ベルトルト「新宿の巨人」ユミル「西口」(176)

エルヴィン「諸君ら104期を呼び出したのは他でもない。明日一日かけて遠征調査に行ってもらう」

一同 ザワ

ベルトルト(僕たちが初参加する壁外調査は2週間後のはず……)

エルヴィン「調査と言っても壁外ではない。この世界の外だ」

ベルトルト(!?)

エルヴィン「昨日、地下の食料庫の荷台に乗り……なんやかんやでつきあたりの壁につっこむと」

エルヴィン「異世界に行けることが判明した」

ベルトルト(また適当な)

新宿駅周辺を舞台にした調査兵団104期の一日。
一応新宿と銘打っていますが、ただ巨大な街を想像してくだされば。

ベルトルト視点、主にユミルとの話。10巻未読の方はネタバレあり

単体でも読めるように頑張りますが、以下ssと同日の話のはずなのでこちらもよろしく。
エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」
エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1374319672/)

前回と同様、たまに時間とびます。

エルヴィン「昨夜、ハンジとリヴァイが荷台で遊んでいた際に発見した」

リヴァイ「エルヴィンお前もだろ」

ハンジ「レースで負けたからって、情報操作はよくないよ〜」

ベルトルト(踏みつぶしてやりたい)

エルヴィン「この世界ではない、未来世界に存在する極東の島国に繋がった」

エルヴィン「早急な調査が急務である。この世界にとって有益な情報が得られるかもしれない」

エルヴィン「よって諸君ら104期の中から志願者を募り、スパイを送ることを決定した」

ジャン「なんだよそれ」

コニー「非科学的じゃねえか」

サシャ「コニー、キャラがぶれてます」

エルヴィン「志願者は明日、その荷台に乗り、目標の地域の最重要人口密集地帯に送られる」

エルヴィン「シンジュク駅という巨大なダンジョンだ」

エルヴィン「そこで君たちには現地の人間や文化を偵察してきてほしい」

クリスタ「偵察……見るだけでよいのですか?」

ユミル「戦闘が起こる可能性は?」

ハンジ「私が昨日事前調査に行ってきたけど、基本的に治安はいいし確率は極めて低いと思うよ」

ハンジ「皆格闘術を心得ていないもやしっ子みたいだったしね」

ハンジ「まあ難しいことはさておいて、純粋に未来の異国を楽しんでくるといいよ」

ハンジ「ただ、シンジュクダンジョンは現地の人間でさえ飲み込む迷宮だよ……気をつけてね」

一同 ゴクッ

エルヴィン「以上だ。志願者は明日9時ここに集合」

エルヴィン「約1時間ハンジより向こうの情報を聴講したのち10時出発だ。それでは解散したまえ」

ベルトルト(これ……まずくないか)

――解散後 ザワザワ

ベルトルト「ライナー」トントン

ベルトルト「ちょっといいかい」

ライナー「ああ。未来の異国とは驚きだが……こりゃまずいことになったな」

ライナー「もし発達した技術や知識を人間側が習得してしまったら」

ベルトルト「厄介だね」

ライナー「明日全員行けなくなるというのが一番良いんだが、雨天決行だしな」

ベルトルト「地下だからね」

ベルトルト(ピクニックに行くんじゃないんだよライナー)

ベルトルト「荷台壊すのは……だめか」

ライナー「だめだな。この話を聞いたのは104期だけだ。怪しまれて今後の作戦に支障がでる」

ライナー「……明日は行こう、ベルトルト」

ライナー「こちらの利益になる情報もあるはずだ」

ベルトルト「確かにそうだね……」

ライナー「明日は行って、あいつらが有益な情報を持ち帰るのを極力阻止する」

ライナー「知識や経験は難しいが……せめて物資をこっちに持ってこさせないように」

ライナー「向こうで俺たちが任務失敗か何かすれば済むことだ。ノルマはないしな。それで問題ない」

ベルトルト「ああ」

ライナー「ただ……早い時間から物資調達の妨害をしてしまうと」

ライナー「帰還までに何らかの対処をされてしまう可能性がある。何度も妨害すれば怪しまれるしな」

ベルトルト「やるなら帰還間際に物資紛失発覚、ぐらいがちょうどいいね」

ライナー「ああ。しかし誰にも疑われないことが前提だ。少しでも危険を感じたら身を引こう」

ベルトルト「賛成だ」

ライナー「それと、アルミンには注意しろ。あいつは賢いからな。一番効率良く的確な情報収集をするだろう」

ベルトルト「うん」

ライナー「ベルトルト。明日、初めのうちは行動を共にしよう」

ライナー「手分けするかどうかは状況次第。いいな」

ベルトルト「わかった」

ベルトルト(やるべきことはあるけど……巨人がいないであろう世界か)

ベルトルト(いや、僕が行ったら巨人がいる世界になるのか)ムム

ベルトルト(……アニがいたら、僕はもっとワクワクしたのかな)


エレン「おーいアルミン!」

ベルライ「!」

アルミン「なんだい?」タタタ

エレン「何かゲッソリしてないか? 団長に何か言われたのか?」

アルミン「あはは……まあ。明日のことで」ハァ

エレン「やっぱ行くよな?」キラキラ

アルミン「もちろん行くさ! 異世界なんて、興奮で今夜は寝不足になりそうだよ」キラキラ

ミカサ「ふたりとも今日は早く寝よう。必要なら子守唄を歌ってあげる」

ライナー「しかし壁の外に出るより先に、世界の壁を超えるなんてな」

ベルトルト「おかしな話だね」

ジャン「任務っつーくせにノルマがないみたいだな」

ユミル「つまりはバカンスだろ」

クリスタ「楽しみだね。お土産いっぱい買っちゃお」

サシャ「お肉いっぱい食べられますかね///」ハァハァ

コニー「芋くらいはあんじゃねーか、芋女」

サシャ「夢が膨らみます!ですがその前に、夕食の時間ですよ!行きましょう皆さん!」

ゾロゾロ

DOD Eエンドかと思った

西口きたー
期待

待つ間に東口を読み返してくる

待ってた

楽しみにしてます

続編来た!

>>10 - >>14 行数は前回と同じくらい。完結はお約束!

翌日

1000――地下食料庫

エルヴィン「志願者はこれだけか。心より尊敬する」

ベルトルト(尊敬されても困るな。敵だし。妨害するし)

ハンジ「じゃあ向こうの情報も伝えたところで、出発するよ!荷台に乗って乗って!」

ベルトルト(なんだかさっきから嫌な感じ)

ベルトルト(ユミルの視線を感じる。嫌いだあの人、こわいもん。)

『さあみんな。

君たちは今荷台に揺られている。この暗がりを抜けたらシンジュクダンジョンに到着するよ。

でも手が滑っちゃって。到着地点がJR中央線、東京行きのホームになっちゃった。ごめんね。

君たちの任務。それはこの世界の情報をなんでもいいから集めてくること。

そして、この国の要である超大型ダンジョン、シンジュク周辺の調査だ。

でもこれは外形的な任務内容。旅行に行ったと思って楽しんできてよ。

緊急のため、立体機動装置は装備、雨具で隠しておくこと。一般人との混乱、戦闘は極力避けてね。

帰還は、2200。JR新宿駅西口、世界時計前に集合だ。帰りの荷台がくるから。

遅れたら最期、戻ってこれる保証はできないから覚悟してね。

それじゃあ良い旅を! ハンジより』

ガタンガタン

ライナー「真っ暗だな。本当に目的地に進んでいるのか?」

アルミン「はは……明るくなってのお楽しみってとこかな」

ミカサ「減速してる、到着するみたい」

サシャ「緊張しますね!」

コニー「俺が一番に降りるからな!」

エレン「はあ?子どもかよコニー。俺が先だろ」

ジャン「どけよ、前見えねえよ」

キキィーッ

エレジャンコニ「わっ」グラッ

エレジャンコニ「うわあああ!」スッテンコロリン

プシュー

クリスタ ピョン

クリスタ「いちばんのり!」ウフフ

ライユミ(結婚)

1005――JR新宿駅 中央線東京行ホーム

ガヤガヤ

エレン「ここが、シンジュクダンジョン!!」

ライナー「すげえ人の数だ!押し流されちまいそうだな」

ユミル「安心しろ、ゴリラは流されねえから」

アルミン「出口へは階段を下るみたいだ」

エレン「なんかすげえのあんぞ!」

アルミン「あれがハンジさんの言ってたエスカレーターって乗り物だね」

エレン「乗ろうぜアルミン!ミカサ!」ワクワク

アルミカ「うん!」

スタスタ

ライナー「甘いなエレンは。ラクしてたら兵士失格だぞ、常に鍛えなければな」クリスタチラッ

ライナー「俺とベルトルトはそこの階段からいかせてもらう」

ベルトルト(変なとこ格好つけないでよ…)

スタスタ

階段下 ガヤガヤ

ベルトルト「……」

ライナー「……」

ライナー「あ、あれ。誰も来ないな……。エレンたちのすぐ近くの階段下っただけなのに」

ベルトルト「迷宮……」

ライベル ゾッ

ライナー「い、いや。元々2人で行動するつもりだったからな。何の問題もない」

ベルトルト「そうだね……で、どうしよう。とりあえ」

ライナー「しっ!」

ベルトルト「!?」

ライナー「……」

ベルトルト(……?)

ライナー「……おいベルトルト……聞いたか今の会話」

ベルトルト「通行人の?聞いてないけど」

ベルトルト(地獄耳)

ライナー「今から俺たちは、東京都庁に向かう」

ベルトルト「トウキョウトチョウ?」

ライナー「なんでも東京都庁とは、この地域の、そしてこの島国の重要な機関らしい」

ライナー「しかもだ」

ライナー「しかもその建物なんだが……国の緊急時にはスーパーロボットとかいう巨大生物に変形するんだそうだ」

ベルトルト「建物が!?それって」

ライナー「ああ。おそらく最高レベルの技術」

ライナー「そして……巨人の力と何か関係があるかもしれない」

ベルトルト ゴクリ

ライナー「目指すべき場所は決まったな。俺達は中央西口を出るぞ!」

ベルトルト「ああ!」

ベルトルト(ライナー!やはり君は頼りになる戦士だ!)




ベルトルト(と、思っていた時期がぼくにもありました)

ベルトルト(結局ライナーこの後、やはりただの恋愛野郎になるのです)

1055――西口 都庁方面 地下通路

トコトコ

ライナー「来る途中にあったヨドバシカメラというところはすごかったな」

ベルトルト「ハイテクすぎて理解に苦しんだね」

ライナー「なぜ離れた所で相手の声が聞こえるのか」

ベルトルト「なぜ枠の中に人がいるのか」

ライナー「なぜ食器を手で洗わないのか」

ライベル「……」

ライナー「……フィルムカメラっていうのを1つずつ買ってきてしまったな」

ベルトルト「これを構えて、ボタンを押すと、押した瞬間の景色が紙に表現されるって言っていたよね」

ライナー「現像ってのに出さなくては見れないのが残念だが……」

ベルトルト「現像する必要はないさ」

ライナー「そうだな。人間たちに情報は渡さない。ふりだけだ」

ライナー「これを持っているだけで情報収集しているようには見えるからな。いいカモフラージュになる」

ライナー「……」

ベルトルト(……ライナー?)

ライナー「……」

ベルトルト(……!)ハッ

ベルトルト ニコッ ピース

ライナー カシャッ

ベルトルト「面白いね」

ライナー「だな。もう1枚ぐらい撮ろう」フィルム マキマキ

ベルトルト ニコニコ

ライナー「……」

ベルトルト ニコニコ

ライナー「……」

ベルトルト(早く撮ってよ……)ニコニコ

ライナー「さっきからクリスタの気配がする」

ベルトルト(うわでた)


ベルトルト「この通路にはいないよ?勘違いじゃない?」

ライナー「いや確かに……」キョロキョロ

ベルトルト「ほらほら、長い地下通路も終わり。もう出口だ」

ベルトルト(外だ……)

ライナー ハッ!

クリスタ「ライナー!ベルトルトー!」フリフリ

ライナー「///」フリフリ

ベルトルト(うわあ道路の対岸でばったり)

ベルトルト(この地下通路は道路を隔てて平行に2つ並んでいたんだ……まぎわらし)



で、なぜ僕はユミルとふたりきりになったのか。

答えは簡単。女神がサイコロをふったんだ。

『私、ライナーとトウキョウトチョウまでお散歩したいな ウフフ』

クリスタってライナーのこと好きだったの?意外……。

ライナー卒倒しそうなくらい嬉しそうな顔してたな。もう戦士としての仕事は望めまい。

ああ、ユミルがこわい。よくわからないけどこわい。


1115――損保ジャパン東郷青児美術館(42階)

ユミル「ほれベルトルさん。チケット」

ベルトルト「ありがとう」

ユミル「クリスタは……私がベルトルさんのことを好きだと思っている」

ベルトルト「だからこうなったの?」

ユミル「信じこんだら厄介な奴なんだ。私はこの日をクリスタと過ごさなければならなかったんだが……」

ベルトルト(ならなかった?不思議な言い回し)

ベルトルト「なんかごめん」

ユミル「なんで謝るんだ。しかし……何をされるかわかったもんじゃないからな」

ベルトルト「ライナーは確かに変態だけど、ちゃんと理性の働く男だと思うよ」ハハ

ユミル「そうじゃなくて」

ベルトルト(?)

ユミル「……おお……こりゃあすごい」ジー

ベルトルト(窓?)

ベルトルト(へえ……さすが42階。高い)

ベルトルト(地面がごつごつしているのは全て建物なのか。素晴らしいけど趣はないな)

ベルトルト(どこ踏んでも痛そう)

ユミル「高えな」

ベルトルト「そうだね」

ユミル「高所は好きか?」

ベルトルト「どうだろうな。でもまあ全体を眺めるのは好きかな」

ユミル「なんでだ?」

ベルトルト「自分がどうあるべきか、わかるからね」

ユミル「周囲を見て判断するのか」

ベルトルト「所属組織を見て」

ユミル「従順なんだな。でも調査兵団なんて変人ばかりじゃないか。ならっていたら変人になるぞ」

ベルトルト「確かに」

ユミル「ふうん。だからこんなにのっぽになったのか」

ベルトルト「そうかもしれない」

ユミル「……ここは地上から170mくらいあるそうだが、ベルトルさんがやけに落ち着いてるのも身長のせいか」

ベルトルト「まあね、慣れているんだろうな。でもこんなに高いのは初めてだよ」

ユミル「ああ。ベルトルさん何人分なんだろうな」

ベルトルト「170mを身長で割るから……えっと」

ユミル「ざっと3人前後かね?」

ベルトルト(ん?)

ベルトルト「……」

ユミル「……」

ベルトルト「計算は苦手なのかい?」ニコ

ユミル「凡ミスが多くて困っているんだ」

ベルトルト「そう。写真撮って行こうっと」カシャ

ベルトルト(何だ今の)

二人の腹をさぐりあう微妙な緊迫感がいい!!

面白いなあ

薄氷を踏むようなやりとりがいいよねえ

続き期待

>>30->>33 ありがとう。これからもっと攻防されるつもり

1210――損保ジャパンビル外

ベルトルト「美術館楽しかったね」

ユミル「ここの奴らの美的感覚は分からなかったけどな」

ベルトルト「綺麗なひまわりだったじゃないか」

ユミル「あっそ」

ユミル「ま、絵画をたしなむなんて、シーナのお偉いさんたちぐらいしかやんねえよな」

ユミル「さて」

ベルトルト「うん」

ユミル「待ち合わせ……したよな?」

ベルトルト「うん」

ユミル「いないよな?」

ベルトルト「うん。迷子かな」

ユミル「……いや。クリスタは来ない」

ベルトルト「? 普通の友達なら、さすがに何も言わずに消えないと思うよ」

ユミル「普通の友達ではないんだ。残念ながら」

ベルトルト「愛し合ってでもいるの」

ユミル「ああ。クリスタは私のことが大好きだぞ」

ベルトルト「じゃあなぜ消えたの」

ユミル「だから愛ゆえにだよ、おそらくは」

ベルトルト(意味不明。めんどくさ)

ユミル「……」

カシャ

ユミル「なに撮ってんだよ」ギロ

ベルトルト「ご、ごめん」

ベルトルト(ただの枚数稼ぎ)

ユミル「クソあのゴリラ、クリスタをさらいやがって……」チッ

ユミル「おいベルトルさん!しょうがねえ、探索いくぞ!とりあえずなんか食う」

ベルトルト「いたた!ひっぱらないでよ」ズルズル

――青梅街道

ベルトルト「ここは」

ユミル「随分大きな通りだな…青梅街道?って書いてあるぞ」

ベルトルト「大きな道に大きな橋だ」

ユミル「とりあえず渡るか」

トコトコ

ユミル「見ろあっち、デンシャの通ってる方。ちゃらちゃらした繁華街みたいだ」

ベルトルト「ほんとうだ」

ユミル「どうやらあっちに行けばダンジョン東口にいけるみたいだぞ、行ってみるか」

ユミル「とその前に」

ベルトルト「?」

ユミル「そこに寄って行こう」

――青梅街道 喫茶店

ベルトルト「何にする?」

ユミル「なんでも。よくわからないし」

ベルトルト「あ、すみません。この生クリームのついたラテとブレンドコーヒー……」

ベルトルト「あとこれとこのサンドイッチください」

ユミル「ははっ! 生クリームなんてベルトルさんずいぶん甘党なんだな!」

ベルトルト「え?これはユミルのなんだけど……」

ユミル「は?」

ベルトルト「ユミルって甘党でしょ?」

ユミル「いやまあそうだが……ベルトルさんに言ったおぼえはないぞ」

ベルトルト「うん。だって見てて気づいていただけだから」

ユミル「洞察力ってやつか」

ベルトルト「はは。身長あるからね。皆がよく見えるんだ」

ユミル「フン。先席いくぞ」

ベルトルト「おまたせ。よっこいしょ」ストン

ユミル「ほらよ、代金だ」ジャラ

ベルトルト「ぼくが勝手に頼んだんだ。いいよ」

ユミル「おごってくれんのか?じゃあもっと高いもんだだこねりゃよかったか」

ベルトルト「他に欲しいものあった?」

ユミル「冗談だ」

ベルトルト「なるほど。でも何かあったら言ってね」

ユミル「そういう言動はいかがなものかね」

ベルトルト「え?」

ユミル「スケコマシじゃあるまいし、女にホイホイおごるなよ。お前アニが好きなんだろ?」

ベルトルト(えっ)

ユミル「洞察力が優れているのはお前だけじゃない」

ユミル「私も身長あるからさ。周りがよく見えるんだ。女にしてはだけど」

ベルトルト「真似しないでよ。……よくわかったね。でも語弊があるよ」

ユミル「語弊?」

ベルトルト「好きと言うより、勝手に僕の支えになってもらってると言ったほうが僕はしっくりくる」

ユミル「同じだろ」

ベルトルト「そうかな。あとまあ……ちょっと喋っただけで勘違いしちゃうやつ」

ユミル「思春期だもんな」

ベルトルト「そう」

ユミル「アニに何か買ってってやれよ、女ってそういうの喜ぶだろう」

ベルトルト「どうだろう」

ユミル「みやげ話もしてやれ」

ベルトルト「……次はいつ会えるんだろう」

ユミル「期待じゃなくて実行しろよ」

ベルトルト「そうかもね」

ユミル「……」

ベルトルト(……?ユミル外見てる)チラ

ベルトルト「アルミン」

ユミル「だな」

ベルトルト(通行人に話しかけてる……)

ユミル「紙持って聞き込みってとこだな。だが保護者がいないぞ」

ベルトルト「保護者?」

ユミル「ミカサとエレンだよ」

ベルトルト(なるほど)

ユミル「1人でこっちの人間と接触するなんて、随分スリリングなことするもんだな」

ベルトルト(ひとりで……あれは特別任務か。内容を知りたいところ)

ユミル「学者や研究者肌なんだろうけど、全く、これだから物好きは」

ベルトルト「ユミル」

ユミル「なんだ」

ベルトルト「おかしくないか?」

ベルトルト「アルミンに話しかけられた人が、皆怪訝な顔で逃げるように去っていく」

ベルトルト「相談に乗ってあげたくなるような可愛らしい顔なのに」

ユミル「ホモか」ゾッ

ベルトルト「客観的に見てだよ」ム

ユミル「ここはビジネスマンが多いし、晴れた日に雨具で怪しいからだろ」

ベルトルト「そうなのかな」

ユミル「あ、見ろ。あのばばあアルミンと仲よさげに話してる」

ベルトルト「ほんとだ」

ユミル「仲よさげに話して……?」

ベルトルト「腰に手を……?」

ベルトルトユミル「すべらせて……?」

ベルトルト「……」

ユミル「……」

ベルユミ「あれはだめなやつだ!」ガタッ

面白い

アルミン「助かったよ!ふたりとも!」ウルウル

ベルトルト「あんな奴投げてやればよかったのに」

ベルトルト(ユミルといなかったらほうっておいたのに)

ユミル「脚すくんじまったのか?アルミンちゃん」

アルミン「あはは……分からないことがあって聞き込みしていたんだけど、なかなか皆答えてくれなくて」

アルミン「でもやっと答えてくれそうな人だったから」

ユミル「何聞き込みしてたんだ?」

ベルトルト「協力するよ?」

ベルトルト(正確には、阻止するよ、の間違いだけど)

アルミン「えっと……これは団長からの任務だから、答えることはできなくて」アセアセ

ユミル バッ

アルミン「ちょっユミル!紙奪わないでよ!返してくれよもう!」ピョンピョン

ユミル「んーと。なになに……」

ユミル「」

アルミン ピョンピョン

ユミル「ベルトルさん……パス」パサ

ベルトルト「?」ペラッ

アルミン「ふたりともおっきすぎ!」ピョンピョン

ベルトルト(……これは)

ベルトルト「こ、これについて聞きまわってたの?」

アルミン「うん。それが一番早いじゃないか」

アルミン「内容はよくわからないけど……でも売っている場所がわかればなんとかなるから」

ユミル「アルミン。なけなしの母性で1つ質問してもいいか」

アルミン「?」


ユミル「精通、してる?」

――

アルミン「べうとうとー……」ポー

ベルトルト「うん」

アルミン「ぼふはひんでしまいたいー」ポー

ベルトルト「死んではいけないよ」

ベルトルト(気の毒だとは思うよ)

アルミン「……いや。ちょっとだけ察してはいたんだ。僕だっていつまでも坊やじゃないからね……」

アルミン「だけどさ、まさかさ、まさか調査兵団の資金で」

アルミン「大人のオモチャを買うなんて夢にも思わないだろ……」

ベルトルト(確かに)

アルミン「僕は淫乱兵団に入団した憶えはないよ……ピチピチの15歳に何を任せているんだ」ゲッソリ

ベルトルト「一体どれだけの人にこれを聞いて回ったか……」

アルミン「知りたい?」フッ

ベルトルト「結構です」ゾッ

ベルトルト「そしてユミル。そろそろ笑うのやめてくれ。アルミンがもう限界だ」

ユミル ゲラゲラ

ベルトルト(この任務は阻止、しなくてもいいよね。ばかばかしい)

>>44 ありがとう嬉しい!

寿司食べてくる。またあとで

アルミンカワイソスwwwwwwwwwwww

ハンジだな(確信)


気の毒すぎるwww

ヅラヴィンは何考えてんだよ

>>50->>53 感想ありがとう!


ユミル「はー!笑った笑った!ところでさ」

ユミル「なんでお前ひとりぼっちなんだ?ご両親はどちらに?」

アルミン「エレンとミカサなら別行動中だよ。僕はこういった極秘任務を託されたから」

ベルトルト「いくつもあるの?」

アルミン「うん」

ベルトルト(兵団から指定された情報と物資の調達役はアルミン1人だけなんだ)

ベルトルト(アルミンの行動を阻止できれば上出来、かな)

ユミル「なあお前、その任務……」

ユミル「兵団のお荷物になりたくないから受けたのか」

ユミル「2人をくっつけるために受けたのか」

アルミン「半分ずつってところかな」

ユミル「最悪の回答だ。3人で壁外を探検しますーみたいな夢があんだろ?」

アルミン「うん。でも今回は2人が幸せになってくれたら、僕は幸せだ」

ユミル「欲張らないと死ぬぞ」

アルミン「人並みに欲張りだと思うけど」

ユミル「……寂しいな、お前」

アルミン「……?」

ユミル「みなしごなのはお前も同じなのにな」

ユミル「いくら健気に尽くしても、あの家族には入れない」

アルミン「へえ、ユミル」

アルミン「なかなか痛いところをついてくるね」ニコ

ユミル「痛いか」

アルミン「ちょっとね」

アルミン「でもいいんだ別に」

ユミル「?」

アルミン「エレンが駐屯兵団に囲まれたとき」

アルミン「僕は思っていたほど2人の足手まといになってないって気付かされたから」

アルミン「僕はもうそれだけで」

ユミル「いいのか?」

アルミン「ああ。それに僕ら、皆みなしごみたいなものだろう。文句は言わないよ」ニコ

ユミル「……」

ユミル「やってやるよ、その任務」

アルミン「!」

ユミル「ベルトルトが」

ベルトルト(えっ)


――西口 新宿大ガード西付近

トコトコ

ベルトルト(あーあ別の任務なら喜んで引き受けたのに。まあ任務阻止のためにだけど)

ベルトルト(よりによってオモチャ。役に立たない大人のオモチャ)ハァ

ユミル「ため息つくなよ」

ベルトルト「なぜ引き受けたの」

ユミル「ベルさんが任務やりたそうな顔していたからさ」

ベルトルト「いじめるのはやめて」

ユミル「いじめるのが愛情表現なんだ」

ユミル「……アルミンが行った所でなめられる。いや、事と次第によっては食われるからな」

ベルトルト「君は良い人か悪い人かわからない」

ユミル「というのは建前さ。本当はこの任務に便乗して」

ユミル「えっと、確か……“超大型ぞうさん shinjuku night”というオモチャを手に入れてきてほしい」

ベルトルト「具合でも悪いの」

ユミル「頼まれたんだよ」

ベルトルト「誰に」

ユミル「それは言わない」

ベルトルト「恥ずかしいのはわかるけど……本当は自分が欲しいだけなんでしょ」

ユミル「はは、私はさみしい女ってわけか」

ベルトルト「正直に言わないと買いに行きたくないな」

ユミル「いや、お前は買いに行くしかないぞ」

ベルトルト「?」

ユミル「ざっと3人分」ボソッ

ベルトルト(……こいつ)


――思い出横丁

ユミル「思い出横丁……ここは寝ぼけてるな」

ベルトルト「赤提灯のお店みたいだからね。夜にならないと」

ベルトルト(思い出か。ああ早く故郷に帰りたい)

ユミル「アニのどこが好きなんだ?」

ベルトルト「君とアニの話はあまりしたくないよ」

ユミル「つれないな」

ベルトルト「ごめん。というか、ここ行き止まりじゃない?」

ユミル「そこからセンロの下をくぐれるみたいだぞ」


ベルトルト「ここの地下道、天井低い。元気よく歩いたらぶつかりそう」

ユミル「やれ」

ベルトルト「元気なくした」

ユミル「おっ右みろ。シンジュク東口に来たぞ。そこがアルタ前広場だってよ」


――東口 ルミネエスト

トコトコ

ベルトルト「そして東口に併設されたルミネエスト」

ベルトルト「おしゃれ」

ユミル「興味ないな」

ベルトルト(?)

ベルトルト(またユミルが何かを見てる……)チラッ

ベルトルト「ジャンとサシャ」

ユミル「だな」

ベルトルト「コニーは一緒じゃないのかな」

ユミル「1人だとすれば、嫌な予感しかしないな」

ベルトルト「迷子になっていたら大変だ」

ベルトルト(どうでもいいけど)

ユミル「ミカサへのプレゼント選びか。あいつも折れねえよな」

ベルトルト「麦わら帽子かあ。一途って良いことだよ」

ユミル「サシャがマネキンになってる」

ベルトルト「可愛いね」

ユミル「黙ってればな」

ベルトルト「そんなこと言うから。サシャがこっち見たよ」



1420――西口 世界時計前

トコトコ

ベルトルト「また西口に戻ってきたね」

ユミル「東口のオモチャ屋からどう戻ってきたのかもう覚えてないな」

ベルトルト「はあ。結局エレンとミカサと偶然会って、僕とエレンがオモチャ任務を遂行したけど」

ベルトルト「ミカサとエレンにやらせようとするなんて……君はどうしてすぐ言うことを変えるかなあ」

ユミル「愚問だな。面白そうだったからに決まってる」

ベルトルト「せっかく2人きりにしようとしたアルミンの気持ちを放っておいて?」

ユミル「ああいうやつ気に食わないんだ」

ベルトルト「……エレンとミカサは良い感じだったね」

ユミル「エレンがやっとお目覚めしたんだろ」

ベルトルト「鈍感は相変わらずだけどね。家族でありながら好きな人ってことに整理がつかないでいるみたい」

ユミル「ぜいたくな悩みだ」

ベルトルト「ああ。家族と言えばミカサは盲目だからね。どちらにしろ幸せ者なんだ彼は」

ベルトルト「……うらやましい限りだよ」

ベルトルト「立場を言い訳に、好きな人の側にずっといることができるんだから」

ベルトルト「職権乱用!このぜいたく者!って嫉妬しちゃったよ。家族は職じゃないけどさ」

ユミル「僕もそういう言い訳あれば、いつだってアニに会いにいけるのに……」

ベルトルト「僕の真似?やめてよ」

ユミル「お前、かわいらしいところもあるじゃないか」ハハ

ベルトルト「はあ」


ユミル「で、ここか」

ベルトルト「みたいだね」


――西口 世界時計前 コインロッカー

ユミル「買ったオモチャを入れておけって言われたコインロッカー」

今更だが"超大型ぞうさん shinjuku night”は誰が使うんですかねえ(ゲス顔

ベルトルト(西口世界時計近くのこのコインロッカーとやらに持ち帰る物資をためこんでいるのか)

ベルトルト(さすがだよアルミン。君が味方になってくれたらいいのに)

ユミル「あった。これだ、“コニー”」

ベルトルト「ああ。ロッカーの番号が521番だから“コニー”か。アルミンよく気づいたね」

ユミル「よし、じゃあこれで」チャリン

ベルトルト「僕が開けよう」

ユミル「私が開ける」

ベルトルト「……」

ユミル「……」

ユミル「……わかったよ。はい、鍵。もとい“コニー”」

ベルトルト「ありがとう」ニコッ

ベルトルト(これは僕が所持しておきたい)

ガチャッ

ユミル「お、もう何か入ってるぞ」

ユミル「書物が丁寧に並んでる、あいつらしい。なになに……」

ユミル「軍事技術の発展、食料事情改善のプロセス、医療、化学・科学、から歴史神話まで、幅広いな」

ベルトルト(何箇所か借りてるって言っていたし、すごい情報量だ)

ユミル「ん?これは毛色が違うな……『シンゲキノキョジン』?図説か?」スッ

ベルトルト「ユミル」パシッ

ベルトルト「帰ってからにしよう」

ユミル「表紙ぐらい見てもいいだろ」

ベルトルト(余計な知識は与えないよ……)

ベルトルト「大人のオモチャ、重いんだ」

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ユミル「はぁ……わがままだな」

ベルトルト「どうも」ニコ

期待


ベルトルト(直々に鍵もとい“コニー”を渡されたし、下手に手出しはできない。今はオモチャをしまって……)

ベルトルト(帰還間際に僕がこれを失くしたことにしよう)


ベルトルト ガチャッ


ベルトルト「よし、これで任務完」



ユミル ブチィッ



ベルトルト(え?)


ベルトルト(何?どういうこと?)

ベルトルト(“コニー”を持っている指を噛み……千切られた――……?)


ベルトルト「いいっつっ――ッ!」ドサッ


ベルトルト(何!?)

ベルトルト(何この女!?頭!おかしい!!)ガタガタ


ユミル「っ……ぺっ!」


ベルトルト「ひっ!……っう……うえっ……」ポロポロ

ユミル「……」

ユミル「ははっ。泣き虫なんだな。ベルトルさん……」ヨシヨシ


ユミル「悪いが“コニー”は渡せない」チャリン


ベルトルト「……!」

読めないな
面白い

>>65 >>68 >>71 ありがとう!行数的に、後半分をくらいです!よろしく

うわあ、続き、続きはまだか!?この二人の心理戦すげえ!

ベソトルトさん……

ユミルとベルトルトの会話がおもしろい

切り結んでるようなやりとりだよねえ…目が離せんw

やばいすごく面白い
こういうぴりぴり緊張感が伝わってくるの大好き

ほのぼのしたベルユミだと思ったらなんだこのびりびりした空気…!
緊張する、>>1はまだか!?

>>71->>78 ありがとう!すごく嬉しい!前回同様、変な切り取り方をすると思うけど、とりあえずベルトルトの一日を楽しんで下さいまし!

話の取捨選択が難しくて、盛り込み忘れた情報があった!ごめんなさい。以下です!

アルミンの提案で、5時にJR新宿駅西口世界時計前に一旦点呼のため集合がかかっています。
このベルユミさんたちは、アルミンに会った時点でそれを聞きました。

前回書いたエレミカの東口を読まれていない方にインフォでした。


――

ホウタイ マキマキ

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ユミル「……生えねえな。人差し指」

ベルトルト「……生えないよ」

ユミル「そうか」

ベルトルト「僕を巨人とでも思ったの」

ユミル「さあな」

ベルトルト「目と鼻の先にコウバンがあるのに、よくやったよね」

ユミル「ベルトルさんは叫ばないと信じてたんだ」

ベルトルト「人差し指が無ければ兵士は難しい。どうしてくれるの」

ユミル「でもやけに落ち着いている」

ベルトルト「今放心しているんだ。痛覚が機能しないほどに」

ユミル「ふうん……これでよし」

ベルトルト「応急処置、上手だね」

ユミル「この状況でほめるか普通」

ベルトルト「……」


ベルトルト(どうして?こいつには完全に僕を知っている……さっきも僕を60mだと暗に言っていたし)

ベルトルト(力ずくで“コニー”奪われたということは、任務の妨害もばれてる……!)

ベルトルト(もうどう対応したらいいかわからない。ライナー、アニ……僕はどうしたらいいんだ)


ユミル「薬屋探すよ。下手に迷いたくないから、さっきいたところに戻りつつな」

ベルトルト「……う、ん」

ユミル「? どうした?」

ベルトルト「まだ君に謝ってもらってないなと思って」

ユミル「悪いことをしたな。歩くぞ」

ベルトルト「そんな適当に謝られても」

ユミル「悪かったって」

ベルトルト「“コニー”がほしかったなら、そう言ってよ」

ユミル「言ったらくれたか」

ベルトルト「当たり前じゃないか」

ベルトルト(渡さないに決まってるだろ。君は危険過ぎる)

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ユミル「……」フラ

ベルトルト(……?)

ベルトルト(いや……でも、運がまわってきたのも、確かなんだ……)


1430――東口 靖国通り

トコトコ

ベルトルト「……」

ユミル「……」

ベルトルト「……ユミル」

ユミル「ん」

ベルトルト「おんぶ?」

ユミル「は?」

ベルトルト「君が僕をじゃないよ。僕が君をおんぶ」

ユミル「血ィ無くなってイカれたか?」

ベルトルト「失礼な。君はさっきから具合が悪いね」

ユミル「は?」

ベルトルト「……」

ユミル「ハハッ……ベルトルさんの間違いだろ」

ベルトルト「僕は負傷。君は体調不良。全くの別物だよ」

ユミル「……指を噛みちぎるヤツは元気だろ」

ベルトルト「余裕がないと見た」

ユミル「あるさ」

ベルトルト「今にも倒れてしまそうだね」

ユミル「……洞察力、ですか」

ベルトルト「そんなところ」

ユミル「身長高けりゃなんでもお見通しだな……ずいぶんといい眺めだろうよ」

ベルトルト「君も同類でしょ。で、具合は?」

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ユミル「……暑いのは、苦手なんだ」

ベルトルト「熱中症かな。それは大変だ」

ユミル「……」

ベルトルト「……例えばの話なんだけど。今君と僕が戦ったら、君は僕に勝てないと思わない?」

ユミル「……」

ベルトルト「……思わない?」

ユミル「……こんなときに例え話か」

ユミル「ああ思うよ。残念ながら私はお前に勝てないな……。くらくらする」

ベルトルト「だよね」

ユミル「だが“コニー”なら渡さない。お前の目的は、情報収集の阻止だろ」

ベルトルト「意味がわからないな。でももう“コニー”はいいよ」

ユミル「なぜだ?」

ベルトルト「僕はひとりじゃ何も決断できないんだ。今日は何もしないから、何もしないでくれるかな?」

ベルトルト「穏便にすませたい。……例え話だけど」

ユミル「……わかったよ」

ベルトルト「よかった。それじゃあ、どこか休憩できるところを探してあげるね」

ユミル「ありがとさん」フラ

ベルトルト「おんぶ?」サッ

ユミル「あるく」

ベルトルト「なんだ」

ベルトルト(……)

次はどの出口でどの人物でやろうか考え中。また明日。


どのキャラも楽しみ

乙、本音言えば全部のルート書いてほしい

このベルトルさん指ないんでしょ…こわ!

そっちの筋の人だと思われるかもなww

>>89->>93 感想ありがとう!今日は新宿に用があるのでウォッチングして次決める



――

ベルトルト「着いたよ。……はい長椅子だ、横になって」

ユミル ドサッ

ユミル「ん……ベルさん」

ベルトルト「ん?」

ユミル「……ここはどこだ?」

ベルトルト「僕もわからないんだ。でもどうやら僕は選択に失敗した」

ユミル「はは、だよな」

ユミル「周りの歌声がうるさい」

ベルトルト「ごめん」


――東口 靖国通り カラオケ


ベルトルト「個室と言うから連れて来たんだけど、どうやらここは休憩場ではないみたいだね」

ユミル「騒がし」

ベルトルト(カラオケって個室で思い思いに歌うところなのか。勉強になったな)

ベルトルト(ご希望の騎手はございますか?って聞かれてとりあえず僕って答えたら変な顔された)

ベルトルト(ああ恥ずかしかった。機械の機種なら、そう言ってよ)

ユミル「……」

ベルトルト「……確かとなりの建物に薬屋があったから、見てくるよ」ヨイショ

ベルトルト「君に噛み千切られた指もどうにかしなくちゃいけないし」

ユミル「本当に……生えねえのか?」

ベルトルト「まだ言ってるの」

ユミル「……私はもしかして、ベルトルさんに悪いことをしたのか?」

ベルトルト「はぁ……。君はここで休みつつ、反省すること。いいね?」

ユミル「……ああ」

ベルトルト「じゃあね。いなくならないでよ」

ユミル「ああ。……ベルトルさん」

ベルトルト「ん」

ユミル「……ごめんな」

ベルトルト「……うん」


バタン


ユミル「……」ムクッ

楽しみだ

まさかの続ききてた…!!!!!!!!

ていうかかわいいなベルトルさん、騎手ちがいや…
…騎手って何に乗ってるんですかねー(棒)

>>98->>100 レスありがとう!そろそろ進める



――

ガチャ

ベルトルト「ただいま」

ユミル「おー」

ベルトルト「さあユミル。この錠剤を飲んで」

ユミル「……睡眠薬?」ゾ

ベルトルト「まさか。言っただろ、穏便にって」

ユミル「冗談だ」

ゴクゴク……

ユミル「ふう。ベルトルさんは頼りになるな」

ベルトルト「ありがとう」

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ユミル「……眠い。盛ったな」

ベルトルト「心外だな。体調悪いときでも僕をいじめるの?」

ユミル「癖なんだ」

ベルトルト「膝枕する?」

ユミル「いらね」

ベルトルト「さっきだって結局おんぶしたじゃないか」

ユミル「……フン」

ボスッ

ユミル「……クリスタのと違う」

ベルトルト「当たり前だろ……ていうか、もっと奥に頭置いてよ。落としちゃう」

ユミル「股に近い。股臭そう」

ベルトルト「ひど」

ユミル「……」

ベルトルト「おやすみ」

ユミル「……歌声がうるさい」

ベルトルト「ごめん」

ユミル「……あ」

ベルトルト「?」

ユミル「この歌……ベルトルさんっぽい……フォーリン、ライクアッシズ……意味不明だな」ウトウト

ベルトルト「ちょっと陰鬱じゃない?」

ユミル「……陰鬱、ぴったりだ。……とても、かっこいい……私は好きだぞ」ムニャ

ベルトルト「やめてよ。勘違いしてしまう」

ユミル「はは……」ウトウト

ベルトルト「……」

ユミル「……」ウトウト

いつ指直すんだ・・・

何の曲だろ?

ベルトルト「……」

ユミル「……」スー スー


ベルトルト「……」


ユミル「……」スー スー



ベルトルト「……」





ベルトルト *スッ





ユミル「指生えてるな」パチ


ベルトルト「……!!」

あれっへんなのはいった……?
>>1です。ママンがるろ剣見るためにパソコンを占領してしまった……

>>105 今でした!
>>106 RideのSeagullって曲から。歌詞はわからないけど、曲調が私のベルトルイメージだったので!つい!

ユミル「私の首に気安く触るんじゃねえ。……ぺっ!吐き出すのは二回目だ」

ベルトルト「……」

ユミル「穏便にすませようっていったのはそっちだぞ……」

ユミル「やっぱり盛ってたってことだろ」

ベルトルト「ごめん……」

ユミル「……」

ベルトルト「君が脅威なんだ。想定外で、僕はどうしたらいいか……決められない」

ユミル「私を殺すと決断できてるじゃないか」

ベルトルト「僕は臆病者だから。これはただの正当防衛」

ユミル「過剰防衛はなはだしいな」

ベルトルト「まずは拘束する。君、体調悪いのは事実だろ?」

ユミル「……ああ」

ベルトルト「教えてくれる?」

ユミル「何をだ?」

ベルトルト「僕について、何を、知っているのか」

ユミル「さあな」

ベルトルト「教えてよ」

ユミル「また泣きそうな顔してるな」

ベルトルト「泣き虫なんだ。そして怖がりなんだ。だから君に消えてもらいたい」

ユミル「……」

ベルトルト「……君を拘束して、22時まで動かないでいてもらう。帰還の荷台には乗せない。ここでさよならだ」

ベルトルト「覚えているかい?ハンジ分隊長が言っていたこと」

ユミル「……」

ベルトルト「僕らが乗ってきたあれ以外の荷台は、この世界には繋がらなかったって」

ベルトルト「僕は帰還したらあの荷台を破壊する」

ユミル「疑われるぞ」

ベルトルト「上手くやるさ。だから君はここで、ここから新しい人生でもはじめてよ」

ユミル「殺さないとは優しいな」

ベルトルト「ありがとう」

ユミル「だがお前のためには死ねない」

ベルトルト「そっか……じゃあ最悪殺してしまうかもしれないな。縛るね?」

ユミル「だめってったってだめなんだろ」

ベルトルト「少しは抵抗してよ」

ユミル「ハッ……面白いこと言うな。私を気絶かなんかさせておいたほうがラクに縛れるはずだ」

ベルトルト「なんでだろうね。嫌がるのがちょっと見たい」

ユミル「穏やかな顔で言うな」

ベルトルト「はいじゃあまず手を貸して」

ユミル「腹立つ」

ベルトルト「ごめん」


ギュ

ベルトルト「うん。ちゃんと縛れている。こんなものかな」

ユミル「……」

ベルトルト「ついでに“コニー”は返してもらったよ」チャリン

ユミル「欲張り」

ベルトルト「この際もっと欲張ろう」ゴソゴソ

なにするつもりだよこええベルトルさん、
最初の穏やかな雰囲気がこんなシリアスに…
大好物です

カシャ

ユミル「おい。なんで私の写真を撮るんだ」

ベルトルト「記念に」

ユミル「は?」

ベルトルト「怖ろしい君を怖がりな僕が拘束していることに、とても高揚しているんだ」フィルムマキマキ

ユミル「変な趣味してるな」

ベルトルト「ごめん。でもあともう2枚くらいいいかな。大丈夫。現像しないから」カシャ

ユミル「……なあベルトルさん。私をここに置いて行くと言うのなら」


ユミル「せめてはなむけに、抱きしめてくれないか」


ベルトルト「……」

ユミル「……」

ベルトルト「は?……敵なのに?」

ユミル「私はさみしいんだ。ひとりぼっちだ」

ユミル「最期くらい、ひとりじゃないと思いたい」

ベルトルト「意外だな」

ユミル「ベルトルさんだってそうだろ。ひとりぼっちで、さみしいんだろ?」

ベルトルト「……何を言っているのユミル」


ユミル「お前にはライナーとアニがいたのにな」


ベルトルト「……!」

ユミル「ライナーは友情や恋慕に我を忘れ、アニとはさよならしちまった」

ユミル「そしてもうじき、きっとライナーも壊れてさよならだ。完全にひとりぼっちだよ。ベルトルさんは」

ベルトルト「……」

ユミル「……安心しろ。私の大義は調査兵団にはない。私の大儀はただ1人」

ユミル「今日私らがこうなったのは、互いのすべきことが偶然衝突したから。それだけだ」

ユミル「だから……お前らを悪だとは言わない」

ベルトルト「……」

ユミル「お前は間違ってないよ。よく頑張っている。だから頭をなでてやる」

ベルトルト「……」

ユミル「……」

ベルトルト「……本当?」

ユミル「……ああ。だから抱きしめてくれ」

ベルトルト「……危険だよ……おすすめしない。僕だって思春期なんだ」

ユミル「それ以上をしてしまうと?」

ベルトルト「君のこと、怖くて大嫌いなはずなんだけど」

ユミル「でも私はもう元の世界には戻れないんだろ?一度きりだ。私は構わないし、問題ないだろ」

ベルトルト「……」

ユミル「ただ……私はアニじゃないけどな」

ベルトルト「……そうだね」

ベルトルト「君はアニじゃない……アニと違って、僕は君が大嫌いだ」

ベルトルト「だから」

ドサッ

ベルトルト「君にまたがって、首をしめて……ときどき肌をひっかきながら……したいな」ググ

ユミル「はっ……もう……またがって……首、しめてるだろ」

ベルトルト「ごめん……」ウルウル

ユミル「泣くなよベルさん……もう、ひとりじゃないぞ……」

ベルトルト「嬉しいな」ニコ

ユミル「……いい笑顔だ……」

ベルトルト「あとは肌をひっかきながら、しようね……」ググ

ユミル「……お前の思春期は、少し……過激だな……っ……」

ベルトルト「人間がきらいでこわいんだ……特に君が」ググ

ユミル「は、ハハ……」

ベルトルト「本当に……いいの?」

ユミル「……ひっかく、ならっ……うま、く、やれよ……」

ベルトルト「もちろん……!大丈夫だよユミル!僕!優しいから……っ」


グググ…


ユミル「……っ!」




コンコン




ベルトルト「え」


オマタセシマシター ガチャッ


ベルトルト「ジ……ジンジャエール?」

ユミル「げほっ……けほっ……っ。なに……たった380円の、保険ってやつだ」

>>114 ありがとう!シリアスって楽しい!


――東口 靖国通りを東へ

ダダダ

ユミル「早く走れよのろま!あの店長まだ追ってきてるぞ。金は払ったろクソ」

ベルトルト「急かさないでよ!僕なんか殴られたんだよ!?」

ユミル「まあカラオケは歌う所だからな」

ベルトルト「君がジンジャエールなんて頼むから!」

ユミル「頼まないと人こないだろ」

ベルトルト「君が僕を誘うから!」

ユミル「襲われてないと追い出されないだろ」

ユミル「手足縛って首絞めて写真とって……とんだ変態野郎だな」ダハハ

ベルトルト「人のさみしさにつけこむ君は鬼畜だよ!血も涙もない鬼畜だよ!」

ベルトルト「思春期の男の子のナイーブなハートをそそのかすなんて!このあばずれ!」

ユミル「こっちは危うく殺されるところだったんだぞ」

ベルトルト「おとなしく殺されててよ!もうあんな所、もう一生行かない!」

ユミル「ダハハ!同感だ!そこのジンジャを抜けてくぞ」

ダダダ……


1650――東口 新宿柳通り

ベルユミ ハァハァ

ユミル「巻いたな……はぁ、疲れた」ハァ

ベルトルト「……ケイサツよばれてないといいけど……」

ユミル「大丈夫だろ……」

ベルトルト「……」

ユミル「……」

ユミル「……指生えたの見て確信したよ、お前の正体」

ベルトルト「え?確信なく指を噛みちぎっていたの?」

ユミル「ああ」

ベルトルト(やっぱり頭おかしいなこいつ)

ベルトルト「……ユミル。どうにか、死ぬか消えるかしてくれないかな。不安要素は排除したい」

ユミル「無理な相談だな」

ベルトルト「そこをなんとか」

ベルトルト「この世界に残るだけでいいんだよ」

ユミル「クリスタに会えなくなるだろ」

ユミル「まああいつがここで一緒に生きていきたいと誘ってくれたんなら少しは考えたがな」ハハ

ベルトルト「君は本当にクリスタが好きだね」

ユミル「ああ」

ユミル「でも……あいつは私を選ばなかった……」

ベルトルト(ライナーと行ってしまったこと、まだ執着しているのか……?)

ユミル「私の体調は回復した。外は人目もあるし、もう簡単には殺せない」

ベルトルト「……」

ユミル「お前の正体はばらさない。さっきも言ったが、私の大義は調査兵団にはないからな」

ユミル「だからその代わり鍵、もとい“コニー”を渡してくれ。それで終わりにしよう」

ベルトルト「えっ」

ユミル「えっ、とはなんだ、性格ねじまがってるぞ。ほらほら出せよ」


ベルトルト「ごめん。僕はもう“コニー”を持っていない」


ユミル「は……」

ベルトルト「……」

ユミル「どこにやった」

ベルトルト「捨てた。もう僕でも回収不可能だよ。あれは」

ベルトルト(回収不可能かどうかはわからないけど、さっき捨てた)

ベルトルト(走ってる間にちょうどいいくずかごがあったからね、これで安心)

ユミル「……」


ベルトルト「……本当だよ」


ユミル「……」

ベルトルト「……」


ユミル「……負けたよ」ハァ

ベルトルト「……」

ユミル「仕方ない。敗者は勝者に何かやらなきゃな」

ベルトルト「え?死んでくれるの?」

ユミル「いや。助言してやるよ」

ベルトルト「助言?」

ユミル「もう私をどうこうしようとするのはやめろ。お前ひとりぼっちになるぞ」

ベルトルト「?」

ベルトルト「……さっきの話の続き?あれは僕をそそのかすための文句でし」

ユミル「悪いことは言わない。おとなしくライナーと合流することを勧める」

ベルトルト「……?」

ユミル「……」

ベルトルト「君……ライナーに何かしたのか?」

ユミル「何も」

ベルトルト「嘘はいけないよ」

ユミル「常に嘘つきのお前に言われたくないな。本当だ。むしろ心配してやってんだ」

ベルトルト「心配……?」

ユミル「……でさ」

ベルトルト「うん」

ユミル「交差点の向こう、見えるよな」

ベルトルト「うん」

ユミル「なんであのふたり」

ユミル「道端で大泣きしてんだよ……」

ベルトルト「ね」

ユミル「行くぞ。面倒だ」

ベルトルト「またそんなこと言うから。サシャがこっち見た」

ユミル「うわあ」ゾッ


こうして僕らはサシャ、ジャンと合流し、後にサシャと2人で西口を目指した。

途中でサシャが『においます!』とか訳分からないこと言って街に消えていった。

彼女もダンジョンに迷いそうだな。

まあ行方不明になったらなったで、いいか。今後手を下さずに済むんだから。

>>123で時間が1650になってるけど1550だった……間違いばかりでごめん。気をつけます。

1645――西口 ヨドバシカメラ

一応最初に来たヨドバシカメラに戻ってはきたけど、現像はする気ないから暇だなぁ。

……トイレに行っておこう。

バタン

あ、また忘れ物がある。今日思っていたことだけど、トイレに忘れ物していく人って多いんだな。

フィルムカメラはここに置いていってしまおう。コト

さようなら。中々楽しかったよ。

ジャー バタン

ふう。これで一件落着。


そろそろ5時だ。西口改札、世界時計前だったよね。

この西口の巨大なロータリーを向こう側にまわって、地下に降りればちょうどあるはずだ。

ライナー……ちゃんといる、よね?

ユミルの言っていたことが気になるけど……。





「うおおおおおォォォ!!」



ベルトルト(!?)


ベルトルト(ライナーの声!?)キョロキョロ

ベルトルト(え!?)

ベルトルト(駅前ロータリーを走ってるクルマに……ライナーが機動装置ではり付いている!?)

ベルトルト(こんな街中で機動装置さらすなんて!!)

ベルトルト「ライナー!!」

ライナー「!!」

ベルトルト「何をやっているんだ!」

ライナー「人さらいだ!クリスタとアルミンがこの中にいる!」

ベルトルト「!?」

ライナー「中の様子がわからないから、うかつにブレードを使えない!」

ベルトルト「乗り物を壊せ!」

ライナー「やっている!全く傷がつかない!」

ベルトルト(なぜだ!?アンカーはささってるじゃないか!)

ライナー「定期的に煙弾を撃って場所を示す!」

ライナー「もう5時だ!あいつらと合流次第に応援に来てくれ!!」

ブオオォォォ……

ベルトルト(行ってしまった……!)

ベルトルト(なにをやっているんだライナーは!)

ダッ

――1700 西口 世界時計前

5時……

もう……

なんで誰もいないんだよ!そんな気してたけど!

……まずいな、ただでさえ建物が大きくて空が見えないのに

こんな地下ロータリーに居続けることはできない……

ひとりで行くか?いや……。運頼みだけど……少し近くを一周して行こう!


タタタ


!!


エレンミカサ トボトボ

エレン「……アルミンに会いてえ」グズッ

ミカサ「エレン、歩いて。ちゃんと歩いて……生きるの!」シクシク


ベルトルト「」


――

エレン「ベルトルト!助かった!もう迷子で死を覚悟してた!」ウルウル

ミカサ「私はあなたを侮っていた!許してほしい!あなたは有能!」ウルウル

ベルトルト(この生意気どもめ!)

ベルトルト「世界時計はすぐ近くじゃないか!なんで迷子になっているんだ!」

エレン「そうだったのか!?」

エレン「俺ら……地図、あんま読めなくて……な」テレ

ミカサ「うん///」テレ

ベルトルト(こいつら)

ベルトルト(ミカサがいるからこの3人でも大丈夫か)

ベルトルト「そんなこと言ってる場合じゃないよ!とにかく走って!地上へ出る!」

エレン「せ、世界時計前でもう皆待ってるのか?」アセ

ベルトルト「誰も集まってないよ!もう!皆役立たずなんだから!」

エレン「待てよベルトルト!俺たち荷物いっぱいあって……!」ヨイショヨイショ

ベルトルト(この脳天気!)

ベルトルト「置いて行け!」

エレン「はあ?」

ベルトルト「アルミンとクリスタがさらわれたんだ!!」

ベルトルト(あと君たちに物資は持ち帰らせない!)

エレンミカサ「!?」

この不安定で緊張感漂う有能なスパイのベルトルさん珍しいな。
カラオケでのやり取りは理想的な二人過ぎて死にそうになった!
頭いいもの同士のやり取りってこわい!素敵!

ベルユミの緊張感のあるやり取りがたまらなくいい
>>1さんの作風かなり好きです

>>136 お家に帰るまでがスパイ活動ですよ…。理想的とは嬉しい!
>>137 ありがとう!まだユミル出るからよろしくね

ベルトルト「街を走っているクルマってやつでだ。さらったクルマにはライナーがはりついている」

ベルトルト「位置はライナーが定期的に煙弾を撃つと言っていたけど……」

ベルトルト「高い建物が多すぎて……もう撃っているかもしれない。地上から西を目指す!」

エレン「飛ぶよな!?」

ベルトルト「ライナー1人が使っただけで街中が大騒ぎだった。立体機動はだめだよ!」

エレン「でも!」

ベルトルト「西口ではだめなんだ!建物と道路一つ一つが巨大すぎて、効率が悪い!」

ベルトルト「とりあえず走る!信号弾を探す!いいね!」

エレン「たっく!西ってどっちだ!建物も道もぐちゃぐちゃすぎなんだよ……!」

ミカサ(アルミン……!)

タタタタ




パーン!



ベルエレミカ「!」

エレン「煙弾だ!もう遠くに行っちまったと思ったが、やったな!近い!」タタタ

ベルトルト(……え?あのクルマの速さでこの距離とは……やけに近すぎないか?)

――

ダダダ

ベルトルト「ここらへんのはずなんだけど……」ハァハァ

エレン「おい、あれ見ろ!」ハァハァ

ベルミカサ「!?」

エレン「あれ!地面に落ちてんの、信号弾用の銃だよな!?」タタタ

ミカサ「撃ったすぐ後みたい……しかしなぜ、ライナーが……いないの?」

ベルトルト(どういうことだ……ライナーはもしかして)

ベルトルト「別の何かに追われて……いる?」

エレンミカサ「!?」


ベルトルト(さっきのユミルの警告はこれのことか……!?)

ベルトルト(……ライナーが、壊れて、さよなら……?僕は、ひとりぼっちに……?)


ベルトルト「……エレンとミカサはクルマを探してくれ。……僕はライナーを探す」

エレンミカサ「!?」

エレン「は……?今はアルミンとクリスタが先だろ!」

ミカサ「クルマに乗っている以上、時間との勝負!3人で捜索すべき!」

ベルトルト「分かってるよ!でも僕はライナーが心配だ!」

ミカサ「ライナーが何かに追われているという確証はない!」

ベルトルト「どう見てもおかしいだろう!」

ミカサ「情報が少なすぎる!」

ベルトルト「でも!」

エレン「ベルトルト!!」

ベルトルト「!」

エレン「お前はライナーが信じられないのか!?」

ベルトルト「……!」

エレンミカサ「……」

ベルトルト「……ごめん。取り乱した」

エレン「……ライナーならなんとかする。お前も知ってるだろ」

ベルトルト「うん……」

つ、続きはまだかー!
つかユミルは大丈夫なんだろうか?
期待age!

>>143 ありがとう!お風呂入ったら決着つけます。花火大会中止でびしょぬれだ…

ミカサ「……3人でまずはクルマを追おう」

ミカサ「ねえベルトルト。アルミンとクリスタも立体機動と信号弾を所持しているはずではないの?」

ベルトルト「……ライナーがブレードでクルマに傷1つつかないと言っていた。中からどうにかできるとは思えない」

ミカサ「でもアンカーがさせたんでしょう?」

ベルトルト「理由はわからない……」

ミカサ(アンカーがさせてブレードで傷かつかない物質なんて、あるものなの……?)

ミカサ「……ライナーが追尾できなくなった以上、自力で探すしかない」

エレン「こんなダンジョンを自力でか!?」

ベルトルト「クルマは確か……大きくて黒くて、とにかく真っ黒だった!」

エレン「手がかり少ねえよ!」

ベルトルト「アンカーが一度ささったんだ、クルマの後方に跡が残っているはずだよ」

ミカサ「……やはり立体機動を使おう」

ベルエレ「!」

ミカサ「高所からの捜索の方が移動も速く、アンカーの跡も見つけ安い」

ベルトルト「……」

ミカサ「日が傾いて街明かりがつきはじめた……おそらくこの街は夜も明るく、道路は見えるかもしれない」

ミカサ「しかしそれは灯のある場所だけ。暗い場所、狭い路地の捜索は完全に不可能になる」

ミカサ「もう……時間がない」

ミカサ「ので、この時間帯に賭ける。一気に飛ぼう。この夕暮時が最後のチャンス!」

エレン「……ああ!」

ベルトルト「……わかった」

バシュ!



ガシャーン!

ミカサ「エレン!その建物は全面ガラス!アンカーをさしてはいけない!」

エレン「す……すまん!」

ベルトルト(エレンださ)


――

バシュー

ビュン

エレン「いたか!?」

ミカサ「それらしきものは……!」

ベルトルト「こっちもだ!」バシュ

ベルトルト(飛んで時間は立っていないが3人で広範囲探した)

ベルトルト(もう遠くに行ってしまったのか……?)


ミカサ「!!」ピクッ


ミカサ「アルミンはあっち!!」

ベルエレ「!?」

エレン「見つけたのか!?」

ミカサ「聞こえた!」

ベルトルト(?)

ミカサ「来て!!」バシュ

ベルトルト(……え?)

エレン「わかった!」

ベルトルト(何も聞こえないよ)

ベルトルト「どうしたんだいきなり!」ビュン

ミカサ「あっちからアルミンの声がする!」

ベルトルト(声?)

エレン「本当だ!」ハッ

ベルトルト(ちょっと……なんにも聞こえないんだけど?)

ミカサ「アルミンが私たちを呼んでいる!」

ベルトルト「どういうこと!」

ミカサ「私はアルミンと別れる前に約束した!何かあったら呼んでと!駆けつけると!」

ミカサ「だからアルミンは呼んでいる!私たちを呼んでいる!」バシュー

ベルトルト(こいつらなんなの?)

エレン「ほらな!ミカサ!」

エレン「アルミンのやつあんなに威勢よく叫んでやがる……図々しいな!」ハハ

エレン「言っただろ!俺たちは3人で一緒だ!遠慮はなしだ!」ニコ

ミカサ「うん!」ニコ

ベルトルト(話が見えない……)

その後、アルミンとクリスタを僕らは見つけた。西口の中央公園の、また向こうの路地裏で。

アルミンは不思議なくらいボロボロだった。そこまでの相手だったのか?

クリスタは自身の負傷を否定しつつ、頑なに雨具を脱ごうとはしなかった。本当は負傷していたのかも……。


その後皆でカラオケ。もう一生行かないと誓ったカラオケ。さすがのユミルも気まずそうだった。

僕は頃合いを見て、アルミンに鍵もとい“コニー”を紛失してしまったと謝った。

しかし、“コニー”はコニーが持っていた。え?なんで!確かに捨てたよ!あのくずかごに!

しかも彼は僕が置いてきたはずのフィルムカメラの現像までしていた。お前何者?

サシャとジャンは落ち込んで……あれ、元気になってない?


ライナーは『この世に女神はふたりいる』って言っていた。何それ?僕の心配を返せゴリラ。


――2115 西口 センタービル展望室

みんな コソコソ

ベルトルト「皆が僕らに気を使っている……というか避けている」

ユミル「ベルトルさんの過激な趣味に引いてんだろ。つうかなんでコニーが写真持ってんだよ」

ベルトルト「ダークホースだったんだ彼は。優しく叱責しておいた」

ユミル「ベルトルさんでも見誤ることがあるのか」

ベルトルト「身長高くても見えないものはあるみたい」

ユミル「コニーはチビすぎて見えなかったんだな、きっと」

ユミル「まあしょうがねえ。もう1組、そこで2人きりにされてる奴らがいるし落ち込むなよ」

ベルトルト「ジャンとミカサ」

ユミル「ああ」

ベルトルト「……」

ユミル「……」

フィルムげんぞうしてたのかよ!まずいじゃん!

ベルトルト「……君はライナーと合流しろと言った」

ユミル「言ったな」

ベルトルト「ライナーがケイサツに追われることを知っていたの?」

ユミル「全く予想外だ。私は別の意味で言ったんだが……」

ベルトルト「どういう意味で?」

ユミル「ライナーは戻ってきたんだ。言う必要はないな」

ベルトルト「気になる」

ユミル「ここセンタービル53階は223mの高さだそうだ……ざっと、4人ないくらいかね」

ベルトルト「本当に殺しておけば良かった」

ユミル「ダハハ!帰還後殺すか?」

ベルトルト「まさか。今日この異世界だから君を殺そうとしただけ。打算的な君ならわかるだろ?」

ベルトルト「もちろん変な行動起こしたら消えてもらうけど」

ユミル「ああ。私は死にたくねえからな。今は黙ってるとしよう」

ベルトルト「それはよかった……」

ユミル「……」

ベルトルト「……やっぱりこの先、僕はひとりぼっちになるのかな」

ユミル「……」

ベルトルト「さっきエレンとミカサがアルミンを見つけた。耳で見つけた。普通は聞こえない距離から、耳でだよ」

ベルトルト「意味がわからないよね。僕にはわからない。だってあり得ないだろ」

ベルトルト「決して離れない、以心伝心の特別な3人みたいな空気出しちゃってさ。ばかじゃないの」

ユミル「……」

ベルトルト「あいつらみたいなの……僕から見たら特別じゃないただの石ころだ」

ベルトルト「ここからの街明かりみたいに、どれがどれでも問題ない。踏んだってきっと気づかない」

ベルトルト「……ねえユミル」

ユミル「ん」

ベルトルト「なんで僕ら3人は、あの3人じゃないんだろう……」

ベルトルト「ライナーとアニが、とても遠い……」

ユミル「……」

ユミル「さあな。特別だからじゃねえの」

ベルトルト「……」

ベルトルト「ハハ……そうだったね」

ユミル「……」

ベルトルト「はあ……まったく……羨ましいなあ」ウル

ユミル「泣くなよベルさん。本当に弱虫だな」

ベルトルト「……」グズ

ユミル「言ったはずだ。お前は間違っていない。だから頭をなでてやる」

ユミル ワシャワシャ

ベルトルト「……ありがとう」ニコ

ユミル ワシャワシャ

ベルトルト「ちょっと痛い」

ユミル グシャグシャ!

ベルトルト「ユミルひどい」

ユミル「今日のいろいろ仕返しだ」

ベルトルト「じゃあついでに抱きしめてくれる?」

ユミル「は?」

ベルトルト「“超大型ぞうさん shinjuku night”のお駄賃がまだだよ」

ユミル「駄賃てお前」

ベルトルト「ねえ、ほら早く。さみしい僕を抱きしめて」

ユミル「どうせそれだけじゃ済まないんだろ」

ベルトルト「うん。お望みなら“超大型ぞうさん shinjuku night”を使ってもいい」

ユミル「あれならもう手元にないぞ」

ベルトルト「本当に君のじゃないの?」

ユミル「当たり前だろ」

ベルトルト「驚き」

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ユミル「……私はアニじゃない」

ベルトルト「だから充分いたぶりながら」

ユミル「いやだね」

ベルトルト「ですよね」



やるべきことはまだ残っている。

可能であれば帰還途中で物資落下事故を起こし、帰還後に荷台を破壊する。

できるかな、どうだろう。ライナーに相談しなくちゃわからない。


僕は方角がわかる、地図も読める、だけど決断できない臆病者だから

シンジュクダンジョン。あとユミル。僕は君が嫌いだよ。




ベルトルト「新宿の巨人」

ユミル「西口」


終わり

乙!
面白かったよ!

乙!!面白かった!!

以下単行本派ねたばれあり。すぐ終わる

はい。スッ

じゃあ一番先に挙げた、ベルさん。立って

はい ガタッ

発言をどうぞ

今夜夏祭りがあるそうです

夏祭り?

出店がでたり、花火みたり、恋人同士がちゅっちゅしたりする夏祭りです

それがどうかしましたか

行きたいです

誰と

君と

……

……

……やだ

なんで

主にちゅっちゅが

待って。僕らは恋人同士じゃない。だからそんなことしない

……

なに勘違いしてるの

腹立つ

期待してるの

殴りてえ

僕と行ってくれる?

やだね

そんな

なんで私なんだ

君しかいないから

アニと行け

恥ずかしい

ばかなの?

アニは憲兵団に行ってしまったじゃないか

まあそうだ

つまり君しかいない

頭おかしい

僕はいつかアニと行く

あっそ

それまでに祭りの玄人になりたい

いいとこみせたいのか

射的とかパーフェクト

うん

花火見る位置パーフェクト

うん

その後の口実パーフェクト

お持ち帰りか糞野郎

ちゅっちゅしたい

なるほど

だから君と行きたい夏祭り

……

……

……はい。スッ

はいユミルさん。発言をどうぞ

私たちは今どこでしょう?

巨大樹の森

なぜいるのでしょう?

エレンと君をさらったから

夏祭り、行けますか?

行けませんね

ですよね

また来年にしましょうか

そうですね



>>158 >>159 ありがとう!

乙!!
こういうの群像劇っていうのか?
いろんな視点からちょっとずつ全貌が明らかになってくの面白いな

次の視点も期待してる!

この会話をライナーとエレンの前でしてると思うと笑ってしまう

>>167 恩田陸の「ドミノ」って小説は、東京駅を舞台にした、20人以上の視点による群像劇コメディで面白い。それっぽくなったらいいなと。
でも思った以上に群像劇って難しい…初心者は手を出すべきではなかった。
>>168 >>169 ありがとう!

今回はベルトルトの一日でした。予定より長くなってしまった。
次は誰で挑むか…むむ
短期決戦型なので、また数日以内にはじめたい…所存


ドミノ面白いよな
他視点も楽しみにしてる

>>170
読んでみるわthx

全視点かくんなら最後に書きたい奴ら残して穴埋めしてけばいーんでねーか?

おつです

とても面白い
また期待している

群像劇好きなのでこのシリーズ凄く楽しみにしてる
無理しない程度に頑張ってください!


この二人の関係が新鮮で好きだわ

乙ー
東口も西口も面白かった!続き楽しみ

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