アルミン「新宿の巨人」クリスタ「サザンテラス口」(337)


エルヴィン「諸君ら104期を呼び出したのは他でもない。明日一日かけて遠征調査に行ってもらう」

一同 ザワ

アルミン(僕たちが初参加する壁外調査は2週間後のはずだぞ……?)

エルヴィン「調査と言っても壁外ではない。この世界の外だ」

アルミン(!?)

エルヴィン「昨日、地下の食料庫の荷台に乗り……なんやかんやでつきあたりの壁につっこむと」

エルヴィン「異世界に行けることが判明した」

アルミン(また適当な)

新宿駅周辺を舞台にした調査兵団104期の一日。アルミン視点。
104期最後です。もう少しだけお付き合い下さい。

以下ssと同日の話のはずなのでこちらもよろしく。いっぱい…。
エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」
エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」 - SSまとめ速報
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ベルトルト「新宿の巨人」ユミル「西口」
ベルトルト「新宿の巨人」ユミル「西口」 - SSまとめ速報
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サシャ「新宿の巨人」ジャン「東南口」
サシャ「新宿の巨人」ジャン「東南口」 - SSまとめ速報
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コニー「新宿の巨人」サシャ「南口」
コニー「新宿の巨人」サシャ「南口」 - SSまとめ速報
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ライナー「新宿の巨人」クリスタ「中央西口」
ライナー「新宿の巨人」クリスタ「中央西口」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1376580072/)

待ってた!
期待!

エルヴィン「昨夜、ハンジとリヴァイが荷台で遊んでいた際に発見した」

リヴァイ「エルヴィンお前もだろ」

ハンジ「レースで負けたからって、情報操作はよくないよ~」

エルヴィン「この世界ではない、未来世界に存在する極東の島国に繋がった」

エルヴィン「早急な調査が急務である。この世界にとって有益な情報が得られるかもしれない」

エルヴィン「よって諸君ら104期の中から志願者を募り、スパイを送ろうと思う」

アルミン(やったぞ!壁の外を探険できるんだ!でも、なぜ僕ら新兵が……?)

ジャン「なんだよそれ」

コニー「非科学的じゃねえか」

サシャ「コニー、キャラがぶれてます」

エルヴィン「志願者は明日、その荷台に乗り、目標の地域の最重要人口密集地帯に送られる」

エルヴィン「シンジュク駅という巨大なダンジョンだ」

アルミン(シンジュクダンジョン……)

エルヴィン「そこで君たちには現地の人間や文化を偵察してきてほしい」

続き来たー!
待ちわびたぜ

クリスタ「偵察……見るだけでよいのですか?」

ユミル「戦闘が起こる可能性は?」

ハンジ「私が昨日事前調査に行ってきたけど、基本的に治安はいいし確率は極めて低いと思うよ」

アルミン(ハンジさんが事前調査を……)

ハンジ「皆格闘術を心得ていないもやしっ子みたいだったしね」

ハンジ「まあ難しいことはさておいて、純粋に未来の異国を楽しんでくるといいよ」

ハンジ「ただ、シンジュクダンジョンは現地の人間でさえ飲み込む迷宮だよ……気をつけてね」

一同 ゴクッ

エルヴィン「以上だ。志願者は明日9時ここに集合」

エルヴィン「約1時間ハンジより向こうの情報を聴講したのち10時出発だ。それでは解散したまえ」



――解散後

ガヤガヤ

「アルミン」

アルミン(エルヴィン団長!)

アルミン「はっ」

エルヴィン「先程の話だが、君はどうする?」

アルミン「えっと、参加するつもりです」

エルヴィン「そうか」

アルミン「はい」

エルヴィン「……すまないが君には特別任務をやってもらいたい。極秘任務だ」

アルミン「はい。どのような任務でしょうか?」

エルヴィン「……」

アルミン「……」

エルヴィン「私はカツ……ウィッグだ」ボソ

アルミン「お、驚きです……」

アルミン(うわあ胃に穴空きそう)

エルヴィン「……」

アルミン「つ、つまり、最先端技術のウィッグを入手する任務……ですか」

>>3 >>5 サンキュー!頑張ります

エルヴィン「察しが良くて助かるな。それに加えて、他にもいくつかやってもらう」

エルヴィン「食後に私の部屋まで来なさい。任務の説明と、購入リストを渡そう」

アルミン「はい」

エルヴィン「君に、敬意を」ニコ

アルミン(カツラのおつかい。はあ。パパッとやってしまおう……)ゲッソリ


エレン「おーいアルミン!」


アルミン(今度はエレンが呼んでる)

アルミン「なんだい?」タタタ

エレン「何かゲッソリしてないか? 団長に何か言われたのか?」

アルミン「あはは……まあ。明日のことで」ハァ

エレン「やっぱ行くよな?」キラキラ

アルミン「もちろん行くさ! 異世界なんて、興奮で今夜は寝不足になりそうだよ」キラキラ

ミカサ「ふたりとも今日は早く寝よう。必要なら子守唄を歌ってあげる」

ライナー「しかし壁の外に出るより先に、世界の壁を超えるなんてな」

ベルトルト「おかしな話だね」

ジャン「任務っつーくせにノルマがないみたいだな」

ユミル「つまりはバカンスだろ」

クリスタ「楽しみだね。お土産いっぱい買っちゃお」

サシャ「お肉いっぱい食べられますかね///」ハァハァ

コニー「芋くらいはあんじゃねーか、芋女」

サシャ「夢が膨らみます!ですがその前に、夕食の時間ですよ!行きましょう皆さん!」

ゾロゾロ

アルミン(やっぱり皆行くのか。楽しみだなあ)ホクホク

エレン「アルミンちょっと、相談がある」コソ

アルミン「!?」

アルミン「君も僕の胃に穴空けるの?」ゾッ

エレン「何だ君もって。ごしょごしょ……」

なんだよサザンテラス口って……新宿意味わかんねぇよ……


――食後

トコトコ

エレンの相談は、ミカサについてだった。最近ミカサのことが気になると。

この気持ちは家族としてか女の子としてか、よくわからないって。まあ時間の問題だろう。

エレンに答えを出してもらうために、僕は明日2人きりで過ごすべきだと提案した。

エレンは3人でと言ってくれた……でも2人が幸せになってくれることが僕の一番の幸せだから。

まあ……せっかくの異世界でひとりぼっちはちょっと寂しいけど。

よかった。やっと2人が両思いになるんだ。

で、

ふう。緊張する。団長の部屋に来るのって初めてだ。髪、むしられたりしないよね……。

コンコン

「入りなさい」

ガチャ

アルミン「失礼します」

エルヴィン「アルミン。そこに座って楽にしてくれ」

アルミン「はい」ヨイショ

エルヴィン「小食か、もしくは早食いか」

アルミン「え」

エルヴィン「君がドアをノックするのはもう少し後と踏んでいたものでな」

アルミン「早かったですか……すみません」

エルヴィン「いや。丁度いいところに来た」

アルミン「?」

エルヴィン「淹れたてだ、君も飲んで行きなさい」カチャ

アルミン(紅茶だ)

アルミン「ありがとうございます。頂きます」

アルミン(熱っ……ちょっと冷まそう。ふうふう)

エルヴィン「明日は楽しみか?」

アルミン「任務ですから」

エルヴィン「正直に」

アルミン「えと……はい。とても」

エルヴィン「素直でいいな。そんな君に特別任務を押し付けてしまって申し訳ない」

アルミン「いえ、そんなことは!お役に立てるよう力を尽くします」

エルヴィン「昨日ハンジが行った際には時間がなくてな」

エルヴィン「向こうの基本的な社会のルールや地域情勢しか調べることができなかった」

エルヴィン「よって、多くを君に頼むことになってしまった」

アルミン「……」

エルヴィン「これが君にやってもらいたい任務、そして購入リストだ」スッ

エルヴィン「それ以外の物資の調達については君に一任する。有益だと思うものを手にいれてくれればいい」

アルミン「はい」

エルヴィン「……ウィッグだけは、是非とも忘れないでくれたまえ」ボソ

アルミン「は、はい」ゾッ

エルヴィン「よろしくな」ニコ

アルミン(そこまで深刻なのか……頭皮)

エルヴィン「ダンジョンにはコインロッカーというものがあるらしい」

アルミン「コインロッカー?」

エルヴィン「荷物を一時的に保管することができる……小さな貸倉庫だな」

アルミン「便利ですね。治安の良さが窺えます」

エルヴィン「ああ。帰還の荷台はJR西口改札の世界時計前に現れる。その近くのロッカーを活用しなさい」

アルミン「はい。そうします……」

エルヴィン「良い返事だ。しかし腑に落ちない顔をしている」

アルミン「いえ」

エルヴィン「言ってごらん」

アルミン「団長、なぜ……ハンジさんではなく、僕らなのですか?」

エルヴィン「……」

アルミン「僕ら新兵はあくまでも、与えられた任務を全うするつもりです。しかし……」

アルミン「昨日事前調査をしたのなら、ハンジさんがもう一度行って情報収集をした方が確実だと思うんです」

エルヴィン「確かに新兵に任せるのは効率的ではないな」

アルミン「ハンジさんでなくても、巨人との戦闘経験のある先輩に同行してもらった方が……」

エルヴィン「ハンジについて言えば、ちょうど研究の仕事で行けないようだ」

エルヴィン「そしてなぜ君たち新兵なのか」

エルヴィン「まず2週間後の壁外調査に向けて人手が足りなくなっている」

エルヴィン「カラネス区からの出発、そしてエレンの存在によって作戦の変更点が多くみられるからだ」

エルヴィン「これはわかるね?」

アルミン「はい」

エルヴィン「もう1つの理由は、我々調査兵団の私情だな」

アルミン「私情、ですか?」

エルヴィン「ああ。君たち新兵に行ってほしいと、そう思うんだ」

アルミン「?」

エルヴィン「死と隣り合わせな兵団だ」

エルヴィン「常に巨人、そして巨人への恐怖と戦って、他に何も知らないまま多くの人間が死んでいく」

エルヴィン「それを私たちは嫌という程見てきた」

アルミン「……」

エルヴィン「だからせめて君たちには、一度でいい。恐怖など忘れて生きて欲しいと思う」

エルヴィン「戦場に赴く前に、ただの少年少女として」

エルヴィン「これは君らの先輩たちの願いなんだ。深く考えず受けとってほしい」

アルミン「そうでしたか……。無粋な質問をしてしまったようで」

エルヴィン「いや、気になって当然のことだ」

アルミン「あの、ありがとうございます」

エルヴィン「ああ」

アルミン「……」

エルヴィン「……」

アルミン(でも……まだ気になることはたくさん……)

エルヴィン「アルミン。やはり君は聡明だ」

アルミン「!」

エルヴィン「疑問は尽きないだろう。しかし困ったことに、こちらも同じなんだ」

アルミン「はい……」

きた!期待!ライナー編で>>1が言ってた曲かなりライナーでうるっときた

エルヴィン「いいかアルミン。君が今回やるべきことは、さっき頼んだ特別任務を遂行して」

エルヴィン「それ以外は何も考えず、純粋に楽しんでくることだ」

アルミン「何も考えず?」

エルヴィン「ああ。ただの少年でいなさい」

アルミン「少年で」

アルミン(どういうことだ?)

エルヴィン「どういうことだと考えるのもなしだ」

アルミン「あはは……」アセ

エルヴィン「ただ楽しんで来なさい。これは命令だ。従いなさい」

アルミン「はい」

アルミン(不思議な命令だ)

>>11 サザンテラスは工事中…。これ以上ややこしくならなことを祈る
>>18 君を残したまま~故郷へは帰れない~。ちなみにおまけはCoccoの「幸せの小道」だよ。

また明日。おやすみなさい。


このシリーズ好きだ
続き楽しみにしてる

このシリ―ズ面白い
順位を付けるとベルサシャエレコニライって感じ

最新作がついに来たぜ!乙!
タイムテーブル作りたくなるSSとか初めてだよww

もし>>1がタイムテーブルを作ってたら見てみたいと言いにまとめから来ました!どうでしょうか?
乙です!応援してます!

新作来たーーー!!
このシリーズは面白い*
次作を海を舞台にしてほしいです

>>21->>30 ありがとう!解決編として長くなりそうな予感だけどよろしく
>>24 参考になるよ!よかったらこれ終わった時点でまた順位教えてほしいっす
>>27 >>28 需要あるなら清書でもして最後に載せる。それまでに画像の貼り方を学ぶとするよ
>>30 壁外の海探検?それともバカンス?どちらにしろ面白そう


――

翌日

1000――地下食料庫

エルヴィン「志願者はこれだけか。心より尊敬する」

ハンジ「じゃあ向こうの情報も伝えたところで、出発するよ!荷台に乗って乗って!」

アルミン(人類の勝利のためであれば、こんな不可解な現象でも利用しようとするのはわかる)

アルミン(けど……それにしても、盲信しすぎてないか。エレンを安々行かせるみたいだし)

アルミン(あ、団長に考えるなって言われたんだった。今日はやめよう)

アルミン(向こうの世界は想像を遥かに上回るほどの高度な文明を持っている。わくわくする!)ニコニコ


『さあみんな。

君たちは今荷台に揺られている。この暗がりを抜けたらシンジュクダンジョンに到着するよ。

でも手が滑っちゃって。到着地点がJR中央線、東京行きのホームになっちゃった。ごめんね。

君たちの任務。それはこの世界の情報をなんでもいいから集めてくること。

そして、この国の要である超大型ダンジョン、シンジュク周辺の調査だ。

でもこれは外形的な任務内容。旅行に行ったと思って楽しんできてよ。

緊急のため、立体機動装置は装備、雨具で隠しておくこと。一般人との混乱、戦闘は極力避けてね。

帰還は、2200。JR新宿駅西口、世界時計前に集合だ。帰りの荷台がくるから。

遅れたら最期、戻ってこれる保証はできないから覚悟してね。

それじゃあ良い旅を!』

――

ガタンガタン

ライナー「真っ暗だな。本当に目的地に進んでいるのか?」

アルミン「はは……明るくなってのお楽しみってとこかな」

ミカサ「減速してる、到着するみたい」

サシャ「緊張しますね!」

コニー「俺が一番に降りるからな!」

エレン「はあ?子どもかよコニー。俺が先だろ」

ジャン「どけよ、前見えねえよ」

キキィーッ

エレジャンコニ「わっ」グラッ

エレジャンコニ「うわあああ!」スッテンコロリン

プシュー

クリスタ「いちばんのり!」ピョン

ライユミ(結婚)


1005――JR新宿駅 中央線東京行ホーム

ガヤガヤ

エレン「ここが、シンジュクダンジョン!!」

ライナー「すげえ人の数だ!押し流されちまいそうだな」

ユミル「安心しろ、ゴリラは流されねえから」

アルミン「出口へは階段を下るみたいだ」

エレン「なんかすげえのあんぞ!」

アルミン「あれがハンジさんの言ってたエスカレーターって乗り物だね」

エレン「乗ろうぜアルミン!ミカサ!」ワクワク

アルミカ「うん!」

スタスタ

ライナー「甘いなエレンは。ラクしてたら兵士失格だぞ、常に鍛えなければな」クリスタチラッ

ライナー「俺とベルトルトはそこの階段からいかせてもらう」

ベルトルト(変なとこ格好つけないでよ…)

スタスタ

クリスタ「ユミルー」キラキラ

ユミル「わかってるよクリスタちゃん。乗ってみてえんだろ動く階段」

クリスタ「うんっ!皆も行こう?」

コニー「ジャン!サシャ!そこの出店見てみてえ!行こうぜ!」

ジャン「おい!下手に行動したらはぐれちまうぞ!ここはクリスタたちに続いて行くべ」

サシャ「食べ物買ってから行きましょう!クリスタ、すぐ追いますから!」

コニサシャ「うひょー!!」ダダダ

ジャン「話聞けよ!」

ユミル「子守はジャンに一任だな」

クリスタ「わんぱくって可愛いね」

――

アルミン「さて、エスカレーターを降りたところで」

アルミン「どうやら左にいくと西口、右にいくと東口に出るみたいだ」

エレン「全部の出口に出れるわけじゃないんだな」

クリスタ キョロキョロ

ユミル「どうしたクリスタ?」

クリスタ「あの……さっきすぐ近くの階段をライナーたちが降りてきてるはずなんだけど、見当たらなくて」

ユミル「さっそく迷子かよ。でけえくせに」

アルミン「シンジュクダンジョンは方角を狂わせ、人を迷宮へと誘う……」

一同 ゾッ

エレン「じゃあ俺たちは東口を行くか」

クリスタ「私たちは西口を出てみよう」

アルミン「集合時間には遅れないようにねー」

クリスタ「じゃあねー」フリフリ

エレン「じゃあ行こうぜ……シンジュクダンジョン東口、調査開始だ!!」

――東口改札前

エレン「人すげえ!」

アルミン「目の前はファッションビルみたいだね。ルミネエスト。駅と併設されているんだ」

エレン「とりあえず外がどんな景色なのか見てえよな」

アルミン「そこに地上への階段があるみたいだ、上ってみよう」

トコトコ

――東口出口

エレン「到着!おおおおすげえ!建物でけえ!ごちゃごちゃしてる!」キラキラ

アルミン「すごいね!乗り物もたくさんある!これが異世界かあ」キラキラ

アルミン(ハンジさんの情報通り、壁より高い建物が乱立している。センスはさておいて、素晴らしい建築技術だ)

アルミン(ルールを守っているおかげで交通に混乱がない。皆青色点灯で歩き出してる。すごいや)

アルミン(ん?空を……鳥じゃない物体が飛んでいるぞ?あれは何だ?)

エレン「ってあっちい!東洋ってこんなにあちいのか」

アルミン「はは。立体機動装置を隠すのに雨具着てるからね。出番はなさそうだけど」

アルミン(逆に目立つよなあ、この装束)

エレン「こっちの人間、肌の露出多すぎねえか?あいつ、あいつも、パンツみえそうじゃねえか」

アルミン「やめなよ!///時代と文化の違いってやつだ」

エレン「あっちはブラジャーが透けてるぞ。見とけよ。透けてんだから見ていいもんなんだろ」

アルミン(……///)チラッ

エレン「ワタタに実ってるな」

アルミン「タワワだよエレン///」

ミカサ「……」ゴゴゴゴ

エレン「まま待てよミカサ!ただの野郎のジョークじゃねえか」

アルミン「ごめんって!アルタ前で早速ブレードに手をかけないでくれ!テレビ局に声かけられたらどうするんだ!」

ミカサ「2人とも落ち着いて。これはミカサジョーク」

エレアル ホッ

ミカサ「ただしエレンは適用外」スッ

エレアル「」

エレン「で、まず目的地はどっちだ?」

アルミン「えっと……あっちだ!あそこ、新宿通りを新宿三丁目方面へ進む、はずだ!」

エレン「その紙は?」

アルミン「駅で取ってきた周辺地図さ。でも方角が分かりづらくて難解だよ」

テクテク

エレン「それにしても本当にすげえ街だな……建物の巨人に囲まれてる気分だ」

ミカサ「空がせまい」

エレン「でもよ、こんなに高い建物の中を立体機動で飛び回ったら、すげえ気持ちいいだろうな!」

ミカサ「だめ」

エレン「やんねえよ」

アルミン「ついた、ここだよ!」


1020――新宿通り 紀伊國屋書店本店前

エレン「この建物全部本屋だって言うのか?」

アルミン「そうなんだ。こんなに大きな書店、シーナにもないよ」

アルミン(すごいぞ!宝の山だ!)キラキラ

アルミン「ここが本店で、奥が別館だ。別館は小さいから先に見よう」

エレン「どきどきしてきた!」タタッ

アルミン「ちょエレン急ぎすぎ!」 

ミカサ「子どもみたい」クスッ

アルミン「ねえミカサ」

ミカサ「?」

アルミン「今日は羽を伸ばして、楽しもう。エレンともっと近づけるといいね」ニコ

ミカサ「……うん/// しかしアルミン。あなたも同じ。気負ってはいけない」

アルミン「わかってるさ」ニコッ



「超大型巨人だあああああ!!」

アルミカ「!?」

アルミン「別館からエレンの声が!」

ミカサ「一体何!?」ダダダ

アルミン「巨人ってどういう……!」

エレン「こいつを見ろ!超大型巨人だ!!」

アルミカ「!」

エレン「戦闘準備!」ジャキン

アルミン「え……ちょ!」

ミカサ「アルミンは下がって!」サッ

エレン「うおおおお!」ダッ


アルミン「待つんだエレン!!」


エレン「何いってんだアルミン!? 今ここで駆逐しねえと…!」

アルミン「よく見てくれ! こいつは偽物だ!」

エレミカ「!?」

アルミン「店の大きなガラスに……超大型巨人の顔の絵が書いてあるだけだ」

エレンミカサ「」

エレン「ほ、本当だ……動かねえと、思ったら……」

ミカサ「……」

アルミン「……」

アルミン「……プッ いや。エレン……無事でよかっ……」クスクス

エレン「笑うなよ!///」カァッ

ミカサ「……///」フルフル

エレン「お前も!こらえてんじゃねえ!///」

ミカサ「笑ってない……///」

アルミン「ミカサだって焦ってたじゃないか!あはは!涙でてきたよ!」ケラケラ

エレン「ちくしょう……恥ずかしすぎんだろ///」グズッ

アルミン(こうして3人で笑ってると、シガンシナにいた頃を思い出すなあ)

アルミン「それにしても……どうしてこんな所に」

ミカアル「!」ハッ

ミカサ「エレン!」

エレン ビクッ

ミカサ「ブレードを収めて……。人だかりが……できている」ジリッ

エレン「……!」

アルミン(迂闊だった!街中で大声出して刃物振るってしまった)

アルミン(ここの人間の恐怖を煽ったに違いない。この場を切り抜けないと!)

エレミカアル「!」

アルミン(まずい、若者2人組が近づいてくる!エレン!ミカサ……!)


エレン「え?“それはコスプレですか”?」

――

アルミン「ふう……危機は去ったようだね」

エレン「あいつら俺達のシャシンっつーの撮ってたが、何の意味があるんだ?」

アルミン「こっちの世界の情報知ってるみたいだったし、調べる必要がありそうだ」

アルミン「ということで僕はこの書店をじっくり見ていくから別行動にするね」

アルミン(エレン!がんばってね!)チラ

エレン「……おう」チラ

ミカサ「? せっかくの異世界。3人で一緒に探検するべき。何より1人は危険」

アルミン「大丈夫、恐らくここの人間に敵対心はない。それに僕は団長からの任務があるから……」

ミカサ「3人でやれば早く終わる。手伝おうエレン」

エレン「……」

ミカサ「エレン?」

アルミン(嬉しいけど、今日は……)

アルミン「ええっと! 気持ちは嬉しいよミカサ。ただちょっと話せない任務なんだ」

アルミン「だから2人で他を探検して、あとで僕に教えてくれたら嬉しいな」

エレン「……」

ミカサ「では……夕食は、一緒に」

アルミン(えと……)

エレン「そうしようアルミン」

アルミン「! ありがとう。じゃあ5時に帰りの集合場所にもなってる世界時計前……あ」

エレン「どうした?」

アルミン「皆と流れ解散しちゃったけど、夕方に一度点呼を取りたいな」

アルミン「皆適当だから……22時に本当に集まれるか不安だし」

アルミン「もし他の皆に会えた場合は、5時に僕らと一緒に一度集まってくれって言ってくれないか?」

エレン「わかった。JR新宿ダンジョン西口改札、世界時計前だな!」

アルミン「あと夕食後には少し付き合ってほしい場所があるから、よろしくね」

アルミン(2人を展望台に連れて行こう。きっと喜んでくれるはず!)ニコニコ

エレン「もちろんだ」

ミカサ「アルミン。何かあったらすぐ駆けつける。呼んで」

アルミン「うん。ありがとう」ニコ

アルミン(このダンジョン、叫んで呼んだって届かない気がするけど、あはは)

エレン「じゃあとりあえず俺らも書店一回り見てから行くか」

ミカサ コクッ

アルミン「エレン、頑張ってね。ただいつもより少し正直でいればいいのさ」ヒソヒソ

エレン「……努力するよ」

エレンとミカサがついに恋人同士に……報告が楽しみだな。ソワソワ


……。ポツン


やっぱり話相手がいないのは寂しい。

ううん、わがまま言わない言わない。

あれ。そういえば僕、初恋ってまだだなあ。

どういう気持ちになるんだろう。本はあてにならないからなあ、こういうの。

僕にはまだ早いってことかな。

もうちょっと身長が伸びたら……の、伸びるかな?ゾッ

もうちょっと声が男っぽくなったら……、もうちょっと筋力ついたら……。

はあ。ガクッ

さて……。まずは気になるアレからだ。


「すみません店員さん。あのガラスの絵の巨人、ご存知ですか?」

また学習せずに忘れた。単行本10巻読んでない方はネタバレあります。すみません

今日はエレン視点の復習になった。明日からアルミン本格始動…。オヤスミス。

乙ー

乙!

>>50->>53 ありがとう!あ、それではタイムテーブル準備しときます
昨日は速やかに寝てしまった。ので風呂入ったらやる!

「超大型巨人を知っているんですか!?」

「『シンゲキノキョジン』?マンガ……?これが……?」

この絵、僕らに……似てる?

僕に似てる人物、5巻で頭から出血してないか?不吉だ。背後の巨人は一体……?

あ、背表紙に本の概要が書いてあるみたいだ。

1巻、“人類は巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた”

えっ?

2巻、“アルミンを助けようとするエレンであったが、代わりに自らが巨人に食われ”

僕?エレン?

4巻、“「巨人化したエレンが巨大な岩で穴を塞ぐ」という作戦が開始”

これってもしかして……!ハッ

じゃあ、この先は!

6巻、“アルミンの前に「女型の巨人」が現れて陣形を破壊し”

8巻、“壁外調査失敗”

9巻、“ウォールローゼ破壊”

11巻、“超大型巨人と鎧の巨人の正体が発覚”

僕らの世界の……未来ってことか!?

こっちの世界は僕らの世界の情勢を全て把握しているってこと?史実なんだろうか。

中身を見てみないと断言はできない。でもこれが現実になるとしたら、まずいぞ。

ん?

10人が敬礼してる……。髪型や身長的に104期の成績上位者だろう。

エレンとマルコが消えたのを鑑みるに……消えるイコール死ってことか?

じゃあこの先アニと、ライナーとベルトルトは……?

アニは憲兵になったから、僕らより死ぬ確率ははるかに低そうなんだけどな……。

10番に入っていないユミルと僕、他の皆は大丈夫なんだろうか。

……。

さすがに中身を読んでいる暇はないな。先に任務を済ませないと。

とりあえずこのシリーズと他の書物を買って、団長が教えてくれた通り、西口のロッカーにしまおう。

壁外調査まで2週間、その間にこれを解析する。

これで……これで巨人の秘密に迫れる……!

「すみません。『シンゲキノキョジン』にまつわる本、1冊ずつ下さい」

「はい、巨人中学校も」



1240――青梅街道 新都心歩道橋付近

ガヤガヤ

「すみません。お尋ねしたいことが……」

「すみません。これについて聞きたいことがあるんですけど……」

はあ。

だめだなあ。やっぱり晴れた暑い日に雨具なんて怪しいよ。

この任務の購入リストの内容、よくわからないから聞き込みしてるけど。ペラッ

「お話よろしいですか?」

「……本当ですか!?ありがとうございます!」

(やった!)

「え?……15歳です。はい。出身は、シガンシナというところで……知らない、ですよね」

「はい旅行です。泊まる場所?もう今日帰るんで結構です!あは、あはは」

「それで、これについて……」

「へっ?かっ彼女!?いや、そんな僕にはまだ……早いっていうか……///」

「えっと、あの、ですから……このリストの物を売っている店を探していて……」アセッ

(なんだこの人……さっきから、ち、近い。気持ち悪い……)

「案内ですか?いえいえそんな!場所を教えていただけるだけでもうじゅうぶ」

(ヒッ!?)

「ああああの!ちょっと!?……手が、僕のおしり……ええっと……っ」


「探したよアルミン」


アルミン「!?」

あれはだめなやつだ!はこのシリーズの中でも好きなシーン。

ユミル「悪いな。こいつは私のものなんだ。貸してなんかあげないよ」グイッ

アルミン「ユミル、ベルトルト……」

ユミル「おら、さっさと失せろあばずれ女。下品が伝染る」シッシッ

アルベル「……」

ユミル「行ったな……」

アルミン「……」

ベルトルト「……」

ユミル「おい。黙ってんなよ」

アルミン(下品って……)

ベルトルト(君は上品なのか……?)

ユミル「顔に出てるぞ。助けてやるんじゃなかった」

――

ユミル「ダハハハハ!」ゲラゲラ

アルミン「」ヌケガラ

ベルトルト「それ以上笑ったらアルミンがかわいそうだって」アセ

アルミン(最悪だ。ベルトルトとユミルにリストの内容を見てもらったら)

アルミン(まさか大人のオモチャだったなんて……。団長、いや、男の性が憎いよ……)ゲッソリ

ユミル「はー!笑った笑った!ところでさ」

ユミル「なんでお前ひとりぼっちなんだ?ご両親はどちらに?」

アルミン「エレンとミカサなら別行動中だよ。僕はこういった極秘任務を託されたから」

ベルトルト「いくつもあるの?」

アルミン「うん」

ユミル「なあお前、その任務……兵団のお荷物になりたくないから受けたのか」

ユミル「2人をくっつけるために受けたのか……」

アルミン「……半分ずつってところかな」

ユミル「最悪の回答だ。3人で壁外を探検しますーみたいな夢があんだろ?」

アルミン「うん。でも今回は2人が幸せになってくれたら、僕は幸せだ」

ユミル「欲張らないと死ぬぞ」

アルミン「人並みに欲張りだと思うけど」

ユミル「……寂しいな、お前」

アルミン「……?」

ユミル「みなしごなのはお前も同じなのにな」

ユミル「いくら健気に尽くしても、あの家族には入れない」

アルミン「へえ、ユミル」

アルミン「なかなか痛いところをついてくるね」ニコ

ユミル「痛いか」

アルミン「ちょっとね。でもいいんだ別に」

ユミル「?」

アルミン「エレンが駐屯兵団に囲まれたとき」

アルミン「僕は思っていたほど2人の足手まといになってないって気付かされたから」

アルミン「僕はもうそれだけで」

ユミル「いいのか?」

アルミン「ああ。それに僕ら、皆みなしごみたいなものだろう。文句は言わないよ」ニコ

ユミル「……」

ユミル「やってやるよ、その任務」

アルミン「!」

ユミル「ベルトルトが」

ベルトルト ビクッ

>>59 私もお気に入り。ベルとユミのかけ合いは基本楽しかった

あまり進んでないけど…オチに悩み前半が確定しないので、また明日にします。

乙。解決編となるとやはり大変か

>>66 >>67 サンキュー


1440――南口改札付近

テクテク

あのいかがわしい任務はベルトルトとユミルに任せちゃった……申し訳ない。

でもそのおかげで思いの外早く、他の物資も団長のカツラも手に入れることができた。

カツラはもしもの時のために兵団の袋に入れておいたし、これで一安心。

他の荷物もずいぶん増えちゃったな……重いし、物資で前が見えない。早く西口ロッカーに行かないと。フラフラ

もっと体力付けなくちゃなあ。


「アルミーン!」タタタ


アルミン「あっ!コニー」

コニー「俺1人になってたから会えてよかったぜ!」

アルミン「それはよかった」ニコ

コニー「お前何やってんだ?」

アルミン「団長の頼まれごとを少しね」ヨイショ

コニー「なんだその荷物、ひとりで運ぶ気か!?」

アルミン「はは」アセ

コニー「手伝うぜ!」

アルミン「い、いいの?」

コニー「当たり前だろ。でもなんでエレンとミカサと一緒じゃねえんだ?」

アルミン「今日は2人で過ごして欲しいから」

コニー「つまんなくねえの?」

アルミン「確かに一緒の方が楽しいけど……1人でも結構わくわくしてるよ」

コニー「そんなもんかね」


「コニー!アルミン!」


コニアル「!」

コニー「ライナーとクリスタじゃねえか」

アルミン「どうしたの?なんか2人とも息切らしてない?」

ライナー「い……いや、まさか」アセ

クリスタ「そ、そんなことないよ」ニコ

ライナー「お前たちこそ、任務か?」

アルミン「うん」

クリスタ「私たちも手伝っていい?」

ライナー「なんでもするぞ」

アルミン「ありがとう!皆!」

アルミン「西口改札世界時計近くのロッカーをいくつか借りているんだ」

アルミン「だからそこまで一緒に荷物運んでもらってもいいかい?」

コニー「ロッカー?」

アルミン「持ち物を一時的に保管することができる場所のこと」

アルミン「そこに物資をためておけば、わざわざ持って移動しなくてすむだろ?」

コニー「頭いいな」

アルミン「じゃあこれ、よろしく」ヨイショ

ライナー「おう。だが俺らは南口から西口への行き方がわからないんだが」キョロキョロ

アルミン「大丈夫。南口改札の横のモザイク通りを通れば西口ロータリーに着くはずだから」

アルミン「そしたら右にある小田急百貨店に入って……」

コニー「アルミンお前ここに住めるな」


1450――西口世界時計付近ロッカー

ガチャッ

アルミン「ふう。これでおしまい。皆手伝ってくれてありがとう。助かったよ!」

アルミン(17時世界時計前の点呼の話が全員に行き渡ったみたいでよかった)

アルミン(僕が集合時間に行けないかもってことも言えたし、これで……)

アルミン「あっ」

ライナー「どうした?」

アルミン「さっき17時に間に合わないかもって言ったよね。エレンとミカサに伝言をお願いしてもいい?」

ライナー「ああ」

アルミン「西口センタービルには無料の展望台があるから行っておいでって」

コニー「展望台?」

ライナー「そりゃいいな」

クリスタ「さっき私たちトウキョウトチョウの展望台に上ろうとしたけど、荷物検査があったから諦めたの」

アルミン「それならライナーたちも行きなよ。きっと絶景だよ」

ライナー「了解した」

クリスタ「ねえアルミン。私たちのこと、もっと頼ってくれていいんだよ?」

コニー「だなー」

アルミン「じゃ、じゃあさ、僕お昼がまだなんだ。付き合ってもらってもいいかな?」

コニー「おう!」

ライナー「もう3時前だぞ。よく倒れなかったな」

クリスタ「どこか行きたいところはあるの?」

アルミン「すぐそこの小田急エースってところに、うどん屋があるんだ。そこに行ってみたい」

クリスタ「うどん屋?」


1515――西口 うどん屋

※コニー編のうどん屋シーンは1450と書いていた。これ1510くらいに脳内変更してね。すまん。


ズルズルッ

アルミン「あと面白いと思った情報は……伝書鳩かな」モグモグ

ライナー「デンショバト?」

アルミン「そう。鳩の帰巣本能を利用した伝達方法さ。この世界で昔から使われていたみたい」

クリスタ「どうやって利用するの?」

アルミン「種にもよるけど、鳩は方向感覚や視覚に優れているらしくてね」

コニー「頭いいのか」

アルミン「うん。飼いならせば、はるか遠くから自身の鳩舎に戻ってこさせることが可能みたいなんだ」

アルミン「その鳩にメッセージを持たせてやれば、その鳩自身の鳩舎までそれを届けてくれるって仕組みさ」

アルミン「帰巣本能なわけだから一方通行だけど、訓練次第では馬を走らせるより迅速で簡単な伝達が可能だ」

アルミン「実験してみる価値はあると思う」

ライナー「万が一巨人がいる場所でも、上空だから妨害される心配いらんな」

コニー「さっき街で歩いてる鳩見たが、あれは皆迷子か?」ハテ

アルミン「あれは普通の鳩だよ。今の時代では使われていない技術みたい」

クリスタ「すごいね。どこで知ったの?」

アルミン「通信技術の歴史書で。詳しくは帰って読むつもり」

アルミン「というわけで、ごちそうさま。おいしかった」

ライナー「結局箸使ってたアルミンが最後だな」

クリスタ「いろんなこと教えてくれたしね」

アルミン「あはは、お箸はやっぱり難しかった」

クリスタ「あっごめん。私お手洗いに行ってくる」ガタッ

タタタ

ライナー「クリスタがお花を摘みに……」ハナヂダラダラ

コニー「今日ずっと鼻血だしてんのか?」

アルミン「貧血起こしちゃうよ?」

ライナー「仕方ないさ。なんせ今日俺とクリスタは結ばれるからな」

アルコニ(また始まった)

ライナー「おい、あからさまな呆れ顔してくれるな。2人きりになりたいと言ったのはクリスタだぞ」

アルコニ「ええっ!?」ガタッ

ライナー「今日はライナーと過ごしたいってな。ユミルといたのにだ。確実に両思いだろこりゃ」フフン

アルミン「両思いってことは、付き合うの?」

ライナー「それ以外に何があるってんだ。童貞卒業もお前たちより一足先になるな」ニヤ

コニー「すげえ!」

アルミン「い、いや僕にはまだ早いかな」アセ

アルミン(クリスタってライナーのこと好きだったのか……。皆恋してるんだなあ)

(出直そ)

乙です


毎回楽しみにしてる

>>79->>81 ありがとう!


1535――西口 世界時計付近コインロッカー


「アルミン!」タタタ


アルミン「!」

アルミン「クリスタ?さっきうどん屋で解散したはずじゃ……?急用ができたって」

クリスタ「ごめんね。私、相談があるの。皆には内緒で」

アルミン「なに?」

クリスタ「さっきくじでお金を当てて、今手元に数万円残ってる」

クリスタ「このお金で、皆をカラオケに招待したいんだけど……」

アルミン「カラオケ?」

クリスタ「みんなで楽しくわいわいご飯を食べられる場所なんだって。とても素敵じゃない?」

アルミン「面白そうだね!でもクリスタが当てたお金なのに、いいの?」

クリスタ「うん。皆が喜んでくれたら、私も嬉しい」

アルミン「そっか。じゃあ17時に西口世界時計前に集まったら行くといいよ」

クリスタ「アルミンはさっき用事があるって言ってたもんね。でも場所が分かれば後からでも、来てほしいな」

アルミン「ああ。じゃあそうしようかな」

クリスタ「うん。あっ皆には内緒だよ?驚かせたいの」

アルミン(ライナーに相談しないのかなって思ったけど、好きな人を驚かせたいってことかな)

アルミン「わかった」

クリスタ「それで……大人数は予約が必要みたいだから、デンワするんだけど」

クリスタ「上手くできるか、ちょっと怖くて。アルミン一緒にやってもらっていい?」

アルミン「もちろん」

クリスタ「ありがとう」

クリスタ「あれっアルミン。雨具も、立体機動装置もはずしちゃったの?」

アルミン「うん。今ロッカーにしまったところ」

クリスタ「どうして?危ないよ」

アルミン「今から武器……この世界で言うと、護身用品を見に行くからさ」

アルミン「見慣れない顔立ちの男が物騒な格好で行ったらさすがに目立つんだ」

クリスタ「アルミンは優しさが顔に出ているから大丈夫だよ」

アルミン「あはは、ありがとう。でも人は見かけによらないって言葉もあるし、やっぱり警戒される」

クリスタ「私も付いていきたい。いい?」

アルミン「僕はいいけど」

クリスタ「?」

アルミン「ライナーはいいの?」

クリスタ「このダンジョンだから、もうきっと会えないよ」

アルミン(まあ確かに……)

クリスタ「それにアルミンが心配なんだもの」

アルミン「じゃあお願いしようかな」ニコ

クリスタ「うん」

アルミン「何かあったときのために、クリスタは装置をつけていてほしい」

クリスタ「わかった」

アルミン「じゃあ先にデンワしちゃおう。そこにコウシュウデンワがあるから」

クリスタ「うんっ」ルンルン

アルミン(やっぱりクリスタは優しいなあ。癒される。さすが神様)

テクテク

アルミン「これがデンワ」ドキドキ

クリスタ「緊張するね」ドキドキ

アルミン「やり方が書いてある。まずジュワキを取るって」

クリスタ「本当に取っていい?」

アルミン「うん」

ガチャ

クリスタ「……何も聞こえないよ?」

アルミン「お金入れてないからね。お金を入れる」チャリーン

クリスタ「……アルミン」

アルミン「番号押してないからね。ボタンを押して」

クリスタ「このボタン?」スッ

アルミン「やめて!それ110番!」ガシッ

プルルル

アルミン「いいかい。繋がったら“モシモシ”って言ってから話し始めるんだよ」

クリスタ「まかせて」ドキドキ

プルルル

ガチャ

クリスタ「モリモリ!こちらクリスタ・レンズです!」

アルミン(声が大きい)

モリモリわろた

もりもりwww


1545――南口改札付近 甲州街道

トコトコ

クリスタ「さっきは緊張しちゃったよー」

アルミン「コウシュウデンワからじゃ基本的に予約ってできないんだね」

クリスタ「頼み込んだら了承してくれて、本当によかった。武器のお店はこっち?」

アルミン「うん。近いし、後で東急ハンズにも寄っていいかな」

クリスタ キョロキョロ

アルミン「さっきから何を見てるの?」

クリスタ「あ、鳩を見てるの」

アルミン「鳩か」

クリスタ「さっきの伝書鳩の話を聞いたら、鳩ってすごいなって思って」

アルミン「人にも馬にも好かれるクリスタだ。鳩ともすぐに仲良くなれるだろうね」

アルミン「神様の使いって言われているし」

クリスタ「そうなんだ」

アルミン「うん」

クリスタ「アルミン」

アルミン「ん」


クリスタ「私、神様なの」


アルミン「そうだね」

クリスタ「そうじゃなくて」

アルミン「?」

クリスタ「本当の神様」

アルミン「本当の神様って……何の?」

クリスタ「わからない。気づいたのは一昨日だから」

アルミン「一昨日って……荷台が異世界に繋がった日……」

クリスタ「うん。今回、私たちの世界とこの異世界を繋げたのは私なの」


アルミン「え……?」


クリスタ「……」

アルミン「……」


クリスタ「私なの」


アルミン「……君が?どうやって?」

クリスタ「神様の力で。と言っても無意識なんだけどね」

アルミン「冗談じゃなくて……?」

クリスタ「うん。さっきうどん屋さんでコニーがここの神様の話をしていたよね。ハンジさんから聞いたっていう」

アルミン「信教の自由があり多神教……」

クリスタ「そう。いろんな神様がいる。トイレの神様だって、いるんだよ」

クリスタ「この世界には……私を、クリスタ・レンズを神様だと言ってくれる人がいるみたいなの」

アルミン「君を?」

クリスタ「どうしてだろうね。私はこの世界の人間じゃないのに」

クリスタ「でもその共通認識が、私がこの世界に繋げた要因の1つなんじゃないかって」

アルミン(なぜだ?もしかしてあの『シンゲキノキョジン』に起因して……?)

アルミン(あの本をこっちの人間が読んで、僕らと同じようにクリスタを神様と認識していたとしたら)

クリスタ「もう1つ要因はあるみたいなんだけど……言えない」

アルミン「えっ気になるよ」

クリスタ「男の子には言えないの。恥ずかしいから///」

アルミン(どういうこと?)

クリスタ「とにかく、ハンジさんはそう推論してた」

アルミン「上の人には話してあるの?」

クリスタ「うん。不思議と自覚があったから。一昨日申告して、ハンジさんが事前調査をしたの」

アルミン(だから団長はこの現象を信用していたのか)

クリスタ「うふふ。アルミンが首をかしげてる」

アルミン「からかわないでよ」

クリスタ「珍しいんだもん」クスクス

アルミン「君のことを神様って言う人間は多い。でも本当に神様になるなんて……」

クリスタ「不思議だね」

アルミン「神様って特別な力使えたりするの?千里眼とか、人を思いのままに動かしたりとか」

クリスタ「ううん。できない。ただ少し……予感がするくらいかな」

アルミン「予感」

クリスタ「うん。でもなんとなくしかわからないし、そんなに確実でもない」

クリスタ「神様同士が作用し合うから、正確なことは把握しきれない……んだと思う」

アルミン「……」

クリスタ「……」

アルミン「驚きすぎて反応に困ってる……」

クリスタ「私も」

アルミン「と、とりあえずひれ伏した方がいいかな」サッ

クリスタ「うふふ。苦しゅうない、面を上げい」

アルミン「それちょっと違う」

アルミン「でも……この話、僕にしていいの?団長から秘密にしとけって言われなかった?」

クリスタ「言われたけど、いいの」

アルミン「どうして?」

クリスタ「私は、アルミン。あなたを選ぶことにしたから」

アルミン「?」

>>88->>91 モリモリとか言ってたらライナーが筋肉見せに走ってきそうだよね
雨止んだから散歩に。早く誘拐シーンまでいきたい。また後で。

>>98
突然な雨に気をつけてな

>アルミン(声が大きい)
わろた 乙です

>>99 >>100 ありがとう。傘持っててよかった

――護身用品店

クリスタ「あっアルミンお帰り!」

アルミン「お待たせクリスタ。出口で待たせちゃってごめんね」

クリスタ「ううん。収穫はどうだった?」

アルミン「思いの外不作だ。拳銃や刀の所持に厳しい国だけあって」

アルミン「うーん、デンチがなくちゃ使えないものばかりなんだよなあ」

クリスタ「デンチ?」

アルミン「うん。でもデンキの力によってこの世界が飛躍的に発展したことは明白だ」

アルミン「つまり僕たちもこの技術を学べば、生活が一気に進展するだろう」

アルミン「研究ためにもデンチ、デンキュウなんかは持って帰るつもりだよ」

クリスタ「これは……催涙スプレー?」マジマジ

アルミン「あはは、それはならず者撃退用」

クリスタ「面白そう」ゴソゴソ

アルミン「あはは、さり気なく開封しないで」

クリスタ「うふふ。アルミンが焦ってる」ゴソゴソ

アルミン「クリスタって意外とおてんばだよね。だめだってばもー」

クリスタ「あはは、こっちだよー」フリフリ

アルミン「ちょっとー」

クリスタ「はは」

アルミン「返してってばー」


ガバッ


アルミン「!」

アルミン(後ろから抱きつく感じになっちゃった……!)


アルミン「ごっごめん!///」バッ

クリスタ「ううん。大丈夫だよ」

アルミン「そ、そう///」

クリスタ「あ、でもならず者だったら催涙スプレー使えたね」ウフフ

アルミン「勘弁して」

クリスタ「ごめんね。返します」スッ

アルミン「うん」

アルミン(訓練以外でもないのに女の子に抱きついちゃうなんて!僕のばか!///)ブンブン

アルミン「ととと東急ハンズはあちらでございます」

クリスタ「落ち着いてアルミン」


1635――サザンテラス口改札前付近

クリスタ「サザンテラス口って可愛らしい名前だよね。サザンって南のこと?」

アルミン「うん。でもサザンテラス口の甲州街道挟んだ向かいには南口があるし、あっちの奥には新南口もある」

クリスタ「シンジュクは南が好きなんだ」

アルミン「そうかもね。それでこれからのことなんだけど」

クリスタ「うん」

アルミン「東急ハンズも行けた。集合時間の17時も近いし、クリスタは世界時計に向かったほうがいい」

アルミン「これから僕はデンシャに乗ってコウダンシャに行く」

クリスタ「コウダンシャ?」

アルミン「うん。待ち合わせに間に合わないって言ったのはこのためだ」

アルミン「コウダンシャに行けば巨人の手がかりが掴めそうだからね。デンシャに乗って……」

クリスタ「だめだよ」

アルミン「……どうして?」

クリスタ「……?」

アルミン「どうかした?」

クリスタ「なんの音?」

キーン

アルミン「あれか。ヒコウキって言うんだって。たくさんの人を乗せて飛ぶ、巨大な鉄の鳥さ」

クリスタ「小さく見えるよ?」

アルミン「ずっと高所、雲の上を飛んでいるからだよ。近くでみたらすごく大きいはず」

アルミン「すごいなあ。僕も乗ってみたい」キラキラ

クリスタ「この世界ってすごいよね」

アルミン「ああ。驚かされてばかりだ。全く飽きないよ」

アルミン「きっと壁なんてないから行きたい場所に行けるだろうし、知りたいことも知れるだろう」

クリスタ「アルミン」

アルミン「ん?」

クリスタ「今日がずっと続くといい?」

アルミン「あはは、悪くないね。でも叶わないよ」

クリスタ「……」

アルミン「時間も迫ってきてるし、僕そろそろ行かなきゃ」

クリスタ「待って!」グイッ

アルミン「へ……?」

クリスタ「もう少しここにいて」

アルミン「もう少しって……」

クリスタ「あと少し」

アルミン「……」

クリスタ「……」

アルミン「えっと……」アセ

クリスタ「私が」

クリスタ「叶えてあげる」

アルミン「……?」

クリスタ「今日がずっと続くように、叶えてあげる」

アルミン「どうやって……」

クリスタ「誰にも言ってないけど……私は今日」

クリスタ「この世界に残るつもり」

アルミン「!?」

クリスタ「私、壁の世界で消えたいと思ってた。早く死んで消えちゃいたいって」

クリスタ「でも死ぬのが怖くないわけじゃない」

クリスタ「今日22時に間に合わなければ、死なずに、あの世界からいなくなることができる」

クリスタ「これはチャンスなの」

アルミン「……本気?」

クリスタ「うん」

アルミン「い、いや、大げさだよ。また荷台を繋げれば、行き来できるんだろ?」

クリスタ「ううん。もう今日だけだよ。多分もう一生繋がらない」

アルミン「……!」

クリスタ「アルミン。私、一緒にここで生きてくれる人、家族になってくれる人、探してたの」

アルミン「は……」

クリスタ「一緒にこの世界で、生きよう?」

アルミン「……」

クリスタ「……」

アルミン「はは……」

クリスタ「……」

アルミン「冗談は、よしてよ……」

クリスタ「考えてみて。この世界に残れば、新しい場所、新しいものにたくさん出会えるよ」

クリスタ「アルミンが望むもの、きっとある。世界中冒険できる」

クリスタ「炎の水や氷の大地、砂の雪原……見たいものが見れる」

アルミン「だめだよ……考え直すんだクリスタ」

クリスタ「決めたの」

アルミン「まだ間に合う」

クリスタ チラッ

アルミン(……僕の後ろを見てる?)

クリスタ「ううん。もう時間。ごめんねアルミン」


ガンッ!!


アルミン「!?」

アルミン(頭……殴られた……?)


フッ

おやすみなさいまし。

おっつうううううう!
おやすみなさあああい!!

クリスタ怖いけどそれでもアルミンが羨ましいわ

サザンテラス口まとめにないと思ったらリアルタイムだったのか!!!
今すごく感動している
乙です!!!

もしかして、2人を連れ去ったのって…国とか政府の手なんだろうか?

クリスタが神様だからハンジさんはこっちの神様に詳しかったんだ!だよね?

>>112->>118 あんがとです!今回は104期最後なので帰還後も少しやりますー
>>114 おお、よかったら見守って下さい!
>>115 それいいね!妄想が膨らむ、滾る
>>118 コニー編ね。そうさ、気づいてくれてありがとう!


――


ブロロロロ……


ハッ!


アルミン「っつ……いたた……」ズキズキ

アルミン(何者かに後ろから頭を殴られて、拘束されたのか……?)

クリスタ「アルミン」

アルミン「クリスタ!大丈夫!?怪我はない!?」

クリスタ「大丈夫」

アルミン「そうか……よかった……」

アルミン「ここはクルマの荷台、だよね?真っ暗だし……僕ら2人で窮屈だ」

クリスタ「うん」

アルミン(両手は布で固く縛られている……)

アルミン(足だけでは、いや、両手使えたって自力では出られそうにない)

アルミン「クリスタのブレード、出せる?」

クリスタ「ううん」

アルミン「だよね狭すぎる……。そうだ荷物は?」

クリスタ「多分足下に。でも取れない」

アルミン「護身用品はあるか……。でも脱出に役立つものは入ってないな……」

クリスタ「……」

アルミン「ねえ」

クリスタ「……」

アルミン「……君がやったの?」

クリスタ「うん」

アルミン「さらわれてしまえば、22時に間に合わなくなるから」

クリスタ「そう。私はあの場所であの時間に、人さらいが現れることを予感してたの」

クリスタ「だからアルミンを誘導した」

アルミン「僕は神様に嵌められたのか」

クリスタ「私、わがままなの。消えたいけど、ひとりぼっちは嫌。家族がほしい」

アルミン「わがままって……度を越してると思うよ……」

クリスタ「だからアルミン、一緒に来て?」

アルミン「いやだ」

クリスタ「お願い」


アルミン「……!」


クリスタ「どうしたの?」

アルミン「……」

クリスタ「来てくれるの?」

アルミン「いや……。話の腰を折って悪いんだけど……」

アルミン「足」

クリスタ「?」

アルミン「あの……僕の足に挟まってる君の太もも……位置、ずらせない……?」

クリスタ「え?」

アルミン「少しでいいんだ。下にひいて欲しい」

クリスタ「えっと」スッ

アルミン「う、ううん……そっちじゃなくて……クリスタ側にひいて」

クリスタ「ん?」スリッ

アルミン「え……っ!///ちょっと!なんで上なの!」

クリスタ「これ以上下がんないよ」

アルミン「そう……じゃあ悪いんだけど、動かないでもらっていい?1ミリたりとも」

クリスタ「どうして?」

アルミン「どうしても」

アルミン(落ち着け……脱出の方法を考えるんだ)

クリスタ「……」

アルミン「……」

スリスリ

アルミン「ちょっ……!///」

良いね良いね
私も、クリスタって心を許した男相手だと少し積極的になると思う
少しだけ遠慮しなくなる、というか

わぁぁ、なんかすごい!
「人さらいが現れる事の予感がしてたの」って、このクリスタは本当に力があるの?
本物の神様?!

おもしろすぎて、色々気になってしょうがない!
完結したら、また全部じっくり読み直す。

待ってました!
アルミンの状況ライナーなら泣いて喜ぶのか?

アルミン「やめてクリスタ!動かないでって言ったばかりだよ!?」

クリスタ「機動装置が邪魔で安定しなくて」

アルミン「そ、そうなの……ごめん。じゃあ待つから、上手く体勢とってね」

クリスタ「うん」モゾモゾ

アルミン「……」

スリスリ

アルミン「ねえ……///」

スリスリ

アルミン「ねえまだ……っ?///」


スリ……


アルミン「待ってよ!わざとやってるでしょ!?」

クリスタ「ごめんねアルミン」スリスリ

アルミン「謝る、くらいなら……っ!やめてっ!///」

クリスタ「脱出の手段を考えてるんでしょ?やだよそんなの」

アルミン「やだよじゃないよ!待って待ってストップ!本当に……やめて!///」

クリスタ「ならついて来てくれるって言って!」

アルミン「やだってば!ちょっと離れて……っ」ジダバタ

クリスタ「やだってばじゃないよ!お願いだか」グイグイ


スッ


クリスタ「いたっ!」


アルミン「!?」


アルミン「ごっごめん!」

アルミン(クリスタの……その、胸?かな。さ、触っちゃった……?)

アルミン(で、でもそんなに痛がるほど触っちゃったの僕?触れただけっぽかったけど……)

アルミン「痛かったよね……ごめん」

クリスタ「ううん。大丈夫……」

クリスタ「アルミンが触りたいって思ってくれるなら……」

スス

アルミン(僕の手を……)


ピトッ


アルミン「へ」

アルミン(柔らかくて……あったかくて)



アルミン(頂きの感触?)



アルミン「は……っ!?///」カアァァ


アルミン「雨具の下!着てないの!?///」

クリスタ「うん」

アルミン「どうして!?露出狂なの!?」

クリスタ「アルミンはいい人だから、ここまでしないとと思って。脱いできたの」

アルミン「脱いできたって」

クリスタ「色仕掛け……?」キョトン

アルミン「大胆すぎて引くよ!」

クリスタ「やっぱり」

アルミン「うん」

クリスタ「やっぱり私のじゃ、小さい……かな」シュン

アルミン「そういう意味じゃない!」

アルミン「好きでもない男にこんなことするなんてだめだってこと!自分を大切にしてよ」

クリスタ「私はアルミンが好きだよ」

アルミン「君はライナーのことが好きなんだろ?」

ライナーさんもうこいつらやっちゃっていいですよ

クリスタ「本当はライナーにしようと思ってけど」

アルミン「僕は次点か!」

クリスタ「本当の本当はユミルにしようと思ってたけど」

アルミン「三番手じゃないか!」

クリスタ「お願い」ギュムッ

アルミン「ヒッ!押し付けないでっ」

クリスタ「ん……っ///」

アルミン「変な声出さないでよ!///」

アルミン(どうしよう……このままじゃ僕……まずいよっ!///)

スリスリ

クリスタ「……アルミン……気持ち、いい?」

アルミン「うう……///」

クリスタ「私、一生アルミンだけのものになるよ」

アルミン「……やめ、て……っ」

クリスタ「だから今は何もかも、忘れて……いいの」

アルミン「やめ、てくれ……っ」

クリスタ「思うままにしていいんだよ……?」

アルミン「……っ」フルフル

スリスリ


クリスタ「だから、ね?」

クリスタ「私と」

クリスタ「行こ?」


アルミン(だめだ……もう……僕っ!)

アルミン(誰か……誰か助けて……っ!!)



ダンッ!!



アルクリ「!?」

アルミン(クルマの上に何か乗った……!?)

>>124 このクリスタは大胆すぎかしら笑
>>125 うん>>95>>96の通り、異世界に繋げたのと予感、のみ。一昨日から今日まで、3日限定神様…のつもり。
>>126 >>131 ライナーだったらもうこれウェディングカーだよ。缶ついてるヤツ

おやすみなさい。今日はまた気が向いた時に

>>132
> クリスタ「本当はライナーにしようと思ってけど」
>
> クリスタ「本当の本当はユミルにしようと思ってたけど」

そういや、女神って貞操観念ないタイプが多いよね
北欧神話とかイロイロ見ると

おつおつ
さすが女神だぜ!

>>138を訂正する


ユミル→自分を好き→迷惑かけても良い?→でも今いない

ライナー→自分を好き→迷惑かけてもいい?→でも今いない

自分を好きな人いない?→でも誰か一緒にいて欲しい→迷惑かけるけど、それならせめて自分が好きな人が良い→じゃあアルミン


脳内でこのように軌道修正して受け止める事にした

>>138->>140 サンキュー!モノリス大明神ググってしまった笑
>>141 どうしてユミルライナーじゃなくて僕なの?って疑問は後ほど。しかしそんな感じ!微妙なところで止まっててすまぬ…

>>130以降を投下し直させてください…。クリスタがただの変態になってしまったので。


クリスタ「アルミンはいい人だから、ここまでしないとと思って。シャツと下着脱いできたの」

アルミン「脱いできたって」

クリスタ「い、色仕掛け……?」キョトン

アルミン「大胆すぎて引くよ!」

クリスタ「だよね……。でもこれ以外アルミンを連れて行く方法、思いつかなくて」シュン

アルミン「好きでもない男にこんなことするなんてだめだ。自分を大切にしてよ」

クリスタ「ごめんなさい」

アルミン「い、いや僕に謝られても……。君はライナーが好きなんだろ?」

クリスタ「……本当はライナーを連れて行こうと思ってた」

アルミン「はあ。僕は次点でこんな目に……」

クリスタ「でも本当の本当はユミルを連れて行こうと思ってたの」

アルミン「三番手じゃないか!」

クリスタ「お願い」ギュムッ

アルミン「ヒッ!押し付けないでっ」

クリスタ「ん……っ」

アルミン「勝手に変な声出さないでよ!///」

アルミン(どうしよう……今僕と暗がりで密着してるのは、皆のクリスタだ)

アルミン(彼女が僕にこんなこと……!このままじゃ僕……まずいって!///)

スリスリ

クリスタ「アルミン……」

アルミン「こんなやり方……ずるいよ……///」

クリスタ「本当にごめんね……。でも、さらわれても、きっと大丈夫だから安心して」

アルミン「うう……っ///」

クリスタ「だから今は……ここから出ようと考えないで……」

スリスリ

アルミン「やめ、てくれ……っ」

クリスタ「一緒に、ここで生きよう……?」

アルミン「……っ」フルフル


クリスタ「私と」

クリスタ「行こう?」


アルミン(だめだ……もう……僕っ!)

アルミン(誰か……誰か助けて……っ!!)



ダンッ!!



アルクリ「!?」

アルミン(クルマの上に何か乗った……!?)


「クリスタ!アルミン!」ドンドン


アルミン「ライナーか!?」

アルミン(や、やった……!助けに来てくれたのか!)

ライナー「ああ俺だ!無事か!」

アルミン「うん!なんとか!」

ライナー「今出してやるから待ってろ!」ジャキン

クリスタ「やめてライナー!!」

ライナー「!?」

アルミン「え!?」

クリスタ「開けたらライナーは私のこときっと嫌いになる!大嫌いになる!だから開けないで!」

アルミン「状況を考えるんだクリスタ!そんな場合じゃないだろ!」

アルミン(恥ずかしい格好なのはわかるけど!)

ライナー「そうだ!開けるぞ!?」

クリスタ「ライナーは……私はわがままと言ったとき、そんなはずないって言った!」

クリスタ「でもそんなはずあるの!わがままで醜いの!だからだめ!」

ライナー「大丈夫だ!どんなクリスタだって俺は引いたりしない!」

ライナー「俺はどんな姿でも、クリスタを嫌いになったりしない!」

ライナー「待ってろ!」スッ

アルミン「待って!僕らかなり窮屈に閉じ込められているんだ!上からはだめだ!」

ライナー「どこをやればいい!」

アルミン「いいか!クルマの背中側にまわ……っ」


アルミン「むぐッ!」


アルミン(!?)

アルミン「んっ……んんー……!?」ジタバタ

アルミン(口に何か突っ込まれた!?何これ何これ!見えないよ!)

アルミン(まさかこれ……クリスタの肘!?)


クリスタ「お願い喋らないで」グリグリ

アルミン「ちょ……なに……して……むぐぐ」

ライナー「アルミン!聞こえないぞ!背中側がなんだ!」

アルミン「ラッ、ライ…………ッ」

ライナー「どうした!?指示をくれ!クリスタ!?」

クリスタ「……」

アルミン「……む……んんーっ!」ジタバタ

ライナー「なんか言ってくれ!」

クリスタ「……」

アルミン「んーっ!!」ジタバタ

アルミン(ああもう!ごめん……悪く思わないでよクリスタ!できるだけ甘噛みにっ)

グニッ

クリスタ「いたっ!」バッ

アルミン「……ぷあっ!」

アルミン「はあっ、はあ……はあ。ク、クリスタ……邪魔しないでよ……」

クリスタ「だって……これが最初で最後のチャンスなんだもん」

ガキィィンッ!!


アルクリ「!」

アルミン(ライナーがブレードを使っているのか!街中で刃物を振り回した以上、早くここから出ないと……)


ライナー「人さらいだ!クリスタとアルミンがこの中にいる!」


アルクリ(!?)

ライナー「中の様子がわからないから、うかつにブレードを使えない!」

アルミン(誰かと会話しているのか……?)

ライナー「やっている!全く傷がつかない!」

ライナー「定期的に煙弾を撃って場所を示す!」

ライナー「もう5時だ!あいつらと合流次第に応援に来てくれ!!」

アルミン(増援の可能性がある!クリスタがライナー相手に何をしでかすかわからないし……)

アルミン「ライナー!」

ライナー「アルミン!?」

アルミン「僕がなんとかする!」

アルミン「ライナーは逃げろ!もうじき騒ぎを聞いたケイサツが来てしまう!」

ライナー「馬鹿野郎!仲間を見捨てられるか!俺はお前たちをなんとしてでも助けるぞ!」

アルミン「危険だ!」

クリスタ「ライナー逃げて!お願い!」

ライナー「クリスタ!」

ライナー「このまま連れ去られちまったら22時には間に合わない!」

ライナー「お前がこの世界に取り残されてしまう!」

ライナー「そんなことさせてたまるか!お前を失いたくない!」

クリスタ「ライナー……」

ライナー「シャシンを一緒に見てくれるんだろう!?1000万円のチケットも俺が持ったままだ!」

クリスタ「でも!」

ライナー「クリスタ!俺は!お前が好きだ!」

アルクリ「!」

ライナー「誰よりも好きだ!わがままで醜かったとしても好きだ!」

ライナー「俺と結婚してほしい!」

ライナー「俺はお前のために、偉くなって、金稼いで、誰より幸せにしてやる自信がある!」

ライナー「巨人に怯えねえ、食い物に困らねえ世界をつくってやる!」


クリスタ「一緒に来てくれる……のかな……」ボソッ


アルミン(まずい!)

ライナー「クリスタ!俺は!」

ライナー「お前を残したまま!元の世界には帰れない!」

アルミン(待って!)

ライナー「もしこのまま取り残されるくらいなら俺も」

アルミン(だめだ!それ以上は……!)


アルミン「待つんだライナー!!」


ライナー「!?」


アルミン「僕にして!」

ライナー「ア……アルミン!?」


アルミン「僕を選んでくれクリスタ!」


アルミン(これに今のライナーを巻きこんでしまったら……確実に帰還できない!)

ライナー「は……おい待てアルミン!お前もクリスタのこと!?」

ライナー「どういうことだアルミン!」ガンガン


ファンファンファン


アルミン(ケイサツが来てしまった!)

アルミン「ライナー逃げろ!!」

ライナー「ああ!お前たちを助け出してからな!」

ガン! ガン!

ライナー「それに話が終わってない!」

アルミン「その話はまたあとだ!」

アルミン(かなり誤解されているけど……今は仕方ない)

アルミン「それより逃げろ!ケイサツは遠距離からの攻撃技術を持っている!殺傷能力も高い!」

アルミン「へたに抵抗すれば死ぬ!巨人ではなく、人間に!殺されるぞ!」

アルミン「ここで死んでる暇なんてないだろう!」

ライナー「……!!」

ライナー「くっ……煙弾を撃つ!あとは他のやつらがくるだろう!待ってろよ!」

ライナー「アルミン!クリスタを頼んだぞ!」

アルミン「ああ!」


ダンッ


アルミン(飛び降りた音……。ライナーならうまく切り抜けられると信じよう。問題は……)


クリスタ「ありがとうアルミン」

クリスタ「これからずっと、よろしくね」ニコ


アルミン(ライナーの煙弾……誰かに届いてるといいな……)

アルミン(じゃないと僕は、ここで神様に消されてしまう……)

軽トラかなんかかな
まずありえないだろうけど、IFでどちらかとクリスタが残った話も見てみたかったり…


――

ブロロロ……

アルミン「ねえ」

アルミン「どうしてユミルとライナー、2人じゃないの?」

クリスタ「……ユミルは多分、私がやろうとしていることに気づいてた。でも帰ってくるって信じてくれてたんだと思う」

クリスタ「だって、私のお願いを叶えてくれる、だからまた必ず会おうって約束してくれたもの」

アルミン「お願い?」

クリスタ「1つは今日、皆が無事に、人類に役立つ物資をいっぱい持って帰還すること」

アルミン「僕らは皆に含まれてないんだね」

クリスタ「ごめんね。私たち以外には、無事に帰還してほしいな」

アルミン「……」

クリスタ「2つめは、“超大型ぞうさん shinjuku night”を手に入れること」

アルミン「何それ」

クリスタ「恋人同士を幸せにするものなんだって」

アルミン「へえ」

皆さんレスありがとう!
>>157 とにかくゴツイ車ってことで笑。いやいや!心中エンドも十分あり得るよ!

散歩と風呂に。深夜にまた進めたらいいな。

乙です!最後ってことで他のキャラいっぱい出てきたりするの?

おつです
ひたすらに災難だなアルミン…

アルミン(なんだそれ)

クリスタ「ユミルは……ベルトルトのことが好きだから、連れては行きたくなかった」

アルミン「本人が言ってたの?」

クリスタ「ううん。でもいつもベルトルトを見てるもの。ユミルには誰より幸せになってほしい」

アルミン(見当違いって可能性は?)アセ

クリスタ「ライナーはね、私に好意を抱いてくれてるってなんとなく分かってたから、連れて行こうとした」

クリスタ「でも、この世界に憧れちゃいけないって、ライナーは言ったの」

クリスタ「むこうで生まれたんだから、むこうで生きるべきだって……」

アルミン「僕も同意見なんだけどな……」

>>160 そうかも。だから後半が長引くよー。
>>161 アルミンは災難で映える…といいなあ
やっぱここまで。最後だけあってなかなか進まぬ。じれったい。また明日。

乙。更新されるたびに感心する。先を知りたいけど終わってほしくない
アルミンクリスタの肘ペロペロしたのか…いいな

何故アルミンが選ばれたのかはまだわかってないよな?修正箇所が気になるが…
ともあれ今日も遅くまで乙でした

クリスタ「でも、アルミンは誰よりこの世界に目を輝かせていたじゃない。きっと楽しい人生が送れる」

アルミン「だから僕を選んだの?」

クリスタ「それだけじゃないよ。アルミン……あなたも……家族、いないでしょ?」

アルミン「……」

クリスタ「私もひとりぼっちなの」

クリスタ「身寄りのない者同士、新しい家族になって、ひとりぼっちは終わりにしようよ」

クリスタ「ここならきっと、自分や誰かの死に怯える必要はないし……」

クリスタ「私たち、きっと上手くいくよ。私がアルミンを幸せにする。なんでもする」

アルミン「……」

クリスタ「だから、ね……?」


ガクン!


アルクリ「!」

アルミン「……クルマが止まった?」

アルミン「ダンジョンから案外近いな……。誘拐ならもっと遠くに行くと思ったんだけど……」

クリスタ「……」

アルミン「ねえ。僕が頷いたところで、この窮地をどうするつもり?」

クリスタ「大丈夫だよ。私1000万円のチケット当てたって言ったじゃない?」

クリスタ「あれで解放してもらえるはずだから。多分22時以降だけど」


アルミン「ちょっと待って」


クリスタ「?」



アルミン「それさっきライナーが持ってるって叫んでなかった?」



クリスタ「……」

アルミン「……」


クリスタ「あ……そうだった……」

アルミン「……」

クリスタ「……」


アルミン「も、もしかして……それないとピンチ……?」

クリスタ「大ピンチ……」


アルミン(うわあ、なんて間抜けな神様だろう……)


クリスタ「ごっ……ごめんなさい!どうしよう!」オロオロ

クリスタ「私……これ以上アルミンを傷つけるつもりはなかった……!」

クリスタ「この計画だって、無傷で解放されると予感してたから……本当だよ!?」

アルミン「わ、わかったから。落ち着いてよ」

クリスタ「ごめん……ごめんね……どうしよう」ガタガタ

アルミン「とにかく、僕がなんとかする。女の子は何されるかわからない」

クリスタ「でも……きっとアルミンも女の子だと思われてる……。クルマに押し込められるときお姫様抱っこだっだ」

アルミン「え……ああそう……」アセ

クリスタ「あの人たちは多分……とっても強い」

アルミン「うん。神様が厳選した人さらいだろうからね」

クリスタ「……」

アルミン「奴らを倒して帰ろう……?」

クリスタ「……」

アルミン「……まさかこの後に及んで……帰らないなんて言わないよね?」


クリスタ「アルミンは逃げて……私は……帰らない」


アルミン「は……」

アルミン「どんなに危険かわかってるの!?1000万円のチケットがないんだ!君の計画はもう破綻した!」

クリスタ「私はどうなってもいい!この世界に残るの」

アルミン「もう残る残らないは後で考えていいから!でも今はやつらから逃げないと!」

クリスタ「言ったじゃない!チャンスはここしかないって!」

クリスタ「アルミンに迷惑はかけない!だから置いて行って!」

アルミン「できるわけないだろ!」


アルクリ「!」


アルミン(やつらがクルマから降りたみたいだ……来る……!)

アルミン「……この扉が開けば、君のブレードはなんとか出せるよね……?まずはそれで僕らの両手の布を切ろう」

アルミン「扉側の僕が君の盾になるから、その隙に出して。いいね?」

クリスタ「……」

アルミン「……」

アルミン(さっきあれだけ大声を出したんだ。寝たふりなんてかわいい真似はできないな……)






……ガチャッ



アルミン(開いた!……まず足っ!)ブンッ

ドカッ!

アルミン(1人は一発で決まった!)ムクッ

アルミン(ここは……立体駐車場か……!?何人いる!?あと2人……?運転手は別か?)

アルミン「!」

ガシッ

アルミン「やめろっ……離……せっ!」グググ


クリスタ「誘拐犯の皆さん!」


アルミン「!?」

クリスタ「私はついて行きます!ですから……アルミンを解放してあげて下さい!」

クリスタ「お願いします!」

アルミン「くっ……ちょっクリスタ!?僕より前に出ないで……っ!」ググ

クリスタ「どいてアルミン!あなたはこれで逃げるの!」ジャキン

アルミン(刃!)

アルミン選んだ理由に納得

でも行動だけ見てると 実力行使に出たストーカー女 みたいなw

アルミン「……っ!」

ググッ

ブチッ!

アルミン(これで両手が使える!)

アルミン「よし!刃貸し」

ドカッ

アルミン「ぐあッ!」ドサッ ゴロゴロ

アルミン「うう……っ」

アルミン(! あいつらクリスタの方へ……!)

アルミン「危ないっ!」ガバッ

ガンッ!

アルミン「*……っ!」

クリスタ「アルミン……!私を庇わないで!あなたは逃げるの!」

アルミン「はあっ……はあ……君を、置いていけないよ……!」

>>173 ひらがなヴって文字化けするのね!再投下

アルミン「……っ!」

ググッ

ブチッ!

アルミン(これで両手が使える!)

アルミン「よし!刃貸し」

ドカッ

アルミン「ぐあッ!」ドサッ ゴロゴロ

アルミン「うう……っ」

アルミン(! あいつらクリスタの方へ……!)

アルミン「危ないっ!」ガバッ

ガンッ!

アルミン「う゛……っ!」

クリスタ「アルミン……!私を庇わないで!あなたは逃げるの!」

アルミン「はあっ……はあ……君を、置いていけないよ……!」

クリスタ「でも……」

ヒュ

アルミン「!」

ボコッ

アルミン「いづ……ッ!」ズササッ

アルミン「げほっげほっ……君が……どうして消えてしまいたいのかは知らない……」

アルミン「もしかしたら……ここでなら、本当に幸せになれるかもしれない」

アルミン「はあ、はあ……でもやっぱり……」ムクッ

アルミン「うおおおお!!」ブンッ

バキッ!

アルミン「ユミルとの約束を守るんだ……!ライナーの告白に返事をするんだ……!」

クリスタ「……!」

アルミン「それに僕らが戻らないと!皆がカラオケに行けないじゃないか……!はあ、はあっ」

アルミン「皆を驚かせたいって言ったくせに……いなくなったらだめだろ……!」

アルミン「はは……いなくなったらそりゃ驚くけど……!そんなサプライズ誰も望んでないよ……!」

クリスタ「……っ」

ブンッ

アルミン「!」パシッ

アルミン「ユミルやライナー……僕らはそんなに、ちっぽけな存在なの……?」グググ

アルミン「君の失踪願望を止められないほど……」

クリスタ「……!」


ガシッ!


アルミン「あ……っ!」

ドサッ

アルミン(まずい!2人がかりで組み伏せられた……!)ジタバタ

ドカッ ドカッ

アルミン「ぐっ……どけ……っ!離せ……っ!」ググ


アルミン(くそ……くそ……!)



アルミン(……頭が……ぼうっとする……)

アルミン(もし……例えばライナーだったら……彼女を守れたんだろうか……)

アルミン(クリスタが……)


アルミン(クリスタが……行ってしまう……!)





プシュー!!




アルミン(……へ?)

アルミン(催涙スプレー!?)

アルミン「ク、リスタ……」クラッ

クリスタ「アルミンを離して……ッ!」ダッ

アルミン「う……っ!どけぇええ!!」ガシガシ

ドカッ!

アルミン(よし抜けだせた……!)

アルミン「ありがとう!」

プシュー!

アルミン「って待って!かけ過ぎ!僕までかかってる!いたた!」ボロボロ

アルミン(痛い痛い!目が明かない、前が見えない……)フラフラ

クリスタ「こっち!」グイッ

アルミン「わっ!に、荷物……」

クリスタ「持った!」

アルミン(うう……涙が……)ヨロヨロ

バタバタ……

>>164 クリスタの肘サラサラなんだろうね…ぐふふ
>>165 修正箇所は、クリスタが変態行為を楽しみすぎてる気がしたから直したって感じ。私がハイテンションになっていたせい。
>>172 ほんとそう。アルミンとばっちりー
今日はいっぱい進みたい!またあとで!


1725――西口 中央公園の更に西 路地裏

はぁはぁ

ドサッ

アルミン「ああ、こたえた……目がヒリヒリする……」

アルミン「やっぱり格闘術はだめだめだなあ……いてて……」ズキズキ

クリスタ「ずるい……アルミンが逃げてくれないから……戻ってきちゃった……」

アルミン「はは……助けてくれるって信じてたよ。君はやっぱり優しい子だ」

クリスタ「……」

アルミン「でもこんなわがままに人を巻き込むなんて、どうかしてる」

アルミン「しかも三番手の僕に。とばっちりもいいとこ」

クリスタ「ごめんね……」

アルミン「冗談だよ。僕らは助かった。もうそれで十分だ」

クリスタ「アルミン……」ウルッ

アルミン「……」

クリスタ「私……あの世界に生まれてしまった自分が嫌いなの」ポロポロ

クリスタ「必要とされていない……。いなくなっちゃいたい……」

アルミン「……」

クリスタ「うっ……ぐすっ……」ポロポロ

アルミン「確かに、目の前にこんなチャンスがあれば、そうしたくなっちゃうのもわかるよ……」

アルミン「でも、君は今まで壁のある世界で生きてこれたんだ。大丈夫」

クリスタ「……」ズズ


アルミン「神様お願いします」


クリスタ「へ……」

アルミン「クリスタが自分のことを嫌いでも……僕らは皆彼女が好きで、必要なんです」

アルミン「彼女が思ってるよりずっと」

アルミン「だからどうか、僕らの前から……消えないでいて、クリスタ」

クリスタ「アルミン……」

アルミン「ね、叶えてよ」

クリスタ「言ったでしょ……神様は……予感くらいしかできないの……」ポロポロ

アルミン「そうだった。じゃあクリスタに叶えてほしいな」

クリスタ「ふふっ……わかった」ニコ

アルミン「うん」ニコ

クリスタ「アルミン……」

アルミン「ん?」

クリスタ「痛かったよね……」

アルミン「あはは、とっても」

クリスタ「本当にごめんなさい。手当てしなきゃ」

アルミン「そうだね」

クリスタ「でもその前に煙弾撃とう」ゴソゴソ

アルミン「あっ待ってくれ。やってみたいことがあるんだ」

クリスタ「?」

アルミン「ミカサがね午前中、僕に言ってくれたんだ。何かあったら呼んでってさ」

アルミン「聞こえるはずないってわかってるけど、2人に助けを呼んでみたい」

アルミン「僕には家族がいないけど、家族と同じくらい繋がっていると信じてみたい……なんてね」ハハ

クリスタ「さっき……私がアルミンには家族いないでしょって言ったから……?」

アルミン「あれは僕を連れて行くための口実だったんだろ」

クリスタ「それでも……本当にひどいことを言っちゃった」シュン

アルミン「いいよ。ただ僕が今、2人に頼りたいから呼ぶんだ」

スウ


「エレン!ミカサ!」

「僕たちはここだ!」

「デートなんてまた今度にして!早く助けてくれ!!」

「呼んだらすぐに駆けつけてくれるんでしょ!?早く来て!!」

「お願いだ!」

「僕を、僕たちを助けて!!」


アルミン「はあ、はあ。すっきりしたー」

アルミン「と思ったら傷が……いたた」ズキズキ

クリスタ「エレンとミカサが2人でいるとき、アルミンは絶対に邪魔をしないのかと思ってた」

アルミン「もちろんそうだよ」

アルミン「2人には幸せになってほしいからね。僕は2人の側にいられるだけでいい」

アルミン「でもたまには図々しくなってみようと思ったんだ。君みたいに」

クリスタ「えへへ」

アルミン「……ちょっとして来なかったら、普通に煙弾を打とう。ありがとうクリスタ」

クリスタ「うん」ニコ

クリスタ「あっ」ゴソゴソ

アルミン(荷物あさってる……)

クリスタ「私のワイシャツと下着は……あ、下着あった」ヒョイ

アルミン「ぎゃあっ///」バッ

クリスタ「あれ……ワイシャツがない。落として来ちゃったみたい……」ゴソゴソ

アルミン「ぼ、僕のシャツも血がついてる。後で駅前で服を買おう」

クリスタ「うん。誰かが来るとしても、まだだよね。下着つけておきたいから、アルミン目をふせてもらってていい?」

アルミン「とっくにふせてるから!早くして!///」ドキドキ

クリスタ「うん」モゾモゾ

アルミン(君にはそういう恥じらいが足りないよ……もう!///)ドキドキ

ゴソゴソ

クリスタ「……クルマの中で変なことしちゃって、ごめんね」

アルミン「い、いえ……///」

クリスタ「私……必死で……」

アルミン「な……なんといいますか……すみません……///」

クリスタ「どうして謝るの?」キョトン

アルミン(いろいろと……初めてだったもので……///)

アルミン「き、気にしないで下さい……/// 僕こそ、肘噛んじゃったよね。痕残ってない?」

クリスタ「残らないよ。甘噛みしてくれたんだもん」

アルミン「そう……どちらにしろ、あとでよく洗ってね……」


「アルミーン!!」


アルクリ「!」

アルミン「本当に来ちゃった!しかも早っ!エレンの声だ!」

クリスタ「まだベルトしか外してないよっ」アタフタ

アルミン「雨具!雨具被って!」アタフタ

バサッ

――

エレン「アルミンどうした!?ボロボロじゃねえか!戦ったのか?」

ミカサ「人さらいはどこ?ズタズタにしてやる」ギリッ

アルミン「もういないよ。大丈夫だ」

ベルトルト「クリスタ、君は……?」

クリスタ「わ、私はどこも怪我してないから大丈夫」ニコ

ベルトルト「そう。……ライナーがどうなったかは分かる?」

クリスタ「ライナーもきっと大丈夫だよ。安心して」

ミカサ「アルミン」

アルミン「?」

ミカサ「アルミンが私たちを頼ってくれて、とても嬉しい」

ミカサ「今日は私たちに気を使ってくれたみたいだけれど……やはり任務を手伝わせて欲しかった」

アルミン「ごめん。ありがとう」

エレン「ミカサには言ったが、普段お前ら遠慮しすぎなんだよ。俺がバカみたいだからやめろよ」

アルミン「あはは」

エレン「ミカサなんて、2人の幸せが私の幸せって言ったんだぜ」

アルミン「えっ」

クリスタ「ふふっ」

エレン「ん?」

クリスタ「アルミンもさっき同じようなこと言ってたよ」

アルミン「ちょっとクリスタ!///」

エレン「はあ。3人で一緒に決まってんだろ。誰が誰について行くとかなしだからな」

ミカサ「うん」

アルミン「そうだったね」

エレン「よし、戻るぞ」

アルミン「うん。いた……っ」ズキッ

エレン「掴まれ」スッ

アルミン「ありがとう」ヨイショ

エレン「にしてもひでえ怪我だな。そんなに強かったのかよ」

アルミン「まあね。神様と戦ったんだ。いい訓練になったよ」

エレン「神様?」

アルミン「うん。神様と、神様が選んだ人さらいと。もう手強いのなんの。あはは」





1755――西口 世界時計前

トコトコ

エレン「ついた!西口世界時計前!」

ミカサ「誰もいない」

アルミン「言える立場じゃないけど……予想通りだ」ハァ

アルミン「もうすぐ18時か……予約時間だし、二手に別れよう」

エレン「予約?」

クリスタ「実はね!私、18時からカラオケを予約してあるの」ニコニコ

ベルトルト「カラオケ!?」

エレン「カラオケ?知ってるのかベルトルト?」

ベルトルト「い、いや……」アセ

アルミン「だからカラオケに行く組と、ここで他の皆を誘導する組に別れるよ」

クリスタ「ううん。私、1人で世界時計前で待つ」

アルミン「えっ」

クリスタ「私たち着替えたからコウバンの近くにいても多分平気だし……」

クリスタ「今日皆をここに連れてきたのは私だから、ちゃんと帰りを待ちたい」コソコソ

アルミン「でも……」

クリスタ「大丈夫。もういなくなったりしないよ」ニコ

アルミン「本当?」

クリスタ「うん」

アルミン「わかった……」

エレン「じゃあ行くか」

ミカサ「気をつけてクリスタ」

クリスタ「ありがとう」

アルミン「また後でね」

クリスタ「うん」

アルミン「……」

クリスタ「もう大丈夫だってば」

アルミン「うん」

テクテク

アルミン「……」チラッ

クリスタ「前見て歩くー」ムスッ

アルミン「あはは」

テクテク


――

その後僕らはカラオケに行った。全員がそろったのは18時40分頃。

当然こっちの世界の歌はわからず、大声大会開催。勝者はオニオンフライタワーと叫んだサシャ。

あ、2曲だけ知ってる曲あったよ。グレンノユミヤとジユウノツバサ。どうしてだろうね。

途中からライナーがクリスタと妙に距離をとってるようだった……何かあったんだろうか。

クリスタはいつも通りだった。いつもの優しいクリスタ。

とても心中を企んでいたとは思えないなあ。


皆でくだらないことばっかりした。お腹抱えて笑った。

そして彼女の仕草や言葉の数々が、追い打ちをかけるみたいに僕をくすぐった。

長さ的に今までならもう終盤ですが、まだあるよ。土日で終われそうです。また明日。

乙ですー!!

続きが気になるけど終わって欲しくない気持ちもあるから丁度いいかもね


2105――センタービル展望台


アルミン「コォォニィィー!!」


コニー「!?」

アルミン「どういうこと!?どうしてコニーがカツラを持ってるのさ!?」プンスカ

ジャン「どうして麦わら帽子がヅラになってんだオラアアア!」キーッ

ミカサ「コニー……」ゴゴゴ

コニー「いっいや、その……多分だけど、俺アルミンの任務手伝ったときに」

コニー「アルミンの物資と俺の土産を逆にロッカーにしまっちまったみたいでよ、アハハ!」

ジャン「ふざけんなよテメエエエ!」

コニー「ずっずみまぜんっ!!」ヒイイ

アルミン「もうそれ回収!回収だからねーっ!」バッ

エレン「それにしてもあのヅラどっかで見たことねえか?」

サシャ「こんな髪型の人身近にいましたよね。誰でしたっけ……」ウーン

アルミン「うああああ!!もうやめてくれ!考えちゃだめだからね!」アセアセ

コニー「なんだよアルミン」

アルミン「ややこしくしたコニーに言われたくないよ!」ムキー

コニー「す、すまん」

ふう。危なかった……。

カツラ入手失敗なんかしたら、団長に髪むしられるところだった。

チラッ

ライナーとクリスタが2人きり……。

さっきの告白の話は……してるのか?

なんだか気になっちゃう……。ソワソワ

ライナーと付き合うのかな。ユミルは同性だし……。

ハッ!

いやいやだめだめ!恋の出歯亀はだめだってばもう!///ブンブン


あーもう……クリスタ……

例え同情や慈悲で選ばれたんだとしても……

君に心中を持ちかけられた三番手がどう思うのか、少しは考えてほしかった……。





2125――西口地下通路 センタービルから世界時計前へ

テクテク

キャッキャワイワイ

世界時計前に戻ったらロッカーの荷物を全部出そう。

『シンゲキノキョジン』……。

結局コウダンシャには行けなかったけど……あれの存在が僕らの世界を大きく変えるだろう。

あの裏表紙の敬礼が僕らの生死を予言しているとすれば、ライナーとベルトルト、アニが危ない。

早く中身を見てみないと……。

ん?

ジャン「な?頼むって」

サシャ「えー」

(サシャとジャンか。楽しそうだなあ)

サシャ「私のワンピース失くしたくせにー!」ムキー

ジャン「それは謝ったろ」

ジャン「ミカサとデートできるよう協力してくれ。パンでもなんでもやるからよ」

サシャ「どうしましょっかねー」ニヤニヤ

ジャン「なんだその顔。腹立つ」ツネッ

サシャ「いたあい!ほっぺつねらないでくださいよー!乙女のお肌が……。真っ赤ですか?」ヒリヒリ

ジャン「ハハハッ!トマトみてえ!」ケラケラ

サシャ「ひどー!」

ジャン「うるせえ。お前昨日俺に協力するって心臓捧げたろ?従え」

サシャ「乱暴されたからやめます!いーっだ!」

ジャン「おい反逆行為だぞ!」

サシャ「あはは!」


(敬礼……反逆行為か……)



「……ルミン」


エレン「おいアルミン!」

アルミン「へっ!?」ビクッ

アルミン「エレン……何?ごめんぼうっとしてた」

エレン「ちょっと話聞いてくれ」

アルミン「うん」

エレン「ミカサへの気持ちの答えの結果報告しないとな」

アルミン「そうだね」

エレン「俺はミカサが女子として好きだ」

アルミン(エレンが自覚したー!)パア

アルミン「じゃあ2人は」

エレン「でもミカサはよ、2度家族を失ってるし、俺に恩もあるだろうし……」

エレン「俺につきっきりで、元々俺以外の選択肢はねえみてえじゃん。それってなんかやだって思った」

エレン「だからあいつには、もっと他のやつとも喋ってみろって言ったんだ」

アルミン「だからさっきミカサはジャンといっぱい喋ってたんだね」

アルミン「変な結論だなあ」

エレン「いーだろ別に」ムスッ

アルミン「うん、いいと思うよ。でもエレン、ジャンを甘く見て負けないようにね」クスクス

エレン「はあ?当たり前だろ」

「エレン、次は私がアルミンと喋る」

――

ミカサ「私達の話はエレンから聞いた?」

アルミン「うん。エレンはエレンなりに、君を大事にしようと考えてたね」

ミカサ「口は悪いけれど……結局優しい。それがエレン///」テレテレ

アルミン「もうちょっと改善されるといいんだけどね。あはは」

ミカサ「今日は本当にありがとう、アルミン。あなたも好きな人ができたら相談してほしい」

アルミン「うんわかった。ミカサ、僕好きな人ができた」

ミカサ「!?」

アルミン「と言っても叶いそうにないんだけど……」

ミカサ「大丈夫……私が何としてでも振り向かせる……」ジャキン

アルミン「あはは、ミカサジョーク?」

ミカサ「……」ゴゴゴ

アルミン「ヒッ!だめだからね!」ガシッ

「アルミン、ちょっといいかい?」ヒョコッ

――

アルミン「大人のオモチャ任務手伝ってくれてありがとうね」

ベルトルト「どういたしまして」ニコッ

アルミン「でもね、領収書が大変なことになってる。宛名が『エルヴィンヅラのくせに』って……」

ベルトルト「ハハ、ごめん。それで……これ」ゴソゴソ

アルミン「ちょっ!そんないかがわしいもの袋から出さないでよ!///何なのさそれ!」

ベルトルト「“超大型ぞうさん shinjuku night”」

アルミン(さっきクリスタが言ってたやつ!あの子にこんな入れ知恵したのは誰だよもう!///)

ベルトルト「クリスタから貰ったんだ。好きな人を幸せにしてあげてってさ。やっぱり僕に回ってきた」ニコ

アルミン「ユミルと付き合ってるんでしょ?ネタは上がってるんだよ?」

ベルトルト「シャシンのこと?誤解だって」

アルミン「じゃあこれ誰に使おうっての?」

ベルトルト「ユミル」

アルミン「」

「おいベルトルさん、アルミンよこせ」

――

ユミル「お前がクリスタを止めたんだろ?」

ユミル「私はあいつが幸せなら……ここに残ることも選択肢の1つだと思っていたが……」

アルミン「ユミルってクリスタ大好きだね。ベルトルトのことは?」

ユミル「あ?手頃な暇つぶし」

アルミン(その暇つぶしに襲われないようにね……)

ユミル「お前はどうなんだ?ライナーから、お前もクリスタ狙いだと聞いた」

アルミン「当時は嘘だったんだけどね」

ユミル「当時は?」

アルミン「うん、今は嘘とは言い難いかな。散々迷惑被ったはずなのにね、はは」

ユミル「あいつなりに、同じみなしごのお前を何とかしようと思ったんだろ」

アルミン「うん、わかってる。クリスタはライナーの告白……受けると思う?」

ユミル「はあ?あいつは私のもんだ。しかもお前と心中図った後だしな。ねえよ」

ユミル「……惚れてるかどうかは知らね。まあ自分を好いてくれる人間なら……拠り所にはしてるんじゃねえの」

「アルミン、ちょっとこっち来い」

――

アルミン「さっきのカツラの件、ミカサへの誤解が解けてよかったね」

ジャン「いや最悪だろ……。くそかっこ良かったのに俺」ハァ

アルミン「まだ反撃の余地はあるよ。このくらい」スッ

ジャン「それだけかよ」

アルミン「でも元々望みは薄かったわけだし、かなり好転したと思うよ」

ジャン「お前はなんつうか、素で失礼なこと言うよな」

アルミン「今の冗談なんだけど……」

ジャン「才能はねえなお前」

ジャン「どうせお前はエレンサイドなんだろ」フン

アルミン「そんなことはないさ。ミカサが幸せになれるかどうかが問題だからね。こればっかりは」

アルミン「本物のプレゼントで、今度こそ頑張ってね」

ジャン「お、おお」

アルミン「それでさ、ひったくりに遭ったんだろ?どんなやつだった?」

ジャン「ああ。一生会いたくねえな、えっと……」

――

サシャ「この消臭剤味のガムあげますから質問いいですか?」

アルミン「ん?ああ、ありがとう」モグモグ

サシャ「あのですね、ジャンの恋の応援についてです」

サシャ「私はジャンに頑張れっていいました。でもちょっと嘘付いた気がしてて……なんといいますか」

アルミン「嘘と思うならそれ、君がジャンに恋してるってことじゃないのかなあ」

サシャ「///!?」

アルミン「だってそうでしょ?」

サシャ「そうなんでしょうか……///」

サシャ「でもジャンは馬面ですし、目つき悪し……結構かっこいいですし///」ドキドキ

アルミン(ん?コニーがこっち見てる……)

アルミン「いっ、いやあサシャ。それきっと、お腹すいてる証拠だよ!」アセアセ

サシャ「そうですかねアハハ!」

アルミン「ねえ、ひったくりってどんなやつだった?」

サシャ「えっとですね……」

――

アルミン「で、コニーはサシャが好きなんだね」モグモグ

コニー「内緒だからな!な!///」

アルミン「わかってるよ。どういうところが好きなの?」

コニー「よくわからんが好きだ。おっぱいでけえし」

アルミン「女性の胸は予想以上にナイーブなんだ。気をつけてね」

コニー「ん?でもおんぶしたときに俺の背中でおっぱいずっと潰れてたと思うぞ」

アルミン「痛がらなかったの?」

コニー「全然」

アルミン(クリスタは触れただけであんなに痛がって……もしかして何かの病気か?)

コニー「ってお前その食ってるガム……サシャから貰ったのか!?」

アルミン「うん。ちょっと不思議な味だね」モグモグ

コニー「今すぐ吐き出せ!腹壊すぞ!」

アルミン「ええっ!ぺっ!……そ、そういえば、ひったくりってどんなやつだった?」

コニー「えっとなあ……」

――

ライナー「告白は撤回した」

アルミン「!?」

ライナー「俺は、お前にならクリスタを任せられると思っている」

アルミン「正気かライナー!どうしてそんな……!」

ライナー「……」

アルミン(ライナーの性格では考えられないことだ……そこまでの理由が……)

アルミン「あ、あんなに好きだったじゃないか……君らしくない……。理由は?」

ライナー「……誰にも言うつもりはない……」

アルミン「……そう。わかった」

ライナー「クリスタは頼んだぞ」

アルミン「彼女の気持ち次第だよ……」

ライナー「だな。ところで悪いんだが……昼、クリスタが宝くじで当てた金を撒いたんだ」

アルミン「は?」

ライナー「それとなく理由を聞いてくれんか。気になって仕方ない」

――

クリスタ「内緒です!///」

アルミン「えっ」

クリスタ「もう!神様にもプライバシーがあるのー!アルミンは全部知らなくていいのー!」

アルミン「す、すみません……」

アルミン(プライバシーって言葉を持ちだされると……何も言えない)

アルミン「じゃあ神様、ジャンたちとひったくりを遭遇させたのは、君だね?」

クリスタ「うん」

アルミン「人さらいとは別の方法でだ。神様って人を思い通りに動かせないんだろ?」

アルミン「だから君はひったくりを……脅しでもしたんじゃないかな」

クリスタ「脅しじゃないよ、お願い」

クリスタ「あの時間の南口改札前」

クリスタ「ジャンとサシャに動いてもらわないと、アルミンと2人きりでいられないって予感がしたから」

アルミン「悪い子」

クリスタ「ごめんなさい」

クリスタ「でもよく気がついたね。“彼ら”について」

アルミン「ひったくりに遭った3人の話を聞いて、なんとなく」

アルミン「“彼ら”の存在は……最初からそんな気がしていたしね」

アルミン「巨人であるエレンを護衛も付けずに異世界へ送るなんて、まずないと思ったんだ」

アルミン「君がさらわれることが唯一のチャンスと言っていたのは、ああでもしないと“彼ら”に助けられてしまうから」

クリスタ「ふふっ、ご名答。本当に賢いねアルミンは」

アルミン「どうも」

クリスタ「でも、どうしてだろうね。別に内緒にしなくてもよかったと思うんだけど」

アルミン「……」

クリスタ「あのね……」

アルミン「……」

クリスタ「ライナーのこと」

アルミン「……うん」

何か今回はやたらとはっちゃけてるな
今での硬派な雰囲気がぶち壊しじゃね

怒涛だなぁ
これで終わりかと思うと、ちょっと寂しい

でも、かなり他を読み返さないと思い出せなくなってる
別々でなく、時系列で並べた1つにしても読めそうだなぁ

クリスタ「私の返事を聞く前に、告白は撤回だって」

クリスタ「ライナーは私が思うような人間じゃないって言ってた……。とても辛そうに」

アルミン「思うような人間じゃない、か……」

クリスタ「アルミン?何か知っているの?」

アルミン「ううん……」

クリスタ「そう」

クリスタ「仕方ないよね。今日自分勝手やったつけが回ってきた。それだけ」

クリスタ「私は最初、ライナーの好意を利用しよう企んでいたんだから……」

クリスタ「でも、悲しいな……」

アルミン「……」

アルミン「ねえクリスタ、君は……」

アルミン(ライナーに惹かれているの……?)

クリスタ「ん?なに?」

アルミン「いや、なんでもない」フルフル

アルミン「あ、もう世界時計前につく。荷物とらなきゃね」

クリスタ「うん」


アルミン(きっと、僕の思い違いだ……)

アルミン(もしそうだとしても、人の恋路に口出しはできないし……)





2145――世界時計前付近のロッカー

バタン

エレン「これで荷物は最後だよな?」

アルミン「うん。手伝ってくれてありがとう」

「おーい」


エレアル「!」

ライナー「集合シャシン撮るぞ。世界時計を後ろにな」

ジャン「でもゲンゾウしねえんだろ?意味ねえじゃん」

ライナー「記念だ記念」

ミカサ「待って。撮る人が1人必要」

ベルトルト「今日1番怒られた人がやるべきじゃない?」ボソッ

一同「……」ジィ

コニー「俺かよ!?集合シャシンに集合できねえとか有り得ねーっ!」

クリスタ「私が撮るよ」

サシャ「えっ一緒に写りましょうよー」



アルミン「!」

アルミン「僕、近くの人に撮ってくれるようお願いしてくるね」

タタタ



アルミン「すみませーん。シャシン撮って頂けませんか?」



アルミン「ひったくりさん」



アルミン「いえ」





アルミン「リヴァイ兵長」

ここまでか…次が楽しみだけど終わるの寂しいな
クリスタの力ってもしかして例の日に関係するとか…

>>202->>204 ありがとう!
>>220 軟派硬派はあまり考えたことなかった!最後まで読んでくれたら変わる…かも?知れない
>>221 サンキュー!エレン視点かなり前だもんね。私ももう忘れている

今日はこれで終わります。まだまだ疑問点が残っている。焦らず進める。

これの次に兵長達視点の話があって完結かな?
まったり待ってる

乙です
こっちの世界の平和な空気にあてられてみんな恋愛し出したのかな

>>226 おっ!いいねえ
>>228->>234 ひゃーありがとう!
全部にお返事返したいところですが進めます。皆様が思っているよりもう少しあるよ。

――

アルミン「皆!撮ってくれるって!」タタタ

エレン「さすがだアルミン!って……」

一同「……」

エレン「おい!どうしてあんな威圧感のあるチビに頼んだんだよ!?こええよ!」コショコショ

ライナー「頼むんだったらあっちのいいケツした姉ちゃんに頼めよ!」コソコソ

アルミン「しーっ!削がれちゃうよ!?」ヒヤヒヤ

エレン「じゃあ俺がここに立つからな」スッ

ジャン「当たり前のように真ん中陣取るじゃねえよ」

ミカサ「私がエレンの隣」サッ

ジャン「ミ、ミカサ!隣……///」ドキドキ

ミカサ「……」

サシャ「ミカサの隣はジャンですよー!」グイグイ

ジャン「おいサシャ押すなよっ!」

アルミン「ミカサ、僕はエレンの隣にするから」

ミカサ「なら構わない」

ジャン「しゃっ!」サッ

サシャ「よかったですね!」ニコニコ

コニー「んで俺はサシャの隣だよな!」

サシャ「そうなんですか?」

コニー「い、いいか?」

サシャ「もちろんです!」ニコ

ユミル「私はクリスタの側ならどこでも……」

ライナー「……」スッ

ユミル「おい無言でクリスタに近づくなクソゴリラ」

クリスタ「いいじゃない。ほらほらユミルはベルトルトの隣へどうぞーっ!」グイグイ

ユミル「ちっ」

ベルトルト「ひど」

ライナー「おい待て、ベルトルトとユミルはこっちだ」

ユミル「……ったく」

ベルトルト「え?どうして?」キョロキョロ

ユミル「のっぽは邪魔くせえんだっつの。おら、そのままつめろよ」

アルミン「!」

クリスタ「!」

アルミン「……」

クリスタ「お隣になったね」

アルミン「うん」

クリスタ「楽しかった?」

アルミン「うん」

クリスタ「でもアルミン、とっても悲しそうな顔してる。どうして?」

アルミン「今日が楽しすぎたからじゃないかな」

クリスタ「でも……」

アルミン「僕は同期の皆が好きだよ」

クリスタ「?うん」

アルミン「訓練兵時代から、ずっとそう思ってたし」

クリスタ「アルミン?」

アルミン「これからも……」

クリスタ「……」

アルミン「……」

クリスタ「アルミン……どうかしたの?」

アルミン「いや……」

アルミン「ごめん。何でもない。笑顔で写ろうね」ニコ

クリスタ「うん」ニコ

サシャ「皆さん!ここは景気付けに、ポーズでも決めましょうよ」

エレン「そうだな。いっちょ心臓でも捧げとくか」

アルミン「ははっ、かなり軽い捧げ方」

エレン「俺らにはこれだろ」

サシャ「号令は私がやりましょうか」モグモグ

コニー「ガム食いながらのヤツはだめだろ」

ジャン「主席がやるべきだな」

ライナー「いいな、それ」

ミカサ「わ、私は……/// エレンに譲る」

エレン「おっ!じゃあ代表して……」ニヤニヤ

ジャン「おい待て!俺あミカサに頼んだんだぞ!だったら俺が!」ズイッ

エレン「はあ!?でしゃばんな!」

ジャン「うるせえ!」

ギャー ギャー…







「心臓を捧げよ!!」



「はっ!!」バッ



カシャッ





エレン「ん?今誰が言った?」キョロキョロ

アルミン「待ちくたびれたんだろうね、きっと」

2200――

「全員荷台に乗ったかー」

「おいっベルトルト俺を落とす気かよ!」グイグイ

「そ、そんなつもりは」アセアセ

ガヤガヤ

アルミン(今、僕にできること……)

クリスタ「アルミン?どうしたの?あとは私達が乗るだけだよ」

アルミン「……」

クリスタ「ねえ」

アルミン「君のこと考えると、うずくまっちゃいたくなるんだ」

クリスタ「お腹痛いの?」

アルミン「ううん。君のために何ができるか……考えてた」

アルミン(でもどれも……)

クリスタ「……?」

クリスタ「ありがとう。気持ちだけで十分だよ」ニコ

アルミン「……っ」ブンブン

クリスタ「違うの……?」

アルミン「1つ聞いてもいい?」

クリスタ「どうぞ」

アルミン「君はユミルを誰より大切にしていて、ライナーに惹かれているね?」

クリスタ「……!」

アルミン「僕と心中しようとした後だからって、遠慮しないで」

クリスタ「……うん」

アルミン「そう……」

アルミン(時間だ……)

アルミン「神様ご相談があります」

クリスタ「なんでしょう?」

アルミン「耳を貸して」

クリスタ「ん?」




アルミン「君をさらってもいいかな」




クリスタ「アルミン……?」

アルミン「……」

クリスタ「さっき兵長と喋ってから様子が変だよ。何か言われたの?」

アルミン「事情が変わったんだ」

クリスタ「事情って」

アルミン「ここから君をさらった場合……。予感の力を発揮してみて」

クリスタ「……先輩たちに捕まって、元の世界に強制送還」

アルミン「うん。だから元の世界には帰るよ。でもその前に、一緒にシンジュクを跳んでくれないかな」

アルミン「君と跳びたい」

アルミン「先輩たちが帰るまでは、荷台通じるんでしょ?」

クリスタ「そうだけど……」

アルミン「じゃあお願い。昼は僕がさらわれたんだ、さらい返したっていいだろ?」

アルミン「ってのは冗談だけど……」


アルミン「どうだろう?」


クリスタ「どうって……」


クリスタ「アルミンが今、何を考えているのか……わからないんだけど……」

アルミン「僕自身も今こんがらがってるんだけど……」

アルミン「でも僕にはこれくらいしかできないから、ぜひ君をさらいたい」


クリスタ「……そう」


アルミン「……」




クリスタ「いいよ」





ガッ!!





一同「!?」グラッ

ジャン「ア、アルミン!?何荷台蹴ってんだ!」

コニー「動き始めちまったぞオイ!」

ライナー「!」

エレン「アルミン!クリスタ!早く乗れ!」

ミカサ「元の世界に帰れなくなる!」


アルミン「エレン!ミカサ!」



アルミン「荷物を守って!」



エレン「は……お前も乗れよ!何やってんだよ!」


アルミン「クリスタ!行こう!」ダキッ

クリスタ「わっ」フワッ


バシュー…!

――

バシューッ

クリスタ「キラキラしてる」

アルミン「そうだね」

クリスタ「夜でも跳べるね」

アルミン「うん」

クリスタ「アルミン」

アルミン「ん?」

クリスタ「私、1人でできるよ?アルミン怪我してるし……」

アルミン「こっちのほうがさらった感が出てるでしょ」

クリスタ「なにそれ」クスクス

クリスタ「さっきも展望台から景色を眺めたけど……立体機動だと違うね」

アルミン「うん。夜風も気持ちいい」

クリスタ「大きな赤い星」

アルミン「あれは高層ビルのライトだよ。点滅してる」

クリスタ「まぎらわしい」プスー

アルミン「クリスタ」

クリスタ「ん?」

アルミン「君はまだ、ここに残りたいと思う?」

クリスタ「どうだろうね。今一緒に来てって言ったら、アルミンは来てくれるのかな?」

アルミン「……」

クリスタ「嘘。いいの。ちゃんと戻るよ。そう決めたから」

クリスタ「……どうしてこんなことを?」

アルミン「一緒にさらわれたときに、僕は君にお願いしたよね」

アルミン「僕らの前から消えないでねって」

クリスタ「うん」

アルミン「念を押しておこうと思ったんだ。言いたいことも増えたし」

クリスタ「ふふっなにそれ」




アルミン「僕はね、君が好きだよ」



クリスタ「……!」

アルミン「今日は君に翻弄されて、散々な目に会った」

アルミン「あんなに迷惑かけられて、三番手ともわかってた……それなのに、僕は君を好きになった」

クリスタ「アルミン……私」

アルミン「いいんだ、聞いてくれるだけでいい」

クリスタ「……」

アルミン「今はただ、僕は君が好きで、君を必要としている人間はここにもいるんだってこと」

アルミン「君をさらって、伝えたかった。言葉より行動で」

クリスタ「アルミン……」

アルミン「それとね、君がいなくなったら皆がどう思うのか、知ってほしかったから」

アルミン「きっと帰ったら大変なことになってるよ」

クリスタ「泣かれちゃう?」

アルミン「うん。そして僕は怒られる」

アルミン「ふふっ」

アルミン「だから……」

クリスタ「うん。わかった。消えたりしない。ありがとうアルミン」

アルミン「……っ」ウルッ

アルミン「でさ、もしさ……」

クリスタ「……?」

アルミン「もし、君がこの先、辛くなってしまったら……」

アルミン「君を連れて帰る僕を、恨んでくれていい……」

クリスタ「……」

アルミン「……」

クリスタ「……変なの」

アルミン「え……」

クリスタ「アルミンを巻き込んでしまったのも、元の世界で生きようと決めたのも私」

クリスタ「どんなことが起こってもアルミンのせいなんかじゃない」

アルミン「優しいね……」

クリスタ「アルミンこそ」

アルミン「……」ポロポロ

クリスタ「人さらいさんが泣いてる」

アルミン「あはは……格好悪いよね、台無し……」

クリスタ「そんなことない」

アルミン「僕ね、今頭の中がごちゃごちゃなんだ……」

クリスタ「そう……よかったら理由を、教えてほしいな」

アルミン「ごめん……」ズズッ

クリスタ「そう」

クリスタ「さっきのライナーもそうだった。泣いちゃっているのに理由を教えてくれないの」

クリスタ「アルミンもライナーも、納得できない理由だったら、怒りますからね」ニコ

アルミン「うん……」

アルミン(僕にできることはきっと……ここまでなんだ……)

アルミン「う……っ」ポロポロ

グラッ

アルクリ「わっ!」

ダンッ

アルミン「あ、危ない……」ヒヤヒヤ

クリスタ「泣いてちゃ前がみえないよ。袖でいい?」

アルミン「うん、ごめん」

クリスタ ゴシゴシ

アルミン「ありがとう。見えた」

クリスタ「ふふっ」

アルミン「ん?」

クリスタ「神様をさらうなんて」

アルミン「貴重な体験だよ」

クリスタ「ねえ、せっかく夜のダンジョンを立体機動装置でお散歩できてるだから、もっと楽しもう?」

アルミン「へ……」

クリスタ「明日のことは明日考えよう。私達はまだ、ダンジョンにいるんだから」

クリスタ「ね。先輩に捕まるまでは」

アルミン「うん。じゃあこの際、必死で逃げてみようかな」

バシュー

クリスタ「あっ見て!サザンテラス口!」

アルミン「じゃあこの道が甲州街道だ。この道をずっと行こう」

クリスタ「クルマの光が川の水みたい。先に何かあるの?」

アルミン「ずうっと行けば、海の近くまで行ける。とりあえず、ガスがなくなるまで遠くに行こう」

アルミン「ガスが切れたらデンシャに乗って、海を見ようよ。それから海の魚を食べてみたいなあ」

クリスタ「そんなこと言ってたら、本当に逃げ切れちゃうかもよ?」クスクス

アルミン「あははっ」

クリスタ「海ってしょっぱいんでしょ?」

アルミン「うん。きっとこんな顔になるよ、こーんな顔」

クリスタ「ふふっ変な顔」クスクス

アルミン「あはは」ケラケラ

グラッ

アルミン「わっ!」

クリスタ「また!よそ見しちゃだめー!」

アルミン「はは、ごめんね」



その後、もちろん僕らは先輩たちに捕まり、元の世界へと強制送還された。

任務を放棄したとして罰をくらうかと思ったけど、先輩たちは見逃してくれた。








帰還後――団長の部屋

トントン

「入りたまえ」

なんかせつないね

俺も異世界からクリスタみたいな子が来たら攫うわ
そういやそんな昔話あったな

ガチャ

アルミン「失礼します」

エルヴィン「座りなさい」

アルミン「はい」

エルヴィン「神様を連れ去るとは……君は面白いことをしたな」

アルミン「すみません……」

エルヴィン「いや。任務自体に支障はなかったんだ。無事でよかったよ」

エルヴィン「……飲んでいきなさい」カチャ

アルミン(紅茶)

アルミン「頂きます」

エルヴィン「君は、私の命令を守れなかったのだね」

エルヴィン「何も考えず、少年でいなさいという命令が」

アルミン「はい……。団長のお心遣いだったのだと、痛感しています」

エルヴィン「言ってごらん」

話作るの上手いなぁ

アルミン「まず……出発前のハンジさんの説明には嘘がありましたね」

アルミン「あの荷台以外は異世界へ繋がらないって……」

エルヴィン「……」

アルミン「僕らが出発してから、先輩方も別の荷台で後に続き、僕らの動向を観察していた」

アルミン「特別作戦班の先輩方はエレンと神様クリスタの護衛」


アルミン「そしてリヴァイ兵長とハンジさんは……」



アルミン「裏切り者を探していた……そうですよね……?」



エルヴィン「ああそうだ」

エルヴィン「君は帰還前、リヴァイに質問したそうじゃないか」



エルヴィン「“ライナーとベルトルトか”と」

!!

ええええええ

もっかい全部読みなおそ

>>256 回を増すごとに切なくなっちゃうね、ごめん…
>>257 私だったらアルミンとセットでさらうね。両手に花!
>>259 ありがとう!
>>261->>264 ごめん…そんな大それた伏線とかないんだ…
寝てた。

あ、あといくつかなのに眠気に勝てない…おやすみ

アルミン「はい……」

エルヴィン「なぜわかった?」

アルミン「書物『シンゲキノキョジン』からの推測です」

アルミン「この世界の情勢が記されていたあの書物の裏表紙には、104期成績上位10名の敬礼姿が描かれていました」

アルミン「そして死亡した者はそこから消える……最初はそう解釈しました」

アルミン「しかし帰還間際、敬礼は公に心臓を捧げる決意を示すもの」

アルミン「その意志を否定した、心臓を捧げられなくなった者も消える対象なのでは、と考え直しました」

エルヴィン「つまり死者、もしくは……反逆者。裏切り者か」

アルミン「はい。これから先、敬礼姿が消えるのは、ライナー、ベルトルト、アニですが」

アルミン「その考えを濃厚にしたのはアニ・レオンハートです」

アルミン「彼女は憲兵になったので僕らより死ぬ確率は極めて低いはずなのですが」

アルミン「女型の巨人と呼ばれるものが捕獲された次の巻から、敬礼姿が消えているんです」

アルミン「さらに女型の巨人と思しき巨人の絵は、アニ独特の格闘術の構えと酷似していて……」

アルミン「彼女はマルコの立体機動装置を所持していたこともあるし……可能性はあると思いました」

エルヴィン「ライナーとベルトルトも同様に、裏表紙からか」

アルミン「はい。彼らは超大型巨人、鎧の巨人の正体が明らかになった次巻から、敬礼姿が消えました」

アルミン(それにライナーは……告白の撤回がとても不可解だったから……)

アルミン(“思うような人間じゃない”という断り方を含めて)

アルミン「つまり確証は1つもありませんでした。反逆ではなくただ死亡したという方があり得ますから」

アルミン「あとはリヴァイ兵長の顔を窺って……」

エルヴィン「はは、リヴァイは15歳にカマをかけられたとふてくされていたよ」

アルミン「すみません」

エルヴィン「君の言う通り、リヴァイとハンジは世界時計前でロッカーを監視していた」

エルヴィン「前日、君に世界時計前のロッカーを使うよう促したのはそのためだ」

エルヴィン「そして証拠を掴んだ」


エルヴィン「明日ライナー、ベルトルト両名を拘束する。彼らは黒だ」


アルミン「帰還時の物資落下事故を起こしたのも、やはり彼らですか?」

エルヴィン「おそらくな。やられたよ全く」

エルヴィン「君の言う『シンゲキノキョジン』を含む物資を持ち帰れなかったのは非情に残念だ……」

エルヴィン「憲兵のアニ・レオンハートについても容疑者として調べを進める」

アルミン「あの……」

エルヴィン「ん?」

アルミン「リヴァイ兵長から聞きました。ユミルはなぜ捕らえられるのでしょうか……?」

エルヴィン「彼女はベルトルトが巨人であることを知っていたようだったとの報告がある」

エルヴィン「しかし彼女はどうやら事情が違うようだ……。彼女とは良い関係を築きたい」

アルミン「今後僕らは、ユミルと面会はできるんですか?」

エルヴィン「彼女の協力次第だな」

アルミン「そうですか……」

エルヴィン「……」

アルミン「まだ……信じられません……3年もずっと一緒でしたから」

エルヴィン「無理もない」

アルミン「思い違いであってほしかった……」

アルミン「だってあんなに楽しかったのに……一体どうして……」

エルヴィン「……」

アルミン「ライナーもベルトルトも、僕らにとてもよくしてくれていました……本当に楽しかった……」

エルヴィン「しかし事実だ」

エルヴィン「まだ他にも共謀者がいるかもしれない。油断はできない」

アルミン「はい……」

エルヴィン「……」

アルミン「僕自身、心の整理がついていないのですが……」

エルヴィン「?」



アルミン「彼女が心配です……」



エルヴィン「クリスタ・レンズか」


アルミン「ライナーが人類の敵だと知ったら……」

アルミン「いや……ユミルだって今はどうなるかわからない……」

アルミン「そしたら、彼女はまた……この世界から消えてしまいたくなるんじゃないかって……」

アルミン「彼女にとって2人はきっと特別な存在です……」


エルヴィン「それで彼女をさらったのか」


アルミン「僕は」

アルミン「僕の気持ちを伝えることぐらいしか……できないですから……」

アルミン「さらっちゃいたいくらい好きです……みたいな、はは」


アルミン「なんて……」


エルヴィン「……」

アルミン「……」


エルヴィン「君が責任を感じる必要はない」

エルヴィン「遅かれ早かれ、この事実は明らかになっていただろう」

アルミン「……」

エルヴィン「彼女はどこまで予感できているんだろうな」

アルミン「気づいていると……?」

エルヴィン「彼女の力については結局不明瞭なままだったからな」

エルヴィン「どちらにしろ、明日から彼女は神様ではなくなる。今まで通りのクリスタ・レンズだ」

エルヴィン「支えてあげなさい」

アルミン「はい……」


エルヴィン「……」

アルミン「……」



エルヴィン「……初恋か?」


アルミン「ええっ!」ガタッ

アルミン「えっと……は、はい……///」テレテレ

エルヴィン「いつ頃から?」

アルミン「今日ですかね……///」テレテレ

エルヴィン「告白まで1日かからなかったのか。ずいぶんと早い」

アルミン「えっおかしいですか!?」

エルヴィン「愛の逃避行も含めれば極々少数派だ」

アルミン「あああ愛の逃避行なんて!///僕たちは、ちゃんと帰還するつもりでした……」

エルヴィン「中々すばしっこかったと聞いたが」

アルミン「そ、それは……」

アルミン(もう少し一緒にいたいとか……思っちゃってたら……///)

エルヴィン「はは、愛の力か」

アルミン「団長……からかってますね」ム

エルヴィン「すまない。大人は君たちのような年頃の子を、ついからかいたくなるんだ」

アルミン(もう……)プスー

エルヴィン「新兵には戦場に赴く前に……死んでしまう前に、ただの少年少女として生きて欲しい」

エルヴィン「我々はそう願っていた。昨日も言ったね」

エルヴィン「巨人や死に怯えない、穏やかな時間を過ごして欲しいと。それが叶ってよかったよ」

アルミン「でも……」

エルヴィン「ああ。実際はそれぞれが1日を楽しんだ裏で、それぞれの思惑もまた作用し合っていた」

エルヴィン「しかしそうだとしても、我々は君たちに、やはり感謝するよ」

アルミン「……」

エルヴィン「君もきっと、大人になればわかるだろう。我々の気持ちが」

エルヴィン「だからアルミン」

アルミン「はい」


エルヴィン「今は現実を飲み下し」


エルヴィン「そして生き残りなさい」




エルヴィン「これは命令だ。従いなさい」





アルミン「はい」




エルヴィン「でだ。私のウィッグを調達できなかったことに関してだが……」

アルミン「代わりに僕の髪をむしるんですか?」ガタガタ

エルヴィン「……」


――

迷宮シンジュクダンジョン。

行き止まり、遠回り、近くにいるのに出会えない。なかなか相手に届かない。

募る想いは迷子になった。僕らはそんな恋をした。

壁なんてない、巨人なんて知らない世界の、

ただの少年少女みたいにね。


この先、世界はどう転がるかはわからない。

ただ、クリスタ。君のためにできること、僕は一生懸命考える。



――

タタタ

クリスタ「お待たせアルミン!って、あれ……」

クリスタ「ライナー」

ライナー「クリスタ」

クリスタ「ライナーもアルミンに呼ばれたの?」

ライナー「ああ。まあ待つか」

クリスタ「うん」

ライナー「……」

クリスタ「……」

ライナー「来ると思うか?」

クリスタ「ううん」

ライナー「だよな。全くあいつは、さっきはクリスタをさらっておきながら……」

クリスタ「うん。アルミンは優しすぎる。本当に……」

ライナー「?」

クリスタ「ライナー」

ライナー「ん?」

クリスタ「会えてよかった」

ライナー「俺にか?」

クリスタ「聞いて欲しいこと、あったから」

ライナー「そうか。なんでも聞くぞ」

クリスタ「あのね、さっきサシャが百味ガム落としたって騒いでて……」

ライナー「待て。なんでも聞くと言ったが、それ明日でもよくないか?」

クリスタ「今がいいのー」

ライナー「お、おう」

――




アルミン「新宿の巨人」

クリスタ「サザンテラス口」



おしまい


――


新宿の巨人シリーズ、104期調査兵団ひとまずお終いです。
回収してない点については、リヴァイとハンジ番外編でまた今度。

クリスタは無理心中なんてしないよね…。
そして容赦の無い終わり方にしてすみません。ええっ!てなった方が多いかと思います…。
色んなエンド考えて悩んだけど、個人的にはどのキャラも魅力的すぎて容赦無くなった気がします。

このシリーズについて、何か疑問があれば答えます。
あと、誰視点が面白かったかよかったら教えてほしいです。

以上です。長い間お付き合いありがとうございました。もうほんと。


あとでアルクリでおまけ書きます。幸せなやつをお口直しに。

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