エレン「アルミンがオレを好きになるスイッチ」(111)


エレン「ってなんだこりゃ」

エレン「誰かの悪戯か……?」

エレン「そうだ! アルミンに聞けば……」

エレン「いや、こんなの見せられても嫌だろうし止めとこう」

エレン「うーん、一応仕舞っておいて……」ゴソゴソ

エレン「とりあえず飯食いに行くか」



???(……押さない、か。好奇心に負けてすぐ押すと思ったけれど)

書き忘れたけど多分ホモになるんで注意

−食堂−

エレン「えーっと、ミカサとアルミンは」

アルミン「……」

エレン「おっ、いたいた。アルミーン」

アルミン「……」

エレン「? アルミンのやつ、ボーっとしてどうしたんだ……?」

アルミン「……」

エレン「アルミン、ミカサはまだ来てないのか?」

アルミン「……」

エレン「……き、今日も訓練大変だったな!」

アルミン「……」

エレン「……」

エレン(えっ、無視されてるのかこれ……)

エレン「アルミン、何か考えごとか?」トントン

アルミン「あ、エレン……いたのか」

エレン「気付いてなかったのかよ!?」

アルミン「え……?」

エレン(まさか、また誰かに嫌がらせでも受けてるのか!?)

エレン(それとも訓練で失敗でもしたのか……)

エレン(隣に座っても気付かないくらい悩んでるとしたら)

エレン(いきなり突っ込むべきじゃない、よな……?)

エレン「いや、なんでもない。それより飯食おうぜ!」


アルミン「……僕、もう戻るよ」

エレン「えっ、でも全然食べてないぞ?」

アルミン「うん、食欲がなくて……」

エレン「食べないと辛いのはお前なんだ。明日は休みだけど食ったほうがいいって」

アルミン「わかってるよ、そんなこと」

エレン「なら……」

アルミン「食欲がないんだって言ってるだろ!!」

エレン「!?」



  ザワザワ  ザワ  ザワザワ


アルミン「っ……ごめん、でも本当に食べる気がしないんだ……」

エレン「お、おう。オレも無理に食わせようとして悪かったよ」

アルミン「じゃあ僕もう行くね……」

エレン「アルミン、もし体調が悪いなら医務室へ行ったほうが」

アルミン「大丈夫。横になれば治るさ」スタスタ

エレン「そうか……」



???(……目に見えて落ち込んでる)

エレン(どうしたんだよアルミン……)

エレン(あいつが怒鳴るなんて滅多にないのに……)

エレン(つまり余程のことがあったってことだよな)

エレン(無理にでも聞けばよかったか……?)

エレン(でも聞いたら嫌われそうでなんかイヤだ……)

エレン(って何気持ち悪いこと考えてんだオレ)

エレン(はあぁ……でも想像以上にヘコむ……)



エレン(気長に待つしかねぇのかな……)

−男子宿舎−


 ギィィ パタン 


エレン「……」

アルミン「……」

エレン(本読んでるのか。もう、体調はいいのか?)

エレン「アルミン、もう大丈夫か?」

アルミン「……」

エレン「ア、アルミン?」スッ

アルミン「!? わぁっ!?」バサッ

エレン「大丈夫か!?」

アルミン「び、びっくりした……」

エレン「オレの方が驚いたっつの……」

アルミン「ごめん……。何か用?」

エレン「何か用って、もう体調は大丈夫なのかって」

アルミン「ああ、うん。もう大丈夫だよ。心配かけたね」ペラッ

エレン「……」

エレン「なぁ、いくらなんでもさっきから冷たくないか?」

アルミン「え、そう?」ペラッ

エレン「……」

エレン「本置けよ」

アルミン「? うん」

エレン「お前、オレのこと好きか?」

アルミン「えっ?」

エレン「オレのこと、好きかって聞いてんだ」

アルミン「質問の意味が……」

エレン「好きか嫌いか答えるだけだろうが!!」

アルミン「っ!!」ビクッ


 ザワザワ  マタカ…?  ザワザワ


エレン「どうなんだよアルミン!!」

アルミン「エレン、声が大きいよ……」

エレン「オレのことが嫌いなのか!? 鬱陶しくなったのか!?」

アルミン「えっと、ひとまず抑えて、ね?」

エレン「っ……! もういい、寝るっ!!」バフッ

アルミン「エ、エレン……」

エレン(クソッ、何イライラしてんだオレは)

エレン(悩んでるのはアルミンのほうだってのに!)

エレン(……まさか本当に嫌われてないよな?)

エレン(べ、別にアルミンに嫌いって言われたわけじゃないし!)

エレン(押したい……。押せばアルミンがオレに相談してくれるはず……)ゴソゴソ

エレン(いやいや落ち着け。アルミンの意志を無視して……)

エレン(でもアルミンがすぐに答えてくれりゃあ……)

エレン(……ってアホらし、こんなおもちゃで何考えてんだ)

エレン(はぁ、明日起きたら謝ろ……)



???(……まだ押さない……)

−深夜−

アルミン「……」ソッ

エレン「……んー……」

アルミン「っ」

エレン「……」

アルミン「……ほっ」ススッ


  キィ パタン


エレン「……アルミン?」モゾ

エレン(こんな時間にどこに)

エレン(まさか、誰かに呼び出されて……)

エレン(アルミンがあんな風になるなんておかしいよな)

エレン(後をつけて……いや、でもオレが行ってまたあんな態度とられたら……)



  『アルミンがエレンを好きになるスイッチ』



エレン(…………)ゴクリ

エレン(押して、みるか)


      カチッ


エレン(うーん、何も起こらねぇな……)

エレン(やっぱ悪戯か?)

エレン(あっ、そうだ。アルミンが居ないと確かめようが……)

エレン(バカかオレは……後をつけよう)


  キィィ パタン

−廊下−


  ギッ... ギシ...


エレン(っ……意外と音響く……)

エレン(つうか何処行ったんだ……)


     パタ...


エレン(何処かの扉が閉まったのか? それとも開いたのか……)

エレン(見回りに見つかったらやべぇよな……いや、それはアルミンも一緒か)

エレン「アルミーン、どこだー……」ボソ

エレン(……返事するわけねぇか)



     コトン...



エレン「ん? 今、音が……」

エレン「ここって、書庫か」

エレン(誰かいるのか?)


  コンナ... ダメ...


エレン(なんかボソボソ言ってるな)

エレン(アルミンか……?)

エレン(やっぱり誰かに脅されて……)

エレン(よしっ……!)

−書庫−


  キィ...


「っ……!?」フッ

エレン(灯りが……)

エレン「アルミン、居るのか?」

「っ!」バサッ ドサドサッ

エレン「お、おい……待てっ!」

「……」タッ

エレン(クソ、暗くて全然見えねぇ!)

「あっ……!」ドテッ

エレン「大丈夫か!?」タタタッ

「あ、危ない!」

エレン「んぉあぁっ!?」ガッ

「わあぁっ!?」ドサッ

エレン「ってぇ……」

「う、うぅ……」

エレン「なんなんだよ……」

「エレン、どいてぇ……」

エレン「あ、わりぃ!」サッ

「いててて……」

エレン「大丈夫か、アルミン」ソッ

アルミン「……平気さ、このくらい」

エレン「そ、そうか」

アルミン「……」

エレン(なんか気まずい……。いつも通りにしろ! オレ!)

アルミン「……」

エレン「あのさ

アルミン「ごめん、エレン」

エレン「えっ」

アルミン「あんな態度とっちゃって……」

エレン「ん、ああ。別にいいって、誰にだってそんな日もあるだろ?」

アルミン「……」

エレン「アルミン?」

アルミン「僕にとっては、そんな日ばかりだったよ……」

エレン「ん?」

アルミン「僕が間違ってただけなんだ。だから、もう終わりにするんだ」

エレン「どういうことだ?」

アルミン「ああ。ううん、エレンは気にしなくていい。これは僕の問題だから」

エレン「そう言われてもな……」

アルミン「それよりさ、エレンは僕を探しに来てくれた……んだよね?」

エレン「おう。まぁ、な」ポリポリ

アルミン「ありがと」

エレン「別に礼を言われるようなことじゃないだろ」

エレン(よかった、笑ってくれた……スイッチのおかげか?)ホッ

アルミン「心配してくれたんだなって」

エレン「するに決まってるだろ……こんな夜中に何処行ったのかと思った」

アルミン「借りてた本を返しに来たんだよ」

エレン「? そんなの昼間に行けばいいじゃねぇか」

アルミン「……無断で借りてたから」

エレン「なっ、お前なんでそんなこと」

アルミン「貸し出し禁止の本だったんだ。でもどうしても読みたくなって……」

エレン「はぁ……その本、もう戻したのか?」

アルミン「う、うん」

アルミン「でも、戻してる途中にエレンが入ってきて……驚いた拍子で床に本が散らばっちゃったんだ」

エレン「躓いたのはコレかよ……さっさと棚に戻して帰るぞ」

アルミン「あ、ちゃんと並べ直さないと」

エレン「そんなことしてたら見回りの教官に見つかるっての」

アルミン「うぅ……」

エレン「気になるなら、明日直しに来ようぜ?」

アルミン「……ごめん」

エレン「いいって」

−廊下−


  ギッ... ギッ...


エレン「でも良かったよ、アルミンに何もなくて」

アルミン「えっ?」

エレン「オレさ、またアルミンがイジメられてるんじゃないかって……」

アルミン「あ……」

エレン「だからもし誰かに脅されてるんなら助けなきゃ!って思ったら居てもたってもいられなくてな」

アルミン「……」

エレン「迷惑、だったか……?」

アルミン「そんなわけない」

エレン「ならなんでそんな泣きそうな顔すんだよ」

アルミン「……なんでもないよ」

エレン「アルミン」

アルミン「心配しなくても、エレンが居てくれるおかげでもうあんなこと起きてないよ」

エレン「なら、いいけどよ……」

アルミン「……」

エレン「……」

−男子宿舎−


  ギィィ パタン


エレン「ふぅ、バレずに済んだな」

アルミン「うん」

エレン「ふぁぁ……寝ようぜ……」

アルミン「そう、だね」

エレン「そんなとこ突っ立ってどうした?」

アルミン「あの、さ。変なこと言っていいかい?」

エレン「? なんだよ」

アルミン「一緒に寝てもらって、いいかな?」

エレン「へっ」

アルミン「あっ、へ、変なことって言っても! 変な意味じゃないから!!」

エレン「バカっ、声デカイ!」バッ

アルミン「むぐっ……ご、ごめん……」


  シーン...


アルミン「ほっ……」

エレン「……いいぞ」

エレンが僕を好きになるスイッチの人?
わっふるわっふる

アルミン「え、い、いいの……?」

エレン「っていうか、寝床が隣なんだからいつも一緒に寝てるようなもんだろ」

アルミン「全然違うんだよ……」

エレン「ま、いいや。ほらいいぞー」ポンポン

アルミン「お、おじゃまします……」モゾッ

エレン「ぷっ、なんだそれ」

アルミン「……」ギュッ

エレン「……」ナデナデ

アルミン「撫でないでよ」

エレン「んー」ナデナデ

アルミン「……」

エレン「……」ナデナデ

アルミン「エレン」

エレン「ん?」

アルミン「おやすみ」

エレン「ああ、おやすみ」ポンポン

アルミン「すー……すー……」

エレン(一緒に寝てくれなんて、不安なことでもあったのか?)

エレン(やっぱり誰かに……)

エレン(心配ない。なんて言われても気になるよなぁ……)

エレン(もっと気にかけてやんねぇと……!)

>>37
ああいう感じのエロ書こうと思ったんだけど俺には難しいようだ

ていうか全然ホモじゃねぇなこれ…

ありがとう、ホモがんばる


  ・

  ・

  ・

  ・


エレン「くー……んん……」

アルミン「……エレン……起きてる?」ポツ

エレン「くー……かー……」

アルミン「……」


  ・

  ・

  ・

  ・


(ん、なんかすーすーする……)

(変だな……毛布掛けなかったっけ)モゾッ

「っ……!」

(ん……なんか当たった……)

(あぁ、アルミンが居るんだった……)

(驚かせたかな……)ナデナデ

(ふぁぁ……)

−翌朝−


エレン「んー、ねみぃ……」ノビー

アルミン「すぅ……すぅ……」

エレン(……少しは安心したか?)ナデナデ

アルミン「ん、んぅ……」

エレン「っし、自主トレ行くか!」


  ギィ パタン

−営庭−


  タッタッタッ タッタッタッ


エレン「はっ、はっ、はっ」

エレン(様子を見るっつってもどうするかな……訓練中はいいとして)

エレン(あんまベタベタしすぎるのも嫌がるよな……)

エレン(あっ、そういえばあのスイッチ……効果あったのか?)

エレン(いまいちよくわかんねーんだよな……)

エレン(ま、仲直りできたし効果あったとみるべきか)



  タッタッタッ タッタッタッ


エレン(今日は休みだし、座学の勉強でも教わるかな)

エレン(……その前に書庫の片付けしないとまずいか)

エレン「ふぅ……おわりっと」

エレン(一応また聞いてみるかなー……でも答えてくれなかったら……)スタスタ

アルミン「エレン、お疲れ様」ヒョコ

エレン「うぉっ!?」

アルミン「わぁぁ!?」

エレン「ビックリさせんなよ!」

アルミン「み、水持ってきただけだよっ!」

アルミン「それに何度か呼んだのにボーっとしてたじゃないか」

エレン「え、わ、悪い。考えごとしてた……」

アルミン「そっか……はい、お水とタオル」

エレン「サンキュ」

アルミン「僕でよかったら相談にのろうか?」

エレン「ん?」ゴクゴク

アルミン「考えごと」

エレン「んー、たいしたことじゃねぇよ」ポリポリ

アルミン「そう?」

エレン「ん、水ありがとな」

アルミン「うん」

エレン「……なぁアルミン」

アルミン「何?」

エレン「オレのこと、好きか?」

アルミン「……へ」

エレン「……」

アルミン「あ、あのさ。昨日からどうしたの……?」

エレン「やっぱ、答えてくれないのか?」

アルミン「っ!」

アルミン「ち、違うよ! いきなり聞くんだもの、誰だって驚くさ!」

エレン「嫌いなら嫌いでいいんだぞ……?」

アルミン「もう! 勝手に決め付けるなよ! 好きだよ、エレンのこと!」

エレン「本当か?」

アルミン「本当だよ……。はぁ、恥ずかしい……」

エレン「そっか、好きか」

アルミン「どうしたのさ、そんなこと気にするなんて」

エレン「なんつーか不安になってな」

アルミン「不安……?」

エレン「……アルミンとの距離が遠くなりそうな気がして」ポリポリ

エレン「このことは誰にも言うなよっ!? ミカサにも!」

アルミン「うん……」

エレン「はぁー、大分スッキリした! ありがとな、アルミン」

アルミン「ねぇ、エレン」

エレン「ん?」

アルミン「今から書庫に行かない? 整理しないと、バレちゃうかもしれないから」

エレン「いいぞ。オレも早いとこ行かないとって思ってたし」

アルミン「じゃあ、行こっか」

エレン「おう」

−書庫−


  キィ パタン    カチャン


エレン「えっと……おわ、全部戻したと思ったらまだ落ちてたのかよ」

アルミン「……」

エレン「んー……これはここか? で、こいつはこの棚……?」

エレン「だーっ、わかんねぇ! アルミン、この並び順で合ってるか?」

アルミン「……」

エレン「……アルミン?」

アルミン「エレン」

エレン「?」

アルミン「僕が昨日書庫で何してたか知りたい……?」

エレン「……本を返しに行ったんじゃ」

アルミン「ううん、それもあるけれど本当は違うんだ」

エレン「じゃあ……」

アルミン「エレンは、知りたい……?」

エレン「……言いたくないなら言わなくてもいいと思うぞ」


アルミン「僕は、正直に答えたよ。好きだって」

エレン「……それとこれとは違わないか?」

アルミン「同じだよ、僕にとっては」

エレン「同じって……」

アルミン「知りたくないならいいんだ。早く片付けよう」

エレン(オレに知ってほしいのか? だからわざわざここに……)

エレン「何を、してたんだ?」

アルミン「……」

エレン「知りたい。アルミンが何をしていたか、教えてくれ」

アルミン「……うん」

————————
−昨晩 書庫−


  キィ... パタ...


アルミン「ふぅ……」

アルミン「確かここだったかな……」スッ

アルミン(……エレンに酷いことしちゃったな)

アルミン(でも、そうでもしないと……)


アルミン(何やってるんだろう、僕)

アルミン(ホント、嫌になるなぁ……)


  スッ  パサッ ドサドサッ


アルミン(本の匂いは落ち着く……)ソッ
————————

エレン「本を散らばせたのはワザとだったのか」

アルミン「うん。棚の間なら、本に囲まれている気分になれるしね」

エレン「なんでそんなことしたんだよ」

アルミン「ふふっ、なんでだろうね。自分でもわからないんだ」

エレン「……」

アルミン「そして僕は——」

————————

    ギュッ

    シュルッ


    パサッ...





    ...ゴクッ

    スルスル...





    ストンッ...


————————

エレン「はぁ!? ちょ、ちょっと待て!」

アルミン「何?」

エレン「何で服脱いでるんだよ!?」

アルミン「自慰するためだけど」

エレン「なっ、あ、ええっ!?!?」

アルミン「エレン、落ち着いて」

エレン「落ち着けるか!」

アルミン「だから、僕は本を散らかして服を脱ぎ、自慰を始めようとした。ここまでいい?」

エレン「な、なんとか……」

エレン(いやわっけわかんねぇ……なんでわざわざ本に囲まれながら)

アルミン「言っておくけれど、別に本は関係ないから」

エレン「うえっ!? なんでわかっ……!?」

アルミン「本の匂いを嗅いで精神的に安定しただけで、毎回そうして自慰をしてるわけじゃないからね」

エレン「お、おう……」

エレン(なんで恥ずかしげもなく自慰って連呼できるんだよ……)

————————

服を全て脱ぎ、僕はそのまま床へと横たわった。
するすると性器へ手を伸ばし、そっと触れる。

「……っ」

乱雑に置かれた書籍に囲まれ、知識の波に生まれたままの姿で痴態を晒す。
いつもしているはずの行為とは状況が違うせいか、触れる程度の刺激で吐息が漏れた。

「っあ……」

ふわふわとした快感をじっくりと味わいたい僕は、性器から手を放し全身を撫でるように……

————————

エレン「ま、待て! 何でいきなり説明の仕方が詳細になってんだ!!」

アルミン「臨場感を出したほうがいいかなって」

エレン「き、聞かなきゃ駄目か……?」

アルミン「知りたいんじゃなかったの?」

エレン「いや、そうだけど……」

アルミン「じゃあ詳細にはしないから」

エレン「……わ、わかった」

アルミン「続けるね?」

————————

「はっ……あっ……」



「んんっ、ふっ……くっ……」



「ぁ、んっ。あぁっ……」



「あっ、は、あっ……れんっ……!」

「ふっ、くぅっ! んぁっ……」



「こんなっ……はぁっ……」



「こんなの、ダメ、だっ……」


  キィ...


「……っ!?」

(マズイ……誰か、来た……)スルッ

(灯りを消して……)フッ

(落ち着け、下を穿いちゃえば最悪上は羽織るだけでも……!)スルスル



「アルミン、居るのか?」



(!? エ、エレン!?)

(さ、最悪どころじゃない……)

(逃げる、のは無理か)

(なら少しでも時間を稼いで……)

「っ!」バサッ ドサドサッ

「お、おい……」

(この隙に上を着て……)モゾモゾ

「待てっ!」

(ちょ、ちょっと待ってよぉ!?)

(え、えっととりあえず物陰に!)タッ

「あっ……!」ドテッ

(やばっ、急げ急げ)モゾモゾ

「大丈夫か!?」タタタッ

(よし、なんとか着れた……ってそこは!)

「あ、危ない!」

「んぉあぁっ!?」ガッ

「わあぁっ!?」ドサッ

(お、重い……)

————————

アルミン「というわけだったんだ」

エレン(なんでオレは親友の性事情を聞いてるんだ……)

アルミン「エレン?」

エレン「あ、おう」

アルミン「わかってくれた?」

エレン「うぅん、まぁな……」

アルミン「ならエレン、僕は何を想って自慰をしていたんだと思う?」

エレン「えっ!? いや、その。知るかよそんなの!」

アルミン「僕はね、あの時とても興奮していたんだ」

アルミン「いつもと違う状況で、許されることのない人を想い、してはいけない行為に耽っていたから」

アルミン「ねぇエレン、僕は誰を想って自慰をしていたんだと思う?」

エレン「……わかんねぇよ、そんなの」

寝落ちしてた…続きはまた明日かくまする

アルミン「そっか……」

エレン「な、なぁ、早く片付けようぜ? 朝飯に遅れちまう」

アルミン「エレン」キュッ

エレン「ん、どうした?」

アルミン「エレン」

エレン「だからどうした……って」

アルミン「エレン……」

エレン「お前、なんで泣いてんだ……」

アルミン「ぼく、やっぱりだめだ……」

エレン「何がだ?」

アルミン「こんなことはもうしちゃいけないって」

アルミン「ぜんぶ、おわりにして、しょうじきになろうって」

アルミン「そう、おもってたのに……」

エレン「……とりあえず涙拭けよ」ゴシゴシ

アルミン「あの時さ、エレンのことを考えながら……その、してたんだ」

エレン「……そっか」

アルミン「驚かないね」

エレン「まぁな」

アルミン「僕、エレンのことが好きだ」

エレン「……そうか」

アルミン「驚かないね」

エレン「まぁ、な」ポリポリ

アルミン「嘘ばっか……って、それは僕か」

エレン「お前は嘘吐きじゃねぇだろ」

アルミン「嘘吐きだよ。怖くて、臆病で、後ろめたいから平気で嘘を吐いた」

エレン「それは自分を守るためで、誰かを傷つけるために吐いた嘘じゃないだろ?」

アルミン「キミは傷付いてないの? 僕はエレンのことを考えながら、していたんだよ?」

エレン「んなこと言ったら、その、想像してすること事態いけないみたいになるだろ」

アルミン「……」

エレン「……」

エレン「なぁ、オレも一つ聞いていいか?」

アルミン「? いいよ」

エレン「あのスイッチってお前が作ったのか?」

アルミン「……うん」

エレン「なんで作ったかも、聞いていいか……?」

アルミン「……うん」

アルミン「あれは、僕が素直になるための自己暗示さ」

エレン「自己暗示……?」

アルミン「もしエレンが押してくれたら、自分に素直になって思いの丈を告白しよう」

アルミン「そうすれば、僕の黒く汚れた情欲を全てあのスイッチに隠してしまえる」

アルミン「そう思える、そうなる、はずだったんだ……」

エレン「……オレ、押したぞ」

アルミン「え……いつ……?」

エレン「ここにアルミンを探しに来る前、部屋で押してから来たんだ」

エレン「またあんな態度とられるのが怖くてな……」

エレン「あの時、お前は普通に接してくれたからスイッチのおかげだって思っちまった」

エレン「でも違ったんだな」

アルミン「ふふっ、そうだね。あんなのただのガラクタだから。押しても意味なんてない」

エレン「……」

アルミン「でも、そっか、押してたのか……」

アルミン「なら、もっと正直にならなきゃいけないよね」

エレン「えっ」

アルミン「昨日、僕がエレンに冷たくしたのはスイッチを押させるための御芝居さ」

アルミン「僕がキミを煩わしく思うかのように振舞えば、すぐにでも押すと踏んだのだけれど……」

アルミン「まぁ、結果としては上手くいっていたんだね」

エレン「……」

アルミン「最低でしょ、僕」

エレン「そんなこと」

アルミン「あるよね。だってキミをわざと傷つけるために嘘を演じたんだから」

エレン「そんなことない」

アルミン「あるんだ」

エレン「ない!」

アルミン「っ……」

エレン「何度でも言うぞ。お前は最低なやつじゃない」

アルミン「どうして……」

エレン「だってお前は迷ってたんだろ? 自分がしたことに後悔してたんだろ?」

アルミン「っ……」

エレン「じゃなきゃ、もう終わりにしなきゃなんて思えないはずだ」

アルミン「それは、自分が楽になるための……」

エレン「胸に手を当ててみろよ、どこが楽になってるっつうんだ……」

アルミン「僕はエレンにっ! 罰を……与えて、ほしくて……」

エレン「叱られて泣きべそかいてるような顔されて、怒れるわけないだろうが……」

アルミン「えれん……」

アルミン「だめ、だめなんだよ……そうやってキミが優しいから」グッ

アルミン「エレンが助けてくれるから、エレンがいつも側に居てくれるから」

アルミン「悔しいのに、甘えたくなる。僕はキミを諦められなくなるんだ」

アルミン「キミのせいにしなきゃ、いけないくらいくるしいんだよ……」

アルミン「ゆるされたくなんかないんだ……」

エレン「……」

エレン「オレは今まで通りに接するぞ」

エレン「お前が困ってたら助けるし、お前が泣いてたら側に居てやる」

アルミン「なんで、だよ……」

エレン「これがアルミンへの罰だからだ」

アルミン「え……」

エレン「オレはさ、正直同性の恋愛なんてわかんねぇし理解もできない」

エレン「けど、そんなことでアルミンを否定したくないし、多分、否定なんかできない」

エレン「だからさ」

エレン「もうちょっと勇気出してみろよ」

エレン「それこそ、オレがアルミンを好きになるようにさ」

エレン「自分に素直になるんだろ?」


アルミン「……エレン」

エレン「なんだ?」

アルミン「ごめんなさい」

エレン「おう」

アルミン「それと……大好き、です」ニコッ

エレン「……おう」ポリポリ




——おわり

以上でありんす。エロなんてなかったんや

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