ベルトルト「アニ?」アニ「」ビクゥッ(62)

※ネタバレ注意
※くっちゃべってるだけなので、エロくないしキュンキュンもしない
※キャラ崩壊してるかもしれない

---訓練兵団 解散式 夜

アニ「・・・びっくりした」

ベルトルト「何してるの?」

アニ「ちょっと疲れたから、抜け出してきた」

アニ「そっちは?」

ベルトルト「僕も。少し人酔いした」

アニ「そっか」

アニ「・・・戻るよ」

ベルトルト「そう?」

アニ「あまり一緒にいない方が良い」

ベルトルト「今は大丈夫じゃないかな。こんな裏の方誰も来ないよ」

アニ「そうかな」

ベルトルト「多分ね」

アニ「じゃあもう少し良いかな」

ベルトルト「何見てるの?」

アニ「・・・これ」

ベルトルト「なに?アリ?行列?」

アニ「働いてるなーと思って」

ベルトルト「働いてるね」

アニ「・・・・・・」

ベルトルト「・・・・・・」

アニ「・・・何か引き込まれちゃう」

ベルトルト「・・・そうだね」


アニ「こいつ、体に比べて大きいもの運び過ぎじゃない?」

ベルトルト「必死だね」

アニ「・・・エレンみたい」

ベルトルト「そうかな」

アニ「・・・アリン」

ベルトルト「何それ」

アニ「命名。アリン」

ベルトルト「命名しちゃった」


ベルトルト「じゃあ、アリエレンの後をついてきてるのはアルミンかな」

アニ「アリエレンじゃない。アリン」

ベルトルト「ごめん」

アニ「後ろのはアリミン」

ベルトルト「アリミンか」

アニ「あんまり変わらないね」

ベルトルト「ちょっと名前が可愛くなったよ」

アニ「ますます可愛くなっちゃうの?」

ベルトルト「可愛くなっちゃったね」


ベルトルト「今追いついてきたのはミカサだろうね」

アニ「・・・アリサ?」

ベルトルト「別人になったね」

アニ「アリになっても仲が良いね」

ベルトルト「そうだね」

アニ「・・・あ、アリンがはぐれてく」

ベルトルト「エレンだしね。しょうがないよ」


アニ「・・・このエサの塊から離れないのはアリシャ」

ベルトルト「サシャ?」

アニ「うん」

ベルトルト「もうちょっと小さいエサ運べば良いのに」

アニ「食い意地張ってるからしょうがない」


ベルトルト「その周りでぐるぐる回ってるのは?」

アニ「コ・・・ア・・・アニー?」

ベルトルト「コニー?」

アニ「うん」

ベルトルト「アニと同じ名前になっちゃったよ」

アニ「違う。アニじゃない。アニー」

ベルトルト「そっか」

アニ「うん」

ベルトルト「歌でも歌いだしそうだね」

アニ「どうして?」

ベルトルト「何となく」



ベルトルト「・・・じゃあ、さっきから2匹でつるんでるのは」

アニ「ジャンとマルコかな・・・」

ベルトルト「命名は?」

アニ「・・・ジャン・・・アリ・・・アリャン・・・アリ・・・ジャン・・・」

ベルトルト「そんなに真剣に考えなくても良いんだよ」

アニ「じゃあ、アリジャンでいいや」

ベルトルト「指摘してるだけだね」

アニ「・・・ジャン使えない・・・」

ベルトルト「こんなところで最低評価受けてるとは彼も思わないだろうね」


アニ「マルコはアリコ」

ベルトルト「サクッと出たね」

アニ「マルコは出来る奴だから」

ベルトルト「評価基準そこなんだ」

アニ「ハマってると思うけど」

ベルトルト「安心できる感じだね」

アニ「安心?」

ベルトルト「急な病気や怪我にも安心かなって」

アニ「どうして?」

ベルトルト「何となく」


ベルトルト「こっちも2匹つるんでるのがいる」

アニ「もうアリスタとアリルで良いや」

ベルトルト「飽きたんだ」

アニ「うん」


アニ「・・・こっち、種類が違うのがいる」

ベルトルト「本当だ。ちょっと大きいんだね」

アニ「アリナーと、アリトルトと、・・・アリ」

ベルトルト「アリナーは可愛すぎない?」

アニ「そうかな」

ベルトルト「学名ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ、オス。個体名アリナー」

アニ「ぷっw」

ベルトルト「でしょ」


ベルトルト「最後のアリはアニ?」

アニ「うん」

ベルトルト「そのまんまだね」

アニ「ひねりようがないよ」

ベルトルト「それに、アニは小さいじゃない」

アニ「・・・」

ベルトルト「僕ら2人が規格外なだけで、アニは・・・」

アニ「小さくない」

ベルトルト「・・・」

アニ「・・・小さくないよ」

ベルトルト「・・・そっか。そうだね」



ベルトルト「この小さいの、アリアニの側うろうろしてるね」

アニ「・・・アリーナ?」

ベルトルト「そうなるのかな」

アニ「全然種類が違うのに」

ベルトルト「そうだね」

アニ「・・・気を使ってくれてるのかな」

ベルトルト「好きで寄ってきてるんだと思うよ」

アニ「そうなのかな」

ベルトルト「きっとね」


アニ「えいっ」プチッ

ベルトルト「あ」

アニ「えいっ、えいっ、えいっ」プチップチップチッ

ベルトルト「・・・・・・」

アニ「簡単に潰れるね」

ベルトルト「・・・そうだね・・・」

アニ「たくさん死んだね」

ベルトルト「うん」

アニ「こいつら、働くのやめないね」

ベルトルト「そうだね」

アニ「仲間がたくさん死んだのに」

ベルトルト「働かないと食えないから」

アニ「悲しんでる?」

ベルトルト「悲しんでるかもね」


アニ「そうは見えないよ」

ベルトルト「心の中ではね」 

アニ「たくさん名前付けたけど、どれが誰かもう分からない」

ベルトルト「そうだね」

アニ「ミーナも死んじゃったのかな」

ベルトルト「アリのね。アリーナ」

アニ「自分で殺したのに、誰を殺したのかも分からない」

ベルトルト「・・・そうだね」

アニ「こいつら、死ぬのが嫌じゃないの?」

ベルトルト「どうかな」

アニ「少しは抵抗すれば良いのに」

ベルトルト「アリだからね」


アニ「アリは抵抗しない?」

ベルトルト「抵抗するってことを知らないんじゃないかな」

アニ「知らないのか」

ベルトルト「知らないと思うよ」

アニ「大体、アリの抵抗ってなんなの」

ベルトルト「言い出したのはアニだよ」

アニ「ものすごい数でものすごい勢いで体中這いずり回るとか」

ベルトルト「気持ち悪いこと思いつくね」

アニ「でも、人を倒すまでは出来ないよね」

ベルトルト「一生モノの心の傷にはなりそうだけどね」


アニ「人は?」

ベルトルト「抵抗するかって?」

アニ「うん」

ベルトルト「もう、死に物狂いでね」

アニ「方法も知ってるし」

ベルトルト「自分たちで編み出したんだ。すごいよ」

アニ「それだけ必死ってこと?」

ベルトルト「そうだね」


アニ「必死に抵抗したら死なないかもしれない?」

ベルトルト「・・・どうかな」

アニ「抵抗すれば生きられるかもしれない」

ベルトルト「・・・・・・」

アニ「抵抗する術を持っているなら生き残れるかもしれない」

ベルトルト「・・・アニ」

アニ「死ななくて済むのかもしれない」

ベルトルト「アニ、ダメだよ」

アニ「期待しても無駄だから?」

ベルトルト「そう」

アニ「抵抗する術を身につけたんでしょ?そのための兵s」

ベルトルト「壁がなければいずれ揉み潰される」


アニ「・・・壁が壊れなければ・・・」

ベルトルト「・・・・・・」

アニ「兵士を辞めて、どこかの小さな村で」

ベルトルト「アニ」

アニ「野菜を作って」

ベルトルト「アニ」

アニ「豚でも育てて」

ベルトルト「アニ、やめよう」

アニ「たまには街に出て」

ベルトルト「もう遅いんだ」


アニ「ライナーも」

ベルトルト「お願いだ」

アニ「ベルトルトも」

ベルトルト「やめてくれ」

アニ「一緒に」

ベルトルト「アニ!」

アニ「」ビクッ

アニ「・・・ごめん。ちょっと言ってみたかっただけ」

ベルトルト「・・・うん」


アニ「少し・・・気持ち悪い」

ベルトルト「余計なことを考え過ぎだよ」

アニ「・・・うるさいな・・・」

ベルトルト「考えるから苦しくなるんだ」

アニ「ベルトルトは考えないの?」

ベルトルト「ん?んー・・・うん」

アニ「そしたら、気持ち悪くならない?」

ベルトルト「・・・・・・ならないよ」

ベルトルト「僕たちは所詮手足だから」

ベルトルト「考えるのは頭の役目だ。手足には考える必要も悩む必要もない」

アニ「そんな風に割り切れないよ」

ベルトルト「・・・そうか」

誰か見てんのかな。
そんな長くないんだけど、眠くなったから寝る。


アニ「・・・エレンが」

ベルトルト「エレン?」

アニ「さっきの演説で、壁の外に行きたいって」

ベルトルト「ああ、あれか・・・」

アニ「エレンの夢を真っ向から潰しにかかってるんだな、と思って」

ベルトルト「・・・・・・」

アニ「そしたら何だか肩の辺りが重くなって」

ベルトルト「だから抜け出したんだ」

アニ「うん・・・」


ベルトルト「アニはさ、何がしたいの?」

アニ「何がって」

ベルトルト「エレンの夢を叶えたいの?故郷に帰りたいの?」

アニ「は?」

ベルトルト「全部を実現させるのは無理だよ」

アニ「そんなこと、分かってる」

ベルトルト「分かってない」

アニ「・・・・・・」

ベルトルト「羨ましいよ。余裕があって」

アニ「そんなものある訳ないよ。何?喧嘩売ってるの?」

ベルトルト「違うけど・・・あー・・・もー・・・」グシャグシャ

アニ「頭皮に八つ当たりするのやめなよ。毛根にダメージいくよ」

ベルトルト「ほっといて・・・」

ゆるゆる再開


ベルトルト「僕はただ、怖いんだよ」

アニ「何が」

ベルトルト「・・・この5年間、ずっと馬に乗ってる気分なんだ」

アニ「何?いきなり。馬?」

ベルトルト「そう。鞍もあぶみも手綱もない暴れ馬」

ベルトルト「首にしがみついていないといつ振り落とされるか分からない」

ベルトルト「ここ3年は割と大人しかったんだけど」

アニ「私も?」

ベルトルト「そうだよ」


アニ「ライナーも」

ベルトルト「・・・ライナーは」

アニ「なに?」

ベルトルト「今にも振り落とされそうで見てて酷く不安なんだ」

アニ「落ちたらどうなる?」

ベルトルト「乗ってた暴れ馬に蹴り殺される」

アニ「嫌な死に方だね」

ベルトルト「嫌だね」


アニ「ライナーが落ちたら?」

ベルトルト「誰か一人でも落ちたら、遅かれ早かれみんな道連れだよ」

アニ「私は落ちたりしないよ」

ベルトルト「見てて不安なのはアニもライナーも一緒なんだ」

アニ「一緒にしないで。私は」

ベルトルト「変わらないよ、ライナーと」

アニ「・・・・・・」


ベルトルト「僕は自分の馬にしがみついてるだけで精一杯なんだよ」

ベルトルト「君もライナーも、本当は助けたいんだけど余裕がない」

アニ「・・・助けてもらう必要なんてない」

ベルトルト「そうは見えない」

アニ「覚悟なら、とっくに決めてる」

ベルトルト「そういうことじゃないんだ」

アニ「何が言いたいの」


ベルトルト「迷ってしまうんじゃないかって」

アニ「迷う?何を」

ベルトルト「分かってるだろ?自分がどれだけぐらついているのか」

アニ「・・・・・・」

ベルトルト「それが怖いんだよ」

ベルトルト「迷ってタイミングを逃してしまえば、取り返しのつかないことばかりだ」

アニ「・・・ほんとうるさい・・・」


ベルトルト「お願い。ちょっとだけだから聞いてて」

アニ「・・・・・・」

ベルトルト「いざ事が動き出せば、後は各々の力量と裁量に任せるしかないんだ」

ベルトルト「迷ったりためらったりしたら禍根を残してしまうかもしれない。だから何があっても・・・」

アニ「・・・この期に及んで、説教?」

ベルトルト「ごめん。ただ、言わないと不安で」

アニ「そんな縋るような目で言われても説得力がないよ」

ベルトルト「え、そんな顔してる?」

アニ「してる」

ベルトルト「・・・・・・」ゴシゴシ

アニ「顔拭いても変わんないから」


アニ「・・・そんなに頼りない?」

ベルトルト「出来ることなら、ずっとポケットにでもしまっときたい気分だよ」

アニ「私はアリじゃない。無理だよ」

ベルトルト「分かってる」

アニ「臆病だね」

ベルトルト「それも分かってる」


アニ「で、お説教で不安は和らいだの?」

ベルトルト「全然」

アニ「私、叱られ損じゃないか」

ベルトルト「叱ってるつもりはなかったんだけど。むしろ僕の方が怒られてるんだけど」

アニ「イラッとしたから」

ベルトルト「ごめん」

アニ「謝り過ぎ」

ベルトルト「もう癖になってるかな」

アニ「嫌な癖だね」


アニ「大丈夫だよ、私は。やらなきゃいけないこともタイミングも弁えてる」

ベルトルト「うん・・・なら良いんだ」

アニ「私が2人を故郷に連れて帰ってあげるよ」

ベルトルト「はは、頼もしいね」

アニ「うん。約束。指切り」

ベルトルト「指切り?」

アニ「バカみたいって思ってるんでしょ」

ベルトルト「思わないよ、そんなこと」


アニ「じゃあ、はい」

ベルトルト「約束か・・・」

アニ「えー・・・そこで悩まれると、私立場ないんだけど」

ベルトルト「ちょっと考えちゃって」

アニ「そこまで信用してないの?」

ベルトルト「そう言う訳じゃないんだけど」


アニ「なら、適当に調子合わせといてよ」

ベルトルト「・・・アニとそれはしたくないな」

アニ「何それ」

ベルトルト「とても守れないような約束、散々してきたからね。もう良いかなって」

アニ「誰と」

ベルトルト「いろんな人と」

アニ「最初から約束しなければ守らなくても良いって?」

ベルトルト「そんな感じ」

アニ「今更?」

ベルトルト「ほんとだよね」


アニ「故郷に帰るつもりもないの?」

ベルトルト「それはないけど」

アニ「じゃあ良いじゃない。約束の一つや二つ」

ベルトルト「・・・破りたくないんだよ」

アニ「めんどくさい奴だね」

ベルトルト「守れる見通しがつくなら100でも200でもしてあげるよ」

アニ「そんなにいらない」

ベルトルト「そっか」

アニ「て言うか、ズルすぎでしょそれ」

ベルトルト「僕もそう思う」


アニ「?騒がしいね」

ベルトルト「・・・お開きかな?」

アニ「もう戻らないと」

ベルトルト「そうだね。アニ、先に」

アニ「うん。じゃあ」ザッザッ

ベルトルト「・・・・・・」


ベルトルト「アニ!」

アニ「・・・何?」

ベルトルト「絶対に、迷ったりしないでくれ」

アニ「またお説教?」

ベルトルト「違うよ。僕からのお願い」

アニ「・・・お願いならしょうがないね」

ベルトルト「素直じゃないな」

アニ「うるさいよ」


ベルトルト「帰るんだ。全部終わらせて」

アニ「約束はしないんじゃなかったの?」

ベルトルト「約束じゃないよ。ただの決意表明」

アニ「そっちこそ素直じゃない」

ベルトルト「お互い様だね」

アニ「・・・・・・」

ベルトルト「・・・・・・」




ベルトルト「・・・明日だ」

アニ「・・・うん」ザッザッザッザッ


ベルトルト「・・・・・・・・・」





ベルトルト「本当に」グシャ

ベルトルト「こんな風に、アリを踏み潰すように」グシャ

ベルトルト「簡単に終わることが出来たら」グシャ

ベルトルト「・・・楽だったのにね」





ベルトルト「・・・・・・気持ち悪い・・・・・・」

おしまい

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