魔物兵「勇者のいる宿を夜襲か・・・まあ楽勝だな」(180)

魔物兵「全然そんなことなかった。」

勇者「上段切り!!」

魔物突撃兵A「ぐあああああ!!」

魔物突撃兵B「shit!突撃兵Aがミートパイになっちまっ・・・」

勇者「下段切り!!」

魔物突撃兵C「Bぃぃぃぃ!!チクショウ!いいやつだったのに!」

魔物兵「寝起き二秒で戦闘態勢とはどういう事だよ。」

魔突撃兵D「新兵!早く回復魔法を!このままだと壊滅する!」

魔物兵「うーす。」

魔物兵「オペレータ。状況はどうだ?」

オペ「戦闘開始五分で十五人いた突撃兵が壊滅状態です。」

魔物兵「部隊が16人だよな。俺以外全員突撃兵かよ。部隊編成どうなってんだ。」

勇者「袈裟切り!」

魔突撃兵F「ごふっ・・・」

オペ「最後の突撃兵がやられました。」

魔物兵「みたいだな。」

オペ「ところであなたはいまどちらに?」

魔物兵「物陰に隠れて回復魔法かけまくってるよ。それしかできないもん。」

オペ「安全地帯からこのやろう。」

魔物兵「後衛職だからな。そういうお前はどこにいるんだよ。」

オペ「10キロ離れた地点から通信魔法で援護中です。」

魔物兵「俺より安全地帯からこのやろう。」

オペ「後衛職の中の後衛職ですから。」

勇者「誰かいるのか?」

魔物兵「やばい!気付かれた!」

オペ「落ち着いてくらさい!あ、噛んじゃった・・・」

魔物兵「お前が落着けや。」

オペ「勇者はまだこちらの位置には気づいていないようです。それを利用して何か仕掛けられませんか?」

魔物兵「無理無理。俺衛生兵だぞ。戦闘力なんて皆無だから。」

魔物兵「勇者にスイマセンデシター!って叫びながら回復魔法掛けるくらいしか思いつかねーよ。」

オペ「じゃあそれで行きましょう。」

魔物兵「おい。」

勇者「気のせいか。」

オペ「なんとかやり過ごせたようですね。」

オペ「とりあえず現状を確認しましょう。あなたの装備は?」

魔物兵「初期装備の制服とヒノキの棒。」

オペ「勇者は?」

魔物兵「金属鎧と聖剣。」

オペ「厳しい戦力差ですね。」

魔物兵「厳しいなんてもんじゃねーよ。撤退させてくれ。」

オペ「帰還許可は降りていません。戦ってください。」

魔物兵「死ねってか。」

オペ「他に武器になるものはありませんか?」

魔物兵「あるわけねーだろ。ここ宿屋だぞ・・・あ。」

オペ「どうしましたか?」

魔物兵「ちぎれた突撃兵先輩の右手・・・」

オペ「オオェ!!」

魔物兵「がついてる大剣。てかグロ耐性ひくすぎだろ。」

オペ「失礼しました。ではそれを装備して戦いましょう。」

魔物兵「無茶いうな、こんなでかい剣ふったことねーぞ?」

勇者「やはりなにかいるぞ・・・」

オペ「勇者接近中。」

魔物兵「うわやべ。どうしよ。」

オペ「勇者をギリギリまで引き寄せましょう。不意打ちをしかけて一撃で仕留めてください。」

魔物兵「無茶言うなって。」

オペ「現状ではこれしか方法はありません。大剣を装備してください。」

魔物兵「はぁ・・・分かったよ。」

オペ「合図と共に斬りかかってください。首か心臓を狙いましょう。」

魔物兵「了解」

勇者「そこにいるのか・・・?」コツコツ

オペ「まだです。待機してください。」

魔物兵(向こうは突撃兵を15人倒した勇者様。こっちは入隊したての衛生兵)

魔物兵(あーあ。勝てるわけねーよ。死んだな俺。)

勇者「ひょっとして宿の客か?だったら安心していい。もう敵はいない。」コツコツ

オペ「まだです。もう少しひきつけてください。」

魔物兵(まあしょうがねぇ。こうなったらやるだけやるか)

魔物兵(万が一って事もあるしな。)

勇者「出てきてくれよ。もう大丈夫だから。」コツコツ

オペ「いまです!」

魔物兵「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ダッ

勇者「!?」

魔物兵「らぁぁぁぁ!」ズバッ

勇者「ッぐ・・・腕が・・・」

魔物兵「うそ?あたった!?」

オペ「まだです。勇者の生体反応が消えていません。」

オペ「攻撃の手を緩めないでください。」

魔物兵「了解!」(いける!行けるぞこれ!)

魔物兵「死ね!勇者ぁ!!」ブン

勇者「くっ・・・」スカッ

魔物兵「チっ。躱されたか・・・」

魔物兵(やっぱ不意打ちみたく油断させないとあたらないか・・・)

勇者「・・・」ボソボソ

魔物兵(ん?なにやってんだこいつ?)

オペ「この呪文は・・・防御をとってください!急いで!」

勇者「爆破魔法!!」

魔物兵「え?なn・・・ぐああああああ!!」

勇者「はぁはぁ・・・やったか。」

勇者「まさか不意打ちがくるなんて・・・次からは注意しないと。」

オペ「魔物兵さん。無事ですか?応答してください。」

魔物兵「」

オペ「応答ナシ。やはり全滅しましたか。」

魔物兵「」

オペ「上に報告しませんと。はぁ・・・また怒られる。」

ブチッ(通信を切る音)

魔物兵「う・・・あ・・・・」

―二時間後・どこかの部屋―
オペ「―――――て下さい――――――」

オペ「無事ですか?応答してください。」

魔物兵「・・・・・・・・・」

魔物兵「・・・あれ生きてる?」

オペ「どうやら無事のようですね。」

オペ「驚きました。報告から戻ったらあなたの生体反応が残っていたので。」

オペ「とにかく今どこにいるか分かりますか?」

魔物兵「さあ・・・どっかの部屋の中ってのは分かるが・・・」

オペ「捕虜収容所ですか?」

魔物兵「いや、それにしちゃベッドやらカーテンやら設備がしっかりしてる。」

魔物兵「整理整頓はできてないけどな。」

オペ「そうですか・・・どこかの民家のようですね。勇者はどうなりました?」

魔物兵「見ての通り。腕を斬り落としたが、命に別状はない。切った腕も、1週間もあればくっつくだろうよ。」

オペ「くっつくんですか?」

魔物兵「時間はかかるけどな。魔法で完全に繋げるのに4日、感覚を取り戻すのに10日リハビリが必要だが・・・勇者ならその半分でくっつくだろうな」

オペ「つまりは一週間、勇者をこの町に足止め出来たと言う事ですか・・・」

魔物兵「そういうことだな。んで、俺はどうすればいい?」

オペ「あなたの言う通り、勇者が一週間ほどこの町に滞在するのであれば、当初の予定通り二次作戦が行われるはずです。」

オペ「ですがあなたの情報に確証がない以上、作戦の準備が行えません。そこでしばらくこの街に潜入して、勇者の状態を探ってください。」

魔物兵「了解。戦わなくていいんなら何でもやるぜ。」

ガチャ

??「あ、起きた?」

オペ・魔物兵「!!」

??「全くびっくりしたわよ。宿の前で黒焦げになって倒れてたんだから。」

??「どっか痛むとことかない?一応医者には見せたんだけど。」

魔物兵「あ、ああ、もう大丈夫だ。ところでここは?」

??「私の自宅兼職場よ。他には誰もいないから気にせずゆっくりしてて。」

魔物兵「職場?」

鍛冶師「ここで鍛冶屋をやってるの。私の事は鍛冶師ってよんで。」

鍛冶師「そういえばあなたこの辺じゃ見ない顔だけどどこから来たの?名前は?」

魔物兵「」

魔物兵(やばいやばいやばい!)

オペ(落ち着いて下さい。鍛冶師さんはまだあなたが魔王軍の兵士である事は分かっていないようです。)

オペ(適当に答えて切り抜けましょう。)

魔物兵(こいつ直接脳内に・・・?でもこの辺の地理なんてわかんねーよ。余計疑われそうだ。)

鍛冶師「?」

オペ(では記憶喪失のフリをするのはどうですか?)

魔物兵(くそっ!あんまり黙ってると怪しまれるし・・・もうそれしかねーか!)

魔物兵「ダメだ・・・思い出せない。」

鍛冶師「え?」

魔物兵「自分の名前も、故郷も思い出せないんだ。」

鍛冶師「そうなの?なんで黒焦げだったのかも?」

魔物兵「ああ、昨日俺は何をしてたんだ・・・?」

鍛冶師「うーん・・・昨日勇者と魔王軍が宿で戦ってたみたいだからそれに巻き込まれたんじゃないかな。」

オペ(ナイス演技です。)

魔物兵(茶化すな。こちとら真面目にやってんだ。)

鍛冶師「記憶喪失かぁ・・・見たとこお金も持ってなさそうだけど宿のあてはあるの?よかったら記憶が戻るまでウチに泊まっていく?」

魔物兵「いいのか?そうさせて貰えると助かるよ」

鍛冶師「気にしないで。ここには私一人しかいないし、もともと空き部屋だったしね。」

魔物兵(信じてくれた・・・見たいだな。)

オペ(おまけに現地の拠点もGETです。案外楽に潜入できましたね。)

鍛冶師「あ、泊める代わりに石炭運びやら鉱石採取やら手伝ってもらうわよ?」

魔物兵「おう、ただで泊めて貰うんだ。そのくらいはやらせてくれ。」

鍛冶師「それじゃ、私は作業に戻るわ。夕方になったら帰ってくるから。」

魔物兵「俺にも手伝える事はないか?世話になるんだから何かやらせてくれ。」

鍛冶師「ありがとう。でもあなたはゆっくりしてて。まだ病み上がりで本調子じゃないんでしょ?」

鍛冶師「心配しなくても明日になったら仕事は山ほどあるからね。だから今のうちにしっかり休んでて。」

魔物兵「そうか・・・わかった。」

鍛冶師「じゃ、いってきます。」

支援

支援感謝です。
ss書くのは初めてなのでなにかおかしい点があったらお願いします。

オペ(行きましたか?)

魔物兵「ああ、もう普通に話していいぞ。」

オペ「なんとか気づかれずにすみましたね。これからどうします?」

魔物兵「そうだな・・・とりあえず部屋の掃除でもしようかな。」

オペ「はい?」

魔物兵「さっき言ったろ?この部屋整理整頓がなってないって。」

オペ「そんなにひどいのですか?」

魔物兵「床が九割以上見えないレベル。」

オペ「うわ・・・もう鍛冶師さんに任せた方がいいのでは?」

魔物兵「とはいってもこの部屋はしばらく俺が使うからなぁ。このくらいはしねーと」

オペ「律儀な方ですね。」

―夕方―
鍛冶師「ただい・・・ま?」

鍛冶師「ここどこ?」

魔物兵「鍛冶師の部屋だよ。」

鍛冶師「片づけてくれたの?なんか悪いわね」

鍛冶師「いやーたすかったわ。すごくきれいになってるじゃない。」

鍛冶師「床を見るのなんて何年振りかしら?たぶん三年くらい?」

魔物兵「・・・」

鍛冶師「あ、ごはん出来てるよ。降りてきて。」

魔物兵「お、おう」

魔物兵(三年・・・?)

オペ(鍛冶師さん家事が全く出来ない人なんじゃ・・・)

魔物兵(夕食は大丈夫なのか?)

鍛冶師「お腹すいたでしょ?さ、食べて食べて。」

魔物兵「ああ・・・これは・・・缶詰か?」

鍛冶師「そ、魚のね。ひょっとして魚食べれなかった?」

魔物兵「食えんことはないが・・・」(夕飯が缶詰って・・・)

オペ(なんか寂しいですね。)

鍛冶師「じゃ、大丈夫ね。頂きます。」

魔物兵「・・・いただきます。」パク

魔物兵「あ、結構旨い。」ムシャムシャ

鍛冶師「でしょ?」

魔物兵「はー。食った食った。」ドサッ

オペ「ベッドに倒れこむ等の激しい動きは控えてください。通信術式が破損する恐れがあります。」

魔物兵「かてー事言うなよ。ベッドがあったら倒れこみたくもなるだろ。」

オペ「すっかりだらけているようですね。」

魔物兵「まーな。戦場見たいに戦って死ぬ事もねーし、飯は・・・缶詰だが旨いしな。」

魔物兵「出来ることならずっとここにいたいもんだ。」

オペ「任務を忘れないで下さい。今すべきは勇者の動向の調査です。」

オペ「二次作戦に支障が出るので出来る限り急いでください。」

魔物兵「なぁ、その二次作戦ってのはなんなんだ?また宿に突撃兵を雪崩こませんのか?」

オペ「さぁ・・・私にはまだ知らされていません。」

ギシッ ギシッ

魔物兵「やべ、鍛冶師が来た。通信切るぞ。」

鍛冶師「入るわよ」ガチャッ コンコン

鍛冶師「あなたにお客さんが来てるわよ?下で待って貰ってるけど。」

魔物兵「客?ああ、今行くよ。」

支援。酉(詳しくは下で)とsaga(左に同じ)くらいかな?

酉・・・乗っとりを防ぐためのもの。名前欄に #好きな文字列 で出来る。
成功例:#あかさたな→#56gadtpjd5
失敗例:#はまやらわ→#はまやらわ

saga・・・一部の文字化けを防ぐ為の物。メール欄に saga と打ち込むだけでOK。

魔物兵「なあ鍛冶師、客って一体誰なんだ?この辺に俺の知り合いがいるとは思えないんだが・・・」

鍛冶師「まあ、会ってみればすぐ分かるわよ。有名な人だから。」

魔物兵「有名な人ねぇ・・・」

鍛冶師「ほら、着いたわよ。すいませんお待たせしました。」

??「いや、大丈夫だ。こちらこそ突然押しかけて申し訳ない」

魔物兵「あの・・・失礼ですがあなたは?なにか俺に用があるみたいですけど」

勇者「ああ、申し遅れてすまない。私は勇者と呼ばれている者だ。」

魔物兵「・・・・・・」

魔物兵「・・・ファッ!?」

魔物兵(なんで勇者がこんなところに!?まさかもうばれたのか!?)

オペ(病み上がりの体で残党狩りですか。なかなか仕事熱心な方ですね。感心します。)

魔物兵(他人事だと思いやがって!ぶっ殺すぞ!もうじきぶっ殺されるけどなぁ!)

魔物兵「ゆ、勇者様でしたか・・・それは失礼しました。」(落着け俺・・・平静を保つんだ・・・)

勇者「そう固くならないでくれ。別に取って食おうって訳じゃないんだ。」

魔物兵「取って食う!?」

勇者「いや・・・だからそうじゃなくて・・・」

鍛冶師「ほら!なにキョドってんのよ!」バシッ

魔物兵「イタッ!」

鍛冶師「申し訳ありません勇者様。こいつ初めて勇者に会うもんだから緊張しちゃってるんです。」

勇者「いや、いいんだ。今日ここに来たのは君に謝罪がしたくてね。」

魔物兵「謝罪?」(残党狩りじゃなかったのか?)

勇者「ああ、昨日の戦闘に巻き込まれて重傷を負った宿泊客がここに流れ着いてると聞いてね。どうしてもあやまっておきたかったんだ。」

勇者「一般人である君を戦いに巻き込んでしまって本当にすまない。私がもっと強ければこんな事にはならなかった。」

魔物兵(気づかれてない・・・みたいだな。)

勇者「なにかお詫びをしたいが・・・私は旅の途中だし少ないお金も装備品と消耗品に使ってしまってほとんどないんだ。」

勇者「だから旅がひと段落着いたら君の住む家にもう一度お詫びに行こうと思う。」

魔物兵「そこまでしてもらっては悪いですよ。俺も無事だったんですしあんま気にしないで下さい」

勇者「いいやダメだ!守るべき一般人を事故とはいえ傷つけてしまうなどあってはならないことだ!その上その相手に詫びもなしでは武人として・・・いや人として失格だ!」

勇者「ぜひ、君の名前と出身地を聞かせてくれ!どうしてもお詫びに行きたい!」

魔物兵「まいったな・・・名前って言っても・・・」

鍛冶師「勇者様。申し訳ないのですが、コイツは今事故のショックで記憶をなくしてるんです。だから名前も出身地も思い出せない状態で・・・」

勇者「なんだって!私は・・・なんということを・・・」

魔物兵「お、落ち着いてください。さっき何とか名前だけは思いだせましたから!」

鍛冶師「お、本当?幸先いいスタートね。」

魔物兵「だから泣かないでください!この調子だったらすぐに記憶も戻りますから!」

勇者「そうか・・・そうれはよかった・・・安心したよ。」

勇者「そうだ!私は一週間ほどこの町の病院で療養することになっているんだ。」

勇者「もし一週間の内に君の記憶がもどったら私に教えて貰ないだろうか?このままでは君の事が心配で旅に集中できそうにない。」

魔物兵「構いませんが・・・病院で療養ですか?その右手の傷はそんなに深いのですか?」

勇者「ああ、これか?油断していたら敵に右手を切断されてしまった。私もまだまだ未熟だな。」

勇者「医者は二週間かかると言っていたが、一週間で治してみせるよ。」

鍛冶師「無茶はやめてくださいよ?今はあなただけが頼りなんですから。」

勇者「む、もうこんな時間か。私はそろそろ病院に戻るとしよう。」

勇者「最後に君の名前を教えて貰えないだろうか?」

魔物兵「ええ、構いませんよ。俺は魔物兵って言います。」

勇者「魔物兵君か・・・すこし変わった名前だな」

鍛冶師「魔物兵は外国の人なの?」

魔物兵「さぁ・・・そこまでは思い出せないな・・・」(外国どころか敵国の者だけどな)

勇者「それじゃあ魔物兵君。この度は本当にすまなかった。記憶がもどったら私に教えてくれ。」

魔物兵「了解です。」

勇者「夜分遅くに済まなかったね。はやく記憶が戻る事を祈っているよ。」

魔物兵(いっちまった。あれが勇者か、初めて見たな。)

オペ(戦闘中に顔を合わせてるはずでは?)

魔物兵(昨日は真っ暗だったから顔がよく見えなかったんだ。たぶん向こうも俺の顔が見えてなかったんだろうよ。)

オペ(なるほど、命拾いしましたね。)

鍛冶師「ちょっと。なに黙ってるのよ?」

魔物兵「いや、勇者って女だったんだな。ちょっとそれが以外だった。」

鍛冶師「ああ、初めてみる人はみんなそういうわね。戦うのは男の役目ってイメージあるから。」

鍛冶師「あ、そうそう。あしたは早速仕事を手伝って貰うわ。今日は早いとこ寝ちゃいなさい。」

魔物兵「まだ九時だぞ?早すぎねーか?」

鍛冶師「鍛冶屋は朝が早いのよ。しっかり休まないと明日が辛いわよ?」

魔物兵「鍛冶師も大変なんだな。じゃあもう寝るわ。」

鍛冶師「ん、おやすみ。」

>>29
ありがとうございます。
これでだいじょうぶですか?

魔物兵「オペレーター、聞いての通りだ。勇者はこの町に一週間ほど滞在するみたいだ。最短でこれだから出発が伸びる事はあっても早まることはないだろう。」

オペ「そのようですね。あなたの見立て通りで驚きました。」

魔物兵「腐っても医療従事者だからな。」

オペ「そういえばそうでしたね。私はこの事を上に報告します。進展があればまた連絡します。」

オペ「ですが欲しい情報は手に入ったのでじきに帰還許可が下りるはずです。」

魔物兵「たのんだぜ。俺は寝るわ。」

オペ「お休みなさい。」

>>39OK。始まってると思わず途中にやってしまってすまん…

深夜もsagaあんのか

ないんじゃないの?
魔力

魔物兵「・・・朝か。」

オペ「おはようございます。魔物兵さん。」

魔物兵「もう起きてたか。朝はやいなお前。」

オペ「鍛冶師さんは既に鍛冶場に降りて作業をしているようです。」

魔物兵「そうか。せっかくだし何か手伝いに行くか。」

オペ「いってらっしゃいませ。」

鍛冶師「あ、おはよ。おきてたの?」

魔物兵「昨日はかなり早く寝たからな。んで、仕事って何するんだ?」

鍛冶師「今日は素材の鉱石集めね。はい、これ持って。」

魔物兵「なんだこれ?大剣?」

鍛冶師「魔物兵が持ってたものなんだけど・・・覚えてない?」

魔物兵「ああ・・・まあなんとなくは。」(あの時の突撃兵先輩の大剣か。)

鍛冶師「グシャグシャに壊れてたけどなんとかなおせたわ。これもって鉱石集めにいくわよ。」

魔物兵「なんで鉱石集めに武器がいるんですかね・・・」

鍛冶師「採掘にいく洞窟には魔物がうじゃうじゃいるのよ?武装してないと食べられるわ。」

魔物兵「・・・」

鍛冶師「あからさまに嫌そうな顔をしない!魔物が起きる前にさっさと行くわよ!」

―洞窟前―
魔物兵「これが洞窟か・・・」

キュシャァァァァァァァ

魔物兵「早速魔物の声が聞こえてきたんだが・・・大丈夫なのか?」

鍛冶師「この辺の魔物は見た目と鳴き声と戦闘力だけよ。大したことないわ。」

魔物兵「三拍子そろってんじゃねーか。」

鍛冶師「まぁ用心するに越したことはないわね。行きましょ。」

―洞窟内―
魔物「キュシャァァァァァァ!!」

魔物兵「うぉっ!早速敵が!」

鍛冶師「せいやぁ!!」ドゴッ

魔物「きゅー」

魔物兵「たいしたハンマー裁きだな。一撃で粉々か。」

鍛冶師「ふぅ。毎日ハンマー振ってるからね、この辺の雑魚なら瞬殺よ。」

魔物×2「ふしゃぁぁぁぁぁぁ!」

魔物兵「うわっ!またかよ!」

鍛冶師「二匹同時とはついてないわね・・・左のもふもふの奴をおねがい!」

魔物兵(オペレーター。そんな訳なんだが・・・この魔物は魔界の兵士な俺が切っても大丈夫な魔物なのか?)

オペ(鳴き声より***と断定。魔界の指揮下に入っていない原生生物なので倒しても問題ありません。ばっさりやっちゃって下さい。)

魔物兵(了解だ。)

魔物兵「おらぁ!」ブンッ ガスッ

魔物「ふしゅっ!ふしゅしゅ!」

魔物兵「当たったのに切れてない!?どうなってんだ?」

魔物「ふしゃっ!!」がぶっ

魔物兵「いてっ!回復魔法!」

魔物兵「今度こそ・・・食らえ!」ブン ガスッ

魔物「ふしゃしゃ♪」

魔物兵「くそっ!またか、なんで切れないんだ!」

鍛冶師「何をやってるの!?剣を当てるだけじゃ敵は切れないわ!」

鍛冶師「敵を切るなら当てて剣を引きなさい!振りぬくイメージで!」

魔物兵「っ!こうか?」ブン ザシュッ

魔物「ふしゃっ!?」

魔物兵「お!やったか?」

魔物「ふしゃーーー!!」

魔物兵「うわぁ!!」

鍛冶師「斬撃が浅い!まだ生きてる!」ドゴッ グシャッ

魔物兵「きゅー」

鍛冶師「全くどうしちゃったのよ?剣の振り方も忘れちゃった?」

魔物兵「・・・すまん」

鍛冶師「ま、おいおい思いだしていけばいいわ。行きましょ。」

―洞窟内―
大型魔物「ガルルル」

魔物兵「うぉっ!でかい!?」

鍛冶師「もふもふした魔物の中じゃ最強クラスよ!下がってて!」

大型魔物「グルァアア!!」ザシュッ

鍛冶師「くはっ!!」

魔物兵「大丈夫か!回復魔法!」

鍛冶師「っ!?傷が・・・」

魔物兵「くらえぇ!!」ブン ザシュ

大型魔物「グルァ・・・」

魔物兵「だめだ!まだ浅い!」

鍛冶師「上出来よ!!落ちろ!!」

ゴスッ

大型魔物「グルァ・・・ア・・・」ドサッ

魔物兵「やったか!?」

鍛冶師「頭殴って気絶させただけよ!今の内に逃げましょ!」

魔物兵「ここまでくりゃ大丈夫か・・・」

鍛冶師「さっきはありがと」

魔物兵「うん?」

鍛冶師「回復魔法よ。おかげで助かったわ。」

魔物兵「あーあれか。回復魔法は得意なんだ。怪我した時はまかせてくれ。」

鍛冶師「回復魔法が得意かぁ・・・魔物兵の職業は衛生兵とかかしらね。」

魔物兵「記憶をなくす前の話か?確かにそれっぽいな。」

鍛冶師「いや・・・でもそれじゃあなたが大剣を持ってるのが謎ね。やっぱ違うかなぁ。」

魔物兵「なんでだよ。いいじゃないか、衛生兵が大剣担いだって。」

鍛冶師「大剣みたいな大きな武器使うと両手がふさがっちゃうでしょ?そしたら魔法が打てなくなっちゃうじゃない。」

魔物兵「あ」

鍛冶師「だから衛生兵とか魔法兵みたいな後衛職は魔力増幅用の杖か、片手でも扱える軽い武器を持つのが普通なのよ。」

魔物兵「なるほどなぁ・・・」

鍛冶師「あなたは回復魔法が得意みたいだし重たい大剣は向かないんじゃない?よかったらあなたに合いそうな軽い片手武器を見繕ってあげるわよ?」

魔物兵「いや、そこまでしてもらっちゃさすがに悪い。それに剣を使う機会もこの先あんまないだろうからやめとくよ。」

鍛冶師「そう?使えると色々便利だと思うんだけど。一人になった時とか。」

魔物兵「それ以前に代金を払える気がしないからなあ。」

鍛冶師「あー」

―洞窟最深部―
魔物兵「行き止まりだな。道間違えたか?」

鍛冶師「あってるわよ。私はちょっと採掘してくるから・・・」

魔物兵「・・・」ボロッ

鍛冶師「その辺で休憩してて。ズタボロみたいだし。」

魔物兵「すまんそうさせてくれ・・・戦闘で疲れちまった・・・」

鍛冶師「はいはい」

カーンカーン

魔物兵「鍛冶師頑張ってるなぁ・・・あんなに戦ってまだ穴掘りする体力が残ってんのか。」

オペ「いつもはこれを一人でやっているのでしょうか?」

カーンカーン

魔物兵「店には鍛冶師以外にいなかったしそうじゃねぇの?感心するぜ。」

オペ「親はどうしているのでしょうか。」

魔物兵「うん?」

カーンカーン

オペ「彼女は声からしてまだ十代半ばでしょう。その年の人間であれば普通は親と暮らしているはずです。」

魔物兵「さーな。考えてわかるもんでもねーよ。」

魔物兵「それに、そういうのには首を突っ込まないほうがいい。絶対ロクな事にならん。」

オペ「それもそうですね。では話題を変えましょう。あなたの帰還許可のことですが・・・」

魔物兵「お、どうだった?」

オペ「結果から言うとダメでした。あと5日ここに留まってもらう必要があります。」

魔物兵「なんでだよ。勇者は一週間ここにいるって事は確定してんだ。これ以上潜入する理由もないだろ。」

オペ「ですが万が一という事があります。二次作戦の準備が遅延した場合や勇者が予定よりも早く出発した場合に備えてここに待機して貰う必要があります。」

魔物兵「そーかよ。まあ俺は別にいいんだけどな。」

魔物兵「あ、そうだ。潜入するのはいいんだが具体的に何をすればいいんだ?」

オペ「一つだけ。」

魔物兵「おう」

オペ「勇者が予定よりも早くに出発した場合や作戦準備に遅延が生じた場合は勇者を攻撃し、再び重傷を負わせてこの町に引き留めて下さい。」

魔物兵「・・・その任務に増援は?」

オペ「わが軍の襲撃があったので街の警戒レベルが高まりました。増援は送れません。」

魔物兵「ソロプレイ?」

オペ「ソロプレイ」

魔物兵「マジかよ・・・」

オペ「この任務は想定外のことが起こった場合の保険です。作戦の準備が予定通りにおわれば戦う必要はありません。」

オペ「ですが、二次作戦では開発したばかりの新兵器を使用します。なにが起こるかわからないのである程度の準備と覚悟はしておいてください。」

魔物兵「プレッシャーかけないでくれ。頼むから。」

オペ「あなたは一度勇者の腕を切り落とすのに成功してるじゃないですか。それをもう一度繰り返すだけの簡単なお仕事ですよ。」

魔物兵「ありゃ運が良かっただけだ。使ってみて分かったが剣で深手を負わせるぐらい切り込むのって結構難しいんだぞ。」

魔物兵「それに勇者も警戒してるはずだ。もう夜襲も奇襲も通用しない。正面切ってあんなのとやり合って勝てる気しねーよ。」

オペ「そうですか・・・」

魔物兵「せめて剣がもうちょっとまともに扱えればいいんだが・・・」

鍛冶師「終わったー!帰るわよー!」

魔物兵「了解!そんな訳だ通信切るぜ。」

オペ「はい。御武運を祈ります。」

魔物兵(にしても単独で勇者を食い止めろか・・・無理難題言いやがって・・・)

鍛冶師「どうしたの?この世の終わりみたいな顔してるわよ。」

魔物兵「やっぱそんな顔してるか・・・」

鍛冶師「一体なにがあったのよ。休憩中に」

魔物兵「なんでもねーよ。行こうぜ。」

魔物兵(突撃兵が一人でも生きてたらそいつに剣の振り方とか色々聞けたんだろうけどなぁ・・・)

今日はここまでにします
1日8レス投稿11レス書き溜めを目標に頑張ります

いいよー

がんばー

魔物兵「あ」

鍛冶師「ん?どうしたの?」

魔物兵(いるじゃねーか!!目の前に剣の専門家が!)

魔物兵「鍛冶師っ!!」ガシッ

鍛冶師「うわっ!どうしたの?」

魔物兵「さっき断っといてなんだが俺に剣を教えてくれ!頼む!」

鍛冶師「ええ!?いや別にいいけど急にどうしたのよ?」

魔物兵「どうしても剣を使わなきゃならない理由が出来たんだ!!」

鍛冶師「さっきまで休憩してただけよね?本当に何があったのよ・・・」

魔物兵「頼む!回復魔法が使えるだけじゃ滅茶苦茶不安なんだ!」

鍛冶師「・・・」

鍛冶師(そういえば記憶が戻ったらコイツ出て行っちゃうのよね・・・。そのときに一人だから剣がないと不安ってことかぁ。)

鍛冶師「ま、そういうことなら教えるぐらい別にかまわないわよ。」

魔物兵「本当か!!」

魔物兵(助かった!ダメージソースなしで勇者に挑むとか不安で不安でしょうがなかったぜ。)

鍛冶師「あ、おしえて上げる代わりにこれ持って。」ドサッ

魔物兵「お、おう・・・これ全部鉱石か?すごい量だな・・・」

鍛冶師「今日は二人いるから多めに採ってきたわ。全部で60キロくらいかしらね。はい半分」

魔物兵「・・・」

鍛冶師「よっこいしょっと。どうしたの?はやく行くわよ。」

魔物兵「ああ・・・ふぐっ!重っ!!」

―鍛冶屋―
魔物兵「はぁはぁ。やっと帰ってこれた・・・」

鍛冶師「だらしないわねー。男の子なんだからこのくらいちゃっちゃと運びなさないよ。」

魔物兵「なんでお前は息一つ上がってねーんだ。人間じゃねーだろ・・・俺も人間じゃないんだけどさぁ」

鍛冶師「ん?なんか言った?」

魔物兵「なんにも。それより剣の練習ってなにから始めるんだ?できれば今日はキツいことはしたくないんだが・・・」

鍛冶師「わかってるわよ。さすがに今のあんたに実戦をやらせるほど私も鬼じゃないわ。」

鍛冶師「まずは剣選びと簡単な素振りから始めましょ。」

魔物兵「すまん、そうしてくれ。」

魔物兵「しかし剣選びかぁ・・・短剣とか使いやすそうだな。軽そうだし。」

鍛冶師「あー無理無理。あんたじゃたぶん使えないわ。」

魔物兵「なんでだよ。軽いだろ。」

鍛冶師「軽けりゃいいってもんでもないのよ。ま、そのへんの事も含めてお昼でも食べながら色々話しましょうか。」

魔物兵「そういやまだだったな。」

魔物兵「昨夜と今朝に引き続きまた缶詰かよ。頂きます。」

鍛冶師「いいじゃない。準備も片付けも楽なのよ。」

魔物兵「へいへい、そういや短剣の話をまだ聞いてなかったな。何がダメなんだ短剣は。」

鍛冶師「別にダメってわけじゃないわよ。短剣は軽いし小さいから子供にも扱える。護身用として持つなら一番よ。」

魔物兵「だったら・・・」

鍛冶師「あくまで護身用としてはね。魔物と戦うにはリーチが短かすぎるし防御もできない。所詮は道具の域をでない刃物なの。」

鍛冶師「そんな武器で魔物を倒せるくらいに使いこなすには格闘術もある程度できないと駄目よ。あと敵の攻撃は基本回避だから結構な動体視力と身体能力も必要ね。」

魔物兵「なるほどなぁ・・・じゃあ俺には一体何が向いてるんだろうな。」

鍛冶師「洞窟の中でも言ったけど片手で扱えそうな軽い剣が一番ね。結構種類あるし色々振って選びましょ。」

―鍛冶屋・工房―

鍛冶師「さてっと。早速剣を選ぶ訳だけど何から使ってみる?」

魔物兵「一番売れてる奴で頼む。」

鍛冶師「じゃあこれかしらね。ロングソード。」ガチャ

鍛冶師「刺突にも斬撃にも適しているからどんな状況にも対応できるわ。とりあえず振ってみて。」

魔物兵「おう。って重っ!!これ片手でふれるのか?」

鍛冶師「うーん・・・確かに元々が騎兵用の武器だからそこそこ筋力がないと振れないかもね。」

魔物兵「いや、ちょっと無理すれば振れるぞ。ホラ」ブンブン

鍛冶師「振ってるっていうか剣に振られてるって感じね。下手したら自分が怪我しかねないわ。別のにしましょ。」

鍛冶師「しかし、ロングソードがダメとなると重さ的にカットラスとサーベルもダメね。えーと・・・軽いやつ軽いやつ。」ガチャガチャ

魔物兵「なんかすいません。俺の体力がないばっかりに・・・」

鍛冶師「別にいいわよ。これならどう?この店で一番軽い武器よ。」ガチャッ

魔物兵「なんだこりゃ。でかい針か?」

鍛冶師「まあそういわれても仕方ないわね。これはエストックっていうのよ。」

魔物兵「エストック・・・」

鍛冶師「そ、他の剣と違って斬る機能をなくして突く事に特化した剣よ。適当に突いてみて。」

魔物兵「突くっていわれてもなぁ・・・こうか?」ヒュンッ

鍛冶師「お、結構様になってるわね。」

魔物兵「いいなこれ。気にいったわ。」ヒュン ヒュン

鍛冶師「他に振れるような軽い剣もなさそうだしれで行きましょうか。」

―鍛冶屋・裏庭―
鍛冶師「じゃあ軽く練習しましょうか。そこのカカシに適当に攻撃してみて。」

魔物兵「おう」ヒュン ドスッ

鍛冶師「うんうん。初めてにしてはいい感じね。出来たら攻撃が当たったらすぐにカカシから剣を抜くことも意識しましょうか。」

魔物兵「すぐに抜くか・・・こうか?」ドスッ ヒョイッ

鍛冶師「そうそう。あんまり敵に長い事剣を刺してると肉が固くなって剣が抜けなくなるからね。」

魔物兵「なるほどなぁ・・・」

鍛冶師「それじゃその調子で練習してて。私は作業してくるから。」

魔物兵「うーす。」

―二時間後―
魔物兵「ハァッ!」ヒュン ドスッ

鍛冶師「お、やってるわね。調子はどう?」

魔物兵「いい感じだ。だんだん狙った所に当てれるようになってきたぜ。」ドスッ

鍛冶師「うんうん。二時間でこれなら上出来ね。後は手だけで剣を振ってる所があるからそこを治しましょうか。」

魔物兵「なにいってんだ?剣は手で振るもんだろ?」

鍛冶師「手の力だけじゃなくって体全体の力で剣を振れってことよ。ま、ちょっとその剣貸してみなさい。」

魔物兵「おう。」

鍛冶師「まず腰をおとす。」

魔物兵「はい。」

鍛冶師「この時軸足は・・・利き足じゃない方の脚は膝を極力柔らかくしておく。」

魔物兵「・・・。」

鍛冶師「そして右手を軽く引いて・・・」

鍛冶師「軸足をバネのようにつかって素早く一歩ふみだす!!」 ビュンッ ドスッ

鍛冶師「まぁこんな感じね。どう?威力も速さも結構あがるでしょ?」

魔物兵「体全体を使って剣を振れ、か・・・ありがとな鍛冶師。もうちょっと練習してみるわ。」

鍛冶師「ん。暗くなる前には戻るのよ。」

―更に二時間後―
魔物兵「ハァッ!」ビュン ドスッ

魔物兵「よっし。だいぶコツがつかめてきたな。」

オペ「お疲れさまです。もう暗くなるのでそろそろ戻られたらいかがですか?」

魔物兵「そうするか。さて、今日の夕飯はなんだろうな。」

オペ「どうせまた缶詰でしょう。」

魔物兵「どうせってなんだどうせって。まだ解らんだろ。」

魔物兵「ただいまー」

鍛冶師「おかえり。随分頑張ってたのね。」

魔物兵「そりゃ自分の命がかかってるからな。」

鍛冶師「?とりあえずご飯出来てるから早いとこ手洗ってきなさい。」

魔物兵「おう。ちなみにメニューは?」

鍛冶師「鯖の缶詰か秋刀魚の缶詰なんだけどどっちがいい?」

魔物兵「・・・秋刀魚で頼む。」

―鍛冶屋・魔物兵の部屋―
魔物兵「はー、つっかれたー」ドサッ

オペ「お疲れ様です。鉱石運びに剣の練習と随分とハードな一日でしたね。」

魔物兵「ああ。だが剣のコツは掴んだ。これでちょっとは勇者とも戦えるだろ。」

オペ「それはよかったです。上から二次作戦の準備が少し遅れ気味だとの報告があったので・・・」

魔物兵「おい!大丈夫なのか!?」

オペ「作戦決行日をずらすほどの遅れではないそうなので大丈夫でしょう・・・多分」

魔物兵「本当に頼むぞ?あんな化け物と戦って勝てる気しないからな。」

―翌朝―
鍛冶師「今日は石炭集めをするわよ。」

魔物兵「石炭?」

鍛冶師「そ。と言っても近くの炭鉱に採掘済みの商品を買いに行くだけだからモンスターがいない分昨日よりは楽なんだけどね。」

魔物兵「そうか、そりゃよかっ」

鍛冶師「まあ荷物は昨日の倍くらいあるんだけど」

魔物兵「・・・」

鍛冶師「あからさまに嫌そうな顔をしない!さっさといくわよ!」

―市街地・中央区―
魚屋「今朝とれたばかりの新鮮な魚だ!!一山たったの300G!!」

薬草屋「正真正銘本物の高麗人参だ!ここでしかかえないよぉ!」

魔物兵「ずいぶんにぎわってるなぁ。戦時中とは思えないぜ。」

鍛冶師「戦時中だからこそよ。この街は前線に近いから兵士が集まってたくさん買ってくれるの。だからこの活気のよさよ。」

魔物兵「へー」

鍛冶師「おかげで私の剣も売れてるんだけど・・・喜ぶべきなのか嘆くべきなのか。」

魔物兵「複雑だな。」

鍛冶師「まーねっと、一雨ふりそうね。濡れるのいやだから急ぎましょ。」

―炭鉱・入口―
魔物兵「ここが炭鉱か。随分とでかいな。」

鍛冶師「王国有数の大型炭鉱だからね。従業員の数も相当よ。えーと石炭の販売所は・・・」

ポツポツ

魔物兵「うわ降ってきた。どっか雨宿り出来る所はないのか?」

鍛冶師「ちょっと待ってて・・・えーとここが13番倉庫だから・・・あーもう!なんでこんなに広いのよ!」

魔物兵「王国有数の炭鉱だからだろ。」

鍛冶師「わかってるわよ!たぶんこっち、行きましょ!」

―炭鉱・石炭販売所―

ザァァァァザァァァァ

魔物兵「おーおー。降ってきた降ってきた。ギリギリだったなあ。」

鍛冶師「石炭が濡れるとマズイしここで待つしかないわね。はぁ面倒なことになったなぁ。」

魔物兵「面倒?なにがだよ?」

作業員「お!鍛冶師ちゃん!」

鍛冶師「・・・アレよ。」

作業員「そっちから勝負しにきてくれたってことはやっとおれと付き合う気になったのか!」

鍛冶師「違うわよバカ。今日は石炭を買いにきただけ。」

作業員「何だよ期待しちまったじゃねーか。」

鍛冶師「私ふつうに来ただけよ?とりあえずこのお金で買えるだけお願い。」

作業員「おう!鍛冶師ちゃんの頼みだ!5秒で終わらせてやるぜ!」

鍛冶師「計算間違いが怖いからゆっくりやって。」

作業員「くっ分かった・・・」

魔物兵「鍛冶師、この人は?お前のこれか?」小指ヒョイ

作業員「おうそのとりだ!お前なかなか見る目あr

鍛冶師「違うわよ。こいつはここの炭鉱の作業員。たまに炭鉱の防衛もやってるわ。私との関係は・・」

作業員「未来の夫f

鍛冶師「ただの腐れ縁よ。」

魔物兵「そうなのか・・・そういや勝負ってのは?」

鍛冶師「あー。こいつが付きあってくれってあまりにもうるさいから「私に剣の勝負でかったら考えてあげる」って言っちゃったのよ。」

魔物兵「へー。それでどうなったんだ?」

鍛冶師「勝負は私の勝ち。でも諦めきれないのか作業が休みの日になるとハルバードかついで「リベンジだ!」って叫んで襲撃にくるのよ。」

魔物兵「それは・・・警察に相談じたほうがいいんじゃないか?この国にもあるんだろ?」

鍛冶師「あるんだけどさすがにそこまではね・・・今のところ返り討ちに出来てるし。」

魔物兵(あの屈強な作業員を帰り討ちか・・・)

オペ(鍛冶師さんぱねぇ)

魔物兵(全くだ。王国の鍛冶師舐めてたな。)

作業員「よし、おわったぜ!この金額なら120キロってとこだな。8番倉庫に用意しとくから後で取りに来てくれ。」

魔物兵(120キロ・・・やっぱそのくらい買うのか・・・)

作業員「そういや鍛冶師ちゃん、いっしょにいるひょろいのは誰なんだ?従業員でもやとったのか?」

鍛冶師「ああ、この人は魔物兵。わけあって記憶をなくしてる旅人さんよ。」

魔物兵「どうも」

作業員「記憶がないってかぁ。そりゃたいへんだなぁ。仕事はどうしてんだ?」

鍛冶師「大丈夫よ。今は私の家でくらしてるからお金の心配はないわ。」

作業員「」

作業員「鍛冶師ちゃん・・・いまなんて・・・?」

鍛冶師「え?私の家に泊まってるって・・・あ。」

作業員「なんだそりゃぁぁぁぁぁ!!ほんとか魔物兵!」

魔物兵「え、ああ、まあ・・・」

作業員「俺なんてまだ部屋に入れて貰ったことすらねーのに!!」

鍛冶師「いや、あんたは部屋にあげたらなにするか分かんないとこあるし。」

作業員「そんな俺をさしおいて鍛冶師ちゃんと同棲だとぉ!?ふざけんのも大概にしろ!」

鍛冶師「だめだこりゃ。聞いてないわ。」

作業員「魔物兵ェ・・・俺の鍛冶師ちゃんに手を出した罪は重いぜ・・・死ぬ覚悟はできてんだろーなぁ?」

鍛冶師「俺のって・・・いつ私があんたのものになったのよ・・・」

魔物兵「おい鍛冶師、なんか面倒な事になりそうなんだが大丈夫なのか?」

鍛冶師「大丈夫・・・なんじゃないの?多分・・・」

作業員「決闘だぁ魔物兵!どっちが鍛冶師ちゃんにふさわしいか勝負しろぉ!!」

魔物兵「面倒な事になっちまったよ。とめてくれ鍛冶師」

作業員「オイオイ逃げんのかぁ?俺と戦えよ!この場ではっきりさせてやる!!」

魔物兵「そーはいってもなぁ・・・」

鍛冶師「あら?別にいいじゃない。どうせ雨が止むまで暇なんだし。」

作業員「おっしゃぁ!」

魔物兵「え!?」

鍛冶師「あなた対人戦は初めてでしょ?きっといい経験になるわ。」

魔物兵「そーいう問題じゃねーだろ。あいつの暴走を解いてくれ」

間違えてあげてしまいました
すいません

鍛冶師「大丈夫よ。試合って言っても使うのは木刀だから大けがしないわ。安心して行ってきなさい。」

魔物兵「そうか・・・じゃあちょっとやってみるか。作業員!この木刀借りるぜ!」

作業員「おういいぜぇ・・・好きなもん選べよ。何選らんでも内臓引きずりだしてなぶり殺しにしてやるぜぇー!」

魔物兵「おい!話がちがうじゃねぇか!ガチで殺りにきてるぞ!?」

鍛冶師「うん・・・やばくなったらさすがにとめるわ・・・」

作業員「六番倉庫にこいやオラァ!決着つけるぞぉ!」

―六番倉庫・空きスペース―
作業員「おらぁ!どっからでもかかってこいやぁ!!」

魔物兵「なんだあの殺気は・・・俺死ぬんじゃないか?」

鍛冶師「・・・作業員が暴走ぎみだから一応私が審判をするわ。ルールの確認だけどどちらかに一本入ったらそこで終了、制限時間はなし、私が試合を止めても攻撃を続けた場合はジャッジキル。これでいいわね?」

魔物兵「・・・助かる」

作業員「おう!問題ないぜ!」

鍛冶師「それじゃあ・・・両者位置につけ!!」

魔物兵「・・・」スッ

作業員「・・・」ガチャ

鍛冶師「始め!!」

作業員「うおぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!」ブンッ

魔物兵「うぉっ!」ガキィン

オペ(相手の兵装はハルバード、長槍と戦斧を組み合わせた大型武器です。木製の模造品ですが威力は大きいでしょう。)

オペ(剣による防御をしてはあなたの剣が折られる可能性があります。回避を主体に戦って下さい。)

魔物兵「無茶言うなって。うわぁ!!」ガキィン

作業員「おらおらどうしたぁ!!そのひょろい剣ごとへしおっちまうぞぉ!!」ガキィン ガキィン

魔物兵(攻撃範囲が広すぎる!こんなん避けきれねーよ!)

魔物兵(こうなったらいったん距離をとって・・・)

作業員「逃げんなおらぁ!!」ブンッ

魔物兵「・・・ッ」ガキィン

魔物兵「はぁはぁ・・・」(リーチがでかすぎる!距離をとることもできない)

作業員「ふん。付け焼き刃だな。剣と鍛冶師ちゃんがないてるぜぇ!!」ブン

魔物兵「うるせぇ!!」ガキィン ピシッ

魔物兵「!」(やばい!木刀にヒビが!)

魔物兵「くそっ!なんか弱点はないのか!」

オペ(弱点ですか・・・それならばハルバード自体が弱点といえるかもしれません。)

魔物兵(どういうことだ?)

オペ(ハルバードの多機能さとリーチは確かに脅威ですが、その分取り回しも悪く扱いづらいという欠点もあります。)

オペ(ですから攻撃の直後の隙が非常に大きい。そこがチャンスになります。)

魔物兵(ナイスアシストだ、オペレーター。しかしこれルール的に大丈夫なのか?)

オペ(気づかれていないので問題はないでしょう。それに半人前の魔物兵さんにはこのくらいのサポートがあってちょうどいいかと)

魔物兵(半人前っていうな。そろそろ一人前だ!)

作業員「なにボーっとしてんだ!おらぁ!!」ブンッ

魔物兵「うぉっと!」ガキィン ミシッ

作業員「チッ。しぶといな・・・」

魔物兵(だめだ・・・攻撃を防御したんじゃ反動ですぐに攻撃できない!!)

魔物兵(それにもう木刀がもたない・・・!次の攻撃はなんとかして避けないと・・・)

鍛冶師「なにやってるの!避けないと木刀が壊れるわよ!!」

魔物兵「わかってる!でも攻撃が予測できない以上回避なんて・・・」

鍛冶師「あーもうじれったいわね!相手の目を見なさい!どこを狙ってるかが大体わかるから攻撃が予測しやすくなるわ!」

作業員「鍛冶師ちゃん!?なんでそいつのサポートを!?」

鍛冶師「あ、そういえば私審判だったっけ?ごめんごめんつい熱くなっちゃって。」

オぺ(ホームで戦ってるはずの作業員さんが完全アウェイとはこれ如何に。)

魔物兵(実質3対1だからな。)

作業員「くそぉぉぉぉ!!くらえぇぇぇぇ!!」ブンッ

魔物兵「うわぁ!!」ガキィン ビシビシッ

鍛冶師「怖がってちゃだめ!ちゃんと目を開けて相手をしっかりみなさい!」

作業員「鍛冶師ちゃん!審判、審判!」

魔物兵(もう木刀がボロボロだな、あと一回食らったら折れそうだ。)

魔物兵(次は絶対よけなきゃ!)

作業員「ふん。いままでよくこの俺の攻撃に耐えきったな。」

魔物兵(剣じゃない・・目をみろ・・・あいつはどこを見てる・・・?)

作業員「だがこれで終わりだ!うらぁ!」ブンッ

魔物兵(あいつの視線は・・・俺の脚元。その軌道なら・・・!)

魔物兵「ジャンプで避けれる!」

作業員「なっ!?」

鍛冶師「よしっ!!」

作業員「くっマズイ・・・!」

ハルバードは空を切り、作業員はおおきく体勢を崩した

魔物兵「終わりだ!くらえ!」ビュン

最初で最後の攻撃チャンス。魔物兵は全力で突き攻撃を放った。しかし

魔物兵「は・・・?手ごたえナシ?」

見ると魔物兵の剣は全力の刺突に耐えきれず根本から折れてしまっていた。

魔物兵(くそっこんな時に・・・!剣でガードしすぎたか!)

作業員「びびらせやがって!おらぁ!」ブン

今の魔物兵には防御も回避もできない。

魔物兵は2メートルほど吹き飛ばされた

魔物兵「かはっ・・・いてて」

鍛冶師「そこまで!勝者作業員!」

作業員「いよっしゃぁ!どーだ鍛冶師ちゃん!こんなひょろいやつより俺のほうが全然・・・」

鍛冶師「あーあー、痛そうね。大丈夫?」

魔物兵「大丈夫だ・・・回復魔法」

作業員「って見向きもしねぇ!!たくこんなやつのどこがいいんだよ!」

鍛冶師「おしかったわね。でも基本はバッチリだったわ。最後のアレが通ってたら勝ってたかも。」

作業員「鍛冶師ちゃん・・・俺勝ったよね?スルー・・・なの?」

鍛冶師「うっさいわね。あんたは剣初めて三年でしょ?魔物兵は昨日始めたばっかなの!」

作業員「な・・・まじかよ・・・」

鍛冶師「むしろ初心者にてこずりすぎ!そんなんじゃいつまでたっても私に勝てないわよ!」

作業員「~~!!おい魔物兵!」

魔物兵「な、なんだ!?」

作業員「次あったらもう一回勝負しろ!今度こそ華麗に瞬殺して鍛冶師ちゃんをふりむかせてやる!」

魔物兵「・・・もっと別な方法をみつけた方がいいと思うぞ?」

鍛冶師「お、ちょうど雨もあがったみたいね。そろそろ帰りましょうか。」

作業員「気を付けてな!石炭は8番倉庫に用意出来てるから持って行ってくれ!」

魔物兵(そういや石炭運びが残ってたな。はぁ、120キロか・・・)

オペ(辛いでしょうげど頑張ってください。これも任務と考えて)

鍛冶師「あ、倉庫のリアカー借りてくわよ?」

作業員「おういいぜ!好きな時に持ってきてくれ!」

魔物兵(なんだ、リアカーあるのか・・・)

面白い

支援

あんだけ叩かれてまだ書くとか頭おかしいんじゃないの?
二度とss書くなゴミ

支援

支援
このまま完走してほしい。
>>109わざわざ叩きにくるとかどんだけツンデレなんだよお前www

あんだけ叩かれてってどこで叩かれてんの?

構うなよ

悪役は実は正義で主人公です(迫真)
いい加減しょーもないわ

>>109
>>114
ばーっかwwwww

ゆっくりでいいから完走希望 支援

―市街地・中央区―

ゴトゴト

魔物兵「はあ、体中いてぇ・・・あの野郎思いっきり殴りやがって」

鍛冶師「まあまあ、いい勝負できたんだしいいじゃない。初めてにしてはいい動きしてたわよ」

魔物兵「ありがとな。しかし相手が人かカカシじゃ随分違うな。いい練習になるぜ。」

鍛冶師「攻撃もするし防御もするからね。人と練習するのが一番上達するわ。帰ったらちょっと私と練習してみる?」

魔物兵「そりゃ嬉しいが・・・作業の方はいいのか?」

鍛冶師「あ、忘れてた。大丈夫、マッハで終わらせるわ」


―鍛冶屋―
鍛冶師「ただいまー」

魔物兵「おうおかえり」

鍛冶師「ふふ、ただいま」

魔物兵「・・・なんで二回言った?」

鍛冶師「挨拶が帰ってくるっていいなって思ってね。別に深い意味はないわ」

鍛冶師「さて、私はすぐ作業に移るけどその間あなたはどうしてる?」

魔物兵「そう言われても特にすることもないんだよなぁ・・・どうするか」

鍛冶師「だったらちょっと買い物に行ってきてくれない?缶詰が尽きそうなのよ」

魔物兵「別にいーけどよ・・・お前もうちょっとちゃんとしたもん食えよ。体壊すぞ?」

鍛冶師「いーじゃない。おいしいし、片付けもしなくていいし。おかげで台所だけはすごくキレイなのよ。」

魔物兵「それ使ってないだけだろ。」

鍛冶師「うっさいわね。はいこれお金、これで適当な缶詰を適当に買ってきて」

魔物兵「うーす」

―市街地・西区―

魔物兵「さて。市街地まで来た訳だがどこに缶詰が売ってるんだろうな」

オペ「のんびりあるいて探しましょう。急ぐ必要もなさそうですし」

魔物兵「できればさっさと帰りたいんだけどな」

オペ「どうかされましたか?」

魔物兵「王国の警備兵がいる。街の警戒レベルが上がってるってのは本当だったな」

オペ「・・・分かっているとは思いますが目立つ真似はやめてくださいね?」

魔物兵「了解だ。さっさと買い物を終わらせて離脱しよう」

魔物兵「すまん、ちょっといいか?」

幼女「なぁに?どうしたのお兄ちゃん?」

オペ(何考えてるんですか魔物兵さん!!初対面の幼女に声掛けるなんて!)

魔物兵(一番近くにいたから声かけたんだが・・・まずかったか?)

オペ(幼女に声かけるのがどれだけ目立つか知らないんですか?きっと警備兵にも目をつけられますよ!)

魔物兵(んな馬鹿な。たかだか声掛けたくらいで・・・)チラッ

警備兵A「・・・」ジロッ

警備兵B「・・・」ジー

警備兵C「こちらパトロール。幼女に声をかける事案が発生、直ちに増援を送れ」

魔物兵「うわマジだ・・・幼女恐るべしだな」

幼女「おにいちゃん?」

魔物兵「ああすまん。缶詰を売ってる店を探してるんだが知らないか?」

幼女「それならしってるよ!こっち!」タタタ

魔物兵「ちょ、待ってくれ!」

警備兵A「逃げたぞ!路地裏に入った!」

警備兵B「あのやろう・・・暗がりに幼女を連れ込んで何する気だ!!」

警備兵C「逃がすな!追え!」

―市街地・路地裏―
魔物兵「ずいぶん狭いな・・・本当にこんな所にあるのか?」

幼女「こっちが近道なの!はやくはやく!」

魔物兵「ああ、わかった!」

魔物兵(しかし本当に狭いな・・・人一人はいるのが限界って)

・・・・・・・・・・・・

警備兵A「くそっ!見失ったか・・・」

警備兵B「ペロッ・・これは・・・幼女の足跡!こっちだ!」

警備兵C「でかしたB!追いかけるぞ!」

―市街地・東区―
幼女「とうちゃーく!」

魔物兵「うおっと、いきなり開けた所にでたな。えーと・・・前いた所が西区だからちょうど反対側に出た訳か」

オペ(随分ショートカットしましたね)

魔物兵「全くだ。んで缶詰屋はどこにあるんだ?」

幼女「えーとね・・・こっち!」タタタ

魔物兵「あんまり走ると危ないぞー」

>>1です。
相変わらずのぶつ切り投下で申し訳ありません
自分はこれから期末テストに入るので二週間ほど書き込めないと思うのですがスレって二週間で落ちますか?

そしてたくさんシエンありがとうございます
こんなにみてくれる人がいるとはおもいませんでした

定期的に上げれば問題ないはず
スレ番号700を下回らないようにすれば大丈夫

警備兵Bは何を舐めたのか

ふと思ったが魔物兵は今何着て外歩いてんだろ?
まさか魔物兵の制服で街をうろついてんのか?

支援

逃げたか

保守

保守あげ

幼女「ここだよ!」

魔物兵「そっか、道案内さんきゅーな」

幼女「えへへー。じゃあねー」フリフリ

魔物兵「おうじゃあな」ノシ

警備兵A「幼女が・・・去っていく・・・?」

警備兵B「なんだ?俺たちの勘違いだったのか?」

警備兵C「取り越し苦労だったか・・・帰るぞ」

ガチャ

魔物兵「ごめん下さい。缶詰を買いに来たんですけど」

店主「おや?鍛冶師ちゃん以外に缶詰買いにくる客がいるとは珍しいね。いくつだい?」

魔物兵「とりあえずこのお金で買えるだけお願いします」

店主「はいよ。包むからちょいと待ってておくれ」ガサゴソ

店主「ん?そういやお客さんこの辺じゃ見ない顔だね。旅のひとかい?」

魔物兵「え?ああ、まあそんな所です」

店主「そうかそうか。外じゃ魔物が大暴れしてるってのに大変だねぇ。そうだ、この缶詰もすごい重さになりそうだし後で配達してあげるよ。宿はどこをとってるんだい?」

魔物兵「いいんですか?俺は鍛冶師の所で世話になってます。」

店主「鍛冶師ちゃんのところねぇ、するてぇとこれは鍛冶師ちゃんに頼まれた品か・・・お前さん料理は出来るかい?」

魔物兵「人並みにはできますけどそれがどうかしましたか?」

店主「鍛冶師ちゃんと暮らしてるんならわかるだろう。あの子料理が出来ないから缶詰しか食わねぇんだ。料理が出来るんなら普通の食材買ってあの子にマトモなもん食わせてやってくれねぇか?」

魔物兵「ああ、なるほど」

店主「頼むぜ兄ちゃん。あの子変な所で意地張るからこうでもしねぇとちゃんとした食事をとらねぇんだ。」

魔物兵「そういう事なら協力しますよ。俺も缶詰には飽きてきたところですし」

店主「そうか!ありがとうな!安くしとくぜ!」

魔物兵「なんかたくさん貰ってしまった・・・お金めちゃくちゃ余ってるぞ」

オペ「よかったじゃないですか。当分食料には困りませんよ」

魔物兵「そりゃそうなんだが・・・人間はなんというか、人に優しすぎやしないか?家に泊めてくれた鍛冶師といい、鍛冶師の食生活に気を使う店主といい」

オペ「それに協力するあなたもあなたですけどね。とはいえ人間とはそういうものです。見捨てるという事を知らず、困っているものがいれば損得を考えずに手を差し伸べる・・・彼らの致命的な弱点です。」

魔物兵「いいことじゃないか。弱点なのか?」

オペ「戦場では大きな弱点です。さっきもいいましたが人間は傷ついた仲間を見捨てません。」

オペ「手足が吹き飛んでいても安全圏に担いで運ぶかその場で治療を試みますし、ごく稀にですが死体すら回収しようとします。戦闘中にですよ?」

オペ「そのような者は戦場では恰好の標的です。まるで「まとめて殺してくれ」と言わんばかりの」

魔物兵「・・・」

オペ「ですから人間と戦う際には狙撃で敵兵の脚を撃ち、助けに来た者をまとめて範囲魔法で吹き飛ばすか、地雷で兵士一人の手足を奪い部隊全体の移動スピードを遅らせた上で包囲し殲滅する方法が効果的です」

魔物兵「上の方は随分とえげつないことを考えるな」

オペ「私もそう思いますが勝つために手段は選んでいられません。利用できるもの・・・彼らの仲間を見捨てない心は最大限有効活用すべきです。」

魔物兵「仲間を見捨てない心・・・か。お前はそう言うかもしれないけど俺はそういうのも悪くないと思うぜ。」

オペ「はい?」

魔物兵「いや・・・俺もまだうまく言える訳じゃないし、確かにお前の話を聞く以上欠点以外の何ものでもないんだが・・・この街の人を見てるとそうやって誰かと助け合って生きていくってのもいいなって思うんだ。なんとなくな」

オペ「そうでしょうか?」

魔物兵「魔族にはそういうのあんまりないだろ?俺だって戦場で怪我しても「自己責任だ
」って言われて自力で帰らなきゃならない時もあったし、逆に仲間を捨てた時も何回かあった。」

オペ「魔族は人間とは反対に他人には無関心、不干渉を貫きますからね。私達の国ではそれが当たり前です。気にする必要はありません。」

魔物兵「俺もついこないだまでそう思ってたんだが・・・人間をみてるとどうもそれが間違っててるような気がする。」

オペ「何を考えているのかわかりませんが妙な行動は起こさないで下さい。いいですね?」

魔物兵「謀反なんて大それたこと考えてねーよ。ただ、また軍に帰ってこれたらもう少しだけ仲間に優しくなろうと思っただけだ」

オペ「そうですか。ですがさっき言った通り優しさは致命的な弱点になりえます。それがあなたの首を絞めないことを祈ります。」

魔物兵「そうだなっと。そうこうしてたら鍛冶屋についた。ただいまー」

―鍛冶屋・工房―
鍛冶師「ん、おかえりなさい。随分早かったわね」

魔物兵「ああ、街の人に近道を聞いてな・・・ってうおぉ!?」

鍛冶師「どうしたの、へんな声あげて?」

魔物兵「おまっ・・・なんて恰好してんだ!サラシ一枚って!」

鍛冶師「あーこれ?しょうがないじゃない。工房はめちゃくちゃ暑いんだからこうでもしないとやってらんないわ」

魔物兵「そうは言ってもな・・・」

オペ(魔物兵さん、今チラッと鍛冶師さんの胸見ましたよね)

魔物兵(あ?見てねーよ)

オペ(あなたの見たものは通信魔法を通してこちらでも見る事が出来るのでバレバレですよ。はぁ、これだから男は・・・)

魔物兵(・・・うるせぇ)

鍛冶師「ん?どうしたの?」

魔物兵「なんでもねーよ!俺は先に飯の用意をしてるからな、台所借りるぞ?」

鍛冶師「あ、おねがい。私はまだかかるから先食べてていいわよ」

―鍛冶屋・台所―
魔物兵「さて、食材は山ほどあるわけだが・・・何を作るか」

オペ「ジャガイモと人参と鶏肉があるのでシチューなんてどうですか?」

魔物兵「シチューか、いいな。ご飯にかけて食うと旨いよな」

オペ「バカ言わないで下さい。トースト一択ですよ」

魔物兵「わかってねぇなぁ。これだから子供は」ザクザク

オペ「何度でも言いましょう。シチューにはトーストです」

魔物兵「おまえさあ、カレーにはご飯だろ?」

オペ「・・・まぁそうですけど」

魔物兵「だったらシチューにもご飯だろ」

オペ「待ってください、その理論は間違ってます」

魔物兵「よし、大体できた。後は軽く煮込むだけだな」

オペ「お疲れさまです。なかなかおいしそうですね」

魔物兵「料理は慣れてるからな。さて、鍛冶師を呼んでくるか」

オペ「あ、魔物兵さん。鍛冶師さんを呼ぶ前に一つ聞いておきたいことが」

魔物兵「ん?どうしたんだ?」

オペ「魔物兵さんもやっぱり鍛冶師さんみたいに大きい人がいいんですか?見てましたし」

魔物兵「お前なぁ・・・まだ根に持ってんのかよ。ありゃ不可抗力だろ」

オペ「大事なことです。答えてください」

魔物兵「そりゃあ・・・大きけりゃ大きいほうがいいに決まってんだろ」

オペ「そうなんですか。あー絶壁でよかった」

魔物兵「どういう意味だコラ」

―鍛冶屋・食卓―
魔物兵「おし、またせたな」

鍛冶師「ずいぶん遅かったじゃない。ってあれ?シチューの缶詰なんてあったの?時代は進んでるわね」

魔物兵「んな訳あるか。俺が作ったんだ、店のおっちゃんに頼みこまれてな」

鍛冶師「へぇ、これあんたが作ったの?まぁ頂ます・・・」パク

鍛冶師「あ、おいしい!」

魔物兵「そうか。そりゃよかった」ニッ

鍛冶師「こんなにおいしいご飯が毎日食べれたら幸せだわー。あんたウチに嫁がない?」モグモグ

魔物兵「なんでそうなる。そうなるにしても逆だ逆」

鍛冶師「ごちそうさま。久々においしいご飯が食べれたわー」

魔物兵「大げさだな。このくらい作り方を覚えればすぐ作れるよ」

鍛冶師「それが出来ないから大変なのよ。なにか給料的なモノを・・・あ!」

鍛冶師「あんたが持ってきた大剣ってもう使わないわよね?貰っちゃっていい?」

魔物兵「別にいいが・・・あんなのどうするんだ?」

鍛冶師「明日になればわかるわよ♪私はもうちょっと工房で作業しなくちゃならなくなったから夕方言ってた練習は明日でいい?」

魔物兵「ああ分かった。あんまり無茶するなよ?」

―鍛冶屋・魔物兵の部屋―
オペ「突然ですが魔物兵さん。いい知らせと悪い知らせがあります。どちらから聞きたいですか?」

魔物兵「どうしたんだいきなり。いい知らせから頼む」

オペ「了解です。作戦の日程が予定より早まりました。時間は未定ですが明後日中には二次作戦が開始されます。」

魔物兵「お、本当か?早く帰れるって事だな」

オペ「ええ、やっと詳しい作戦指示書がでました。どうやら再び勇者に夜襲を仕掛けるようですよ。今回はその道の専門の方も加えて」

魔物兵「よくわからんが俺の出る幕はなさそうだな。」

オペ「そうですね。作戦開始の前にはあなたに帰還許可が下りるはずです。次に悪い知らせの方ですが・・・」

オペ「帰還する際、転移魔法による離脱が出来ないかもしれません。最悪自力で魔王軍の勢力圏まで歩いていただく必要があります。」

魔物兵「なんでまた?転移魔法を使える奴が戦死でもしたか?」

オペ「私もよくわかりませんが・・・転移魔法が使用できる者が全員魔王城で行われている実験に参加しているそうです」

魔物兵「実験ねぇ・・・まあ了解だ。今は一人でもそこそこ戦えるようにはなっているから特に問題はないな。じゃあ通信切るぞ?」

オペ「待ってください。悪い知らせがあと一つ残っています」

魔物兵「まだあったのか。こういうのは大体一つずつだろ」

オペ「そう都合よくはいきませんよ。勇者に関することです」

オペ「勇者の位置を監視していて分かったのですが、どうやら病室を抜け出して街中をうろついているようです。回復が予想より早すぎませんか?」

魔物兵「外出出来るってことは既に腕がくっついてるのかもな。切断してからもう三日か・・・ちょっと早いが誤差の範囲内だろ」

オペ「なるほど、ではこれも問題なさそうですね」

魔物兵「そうだな、じゃあ通信切るぞ」

オペ「・・・魔物兵さんなんか冷たい」

魔物兵「今日はいろんなことがありすぎて疲れちまった。早く寝たい」

オペ「そうですか・・・ではおやすみなさい」

今日はここまでにします
ここまで保守してくれた方ありがとうございました。
二週間どころか一か月以上手放していて申し訳ありません

いいねー 面白いわ
続き待ってます

オペちゃんかわいい

オペ「魔物兵さん、朝ですよ」

魔物兵「そうだな・・・ここにいるのも今日で最後か」

コンコン

鍛冶師「魔物兵起きてる?朝ごはん用意出来てるから食べ終わったら裏庭まできてくれない?」

魔物兵「昨日言ってた練習か。分かった、出来るだけ急ぐよ」

鍛冶師「ん、待ってるからね♪」スタスタ

魔物兵「行ったか。今日の鍛冶師はなんか機嫌がよかったな」

オペ「いやな予感がします。気を付けて下さい」

―鍛冶屋・裏庭―
鍛冶師「お、来たわね」

魔物兵「朝から付き合って貰って悪いな。仕事は大丈夫なのか?」

鍛冶師「今日は日曜よ。それにこの練習も半分私の仕事みたいなもんだしね」

魔物兵「?」

鍛冶師「新しく作った武器の試運転よ。かっこいいでしょ?」ガチャン

魔物兵「本物じゃねぇか。大丈夫なのか?」

鍛冶師「刃を付けてない訓練用よ。もし当たっても大した怪我はしないわ。はい、あなたはこれ使って」

魔物兵「練習用のエストックか・・・なんで二本?」

鍛冶師「ふふ。すぐにわかるわよ。始めましょ」

魔物兵(オペレータ―、あいつの武器どう思うよ?)

オペ(見た所片刃の両手剣のようですね。威力的にも前回のように剣がへし折られるといった事ないでしょうから防御も交えて戦うこともできます。ですが・・・)

魔物兵(ああ、あの峰の所のギザギザだろ?なんなんだアレ)

オペ(さあ?私もあんな形状の剣は初めて見ました。単なる飾りだといいのですが)

魔物兵(新しい武器とかいってたからそうとは思えん。用心するに越したことはないな)ガチャ

オペ(せっかく剣が二本あるのに片方しか使わないんですね。二刀流って強そうですけど)

魔物兵(慣れない事をやって怪我するほどアホらしい事もないからな)

鍛冶師「さて、そろそろ準備はいい?」

魔物兵「ああ、いつでもいいぜ」

鍛冶師「そ、じゃあいくわよ!」ガチャ

鍛冶師「セァァァァ!」ダッ

魔物兵「ハッ」ガキィン

魔物兵(よし、作業員ほど筋力があるわけじゃない。剣の防御も十分使えるな)

鍛冶師「まだまだぁ!!」ブン

魔物兵「うぉっ!危なっ!!」ガキィン

オペ(両手剣による攻撃はハルバードほど遅くはありません。連撃に注意してください)

魔物兵(もうちょっと早く言ってくれ!)

鍛冶師「まだまだ行くわよ!ハァ!!」ブン

魔物兵「あぁ、くそっ!」ガキィン ガキィン

鍛冶師「ふふ、なかなかやるじゃない。初めて三日とは思えないわ」

魔物兵「そりゃどうも、鍛冶師のおかげだぜ」

オペ(なに恰好つけてるんですか?防戦一方ですよ?)

魔物兵(うるせぇ。こういう時くらいスタイリッシュにキメさせろ)

鍛冶師「でもまだまだよっ!!」ブン

魔物兵「ッ!」ガキィン

魔物兵(だがオペレータ―の言う通り防戦一方なのに変わりはないな。どうするか・・・)

鍛冶師「セァァァァァ!!」ビュン ビュン

魔物兵「くそっ!」ガキィン ヒョイ

鍛冶師「ほー、今のを避けるかぁ」

魔物兵(なんとかしてあの連撃を止めれたら勝機はあるんだ・・・)

魔物兵「賭けだが・・・やってみるか!」

魔物兵はエストックを両手に持ち替えた

鍛冶師「なにやってるの?基本の構えを捨てるなんて・・・」

鍛冶師(相討ち狙いの特攻でも仕掛けるつもり?そんな手を食らうほど私は弱くないんだけどね)

鍛冶師「これで終わりよ!くらえ!」ブン

魔物兵(やることは回避するときと同じだ。目を見て軌道を見極めろ、そして・・・)

鍛冶師が斬撃を放つと同時に魔物兵は上段に構えていた剣を振りおろした。

魔物兵「相手の剣を弾きとばす!!」ガキャァン

鍛冶師「なっ!?」

魔物兵の全力の打撃を剣にうけ、鍛冶師は剣を取り落とさないまでも大きくふらついた

魔物兵(よし、このままいけるか!)

腕を引き絞り、矢のような刺突を放つ

鍛冶師「くぅ!」ガキィン

鍛冶師はなんとか片手を着いて体勢を整えた。剣の峰で攻撃を受け止め、例のギザギザでエストックの刀身を咥えこむ。そして

鍛冶師「よし!貰ったぁ!!」

そのまま剣を斜めに傾け、力任せに魔物兵のエストックをへし折った

魔物兵(おいおいマジかよ!)チャキン

すぐさま腰に吊っていた予備のエストックを引き抜いて距離をとる

オペ(驚きました・・・あのギザギザは相手の武器を破壊するためだったんですか)

魔物兵(初見殺しにも程があるぜ。剣を二本よこしたのはこのためか!)

鍛冶師「さっきはやられたわ。まさか私じゃなくて剣を狙ってたなんてね」

魔物兵「こっちのセリフだ!あんな機能があるなんてきいてないぞ!」

鍛冶師「予備を渡したんだからまだ戦えるでしょ?第二ラウンドスタートよ!」

魔物兵「くそ!こい!」

魔物兵(とは言ったもののこっちはほとんど手出しできないな)

オペ(下手な攻撃は峰で受け止められ、そのままギザギザで剣をへし折られるでしょうからね。何か策はあるんですか?)

鍛冶師「来ないならこっちから行くわよ!」ブン

魔物兵(いいや。思いつくまで防御し続けるしかない!)ガキィン

鍛冶師「せいやぁ!」ブン

オペ(ッ!!避けて下さい!魔物兵さん!)

魔物兵(?ああ分かった!)バッ ドサッ

魔物兵「あぶねぇ・・・なんとか回避成功か」

オペ(回避というより後ろに飛んで無様に尻餅をついただけですね。まあ回躱せたので上出来です)

魔物兵(急だったんだから仕方ないだろ。今の無理矢理避ける必要あったか?)

オペ(峰打ちですよ。あのまま攻撃を防御していたらさっきと同じように剣を折られていたでしょう。見えませんでした?)

魔物兵(そうだったのか・・・全然わからんかった)

鍛冶師「うー避けられたか・・・なかなかいい反射神経してるわね」

魔物兵(褒められてるぜ。オペレーター)

オペ(えへへ、それほどでも)

魔物兵「しかしあんな事もできるのか、これじゃ防御もままならないな。」

オペ(盾があったら楽に戦えそうですが・・・ないんですよね)

魔物兵「盾か・・・」

オペ(何か思いつきましたか?)

魔物兵(一応な、魔法を使う事になるが)
 
オペ(いいんですか?ルール的に)

魔物兵(使うなとは言われてない。使って良いとも言われてないけどな・・・)

鍛冶師「閃いたって顔ね。ソードブレイカーの弱点でも見つけた?」

魔物兵「防ぐ方法は思いついた。ほとんど賭けだけどな」

オペ(この短時間に二回も賭けを・・・賭博師も真っ青ですね)

鍛冶師「そう、だったら早いとこその剣壊して勝負を決めさせて貰うわよ!」ダッ

両手剣を構え肉薄する鍛冶師をみても、魔物兵は回避も防御も取ろうとしなかった。代わりに

鍛冶師「ちょっ!なんで!?」

剣を自分の真上に放り投げ両手をかざし、呪文を唱えた

魔物兵「結界魔法!」

とたんに光の壁が魔物兵と鍛冶師の間に立ち塞がった。見るからに堅牢で、簡単には突破できそうにない壁だが

鍛冶師「ああ・・もう!」ガキィン

仕掛けてしまった斬撃は止まらない。鍛冶師はそのまま結界を全力で攻撃してしまった

鍛冶師「くぁっ・・・」

結界に与えた衝撃がそのまま鍛冶師の両手に返ってくる。反動に耐えきれずそのままへたり込んでしまった

魔物兵「よし!行ける!」

鍛冶師は動けない。後は滞空している剣を右手で受け止め、鍛冶師に一撃を与えるだけで勝負はつく。が、剣が滞空しているであろう空間に手を伸ばすがそこに剣はなく

魔物兵「あいだっ!」ガツン

手をのばした数瞬後に魔物兵の頭上に落ちてきた。思ったよりも剣を高く放り投げていたようだ。そして

鍛冶師「・・・何やってんのよあんた」

とっくに反動から回復した鍛冶師が呆れ顔で、頭を抱えて悶えている魔物兵に剣先でぺちっと頬を叩いた。試合終了勝者鍛冶師

鍛冶師「もっかい聞くわ。何やってんのよ」

魔物兵「二回も聞かないでくれ・・・結界魔法で壁を作って、そいつに手間取ってる隙に攻撃しようとしたんだよ」

鍛冶師「ふーん、そんな便利な魔法が使えたのね。羨ましいわ」

魔物兵「そんなに便利な代物でもないんだけどな。魔力の消費量は多いわ両手が空いてなと使えないわで結構使い所が限られるんだ。」

鍛冶師「だからあの時剣を真上に放り投げたのね。それで・・・プフッ」

魔物兵「ああ、頭にガン!だよ。くそっ、やっぱ慣れないことはするんじゃないな」

鍛冶師「あはは、ごめんごめん。他には何か使えるの?」

魔物兵「いいや、これだけしか習わなかったからな。攻撃魔法も補助魔法も使えん」

私怨

勇者モノ一斉上げ支援キャンペーン

おっぱい魔法……結界魔法と同じイントネーションだよね?
だから連想しちゃったんだ、エロい訳じゃないんだ

ーだま、きづつ

保守あげ

保守

まだかね?

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