上条「アイテムの正規メンバーですか」 (1000)


この上条さんは説教しませんしインデックスさんとも会ってないので魔術サイドは薄めかも
書き溜めしないし地の文が苦手なので台本形式でいきます

更新は不定期です


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378134036


とあるファミレス

絹旗「なんでいきなり正規メンバーとしてLevel0の男が超補充されるんですか?」

麦野「上からの命令らしいけど、よくわかんないのよね」

フレンダ「よくわかんないって言うのは?」

麦野「いつもと違うルートで連絡来たからさ。まあ、スパイかもって少し用心してればいいでしょ。いざとなればLevel0だしすぐ殺せるんだから」

絹旗「そういうことならドリンクバーの往復係りにでもして超こき使ってやればいいですね」

麦野「そういうこと。そろそろ来るんじゃないかしら」

滝壺「……北北西から信号が来てる…」


イラッシャイマセー オヒトリサマデスカ
イエ、サキニキテルトオモウンデ
カシコマリマシター


上条「えっと……第四位は……」

上条「……いたいた」




麦野「来たみたいね」

上条「どうもはじめまして、アイテムの正規メンバーとして来ました上条当麻と申します。よろしくお願いします」

麦野「よろしく。Level5第四位の麦野沈利よ」

絹旗「絹旗最愛です。モアイって呼んだら超潰します」

フレンダ「フレンダ

あれ?途中で切れた
駒場さんは生きてるよ


フレンダ「フレンダって呼んでくれればいいよ。よろしくって訳よ」

滝壺「たきつぼりこう。よろしく」

滝壺(AIM拡散力場がない……開発を受けてないのかな?)

上条「資料で知ってると思いますが、Level0のただの高校生なのであまり期待しないでくださいね」

麦野「ふーん、本当にLevel0なんだ」

絹旗「普通の高校生がどうして暗部に?」

上条「スキルアウトとパイプがあるんで能力者狩りをやめさせろって上から命令されたんだけどしくじっちまって。まあ、能力者狩り自体は収束させたから強ち失敗したって訳じゃなかったんですけどね」


麦野「そう…それじゃ学校の方は休んでもらうけどいいのかしら?」

上条「留年しない程度には行きたいんですけどダメですか……?」

絹旗「ダメですね。命令来た時一緒にいなかったらどうするんですか?」

上条「場所さえ言ってくれれば走って向かうよ。遠すぎじゃなければ下手くそな運転する車より走るの速いし」

フレンダ「車より速いってどういう訳よ…」

麦野「まあ、そこらへんはこれから少しずつ突き詰めてけばいいわ。それよりアンタの住むところよ」

上条「へ?今まで住んでたとこじゃダメなの?」

麦野「ダメに決まってるじゃない。暗部なんていつ殺されるかわからない世界よ。Level0なんてヤろうと思えばいつでもヤレるでしょ」

上条「まあ、相当な手練れじゃなきゃ負けないつもりだけどな…」

絹旗「なんですか、そのへんな自信は?」


上条「結構鍛えてるし格闘技もやってたから肉弾戦ならイケると思うぜ」

麦野「銃とかは扱えるの?」

上条「人に撃ったことはないけど一応暗部に入るからやっといた方がイイかなと思って少々」

フレンダ「爆弾は?爆弾は?」ワクワク

上条「へ?フレンダって爆弾使うんだ!?俺はからっきしだな。触ったこともないし」

フレンダ「ふふーん、なら私よりもダメダメだね。ようやく私にもアゴで命令出来る駒が出来たって訳よ」

麦野「アンタ人として小さいわね」

滝壺「ふれんだにバカにされてるかみしょうを私は応援してる」

上条「はは、なんでも言ってくれていいよ。お金がかかることじゃなければね」

絹旗「金銭の方も気にしなくて超いいですよ。奨学金の他に給料入ってくるんですから」


麦野「話戻すけど、命を狙われるわけだからなるべくは普通の寮、しかもLevel0の寮なんかにはいない方がいいってことよ」

上条「はあ……ではどこに住めば……?」

麦野「私たちのアジトがあるからそこで私たちと共同生活をすることになるけどいいかしら?もちろん正規メンバーと言っても今日からで信用もないから全部のアジトは教えないし、私たちによからぬことをしないとも限らないんだけどね」ジトー

上条「四人に何かしようと全く考えてはいませんのことよ!?!?住ませてもらえるならそれはそれは嬉しいのですが、他の三人はいいのか?」

フレンダ「結局、私の脚線美にメロメロにはなりそうだけど問題ないって訳よ」

絹旗「私はあまり乗り気ではないですが超しょうがないからいいですよ」

滝壺「どっちでもいいよ」

上条「それなら毎日朝食と夕飯は作らせてもらうよ。そうすれば少しでも役に立つかなって思うし」

麦野「なら決まりね。今日は仕事も無いしアジトに行きましょうか」

絹旗「あっ!上条はファミレスにいる時は超ドリンクバー往復係りなんでお願いしますね!」

上条(超ドリンクバー往復係り……?)

上条「オッケーだ。それだけで美人な四人とお食事を共に出来るなら問題ないぜ」

麦野「そうやって上条は私たちの機嫌でもとっておくのが良いわよ。さ、行くよ」


アイテムアジト

上条「オートロックでしかも広い……これが財力の差って訳かよ」

麦野「それぞれに個室があるし一つ空いてるから上条も使って良いわよ」

上条「本当ですか!?いやー昨日までに比べたらまるで王宮に住むかのようですよ。それにしても……キッチンから全く生活感がかんじられないんですが……」

フレンダ「結局、誰も料理しないから当たり前って訳よ」

上条「え!?四人もいて誰も料理出来ないの!?」

麦野「私は出来るわよ。ただ他の三人のためにわざわざ作るってのも可笑しな話でしょ。だから思い思いのものをそれぞれが好きな時に食べてたのよ」

上条「そうですか……。まあ、これからは俺がキッチンに立つんで栄養面も考えておきますから。それと夕飯はなるべくみんなで食べれるようにしましょうね」

滝壺「かみしょうは料理得意なの?」

上条「ずっと一人暮らしだったし、時々スキルアウトの連中にも振舞ってたからそこそこだと思うよ」

絹旗「まあ、そこそこ期待しておいてあげますよ」

上条「それじゃ、場所もわかったんで寮に行って着替えとか必要なもの持って来ますね。帰りにスーパーにも寄って夕飯の買い出しもしてきますよ。何かリクエストはありますか?」

フレンダ「サバりょうr「シャケ料理!!」……だぅ」

上条「シャケ料理ですね、わかりました。いってきます」





麦野「どうよアイツ」

滝壺「普通の人当たりの良さそうな高校生だね」

絹旗「けど、暗部に入るからっていって銃の扱い覚えて来たとか言ってましたし、こっちでもやってはいけそうですよね」

フレンダ「後は肉弾戦の強さやスキルアウトとどのくらい繋がりがあるのかを知っとけばいいんじゃない?」

麦野「あら、意外と好印象なのね」

絹旗「麦野は超違うんですか?」

麦野「妙にあっさりし過ぎというか……まあ、得体が知れないから一緒に住んで観察しとくつもりだけど」

滝壺「あっ!一つ気になったことがあった」

麦野「アイツのことで?」

滝壺「うん。かみじょうからはAIM拡散力場が確認出来なかった」

麦野「そういうことは頻繁にあるの?」

滝壺「ううん、はじめて。無能力者でも少しは確認出来るはずなんたけどかみしょうからは全く確認出来なかった」

絹旗「それって開発を受けてないってことですか?」

麦野「学生なんだから受けてないはずないのよ。そこも要注意ね」

フレンダ「結局、Level0でも何かあるのは確かって訳ね」


ガチャ

上条「ただいまー」

絹旗「上条、超お腹すきました。早く作ってください」

上条「はいよ。荷物置いたらすぐに取り掛かりますね」

麦野「シャケ料理期待してるわね」

上条「了解です。舌を驚かせてみせますよ」



~30分後~



上条「出来ましたよー」

フレンダ「け、結構本格的な訳ね……」

絹旗「い…意外とやりますね、上条のくせに」

麦野「私の知るシャケ料理がほとんど出てるわね……」

滝壺「かみじょうは良いお嫁さんになれるね」

上条「今日はアイテムになって初めてのみんなでの食事なんで本気で行きました!ささ、食べちゃってください」

イタダキマス

麦野「あれー?なんだか今日のシャケ弁いつもよりもおいしい。あれー?」

滝壺「むぎの、シャケ弁じゃないよ。けど、かみじょうの料理すごくおいしい」

フレンダ「な…なんか女子力で負けた気になるくらいおいしいって訳よ」

絹旗「上条のくせになんでこんなおいしいもの超作れんですか!ウガー」

上条「いやー、喜んでもらえてうれしいよ。スキルアウトの連中もそうだけど人に囲まれてする食事はなんだか気持ちが温かくなるな」



ゴチソウサマデシタ


麦野「いやー、本当においしかったわ」

フレンダ「結局、食べ過ぎたって訳よ。上条ー、お風呂入れてきてー」

上条「風呂の入れ方なんてここのやつ最新鋭過ぎてわからんぞ」

滝壺「いいよ、かみじょう」

上条「お?滝壺がやってくれんのか?」

滝壺「やり方がわからなくてもやらなきゃいけないかみじょうを私は応援してる」

上条「結局俺がやるのかよ…」

絹旗「食べ過ぎて動けなくなったところを超襲う気ですね。上条はやっぱり超上条です」

上条「えっ!?今までの上条さんの行動のどこにそんな意図が含まれていたと言うのでしょうか!?」

フレンダ「上条ー、早くー」

上条「だー、わかりましたよ。入れてきますよ。……不幸だ」

麦野「なんだか良いお兄さんみたいね」

滝壺「そしたら私はかみじょうのお姉さんだね」

絹旗「上条の妹ですか?超嫌です。もうちょっとイケメンじゃなきゃ私のお兄ちゃんは超務まりませんね」

フレンダ「私はどっち……?」

絹旗「フレンダは超うるさいペットですね」

麦野「ふふっ、そうね。超うるさいペットだわ」

フレンダ「ペットって何よ!?私がペットなら麦野は何な訳よ!?……はっ!お母さn」

バシューン

麦野「フーレーンーダー?なんて言ったのかにゃ~ん」

フレンダ「む、麦野……結局、冗談な訳よ!?」

麦野「まあ、今日はシャケ弁がおいしかったから許してあげるわ。つぎ言ったら、オ・シ・オ・キ・カ・ク・テ・イね」

上条「何かすごい音したけど大丈夫だったのか?」

麦野「あー、私の原子崩しだから気にしないでいいわよ」

上条「そのフレンダの足下で焦げてるやつがそうか?」

麦野「そ。フレンダが調子に乗ったもんだから思わず撃っちゃったの」

上条「へ、へぇ」

上条(やっぱり第四位は怒らせてはダメだな……)


フレンダ「私はさっさと入ってくるって訳よー」

絹旗「フレンダすごい勢いでお風呂場行きましたよ」

麦野「私は悪くないわよ」

滝壺「さわらぬかみにたたりなし」

麦野「滝壺、アンタも少しは言うようになったわね」

滝壺「………かみじょう、暗部のこと理解してるみたいだけど誰からか教えてもらったの?」

麦野「話題変えようとしたら、結構重いとこ行ったわね」

上条「んー?まあ、スキルアウトといりゃ少しは暗部と接する機会もあったし、俺自身何度かどっかの暗部と接触したこともあったしな」

麦野「へぇー、よく生き延びてるじゃない」

上条「他の奴が気を引きつけてくれてる間に延髄を叩いて行動不能にしてやったからな。一人じゃ無理だったよ」

絹旗「上条もやりますね。人は殺したことあるんですか?」

上条「たぶん無いぞ。俺が殴ったりした後はちゃんと生きてるの確認するし。その後、動けなくて他の奴に殺されたとかは知らないが」

麦野「甘いわね。これからはトドメをさすところまで徹底しなさい」

上条「おう。暗部に入るって決めてからそれは覚悟してある」

絹旗「これではフレンダより使える気もしなくもないですね」

麦野「まあ、アイテムはそれぞれが役割があるからいいじゃないかしら。上条は私や絹旗と一緒に前線ね。人数が多い時は絹旗の後ろにでも隠れて流れ弾にでも気をつけてればいいわ」


上条「そういやみんなの能力はどうなってるんだ?麦野は第四位だし知ってるけど」

絹旗「私は窒素装甲でLevel4ですね。窒素を体の表面に留めます。銃弾も超効きませんね」

滝壺「私は能力追跡のLevel4。体晶を使えば一度見たAIMはどこまでも追えるし、その人の自分だけの現実も乱すことが出来る」

上条「体晶って能力を暴走させるって言うあの体晶か?」

麦野「そうよ。だから滝壺はアイテムの切り札。いい、上条?このこと他の誰にも漏らすんじゃないよ」

上条「わかってるよ。ただでさえ命を狙われる地に身をおいてるんだ、味方はいるに越したことはない。自ら敵を作ることはしないよ」

麦野「ならいいわ」

フレンダ「出たって訳よー」

絹旗「滝壺さん、一緒に入りましょう!」

滝壺「いいよ。きぬはたは相変わらず可愛いね」

絹旗「ふぇ!?いきなり何を言うんですか!?早く行きましょう」


上条「それじゃ俺は荷物整理したりするんで部屋に戻りますね。二人が出たら麦野入っちゃっていいですよ」

麦野「みんなが入った後の風呂場で何をするのかしら?あー、ナニか」ニヤニヤ

フレンダ「うわー、結局上条もそこらへんのゲスな男な訳ね」

上条「何もしませんよ!!そもそも上条さんは紳士で通ってるんですからレディファーストは当たり前ですのことよ!?」

麦野「ふふっ、そう。ならいいわよ」

上条「なんだか遊ばれてる気がする……。それじゃまた明日。おやすみなさい」

麦野「はい、おやすみ」

フレンダ「おやすみー」


フレンダ「私がお風呂入ってるときみんなで何話してたの?」

麦野「んー?上条がフレンダよりも使えるかもって話」

フレンダ「んなっ!?私の方が実線経験もあるし、便利なところがあるって訳よ。上条のほうが使えるなんてことは結局、実現不可能な訳!」

麦野「はいはい、そうだな。もううるさいペットは寝ろよ」

フレンダ「またペットって言った!?だから麦野は」

麦野「あぁ?」

フレンダ「優しいお姉さんな訳よ。そ、それじゃ、お……おやすみー」

麦野「ったく。家の中で走るなよな。本当にペットみたいだわ。それにしても……まだ安心できないわね。あいつの交友関係でも明日調べとくか」



見ているぞ

!とか?の後は一文字分スペース空けた方が見やすい
文末にくる場合を除いて



次の日


麦野「んあー、少し寝すぎたわね」

絹旗「あっ、麦野おはようございます。上条が朝ご飯作ってくれたみたいですよ」

フレンダ「結局、朝ご飯までおいしいって訳よ。はぁー私も料理出来るようになった方がいいかなぁ」

麦野「白米に味噌汁に卵焼きとウィンナーとコーヒーか……まあ、不味く作る方が難しいとは言え人数分作るのは大変でしょ。アイツ何時に起きてんのよ」

絹旗「私が起きたときにはすでに学校へ超行った後でしたね。置き手紙にみんなで食べてくださいってありましたし」

フレンダ「上条って真面目ね」

麦野「そういえば滝壺は?」

絹旗「まだ寝てますよ。なんか昨日の夜は上条からAIM拡散力場が確認出来ない理由を超調べてたみたいですし」

麦野「そう。私も今日は調べ物あるから午前中空けるわね」

フレンダ「お昼はいつものファミレス?」

麦野「そうね。そこで落ち合いましょ」

絹旗「超了解しました」

麦野「それじゃ、食べ終わったから行ってくるわね」

>>28
超了解しました


絹旗「麦野行ってしまいましたね。たぶん上条のこと調べるんでしょうけど。そんなに真剣にならなくても大丈夫な気は超しますが……」

フレンダ「麦野は結局、私たちのアイテムって言う居場所を守ろうとしてくれているって訳よ。私たち三人はみんな置き去りだし、暗部に堕とされてどうしようもなくなった私たちに麦野は居場所を与えてくれた。麦野も私たちと一緒にいたいって思ってくれてるはずな訳よ」

絹旗「そうですね。麦野が疑ってるのは私たちが離れ離れになる可能性ですもんね。私たちは私たちでしっかりと麦野の居場所になってあげましょう」

フレンダ「アイテムは一人でも死んだらダメな。結局、みんなでアイテムって訳よ」

絹旗「上条もそういう意味で早くアイテムに超なって欲しいですね」

フレンダ「上条も料理とか私たちのこと気にしてくれてたみたいだし、そうなれるといいね」

一つの台詞が長くなる時は適当に区切って

A「○○」

A「△△」

A「××」

B「~~」

みたいにすると読みやすいだけでなく味が出る


麦野「下部組織に調べさせたけど学校の交友関係には特に注意しなきゃいけないのはいないわね。スキルアウトの方はあの駒場利徳と繋がりがあるのか……」

麦野「まあ、スキルアウトに情報売られても大した損害は受けそうにないけど、どうかしらね。駒場だけは上の連中も注目してるみたいだし」

麦野「まあ、急ぐことではないか。交友関係の方は白ね」

麦野「あとはハッカー使って書庫を調べさせるくらいでいいかしら」

pipipipipipi

麦野「アイテムよ。上条当麻を書庫で隅々まで調べなさい」

ハッカー「わかりましたが、僕に頼むってことは非公開な情報も全てですか?」

麦野「ええ。余すところなくお願い」

ハッカー「わかりました」

pi

麦野「じゃあ上条の学校まで行ってみた後ファミレスに行こうかな」


~ファミレス~


麦野「あれ? もういるの? 早いわね」

絹旗「早いといっても11時過ぎですしそこそこじゃないでしょうか」

滝壺「朝ご飯さっき食べたばっかり……うっぷ」

フレンダ「上条の料理も良いけど鯖缶も最高な訳よ」

麦野「もう少ししたら買ってきたシャケ弁食べようかしら」

絹旗「そういえば最近仕事ありませんよね。ファミレスで超ダベってる記憶しかありませんし」

麦野「そうね。夏前だから少しは早めの夏休みってとこかしらね」

フレンダ「ほかの暗部に動きとかはない訳?」

麦野「聞いた話じゃ他のとこも研究資料持ち出そうとした研究員の抹殺やスキルアウトの鎮圧ぐらいしかないみたいだし、どこもかしこもって感じね」

絹旗「あれ?けど、最近もう一つ暗部組織が出来たって超聞きましたけど」

麦野「あー、確かグループとか言ったわね。まだ構成員とか知らないしどうせそこら辺の組織と似たか寄ったかでしょ」


「ねーねー、最近気になる都市伝説があるんだけど!」

「またですか? どうせそんなのあり得ませんってば」

「いや、火のないところに煙りは立たないっていうじゃない」

「そうともいいますけど……。それで今回のはなんなんですか?」

「それがね、<学園都市第一位が無能力者に負けてどこかに連れ去られて行った>って言う都市伝説なんだけどね」ワクワク

「なんですかそれー。そんなことあるわけないじゃないですか」

「いやいや、これぞ無能力者のロマンってやつだよ! 私もそんなことが出来れば少しは無能力者でも良いかなって思えると思んだよね……」

「……」

「あー、ごめんね。こんな話しちゃって! じゃあ次! 次の都市伝説なんだけどね<脱ぎ女>って言うんだけどね……」


絹旗「今の話超聞きましたか?」

麦野「ん? 第一位がどうとかってやつ?」

絹旗「そうですよ! なんかすごくあり得ない分B級な臭いがプンプンしますよ」ワクワク

フレンダ「逆にあり得な過ぎて想像も出来ない訳よ」

麦野「同感ね。あのベクトル操作や反射をどう無能力者が攻略出来るって言うのよ」

滝壺「そろそろなにかたべようかな……」

絹旗「いやー、あり得ないからおもしろいだけであって実際第一位は無敵ですから、あれに立ち向かおうなんて思わないですって」

麦野「まあ、第一位が負けてくれれば第三位に返り咲いてその後、あの超電磁砲をぶっ殺せば第二位になれるわね」

滝壺「むむ、このジャンボパフェはいけるかわかんない……」

絹旗「そういえば超電磁砲ってこの近くにいるんじゃないですか? 第七学区って常盤台中学ありますし」

麦野「別に今すぐ殺したい気分じゃないから別にいいわよ」

フレンダ「本当、仕事ないとダベってるだけな訳よ」


上条「アジト帰る前に一回駒場さんとこ寄ってくかな」

土御門「カミやん! これからどこか遊びに行かないかにゃーん?」

上条「今日はこの前クラスの連中が駒場さんに助けてもらったみたいだからさ、ちょっと挨拶してくるよ」

土御門「駒場利徳か」

青ピ「いやーカミやんがスキルアウトに入り浸るとはなぁ。あんだけスキルアウト嫌いやったのに」

上条「それいったい何年前の話だよ。今はスキルアウトに嫌な感情はないぜ。一部を除いてな」

吹寄「なに? 上条、貴様スキルアウトになったのか!?」

上条「いやいや、違いますよ吹寄さん。ただ仲の良いスキルアウトがいるだけですって」

吹寄「まあ、貴様は学校にちゃんと登校してるし落ちぶれないとは思うけど」

上条「おう。ちゃんと留年なんてせずにみんなで二年に上がるぜ」

土御門「夏休みのずいぶん前から理由をのこと気にしてるのなんてカミやんだけぜよ」

青ピ「僕や土御門くんと違うてカミやんは本当にバカで補習を小萌先生に受けさせてもろおてるからなぁ。筋肉バカやわ」

上条「うるせー! 言うほど筋肉ついてねえし。バカなのは認めるけどよ」

吹寄「貴様らは会話もバカね」

土御門「俺を一緒にしてもらっちゃ困るにゃー! 俺はいったって正常ぜよ」

青ピ「土御門くんそれはないわ。三人の中で一番普通なのは僕やで」

上土吹「「「それはない」」」

青ピ「そんな声揃えて言わんでも……。あれ? なんか少し気持ち良かったかも……。ねぇ吹寄はん、もっと罵ってくれへん?」

吹寄「流石に気持ち悪いわね」

青ピ「おおおぉぉぉぉぉ」ビクンビクン

土御門「青ピ、それはないぜよ」

上条「うわぁー。それじゃ俺は行くな」

土御門「おう。気をつけてにゃー」

だぁー間違えた
土御門のセリフで
理由を→留年
に脳内補間よろしくお願いします

間違えたので寝ます

>>1です
今日一日風邪ひいてて横になりながら書き溜めしたのを今から書いてきます



~とあるファミレス~



フレンダ「そういえばそろそろ上条の学校も終わる時間じゃない?」

絹旗「そうですね。早く超ドリンクバー往復させてやりたいです」

滝壺「こき使われることが決定してるかみじょうを私は応援してる」

絹旗「フレンダはさっきからサバ缶超食べ過ぎです」

フレンダ「べ、別に良いって訳よ。何か迷惑でもかけてる訳?」

絹旗「これだからフレンダは超フレンダなんですよ」

フレンダ「私の名前を形容詞みたいに使わないでくれる!???しかも超フレンダってないよ……」

pipipipipi

麦野「なに?」

電話の女「なにってアンタと世間話するために電話なんてかけないわよ」

麦野「だから仕事の内容はなにって聞いたてんだよ、このクソヒキニート」

電話の女「こいつときたらー!??まあ、いいわ。仕事の内容はメールで送るわ。新入り君もいることだし大丈夫でしょ」

麦野「あぁ?なんで上条がいると大丈夫なんだよ」

電話の女「アンタたちじゃ勝てない相手にも勝てるからかしら。ふふ、それじゃーねー」

pi

麦野「チッ!??絹旗、下部組織に連絡。足を用意させて。ついでに上条にも」

滝壺「学園都市の情報を狙った外部からの侵入者二名の殺害か」

麦野「一応滝壺も連れてくけど体晶は必要なさそうね」

フレンダ「私はなにすればいいの?」

麦野「ん?じゃあここの会計」

フレンダ「ふえっ!???一番お金持ってない私が会計するって訳ー!?」

麦野「うるさいわねー。この仕事終わったらちゃんと経費で落とすわよ」

フレンダ「本当だよね???本当にお願いよ??」

麦野「だぁー!??わかってるわよ」

絹滝((これ絶対麦野払わねー))

麦野「ほら行くわよ」



~スキルアウトアジト~



スキルアウト1「上条さんちーすっ!」

「「「「「ちーすっ!!!」」」」」

上条「毎回思うけどそれやめてくんない???別にお前ら熱血運動部じゃないんだしさ」

スキルアウト1「いえいえ。上条さんには俺ら、何回命救われてるかわかんないっすから」

スキルアウト2「ただ助けて俺の彼女を惚れさせるのだけはやめてほしいっす」

上条「へ???上条さんはモテたことなんて一度もありませんのことよ?」

(((出たよ、料理も出来てこんなに多くの人間の命を救っておいてモテない訳ねえだろ!??この鈍感め)))

スキルアウト1「それよりも俺らのせいで暗部に堕とされたって駒場さんから聞いて……」

「「「「「本当にすいませんでした!!!」」」」」

上条「あれはお前らのせいじゃねえよ」

上条「元から不幸な上条さんには日常茶飯事なことですから」

スキルアウト1「けど!??本当あの時は助かりました!??駒場さんや服部、浜面も感謝してますし」

上条「お前らの連携の良さの裏をかかれたところを俺が潰しただけだから気にすんな。てか俺、駒場さんに会いにきたんだけどどこにいる?」

スキルアウト2「今、服部や浜面と一緒に能力者狩りしてた連中の静粛に行ってます」

上条「そっか。じゃあ伝言頼まれてくれるか?」

スキルアウト1「オッケーっす!??なに伝えれば良いすか?」

上条「この前は俺のクラスの連中がお世話になりましたってよろしく」

スキルアウト1「わかりました。これから上条さんはどうするんすか?」

上条「んー???暗部のパシリかなー。なんか超ドリンクバー往復係りってのを任されたし」

スキルアウト2「上条さんをドリンクバーの往復係り……だと……!?」

スキルアウト3「暗部ってただのバカの集まりか……?」

スキルアウト4「んなこと恐れ多くて出来ねえよ……」

上条「まあ、楽しそうな職場だよ」

pipipipipi

上条「メールか。……んー、これはいよいよ俺の出番って訳ですかね」

スキルアウト1「暗部の仕事っすか?」

上条「おー。ちょっくら行ってくるわ!??あっ……おい」

スキルアウト1「はい!??なんでしょう!?」

上条「駒場さんに戦力は集めといてくれってのも伝えてくれ。あと浜面に車も数台常備しとけって」

スキルアウト1「わかりました。しかしそれってのは」

上条「余計な詮索はしねー方がいいぜ」

「「「「「了解しました」」」」」

上条「おう!??じゃ、またな。落ち着いたら飯作りにまた来るわ」

「「「「「あざーす!!??気をつけていってらっしゃい」」」」」



~車内~


麦野「絹旗、上条はなんだって?」

絹旗「走って行くから気にしないでくれって言ってますね」

フレンダ「第七学区から目的地までは結構あるけど大丈夫な訳ー?」

麦野「まあ、いなくても二人くらいなら楽勝よ。AIM拡散力場が確認出来ない以上、滝壺使ったって居場所はわかんないんだし」

滝壺「けど、電話の女はかみじょうがいるから大丈夫だって言ってたよ?」

絹旗「それが超気に食わないんですよね。いったいあれのどこにそんな価値があるって言うんですか」

麦野「……さあね」

pipipipipi??pi

麦野「何かわかったかしら?」?

ハッカー「それが……ハッキングかけたところ最重要機密扱いになってて全然情報が見れませんでした。何者ですか上条当麻っていうのは……」

麦野「へえ。最重要機密扱いね……」

ハッカー「ただ一つだけわかったのが、全ての能力測定で判定不能って言う結果が出ていたってことですね。こんなのってあり得るんすか?」

ハッカー「ちょっと信じれなかったですね」

麦野「全ての能力測定で判定不能……。まずあり得ないわね」

麦野「……まあ、わかったわ。お金はいつものとこに振り込んでおくから」

ハッカー「ありがとうございます。しかし、意図的に記録を抹消されてた部分もあったんで只者じゃないってことは確かです。お気をつけて」

pi


絹旗「上条のことですか?」

麦野「ええ。一先ずアイツは只者じゃない上に上の連中は最重要機密として扱いたい人物だってことはわかったわ」

フレンダ「結局、ただのLevel0にそれはおかしい訳よ。気を抜いちゃダメってことね」

絹旗「まあ、何か動き見せたら私の窒素装甲で超捻り潰しますから」

滝壺「そろそろ目的地だよ」

麦野「さ、その前に仕事よ仕事」



~研究所跡地~


?「おいまだか」

??「待ってくれよ。外で解析するよりこっちの方の機械で解析した方が早いんだよ」

?「これで魔術と科学を融合させた新たな力を作り出せる」

??「私はこの技術を使って外で大儲けだ!??それまで用心棒は頼んだよ魔術師くん」

魔術師(?)「わかっているさ。俺の野望を邪魔する奴は蹴散らすまでだ」



上条「あらあらこんなとこでなにやってるのかなー」

??「!?!???何者だ貴様!」

上条「研究資料持ち出そうとしてる輩の始末に駆り出されたパシリってもんですかね、研究員さん」

研究員(??)「ただのガキが何言ってやがる。やってくれ魔術師」

魔術師「お前なんぞに言われんでもやってやるよ」

上条「お前どこの協会の者だよ」

魔術師「へえ、魔術の知識のある科学の人間か。珍しいな」

魔術師「俺はどこの協会にも今は属してないぜ」

上条「そうか。なら……」



上条「安?心?し?て?殺?せ?る?な?」




パキーン??パァン??パァン


絹旗「先に上条が超着いてるんでしょうか」

麦野「そうみたいね。滝壺は車で待機。絹旗、私、フレンダの順に入るわよ」

フレンダ「了解って訳よ」

滝壺「ここにはAIM拡散力場が私たちしかない。かみじょうの敵は能力者じゃないのかな……」



~研究所跡地~


絹旗「上条!??超大丈夫ですか!?」

上条「よう、遅かったな。もう終わったぞ」

麦野「その二人が今回のターゲット?」

フレンダ「一人は研究員ってわかるけど、もう一人の格好が変な訳よ」

絹旗「黒い修道服?ですかね。神父のような」

上条「……さあ???わからんが二人ともきちんと殺しといたから気にしなくて良いだろ。研究資料もほら」

麦野「……なんか焦げ臭くない?」

上条「そこの神父みたいな奴が発火系の能力者だったからな。そのせいだろ」

絹旗「上条のくせに能力者とやって超勝ったってことですか。少しばかりやりますね」

麦野「死体の方は下部組織に任せてずらかるわよ」

フレンダ「久しぶりの仕事がただ車でここまで来ただけって訳よ」



~車内~



麦野「出しな」

滝壺「大丈夫だった?」

絹旗「上条がもう二人とも殺してました」

フレンダ「発火系の変な恰好の能力者がいたけどなんか勝ってた訳よ」

滝壺「???ここには私たちのAIM拡散力場しかなかったけど能力者がいたの?」

上条「(チッ)??俺が殺したからAIM拡散力場も確認出来なかったんじゃないか?」

滝壺「うーん……。そうだね」

麦野「とりあえずそろそろ夕飯時ね。何処かに食べに行く?」

絹旗「あっ!??じゃあここの焼肉屋が良いです。今おいしいって超評判なんですよ」

フレンダ「久しぶりの焼肉良いね!」

滝壺「私もいっぱい食べたい」

麦野「じゃあそこにしましょうか。上条も良いわよね」

上条「大丈夫ですよー。四人が行くとこにお供するまでです」

麦野「じゃあ運転手、ここ行きなさい」



~焼肉屋~



上条「先に適当に注文しちゃっといてください。ちょっとトイレ行ってきます」

フレンダ「了解って訳よー」




ガチャ??バタン



pipipipipi


上条「おい!??相手魔術師だったじゃねーか。アイテムにバレたらどうすんだよ」

電話の男「あ???別に魔術は学園都市外の能力だって言っときゃ良いだろうが」

上条「そっちじゃねーよ。俺の幻想殺しのことだよ」

電話の男「バラしてねーのかよ」

上条「当たり前だろ!??向こうはたたでさえ俺のこと疑ってるのにそんなことまで話したら食事すら一緒にさせてもらえねーよ」

電話の男「わーったよ。そっち関係の仕事はお前かグループに出すから。それで良いだろ」

上条「ったくよ……。」

上条「こっちはちゃんとやってんだからきちんと約束は守れよ」

電話の男「あいよ。それじゃあな」

pi




上条「……騙すのって性に合わないなぁ」




~次の日~????朝六時


上条「朝ご飯オッケー。それじゃ行くかな」

ガチャ

麦野「こんな朝早くにどこ行くのかにゃーん」

上条「……おはようございます。いや、早く起きちゃったんで散歩にでも行こうかと」

麦野「学校なんて七時半に出ても間に合うわよね。どこに向かって散歩するのかしら」

上条「別に特別どこって訳じゃないけどブラブラと」

麦野「ふーん……。一つ言っておくとね、私たち四人はここが居場所なの」

麦野「暗部っていう汚い誇れる場所ではないけれどここは誰にも譲れない場所なのよ」

麦野「そこを壊そうとする、私たち四人を引き離そうとするなら誰だろうと容赦はしない!」

麦野「私はあの子たちと私の居場所を守り抜く!!」

上条「……」

麦野「アンタのことは気に入ってるんだから失望させるんじゃないわよ」

上条「……了解だ。行ってくる」

ガチャ??バタン





麦野(……つい暑くなっちまったな。最初はこんなつもりじゃなかったのに。いつの間にかあの子たち三人は私の居場所になってたのね)

麦野「守り抜かなきゃ……」



上条(……ちくしょう、やりにくいなぁ)

上条(情報じゃ第四位は短気のキチガイだったはずなのにちゃんと人間やってんじゃねーか)

上条(自分の弱く寂しい部分を四人で補い合ってるんだな……)

上条「弱さを補える仲間か……」



上条「…………俺は一人だ」



昔からずっと????そしてこれからも




~アジト~


滝壺「あれ???むぎの早いね。おはよう」

麦野「おはよう。上条がまた朝ご飯作ってくれてたみたいよ」

滝壺「昨日焼肉だったから、朝はパンと目玉焼きとサラダにコーヒー。しっかりと考えてくれてるね」

麦野「まるで主夫ね」

滝壺「……もうちょっと素の部分見せてくれれば良いのにね」

麦野「……どうしてそう思うの?」

滝壺「自分のことはしゃべらないし、いつもニコニコしてる。そんなのが素の人はいないと思うな」

滝壺「みんな自分が誰なのか他人に知ってほしいし、他人のことを知って理解したい仲良くしたいって思うのが普通だと思うから」

麦野「……まあ、いつか話してくれるでしょ。アイツもアイテムの正規メンバーなわけだし」

滝壺「そうなれれば良いよね」



絹旗「あれ???また上条はもういないんですか。いったい何時に超起きてるですかね。お二人共おはようございます」

麦野「おはよ。ついでにフレンダも起こしてきなさい。久しぶりに四人で朝ご飯食べましょ」

絹旗「超了解しました」



滝壺「なんか家族みたいだよね、こういうの」

麦野「何言ってんのよ……。私たちはもう家族でしょ」

滝壺「…うん。??むぎの大好き」

麦野「っ!???こら、抱きつくんじゃないよ。暑くなり始めたんだからやめなさーいー」

フレンダ「あー、滝壺が麦野に抱きついてる!??麦野は私のって訳!??むぎのー」

絹旗「みんなでなんですか。私だけ仲間外れは超嫌です!??私も抱きつきます!!」

麦野「だー!??ウザイわねー!??離れなさいよー」



麦野(うん、こういう温かさはいつまでも大切にしたいわね……)




~病院~



上条「俺がお前だけは絶対に救ってやるからな」

上条「俺がお前の不幸を全部受け入れるからな」

上条「俺はお前を絶対に見捨てたりなんかしないからな」

上条「俺が……俺が……うぅ」




上条(……お前だけはどんな犠牲を払ってでも守り抜いてやるから)

上条(お前が俺にしてくれたように……)



~その日の午後???ファミレス~

イラッシャイマセー

上条「遅れてすいません」

絹旗「超ドリンクバー往復係りのくせに遅れてくるなんて超非常識です」

フレンダ「早く私たちのドリンク持ってくるって訳よ」

上条「上条さんは学校があるのでそんなに早く来れないってわかってるはずなのになぁ」

上条「まあいいか。何飲むんだ?」

絹旗「超カルピスソーダですね」

フレンダ「私はミルクティー」

麦野「じゃあ抹茶にしようかしら」

滝壺「私はメロンソーダ」

上条「え???何、四人全員の分俺がドリンクバー往復すんの!???絹旗とフレンダだけじゃなくて??」

麦野「私と滝壺も上司よー???部下が上司を立てるのは当たり前でしょ」

滝壺「大丈夫、理不尽な要求にもなんとか対応するかみじょうを私は応援してる」

上条「なるほどね、皆さん動きたくないわけだ。ファミレスなのにシャケ弁やらサバ缶はおいてあるし何時間も前からいるくせにコップは一人一つずつしかないし、こりゃドリンクバー往復係りって役職も必要になるわな」

上条「……四人で睨むなよ。いってきますよ、超カルピスソーダにミルクティーに抹茶にメロンソーダね」


麦野「あれは将来尻に敷かれるタイプよね」

絹旗「頼りない感が超出てますもんね」

フレンダ「結局、一番下っ端には変わらないって訳よ」

滝壺「でも無茶な要求言ってもそれをやりきってくれそうな気はする」

麦野「そういう人柄が学校生活とスキルアウトの連中との生活を上手くやりこなしてきたんでしょ」

絹旗「やっぱり上条はスキルアウトと強い繋がりが?」

麦野「そうね。ちょっと声かければここら辺のスキルアウトは集まって来るくらいには繋がりがあるんじゃないかしら」

滝壺「それは結構すごいかも」

絹旗「危険度で言うと?」

麦野「余計な心配はしなくて良い程度ね」

フレンダ「結局、上条がアイテムにいる以上スキルアウトもアイテムの下にいるみたいってな訳よ」


上条「持ってきましたよー」

絹旗「超ご苦労です」
フレンダ「そこら辺座っててもいい訳よ」

上条「……なんでこの二人はこんなに偉そうなんだ?」

麦野「初めてのアゴで好きに使える人間を得たから生き生きしてるのよ」

上条「なんか凄まじい上下関係が出来てる気がする……。不幸だ」

滝壺「不幸なかみじょうを私は応援してるよ」

フレンダ「だー、サバ缶にミルクティーなんて合わない訳よ。上条、次はオレンジジュースね」

絹旗「じゃあ私は冷えてきたんで超あったかいココアを」

上条「またドリンクバーに行くの!???なんか俺って周りから見たらドリンクバーとテーブルを往復するだけの人になりそう……」

絹旗「それが超ドリンクバー往復係りの仕事ですから」フンス
フレンダ「当然って訳よ」フンス

上条「うん、これは確実に不幸だ」



~スキルアウト??アジト~


駒場「……上条が戦力の確保を言っていたな」

浜面「車の方は前、大将たちとぶっ壊した研究所の車で用意は出来たぜ」

服部「まあ、暗部か上からの命令で動く部隊とかとの抗争だろうな」

駒場「……アイツには守られてばかりだ」

浜面「そんな風には大将は思っちゃいねえよ。リーダーはどっしり構えてくれなきゃ」

駒場「……ああ」

服部「だが上条も守るべきものがあるからな。俺らの方にばかり構っちゃいられない」

駒場「……今度こそ俺らの手で罪の無い無能力者が襲われるのを阻止する」

浜面「当たり前だ」

なんかスペース開けたところに小さな??が入ってるぅー
不幸だ



~車内~


滝壺「今日の仕事は?」

麦野「バカな能力者が頭おかしくなって研究所で暴れてるから始末してほしいだとさ」

フレンダ「何人?」

麦野「三人。しかも全員Level4だってさ」

絹旗「Level4なら色んな研究が出来ると思うんですが、始末して良いんですか?」

麦野「さあ? 始末しろって命令だし。まあ、あらかた研究し終えたから殺してもらっても構わないと言ったとこなのよ、きっと」

滝壺「……」

絹旗「……」

フレンダ「……まあ、それが学園都市って訳ね」

上条「……」

麦野「だから今日は滝壺に頑張ってもらうわよ」

滝壺「うん。体晶使って私やふれんだ、かみじょうが一対一にならないようにしとけばいいよね」

麦野「そういうこと。まあ、2チームに別れて行動しましょうか」

麦野「私と滝壺とフレンダ、絹旗と上条でいいかしら」

麦野「絹旗は上条の戦闘力とかをしっかりと観察してなさいね。上条は好きなように動きな、ただし失敗は許さないから」

絹旗「超了解です。上条、せいぜい足は超引っ張らないでくださいね」

上条「了解だ」

麦野「滝壺はウチの要だからね。私が攻撃してる時にフレンダが爆弾で滝壺に注意がいかないようにしときな」

フレンダ「わかった」

滝壺「うん」

麦野「それじゃアイテム始動よ」



~サイド絹旗~


絹旗「滝壺さんの能力で私たちは一人で単独で超移動してる方の担当になりましたが、向こうは大丈夫でしょうか?」

上条「向こうは電撃使い(エレクトロマスター)と火炎放射(ファイアスロアー)だし、麦野には勝てないさ。問題はむしろこっち」

絹旗「念動力(テレキネシス)ですか……。どんなタイプかによって戦い方が変わってきますね」

上条「普通に物を動かして当ててくるタイプなら絹旗で楽勝だが、体に直接念動力をかけてくるタイプなら危ないな」

絹旗「そっちのタイプとはやったことないんでこの窒素装甲も聞くかわかりませんからね」

上条「まあ、気を引き締めて行かないとな」



~サイド麦野~



麦野「向こうを一人の担当にしたは良いけど、一番厄介のを押し付けちゃったわね」

フレンダ「こっちは麦野と同系統の電撃使いに私と相性の良い火炎系の能力者だからね」

滝壺「向こうの心配よりもまずはこっちの心配」

麦野「まあ、向こうは向こうでなんとかするわね」

フレンダ「久しぶりに私のコレクションをお披露目出来るって訳よ」

滝壺「私も今日は頑張るよ」



~サイド絹旗~


絹旗「そういえば、上条は彼女とかいるんですか?」

上条「彼女か? 生まれてこの方、母親くらいしか異性からの愛情は受けたことがありませんからね。いませんよ」

絹旗「へえ。モテるとは超思いませんが、体つきは男らしいですからね、いるかと思いましたよ」

上条「上条さんは自他共に認める不幸体質ですからね。そういうラッキーイベントとは縁がないんですよ」

絹旗「不幸って超曖昧な表現使いますね」

上条「小さい頃は色々あったし、ここ数年は入院ばっかりだったから。それでもようやく去年の暮れ辺りからは入院もしないようになったな」

絹旗「何かあったんですか?」

上条「……ただ強くなろうって心に決めただけだよ」

絹旗「ふーん、そうですか」



上条「っと! そろそろ滝壺が言ってたところの近くじゃないか?」

絹旗「む。そうですね、気を超引き締めてください」



ドガッ??ドガッ??ガー


上条「機材吹っ飛ばして暴れ放題だな」

絹旗「あれは別に超用心しなくても良さそうですね」

上条「じゃあ俺は今回はお休みかな」

絹旗「はい、ちょっと行ってくるんで待っててください」



念動力「ウガー!! このクソ研究所が!!」

絹旗「そろそろガキンチョは超帰る時間ですよー」

念動力「あぁ? なんだお前? 小学生か?」

絹旗「(ブチッ)??誰がァ小学生ですかァ!? 超捻り潰すぞゴラァーー」

念動力「俺に楯突こうってなら[ピーーー]よ」ブン


キーン


念動力「!?」

絹旗「そンな鉄くずでどうにかなると本当に思ってンですかねェ」ブン


ガシャン


念動力「グハッ」

絹旗「ちゃっちゃと超捻り潰されろ」

念動力「(チッ)??お前が潰れろ」


グチャッ


絹旗(左手が……っ!?)

念動力「へっ! 俺は人体にも念動力が使えんだよ。そのまま左手を捻り潰してやるよ」


パキーン


念動力「は?」

上条「うおらぁ!!」


バキッ



絹旗「へ? (私の左手を上条が右手で触ったら念動力もそして窒素装甲も消えた……?)」

上条「ほら、まだ左手は軽く捻っただけだろ。アイツにトドメ刺してこいよ」

絹旗「え? あ……えっ!?」

上条「なに? じゃあ俺やるけど良いの?」

絹旗「あっ! ダメです超ダメです!! 傷を付けられたんですから私が超捻り潰します」

上条「んじゃよろしく。アイツ、俺の右ストレートで伸びてるから」

絹旗「は、はい……」



上条(………うわぁー、やっちまったぁ。麦野が朝あんなこと言うから絹旗のこと何も考えず守っちまったよ……)

上条(絶対怪しまれてる……、どうしよう)


チッ??チッ??チッ??チッ??チッ??チーン


上条(…………うん、全力で誤魔化そう!)

絹旗「上条、終わりましたよ。 さっき上条が右手で触ったとき……」

上条(ここで幻想殺しがバレるのが一番ダメだ)

絹旗「聞いてますか?」

上条(怪しまれている分ならまだ大丈夫……なはず……)

絹旗「上条に右手のこと聞いてるんですけどわかってますか?」

上条(そもそも俺は右手以外ちゃんとLevel0なんだからバレるはずがない!)

絹旗「いい加減返事しないと超怒りますよ?」

上条(よし! 全力で誤魔化して全力でニコニコして全力でスルーしよう、そうしよう!!)

絹旗「(ブチッ) 上条ォ、さっきから無視してンじゃねェぞゴラァー」ブン

上条「えっ? ゴフゥゥゥッッッ」

絹旗「さあ、行きますよバ上条」

絹旗(今、窒素装甲は正常に機能しました……。やはりさっきのは超演算ミスですね)

上条「くっ! やっぱり助けなきゃ良かった」ハラガイタイ

メール欄にsagaって入れると文字化けしなくなるよ
sageじゃなくてsagaね



~サイド麦野~


麦野「Level4ってこんな弱かったかしら」

フレンダ「自分の近くに爆弾あるのに火出すなんて結局、大間抜けって訳よ」

滝壺「むぎのは相手の能力の強化版だったか純粋に力押しでいけたし、ふれんだは相性バツグンだったね。」

滝壺「けど私もふれんだの相手の自分だけの現実を妨害してたんだよ? ふれんだが爆弾準備してるとき」じとー

フレンダ「あ、ありがとうって訳よ」

麦野「こっちは楽だったから、やっぱあっちに滝壺向かわせた方が良かったかもね」

滝壺「……ん? あれ? あー……向こうも終わったみたい」

麦野「どうしたの?」

滝壺「一瞬きぬはたのAIM拡散力場がなくなったの。そして次に念動力のも一瞬なくなった」

滝壺「それで今、念動力のAIM拡散力場がもう一回なくなってそのままになった」

麦野「絹旗のAIM拡散力場が一瞬なくなった……」

フレンダ「滝壺の見間違えじゃない?」

滝壺「うーん……違うと思うけど……」

麦野「……それは合流してから聞きましょ」

>>72
ども。禁止ワードだけじゃなくて文字化けもsagaで防げたのですねorz
次回から気をつけます
書き溜め終了です
夜は……来るか未定です

>>1です
やることやっちゃったんで寝落ちするまでゆっくり書いていきます



絹旗「あっ! 麦野! こっちです」

麦野「どうやらそっちも終わったみたいね」

絹旗「上条もいたんで超余裕でした」

滝壺「きぬはた、左手首どうしたの?」

絹旗「あー、これですか? 敵の念動力で超ちょっと捻っただけですよ」

フレンダ「そのとき上条は何してた訳?」ジトー

上条「えっ? ちゃんと助太刀に入りましたよ? 絹旗への演算で集中してるところを右ストレートで」

麦野「へえ、意外とやる奴だったんだ」

絹旗「まあ、一対一でも左手捨てればヤれましたけどね」

滝壺「一瞬きぬはたのAIM拡散力場がなくなったんだけど何かした?」

絹旗「え? 特別何かしたわけではないですが……」

滝壺「その後すぐに念動力のAIM拡散力場も一瞬なくなって、死んでからは確認できなくなった」

絹旗「うーん……(あれ? その順番に順に一瞬だけAIM拡散力場がなくなるって……)」

上条「……特に何もなかったぞ?」

麦野「本当か、絹旗?」

絹旗(もし上条が何かした結果がそうなのだとしたら……、私の左手を助けてくれたってことになりますよね……)

絹旗「……そうですね。特に思い当たる節は超ありません」

滝壺「そう」

麦野「……」

フレンダ「そんなことより! 報酬も出るんだし後の処理は下部組織にやらせて夕飯食べに行こうって訳よ!」

絹旗「超お腹すきました!」

滝壺「じゃあ今日はこのイタリアンに行こうよ。パスタがおいしそうだよ」

麦野「……そうね。それじゃ行きましょ」

上条「……行きましょう行きましょう」



~イタリアン専門店~


麦野「絹旗、食べるのは問題なさそうね」

絹旗「そうですね。困ることと言ったら、明日から映画のパンフレットが少し超見にくくなるくらいですかね」

フレンダ「念動力で人体を攻撃できるなんて結構な使い手だった訳よ」

滝壺「こっちの二人は割りといそうなタイプだったのにね」

麦野「ある意味そっちが当たりだったわけだ」

上条「Level4ってもっと強いと思ってた」

滝壺「ん? なんでそう思うの?」

上条「え? あー、いや深い意味は……」

麦野「……Level5とやり合ったことがあるからでしょ」

上条「えっ!? なんで……」

麦野「へえ、やり合ったことあるんだぁ」

上条「っ!? カマかけやがったな」

絹旗「上条も色々やってるですねー。Level5の超何位ですか?」

上条「えー……と……」

麦野「別にそれでどうこうしようだなんて思ってないわよ。逆に言わなかったら言うまで拷問ってのもアリだけも」

上条「うげっ!? 麦野さん? 何やら良からぬ顔になっておられるんですが……」

フレンダ「良いから早く上条はゲロる訳よ」

上条「うぅー……まあ」




上条「………第二位と」




絹旗「へ、へぇー……だ、第二位と……」

フレンダ「第一位と第二位はLevel5の中でも圧倒的だって言うのに……」

滝壺「かみじょうすごい」

麦野「……アンタどうやって生き残ってきたのよ」

上条「え? まあ、未元物質はなんとか避けて……接近戦に持ち込んで……みたいな?」

絹旗「だから念動力とやったときも最短距離を結構な速さで超動いてたんですね」

麦野「……ふーん、身体能力だけでねぇ」

フレンダ「あれ? もしかして私、一番アイテムの中でショボくなったって訳?」

滝壺「大丈夫、そんな一番ショボいふれんだを私は応援してる」

フレンダ「そんなはっきりと言わないで欲しい訳!!」

上条「ははは……。まあ、お互い殺されてませんから。俺は逃げてたようなもんですし」

麦野「まあ、そういうことにしとくわ」

絹旗「あっ! 滝壺さん、そのパスタ超一口ください」

滝壺「きぬはたには大きくなってもらいたいからあげる」

フレンダ「じゃあ私は麦野からもらうー」

麦野「嫌よ。上条からもらいなさい」

上条「上条さんはもう食べ終わったのであげられるものはありませんよ?」

フレンダ「だってよ麦野ー。ぐへへへへへへ」

麦野「……まあ、今回はよくやったから一口くらいならあげるわよ」

フレンダ「やった!! 結局、麦野は優しい訳よ!」

麦野(優しい、か……)



pipipipipi

上条「あっ! 俺です。席外しますね」

滝壺「うん」

麦野「……」



pi


上条「もしもし」

電話の男「決行は明日だ」

上条「そう、か……」

電話の男「ん? なんだ? アイテムに情でも移ったか?」

上条「いや、そういうわけじゃ……」

電話の男「まあ、こちらには人質のようなものがあるからな。お前は裏切れないってわかっているが」

電話の男「もし失敗したらわかっているだろうな……」

上条「ああ。お前らこそちゃんと約束守れよ」

電話の男「わーってるよ、じゃあな」

pi



上条「………」




絹旗「上条! 超遅いですよ。もうデザートのタルト来ちゃいましたよ?」

フレンダ「結局、上条は一番下っ端な訳よ」

上条「……待っててくれたのか?」

滝壺「かみじょうも今はアイテムの一員でしょ? みんなで揃ってから食べないと」

麦野「だそうよ。待ってんだから早くしなさいよね」

上条「………」





「疫病神が俺たち人間と同じ飯を一緒の時間に食えると思うな!」

「一緒の空間にいてやってるんだから感謝してほしいくらいだぜ」

「疫病神くんは地べたに這いつくばって、手を使わずに食べるのよ」

「何、こっち見てんだよ! お前は地面と向き合って一人で食べるんだよ」

「うゎー、こっちくんな。お前が触るとこっちに不幸な出来事が起きるんだよ」

「あっちいけー」「こっち見るなー」「疫病神め」「[ピーーー]」「[ピーーー]」「[ピーーー]」「シネ」「シネ」「シネ」「[ピーーー]」「シネ」




上条「うっ……うぅ……」グスッ

上条「うぅっ……ひっぐっ……」ズズッ

絹旗「えっ? 上条??」

フレンダ「……泣いてる訳??」

滝壺「……むぎのがいじわる言ったからだよ」

麦野「えぇ!? 私!?!? 上条……?」

上条「いや、みんなが悪いんじゃないんだ……」グスッ

上条「ただ、みんなの優しさが身に染みて……」

上条「悪いな、俺のタルトはみんなで分けてくれ。ちょっと散歩してくるよ」

上条「日が変わるまでには帰るから先帰っててくれ」


ガチャ



絹旗「上条、超どうしたんでしょうか……」

フレンダ「結局、上条って不思議な人な訳よ」

滝壺「うーん……、何か事情があるのかもね」

麦野「……」




上条「はぁー、情けねえな。あいつと同じくらい優しい奴らだよ」

上条「俺は……どうしたら……っ!?」

「上条ーっ!」

上条「ん?」

麦野「上条! あっ……えっと」

上条「見苦しいところ見せてすまなかった。けど、本当みんなのせいじゃないから」

麦野「ちげえよ! ただ……その……」

上条「なんだ?」






麦野「お前も……上条も私らアイテムの一員なんだからな! 家族なんだ!」





上条「え? 何言って……?」

麦野「無駄に過去を詮索なんかしねえけどよ、お前はもうアイテムなんだし、この私が家族なんだって認めてるんだから家族なんだよ!」

麦野「文句あっか!?」




上条「………いや、ねえな」

上条「ありがとう、麦野」

麦野「ああ」

上条「それじゃ、ちょっと散歩行ってくるわ」

麦野「あんまり遅くなんなよ。あそこはもう上条の家でもあるんだからな」

上条「ああ。本当にありがとう」






麦野「……たくっ! ちゃんと心の底から笑えるじゃねえか」



~病院~


上条「明日……やらなきゃいけないことが出来ちまったよ」



上条「お前のことは一度も忘れたことなかったぜ?」

上条「お前より温かい奴なんか見たこともねえ」

上条「お前は俺を支えてくれて不幸に立ち向かえる勇気をくれた」

上条「お前は俺を生まれ変わらせてくれた」

上条「俺はお前になに一つためになることはやってあげられなかったけれど」グスッ

上条「俺の理不尽な不幸に付き合わせちまったけどよ」

上条「俺のために行動してきてくれたことが本当に本当に嬉しかった」

上条「そんなお前だから……お前だからこそ……」

上条「今までも……これからも……ずっと、ずっと俺の大切な人だ」





上条「けどよぉ……」ポロポロ

上条「どうすれば良いんだよ……」ポロポロ

上条「あいつらも守ってやりてえよ……」

上条「あんな良い奴らを離れ離れになんて出来ねえよ……」

上条「どうすれば良いんだよ………」

上条「教えてくれよ……」ポロポロ




上条「………垣根ぇ」ポロポロ



次から上条過去編に入ろうかなって思ってます
ちょっと風呂入ってくる
ゆっくりじっくり練ってから書きたいので
本当に誤字脱字はすいません

>>1です
ゆっくり書いていきます



上条当麻~保育園~


刀夜「当麻、これから保育園でいっぱい友達が出来ると良いな」

詩菜「当麻さんならきっと出来ますよ」

とうま「うん。いっぱい友達作れるように頑張るよ」

刀夜「おう。行ってこい」

詩菜「行ってらっしゃい」

とうま「行ってきます」





とうま「ねえねえ、僕と友達になってくれない?」

おとこ「良いぜ! いっしょにあそぼう」

おんな「私も良い?」

とうま「良いよ! みんなであそぼ」

おとこ「ブランコしようぜ」

おんな「私ものるー」

とうま「二人とも先いいよ」

おとこ「ありがとな」

おんな「ありがとー」






とうま「二人とも大丈夫かなぁ」



「三人であそんでて二人はブランコがくずれてしたじきになって病院にいったんだって」

「じゃあアイツだけ無事だったんだ」

「あの子もケガしなくて良かったよね」






とうま「二人はとうぶん入院か」

ぼうず「一人か? ならいっしょにあそぼうぜ」

メガネ「僕たちといっしょにあそぼうよ」

とうま「いいの? ありがとー」

ぼうず「じゃあおにごっこで、じゃんけんでまけたやつおにな!」

じゃんけん ぽん

とうま「僕がおにだね。十秒数えるよ」



とうま「また一人になっちゃった……」



「おにごっこしてた二人がそれぞれ違うところで転んでこっせつしたんだって」

「あの子そんなに足速かったの?」

「いや、ふつうだったよ?」

「なんかおかしな話だね」




とうま「……どうしよう」

おさげ「どうしたの? すなばで一人なんて」

とうま「友達がほいくえん休んでて…」

ぽにー「じゃあ私たちとおままごとしましょ」

とうま「いいの?」

おさげ「いいよ。それじゃ私がおかあさんやるから、あなたはおとうさんね」

ぽにー「私は? 私は??」

おさげ「ぽにーちゃんは私たちのかわいいむすめ!」

とうま「えへへ…。こういうのはじめてだからはずかしいな」




とうま「やめてよ……」

じゃい「なに!? お前のせいで俺がおこられただろうが」



「どうしたの?」

「ほら、おままごとしてたらあの大きな子が女の子二人をおしたおしちゃって」

「女の子二人はまだ目をさまさないんだって」

「それってあの大きな子がいけないんじゃ」

「けど、やられてるやつってこの前もいっしょにあそんでたやつをけがさせなかったっけ?」

「そうだよ! あいつとなかいいやつってみんな病院にいるよ」

「その話ほんとかよ……」



とうま「やめてよぉ」

じゃい「にげるな!!」



キーーー




とうま「うぅ……ひっぐ……」

刀夜「当麻、大丈夫だったか?」

詩菜「お怪我はありませんか?」

とうま「うん……だいじょぶ……」



とうま「……」


「きたぜ! あいつだよ」

「あいつをおいかけてたやつがいしきふめいで危ないんだよね?」

「あいつ、もう七人もけがさせてるよ」

「かあちゃんがあいつとあそぶなって言ってた」

「うちも言われたぁ」

「俺んちもだぜ」




とうま「……」





先生「はい、みんなー。二人組を作ってー」

とうま「せんせい」

先生「どうしたの?」

とうま「あまっちゃった」

先生「じゃあ先生と組もっか!」

とうま「うん!」ニコッ






警察「それでは」




「どうしたの? あそこの保育園」

「なんか保育園の先生が刺されたらしいわよ」

「なんでも元カレが逆上したとかって」

「けど、あそこの保育園って噂の……」

「あー、疫病神くん」

「娘に聞いたら、今日その疫病神くんが先生と一緒にお遊戯をしていたらしいのよ」

「えっ? 本物じゃない……」





詩菜「当麻さん……」



詩菜「刀夜さん、どうしましょう」

刀夜「どうするも何も当麻が悪いわけじゃないだろ」

詩菜「そうですが……」

刀夜「所詮噂だ。じきに収まるよ。大丈夫だから」

詩菜「そうですよね……」





とうま「っ! いたいよ……やめてよ」

「うるせー! 来るんじゃねえよ」

「君がいるから私たちまでけがしちゃうじゃない」

とうま「いたいから石なげないでよ…」

「この疫病神め!」

「さっさといなくなれ」

とうま「うぅ……いたいよぉ……」





詩菜「刀夜さん、あともう少しで当麻さんも小学生です。もう保育園に行かせなくても……」

刀夜「……うん。そうしようか」

詩菜「当麻さん……」





とうま「僕って疫病神なのかなぁ……」

とうま「いたらみんなが不幸になるのかなぁ……」



上条当麻~小学生~


刀夜「胸張っていけ当麻!」

詩菜「そうですよ当麻さん。知り合いの子は一人もいません。また初めからやり直せますよ」

当麻「うん……。頑張るね……」





男1「なあ? どうしてお前そんなに静かなんだ?」

当麻「人と話すのが苦手で…」

男2「なら俺らと友達になって得意になれよ」

当麻「……いいの?」

男1「おう! その代わり俺らはめっちゃ遊ぶから頑張って付いて来いよ!」

男2「わかったか?」

当麻「うん!」





当麻「……やっぱり」




「聞いたか? 男1と男2が歩道橋の階段から落ちたって」

「あいつら騒がしいからなぁ」

「あの上条ってのは大人しいから大丈夫だったみたいだぜ」

「ふーん」





男3「なあ、お前さ。いつも一人でいるけどなにやってんの?」

当麻「…本読んでる」

男5「ちょっと俺らと駄菓子屋行こうぜ」

男4「そこでさ、お前。万引きしてこいよ」

当麻「それっていけないことじゃないの?」

男4「やらねーとお前のことみんなでいじめるぞ?」

当麻「うぅ……わかったよ……」



「男3と男4と男5が交通事故だってよ」

「上条もいたけどあいつだけ助かったんだって」

「あの上条ってのなんかおかしくね?」

「あいつの周りにいるやつって怪我してるぞ」

「あいつと同じ委員会になったやつ学校階段から落ちたって聞いたぞ」

「担任の先生も自転車のブレーキ聞かなくて壁にぶつかったって言ってたし」



「なぁなぁ、いとこから聞いたんだけど疫病神ってやつがあの保育園にいたんだって」

「上条ってそれなんじゃねーの」

「マジかよ」

「なあ、みんなであいつのこと疫病神って呼んでいじめね?」

「みんなでやれば今度はあいつが怪我するって! クラス全員が怪我なんかしないんだから」

「いいな! じゃあまず給食のときに……」






当麻「父さん、母さん」

当麻「もう学校行きたくないよぉ…」

刀夜「そうだな……。あんなあからさまないじめを隠す学校なんて行かなくていいぞ」

詩菜「そうですよ、当麻さん。ゆっくり家で休んでください」




当麻「Zzz……Zzz……」



刀夜「当麻を学園都市に預けよう」

詩菜「……もうそれしかないのですか?」

刀夜「疫病神なんて迷信を信じないところに行かなきゃ当麻が死んでしまう!」

刀夜「これは……これは仕方のないことなんだ……」

詩菜「刀夜さん……」



刀夜「当麻、学園都市ならお前を疫病神なんて言わない! そこでお前は伸び伸びと暮らすんだ」

詩菜「そうですよ当麻さん。私たちはあなたが幸せに暮らせることを祈っていますから」

当麻「……毎月手紙ちょうだい」

刀夜「わかった。必ず送ろう」

詩菜「当麻さんも辛くなったらいつでも帰ってきてくださいね」

当麻「うん……」

当麻(父さん、母さん。さようなら)



上条当麻~学園都市~


学園都市に入ってすぐに俺は施設に入れられた。
不幸にも置き去りとして俺の身分は処理されていたからだ。


研究員1「なぁ、この結果はあり得ることなのか?」

研究員2「ほお。全ての能力測定が判定不能……」

研究員1「色々と試してやる必要がありますね」

研究員2「試しに彼を解剖しますか……」

「なかなか面白いガキがいるじゃねぇか」

研究員1「お前は……」

研究員2「Level5未元物質、垣根帝督」

垣根「どうせここの置き去りは俺のための研究資料なんだろ? あいつを俺のとこに寄越せよ」

研究員1「貴様、何を言って」

研究員2「何か考えがあるのか……?」

垣根「いや、俺みたいに常識が通じねえ奴を見るのが楽しいだけだ」



垣根「おい、上条当麻」

上条「君は誰…?」

垣根「俺の名前は垣根帝督。Level5だ! まだ順位は出てねえがまあ一位かニ位だろうな」

上条「そんなすごい奴が僕に何の用?」

垣根「お前、俺のとこで暮らせよ」

上条「……別にいいけど、僕といると君は怪我するよ?」

垣根「はあ? 何様だお前」

上条「僕の周りにいると怪我をしちゃうからね」

上条「……僕は不幸な人間だから」

垣根「なんでお前が不幸なら俺が怪我するんだ?」

上条「僕はずっと友達が欲しかった。だから友達になった子は怪我をして僕の前から消えちゃうんだ」

垣根「ふぅーん、お前の不幸は自分が望んじまったもんを奪うのか」

垣根「なら俺とお前は友達にならなきゃいい」

上条「(ズキッ) そうだね。それじゃ垣根君もどこかに行ってくれないか?」

垣根「お前はこれから俺と暮らすんだ。どこにも行かねえよ」

上条「だからなんで君と暮らさなきゃいけないんだ! 僕に構うなよ」

垣根「だからさ、友達じゃなくて……」



垣根「家族になればいいだろ!」



それが俺と垣根の初めての出会い。



~垣根宅~



上条「すごい……こんな綺麗なとこに住んでるの?」

垣根「当たり前だ! 俺はLevel5だからな」

上条「……どうして垣根君は僕と暮らすことにしたの?」

垣根「俺様に常識は通用しねえ。そしてお前もここ学園都市で常識の通用しねえ存在だからだ」

上条「……僕も?」

垣根「ああ! お前はまだ何の能力かは分からねえがきっとすごい能力を身につけるはずだ。俺の目に狂いがなければな」

上条「それが僕を家に招き入れた理由?」

垣根「そうだ。なんだ、不満か? もっと綺麗な言葉をかけて欲しかったか?」

上条「ふふっ、いや。それで十分すぎるくらいだよ」

垣根「当たり前だ!」二カッ

上条(俺のことを特別だってわかってくれた上で良い方向に捉えてくれてる。垣根君みたいになりたい。なんでも好きなことを正直に言えるそんな人間に……)



上条「そういえば、僕を家族にするって……」

垣根「だってお前置き去りだろ? なら俺がお前の親代わりをしてやるんだよ」

上条「僕は手違いで置き去りになっただけできちんと親もいるよ……」

垣根「なんだそうだったのか! だが俺が助け出さなかったら今頃お前は手術台の上だったぞ」

上条「じゃあ僕は垣根君の家族になれないのかな……?」

垣根「俺も置き去り出身だからよ、上条が良ければ家族になっちゃくれねえか? お前と一緒にいるには友達じゃいけないみたいだしよ」

上条「えっ? 家族になってくれるの? いいの?」

垣根「あぁ? 俺はそれを望んでんだよ。上条、お前が決めろ」

上条「じゃ、じゃあ! 垣根君、家族になってくれ!!」

垣根「おう!」



垣根「よし! 上条の兄貴になって初めてする事はその言葉遣いの矯正からだな」

上条「えっ? ダメなの?」

垣根「俺の家族なら男らしく生きろ! そのためにはもっと豪快な男にならなきゃな」

上条「豪快な男……?」

垣根「守るべき者のために命を張れる! 果たすべき野望のために命を張れる! そんな男のことだ!」

上条「か、かっけー」

垣根「そのためには一人称は俺! まずはそこからだ」

上条「わ、わかったよ垣根君」

垣根「それもだ! 家族に君付けしてんじゃねーよ。俺のことは垣根でも帝督でもいいからそう呼べ」

上条「うん…垣根」

垣根「よし! これからお前を真の男にしてやるからな」

上条「お…おう」



垣根「そろそろ飯の時間だな。上条、お前料理出来るか?」

上条「うん。実家にいるときは友達いなかったから母さんとずっと料理や洗濯とか家事を教えてもらってたから」

垣根「お? 料理の出来る男はモテるからな! よし、上条は料理の腕もあげろ! 女を、そして俺様を惚れさせるような腕前になっとけ」

上条「うん! わかった」

垣根「ただし、今日は俺と上条の家族記念日だ! そういう日は焼肉に限る! さあ、行くぞ上条!」

上条「やった! あっ、待ってー垣根」



~焼肉屋~



垣根「そおいや、上条は何歳だ?8歳くらいか?」モグモグ

上条「んーと、10歳かな」モグモグ

垣根「っ!? ゲホッゲホッ」

上条「だ、大丈夫?」

垣根「お前、そのなりで10歳かよ。細過ぎるしチビ過ぎるだろ」

上条「学園都市来る前は学校で食事なんて食べれなかったし、学園都市来てからも研究所じゃ全然食べさせてもらえないから……」

垣根「マジかよ……」

上条「まあ、僕だけいつも圧倒的に食事が少なかっただけで、他のみんなはそこそこ食べれていたみたいだけど」

垣根「やっぱりお前って不幸だな」モグモグ

上条「それでも父さん、母さん、垣根がいるから。だからぼk、じゃなかった、俺は生きていけるよ」

垣根「……」

上条「だから、まだ本当に不幸じゃないんだ」

垣根「……上条、俺はお前を見誤っていた。お前の底にあるのは豪快な男、そのものだ」

上条「そ、そうなのかな……」

垣根「お前はこれから父親、母親、そして俺のために命をかけて生きていけ!」

垣根「俺はお前のために生きてやる!」

上条「垣根君……」ウルウル

垣根「だから、お前は強い男にならなきゃいかん! だから食え! 死ぬほど食え!」

上条「わかったよ。めっちゃ食う!」

垣根「あっ! ちなみに俺、12歳だから」

上条「っ!?」

垣根←165?
上条←135?

上条「何食べたらそんなに大きくなった?」

垣根「ははっ、肉だ! 肉を食え!!」

上条「よ、よし! 食べるぞぉ!!」



~次の日~


垣根「朝飯はまあまあだったな」

上条「あ、ありがとう」

垣根「そこは男らしく、おう!だろ」

上条「お、おう!」

垣根「まあいい。今日はお前が能力に目覚めるまでに自衛が出来る程度に肉弾戦で強くならなきゃいけない」

上条「肉弾戦!? 僕、ケンカはあまり強くないんだけど……」

垣根「僕じゃねえ! 俺だ! んで教えるのはケンカじゃねえよ。殺しだ、殺しの技術を上条には身に付けてもらう」

上条「殺し!?」

垣根「俺はLevel5だ。いつ敵が命を狙ってるかわからねえ! そしてお前もその家族だ! お前も守り自分も守るなんて出来る時は少ねえ。そんな時、上条には自力で突破してもらわなきゃならねえ」

垣根「それに、俺を助けるのはお前の仕事だろ?」

上条「!! わかった。やるよ! 垣根のために生きると決めたんだから」

垣根「よし! 良い心構えだ」

垣根「じゃあまずはな……」



~月日は流れて~


垣根「まだお前の能力は現れねえのかよ」

上条「なんかよ、本当にどんな能力開発も無意味なんだよな」

垣根「もしかしたらもう発現してて、学園都市の技術が追いつかなくて測定出来ないのかもしれないな」

上条「えっ? そんなことあるのかな…」

垣根「けど、お前よ。最近俺の殺人拳法除けるの上手くなったよな」

上条「あー! なんかここら辺に来るってわかるようになったんだよね。だんだんと色濃く」

垣根「それが上条の能力か? 順調に行けば未来予知が出来ますってか」

上条「そしたら俺、無敵じゃないか!?」

垣根「……そうだったら上条にも」ボソッ

上条「ん? 何か言ったか?」

垣根「……いや、何も」

垣根(まだ早い。こいつに暗部は早すぎる)

上条「じゃあ今日も格闘の訓練お願いします!」

垣根「おう! やったるぜ!」



垣根「フッ!」

上条「ホッ」

垣根「クッ!」

上条「ホイッ」

垣根(本当に最近じゃ一発も当たらねえ。密かに一発一発が死に直結するくらいの威力で放ってるのによ!)

上条「こっちから行くぜ!」

垣根「ッ!?」

バサッ

上条「あーっ! 空に逃げるのは無しだろ!!」

垣根「お前だって能力使ってるようなもんなんだから良いだろ」

垣根(試しに避けれるかやってみるか…)

垣根「上条! このはね避け切ってみろ!」

バッ シュシュシュシュ

上条「ッ!?」

垣根(おーおー。すげーな……。なんか避けられ過ぎてイラついてきた)

垣根(一発くらい当てても大丈夫だろ)

垣根「っ! そこっ!!」

上条「ッ!?」

上条(やべえ、当たる……。)

上条(……?右手……!?)



パキーン


そろそろ寝ます
ありがとうございました
誤字脱字すいません
次回更新は未定で


>>1です??書いていきます






垣根「……今なにをした」

上条「えっ? えーと……右手で羽を消した……?」

垣根「……」

ヒュン

上条「ッ!?」スッ

パキーン

垣根「……それが上条の能力か」

垣根(俺の未元物質はこの世にない物質だ……。それを消すとなると対俺用の能力!?)

垣根「……いや、そんな限定的な能力なはずない」

垣根(そうなると対超能力用ってことになるのか……)

垣根「……ははっ、俺よりも常識が通用しねえじゃねえか!」

上条「え? なんか俺の右手のことわかったの?」

垣根「どうして右手で俺の未元物質を消せると思った?」

上条「なんか……俺の中から右手を前に出せって教えられたような……」

垣根「……よしっ! 上条、本気で行くから生き残れよ!!」

上条「は? いやいやなに翼の長さハンパなくしてんの!? それ全部ぶつけてきたら死ぬからー!!」

垣根「心配するな、自覚はある。全力で避けて俺を止めてみろーー」

上条「だぁーー! 不幸だーーー」




~病院~


上条「……んあ?」

上条(この天井は……。久しぶりに来たな)



垣根「よお。起きたか」

上条「……垣根、本当に死にかけたぞ」

垣根「冥土帰しが言うにはまだ余裕はあったみたいだぞ」

上条「あの人が診る患者が本当に死ぬ手前な奴ばっかりで、俺はそれと比べたら余裕があっただけだろ!」

垣根「……なあ、その能力にはいつ気付いた?」

上条「えっ?……んー、本格的に右手を使ったのは今日が初めてだと思う。何回か街中で絡まれた時に相手が演算ミスして能力が俺に届かなかったことはあったけど……」

垣根「その時右手は使ったか?」

上条「そう言われれば、右手で消したり右手で相手に触ってる時には能力を使われなかったりしたかも……」

垣根「これではっきりした。上条、お前の能力は相手の能力を右手で消すっていうもんだ」

上条「……それってすごくね?」

垣根「Level5第二位の能力を消してるんだ。おそらく消せない能力はないはずだな」

上条「この右手が……」

垣根(上条を使えばあの第一位も……)

上条「けどこれ単体じゃ相手を倒せないよな?」

垣根「そこがネックだ。相手の能力を消せても相手を倒すとなっちゃお前自身の拳でねえといけねえ」

垣根(第一位とやるときにゼロ距離まで持ってくなんて今の上条じゃほぼ不可能だよな……)

上条「ふーん、それじゃ能力がわかっても今までやってきた格闘の訓練は欠かさずやらなきゃいけないんだよな」

垣根「あとは上条の戦いは長期戦になる可能性が高いから走り込みで体力と脚力を付けなきゃいけねえな」

上条「かぁー、折角能力がわかっても今までとやること一緒かよ」

垣根「だが、上条の能力は聞いたことのねえ非常識だ。それは大事にしとけ」

上条「……わかったよ」




垣根「そういや、上条は今…中二か」

上条「もう三ヶ月で中三だけどな」

垣根「まだ実家からの手紙は届かないのか?」

上条「うん……。まあ、今は垣根いるし寂しくはないよ」

垣根「学校の方はどうなんだ? まだ一人か?」

上条「いや友達って訳じゃないんだけど、なんか中一から一緒のエセ関西弁しゃべる青髪と二学期から転入してきた変なしゃべり方する金髪とつるんでる」

垣根「なんだ、そのヘンテコ集団」

上条「いやいや、上条さんは極めて普通ですのことよ!?」

垣根「そいつらといて楽しいか…?」

上条「……どうだろうな」

上条「友達いたことないからわかんないや」ニコッ

垣根「……」

上条「けど、学校で一人ぼっちじゃないっていうのは意外と嬉しかったりするかな」

垣根「……そうか」

上条「……おう」

垣根「……んじゃ女は?」

上条「……へ?」

垣根「なんだお前、中二にもなって彼女の一人もいねえのかよ」

上条「は? 普通に彼女とかって高校生からじゃないの??」






垣根「……は? なんだ、そのクソみたいな理論は」

上条「へ? 青髪が、カミやんはまだ中二やから彼女なんて出来ないんや! って言われて告白されたのを無理矢理断らされたんだけど……」

垣根「……モテない男の僻みか」

上条「いやいや実際に断ったら、罰ゲームだからね、勘違いすんな! って言われたし」

垣根「そりゃ照れ隠しだろ」

上条「えっ? そうだったのか……。不幸だ」

垣根「まあ、学校も楽しくやってるならいいな」

上条「……ん? 何が?」

垣根「もう少ししたら俺、家空けるわ」

上条「……どこか行っちゃうの?」

垣根「この学園都市を変えるために一仕事ってな」



上条「今の家からじゃその仕事は出来ないの?」

垣根「これから一ヶ月、みっちり俺と闘って一回でも俺を病院送りにすることが出来たら連れて行ってやる」

上条「……これから一ヶ月」

垣根「そうだ。それでダメだったら今度はお前が高校生になった時にまた迎えに来てやる」

上条「……ダメだったら一年後」

垣根「同時にこの一ヶ月は銃の扱い方にも慣れてもらうぜ」

上条「……」

垣根「……俺が歩もうとするのはそういう世界だ。今のお前じゃまだまだ肉体的にも精神的にも甘い」

垣根「自分が進むと決めた道を邪魔する奴は誰であっても容赦するな」

垣根「自分が守りたい奴のためなら相手が誰であっても叩き潰せ」

上条「……」

垣根「……辛くてもやらなきゃいけないことなんだ」

上条「……わかったよ」

垣根「ああ、明後日から開始だ。今日はこのまま入院して明日帰ってこい」

上条「……うん」

垣根「じゃあまた明日な」



ガラガラ ピシャン






上条「……なんとかやらないとな」

上条(垣根には黙ってたけど、青髪と金髪……二人とも堅気の歩き方してねえんだよな)

上条「……また一人になるのかなぁ」




イヤダイヤダヒトリハイヤダ




上条「……よしっ」

上条「明後日から垣根を本気で倒しに行く」

上条「そんで垣根の背中は俺が守るんだ」






~数ヶ月後~



?「よお、第一位」

一方通行「あァ? …誰だ?」

?「はっ、さすが第一位サマだぜ。第二位の顔なんて知らねえってか」

一方通行「……垣根帝督か」

垣根(?)「ちょっとアレイスターのメインプランを譲ってくれねえかなあ」

一方通行「あァ? ンなもンどォでもいいンだけど」

垣根「奴との交渉権を得てやりたいことがあるんだよねえ」

一方通行「あっそォ。勝手にやれば?」

垣根「そのためにはお前に死んでもらわなきゃいけねえんだわ」

バサッ

一方通行「……白い翼。頭もそうだが能力までイカれてるとは、どんだけメルヘンなンですかねェ」

垣根「心配するな、自覚はある。さあ、俺のために死ね第一位!」

一方通行「ぎゃはっ、ぎゃはぎゃはっ」

一方通行「久しぶりに面白くなりそォじゃねェか、第二位がァ!」


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~とある高校~


上条「なんでお前ら二人ともこの高校なんだよ」

土御門「つれないこと言うなよカミやん。俺らの絆は深いぜい」

青ピ「カミやんに彼女を作らせず僕が彼女を先に作るんや。それに、この高校には合法ロリ教師がいるゆう噂あるしな」

上条「しかも同じクラスとは……、不幸だ」

ガラガラ


小萌「はーい、静かにしてくださいですー」

一同「!?」

小萌「このクラスを受け持つことになりました、月詠小萌ですー」

青ピ「きたきたきたーーっ! 来たでカミやん! いきなりビンゴや!」

上条「本当にあれで先生かよ……」

小萌「あーっ、そこのツンツン頭の……上条ちゃん! 私はちゃんと大学も出た本当の先生なのですよ!?」

上条「……なんで俺だけ、不幸だ」

青ピ「あの格好で怒られるとか……、ご褒美やないか」ハァハァ

土御門「出たにゃー、青ピの気持ち悪い性癖。こりゃこのクラスで彼女作るのは早速諦めた方がいいぜよ」

青ピ「やんやて? うわぁ、俺ら三人に対する目が痛い、痛すぎるでー」

土御門「なんで俺も入ってるにゃー!?」

小萌「そこの三人うるさいですよー」

上条「俺、全く関係ないのに……、不幸だ」

上条(……明らかにこの二人は俺を見張ってるよな。やっぱりこの右手のせいか……?)

上条「……まあ、とにかく」

上条(今日から高校生だ。……垣根を一発ぶん殴ってからしっかりと連れて行ってもらわなきゃな)






~放課後~


土御門「カミやん、遊びに行こうぜい」

上条「わりー、今日は早く帰らないといけないんだ。また今度な」

青ピ「僕はこのクラスの女子のメアドをゲットしに行ってくるで」

土御門「青ピには聞いてないにゃー。それじゃまた明日なカミやん」

青ピ「なんか土御門くん僕に冷たくない? ほなカミやんまた明日」

上条「……おう」

土御門「そりゃ青ピのせいで俺まで変人扱い受けたからに決まってるぜよ」

青ピ「どうせシスコンの変態なんだしええやん」

上条(この日常も今日で最後……。まあ、二人には感謝してるかな)



上条(じゃあな、土御門、青髪)





~自宅~


上条「なんだよ、垣根の奴帰って来てねえし」

上条(さすがに約束忘れてないよな……)



~数時間後~



上条「……ブチ切れたッ! 垣根の居場所突き止めて病院送りにしてやる」

上条「この一年、鍛えに鍛え抜かれた腕力と脚力で間合いを一瞬でつめて能力でガード出来ないよう右ストレートで沈めてやるぜ!」

上条(それはそうと、どこで調べるかなぁ……)


チッ チッ チッ チッ チッ チッ チーン


上条「髪の毛オールバックにしてスキルアウトのアジトにでも行くか」

上条「あいつらならLevel5の情報を少しは持ってるだろ」

上条「さーてと、トレードマークのツンツンちゃんを櫛でほぐして、ワックスガチガチのベタベタに……」

上条(これ大丈夫かな……、ハゲないよな……?)

上条「ええい、しょうがない! 一回だけだ」




上条「完成! ……なんか父さんに見えなくもない」

上条「……スキルアウトに見えねえけど、まあいいや。行くか」





~スキルアウト アジト~


蛇谷「おっしゃあっ! 今日もクソ能力者どもをぶち殺しに行くぞ」

スキルアウト's「「「おーーっ!」」」

上条(なにやってんだ、こいつら)

ヒゲ「兄ちゃん、見ねえ顔だな」

上条「今日、友達に紹介されてここに入ったんすよ」

ヒゲ「そうか、これから能力者狩り行くから気を引き締めて行けよ」

上条「能力者狩りっすか……」

ヒゲ「なーに、心配すんな。あの車にキャパシティダウンって言ってな、何でも能力者の演算を邪魔してくれる音を出す機械があって、それ使うと楽勝なんだとよ」

上条「そんなもんがあるのか」

ヒゲ「だからよ、能力者どもの財布から金抜き取って今日も豪華な夕飯を食うってわけだ」

上条「そっか……。そういや、Level5の第二位の居場所って知ってるか?」

ヒゲ「第二位だ? どこにいるかはわからねえな。……第二位かどうかは知らねえが、この第十九学区の外れの方で高位能力者同士が戦ったってのは聞いたぞ」

上条「どっちの方だ」

ヒゲ「向こうの方だ、あの更地になってる。あそこは前までは廃ビルとかたくさんあったはずだったんだがな」

上条「そうか」

ヒゲ「お、おい! これから能力者狩り行くってのにどこ行くんだ!?」

上条「あー……、腹痛くなったから帰るわ。じゃあな」



ヒゲ「最近のガキはすぐこれだ……」




~更地~


上条「こりゃすげえ。更地にはなっているがところどころ削り取られたような跡もある……」

上条(本当にただの高位能力者同士の争いか……?)


スタスタ


上条「ッ!? これは……」

上条(白い羽……。けど黒い羽も混ざってる……)

上条「右手で触ってみるか」

パキーン

上条「やっぱり白い羽は能力で出来てる……。てことは垣根の……」

上条(じゃあこの黒い羽は……?)



上条「まあいい。垣根がここで誰かと……、おそらくLevel5と争ったってことはわかった」

上条(あとは相手が誰なのか、それと垣根の行方を調べる)



上条「……今日はもう遅い。帰ろう」


ちょいと休憩します
次に戦闘シーンがあるんですが地の文で挑戦しました
目を汚す結果になるかもしれませんが、ご勘弁を

噴射状の黒翼に羽根があるのか
というか何時演算領域の拡張を起こしたのか

>>182
原作手元にないんだけど、vs垣根で黒い羽って描写なかったっけ?
演算領域の拡張は今後書くかわかんないけど、一応 vs垣根の時にそうなったってことで






~街中~


上条「たくっ、垣根の奴め……」


ゾロゾロ ゾロゾロ


?「おい、そこの似合わねえオールバック」

上条「……なんだお前ら、覆面なんかしちゃって」

??「ここら辺歩いてるお前みたいなのって無能力者のクズって決まってんだけどよぉ、どうなの?」

上条「(イラッ) 無能力者ってのは認めるがクズはお前らだろ、どう見ても」

?「よく言うじゃないか、無能力者のくせに」

??「五人を相手に逃げ出さないのは褒めてやるよ」

上条「あ? なんで俺が絡まれなきゃなんねーんだよ」

???「能力者狩りって知ってっか?」

上条「あー、スキルアウトがやってるやつだな」

??「無能力者のクズのくせにそんな楽しそうなことやってるからよ、俺らも真似しようかなって」

上条「……無能力者狩りってか」

?「ご名答。ちょっくらあいつらの見せしめに瀕死になってくれや」

ブオン

??「発火系能力者二人に電撃使い二人、水流操作一人だからさ」

???「身体に色んな傷がついちゃうねー」

上条「……わりーな」

?「だははははっ、今更命乞い? これはお前が不幸だったってことで諦めろよ」

上条「……今、約束すっぽかされてイラついてんの。手加減出来ないからわりーな」







上条がそう言い終わった瞬間、右足に力を入れ一人の能力者へと距離を一気に詰める
驚く能力者を無視し脇腹に左ボディを当て
降りて来た顎に右アッパーを振り上げ一人を潰す

それを見ていた能力者は馬鹿みたいに口を開けたまま動けないでいた

近くにいた能力者の背後に上条は一瞬のうちに移動し
能力者の頭を抱え込むように両手で包み、思いっきり左へ捻る
すると能力者は糸が解けた人形のように膝から崩れ、顔面を地面に強打する

我に戻った三人の能力者は手から電気、水、そして先ほどから出している炎剣を構え上条に備える

一人が電撃を放つがそこに上条の姿はなく、電撃使いの能力者は急に不安になり辺りを首を振って見回すが上条の姿を捉えることが出来ない
すると後ろから

「こっちだ」

声がし、振り向くと能力者は痛みを感じることすら出来ずに地面に後頭部をぶつける

間近で上条の右ストレートを見ていた水流操作の能力者はすかさず水で作った蛇を上条に当てダメージを与える

はずだった

パキーン

と音がし、水の蛇が消え去る

そのあとすぐ能力者は首に違和感を感じる
上条が能力者の首を右手で掴み、能力者の身体を宙に浮かしていた
それに気付いた能力者は呼吸が出来ないことを理解してしまう
苦痛の表情をうかべる能力者に上条は右手を離し
倒れこみ地面に手をついてえづく能力者の頭を思いっきり右足で蹴り上げる
能力者は数メートル飛び、地面に体全体を擦り付けるようにしてやっと止まる

上条がもう一人の能力者の方を見ると、上条を脅す為に出していた炎剣は消えており、上条に対して

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」

壊れたように目を合わすことすら出来ずに同じ言葉を繰り返す
上条はその能力者の頭を左手で掴み何度も顔面に右膝に当てる
鼻からか口からかわからないが覆面からおびただしい量の血が出てきたところで上条は左手を離し右足で腹を蹴り上げる

誰もいない道の上に息も絶え絶えに倒れ伏す五人の覆面とその中一人立っている似合わないオールバックの少年


「不幸なのは俺と出会ったお前らの方だったな」


少年はそう言い残し誰もいない家を目指して歩を進めた







~自宅~


上条「はぁー、久しぶりにすっきりしたぜ。最近は垣根と会えると思ってずっと走り込んでたから、人を相手にするのがなかったもんな」

上条「しかしまあ、数少ない私服がオジャンになっちまったぜ。……これもすべてくだらねえことやってるスキルアウトのせいだな」

上条(次そういうのしてたら能力者の方を助けてやるかな……。一応、今日の罪滅ぼしに……)



上条「あーっ、もうっ!??垣根がいねえから明日も学校行かなきゃいけねえし。……風呂入って寝よ」




~学校~


上条「おはよ」

青ピ「はよー。あれ? カミやん、昨日よりも老けてへん?」

上条「あー、昨日の夜にコンビニ行ったら無能力者狩りに会っちまってな、能力者狩りのお返しだ! みたいな感じに」

青ピ「それは災難やっなぁ。よく無傷やね」

上条「……走って逃げたからな」

青ピ「ほー」

上条「これもそもそもスキルアウトの連中が能力者狩りなんて馬鹿なことやってるせいだ。……なんかイライラしてきた」

青ピ「カミやん、スキルアウト嫌いなん?」

上条「今嫌いになった」




吹寄「今朝のニュース見た?」

女1「見た見た。Level3の能力者五人が襲われて二人が死亡、三人が意識不明の重体ってやつでしょ」

吹寄「なんでも一人は首の骨が折れて即死、もう一人の死者は顔面複雑骨折で発見が遅れたせいだって」

女2「最近、能力者狩りがひどいよね」

吹寄「監視カメラにも上手く映ってなかったらしいし、人を殺すなんて本当に許せない!」





上条(やっぱりあの技は鍛えてない奴だと即死か……。もう一人って誰だ……???最後のやつかねえ)

土御門「怖いにゃー。無能力者狩りってのも流行ってるらしいし、気軽に外歩けないぜよ」

上条(ま、やっちまったもんはしょうがねえ。今更神様に懺悔なんてしたって意味ねえしな。垣根を狙う奴を何人殺してきたかわかんないし、そもそも神様に見捨てられてる上条さんは関係ないからなぁ)




上条(それでも、罪滅ぼしに能力者狩り見つけたら助けてやるのは決定か……)






~放課後~


上条(昨日のとこ行ってみるか。なんか俺に繋がる証拠あったらまずいし。……こっちの路地裏抜けてくか)





能力者「お前らなんかがいるからこの街で安心して暮らせないんだ!」

スキルアウト1「はあ? 俺ら関係ないんだけど」

浜面「違うスキルアウトの連中だからな、能力者狩りやってんの」

能力者「スキルアウトなんてどいつも一緒だろうが! 死ね!」

キンッ

スキルアウト2「なっ!? 動けねえ」

浜面「念動力かよ!」

能力者「へへっ、思う存分ぶん殴ってやる」



駒場「……能力者、俺らは無関係だ」

能力者「っ!? 誰だお前!」

浜面「リーダーッ!」

スキルアウト1「駒場さん!」

能力者「へえ。親玉ってか」

駒場「……俺らは無関係だ」

能力者「お前を殺せば住みやすくなるな!」

キンッ

駒場「……っ! しょうがない」

ブンッ

能力者「ぐはっ」

浜面「解けた!? リーダーすまねえ」

スキルアウト1「くそっ! この能力者め!」




上条「へえ。あのデカイのやるなぁ」




?「ジャ、ジャッジメントです!」




スキルアウト1「なんだ?」

?「ジャッジメントです。能力者狩りの現行犯でた、逮捕します!」

スキルアウト2「先に手を出してきたのこいつなんだけど」

浜面「そうだぞ、頭花畑」

頭花畑(?)「そ、そんな言い訳通じません!」

スキルアウト1「……やっちまうか」

スキルアウト2「こんな路地裏でジャッジメント一人なんて馬鹿だろ」





上条「ふーん、ジャッジメントに手を出しちゃうんだ」

浜面「さっきからなんなんだよ」

スキルアウト1「お前もジャッジメントか!?」

上条「能力者狩りをやってないのに疑われて能力者に襲われたのを正当防衛した、までは良いのにジャッジメントに手を出したらお前ら本当の前科者になるぞー」

スキルアウト2「部外者は黙ってろ」ブンッ

上条「うおらっ」バキッ

スキルアウト2「」

上条「これは正当防衛だよな」

スキルアウト1「調子に乗りやがって」チャキ

浜面「先にこっちから片付けるか」チャキ

上条「ただの高校生相手に刃物を持った男が二人掛かりって恥ずかしいな」

浜面「うるせーよ」

上条「まあ、俺に会ったのがお前らの不幸だな」





刃物を持ったスキルアウトが上条目掛けて刃物を振り下ろす
上条はそれをバックステップで避けた後、左足に力を入れスキルアウトの顔面に右膝をぶつけた

その瞬間を浜面は狙っていたかのように刃物を上条の死角から突き出す

が、上条はその殺気を感じ取り浜面の刃物を持つ右手首を掴み取る
それに上条は捻りを効かせて浜面を地面に無理矢理押し伏せる
右手から落ちた刃物を浜面の首元に構え

「そこの大きい奴よ、どうする?」

と、一部始終黙って見ていた駒場に上条は問いかけた




駒場「……すまなかった。こちらが悪い」

上条「……そうかい。ジャッジメントのお嬢ちゃんよ、そこの能力者がこいつらを例の能力者狩りの連中だと勘違いして襲ったのがことの発端だ」

お嬢ちゃん(頭花畑)「え? それじゃこの人たちが言ってたのは本当だったってことですか……!?」

上条「そうだよ……な?」

駒場「……そうだ」

浜面「悪かったから、どいてくんねえかな」

上条「あ、悪い」

浜面「たくっ! こっちから仕掛けたけどよ、二人も気絶させやがって」

上条「あー、悪い。手加減がわからなくて」

駒場「……お前、本当にただの学生か? 能力者じゃないのか?」

上条「無能力者だよ。身体鍛えてるだけのな」

浜面「肉体強化系じゃなくてこれってヤバイだろ」

駒場「……俺らのスキルアウトに入らないか? 罪も無く襲われる無能力者を助ける為に」

上条「……俺にも守らなきゃならねえもんがあるんだ。そんなの一人しか抱えられねえよ」

浜面「へっ、女かよ」

上条「男だが?」

浜面「ホモかよっ!」

お嬢ちゃん「ッ!?///」

上条「ちげえよ、家族だよ家族!」

浜面「なんだよ…」

駒場「……そうか。残念だ」

上条「あー、でもよ、そこの二人伸ばしちまったお詫びに俺の電話番号渡しとくわ。困った時あったらいつでも呼んでくれていい。一回だけ」

浜面「一回かよ」

pi

上条「名前は上条だ」

浜面「俺は浜面。リーダーは駒場だ」

上条「それじゃ、また縁があれば」

駒場「……ああ」


スタスタ



お嬢ちゃん「ほ、本当にすいませんでした!」

浜面「いいよ。仕事熱心なのはいいが、路地裏に一人は危ないからな」

駒場「……襲おうとしたくせに何を言ってる」

浜面「そ、そりゃそうだが」

お嬢ちゃん「……そ、それじゃ失礼します」


タッタッタッタッ







お嬢ちゃん「待ってください!」

上条「ん? どうした?」

お嬢ちゃん「わ、私、初春飾利って言います。さっきは助けていただいてありがとうございましたっ」

上条「別に」

初春(お嬢ちゃん)「うっ……、お名前はなんて言うんですか?」

上条「さっき名乗ったけど……?」

初春「下の名前です」

上条「……当麻、上条当麻だ」

初春「あ、ありがとうございます。それじゃ仕事に戻るので」

上条「ん」

初春「それじゃ、上条当麻さん。また」

上条「またな」



スタスタ




上条「ジャッジメントと関わっちまった……、嫌だなぁ。捕まりたくないし、下手に抵抗出来ないし」

上条(それよりも足がつくものは無いか昨日のところで確かめなきゃな)






~殺害現場~



上条(あいつら結構血が流れてたんだなぁ。ここら辺のコンクリートに染みてんじゃん)

アンチスキル1「もう何も残ってないじゃん。さあ、帰るじゃんよ」

アンチスキル2「待ったくださいよ~」

アンチスキル1「本当にトロいじゃん。それでアンチスキルやってけるのか?」

アンチスキル2「だ、大丈夫ですよ。しっかりやります」

アンチスキル1「それならいいじゃんよ」





上条(何もなかったみたいだな。手掛かりがあったらあんなのんびりしてないだろうし)

上条「……帰るか」


では、また明日の夜
寝れなかったら今日の日付が変わる頃に来るかも

どういたしまして

>>1です
ちょっと書いていきます

>>203
誰?




~自宅~



上条「うーん、ネットでLevel5のこと調べようにもちょっとパソコン触ったら壊れた。不幸だ」

上条(うーん、垣根の身に何かあったのは確かだよなぁ)

上条「早く見つけないと……」

グー

上条「飯か……」

上条「久しぶりに作るかな」


____________________
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____________
________
____


上条「ふぅー、今日は早く寝るか」

オヤスm
pipipipipi

上条「不幸だ……。誰だよ」

上条(浜面……? 誰だ?)

pi

上条「もしもし、どちらさんで?」

浜面「昼間あっただろうが、馬鹿か!」

上条「あー (あのピアスか)」

浜面「一回手を貸すっつたよな! ちょっとメールで送るところまで来て加勢してくれ」

上条「良いけど、どうした?」

浜面「昼間みたいに俺らが能力者狩りの連中だと勘違いしたLevel5が攻めて来たんだよ! 今、リーダーが相手してるがどうなるかわかんねえ」

上条(Level5……垣根に繋がるかもしれねえ)

浜面「銃ぶっ放しても砂鉄かなんかで効かねえんだ! 早く来てくれ!」

上条「わかったよ。待ってろ」

pi


上条「ハゲると嫌だから、今日は帽子を被ってっと」

上条「風呂入ったけど運動しますか」







~スキルアウト アジト~


浜面「くそっ! 俺らは何も出来ねえのかよ」



駒場「……勘違いだと言っているだろ、能力者」

?「Level5とやりあえるくせに能力者狩りの犯人じゃないって通じると思ってんの?」ビリビリ

駒場「……俺は発条包帯(ハードテーピング)を使って身体を痛めつけながら動いているだけだ」

?「それがなくてもこの人数、アンタのガタイさえあれば、並の能力者ならやられるわね。それで私の同級生、常盤台の生徒にまで手をかけやがって!」

?「死ねーっ!!」

ビリビリ

駒場「……っ!?」

?「最高速度の電撃よ。それが避けられたら危なかったけど、勝負ありね」

駒場「……俺らは関係ない」

?「意識飛ばした後、アンチスキルの拘置所でそこにいるお仲間さんたちと仲良く服役しなさいっ」

ビリビリ




上条「え? こんなのがLevel5なの?」

?「!? 電磁レーダーに反応が無いのに……。アンタ何者よ!?」

駒場「……お前は」

上条「アンタがやられちまうのかい。それじゃLevel5なのかもしれねえな」

浜面「遅えよ」

上条「家からどれだけ離れてると思ってんだ、馬面は黙ってろ」

浜面「浜面だ! 電話の時もそうだけど名前くらい覚えろよ」

スキルアウト1「アンタは昼間の」

上条「まあ、お詫びってやつだ」

?「……私を無視してんじゃないわよっ!」

ビリビリ

パキーン

?「ッ!?」

スキルアウト's「ッ!?」

上条「そこのビリビリ中学生!」




上条「お前の常識(能力)は俺には通用しねえ」




上条の言葉が名門常盤台の少女のプライドに傷を付けてしまった

「カッコつけてんじゃないわよっ!」

少女が放つ電撃を、それに走って向かいながら上条は右手でそれを消す

少女と上条の距離は後数メートル

少女は地面から砂鉄を取り出し、鞭のように形どっていく
それを上条に向けて振るった

ブゥン ブゥン

空気を切り裂くような音を出しながら鞭は上条に狙いを定める
上条は近くにあったブロックを砂鉄の鞭に投げるが、ブロックは真っ二になってしまった
しかしなおも上条から鞭の標的は外れない
鞭を上条は鍛え抜かれた筋肉と運動神経で避けていく
鞭の攻撃範囲から逃れたところで上条はやっと一息つけた

「その砂鉄は高速で動いているからね。砂鉄のチェーンソー状態よ」

「そんなの反則だろうが」

「アンタだって私の能力が効かないとか言った割に逃げ回ってるだけじゃない」

(これは触っても大丈夫なのだろうか……)

少し悩んだ後、上条は意を決し鞭の攻撃範囲へと踏み込んでいく
少女の放つ砂鉄の鞭に上条は右手をかざした

パキーン

上条が鞭に触れた瞬間、砂鉄の鞭は砂鉄となり地面に落とされた

(さっき逃げ回ってたのは私の砂鉄を消すための演算をしていた……?)

少女は今の状況を冷静に分析していた

(電撃も砂鉄もダメ……、ならこれしかないわよね)

上条が中学生との距離を着々と詰めていく
そのとき少女は自身の通り名でもある必殺技を繰り出そうとしていた

(……コイン?)

「ねえ、超電磁砲って知ってる?」

そう言い終えた時、少女の手から放たれたコインは電撃を纏い、音速を超えて上条に襲いかかった




「へっ、やってやったわ」

少女は超電磁砲の放った方を見て、憎き宿敵の焦げた帽子しかないことを確認する

(あれ? これ私、跡形もなく消しちゃった!?)

少女は今まで自分の能力を消す人間などに会ったことはなかった
そのため超電磁砲を本気で放ってしまっていたのだ

「ま…まあ、元ならあんな奴いなかったのよ」

「それ誰のこと言ってんだよビリビリ中学生」

チャキ

少女は後ろで宿敵の声を聞き、彼の手が頭の上におかれ、銃を突きつけられてる感覚を覚える

「生きてたんだ。けど、私に銃は効かないわよ」

少女は砂鉄で銃を貫こうとする

(演算開始……終了!)

…………

しかし、いつまで経っても砂鉄は集まらない

「……あれ? なんで……!?」

「だから言ったろ」

「お前の常識(能力)は俺には通用しねえって」

少女は実感する

この男が言ってることは本当だ
演算しても演算しても砂鉄や電撃が出ない
これはすなわち今、宿敵の持つ銃で簡単に殺されてしまう

ということに

「き、急に何よ! アンタ能力者なんでしょ!? しかも能力を打ち消す能力を持つ! なのになんで能力者狩りをする無能力者のクズ共を庇うのよ!!」

「こいつらは能力者狩りなんてしてねえよ。やってるのは違う組織だ」

「しょ、証拠はあるの? 無いでしょそんなもの!」

「はあー、なら連れて行ってやるよ。本物のところに」

「……なんで、私を止めたのよ。スキルアウトなんてどいつも一緒でしょ!? いつかこいつらも同じことやるに決まってるわよ!」

「Level5のくせに無能力者狩りしてる奴がなに言ってんだ」

「……しょうがないじゃない。同級生が強姦されたのよ!? 許せると思うの!?」

「そんなこと、俺やコイツらには関係ないね」



「んなっ!? 何とも思わないわけ!?」

「自分がヤるべき相手間違えてんじゃねえよ。自分のやりたいことを邪魔する奴、相手ならぶっ殺すのなら止めねえよ。ただな、関係ない奴を巻き込むんじゃねえよ! そんなことする奴はクズだ!」

「……」

「まあ俺もクズみたいなもんか」

「……なんでアンタみたいなのに私が説教されなきゃなんないのよ!」

「そうだな……。落ち着いたらまた聞くとして、もう説得するのもやめだ。……それと俺、無能力者だから」

そう言って上条は少女の首元に手刀を加えた
すると少女は脳に衝撃を受け意識を手放してしまう
上条は咄嗟に腕で少女を支えた

「こんなガキがLevel5とか本当に終わってんな学園都市」

上条は銃をポケットにしまい込み少女を担いで駒場たちの方へ歩いて行った





駒場「……すまない。助かった」

上条「これでチャラな」

浜面「アイツ、マジでLevel5に勝っちまった! てかなんで能力消せんだよ」

スキルアウト1「昼間はイラついたけど、今思うとなんて奴にケンカうったんだって震えてくる……」ブルブル

上条「それじゃこのガキは俺が預かるわ」

浜面「上条……お前何者なんだ!?」

上条「別に……普通の高校生ですが?」

浜面「いや、あり得ないだろ。なんで能力消せたんだよ!?」

上条「んー……お前らには関係ないだろ。詮索してくんな」

上条「それ以上聞いて来たら殺す」

浜面「」ビクッ

駒場「……上条、本当に奴らのとこ行くのか?」

上条「一応このガキに聞きたいことあるしな。Level5のこと聞くにはLevel5が一番だろ。だもんでその交渉材料にその組織ぶっ潰そうかなって」

駒場「……すまないが、俺は痺れて動けそうにない。浜面」

浜面「な、なんだ?」

駒場「……お前ら上条について行け」

浜面「……わかった (上条に殺されないようにしないと)」

上条「じゃあ借りてくわ。行くぞ馬面」

浜面「……だから、浜面だっての!」ボソッ

浜面「ほら、お前らも行くぞ」

スキルアウト's「お、おう」

浜面「上条、車で行くぞ」

上条「お? 気が利くな、サンキュー」





ブロロロロ



浜面「上条はその女の子に何を聞くんだ?」

上条「第二位の居場所……。てかこいつ何位?」

浜面「へ? 知らねえの!? こいつは第三位の超電磁砲で学園都市の広告塔じゃねえか」

上条「俺、テレビ見ねえから知らねえもん」

浜面「第三位に勝って次は第二位に挑むつもりか?」

上条「……いや、ただ居場所が知りたいだけだよ」

浜面「そうかい」

上条「あの駒場さんって人はなんでスキルアウトやってんだ? おれのイメージのスキルアウト像と違うんだけど」

浜面「リーダーは何の罪も無いのに無能力者だからって襲われる人たちを助けたくてスキルアウトの頭やってんだ」

浜面「あの人に助けられた、あの人の考え方に感銘を受けた、あの人の側にいたい」

浜面「そんな奴らが集まって出来たのが俺らの組織って訳だ」

上条「ふーん、良い男だな」

浜面「ああ。上条も俺らの組織に入ってくれたら嬉しいんだが……」

上条「昼間にも言ったが、俺には守るべき家族がいる。俺みたいなクズには人一人守るだけで手がいっぱいいっぱいなのさ」

浜面「……そうか。もう少しで着くぞ」

上条「……」



~ビックスパイダー アジト~


蛇谷「がはは、今日も好調だったな」

ヒゲ「キャパシティダウンさえあれば、金の心配はいらねえっすね黒妻さん」

蛇谷「ああ、そうだな。俺らビックスパイダーは能力者相手でも勝てるスキルアウトって有名になれるぜ、ぐはははは」

ボウズ「へへっ、黒妻さん機嫌が良いっすね」




上条「俺も宴会にいれてくんねえか?」

ゾロゾロ



蛇谷「あ? 誰だお前ら」

上条「別に名前なんて関係ないよな? これから死ぬんだから、このクズ共め」

浜面「行くぞおらっ!」

スキルアウト's「うおらあっ!」


蛇谷「あいつは駒場んとこの浜面じゃねえか。やっぱり手を出して来やがったな」



上条「おらっ!」

バキッ

ゴキッ

ドゴッ



ヒゲ「あのツンツンめっちゃ強えっす」

蛇谷「あれは肉体強化系の能力者だ! キャパシティダウンを用意しろ」


上条「そういや、そうだ。その機械があるからいけないんだったな」

チャキ パァン ピーピーピー ボォゥン

蛇谷「アイツ……ッ!? ぶっ殺してやる!!」

チャキ

上条「銃を向けて良いのは向けられる覚悟がある奴だけだぜ?」

チャキ パァン

蛇谷「イッ!? 何の躊躇いもなく……」

上条「そろそろ良いかやぁ?」



ボウズ「お、おい!」

ヒゲ「こいつらを殺されたくなかったら大人しくしろっ!」

スキルアウト1「だぁ……うっ……すまん……浜面」

スキルアウト2「くっ、足をやっちまって……」


蛇谷「へへっ、駒場んとこは仲間意識が強いからな人質さえとりゃこっちのもんだ」

浜面「くっ! お前ら汚ねえぞ」

蛇谷「おらぁ! 野郎共! 浜面たちをぶっ潰せ!!」


ボコッ

グキッ

バキッ

浜面「がはっ!」


蛇谷「ははっ! ツンツン、お前は俺がぶっ殺してやるよ」

上条「……はあ、勘弁してくれよな」

蛇谷「へっ、仲間が弱いから悪いんだ。俺じゃなくて仲間を恨んで死んでいけ!」

上条「駒場さんから借りてるんだからさ、傷つけんなや」

パァン??パァン


蛇谷「……は?」

浜面「……え?」


ボウズ「」
ヒゲ「」


浜面「上条……お前……」

上条「駒場さんとこ帰らなきゃならねえんだろ、お前らは。さっさと終わらせんだよ、こんなこと」

蛇谷「本当に殺しやがった……。何なんだこいつは……」

浜面「上条……」

上条「だから言っただろうが! 銃を向けて良いのは向けられる覚悟がある奴だけなんだよ」

パァン


____________________
________________
____________
________
____




スキルアウト1・2「俺らが弱いばかりに上条さんに人殺しをさせちまってすいませんでしたっ!」

スキルアウト's「「「すいませんでしたっ!」」」

上条「別に良いって」

浜面「上条……いや、大将! 俺らのために大将の手を汚しちまってすまない」

上条「だから良いって。(元々汚れてんだから) てか大将って何!?」

スキルアウト1「これからどう恩を返して行けばいいか……」

上条「あー、ならさ。そこにいる連中で、俺が殺しちゃった奴らの死体の処理頼んでいいか?」

スキルアウト2「わ、わかりました」

上条「すまんな。生き残った奴らはお前らの好きにしていいから」

浜面「大将はこれからどうするんだ?」

上条「車ん中でお寝んねしてるガキ起こして第二位の居場所を聞く」

浜面「じゃあ俺らで後処理しとくから話して来てくれていいぜ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上条「おい、ビリビリ中学生」ペシッ

?「……私には御坂美琴って名前があんのよ」

上条「起きたか、能力者狩りの奴らの組織は潰して来たぞ」

御坂(?)「へ?」

上条「外見ろ」

御坂「……うっ、血が所々に……」

上条「お前の目的はこれで達成されたわけだ。そしてそれをやったのは俺」

御坂「……だから何よ」

上条「俺がこれから言う質問に正直に答えろ。これがお前が俺に支払う対価だ」

御坂「……知ってることだったら正直に話すわよ」

上条「第二位垣根帝督の居場所を教えろ」

御坂「第二位……、知らないわね。本名も今知ったくらいだし」

上条「お前第三位なんだろ? なのに一個上の順位について知らないのか?」

御坂「だから知らないって言ってるでしょ」

上条「ふーん、そうか。ならいいわ。もう用はないぞ、帰れ」

御坂「……アンタさっき、俺は無能力者だって言ったわよね!? それどういう意味よ」

上条「世の中には常識が通用しねえ奴もいるってだけだ。お前には関係ない」

御坂「……まあいいわ。次会った時に決着をつけるから」

上条「は? 俺が勝ったじゃん」

御坂「私はまだ本気出してないのよ!!」

上条「……あっそ。バカらし。それじゃ俺は帰るから」

御坂「……礼なんて言わないわよ」

上条「いらねえよ」

スタスタ



浜面「大将、終わったぜ! ってあれ? ……いねえ」

用事があるので抜けます
それでは明日の夜に
寝れなかったら今日の日付が変わる頃に来るかも




~サイド御坂美琴~


次の日



白井「さま……ねえ様……お姉様!」

御坂「……何よ、黒子。今日は学校休みでしょ」

白井「昨日の夜、どちらに行かれましたの?」

御坂「……別にただの散歩よ」

白井「今朝、朝早くに能力者狩りをしていたという連中がこぞってアンチスキルに自主しに行ったそうですわ」

御坂「へえー (やるじゃない、アイツ)」

白井「お姉様は何もやらかしておりませんよね? ね?」

御坂「……やってないわよ」

白井「初春から聞きましたの。スキルアウトの根城を何ヶ所か聞いたそうですのね」

御坂「……」

白井「……お姉様?」

御坂「……初春さんにも話すから第一七七支部に行きましょ」

白井「わかりましたの」




~風紀委員 第一七七支部~


ガチャ


初春「! 御坂さん、無事だったんですね!」

御坂「初春さん……あなた黒子に言ったわね」

初春「うっ……だって心配だったんですよ! 私たちと会ってからも御坂さんは何度も事件に顔を出しちゃいますし」

御坂「……いいわ。それでね、昨日あったことを話すけど」

御坂「スキルアウトの根城に行ったらガタイの良い大男と戦ったの。後一発電撃食らわせれば勝ちだったのに、ツンツン頭の高校生が現れて」

初春(ツンツン頭……)

御坂「ソイツに私は負けて気絶させられた」

白井「Level5第三位のお姉様をですの!?」

初春「ッ!?」

御坂「私が目を覚ました時には問題のスキルアウトの組織はソイツが壊滅させてくれてた」

御坂「私が最初に行ったスキルアウトの組織は違う組織だったみたいでソイツに止められてなかったら関係ない人たちに電撃放ってたかもしれなかったんだ。まあ、一人にはもう電撃放った後だったんだけどね」

初春「……良かったです。御坂さんが無事で」

御坂「Level5の第三位よ? 大丈夫に決まってるじゃない」

初春「違うんです。能力者狩りをするとき連中はキャパシティダウンっていう機械で能力者の演算を妨害するらしいんです」

白井「じゃあもしお姉様が一人で連中の根城に乗り込んでいたら……」

初春「無事だったかは保証出来ないんです……」

御坂「そう、だったんだ……」

白井「お姉様を気絶させるほどの実力者で、キャパシティダウンの影響も受けなかった……」

白井「もしやその殿方は第一位か第二位なのでは……」

御坂「わかんないわ。私に第二位の居場所を聞いて来たし」

初春「第二位の居場所……」

白井「まあ、今回でわかったと思いますが、危険なことには一人で突っ込まないでほしいですの! 私や初春を頼ってください」

御坂「……そうね。ごめんなさい黒子、初春さん」

白井「わかっていただければいいんですの」

初春「はい」

御坂「そういえば、固法先輩は?」

初春「なんか、例のスキルアウトの顔写真を見てたら急にアンチスキルのところに行っちゃいました」

御坂「そう」




初春(上条当麻さん……だよね……)




初春(上条当麻さんは私だけじゃなくて御坂さんまで救ってくれた……。そして、彼は第二位の居場所が知りたい……。これは恩を返すチャンスかもしれない)

初春(私がハッキング用に作り上げたOSを使って第二位の情報を全て引き出して上条当麻さんにあければ恩返しになる……)

初春「……よしっ」

初春(やるぞぉ……、まずは書庫から……)


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________________
____________
________
____




初春(上条当麻さんは第二位の垣根帝督さんと五年近く一緒に暮らしていたなんて……)

初春(しかも第二位は暗部組織スクールのリーダー……)

初春(そして統括理事長との交渉権を得るために第一位と戦い……)

初春(今は……)



初春「これは伝えた方がいいのでしょうか……」

初春(……うん、伝えた方が良いに決まってる! 家族同然の人の安否を心配してる彼に真実を伝えるのも一つの恩返しになるはずです)

初春(辛いけどきちんと伝えましょう……)



初春(上条当麻さんの自宅は……っと)




初春「ちょっと出かけてきます」

白井「行ってらっしゃいですの」


ガチャ バタン


白井「って初春!? 仕事がまだ……。ちっ、帰ってきたら頭の花をむしってやりますの」






~自宅~


ピンポーン


ピンポーン


上条「……誰だよ、昨日寝たの遅いのに……」

ガチャ

上条「どちらさん?」

初春「こ、こんにちは」

上条「げっ、なんでジャッジメントが俺ん家に……」

上条(……君、殺しすぎだゾ☆ 逮捕しちゃうんだゾ☆ ってかぁぁぁぁーーー)


初春「き、昨日は……」

上条(あっ、終わった……。コイツどうするか……)

初春「……ありがとうございました!」ペコッ

上条「……へ?」

初春「昨日は御坂さんを止めてくれてありがとうございました! お怪我はありませんか?」

上条「ミサカサン……? 怪我はないけど……」

上条(死体の方はアイツら上手くやってくれたのか……。今度メシでも作りに行ってやろーっと)

初春「御坂さんは私の友達で…Level5の第三位です」

上条「あー、アイツか。たしか初春だっけ? 俺はお礼を言われることやってねえよ」

初春「いえ、上条当麻さんはそう思ってるかもしれないですけど、結果的に私と御坂さんはそれで助けてもらったのも事実ですから」

上条「……そうかい。てかなんで俺の家知ってんの? ここ俺の正式な住所じゃないのにどうやって辿り着いた……!?」

初春「そのことと、恩返しをしたいので家に私をあげてくれませんか……?」

上条「えっ?」

上条(こ、これって恩返しと言って、私を好きにしてくださいっ! ってパターンか!? 高校生になって三日目で童貞卒業!?!?)

初春「玄関じゃちょっと……」

上条「お、おう……。中……どうぞ」

初春「お、お邪魔しまーす」



初春「へえー、広いですね」

上条「まあ、ずっと二人で住んでたからな。今じゃ広すぎるくらいだ……」

初春「一緒に住んでいたのは……」

上条「ん? 気にするな」

初春「……垣根帝督」

上条「……お前、何が目的だ」

チャキ

初春「じゅ、銃は下ろしてください。それも含めてちゃんと説明します」

上条「……わかった」スッ

初春「……私、ジャッジメントになれたのって情報処理能力が高かったからなんです。能力もLevel1、体力もない、それでも情報処理能力だけでジャッジメントの試験に合格しました」

上条「……」

初春「だから書庫や機密事項にハッキングしてきた人を撃退するのも私の仕事の一つなんです」

上条「……この家はお得意のハッキング技術で調べてきましたって訳か」

初春「はい。そもそも御坂さんから貴方が第二位の居場所を調べてるって聞いて、恩返しにって第二位の情報を集めたのがきっかけです」

上条「……(まだ俺の魔法使いへの道は閉ざされていなかった……)」

初春「それで第二位と貴方が五年間一緒に場所を転々としながら暮らしていたこと。第二位は暗部に属していたこと。そして……」

初春「数日前、第一位と殺し合いをしたことがわかったんです」

上条「ッ!? 第一位と……」

初春「やっぱり第二位となると情報の一つ一つが重くて、引っ張り出せたのはこんな断片的な情報しかありませんでした。けど、第一位に敗れた第二位は……この病院にいるってことがわかったんです」スッ

上条「……ここは、冥土帰しがいるところ……」

初春「こんなことしか恩返し出来なくてすいません。ずっと探していた人が病院で寝たきりなんて聞きたくなかったですよね……」

上条「いや、ありがとう初春。お前は俺のやったこと以上のことをしてくれた。本当に感謝する」ペコッ

初春「あ、頭あげてください……」

上条「お前、こんな機密事項をハッキングして大丈夫なのか? しかも、暗部のことまで知っちゃったわけだし。ジャッジメントが書庫やらハッキングしたなんてバレたらどうするの……」

初春「あっ……、考えていませんでした……。ずっと恩返ししよう、恩返ししようって思ってて」

上条「……はぁ、ここの家の名義は誰だか知ってるか?」

初春「……第二位の垣根帝督さんの家の一つですよね。一番わかりづらい……」

上条「お前、今までに垣根と面識は……?」

初春「全くないですけど……」

上条「ならそのハッキングの件は俺が何とかしてやるから、その間この家に住め」

初春「えっ?……良いんですか?」

上条「恩人を前科者にするわけにはいかねえよ。元々そうなったのは俺の責任だ。お前は俺に守られてろ」

初春「あ…ありがとうこざいます///」

上条「垣根の病院行った帰りに食材と日用品勝手に買ってくるから家から出んなよ」

初春「わ、わかりました」


ガチャ バタン


初春「……なんか頼れるお兄ちゃんみたいだなぁ」




スタスタ


上条(冥土帰しの病院で何日も垣根が休むなんて……。そうとう酷い怪我なのか……?)

上条(そもそもなんで第一位と……。学園都市を変えるには第一位の座が必要だったのか……?)

上条「だぁーっ、わかんね」

上条(とにかく垣根をぶん殴ってから詳しく聞き出してやる!)

上条(……初春の方は垣根のつてで情報を改ざんしてもらえばいいか)



~病院~



ガラガラ

冥土帰し「おや、今日はどこを怪我したんだね?」

上条「垣根の病室を教えてくれ」

冥土帰し「……辿り着いてしまったか」

上条「……どういう意味だ」

冥土帰し「そのまんまの意味だよ。君は垣根君に辿り着いてしまった、ただそれだけの話だね」

上条「垣根はどこにいる」

冥土帰し「ついてくるんだね」



スタスタ スタスタ



冥土帰し「……君はこれから危ない橋を渡ろうとするだろうね。だから垣根君には君自身の力で辿り着かなければダメだったんだね」

上条「……偶然会っただけじゃ俺が死ぬとでも?」

冥土帰し「垣根君を見て君がする行動は一つだと思うけどね」

上条「……」

冥土帰し「さあ、ここだ。覚悟が決まったら入ってくれ」

上条「……わかった」



ガラガラ







上条「…………」



上条「……これが垣根……?」



上条「ははっ、ちげえよ。こんなの垣根じゃねえよ」



冥土帰し「……これは垣根君だね」

上条「嘘つくなっ!」

冥土帰し「嘘じゃない。数日前運び込まれてきた時には人体の損傷が激しく心臓も止まっていた」

上条「……垣根はまだ生きてるんだよな……?」

冥土帰し「心臓だけは修復不可能だった。今は機械で垣根君の身体に血を送り続けているね。仮にも彼はLevel5の第二位、上からの命令で脳に異常がないように延命させろと命令があったからね」

上条「……」

垣根「身体の方は……いつか動き出した時のためにきちんと治している最中だ。今は包帯まみれでわからないだろうけどね」

上条「……これは第一位との戦闘でこうなったんですか」

冥土帰し「ここに辿り着いた時に知った情報で間違いないと僕は思うけどね」

上条「……第一位っ」ギリッ

冥土帰し「彼は垣根君よりも強い。生半可な覚悟と力じゃ君は垣根君以上に酷いことになると思うね」

冥土帰し「別に復讐に行くのは止めない。けどね、君は僕の患者だ。死なないでくれたら助けるからね」

冥土帰し「つまり、そういうことだから」

上条「……ちょっとロビーに行ってきます」

冥土帰し「ここの病室は君だけなら入っても良いことにするね」

上条「……どうも」


ガラガラ




~ロビー~


上条(これは俺の不幸が招いた結果じゃないのか……?)

上条(そもそも俺の不幸は俺が一番欲しいものを奪っていった……、最近の俺はどうだ?)

上条(一年以上も会ってない垣根に、垣根に会おうとしてなかったか……?)



上条「……はあーっ、垣根がこんなんなっちまったのも俺の不幸のせいか」



上条(……これで第一位と戦って勝ったとしても、垣根は元に戻るのか……?)

上条(第一位と戦うことで結局俺は何を求めるんだ……? これも垣根を求めることになるんじゃ……)



上条「……だぁー、何すれば良いのかバカだからわかんねえよ!」



pipipipipi



上条「……電源切るの忘れてた。こんな時に誰だ」

上条(知らない番号……)


スタスタ




~エントランス~


pi


上条「もしもし」

?「やあ、幻想殺し」

上条「幻想、殺し……?」

?「君の右手のことさ」

上条「なぜそれを知っている!?」

?「それは私が統括理事長だからという答えでいいか?」

上条「……そんなお偉いさんが俺に何のようだ」

☆(?)「君には垣根帝督の全てを知ってもらおうと思ってね」

上条「垣根の全て……」

☆「そもそも垣根帝督が第一位…一方通行に挑んだ理由、そして君に対する思いというものを君は理解しておくことが必要だと思ってね」

上条「俺への思い……?」





☆「まず、垣根帝督が一方通行に挑んだ理由。それは私への交渉権を獲得するため」

上条「お前への交渉権だと……?」

☆「私に頼みたいことがあったのだろう。第一位になればそれが出来ると垣根帝督は踏んだ」

上条「何を頼もうとしたんだ?」

☆「この学園都市における置き去りの所有権」

上条「ッ!?」

垣根「垣根帝督は元々知っての通り置き去りだ。君も手違いで置き去りの処遇を受けたからわかっているだろう」

上条「充分でない食事に週一回のシャワー、そして寝る間を惜しんでの実験漬け」

☆「垣根帝督は自分の道を邪魔する者には容赦はしない」

上条「ああ」

☆「だが、それ以上に優し過ぎるのだよ。垣根帝督は」

上条「……」

☆「これが垣根帝督が成したかったことだ」

上条「……だが、第一位に敗れてあんな姿になっちまった」

☆「そうだな。そこで垣根帝督の君への思いとやらを教えてやろう」

上条「……」

☆「垣根帝督は君の未知なる能力に興味を惹かれて君を研究所から引き取った。その後、君との共同生活が始まり、垣根帝督はおそらく人生で初めて充実感なるものを味わってしまったのだろう」

☆「物心つく頃には置き去りになっていた垣根帝督は誰からも愛情を受け取ることはなかった。しかし、君と生活することで家族愛とでも言うのだろうか、日々の生活に光が差し込んできてしまった」

☆「だが垣根帝督はその頃には暗部組織スクールのリーダー。君を危ない殺し合いの道にはひきづり込めなかった。……垣根帝督にとってたった一人の家族だったから」

☆「まあ、私なりの解釈をすれば兄が弟の身を案じるようなものだったのだろう」

☆「垣根は君に初めて殺しを経験させてしまった頃から君からの決別をしようとしていた。やはり一人の方が良かったのだろう、光に当てられ続けた垣根帝督にとって暗部の闇は苦痛だった」

☆「しかし、暗部は抜けられない闇の底だ。君と離れることを選んだ垣根帝督の判断を私は正しかったと思える」


上条「……それを話して俺に何をさせたい」

☆「垣根帝督が動けなくなりスクールは壊滅。暗部組織が一つ足りないのだよ」




上条「俺に暗部に入れと」

☆「君は今までに何人殺した? 暗部の人間だったら殺しても公には罪に問われない。しかし、道端で能力者二人にスキルアウト数名、これらの殺しはアンチスキルに補導されても文句は言えないものだろう」

上条「垣根が俺を暗部に関わらせたくなかったってのに、俺自身が垣根の意を削ぐようなことが出来ると思うのか!?」ギリッ

☆「では、君のために動いてくれた初春飾利の罪も帳消しにしよう」

上条「ッ!?」

☆「それと垣根帝督の身柄は今こちらが保持しているようなものだ。君が暗部に入るなら垣根帝督のことも保証しようじゃないか」

上条「……」

☆「十分後、また電話をするからその時までに決めたまえ」

pi





上条(垣根のやりたかったこと……、俺への思い……)




上条(垣根はずっと一人で戦ってきてた……、俺が一人にさせちまってた……)

上条(俺も垣根もずっと一人だった……)




上条(俺がやり抜きたいことは何だ……? 俺が守りたい奴は誰だ……?)




上条(俺に光をくれた垣根の背中を任せてもらうこと……、俺に不幸に立ち向かう力をくれた垣根を……家族を守りたい……)



上条(なら、永遠の闇でもいいじゃないか……、垣根がいる、家族が側にいる)




上条(あいつとなら抜けられない闇にいても良い……!)






pipipipipi??pi


☆「決まったか?」

上条「垣根の身を保証しろ。そして、俺がお前に貢献することで垣根をまた動けるようにしろ。これが条件だ」

☆「ふふっ、いいだろう。垣根帝督を動けるようにするのは先になるが身を保証することは安心してくれて良い」




☆「暗部組織グループにようこそ」


書き溜め終了です
もう寝ますね
明日また夜に来ます
それではまた


>>248


☆「まず、垣根帝督が一方通行に挑んだ理由。それは私への交渉権を獲得するため」

上条「お前への交渉権だと……?」

☆「私に頼みたいことがあったのだろう。第一位になればそれが出来ると垣根帝督は踏んだ」

上条「何を頼もうとしたんだ?」

☆「この学園都市における置き去りの所有権」

上条「ッ!?」

☆「垣根帝督は元々知っての通り置き去りだ。君も手違いで置き去りの処遇を受けたからわかっているだろう」

上条「充分でない食事に週一回のシャワー、そして寝る間を惜しんでの実験漬け」

☆「垣根帝督は自分の道を邪魔する者には容赦はしない」

上条「ああ」

☆「だが、それ以上に優し過ぎるのだよ。垣根帝督は」

上条「……」

☆「これが垣根帝督が成したかったことだ」

上条「……だが、第一位に敗れてあんな姿になっちまった」

☆「そうだな。そこで垣根帝督の君への思いとやらを教えてやろう」

上条「……」

☆「垣根帝督は君の未知なる能力に興味を惹かれて君を研究所から引き取った。その後、君との共同生活が始まり、垣根帝督はおそらく人生で初めて充実感なるものを味わってしまったのだろう」

☆「物心つく頃には置き去りになっていた垣根帝督は誰からも愛情を受け取ることはなかった。しかし、君と生活することで家族愛とでも言うのだろうか、日々の生活に光が差し込んできてしまった」

☆「だが垣根帝督はその頃には暗部組織スクールのリーダー。君を危ない殺し合いの道にはひきづり込めなかった。……垣根帝督にとってたった一人の家族だったから」

☆「まあ、私なりの解釈をすれば兄が弟の身を案じるようなものだったのだろう」

☆「垣根は君に初めて殺しを経験させてしまった頃から君からの決別をしようとしていた。やはり一人の方が良かったのだろう、光に当てられ続けた垣根帝督にとって暗部の闇は苦痛だった」

☆「しかし、暗部は抜けられない闇の底だ。君と離れることを選んだ垣根帝督の判断を私は正しかったと思える」


上条「……それを話して俺に何をさせたい」

☆「垣根帝督が動けなくなりスクールは壊滅。暗部組織が一つ足りないのだよ」



すいませんでした
読み直してても気がつかなかった……
不幸だ

これからはないようにします
また明日

>>1です
ちょろっと書いていきます

キマシタワー



上条「グループ……?」

☆「まだグループの人間は君一人だがな」

上条「……普通何人で組むことになる」

☆「通常四人といったところか」

上条「いつ人員補充されるんだ? 使えねえ奴ならいらねえぞ」

☆「ふっ、私のプラン通りに事が進めば自然と素晴らしい人材が近々揃うことになる。グループは暗部の中でも特別な暗部になるだろう」

☆「それに従いグループ及び君の能力は一般人だけでなく他の暗部組織に漏れないようにはしておく」

上条「……じゃあ俺は好きなようにしてて良いんだな。お前のプランなんざ知ったこっちゃねえが」

☆「好きなようにしたまえ。せいぜい第一位に殺されないようにな」

上条「心配が必要なのはお前自身の方だ。学園都市第一位が無能力者に殺されるんだからな。学園都市中の能力者がパニックにならないように対応策を今から考えとけ」

☆「ククッ、そういうことにしておこう」

上条「……(チッ) いつから仕事が入る?」

☆「それについては君の上司にあたる人間を用意し、君の電話にかけさせることにしよう。ただ、今すぐに仕事があるわけではない」

☆「加えて、初春飾利については同じようなハッキングをした場合、アンチスキルの御用は免れないことだけは教えておこう」

上条「別に第一位の居場所を知るために初春を使わねえよ」

pi




上条「暗部組織グループ……」


上条「垣根に挨拶はしておかなきゃな……」






~病室~



上条「垣根……」

上条「ごめんな……。俺のために一人で戦ってくれてたのに気付いてやれなくて……、それをムダにしちまって……」

上条「けどよ、今度は二人で背中合わせに戦おう……」

上条「第三位にも勝ったんだぜ? きっとお前の足を引っ張るような真似はしねえよ……」

上条「もう一人にはさせねえ……。お前が目を覚ましたとき、俺はお前と一緒に歩いていく……」

上条「だから……っ……」

ポロ

上条「ははっ、何で涙が出るのかわかんねえや……」

上条「お前と俺が家族なのに一人一人で歩いてたことが悲しいからなのか」

上条「お前に家族として大切にしてもらえて……嬉しかったのか……」

上条「うぅ……ひっぐっ……」グスッ



上条「わからねえよ……」



ポロポロ



上条「…………垣根ぇ」



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____







~上条当麻自宅~



初春「遅いですね……。やっぱり垣根帝督さんの姿を見たせいですかね……」

初春(教えなかった方が良かったのかなぁ……、いやきっと教えて良かったはずです……。きっと……)




初春「それにしても……、最低限の必要なものしかない部屋ですね。キッチン周りは充実してますが、他にあるのは壊れたパソコンにベット、少々の服に銃の予備ですか」

初春(銃を常備してるあたり、やっぱり上条当麻さんも私たちとは違う世界に住んでるんですかね……)




ガチャ


初春「ッ!?」

上条「安心しろ、俺だ」

初春「ほぇー、…….遅かったですね」

上条「……初春は垣根の状態知ってた?」

初春「……はい」

上条「……そうか。教えてくれてありがとな」

初春「……」

上条「さあ、今日は夕飯食って泊まってけ。ハッキングの件は白紙に戻しといたからよ」

初春「!? もうですか!?」

上条「ああ、心配しなくていい。だが次は知らないからな」

初春「わかりました……」

上条「……俺のために動いてくれてありがとう」ペコッ

初春「いえ、お礼を言われることはしてないですよ」アタフタ

上条「いや、初春のおかげで一歩前に進めたよ。本当にありがとう」

初春「上条当麻さん……」

上条「だから、今日は腕にノリをかけて夕飯作るからよ。待っててくれ」

初春「は、はい! 何か手伝いますか?」

上条「座っててくれ。何もないところだがぼーっとしてくれていいよ」ニコッ

初春「ど、どうも///」




~一時間半後~



初春「な…何ですかこれは……」

上条「ん? 垣根といた時もお祝いの時は豪華に食事しようって決めてたからな」

初春「うぅ……見たことない料理ばかりですぅ」

上条「これがフランス料理の牛ヒレとフォアグラのソテー」

上条「それは鶏の北京ダック風春巻」

上条「んでそれはあさりたっぷりのボンゴレ」

上条「あとはコーンスープっと」

初春「……よくこんなの作れますね……」

上条「垣根の舌を唸らせるために結構やり込んだからな」

初春「うぅ……お金払えないんですけど……」

上条「あ? いらねえよそんなもん。垣根が食事と家賃だけは俺の金を使ってくれていいって言ってくれたし」

初春「そ…そうなんですか……?」

上条「ああ。俺は自分の奨学金が小遣いになってるし、お金の心配すんな」

上条(まあ、俺の奨学金はいつもの不幸ですぐに手元から離れてしまうのですがね……とほほ)

初春「じゃ、じゃあ……食べても良いんですか?」

上条「ああ。どうぞとうぞ」

初春「い、いただきます……」

パクッ

初春「ほ…ほえぇぇぇ」トローン

上条「ど、どうした?」

初春「なんか高級料理店に来たみたいですぅ」

上条「お? マジか!? こりゃ垣根の舌も唸らせることができそうだな」

初春「私、お嬢様とか憧れてて! こんな料理食べてみたいなってずぅっと思ってたんですよぉ!」

上条「どんどん食べてくれ! デザートにデパートの地下で一番高いケーキ買ってきてあるから」

初春「あー、なんて幸せなんだろぉ」

上条「ははっ、久しぶりの人と食べる夕食だな。喜んでもらえて嬉しいよ」


____________________
________________
____________
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____





初春「お風呂ありがとうございました」

上条「んー」

上条(あれ? まだ頭に花がある……)

初春「なにしてるんですか?」

上条「いや、これからのことを考えててな」

初春「……第一位を探すんですか?」

上条「探すけど初春の手は借りないよ。これ以上お前を不幸にするわけにはいかねえ」

初春「……じゃあどうやって」

上条「第一位は不良からもケンカ売られるような奴らしいし、スキルアウトのとこで情報収集かな」

初春「……そうですか」

上条「……また遊びこいよ。事前に連絡くれれば食事作って待ってるからさ」

初春「別に食事のことじゃないですよ……」

上条「お前だって感ずいてるだろ、俺が今までなにしてきてて、これから何をしようとしているのか」

初春「……」

上条「お前は優しい。だからこれ以上俺といちゃダメなんだ。こっちの世界にお前の優しさはあっちゃいけないんだ」

上条(垣根のような優しさはあっちゃいけないんだ……)


初春「……わかりました。けど、貴方を見かけたら話しかけますし、その時に何をやってるか詳しく聞き出します!」

上条「……ははっ、じゃあ見つからねえようにしねえとな」

初春「……連絡先だけは交換してください。それ以上は今は何もいらないですから」

上条「あいよ」

pi

初春「それじゃあ、もう寝ますね」

上条「ああ。ベット使ってくれていいから。俺は垣根のハンモック出すし」

初春「垣根さんってハンモックで寝てたんですか!?」

上条「俺に常識は通用しねえらしいよ」

初春「ふふっ、そうですか。それじゃおやすみなさい」

上条「おやすみ」





~翌朝~



初春「んー……良い匂いぃ……」

上条「おはよ」

上条(あれ? 頭の花は寝てる時も外さなかったの……?)

初春「おはよおごさいますぅ。朝ご飯まで作ってくれたんですかぁ?」

上条「ああ。昨日のと比べると見劣りするけどな。まずは顔洗って来い」

初春「はいぃ」



上条(なんか妹ができたみたい……)



初春「すっきりしました! これは白米にお味噌汁にシャケの塩焼き、玉子焼きの王道朝食!!」

上条「まあ、昨日は少し重かったからな。軽めに作ってみた」

初春「じゃあいたたぎます!」

パクッ

初春「はぁーっ、なんかお母さんの味を思い出しますぅ」

上条「母さんに教わったからな」

初春「優しい味ですね。昨日、食事はどうでもいいとかって言っちゃいましたけど、上条当麻さんの料理から離れるの無理かもしれないですぅ」

上条「こういうのはたまに食べるから上手いんだよ。きちんと寮に戻れよ」

初春「はい。今日はもうスキルアウトのところ行っちゃうんですか?」

上条「いんや、今日はのんびり家で寝てるよ」

初春「そうですか……。私は今日はジャッジメントの仕事あるんですよね……」

上条「そうか。頑張れよ」

初春「はい! 朝ご飯ご馳走様でした!」

上条「おう」

初春「それじゃ行きますね」

上条「ああ、気をつけてな」

初春「はい。ではまた」

上条「またな」



ガチャ バタン



初春(本当のお兄ちゃんと妹みたいですね……、ふふっ)



上条(妹がいたらこんな感じなのかねえ……)






~初春サイド~



初春「一回寮に戻ってから支部に行こうかな」


初春「ん? あれは……御坂さん?」


初春(ゴーグルなんかつけてどこ行くんだろう……、あの先って特に何もない路地裏なはずなのに……)


初春「……気の、せいですかね」

初春「今日、白井さんにでも聞けばいっか」




初春(上条当麻さんみたいな人とも交流を持つなんて……)

初春(小学六年生の時に白井さんと御坂さんに会ってから私、変ったんだよなぁ)

初春(銀行強盗の時は白井さんと御坂さんの超電磁砲で助けてもらえたけど、次は私が助ける側になるんだ)





~風紀委員 第一七七支部~



初春「おはようこざいまーす」

固法「おはよう初春さん」

白井「遅いですわよ、初春」

初春「昨日は固法先輩、どうしたんですか?」

固法「あー……、あんまり気にしなくても大丈夫よ」

固法「それよりも! 昨日、貴女の寮の監督さんからどこに行ったのか聞かれたんだけどいったいどこに行ってたの!?」

初春「今朝、寮監さんにも話しましたが、知り合いの家にお泊りに行ってて……」

白井「まあまあ初春、そんなことをしていて仕事に遅れましたの? し・か・も! 昨日は仕事も途中で放り出して! ということで私の分の書類もやれですの」

固法「それは自分でやりなさい」ペシッ

白井「あぅ……。初春、知り合いとはどなたですの? まさか殿方!?」

固法「え? 彼氏??」

初春「えぇ!? 違いますよー! 男の人ですけど、なんかお兄ちゃんみたいな人で彼氏なんかじゃないです!」

白井「ふーん、まあどうでもいいですの」

初春「白井さんみたいな人にはわかりませんよ」

シュン

白井「うーいーはーるー、それはどう意味ですの!?」ブチッブチッ

初春「ぎゃー、花を抜かないでー」

固法「白井さん、いい加減にしないと仕事の量増やすわよ?」

白井「(クッ) ……ここら辺でやめといてあげますの。固法先輩に感謝しなさい、初春」

初春「うぅ……、あっ! そう言えば、今朝御坂さんどこに行ってたんですか?」

白井「え? お姉様は今日も麗しくキュートな寝顔を私に見せてくれていましたのよ? 外出などされてませんの」

初春「あれ? そうなんですか? うーん、じゃああれは見間違いかぁ」

固法「さすがに御坂さんでも電気で分身なんて作れないわよ」

白井「まだ同じ部屋で過ごすようになって数日、今朝も手は出しておりませんの。グヘヘヘヘヘヘ」

初春「うわぁ……」

固法「……御坂さんご愁傷様ね」



初春(あれは見間違いだったのかなぁ……、まあ今はこの溜まりに溜まった仕事ですね)






~上条当麻自宅~



上条「んー、どうすっかなぁ。暗部ってことは学校行きづらいよな」

上条(まあ、今更真面目に学校行ったってしょうがねえし、行かなくてもいいか……)




上条「いや明日、明日行って最後にしよう。青髪と土御門には中学からなんだかんだ言ってお世話になっちゃいるからな……、うん」

上条(てなわけで、今日は何もせずに最後の平凡な日常を楽しむんだーー)

上条「……まだ昼だけどおやすみ」




深夜、上条当麻が深い眠りについていた頃

パキーン

と音がしたのを鳴らした本人は気が付かないでいた



ここいらで終わりです
明日朝早いためもう休ませてもらいますね
次回は現実の方の忙しさが一段落した頃なのでいつ更新するかはわかりません
展開予想はあまりしないでもらえると嬉しいです

それではまた

>上条「……また遊びこいよ。事前に連絡くれれば食事作って待ってるからさ」

>上条「お前は優しい。だからこれ以上俺といちゃダメなんだ。こっちの世界にお前の優しさはあっちゃいけないんだ」

これ矛盾してるように思えるけど
つまりは別に会いに来るのはいいけど
暗部側には来るなよってことでいいの?

>>1です
時間取れなくて間が空いてしまってすいません
レスありがとうございました
少し書き溜めた分を



~翌朝~



上条「……」

上条(学校か……)

上条「まあ、あまり良い思い出ないし、青髪と土御門に挨拶したら帰ろうかな」

上条(……そもそも他の奴の名前なんてほとんど知らないしな)

上条「朝飯はいいや、顔洗ったら行こっと」





ガチャ バタン



上条(復讐目的で来る奴らを撒くためとは言え、毎度毎度路地裏や狭い道を通るのは気が引ける……)

上条(そういや初春は住所だけで家まで来たな……)

上条「住所が知れたら誰でも来れるってことか……」

上条(まあいいか。暗部組織の部屋ぐらい用意してくれてるだろ……)

上条(それに……)


上条(垣根を待ってても来ないからあの家に拘る必要もないしな)




上条「それにしても……、今日は街中が少しおかしいな」




爺「早く学校行こうよ~」

中年男「腕絡めてくるなよ、恥ずかしいだろ」

爺「いいじゃん~! もうすぐ付き合って半年だよ~?」

中年男「それでも恥ずかしいの!」





婆「私、その荷物持ちますよー?」

若い男「年寄り扱いするでない!」

婆「お母さんにお年寄りには親切にしなさいって言われてたんで……」

若い男「わしゃあ、まだまだ若いわ! まだ六十代! それに孫の中学校の入学式に来ただけでもう帰るからお主の行く方向とは逆じゃ」





上条「……」

上条(なぜ制服を来た気持ち悪い爺と中年男と婆を朝から見なきゃなんねえんだよ)

上条(しかも爺はセーラ服着て喋り方もおかしいし……、ハゲ散らかってるし……、ホモホモしいし……)

上条「……帰ろうかな」





「いよ~、カ~ミやん!」

上条「ん?」

「この時間に登校なんてえらい早いな~」

上条「お、おう……」

上条(なんだこのおっさん、馴れ馴れしいな)

おっさん「ん? どないした、気持ち悪い物を見るような顔して」

上条「……誰だっけ? そんな顔に刺青入れたおっさんに知り合いなんかいないんだけど」

おっさん(刺青入り)「んな!? 中学からの親友になんてこと言うん!? それに僕は刺青なんて入れてへんし」

上条「……その喋り方と馴れ馴れしさから言って、……青髪?」

青髪(おっさん)「そうやろ! 何? カミやん僕の顔忘れてしまったん?」

上条(……暗部に入ると視覚がイカれるのか……?)

青髪(おっさん)「まあええわ。学校行こうや」

上条「お、おう」

上条(本当に青髪だよな……?)




スタスタ



上条(やはりおかしい。五才ぐらいのガキが制服着てたり、幼女が白衣着てる。しかも俺の学校に向かうやつも知らねえようなおっさんやババアばかりだ……)




「おはよう」

青髪(おっさん)「おお! おはようさん」

上条「……?」

「貴様、クラスメイトなんだから挨拶ぐらいしたらどうなんだ」

上条「……お前なんかいたっけ?」

「ッ!? ……貴様、まだ日が浅いとは言えクラスメイトの顔も忘れたか……」

青髪(おっさん)「おいカミやん、吹寄や! 吹寄制理や!」ヒソヒソ

上条「え? 吹寄って登校二日目に俺らに頭突きというか、デコ突き食らわしてきた奴だよな? こんな赤い髪のバーコード入り長身男だったっけ?」ヒソヒソ

青髪(おっさん)「はあ? 吹寄は赤髪でもないしバーコードなんて入っとらんやろ。そもそも女だし」ヒソヒソ

上条「え? だよな、女だよな……?」

吹寄(赤髪)「ほう上条、貴様には私が男に見えると言うのか……」

スチャ ピカーン

青髪(おっさん)「やばい、カミやん逃げろ」

上条「お、おい。髪留めでデコ出してどうした……、近づいてくるな……ッ!?」

吹寄(赤髪)「くらえっ!」

ゴンッ!!!!

上条「グハッ」

吹寄(赤髪)「ふんっ」

青髪(おっさん)「いやー、カミやんもう二発目を食らうとは……。そんなにあれ好きなんか?」

上条「なんか不幸だ……」






上条(やっと教室に着いたは良いが、知らねえ顔ばっかりだ……)

上条(青髪の席にはさっきの刺青入りおっさんが座ってるし、吹寄の席にも赤髪バーコード入り男が座ってる……)

上条(土御門は……、まだ来てないか……。もうホームルーム始まっちまうぞ……)




ガラガラ




上条「ッ!?」

?「はーい、ホームルーム始めますよー」

上条「母さん!?」ガタッ

「「「「「え?」」」」」

詩菜?「え~!? 私、上条ちゃんのお母さんじゃないですよ~!?」

青髪(おっさん)「ぷぷ、カミやん、小萌先生をお母さん呼ばわりするなんてどうしたん? ぷぷぷ」

上条「へっ?」



「ホームシックか? 上条ー」

「上条君って怖そうなのに可愛いとこあるんだね、ふふっ」

「ねー」

「なっ!? 上条、お前それが狙いか!」

青髪(おっさん)「なんやて!? カミやん、それは許せんな~!」

上条「え? えっ?」

吹寄(赤髪)「貴様、ふざけるのも大概にしろよ……!」

上条「え? 母さん? あれ?」

小萌(詩菜)「みなさーん、静かにしてくださいなのですー!」

上条(なんかおかしい……、俺以外の人間は何も違和感を感じていないのに、俺だけがおかしくなってる……)

青髪(おっさん)「そんな無理矢理なイメチェンなんてカミやんらしくないで? おい、聞いとんのか?」

上条「あ、ああ。ちょっと気分が悪いみたいだ」

吹寄(赤髪)「ふん、休み明け早々体調を崩すとは情けないな」

上条「ああ……、そう、だな。先生ちょっと早退します……」

小萌(詩菜)「あっ、はい。お大事に、なのです」



「大丈夫かー? お大事になー」

「上条君また明日ね」

青髪(おっさん)「また明日な」

上条「……ああ」


ガラガラ ピシャン





上条「どーすっかなー。これって暗部と関係あるのかな……?」

上条(俺が暗部に入ったからその翌日から俺の周りでおかしくなってるのか、それとも暗部絡みではなく何かが起こっていて俺だけがその異変に気付いているのか)

上条(他の人間と俺との違い……っ!!)



上条(この右手……、幻想殺し……)



上条「! ……なんらかの能力が発動しているのか……?」

上条(そうしたらこの学区……、いやもしくはこの学園全土を巻き込んだ能力の発動……)

上条「んなこと出来るのなんかLevel5くれえだろうな……」



上条(もしくはその能力を模倣した機械によるクソ科学者どもの実験……)



上条「はあー、裏を知ってると無限に可能性が出て来そうで困る」


上条(情報は欲しいが一日、日を空けた方がいいか……? むしろ暗部絡みの可能性を優先して今日は交戦を視野に入れた俺に有利な場所の確保をするか……)




グゥー




上条「……朝飯食ってないし、食材買うか。まあ、今日は警戒して動くのは明日だな」



少し短いですがこれで
次は日曜の夜になるかと
来れなかったらまた日が空いてしまうかもしれません
大きな休みがあれば良いのですが

それでは




チュンチュン

上条「……」

上条「朝か……」

上条(結局誰も来なかった……)

上条「暗部絡みじゃないのか……」



pipipipipi



上条「……非通知」


pi



☆「やあ、幻想殺し。あまり眠れなかったみたいだね」

上条「そうおちおち熟睡なんてしねえよ。……ん? お前は普通なんだな……」

☆「幻想殺しの能力は素晴らしい、この大魔術ですら打ち消してしまうのだからな」

上条「魔術……? この変な世界はお前の仕業か!」

☆「違う。これは正直言ってイレギュラーだ。まあ、おそらく今日中には片付くだろう。むやみな外出はやめておけ」

上条「おい! 何も説明しないまま終わらせようとしてんじゃねえよ」

☆「詳しいことは明日、土御門にでも聞きたまえ。彼がどのような選択をするか楽しみだな」

pi-



上条「土御門だとぉ……、それになんだ魔術って……」



上条(まあ、いい。暗部絡みでなく、今日中に終わるってんなら家戻るか。こんな廃墟みたいなとこなんて二日もいたくねえや……)




上条「はぁー……」

上条(いつからこんな風になっちゃったのかねぇ……、殺しが日常の世界……)



?「チッ、どォなってンですかねェ。アァン」



上条「……」

上条(あんな真っ白な髪と肌なんて……、気持ち悪い野郎だ……)



?「クソが」




上条「あれ? あいつもこの違和感に気付いてた……?」

上条(まあ、いいか。今日は家帰って寝直そう……)


上条(んで明日土御門を問い詰める!)




~翌朝~


ガラガラ


青髪「おー、カミやん! 昨日は学校休んどったけど大丈夫なん?」

上条「……」

スタスタ

土御門「な、なんぜよ……、怖い顔して」

上条「ちょっと来い」グイッ

土御門「うおっ、襟を掴むな襟を!」


スタスタ



「なんか今日の上条君怖かった……」

「土御門君がなにかしたのかな」

「ホモだー、って雰囲気明るくしようとしたけど出来なかった……」

「お前良い奴なのか微妙なラインだな」


青髪「んー」



~屋上~


土御門「いい加減離せ!」

上条「……お前、何者だ。昨日、一昨日の不思議現象はなんだ。……魔術とはなんだ」

土御門「ッ!?」

上条「中学の時から俺のことコソコソと監視してやがって……、気付いていないとでも思ったか」

土御門「な、なんのことかにゃー。俺にはさっぱりだぜい」

上条「……アレイスター・クロウリー」

土御門「な、なぜカミやんがその名を!?」

上条「俺からしたらなぜ統括理事長さんからお前の名前が出てきたかの方が気になるんだがな……」

土御門「……そういうことか。アレイスターめ」

上条「さあ、話せ。お前が知ってること全てだ」

土御門「幸いもう授業が始まる……。邪魔者も来ないことだし、力づくでやってみるのもアリなんじゃないか? 上条当麻……、いや、……幻想殺し!」



先に動いたのは上条だった
上条の常人離れした踏み込みにより土御門の左側へと上条の右半身が射程圏内に入る
土御門はしっかりとそれに反応し上条の右ストレートに備える
しかし上条は右手の勢いを殺し、思いっきりそれを引く
そうすることで野球のピッチャーのような体勢から土御門の死角へと上条の左拳が突き刺さった

はずだった

土御門は右腕でそれを受け止め上条のガラ空きの腹部へ左ボディを繰り出す

上条は予想外の土御門の動きに混乱してしまう

土御門はそれを見逃さずに右拳を上条の背骨へと殴りつけようとする

しかし上条はそのただならぬ殺気を感じ、右方向へ左足に力を入れ、土御門の攻撃を逃れる


「今までの奴らと同じだと思われちゃ困る」


土御門の殺気

上条は未だに信じられなかった

垣根級の殺人格闘術を身につけた人物に出会ったことに


「……はぁ、せっかく長いこと入院していなかったのにな」


上条は身を引き締める


(こいつは強敵だ)




「こんなんじゃ聞きたい情報なんざ手に入らないぞ」

「やってやらあ、最近きちんとした格闘やってなかったからなぁ」


上条は先ほど同じように土御門の左側へと踏み込む

と同時にその右拳が土御門の太腿を捉える

踏み込んだ足と共に右手を上条は繰り出していたのだ

土御門はその想定外の痛みに一瞬我を忘れるが、すぐに意識を集中させる


(つ、次は左手か……!?)


上条は攻撃の手を緩めない
右拳を太腿からそのまま上へスライドさせ鳩尾を右のショートアッパーでえぐる


(決まった! あとは左で顎を揺らせば動けない……ッ!?)


上条の一瞬の油断

それを土御門は見逃さず上条の左頬に自らの渾身の右ストレートを当てる


「はぁはぁはぁ」


土御門は息を整える

上条はというと……、


「いつつっ、クソが! あともう少しだったのによぉ」


左頬は少し赤く腫れてはいるが、まだまだ余裕そうだった



予想外だった

土御門元春、魔法名は??背中刺す刃(Fallere825)

自分の目的のためなら何かを裏切ってでもそれを果たす

彼はその名の下に魔術的見地だけでなく肉体的にも申し分ないトレーニングを続けてきた

しかし、この上条当麻という男はまだまだ底が見えない
明らかに殺しにかかってくるような攻撃はしていない

それどころか土御門は初めから殺す気でかかってようやく互角

それが彼のプライドを傷つけた


「お前、殺そうと思ってやらなかったこと、後悔するなよ」




先ほどから土御門は本気でかかってきているのはわかっていた
しかし上条は情報を聞き出さなきゃならない
殺してしまっては意味がないのだ
殺しの格闘術しか知らない上条にとってどの位までがセーフのラインでアウトのラインなのかまだ検討がつかないのだ


そんな迷いを察してか土御門の周りの雰囲気が変わる

何かを土御門が辺りに投げた

それを皮切りに土御門は詠唱を始める


「――場ヲ区切ル事。紙ノ吹雪ヲ用イ現世ノ穢レヲ祓エ清メ禊ヲ通シ場ヲ制定
 (それではみなさん。タネもシカケもあるマジックをごたんのうあれ)


?――界ヲ結ブ事。四方ヲ固メ四封ヲ配シ至宝ヲ得ン
 (ほんじつのステージはこちら。まずはメンドクセエしたごしらえから)


?――折紙ヲ重ネ降リ神トシ式ノ寄ル辺ト為ス
 (それではわがマジックいちざのナカマをごしょうかい)


?――四獣ニ命ヲ。北ノ黒式、西ノ白式、南ノ赤式、東ノ青式
 (はたらけバカども。げんぶ、びゃっこ、すざく、せいりゅう)


?――式打ツ場ヲ進呈。凶ツ式ヲ招キ喚ビ場ヲ安置
 (ピストルはかんせいした。つづいてダンガンをそうてんする)


?――丑ノ刻ニテ釘打ツ凶巫女、其ニ使役スル類ノ式ヲ
 (ダンガンにはとびっきりきょうぼうな、ふざけたぐらいのものを)


?――人形ニ代ワリテ此ノ界ヲ
 (ピストルにはけっかいを)


?――釘ニ代ワリテ式神ヲ打チ
 (ダンガンにはシキガミを)


?――鎚ニ代ワリテ我ノ拳ヲ打タン
??(トリガーにはテメエのてを)」




不思議な呪文のようだ、と上条は思った
言い終えた土御門の周りには何があるように感じた



「この広範囲攻撃から逃れられるか?」


そう言い終えると魔法陣のようなところから巨大な炎が上条目掛けて襲いかかってきた


上条は咄嗟に右手を構える


パキーン


乾いた音が鳴るがまだその攻撃は止まない


すると上条の後ろからも炎が迫ってきていた




「頭に血が上って赤ノ式使っちまったぜよ……、ゴフッ」


超能力の開発を受けているにも関わらず魔術を使用した土御門は全身から血を噴き出しながら膝をついていた


(殺しちまったか……?)



今だ煙が消えない上条がいたところを睨みつける



人影だ



しかしそれはうつ伏せに倒れていた

背中は炎を喰らったせいか制服が焦げている


(赤ノ式でも吹っ飛ばねえ身体かよ……、こりゃ本当に殺す気でやらなかったら死んでた……)


土御門は安心して腰を下ろす


(早くここから離れないと……、こんなとこで赤ノ式使うなんてバカなことしちまったな……。後は幻想殺しの回収、捕縛、っと)


土御門が起き上がろうとした瞬間


チャキ



額に銃を突き付けられた




「っ……、背中絶対火傷してるわこりゃ。てか血まみれじゃん、どうしたよ」


「……なぜ立っていられる、ゴフッ」


「あんなダメージ数年前に克服済みだ。右手を前に後ろに大忙しだったぜ。そのせいで筋肉は数カ所痛めるし、そこにきて背中からの攻撃で少し気を失っちまったわ」


(こいつ本物の化け物か……っ! 超能力も魔術も効かない、身体的能力も常人以上聖人未満……)


「さて、話してもらうぜ。全てな」





土御門「降参だ……。今じゃ俺も身体を動かせない。それにカミやんにはいずれ話そうと思っていたことだ」

上条「その割には殺す気満々だったじゃねーか」

土御門「当たり前だにゃー。俺くらい倒せなきゃこっちの情報知ったところでその次の週にはお陀仏ぜよ」

上条「ほう。なかなか面白そうだな」

土御門「それよりもちょっとキレて後先考えずに目立つ魔術使っちまったから、早くこの場から立ち去っときたいんだが……」

上条「……はぁー、病院連れてくぞ。俺も火傷治さなきゃいけないし、筋肉も少し診てもらわなきゃいけねえや」

土御門「すまんにゃー。病室で全て話そう……、俺がしてしまった罪も含めて…….」

上条「……」



~病室~



上条「くそっ、一日検査入院とかついてねえなあ。しかもお前と相部屋かよ」

土御門「まあ、仲良くしようぜい」

上条「良いから話せよ」

土御門「まずは俺のことから話しておいた方がいいか……、俺はイギリス清教という魔術師の組織の一員で必要悪の教会(ネセサリウス)に所属している魔術師だ」

上条「難しい名前言われたってわかんねえよ。まず魔術師ってのはなんだ? さっきの炎が魔術だってのは間接的だが理解はした」

土御門「あれも魔術の一種だが俺のは風水を使う……、まあそれはおいといて、魔術とは学園都市外の超能力だと考えてもらっていい」

上条「ふーん、それも俺の右手は消しちまうのか……」

土御門「ああ。それに気が付いたイギリス清教は俺を監視役として選んだってわけだ。別件で学園都市にはスパイとして潜入していたからな」

上条「……俺に気付かれたのは百歩譲ってしょうがないとしても、なぜ統括理事長にまで名前を知られてるんだ……、まさかもうスパイだってバレてる!?」

土御門「チッチッチッ、実は俺は学園都市からも依頼を請け負う多角スパイなのさ! その裏ではまた魔術側へ情報を垂れ流し、そのまた裏では学園都市に情報を垂れ流し、ってことをやってるわけ!」

上条「そりゃ大変なこった。まあ、あんだけ強けりゃそうそう死なないだろ。あの魔術だって俺とかLevel5ぐらいじゃなきゃ今頃あの世行きだろ」

土御門「それがな、カミやん。超能力の開発を受け過ぎて魔術が碌に使ないようになってしまったんだにゃー」

上条「はっ? じゃああの炎は?」

土御門「あれは魔術。だがあの後の俺を見ただろ。魔術を使うと自分の身体を壊す。だから魔術を使う時は絶体絶命の時ってわけだぜい」

上条「ふーん」



土御門「とまあ、俺の改めましての自己紹介はこの辺にして。昨日、一昨日の異変について話そう」

上条「ああ、となるとあれも魔術の影響ってわけなんだな」

土御門「あれは魔術の中でも大魔術の御使墜し(エンゼルフォール)だ」

上条「なんだそれは」

土御門「詳しくは魔術的な知識が必要になるから省くが、要するに精神と肉体がシャッフルした状態になることだ」

上条(そういうことね……)

上条「それをやって何がしたかったんだ?」

土御門「天使を天界から人間界に引き摺り下ろす」

上条「天使ねえ……、それも魔術ですか」

土御門「天使なんてものは人間じゃ勝てない。そんなものが本当に人間界に墜されたら人類は滅亡だろうな」

上条(嘘……は言ってなさそうだな……)

土御門「だからこの魔術を早急に止める必要があった」

上条「……その方法は?」

土御門「術式の破壊か……、術者の抹殺」

上条「……お前はどっちの方法をやった」

土御門「……術者の抹殺」

お付き合いありがとうございました
次回の更新はまだ未定です
時間見つけてちょくちょく書き溜めしたいですね
エンゼルフォール終わるくらいまでは……
ちょっと表現がおかしかったり誤字脱字があったりするとは思いますが許してください
話がなかなか進まないのはすみません
どうしても薄くしないように心掛けるとこうなってしまって

それではまた

>>1です
エンゼルフォール篇最終パート書いていきます



上条「……お前も汚いことやってんだな、やっぱり。まあ、あれだけ動ければそうでない方がおかしいか。でもよくそんな大魔術を扱う魔術師を殺せたな」

土御門「……術者は一般人だった」

上条「一般人でも魔術使えるのかよ」

土御門「御使堕しは今だ正確な術式も解明されていない大魔術だ。その一般人がたまたま起こしてしまった……、ただそれだけだ……、それも愛する人のために……」

上条「……それで? 俺に話すことは終わったのか?」

土御門「いや、まだだ」

上条「……」

土御門「……その術者というのが、……カミやんの親父さんだった」



上条「……」

土御門「……すまない」



上条(ああ、垣根がいなくなって、家族の繋がりを欲してしまっていたのか……。俺の一番欲しいものが俺の目の前から消えていく不幸……)



土御門「監視対象としてカミやんの家族の顔は知っていたから気が付いたんだ。カミやんの親父さんだけ姿形が変わっていない、と」

土御門「それにその時、天使が一時的とは言え人間界に堕ちてしまっていた。それの対応を迫られた俺や数人の魔術師には時間がなかった。」

土御門「……事実死人も出た」

土御門「術式を捜索する時間はなかった。……悠長に構えていたら俺は死んでいたんだ。だから、だから……、カミやんの親父さんを、殺した」


上条(俺が大切にしたものはどんどんと無くなっていってしまう……。ならば、俺がすべきことは……)


土御門「……」

上条「……なぁ」

土御門「……なんだ」

上条「監視対象なんだからよぉ、大まかな俺の過去なんかは知ってるよなあ」

土御門「……ああ」

上条「じゃあ、その資料からでもわかりきってるよなあ! 俺が一番大切にしてる物がよお!!」

土御門「っ……、ああわかってる」

上条「俺だってただ監視されてたわけじゃねえぞ。お前のことはずっと警戒してたからなあ! お前が一番大切にいてるものがなにで、どこにあるのかも知ってるんだよなあ!」

土御門「ッ!? カミやん、それだけは……!」

上条「人が一番大切なもの壊したんだ。壊される覚悟がなきゃそんなことやっちゃいけねえよなあ!!」



土御門「っ……、そんなこと絶対にさせねえぞ……、させねえからな!」

上条「お前が俺から奪ったのはそういうものだろうが!」ガシッ

土御門「うっ」

上条「……なあ、俺さ今暗部に入ってんの。あー、これ最重要機密ね」

土御門「ッ!?」

上条「俺がちょこっと電話して命令すれば下部組織なんかが早急にやってくれちゃうわけ」

上条(まだそんなのないけど)

土御門「……やめろ」

上条「……やめてほしいか? ああ?」

土御門「……や、やめてくれ。お願いだ」

上条「……」

土御門「俺には舞夏が全てなんだ! 頼む……っ!」

上条「……それじゃあ一つ要求を飲め」

土御門「……」

上条「俺が一番欲しいものは俺の目の前から消えていくんだ。そして今欲しいのが優秀な仲間。俺の暗部組織は俺一人だけだからな」

上条「だから土御門、お前には俺の仲間になってもらう。そしてお前が使えなくなった、もしくはいらなくなった時点で、土御門舞夏を殺す」

上条「それは俺の独断と偏見で勝手に決めさせてもらう」

土御門「……そんな要求飲めるわけないだろ」

上条「これは相談じゃねえ、命令だ。それに背くことは土御門、そしてお前の妹の人生を今すぐに終えることになるが、いいか?」

土御門「……くっ、それでいい、それに従う」

上条「まあ、すぐに切り捨てることはないだろ。それに俺かお前が死ぬまでこの関係が崩れることもないかな……、どうせすぐ消えちまうだろうし」パッ

土御門「……俺には少なからずカミやんに対して負い目はある。だから、俺にお前の命を狙わせるようなことだけはさせないでくれ」



土御門「仮にも今まで、友達以上の関係を続けてきた仲なんだから……」

上条「……そうだな」




土御門「だがいいのか? 俺を仲間にするってことは色々問題を押し付けられる可能性が出てくると思うが……、魔術関連で」

上条「そのことだが、どうもアレイスターには土御門を仲間にさせようと考えてた節がある。少なくとも俺が怒りで我を忘れてお前を殺しても魔術関連の仕事は俺には回ってきてただろうよ」

上条「あいつもこの右手、幻想殺しが魔術に効かないことを喜んでいたようだったからな」

土御門「……そうか。なら俺を仲間にするのも合理的とは言える……。だが、俺はお前の親父さんの仇だぞ! それでいいのか!?」

上条「そのことは一生忘れれねえし、許さねえ。だから、スパイとしてだけでなく暗部としてでもお前は常日頃から死の恐怖に怯えろ。これがお前への一時的な罰だ」

土御門「……そうか。まあ、納得した」

上条「……」

スッ スタスタ

土御門「どこか行くのか?」

上条「気分が乗らねえから帰る。怪我の方も心配するほどじゃねえしな。それにお前といるのも今日は勘弁だ」

土御門「……そうだな」

上条「暗部のことは統括理事長さんにでも詳しく聞いといてくれ」

土御門「……わかった。……それとカミやん」

上条「なんだ」

土御門「お前はおそらく学園都市側からの要請が無い限り学園都市外には出られないだろう」


土御門「……母親に何か言うことはあるか? 近いうち俺は外に出る。せめてもの償いにお前のことを心配する母親に無事を知らせてあげたい。何年も連絡取れてないだろ」

上条「……、父さんと母さんのことはずっと大切に思ってる、とだけ伝えてくれ」

土御門「……わかった」

ガラガラ




~自宅~


上条「はぁー……」




上条(父さん、死んじまったのか……)




上条「うぅ……、ごめんな、ごめん。俺が不幸なばかりに……、ぐっ」ポロッ

上条「っ……、こんな俺にも優しくしてくれる人はどんどん俺の目の前から消えちまう……、くそっ」ポロポロ




上条「くそぉっ……」





~翌日~



上条「……目、腫れちまってるかな」

上条(学校って気分じゃねえし、どうせもう行かなくても……)



上条「土御門が魔術側の監視役なら、青髪は学園都市、いや科学側か……?」

上条(俺のこと調べた研究者なら小さい頃からいたからな……、青髪とは長い付き合いだ……。ありえなくもないか……)



上条「土御門はよくわからんが、青髪は俺のことはただの監視対象としか見てないのかねえ……。寂しいもんだ」




上条「……今日はスキルアウトんとこ行くか。この前の死体処理のお礼も兼ねて」


pipipipipi


上条「いよー馬鹿面」

浜面「浜面だ! は・ま・づ・ら!」

上条「どっちでも良いだろ。この前のお礼するからさ、午前中の適当な時間に俺の家に迎えにきてよ」

浜面「あー、死体処理のことならお礼なんて良かったのに……、てか俺、大将の家なんて知らねえぞ?」

上条「あとで位置はメールで送るわ。スキルアウトの連中に俺が作った昼ご飯ご馳走するからよ、お腹空かして待っとけっつといてや」

浜面「大将、料理出来んの!? ちょっと怖いけど楽しみでもあるなぁ。じゃあ買い物もあるだろ? 十時頃に車で迎えに行くから」

上条「おー、また後でな」

pi

上条「……んー、大将ってあだ名?」




~10時~



ブロロロロ



上条「よっ」

浜面「こんな狭いとこに車で呼ばないでもらいたいぜ。てかマンションデカッ!」

上条「まあまあ、良いじゃねえか」

浜面「そんなに気にしてはないから良いけどよ……、スーパーに寄ってけばいいか? 人数も結構いるから食費もバカにならねえとは思うんだが……」

上条「金のことは気にしなくて良いぞ。人数いるならカレーにすっか。晩飯の分も作ってやるから、荷物運びよろしくなー」

浜面「そんなにしてもらっちゃって悪いな」

上条「さ、行こうぜ!」



~スキルアウトアジト~



スキルアウト1「上条さんちーすっ!」

「「「「「ちーすっ!」」」」」

上条「……」

浜面「……本当にやってるよ」

上条「なにやってんだコイツら」

スキルアウト1「この前は俺らスキルアウトのケジメに付き合わせちまっただけでなく解決までしてもらったので」

スキルアウト2「感謝の意を込めてます!」

上条「……あれは俺が勝手にやったことだから別に感謝なんていらないのに……」

浜面「……それより早く食材置かせてくれ」プルプル

上条「おー、じゃあ台所?みたいなとこ借りるぞー」



駒場「……上条」

上条「駒場さんかい、今日はお礼にな」

駒場「……うちの者助けるために殺しまでさせてすまなかった、ありがとう」

上条「俺みたいなクズに礼はいらねえよ。さ、おたくらは座って待っててくれや」

浜面「だそうだぜ。……それより大将、早く行こう」プルプル




~一時間半後~



上条「よーしっ、全員分行き渡ったか? じゃあ、荷物運び頑張った浜面! 一言」

浜面「うへっ!? 俺? えー、じゃあ大将のカレーを美味しくいただこう! いただきます」

「「「「「いただきます」」」」」

パクッ

スキルアウト1「……」グスッ

スキルアウト2「……」ポロッ

浜面「……おー、おー」

「……お袋の味だ……」

「……お母さん……」

スキルアウト1「……やべえ、懐かしすぎて」

スキルアウト2「……彼女のより上手いってどういうことだよ……」

浜面「……なんか俺の名前を呼ぶ記憶が……」

駒場「……美味いな」


上条「なかなか上手にできたな。母さんの味に近くなった」

浜面「……大将、ありがとう。思い出させてくれて」

スキルアウト1「すげえ上手いッス」

上条「俺もこんな大勢で飯食えて嬉しいよ。こんな騒いでご飯食べるのなんて、初めてだからさ……」


ザワザワ ウマウマ グヘグヘ


上条「……少し気が楽になる」

駒場「……たまに来てまた食事でもしよう」

浜面「そーだぜ! 食費も払わなきゃ気が済まないくらいのレベルだしさ、こういう雰囲気好きならいつでも呼んでくれよ。すぐ迎えに行くからさ!」

上条「……ははっ、ありがとな」




~数日後~



pipipipipi


pi


上条「なんだ」

土御門「今、外から学園都市に帰ってきた。……カミやんの母親に伝言を伝えたら、手紙を貰った。学校にも来てないみたいだし、グループのアジトで落ち合わないか?」

上条「別に良いんだけど、俺アジトとか知らないぜ……?」

土御門「あの野郎、何も伝えてねえじゃねえかくそっ! ……それならメールで送る場所に来てくれ。一緒に下部組織の電話番号も送るからそいつに乗っけて来てもらってな」

上条「わかった」


pi


上条「……母さんからの手紙か」

上条(もう何年も会ってねえや……)

上条「父さん死んじまったし、大丈夫なのかな……。心配だ……」




~グループアジト~



上条「へえー、結構良いところだな。いかにもって感じじゃないのがまた良い」

土御門「久しぶりだな」

上条「おう。多角スパイってのも大変そうだな」

土御門「もう慣れたにゃー」

上条「じゃあ、暗部の仕事も合わせて死ぬ気で頑張れよ」ニコッ

土御門「ははっ、守るものがある限り俺は死ねないぜい」

上条「そうかい」

土御門「あー、これだこれ。カミやんの母親からの手紙」

上条「どうも。……母さんは元気そうだったか?」

土御門「……先日カミやんの親父さんの葬式も終えたみたいだ。元気に振舞ってはいたが、その真意はわからん。……ただカミやんの無事を伝えたら本当に喜んでもらえた」



土御門「……それと同時に罪悪感を覚えた」



上条「……お前は俺と一緒にいることでその罪の意識に苦しむんだな」

土御門「……わかっているさ」



上条(……母さんからの手紙)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


当麻さんへ


当麻さんが無事でいてくれて本当に安心しました。半ば強引に当麻さんを学園都市に送ってしまったこと、何年も連絡が取れないこと、私たちが学園都市に入るのに何故か許可がおりなかったこと、本当にここ数年は後悔の念でいっぱいでした。


当麻さんも知っての通り刀夜さんが死んでしまって、私は生きる意味をなくしかけていました。それでも当麻さんが学園都市で元気に生活しているのを聞いて、私はまだ生きていることが出来ています。当麻さんの超能力の関係で学園都市外には出にくいようですが、いつか顔を見せに来てくださいね。

今まで送り返されてしまったお手紙を当麻さんに見てもらいたいですし、いっぱいお話をしたいですね。

当麻さんの学校の話とか聞きたいです。当麻さんが毎日学校に通っている姿を想像しただけで私は嬉しいですよ。頑張って毎日を生きてくださいね。私もそれを励みに頑張りますから。



刀夜さんの最後の贈り物という形にはなってしまいましたが、新しい家に私は一人で住んでいますよ。住所も同封しておきます。

新築のお隣さんには葬式の手伝いや色々と生活を支えてもらいました。御坂さんと言って、娘さんが学園都市でも有名な人のようです。当麻さんもその娘に会って困っていたら助けてあげてくださいね。



当麻さんの無事を知ることが出来ずに天国へと旅立ってしまった刀夜さんですが、きっと天国から当麻さんを見守っててくれていますよ。



私たち二人の大事な大事な子供の当麻さん。これからもずっと家族三人です。どんなに離れていてもいつも繋がっていますよ。当麻さんは一人じゃないんですからね。


??????????????????????????????当麻さんの母、詩菜より


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


当麻さんへ


当麻さんが無事でいてくれて本当に安心しました。半ば強引に当麻さんを学園都市に送ってしまったこと、何年も連絡が取れないこと、私たちが学園都市に入るのに何故か許可がおりなかったこと、本当にここ数年は後悔の念でいっぱいでした。


当麻さんも知っての通り刀夜さんが死んでしまって、私は生きる意味をなくしかけていました。それでも当麻さんが学園都市で元気に生活しているのを聞いて、私はまだ生きていることが出来ています。当麻さんの超能力の関係で学園都市外には出にくいようですが、いつか顔を見せに来てくださいね。

今まで送り返されてしまったお手紙を当麻さんに見てもらいたいですし、いっぱいお話をしたいですね。

当麻さんの学校の話とか聞きたいです。当麻さんが毎日学校に通っている姿を想像しただけで私は嬉しいですよ。頑張って毎日を生きてくださいね。私もそれを励みに頑張りますから。



刀夜さんの最後の贈り物という形にはなってしまいましたが、新しい家に私は一人で住んでいますよ。住所も同封しておきます。

新築のお隣さんには葬式の手伝いや色々と生活を支えてもらいました。御坂さんと言って、娘さんが学園都市でも有名な人のようです。当麻さんもその娘に会って困っていたら助けてあげてくださいね。



当麻さんの無事を知ることが出来ずに天国へと旅立ってしまった刀夜さんですが、きっと天国から当麻さんを見守っててくれていますよ。



私たち二人の大事な大事な子供の当麻さん。これからもずっと家族三人です。どんなに離れていてもいつも繋がっていますよ。当麻さんは一人じゃないんですからね。


当麻さんの母、詩菜より


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




ポロッ

上条「うぅ……、ひっぐっ……」ポロポロ

土御門「……」

上条「グスッ……」



上条「ふう……」

土御門「……」

上条「取り乱してしまった……」

土御門「……気にするな」

上条「土御門」

土御門「……なんだ」

上条「明日から出来るだけ学校に行こう。暗部の仕事があるときはしょうがないが、最低でも留年しないくらいには行こう!」

土御門「……わかった。それも俺の罰の一つとして受け入れよう」

上条「違う。友達がいなきゃ学校なんてつまらないだろ! お前と俺は友達以上の関係なんじゃないのか!?」

土御門「ふっ……、そうだにゃー! 友達がいなきゃ学校なんて行ってもしょうがないぜよ! 明日から行こうぜい!」

上条「ああ!」

上条(これで少しでも父さんと母さんの希望になれるのなら、その幻想はぶち壊しちゃいけねえよな)

>>393はなしということで
これで次からはグループの初仕事篇に入ります
次の更新は結構空いてしまうと思います
すみません
それではまた

>>1です
ご飯食べてお風呂入ったら更新します
だいたい22時くらいかと
書き溜めはそんな多くないですが、今日を逃すとまた更新空いちゃいそうなんで

これが初SSです
読み返してみると前半が文もなんか変だし、誤字脱字や半角ハテナがヒドくて本当すみません

それでは後ほどまた




~グループアジト~



上条「いよいよ初仕事ですかぁ」

土御門「あぁ。っと、スピーカーにして…」



電話の男「よお。俺がお前らグループの仕事を管理する男ってことになってる」

上条「統括理事長の言ってた上司ってやつか」

電話の男「そ。んで、お前らや俺は他の暗部組織や統括理事会の連中には顔バレしないような手引きはされてるんだけど」

電話の男「まぁそれも怪しいところではある。でも最重要機密扱いには変わらないから、目立った行動は慎むように」

土御門「それは仕事の内容の内容次第だろ」

上条「俺らは仕事としていったい何すんのさ」

電話の男「グループには基本的に行き過ぎた暗部組織の壊滅、侵入した魔術師の排除などのキツーイお仕事が主ですねぇ」

上条「他の暗部組織の壊滅か……、魔術師の排除か……」

土御門「簡単に言ってくれるが毎回毎回ただでは済まない内容になりそうだな……」

電話の男「でも第一回目の今回は、楽な仕事だよ」






電話の男「とある少女、初春飾利の拘束ですね」





上条「……」

土御門「……カミやん、こいつは」

上条「……あぁ」

電話の男「あれ? 二人とも知ってんの?」

上条「……わかってて言ってんだろ」

電話の男「まあねぇー。上条が垣根に辿り着くためにハッキングでアンチスキルのお世話になるようなことしてくれた子だよねぇー」

上条「……またハッキングやったのか?」

電話の男「そうなんだよ、まったく。ハッキングに研究資料の抹消にサイバー攻撃に……」

電話の男「学園都市の闇を知り、学園都市の計画を見事に潰してくれちゃったわけ」

土御門「確かにハッキングの腕は確かなようだが一人の少女にそんなことを学園都市は許したのか、情けないな」

電話の男「……守護神(ゴールキーパー)って聞いたことない?」

土御門「ッ!?」

上条「? なんだそれ?」

土御門「この子が守護神だと言うのか!?」

電話の男「そういうことー。彼女の作ったセキュリティシステムは学園都市十指に入るらしく、彼女の詰め所は学園都市全域の情報を管理する書庫より数段強固な防壁を築いている、と言われているんだよね」

電話の男「つまり、初春飾利は学園都市屈指の凄腕ハッカーってこと」

上条(そんなすごい奴だったのか……)

電話の男「その力を使って色々やってくれちゃったからお仕置きしないといけないんだよ」

土御門「……こいつがハッキングした内容は俺らには話せないのか?」

電話の男「まあ、無理だね」

上条(……)



上条「……拘束はいつまでだ」

電話の男「お前らならすぐだろ? ……まぁ、急いじゃいねえから明日の今頃、……今は11時だから、明日の昼11時までならいつでもどうぞ」

上条「……わかった。要件はこれで終わりか?」

電話の男「おう。それじゃあな」



pi





土御門「初仕事がこれとは……、非情になれるのか?」

上条「……今回は俺一人でやらせてもらう」

土御門「……わかった」

上条「それじゃ、初春が学校終わる頃に接触してきますわ」

土御門「……カミやん!」

上条「……」



土御門「お前の大切なもの、俺の大切なものを背負っていることを忘れるなよ」



上条「……あぁ」





~セブンスミスト~



御坂「今日は夏の新作の発売日だから少し混んでるわね」

佐天「常盤台は休日も制服が義務付けられてるのにお二人は服のチェックに余念がないですね」

白井「佐天さん、それは淑女の嗜みというものですのよ? わたくしもお姉様も流行というのには目を光らせていますの」

御坂「いや、五月に入ったことだし新しい夏物のパジャマや水着でも先取りして見ておこうかなって思っただかだから」

佐天「ははは、そうですか。……それにしても、初春の小学校からの友達がLevel5とLevel4だなんて最初はすごくビックリしましたよー」

御坂「もう佐天さんも私たちの友達よ?」

白井「そうですわ」

佐天「ありがとうごさいます!」

初春「……」

御坂「…初春さん? 顔色悪いけど大丈夫なの?」

初春「…え? あぁ、大丈夫です」

佐天「なんか最近急に具合悪くなったよね? 本当に大丈夫?」

初春「…ちょっとやることがあって寝れてないだけなんで大丈夫ですよ」

御坂「黒子、初春さんにジャッジメントの仕事押し付けてないでしょうね」

白井「んま、お姉様!? わたくしがそのようなことをするとお思いで!? そんなことしてませんの!」

初春「…白井さんには逆に手伝ってもらってるくらいですよ」

御坂「そうだったの。…疑ってごめんね」

白井「い、いえ。…お姉様に素直に謝られると何か起こりそうで怖いですの」

御坂「何よそれ! まるで私が素直に謝れない生意気な女みたいじゃない!」

白井(否定は出来ませんの)

佐天(否定は出来ませんね)

御坂「なにみんなして黙ってんのよ、何か言ってくれないと困るじゃない!」

佐天「まあまあ、お店の中ですし少しは落ち着きませんか?」

御坂「うっ、それもそうね」

白井「さあ、行きましょう行きましょう」

初春「……」




上条(高校と中学の終わる時間が違ってたの忘れてた……。確か友達とセブンスミストに行くって言ってたみたいだけど、どこにいるかな)



上条(……拘束し引き渡したら、おそらく拷問され殺されるんだろうな)

上条(……)



上条(理由だけ、ハッキングとかした理由だけは聞こう)


上条(初春のためじゃなく、この押しつぶされそうな罪悪感を少しでも和らげるために)


上条(自分のために)



上条「……いた」

上条(他に三人いるのか……)

上条「まあ、怪しまれてもいいや」

上条(初春が死んだらあの三人に恨まれよう)






上条「よう、初春」

初春「」ビクッ

御坂「……あっ! あの時のツンツン頭!!」

白井「お姉様、知り合いの殿方ですの?」

佐天「あれ? でも初春に声かけたよね……?」

上条「ん? 誰だっけお前」

御坂「はあ!? ふざけてんじゃないわよ! これで思い出させてあげようかしら?」ビリビリ

上条(電撃使い……)

上条「あー、思い出した! 第三位のミカサミミコ!」

御坂「み・さ・か・み・こ・と! 御坂美琴よ!!」ビリビリ

上条「おー、すまんすまん。思い出したからさ、電気抑えろよ。店の中で電気使うとかお前バカか?」

御坂「くっ、ちょっと表に出なさいよ! この前の決着つけようじゃないの! てかなんであんたが初春さんの名前知ってんのよ! まさかストーカー!?」

佐天「! 最近初春が元気ないのはあなたのせいなんですね!」

白井「初春、そうですの?」

初春「……上条さん」

御坂「ほら! 初春さんだってアンタのこと上条さんだって……、上条さん?」

佐天「あれ? 知り合い?」

上条「ちょっと話をしたいんだけど」

初春「……わかりました」




御坂「待ちなさいよ! 初春さん、本当に知り合いなの?」

初春「はい」

御坂「……その話っていうの私たちも聞いちゃいけないわけ?」

初春「ダメです!」

御坂「」ビクッ

上条「ダメみたいだな」

御坂(初春さん……?)

御坂「……じゃあ、話が聞こえない位置から見張っててもいいかしら? 何かしたらすぐに飛びかかれるように」

上条「……まあ、友達がよくわからん男と二人きりになるのが心配なのはわかった。それなら良いよな?」

初春「……はい」

白井「お姉様、いくらなんでもそれはこの殿方に失礼なのでは? 心配なのは確かですが」

佐天「いえ、そうしましょう。もしかしたら初春に何かするかもしれませんから」

上条「じゃあ、あそこのファミリーレストランにでも行こうか」

御坂「……聞かれたくない話なのにファミリーレストランで良いの?」

上条「そういう話をするからファミリーレストランみたいな少し騒がしいところが良いんじゃないか」

御坂「……あっそ。それなら行きましょ」

初春「……」





~ファミレス~


御坂「やっぱりここからじゃ聞こえないわね」

白井「お姉様はあの殿方を知ってるご様子でしたが……」

御坂「あー、ずいぶん前に話したでしょ。スキルアウトのアジトに乗り込んだ時に私を気絶させた男の話」

白井「ッ! あの殿方が……」

佐天「え? 御坂さんを? てか御坂さんがスキルアウトのアジトに乗り込んだ……?」

御坂「佐天さん、その話はこの後にでも話すから今はおいといて。」

御坂「それであのツンツン頭がその男なのよ。なんで初春さんと知り合いなのかしら……」

白井「……推測でしかありませんが、あの二人は昔からの知り合いで、初春がお姉様の身を案じてあの時、あの殿方にスキルアウトのアジトに向かうようお願いしたのでは?」

御坂「そんな感じではなかったような気がするけど、確かにあの時私を気絶させなきゃあのまま私は暴れていたのかもしれない……」

佐天「そんなにあの男の人強いんですか? 私服なんでどこの高校かわからないですが、そこまで強いとは正直思えないような……」

白井「お姉様に勝つほどですのよね……、どんな能力者かわかりませんか? いざという時のために対抗策を練らないといけませんの」

御坂「全部わかっているわけじゃないけど、アイツは私の電撃も砂鉄も無効にする能力を持ってて、超電磁砲も避けるほどの身体能力の持ち主よ」

白井「!?」

佐天「!?」

佐天「能力を無効にする能力者で」

白井「身体能力もズバ抜けてる」

御坂「けど相手の能力を無効にするのにはそれなりの演算が必要だったみたいだから、私と黒子で一斉にかかれば……」

佐天「でもあの男の人と私たちが会ってから結構時間経っちゃってますよ? もし能力を見なくても、…例えば相手のAIM拡散力場を感じとれて、それでもう演算が終了していたら……」

白井「お姉様もわたくしの能力もあの殿方には届かないということになりますわね」

御坂「……まだアイツの能力が決まったわけじゃないけど、真っ向勝負で勝てるような相手ではないのは確かね」

佐天「……初春のために、どうにか対抗出来るように作戦は立てましょうよ! あの二人もまだ時間がかかるようですし」

白井「……そうですわね。まだ勝てないと決まったわけではありませんの」

御坂「……そうね。友達、初春さんのためだもんね」




上条「御坂美琴ね……」

初春「……どうかしました?」

上条「いや、なんでもない。ただ……」

上条(確か能力者狩りの時も友達のために、そして今回も初春のために行動してる……)



上条(そして、母さんを支えてくれている御坂家の娘……)



上条「良い友達を持ってて羨ましいと思っただけだよ」



初春「……はい、大切な友達です。彼女たちのためなら命を懸けることだって出来るくらいの」

上条「……」

初春「今日は私に何を……? 第一位のことですか……?」

上条「ッ!? 第一位…だと……?」

初春「えっ? 違うんですか!?」

上条「……第一位のことは後で話してもらう。俺が今日お前に会いにきたのは近頃のおいたをお仕置きするため……、と言えばわかるか?」

初春「ッ!?」

上条「……暗部の仕事ってやつだよ」

初春「そう、ですか」

上条「内容は初春、お前の拘束。上に引き渡したあとはわからないが、おそらくすぐに殺されるか、拷問されてから殺されるか、だな」

初春「……上条さんは垣根さんのために、私を拘束しますか?」

上条「……そこはまだ未確定ってとこだな。お前にはデカイ借りがある。無傷とまでは行かなくても、せめてこの日常には戻してやりたいとは思ってる」

初春「……」

上条「だから、ハッキングした理由とその内容を教えて欲しい。そこから解決策を練りたい」

初春「……わかりました。今回も助けてもらっちゃうことになりそうですね……」

上条「気にするな。さぁ、話してくれ」




初春「……今回、私がハッキング、研究所の資料の削除、その関連機関へのサイバー攻撃をしたのは全て、御坂さんの日常を守るためです」

上条「御坂の日常を守るため……」

初春「きっかけはたまたまでした。御坂さんが一人で路地裏に行くのは見た時に違和感を覚えたんです。それを追いかけたら、なんか怪しい人に止められて先に進めませんでした」

上条「……」

初春「なのでジャッジメントの支部に戻り、監視カメラを操作してその付近を調べていたんです。そしたら血まみれの御坂さんと、白髪の男がいたんです。その男は後でわかるんですが、……第一位、一方通行でした」

上条「ッ!?」

初春「第一位は御坂さんをその後、……殺しました」

上条「……じゃあ、あそこにいる御坂は何者だ」

初春「あの御坂さんは本物です」

上条「本物……?」

初春「殺されたのは偽物……、御坂さんのクローンなんです」

上条「……」

初春「最初はそんなことわからなかったので、生きてて欲しい、そう思って御坂さんの携帯に電話しました。私の電話に出た御坂さんは、私の心配なんていらないような明るい声をしていました」

初春「安心は出来たんですが、どうしても監視カメラで見た光景が目から離れなくて、その不安をかき消したいがためにハッキングを仕掛けました」

初春「もしかしたら御坂さんに何か良くないことが起きようとしているんじゃないか、そう思ったら勝手に手が動いていたんです」

初春「そして『量産型能力者(レディオノイズ)計画』、『絶対能力進化(Level6シフト)』を知りました」

上条「……」





初春「『量産型能力者計画』は、Level5である御坂さん、いや超電磁砲の量産を目的とした計画案だったんです」

上条「Level5のクローン……」

初春「けれども、超電磁砲のクローンは御坂さんの能力の1%にも満たない能力しかありませんでした」

上条「Level5のクローンなんてそうそう作れるわけじゃないってことか」

初春「そして、既に誕生してしまった複数の超電磁砲のクローン、通称『妹達(シスターズ)』は『絶対能力進化』の実験へと流用されることになったんです」

初春「その実験は、最強の超能力者…一方通行を絶対能力者に進化させる、というものなんです」

上条「……Level5の能力の1%にも満たない『妹達』を殺しただけで絶対能力者になれるってのか!? ありえねえだろ」

初春「はい。ただ殺すだけなら……」

上条「他に条件が?」

初春「20000通りの戦闘環境で量産能力者を20000回殺害する、これが第一位が絶対能力者に進化するための条件なんです」

上条「ッ!?」

初春「そして日夜、超電磁砲のクローンは殺され続けているんです」

上条「……」

初春「……このことを知った私は、ショックになるよりも先に、絶対に御坂さんに気付かれてはいけない、そう思いました」

上条「……なんでだ」

初春「……御坂さんは少し直情的で自分の考えはなかなか曲げてはくれない人ですが、友達のことを大切に思ってくれる優しい人なんです。だから、……このことを知ったら実験を潰すために多少、無茶なことでもやろうとすると思ったんです」

初春「第一位に挑んだり、実験に関わる研究所を壊して回ったり、と」

上条「……」

初春「でも、無理なんです。研究所なんてのは学園都市外にもあるし、第一位の能力、ベクトル操作はあらゆるベクトルを観測して触れただけで変換できる。そして普段、体の表面は反射の能力を設定しているので全ての攻撃が跳ね返ってくるんです」

初春「……どう考えたって御坂さんじゃ勝ち目がないんです」




上条「だから初春が研究所の資料の削除やサイバー攻撃をした……」

初春「はい」

上条「……なんで御坂のためにそこまでするんだ? どう考えても学園都市に喧嘩を売って無事で済むわけがないだろ」

初春「……御坂さんは私やあそこにいる白井さんのために命を張って助けてくれたことがありました。そんなこと御坂さんは気にもしてないのかもしれませんが」

初春「それで、人のために動ける人、守る人のために命を張れる人に私は憧れると同時に、そういう人を守ってあげるのはいったい誰なんだと思いました」



初春「怖くなりました。今まで助けた大勢の人たちに助けてもらえずに一人で苦しむ御坂さんを想像したら」



初春「だから、御坂さんにそんな寂しい思いはさせたくない、私が守ってあげたい、そう私は決めたんです」

初春「私や白井さん、佐天さんが支えてあげなきゃ御坂さんはいつか壊れてしまう……、人のために動くことがこんなにも大変だったんだってやってみて初めて気付いたからわかるんです」

初春「だから……」



初春「私は守りたい人のためなら誰が邪魔しようと跳ね除けて守りきるんです」



初春「……学園都市に命を狙われようとも」



上条「……そうか」



上条「……研究所の資料の削除はどのくらいやったんだ? 相当の所まで行かなきゃ暗部に命令が出るとは思えないんだが」

初春「『妹達』の元となった研究資料は全て削除しました。それによって学園都市外部の機関へその資料が渡るのを防いだ形になります。たぶんこれは私じゃなきゃ出来ませんでした」

初春「そして、これから『妹達』を保有している研究所を破壊して、『妹達』から新しい『妹達』を作らせなければ、一先ず終了って計画を立ててました」

上条「そりゃ拘束しろって仕事がくるわけだ」

初春「第一位が垣根さんの戦闘で戦線離脱していた機関があったおかげで『妹達』は『量産型能力者計画』で作られた100体のままで、今日の夜に100体目が戦闘するはずです。だから今日の実験が終わるまでに研究所の破壊をしておかなきゃいけないんですが……」

上条「どうしたもんかね」

初春「……」



上条(わざわざ俺がいる暗部組織にこの仕事がきたところをみると、何か裏がある気がしなくもない……)

上条(初春、そして第一位に関係している俺がいるんだ、大人しく仕事が完遂するとは考えにくいはず……)

上条(そして、俺らグループの仕事内容……、俺と土御門だけじゃ厳しい要求をしている……)

上条(……)



上条「……よし」

初春「……」

上条「初春は今日一日何もするな。んで明日、俺がお前の寮に迎えに行く」

初春「……どういう意味ですか?」

上条「俺が今日一日で全て終わらせてきてやるよ」

初春「ッ!? ダメです! 危険過ぎます!」

上条「だから、初春にも危険を犯してもらう。俺が明日迎えに来なかったら、初春は別の暗部組織によって殺される」

初春「…っ」

上条「わかったか? 俺と初春はこの問題に対して一蓮托生になったわけだ」

初春「上条さんがそうする理由がわかりません。そんなに危険を犯す必要がありませんから」

上条「まず俺は第一位に恨みがある。そして、初春にも借りがある。んで御坂、いや御坂の両親に借りがあるんだ」



上条「一番響いたのは、初春の決意が俺の家族、垣根の信念に似ていたからかな」



上条「こんだけ命を張る理由がある」




上条「ならやるに決まってんだろ」

初春「……」



上条「だから初春は俺を信じて待ってろ」



初春「……わかりました。頼りにしてます」

上条「あぁ。それじゃあ、破壊する研究所の位置と今日の実験場所を教えてくれ」

初春「……死なないでくださいね。私のため、御坂さんのため、そして何よりも」

初春「上条のために」

上条「わかった。約束だ」




佐天「あれ? 初春とあの男の人が近づいてくる」

白井「話は終わったようですわね」



上条「時間取らせちまって悪かったな」

御坂「長々と随分話し込んでたわね」

初春「すみません」

御坂「初春さんはいいの。で、話はついたわけ?」

上条「あぁ。それと御坂、この前は悪かったな。今度、初春と一緒に俺の家来いよ。ご馳走してやるからさ。あー、二人も良いぞ来てくれて」

「「「は?」」」

御坂「なんで私がアンタなんかの料理を食べなきゃなんないのよ」

初春「すごく美味しいですから、断らない方が良いですよ。私は行かせてもらいますし!」

佐天「えっ? なんで初春は美味しいって知ってるの!?」

初春「食べに行ったことありますし……」

白井「まさか、先日泊まりに行った殿方の家というのはこの方の所ですの!?」

御坂「はあー!? アンタ、初春さんに何かしてないでしょうね!!」

上条「してねーよ! 上条さんは大変紳士な心の持ち主ですので、何もしてませんのことよ!?」

初春「あっ、はい! 料理は美味しくいただきましたけど、私は美味しくいただかれてはいません!」

御坂「///」

白井「///」

佐天「///」

上条「お、お前は何を言ってんだ!///」




御坂「そこまで言うなら今度行くわよ。あくまでアンタが私の友達に手を出さないよう監視のためにね」

上条「わかった」

初春「……それじゃ、お願いしますね」

上条「あぁ。んじゃお先に」




白井「初春、何かされました?」

初春「いえ、心配かけてすみませんでした。上条さんはそんなことする人ではないので大丈夫ですよ」

御坂「そんなこと信じれないわよ。まだアイツの正体を掴んだわけじゃないんだから」

佐天(初春、少し顔色良くなってる……。そんなに悪い人じゃないのかな……)

初春「ちょっとお腹空いたのでここでパフェでも食べていきませんか?」

御坂「そうね。変に緊張しちゃったせいで少し疲れたわ。食べていきましょ」

白井「早くセブンスミストに戻らないとお店が閉まってしまいますわよ?」

佐天「まあまあ、少しくらいいいじゃないですか」



上条「もしもし、浜面ー」

浜面「いよう、大将。どうした?」

上条「この後、暇か?」

浜面「あぁ、ちょうど用事も終わって暇になったとこだが」

上条「じゃあセブンスミスト前のコンビニに来てくれねえか? 足を貸して欲しいんだ」

浜面「訳ありってか、……わかった。そこなら20分くらいで着くから待っててくれ」

上条「おう。頼むぜ」


pi



上条「破壊する研究所が3つで、今日の実験が第十七学区の操車場に20時30分か……」


上条(今はだいたい16時30分……)


上条「ギリギリか……」


上条(命懸けの、人を守るための戦い……)


上条「似合わねえよな……、もっとカッコ悪いのが上条さんですよ」

今日はここまでです
おやすみなさい


相変わらず面白いぜ
しかし唐突に上条さんを呼び捨てにした初春にフいた

>>449
超最悪ですね
間違えましたって訳よ
ごめんなさい、にゃあ

>>443



初春「……わかりました。頼りにしてます」

上条「あぁ。それじゃあ、破壊する研究所の位置と今日の実験場所を教えてくれ」

初春「……死なないでくださいね。私のため、御坂さんのため、そして何よりも」

初春「上条さんのために」

上条「わかった。約束だ」



に脳内変換お願いしゃす





~車内~



浜面「……いきなりよくわからねえ研究所に向かえって言われて、連れて行ってみれば大将はなんか拳銃ぶっ放しながら中入って行くしよ」


浜面「しかもまだ同じような研究所が二つあるって言うし……」




浜面「大将って何者……?」







上条「浜面、もう良いぞ。次のとこ行ってくれ」

浜面「おう……、って何だその子!? 裸じゃねえか! もしかして大将、ロリコン……ッ!?」

上条「ふざけたこと言ってんなよ。変な液体の中に閉じ込められてたから連れてきただけだ」




上条「それにこっちで保護しとかなきゃいけない奴みたいだしな」




浜面「そ、そうか……。大将ってさ、やっぱし危ないことやってんの……?」

上条「あー……、まあ言ってもいいか。暗部って奴だよ。人殺し過ぎたし、しょうがないんじゃねえかな」

浜面「ッ!? それって俺ら助けた時のも入ってるよな……。すまねえ」

上条「無関係じゃねえけどよ、もっと色んなことやったツケが回ってきただけだからさ、お前らが気にすることじゃねえよ」

浜面「……」

上条「まあ、知っといた方が良いと思うから駒場さんには言っといてくれよ」

浜面「わかった。……それじゃあ、今日のこれも仕事ってやつか?」

上条「まあな。わざわざ足貸してもらっちまって悪いな」

浜面「いや、そんなことは良いんだ。ただ……」




浜面「死んでくれるなよ、大将」




上条「……くくっ、俺よりお前の方が早く死にそうなくせして何言ってんだ」

浜面「ッ! なんだよ、人が心配してやってんのに!」

上条「まあまあ、怒るなよ」




上条「……ありがとな」




浜面「お、おう」

上条「じゃあ次はこの研究所な」

浜面「了解だ。ところでその子はどうするんだ?」

上条「んー、二つの研究所ぶっ潰した後、俺を送り届けたら病院連れて行ってくれねえか? 冥土帰しがいるとこね」

浜面「研究所ぶっ潰すだけじゃないのか?」

上条「研究所潰すのはあくまで前菜。メインディッシュはその後だよ」







~第十七学区 操車場~


20:25



浜面「ここで良いのか?」

上条「あぁ。入り口から入れるかわからねえからな。この金網登ってくよ」

浜面「まあ、大将が良いって言うなら良いんだけどさ……」

上条「それじゃ、その子を病院に頼んだぜ。俺の名前出せば冥土帰しなら悪いようにはしないはずだ」

浜面「了解。……また飯作りに来てくれよ」

上条「落ち着いたらな」

浜面「おう」

上条「それじゃ、その子送り届けたら帰ってくれて良いから。……今日はありがとな」

浜面「わかった。……それじゃ」

上条「あぁ」









上条「さぁ、決着つけようか」








20:30



ミサカ100号「……時間になりました。これから第100次『絶対能力進化』実験を行いますが準備はよろしいですか、とミサカは事務的に事を進めます」

一方通行「……」

ミサカ100号「どうかしましたか?」

一方通行「……なンでもねェ」

ミサカ100号「……待ってください。研究所と連絡が取れません」

一方通行「あァ? それはどォいうことだ……?」




「そりゃ研究所が潰されたからじゃねえの?」




一方通行「……誰だオマエ、関係者じゃねェだろ」

上条「あぁ」






上条「一方通行、お前を殺しに来ただけだ」









一方通行「俺を殺しに来た、ねェ……」




一方通行「オマエみたいな三下がいるからいけねェンだよ……。このままじゃ……」




ミサカ100号「これから実験があるので関係者以外は立ち退きしていただきたいのですが、とミサカは暗に邪魔だということを隠しながら丁寧な口調でお願いをします」

上条「いや、全然隠せてねえし」

ミサカ100号「はっ、実験を知られてしまった以上、生きて帰してはいけないのでは……、とミサカは重要なことに気付いたフリをして脅してみせます」

上条「そもそもさ、もうこんなことしなくても良いわけ」

一方通行「あァ? なァに勝手にほざいてンだか」

ミサカ100号「そうです、あなたは何を言っているのですか、とミサカは何も知らないはずのこの方に違和感を感じながらも反論してみせます」





上条「だってこの実験、俺の都合で潰させてもらうから」





一方通行「おィ三下ァ、オマエ頭イかれてンのか?」

上条「……なぁ、別におしゃべりしにわざわざ来たわけじゃないんだ。始めようぜ」




一方通行「かっ、この俺が誰だかわかってて言ってンのかよ。もしそうだとしたら哀れだなァ、抱きしめたくなっちまうほど哀れだッ!」




上条「お前が最強の座にずっといられると思ってんなら、まずはその幻想をぶち殺すッ!」






(まだ安定してねェんだ……、ここは遠くから……)


一方通行は近くにあった大量の鉄骨に手を伸ばす
鉄骨に手を触れベクトル操作を行い、一つ一つを上条に向けて投げ放った

上条は一方通行が自身の手でなく近くの物を放ってきたことに違和感を感じる

(なぜ反射を利用して接近戦で来ない……?)



何本もの鉄骨が連続で上条に迫り、地面に突き刺さっていく
一本一本避けるのはさほど難しくはなかったが、地面に刺さった鉄骨により逃げ道が限られてきてしまう

学園都市最強の頭脳の持ち主は頭の良さも学園都市最強である

一方通行の思う通りに追い込まれた上条へと一本の鉄骨が襲いかかる



ドオン、と音をたてて地面に突き刺さる鉄骨



「ンだァ? 思ってたよりもクソ弱ェじゃねェか」

一方通行は拍子抜けといった表情で鉄骨の塊を眺める


見えなくなるほとではないが土埃が舞っていて上条の姿を正確に捉えられない


そこに探していた人物の声が聞こえてきた


「勝手に終わらせるな、臆病者め」



鉄骨の塊の少し後ろに上条は立っている

とどめの一本が上条へと当たる前に上条は、飛び上がって後ろの鉄骨に体重をかけテコの原理を用いて鉄骨を曲げ、逃げ道を作り難を逃れたのであった




「臆病者……? はっ、俺に言ってンのか? この学園都市第一位の俺にッ!」


「遠くから物を投げるだけの第一位なんて、臆病者以外の何者でもねえよ」


「くかかかか、言うじゃねェかッ! そンなにスクラップになりてェなら、遠慮なくそォしてやるよッ!」



一方通行は挑発だとわかっていたが、地面に接する足の裏のベクトルを操作し、上条に向かって常人では出せない速さで駆け出す


(もォ関係ねェ。血液を逆流してぶっ殺すッ)


一方通行の後ろでは砂埃が舞っている


「くたばれェェェェェェェェェェェッ!!」


一方通行は上条の身体に触れようと左手を伸ばす


しかし、上条にとってその速さは脅威にはならなかった


(垣根の未元物質の方がまだ速いぜ)


上条は迫ってくる一方通行を躱し、その時伸ばしてきていた一方通行の左手を右手で弾く

パキーン、と音がなり一方通行の反射が解ける


(……は? なンで反射がなくなったンだよ……、まさかコイツが……ッ!?)


左手が弾かれたことで一方通行の身体が前傾姿勢から上半身が浮いてしまっていた


一瞬惚けた一方通行の隙を上条は逃さない
左足を前に出し腰を捻りながら振りかぶった右手の拳を一方通行の顔面へと放った


バキッ、と上条の拳が一方通行の顔面を捉え数十メートル一方通行が吹っ飛ぶ
ズザザザザと音をたてて地面と一方通行の身体が擦れる
そしてさらに数メートル行ったところで一方通行はようやく止まる




そこらの学生では繰り出せない威力の一撃を命中させたにも関わらず、それをした上条の顔は晴れない


チッ、と上条は舌打ちをした




「さっさと起き上がれよ。手応えなかったぜ」






言葉が聞こえたのか聞こえなかったのかはわからないが、上条から遠く離れて倒れていた一方通行は静かに立ち上がった




~side??ミサカ100号~




これはどういうことなのでしょうか




Level5のクローンとして生まれたが、その力までは受け継ぐことが出来ず、ただ殺されるだけの実験人形になったミサカ達

軍用クローンの名に違わぬ銃器の扱いに長け、それらを駆使しても傷一つつけられなかった学園都市第一位、一方通行

そんな彼を殺しに来たと言う少年

実験を私用で潰すと言い、研究所は潰れたと言った

そして一方通行の攻撃を避け、挑発し、過去の『ミサカ達』が一度も破ることの出来なかった絶対防御、反射を破り彼の顔へ拳を撃ち込んだ少年




おかしい




なぜだろう






――気分が高揚しているのがわかる








これがなんという感情なのか、『学習装置(テスタメント)』にはなかった


わからない


教えてもらってないから


けどわかることもある






――ミサカは涙を流している






悲しいのでしょうか




涙……、悲しい時に流れるもの




でも悲しくない





わからない




でも、




――涙は止まらない




あの少年は何者なのでしょうか




どうして彼に攻撃が出来るのでしょう




わからない……






――ミサカはこの世界を知らなすぎる……






~side 一方通行~



『俺の目的のために死んでもらうぜ』



『俺の未元物質(ダークマター)に、常識は通用しねえ』





『お前は俺には勝てねえよ。そんなブレブレの信念じゃ生きる価値なんてねえ』



『自分が信じたことを曲げてまで生きる人生なんてクソだ』






『人に優しくして欲しいなら、人に優しくしろ』


『人の温もりが欲しいなら、自分から近づけ』


『人を傷つけたくないなら、自分が傷つく覚悟を決めろ』




『お前はただ逃げてるだけだろッ!』







『お前が一人なのは、お前自身のせいだろうがッ!』








『ゴフッ……、ははっ……気ぃ付けろよ、……俺よりも……強い奴が……、お前の……、前に…あら…わ……れ…る……から……よ…………っ………』








そォか、コイツか




お前と同じ目をしてる






――俺を認めない目だッッ!!





「風でも使って殴られる前に俺から少し距離を取ったみたいだな。そのせいで全然ダメージくらってないだろ」



上条の言葉に我に返る一方通行

まだ互いの距離はあるが声が辛うじて聞こえるのだろう


「なンで反射が効かねェ」





「お前の常識は、俺には通用しねえ」





「くかか、そォか……、やっぱりそォだ。……あの忌々しい第二位に似てやがる」


「……垣根の仇は取らせてもらうぜッ!」


上条は足に力をいれ一方通行との距離を詰めるために駆け出す
対する一方通行は足元にある小石をベクトル操作によって音速に近いスピードで蹴り放った


ヒュン??ヒュン??ヒュン


当たれば致命傷のただの小石
それを上条は無意識の内に避ける
理性によってではなく本能で避けていく



(かァ、とンでもねェなァ……。さて、どォする……)



考えに耽る時間など0.1秒にも満たないが、その一瞬一瞬が一方通行を死へと追いやる


――焦り


それは第二位、垣根帝督と戦った時にも感じた恐怖からくるもの



(気にいらねェ……。今回はなんとしてでも自分の力で勝つ……ッ!)



一方通行は足元から上条へと延びる線路を踏みベクトル操作で操る


突然うねり出した線路

上条は線路の動きに対応出来ず空中へと放り出される



それを狙ったかのように一方通行が勢いよく飛び上がってきた


「死ねェェェェェェェええええェェェェェェェェェェェェッッ!!」


「くっ……っ……!」


予想外に空中へと投げ出された上条は抵抗出来ず、一方通行の能力によって強化された右ストレートを左腕で庇うことしか出来なかった



殴られた上条は横にそびえ立つように並べられている倉庫の一ブロックに叩きつけられ、身体を強く打つ

「がはっ」

肺の中の空気が漏れ出す

そのまま重力に引っ張られ地面へと落ちていく

だが、上条は痛みに耐えながらも空中で体勢を立て直し両足をバネのようにして上手く着地し、片膝をついて息を整えようとする




上条の左腕は言うことを聞かないかのように、だらんとぶら下がっているだけ

――骨折

骨が砕けたかはわからないが、確実に骨にヒビは入っており上手く動かせないことを踏まえて骨折と考えるのが妥当であった
すなわちこの戦いでは上条の左腕は使い物にならなくなった


(まあもともと左は期待出来なかったが、……この痛みを感じながらの戦いかよ)


反射がある限り左手、両足の攻撃は一方通行には無効化され、逆にダメージをこちらがくらってしまう


しかし、右手で一方通行を捕まえれば反射を破れる可能性があったため、左手が使えなくなることは少なくともプラスではなかった

しかも痛みに耐えながら学園都市第一位と戦わなければならない状況に、多少の緊張が走る


「ははっ、これじゃ垣根ともまだ差があるのかもしれないな」


「……けど」






「今日だけは……、今回だけは……、背負ってるもんがある! 負けられねえっ!」






(垣根、初春、御坂、――御坂妹、――御坂末っ子……。負けちゃいられねえだろっ!)


上条は遠くからこちらへと向かってくる一方通行を睨む
その顔には邪悪な笑みを浮かべられている
上条はそれを睨みながら立ち上がった





(三下の左腕には俺の能力は効いた……。ン? 待てよ……、反射を破られたのも、殴られたのも、全て三下の右手……)


一方通行は上条を殴り飛ばした後、上条が飛んでいった方向を見ながら冷静に戦況を分析していた


「……もしや、アイツは右手で触れた能力を消す類の能力者」


学園都市第三位の御坂美琴と違い、上条が能力に対抗する際は右手しか使っていないことを見抜く

それが第一位と第三位の頭の違いなのか戦況の違いなのか、それとも冷静さを忘れずに戦況を分析することが出来ていたかどうかなのか、その原因は定かではないが、一方通行は上条の幻想殺しの真実に近づいたのは確かだった

そしてこの情報は、上条との戦いを続ける上でこれ以上価値のあるものはない

(もしこれが事実ならば、……悪ィがこっから先は一方通行だァ!)


顔に邪悪な笑みを浮かべ、こちらを睨みながら立ち上がる上条を見ながら、一方通行はその足を上条へと向けていた




「三下ァ、俺の能力は効かねェンじゃなかったのかァ?」


ニヤニヤと上条に近付きながら歩いてくる一方通行に、上条は悟った






――幻想殺しに気が付いたッ!






上条は右手を握り、額に汗を滲ませる


(どうする……、こうなったら迂闊に近付いてくることはしないだろう……。銃なんかぶっ放してもそっくりそのまま返ってくるのがオチ……、くっ……)




「オマエはこれから俺にいたぶられ続けるしか未来はねェッ!」


一方通行は足元の小石を先ほどと同じようにベクトル操作して蹴る

上条はそれを避けながら一方通行から離れるように走り出す

しかし、一方通行はそれを逃がさぬよう上条の逃げる先に鉄骨を突き刺し、追い詰めようとしていた

しかし、その鉄骨の微妙な傾きや高さの違いを利用して、上条は持ち前の身体能力を駆使し鉄骨の山を駆け上り、飛び越えて行った




「チッ、逃げやがったか」




一方通行はわかっている

上条の戦い方は近接格闘オンリーであるということに
そして、例え遠距離からの攻撃手段があったとしても自分には無意味だということを
垣根の未元物質のように遠近両方で一方通行に有効な攻撃を上条が持ってわけではないことを


(問題は、いつどのタイミングで仕掛けてくるか……)





さめざめとした何の音もなく静かに佇む第十七学区操車場


だがそこは、山積みになっていたはずの鉄骨が地面に無造作に突き刺さり、音速に近いスピードで空気を切り裂いた小石によって倉庫には無数の小さな穴が空けられ、うねりひん曲がった線路があった

そしてこの場所をこのような様にし、他者に有無を言わぬ近寄り難い雰囲気を醸し出していた二人は、お互いの息を感じようと耳を神経を張り詰めていた


夏はまだ遠い春の夜
さすがに肌寒くもあるが白い悪魔と黒い悪魔はそんなことを感じてはいなかった


延々とも感じる短い時間が流れ、空高くに位置する月に雲が差し掛かった頃


カンッ


一方通行の左方で音がなり、上条が現れた

一方通行は焦らず牽制として小石を蹴り出す


(さァ、どォ来る……)


一方通行は小石を避けた上条の行動を見て鉄骨を放り、体勢が崩れたところを不自由な上条の左側から切り崩そうと画策していた


「なッ!?」


しかし、小石は上条に全弾命中


上条は小石の勢いに負けてその後ろの倉庫へと叩きつけられる


ガコッ ガコッ ガコッ


そして、上条の倉庫に叩きつけられた音は不自然だった




一方通行がその音に違和感を覚えたその時、強烈な悪寒が一方通行を襲う


そして無意識に左腕で顔の左側を覆う


ドゴッ


一方通行は、殺人的な格闘を極めつつある上条の一発をくらい、その勢いを殺せずに吹き飛ぶ

数メートル飛ばされ、地面に落ちるかという時にまたしても嫌な雰囲気を感じ取る



そう思ってからの行動は早かった


右手を地面に突きベクトル操作で地面から身体を上空へと放ち、風を操って空中で体勢を整え、何層にも倉庫が重なっているてっぺんに降り立つ




そして、一方通行の右手の跡が残っている地面には、左腕をぶら下げた上条の姿があった






「これでまあ、イーブンってとこだな」


そう言い放った上条の視線の先にいるのは上条と同じく左腕をぶら下げている一方通行




「互いの能力の全容を知り、後はどちらか一方が動けなくなるまで、……いや、死ぬまで続くデスゲームがあるのみだッ!」






「互いの能力の全容を知り……? ぎゃは、ぎゃはぎゃはぎゃは、オマエが俺の何を知っているって言ってンだァ? あァ?」


「……なに?」


「第二位との戦いを経て、俺は進化したンだよ。今じゃ演算領域の限界すら見えねェ! こンなことも出来ンだぜェ」


そう言うと一方通行はおもむろに右手をぶら下がる左腕の負傷していると思われる部分へと重ねる


すると左腕がビクッと跳ね、上条の拳で砕かれる前の完全な状態へとなった


「ッ!?」


「体内の骨や成分、組織をベクトル操作し、元通りとまではいかなくても体内で使われていない部分を用いて再構築。左腕は復活ってわけだァ」


一方通行は、左手を握っては広げて感触を確かめながら、倉庫のてっぺんから飛び降りる
地面には例の如くベクトル操作によって衝撃を無効化し、ストンと何事もなかったかのように着地した


「本当の化物かッ!」

「オマエこそなンで俺の左側にいやがった……、ン? 上着はどォしたァ」

「……その上着とこの糸を使って罠を張っただけだ」


上条は自身のデニムのポケットから細い糸を取り出し一方通行に見せてみせた

上条の格好は先ほどの青のパーカーに黒の細いデニム姿ではなく、黒の細いデニムは変わらないが上半身は黒のタンクトップのみであった


「ほォ、ンなもン持ってるたァ驚いた」

「ふざけ、やがってッ!」


上条は言葉の端々からは感じないが、内心焦り、困惑していた


確実に意識を刈り取れるはずだった一撃を左腕でガードされ、しかもその左腕を元通りにされたことに

しかも一方通行の能力の底がしれないことに

そして、






――その能力で垣根を助けられるかもしれない、と感じてしまった自分に





(こいつを仲間にしようだなんて、無理だったんだ……。どうしても憎い……。それにこいつが他人の言うことを聞くとも思えない……)



――なのにッ!



――どうして仲間にして垣根の治療を頼みたいと考えるんだッ!




――なのにッ!



「……どうしてお前がそんな能力を使えるんだ」

「あァ? 言っただろ、第二位と戦った時になァ能力の新たな可能性に目覚めたンだよ」

「違うッ! どうして人を殺すことしかしないオマエが、そんな能力を使えるんだよッ! 使えて良いはずがねえだろッッ!!」

「……」

「人を助けられるような能力をオマエみたいなクズが使えちゃいけないだろうがッッ!!」

「……俺が殺してきたのは、俺を殺そうと挑んできた三下と、……そこの人形だけだ」


ビクッと物陰に隠れながらも白と黒の悪魔の戦いを見ていたミサカ100号の肩が跳ねる


(そうです、ミサカ達は作られた命……、人形……)


「……人形じゃねえだろ、御坂妹は。例え実験のために作られたとしても! この世で生きてる以上、人形じゃないッ!」

「はンッ! 俺に殺されるためにいるだけの存在で、クソみてェな研究員に命令されて何も言わずに聞くコイツらが人形じゃないだと? 笑わせるな三下ッ!」

「それはただこの世の中を知らないだけだろうがッ!」

「俺がどンなに煽っても、脅しても、実験だからだと言って殺されに来たコイツらをオマエはまだ人形だと言い張るのかッ!?」

「……お前、本当はこの実験やりたくなかったのか……?」

「「ッ!?」」

一方通行とミサカ100号が同時に目を見開く
その表情からは驚きと困惑が見て取れた


「……ンなわけねェだろうがッ!」

「じゃあなんでこんな実験に参加した! 答えろ、一方通行ッッ!!」

「絶対的な力が欲しいンだ! 最強じゃダメだ、無敵にならなきゃならねェ! こンなンじゃ俺に寄ってくるバカみてェな三下で、この世は溢れかえってンだよォォォォッ!!」

「……お前はやっぱり臆病者だ」

「なに!?」

「お前はただ逃げてるだけだろッ!」

「ッ!?」



『お前はただ逃げてるだけだろッ!』



「ふざけたことばっかり言ってンじゃねェぞこの三下がァァァァァァァあああああああァァァァァァッッ!!!」



「百何十人も殺してその事実から目を背けてんじゃねえよッ!??お前も俺みたいなクズなんだから、もっとクズらしく生きろよ一方通行ぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」


>>532はなしで


(こいつを仲間にしようだなんて、無理だったんだ……。どうしても憎い……。それにこいつが他人の言うことを聞くとも思えない……)



――なのにッ!



――どうして仲間にして垣根の治療を頼みたいと考えるんだッ!





――なのにッ!



「……どうしてお前がそんな能力を使えるんだ」

「あァ? 言っただろ、第二位と戦った時になァ能力の新たな可能性に目覚めたンだよ」

「違うッ! どうして人を殺すことしかしないオマエが、そんな能力を使えるんだよッ! 使えて良いはずがねえだろッッ!!」

「……」

「人を助けられるような能力をオマエみたいなクズが使えちゃいけないだろうがッッ!!」

「……俺が殺してきたのは、俺を殺そうと挑んできた三下と、……そこの人形だけだ」


ビクッと物陰に隠れながらも白と黒の悪魔の戦いを見ていたミサカ100号の肩が跳ねる


(そうです、ミサカ達は作られた命……、人形……)


「……人形じゃねえだろ、御坂妹は。例え実験のために作られたとしても! この世で生きてる以上、人形じゃないッ!」

「はンッ! 俺に殺されるためにいるだけの存在で、クソみてェな研究員に命令されて何も言わずに聞くコイツらが人形じゃないだと? 笑わせるな三下ッ!」

「それはただこの世の中を知らないだけだろうがッ!」

「俺がどンなに煽っても、脅しても、実験だからだと言って殺されに来たコイツらをオマエはまだ人形だと言い張るのかッ!?」

「……お前、本当はこの実験やりたくなかったのか……?」

「「ッ!?」」

一方通行とミサカ100号が同時に目を見開く
その表情からは驚きと困惑が見て取れた


「……ンなわけねェだろうがッ!」

「じゃあなんでこんな実験に参加した!??答えろ、一方通行ッッ!!」

「絶対的な力が欲しいンだ! 最強じゃダメだ、無敵にならなきゃならねェ! こンなンじゃ俺に寄ってくるバカみてェな三下で、この世は溢れかえってンだよォォォォッ!!」

「……お前はやっぱり臆病者だ」

「なに!?」

「お前はただ逃げてるだけだろッ!」

「ッ!?」



『お前はただ逃げてるだけだろッ!』



「ふざけたことばっかり言ってンじゃねェぞこの三下がァァァァァァァあああああああァァァァァァッッ!!!」



「百何十人も殺してその事実から目を背けてんじゃねえよッ! お前も俺みたいなクズなんだから、もっとクズらしく生きろよ一方通行ぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」


上条が一方通行に向かって駆け出す
左腕を庇いながらもそれでも速く、速く駆けていく


一方通行も上条に向かって駆け出した
上条には近接格闘しかないとわかっていてなお近接格闘を望む
その答えは



『無敵』になるため




遠距離からでは上条は攻撃出来ない
しかしそれでは近距離は上条に分があると認めているようなものである
それが一方通行には許せなかった、認めることは出来なかった
強いとは認めても自分よりも強いとは認められなかった
『無敵』になるための障壁――上条当麻
奴を近距離で破ってこそ意味があるのだ



上条の攻撃範囲にもうすぐ一方通行が入るといくことで上条が動く
上条に真っ直ぐ向かってくる一方通行の左側の死角から右フックを狙っていた

その際上条の右側は完全なフリー
また左腕が満足に使えない今、上条の防御は限りなくゼロに近かった
しかも相手は学園都市第一位
自殺行為にしか見えないスタイルをとる上条



一方通行に迷いはなかった
上条の正面から上条の左側へと足の裏のベクトルを操作し凄まじい速さでの方向転換
徹底的に右手を避け、徹底的に上条の左側を攻める
上条の右手が早いか、一方通行が触れるのが早いか、などとギャンブルする気はなかった



それは上条への敬意



強い相手だと認めることが出来る
だからこそ弱点を突きそこを攻める



それは学園都市にいる全ての人を見下してきた一方通行が初めて認めた瞬間だった



垣根は格付けで下にいるためどうしても自分よりも下にしか見えなかった


喧嘩を吹っかけてくる不良も武器を持ち寄り人数をかけてやってくる
そんな奴を同等だなんて思うことは不可能だった


けど上条は違った
能力を無効化する右手を持つ理解不能な存在
自分とは違って人殺しをしてもそれを背負って生きているのが拳を交えて伝わってくる


――まさに『悪党』


学園都市最強に右手一本で立ち向かってくる上条を認められずにはいられなかった


いくら自分を否定しようとも、それでも強いと認められずにはいられなかった



だからこそ

一方通行は確実に完全な勝利を目指す



身体をノーガードにし一方通行を自分の正面へと向かってこさせようとした上条


それは一方通行を一発で狩るために上条が仕掛けた罠だった


上条の右手首には先の戦闘で使った糸が巻きついている
その延長線上にあるのは上条の口


一方通行が突っ込んできたところで右手を繰り出すのと同時に顔を左側へと思いっきり引く
そうすることで普段の右フックにさらにスピードを加え一気に一方通行を狩る算段であった


例え右手首に多大なダメージを負おうとも


しかし一方通行はその誘いには乗らずに上条の左側へと移動する


――やられた


左側は何もすることの出来ない左腕のみ
どんなに右手首を犠牲にしても間に合うスピードは出ない


――まさに絶体絶命




勝利を諦め死を覚悟した、その時


上条に神が舞いおりた


このコンマ一秒にも満たない緊迫した状況の中、戦闘に重きを置いた数年間の集大成とも言える上条の戦闘脳が活性化された




――自分の能力だけじゃなく相手の能力も使う




かつて師であった垣根がよく使っていた戦法

上条の幻想殺しの能力に頼らせた攻撃を仕掛け、その中に能力でない攻撃を混ぜる

幻想殺しを過信していた上条に壊滅的なダメージを与えていた戦法だ




それが今、ここで生きる



一方通行は確信していた
どう考えても右手は間に合わない


(これで綺麗さっぱり終わらせてやるぜェッ!)


一方通行は右手の拳を握りしめ能力を使い殺人的な右ストレートを放とうとする




その時


上条の左肩が一方通行の身体に当たった


攻撃を仕掛けて来たわけではない


ただただ当たったのだ




それは一方通行の絶体防御、反射によって跳ね返される




――一方通行が意図したものでなくても




それにより上条が一方通行と向き合った




(やるじゃねェか……)




勝負は一方通行の右ストレートが早いか、上条の右フックが早いか


結局のところそうなるのであった




そして……





「はぁ、はぁ、はぁ」





立っていたのは






――上条当麻


しかしその身体は満身創痍


左腕はおそらく骨折し、右手首からは肉に糸が食い込み血が垂れている


一方通行の左頬は赤く腫れていた
真っ白な肌に浮かび上がる赤


しかし、無理矢理だった攻撃のため一方通行の意識はまだ辛うじて残っていた









「仲間に入れて欲しかった……」




「ただ、それだけだったのに……」








「こンな能力があったからいけなかったンだ……」




「人を傷付けることしか出来ないこの能力が……」




「だから、誰も近付かないよう無敵になる必要があった……」




「こンなところで諦められるかッ……」








「諦めてたまるかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!」



(こいつも……、一方通行も俺と同じだったのか……)


(もしも、俺に優しい両親がいなかったら……)


(もしも、俺に垣根がいなかったら……)




(一方通行の立場には、俺が立っていたのかもしれない……)




急に一方通行の様子がおかしくなる
半ば意識を失っているようにも見えた




「fwiz殺ptwr」




一方通行の背中からは噴射状に伸びる二本の黒い翼のようなもの
一方通行の声はノイズが混じっていて上条には聞き取れない
しかしただならぬ殺気を感じ、上条は数メートル空いていた距離をさらに空ける


そこで思い出す
垣根と一方通行が戦っていた場所に、垣根の未元物質で作られた白い羽と正体不明の黒い羽があったことを


「ッ!?」


パキーン



上条が頭上に『何か』を感じ右手を振り上げた

その正体は『何らかのエネルギー』であり『何らかの不可視の力』であった


「これで垣根がやられたのか……ッ!?」


ドゴオォォォォオオォォォォォォン


一方通行は空中にその身を置き、急に黒い翼が膨張し始めた
それは程なくして全長が100メートル以上の巨大な翼になる

その膨張により一方通行の近くにあった倉庫は跡形もなく消え去っており、先ほどの大きな音はそれらが一瞬で消滅させられた時に出た音であった


「なんなんだよ、これは……」


すると一方通行が上条に向かって黒い翼を周囲を薙ぎ払う形で撃ってくる


「くっ!」


それを上条はなんとか右手で耐えるも、先ほど右手首を痛め、さらに噴射状の黒い翼は幻想殺しによって消しても消しても再生されてしまうため、防戦一方を強いられる


「く…そ……がっ! ぐっ……!!」


しばらく経っても効果がないとわかったのか、今度はそれを100本以上に分裂させ、そこから黒い羽が何千本も生成される


「ははっ、こりゃ死ぬんじゃないか……、どうするよ……」




(これは能力の暴走か……?一方通行の様子もさっきとは全く違う……。それじゃあ、いつからあいつはおかしいんだ? もしかして今日の戦闘中も……?)


その通りであった
一方通行は数ヶ月前の垣根との戦闘でこの黒い翼を発現させて以来、演算領域が広がっただけでなく時々自身の能力に違和感を感じるようにもなっていた
それが今日の上条との戦闘で最初に距離を取って戦った理由であった
暴走した能力は自分でも止められない
それならば近距離で何度も演算を行う戦闘よりも遠距離から少ない数の演算で済む戦闘を行った方が都合が良かったのだ




上条は目の前の無数の黒い羽をどうするか解決しあぐねていた






そして決断する




「行くぜ最強、……真っ向勝負だこの野郎がぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」




上条は一方通行に向かい駆け出す
先手必勝、何千本とある黒い羽を防ぐ策がない上条にとっての勝利条件は一方通行を戦闘不能にすること
よって一方通行への攻撃を行うしかない


そこに無数の黒い羽が襲いかかっていく






ドオォォォォオオオォォォォォンッ!!




騒々しい音と舞い上がり視界をゼロにする砂埃
第十七学区操車場は、昨日までの倉庫や鉄骨の山が置いてあった重々しい雰囲気が一変し、何もないあたり一体を見回せることが出来る更地へとその姿を変えていた



一方通行は砂埃により上条の姿を確認出来ずにいた
あれだけの黒い羽を逃れ防げるはずもなく、あとは瀕死の上条にトドメをさすだけだと考えている
それは上条を殺し、自分が一番だと認めさせること
自分が一番ではないと自身が壊れてしまうことからこの暴走は引き起こされていた
垣根も上条も一方通行の行動を、逃げている、と言い一方通行は自分を守るためにその能力を暴走させた
自分がやってきたことを否定されることで自分が嫌々歩いてきたこの数年間が全くの無駄になる
一方通行はそれに耐えられるだけの精神を持ち合わせてはいなかった




物心つく前に両親に学園都市へ捨てられ、能力開発を受ける研究所での日々、内気であった少年にも友達は少ないながらもいることにはいた
だが学園都市最強の能力に突如目覚め、周囲の人間からは化物だと罵られ、自分に触れることが出来る人間はいなくなった


幼い少年は人の温もりを、周囲からの温かい目を、自分と共に歩んでくれる友達を



――失った





他の誰よりも人からの愛情に飢え


他の誰よりも優しい心を持ち


他の誰よりも心が弱く




他の誰よりも人を愛したかった少年




――一方通行





彼は世界を拒絶した





自分に降りかかってくる火の粉を振り払い、自分の心情を表には出さず、誰とも親しくは接しない




悲しい悲しい白い悪魔の誕生であった





その暴走した一方通行は今、半ば意識を失いながらも唯一認めた好敵手――上条当麻を殺さんと空中の地面から二三メートルのところで、上条がいるであろう場所を見ていた




砂埃が段々と晴れていく


一方通行が『何らかの力』を使いその場に衝撃を与える


パキーン


音がしたと同時に砂埃の中から上条が一方通行目掛けて飛んできた



「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」



上条の渾身の一撃が一方通行を撃ち、この戦いに終止符を打った




上条「はぁ、はぁ、はぁ」

一方通行「」

上条「……ふぅー」





土御門「いやー、カミやん。よくやるなぁ」

上条「……んあ? なんでお前がここにいるんだよ」

土御門「そりゃ今日一日カミやんの跡をつけてきたに決まってるぜい」

上条「んだよ、全然気付かなかったわ」

土御門「それよりも、大丈夫か?」

上条「あぁ。左腕がたぶん骨折に右手首の肉が抉れたくらいだ」

土御門「あの黒い羽の攻撃は無傷かよ。あの衝撃波で俺は死ぬかと思ったぜよ」

上条「そのままくたばればよかったのに。……不思議なことに右手をどこに向けてどう動けば良いのかわかった気がした、っていうか教えられた気がしたんだ。まぁ、身体にはところどころ掠ってはいるんだがな」

土御門「かぁー、一方通行も化物だがカミやんも十分化物ぜよ」

上条「……そういや、ここら辺に御坂妹いなかったか?」

土御門「ん? あぁ、超電磁砲のクローンか。それなら確かあそこら辺で伸びてる。命には別状はないと思うぜい」

上条「じゃあ、土御門は御坂妹を病院に運んでくれるか?」

土御門「……カミやんの方が重症だと思うが」

上条「俺はこいつを病院に運ぶからよ」

土御門「……垣根帝督の仇だろ」

上条「……まだ良いんだ。俺らの仕事にはこいつは使える」


上条「それに……」






「助けてやりたい」







上条「柄にもなくそんなこと思っちまったからよ」

土御門「そうか」

上条「こいつの能力で垣根も助けられるかもしれない。……まあ、まだこいつにお願いなんて出来ねえけどな、こいつを否定した俺がして良いもんじゃねぇから」

土御門「……わかった。それじゃぁ行こうか」




~病院~



冥土帰し「おやおや、またエラく派手なことをやってるみたいだね」

上条「別にやりたくてやってるわけじゃ……」

冥土帰し「君の知り合いが送ってきた彼女ね、明日には目が覚めると思うよ。無理矢理睡眠状態にされてたみたいだから。……けどクローンだからね、適度なメンテナンスは必要になるね」

上条「……クローンだって知ってんのか」

冥土帰し「詳しい話は君と担いでる彼の治療の後にしようか。あー、金髪の君が担いでる彼女は見たところ怪我もないみたいだから、指定する病室に運ぶの手伝ってね」

土御門「了解だにゃー」

上条「……お願いします」




~翌日 初春の寮~



初春(全然寝れなかった……。上条さん大丈夫かな……)

初春「上条さん以外が来たら……」

初春「……」

初春「ううん、大丈夫。きっと……」




ピンポーン




初春「……来た」




ガチャ






上条「待たせたな、初春」




初春「かみ…じょ……う……さん……、その怪我……」

上条「ん? あぁ、左腕は骨折しただけだ。右手首も無茶なことしなきゃすぐに良くなるって」

初春「……もう、あの実験は終わったん、ですか……?」




上条「あぁ、大丈夫だ」




初春「うぅ……ひっぐ……よがっだぁ……良がっだよぉ……うぅ……」

上条「今まで一人でよく頑張った。後の始末は俺に任せとけ」

初春「がみじょ?ざんも無事で……本当に……良がっだでず……うぅ……」

上条「あぁ。……心配かけた」

初春「うぁぁぁぁぁん」

____________________
________________
____________
________
____




~病院~


ガラガラ


上条「……まだ起きないか?」

土御門「あぁ」

初春「……あっ、一方通行……さん……」

上条「まあいいか。初春の方を先に片付けよう」

土御門「わかった」


pipipipipi


pi


電話の男「おう」

上条「……昨日、俺がやってたことは耳に入ってるよな?」

電話の男「あぁ。ったく、好き勝手やってくれちゃってよ」

上条「そこで折り入って頼みがあるんだ。……初春の罪を無しにしちゃくれねえか?」

初春「……」

電話の男「……それは無理だな」

初春「ッ!?」

上条「何が悪い!? 学園都市最強が学園都市最弱の無能力者に負けたんだぞ!? 絶対能力者になんかなる実験は頓挫されるはずだろうが!」

電話の男「それだよ、問題は」

上条「……なにがだ」

土御門「……実験の途中での強制終了による負債か」

電話の男「そうだ」

上条「ッ!? いくらだ」

電話の男「そこの嬢ちゃんが海外への資料も抹殺しちまったせいでな。諸々含めて8億円ってもんか」

「「「ッ!?」」」

初春「そんな額……払いきれない……」

上条「くっ……」

電話の男「まぁこちらとて身体も全部使って必ず返せ、なんて人権を無視したようなことは言いたくねえんだわ。そこで一つ提案がある」






電話の男「初春飾利を暗部組織グループの正規メンバーとすることで手を打とう」



上条「初春を……」

土御門「グループに、だと……」

初春「えっ!?」

電話の男「お前ら二人をサポートする役割を担ってもらう。それに初春のハッキング技術を使えば情報の隠蔽やすり替えなんかも余裕になり、グループはより機密の高い組織として機能出来る」

電話の男「それに監視カメラを使って初春の大事な人の危険にもいち早く対処出来るぜ?」

上条「ダメだッ! 初春に人殺しの手伝いをさせるわけにはいかないッ!」

電話の男「……じゃあ、どうやってこの問題を穏便に解決するよ? 何か良い案でもあるのか?」

上条「くっ……」






初春「……私、やりますッ!」




上条「ッ!?」

電話の男「……」

上条「ダメだッ!」

初春「いいえ、やらなきゃいけないんです。ここで引いたら、私がやった不始末を上条さんに尻拭いをさせることになるんです」

上条「そんなことは問題じゃない! お前はジャッジメントだろうがッ! ……人を守る正義の味方が、俺みたいなクズの手伝いをしちゃダメだろ」

初春「上条さんはクズじゃありません! 自分の信じた道を貫き通すすごい人です」

初春「そのせいで手を赤く染めた人殺しでも、それによって助けられた人もいるんです。……私はそれで救われた人なんです」






初春「それに、私の大事な人に上条さんも入ってますから」






初春「御坂さんや白井さん、佐天さんの危機を未然防ぐことだって出来るかもしれません。そのためだったらジャッジメントだって辞められます!」

上条「……」

電話の男「決まり、だな。……初春は明日からジャッジメントの特別班扱いになり、こちらが連絡した時だけ予め用意した部屋で他のメンバーに指示を出してもらう」

初春「……暗部に所属しているのに、ジャッジメントは辞められないんですか」

電話の男「あぁ」

上条「……罪悪感があるなら考え直せ」

初春「……いいえ、それも今回の騒動を起こした罰として受けます。上条さんだけに痛い思いさせちゃ悪いですから」

上条「初春……」


「なァに、人の病室でギャーギャー騒いでるンですかねェ。あァン、三下よォ」


上条「一方通行……、起きたか」

一方通行「クソがァ……、身体が全然動かねェ」

土御門「全身筋肉痛だそうだ」

一方通行「……ンだ、コイツは」

土御門「土御門元春だ。まぁ、本題はそこじゃないな」

上条「また後で掛け直す」

電話の男「ん? おぉ、わかった」

pi

上条「二人ともちょっと外で待っててくれないか?」

初春「……大丈夫なんですか?」

上条「あぁ」

土御門「それじゃ、頼むぜい」

ガラガラ


上条「……昨日は俺の勝ちだったな」

一方通行「ケッ、なンで殺してないンですかねェ」

上条「今は殺すつもりはない」

一方通行「……用件はなンだ」

上条「一方通行、お前に俺と一緒に暗部として活動してもらいたい」

一方通行「暗部だァ? なンで俺がそンなことしなくちゃいけないンですかァ?」

上条「……お前は何十人もの人と、99人のミサカを殺した」

一方通行「っ……、アレは人形だ」

上条「……お前がなんで無敵を目指したのかはなんとなくだが昨日の言葉で察しがついたよ」

一方通行「チッ、余計なこと言っちまったか」

上条「それを踏まえてお前は逃げちゃダメなんだッ!」

一方通行「俺は逃げてねェ!」

上条「お前がやってきたことを否定したいんじゃない!」

上条「成し遂げたい野望、貫き通さなきゃいけない信念をお前は持ってる。そして、それに向かってどんな犠牲を払ってでも進むことは、正しいとは言えないかもしれないけど、俺は認めてる」

一方通行「ッ!」

上条「ただ、自分がしてきたことから目を背けちゃいけないんだ! ……殺してきた奴らの関係者から恨まれ、憎まれ、命を狙われる覚悟を持って前に進まなきゃいけないんだ」

一方通行「……」

上条「お前はクズだ。……そして、俺もクズだ」




上条「お前の痛みは同じ道を歩んできた俺しかわかってやれないし、俺の痛みもお前しかわからないんだ」




上条「俺も小さい頃は疫病神だと言われ、いじめられ、蔑まれてきた。友達なんていなかった」

一方通行「……俺とオマエが同じ……?」

上条「あぁ」




上条「だから、お前は99人のミサカ達を、99人の人を殺してきたことから目を背けちゃいけない。……まだ二人だけ生き残りがいるんだ」

一方通行「20000人いるンじゃ……」

上条「いや、他のミサカを製造される前にデータを削除した奴が俺の仲間にいてな。だから後は二人だけなんだ」

一方通行「……」

上条「20000体のミサカを世界中で作るこの計画に何か違和感を感じないか?」

一方通行「……『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』での計算でそォなってただろうがァ」

上条「そこからおかしいんだ。……なんでLevel5のクローンを作るのに第三位の御坂美琴なんだ?」

一方通行「ッ!!」

上条「一方通行や垣根の方が有効なはずなんだ。Level5の軍隊を作るには」

一方通行「じゃァ、Level5のクローンは作れねェとわかってて第三位のクローンを作り、それを俺の実験へと流用させた……」

上条「それよりも、きっと本当の目的は世界中にミサカを存在させることだと思うんだ」

一方通行「ッ! ミサカネットワーク!」

上条「あぁ。だからこそ、残っている二人からデータを取って、学園都市はまた『妹達』を作り出す可能性が高い」

一方通行「ふざけ、やがって」

上条「だから、お前に二人の保護を頼みたい」

一方通行「ッ!?」

上条「これは償いだ。二人からは憎まれるかもしれない。けどな一方通行、お前はそれを乗り越えていかなきゃいけないんだ」

一方通行「……」

上条「自分が守ると決めた人は死んでも守らなきゃいけない。……俺はそれが垣根だった」

一方通行「……第二位」

上条「垣根はまだ生きてる」

一方通行「ッ!?」

上条「あいつを助けるために俺は暗部に身を置いてるんだ。そして一方通行、お前には俺を手助けしてもらいたい。お前が俺を助けてくれるならお前が背負わなきゃいけないものも一緒に背負っていける」






上条「一緒に生きていこう、この学園都市の底辺を」








一方通行「……言いてェことはわかった。けど、お前は納得してンのか? 第二位が勝手に俺に勝負を挑ンできたとは言え、俺が奴をボロボロにしたのは事実だ。……憎くはねェのか?」

上条「……憎しみが全くないとは言えない。でも、俺が垣根と出会っていなかったら俺もお前のようになっていたと思うんだ。お前はそういう人に出会えなかっただけなんだ。……だから憎くても放っておけないし、お前の苦しみも痛いほど理解出来る」




上条「それに、能力の有る無し関係なくお前の横にいれるのは俺だけだから」




一方通行「……そォか」


上条「一方通行、お前を殺すのは俺の役目だ。……そして、俺を殺すのはお前の役目だ」


一方通行「……ンな恥ずかしいセリフ真顔で言うな」


上条「ははっ、まぁ良いじゃねぇか」






上条「一方通行、お前自身が胸を張れる生き方を自分で選んでみろよ!」






一方通行「……ケッ! せいぜいクズ同士、仲良く『悪党』やろうじゃねェか」

上条「あぁ。よろしくな!」


____
________
____________
________________
____________________


上条「あぁ。それじゃ、仕事の時に」


pi


上条「んじゃまあ、一応自己紹介ってことで、改めまして上条当麻です。一応無能力者ってことになってる」

一方通行「あァ? 無能力者なわけねェだろうがッ!」

上条「いやいや、無能力者で判定出るんだよ。けど、右手にどんな異能の力でも打ち消す『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を持ってる。能力者相手なら負けねェけど、拳銃とかはキツイかな。よろしくたのむ」

土御門「今更だけど、よろしくにゃー」

初春「よろしくお願いします!」

一方通行「よろしくゥ、三下ァ」

上条「三下呼びは変わんないのな」

一方通行「こっちの方が言いやすいしィ」

土御門「俺は土御門元春。能力は『肉体再生(オートリバース)』のLevel0だが、さっきの電話でも言ってた通り魔術関連ではかなり情報を持ってる」

一方通行「他の暗部組織の壊滅よりも、キツイのか? その侵入してきた魔術師の排除ってのは」

土御門「一方通行と初春は後で少し魔術の知識をつけてもらうが、慣れるまでは俺かカミやんがいないと厄介だろうな」

上条「俺もまだ戦ったことないんだけど」

土御門「カミやんの幻想殺しは魔術も打ち消せる」

一方通行「ンだよ、そのとンでも能力は」

上条「……すげえんだな、これ」

土御門「後は一方通行の反射が効くかどうかがカギになってくるだろうな」

一方通行「ふゥん」

土御門「まあ、俺からは以上だ」

初春「あっ、じゃあ私は、初春飾利です。能力は『定温保存(サーマルハンド)』のLevel1で、持っているものの温度を一定に保つことしか出来ないんですけど、ハッキングや情報管理、敵の能力や位置情報を教えることで皆さんの役に立ちたいと思いますっ!」

上条「……あぁ、よろしくな初春」

土御門「よろしくにゃー」

一方通行「よろしくゥ、花頭」

初春「ぶぅー、なんですか花頭って!!」

一方通行「ン? 見たまンまだが?」

初春「うぅー」

土御門「まあ、初春がグループの頭脳なんだ。仲良くな」

初春「……わかりましたよぉ」




上条「それじゃあ、任務があるまでは各自自由行動ってことで」

初春「わかりました。それじゃあ、また」

上条「初春、……その悪かったな。結果的にお前の日常を変えちまって」

初春「いえ、変わってませんよ。私の大事な人を守る日常の範囲が少し広くなっただけですから」

上条「……ありがとう」

初春「上条さんは気にしないでください。私の方こそありがとうって言わなきゃいけないんですから! それじゃあ」

上条「あぁ」


ガラガラ


土御門「こうなっちまった以上、悔やんでも仕方ないぜカミやん」

上条「わかってるよ」

土御門「彼女に被害が及ばないように敵の取りこぼしをしないのが俺らのすべきことだ」

上条「あぁ」

土御門「それじゃ、舞夏の昼飯でも食べに帰るにゃー」


ガラガラ


一方通行「守ると決めた人は死ンでも守るンだろ? やり通せ」

上条「あぁ。サンキューな」

一方通行「ン」

上条「じゃあ、お前も乗り越えなきゃいけないもん乗り越えるか! 『妹達』の二人を連れてくるぞ?」

一方通行「……くっ、……あァ」


ガラガラ

>>1でした
更新遅くなってすみません
次回もいつになるかはわかりません
ちなみに次で過去篇が終わると思います
それでは

>>1です
酉ってこれであってますか?

>>534

「俺がどンなに煽っても、脅しても、実験だからだと言って殺されに来たコイツらをオマエはまだ人形だと言い張るのかッ!?」



「俺がどンなに煽っても、脅しても、実験だからだと言って殺されに来たコイツらをオマエはまだ人間だと言い張るのかッ!?」

でした。すみません




一方通行(逃げたらダメなンだ……)


一方通行(殺してきた奴の関係者から恨まれ、憎まれ、命を狙われる覚悟を決めなきゃならねェ……)


一方通行(99人の『妹達』を殺してきた……)




一方通行(自分の都合で……)




一方通行(しかもその記憶は……、俺に殺された記憶は、今いる『妹達』には残ってる……)




一方通行(本当に……)






一方通行(本当に俺はその覚悟が決まっているのか……?)






一方通行(実験を計画した学園都市が……)


一方通行(実験の非人道的さに目をつむった研究者が……)




一方通行(DNAマップを提供した第三位が……)






一方通行(悪いと、心のどこかで思ってンじゃないのか……?)






一方通行(俺は仕方なく実験に参加させられただけなンじゃないのか……?)






一方通行(俺は悪くないンじゃないのか……?)






一方通行「そンな風に自分に都合の良いようにしてるンじゃないのか……?」




違う、チガウ、違うチガウ違う違う違うっ!!



一方通行「ダメだッ!」



一方通行(そンなことないッ! そンなことはないンだッ!)



一方通行(俺がもっと強かったら……)

一方通行(肉体的にではなく……)



一方通行(精神的に……っ……)





一方通行(そォしたらこの実験は……、いや……)





一方通行(少なくとも、99人の『妹達』の殺されなきゃならねェ状況だけは防げたはずなンだ……)





一方通行「俺は学園都市の底辺で……」


一方通行「人殺しのクズとして……」



一方通行「アイツと一緒に」





一方通行「『悪党』になるンだろうがッ!」





一方通行(例え、殺さそうになっても……)

一方通行(拒絶されても……)



一方通行(『妹達』の二人は守り抜く……)





一方通行「それが俺の信念だから……」



一方通行「それが俺の選ぶ生き方だから……」


上条「入るぞ」

ガラガラ

一方通行「っ……」

上条「えーとっ……」

ミサカ100号「……昨日ぶりですね」

一方通行「……あァ」

上条「……っと、まずは御坂末っ子、お前のこと話してくれ」

??「えっ? ミサカ? うん、ミサカの名前は打ち止め(ラストオーダー)って言って、検体番号は20001号だよ、ってミサカはミサカは自己紹介してみたり」

一方通行「検体番号20001号、だと……」

打ち止め「うん! ミサカは全てのミサカの上位個体にあたり、ミサカネットワークで直接命令が出来るんだよ、ってミサカはミサカは自慢してみたり」

ミサカ100号「ただのロリっ子上司です、とミサカは不快感を隠しながら補足説明します」

打ち止め「ロリっ子上司って生意気だぞー、ってミサカはミサカは」

上条「だぁー! とにかく、御坂末っ子が本当に他の『妹達』に指示出来るようにプログラムされてるなら、これ以上『妹達』は作らせちゃいけないんだよ!」

上条「この二人のためにも……」


上条「生まれてくる『妹達』のためにもだ」


一方通行「……そォだ、な」

ミサカ100号改め御坂妹「……ミサカはこの世の中を知らなすぎます」

御坂妹「『学習装置』ではカバーしきれていないこともたくさんあると思います」


御坂妹「……あなたを見ると身体が震えます」


一方通行「……」

御坂妹「これがどういう感情なのかは定かではありません。憶測でものを言えば、これは恐怖なのだと思います」

御坂妹「そして、ミサカと上位個体にはあなたに殺された99人のミサカの死ぬ直前までの記憶もあります」

一方通行「っ……」

打ち止め「で、でも……」

御坂妹「待ってください、ミサカはまだ言いたいことがあります、とミサカは上位個体にもう少し時間がほしいことを目で訴えます」

打ち止め「う、うん……」

御坂妹「……おそらくこれから色々なことを知ればあなたに対して良くない感情を持つと思います。そして、それは消えることもないと断言出来ます」

一方通行(わかってる……、わかってるンだそンなこと……)

御坂妹「だからそんなミサカ達を……、守ってください」

一方通行「ッ!?」

御坂妹「この方に人形じゃないと言ってもらえました。人間だと言ってもらえました」

上条「……」



御坂妹「ミサカは人間としてこの世の中を生きてみたいんです」



一方通行(おィおィ……、こンなの……、こンなの……)



一方通行(俺よりも人間らしいじゃねェか……ッ!)



御坂妹「そのためには守ってもらう必要があることをこの方から聞きました」

御坂妹「だからあなたは、ミサカ達二人に恨まれながら、憎まれながら、ミサカ達二人を守ってください」

御坂妹「……ただ勘違いはしてほしくはないんです。あなたには感謝もしているんだということもわかってほしいんです」

御坂妹「あなたがいなければミサカはいなかったかもしれないんですから、とミサカは今の胸中を明らかにします」

一方通行「……」

打ち止め「ミサカは途中からあなたがミサカ達を殺したくないのかなって気付いてたんだ……」

一方通行「ッ!?」



打ち止め「でも、止められなかった」



御坂妹「……」

打ち止め「ミサカにはそんなこと出来る力はなかったし、殺したくないっていうのが本当かどうかなんて確かめられなかったから」

打ち止め「けど、今は違う」

打ち止め「あなたはミサカ達を殺したくなかったっていうのがわかったし……」




打ち止め「ミサカ達二人は誰かの都合でもう死んでやることなんてない」




打ち止め「病院で調整は必要だけど、人間として生きていきたい」

打ち止め「だからあなたに、ミサカ達を守ってほしいの」

打ち止め「ミサカ達があなたの苦しみになるのはわかってるよ。でも、それでも、ミサカ達を守ってほしいの」

一方通行「……」

上条「一方通行……」



一方通行「あァ、守ってやる……、いや……」




一方通行「守らせてくれ」


一方通行「そンで、すまなかった」





打ち止め「うん、ってミサカはミサカは笑顔をあなたに向けてみたり」



上条「……じゃあ、ちょっと寄るところあるから先行くな」

御坂妹「えっ? もう行ってしまわれるのですか、とミサカは暗にまだいて欲しいということを隠しつつあなたに問います」

上条「悪いな。御坂妹も御坂末っ子もまだ調整あるし、早く病室戻れよ」

一方通行「……この病院の中は大丈夫なのか?」

上条「あぁ。冥土帰しが患者には手は出させないね、って言ってたからたぶん大丈夫だろ」

御坂妹「……ではまた明日も顔を出してください、とミサカはお願いをしてみます」

上条「おう。毎日来るようにするから安心しろ」

打ち止め「ミサカにも会いに来てね! ってミサカはミサカはお話相手になってくれると期待を込めた目であなたを見つめてみる」

上条「任せろ。それじゃあな」


ガラガラ


一方通行「おら、オマエらも病室に戻れ」

御坂妹「上位個体、ミサカ達も病室に戻りましょうか、とミサカは病室にあるリンゴの味が忘れられません」

打ち止め「あー、まだ食べかけだった! それじゃまた来るね、ってミサカはミサカはビューン」

一方通行「病院の中を走っちゃいけませン!!」


ガラガラ


一方通行「ったく」


一方通行「……あいつはどこに行ったンだろうなァ」


ガラガラ


冥土帰し「彼なら垣根君のところに行ったよ」

一方通行「……盗み聞きしてンじゃねェよ」

冥土帰し「彼は垣根君がこの病院に入院してるって知ってからほぼ毎朝来てるね」

一方通行「……」

冥土帰し「彼は垣根君を守りたい。君はあの子達を守りたい。彼が納得してるんだから君は今を生きていくんだね」

一方通行「ンなこと言われなくても……」

冥土帰し「いつか彼は君に力を貸してほしいと言うと思うよ。その時に彼の助けになれれば良いと僕は思うね」

一方通行「……あァ」

冥土帰し「後、君は能力に頼らなくても良いよう運動や筋トレをした方が良いね」

一方通行「うっ……、わかってンだよ!」

冥土帰し「それじゃあね」


ガラガラ




~数日後??上条宅~



上条(その後、退院した一方通行と、調整を終えた御坂妹、御坂末っ子は揃いも揃って俺の家の居候となった)

上条(なんでも一方通行の家は不良どもに知られていて荒れ放題、さらには御坂妹が一方通行と御坂末っ子と生活する条件として俺の同居を挙げたそうだ)

上条(俺の家に誰かが来る時はグループのアジトに行くみたいなんだが)

上条(……)



一方通行「だァ、第二位は碌な趣味してねェなァ」

御坂妹「あなたの服の方がセンスを疑いますけどね、とミサカは周知の事実とここぞとばかりに自覚を促します」

打ち止め「あー、ハンモックだー!ってミサカはミサカは今夜はこれで寝ようって思ってみたり」

一方通行「ダメに決まってンだろうがァ、クソガキがァ! 落ちたらどォすンだ、あァ!?」

御坂妹「うわー、過保護なロリコンかよ、とミサカは以前からの疑惑が確信に変わったことを吐露します」

打ち止め「そんなに子供じゃないよーだっ、ってミサカはミサカは反論してみたり」



上条(入院中にどんだけ打ち解けてんだよ!? 逆に俺の居場所がなくなったみたいなんですけど……)トントン

上条「ん?」

御坂妹「……あなたはミサカ達の命の恩人であると共に、ミサカ達に世の中のことを教える義務があります、とミサカはあなたがミサカ達と暮らす必要性を説きます」

上条「……へ?」

御坂妹「あなたは先日ミサカ達が人形のようなのは、世の中のことを知らないだけだと言いました、とミサカが言質を取っていることを報告します」

上条「……あー、言ったような……」




御坂妹「だから……、責任は取ってくださいね///」




上条「……ッ!?///」

一方通行「……おィ三下ァ、何時の間に手ェ出しやがった」

上条「へ? 一方通行さん……? 何をそんなに殺気をばら撒いているのでしょうか……!?」

一方通行「俺はなァ、コイツらを守らなきゃならねェンだ! ……害虫は、死にさらせェェェェェェェェェェェ!!」

上条「うおっ!? 家壊れるだろ! やめろっ! だぁー、不幸だぁあああああああああああああ!!!」




御坂妹「と、ミサカは病院のロビーで見かけた『意中の男性に結婚を迫るパターン全集』のパターン6を実行にうつしてみました」




~廃墟~



初春『目標Aー21を通過。数は変わらず三人です』

「「「了解」」」




魔術師1「こんな餓鬼連れてくだけで本当に良いんだろうな!?」

魔術師2「あぁ、こう見えてこの餓鬼は学園都市の中じゃ階級で言うと上から二番目のLevel4だっていうじゃねえか。脳みそ弄れば科学を魔術に応用出来るかもしれねえ!」

魔術師3「ん? 追手だ」



パァン



魔術師1「くっ」

魔術師2「チッ、拳銃か」

魔術師3「今、結界を張った」

魔術師2「迎え撃つぞ」



初春『弾丸が一人に命中。しかし、軽傷の模様。音声から何らかの結界を展開、迎え撃つようです』

土御門「情報だと最近出来た小さな魔術結社のようだな。位置はわかってる。後は結界の強度が気がかりだ」

上条「結界は俺が打ち消す」

土御門「じゃあ、カミやんの正面突破で行きますか」

一方通行「あァン? 俺が全て跳ね返してやるよォ」

土御門「反射が効くかわからないぞ?」

一方通行「ンなもンやらなきゃわからねェだろうが」

土御門「……まあ、いい。カミやんは一方通行の援護」

上条「了解」

初春『目標の一人が床に術式と思われる物を展開。雷の龍が出現しました』


魔術師2「かかって来い、おらぁっ!」

魔術師3「……敵は二人、二時の方向」

魔術師1「回復魔術をやっている。少しの間耐えてくれ」

魔術師2「耐えるも何も真っ黒にしてやらぁ」

スタスタ

一方通行「ずいぶんと威勢がいいじゃねェか。これから殺されるってェのによォ」

魔術師2「余裕ぶってんじゃねえぞ、行けっ!」

一方通行(どんな源流だろうと解析出来れば反射出来るッ!)


ビリビリビリビリ



一方通行「あばばばばばばばばばばばばばばばばば」

魔術師2「」
魔術師3「」
魔術師1「」

上条「」
土御門「」
初春『』



土御門「……はっ、今だ行けカミやん!」

上条「……っ、うおぉおおおおおお」


魔術師2「ま、また黒焦げにしてやらぁ! 行けっ!」

魔術師3「ッ!? 探知魔術であいつを感知出来ていない、だと!?」

パキーン

魔術師2「なっ!?」

上条「うおりゃっ!」

パキーン

魔術師3「け、結界まで!?」

土御門「ふっ」

バァン パァン パァン


初春『も、目標沈黙。攫われた少年は無傷です。しかし、……一方通行さんも負傷』

上条「な、なぁ……、一方通行生きてるよな……?」

土御門「た、たぶんにゃー」

上条「お、おーい……。一方通行ー?」

一方通行「は……、はや…く……、びょ……いん…に……」ガクッ

一方通行「」

上条「一方通行ぁぁぁあああああああああ」

土御門「大丈夫にゃー。生きてるぜい」

上条「そうか」

初春『じゃ、じゃあ少年と一方通行さんを病院に連れていって今回の仕事は終了です』

「「了解」」



~病室~



土御門「いやー、助かって良かったにゃー」

初春「……上条さんに任せておけば良かったのに」ボソッ

一方通行「チッ!」

御坂妹「こんなに弱くてミサカ達を守れるのでしょうか、とミサカはこの白モヤシ本当に学園都市第一位かよ、という気持ちを隠しきれません」

一方通行「チッ!!」

打ち止め「だ、大丈夫だよー! きっと守ってくれるよー……、たぶん、ってミサカはミサカは必死にフォローしてみたり」

一方通行「……うゥ」

上条「ま、まぁ魔術には反射が効かないってわかっただけでも良かったじゃねーか! なっ?」

一方通行「……効かなかったンじゃねェよ」

上条「ん?」

一方通行「……反射は出来たンだ。……ただ逸らすことしか出来なくて、あの攻撃範囲だと俺に直接当たるンだよ」

土御門「つまり、魔術の攻撃自体にはそこそこの防御にはなるわけか……」

一方通行「あの魔術だかの、源流さえわかれば反射も余裕なンだがなァ」

土御門「魔術の源流なんざ、細かくわければいくつあるかなんてわからないぞ」

一方通行「まァ、反射に期待せずとも倒せるっちゃァ倒せるからなァ」

土御門「そういうことだ。カミやんが対魔術では完全無欠の防御壁になるならな、次からはカミやん先頭だ」

上条「……銃さえ持ってなきゃ良いよ」

土御門「反対に対科学では一方通行が先頭でバシバシ反射だな」

一方通行「オマエに言われたかねェよ。何もしねェじゃねェか」

土御門「俺は情報収集……」

初春「それは私の仕事ですね」

土御門「」

上条「えっ? 何、お前いらなくね?」

一方通行「かァ、とォとォいらない、とまで言われちまったかァ! ハハンッ!」

土御門「……対魔術の情報収集は俺が一番だにゃー! いらなくなんかないにゃー! 俺は優秀だにゃー!!」

上条「けど、初春の人工衛星のハッキングによる監視なら多少の魔術関係も……」

土御門「うるさい! うるさいうるさいうるさいにゃー!!!」



御坂妹「この組織本当に強いんでしょうか、とミサカは純粋に疑問に思います」

打ち止め「た、たぶん強いんじゃないかなー、ってミサカはミサカは少し動揺を隠しきれなかったり」






上条「それじゃあ、早く治せよ」

土御門「早く治さないといらない認定するからにゃー!」

一方通行「うるせェ、クソメガネ」

初春「お大事にー」

一方通行「花頭もとっとと帰れ」

初春「……白モヤシ」ボソッ

一方通行「チッ!!!」

打ち止め「今日はすき焼きだー、ってミサカはミサカは楽しみぃぃぃぃーーー」

御坂妹「あなたの大好きな幼女はあなたよりも肉の方が好きなようですね、それではアデュー、とミサカは華麗な捨て台詞で病室を後にします」

上条「は、ははは……。そ、それじゃあな」


ガラガラ









一方通行「……肉ゥ」




~数日後~



電話の男「なかなか良い仕事するじゃねーか」

上条「量を増やすんじゃねえぞ。ただでさえこっちは補習で忙しいって言うのに……」

土御門「それはカミやんだけだぜい」

電話の男「初春、情報操作の方は大丈夫か?」

初春「はい。残ってる暗部組織やその上役には、殲滅した暗部は簡単な仕事しかここ最近行っていないことになっています」

一方通行「力のある暗部で残ってるのは『ブロック』、『メンバー』、それに……、『アイテム』か」

電話の男「まあ、そんなもんか」

土御門「で、呼び出した理由はなんだ? 俺はあと数日でイギリスに行くことは話してあるはずだが?」

電話の男「まあ、今回は土御門、お前はいなくても大丈夫だろう」

上条「つーと、三人での仕事ってわけか?」

電話の男「まあ動くのは三人だが、実際は二人と一人だな」

一方通行「どォいうことだ」

電話の男「今回の仕事は学園都市で開発した銃器を無断で外に売り捌こうとする組織の壊滅、並びに『アイテム』の条件付き壊滅だ」

上条「なんで同時に行う必要があるんだよ」

電話の男「まず前者だが、その組織の連中が銃器の取り扱いに長けたスペシャリスト揃いだ。そんなわけで上条と土御門は使い辛い」

土御門「妥当だな」

電話の男「で後者について、アイテムの構成員に滝壺理后という一方通行の天敵になる可能性を持った能力者がいる」

一方通行「俺の天敵だァ? ンなもンここにいるじゃねェか」

上条「……あぁ、俺か」

電話の男「上条とは違って学園都市で開発された能力による一方通行、お前の天敵だよ」

初春「滝壺理后、能力は『能力追跡(AIMストーカー)』のLevel4。体晶を用いることで一度記憶したAIM拡散力場はたとえ太陽系の外に出ても検索、補足が可能、ですか……」

一方通行「どこに俺の天敵になる要素があるンだ?」

電話の男「それを応用してAIM拡散力場に干渉して能力者のパーソナルリアリティを乱すことで、攻撃への応用も可能なんだよ」

土御門「つまり、時間をかければ一方通行や第二位の垣根帝督さえも敵ではなくなる」

電話の男「そういうこと」

一方通行「体晶ねェ」

電話の男「まあ弱点は体晶が必要なことや時間がかかるということが挙げられるだろうな」

上条「なら奇襲を仕掛ければ……」

電話の男「そこは『アイテム』のチームワークがそう簡単にはいかせてくれない」



初春「アイテムは四人それぞれの得意とするところで勝負を仕掛け、不得意な部分は互いに補って一つの完璧な形態を作っています」

電話の男「そうだ。それに滝壺理后の周辺には第四位が目を光らせている。アイテムの核たる滝壺理后を簡単にはノーマークにはしないだろうな」

土御門「いやー、なかなかやり辛いにゃー」

電話の男「そこで前者に一方通行と初春、後者に上条を向かわせる」

上条「はあ!? 俺一人かよ」

一方通行「コイツ一人で大丈夫かァ……? 明らかに雑魚組織とは違うだろ」

土御門「まあ、滝壺理后に無条件で対抗できるのは確かにカミやんだけだが……」

電話の男「一方通行と初春の方は地道にやっていけば難なく終わるとは思うが、上条の方にはさらに条件が加わる」

土御門「それが条件付き壊滅の条件……」

電話の男「あぁ。その条件だが……」






電話の男「第四位麦野沈利を瀕死の状態にし、その他の正規メンバーを抹殺すること」




上条「……」

電話の男「これにより第四位は上条に復讐するために能力を向上しようとして研究所を訪れ、ここ数年滞ってる第四位の能力を用いた研究の促進を目指す」

初春「ダメです! 上条さんのその後の生活に危険が伴います!」

電話の男「……名前が公表されていないだけでお前ら四人に復讐しようと思う奴らはここには何百、何千といる。いつかそいつらもお前らに辿り着くんだぞ?」

初春「くっ……」

上条「それをするためには?」

土御門「カミやん! 本当にやるのか!? これはかなり危険だろ」

上条「……」

電話の男「この仕事が片付いたら垣根をもう一度普通の生活の出来る状態にしてやってもいいぞ?」

「「「「ッ!?」」」」

上条「それは本当か……?」

電話の男「あぁ」

上条「……」

初春「……上条さん」

土御門「……カミやん」

一方通行「……チッ」

上条「……やる! その代わり、その約束きちんと守れよッ!」

電話の男「ふっ、あぁ。もちろんだ」

上条「どうやってそういう状況に持っていくんだ」

電話の男「それだが、上条には明日からアイテムの正規メンバーになってもらう」




上条「アイテムの正規メンバーですか」





電話の男「そうなってからアイテムの連中を油断させ、数日後にアイテムの仕事で駒場利得とその組織の幹部の暗殺命令を出す」

上条「ッ!?」

電話の男「その仕事中に滝壺理后、絹旗最愛、フレンダ・セイヴェルンの抹殺、並びに麦野沈利を瀕死の状態に追い込んでもらう」

上条「……なぜ、駒場さんを狙うように仕向ける」

電話の男「あの男は学園都市にとっての危険分子になりうる男だ。例え今回の暗殺命令で助かっても、次の暗部組織が命令を受けるだろうな」

上条「くっ……」

電話の男「潜入してからの連中との付き合い方は上条に任せる。そして決行日はこちらから連絡しよう」

上条「……わかった」

電話の男「詳しい場所と時間は後で各自にメールで連絡する。それじゃ」


pi


上条「……」





初春「……上条さん」

上条「大丈夫だ……」

一方通行「三下ァ、守ると決めた奴は死ンでも守ンだろうがッ! そのためなら誰に恨まれても信念突き通せ」

上条「そうだ、な……。ありがとな初春、一方通行」

土御門「がんばれよ、カミやん」

上条「あぁ」







――こうして上条当麻のアイテム正規メンバー入りが決まった


>>1でした
今回で過去篇が終了して次回は過去篇突入前からの続きになります
ついでにスレタイ回収もしました
更新は未定です
それでは




アイテムやっとだせるよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!




――グループ上条当麻によるアイテムの条件付き壊滅の決行日の前日23:00



~アイテム アジト~



麦野「私はもう寝るけど、あんたたちどうすんの?」

フレンダ「麦野と一緒に寝たーい! ……けど、もうちょっと起きてよっかな」

絹旗「私もそうしようかと……」

滝壺「むぎのは先に寝ちゃってもいいよ?」

麦野「……上条でも待ってるの?」

絹旗「まぁ、アイテムの先輩として後輩の面倒をみるのは超当たり前ですから」

滝壺「かみじょうとはこれからも仲良くやっていきたい。ご飯も美味しいし」

フレンダ「結局、上条が帰って来た時に誰も起きてなくて、また泣かれたら嫌な訳よ」

麦野「ふふっ……、滝壺みたいにあんたたち二人ももう少し素直になりなさいよ」

フレンダ「そういうの麦野にだけは言われたくないわー」

絹旗「私たち四人の中で一番超捻くれてくのは麦野ですもん」

フレンダ「だいたい上条が泣いたのだって麦野がちょくちょく上条に意地悪してたからな訳よ!」

絹旗「そうですよ! 今日だって結果的に上条は私のこと助けてくれたのに、麦野が上条のことを超睨んだりなんかしちゃって!」

フレンダ「それにそれに!」

滝壺「二人とももうそろそろやめた方が……」

麦野「フーレンダぁー、きーぬはたぁー」



麦野「オ・シ・オ・キ・か・く・て・い・ね」



フレンダ「」

絹旗「」



滝壺「私は退散、退散っと」




フレンダ「」プシュー

絹旗「」プシュー

麦野「それじゃ、私は寝るから」

滝壺「うん、おやすみ。むぎの」

麦野「おやすみー」


バタン


滝壺「……かみじょうどうしたんだろうなぁ」

フレンダ「け、結局上条も何かあるって訳よ」

滝壺「あっ、ふれんだ復活早いね」

絹旗「うぅ……、いたたたた。麦野ほどじゃないですけど、上条に対して少し思うところがあるのは確かですね」

滝壺「まあ、そうだよね」

フレンダ「いくら身体能力が高くてもLevel0でアイテムの正規メンバーに配属されるってのが少しね……」

絹旗「車を運転出来るわけでもなく、ただスキルアウトとの繋がりが強いってだけですからね」

滝壺「……けど私はかみじょうとは上手くやっていけると思うんだ」

フレンダ「滝壺がそういうこと言うのも少し珍しいね」

滝壺「……かみじょうが私たち四人にちゃんと笑ってくれたらきっと上手くやっていける」

絹旗「……そうですね」

フレンダ「……結局、上条は早く帰って来いって訳よ!」




~病院からの帰り道~



上条「明日か……」

上条(思えば、必要以上にアイテムとは仲良くやっちまったのかもしれない……)

上条(本当は幻想殺しを隠しつつ、適度に距離を置いて接するつもりだったのに)

上条(今じゃ一緒に住んで、ご飯も作ってやってる……)

上条(なんでこんなことになったんだろ……)






上条「うらやましかったのかな……」






上条(殺し合いと隣り合わせの生活だったのに垣根と毎日楽しく過ごしてたあの頃が、アイテムの四人に見えたのかもしれない)

上条(あの生活に憧れて無意識に一緒にいれるよう行動していたのかもな……)

上条(明日……)






上条「……垣根のためだ」








上条「あれ? 明かりが付いてる……」


ガチャ


上条「た、ただいまー」



フレンダ「上条ー!」タッタッタッ

上条「うおっ!?」ダキッ

フレンダ「むふふ、このフレンダ様の身体の感触はどうよ? どうよー?」

上条「あー、なんつーか、……これからだよな!」

フレンダ「はあ!? なんてこと言ってくれちゃってる訳ー!?」

絹旗「フレンダは超どいてください! 上条はフレンダの貧相な身体じゃダメなんですって!」

上条「いやー、絹旗も同じようなもんじゃないのか……?」

絹旗「……上条ォ、こっちが元気付けよォとしてる時に限って好き勝手言いたいこと言ってくれちゃってますねェ」

フレンダ「絹旗にも言いたいことはあるんだけどね、あるんだけどね! それよりもー、私は、私はー、上条にイラついてる訳よー!!」

滝壺「いくら本当のことでも言っちゃいけないこともあるんだよ? かみじょう?」

上条「は、ははは……。ほら絹旗、今日怪我した左手首まだ治ってないだろ? それにもう夜だしさ、フレンダは手に持ってる爆弾みたいなやつはしまおうな? な?」

絹旗「右手でなぐりますから超大丈夫ですよォ」

フレンダ「近所は花火でもやってると思うから、結局大丈夫な訳よ!」

滝壺「かみじょう、折角帰って来たのに逝ってしまうんだね」

上条「滝壺さん? 縁起でもないこと言わないでほしいんですのことよ!?」

絹旗「くらえェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」

フレンダ「吹き飛べぇえええええええええええええええ!!」

上条「うぎゃーーーーーー」




絹旗「超すっきりしました」

フレンダ「さっき麦野にやられたから少し張り切っちゃったわー」

上条「」

滝壺「かみじょう、こんなとこで寝ると風邪ひくよ?」

絹旗「ったく、こっちが少し気を使えば超調子にのりやがって……」

フレンダ「結局、上条の自業自得って訳よ」

上条「……はい、すみませんでした」

滝壺「かみじょうも意外と丈夫だよね」

絹旗「それで? もう大丈夫なんですか? その……」

上条「えっ?」

フレンダ「あれよ、あれ……」

上条「えーと、何が……?」

滝壺「今日の晩御飯の時にあったでしょ?」

上条「……あっ」

上条(俺を心配して……)

絹旗「それをもう大丈夫かと超聞いているんですよ!」

フレンダ「さっさと答える訳よ!」

滝壺「かみじょうもアイテムの一員なんだから、私たちを頼っても良いんだよ?」

上条(俺なんかを心配してくれてる……)

上条「……」

フレンダ「ん? 上条?」

絹旗「どうかしましたか上条?」

滝壺「……さっきのでどこか怪我したんじゃないの?」

上条(油断させるために仲良くしちまってる俺なんかをこいつらは……)

絹旗「ちょっ!? 滝壺さん、そんな目でこっちを超見ないでくださいよぉー」

フレンダ「私たちが上条の目を虚ろにしてしまった訳ー!?」

滝壺「大丈夫? かみじょう」

上条(……ダメだ! 違うッ! 割り切れッ!!)



上条「ははっ、ごめんな。心配かけちゃったみたいでさ」

滝壺「……」

上条「もう大丈夫だからよ、今日は先に寝るな」

絹旗「……は、はい」

上条「こんな遅くまで待っててくれてありがとう。嬉しかったよ」

フレンダ「わ、わかれば良い訳よ……」

上条「風呂は明日の朝にシャワーでも浴びるから。それじゃ、おやすみな」


バタン


滝壺「……また、いつもの笑い方だった」

絹旗「今のは不自然な笑みだって超バレバレですよ……」

フレンダ「結局、私たちには心は開いてくれないって訳ね……」

滝壺「ううん、きっとわかってくれてるはずだよ。私たちがかみじょうのこと気にしてるんだよってことは」

絹旗「それならもうちょっと私たちには、超上辺だけの付き合いっていうのをやめてほしいものですね」

フレンダ「まあ、これからって訳よ」

滝壺「そうだね。……もう寝よっか、おやすみ」

絹旗「……そうですね。おやすみなさい」

フレンダ「……うん。おやすみー」


バタン バタン バタン




~決行日(土曜日)~



麦野「ふぁ~、おはよー」

上条「おはよう。……麦野って朝眠そうなのに、服装はキチンとしてるのな」

麦野「そりゃ、あんたがいるんだから変な格好は出来ないでしょ。襲われたりしたらた~いへんじゃなぁい」

上条「返り討ちで跡形もなく消し去られそうだからしねーっつうの」

麦野「あっそう。……もう大丈夫なわけ?」

上条「……あー、昨日も三人に気を使われちまったよ。もう大丈夫だ。そんなの今日で終わりだからさ……」

麦野「ん? 今日なんかあったっけ?」

上条「いや、そうじゃなくて、まあ、今日で吹っ切れるってもんかな」

麦野「ふーん……、まあ、いっか。それより今日は朝出かけないんだね」

上条「あぁ。今日はみんなで朝御飯食べようかなって思ってな」

麦野「そう……。今日も朝からいい匂いさせてるじゃない」

上条「まぁ、俺の特技は料理くらいなもんだから」

麦野「上条が来るまでの生活が嘘のようだわ」

上条「……え? 朝とか食事ってどうしてたの……?」

麦野「私はほとんどシャケ弁ね。それ以外だと……、レストランとか出前とかかしら」

上条「よくそれで四人ともスタイル崩れてないよなぁ」

麦野「そこはキチンと計算してんのよ。いくら暗部で人として外れた道を歩んでても、女の道は捨てちゃいないわ」

上条「……そーかい」

麦野「あら? あらららら? 上条さんよぉ、私の身体意識し始めたら緊張してきちゃったのかしらー?」

上条「まあ、麦野もスタイルは良いと思うよ? ……ただね、もう少し足がほそk」

バシューン

上条「……麦野は足も細いよなー」

麦野「言葉の言い間違いには気を付けなよ。……誰かに殺されるか、私に殺されるかが決まるんだからね」

上条「は、はい」

上条(結局俺は殺されることは決定事項なんですねー)




絹旗「ふぁ~あ、おはようございまぁす」

上条「おはよう」

絹旗「あれ? 上条、今日はいるんですね」

上条「おぉ。……絹旗はパジャマなんだな」

絹旗「へ? ……あー!! 上条!! いつもはもっとちゃんとした格好でリビングに来るんですからね!! 今日はたまたまなんですからね!!!」

上条「お、おう」

絹旗「うぅー、着替えて来るので朝御飯の用意ちゃっちゃとしてください!!!」


バタン


上条「な、なんだよ……いきなり」

麦野「あんたが朝いつもいないから気が抜けて前に戻ったみたいね。一昨日くらいまでは整えてから来てたわよ」

上条「なんか悪いことした気分……」

麦野「じゃあ、私は滝壺とフレンダ起こしてくるわね」

上条「別にまだ朝御飯出来る時間じゃないんだけど……」

麦野「滝壺は胸あるくせに薄着なのよ。で、フレンダは童貞坊やに見せたら発情しちゃうくらいの服装だから」

上条「なるほどね。って、どど童貞じゃないし!」

麦野「はいはぁい。童貞の上条君は朝御飯の用意頑張ってねぇー」

上条「どどどど童貞じゃないからな!!」



絹旗「あー、もう。朝いるなら昨日の夜言ってくれれば良かったじゃないですか!」

上条「ご、ごめんな。今日はみんなで食べたいなって思って」

絹旗「ふぅん、良いですけどね。それより朝御飯の用意超早くやってください! 手が止まってます!」

上条「味噌汁はかき混ぜるだけだし、後はご飯が炊けるのを待つだけだからね。だいたいは完成してるんだよ」

絹旗「玉子焼きにシャケの塩焼き、きんぴらごぼうって……超純和風も良いとこですね」

上条「こういうの良いだろ?」

絹旗「まあ、悪くはないですね」

フレンダ「ふむふむ。後はサバ缶があれば完璧って訳よ!」

麦野「この食事にサバ缶なんて邪道も良いとこだわ」

滝壺「むぎのはシャケがあるから問題ないよね」

上条「おはよう」

フレンダ「朝御飯に上条がいるなんて珍しいねー」

滝壺「うーん、初めて?」

麦野「そうね。いつもこいつどっかほっつき歩いてるから」

上条「そんな人を犬みたいな言い方しなくても……」

麦野「それよりも早く準備しなさい」

上条「何時の間にかこの家の家政婦になってる……」

絹旗「そんなのアイテムに入った時から超決まってましたよ」

フレンダ「結局、上条は私たち四人の世話係な訳よ!」

上条「へいへい、そうですかい」

滝壺「かみじょう、家政婦の給料は出ないけど頑張って」

麦野「そんなもんこっちが貰いたいくらいよ。世間一般で言うところの美人四人と一緒に暮らせてるんですからね」

上条「わかりましたよっと。ご飯も炊けたみたいだから、自分でご飯と味噌汁は用意してくれよー」



フレンダ「プラスして私はサバ缶ー、サバ缶ー」

上条「……準備は出来たな」

麦野「それじゃ、いただきます」

イタダキマス

滝壺「……うん。味噌汁良い感じ」

麦野「あれー? シャケが美味しいよ? あれー?」

絹旗「……やっぱり玉子焼きは少し甘めが良いですよね。上条、超ナイスです!」

フレンダ「サバ缶美味しいぃぃぃぃぃーーーッ!」

上条「お口に合ってなによりで」

麦野「そういや今日あんたらなにすんの?」

絹旗「私は久しぶりに映画でも観に行こうかと」

滝壺「……ボーッとしたい」

フレンダ「私はどーしよーかなー」

麦野「上条は?」

上条「俺は用事があるからちょっと出ていくよ」

麦野「ふーん、それじゃ滝壺とフレンダは私と一緒にショッピングした後、ファミレスでも行きましょ。絹旗と上条は後から合流してくれれば良いわ」

フレンダ「麦野は何を見る訳ー?」

麦野「もう夏前でしょ? 最近また胸がキツくなったのよ。去年の水着じゃ怪しいのよね」

絹旗「それって嫌味ですか……?」

フレンダ「お、大きくなったなんて自分じゃ結局わからない訳よ! 私が触って揉んで摘まんで確認してあげるって訳よ!!」ハァハァ

麦野「あんた少しは自重しなさいよね。それに絹旗だってまだまだこれからじゃない」

滝壺「私も一緒に買おうかな……」

フレンダ「うはっ! 滝壺も胸が大きくなった訳ー!? なんで私のは大きくなってくれないのかしら……」

麦野「フレンダはそろそろ自己主張してくれないとまずいわよね……」

滝壺「男の人に揉んでもらうと大きくなるかもよ?」

フレンダ「きゃーっ! 上条が変な想像して顔赤くしてるって訳よーッ!!!」

上条「……そういう話は女だけの時にしろよな///」ボソッ

麦野「それは童貞坊やだからさ」

上条「麦野はさっきからそればっかりだな!!」




~ファミレス~



滝壺「むー」

麦野「どうしたの、滝壺?」

滝壺「かみじょうの料理に慣れるとファミレスじゃ満足出来そうにないの」

麦野「まあ、それは否定出来ないわね。シャケ料理も美味しかったなぁ」

フレンダ「じゃあさ、じゃあさ、今日はサバ料理のフルコースに決まりぃぃぃぃーーッ!」

滝壺「……それは嫌かな」

フレンダ「なんでー!? 絶対美味しいって!!」

麦野「そもそもサバ料理がそんなに種類あるわけ? それも食べてても飽きないくらい」

フレンダ「そ、それは上条の腕の見せ所な訳よ!」

滝壺「最近重いものを食べてる気がするから今日は軽めのものが良いな」

麦野「そうね。最近って言えば焼肉にイタリアンか……。じゃあ、今日はヘルシー志向のメニューにしてもらいましょう」

フレンダ「えーっと、サバ料理ってヘルシー……?」

麦野「うーん、却下!」

フレンダ「なんで、なんで、なんでな訳ー!?」

麦野「純粋に食べたくないから」

滝壺「右に同じ」

フレンダ「うぅ……、二人揃って私を虐める……。うぅー」



絹旗「いやー、あれはハズレでしたよ、まったく。……なんでフレンダはファミレスで泣くとかいう超意味わかんないことやってるんですか?」

麦野「まだまだ子供なのよ」

絹旗「あー、超納得です」

フレンダ「おこちゃま絹旗は黙ってろぉいっ!」

絹旗「年下にそんなこと言われてるようじゃ超ダメダメの超フレンダですね」

フレンダ「だーかーらー、私の名前を形容詞みたいに使わないでほしい訳よ! 本当、どういう意味なのよ……」



麦野「一気にうるさくなったわね」

滝壺「それも二人の良いところ」

麦野「あんたは時々電波ちゃんになるのが玉に瑕ね」

滝壺「……東南東から信号がきてる……」

麦野「別にわざとしなくて良いから」



フレンダ「結局、今日の晩御飯はサバ料理で決定な訳よ!」

絹旗「超イヤです! なんでサバ料理なんて晩御飯に食べなきゃいけないんですか! それよりも私はオムライスが良いです!」

フレンダ「オムライスなんてファミレスにあるんだからそれでも食べて大人しくしてなさいよ、おこちゃま絹旗ちゃん! ふふん」

絹旗「うがーっ! 怒りましたよ、超怒りましたよ! フレンダ、超潰す!!」

フレンダ「いやーっ! やめてーっ!」



pipipipipi


麦野「静かにしろ!」



pi


麦野「もしもし」

電話の女「はぁい、麦野ー」

麦野「仕事?」

電話の女「そーよー。今回は、スキルアウトのお掃除ね」

麦野「はいはい、スキルアウトね。それはどこのクソ野郎どもなのさ」

電話の女「それがね、とうとう手を出しますか、ってとこよ」

麦野「……まさか」

電話の女「そーよー。駒場利得の組織」

麦野「ッ!?」

電話の女「仕事の内容は駒場利得、並びにその組織の幹部の浜面仕上、服部半蔵の抹殺」

麦野「お前だってそいつらと上条の関係知ってるだろ!? 上条がアイテムにいるんだからそいつらはアイテムの下にいるようなもんじゃねぇか!」

電話の女「上からの命令よ。……そもそもね、奴らがこっちに全面協力するわけじゃないの。戦力整えてからこっちに牙を向け、万が一にも暗部組織が潰されてみなさい、そうなったら他のスキルアウトの連中もこぞって調子づくでしょうが」

麦野「……」

電話の女「その最大勢力であり、スキルアウト最強と言われている駒場利得は存在するだけでこっちにとっては、百害あって一利無しなわけ」

麦野「……わかった」

電話の女「わかれば良いのよ。顔や場所はメールで確認して頂戴。時間は18:00よ」


pi





絹旗「上条がどうかしたんですか?」

滝壺「……ふむふむ。かみじょうの繋がりのあるスキルアウトがこの人たちなんだね」

麦野「そうよ。絹旗、上条に連絡取りなさい。あいつにもキチンとやらせるから」

フレンダ「えっ? 上条がいない方がすんなりいくような気がするんだけど……」

麦野「あいつはアイテムの正規メンバーよ? あいつが誰と繋がっていようが私らにはなんの関係もないの」

フレンダ「……そうだね」

滝壺「車は17:30分にはここに来るよ」

絹旗「ダメです。上条と繋がりません」

麦野「上条はこの仕事にはまだ気付いていないはず……留守電でもメールでも良いから折り返すように残しておいて。内容は教えなくて良いわ」

フレンダ「ターゲットの三人以外はどうする訳?」

麦野「言われてないわね。……好きなようにってことじゃない? 邪魔するようなら容赦はしなくて良いわ」

滝壺「私はどうしよっか……。車で待機?」

絹旗「そうですね。相手がスキルアウトならわざわざ体晶なんて使わなくても大丈夫ですし」

麦野「そう、……」

滝壺「ん? どうしたの、むぎの?」

麦野(イヤな予感がするわね……)

麦野「滝壺も連れていくわ」

フレンダ「なんで?」

麦野「……なんとなくよ。滝壺は一応レディースガンとスタンガンでも常備しときなさい」





~スキルアウト アジト 18:00~



麦野「フレンダ、一発かましてやんなさい」

フレンダ「りょーかいって訳よ!」



ドガーン




絹旗「さっさとターゲット殺って帰りましょう」

滝壺「かみじょうはどうしたんだろうね」

麦野「上条はオ・シ・オ・キ・か・く・て・い・ね」

フレンダ「あれ? なんか武器持ってぞろぞろ来てる訳よ」

絹旗「銃は持ってないようですが、武器持ってるのは超面倒くさいですね」

麦野(奇襲にも関わらず対応が早すぎる……)

滝壺「むぎの、どうするの? ゴリ押し?」

麦野「……良いわ。こうなりゃ皆殺しよ!!」




ドガーン



スキルアウト1「西の方から攻めてきました」

浜面「演習通りにやるようにみんなに伝えてくれ! 大将が言ってたのはこのことだな……」

駒場「……あの子は服部が車で数人と一緒に避難させろ」

服部「なぜだ!? 俺だって戦う!」

駒場「……たまたま遊びに来ていたあの子を戦いに巻き込みたくない」

浜面「どっか安心できそうなところに置いたらすぐに帰ってこい! 一人でも死ぬ人間を減らすために……」

服部「くっ……! わかったよ。……死ぬんじゃねぇぞ」


バタン


駒場「……俺らも戦場に赴こう」

浜面「あぁ。銃こそ用意できなかったが、色んな武器は調達できたんだ。能力者だろうと暗部だろうと何だってやってやる!」





スキルアウト「ぐっ……!」


バシューン


麦野「ふぅ」


フレンダ「麦野ー、道空いたよー」

絹旗「ターゲットはまだですかね」

滝壺「……銃初めて使う」

麦野(他の三人は聞いてなかったようだが、妙なことを言う奴がいたな……)




『上条さんさえいればLevel5なんて敵じゃないのに』




麦野(上条当麻……)

麦野(今ここにいないこと)

麦野(仲の良いこいつらの準備が良かったこと)

麦野(Level5に匹敵すると思われてる未知数の実力)

麦野(書庫における情報は最重要機密扱い)


麦野「はぁー」

麦野(やはり、只者じゃないわねッ!)




滝壺「むぎの、どうする? このままずっと当てもなく歩き回る?」

麦野「あっ、そうね……スキルアウトが相手なら手分けして動いても良いんだけど……」

フレンダ「なら、そうしようよ。ターゲット見つけたら電話使うのもアリだと思う訳よ」

絹旗「そうですね。殺す命令の出てない奴を殺すのも別に超やりたいわけじゃないですし」

麦野「……なら私とあんたたち三人って別れましょ」

滝壺「……なんで?」

麦野「……別に。ただ今日は暴れようかなって思ったから一人が良いだけよ」

絹旗「じゃあ、そうしましょうか」

フレンダ「ほらほら、二人とも行っくよー!」



麦野(上条が狙うとしたら私だろう……。どの程度か見極めてやるわッ!)





~サイド麦野~



麦野「なんだ、このビニールシートで空を覆った空間は……」

麦野(しかも、何が浮いてやがる……)




駒場「……能力者、何のようだ」

麦野「あら~、ターゲットに当たっちゃったわ」

駒場「……なぜ罪もない無能力者を襲う」

麦野「罪があろうとなかろうと私たちに楯突いた時点で、そいつらは私たちにとっての敵」

麦野「敵であれば殲滅させるのは当然よね」

麦野「そして、私たちが引いてあげる、そう…引いてあ・げ・る条件はターゲットの首を取ることのみよ」

駒場「……俺はまだ死ぬわけにはいかない」

麦野「そうこなくっちゃねぇ! せいぜい楽しませてみろや、クソホモゴリラがッ!!」




~サイド絹旗・フレンダ・滝壺~




フレンダ「結構アジト広い訳よー」

絹旗「そんなことより早くターゲット出て来てくれないですかね」

滝壺「……むぎのがもう全員殺っちゃったかもよ」

フレンダ「結局、その可能性は否定できない訳よ」

絹旗「そうしたら晩御飯のメニューを考えないと」

滝壺「かみじょうはどうしてるのかな?」






「俺がどうしたって?」






滝壺「……かみじょう」

上条「あれ? 麦野は?」

フレンダ「麦野とは別行動って訳よ。今までどこほっつき歩いてたのよ」

上条「まあ、良いじゃねえか」

絹旗「……上条、貴方どうしてここにいるんですか」

上条「そりゃここが今日の仕事場だからだろ?」

絹旗「滝壺さん! フレンダ! 早く上条から離れてください!!」

フレンダ「ど、どうしt」

絹旗「いいから早く!!!」




上条「酷いな、絹旗は。二人も俺とそんなに距離をとっちゃってさ」

絹旗「もう一度聞きますね、どうしてここにいるんですか」

上条「そりゃ、さっきも言った通り……」

絹旗「上条への連絡は私がすることになってます。そしてこの場所も仕事の内容も超教えてません」

滝壺「そう言えば……」

絹旗「どういうことか説明してくれるでしょうね、上条」

上条「……」

フレンダ「なんで答えないのよ、上条!」

絹旗「考えられる可能性は二つ。一つはここの連中と繋がっていたということ。そして、もう一つは……」




絹旗「私たちを消すために不意打ちを狙っていたということ、ですかね」




フレンダ「ッ!?」

滝壺「……」

絹旗「私は二人と違って超前衛の人間ですからね、殺気とかそういうのには結構超鋭いんですよ」

上条「絹旗、お前B級映画の見過ぎだって」

絹旗「いいえ、上条の演出はB級にも及ばない超C級です。……映画の最中で味方を裏切る奴は誰なのか私よく考えたりするんですよ」




絹旗「そしてそういう予想は私、超外したことないんですよね」




上条「そうか、なら話は早い。お前らにはここで死んでもらうッ!」





~サイド一方通行~



一方通行「やっと終わったってェのによォ」




御坂妹「これは未だ嘗て見たことのないマシンガンじゃないですか……ウヘヘ、おっとそっちは最近学園都市で開発されたというボタン一つで半径五メートルに超電導刃が超回転するという超小型兵器ではないですか、とミサカは夢が膨らみます。ぐへへへへ」

打ち止め「楽しいところって言ったから付いてきたのにただ、ただ機会を弄くってるだけじゃん! ってミサカはミサカはヒドく落胆してみたりぃぃぃ」

御坂妹「おおっとこれはこれは……」




一方通行「あンな激しいミリオタだとは思わなかった……」

初春『一応仕事は終わりですね。……そういえば今日、上条さんの仕事が決行される日だと聞きましたよ』

一方通行「三下なら大丈夫だろ」

初春『まあ、そうだと思いますけど……』




御坂妹「……結構な数の人がこちらに向かってきています、とミサカは警告します」

打ち止め「なんか少しヤバイかも、ってミサカはミサカは少し不安になってみたり」

一方通行「ンあ? おィ花頭、どォなってる」

初春『えーと、……ッ!? ちょっとすいません! こっちが手を離せなくなりました! 少し通信切ります!!』


ブチッ


一方通行「あァン?」

御坂妹「来る」

一方通行「オマエら俺の後ろに付け」



一方通行(反射……)



ゴガシャン



一方通行(車ごと突っ込ンできやがった……。これは……猟犬部隊(ハウンドドッグ)ッ!?)

一方通行「つーことは……」




「いよー、一方通行。お人形遊びの次は、お人形さんを大事になんかしちゃって一体全体どうしちゃったんだー?」





一方通行「木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」




木原「さぁ、大人しくそこの人形を渡しやがれ小僧ッ!」



一方通行(やはりコイツらが狙いかッ!)

御坂妹「援護します。幸い武器は十二分にありますので、とミサカはヤル気満々です」

打ち止め「ミサカもやれるよー、ビリビリ! ってミサカはミサカは気合を入れてみる!」

一方通行「やっても良いが俺からゼッテェ離れるンじゃねェぞ」




木原「おいおいおいおい、一方通行よ。育ての親のこと無視してんじゃねぇぞコラッ! さっさと人形渡せってんだよ」

一方通行「オマエにくれてやるもンなんざ塵一つねェンだよクッソ野郎がッ!」

木原「言うじゃねぇか! そんなに大事なもんならしっかりと守りきってみせろや! ……お前らもさっさと行けッ!」




一方通行「上等だァ! 俺の選ンだ生き方見せてやるよォ!!」


木原「カッコイーッ! 一皮剥けやがって、惚れちゃいそーだぜ一方通行!!」


御坂妹「スクラップの時間だぜぇ! とミサカは最新兵器の完全武装によるテンション高めでガガガガガ」




打ち止め「な、なんか急にみんなテンション上がってミサカはミサカは訳がわからなくなってみたり。あわわわわ」





~サイド初春~



初春「これは……」

初春(『グループ』の機密事項やメンバーの詳細に対するハッキング……ッ!?)

初春「それも一つじゃない……」

初春(白モヤシさんにも何かあったみたいですし、今日は上条さんの決行日。そして、土御門さんはイギリス)

初春「何か作為的なものを感じますね」

初春(けど、そうだとしても……)




初春「『守護神(ゴールキーパー)』を舐めないでくださいよッ!」




初春「撃退するにあたって内部から無制限にデータを食い尽くすウイルスでも潜り込ませてやりますよ、ウヒヒヒヒ」

初春「私に楯突いたことの意味を、その身でもって思い知らせてやりますよッ!」




~サイド土御門~



土御門「それで、わざわざ日にちを指定してまで俺を呼び出した理由はなんだ、最大主教(アークビショップ)」

ローラ「そうそう怒ることはなしよ、土御門」

土御門「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』についての報告は既にいっていると思うが?」

ローラ「それは来ているにけるよ」

土御門(まだこのしゃべり方のままかよ、ぷぷぷ)

ローラ「時に土御門よ、私の日本語は正しいのかしら?」

土御門「な、なんでそんなこと聞くのかにゃー?」

ローラ「時々、神裂火織やステイルから馬鹿な喋り方だと言われるにけるのよ、私に日本語を教えたのはそなたであろう!」

土御門「そ、そんなことないにゃー。立派な日本語だにゃー(一昔前のだが……、いやそれすらも怪しいかも)」

ローラ「むー、……まあよしにつきけれど。呼んだのは別の用事よ」

土御門「……」

ローラ「今年は禁書目録を特定の管理者を付けずに泳がせておるのは土御門も知っていると思うのだが?」

土御門「知っている」

土御門(それも今年からな。何を企んでいるのか……)

ローラ「それでこれが今の逃走ルートよ」

土御門「……ッ!? このまま行くと……」

ローラ「そう、学園都市に行き着くわね」




土御門「……それを俺に知らせて何をさせる気だ」

ローラ「まずは禁書目録、そしてそれを追うであろう神裂火織、ステイル・マグヌスを学園都市に入れるよう取り計らってほしいにありけるのよ」

土御門「『必要悪の協会(ネセサリウス)』の魔術師を学園都市に入れろと言うのか!?」

ローラ「そう。そして、『幻想殺し』の少年と接触するようにしてほしいのよ」

土御門「カミやんと!? そんなこと学園都市側が黙っちゃいないぞ!」

ローラ「その学園都市側からの要望だとしたら……?」

土御門「ッ!? まさか……」

ローラ「あの少年の経歴から予想するに、確実に禁書目録を助けようとするでしょ? ……親も、頼れる人も、僅かに幸せであったことの記憶すらもない禁書目録をあの少年は放っておけろうかしらー?」

土御門「それでカミやんを本格的に魔術サイドと絡ませる気か! そしてそれがアレイスター・クロウリーのプラン……」

ローラ「奴が何を考えているかなんて関係なしにつきけるのよ。ただただ『幻想殺し』をイギリス清教が手に入れることが重要になりけるのだから!」

土御門「俺はその橋渡しをしろと、そういうことだな?」

ローラ「それと禁書目録関連でこいつもおそらく学園都市に侵入すると思われとろうかしら」

土御門「ッ!? 狙いは禁書目録と『幻想殺し』を殺しての科学と魔術の戦争か……?」

ローラ「それに可能性としては『虚数学区の鍵』」

土御門「奴は不安定で存在すら危ういはずだが!?」

ローラ「『幻想殺し』によって自我が促され存在が強固なものになると聞きにけるよ?」

土御門「……はぁー、カミやんにまた迷惑かけるのかにゃー」

ローラ「それはしょうがないことにつきけるのだから」

土御門「まあいい。話はこれで終わりか?」

ローラ「そうよ。では土御門、よきにはからえー」

土御門「……簡単に言ってくれるぜい。『御使堕し(エンゼルフォール)』の時といい、俺には少し荷が重いぜよ」


>>1でした
ローラの口調もういやぁぁぁぁっ!
なのでローラはこれからは出るか微妙かも
次回はアイテムの戦闘です
更新は未定で
それでは




~サイド絹旗・フレンダ・滝壺~



「滝壺さん、フレンダ!??まずは私の後ろで迎撃の準備を整えてください!」


絹旗が未だ底の見えない上条の実力を図るため『窒素装甲』による防御で戦場の優位性を画策する
上条は絹旗の後ろへ移動するフレンダへ拳銃を向け、発砲した

カキン

絹旗の窒素を纏った右腕で銃弾は逸らされる


「ほ、本当に殺す気なんだ……、上条……」


フレンダは上条が彼女らを殺そうとしていることをまだ信じられずにいた

それもそうだろう
短い間だったとは言え、共に生活し食事の用意までしてもらい、仕事も一緒にこなした仲だったのだから
今日の夕飯を上条に頼みこんでサバ料理にしてもらおうと考えていた数分前には頭の片隅によぎることすらなかったことなのだ

何か話してくれないことが上条にはあるんだね、それを早く教えてもらいたいな
そう思っていたフレンダにとって上条からの殺意は、感じることは出来ても認めることが出来ずにいた

暗部の闇にのまれようとも純粋な心を持ち続けているフレンダという少女は、殺し殺される世界において『大人』である麦野、絹旗がいなければ今まで生き残ることが出来ないほど『お子ちゃま』であった

それが仕事における失敗に繋がることは多々あっても今生きながらえている理由であり
これから先の強敵との戦闘において、いや今回の戦闘において自らの命を危険に晒すことになるだろうことはまだ気付けずにいる


「上条はもう殺気を超隠そうとすらしてません。本気のようですね」


絹旗はアイテムの対戦闘において前衛や個人行動を頻繁に求められる
それは絹旗自身の能力が多いに関係してくるのだが、それゆえに高い危険察知能力と戦力分析能力を身につけていた
いや、身につけずにはいられなかったと言える
それでも自身の身体を守る鎧もなく平然と前衛で仕事をこなし続ける麦野には断然劣るのだが

だから上条のこの行動に驚きはしたものの状況にいち早く反応することが出来、今までの上条と今の上条を割り切って対応しようとしていた
それでも完全に割り切れたとはいかないようではあるが


「かみじょう……」


滝壺は考える
今までの上条の行動は私たちを油断させるためだけだったのか
本当に分かり合うことは出来ないのだろうか
だが彼女らの家族――フレンダに弾丸を放った時点で甘い認識を改める
麦野がアイテムという居場所に強くこだわるように、滝壺もこの場所を失いたくないのだ
絹旗もフレンダも既にアイテムという居場所がなければこの学園都市を生きてはいけない
アイテムに危険が及ぶならその危険因子はなんとしてでも排除しなければならない
私たちの家族に対する裏切りはそれだけで万死に値する、と滝壺は手に力を込めながら決意する

麦野から渡されたレディースガンを構える
自身の腕では満足に狙ったところへは銃弾を放つことは出来ない
無闇に撃ち絹旗やフレンダに致命傷を与えることだけは避けなければならない

チャンスを伺う

生き残るために
場所を守るために
家族を失わないために




~サイド絹旗・フレンダ・滝壺~



「滝壺さん、フレンダ! まずは私の後ろで迎撃の準備を整えてください!」


絹旗が未だ底の見えない上条の実力を図るため『窒素装甲』による防御で戦場の優位性を画策する
上条は絹旗の後ろへ移動するフレンダへ拳銃を向け、発砲した

カキン

絹旗の窒素を纏った右腕で銃弾は逸らされる


「ほ、本当に殺す気なんだ……、上条……」


フレンダは上条が彼女らを殺そうとしていることをまだ信じられずにいた

それもそうだろう
短い間だったとは言え、共に生活し食事の用意までしてもらい、仕事も一緒にこなした仲だったのだから
今日の夕飯を上条に頼みこんでサバ料理にしてもらおうと考えていた数分前には頭の片隅によぎることすらなかったことなのだ

何か話してくれないことが上条にはあるんだね、それを早く教えてもらいたいな
そう思っていたフレンダにとって上条からの殺意は、感じることは出来ても認めることが出来ずにいた

暗部の闇にのまれようとも純粋な心を持ち続けているフレンダという少女は、殺し殺される世界において『大人』である麦野、絹旗がいなければ今まで生き残ることが出来ないほど『お子ちゃま』であった

それが仕事における失敗に繋がることは多々あっても今生きながらえている理由であり
これから先の強敵との戦闘において、いや今回の戦闘において自らの命を危険に晒すことになるだろうことはまだ気付けずにいる


「上条はもう殺気を超隠そうとすらしてません。本気のようですね」


絹旗はアイテムの対戦闘において前衛や個人行動を頻繁に求められる
それは絹旗自身の能力が多いに関係してくるのだが、それゆえに高い危険察知能力と戦力分析能力を身につけていた
いや、身につけずにはいられなかったと言える
それでも自身の身体を守る鎧もなく平然と前衛で仕事をこなし続ける麦野には断然劣るのだが

だから上条のこの行動に驚きはしたものの状況にいち早く反応することが出来、今までの上条と今の上条を割り切って対応しようとしていた
それでも完全に割り切れたとはいかないようではあるが


「かみじょう……」


滝壺は考える
今までの上条の行動は私たちを油断させるためだけだったのか
本当に分かり合うことは出来ないのだろうか
だが彼女らの家族――フレンダに弾丸を放った時点で甘い認識を改める
麦野がアイテムという居場所に強くこだわるように、滝壺もこの場所を失いたくないのだ
絹旗もフレンダも既にアイテムという居場所がなければこの学園都市を生きてはいけない
アイテムに危険が及ぶならその危険因子はなんとしてでも排除しなければならない
私たちの家族に対する裏切りはそれだけで万死に値する、と滝壺は手に力を込めながら決意する

麦野から渡されたレディースガンを構える
自身の腕では満足に狙ったところへは銃弾を放つことは出来ない
無闇に撃ち絹旗やフレンダに致命傷を与えることだけは避けなければならない

チャンスを伺う

生き残るために
場所を守るために
家族を失わないために


>>779はなしですんません



(拳銃がある以上フレンダ、滝壺は俺の前には無闇矢鱈に出てこれないはずだ。そして唯一拳銃になんの抵抗もなく対抗出来るのは絹旗のみ)


上条は十数メートル離れて固まっている三人の少女に向けて再度弾丸を放つ

しかし、それは絹旗の『窒素装甲』によって捉えられた


(だが、あの窒素の鎧さえなければ恐るに足りない。それはあれが最大の防御であると共に最大の攻撃でもあることに起因している)


上条はアイテムの戦闘のパターンを思い返す
個々の能力を最大限に発揮した集団での戦い方

そして今、麦野がいないとはいえ三人による対上条の迎撃体系を構築している最中であろうことは察しがつく
無論アイテムの要である滝壺が上条に対しては無効であることが、上条に少しの余裕をもたらす

しかもその攻防の要である絹旗の完全無欠の能力が、上条は破ることが出来るのをまだ彼女らは知らない

だが、念には念を置く
フレンダ、滝壺の援護によって絹旗の攻撃が『幻想殺し』で防げない可能性があるからだ


(そうであるならば……)


「場が整う前に叩くッ!」


上条は左手に持つ銃を胸の右内ポケットにしまい、三人の少女の元へ駆け出す

自らの守るべき者のために、彼女らの絆を断つ

彼女らアイテムに対し、本来持つべきではない感情を抱いてしまったのは上条にとっては大きな誤算ではあったが、それを押し込めて任務を遂行するにはなんのも問題なかった

それが非情なことであろうと、血で汚れた上条の手足には少しの迷いもないのである




「フレンダは遊撃用の爆弾を上条に放ち、煙幕を。そして私が対応している間に二人は一先ず身を隠してください。上条の銃と自身の身体の間に障害物がないなんてことにはならないように!」


絹旗の指示が飛び、フレンダが動く
スカートの中に下から手を入れ数体の縫いぐるみと、数本のロケット花火のような物を取り出す


「行っけぇーーっ!」


フレンダの元からロケット花火型の爆弾が上条へと放たれた
そして上条と彼女らのちょうど中間地点に縫いぐるみを投げ込み地面についた途端、煙で視界が霞む
それを合図にフレンダと滝壺はそれぞれが身を隠し、次の迎撃に備える
絹旗は上条が向かってくるであろう直線上に少し大きめの石を窒素によって持ち上げ投げこむ


(上条がフレンダの爆弾でやられることも、あんな石でダメージを負うこともないのは超わかっています。上条の能力はわかりませんが、イヤな予感がしますね。私の能力を知った上で接近戦を持ち掛けるんですから……)


そろそろ煙も晴れて上条の姿が見えようかという時になると、絹旗の予想した位置よりも少し左にずれた煙の中から上条の姿が現れる
迫り来る上条に対して静かに戦闘体制をとる絹旗

上条の方が攻撃範囲の広いことも伴って上条の先制攻撃が始まる

上条が絹旗の小さな身体を数メートルは余裕で吹き飛ばすことの出来る右足のハイキックを彼女の顔面めがけて繰り出す
それを左腕で受け、窒素の鎧で衝撃を無効にする
そして絹旗が右足を踏み込み上条の顎へ右拳を振り上げる

しかし上条は地面に両手をつきバク転をし、両足が地面に再びついたところで勢いそのままに絹旗との距離を詰めた
だが、それを見越して上条の足下を狙った絹旗の右足払いが獲物を狙う
それをいとも簡単に避けられるのは上条の接近戦における経験値によるもの
そして、上条の右ストレートが絹旗に狙いを定めた

(……ッ……当たっちゃいけないッ!)

絹旗の戦闘本能がそれを必死に避けろと警告を鳴らす
左半身をどうにか後ろにずらすことで直撃を避けたは良いが、上条の右手はそのまま絹旗の左手首を掴み上げる

パキーン

乾いた無機質な音が響き、絹旗の『窒素装甲』を破る

「うぐっ……」

絹旗は昨日の念動力でやられ未だ完治していない左手首を強く握り締められ、『窒素装甲』を破られた驚きと痛みに耐える何とも言えない表情をする

上条は右手の力だけで絹旗を持ち上げた



「くっ……離せ……っ!」


絹旗は宙に浮きながらも上条の腹部に蹴りをかます
しかし、能力の使えない絹旗はただの幼い少女
その程度の攻撃では上条は気にもかけなかった
そして絹旗の腹部に左拳が突き刺さる


「ゴフッ…!」


普段、絶対防御によって守られていた華奢な身体に非情な打撃が加わる
いつもの可愛らしい年相応の笑顔をみせる幼い少女は、口から血反吐を吐き痛みで顔が歪む

「ぐっ……ガハッ……、うっ……ガッ……」

何度か上条の左を喰らい、絹旗の意識が朦朧とし始める
上条の顔は無表情
感情を殺すことでこの闇を生きてきた上条は今、数日を共に過ごした彼女の悲痛な表情に何の感慨も起こさない
その時、上条の左斜め後ろから銃声が聞こえた

幸か不幸かその銃弾は上条の足下に埋まった
上条は呻き声をあげ瀕死の状態の絹旗を壁に投げ捨てる
スキルアウトのアジトは廃墟で、壁は脆く、崩れやすくなっていた


ズドーン


壁が絹旗の身体の勢いに負け、崩れ落ち、砂埃が立ち込める
絹旗がどうなったかはまだわからないが、即座に反撃へと打って出ることはまず出来ないだろう

上条が危惧するのはアイテムの統率のとれた完璧な連携である
絹旗一人を重点的に攻め落とすのは造作もないことだが、その時にフレンダの爆弾などで援護されては勝てる勝負も勝てなくなる

絹旗という絶対的防御を失ったフレンダ、滝壺の両名はもはや上条の肉弾戦に対する対抗手段を失ったも同然なのだ

この隙に二人を始末することで安全に事を進めることが出来る
上条はそう考えフレンダ、もしくは滝壺が隠れているであろう廃車の影へと駆け出した




フレンダは思う
上条は私に銃を向け発砲し殺そうとした
上条は私や絹旗、滝壺に殺気を向けている
上条は絹旗を痛めつけ、まだ死んではいないと思うけど、重傷を負わせた
上条は……

今まで本当に私たちには良くしてくれたと思う
男が女にこき使われてプライドなんて気にもしてもらえないのにそれを受け入れてくれた
料理を作り、栄養が偏らないようにもしてくれていたと思う
私や絹旗のわがままもファミレスや家で笑いながら付き合ってくれた
別に好きとか恋愛感情を持っているわけじゃないと思うんだけど、……思うんだけど、結局それでもどこか一緒にいて嫌な気持ちにはならなかった訳よ

これからもそれが続くと思ってた
いつか私たちに心を開いてみんなで本当の家族みたいに振る舞えると思っていた
まあ、私は本当の家族なんて知らないんだけどね
けど……
それは私の傲慢な考えだったのかな
それは私の身勝手な考えだったのかな
それは私だけが考えていたことだったのかな

なんとか……
なんとか上条を拘束出来れば……
上条の闇に光を照らすことが出来れば……
そんなこと暗部の私が出来るかわかんないんだけど、それでも……


アイテムの四人でなら出来るはず


甘いって思う
上条は殺す気で私たちに襲いかかって来ているのに私は甘いって思う
絹旗をあんな状態にされて、それでもまだ上条を信じたい自分がいることに嫌気が差すほど、本当に甘いって思う
けど、それでも、私は結局、自分がしたいこと、自分が欲しいものは、諦めきれない訳よ!!



滝壺の元へと向かう上条にどうにかして足止めと動きを封じる手立てを考えないと……

絹旗はきっと大丈夫
上条に能力が効かなかったのはまだ原因がわからないけど、きっと大丈夫
今まで私のミスを取り返してくれていた絹旗だから
今回は私が頑張らなきゃいけないんだ

けど、滝壺じゃ上条と一対一で殺されない保証はない
やらなきゃ、私がやらなきゃいけないんだ

私たちが生き残るため
私がしたいことをするため
上条が生き残るため
上条が……また私たちと一緒に暮らせるようにするために!!




(来る……ッ!)


滝壺はレディースガンをこちらに駆けて来る上条へ向けて放つ


パァン パァン パァン


初弾は上条から大きく外れ擦りもしない
二弾は上条の右頬を擦り、一筋の細い赤い道を作った
三弾は上条の遥後方の壁に当たった音がした

ここで銃弾が切れた
ほぼ初めてと言っていいほど銃の扱いに慣れていなかった滝壺
それゆえ残りの弾丸の数など考えられることもなく、弾が尽きてしまった


(くっ……、少しやばいかも……)


銃弾のダメージなどほとんどなかった上条は滝壺が隠れている廃車へ飛び蹴りをかました
廃車はエンジンや多くの部品が抜かれて軽くなっていたためか簡単に横転し滝壺の上へと勢いよくのしかかる


ズドーン


急に廃車が爆発した
爆弾は廃墟の中で廃車の反対側の壁側に位置するソファーの上にいるフレンダから放たれたものだった
滝壺はというと爆風によって後転を繰り返すように転がっていた


(滝壺は弾がもう残ってないと見た……ならば、フレンダの爆弾が今一番の厄介物だ。先に狙うべきは……)


上条はすぐさまフレンダの方へ向き直し、左手で銃を取り出し構える


チャキ


「フレンダ、悪いな」

「ふ、ふれんだ……」

「滝壺!??伏せて!!!」


フレンダが叫ぶ
滝壺は転がっていた身体を止め、フレンダの方へ向く上条を一瞥した後、フレンダの声に従い両手で頭を抱え地面に伏せた


瞬間、上条の近くに何時の間にか置かれていた数体の縫いぐるみが爆発した


けたたましい連続した数発の爆発音と共に煙が立ち込める
滝壺はなんとか爆発からの被害を被らずに済んだようであり、急いでフレンダの方へ駆け出した




「はぁ、はぁ、はぁ……」

「大丈夫だった?」

「うん。あれは……」

「リモコン式の爆弾と他の爆弾に誘発されて爆発する爆弾ね。威力は弱い分、連続して使うことで効果はあるはずだよ」

「何時の間に……」

「あの廃車に向かって爆弾を飛ばしたのと同時に上条の周りに拡散しといた訳よ。私だってやるときはやるんだから!」

「……そうだね。ありがと、ふれんだ」




「くっ……やっぱ一番の敵はフレンダみてぇだな」


煙が晴れ始め、爆煙の中から上条が姿を現す
上条は破れた上着を脱ぎ捨てタンクトップ姿になる
ダメージ自体はそれ程ないようでけろっとしていた


「そ、そんな……ほとんど無傷だなんて……」


フレンダが驚愕の表情を浮かべる
この爆撃で上条の機動力を多少削ぐ算段だったのだが、その目論見はおろかただ上条の目くらましに成功したくらいにしか効果がなかったことに顔が引きつる


その横では滝壺が意を決したような表情をしていた


「フレンダの爆弾は結構来るんだけどね、このくらいのダメージは俺にとっちゃ有って無いようなものだから」

「くっ……ど、どうすれば……」




「ふれんだ…」

「滝壺……?」

「少し時間を稼いで。私が体晶を使って上条の自分だけの現実を乱すから」

「えっ……? 上条からはAIM拡散力場が出てないんじゃ……?」

「本来出てないはずはないんだよ。だからきっとかみじょうにもあるはず。だからお願い……少しだけ時間を」

「……わかった。死なない程度にはやってやるってわけよ!」

「お願い。私は私の能力(ちから)で居場所を守り通してみせるからッ!」


滝壺はポケットから体晶を取り出し身体に取り入れるように舐める
すると目が見開かれ、すべてを見抜くような鋭い眼差しを上条へ向けた


(くっ……、こんなガスの充満したとこじゃ銃なんか気安くぶっ放せねぇな……)

フレンダの連続した爆弾攻撃により、ガスのようなものが充満し、上条の周りに立ち込めていた
それを知ってか知らずか、フレンダは時間稼ぎと称し、上条へと爆弾を積んだロケットのようなものを次々に発射させる

「効かないんだったら、少しくらい本気で行くわけよぉおおおおーーっ!!」

上条は足を止めず縦横無尽に動き回り、徐々にフレンダ、滝壺の元へ詰めていく
一直線に駆け抜けた方が早いのだが至る所にフレンダのリモコン型爆弾が設置されていて思うように近づけずにいたいた


(なんで……なんで……私には何も出来ないの……?)

フレンダの決死の迎撃も底を尽きつつある時、滝壺は困惑していた
今までに出会ったことのない能力者
いや、能力者と言って良いのかさえもわからない上条に抵抗する手段が何も思いつかないことに苦悶の表情を浮かべ、焦りを感じていた


「はぁ、はぁ、はぁ……。滝、壺……まだなわけ…?」

フレンダも動き回りながら様々な角度から上条への攻撃をしていたのだが、ストックの底が見え始めたことに苛つきを見せる
さらに極度の緊張から来る体力の消耗がフレンダの精神を蝕み追い込ませていた

「だめ……。かみじょうには私の能力が効かない……」

「なっ……!?」

フレンダの一筋の希望
爆弾も効かず肉弾戦では勝ちきれない非常識な上条に対する今打てる最後の手段
滝壺の『能力追跡』が効かなかった
これが意味するのは即ち自分たちの負け
そして、死

フレンダは滝壺の言葉に一瞬絶望を覚え、迎撃をやめてしまう
上条はそれを見逃さない
一瞬で距離を詰め、フレンダへ蹴りを喰らわす

「ぐはっ…!」

ズザザザッと音を立てフレンダは地面を転がりながら、腹部をおさえ悶絶していた


上条はすぐさま滝壺の方へ向く

「体晶使ったってお前の能力は俺には効かないんだよ。残念だったな」

「かみじょう……、まだ諦めないッ!」

滝壺は上条に向かって肉弾戦を仕掛ける
格闘訓練を受けた者と違い、攻撃一つ一つのモーションが大きく上条には擦りもしない
慣れないことをしたせいか足元が散漫になり石に躓く
上条は懐に入り込み滝壺の頭を右手で掴み握力を少しずつ加えようとした


パキーン


「あっ……あ……」

上条の『幻想殺し』が何かに反応し、滝壺の脳が衝撃を受けたように著しく滝壺の判断力の低下が見てとれた

「……なるほど、体晶で活性化した能力を一気に消すから、それに対応しきれず脳が麻痺するのか」

上条はそのまま滝壺の身体を持ち上げる
目が虚ろになり、口から涎が流れ出ている滝壺は、薄れゆく意識の中右手で何かを上条に押し当てる


バチィィィ


「かっ……!」

それは滝壺が常備している通常よりも強い電流の流れるスタンガンであった
その非合法な電流によって上条の動きが鈍る




上条は『アイテム』の三人と対峙して初めて苦い表情をした
それを見た滝壺は少しばかり表情を緩める


「くっそ……がっ……」


痺れる身体を無理矢理動かそうとしたその時
上条に向かって何かがすごい勢いで迫っていった


「滝壺さンから離れろォォォォォォォォォォォォォォォォォッッ!!!」


何処かいつもと違う雰囲気を纏う絹旗が上条に迫り、渾身の右ストレートを上条の左頬へねじ込んだ


スドーン


上条の右手は既に力の入っておらず、絹旗の攻撃をノーガードで喰らい、滝壺を離して壁へと身体ごと突っ込んだ
壁は崩れ落ち、上条は瓦礫に埋もれている


「フレンダァ! 一時撤退ですッ! 早くッ!!」


絹旗は崩れた瓦礫に動きがないことを確認した後、滝壺を肩で担ぎ上げ、未だ床に転がっていたフレンダを叱咤する


「今戦い続けても勝てませン! 麦野と協力しないといけないンですッ!」

「うぅ……、絹旗……滝壺……」


フレンダはなんとか立ち上がり走り出した絹旗の後を追ってその場を後にした




~サイド麦野~




超能力者、麦野沈利の周りには青白い光が浮かび、その光の球体から光線が発射されていた


麦野「ほらほらほらほらっ! い~つまで逃げ回ってる気だ、この粗チン野郎がぁ!」


その光線を『発条包帯(ハードテーピング)』を使用している駒場利徳は超人的な動きでかわしていく
しかし目標を失った麦野沈利の『原子崩し(メルトダウナー)』は、駒場がこの戦場に仕掛けた網を断ち切っていった


駒場「……少しは加減して欲しいものだな。能力者」


麦野「そんだけ動けるとはたいしたもんじゃない。でもね、それだけじゃ勝てないんだよっ!」


麦野は駒場の動きを先読みして原子崩しを放つ
それを駒場はなんとかかわすことでダメージを受けずにいたが、それと同時に攻撃へと転じられずにいた


駒場が今まで麦野の放つ光線を避けていたとは言え、それはギリギリの状態である
『発条包帯』により駒場の身体は動けば動くほどに痛めつけられ、その肉体を徐々に蝕んでいた



駒場(……風? 能力者の攻撃で風が入ってきたのか)

駒場「……撹乱の羽(チャフシード)が無効化される……」

駒場(……電波が回復して仲間を呼ばれるのは避けなければ……)


駒場にとって、偶然にも麦野ただ一人をこの場へと誘導出来たのは嬉しい誤算だったが、この場で何人もの格上の能力者と戦うには状態は整ってはいなかった
最悪のケースを避けるために駒場は迫り来る原子崩しの中、最短の攻略を目指し始める


一方、今の今まで自身の原子崩しが避けられ続けているこの状況が、自らに好転しないことを麦野は苛立っていた

チッ、と麦野は舌打ちをする


麦野「埒があかねえ。……こうなりゃ『目標』は変更だな」


駒場「ッ!?」


麦野はそう言うとニヤリと顔を妖しく歪めた
駒場には、その顔が悪魔が微笑んだように見えていた




駒場は麦野に向かって駆け出した
麦野の台詞に駒場の戦う理由、そして駒場の勝機を潰す意図を察したからだ

麦野は向かって来る駒場に原子崩しを放ち、自身も走り出す


駒場「くっ……」


駒場は麦野との距離が近づいたことによって原子崩しの光線に対する対応が遅れる
避けはしたものの体勢は崩れてしまっていた




――そのチャンスを麦野は逃さない




体勢が崩れ右手と右膝を地面についてしまった駒場の鳩尾に麦野の渾身の蹴りが炸裂する


駒場「うぐぁ……っ」


スザザザザっと地面との摩擦の音をたて駒場は数メートル蹴り飛ばされた
通常のアスリートよりも身体が鍛えられている駒場
その駒場を、長時間身体を酷使し続け思い通りの動きが出来なかったとは言え、おそらく普通の人では蹴り飛ばすことは出来ないだろう

しかし、麦野沈利は出来る

これは一方通行や御坂美琴と違い、長い間暗部の闇の中を生き残ってきた強者の力なのだ
それは学園都市第二位の垣根帝督にも通づるものがある
能力のみならず自らの身体を鍛えてきた
能力に頼らずとも生き抜く力が必要とされていたからだ


麦野「じゃあ~ねぇ~ん」


能力は最強クラスで身体能力も常人を超える、学園都市の暗部を生きる超能力者


――麦野沈利


彼女は未だうずくまっている駒場に向け麦野は原子崩しを放った




駒場「ッ!」


駒場は原子崩しが直撃する寸前、自身の身体を無理矢理動かしそれの直撃を避けた

そう、あくまで直撃は避けただけだった


麦野「あぁん? 五体満足でさえ私の方に分があったのに左腕を失っちゃ、急には身体を上手く動かすことも出来なくて簡単に殺せちゃうわね~」


原子崩しによって跡形も無く駒場の左肩から先はなくなっていた


駒場「……っ…まだやれる」


麦野「あらそう。それはそこらへんで殺気を出している早漏くんがいるからかにゃ~ん?」


そう言って麦野は原子崩しを十数メートル離れた瓦礫へと放つ


?「うっ……あ……がっ……」

駒場「ッ!」


麦野「へぇー、まだその死んじゃった早漏くん以外にももう一人早漏くんいるんだぁ~」


麦野は今度は先ほど原子崩しを放った方向とは逆の方向へと再度原子崩しを放った


駒場「ッ!!」





ガラガラドガーン



古びた建物が音をたて崩れ、砂埃が舞う


麦野「あんたのせいで私の原子崩しが少しズレたようだったけど、あの瓦礫の下じゃもう一人の早漏くんも死んだでしょ。…もう終わりね」


駒場「うぐっ…、お…終わりじゃ……ない」


麦野「そう」


麦野「……左腕の次は右腕もなくなっちゃったのにまだやる気なんだ」


駒場「……っ…俺は何の罪のない無能力者が虐げられる、この今を変える。そのために…戦うッ!」


麦野「…駒場利徳。あんたにも譲れないものがあるようにね、私にも譲れないものがあるのよ」


駒場「……俺は……っ…お、れは……ッ!」



pipipipipi


麦野「フレンダ……?」


pi


麦野「ターゲットはもう殺し終えたのかにゃーん?」

フレンダ「! やっと繋がった!」

麦野「はぁ?」

フレンダ「麦野! 緊急事態発生!! 上条にやられて滝壺も絹旗も瀕死なわけよッ!!」

麦野「上条だとォ!?」

フレンダ「お願い麦野! 早く来てッ!」

麦野「今どこにいるッ!」

フレンダ「あー、絹旗、ここどこなわけ!? うん…うん、わかったよ麦野! 確認した地図のちょうど真ん中あたりみたい!」

麦野「そこで待っとけよ、上条の野郎をブッ殺してやるからなぁ!!」

pi




駒場「……上条、か」

麦野「上条はお前らの方に付いたみたいだな」

駒場「……いや、違うな。……上条、は…自分の守る者のためにた、たかう」

麦野「……」

駒場「……俺が死ねば、上条は、…無能力者た、ちをす…くってくれるだ、ろう」

駒場「……俺が、守りた…かった者たち、を上条は、守ってく…れる」

麦野「その前に私が殺しちゃうんだけどねェッ!」

駒場「……ふん、能力者…よ、手土産だ」




駒場「この無様な光景を胸に刻んでおけ」




麦野「…じゃあな、駒場利徳」


駒場利徳に向けられた最後の原子崩しは駒場の頭から胸までを跡形も無く、この世から消し去った



麦野「……チッ」



麦野は彼女自身の守りたい『アイテム』という『家族』の、たった一つしか残っていない『居場所』のために走り出す

>>1でした
また少しずつ書いていきたいと思います
今日は少なくてすみません
明日か明後日の夜に更新します
今年もよろしくお願いします
では

乙!!待ってました(^^♪
今年もよろしくです(*´艸`*)ァハ♪





~サイド絹旗・フレンダ・滝壺~



フレンダ「やっと麦野に繋がったって訳よ…」


絹旗「っ…じゃあ、ターゲットを重点的に動いて、ください」

pi


フレンダ「今のは下部組織? 東側から武装して仕掛けた連中の方だよね?」

絹旗「向こうは、ほとんど壊滅的だそうです。なんでも、奇襲を受けて銃を奪われたせいで状況が一変したみたいなんで……うっ……」

フレンダ「あわわわわ、絹旗は少し休まないと! まだ手首も治ってないし、上条の攻撃で受けたお腹の方が……」

絹旗「このくらい超どうってことないです。…それよりも滝壺さんです、問題は」

フレンダ「滝壺……」

滝壺「」

絹旗「意識が戻りません……」

フレンダ「なんか上条が、『体晶で活性化した能力を一気に消すから、それに対応しきれず脳が麻痺する』って言ってた訳よ。これって結局、滝壺は脳が強制的にシャットダウンされちゃってるってこと?」

絹旗「おそらく、そうなんでしょう。ただ上条が本当にフレンダの言った通りに言っていたのなら、上条の能力がわかりましたね」

フレンダ「ッ!!」

絹旗「上条の能力は……」




「「能力を消す能力」」






絹旗「ここで重要なのが、どのように相手の能力を消しているのか、です。後は範囲もそうでしょうか…」

フレンダ「私の能力は上条と同じ空間にいても消されてないから、空間的に消す訳じゃなさそうね…」

絹旗「……私が思うに考えられる可能性は二つあります」

絹旗「一つ目は『演算をした後、意図的にその相手の身体に触れることで能力が消せる』。二つ目は『ただ単に触れるだけで能力を消せる』、ですね」

絹旗「後者だった場合、勝ち目が極端に超少なくなってしまいますね…」

フレンダ「ん? それってほとんど一緒じゃないの?」

絹旗「超全然全く違います。フレンダはやる気あるんですか???アホなんですか???死にたいんですか?」

フレンダ「そ、そんなに言わなくても……」

絹旗「前者の場合で上条に勝つ手段は上条の演算を邪魔して能力で倒すか、複数の能力を一度にぶつけて演算を追いつけなくして倒すか、能力以外の攻撃で倒すか、の三つがあります」

フレンダ「ふむふむ」

絹旗「しかし、後者の場合には能力以外の攻撃で倒すしか勝つ手段がありません」

フレンダ「えっ……!?」

絹旗「そうなった場合、麦野の殺人的な超格闘術か、フレンダの重火器での勝利しか見込めません」

フレンダ「だ、だとしたら……、私の攻撃は……」

絹旗「そうです。今までのフレンダの攻撃はほとんど効いてませんでした。後は試していない、隙がデカくスケールもデカイモノか、綿密に練って作る強力な爆弾くらいですか…」

絹旗「それに麦野の接近戦でも勝てるかどうかは怪しいものがありますね」

フレンダ「じゃ、じゃあじゃあ! 今、二人だけで上条と遭遇したら、ヤバイ……ッ!?」

絹旗「……そうです、ね。私かフレンダが銃を持っていればまた少し変わったんでしょうけど…」

フレンダ「うぅ…、銃は嫌いだから結局『ストック』の中には入ってない訳よ……ッ! 滝壺の銃は!? 確か麦野に持たされてたよね!?」

絹旗「超弾切れです」

フレンダ「うわぁーっ、麦野ーっ! 早く来てほしい訳よぉーーっ!!」





絹旗「フレンダ大声出し過ぎです! 超バカなんですね! 超信じられません! 超脳足りんです!」





「本当だよ……追われてる身なんだからよ、声潜めて身を寄せ合いブルブル震えて、追う者に恐れ慄いていなきゃいけないでしょうが」




「「ッ!?」」

フレンダ「か、上条……」

絹旗「来ましたね、超裏切り者めッ!」

上条「絹旗さんよぉ、さっきの一発は結構聞いたぜ?」


上条はジリジリと絹旗とフレンダ、その後ろで口を開けたまま横たわっている滝壺に迫っていく
その距離はまだ二十数メートル


絹旗「ハッ、何を言ってるんですかね。左頬が超少し赤くなってるだけじゃないですか」

上条「年下の女の子とは言え暗部なんだな……。Level5以外で能力者相手にダメージを喰らうのなんか久しぶりだよ」


徐々に距離を詰めてくる上条に絹旗、フレンダは身構える
今の上条の言葉が嘘だと、彼女たちは思えなかった
事実、麦野という最強の矛と滝壺の『能力追跡』がなかったとは言え、絹旗とフレンダの攻撃を無効化しねじ伏せて来たのだから


上条「行くぞッ」


上条が足に力を入れ、彼女たちとの距離を一気に詰める





フレンダは四方に張り巡らされている導火線の一本に火をつける
それは火花を散らしながら迫り来る上条の元へ伸びていく
そして爆弾を内蔵した人形に火花は終結しそれを爆発させる


ドガーン


フレンダはさらに次々と導火線に火をつけていく


絹旗「フレンダは第一撃を終えたら私の援護をしてください」

フレンダ「わかった!」


絹旗とフレンダが緊急の打ち合わせをしている時も、上条の周辺では人形型爆弾が爆発し砂埃が舞う




砂煙の中から人影が現れた
上条の身体には所々傷が付いてはいるものの、どれも決定打にはなっていないのが明らかで、その足は止まっていない


絹旗が上条に向け攻撃を開始する
『窒素装甲』を纏い接近戦を仕掛ける


絹旗(私の予想通りなら上条の能力には右手にさえ超気をつければ……。それをこれで確かめます!)


上条「うおらッ!」


上条は向かって来た絹旗に右拳を突き出す


絹旗(やっぱりそうです! 窒素装甲があるのわかってて右手で仕掛けてきた……)


絹旗は上条の右手による攻撃を避ける


絹旗(上条の能力は……しまったッ!)




上条「さっきと同じ手に引っかかるなんてな」


絹旗が避けた右拳は彼女の左肩を掴んだ


パキーン


上条「ッ!?」


それと同時にミサイル型の爆弾が上条に直撃し、上条の近くが激しい光に包まれた


ドガーン





上条「くっ…」

上条(モロに喰らった……ッ!)



上条に不意のダメージを与えたのはフレンダによる絹旗の援護
それはフレンダの絹旗の窒素装甲を信頼してのものだった
それゆえ『普通の敵』との戦闘ではこの援護で絹旗がダメージを負うはずはない
しかし、今回の敵は今までの敵とは違い『イレギュラーの敵』であった
それは絹旗、フレンダの連携に不和を生じさせる


上条に爆弾が着弾する前に上条の『幻想殺し』が発動していた



絹旗「ぅっ……がっ…ぁ……」



フレンダ「えっ……?」

フレンダ「きぬ、は…た……?」


上条「あーあ、今まで能力のみで生き抜いてきた絹旗には耐えられなかったみたいだな。それが直撃ではないにしろ、な」


フレンダ「う、そ………だって、絹旗には、窒素装甲があれ、ば今まで…だって……」


上条「気付いてるんだろ? 俺の能力。それでこいつは窒素装甲なんて身に纏わぬ丸腰の状態だったんだよ」


上条は絹旗から右手を放した
絹旗の身体は支えをなくし地面に倒れこむ


上条「今回のはノーガードだったからかなり効いた……。本当、ここ数年の鍛えがなくちゃ死んでいたかもしれないな……」


上条の肉体は一見すると筋肉が無いように見えるのだが、実際は違う
格闘や殺し合いをすることに重きを置いた筋トレにより自らの攻撃と防御の衝撃に何事もなく耐えられる身体を作り上げていた
それは簡単に作れるものではないのだが、上条の天性の才能と上条特有の『何か』により可能となっていた
それに加え短期的だった垣根との死と隣り合わせだった特訓
これにより必要なところのみが集中的に鍛えられ、入院し超回復でさらなる筋肉の向上を促した
ほぼ完成されたそれにより170センチに満たない身長は止まりかけてはいるものの、上条の身体は脱げば美しさを感じるほど魅力的であった


フレンダ「ぁ……ぇ……」


フレンダは両手両膝を地面につき項垂れていた
絹旗に決定的なダメージを与えてしまった
それだけが今のフレンダの頭の中を占める
上条によって殺される恐怖など考えらることが出来ないでいた
彼女の目にはもはや光はなかった


上条「フレンダ、お前から死んでもらう。……悪いな」


上条は右内ポケットから銃を左手で取り出しフレンダに銃口を向け、引き金に人差し指をかける



その時、どこからか光が飛んで来ていた

バシュゥウン




上条は先半分が存在しなくなった銃を捨て、チッと舌打ちをする


上条はフレンダを銃で殺そうとした場所から数メートル以上も離れた所に立っていた



「……かーみじょう」



フレンダの肩がビクッと跳ね、彼女は顔をゆっくりと上げ、その目に再び光が灯る


フレンダ「麦野……」




麦野「随分と好き勝手やってくれちゃってるみたいじゃないの……。かーみじょう、私さぁ前に言ったわよねぇ……」


「『私たち四人を引き離そうとするなら誰だろうと容赦はしない!』」


麦野「てさ……、それなのに…ナぁニぃしてくれんだこの短小包茎野郎がァァァァァァァァァァァァッ!」






上条「二人はもう戦えないしいいか……」

上条は麦野とフレンダに聞こえない程度の声で呟き、大きく息を吸いこんだ
そして、麦野に向かって厭らしく顔を歪め微笑み、上条は言葉を発する


上条「いいぜ、改めましての自己紹介だ」








「暗部組織『グループ』の正規メンバー…上条当麻」




「暗部組織『アイテム』の壊滅……こっちの都合で遠慮なくやらせてもらうぜ」








フレンダ「暗部組織『グループ』……」

麦野「『アイテム』を壊滅させる、だとォ!?」


上条「麦野が『アイテム』を守りたいように、俺にもやり抜いて守らなきゃいけないものがある……」




上条「排除し合おうじゃないか、自分を否定させないために」


上条「戦い合おうじゃないか、自分の信念を曲げさせないために」


上条「奪い合おうじゃないか、一本しか残されていない道を通るために」


上条「殺し合おうじゃないか、自分が守りたいものを守り抜くために」





上条「確かめ合おうじゃないか、どちらの思いが強いのか知るために」





麦野「私の『家族』を、私の『居場所』を、土足で踏み荒らされたままじゃ収まりがつかねぇよなぁ!!」



麦野「フレンダァ! 絹旗も滝壺もまだ生きてんだろ!? さっさと回収しろ! コイツぶっ殺したらまた一緒に笑い合うんだからよぉ!!」


フレンダ「麦野……、うん! まかせてっ!!」

フレンダ「上条はたぶん、『能力を消せる能力』を持ってる…。絹旗の窒素装甲もそれで破られちゃって……」


麦野「ははぁん、そういうカラクリね。どんな条件でその能力は発現するんだ」

フレンダ「それはまだ……」

麦野「……わかった。さっさと行きな」

フレンダ「うん……、麦野、あのね…」



フレンダ「……結局、麦野もいて笑い合えなきゃ意味ない訳よ! そこわかっててほしいから!!」


フレンダはそう言って絹旗が倒れている所へと走り出した





麦野「……ふふっ」



麦野「さぁ、パリィパリィパリィってか! 行くぞオラァァァァァァァァァ!!」


麦野の周囲に青白い光の球体が現れそこから光線が上条に向け発射される


それを上条は避けながら麦野へと進んでいく



麦野(流石に駒場よりは速くはないわね…、それなら…)



麦野は原子崩しを短い時間で発射し、原子崩しの時間当たりの数を増やす
それは、原子崩しを避けながら動く上条の行動範囲を着々と減らしていった


そして――


麦野「ここだぁッ!」


麦野の放った原子崩しは上条が絶対に避けられない所へと発射された




パキィイン




しかし、それは無情にも上条の右手に阻まれる


麦野(これが上条の能力…)



チッと麦野は上条を睨みながら舌打ちをした
フレンダから聞いていたとは言え、目の当たりにして初めて実感する




――これはヤバイ




Level5の能力ですら消せるならば、学園都市の能力者の能力は全て消せることになるだろう
そして、能力が効かないとわかって肉弾戦を仕掛けようにも上条の身体能力は光るものがあり、いくら麦野と言えども有利だとは断言出来なかった



麦野(しかも上条の能力の範囲がわからねえ。おそらく空間的に作用するものではないことはわかる。私の原子崩しは上条の右手に当たってから消えた……)


上条が麦野に迫ってくる
それを麦野は原子崩しを撃ちながら決して一定距離以上には詰めさせない


麦野(さっきから消すときは右手だけか……? これも全ての手の内を見せないためのカモフラージュ……? チッ、わからねえ……。こうなったら……)


麦野は上条との距離を十数メートル開け、何かを服の中より取り出した





麦野「これは『拡散支援半導体(シリコンバーン)』。私の能力の弱点を克服するためのものよ」

上条「そうかい、まあお前の原子崩しは避けれるし消せるから何の脅威にもならなかったしな」

麦野「言いたいこと言ってくれるじゃないッ! 後悔させてやるよ、童貞がぁ!!」



麦野は『拡散支援半導体』を右手で上に投げた
そして、それに原子崩しの光線を発射する




上条「はぁーっ、何で俺が敵対する相手はこういう広範囲攻撃ばかりを仕掛けてくるんだよッ!?」




麦野が投げたそれに当たった原子崩しは、その光線が無数に広がり上条の辺り一帯へと降り注いだ




____
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「……た……はた………きぬはた………絹旗ッ!」


絹旗「フレ、ンダ……」


フレンダ「よかっだぁーっ、ごめんねっ! 本当に……うぅ……」


フレンダ「うぅ…、それとなんか私の名前でその区切り方は嫌なんだけどな……、そんなことより大丈夫な訳!?」


絹旗「っ……、上条、は…?」


フレンダ「え…と、今、麦野が相手してくれてる」


絹旗「麦野に、伝えること、があるから、超早く連れて行ってくだ、さい」


フレンダ「今の、絹旗じゃ麦野の側に行くと邪魔になるんじゃ……」


絹旗「じゃあ、フレンダ。伝言を頼ま、れてください」


フレンダ「でも…絹旗も滝壺も心配だから……」


絹旗「私は大丈、夫ですから。滝壺さんは私が守れます。……麦野が勝たなきゃ超いけない、んです」


フレンダ「……わかった! まかせてっ!」


絹旗「ふふっ、フレンダが、頼りに見えるなんて、私も超終わりですね…」


フレンダ「うぅー、余計なことは言わなくて良い訳よ!」


絹旗「そうですね。じゃあ、麦野に伝えて、もらうことを…」


フレンダ「うん!」


絹旗「それはですね…」




「――上条の能力の秘密と、勝つ方法、です」




フレンダ「えっ!?」


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~サイド??~



??「うっ……俺は……ッ!」


??「リーダーはッ!? ……アイツに左腕をやられて、その後……待機していた奴にビームみたいなやつを放って……ッ!!」


??「あの後、俺にも撃たなかったか……?」


男は自身の上に乗っている瓦礫を押しのけ立ち上がる
そして、上半身がなくなってしまった『人だったもの』を発見する


??「うっ……うっぷ……おぇっ…」


男は『それ』から漂ってくる激しい血の匂いと死臭に胸の奥から何かがせり上がってくるような違和感がして、むせる


??「もしかして……リーダー……?」


男は気がついた
気がついてしまった

なぜ自分が生きているのか
なぜこの『何か』にどうしようもない悲しみを感じるのか
なぜこんなにもやるせない怒りと後悔が自分の内側から溢れ出てくるのか


男は気がついて、自分を憎んだ


今回、リーダー――駒場利徳が考えた作戦はこうだった


『発条包帯』を唯一自在に扱える駒場が囮かつ主戦力として暗部の能力者と戦う
その時に『撹乱の羽』で電波を乱し仲間を呼べない状況を作る
駒場自身で倒せる相手ならば単独での殲滅を主とするが、倒せない場合は隠れた二人がたまたま二台手に入った大型拳銃『演算銃器(スマートウェポン)』でトドメをさすというものだった
そのタイミングは全て駒場の判断による
計画当初、計画自体は完璧だと思われた
『発条包帯』が通じなかったのはLevel5の序列第三位、超電磁砲の御坂美琴の神速の電撃のみだったのだから
唯一の心配事と言えば、どれだけ多数の暗部の人間が一度にこの場へ集まってくるかだけだった

しかし、結果は惨敗
相手はただ一人
にも関わらず、駒場は『演算銃器』を使うタイミングすら与えてもらえず、少しの殺気で居場所が特定され最終的には二台の『演算銃器』は瓦礫の下になってぐしゃり





この男は自分を憎んだ

いくらでも駒場を助ける手立てはあった
例えば駒場が無理矢理の攻撃を仕掛け、左腕を失った時に『演算銃器』をぶっ放す
例えば状況が悪化したと察知した時には、撤退する手筈を整える
色んなことが出来たはずだった




しかし、自分は見ていただけだった




相手の巨大さに手も足も震え、思考が停止した
自分では到底足元にも及ばない駒場がただ防御に徹するのみだった状況に恐怖した




情けない




憎い

俺たちを、スキルアウトだからだって理由だけで殺すなんて

俺たちを、簡単に殺せる能力者が無能力者のことなんて全く考えてくれてなくて

俺が、尊敬していた人の傷つき、命を削られていく姿を見ていただけだなんて


そんな学園都市が、能力者が、俺が、


憎い






男は静かに涙を流していた

男はしゃがみ込み、『人だったもの』のズボンのポケットから遺品である携帯を取り出し自らの懐にしまう

そして立ち上がり、しっかりとした足取りでどこかへ向かった

その顔はまさしく般若のそれだった







~サイド初春~



初春(……おかしい)


初春(確かに『グループ』の個人情報を筆頭に嫌な所をサイバー攻撃はしてくるものの、撃退しても同じ方法で再度侵入を試みてくるなんて……)


初春(グループの面々がそれぞれ孤立して仕事をしているこの時を狙った、情報の獲得が目的ではないのでしょうか……?)


初春(……)


初春(……?)


初春(『グループの面々がそれぞれ孤立して仕事をしている』?)


初春(ってことはそれぞれが対応している案件に今は付きっきりってことですか!?)


初春(イギリスに行っている土御門さん……)


初春(敵襲が確認された一方通行さん……)


初春(アイテムの壊滅に駆り出されている上条さん……)


初春(そして……)






初春「サイバー攻撃を受けている、私も……?」






初春(ということはこのサイバー攻撃さえも囮……っ!)


初春(それじゃあ、どこが本当に狙われている所なんですか……)


初春(……)


初春「ッ!」




カタカタカタカタカタカタカタ




初春(あっ……)


初春「見つけた……」


初春「ここが、一方通行さんを襲い今もサイバー攻撃を仕掛けてくる、敵対勢力の本当の狙い……」






~サイド一方通行~



木原「ったく、一方通行よぉテメェの能力を開発してやったばっかりにこんなトコに出向くハメになった責任はどう取ってくれるんだぁ? あぁ?」


一方通行「木ィ原くゥゥゥンよォ、オマエの事情なンて知ったこっちゃねェンだよ! ただ俺の前に立ち塞がるってンなら蹴散らすまでだろォがァ!」


木原「ぎゃはははは、テメェどうしたぁ? そんなにあの人形が好きか? 今更『アレ』を大事にするたぁ可笑しくなっちまったんじゃねぇの?」


一方通行「はァ?」


木原「『人形』だと認識してた時は、殺すことになんの疑問も抱かなかったくせによ、『幻想殺し』に魅入っちまったかぁ?」


一方通行「なに言って…やがンだ……」


木原「『アレ』を殴り殺し、『アレ』を蹴り殺し、『アレ』の血流を逆流させ体内から爆死させ、『アレ』の指を一本一本引き千切ってショック死させ」


一方通行「や、やめ…ゃめろ……」


木原「しかもその指を『アレ』の目の前で喰ってたよなぁ! あれは最高に笑ったぜぇぇっ!!」


一方通行「ち、ちが……っ……」


木原「他にも『アレ』の足をぶった切って腕の力だけで逃げてたのを何時間も追いかけていたこともあったなぁ!」


一方通行「あっ……?ァ……」


木原「その記憶は『あの人形たち』にも残ってんだろ? それを今になって、『本当は殺したくなかった』なんて言って信じてもらえてると思ってんのか? テメェみたいなクソガキに守ってもらって嬉しいと思ってもらえてると思ってんのか?」






木原「テメェみたいなのに守れるほど『あの人形たち』は価値の低いモンなのか?」






一方通行「……」




木原「なんだなんだぁ? さっきまでのうるせぇくらい喚き散らしていた勢いはどうしたよ?」


木原「はっは~ん、今頃になって気付いちまったか? テメェ自身が本当は気付いていて気付かぬふりをしていたこと……」




木原「テメェが『アレら』を守り続ける限り、『アレら』の立場をずっと被害者のまま縛り付けるってことによぉ!!」




一方通行「っ……」


木原「『アレら』はテメェの側にいれば学園都市から守ってもらえると思っているみたいだが、はたして本当に守ってもらえているのかねぇ……」


木原「テメェが側にい続けることで『アレら』は、『実験動物として一方通行に殺されるためだけに生まれてきた人形』から逃れられないんじゃねぇのかぁ?」


一方通行「~~ッッ!!」


木原「イイね、イイね、最っっ高だねぇぇ!! その絶望と困惑の入り混じった表情……テメェは自分の信念とやらも貫き通せねぇクズだってことがわかっただろッ!!」


木原がニヤリと顔を醜く歪め、一方通行に迫る
そして、木原は一方通行の左頬を殴るように右手を振りかぶった
一方通行は呆然としながらも反射を咄嗟に展開させる
上条のような右手を持つわけではない木原の拳など、反射で返り討ちにする


……はずだった


バキッ


一方通行は左頬を腫らしながら数メートル吹っ飛んだ





一方通行「……ァ……なンで……」


木原「ぎゃははははは!!! ずいぶんと見ねぇ間にそんなツラも出来るようになったのか!! こりゃ傑作だわ、ぎゃははははは!!!」


一方通行「……俺は……オレ、は……」


木原「さぁて早いとこテメェを『使えなく』して、あっちも『回収』すっか」


木原は自分を見失い道路上で身体をヒクヒクと痙攣させている一方通行に近寄っていく


木原「このクソガキよりも、あそこで猟犬部隊とやりあってる『人形』の方が手強いじゃねぇか。カカカカカ、守る対象よりも弱くてどうすんのかねぇ!」


木原が一方通行との距離をあと数歩とした時


打ち止め「やめてーーーっ!!」


一方通行の前に彼を守るようにして現れた打ち止めが、電撃を木原に向かって放った





木原「っ!!」


電撃が木原に直撃した


打ち止め「絶対にこの人を殺させはしない!」


直撃したはいいが所詮、Level3程度の電撃
木原に大きなダメージを与えることは出来ない


木原「『人形』の分際で何を言うかと思えば、情けねぇクソガキを庇うたぁ涙を誘うじゃねぇか……」




木原「まるで喜劇だなぁ! ぎゃははははは!!!」




木原「っ!」


笑っていた木原に向かって何かが飛んでくるのを木原が感じ取り、近くにいた猟犬部隊の一人を自身の前に引っ張り出す


パシュゥン


猟犬部隊「がっ……」


弾丸が頭をぶち抜いていた


御坂妹「暗殺も専門であるミサカにこれだけの武器が揃っていれば、あなたたちを蹴散らすことなど造作もないことです、とミサカは人を殺しすぎて心臓の高鳴りを抑えることが出来ないのを心の奥底に隠しながら熟練のスナイパーのようなセリフを吐きます」


木原「はぁーっ、本当にメンドくせぇ仕事押し付けられたモンだぜ」


御坂妹「上位個体、敵の数は未だ半分以上残っていますが、そこの白いのを守りながらの戦いになります。今一度覚悟を決めてください、とミサカは自分自身にもそう言って鼓舞します」


打ち止め「う、うん……わかってる。やらなきゃ生き残れないんだよね、ってミサカはミサカはまたミサカたちとこの人とあの人の四人で笑って過ごすために戦うよっ!」


木原「こうなったら、奥の手をつか――」


pipipipipi


木原「なんだぁ?」




pi


木原「こちら『木原』。……あぁ……ほう。……了解」


木原「おら、テメェら撤収だ! アンチスキルも近くに来てるようだからさっさと離れるぞ」


御坂妹(確かにそう遠くない所から多数の人が車でこちらに向かってきていますね……)


木原「なぁ『人形たち』よぉ、今回は時間稼ぎに重きを置いていたが、次回はそこのクソガキを『使えなく』してテメェらも『回収』してやっからな。怯えて待ってろよ、ぎゃははははは」



木原数多とその部下の猟犬部隊は、彼らの死体を含め、本来であれば一方通行が回収するはずだった多くの学園都市製の最新武器とともに足速に立ち去って行った



打ち止め「……助かったの、かな? ってミサカはミサカは緊張が途切れて思わず腰を降ろしてみたり」


御坂妹「そのようですね……近くには人もいないようですし、一先ずはここから離れましょう。アンチスキルのお世話になるのは面倒です、とミサカは今やるべきことの優先順位を一瞬にして導き出し上位個体に行動を促します」


打ち止め「……うん。この人はどうすれば……、ってミサカはミサカは激しく困ってみたり」


御坂妹「よいしょ、っと。こいつ本当にメシ喰ってんのかよ、ってくらい軽い白モヤシを肩で担ぎながらミサカは上位個体に逃走ルートの検索を頼みます。持てるけど意外と辛い」


打ち止め「ちょっと待ってね……こっち! こっちなら人と会わずにグループのアジトへ行けそうだよ、ってミサカはミサカはこの人をすごく心配しながらもかけ足」


御坂妹「おそらくショックで気を失っているだけだとは思いますが、起きた後の反応が想像し難いものがありますね、とミサカは予想外で気を失うと反射も解けるのかよコイツ、と新事実に驚愕します。寝てる時は反射効いてんのに」


打ち止め「うぅ……、ミサカたちからは離れたりしないよね……?」


御坂妹「……どうでしょうね、こればかりはなんとも言えないかと……」






~サイド麦野~



上条へと向かっていく無数の原子崩し
それが次々と降り注ぎ、上条の姿を光で覆う


麦野(これならどうだ……)






「くくくくくっ、くはははは、あはははははは」


上条の笑い声が響く


上条の周りは上条を中心に半径50センチほどのみが元あった通りで、それ以外は焦げていたり穴があいていたりしていた


上条「麦野沈利~、お前すごいよ。一方通行と御坂美琴、二人と戦っても成長出来なかった俺の『幻想殺し』がお前と戦うことで新たな段階に辿り着けたようだ。くくくっ、あはははは」


上条は麦野の広範囲に及ぶ原子崩しを無傷で回避しただけでなく、嬉々として麦野に衝撃の事実を告げる


麦野(一方通行と御坂美琴……第一位と第三位じゃねぇかっ! あいつらと戦ってきただと!? それに『幻想殺し』……それが上条の能力の名前……)


上条「ははははは……はは……はぁ、ふぅーっ。さぁて麦野よ、こっちから仕掛けていいか?」


上条は嫌な笑みを浮かべ麦野に言葉を投げかける


麦野(クソッ! あいつの能力はまだハッキリとしたわけじゃないが右手以外でも消せると見て良さそうだな……どうする、打つ手なしじゃねぇか!!)


上条「それじゃあ、こっちから行くぜ?」


上条は軽いフットワークで穴のあいた床を飛びながら麦野へ迫っていく


麦野(チッ、今は原子崩しで何とか距離を保つしか方法が……)


麦野は原子崩しを放ちながら上条との距離を開けようと縦横無尽に動き回る


上条は麦野の放つ原子崩しに対して先ほどと同じで、避けたり右手で消していたりしていたのだが、少し違う行動も見せていた
それは……












――原子崩しを右手で『掴み取りその軌道を逸らす』こと












本来、麦野の原子崩しは当たったものを問答無用で破壊するLevel5の中でも絶大な攻撃力を持つ能力である
それを『掴み取る』など、出来るものではなかった
しかし、上条はそれをやってのける



麦野(可笑しいだろっ! 何なんだよアレはッ!!)



上条のこの行動により、原子崩しを消し切るのを待たずして麦野との距離を詰めることが出来るようになった上条は、麦野に一気に詰め寄った



麦野「っ!」

麦野(ヤバいッ……)


上条「うおらッ!」


上条の右拳が麦野の顔面を捉え、麦野を数メートル飛ばした






――麦野沈利はお嬢様だった

資産家の家に生まれ、欲しいものは何でも苦労せずに手に入れた
大人たちにはちやほやされ、専属の執事までついた
当時、小学生ながらも高校生や二十代の男性に口説かれることなども少なくなく、多くの女性は麦野の前にひれ伏すばかりであった

資産家の一人娘だったので最低限のマナーは身に付けたが、性格はやんちゃであったがために麦野の周りの人間は日々奔走し、麦野の要求を叶えるためだけに家族を捨てるものもいた
それほどに自由奔放で人を使い金を使い勝手気ままに生きてきた勝ち組の人生だった

しかし、その人生はすぐに終わりを迎える




計画的な犯行だった

麦野の父が無茶苦茶な事業展開をしてきたせいで、潰された会社の元社長らが麦野の家に放火をした
犯人グループは麦野家の外にあった監視カメラによってすぐに捕まることになるのだが、麦野の両親と数人の使用人が焼死してしまった
麦野自身は執事の機転により助けられはしたが、執事の顔や身体に一生消えない傷痕を残してしまった

麦野は泣いた
両親が死んでしまったこと
家を失ってしまったこと
両親の次に信頼していた執事に一生消えない傷痕を残してしまったこと
それを笑って許してもらったこと
哀しみと喪失感と少しの嬉しさと怒りに泣いた

それからというもの、親戚のいなかった麦野は多くの大人に養子にならないかと誘われた
だが、彼らは決して麦野沈利を見ていたわけではなかった

麦野の背後にある莫大な資産
これだけが目的だった

麦野は理解していた
今まで自分が思い通りの人生を送ってこれたのは全て両親の資産とその権威があったからこそだと

麦野は大人が信じられなくなった
麦野は何を信じれば良いのかわからなくなった

麦野は……

麦野は執事に頼った
もうそれしか頼れるものがなかった
もうそれしか自分の手には残っていないと思った
両親の資産など麦野自身の価値を薄めてしまうものでしかないように思えた

執事は全ての養子縁組を断った
執事は保護者という立場で麦野を引き取り、質素だがしっかりとした暮らしを二人で始めた
麦野家の資産はほとんと手付かずの状態で放置された

執事は顔の傷痕のせいで仕事は夜勤の肉体労働
麦野は私立の小学校から普通の小学校へと転校した
そこでの生活は今までとは違った
男の子には少しモテていたようだが、女の子には日々嫌がらせを受ける日々
頭は良かったのだが教科書に落書きをされまともに授業など受けられなかったため成績は悪かった
イジメを教師には告げ口しなかった
いや、出来なかった

プライドが邪魔をしたからだ

執事にも相談出来なかった
成績が悪いのを自分が出来ないからだと言い張った

執事を困らせたくなかったからだ



そして、麦野は気付く
前の学校で悠々自適に暮らしていたのも全て両親の資産と権威があったからなのだと

やがて男の子も女の子も信じられなくなった
信じられるのは世の中で執事のみとなった



麦野が中学生へ上がろうかという時に、麦野は執事に話があると言われた
イジメられていたのがバレたのかと思っていると、学園都市へ行ってみないかと誘われた



学園都市

あらゆる教育機関・研究組織の集合体であり、学生が人口の八割を占める学生の街にして、外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街
また、人為的な超能力開発実用化されている側面も持つ街でもある


そこへ行ってみたらどうなのか、と言われたのだ
それも一人で


最初、麦野は激しい反対した
しかし執事の、人は一人で生きていけるようにならなければいけない、という言葉に麦野は辛かったここ数年を思い出し、渋々了承した


そして、麦野沈利は学園都市へ行く


『置き去り(チャイルドエラー)』として





麦野は最初、パンフレットで見た校舎と違うことに戸惑った
しかもどこかの研究施設のような所で寝泊まりを強要され、風呂は週二日
話が全く違うと思った
それでも執事がせっかく入学費を払ってまで入れてくれた学校だと思って耐えていた
一ヶ月が過ぎた頃、研究員が話していたのをたまたま聞いてしまった





「あの子らは何も知らずに捨てられてしまっているのですよね……」

「モルモットに同情などするな。無用な資源を使って科学を発展させることだけに意識を向けろ」

「……」

「そう思っていないとこの先やっていけないぞ?」

「……そう、ですね。わかりました」

「さぁ、続きを始めよう」

「……はい」





嘘だと思った
麦野家の娘としてではなく、麦野沈利として唯一見てくれた執事がそんなことをするはずがない
捨てるなんてありえない
そう思って、学園都市へくる前に買って貰った携帯電話を取り出し執事へ掛ける


通じなかった
いや、麦野の携帯電話は電話としての機能すら果たすことが出来なかった

電話料金など払われていなかったのだ
麦野の電話には掛けてくる友達もいないし、頻繁に連絡を取り合わないようにしようと執事と決めていたので麦野から電話を掛けることもなかったので気が付かなかったのだ






執事は疲弊しきっていた
夜勤の肉体労働は思ったよりも辛く厳しいものだった
それに顔に火傷の痕があるため外で買い物をすることも憚れる
人目に触れず、血の繋がりもない麦野を一人で養っていかなければならない
そしてそれに拍車をかけるように麦野の小学校の成績が非常に悪かった事実が執事の精神状態を悪化させる



執事は執事としては珍しく女性だった
執事は家族を捨ててまで麦野家に、麦野沈利に仕える立派な執事だった
家族を捨ててまで選んだ仕事を途中で投げ出したくはなかった
だからこそ、麦野沈利ではなく麦野家の資産を狙う大人たちに真っ向から立ち向かい、麦野を守ってきた
麦野家に仕える者として資産に手を出すこともしなかった


だが執事の顔は火傷の痕で醜くなっているのに対し、麦野自身はどんどん綺麗になっていく
麦野には毎日顔を合わせなければならず、時々彼女が笑うとそれは執事にとっては嘲笑にしか見えなかった

嫉妬していた

麦野は両親の資産を狙う汚い男ではなく、麦野沈利を見てくれる男と将来結婚できるだろう
それが容易に想像出来るほど麦野の容姿は精錬されていった
それに今の自分の境遇を比べて執事は激しく嫉妬していた




そして、決めてしまった




麦野沈利を捨ててしまうことを




執事は学園都市の入学費のみを払い麦野を『置き去り』として捨てた
しかし罪悪感に苛まれ、この数年間何のために耐えてきたのかわからなくなり精神を壊す

非情になりにれなかった彼女は麦野家の資産で精神病院に通い入退院を繰り返す日々を過ごすことになってしまった






そんなことなど知る由も無い麦野は一人絶望する
両親を失い、汚い大人に狙われ、人を信じられなくなり、信頼していた人にさえも裏切られた
一人でこの劣悪な環境を生き抜いていかなければならないことに精神が壊れそうになる
それでも……、それでも壊れずに生きていけたのは同じ『置き去り』たちと、一人の女の子がいたからだ

同じ境遇の彼らと少しずつ心を通わせ合い、一番年上の一人の女の子を頼ることで壊れそうな心を修復していくことが出来た



学園都市は力が全て

力があればお金が手に入る
お金が手に入れば良い暮らしが出来る
良い暮らしが出来れば昔みたいに幸せに暮らせる


少し短絡的だったのかもしれないが麦野はそうして力を求めていく
例の女の子もLevel3と認定されてから麦野たちをよく銭湯に連れて行ってくれたし、食べ物もたくさんくれた
麦野もそうなりたいと徐々に思うようになっていくのに時間はそうかからなかった


元々麦野は頭が良かった
それが功を奏したのか、才能があったのかはわからないが(おそらく、というよりも確実に後者であるが)、電子制御系のLevel4に短期間で認識される
通常の電子制御系能力は電撃使い(エレクトロマスター)となるのだが、麦野は少し違った
本来『粒子』又は『波形』のどちらかの性質を状況に応じて示す電子を、その二つの中間である『曖昧なまま』の状態に固定し、強制的に操ることが出来たのだ
今までで類を見ない珍しい能力として麦野は重宝される
お金も大量に入り、『置き去り』たちに豊かな暮らしをさせてやることも少しずつ出来るようになっていった
そして尊敬する年上の女の子にも褒めてもらえてすごく気持ちが良かった


麦野の能力はすでに並のLevel4の枠には収まらず当時、最もLevel5に近いLevel4とされた
麦野はどんどんとその活気に溢れた元の性格を取り戻していく
充実し始めた生活と、失った自信が蘇り、また優れた容姿も重なって、高嶺の花…手を出すのも勇気のいるような女王様気質の綺麗な女性となっていた
年は中学二年生の十四歳
大人になり始める中学生であった



そんな時だった
例の年上の女の子が複数の研究員とともに普段使われていない部屋に入るのを目撃したのは
別に今まで何度かあったが今まではそれほど気になったわけではなかった
でも性の知識も少しばかり身に付けた麦野にとってそれらしい匂いがして興味がわいた
だからこそその部屋のすぐ外で耳を壁に当て中の様子を伺っていたのだ



「それじゃいつもみたいに頼むぜ?」

「はい……」

「おいおい、嫌な顔すんなよな。別にお前がやらないなら麦野とか言う中二の女でも良いんだぞ?」

「だ、だめっ!」

「ほら、いつもみたいにやってみろよ」

「早くやんないと終わらないぜ?」

「う…うぅ……」

「かぁーっ、もう一年以上も経つのにまだ慣れてないのかよ。ほらこうやって舐めるんだよっ!」

「きゃっ!」



麦野は尊敬する年上の女の子が自分の身代わりにこうなってしまったのかと思った途端怒りが沸々とわいてきて、今すぐにでもその研究員たちを跡形もなく消し去ろうと、扉に手を掛けた
その時…


「それにしても、『置き去り』たち全員の身の安全を確保するために自分からこんなことし始めるなんて立派なモンだなぁ」

「それが代々受け継がれてきた『置き去り』のシステムってんだから学園都市の研究職はやめられねぇ」

「あぁ、最先端技術もいじくれるし文句なしだ。ほら、今度はこっちにケツ向けろやっ!」

「は、はい……どう、ぞ……」

「イイぞ。ほらお前はその物足りなそうな口でも塞いでやれ」

「おぉ、これ咥えろ。ほら」

「ぐぼっ……じゅぶっ……じゅぼっ……」



聞こえてきた事実に麦野は扉に手をかけたまま固まってしまった
自分が能力開発に集中出来ていたのは……
自分たち『置き去り』が安全に生活出来ていたのは……

誰かの犠牲の上に成り立っていたから


その誰かはずっと大人たちに汚され、良いように扱われ、性欲の捌け口にされる
女としての尊厳なんてない
ただただ性欲処理の道具として扱われる

そんな犠牲の上で何も知らずに自分は笑っていたなんて……
何も知らずに能力開発のみに力を注いできたなんて……
何も知らずに彼女だけに負担を強いていたなんて……

何も知らずに……




麦野は何時の間にか自室へと戻っていた
例の彼女は麦野と二人の『置き去り』の子を挟んで横に寝ているのが見えた


しかし、泣いていた


こんなことに一年以上も気が付かなかったなんて……

麦野は人生何度目かの絶望と激しい怒りをその身に宿す




次の日、麦野は能力判定のテストを受けていた
次々とメニューをこなしていき、最後に原子崩しを何層にも重なった鉄版へと放つ試験に臨んだ
その試験をやる監督の研究員が昨日の汚らわしい行為をしていた奴らだと気が付いたのは試験をやる直前だった


その時麦野はどうしようもない怒りを抑えられなくなり原子崩しが暴走する


今まで一度たりとも全ての鉄版を一回の原子崩しで貫いたことがなかったのに、その時は一瞬だった
それも鉄版だけでなく、その直線上の幾つもの部屋を一発の原子崩しが貫き、消し去った

麦野は気分が今までにないくらい良かった
全力に近い形で原子崩しを撃つことでこれまでの人生の鬱憤を発散出来ているような気がして
そしてその高揚感のまま例の研究員たちを跡形もなく消し去る
周囲の部屋も原子崩しを放ち消し去った


研究所が慌ただしくなり研究員たちは逃げ惑い、原子崩しの盾に『置き去り』たちが使われた


その中、麦野の前に例の彼女が立ち塞がる
自分が身体を汚してまで守ってきた『置き去り』たちが無慈悲に何のためらいもなく殺されていく現実に耐えられなくなって……
冷静な判断の出来なくなった彼女は麦野のせいにすることでそれを昇華しようとした
麦野がいけないんだ
麦野のせいなんだ

だからこそ麦野の前に立ち塞がる
明らかな敵意を持って




麦野は訳がわからなかった
自分は彼女のためにこのくだらない研究所を消し去り、彼女や他の『置き去り』たちとともに暮らそうと思っていたのだから
彼女の尊厳を取り戻そうと……
彼女に普通の女の子として生きてもらおうと思っての行動だったのに……


それを彼女は裏切ったのだと麦野は捉えてしまった




麦野の精神は完全に壊れた






麦野が気が付いた時には自分の身体はボロボロ
辺りには何もなかった


そう、何もなかった


絶対的な力の前には、何ものもその形をこの世に残すことすら許されなかったのだった




この日、一つの研究所とそこに勤めていた全ての研究員、そして一人を除く全ての『置き去り』たちがこの世から消え去り、新たなLevel5が誕生した






認定当時、Level5序列第三位『原子崩し(メルトダウナー)』麦野沈利






そして、彼女は大衆にその美しいバラのような姿をさらすことなく闇へと落ちた








麦野(こんなときに昔のこと思い出してんじゃねぇよ……)


麦野は立ち上がる
上条に殴られた左頬が薄い青紫色になり少し腫れてはいるものの、麦野に対しては決定打にならなかったようだ


麦野(力がなくちゃ生き残れない……)


麦野の目が暗く沈む
ただ単純に力を求め、怒りに身を任せ自身の能力で障害となるものを消し去ったあの日のように


麦野「かーみじょう、私ぃ思い出したよぉ」


艶かしい声を発しながら、バラのように美しくもトゲのある姿で上条に向かい合う




麦野「私の邪魔をする奴は消し去ることが正しいってことになぁああああああああああああああああああああああああ!!」




麦野が本気を出す
通常の原子崩しが幻想殺しで消されてしまうならば、消されてしまう前に上条自体を消し去ってしまえばいいのだ


麦野の身体が青白い光に包まれる
その状態を保ったまま上条に向かって駆け出そうとした


その時、上条と麦野の間に人形が放り込まれそれが爆発し、砂埃が立ち込める





麦野「っ! フレンダァああああああああああああああああああ!! 何邪魔してんだクソガキがぁああああああああああああああああああああああ」


麦野は上条の姿が見えなくなり、人形が放りこまれた方向
つまり、フレンダに向かい合う


フレンダ「ひっ!!」


麦野「テメェ、上条に手貸しやがったな……。静粛されたいのか? あぁん!?」


フレンダ「ち、ちがっ……、麦野…はな、しを……きい……」


フレンダの身体が恐怖で震える
声がうまく出せなくなりそれが麦野の神経を逆撫でする


麦野「オ・シ・オ・キ・か・く・て・い・ね」


麦野がニヤリとまるで獲物を狩る死神のように顔を歪め、フレンダに向かって右手を構え原子崩しを放とうとした


しかし、急に能力が使えなくなり身に纏っていた青白い光も収縮していく


麦野「なっ…これは……ッ! たーきーつぼぉ、なにしてくれてんだゴラァああああああああああああああああああああ!!」


麦野の能力を抑え付けることになった要因である滝壺理后が、絹旗の肩を借りヨロヨロとまだ完調でない身体を動かしながら、麦野を睨む


滝壺「むぎの、本気出そうとしたでしょ……そんなの許さないよ」





麦野「誰を許さないってぇ~? 滝壺ぉ、勘違いしてそうだから言ってあげるけどね、私しか上条を倒せないんだよ!!? テメェら揃いも揃って何邪魔してくれてんだぁ!! あぁ!?」


滝壺「うん、むぎのしかかみじょうは倒せない」


麦野「だったらどうし――」

滝壺「それでもやらせない」


麦野「何を……」


滝壺「むぎのがいなくなったら、わたしたちは『アイテム』じゃなくなるんだよ?」


麦野「っ!」


滝壺「ちゃんと全員生き残らなきゃダメだよ。それに、むぎのは本気でやっちゃダメだって四人で約束、したよね……?」


麦野「……」


フレンダ「私だって、さっきの爆弾を投げることで殺されるかもって思った」

フレンダ「前までの私なら自分の命を懸けて誰かをどうこうするなんて思わなかった訳よ」

フレンダ「でもっ!」

フレンダ「『アイテム』っていう『居場所』を守るために誰かが欠ける結末じゃダメだって思ったから……、思ったから麦野のために自分の命を懸けて麦野を止める行動が出来た」



フレンダ「結局、『アイテム』にいれば私は成長出来るって訳よ」



フレンダ「そんな『居場所』だから、私は命を懸けて守る。そう約束したんだから」

フレンダ「だから、麦野を一人では戦わせられない」





絹旗「麦野はもう少し私たちを信用してもいいと思うんです」

絹旗「私たちがただ上条に超コテンパンにされたわけじゃないんですから」

絹旗「『アイテム』の危機は『アイテム』で、みんなで解決しましょう」

絹旗「麦野から始まって、滝壺さんが整えて、私が超癒しになって、フレンダで騒がしくなった『アイテム』」

絹旗「それを誰か一人が背負うなんて超間違ってるんです」



滝壺「むぎのはもう一人じゃないんだよ?」

滝壺「わたし、きぬはた、ふれんだ」

滝壺「みんなむぎのを見捨てたりしない」

滝壺「むぎの、四人で戦おう。だって
――」










「「「『家族』なんだから」」」








言い切った三人の表情は真剣そのもので、その言葉がその意味を正しく表していることを確信させる







そして、それに気が付いた麦野は顔を真っ赤にし少し俯き手をギュッと握り締め身体を震わせながら、必至に涙を堪えていた
辛かった過去を思い出し、力で自分を見失いそうになった時にしっかりと止めてくれる存在がいたことで、涙腺が耐えられなくなりそうだったから



ひとしきりその余韻を噛み締めたあと麦野は顔を上げ、三人に向き合う



麦野「わかった、四人で戦おう。私たちは――」











「『家族』なんだもんね」








そう言って笑う彼女の表情は、元の自由奔放で笑顔の絶えなかったお嬢様時代をそのまま成長させた、赤みがかり照れた様子の十八歳の少女のそれであった


>>1でした
ちょいと次スレ建ててきます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月15日 (火) 21:49:12   ID: FJwTPT2N

闇の上条さん、超最高です。

2 :  SS好きの774さん   2013年10月18日 (金) 21:26:58   ID: Hj0XpK-G

面白い・・・が誰がヒロインなんだwww垣根か??ww
でもって・・・まだ続くよね・・・?

3 :  SS好きの774さん   2013年10月19日 (土) 12:48:35   ID: E5cCw5da

面白い、頑張ってください。

4 :  SS好きの774さん   2013年10月22日 (火) 20:06:13   ID: pst9Chaq

これは面白い

5 :  SS好きの774さん   2013年10月30日 (水) 21:38:03   ID: RYwSlZxY

まだ続くよねwktk

6 :  SS好きの774さん   2013年11月05日 (火) 01:07:29   ID: HMtd0yX_

まだまだ続くよねwktk

7 :  SS好きの774さん   2013年11月06日 (水) 15:58:21   ID: jNjx52dH

このヒロインは垣根
サブは初春だと信じてる

8 :  SS好きの774さん   2013年11月07日 (木) 20:57:55   ID: _jqVuoqo

書いてて恥ずかしくないのかよ
クソスレ乙

9 :  SS好きの774さん   2013年11月07日 (木) 23:47:24   ID: CdwWBsLN

面白い(*^^*)続き待ってます

10 :  SS好きの774さん   2013年11月08日 (金) 11:19:03   ID: T4L5dLxh

これを恥ずかしいとか言ってたらss書いてる人やラノベの作者もほとんどみんな恥ずかしいことになるだろ
これは面白いから大丈夫

11 :  SS好きの774さん   2013年11月15日 (金) 01:19:10   ID: yp4AXL7n

続き早よ三c⌒っ.ω.)っ シューッ

12 :  SS好きの774さん   2013年11月26日 (火) 02:05:35   ID: HyD-_oy5

早く更新されることを期待してます(*´▽`*)

13 :  SS好きの774さん   2013年11月26日 (火) 22:54:08   ID: gi_6A7OR

上に同じく。

14 :  SS好きの774さん   2013年11月30日 (土) 21:52:55   ID: aULPbIGE

続き期待(^_^;)

15 :  SS好きの774さん   2013年12月11日 (水) 22:09:47   ID: p5L9ybFT

面白すぎんよォ

16 :  SS好きの774さん   2013年12月14日 (土) 22:08:01   ID: BnGPwlk2

…マジで戦慄した…無茶苦茶面白い!
続き熱望

17 :  SS好きの774さん   2013年12月17日 (火) 23:39:06   ID: DzhD5t4l

頑張れ ファイト

18 :  SS好きの774さん   2013年12月18日 (水) 17:24:15   ID: 5xWbzS8K

期待します!! 

19 :  SS好きの774さん   2013年12月22日 (日) 13:30:22   ID: S6_iGoEP

続きが待ち遠しい…

20 :  SS好きの774さん   2013年12月25日 (水) 09:46:02   ID: B8TQ1IdT

すごく面白いのに更新停滞中か…
やっぱ、対アイテムが難しいか

21 :  SS好きの774さん   2013年12月27日 (金) 22:48:09   ID: QWnOZ44i

う~~、今年はもう更新しないのかな?
ものすごく楽しみに待ってます

22 :  SS好きの774さん   2013年12月28日 (土) 22:02:39   ID: Dl-XQKco

更新しないの?
次早くプリーズ(^O^)

23 :  SS好きの774さん   2013年12月29日 (日) 23:19:08   ID: jeJTPUCx

予定では今年あと1回更新があると言ってたが…
早く続き見たい

24 :  SS好きの774さん   2013年12月30日 (月) 16:31:56   ID: SGMiaGpY

次回は1月末か…
待ち遠しいな

25 :  SS好きの774さん   2013年12月30日 (月) 20:24:09   ID: SGMiaGpY

このSSも含め、本当に内容が良いものはここ最近停滞気味だな
残念…

26 :  SS好きの774さん   2014年01月17日 (金) 12:37:58   ID: cuG7sMk-

(・_・)

27 :  SS好きの774さん   2014年01月21日 (火) 17:22:30   ID: bEF2ZAHl

そろそろだと信じてる!

28 :  SS好きの774さん   2014年01月29日 (水) 18:34:22   ID: ePi94xs-

次はいつかな?楽しみ

29 :  SS好きの774さん   2014年01月31日 (金) 17:08:52   ID: bUWD8OCY

とりあえずパート1終了おめでとう
パート2も期待してます

30 :  SS好きの774さん   2014年02月05日 (水) 13:13:03   ID: 12fX1_Hy

続きが待ち遠しいな

31 :  SS好きの774さん   2014年02月16日 (日) 11:41:55   ID: -8kqb5JT

続き、立ってました。

32 :  SS好きの774さん   2014年04月26日 (土) 13:27:48   ID: 7GVBW83J

こんなに素晴らしい作品なのに失踪するとか勿体無い

33 :  SS好きの774さん   2014年04月28日 (月) 21:03:14   ID: Y-GGJ7PX

おもしろいのこれ?

34 :  SS好きの774さん   2014年04月29日 (火) 10:56:13   ID: AEw9rf6P

とあるのssでは最高クラスの面白さと言っても過言じゃない(確信)

35 :  SS好きの774さん   2014年05月05日 (月) 21:01:14   ID: jYhjJhGY

他にも面白いssはあるがこのssは別格!
至高!

36 :  SS好きの774さん   2014年05月14日 (水) 16:50:37   ID: feohrZ-d

しかし完結せずwww

37 :  SS好きの774さん   2014年05月14日 (水) 21:08:11   ID: gKku5sZq

質の悪い絹旗アンチにグチャグチャに荒らされたせいだろ

38 :  SS好きの774さん   2014年05月17日 (土) 01:23:04   ID: DXyvwXdA

むしろアンチに構い過ぎて無駄な雑談が増え過ぎただけだろ

39 :  SS好きの774さん   2014年05月17日 (土) 01:49:09   ID: YMmmU28Y

それも一理あるが、そもそもアンチがいなけりゃこんなことにはならなかったのはほぼ間違いない

40 :  SS好きの774さん   2014年05月20日 (火) 21:24:44   ID: xOcMDc2f

ほぼですか~

41 :  SS好きの774さん   2014年06月05日 (木) 20:48:55   ID: 3j3e8PV-

久しぶりに読み返したがやっぱりこのssは群を抜いて素晴らしい作品だ
願わくば中途半端になってるパート2を再開してほしい

42 :  SS好きの774さん   2014年06月10日 (火) 22:38:45   ID: hcDA4oUZ

無理ですね

43 :  SS好きの774さん   2014年06月10日 (火) 23:57:14   ID: rTyerIBs

※42
荒らしは帰ってよし

44 :  SS好きの774さん   2014年06月13日 (金) 21:24:36   ID: axDgFjr_

すごく好きです。このssはものすごく好きです。
早くつつきがみたいデスぅぅぅ!

45 :  SS好きの774さん   2014年06月15日 (日) 23:30:42   ID: cODLemjK

無理デスぅぅぅ!

46 :  SS好きの774さん   2014年06月16日 (月) 01:12:17   ID: USVoRaUm

もう書き込みされてないのにいまだに荒らしに来る奴いるんだな
はっきり言って気持ち悪い…
ひょっとして最近絹旗スレを潰しまわってるのこいつか?
死ねばいいのに…

47 :  SS好きの774さん   2014年06月16日 (月) 01:56:27   ID: S5Vvuvah

一人で頑張って!




48 :  SS好きの774さん   2014年07月23日 (水) 01:38:55   ID: 6GR9GC89

続きが気になって仕方ないです。
更新されることをねがってます

49 :  SS好きの774さん   2014年07月31日 (木) 00:22:33   ID: suH3flIr

やっぱあきらめます

50 :  SS好きの774さん   2015年02月06日 (金) 21:41:35   ID: BoskIJfW

凄い面白かったです!!!!!!!!!!!!
続き楽しみにしてます!!!!!
優しい垣根君好きです!!!!!!!!!!

51 :  SS好きの774さん   2015年02月06日 (金) 23:46:18   ID: 6aSrQiXW

凄いつまらかったです・・・・・・・・・・・・・
続きはもう期待していません・・・・・・・
アイテムみんな嫌いです・・・・・・・

52 :  SS好きの774さん   2015年06月15日 (月) 16:22:16   ID: 4-4mKgax

感想欄読んでる方がおもろいな

53 :  SS好きの774さん   2015年06月16日 (火) 18:21:20   ID: EB_uR2-T

アイテム嫌いって奴はここへ何しに来たんだ?
構ってちゃんか?

54 :  SS好きの774さん   2015年06月17日 (水) 13:08:42   ID: DfBYJ6YK

他人に邪魔されないpixivで続き書けばよかったのに…

55 :  SS好きの774さん   2015年07月04日 (土) 20:45:11   ID: OG86Q0G1

56 :  SS好きの774さん   2015年08月28日 (金) 16:32:46   ID: 7PpioyZy

本当に描写が上手いな、素人とは思えない
是非完結してほしかったんだが…

57 :  SS好きの774さん   2016年01月08日 (金) 21:48:01   ID: QxTD0oR_

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