憧「シズと合体した」 (47)

露天商「お嬢さんお嬢さん」

憧「はい?私の事?」

露天商「そうですよ。お嬢さん、恋愛の事でお悩みではないですか?」

憧「ッッ!?どうしてそれがッッ!?」

露天商「なんとなく…わかるんですよ…、なんとなくね…」

憧「まっ…まぁ、女子高生なんだし恋愛の一つや二つ…ああああ、あるっても…もんよ!」

露天商「そうですか。しかし、お嬢さんスピリチュアルしていますか?」

憧(今…、話題のスピリチュアルッッ!?)

憧「いえ…、特に何も…」

露天商「あかん!あかんでそれは!スピリチュアルは恋愛には必要不可欠な要素なんや」

憧「そ、そうなんだ…いえ、そうですか」

露天商「あんた、このままやと…。その恋愛、失敗するかもしれんで?」クスッ

憧「なななななな…」カタカタ

露天商「相手さんの写真と名前わかる?うちに教えてみ。今回はタダで占うで」

憧「これです、名前は高鴨穏乃」パカッ

携帯の待ち受けを見せる憧


露天商「ふぅーむ、なるほどなるほど」



露天商「み、見えた!」

憧「なにがですか!?」

露天商「この子、前世の怨念に縛られつけとる」

憧「前世!?そんな非科学的な…、い、いや…私は神社の娘。霊も見た事あるけど」

露天商「この子の守護霊が特定の相手との恋愛しか許さんようやな」

憧「なんて迷惑な守護霊!」

露天商「宇宙からのパワーも感じるし…、この高鴨って子のスピリチュアル力は一体」

憧「私、どうしたら!?どうすればいいですか!シズを悪しき怨念から解放させてあげたいんです!」

露天商「おおっ…そうですか。今、ちょうどいいアイテム持ってますで」

憧「ください!シズのために何でも買います」

露天商「そうですか。このイヤリングなんやけどね…、あっところで人気アイドルグループμ'sでは誰押しです?」

憧「えっ…それがシズと何の関係が…」

露天商「スピリチュアルに関する大切な質問です」

憧「穂乃果かな?和菓子屋の子だし」

露天商「ふぅーーーーーーーん」

露天商「もっとグラマラスで明るくて元気で、μ'sの中心的メンバーになってるいい子が居ると思うんやけど?」

憧「い、いや…別に…、穂乃果を選んだ理由も大した事ないし…」

露天商「まぁ、ええわ。新子さん?貴方自身のスピリチュアルを高めないとあかんから、人気ナンバーワンアイドル東條希を応援する事をオススメするで」

憧「ライブとか?」

露天商「せやな。握手会も近々やるさかい、並んだってや」

憧「握手会か…。スピリチュアルが高まるんですか?」

露天商「当たり前やん。スーパーアイドル東條希との握手やで?スパイスききまくりやで」

憧「そ、そうなんですか?確かあのアイドルって女性のファンによくセクハラするって聞いたような……」

憧「私の友達にも似たようなのが居て、毎日困ってるのよ」

露天商「わしわしはセクハラなんかやない!みのさんと一緒にせんといて!」

憧「わしわしって言うの?」

露天商「せや。スピリチュアルを肌の触れ合いで補充しとるんや。神聖な儀式や」

憧「へぇー、スピリチュアル的にいいのか……。玄がしてるのもいいのかな?」

露天商「残念ながら超高校生級の美少女、東條希のわしわしにしか効果ないで」

憧「わかりました。東條希のファンになります」

露天商「いい選択や。スピリチュアル的に満点やな」

憧「これで、穏乃の悪しき前世の怨念を断ちきれるの?」

露天商「あぁ、あとこれやな」コトン

露天商(甲子園で拾ったんやけどな)

憧「イヤリング?なんかださっ……」

露天商「スピリチュアルの塊やでこれ!阪神のファックさんもこれをお守りにして、怪我を治したそうや」

憧「これつけなきゃいけないの?いやー、キツイなー」

露天商「片方は新子さんの左耳に。もう片方は高鴨さんの右耳に」

憧「はあぁぁぁぁぁ?そんな面倒な事しなきゃいけないの!?片耳だけ、こんなだっっっさいイヤリングとか!」

露天商(ここや…、ここが勝負の決め所や!)



露天商「聞いて驚き、このイヤリングには…、合体のスピリチュアルを感じる」

憧「合体!?合体って///ちょっと…、そ、そんな///まだ高校生だし…、いやもう高校生だからこそか」クネクネ

露天商(ってかこのカップル女同士やったな。女同士で合体ってなんやねん…)

露天商(まぁここ押し切ろう)

露天商「あ、あんたは普通の女子高生やし、一夏の思い出にええんちゃうか?」

憧「一夏じゃ良くないわよ」ギロッ

憧「永遠。え・い・え・ん」

露天商「……あっはい」

露天商「まぁ…、スピリチュアル高めたら永遠に結ばれますです、はい」

憧「スピリチュアルすごい!凄過ぎる!」

憧「よし買った!1000円くらいでしょ?」

露天商「なんと本日限り、一万円の所を8800円の大出血サービスや」

憧「いやいやいや…、高い高いって。これそんないい素材じゃないでしょ?」

露天商「わかったわかった。7800円にまけといたるわ」

憧「だから高いつーーーーのーーーー!」

露天商「うちのスピリチュアルがいっぱい入ってるんや!安い買い物やん!」

憧「けど…しかし…、合体…合体かぁ…」ウーン

露天商「今なら知らないLove*教えてLove のCDつきやでー」ボソッ

憧「それはいらない。よし買ってやろうじゃないの」

後日、阿知賀部室

ガラガラ

憧「やっほー」キラリン

灼「おはよ…、ダ…なんでもない」キュキュ

憧「……」

灼「趣味が悪いイヤリングだね。違うのつけた方がいいよ」キュキュ

憧(灼に言われるのは相当だわ…。これシズにつけてって言い辛いなぁ)

玄「乳!酸!菌!」

ガラガラ

灼「おはよー」

憧「よっ」

玄「憧ちゃん、片耳だけイヤリングですのだ?」

憧「う、うん。ダサい?」

玄「おもちと同じで私はシンメトリーが大事だと思いますよ」

憧「シンメトリーねぇ。難しい言葉知ってるじゃん」

玄「おもち用語だからね。おもちに大きさだけを求めてると思われてたら心外ですのだ」

しばらくして

穏乃「オッスオラシズノ」

ガラガラ

憧「おーーーーそーーーーーい」

玄「今日は掃除当番でもしてたの?」

穏乃「いえいえ、補修ですよ。先週の小テストのです」

灼「難しかったの?」

憧「ええっーーーー!?あんな小テストで赤点取ったの!」

穏乃「アコにはわかんないよ、これでも勉強したんだい」

玄「えへへ、穏乃ちゃん。私も一年生の頃はよく補習受けてましたので」

灼「…今もだけどね」

憧「アホアホアホアホアホ…って私が教えてあげたのにーーー」

穏乃「小テストくらいで頼るのもなーって思ってね。あーあー、私がアコの頭脳持ってたらなぁー」

玄「体は穏乃ちゃん、頭脳は憧ちゃん、おもちはお姉ちゃん……デュフフフ」

灼(私は仲間外れか……)

玄「髪型は灼ちゃんにしようね!コケシおもち!」

灼「ふんッッ」ドゴッッッッッ

憧「あっそうだ。この半荘で賭けよう」

穏乃「ほぇ」

玄「ほぅ…」

灼「うーむ」

憧(玄はどーせ、おもち揉み放題とか思ってるんでしょうね)

玄(クックック。よくぞ言った我が半身よ。待ちかねたぞ。さぁ、我に生贄を捧げよ。)

穏乃「なんにしようかなぁ」

灼「ボーリングしてとかあり?お金かかるけど」

憧「ありあり。全然ありよ。どーせシズはラーメン奢れとかになるでしょうね」

穏乃「なっ…私だって…私だって!オシオキとか考える時もあるぞ」

憧「どんなオシオキよ。言ってみなさいよ」

穏乃「えーーーーと……。例えば…、今日私と山に一晩中星を見に行きます」

玄「嫌ですのだ。今日は、乳は地球を救うのおもち募金しに行くので」

灼「お風呂入れないからやだ」

憧(ご褒美じゃないのッッ!?)

穏乃「へへへっ、このオシオキは私以外にはキツイみたいですねー」

憧「あーーーーキツイわーキツイー。マジキツイ。お風呂入れないわお腹すくわ、野生動物はいっぱいだわ。あーーー無理無理」チラッチラッ

灼「憧は何やらせる気?」

玄「たまにはおもち揉みたいとかですか?すいません、気がきかなくて」ヌギヌギ


プルルルン

玄「ど、どうぞ///」

憧「ノーセンキュー」

穏乃「んあー」

灼「くっ……」



憧「いや、このだっさいイヤリングを右耳につけて貰って写メとか」

灼「地味に嫌だなぁ。もっと可愛いイヤリングならいいけど、タヌキとかタヌキとか」

穏乃「痛いのやだあぁぁぁ」

玄「穏乃ちゃん。イヤリングとピアスは違いますのだ。あれは耳に穴を空けなくても大丈夫なやつです」

穏乃「じゃあ大丈夫です」

憧「サイコロ振るよー。勝つのは…」

灼・玄・憧・穏乃「「「「私!」」」」



東一局

憧「……」ユラッ

玄(憧ちゃんの捨て牌が見えなくなりましたのだ)

玄(ううっ…、これ大丈夫かな)トン



憧「いいんっすか?それ…生牌っすよ。しかもダブ東」

玄「あっ!?」

東一局

憧「さてと…、ちょっと失礼」

憧「……この匂い落ち着く」ギュッッ

灼(いつも憧が愛用してる黒いクッション)

玄(それを抱きしめてます……)

穏乃(よし…、配牌がいい。これは期待出来る)



穏乃「通らば…、リーチ!」バン

灼(どうしようかな…、降りるか行くか)

玄(ここは攻め…いや降りた方が…いやいや攻めて…)

憧「……」ブツブツ

憧「……」ヒュッ

穏乃「おっしゃあああああ!ツモ、満貫」

憧「流石にツモは止めれないわね。私もテンパイしてたけど」

玄「わっ…、穏乃ちゃんの当たり牌を三枚も止めて回し打ちだ」



東二局

穏乃(な、なんだこれ……。何か違和感が)

穏乃「んんっ」ビビクン

憧「リーチ」バン



憧「リーチ一発ツモ平和二盃子、倍満」

玄「なっ……」

灼「今日は強いなぁ」

東四局

玄「り、リーチ」スチャ

灼「……現物」タン

穏乃「玄さんのリーチは怖いなぁ。まだドラも捨ててないし……」タン

憧「うーん。さてさて、どうしようかな」

憧「……」

憧「……よし」パァン

憧(ここにシズを感じる)



もわわわーん

シズ『アコ、どうしたの?』

憧(裏ドラ乗ると思うから、山支配して)

シズ『わかったー、山神穏乃ちゃんにお任せあれー』

こうして憧の一方的な勝ちに終わった賭け麻雀


憧「はい。約束よ。これをつけて」

穏乃「う、うん」カチャカチャ


玄「穏乃ちゃんがイヤリングとか初めて見るね」

灼「そうだね」



穏乃「んっ…、耳に違和感が」キラリン

憧「もっと可愛いのつけてあげたかったなー」

穏乃「おっおっ…おおお」ギュイイーーーン

憧「んんっ…、な、なにこれ!体がシズの方に引っ張られていく!?」ギュィィーーーン

穏乃「私もだよ!あ、アコ!避けて」

憧「バカ!避けたら、怪我するでしょ。私の胸に飛び込んで来なさい!」




バチコーーーーーン!ピカーーーン!



玄「きゃああああああああ」

灼「ひ、光が…」ゴシゴシ

?「……」シュインシュインシュイン


玄「穏乃ちゃんだよね?」

灼「憧?」


憧乃「私は…、いえ私達は一つになったのよ」

玄「憧ちゃん!?」

灼「体型は穏乃に近いような…、胸が大きくなってるけど」

玄「憧ちゃんがポニーテールで…おもちは変わらなくて…、えっ!?え?」

灼「憧と穏乃が合体したんじゃないかな?」

玄「合体!?私も、石戸霞さんと合体すればおもちが大きくなりますか?」

灼「それ以上大きくなってどうすんのさ!」



憧乃「山…、山に行きたい」ウズウズ

憧乃「この体なら…いつもより速く、いつもより長く、いつもより賢く…、山を感じられる」



こうして一つになった憧と穏乃は超高校生級の山の主と偏差値70になりました。


終わり

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