画になってるのか」

アルミン「色んな人に広く知ってほしいって読みやすくしてあるんだよ」

ライナー「ちなみにリヴァイ兵長が描いてるんだぞ」

エレン「すげぇ……さすが人類最強の男……!ん、これはなんだ?」『清掃指南書第98巻〜銀製品編〜』

アルミン「リヴァイ兵長がお掃除のコツをまとめている本だね。主婦に人気なんだよ」

エレン「兵長はなんでもできるんだな……」

アルミン「他にもいろいろあるけど……戦利品を漁るのは家に帰ってからだ。これはマナーだよ」

エレン「え、そうなのか?」

ライナー「荷物整理くらいならいいが、読むのはアウトだ。理解のない人に変なイメージを持たれるぞ」

エレン「じゃあこの紙袋もアウトか?」

ライナー「公式で無地の紙袋売ってるから貰ってこい」

エレン「あぁ……わかった。ところでライナー」

ライナー「なんだエレン」

エレン「ここって3日間で60万人くらい来るんだろ?人類の半数以上が来るなら気にしなくてもいいんじゃ──」

ベルトルト「細かい事を気にしてはダメだよ……」

エレン「いや、でも」

ライナー「ベルトルトがこう言ってんだ。気にすんな」

アルミン「そうだよエレン、ベルさんがこう言ってるんだから」

エレン(ベルトルトは何者なんだよ)

──1251 壁際展示場駅

エレン「もう帰るのか。まだ昼だぞ」

アルミン「帰りの船を考えるとね」

ライナー「それに俺達はもう回るとこ回ったからな」

エレン「お、俺はまだいろいろ見て回りたかったぞ……」

アルミン「帰りの交通費まで僕に奢らせる気かい?」

エレン「うぅ……」

ライナー「次はしっかり準備してくるんだな!」

エレン「そうするよ……」

アルミン「あ、馬車が来たね」

エレン「なんか寂しいな……明日の昼には訓練所か」

ライナー「さぁ、現実に帰るぞ」

エレン「なんかあっという間だったな」

アルミン「夢なんてそんなもんだよ」

──1800 翌日〜男子寮201号室『エレン・アルミン・ライナー・ベルトルト』

エレン「みかさ……」zzz

アルミン「くりすた……」zzz

ライナー「くりすた……」zzz

ベルトルト「Lionhart...」zzz

ミカサ「……」

ミカサ(エレンが私に内緒でどこかに出掛けていたらしい……そして今日帰ってきてくれた)

ミカサ(にも関わらず私に会いもせず寝ているってどういうことなの……?)

ミカサ(私を独りにしておきながらどうしてそんなに気持ちよく寝ていられるの……?)

ミカサ(そもそもどこに行っていたの?私に言えないような場所?)

ミカサ(この荷物はお土産?ならこの紙袋を漁れば何かわかるの?)ガサゴゾ

ミカサ(本がたくさん?本を買いに行ったの?やけに薄い本ばかり)ガサゴソ

ミカサ(こ……これは……?なに?)

『内地際のミカさん』

ミカサ(……私にそっくり)

ミカサ(この子がエレナ……エレンに凄く似ている。とても可愛い)ペラペラ

ミカサ(ふふっ……まるで私とエレンみたい……)ペラペラ

ミカサ(え……?なに?ミカさんがエレナに媚薬を?どういうことなの!?)ペラペラ

ミカサ(ミカさんが……エレナを……お、襲って……す、凄い……!)ペラペラ

ミカサ(ってそうじゃない!エレン!?どうしてこんな本を持っているの!?)

ミカサ(ちょっと私に似てる子の本ばっかりだからちょっと嬉しい気もしなくはないけど)

ミカサ(……!そういうこと?そういうことなのエレン?つまり私とこの本みたいなことをしたいってこと……?)

ミカサ(そういうことなら……少し恥ずかしいけど頑張ろう……!)

ミカサ「エレン起きて」ユサユサ

エレン「ん……?ミカサ……?」

ミカサ「これ」っ『鋼の腹筋術師』

エレン「うわっ!?ミ、ミカサ!?ち、違うんだそれは!?」

ミカサ「こういうこと、したいの?」

エレン「違うんだ!これはえっとその!?」

ミカサ「いいよ……たくさんしよ?」

短いけど終わりです
SS深夜で書くのは初だけどこっちでも今後ちょくちょく書くかも
VIPで書いた奴もよろしくね

まさかエレンがミカサの事を好きっていう設定でss書いてた人か?
そうだとしたら嬉しい

>>45
ミカサ「エレンの心の声だけが聞こえる都合のいい薬を作ってほしい」
キース「割と暇な訓練教官の日常」
とかです

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