ミカサ「エレンと好き同士」(321)

「ミカサ『エレンの性玩具』」
ミカサ「エレンの性玩具」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1372923710/l50)
の続きです。


※とあるSSスレ(作者は別人)からのインスパイア
 元ネタのエレミカとは別の世界線(三次創作)

※エレンとミカサが、エロかったりエロくなかったり
 甘酸っぱかったり軽い暴力があったりする

※主導権の奪い合いでエレミカだったりミカエレだったりする

※ミカサとアニにレズ浮気の経歴があり(ハーレムでは無い)


開拓地時代からエレンの性欲処理をしていたミカサだったけど、

性欲処理の玩具・子作りごっこ遊びの人形を卒業して、晴れて恋人になったよ!

でもお互い距離の取り方が下手で、ちょっと揉めてるよ! 他の訓練兵も時々出てくるよ!

思いっきり続いているので、前スレの話読んでないとわけわからないかも

前スレ、まとめてもらうにもクソ長い上にエロなので、どうすればいいのか迷ってます
少なくとも今やってる話が完結するまでは、どこかで読めた方がいいんですかね
もう980越えてるし近々落ちるんですね
対応遅くてすみません

じゃあしばらく放置で……
ご協力ありがとうございます
皆さん気遣いこまやかで、がんばって書いちゃう気になりますわ

落ち着いたら、サブタイトルか何かでも「続〜」みたいな形でも、
どこからどこまでがひとつの話なのか整理します
エロだからってひとつのスレにダラダラ続けたのが裏目に出ました

あと、前スレのジャンの話ですが
「エレンの野郎がミカサとふしだらし放題のくせに、何かこじれて気まずくなってるっぽい
 さっさと元莢に収まるなり別れるなりしやがれミカサかわいそうだろ」
くらいの感じで、エレミカの関係が深まりつつあるとまでは思ってません
これから知るかもしれませんがかわいそうなので保留

ありがとうございます

あと2エロくらいで落ち着く気がするので、
そこで一段落(「エレンの性玩具」)として、その次から「好き同士」ってことで
まとめてもらおうかなと
あんまりシリーズダラダラ続けるのも迷惑かと思うのですが、
なんかこの過程を辿ったエレミカの続きで、短いのを書きたい気がするので

部屋に戻るなり、親友が土気色の顔で「俺、おかしくなったかもしれねえ」と声をかけてき

て、アルミンはとうとう来たか、と思った。

喧嘩したのか気まずいのか、親友2人の緊張した状態が数日続き、見守りに徹するのも限界

だった。

男女のことではある。家族のことでもある。

頼られない限りは、できる限り見守るだけでいようと思っていた。

それでも、最終的に打ち明けてもらえる存在であると実感し、安堵する。

疎外感と心労が、ほんの少しだけ軽くなった気がした。


兵舎近くの林に連れ出し、太い木の根元、茂みの陰にエレンと座り込む。

いつになく眼に力のないエレンの顔を覗き込む。

「……好意は受け入れてもらえそうかい?」

「俺の方が悪化した」

座り込んで自分の膝ばかりを見るエレンが痛ましい。

「ミカサに……振られるかもしれねえ」

「えぇ……?」

「こんなことになるなんて、思ってなかった」

「僕だって想定外だよ……」

虫の音が響いている。月も細くなり、隣のエレンの表情がよけいに暗く見えた。

「照れたりは……されなくなってきたんだが」

「うん」

「ミカサの好きと俺の好きが違うって言われた」

「うん?」

「つい、やりすぎて……」

叱られる子供のように、エレンは肩を縮こまらせている。

ちょっと半端すぎますが用事片付けてきます

「君って奴は……」

「すまねえ、アルミン……アルミンの言うとおりにしようと思ってたんだが」

「どうしてこらえられなかったんだ……」

「なんだか、ミカサを見ると頭がおかしくなって」

そう言って、エレンは膝を抱えた。

後ろめたいときの仕草がなんとなく、ミカサに似ている。

「……悪い。嘘ついた。ついなんてもんじゃねえ。
 俺、ミカサを壊すつもりでやってた」

アルミンは黙って、エレンの話を聞いている。

大きな瞳が、じっとエレンを向いている。

「嫉妬とか、独占欲とか、そういうのは後付けの言い訳だ。
 最初から、壊れてもいいような気がしてた。
 ミカサは、そうなっても許してくれる気がして」

そのまま、膝に額を押し付けて顔を隠してしまう。

「俺、大事なんだよ。あいつが大事なんだよ。
 家族じゃねえか。アルミンとミカサと、ずっと一緒にやってくつもりなんだよ。
 なのに、そういう対象になった途端、暴力みたいなことしかできなくなった。
 これじゃ、けだものだ。あいつの家族を殺した奴らと同じだ」

涙は隠されて見えない。

でも、エレンの声が喉を潰されるように細くなっていく。

「理由があれば、きっとまたやっちまう。
 こんな風になるなんて、聞いたことがねえよ。
 俺、おかしいのかな」

「エレン」

「普通じゃないんだろうな」

「……エレン」

肩に触れようと指を伸ばした。

触れた瞬間、エレンの肩が少し逃げる。

「いつでも家族に戻れると思ってた。
 もう無理だ。明日か明後日か、たぶんもう終わるんだ。俺、怖いんだよ」

「そうと決まったわけじゃない」

「いっそ早く引導を渡して欲しい。早く楽にしてくれ。明後日まで待てねえ」

「落ち着いてくれ。エレン」

「なのに、まだ大事なんだよ……」

エレンの肩を強く掴んだ。

冷えているのに、汗をかいた身体が強ばっている。

支えるつもりで来たのに、焦って言葉を間違えそうでアルミンも口をつぐむ。

「あいつは、まだ家族なんだ、俺の中で。都合よく使い分けてる」

「その何が悪いんだ」

「あいつは全部、俺の望む通りにするんだぞ」

語気が強くなる。エレンは地面に声を吐き出した。

「そういうことをしようとすると、歯止めが利かなくなるのがわかるんだ。
 何度も何度も思った。もうやめた方がいいって。いつかミカサを殺しちまうかもしれないって」

風が吹いて、エレンの汗を冷やしていく。

アルミンが少しだけ、エレンの近くに寄った。

肩が触れるか触れないかのギリギリで、目の前に広がる雑木林の奥を見る。

暗闇に、虫以外の生き物の気配はなかった。

「ミカサだって馬鹿じゃない」

「あいつは馬鹿だ。俺なんかを選んで」

「じゃあ聞いてみればいい。エレンを好きで後悔しているのか」

エレンが顔を上げる。

きつくつり上がった目尻が赤くなっている。

「性衝動と……破壊や暴力が結びついていたとして、ミカサが気付いてないわけがないだろ



「知られたくない」

「とっくに知ってる。僕だって、君のそういう部分は昔から知ってる。君とミカサの出会い

のことだって」

エレンの瞳が揺れ、眉が歪み、絶望が顔に張り付く。

「僕たちは知ってる。エレン、君は怪物じゃない」

声が強くなるのがわかる。抑えきれるものじゃない。

「君は殺すことができる。それを知って、僕らが恐れたことがあったか。
 エレンは優しい。案外真面目だ。人を疑わない。家族を愛してる。全部知ってるんだ」

エレンの肩をもう一度掴む。揺さぶる。

「ミカサだって盲信してるわけじゃない。そう見えるだけだ。
 僕から見れば、エレンもミカサも普通の人間だ。
 好きだの愛してるだの、そんな言葉が内包している意味なんて、違って当たり前じゃないか」

頼りない自分の指が、エレンの肩を離さないでいる。指が白くなるまで力を込める。

「話すんだよ。ミカサに。僕なんかじゃなくて」

呆然と見開かれたエレンの瞳に、涙の膜が張っていく。

「あいつは殺されてもいいって言う」

「その時は僕がミカサをぶん殴る」

「できるわけないだろ」

くしゃっとエレンの顔が泣き笑いになり、アルミンもつられて笑った。

「ミカサはどうして変わらないんだろうな」

「結構変わったと思うけど」

「何考えてるのかはわからなくなった」

アルミンの頬が冷える。いつの間にかこぼれたらしい涙が、風に乾かされていた。

「女に振られるって怖いな」

「逆ならあり得ると思っていたんだけどね」

エレンの肩を二度叩き、立ち上がらせた。

「この間、ミカサも似たような感じだったよ」

「本当かよ……なんでアルミンだけ知ってるんだ」

「エレンとミカサは似た者同士なんだよ」

エレンの背中を押し出して、前を歩かせる。

筋肉の付きづらい細身の身体は、こうして後ろを行くと幼い頃と変わらないように見える。

「終わったらアルミンに報告する」

「ミカサが先かもしれないけどね」

「やめてくれ、恥ずかしいだろ……」


枯葉を踏んで、エレンの足跡を踏んでついていく。

きっと、こういうことの繰り返しで、いつか2人を見送るときが来るんだろう。

一瞬でもエレンとミカサの支えになれたような気がするのは、きっと幻想だ。

苦い気持ちを飲み込んで、アルミンは細くなった月を見上げた。

ちょっと休憩。

いつもの通り、ミカサは壁にもたれて待っていた。

今夜は夜空に薄く雲がかかり、爪の先のような細い月の光も届かない。

白い兵服が浮かび上がっている隣に、エレンも立った。

すぐに、白い影がすり寄ってくる。

肩にもたれ、猫のように頭をすり付けられて、ようやくミカサの輪郭を捉えることができた。

目が慣れるまで、ミカサの髪の艶もわからない。

じっと顔を見られている気配がする。

「エレン。泣いてるの?」

「は……? 泣いてないだろ」

「耳が赤い」

耳に唇が触れるのが、感触でわかる。

「涙が出てないけど、泣いてるときの顔」

「見んな」

今日一日、ミカサと目も合わせられなかった。

どう話を切り出すか、迷っているうちに、ミカサが寄り添う右半身がどんどん熱くなってくる。

どんな顔をしているのか。

まだ表情がよく見えない。そもそもミカサの表情は読み取りづらい。。

声の甘さと包み込まれるような体温に、微笑まれているような錯覚に陥る。

二の腕に押し当てられているのは乳房だ。軽く挟まれるようになっている。

腰骨の辺りにも柔らかい肉が密着し、耳元には息吹を感じる。

ミカサが身じろぎするたびに、いい匂いがふわっと立ち上った。

どういうつもりなのか。誘惑しないで欲しい。

「……明日の外出なんだけど」

「うん。とうとう明日」

「延期……いや、中止に、できねえかな」

静かになる。

顔が強ばるのが自分でわかる。ミカサの沈黙が恐ろしい。

情けない。少しでも延命しようとあがいても、みっともないだけだというのに。

横目で見る。少し目が慣れてきていた。

ミカサは、平時と同じように、静かに目を伏せているように見えた。

「エレンが何を考えているか、多分、わかる」

「昨日、あれから考えた。時間が……欲しい」

「エレン」

ミカサの唇が、頬に押しつけられた。

ちゅ、と口づけながら、耳朶まですべっていく。

「エレンの好きは、どんな衝動?」

「……っ」

咄嗟にミカサに対して身構える。同じ高さの瞳が、ひたとエレンを捉える。

怯えるエレンの頬を、ミカサの指がひやりと撫でる。

「教えて。男の子のこと」

「今は」

「もう待てない」

「嫌だ」

そう言うと、ミカサが少しだけ密着していた身体を緩めた。

顔を覗き込まれている。

「約束は、明日」

「この2週間でわかっただろ。これ以上はまずい」

「私は大丈夫」

汗が頬を伝う。暴かれたくない。

「エレンが、どういう風に私を好きでも、かまわない。大丈夫だから」

「お前は安請け合いするんじゃねえ」

「ねぇ、教えて」


沈黙。目を逸らしたエレンは、足下の床を見ている。

今日は、床の木目も互いの影も見えない。奈落が口を開けているように見えた。

「してくれないの?」

「やめておこう。一度頭を冷やしたい」

「もう止まらない」

震えていた手が。冷たいものに絡め取られる。

ミカサの手が、自らの股間にエレンの指を導いていた。

正面に立たれる。

顔を覗き込まれながら、生地越しの体温に触れさせられた。

「明日だと思うと、もうたまらない」

ドクン、と血の巡る音が聞こえた気がする。

ミカサに体温を奪われたように、指先が冷えていく。

それと反比例して、腹の底から熱い何かがこみ上げてくる感覚。

「してくれないなら、せめて教えて欲しい」

「聞き分けてくれ」

「エレンがそういうつもりなら、私も勝手にさせてもらう」

そう言うと、ミカサは軽く触れさせるだけだったエレンの指に、腰を強く押しつけてきた。

一歩踏み込まれて、また身体が密着する。

薄い胸板で、ミカサの胸が潰れる。

小振りだが、服越しにも形良く上を向いて尖ったミカサの乳房から、あの甘い匂いがしている。

「エレンはしたくないの?」

したい。そう言ってしまいたい。顔を背けても、ミカサは全身で、匂いで、吐息で誘惑してくる。

「私は、もうしたくて」

カチャカチャ、とベルトの金具が鳴っている。

兵服の中に導かれ、エレンの手はミカサの下着に触れた。

「エレンも、逆らわないのに。そんなに赤くなって」

「わかってるだろ……っ」

ドクドクと心臓の音がうるさい。肌が粟だって、ゾクゾクと何かが背中を駆け上がる。

「私は、エレンになら何をされてもいいのに」

何をされても。

どんな目に遭わされても。

ミカサの声が、頭の中に反響するかのようだ。

いつもだったら、すぐに衣服を引き剥いで、組み敷いているところだった。

ミカサはじっと、エレンの反応を窺っている。

焦れたのか、兵服のパンツを下ろし、下着の中にエレンの手を入れさせた。

思わず腕を振り払おうとするが、手首を掴まれて逃げられない。

小さな布地の中に上から手を突っ込む形で、直に触れさせられた。

ぬるり、と指に粘液が絡みつく。

もう下着の中は、愛液が溢れていた。

生唾を飲み込んだエレンの耳に唇を寄せ、ミカサが身体を押しつけてくる。

「ここはもう、エレンのおまんこ」

下卑た言葉を使ってくるのは、わざとだ。

わかっているのに、股間が熱くなるのを止められない。

エレンの膨らんだものに、ミカサがごり、と太腿を食い込ませてくる。

「責任を取って欲しい。もう、ここ何日も、エレンの、指で」

足の間に手を挟むようにして、ミカサが腰を揺らしている。

「気持ち、いいのを、覚えてしまった。……ぅ、子作り、じゃないのに」

ふにゅ、と指で形を変えているのは恥丘の肉だ。

その割れ目に、触れても輪郭がわからないほど柔らかい粘膜がある。

時折ぬるりと温かいもの包まれるのがそれだろう。

互いの呼吸が荒くなっていく。歯を食いしばるエレンの指を、ミカサがさらに奥に導いた。

唐突に、濡れた肉の中に人差し指が吸い込まれる。

思わず、角度を合わせて指が挿入されるのを助けてしまう。

「あ、ぁあ、これ……っ」

ミカサの膣内は、もうとろとろになっていた。

口内より熱く感じられる肉が、にゅく、にゅく、と指を飲み込んでいく。

慣れ親しんだ感触に、きつい兵服の中でペニスが痛いほど漲ってくる。

「はぁ、エレン……っ……」

盛りがついたように腰を悶えさせながら、ミカサにもう片方の手を取られる。

手のひらに頬ずりされたあと、舐められた。

切れ長の目に涙が溜まって、黒目がよけいに大きく見える。

もう、耳の下で切りそろえられた黒髪が振り乱されるところまでよく見えた。

エレン以外の誰も知らない、ミカサの淫靡な顔を。

右手は愛液を受け止めながら、指から精液が出そうな気がするほど搾られている。

親指の付け根に擦られているのは、肥大したクリトリスだ。

左手にも、温かく濡れた感触があった。

手のひらに口づけていたミカサが、ぺろりと舐めた。

「おい……っ」

ミカサの舌が、指の股を這っている。

夜目にも赤い舌を精一杯伸ばして、ぬるぬると指の間を舐めている。

付け根から指先まで舐め上げられ、人差し指を口に含まれた。

「んっ……ちゅる……ちゅぱ……れろ」

ペニスへの奉仕と同じ舐め方で、エレンの節くれ立った指をしゃぶっていた。

訓練でできたタコを、指の腹を、爪と指の隙間を、尖った舌先で愛撫される。

下半身に血が集まるのがわかる。

霞がかかったように思考が麻痺していく。

上の口と下の口、両方で搾られている指先と、柔らかい太腿で押し上げられている股間に、神経が集中していた。

どくん、どくん、と動悸がするたびに、抵抗する気力も奪われていく。

エレン自身の目も潤んでいた。歯を食いしばりすぎて、頭痛がしてくる。

舌を絡めて指を愛撫し、唇で扱いていたミカサが、唐突に左手を解放した。

「っぱぁ……」

唾液が糸を引いて、ぷつん、と目と鼻の先で途切れた。

今度は唾液まみれの指先で、唇をなぞらされる。

赤い唇がぷりっとした弾力を伝えながら、固い指先に押されて形を変えている。

「……っはぁ……エレン、お願い……」

とろけた顔で、甘い声で、ミカサが誘惑する。

「せめて、私にさせて……今日は、久しぶりに」

そう言いながら、今度こそ掴んでいた左手を離し、その手で股間を撫で回してきた。

ぞくぞくと震え上がるエレンの耳に、また唇を寄せてくる。

「エレン、また泣きそうな顔してる」

エレンの沈黙を了承と解釈したらしいミカサが、惜しげもなく右手を膣から引き抜いた。

膣の肉に食いつかれながら、痛いほど搾られていた指が「っぽ」と水音を立てて抜ける。

いつの間にか息を止めていたのか、エレンも「っはぁ」と酸素を吸い込んだ。

まだイッてないだろうに、いそいそとミカサが跪いて、エレンの下半身を脱がせにかかる。

「最近、私からは舐めてなかったから……少し寂しかった」

毎日口に捻じ込まれてはいたというのに、そんなことを言う。

長いブーツに引っかかり、兵服のパンツは膝までしか脱がせられない。

それにもかまわず、性急にミカサが下着を引き下ろす。

びたん、と腹を打つほどそそり立つそれを熱っぽく見つめ、改めてエレンの顔を見上げてき

た。

「上手にするから」

そう言って、目だけで笑いかけてくる。

これは罠だと思う。

本当に性交に熱中しているときのミカサは、こんなに口が回らない。

それでも、ここ数週間の荒淫は、エレンの身体を蝕んでいたようだった。

射精したい。

関係が終わってしまうなら、精液だけでも受け止めて欲しい。

精液の匂いを染み込ませて、他の男に見向きもされないほど汚してしまいたい。

腹の底から、欲求が渦を巻いて沸き上がってくる。

はぁ、はぁ、と肩で息をしながら、悪鬼のような形相で睨みつけているエレンを、ミカサは

恐ろしいとも思わない。

両手で大切そうに肉棒を包み、「あーん」とわざとらしく口を開けて、ミカサが亀頭をほお

ばった。

くぷっ、と頬の肉が、亀頭に吸いついてくる。

その瞬間、腰が砕けそうになった。熱い粘膜がカリまで包み込む。

口をもぐもぐさせながら、ミカサが舌で包皮を剥きにかかった。

……エロを書いている気がしなくなってます

にゅるにゅると舌が亀頭を舐め回している。

軽く吸い付きながら、できるだけ舌や頬に力を入れないで、ねっとりと柔らかく包み込んでいる。

ミカサの顔と、自分の性器が一体化したような気がしてしまう。

ゆっくりと、無理な力を入れずに舌で皮を剥かれる。

包皮と亀頭の隙間をぬめぬめと舐め回した後、唇でぬちゅぅう、と引き下ろされた。

その時点で、かなり射精感は高まってきている。

唾液をいっぱいに溜めて、ペニスを洗うようにしながらミカサが愛撫している。

喉を反らさずにいられない。

性欲処理として強い刺激で精液を吸い出されていた頃より、最近の熱の籠もったフェラチオは簡単にエレンの理性を蕩かしてしまう。

「ぉ、ぁ……」

小さく漏らした嗚咽を聞き逃さなかったミカサが、ゆっくりと頭を振り始めた。

竿の半ばまで飲み込んだ唇が、ぬぬっ、と引っ張るようにペニスを扱くたび、一気に吸い取られそうな感覚に陥る。

キスをするように首を傾け、一定の速度でにゅるる、ぬるるっ、と口に含み、引き抜く。

ひとしきりそれを続けられ、顎が疲れたらしいミカサがちゅぱっ、と口を離した時には、亀頭が破裂しそうになっていた。

「んぱぁ……もう少し」

ちろちろと鈴口を舐めながら、何かを確認している。

亀頭が弾けそうなほど、固く勃起させてから射精させるつもりなのだろう。

その方がエレンが勢いよく射精することを、ミカサはよく知っていた。

ミカサの膝に、カウパーの混じった唾液がぽたぽたと滴っている。

鈴口のくぼみを指で責めながら、裏筋を舌で舐め上げられた。

びくん、びくん、と脈打つ逞しい男性器に、妖しい表情で吸いついている。

睾丸の縫い目から一直線に雁首まで舐め上げられ、情けない声が漏れてしまった。

「みか、みかさ、もう……っ」

吐き出したくて仕方ない。

ミカサの顔でも口でもいい。射精して楽になりたい。

ドクドクと脈打つ肉茎を、細い指でミカサが扱く。

「はぁ……っ。エレン、気持ちいい?」

う、ぅ、と声にならず頷くと、満足げに目を細める。

「いっぱい出る? 射精したい? どぴゅどぴゅって、吸い出して欲しい?」

きれいな指が粘液にまみれ、ぐりゅぐりゅとペニスに巻き付いている。

「おちんちん、もうすごい匂いになってる。こんなに腫らして、エレンがかわいそう」

ぬこっ、ぬこっ、とリズミカルに扱きながら、かぱ、と開いた口を亀頭に近づける。

「らひたい?」

「ぁ、あ、ミカサ、くる、出る出る出るっ……!」

今度は、エレン(女)がミカサ(男)に犯されるっと言うのは、どーだろーか

ミカサの唇の中で、挑発的に舌がちろちろと動いている。

それを見て、こみ上げてきたものを吐き出す。

「ミカ、サ……ぁ……っ、あ、イク……っ」


次の瞬間、股間に強烈な圧迫感が与えられた。

ぐりゅ……と出てくるはずだったものが、腹の底に停滞する。

「ぁ、ああっ……?」

何が起こったのかわからず、驚愕しながら呻くエレンを、ミカサが見上げていた。

唇が薄く笑みの形を作る。

指で輪を作ったミカサが、ペニスの根本を締め上げていた。

逆流した何かが、睾丸の裏辺りでくすぶっている。

「何、何してん、だよ」

「エレン、出したい?」

中途半端ですが今日はここまで。エレンがこの手に引っかかりやすくてすみません。

>>55
進撃のキャラは性転換がピンと来ないな……よそのSSに任せます

進撃の性転換は正直ちょっと苦手なのです
女子が強いのでそれ以上の武器を与えたくないというか……
放置は残念ですね

上がってきた睾丸を皮ごと下に引っ張るようにして、付け根を指で押さえている。

「ぅあ、あ、あ」

射精してないのに、快感が止まらない。

ビクビクと痙攣し続ける亀頭に、ミカサの吐息が吹きかかっている。

「はな、せ」

「やっぱり。エレンの精液はここを通っていく。いつも口の中で、ポンプみたいにドクドクしているところ」

射精寸前の状態で快感に晒されている亀頭を、ぺろりと軽く舐められた。

壊れたように肉棒が震え続けている。

尻の奥、ミカサに以前いじられた辺りに力が入ってぎゅっと締まる。

エレンは涙をこぼしながら、髪を振り乱して首を振った。

出したい。射精したい。このままではおかしくなってしまう。

指の輪を緩めず、ミカサは脈動を続ける亀頭をからかうように舌でつついた。

水袋を針で突くように、今にも弾けそうに腫れ上がった亀頭を、にゅる、と口に含まれる。

「やめろ、やめ、あ、ああ」

「ふぇれん。ろんな気持ち?」

射精時のような快感がずっと続いている。膝が、腰がみっともなく震えて制御できない。

「ミカ、サぁ」

「私を、どうしたい? 教えて」

片手で亀頭を包まれ、くるくると撫で回された。

気が狂いそうだ。ミカサの指でせき止められた精液が、管を膨れ上がらせている感覚。

「犯したい? もっとひどいことをしたい?」

全身から汗が噴き出す。答えずに、唇を噛んで首を振るのが精一杯だった。

「いつも、どんなつもりでかわいがってくれているの?」

ミカサを睨みつけたつもりだが、目が合うと微笑まれた。

永遠に続くかと思うような時間、ペニスが痙攣し強烈な快感が続く。

一瞬で終わる射精とは比べものにならない。

「おちんちん痛そう。口の中で射精させて、しばらく吸っていてあげたい」

ミカサの声が脳裏を灼く。そう言いながら、実際に亀頭を半分口に含んできた。

びくびくん、とまた射精のような感覚になるが、やはり精液は出ない。

「エレンの気持ちを聞きたいだけなのに。どんな風に私を好きなのか。教えてくれたら」

尿意に似た、もっと強烈な波が奥から押し寄せてくる。

ガチ、ガチ、と歯を鳴らしてエレンは首を横に振った。

「嫌、だって……っ」

「……そう。エレン、射精したい?」

その質問にだけ屈し、泣きながら首を縦に振った。

その表情に満足したらしいミカサの指が緩められる。

「あ、ぁああ……っうぁ、お、お」

ドロっと勢いのない、しかし大量の精液が鈴口から溢れてくる。

すかさずミカサが亀頭を口に含み、優しく吸い取り始めた。

ドクンドクンと、脈動し続けて睾丸が精液を吐き出している。

「なんだ、なんだ、これ」

延々と射精が続く。正確には、精液が尿道を駆け上がるのと無関係に、亀頭が、前立腺が、射精並の快感を得ている。

普段の倍以上の精液が、だらしなくミカサの口の中に垂れ流されていく。

それを愛しげに受け止め、ミカサは舌で口内の裏筋を舐め上げていた。

ガクガクと腰を屈め、ミカサの頭に手をかけて、股間に押しつけてしまう。

出るものがなくなっても、びゅく、びゅく、と痙攣を続ける亀頭をミカサの口が温めている。

とてつもない快感が数分続き、エレンの理性を打ち壊していった。

普段なら射精後は、下半身をごっそり抉り取られるような倦怠感に包まれるのに、それがない。

じんわりと温かい。多幸感に喘いでいる間も、ミカサは舌を休めない。

気持ちいい。まだ硬いペニスを、優しく掃除されていく。

睾丸に垂れたものまで、柔らかい舌の腹で拭い取られる。

そのうちに床に座り込み、壁に背を預けた。

立つこともできないエレンの虚ろな目を、ミカサの瞳が見据えている。

「これ以上すると、エレンのおちんちんが壊れちゃうかもしれなかったから」

それは困る、と言いながら、母親がするように正面から抱きしめてくる。

「こんな、聞き方、あるか」

「エレンは強情」

そう言って頬ずりしてくる。汗で互いの頬が吸い付きあった。

自分も書いててきつくなってきたので、この辺を聴いてバランスとってます

http://www.youtube.com/watch?v=QHwg7THyZ5U

ミカサの中の人と、昔の坂本真綾って少し声が似てるって言われてるし
石川さんは劇団ひまわりのミュージカルで知ったんですが、変わってない気がするんだけど

何か掴まるものが欲しくて、ミカサの二の腕を掴んでいた。

ミカサも首に腕を回し、抱きついたまま動かない。

互いに上体を預けて、薄闇の中に座り込んでいた。

「私のことが嫌いになった?」

そっと、耳打ちされた。

「なってない」

「もう好きじゃない?」

ミカサの髪を撫でてやる。疲れきった2人の声は、どちらも掠れている。

「俺たちは家族だ」

ミカサの肩が震える。きつくしがみつかれる。

「そうだろ、ミカサ」

どちらの質問にも答えがない。言葉が宙に浮く。

「私は、エレンが一番大事」

耳元で囁いているミカサは、もう子供の頃と変わりなかった。

ベッドの中の内緒話と同じ声で、切々と訴えてくる。

「家族でも、恋人でもいい。ずっとそばにいて、守っていきたい。ずっと好きだった」

執着と思慕と、他愛のない初恋の打ち明け話だ。

「それでももう足りなくて、エレンが望んでくれたら、もう、私は」

ミカサの髪をかき回す。

どんなに手足が伸びても、獣のように鍛えても、ミカサはあの頃のままだった。

自分ばかりが遠くに来てしまったような気がする。

「お願い」

すん、と鼻を鳴らす音が聞こえる。

涙で肩が濡らされている。

「俺は……お前が、おかしくなればいいと、思うことがある」

静かに頭を垂れて、ミカサは聞いている。

「泣いてても笑ってても、お前が壊れて、使い物にならなくなればいいって、思ったりする」

喉から冷たい塊が、腹の底まで落ちていくような心地だった。

「家族だから……助け合って、大事にしたいとも思うのに、俺がおかしくなる前に、叩き潰して、目の前から消したいって思うこともある」

言った。もう喉が痛かった。

「まともなつもりだったんだ。家族のうちは。もう、ただの家族に戻りたい」

言い切ると、ミカサが力なく身体を離した。

乱れた髪が頬にかかり、白い顔から血の気が引いているのが、闇の中でもわかる。

「……私が答えたら、エレンは怒ると思う」

気に入るように振る舞えと言ったのは、エレン自身だった。

答えることもできず、ミカサのまつげから何粒も水滴が落ちるのを見ていた。

「エレンだってめちゃくちゃにされてるのに」

「それは……お前に慣れてるから」

「ずるい。私が正直に答えたら、エレンは怒る。絶対に」

普段は保護者のように振る舞っているくせに、実のミカサはただの駄々っ子だ。

「家族だから」

「そう。だから大丈夫」

「違う。家族が、何かに従属して、一生を棒に振るのを見ているわけにいかねえ」

「エレン。違う」

涙を拭おうとしてやると、黙ってミカサがまぶたを閉じた。

「私は……あの時、ナイフを握ったから」

あの雨の日。

ミカサの手にナイフを持たせた時。確かに自分たちは、同じ意志を共有した。

「理解したから。エレンの意志が、私に血を通わせる。
 それ以上に重要なことは、私の世界にない」

閉じられたままの、ミカサのまぶたが震えている。

「エレン。あなたが私を奮い立たせる。だから、私は強い」

軽く擦ってやる。ぱち、と開いたミカサの瞳は、エレンを映している。

「わかっているんでしょ? 私は壊れない。例え、エレンが壊そうとしても」

今度はミカサが、エレンの頬を拭った。

「エレンが、ただ一言、壊れるなと言うだけでいい。
 私はそれを、生涯守ろう」

エレンの目に浮かぶ悲憤の色を見て、ミカサが口付けてくる。

さっきより唇が冷えていた。

「これじゃ堂々巡りだ」

「仕方ない。でも、これも私の意志」

しかめられた眉に、まぶたに唇が触れる。

「エレンはいつも、1人で立っているつもりでいる。
 でも、私は違う。エレンによって生かされて、エレンのために強くなる」

身体を折って俯くエレンの頬を、ミカサの手が包む。

「エレンが私を女にした。許してくれなくていい、信じて欲しい。ちゃんとエレンの子を産むから」

互いに額をつけて、2人の間に落ちた涙が床を濡らしているのを見ている。

しゃべり疲れて、しばらく動くことができなかった。

自分も疲れてきたので、支離滅裂かもしれません。
面倒くさいことになってるけど大した問題じゃないんですよねたぶん

服を整えても兵舎に戻る気になれず、エレンは壁にもたれてしゃがみこんでいた。

ミカサがその髪を撫でる。

「もう、エレンの好きは怖くない」

頬に、白い手の甲が触れる。

「明日、前と同じ時間に、東門で待っている」

じっと返事を待っていたようだったが、そのうち静かに倉庫から出て行った。


行けば、もう後戻りはできないだろう。

(私は壊れない)

ミカサは、自分を試してみろと言っている。

全身の毛穴が開いて、ざわざわと血が騒ぐような気がする。

あの時、救い出した少女が女になっている。

全力で寄りかかり、すべてを打ち明けて許されたい。

渇いた喉から血の味がした。

妙な興奮が沸き上がってくる。

髪が濡れたままで部屋に戻る。今日も消灯間近だった。

「アルミン」

二段ベッドを上りきる前に、梯子から顔を出したまま声をかけた。

「……振られなかった」

「え」

「おい死に急ぎ野郎、喧嘩売ってんのか」

アルミンが声を抑えるように注意する前に、下段からジャンの罵声が飛んでくる。

「ちっぽけな自慢で殺されたくなきゃ黙ってろ!」

「何だよ、お前は関係ねえだろ」

「うるせえ、どうせ贅沢な悩みでアルミンにかまってもらってたんだろうが、羨ましい!」

「絡むなよ! アルミンに相談して何が悪いんだよ!」

「そういうことじゃねえええ」

梯子を蹴られ、ガタガタと揺らされる。

「蹴るなよ! 落ちちゃうだろ!」

「落ちてもミカサが慰めてくれるんだろうが、惚気野郎が!」

「静かにしろ! コニーが起きる!」

ライナーの怒声で、しんと静まりかえる。

その隙に上段に滑り込んだエレンは、アルミンの隣に腰を下ろした。

「エレンも場所を考えろ」

「悪い」

「寝るぞ」

ジャンの舌打ちが聞こえ、ライナーが点呼を済ませて灯りを消した。

暗がりの中、アルミンと顔を合わせた。

「明日行ってくる」

黙って頷いてくれる。

「ミカサは大丈夫だよ」

そう囁かれ、安心して身体を胎児のように丸めた。

まだ全身の細胞がざわついて、目が冴えている。

「好きな女の子」が、自分を受け入れると言っていた。

怪物じみた欲望を、恐れないと言った。

それが、ミカサだった。

叫び出しそうな気持ちを飲み込んで、毛布に顔を埋めた。

とりあえずここまで。

ジャンの良いところ書きたいんですが、覚醒前って嫌味で利己主義な奴だと思われてるんですよね……
マルコが良く見ていてくれたくらいで、アルミンに対してもエレンとベタベタして気持ち悪い奴って思ってたくらいだし

人目につかないよう、兵舎の裏を回って、東門に向かった。

あの日よりは日差しは柔らかく、風もない。

門を抜け、大きな枝を道に差し伸べている木の陰に、果たしてミカサは待っていた。

いつものシャツの袖を折り、白いロングスカートに木漏れ日が落ちている。

エレンが来るのを待っていた。最初から、門をじっと見つめていた。

歩み寄ると、まぶしいものを見るように目を細める。

「来ないかもしれないと思っていた」

それを聞いて、エレンはもう何も言えなかった。

何か、安心するようなことを言ってやりたい。

「エレンが来てくれただけで、今日はもう十分」

ミカサが待っていたことこそ、奇跡のようにも思われた。

あれで終わりではなかった。

見慣れた服だというのに、ワンピースを着ていたときよりも別人のように見える。

「来るに決まってるだろ」

それだけ言ったが、自分の顔が赤くなるのがわかる。

どうして前回は平気だったのだろう。

恋人の振る舞いとはどんなものだっただろう。

それきり黙ってしまったエレンを、ミカサは少し首を傾げて見ていた。

何だ、その態度は。まるで知らない女性のような。

いつまでも木陰から連れ出すことができないでいると、ミカサの手が伸びてきた。

エレンの腕に手を添える。かっと熱くなった気がした。

手をつなぐでもなく、腕を組むでもなく、袖を摘んで「行こう」と促された。

目を合わせなくても、ミカサがこちらの顔を見ているのがわかる。

いつもの、長めに顔にかかる前髪の下から、鏡のような黒い瞳が見ている。

エレンになら何をされてもいい。

それは、何度か聞いたことがある言葉だったはずだ。

そのたびに、拒絶してきたのだ。

しかし、同じような言葉なのに、昨夜はまったく意味が違う。

私は壊れない。

その言葉が、ミカサの包容するような声が、頭の中で響き続けている。

壊して許されるわけにはいかない。

でも、ミカサは壊れない。

今まで、実際にそうではなかったか。

毎日のように、エレンはミカサを試していなかったか。

審判の日だと、引導を渡されるつもりで迎えるつもりの日だと思っていた。

ミカサのその言葉は、今まで受けたどんな誘惑よりも甘美だった。

「エレン、もう連れて行って」

ぎょっとして、思わず隣を見やる。

「いや、その、食事とか」

「エレンが食べたいなら。私は必要ない」

ミカサは少し俯いて歩いている。

黒髪の隙間からうなじが覗いていた。

「……早く」

そう言って、掴んだままの袖を軽く引かれる。

「二度言わせないで……」

おっかなびっくり、ミカサの手を掴んだ。

宿に着くまで、心臓がもつ気がしない。

最近は傷つけあうばかりだったというのに、昨日の今日でこんな空気になるとは思わなかった。

「大丈夫だから」

見透かされたような言葉に、ぎくっと身体が跳ねてしまった。

昼前から、連れ込み宿に入る客は珍しいらしい。

泊まり客が帰るのとすれ違いに、部屋をあてがわれる。

「エレン」

一歩部屋に踏み込むなり、ミカサが振り向いた。

「入れて」

「気が早ぇ……」

「今のは冗談」

エレンが座るまで、ミカサは立って待っている。

迷ったが、ベッドではなく長椅子の端に腰掛けた。

2人掛けにしては大きめのそれの、反対の端にミカサも座る。

アルミン1人分のスペースが空いていた。

浅く腰掛けたミカサは、姿勢が良い。

ぽんぽん、とミカサが隣の座面を叩く。

「エレン。こっちに来て」

「やだよ、恥ずかしいんだよ……」

「どうして」

「……言わせんな」

ミカサが勝手に席を詰めてきた。

ふわりと、石鹸の匂いと甘い体臭が香る。

顔を背け続けるエレンにかまわず、ミカサが肩にしなだれかかってきた。

「昨日の話をしたい」

エレンの膝の上で、手を握ってくる。

手に汗をかいているのが恥ずかしいが、振り払うのも惜しかった。

「本当は、エレンに壊されたいと思っていた」

静かな声に、ぞくりと背中が震える。

「でも、エレンはそう言うと怒るから」

「当たり前だ。家族なんだから」

「うん」

右肩に、ミカサの頭の重みが心地良い。

「エレンに乱暴されるのは、嫌いじゃない。
 そうしてくれるように、振る舞っていたかもしれない。
 エレンをおかしくしたのも、私」

「いや、俺は元々……そもそも、昔から」

「エレンは、自分が普通の人より凶暴だと思ってる……」

見透かされていた。いつからなのだろう。

「でも、エレンの精神が異形なら、私も異形」

何がうれしいのか、夢見るような声でミカサが語る。

「エレンが怖がるのなら、仕方ない。
 私は何をされても、自分を保つことにする。私には、それができる」

「そうやって挑発するなよ……」

「本当は、たまにはおかしくなりたいから」

肩に頭がすり寄せられて、サラサラと髪が首を撫でている。

ざわざわと血が煮えるような感覚とともに、鳥肌が立っていく。

心臓が口から出そうだ。

「これからは、そういう恋人になればいい。違う?」

唇を噛んで耐え、決心してミカサの顔を見る。

鼻が触れるほどの距離だ。

ばら色に染まった頬と、微かな吐息が悩ましい。

頬の産毛に、ミカサの唇が触れる。

「好き」

そう言いながら、頬を唇が撫でていく。

ぎゅっと目を瞑り、背中を這い上がる快感にエレンは耐えていた。

ひやりと冷たい指に顎を取られる。

ミカサの方を向けさせられ、口を吸われた。

少し顔を傾ける、久しぶりの恋人のキスだ。

温かい、柔らかい舌が唇をつついている。入れて、と。

乾いて荒れたエレンの唇を労るように舐めて、ミカサの甘い舌が入ってきた。

舌先を触れ合わせ、舌の上を撫でてくる。

思わずちゅっと吸いつくと、ミカサの唇が密着を増して、長いまつげがまぶたに触れた。

ミカサの指が、エレンの膝の上で冷えた手を温めてくれている。

陶然としていると、ガチ、と歯が当たった。

唇を離したミカサに、前髪を直される。

無意識に呼吸を止めていたらしい。エレンは思わず深呼吸した。

「今度はエレンが、好きって言われて恥ずかしくなってる」

指が唇をかき分けて、エレンの白い歯に触れた。

その指を、何の気もないような素振りで、ミカサが舐める。

もうとっくに、エレンは泣きそうだった。

こんなこと、何度もされたことがある。挑発も誘惑も、ミカサは上手くなっていた。

でも、どうしても違う意味を探してしまう。

「エレン、好き」

そう繰り返し、またミカサが唇を舐めてきた。

エレンに執着し、エレンの性欲を受け止めていた、哀れなミカサがここにはいない。

乞われるのとも煽られるのとも違う、慰撫に近い触れ方だった。

もう感覚が麻痺して何がエロいのかもわからなくなってたので、
甘ったるい温い展開が続きますので注意   エロいかどうかは知らん

恋人との初めての〜
みたいな初々しさがいいと思うよ

それ以上のことを散々してきたのになw
ここにきて初々しくなるとか…
いいと思います!

ミカサからの好意は、こんな触り心地だっただろうか。

互いの吐息を交換するように、長く長く口付けた。

柔らかい唇が、エレンの唇を食んでいく。

何度でも舌を吸った。ミカサも、エレンの舌を迎え入れて絡ませてくる。

「ぱぁ……」

エレンの口の端から垂れた唾液を、ミカサが舐めとる。

いつの間にか、指が食い込むほどの力でミカサの肩を掴んでいた。また痣になるかもしれない。

「わ、悪い、大丈夫か」

「平気。鍛えている」

そう言うと、ミカサがエレンの腕を掴んで引き寄せる。

抵抗せずに引っ張られるままにすると、ミカサが長椅子に横たわってしまった。

その上に、覆いかぶさる格好になる。

今度はエレンから口付けた。

座面に広がったミカサの髪から、胸元から、甘い香りがしている。

体重をかけないように突っ張るエレンの腕に、ミカサの手が添えられた。

首に回され、無理やり引き寄せられるかと思った。

濡れた赤い唇を舐めると、ミカサがまぶたを閉じる。

思わず、そのまぶたにちゅ、ちゅ、と口付ける。

ぴくぴくとまつげが震えるのが愛らしい。

「ミカサかわいい」

「ぅ……」

怖くない、と言っていたが、恥ずかしいものは恥ずかしいらしい。

照れたように顔を横に向けてしまった。

短く揃えられた髪の下から、細い首筋と赤くなった耳が露出した。

ミカサの首もとに顔を埋め、思いっきり息を吸い込む。

胸の中をミカサの体臭で満たし、エレンは首筋に唇を押しつけた。

「え、え、エレン」

今までしたことのない愛撫に、微かにミカサが身じろぎする。

首から顎まで、犬のように舐めた。汗の味が、髪の匂いが、唾を飲む喉の動きが感じ取れる。

くすぐったいのか、少しミカサが抵抗したが、すぐにやんだ。

顎から頬を舐めて、耳に辿り着く。

「耳、舐めていいか」

「……」

少し呼吸を乱したミカサは、目を閉じたまま答えない。

耳朶を舐める。ゆっくり、何分もかけて味わい、口に含んで、ぴちゃぴちゃと音を立てた。

ミカサが太腿をすり合わせる衣擦れの音と、ぴくぴくとエレンの腕を掴む指に力が入るのが、たまらない。

>>113
>>114
対等な普通のセックスは初めてだと思うので

ミカサの耳から首まで唾液まみれにして、ようやく満足した。

服の袖で拭ってやると、ミカサが「ふぅ……」と息を吐いて目を開ける。

見上げられ、汗で額に貼り付いた髪をかきあげられた。

「エレン、脱がないと」

「あ、あぁ」

汗を吸ったシャツを脱ぎ、長椅子の背もたれにかける。

上半身裸になると、いつの間にか体温が上がっていたことを実感した。

ミカサも、横になったまま自分のシャツのボタンをはずしている。

隙間から覗く肌も上気して桃色になっていた。

抱き起こして、ミカサのシャツの裾からバサバサ風を入れてやる。

「もう全部脱いじゃうか」

「そうしよう」

立ち上がろうとしたミカサの足下が、少しおぼつかなげだった。


俺は「ふぅ……」と息を吐いて目を開けた。

>>123
アッカーマン訓練兵、長椅子に戻れ

いつも通りの手際で服を畳み、下着も脱ごうとするミカサを眺めながら、エレンもズボンと下着を脱ぐ。

「お前、そういうところは恥じらった方がいいんじゃないか」

「おちんちんぶら下げて走り回っていたエレンに言われたくない」

「それは時効だろ」

エレンの服まで畳もうとするミカサに、後ろから抱きついてみる。

「エレン、少し待って」

聞かずに、後ろから腕を回して抱え、背後のベッドに放り込んだ。

倒れ込んだミカサの横に、エレンも飛び込む。

「これ便利だな」

「エレンでは腰を痛める。あまりしないで」

「馬鹿にすんなよ」

昔のように羽交い締めにして、ミカサごと転がった。

足が絡み、エレンの腿にぬるっとした感触が伝わる。

ミカサの内腿を伝う粘液だった。

「すごいな……」

「……っ……エレンのだって、当たってる」

エレンの首に腕を回したミカサが、ぎゅうと額を擦り付けてくる。

見慣れた乳房が、エレンの胸で潰れる。互いの心臓の音が一体化しそうだった。

唇を舐めると、またミカサが目を閉じる。

もったいない気がして、エレンは目を瞑る気にならなかった。

意識がとろんと濁るのを堪え、ミカサの紅潮した肌を見る。

頬ずりやキスをすると、艶のある黒髪が頬に当たった。

その感触で、また下半身に血が降りていく。

ミカサの腹に擦り付けると、小さく「んぅ」と声が漏れた。

普段はマフラーしてるけど女子には着替え中にバレそうだな

肉茎が食い込んだ辺りを、右手で撫で回してみる。

腹筋が少し痙攣した。

下腹部から撫で上げ、いつもどの辺りまで挿入されているのか探った。子宮の位置はいまいちわからない。

何をされているのか気付いたらしいミカサが「ん、ん」と唇を離さないままに足で蹴ってきた。

唾液を流し込んでやると、おとなしくなった。

こくん、こくん、とゆっくり嚥下している。

その振動に、またエレンの背中がゾクゾク震えた。

「っはぁ……」

唇を離し、互いの舌をぺろぺろと舐め合う。

舌を突き出すと、ミカサがペニスにするように唇に挟んで、顔を動かした。

「ん……ちゅぱ……はぁ、この辺か?」

下腹部の一点を指で示す。意味を理解したらしいミカサが、その指をへその下まで引き上げた。

「……このくらいまで入る」

思わず、その辺りを撫で回す。

のぼせたようになって、呼吸が荒くなる。

「こんなにか……」

「結構奥まで。壊れそうで壊れない」

からかうように言われると、顔が赤くなるのを止められない。

「試してみる?」

そう言いながら、ミカサは長い足をエレンの腰に絡ませてきた。

即位のまま、腰を押しつける。

ぺた、と愛液濡れの恥丘が押しつけられ、エレンは目を閉じて呻いた。

全身を密着させながら、位置を合わせて膣口を探ろうとする。

ミカサに横から少し覆い被さり、片足を挟んで交差させると、ようやく入り口を捉えた。

そのまま、互いの呼吸を整えるように見つめ合う。

エレンもミカサも、興奮に目が潤んでいた。

「エレン。言って」

「……好き、だ、ミカサ……っ」

そう吐き出しながら、ミカサの中に腰を押し進めた。

膣口の輪が、亀頭をぴりっと痛むほど締め付けたが、かまわずに押し込んでいく。

愛液がぶちゅ、と押し出されていくのがわかる。

「は、ぁああ、あ」

喉を反らしてエレンが呻いた。

雁首が肉の輪を通り、ずるりと奥まで挿入した。

ぎちぎちと締め上げるきつさから逃れるように、左右に広げるようにする。

ミカサがぶるぶる震えながら耐えていたが、奥にごつん、と亀頭が押し込まれた瞬間に決壊した。

「あ、ぁ、えれん、あ、あああ、あ」

きゅんきゅんと締め上げながら、腰を押しつけてくる。

挿入だけでイっていた。

ガクガク全身を震わせながら、ミカサが空気を噛んでいる。

胴にきつく巻き付いた腕が、一瞬呼吸が止まるほど圧迫してくる。

いやいやと首を振りながら、勝手にペニスを奥まで導こうとする膣肉の動きに震えている。

「や、ば、うぁ……みか、さ」

ドクドクと脈動するように肉棒に絡みつき、精液を吸い出そうとしてくる胎内に屈しそうになる。

子宮がスポイト状に、吸い上げようとしていた。

「うぅ、う、うぅ」

開いたカサが引っかかって、容易に抜ける気もしない。

射精感に耐えながら、ミカサの痙攣が治まるまでエレンは動けずにいた。

毎回エロの途中で半端ですが、眠いのでここまで。

キスマークとか歯型とかやればいいんでしょおおおおお

エレンだって背中の引っかき傷とか絶対見られてるよな
意味に気付ける奴が何人いるかはともかく

>>129
結構暑い季節に設定しちゃったから、割とマフラー外してますわ……

「あ〜どうせ虫にでも喰われたんだろ?」
「170cmの虫にか?」ボソッ

きつくしがみつき、ミカサの中はエレンの形に押し開かれている。

耐えきれず、ほんの少し精液が漏れてしまった気がした。

「はぁ、あ、エレン、すき」

髪を撫でてやると、それだけでまた膣内が痙攣する。

手を伸ばして、下腹部を撫で回してみる。

亀頭が押し込まれている辺りを押し、外から圧迫してみた。

こり、と当たるのは子宮口だ。やっとエレンの生殖器を迎えて、感極まったように吸いついている。

恍惚とした声で、ミカサが囁いた。

「エレンの、好きに、して」

その言葉の意味はすぐにわかった。

「思い知らせて」

理性を灼くような声に、ミカサの腰を掴んだ。

どちゅっ、どちゅん、と腰を、肉棒を叩き付ける。

ただ雄の逞しさを刻もうとするかのような衝撃に、ミカサの喉がひゅ、と鳴った。

「ぁ、あ、ミカサ、好き、だ」

「あ、あ……エレ……っ」

「好きだ、好きだミカサ」

繰り返しながら、子宮を押し上げて腰を振る。

激しく動かすことはできないが、深い挿入感に、乱れた呼吸を整えることができない。

「は、はあっ……ぐ」

濡れた肉の賄賂を締め付けから逃れながら、目的地に向かって精液がこみ上げてくる。

あっという間に、無断で胎内に射精した。

どぷっ、ぶちゅっ、と精液によって音の水気が増す。

「いや、あ、あ、えれん、出て、あ」

胎内に迸る熱に気付いたミカサが、羞恥に顔を押しつけてくる。

子宮が降りて、エレンの精液を啜ろうとするように収縮している。

ぎゅう、と互いの関節がおかしくなりそうなほど、エレンとミカサは抱き合った。

その間も、腰の動きは止まらない。

射精後の敏感な性器が刺激を受けて、気が狂いそうになる。

射精しながら、ぬぷ、ぬぷ、と精液を子宮に押し込んだ。

「ひん、ひっ……ら、め……エレン……っ」

誘惑してくるときとは別人のように、幼い物言いでミカサは喘いでいる。

硬いままで膣内を掻きむしるエレンのペニスに、ミカサが腰を浮かせてしまう

「ミカサ、孕め、孕んでくれ……っ」

ぐりぐりと、亀頭を再奥に押しつける動きをする。

叩きつけられ、押し上げられていた膣の肉が今度はまとわりついてきた。

竿を握られるように、ぎちぎちと食い込んでくる。

ミカサの中はきつい。愛液が潤沢でも、時折押しつぶされそうになる。

押し込む時は飲み込むように温かく、引き抜こうとすると縋るように食いついてくる胎内だ



エレンの子を産みたい、種付けされたい、と言われている。

ミカサの腰を掴んだ手で、玩具のように揺さぶってみた。

「あ、あ、しびれ、て」

ミカサの目はとろんと濁っていた。口を吸うと、無意識のように舌を絡ませてくる。

口内を犯しながら、ミカサの胎内が男の匂いに染まるまで精液を擦り込む。

「っは、ちゅぱ……ミカサ、好き、だから、好き……させてくれ……」

「うん……っうん……!」

許されて、今度は射精するのが自覚できた。

一番奥に押し込み、子宮を擦り上げながら、どく、どくん、と残滓を垂れ流す。

びゅく、と膣奥の膨らむような感覚に、ミカサも絶頂した。

「く、ひ……っ……やぁあ、エレン、あ、あ、」

思いの丈を込めるかのように、2度突き上げる。

脳が灼けるような絶頂で、狂気じみた性交が終わった。

つながったままでエレンとミカサは、互いを拘束する手足を解けないでいる。

先に覚醒したのはミカサだった。

朦朧とするエレンの口から垂れる唾液を、ぺろぺろと舐めとってくる。

あんまり他のキャラにバレそうな展開は怖いですね
エレンが消極的になりそうで
まあ、確証がないだけでバレバレなんでしょうけど

おぅふ…ふぅ……素晴らしい
覗かれたりばれたりってのは一度あったし
今度は、いつもの倉庫に行ったら先客がいて
二人で覗…後で参考にするためコッソリ見学するってのはどうだろう
もっともこの二人より激しいプレイなんてフランナだってしてないだろうけど

あと
賄賂はおそらく隘路(あいろ)
再奥はおそらく最奥(さいおう)
かな? なんか頭がさえてきた気がするのは俺が賢者モードだからだ

賄賂wwwタイプミスです、すみません……
「孕む」が出ないと思ったら「ならむ」で変換しようとしてたりして、自分も疲れてきてるのかも


他のキャラにバレそうって言っても、女子組には殆どバレてませんでしたっけw

>>153
「セックスはしていない」
ユミルとアニにばれていれば十分ですけどね……

そういえば女同士の愛撫とセックスの境界ってなんだろう
男女ならまあ、突っ込めば境界を越えたことになるじゃない、一般的には
男同士でも……うん、まあ、境界となる行為あるわけだが
女同士では境界はどこにあるのか?ミカサはアニとそこに至ったのか
至っていないならそれは浮気とは呼べないのではないか!!
E「いやキスしたら浮気だろ」

多分アニを押し倒した時点で浮気
(キスはアルミン限定で、頬に家族のキスなら可)

「はぁ、エレン……温かい……んん……」

そう言いながら、自分の下腹部を撫でている。

「今……入ってる。避妊していなかったら、確実にエレンの赤ちゃんができていた。
 エレンの、おちんちんが、好き、好きってするから」

あやすように言われ、まだはぁはぁと肩で息をしているエレンの前髪に触れた。いつも通り

、真ん中で分けられる。

目を開けば、ミカサの顔がある。鼻と鼻が触れている。

今まで見たことのないような顔をしていた。

かっと羞恥心が蘇り、顔を背けようとするエレンの頬に、唇の端に、ミカサがキスをしてき

た。

「ちょっと、待てって……」

「どうして」

咥え込まれたまま、あの甘ったるい声で囁かれる。

「好き……エレン、大好き。あの頃と同じ」

勝手に背中が反る。腹の底が熱くなって耐え難い。

「……エレンの、萎えてない」

きゅっ、と締め付けられた。

泡立った愛液と精液の混ざったものが、膣口からとろん、と漏れた感触がする。

「私のも、大丈夫」

「ミカ、サ」

喘ぐエレンの顔を見ながら、ミカサの声がまた上擦っていく。

こいつは、いつの間にこんな顔をするようになったのかと思う。

家族とは言え、無愛想が過ぎると思うこともあったのに。

「ミカサ、したい」

「うん」

「大丈夫、大丈夫か」

「めちゃくちゃにしても大丈夫」

抜けそうになりながら、ミカサの上に覆い被さる。

正常位だと思って肩に手を伸ばしてきたミカサの足を抱え、さらに持ち上げる。

「え、あ……エレン……」

肩に足を乗せて、身体を前倒しにする。ミカサの身体を屈曲させた。

エレンのペニスが捻じ込まれたままの膣口が上を向く。

「す、げ、ミカサ……赤くなってる」

充血してすもものように腫れた恥丘に、淫液の泡が付着している。

咄嗟にミカサが足を下ろそうとするが、エレンが腿を掴んで許さない。

観念したらしいミカサが、唇を噛んで目を閉じていた。

破れそうなほどシーツを掴んでいるのにかまわず、ちゅとっ、と突き下ろしてみる。

膣奥に押し当てると、押し出された精液が逆流してきた。

「本当に大丈夫なのか、これ」

「大丈夫、だ、けど」

「けど、何だよ」

ゆっくり観察しながら、ちゅとっ、ちゅとっ、と垂直に突き下ろしてみる。

柔らかい肉が押し広げられ、エレンの腰とミカサの内腿の間で愛液が糸を引いている。

淫蕩な胎内の感触に、エレンの屹立がさらに質量を増した。

めり、と膣口を広げられる感触に、ミカサが降参した。

「だい、らいじょうぶ……きもち、ぃ」

たまらず、エレンは身体をさらに倒して、垂直に肉茎を叩きつける。

「ミカサ、ミカサ……っ」

ぱちゅ、ばちゅん、と濡れた皮膚が叩きつけられる音が響く。

「ぁ、ああ、あ……っ……えれ、えれん……っ」

膣がきゅんきゅんとペニスを締め付けるのに合わせて、ミカサの腹筋が痙攣している。

「して、えれん、いっぱい、して」

いつの間にかミカサも首をもたげ、結合部を覗き込んでいた。

歯を食いしばって腰を振るエレンの顔に手を伸ばし、撫で回す。

「なか、なか、に……精子入れて、毎日、して、えれん、すき」

言葉にできず、何度も頷くエレンの下半身も痺れ始める。

奥を探ると従順に膣肉が絡みつき、子宮まで亀頭を飲み込もうとしてくる。

胎内はとろけて、互いの体の境界も曖昧になってきていた。

甘い一体感に、ビクビクと亀頭が震えている。

「あ、あ、出る、ミカサ、すきだ……っ」

ぐち、と子宮を押しつぶすほど深く押し込み、欲望を爆ぜさせた。

3度目だというのに、睾丸のどこに入っていたのかというほどの精液が注ぎ込まれた。

まだやってました。休憩

アニの件でミカサに一生の貸しができたので、そういう意味でもエレンの浮気はないでしょう
どちらかに浮気疑惑でも持ち上がったら夜が大変なことになるし

夜が大変なことに……お仕置きなのか御褒美なのか微妙なところ

なんか最終的に破局しそうな気が・・

乙ー
リロってなくて流れ切ったみたいになって申し訳なかった

>>170
まだまだ愛には程遠いけど、これからなので大丈夫だと思いたい

>>171
いえいえどうぞ

「あ……あ……っ……ミカ……」

背を反らし、快感に耐えるエレンは苦悶の表情に近かった。

また、精液に反応してミカサの胎内が収縮している。

嚥下する音が聞こえてきそうだった。

当の本人は瞳も虚ろに、半開きになった唇の端から唾液がこぼれている。

「は、あ、えれん、すご、い……まだ、きもちぃ……」

ぬぽっ、とようやく結合を解く。

下ろしたミカサの足の間に座り込み、エレンはシーツに手を着いて酸素を貪った。

ヒクつく膣口から、白濁が固まりになってこぼれていくのが見える。

全身を弛緩させて倒れたままのミカサは、妙に幼く見える。

これが104期訓練兵団暫定首席の姿だと言えば、誰もが目を疑うだろう。

「だめ……出ていってしまう」

自らの股間に手を伸ばし、垂れた精液を集めて膣口に押し込み始めた。

「エレンの……無駄にしたくない。今はまだ、妊娠できないから、せめて」

熱っぽくそう言いながら、精液をかき集めるミカサにエレンは息を呑む。

思わず手を伸ばし、一緒になって陰部に指を押し込んだ。

「え……っ?」

動揺したミカサが、がばっと跳ね起きる。

立てられた膝の間、2人分の指が捻じ込まれていた部分から、ちゅぽんとミカサの分が抜けた。

ミカサの腹筋に力が入ったことで、どぷっと音を立てて精液の固まりが溢れ出た。

それを押し込みながら、エレンの指が膣肉をかき回す。

「……出ちまうな」

繰り返し、狭い胎内に擦り込んでいくが、逆にかき出すような結果になってしまう。

シーツに大きな染みができ、どれ程の欲望を打ち込んだのか一目瞭然になってしまっても、その児戯をやめられない。

互いに頭を寄せ合って、はぁ、はぁ、とどちらも呼吸が荒い。

夢中になって秘部をいじっていると、何だか小さなミカサに悪戯しているような気分になってくる。

愛液に濡れてテラテラと光っているクリトリスを、親指の腹で押してやる。

「ん……っ」

鼻にかかった声を出して、ミカサはエレンの腕を掴んだが、それ以上止められはしなかった。

多少乱暴に、押し潰すように転がしてやると、ミカサの膝がきゅん、と閉じそうになった。

「痛いのか?」

「だい、じょうぶ、大丈夫。エレン、に、強くされるのは、嫌じゃない」

その後に「……いつも」と言葉を補った。

「エレンは……大丈夫?」

その言葉に顔を上げる。

「私が……好き?」

頬を染めたミカサが、涙を目に溜めて微笑んでいる。

頷いて、エレンはまたミカサにのしかかっていった。

――はぁ、はぁ……。

狭い石壁の部屋に、セックス独特の生臭いような甘ったるいような匂いが満ちている。

もう何時間こうしているのか、ミカサを貪り続けてエレンの消耗も激しい。

冷たい壁にミカサを押しつけ、立ったまま後ろから犯していた。

壁に縋るように手と顔を押しつけ、尻を突きだしたミカサの太腿を伝い、大量の精液が床に落ちていく。

無意識のうちに、ミカサの左肩に噛みついていた。

エレンの口の中に、微かな血の味が広がっている。

「えれん、だいじょ、ぶ、だいじょうぶ、だから」

うわごとのように繰り返しながら、ミカサは膝が崩れそうになっていた。

腰を抱えて揺さぶる。挿入したまま前から手を伸ばし、クリトリスを無造作に擦った。

「あ、あ、ああ、あ、えれん、あ」

壊れたように締め付け続けるミカサの膣が、一際強くペニスに食いついてくる。

絶頂を迎えたミカサの胎内で、もう射精というより痙攣するだけの肉棒が跳ねた。

ドク、ドクと痙攣が治まるのも待たず、乱暴に引き抜く。

ずる、とミカサが壁に滑り落ちた。

肩には赤く歯型がついて、八重歯の辺りからは血が滲んでいる。

互いの性器は赤くなってひりついていた。

エレンがミカサの隣にすり寄っていくと、ミカサも手を伸ばしてしがみついてくる。

「……大丈夫」

「ミカサ……腹、痛ぇ……」

下腹部を押さえるエレンの手にミカサが手を重ね、優しくさすってくれる。

「エレン、出しすぎ」

「誰の、せいだと」

「……私のせい?」

からかうようなミカサの言葉が恥ずかしく、そっぽを向いて見せた。

浴室で水をかぶると、ミカサの肩の赤が目立った。

「悪い、ミカサ……」

「かまわない。一生治らなくてもいいくらい」

「変なこと言うなよ、心配になるだろうが」

涙や体液を落とすだけのはずが、ミカサが耳の裏まで洗ってくる。

エレンの世話を焼くときのミカサは機嫌がいい。

一方でエレンは、ミカサとどんな関係になろうとも、子供扱いされているようで面白くなかった。

立ち上がりたくないほどの疲労と、泡をつけて肌を撫でるミカサの手が気持ちいいので、今日は文句を言わないでいるだけだ。

後ろから胸を押しつけられ、前に手を回される。

その行き先を察して、エレンはミカサの手首を掴んだ。

「やめろ、今しみるから!」

「ちゃんと洗わないと」

「そういうところはしたないぞ、お前」

「……さっきのエレンよりはまし」

性器や鼠蹊部を優しく洗われ、頭から水をかけられる。

返礼してやろうと、ミカサに向き直り石鹸を奪おうとした。

不意にミカサに抱き寄せられ、首を舐められる。

慌てた瞬間に、足下が滑りそうになった。

「お、おい」

濡れた黒髪から水を滴らせながら、ミカサの舌が首筋を這う。

ある一点に吸い付かれて、ちくっと痛んだ。

「何するんだよ」

鎖骨に近い辺りに、赤い鬱血を残された。

「俺の服だと見えちゃうだろうが」

「私の方が言い逃れできない。エレンは甘んじて受けるべき」

そう言いながらも、愛しげにエレンの歯型を指でなぞっているミカサに、もう反論する気にもならなかった。

今日は多分ここまで。もうエロの引き出しがない

乙!
いちゃラブな感じがいいね
エロのシチュが浮かばないのなら日常系をやってみるとかは?
そのうちインスピレーションが刺激されると思うよ

>>182
2人の中はこれで一段落のつもりなので、
後日談はしばらくまったりしたもの書きたいですね

エロが続いて少し疲れたというか、
抜けるのかどうかもわからないくらい感覚が麻痺してしまったので
エレンもミカサも体力に任せて暴れるから……

着替えて支度を整えても、部屋から出るのが惜しかった。

長椅子に座り、寄りかかってきたミカサに、自然にエレンは口付けていた。

「んぅ……」

口を吸い、離しても、額か頬は触れ合っている。

ずっと顔をくっつけて1日過ごしていたかった。

シガンシナの家にいた頃、こうして額を合わせながら眠っていたことを思い出す。

いつの間にかしなくなっていた触れ合いのひとつだった。

ミカサは美しくなり、腰がくびれて手足が伸びた。筋肉だけじゃなく、胸や尻の厚みが目立つようになった。

それでも、こうして震えるまつげと機嫌良く下がった眉を見ていると、子供のまま時間が止まってしまったような気さえしてくる。

「好き……」

「あんまり言うと、価値が下がらないか」

「下がらない。エレンにも言って欲しい」

そう言われると、きょろ、と目が泳いでしまう。

ミカサはもう、哀れなひとりぼっちの少女ではない。

飢えたようにエレンを求めていた、底の抜けた水瓶ではなくなっている。

エレンのぶつける気持ちを噛みしめ、許している。

それを知って、もう以前のままではいられなかった。

ドクン、ドクン、と鼓動が高まるのを悟られないようにしながら、エレンも応える。

「ミカサのこと、好きだ」

「もっと」

ミカサが首に顔をすり寄せて、エレンの襟から覗く赤い痣を指で撫でる。

ぞわ、と心地良い鳥肌が立つ。

「好きだ……から、もう行こうぜ。何か食わねえと」

もうとっくに昼は過ぎ、2人の胃は空っぽだった。

「もう少しだけ」

そう言って、寄りかかってくるミカサの胸が肩に食い込んでくる。

「何で下着つけてないんだよ」

「エレンと会う時、サポーターはつけない」

「いや、まずいだろ。今日は大丈夫でもそのうち透けたりしたら」

「誰も見ない。そこまで大きくない」

「見るって。見せるなって言ってるんだよ」

筋肉とは違う柔らかさのそれに、シャツ越しに触れてみる。

ミカサの乳房は尖っている。小振りなのだろうが、低面積が少なく乳房自体が上を向いてい

た。

掴んでみると、ぷりっと妙な弾力で押し返してくる。

「ん、エレン、強くすると、痛い」

「わ、悪い」

「……発達途中だから」

赤くなって目を伏せ、手で胸を隠されてしまった。

「と、とにかく下着はいつもつけろよ」

「エレンがそう言うなら」

「乳首とか……目立つだろ」

「そう。今勃ってる」

「え」

手のひらを少しどかして、ちら、と布地が尖っているのを見せられた。

「エレンが触ったから」

「……悪かったって」

「悪くない。エレンが私を好きなら」

俯いて言葉に詰まっていると、エレンの手を導いてまた乳房に押しつけた。

「触っちゃった。言わないと、エレン」

「……好きだから、触ってる。これでいいんだろ」

ふ、と目を細めるミカサの態度が、さらに羞恥を煽ってくる。

しかし手は止められず、指先が乳首を捉えると、中指と人差し指の間に挟んでしまう。

張って生固い乳房の先端を挟んで潰すようにしてみる。

その間も、ミカサはエレンの肩に頭を預けていた。

ふと、ミカサの下腹部に目が行ってしまう。

あれだけ膣内射精されて、また垂れてきたりはしないだろうか。

ドキドキと心臓が騒ぎっぱなしになっているエレンの気も知らず、ミカサは乳房の手を下腹部に導いた。

「エレンの子供を作るためにあるところ」

おっぱいも、と囁かれる。赤くなったエレンの頬に、ミカサの髪が触れる。

「エレンとアルミンが壁の外を探検している間に、私は子供と野菜を育てて待つ」

「何でだよ、一緒に来いよ」

「妊娠するまでは」

手を置いてみると、まだミカサの腹は平坦なものだった。

恐ろしいような愛しいような、妙な心地で撫で回す。

「巨人を駆逐して、アルミンと探検して、私と子供を作って」

耳朶に唇が触れると、頬の産毛を何かに撫でられるように気持ちがいい。

「あっという間にエレンと私は、しわしわのお爺さんとお婆さん」

それは遙か彼方の夢物語のようだった。

エレンの母と、ミカサの両親が叶えられなかったことだ。

「あの時、私がナイフを握ったことを、エレンは後悔してる?」

「……まだわからない」

いつか、後悔するときが来るのかもしれなかった。

エレンの答えは予想していたのか、ミカサは間も空けずに答えた。

「私は、今までもこれからも、一度も後悔しない」

今度こそ今日の分は終了で

書いてる方も壁殴ったよ

「最近マンネリだわ〜」とか「求められすぎて寝てないわ〜」
みたいな悩み相談の皮をかぶった惚気とかされたい

>>199
それをミカサに立ち聞きされたらと思うと恐ろしい

修羅場の後は甘いの書きたいし、
甘くなったら反動で嫉妬とか書きたくなるんです
もう2人とも拗れたりしないだろうけど

休暇だからと時間に任せ、大量に借りた教本や図録を、アルミンは抱え込んだ。

夕刻までに資料室に戻しておかなければいけない。

ほとんどの訓練兵が外出している。静かな部屋を出て資料室に向かう。

お行儀よろしく足でドアを開けたが、その陰に人が立っていた。

「アルミン」

「あ、ごめん。エレン戻ってたんだ」

危うく鼻先をぶつけそうになった様子に、申し訳なさそうにアルミンが見上げてくる。

「今ぶつけたのかい?」

「いや、これは……」

左の鎖骨の辺りを手で押さえたエレンが、気まずそうに目を逸らす。

怪訝な顔のアルミンに、その手の下の皮膚を見せた。

「……これって」

「やられた。何か隠すもんねえか……」

えぇ……と戸惑いながら、アルミンの顔もみるみる赤くなっていく。

位置が位置でなければ、キスマークにも見えないだろう。

よほど強く吸い付かれたらしい鬱血は、襟元に目立った。

「ガーゼなんか当てても、余計に目立つだろうし、訓練で痣になるような位置でもない。
 虫さされだって言い張るしか……」

「どんな虫だよ……ひっかき傷ならともかく、ばれるだろ」

「ひっかき傷って、もしかして最近の」

「全部ミカサ」

訓練で痣や擦り傷が絶えることはない自分たちから見ても、最近のエレンの生傷は多かった。

藪にでも頭から突っ込んだのだろう、というほどの腕の傷は、とても恋人との行為でついたようには見えなかった。

「……ミカサは怖い女だね」

「いや、いくらかは本当に取っ組み合ってできた傷だ」

「余計に怖い」

「おい、死に急ぎ野郎」

反射的にアルミンとエレンは同じ方向を振り向く。

廊下の曲がり角、4、5歩の距離にもっとも聞かれたくなかった人物が立っている。

靴音も高く駆け寄ってくるジャンに、咄嗟にエレンは腕を上げて防御の姿勢になる。

殴られる代わりに体重を乗せて体当たりされた。

「ジャン、やめろ!」

アルミンが割って入ろうとするのも無視して、壁に背中を打ったエレンにジャンは掴みかかる。

エレンの目が見開かれ、ジャンの腹を蹴り飛ばそうとするが近すぎて届かない。

鈍い音を立てて、エレンがジャンの額に頭を打ち付けた。

「ぐっ……」

よろけて身体を引いたジャンの足を払って、倒れたジャンに馬乗りになった。

「何するんだよ!」

「自分の胸に手ぇ当てて聞いてみろ!」

「あぁ!?」

「やめろ! 2人とも営倉行きになる!」

不意打ちとは言え、実力差ははっきりしていた。

エレンの片膝はジャンの鳩尾に食い込んでいる。

常ならここで勝負は決していたのだろうが、ジャンの裏拳がエレンの首を打った。

かけられていた体重が緩んだ隙に体勢を崩され、転がされた。

立ち上がる前に、ジャンに肩を踏まれる。

足首を掴んで抜け出そうとするが、間に合わない。

顎を蹴り上げられるかと思ったが、襲った衝撃は別のものだった。

左の肩を、ガン、ガンと靴の底で踏みつけられる。

「もうやめろ!」

アルミンが体当たりしてジャンにしがみついた。

「うるせえ、金魚の糞は黙ってろ!」

アルミンを馬鹿にするんじゃねえ、と言うつもりだったが、かかとで鎖骨と肩の間を蹴られ、喉からは潰れた音

しか出ない。

その時、大きな獣のようなものがジャンの身体を抱えるようにして排除した。

「よせ、鎖骨が折れる」

「折れるようには蹴っちゃいねえ」

ライナーに腕を押さえられ、ジャンはエレンの上から引きずり下ろされた。

「もうこれで手打ちにしろ」

「どういうことだよ」

ライナーに目で示され、起き上がったエレンが自分の肩を押さえる。

キスマークの鬱血よりも強く、靴底の痕が赤い。

ズキズキと痛む。すぐ内出血になるだろう。

「頭から熱湯かけてやっても良かったんだぜ」

「いい加減にしろ、ジャン。お前の方が痣だらけだ」

「いい兄貴だな、ライナー。こいつが抵抗しなきゃもっと早く済んだんだがな」

皮肉っぽく口を歪めるジャンにライナーが顔をしかめる。

「教官には報告しないでおく。お前ら、愛情表現はもっとわかりやすくしろ」

「それならそうと普通に言えよ!」

埃を払って立ち上がるエレンに、唾でも吐きかけそうな顔でジャンが怒鳴る。

「ミカサが恥かかずに済んで、お前を殴って、一石二鳥だろうが!」

「声が大きい。人が来る」

アルミンが指を唇に当てる。

ライナーがジャンの腕を離すと、大げさに振り払った。

「おい、この痣なんて説明すれば」

「俺にボコボコにされたって言ってやれ」

打撲を冷やしに行くのだろう。ジャンは振り向かず、足早に廊下を曲がっていった。

それを見送るエレンとアルミンの肩に、ライナーがぽんと手を置く。

「安心しろ。俺は恋愛には寛容だ。傷のこともごまかしてやる」

「お前、そういうことを言う奴だったっけ……」

喧嘩も格闘技もしたことないので、おかしかったらすみません
ジャンはまだ出番あります

クリスタとユミルが外出から戻ると、ミカサが部屋で着替えていた。

均整の取れた背中を隠しもせず、ドアから見えるような位置で脱いでいるので、クリスタは少々面食らう。

「おかえり、ユミル、クリスタ」

「み、ミカサもおかえりなさい」

見られてもかまわない様子で、ミカサがスカートを履いている。

胸も晒したままのミカサの、左肩に赤い輪が見えた。

「ミカサ、それ」

「あぁ」

事も無げに、その痕を指で撫でてミカサが答える。

「エレンとセックスした」

「ひにゃああ」

言い終わる前に、ユミルに耳の穴に指を突っ込まれたクリスタが嬌声をあげた。

「ひゃめてよユミル!」

「おいおいクリスタ、穴に突っ込まれて感じちゃったのか?」

「もう! いっつもいっつも! ユミルの変態!」

「で、なんだって?」

ユミルに睨まれる。

「……エレンに噛みつかれた」

「え、え、え?」

「お盛んだなぁおい、私たちも負けてられないよなあ」

「もう、こんな傷になって、そんなことのはずないじゃない!」

なおも耳を摘んでいるユミルの手から、クリスタが頭を振って逃げる。

心配そうに近づいてきた。

「ひどい……大丈夫?」

「やり返した。もう平気」

「平気じゃないよ。いくら喧嘩しても……恋人が、女の子の身体にこんなこと」

「エレンの方が困ってる。私は平気」

ユミルが壁に頭をぶつけて、身体を折りながら笑いを堪えている。

「ミカサ、こういう時こそ、私たちに頼って。も、文句言ってやろうよ!」

「本当に平気。むしろ痕が残ってもかまわない」

「お願い、ミカサ、自分を大切にして」

「そうだ、乗りかかった船だよなあ」

ひぃひぃと死にかけたヤギのような声で、ユミルが提案してきた。

「こういう時にこそ、お人好しの本領発揮だ。ミカサは自分じゃ言えねえみたいだし」

「うん。エレンは……少し怖いけど、ミカサの友達として、苦言を呈してくるよ」

「平気だから。本当に平気だから」

首を振って逃げるように部屋を出ようとするミカサに、クリスタが後ろからしがみつく。

「せめて、手当しないと! 救急箱ならあるから、消毒だけでも」

「エレンの唾液で化膿なんかしない」

「きったねえなおい、流石けだものだな」

「そうだよ、女の子なんだから」

ずる、と2歩程引きずったが、本気を出すとクリスタが転んでしまいそうなので、立ち止まる。

観念して傷を消毒され、ガーゼを貼られてしまった。

あげく、食堂まで心配そうなクリスタと、好奇の視線を送るユミルについて来られる。

「……何も言わないで」

「エレンのミカサへの態度次第だよ!」

小さな拳を握って自らを奮い立たせるクリスタに気圧されて、ミカサは嘆息した。

「エレン、それ」

食堂に入った瞬間にエレンを見つけたミカサが、スカートの裾を乱して駆け寄る。

ぎくっとエレンが、服の襟を直した。

アルミンとエレンのテーブルの横に、仁王立ちのままになったミカサの後ろから、クリスタが覗く。

「そんな……ひどい」

エレンの肩は内出血し、顔や手も擦ったらしく赤くなっている。

思っていた以上のことに、クリスタとユミルが目を見合わせた。

じっとミカサがエレンを見下ろしている。

気まずそうに視線を床に落としたままのエレンに痺れをきらし、ミカサはアルミンに向き直った。

「誰がやったの」

「言わないよ」

「お前には関係ない」

「え……ミカサじゃないの?」

クリスタの声に驚いたエレンが、みるみる顔を赤くする。

「いや、なんで、知って」

「誰にされたの? 目を離すと、エレンはいつもこう」

その物言いにかっとなったエレンが、ミカサを怒鳴りつける。

「お前こそいちいち干渉するなよ! 俺はお前の弟でも子供でもないって言ってるだろ!」

「ミカサ。エレンと相手にも、男の矜持ってものがあるから」

「家族を傷つけられて、黙っていられない」

「いい加減にしろ! お前も今日は食べてないんだから、さっさと食っちゃえよ」

「なぜ相手を庇うの?」

鋭いミカサの声に、エレンが言葉に詰まる。

「……お前が原因でもある」

「……そう」

それを聞いて諦めたのか、ミカサが食事を取りに給仕係の元へ向かった。

ミカサの背中とエレンを交互に見て、ユミルの後ろに隠れていたクリスタがおずおずと前に出る。

「あの……エレン」

「え、ああ」

「ミカサの、肩の傷のことなんだけど……」

赤面したエレンに、アルミンが呆気にとられた。

「エレン、まさか」

「そ、そんなに深くなかったけど、消毒しておいたから」

エレンは口を閉じられないまま、食卓の上に拳を握っている。

「あいつ、隠しもしないで」

「……そんな言い方はないよ! 女の子の身体なんだよ!」

「おいクリスタ、声でかい」

ユミルに制止され、クリスタがはっと周りを見回す。

食堂には人が集まり始めていた。

「あの……私たち、ミカサのことちゃんと見てるから。
 何も助けになれないかもしれないけど……もし、喧嘩したら、ぜひ相談して」

「いや、その」

「アニも、話を聞いてくれると思うから」

地雷を踏んだことにも気づかず、クリスタはぺこりと会釈した。

茹で蛸のようになってしまったエレンに、ユミルがにやついた笑みを向ける。

「シモのことでもかまわないぜ。なあクリスタ」

「やめろよ、周りに聞こえちゃうだろ」

もう一度頭を下げたクリスタが、ユミルと一緒に奥のテーブルに歩いていった。

頭を抱えたエレンの正面で、アルミンがため息をついている。

「女ってどうしてこう、つるんで絡んでくるんだ」

「ミカサの最近の話し方、時々誰かと似てると思ったらクリスタだったよ。語尾が柔らかくて」

「それ、恥ずかしいんだよな……」

日も暮れて虫の音が響く中、ジャンは水場に急いだ。

エレンたちが食堂に来る前にさっさと夕食を済ませ、水で冷やしたものの、痛みは完全には引かない。

エレンにマウントを取られた時に踏まれた腕と、鳩尾の辺りがズキズキと痛む。

腕だけでも今夜中にまともにしておきたい。

冷たい水を使おうと水を汲みに来たが、こんな時間に先客がいた。

「ジャン」

立ち去ろうとしたところを、澄んだ声で呼ばれてしまった。

私服のミカサが、井戸の横に佇んでいる。

「ミカサか。使ってるなら俺は後にさせてもらう」

「今から探しに行こうと思っていた。まだ寮に戻ってなくて良かった」

言葉の意味を計りかねて、ジャンは動揺し頭を掻いた。

「こんな時間に……何の用が」

ミカサが靴音もなく歩み寄ってくる。

妙な期待をするわけではないが、心が浮き足立つのを止められない。

夜風に吹かれて、ミカサの黒髪が白い首筋に絡んでいるのが見える。

何を言えばいいのかわからずに視線を泳がせてしまう。

「これを」

ミカサが、持ち出してきたらしい手桶を渡してきた。水で満たされている。

「あ?」

「井戸水で冷やした方がいい。訓練に支障が出る」

はい、とガーゼのハンカチも渡された。

呆気にとられながらも、初めて見るミカサの態度に浮かれてしまう。

「おいおい、俺はエレンじゃないぜ。世話を焼く相手が違う……」

「エレンと大立ち回りをしたでしょう。違う?」

「あぁ、あいつに聞いたのか」

「聞いていない。でも、ジャンはよくエレンに突っかかってくるから」

見当をつけてみたら、その通りだっただけだ。

それでも、渡されたハンカチの温もりが、じわりと手のひらに染み渡る。

「話を聞きたいと思って」

「え、あぁ」

「ジャンは、味方?」

ざわ、と胸の内が騒ぐ。

「少なくとも、死に急ぎ野郎に味方する気にはなれねえな」

「でも、ジャンは私とエレンのことを口外しないでいてくれた。
 今回も、秘密を守ろうとしてくれたのでは」

違う? と小首を傾げてくる。「私とエレン」なんて表現をしないで欲しい。

「違うね。女にかまけてる死に急ぎ野郎に、ちょっとお灸を据えてやりたくなっただけだな」

「エレンはその日の課程が終わった後に、自主的に鍛錬している。心配ない」

「そういう問題じゃなくてだな」

ガシガシと刈り上げた後頭部を掻いて、ジャンは言葉を探した。

「お、俺が心配したのは、ミカサの方だ」

ミカサの目が、ほんの少し丸くなった気がした。

「なぜ」

「……同じことでも、負担は女の方が大きいだろ。世間の目だって……。こういうことは、あからさまにならない方がいい。損をさせたくない」

「そう」

いつも通り、こちらに興味もなさそうに、ミカサの視線は風を追って横に流れていく。

「それは、エレンを困らせる?」

その質問が、何よりも堪えた。

「あいつも……お前も困るだろうがよ。周りも心配する。忘れんな」

「そう。……私は考え無しだった」

ミカサの目元が、ふわりと緩んだ気がした。

「今度は場所に気を付ける。ありがとう、ジャン」

「いや、礼を言われることじゃ」

「でも、エレンを傷つけないで欲しい。あの位置だと、打撲痕を装備が締め付ける。
 訓練に支障が出るのは、エレンンの本意じゃない」

「訓練馬鹿にはいい薬だろうな」

「ジャンも優しい」

も、とは誰と並べて言われているのか。

引っかかりはしたが、赤くなる顔を悟られないよう祈るので精一杯だった。

こんなに長くミカサと会話するのは、初めてではなかったか。

「正直なところ、ジャンには良い印象を持っていなかった。
 ちゃんと、エレンのことを仲間だと思ってくれている。知ることができて良かった」

違う、と言ってやりたい。ジャン自身が庇いたかったのは、エレンであり、エレンではないと。

「お前……らは、気を付けた方がいい。
 死に急ぎ野郎も、ミカサも、とにかく目立つんだよ
 味方も多いが、敵も作るぞ。隙は見せない方がいいんだ。
 お前ら、そういう立ち回り下手だろうしな。
 素行不良で減点でもされたら、ミカサの成績じゃもったいないにも程がある」

出来る限り、皮肉が混じらないよう率直に言った。

「覚えておこう」

頷いて、ミカサは夜風にカーディガンの裾をはためかせながら、寮に向かって歩き出した。

「ハンカチは、私かエレンか、アルミンに返してくれればいい。桶は私に。
 おやすみなさい、ジャン」

「身体冷やすなよ」

もう薄闇に溶けそうなミカサが、微笑んだような気がした。

その姿が見えなくなるまで、手桶を抱えたままジャンは動かなかった。

鳩尾と腕の痛みも忘れていた。

ガーゼの柔らかいハンカチは、濡らして使う気になれない。

握りしめて、もう残っていないだろう温もりを確かめる。

自分とミカサは、善き友人になれたのだろうか。

一度は叩き潰された恋情が、身体の奥から沸き上がってきて息苦しい。

せっかく汲んでもらった井戸水が温くなるまで、指が白くなっても離すことはできなかった。

ジャンのターンとりあえず終了ですが、エレミカ厨でもジャンのことを考えると書くのがつらい
でも覗きは書いちゃう

長い1日だった。

ミカサと約束したわけでもないのに、備品倉庫のマットに座り、ぼんやりとエレンは天井を見上げている。

ミカサとの間にある感情が、引力が、温度が昨夜から変化し続けて、まだ整理がつかない。

赦されるべきでないものを赦され、受け入れ難いだろうものを受け入れられる。

何度も陵辱を繰り返した相手だというのに、ミカサが何をしても恥ずかしかった。

明日から、夜に会う頻度は以前と同じ程度にした方がいいだろう。

周囲の目をごまかすためだけでなく、このままだとエレンの感情の箍が保つ気がしない。


不意に、床に細い線が伸びる。

私服のミカサが、倉庫の戸を開けてエレンの姿を確認した。

「やっぱり来ていた」

「今日は呼んでねえぞ」

「勝手に来た。エレンの顔が見られるかと思って」

しれっと言って、戸を閉めるなりエレンの隣に来て腰掛けた。

「見せて」

そう言って、エレンの襟に指をかけて引き下ろしてくる。

「いいって」

「いいから」

顔を寄せられ、胸元を覗き込まれると、首筋から鎖骨までミカサの髪の先が撫でた。

昼間あれだけのことをして、しばらく禁欲でもいいと思っていたのに、それだけで心臓が騒ぎ出す。

する、とミカサの指が服の中に滑り込んできた。

「よせって」

聞かずに、吐息が聞こえるほどの距離でミカサが胸元を撫でてくる。

「いいものを借りてきた」

そう言って、シャツのボタンをひとつ、ふたつと開けて胸元から小さな広口瓶を取り出した。

「どこから出したんだよ……」

「サポーターの中」

つまり、胸の間だった。からかわれているのか、こだわらないだけなのか、自分だけが意識してしまうのが恥ずかしい。

蓋を回すと、中には白っぽい半透明の軟膏らしいものが入っている。

「内出血に効くらしい。サシャの実家謹製」

「え、いいよそんなの」

「塗るから」

問答無用で、服の裾をまくり上げられた。

「母親気取りはやめろって言ってるだろ」

「違う、恋人気取り」

そう言いながら、頬にちゅっ、と音を立てて唇を当てられた。もう黙るしかなかった。

軟膏をすくったミカサの指が、服の裾から差し入れられて、撫で回してきた。

ジャンにもいつか花のような嫁さんが来てくれるさ
それまでは着々と男を上げてくれるだろうし

日頃の訓練で指の皮も固くなっているはずなのに、ミカサの手は滑らかでくすぐったい。

薄く軟膏を延ばし、くるくると輪を描いて擦り込んでくる。

肩に頭を乗せられたまま服の中に手を入れられ、愛撫されているも同然だった。

あの、産毛を触れるか触れないかの加減で撫でられているような、鳥肌の立つ感覚が広がる。

ぞわ、ぞわ、と何度かの快感の波を味わっていると、ミカサの指が乳首をかすめた。

「う……」

「痛かった?」

「いや、平気」

「気持ち良かった?」

わかって聞いてきている。エレンが睨みつけて見せると、ミカサがいたずらっぽく目を細めた。

指の腹で、すり、と乳首の輪郭をなぞられる。

「今日はやめろ」

「残念」

あっさりと引き下がられた。吸われて鬱血した辺りに、念入りに軟膏を擦り込まれる。

「あまり目立つところにつけてはいけないらしい」

「当たり前だろうがあ……」

頭を抱えたエレンの耳元に、ごち、と軽く頭をぶつけてきた。

「エレンは人のことを言えない」

「……悪かった。ミカサは……その」

「ガーゼを貼ってもらった」

なんだかそれも惜しい気がしたが、後が怖いので口には出さなかった。

指にすくった軟膏がなくなるまで擦り込まれると、血が巡るように温まった感覚がある。

「効きそうだな、これ」

「最近、サシャとこういう薬の作り方をよく話す」

また中途半端ですが今日はここまで
今回はエロいことしないよ
もうちょっとだけ後日談は続くんじゃ

その後はストレス無しでいちゃいちゃ書きたい

もう退院なので今日中にでも完結したいです
エロスレだったのに詩人や哲学者がレスしてくれて驚きます……
尻に敷かれるエレンもいいけど、照れたり妬いたりするミカサが好きですわ

乙!
楽しみにしてるよ
スレが完結って事?

へえ、と妙に感心した。

エレンの家で暮らすようになった時から、ミカサは薬効のある草や虫に詳しい。

女同士で実家の話でもしているのだろうか。

母と死に別れてから、ミカサの知らない顔は減っていった。

開拓地でも、訓練兵になってからでも、アルミンとミカサは自分と同じ生き物のように見えていた。

今はミカサの横顔が、大きな秘密そのもののように見える。

軟膏の蓋を閉めて胸元にしまい、ミカサはボタンを留め直した。

立ち上がってスカートの埃を払い、手を引いてエレンも立たせようとする。

「今日はもう寝た方がいい」

「もう行くのか」

「エレンがいてほしいというなら、まだいる」

そう言われて頷くことができるほど、まだ吹っ切れていない。

「なあ……朝会うのは、明日が最後にしよう」

「わかった」

「寂しくないのか」

「私からも、そう言おうと思っていた」

ミカサが口元に手を持っていきかける。

いつもの、マフラーを持ち上げる仕草だ。

「本当は、一晩中一緒にいたい。朝はそのことばかり考えてしまうから」

「そうか」

頭を叩いてやり、離れ難い気持ちを励まし合う。

これは恋人だからなのか、家族として昔を懐かしんでいるのか。まだエレンにはわからなかった。

人目をはばかり、順に倉庫の裏に回ってから別れた。

「おやすみ」

「おやすみなさい。エレン」

そう言ったミカサが、小さく胸の前で手を振っている。

同じ家に帰っていた頃は、知らなかった仕草だ。

「また明日」

そう言うミカサは、なんだかアルミンよりも小さく見える。

何かに追いつかれないように、エレンは半ば駆け足で寮に帰った。




>>256
とりあえず一段落して完結としたら、別のエレミカとか書きたいです。
今後別スレ立てるかはわからないけど、ここが残ってたらエロいのは隔離していてもいい気がします

頬を朝の風が撫でる。

昨夜は汗を流すなり、消灯時間を待たずに寝所に潜り込んだ。

誰かが声をかけてくれたのかもしれないが、返事をするのも億劫になるほど、ミカサは疲れていた。

肉体の疲労は都合がいい。

考えても埒が明かないことばかりで、自分の頭では堂々巡りにしかならないことを、すべて投げ出して眠ってしまえる。

自分がアルミンだったら、どう整理をつけるのだろう。

今がたまらなく幸福なのを赦して欲しい。

エレンに切り捨てさせたものを、考えさせないでいて欲しい。

また、ふわりと頬にかかった髪を風が揺らしていく。

頭だけ起こしてみると、窓辺でカーテンが揺れていた。

早朝の澄んだ光が、まだ冷たい風が、微かに流れ込んでいる。

揺れるカーテンに埋まるように、窓枠に肘をついているのはアニだった。

「アニ」

小さな声で呼びかけたつもりだが、振り向いたアニに唇に指を立ててたしなめられた。

音を立てないよう細心の注意を払うが、古い梯子はどうしてもみしみしと鳴った。

サシャの寝息を確認して、起こしていないことに安堵しながら、アニの後ろに立つ。

支給品の寝間着の、薄い生地が風で肌に張り付く。

光に溶けそうな金髪を惜しげもなく風に散らして、アニは窓から木立の中に落ちている濃い影を眺めていた。

「すり寄ってこなくていいから」

「エレンに会いに行く」

「報告もしなくていいから」

「朝に会うのは、今日で最後」

「……そう」

ミカサの顔に乱れた黒髪を、アニの小さな柔らかい手が無造作に払ってくれる。

「朝はいいよね。誰かと歩けたら最高」

「アニも、誰かと」

「そういう詩があるの」

アニがまどろむようにまぶたを閉じる。猫のようだった。

「さっさと行かないと、起床時間になるよ」

「うん」

「時間は有限なんだから」

人生は短いんだから、と眠たげに呟いた。

用意しておいた訓練服に手早く着替え、部屋を出る前にミカサが振り向く。

「アニ。こういう時間を、アニや他の皆とも歩きたい」

「最近、甘ったれがすぎるんじゃないの」

金色の髪が透けて、アニの大きな青い目が細められたのが見えた。

「友達ごっこまでなら」

「エレン」

声をかける前に、エレンはミカサを見つけていた。

兵舎近くの林の向こうから、朝陽が顔を出して下生えが露に輝いている。

青い草をブーツで踏んで、朝の匂いを嗅ぎながらエレンに駆け寄る。

「おはよ」

「おはよう。エレン」

木に寄りかかっていたエレンに、飛びついて抱きしめた。

後頭部を打ち付けたエレンが不平を言う前に、唇を塞いで打ったところを撫でる。

最近、口付けするときにエレンが目を閉じるようになった。

「お前、いくつになったと思ってるんだよ」

「歳は関係ない。こんなことをするのは初めて」

「わかってるけどさ」

エレンの襟元を見る。

内出血は治ってはいないものの、黄色くにじんで輪郭が曖昧になっていた。

「痛くねえから」

そう言うエレンの鎖骨にミカサは唇を付けた。

ちゅっ、と音を立てて吸いつく。

今ならまだ、痕を付けても痣にまぎれてしまう。

納得するまで吸って、顔を上げるとエレンが顔を横に背けていた。

「どうして照れるの」

「ミカサはどうして照れないんだよ」

「好き同士だから」

木立を抜けた一条の朝陽を背負って、ミカサがまつげを伏せる。

肩を押されてエレンの身体から離れたミカサは、今度は服の裾を掴んで離さない。

大人びたのか子供返りしたのか、これではわからない。

エレンが逆光になったミカサの顔を、髪を撫でてかき回す。

遠慮のない手つきに、ミカサはじっとそれを受け入れていた。

「そんなんで、明日からどうするんだよ」

「朝はゆっくり眠る。夜は前と同じ」

「家族だった頃と」

家族という居心地の良い檻の中で、爛れた遊びに浸っていた頃と。

「エレン」

「うん?」

「まだ、家族でもいいだろうか」

目を伏せて、両耳をエレンに摘まれていたミカサの声は小さい。

もうその意味がわからない2人ではなかった。

「当たり前だろ。家族にまだも何もねえ」

「うん」

「好きだからめちゃくちゃしたけど、家族だから大事なんだよ」

それを聞いたミカサは、すべての息を吐き出すような、深いため息をついた。

「家族はやめなくていい」

「そうだ。俺たちは家族だ」

「良かった」

ミカサの手が耳ごとエレンの手を包む。

泣かせたかと思ったが、目を開けたミカサの瞳は、朝の光を映さなくても輝いている。

「恋人になったら、家族を切り捨てることになるかもしれないと」

また撫でてやろうとしたが、ミカサが一歩身体を引いた。

エレンの位置から見つめると眩しい。

「好き同士になれて良かった」

だが、エレンを見つめるミカサの方が眩しそうだった。

実際は何かを切り捨てているのかもしれない。

いつかそれに気づくのかもしれない。

それでも、この残酷な世界をミカサが美しいと言うのなら、今は頷いてやりたい。

壁の中で、自分たちは奪われるばかりだった。

両の手に残った数少ない時間を、アルミンとミカサに費やして生きていく。

そのための力を得られるなら、先などなくても良いと思っていた。

何も持っていないミカサが、受け入れ与えてくれると言うから、それを惜しみたくなる。

「お前もアルミンも大事だからな」

「うん」

「好きだから」

何度も言った言葉に、初めてのようにはにかんだミカサが、エレンの手を引いて歩き出す。

朝露を含んだ草の匂いは、どこにいてもあの頃と同じだった。






-終わり-


以上、猥褻だったりゴタゴタしてたりする何かにお付き合いいただきありがとうございました。
まさかこんなに長くなるとは思いませんでした。
某SSに触発されて、ミカサ一発犯すかーくらいの気持ちで始めたことでした。
ミカアニ3P辺りから、こいつら何とかするか、という妙な使命感が生まれて……。
少女漫画調で終わることができて良かったです。
入院中、痛み止めが効かなくて朝も夜も書き続けてましたが気が紛れました。
ちょっと休憩してからまだ戻ってきます。

またネタとかリクエストとかあれば書きに来ると思います
前にもらったネタで書きたいのもまだあるし

これでやっと気楽なのも書けるし……

今度はエロなしでマリア陥落前のイチャラブとかどうかな
エレンの親友であるアルミンに嫉妬するミカサとか微笑ましい光景を見守るイェーガー夫妻とか

なんにしても乙

>>283
かわええ
でもうっかり行水とかで危ない方向に書いてしまいそう

とりあえず完結スレに報告してきたので一段落ということで
続きにしても関係のないSSにしても、次からは個別にスレ立てます

感想や突っ込みありがとうございます
エレミカ好きな人がたくさんいるんだなって思えるのがうれしい
元ネタのエレミカの今後も幸せでありますように

まだ200番台なので、レス乞食させてください

今までみたいなハイペースは無理だけど、もう次の書きたいなーと思ってます
なんか緩かったり甘かったりするやつがいいかなーと
何かリクエストがあればできるだけ書きます  今までもらったレスもぶっこんでいきます
エレミカなレスもらえると萌えて早く書けるようになるのでうれしいんよ

スカートめくり云々とかアルミンのことが好きなエレミカとか書こうとは思ってます

皆目撃させるの好きですね
でもユミクリは許してやってくだせえ……クリユミレズが始まってしまう
あの2人のR15ってどのラインかもわからない

全部のレスがクッソ萌えます
エレミカアル正義

進撃世界の結婚式ってどんなのでしょうね

>>300
ならいっそ逆パターンはどうだ
クリユミレズを覗いてしまうエレンとミカサ
初々しい絡みをみて恋人ってこういう感じなのか!?
俺らって何なん!?とちょっとショックをうけてみたり

>>304
初々しいの書いたじゃないですか><
ちょっと猿になっただけで><

最初から読み直してて、エレミカの組み紐が赤でアルミンへの土産が黄色なのが
とらの円盤特典絵のマフラーと同じ色だった事に気が付いた
>>1が敢えてその色にしたのかたまたまなのかは分からんけど

>>306
あの絵大好きなんです
もっとアルミンが近くにいてくれてもいい
幼なじみの版権絵増えて欲しいです

壁教信者の式なら見られそうですけどね
宗教的意義抜きで祝宴、登録して終わりかな
色物ドレス着てそう
書くけど、もし本編で明かされたらプギャーして欲しい

退院したらネットが止まってた……。
少し休んだらまた何か書きに来ます。

小さい頃のエレミカもエロミカもかわいい

昨夜はしたらば落ちてて投下できなかったし、
朝からミカエレスレだと思ったら腹筋することになったし
悔しいのでミカサ犯そうと思ったけど、まだエロを捻じ込める展開じゃなかった……

同じく腹筋した俺は
お前のエロイミカサが見たいので
シャカリキになってうpしろと
言わせていただく

>>319
さっさとエロシーンに辿り着くよう書き足します

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