透華「お腹が空きましたわね」一「じゃあどこか食べに行かない?」 (37)

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の代行でー

透華「いいですわね。誰か食べに行きたいところはありまして?」

一「ボクは透華の行きたいところならどこでもいいよ」

透華「といっても、急には思い浮かびませんわね……」

純「じゃあバーガーとかはどうだ?」

衣「わーい、ハンバーガー♪」

一「うぇぇ、ハンバーガー……」

純「何で嫌そうな顔なんだよ、国広君」

一「だって、純くんいっつもハンバーガー食べてるじゃないか」

純「みんなは食べてないんだからいいだろ。マユコナルドで秋の新メニューが出たんだぜ?」

透華「でも、いつも純が食べてるのを見ていてこっちは食べてなくても飽き飽きなんですけど」

純「くっ……」

衣「ハンバーガーを食べには行かないのか……」ショボーン

一「そうだ、ともきー。パソコンでどこかいいとこないか調べてよ」

智紀「わかった」

透華「なるほど、美味しいお店を探せば安心ですわね」

純「くそぅ、くそぅ……」

衣「ころもにも見せて見せてー」

智紀「うん」

智紀「ここなんてどう?」

一「タコス屋か。いいね」

透華「ダメですわ。衣は辛い物が苦手なんですのよ」

純「ハンバーガー……」ボソッ

智紀「じゃあここは?」

衣「うわぁ~、凄い大盛りだ~」

一「ここはちょっと……。食べきれないでしょ、ジロウなんて」

純「ハンバーガー……」ボソッ

透華「こら純!智紀の耳元で行きたいとこを囁くんじゃありません!どうせハンバーガーショップなんでしょうけど」

智紀「純は高級寿司店がいいって言ってた」

純「っておい、言ってねぇって」

一「お寿司か……。いいんじゃないかな」

透華「確かに」

衣「でも、衣はワサビが……」

智紀「ワサビは店員に抜いてもらえる」

純「まあ、いいんじゃねぇの?」

一「じゃあお寿司屋さんってことで。どこかいいお店はあるの?」

智紀「ここなんてどう?」

透華「あら、このお店の名前……?」

智紀「うん。決勝であたった鶴賀女子の部長さんのお店みたい」

一「へぇ、家業でお寿司屋さんか」

衣「あーっ!」

純「どうかしたのか?」

衣「回転寿司だ!」

透華「何ですって!?」

智紀「ほら、ここのページ。蒲原さんのとこは回転寿司だって書いてある」

衣「わーい、回転寿司だー♪」

一「そっか、衣は回転寿司行ったことないもんね。透華もだっけ?」

透華「い、いえ、回転寿司は日常茶飯事でしてよ!それじゃあ行きましょうか、皆さん」

純「よし、じゃあ走って行くぞ!」

一「いやいや、普通に遠いから。車出してもらおう」

蒲原智美(元部長)「いらっしゃい!って、龍門渕の……」

透華「お邪魔しますわ」

一「こんにちは」

衣「お客さんが一人もいないぞ」

蒲原智美(元部長)「ワハハ、まだ営業時間前だからなー」

智紀「ごめん、休日の時間帯と間違えた」

透華「もう、このうっかりさんったら♪」

智紀「てへ☆」

純「他に店員がいないみたいだけどどうしたんだ?」

蒲原智美(元部長)「今日は客入りが少ないから私が一人で回す予定なんだ」

一「へぇ、すごいね。じゃあ調理師免許も持ってるの?」

蒲原智美(元部長)「勿論さ。ほら、そこの壁にかかってるだろう?」

調理師免許 三級

衣「おお、すごいぞ!」

純(三級……?)

透華「でも、営業時間前だというのなら出直した方がいいかしら?」

蒲原智美(元部長)「大丈夫、特別にオーケーだ」

衣「やったー♪」

一「なんだか悪いね」

純「それじゃ、早速座るか」

蒲原智美(元部長)「テーブル席とカウンター席があるけど、どうする?」

衣「カウンターがいい」

智紀「カウンターは衣が席に足が届かないのでテーブルでお願いします」

蒲原智美(元部長)「ワハハ、了解だ。それではこちらにどうぞ」

衣「ショボーン……」

純「元気出せよ衣」

透華「それじゃ座りましょうか」

衣「衣がレーン側ー!」

一「はいはい。もう片方のレーン側の席は誰か座りたい人ー?」

純「じゃあ俺が座ろう」ヨッコラショイショイ

衣「わぁ~、色んなのが流れてる~」

一「ふふ、好きなの取っていいんだよ」

純「じゃあ早速俺はハンバーグの寿司を……」

透華「お待ちなさい、純!」

純「な、何だよ?」

透華「食べる前にすることがあるでしょう?」

衣「いただきまーす♪」

智紀「衣は偉い」

純「わかったよ、いただきます。さて、ハンバーグの寿司を……」

透華「そうではなく」

純「えっと……、何をすればいいんだ?」

透華「手洗いでしょうに、もう!」

衣「なるほど、さすがトーカだ」

一「そういえば透華は回転寿司によく来てるんだっけ」

純「手洗いっつったって、おしぼりも出されてないんだからしょうがねぇじゃねぇか」

透華「やれやれ、純の目は節穴ですわね。そこに蛇口があるのが見えなくって?」

衣「おお、本当だ」

純「わかったよ。ちゃんと手を洗えばいいんだろ」

智紀「待って!」

ジョボボボボ

純「うわっ、なんだこれ! 熱っ!熱湯?!熱湯だ!」

透華「あわわ……」

純「グワーッ!」

智紀「とりあえず拭かないと……」

蒲原智美(元部長)「ごめんごめん、おしぼり出すの忘れてて」

一「よかった!早くそれを!」

蒲原智美(元部長)「う、うん。はい」

透華「純、早くこれで拭きなさい!」

純「わかった……」

純「グワーッ!」

衣「ど、どうしたのだ?」

純「こりゃ、熱々の蒸しおしぼりじゃねぇか!」

ハギヨシ「とりあえず私が病院へと運びます」

透華「ええ、よろしくお願いしますわ!」

純「グワーッ!」

支援

一「まさか、あの蛇口からお湯が出てくるなんて……」

透華「ええ……。驚きましたわね……」

智紀「おしぼりで手も拭いたし、そろそろ食べよう」

透華「そうですわね。純のお見舞いは後で行くとして、まずはお食事にしましょう」

衣「どれでも好きなの取っていいのか!?」

透華「ええ。しっかりお食べなさい」

衣「どれにしようかなー……」

一「おかわりもいいんだよ」

衣「やったー♪えーっと、えーっと……」

智紀「遠慮しないで今までの分もしっかり食べて、衣」

衣「わぁ~、見て見て!海老の天麩羅のお寿司が回ってる!」

智紀「美味しそう」

衣「よし、それじゃあ衣はあのお寿司を……」

透華「お待ちなさい!」

衣「えっ……」ビクッ

透華「食べる順番というものがあるでしょう、衣」

衣「食べる順番……?」

一「一般にはお寿司を食べる時は白身に始まって味の濃いネタで終わるって言われてるみたいだね」

智紀(透華は無駄に知った被るきらいがある)

衣「わ、わかった」

透華「よろしい」

衣「それじゃあ衣は……」

衣「このお寿司にするぞ!」

智紀「衣、それ、白身魚じゃないよ」

衣「あっ……、これ、タコだ……。気持ち悪い……」

一「美味しいと思うけどな、タコ」

衣「戻しておこう……」

透華「ダメでしょう衣!」

衣「ダメなのか……?」

透華「当然です!自分が一度手にした皿を戻すなんて言語道断ですわ!」

智紀「これは透華が正論」

衣「わかった……」

一「いいよいいよ。生のタコが気持ち悪くて食べれないんだったらボクが食べるから」

衣「ごめん、一」

一「気にしない気にしない」バクゥッ!! ムシャッ ムシャリ…

衣「うわぁ、ホタテだ……」

一「しょうがないなぁ」バクゥッ!!

衣「白い貝のお寿司だ……」

一「ロコ貝……?どんな貝なんだろうね」ムシャァッ!!

衣「わわっ、足だ!」

一「これはゲソだね。っていうか衣、変なのばかり取らないでよ」パクパク

衣「ごめん……。あ、これは何だ?」ヒョイ

一「何だろう……?」

透華「それは白子ですわね」

衣「白子……?」

智紀「魚の睾丸」

衣「こうがん……?」

透華「キンタ○マってことですわよ!言わせないで下さいな、もう!恥ずかしい……///」

衣「えぇ~っ、やだ~っ」

一「ごめん衣。ボクはもうお腹いっぱいで食べてあげられないんだ」

智紀「一は衣が取る皿をみんな食べてた」

透華「私も白子はちょっと……」

衣「と、智紀……」

智紀「取った人が食べるべき」

衣「うぅ~っ……」

一「ボクはお腹いっぱいだし、外に行ってコンビニで立ち読みでもしてくるよ透華」

透華「わかりましたわ。衣、ほら、食べなさいな」

衣「ヤダぁ~……」

智紀「私が衣の口を開けてるから、透華……」グイッ

透華「わかりましたわ」

衣「あえおー!」

智紀「暴れないで……暴れたらいけない……」

透華「飲み込んで……この白子のお寿司……」ズルゥッ…

衣「うぁ……うぁぁ……」ビクビクンッ





智紀「泣かないで衣」

透華「白子なんて食べたんですもの、無理もありませんわ」

衣「まだ口の中に味が残ってる……」

智紀「すみません、何か飲み物はありませんか?」

蒲原智美(元部長)「アイスティーしかなかったんだけどいいかー?」

透華「ええ、お願いしますわ。人数分で」

蒲原智美(元部長)「かしこまり!」

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