阿笠「新一、頼まれていたものが完成したぞい」(7)

コナン「おっ、ついに完成したのか!」

阿笠「ほれ、光彦くんの抵抗を0にするスイッチじゃ」

コナン「サンキュー」

阿笠「くれぐれも悪用するんじゃないぞぃ」

コナン「そんなことしねえよ!」

〜学校〜

歩美「コナンくん、おはよー♪ 何やってるの?」

コナン「おはよう。光彦の机のレベルを測っているんだ」

歩美「レベルって、強さが分かるの?」

コナン「水平器を使って、平らにしてるんだ」

灰原「はぁ。誰にとっても下らないことを考えているのね…。吉田さん、行きましょ」

光彦「コナンくん、おはようございます」

コナン「おぅ、光彦。ちょうど良いところに来てくれた。今終わったところだ」

光彦「終わったって、何がですか。コナンスレって、ボクの待遇が悪いから正直嫌なんですよね」

コナン「良いから良いから。このスレでは簡単な仕事だから」

光彦「本当ですかぁ…」

コナン「ああ。机の上に立つだけだ」

光彦「机に仕掛けはなさそうですね…」

コナン「ほら、早く上がれよ」

光彦「こうですか?」

コナン「そうそう。それで、このスイッチを押すと…」

ポチッ
ツルツル


光彦「ぎゃうっ。足が滑って動けません! い、椅子も掴めないですっ」

コナン「はははっ。光彦の摩擦抵抗を0にしたんだ。もう何をしても、机の上で横になったまま滑って動けねえよw」

光彦「そんなぁ…」

コナン「掴めない椅子なんて要らないだろ。代わりにこれを置いてやるよ。特製の麻酔針だ」

ガタッ
コナンは椅子をのけて、麻酔針を設置した。

灰原「やっぱり、マジキチでも何でもない無駄スレだったわね」

コナン「は、灰原。要は、光彦が死ねば良いんだろ? 成功すれば毒針が刺さるんだから、それで満足じゃないか」

歩美「えっ、でも光彦くんは滑って動けないんでしょ。ずっと机で寝たままじゃないの?」

灰原「それが違うのよ」

光彦「わ、分かりました! 地球の自転ですね」

コナン「ああ。フーコーの振り子さ。家でゴロゴロしていたときに、このやり方を思い付いた」

歩美「フーコーの振り子?」

光彦「フーコーの振り子というのはですね、地球が自転していることを証明する方法の一つです」

光彦「振り子って、ずっと同じ方向に揺れていますよね。だから土台を回転させても、揺れる方向は変わりません」

光彦「逆に言えば、土台から見た場合、振り子の揺れる方向が変わっていくことになるんです」

コナン「いやあ、被害者がトリックの説明をするってのも、たまには良いものだな」

歩美「ということは、光彦くんは少しずつ机の上で回転して、仕掛けた毒針が刺さることになるのね」

光彦「それはいつのことですか?」

コナン「まあ、その位置だと昼休みには刺さるだろ。楽しみだなぁ」

歩美「そんなに待てな〜い」

灰原「だから、下らないと言ったのよ。仕方がないから、私が作ったスイッチを押すわよ」

光彦「何ですか、それは? 灰原さんが作ったものなら、ボクは喜んで頑張ります!」

灰原「慣性をリセットするスイッチよ。歩美ちゃん、そっちは西側だから移動しましょ」

歩美「うん」

ポチッ

光彦「ぐぼうっ」

光彦は窓を突き破り、飛んでいった。
その後、光彦の姿は確認されていない。

終わり

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