上条「よう、操祈じゃねーか」(83)

上条さんとみさきちが幼なじみだったらという妄想のifストーリーです。いろいろミスもあるかと思いますのでどんどんご指摘お願いします。駄文注意です。

上条「どうしたんだよ。校門の前で。何か用事か?」

上条は学校を終え、スーパーに向かおうと一目散に校門を目指していた。しかし、その校門の入り口付近でよく見知った顔を見つけて立ち止まり、声をかけた。

食蜂「あなたと一緒に帰るために決まってるでしょぉ?幼なじみじゃないわたしたちぃ」 プンプン

食蜂操祈。名門常盤台中学の二年生である。中学生とは思えない抜群のスタイルと美貌をもつ。上条が学園都市に来る前からの友人であり、今となっては親よりも近しい大切な存在であった。

上条「幼なじみだからって一緒に帰る決まりはないと思うのでせうが…」

食蜂「嫌なのぉ?」ウルッ

上条「そ、そういう訳じゃねーよ!?俺はだな、お前が研究所に用事があるんじゃないかと思って…」アセアセ

食蜂「今日は特に用事はないわよぉ。だからこうしてあなたに会いに来れてるんじゃないのぉ」

にっこりと微笑むその笑顔に上条は少しばかりくらりとするが、そこは長い付き合い。すぐに平常心へと戻る。

上条「珍しいな、最近ずっと研究所に籠りっきりだったのに」

食蜂「まあね☆いろいろとあるのよ」

上条「まぁそれも仕方ないよなぁ。なんたって操祈はレベル5だからなぁ。そりゃ俺なんかじゃ理解できないようなことがたくさんあるんだろうな」

名門である常盤台中学は、学園都市230万人の中でも最高位であるレベル5の7人中2人が在籍している。そのうちの一人が彼女、食蜂操祈である。彼女は序列第5位「心理掌握」であり、学園都市中に散らばる精神系能力者のトップに君臨する最強の精神系能力者である。精神に干渉することならば、それこそなんだってできるのだ。

食蜂「ふぅ…昔からすぐに卑屈になるんだから。当麻さんはもっと自信を持ちなさい。そんなにすごい右手があるんだからぁ」

上条はレベル0。しかし彼には非常に特異な力があった。「幻想殺し」と呼ばれるどんな異能の力も無力化できる力だ。

上条「この右手のせいで俺はいつも不幸なんだけどな…」

何年か前、食蜂は「幻想殺しは幸運すらも打ち消してしまうのではないか」という推測をした。彼女はレベル5だけあって非常に頭がいいのである。その推測に上条はひどく納得した。

食蜂「あらぁ、それは聞き捨てならないわねぇ。私みたいな幼なじみがいて不幸だなんてぇ」ジトー

上条「ははっ悪い悪い。それもそうだな!よーし買い物行くぜー!操祈も手伝ってくれよ!今日は特売なんだよ!」

食蜂「もぉ仕方ないんだからぁ。お返しに当麻さんの手料理ご馳走してくれるならいいんだゾ☆」

上条「それくらいお安いごようだ!よーし、行こう!」タッタッタッ

上条当麻 高校一年生春のことである。桜の桃色から緑に色を変え、もうすぐGWになろうという時期であった。

ピピピピピピピピッ

携帯電話に設定していたアラーム音が部屋に鳴り響く。

上条「んあー…朝か…」ムクッ

上条は寮で一人暮らしをしていた。彼はレベル0でお金がたくさんあるわけではないが、上条に浪費癖があるわけでもなく、安定した生活を送ることができていた。

携帯電話の画面を確認する。4月30日と表示されていた。GW序盤、この日は食蜂と遊びに行こうと前々から約束していた。ちなみに昨日は親友であり、隣人でもある土御門と、同じく仲の良い青髪ピアス(本名ではない)と夜遅くまで遊んでいたため、若干寝不足だった。しかし、そんなことで食蜂との約束に遅れるわけにはいかない。

上条「今日は晴れだな」

窓から空を見上げて呟く。晴れ渡る青空と輝く太陽を見ると、なんだか自然と力が沸いてくる。

上条「よぉし!今日も元気に遊ぶぞ!」

ちなみに彼の成績は非常に悪い。GWの課題だってもちろんあるが、上条は気にしないようにしていた。現実逃避にほかならないが、まだ序盤だからと心に言い聞かせる。

ブーブーブー

上条「ん?メールだ」カチ

上条「土御門から?何のようだろ。今日は操祈と遊ぶからお前らと遊べないって言ったはずだけどなぁ」

土御門『カミやん、急いで俺の部屋に来てくれ。時間がない』

上条「…なんだ?真面目な話っぽいけど」

土御門元春は、普段はふざけたしゃべり方をしているが、いざというときには頼りになる男である。メールの文面を読む限りでは、かなり真剣な様子であった。

上条「まさか…あいつの身に何かあったのか?」

上条はだんだんと焦り始める。上条は昔ながらの不幸体質でトラブルに巻き込まれる頻度が半端ではなかった。その彼が何よりも恐れているのが、自分のせいで他人が不幸な目に合うことだ。それだけはいけない。絶対に。過去のある出来事が彼を突き動かしていた。

上条「待ってろよ!土御門!」

バンッ!!!!

上条「土御門!無事か!?」

上条は土御門の部屋の扉を勢いよく開け放ち、急いで靴を脱いで部屋へと上がる。部屋はトレーニングに使うであろう様々な機械があり、そのなかに土御門はたたずんでいた。

土御門「来てくれたか、カミやん」

上条「どうしたんだよ土御門。何か厄介事に巻き込まれたのか?」

土御門「ああ、非常に厄介なことだ」

上条「そ、そりゃ一体…?」

土御門「実はな…」

上条「じ、実は…?」ゴクッ

土御門「舞夏と喧嘩しちゃったんだにゃ~~!!」ブワッ

上条「………は?」

土御門には舞夏という義妹がいた。土御門は義妹の舞夏を溺愛しており、舞夏のためなら何でもできるという自信と自覚を持っていた。当の本人にしてみれば確かにかなり厄介なことだろうが、いきなり兄妹喧嘩のことで呼び出された上条としてはたまったものではない。

上条「知るかぁ!そんなことで呼び出すんじゃねーよ!操祈との約束に遅れたらどうしてくれるんだよ!俺は帰るぞ!」スタスタ

土御門「カミやん!ちょっと待ってほしいんだにゃー!」

上条「待たねぇよ…また学校でなー」

土御門「カミやんんんんん!!」

バタン

上条「マジで急がねーと!遅刻しちまう!」アセアセ

土御門のせいで余計な時間を使ってしまった。約束の時間は刻々と迫ってきていた。

上条「うおおおお!」ダダダダ

急いで玄関から飛び出す。このまま走れば間に合う可能性は高い。

上条「まにあえええええ!!!」ダダダダ

-待ち合わせ場所-

食蜂「当麻さんまだかしらぁ?」

約束の時間まであと3分。だんだんと不安になってくる。

食蜂「何かあったのかしらねぇ…」

食蜂は幼少の頃から彼の不幸体質を知っている。また何か不幸なことに巻き込まれているのかと毎日同じようなことを思ってしまう。しかし今日ばかりはその心配は杞憂に終わった。

上条「操祈ぃーーー!」ダダダダ

食蜂「当麻さん!」パァ

上条「わ、悪いゲホッお、遅れた」ハアハア

食蜂「ギリギリ遅れてないわよぉ。でもなんでそんなに疲れてるのぉ?」

上条「お、おう…ちょっとな…」ハアハア

上条の脳裏に土御門の顔が浮かぶ。

食蜂「ま、今ここに来てくれているってことはそんなに危ないことではなかったんでしょぉ?」

上条「ああ。心配かけて悪かったな。よし、行こうぜ」

今気付いたけどめっちゃID変わってるな…申し訳ありません。一応全部同一人物です。しばらく書き溜めしてから出直してきます。

ちょっと投下します

どっちでもいけるけど
操祈と一緒に幸せになって欲しいからifで出会わない設定

食蜂「はぁい☆」ギュム

上条「おうふ」

食蜂が上条の腕に抱きついたことで彼女の豊満な胸が当たり、上条としてはそこに意識を集中せざるを得ない。

上条「あの~…操祈さん?む、胸が当たっているのですが…」

食蜂「当ててるのよぉ☆」

上条「あ、あのなぁ…」

彼女は上条と出かけるときいつも腕に抱きつくので、そのたびに彼は注意するが、まるでやめる気配がない。しかし、彼も決して嫌な訳ではない。彼女は学園都市に来る前からの大切な幼なじみである。ましてや彼女には感謝してもしきれない大きな恩があった。彼女を傷つけることだけはしたくなかった。

上条「まぁいいや。たしか時計を買いに行くんだっけ?」

食蜂「ええ。寮のお部屋にある時計が壊れてしまったのよぉ。それで当麻さんに選んで欲しくて…」テレテレ

上条「何で俺なんだよ?正直センスないですよ?」

食蜂「いいのよ。当麻さんに選んで欲しいの」

上条「ふーん。まぁ別に構わないけどな」

食蜂(もう…鈍感なんだからぁ)

食蜂は上条の事が好きだった。心の底から愛している。彼からはたくさんの大切なものをもらった。当の本人は、その鈍感さと卑屈さで気付いていないようだが…

食蜂(まぁこれから気づかせてあげるわぁ)フフフ


-時計とか売ってる店-

上条「うわー、さすが学園都市だな。高性能な時計ばっかりだ」

店にはたくさんの時計が並んでいた。
中には、時計と呼べるのかすら分からないほどたくさんの機能をつけまくったものもあった。

食蜂「これなんてどうかしらぁ?」

上条「へぇー、星形の時計かぁ。なんだか操祈らしくていいな。それで良いんじゃないか?」

食蜂「うふふ。じゃあこれにしちゃうわぁ」

食蜂は星形の時計を持ってレジへ向かう。が、途中であるものが目にはいった。

食蜂「砂時計………」

上条「砂時計?学園都市にも砂時計があるんだな」

学園都市は他の地域にくらべて約30年近く科学が発達しているため、砂時計はなかなか珍しい品であった。

上条「買ってやろうか?」

食蜂「え?」

上条「いや、操祈がじーっと見てたからさ。欲しいのかな、なーんて」

食蜂「当麻さんがプレゼントしてくれるの!?」ガタッ

上条(ビクッ「お、おう。砂時計くらいなら上条さんにも買えますよー」

食蜂「ありがとう、当麻さん!」ニコッ

可愛い。上条は純粋にそう思った。
しかし、そんな気持ちも長くは続かない。

上条(4500円!?砂時計一個が!?)

予想していたより砂時計が高かったのである。

上条(おいおいマジかよ!砂時計で4500円の出費はなかなかのダメージだぞ!?……でも…)チラッ

食蜂「」ニコニコ

上条(操祈を悲しませるわけにはいかねぇ!腹くくれ!!)



店員「あざっしたー」

上条(これでいい…操祈の笑顔も見れたしな)

食蜂「当麻さんありがとぉ!とっても嬉しいわぁ!」

上条は、やはり買って良かったと思った。彼女はレベル5ではあるが、1人の中学生の女の子でもある。しかも、彼女から聞く話では、常盤台では派閥争いなどもあり、学校生活も楽しいことばかりではないらしい。そんな彼女の純粋な笑顔が見れただけで値段以上の価値があった。

ID変わるって言ってたから、>>19が1なのか一般人なのわからんww

明日に向けて書き溜めておきます。短くて申し訳ありません。

>>24

日付が変わってIDも安定しました。>>19の方とは別人です。混乱させてしまい申し訳ありません。

少しばかりですが投下します

あれ?またIDおかしいなぁ

調子悪いみたいです。すみません。

時間はあっという間に流れていき、気付けば輝く夕日が二人を照らしていた。

上条「操祈、学校まで送っていくよ。女の子1人じゃ危ないからな」

食蜂「え?今日は当麻さんの家に泊まろうかと思ってたんだけどぉ?」

上条は一瞬呆けるが、すぐに反論した。

上条「常盤台ってそういうの厳しいってお前言ってたじゃねーか。ダメだダメだ!」

食蜂「私の改竄力をなめてもらっちゃ困るわぁ」ニコッ

ぞぞっ…

上条はその時の食蜂の笑顔に、一瞬背筋が冷たくなるのを感じた。

上条「お、お前の能力は凄すぎるから、無闇に使うなって言ったろ」

食蜂「」ギクリ

食蜂(当麻さんにあの事がバレてしまっては何もかもおしまいよぉ…気を付けなきゃ…)

上条は知らなかった。食蜂が能力によって常盤台の最大派閥のトップの座にいること。取り巻きの女の子たちに自らを「女王」と呼ばせていることを。

食蜂(当麻さんにバレたら嫌われちゃう…)

上条「どうしたんだよ、操祈」

食蜂「い、いや…別にぃ…」

ともかく!と上条は腕を組む。

上条「俺んちに泊まるのはダメだからな?」

食蜂「はぁい…」ショボン

上条「……………」

上条「まぁ、泊まるのはダメだけど、遊びに来るならいつでもいいぞ。」

食蜂「!」パァッ

食蜂「明日行ってもいい?」

上条「おお!来いよ!」

一瞬「課題」の文字が浮かぶが、すぐにそんな考えは消し去った。現実逃避に徹することにした上条だった。

食蜂「ありがとう当麻さん!待っててねぇ!」

上条「ああ!」

食蜂はすぐに機嫌が良くなったようだった。笑顔で鼻歌を歌いながら歩いているのを見ていると、こちらまで笑顔になる。食蜂と一緒だと落ち着く、と上条は思った。この広い学園都市で間違いなく一番付き合いが長いのは彼女であり、一緒だと言い知れぬ安心感がある。明日も楽しもうと上条は心から思った。



楽しかったGWは終わり、季節は流れる。その日は勢いよく雨の降る6月下旬だった。

ザアアアアアアアア

上条「雨か…不幸だ…」

上条は教室の窓から外を見渡してうなだれた。あいにく傘を持っていないのだ。

青ピ「カミやん、どしたんや?そんなうなだれて」

上条「傘がないんだよ…」

青ピ「あららー、そりゃあかんな。貸そうにも僕はカッパ派やねん」

上条「高校生がカッパ来て下校してるとこなんて見たことねーよ」

青ピ「ま、今日はめずらしく僕も用事があるんや。すまんけど帰らせてもらうでー」

上条「おう、じゃーな」

教室の窓から、カッパを着た青ピが全速力で校門を出ていく姿を眺める。なかなかシュールだった。

上条「ん?あれは…」

青ピが通り過ぎた校門の近くに、常盤台の制服が見えた。

上条「操祈か!おおお!傘持ってるじゃねーか!」

きっと自分は傘を持っていっていないことを見抜かれていたのだろう。その気遣いはすごく嬉しかった。

上条「操祈を待たす訳にはいかねぇ!急いで校門に行こう!」ダダダダ

上条「おーい!操祈ー!」

食蜂「当麻さん!やっぱり傘忘れちゃってたのねぇ」フフ

上条「いやー助かったよ。ありがとな、操祈」

食蜂「長い付き合いだもの。当麻さんなら絶対忘れてると信じてたわぁ」

上条「嫌な信じ方だなおい」

傘をさして二人は歩き出した。同じ歩幅で。さながら恋人のようで。

上条「俺んちよってくだろ?何か温かいもの出すよ。今日は少し冷えるからな」

食蜂「もちろん寄らせてもらうわぁ。そのまま泊めてくれてもいいのよぉ?」

上条「だめだっつの」

食蜂「なんでよー。昔は一緒のお布団で寝てたじゃなぁい」プンプン

上条「そりゃ子供の頃だろ。今はもう違う」

食蜂「むー」

食蜂「ホントのところはぁ?」

上条「そりゃお前ついつい過ちを犯してしまわないように-って違う!無しだ無し!今の無し!」アセアセ

食蜂「///////」カァ

食蜂(狙ってたわけだけどぉ、まさかホントに言っちゃうなんて…///)

その後なんとなく気まずい雰囲気が流れた。上条は虚空を見つめ、食蜂は顔を赤らめたままうつむいている。それも仕方ないことであろう。そんな話の後に上条の家で過ごそうというのだから、緊張しないほうがおかしい。

上条「つっつつ着いたぞ」

食蜂「は、はい///」

上条(なぜに敬語!?とりあえず動揺し過ぎだろ俺は!平常心だ!大丈夫、平常心でいさえすれば何の問題も起こらねぇ……はず)

食蜂(当麻さん動揺してるのかしらぁ?もしかしたら、告白するチャンスかもしれないわねぇ////)

今まで彼への告白は一度も成功していない。しようと思っても彼のペースにのせられてしまい、どうにも思い通りにいかないのだ。

食蜂(今日で長かった片想いも終わるのねぇ…)シミジミ

チラリと上条の方を一瞥する。彼はすでに、普段と何ら変わりない表情だった。

食蜂は、長く彼と一緒にいて、なぜだか上条には「家事をしていてほしい」という漠然とした思いがあった。
もしも彼と結婚できたら、ぜひとも主夫をやってもらいたいところである。
自分はレベル5であり、金銭面で困ることはまずあり得ないだろう。

食蜂(そして今日が結婚への第一歩…絶対に告白を成功させちゃうゾ☆)

彼の淹れてくれた紅茶を飲みながら改めて決意を固める。すると上条は、またも台所へ向かい、何かを探していた。

上条「お、あったあった」

何かを見つけたらしく、それをもってきた。

上条「ほら、これ。土御門の妹が昨日お裾分けしてくれたクッキーだよ。俺も少し食べたけど、めちゃくちゃ美味しいんだぞ」

クッキーが綺麗に並べられた皿を食蜂の前に置いて、ようやく腰を降ろした。

食蜂はすぅっと息を吸ってゆっくり吐き出す。すでに準備は出来ていた。

食蜂「ねぇ、当麻さん。大切なお話があるんだけど、いいかしら」

高鳴る鼓動を必死で抑え、あくまでも静かに告げる。
上条は、急に雰囲気の変わった食蜂に若干驚きつつも、その問いを快諾する。

上条「おう、別にいいぜ。何でも言ってくれ」

食蜂「えっとね…わた『ピピピピピ』
…へ?」

上条の携帯電話の空気を読まない無機質な着信音が、食蜂の声を遮る。

上条「お?悪いな操祈。ちょっと電話に出てくるよ」

上条は携帯電話を持って少し離れたところに行き、電話に出た。一方の食蜂は

食蜂「」

食蜂「」

どれだけタイミングが悪いのだろうか。一世一代の告白をしようというときに、それはないだろうと思った。誰が電話をかけてきたのか知らないが非常に恨めしい。
食蜂が負の感情にとらわれていると、電話中の上条から驚きの声が上がる。

上条「な、なんだって!?本当か土御門!!」

相手は彼の友人である土御門のようである。
いったいどうしたというのだろう。

上条「あぁ!分かった、すぐいくぞ!」

電話を切った上条は、素早く食蜂のもとへ駆け寄る。

上条「操祈!ごめん、急用ができちまった!すぐ戻るから待っててくれ!」

早口でまくし立てると、すぐに玄関へと向かう上条。あまりにも突然すぎて食蜂は何がなんだか分からない。

食蜂「ち、ちょっと待ってよぉ!一体何が起こってるの?」

せめて理由くらいは聞いておこうと食蜂は玄関で靴を履いている上条に問いかける。

上条「土御門からの話では、ウチのクラスメイト2人が大勢のスキルアウトに囲まれていたらしい!まだ暴力は振るわれていないようだけど、いつ振るわれるか分からない!いくら土御門でも1人じゃきびしいだろ!?だから俺が…」

ものすごい勢いで喋りまくる上条。今の彼には余裕がない。誰の目から見てもそれは明らかであった。

食蜂「お、落ち着いて当麻さん!あ、そうだ!私も一緒にいけばいいのよぉ!私なら一瞬でスキルアウトを操れるわよぉ」

上条「……気持ちは嬉しいけど、やめといたほうがいいぞ」

食蜂「な、なんでよぉ!」

上条「ここから少し離れたところなんだよ、そこは」

食蜂「そ、それがどうしたっていうのぉ?」

上条「お前全然体力ねーじゃん」

食蜂「」

上条「操祈が走りきれる距離じゃない。だからここで待っていてくれ。お前の気持ちは受け取ったよ。ありがとうな」ナデナデ

そう言い残すと上条は全速力で目的地へと向かう。今頃、土御門がたった1人で頑張っているはずだ。


食蜂「絶好の…チャンスだと思ったのにぃ…当麻さんのばか…」

しかし彼を責めることなどできるはずがない。彼は老若男女問わず困っている人がいれば絶対に助けていた。彼は以前それを「偽善だ」と皮肉っていたが、食蜂はそう思わない。彼ほど素晴らしい人格者はいないと確信している。そんな彼に自分は惚れたのだ。

食蜂「どうか無事でね…当麻さん」

こんばんは。今から投下します。少々
お待ちください。

食蜂(当麻さんならきっと大丈夫.....今はそれよりも....)キョロキョロ

好きな男の部屋に自分ひとりだけ。そして彼女の目の前には彼がいつも使っているベッドがある。

食蜂(寝転がってみたい...枕を抱きしめてみたい...)

激しい衝動に駆られる。欲望の赴くままにベッドに飛び込む食蜂。

食蜂(当麻さんの匂い.../////)

幸福感に包まれた食蜂は、先ほどの気疲れからかすぐに眠ってしまった。




~♪~♪~♪~

食蜂「ほえ?」ガバッ

携帯電話の着信音だ。寝ぼけ眼でそれを見つめる。

食蜂(何よぉ...人がせっかく気持ちよく寝てたって言うのに...)ウトウト
食蜂「はぁい?」

上条『よう操祈』

食蜂「と、当麻さん!?」

自分はどうやら本当に寝ぼけていたらしい。着信音が誰から来たのか
も確認していなかったらしい。大好きな幼馴染の声を聞いて一気に覚醒する。

上条『あのさ...俺...』

食蜂「ど、どうしたの?」

上条『入院しちまったよ』ハハハ

乾いた笑い声で彼はそういった。

食蜂「えええっ!?入院ですってぇ!?」

上条『いやー、まさかあんなにも人数が多いとは上条さんも予想外でしたよー』ハハハ

聞けば、最終的には15,6人ものスキルアウトがいたらしい。食蜂の想像をはるかに超えていた。
多いとは言っても、4,5人とかその程度だと思っていたからだ。その数の相手をたった二人で
相手にしていたとなると、入院ですんだのは大健闘だといえるだろう。

食蜂「そ、それで怪我の具合はどうなのぉ?」

上条『全治一週間だとさ』

食蜂は激しく後悔した。確かに自分の体力では、目的地にたどり着くのはかなり難しかった
かもしれない。だが食蜂の能力を持ってすれば15,6人程度は一瞬で掌握出来ただろう。
自分に体力がないばかりに、彼に入院するほどの怪我を負わせてしまった。

食蜂「あ....わ、私...」

上条『........なぁ、操祈』

上条の声でハッとする食蜂。

上条『私のせいだー、なんて思ってんじゃねぇだろうな?』

少しばかり怒ったような声で上条は問う。

食蜂「あ、当たり前でしょう?私に体力がないばっかりにあn」

上条『違ぇよ』

上条は彼女の言葉を否定する。先ほどと違い、その声は今まで聞いたことがないほど優しい。

上条『俺がお前に言ったんだろうが。お前はくるなって。だからお前が気に病むことは一つもない』

だからと言って、彼が必死に戦っている時に自分は「上条さんの匂い////」などといって彼のベッドで
昼寝していたのである。罪悪感でいっぱいだった。しかし彼はこれ以上言っても、「お前は何も悪くない」
の一点張りだろうということは長年の付き合いでわかる。食蜂にできることは一つだけだ。

食蜂「お見舞い...行くから」

上条『ああ、待ってるよ。じゃあ』

電話を切る。時刻は既に19時をまわっていた。が、今の食蜂にはどうでもよかった。
急いで部屋をでた。

そこらへんに停車していたおっさんを見つけると、バッグからリモコンを取り出し、ボタンを一押しする。

おっさん「」

食蜂「病院まで連れて行って!早く!」

おっさん「ハイ」

とんでもない速度で病院までの道を走らせた。しかし途中で警備員に違反切符をとられてしまい、
停車を余儀なくされた。

食蜂「んもう!つかえないんだからぁ!」プンプン

病院まではまだ少し距離がある。また別の運転手を操らなければと、食蜂はおっさんの洗脳を解き、
車から出て行った。

おっさん(あれ...なんで俺はこんなところに?てかなんで違反切符?あれ?)

その後のおっさんの苦労は知ったことではない食蜂であった。

その後ももう一台の車に違反切符をとらせたが、ようやく病院についた食蜂。
受付に「もう面会時間はおわりですよ?」と言われたが洗脳してことなきを得た。
上条の元へと、少ない体力を振り絞って走る。

食蜂「ハアハア...当麻さん!」ガラッ

上条「お、おお!?操祈!?なんでこんな時間に?」

食蜂「そんなこと、今はどうでもいいでしょう?当麻さん」

上条「お、おう...」

上条は食蜂のほうをチラリとみると、息が荒い。もしやかなり急いで来てくれたのだろうか。
実際のところ、確かに彼女は急いでいたが、息が荒いのは病院を少し走っただけである。
上条はそんなことなど露知らず、ただひたすら彼女の思いやりに感動していた。
変わりに二人の運転手が被害を受けたことを彼は知らない。

用事が出来てしまいました。申し訳ありませんが一旦打ち切らせていただきます。
完結はなにがなんでもしようと思っておりますので、なにとぞよろしくお願いします。

あと言い忘れていましたが、今回初めてパソコンから投下させていただきました。
パソコンでこのスレを見てみると、スマホで投下した分はえらく横長なのにきずきました。
非常に読み辛かったと思います。しかし仕事の都合上パソコンを起動する暇がない
こともありますので、横長なのを承知でスマホで投下させていてだくこともあります。
大変申し訳ありませんでした。完結まで見ていってくれる方がいれば非常に
ありがたいです。
長文失礼しました。

少し時間が出来ましたので、昨日の夜に投下できなかった3レス分投下させていただきます。

食蜂「ごめんなさい....」

上条「もういいって。さっきも言ったけどお前のせいじゃないんだからさ」

食蜂「うん...」

未だ罪悪感は消えない。が、彼はそんなものを感じて欲しくないようなのであまり考えるのは
よしたほうがいいと思った。


上条「お見舞い...ありがとな」

食蜂「う、うん...」

食蜂「そういえば土御門さんは?」

上条「ああ、あいつは別の病室だよ。あいつは普段からかなり鍛えてるからな。
俺よりも早く退院できるそうだ」

食蜂「そう、なんだ」

昔から思っていたが、彼は相当異常である。自分も人のことは言えないが、
上条のそれは常軌を逸している。
自分が関係ないことに首を突っ込んでは、こうして入院するほどの怪我を負わされている。
それでいてなんてことはない、と言うように笑っているのである。
しかし彼は決して見返りなどは求めない。
完全なる「善」であり、自分のような人間が彼の隣で一生を添い遂げようとするのは、
周りの目にはどのように映るのだろうか。

このままだとどんどんマイナス方面へと考えてしまいそうだったので、
少し明るい話題を考える。

食蜂「そういえば、当麻さんから砂時計を贈ってもらったことがあったじゃない?」

上条「もちろん覚えてるぜ」

食蜂「あの砂、すごく綺麗なのよぉ」ニヘー

上条「そういってもらえると買ったかいがあったよ。良かったな」ニコッ

食蜂「えへへ/////」

食蜂はかすかに顔を赤らめて笑う。彼女の笑顔は見ていて非常に愛らしい。
ずっとその笑顔を守りたいと、そう思った。

食蜂「もうね、何回でもひっくり返してみたいって思っちゃうのよぉ」

上条「あはは、そんなにかよー」

平穏な日常。心落ち着く幼馴染とのひと時。そんな日々がずっと続けばいいと、そう思っていた。


一週間が経ち、上条はめでたく退院した。
その後も幸せな日々が続く。食蜂は今だに告白できていなかったが。


---------------------------------------------------------------------

時は流れ、夏休みまでもう少しという時期。
外では、けたたましいセミの声が鳴り響いていた。

今日の夜も投下させていただきます。
見ていただければ幸いです。

投下させていただきます。

-------7月18日-------

上条「もうすぐ夏休みかーはええなー」

食蜂「ええ、楽しみね。夏休みも一緒に遊びたいわねぇ」

上条「ああ。そうだな」

食蜂は学校帰りに上条の部屋に寄り道していた。
もうすぐ夏休みということもあり、食蜂のテンションはいつもより高い。
対して上条は、夏休みが補習三昧と言うことがわかっているのかテンションは高くない。

食蜂「でも、私は夏休みの最初のほうは研究所に通わなくちゃならないのよねぇ」

ひどく残念そうに彼女は言う。研究は彼女にとって退屈でしかないのである。

上条「別にいいさ。夏休みってのは長いからな」

しかし、食蜂には夏休みに入るまでにどうしてもやりたいことがあった。
昨晩ようやく腹をくくったところであった。

食蜂「ねぇ、明日の放課後にちょっと話があるんだけど.......」モジモジ

上条「え?今すりゃいいじゃん。言ってみろよ」

食蜂「あ、明日!明日言うから!」

上条「ふーん?まぁかまわないけどな」

食蜂が上条に明日伝えたいこと。それは彼に好きだという長年の気持ちを伝えること。
今まで失敗に終わってきたが、明日は絶対成功させてやろうと言う今までとは一線を
画す覚悟であった。なんとしてでも夏休み前には彼と恋人になり、それからの夏休み本番を
全力で楽しみたかった。

食蜂「じゃあ、17時にあの場所でね、当麻さん」ニコッ

上条「おう、わかった」ニコッ

食蜂「じゃあ今日のところは失礼させていただくわぁ」

上条「自分で言っといて遅れんなよ?ww」

食蜂「あら、それはこっちのセリフよぉ」クスクス

上条「じゃあ、また明日な」バイバイ

食蜂「はぁ~い、また明日ね」フリフリ

ー学舎の園ー

自室に入るなり、食蜂はベッドの上に寝転ぶ。

食蜂「明日は...絶対に成功させてやるんだからぁ...それで、当麻さんとの夏休みを満喫するのよ...」

ふと部屋に飾ってある砂時計が目に入る。それを取りに行き、またもベッドに寝転ぶ食蜂。
砂時計をひっくり返す。たまっていた砂が重力に引かれてサラサラと心地よい音を立てる。
部屋の電気にすかして眺めると、さながら大量の星粒が大空を離れて自分の元へと降り注いでいるように
見えた。

この砂時計は彼にプレゼントしてもらって以来、唯一無二の宝物となっていた。
この砂時計を毎日かかさずひっくり返して、その輝く星粒のごとき砂を眺めるのが
日課となっていた。これを見ていると、不思議と明日も明後日もうまくいくような気がした。










一生大切にしよう。この砂時計も、彼との思い出も。

くっそーバードウェイちゃんのSSもっと増えねーかなー
バードウェイSS書きたくなったわー
明日からちょい考えて見ますわ
このスレの進行が今よりも遅くなるかもやけど完結はさせる

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