舞園「苗木君に恋愛相談があります…」 苗木「それは違うよ!」 (851)

苗木「恋愛相談…?僕に?」

舞園「はい」

苗木「僕は恋愛とかほとんど経験ないから良いアドバイスできないかもしれないよ…?」

舞園「それでもいいんです、話を聞いてもらえれば…」

苗木「う、うん…わかったよ」

舞園「私、好きな人がいるんです…」

苗木「舞園さんって、好きな人がいたんだ…」

舞園「その人は他の人より運が良くて誰にでも優しいとても良い人なんです…でも、ちょっぴり鈍感で…私の想いに気付いてくれなくて」

苗木「…ふむ」

舞園「その人に対してどうすればいいと思いますか…?」

苗木「その人を好きになるのはやめた方が良いんじゃないかな」

舞園「え?」

苗木「だって誰にでも優しいってことは優柔不断だってことでしょ?良い人っていうけど絶対その人は悪い人だよ…もし舞園さんと結ばれたとしても隠れて違う女と会って不倫してたりするクズだよ」

舞園「そ、そうなんですか…苗木君?」

苗木「何で僕の名前を呼ぶの?」

苗木「実はね…舞園さん」

舞園「何ですか?」

苗木「…僕も好きな人がいるんだ」

舞園「苗木君にも好きな人が…!?」

苗木「…うん、だから僕も恋愛相談してもいいかな?」

舞園「私でよければ…」

苗木「その人はね、凄いカリスマ性の持ち主で多くの人から好かれているんだ…」

苗木「多分その人を知らない人はいないんじゃないかな?って思うぐらい有名だし…特に男の人からは圧倒的人気を誇ってて」

舞園「…うーん」

苗木「常に皆に囲まれているから近づきたくてもなかなか近寄れないんだよね…でも、好きなんだ…向こうは僕のことをどうも思ってないかもしれないけど、こういう時ってどうすればいいのかな…?」

舞園「諦めた方が良いと思いますよ」

苗木「え?」

舞園「その人は男グセ悪そうですし、間違いなく今までに沢山の男とそういう行為をしてきたビッチです…特に人気がある人は大体有頂天になってて性格悪いですし、絶対に苗木君には合いませんよ…そんなのより身近にいる純情な子の方が……」

苗木「そ、そうなの…舞園さん?」

舞園「何で私の名前を呼ぶんですか?」

舞園(どうしよう…苗木君が変な女に捕まってしまって不安です)

苗木(何で舞園さんはそんな最低な男を好きなんだろう…)

舞園「苗木君…その人のことは諦めた方がいいですよ、本当に」

苗木「舞園さんも、その男には近づかない方が良いと思うよ」

舞園「……」

苗木「……」

舞園(何でだろう…何で私が苗木君を好きだってことが伝わらないんだろう)

苗木(こんなにわかりやすく表現したのに、舞園さんは自分のことだと気づいていないの…?)

舞園(そんなことはありません!って否定したいけど、否定したら苗木君を好きなことがバレてしまいますし…)

苗木(舞園さんはそんな人じゃないって庇いたいけど本人の口から言われたらどう反応していいのか分からないよ…)

苗木「と、取り敢えず今度デートに誘ってみるよ!」

舞園「…えっ!?デートに誘うんですか!?」

苗木「うん、それでもしその気がなかったら僕の誘いには乗って来ないだろうし…その時は諦めようかな、と」

舞園「そ、そうですか……なら、私もデートに誘ってみましょうか」

苗木「…えっ!?舞園さんも!?」

舞園「はい、その時に来てくれなかったら…私もその人を好きになるのやめます」

苗木「そ、そっか…」

舞園「はい…」

苗木「じゃ、じゃあお互い頑張ろうね…」

舞園「お互い上手くいくと良いですね…」

苗木「どうしよう…あんなこと言っちゃったけど」

苗木「舞園さんをデートに誘う勇気が…」

苗木「というかそんなことしたら僕が舞園さんのことを好きだってバレちゃうかも…」

苗木「…で、でも男が一度やると言ったからにはやらないと」

苗木「…よしっ、やろう!」

苗木「でも直接誘うのはやっぱり気が引けるから…」カキカキ



舞園「何であんなことを言ってしまったんでしょう…」

舞園「さっきの相談から私が苗木君を誘ったら苗木君のことを好きだと言ってるようなものじゃないですか…」

舞園「でもデートに誘うと言い切ってしまいましたし…」

舞園「…うむむむむ」

舞園「…ん?何でしょう…床の隙間に手紙らしきものが」

舞園「なになに……っ!?」

『○月×日の12時に○×に来てください。 苗木より』

舞園「…こ、これは!?」

舞園「この字、苗木君の字ですよね…偽装じゃないですよね……苗木よりと書かれていますし」

舞園「えっ、これってつまり……」

舞園(苗木君が私のことを好きだったってこと……!?)

舞園「…いや、待ってください」

舞園(確かにさっきの流れからすれば苗木君が私を好きってことになるかもしれないですけど…あくまでかも、ですよね…)

舞園「別の可能性があるはずです…」

舞園「というか、今まで私が散々アプローチをかけても全く反応しなかった苗木君がいきなり私をデートに誘ってくるとか明らかに不自然です」

舞園「やっと苗木君が私の想いに気付いてくれた、とも考えられますけど今までの経験則からその線は薄いでしょう……」

舞園「となると、この手紙は一体…?」

舞園「…わかりましたよ」

舞園(私があまりに苗木君の好きな人をディスり過ぎたから、苗木君の人はそうじゃないと確認してもらうために苗木君が私に向けて出した手紙ですね…)

舞園「…それもどうなんでしょう、苗木君の性格からそういうことをするんでしょうか……他の別の線がある可能性が……」

舞園「ま、まさかこれは苗木君が私に出した物ではなく苗木君の好きな人が私に向けて出した物では…!?」

舞園「苗木君の好きな人は人気者ですし男を侍らせているみたいですから情報通なんでしょう…だから私が苗木君を好きなことも知っていてもおかしくありません…」

舞園「つまり、この手紙は一度苗木君から受け取った苗木君の好きな人が優越感に浸って私に嫌がらせをするために私に出した手紙…っ!ちょっと苗木君に惚れられてるからって調子に乗りやがってこの腐れビッチがっ!絶対に許しませんよ!」

舞園「腐れビッチに苗木君は渡せません!」

舞園(挑発に乗るのは癪ですが私も行かないと…)

舞園「…と、その前に私もデートのお誘いをしないといけませんね」

舞園「苗木君がデートのお誘いをしたのに、私だけしないってのも公平じゃありません」

舞園「相手は腐れビッチかもしれませんが、苗木君は勇気を振り絞って誘ったんです…だから私も誘わないと」

舞園「好きでもない私の誘いに苗木君が乗ってくれるかわかりませんが…あっ、いいこと思いついた……でも、直接言うのは少し抵抗があるので…」カキカキ



苗木「はぁ…やった、やっちゃったよ……」

苗木「もう後戻りは出来ないよね…」

苗木「…舞園さんには好きな人がいるんだし、誘っても来ないと思うけど…デートに誘うって言っちゃったからね」

苗木「言ったことは守らないと…結果はどうであれ、ね」

苗木「…ん?床の隙間から手紙っぽいものが」

苗木「なになに……っ!?」

『○月×日の12時に○×に来てください。 舞園より』

苗木「こ、これは…!?」

苗木「え?何これ…何でこんな手紙があるの?」

苗木「字は、舞園さんの字…だよね?多分」

苗木「…何で同じ日の同じ時間に同じ場所なんだろう?」

苗木「不自然だよね…一度僕が出した手紙と全く同じ内容の手紙を新しく書いて出す意味が分からないよ…」

苗木「落ち着いて考えてみよう……舞園さんはこんなイタズラをするような子じゃない」

苗木「とすると、この手紙は何だ…?」

苗木「…うーん」

苗木「もしかして舞園さんは好きな人と間違えて僕のところに持ってきてしまったとか…?内容の一致は偶然で」

苗木「なんか違うような…」

苗木「この手紙は舞園さんが好きな人に当てて書いたもので、それを受け取った好きな人が僕のところに持ってきたとか…?」

苗木「何でそんなことを…?」

苗木「舞園さんの好きな人が僕に舞園さんとイチャイチャしているのを見せつけるため…?」

苗木「…そうかも…そうだったら本当に嫌な奴だな」

苗木「どこが良い人なんだよ…全然良い人じゃないじゃないか、舞園さん……」

苗木「取り敢えず僕もこの時間に行ってみよう」

……

舞園「…ちょっと早く来ちゃいました、隠れて苗木君の好きな人を探します」

舞園「苗木君の好きな人は何処にいるんでしょう…」チラチラ

舞園「見つけ次第ころ……少し話し合いをしたいと思います」



苗木「少し早く来過ぎたかな…隠れて舞園さんが惚れている男を探そう」

苗木「でも多分男だから女の子よりは早めに来ているはずだよね…」

苗木「それっぽい人は見当たらないけどまだ来ていないのかな…?」

……

舞園「…もう時間ですよ!?全然現れる気配がないじゃないですか!」

舞園「苗木君もいませんし何をやっているんですか!男の子なら早く来るべきでしょう!」



苗木「…おかしいな、誰も来ないよ…」

苗木「舞園さんもまだ来てないし、舞園さんは時間にルーズな子じゃないと思っていたんだけどなぁ…」

???「俺よりアポな奴がいるとはな・・・」

舞園「もういいです…こそこそ隠れて探すのはバカらしいのでやめます」



苗木「ずっと監視してても現れないし、どうなってるんだろ…あの手紙の内容はウソだったのかな?」



舞園「…あっ、苗木君」

苗木「舞園さん…?」

舞園「き、来てたんですか…?」

苗木「う、うん…舞園さんも来てたんだね」

舞園「……」

苗木「……」

舞園・苗木「あ、あの…」

舞園・苗木「…!」

舞園・苗木「お、お先にどうぞ…」

舞園「…で、では私から」

苗木「う、うん…」

舞園「…苗木君はどうしてここに来たんですか?」

舞園(私が誘ったから……?)

苗木「それは…」

舞園「それは…?」ゴクリッ

苗木「…誘ったから」

舞園(好きな人を!?)

苗木(言っちゃったよ…もう舞園さんが好きな人だって本人の目の前で告白したようなもんだ……)

舞園「そ、そうですか…」

舞園(やはり私ではなく、好きな人を……私が苗木君を誘ったから来たのではなく、苗木君が好きな人を誘ったからここに……)

舞園「ぐぬぬ……」

苗木「そ、そういう舞園さんは…?」

舞園「私ですか?私は…」

苗木「……」ゴクリッ

舞園「…私も誘ったからです」

苗木(好きな人を!?)

舞園(これはもう告白しているようなものなんですよ…気付いてくださいよ苗木君!)

苗木「そ、そうなんだ…」

苗木(僕が予想していた通り、舞園さんは好きな人をこの場所に誘ってたから来たのか……僕の手紙とは関係なく)

苗木「……」

苗木(来てみたのはいいけど、僕が来ても邪魔だったんじゃ…)

舞園(どう考えても二人の邪魔者ですよね、私って……で、でもっ!)

舞園「な、苗木君…っ!」

苗木「な、何…?」

舞園「…苗木君の好きな人が見当たらないんですけど」

苗木「…えっ?」

苗木(今僕の目の前に立っているんだけど…)

舞園「どこにいるんですかね…?待ち合わせ時間なので来ているはずなんですが…」

苗木(もしかして、まだ気付いていない…!?)

舞園「時間通りに来ないなんて酷いですよね、とんでもないビッチです…今頃苗木君との約束をほったらかして別の男とズッコンバッコンしてるんじゃないでしょうか」

苗木「…そ、そう言えばさ」

舞園「何ですか?」

苗木「…舞園さんの好きな人も来ていないよね」

舞園「…えっ?」

舞園(目の前にいるんですけど…)

苗木「一度見てみたかったんだけどね…舞園さんの好きな人を」

舞園(ま、まさかまだ気付いていないんですか…!?)

苗木「約束も守れないなんて最低だよ…いや、もしかしたら他の女と約束が被ってそっちを優先したのかもしれないね…やっぱりその男はクズだからやめた方がいいよ舞園さん」

舞園「……」

苗木「……」

舞園(…どうしよう)

苗木(ちょっと言いすぎたかな…)

舞園「あの、苗木君…」

苗木「…何?」

舞園「何でさっき好きな人の居場所を聞いたときに答えてくれなかったんですか…?」

苗木「そ、それは…」

舞園「それは…?」

舞園(まさか、まさかと思いますけど…)

舞園(その好きな人はいないんじゃなくて……)

舞園(今この場所にいて…)

舞園(苗木君と今こうして話している…)

舞園(…私……とか?)

苗木「……」

舞園(だから今もこうして答えられなくて…)

舞園(もしそうだったら…)

舞園(…もしそうだったら)

舞園(今までのやり取りは…)

舞園(何だったんですか…!?)

舞園(答えてくださいよ…苗木君!)

苗木「…答えようと思ったけど答えられなかったんだ」

舞園「…え?」

舞園(こいつ直接脳内に・・・!)

舞園「何故答えられなかったんですか…?」

苗木「…それは、舞園さんが僕が答える前に喋り始めたから話すタイミングを掴めなくて…」

舞園(私のせい…!?)

舞園「ご、ごめんなさい…」

苗木「…う、ううん」

舞園「じゃ、じゃあ私は黙っていますので今答えてもらっても良いですか…?」

苗木「…うん」

苗木(覚悟を決めよう…言うなら今しかない)

苗木「僕の好きな人は…」

舞園「……」ゴクリッ

苗木「僕の好きな人は……」ジーッ

舞園「……」ゴクリッ

舞園(苗木君が私をガン見している……こ、これは…!?)

苗木「………バックレたんだと思う」

舞園「…えっ」

これは萎え木くんだわ

苗木「誘ったのに来てないから……そうとしか考えられないよ」

舞園「そ、そうですか…」

苗木「あはは……振られちゃったんだね、僕」

舞園「……」

苗木「…恋愛相談の時にいったよね?相手はその気がなかったみたいだし僕はこれでその人のことは諦めようと思うよ」

舞園(私的には嬉しいですけど、悲しんでいる苗木君を見るとなんとも言えなくなります…)

苗木「…舞園さんは?」

舞園「え?」

苗木「舞園さんも、好きな人の居場所を聞いたときに答えてくれなかったよね?」

舞園「そ、それは…」

舞園(今目の前にいるって言いたいけど……でも…)

苗木「舞園さんが話す前に僕が余計なことを喋ったから言い出せなかったのかな?」

舞園「そ、そうです…!もう、苗木君はせっかちなんですから…私が説明するまで待って下さいよ」

苗木「今度は僕も黙っているよ…だから教えてもらえるかな?」

舞園「…私もバックレられたみたいですね」

苗木「舞園さんも…」

舞園「はい、失恋しちゃいました……でも、私ももうこれでその人のことを好きになるのはやめます」

苗木「…僕達、失恋した者同士なんだね…」

舞園「…そうですね」

苗木「……」

舞園「……」

舞園・苗木「…あの」

舞園・苗木「…!」

舞園・苗木「お、お先にどうぞ…」

苗木「じゃ、じゃあ僕から…」

舞園「…はい」

苗木「本当は今日デートする予定だったんだけど振られて潰れて時間が空いてるんだよね…舞園さんはこれから何か予定ある?」

舞園「…私も何もありませんよ」

苗木「…そう、だったら…少し一緒に歩かない?」

舞園「…良いですよ?」

苗木「……」

舞園「……」

苗木(誘ったのは良いんだけど…これからどうしよう)

舞園(そう言えば私って、失恋したって設定でしたよね…あまり明るく振舞っていたら不自然でしょうか)

苗木「……」

舞園「……」

苗木(何か話さないと……でも何を話せば…)

舞園(結局苗木君の好きな人は誰だったんでしょうか…聞いてみたいですけど、振られて落ち込んでいる所に追い討ちをかけるような真似はしたくないですし…

苗木(そう言えば、舞園さんの好きだった人は誰だったんだろう…)

舞園(聞きたい、凄く聞きたい…このままだと今夜気になって眠れないかもしれません…でも……)

苗木「…あのさ」

舞園「…はい?」

苗木「…舞園さんの好きだった人って結局誰だったの?」

舞園「…えっ?」

苗木「舞園さんの好きだった人」

舞園(先手を取られた…!?)

舞園「そ、それは…」

苗木「それは…?」ゴクリッ

舞園(酷いです、私が先に聞こうと思っていたのに…)

舞園(で、でもこれはチャンスです……真実を打ち明けるなら今です!)

舞園「私の好きな人は……」ジーッ

苗木「……」ゴクリッ

舞園「………苗木君、デリカシーがないですよ!」

苗木「…えっ?」

舞園「私は失恋して落ち込んでいるんです!なのに何でその原因について聞こうとするんですか!?信じられません!」

苗木「ご、ごめん…!」

舞園(…やってしまいました、せっかくのチャンスが…)

苗木’確かに舞園さんの言う通りだ…僕はなんて無神経な質問をして……)

舞園「……」

苗木「……」

苗木(どうしよう……僕が変な質問したせいで気まずくなってしまった…)

舞園(…普通に答えれば良かった……)

舞園「…そ、そういう苗木君は誰が好きだったんですか?」

苗木「…えっ?」

舞園「苗木君の好きだった人ですよ」

苗木「そ、それは…」

舞園「…それを答えてくれるなら私も答えても…いいですよ?」

苗木「僕が答えたら…舞園さんも答えてくれるの!?」

舞園「…えっ、え?あ、いやっ…!?」

舞園(勢いで何を口走ってるんですか私は……!?)

苗木「そ、そっか…」

舞園(いや、でも苗木君だけに答えさせるのは対等ではありません…ですから私も答えるべきですよね)

舞園「こ、答えますよ!答えてみせます!」

舞園(もうこうなったらヤケクソです!)

苗木(僕が舞園さんを好きだと答えた後で、舞園さんが別の男を好きだと言われたら死ねるかも…)

舞園「…で、誰なんです!?」

苗木「僕の好きな人は…」

舞園「……」ゴクリッ

苗木「…ごめん、舞園さん」

舞園「…え?」

苗木「…ヒントだけでもいいかな?やっぱり答えるのはちょっと…」

舞園(今更何を言っているんですか苗木君…っ!?)

舞園「ま、まぁ良いですけど…」

舞園(出来れば焦らさないではっきり答えて欲しいですけど…それは難しいですよね)

舞園(私もなかなか答えられずにいましたし…)

苗木(ヒントでもこれさえ言えば流石に舞園さんでもわかるよね…?最大のヒントだし…)

舞園「…で、ヒントは何ですか?」

苗木「…アイドルだよ」

舞園「…………アイドル?」ピクッ

苗木(流石にわかった…よね?)

舞園(アイドル、アイドル…アイドル………アイドルッ!?)

舞園「苗木君、それって……」

舞園(もしかして…………私!?)カァァ

苗木(…どうやらやっと舞園さんは分かってくれたみたいだ……ここまでの道のりは本当に長かったよ)

苗木「…そうだよ、舞園さん…」

舞園「…え?」

苗木(あともうひと踏ん張りだ……もうひと踏ん張りで全て終わるっ!)

苗木「僕はね……君の」

舞園「…ま、待ってください!」

苗木「…え?」

苗木(な、何で……?)

舞園(ま、まだ心の準備が……)

苗木(あれ、なに…何で告白するのを止められたの?もしかして僕、告白したら断られるの…?)

舞園「…ちょっと深呼吸します……ふぅっ…」

舞園「…ふぅ」

苗木(今舞園さんが深呼吸しているのは断る理由を考えているから…とか?)

舞園(…落ち着きました)

舞園(……ん?ちょっと待って下さいよ……何でアイドル=私だと思っているんですか?)

舞園(アイドルなんて沢山いるじゃないですか…特に私が駆逐してきた人達をあげたらキリがありません…)

舞園(何で安易にアイドル=私と結びつけてしまったんでしょう……)

舞園…ちょっとヤケクソになりすぎていたせいですね、冷静になって正解でした)

舞園(しかし私以外のアイドルとなると誰なんでしょう…苗木君が知っていて、私以外のアイドルとなると……思いつきませんね)

舞園(そもそも落ちていった人達のことなんかいちいち覚えてませんし……はっ!?)

舞園(もしや、私に敗れていった人の誰かなのでは……?)

舞園(それで私のことを嫉妬していたけど、苗木君に惚れられて…その後、私が苗木君の事を好きなことを知って、あんな嫌がらせの手紙を送りつけてきたとか…)

舞園(…そう考えればなんとなく話が繋がる気がします)

舞園(つまり、苗木君の好きな人は…)

舞園「…わかりましたよ」

苗木「…え?」

舞園「…いや、誰かまでは分かりませんけど」

苗木(何で分からないの!?)

苗木「これ以上のヒントはないと思うんだけど…」

舞園「わからないですけど、わかることがあります」

苗木「…え?」

舞園「苗木君はその人のことを諦めて正解でした」

苗木「な、何で…?」

舞園「その人と付き合っても未来がないからです」

苗木(ど、どういうこと…!?舞園さんは芸能界でなんかヤバいことでもやらかしたの…!?)

舞園(というか、そんな落ちぶれたアイドルを選ぶくらいなら私を選ぶべきなんですよ…苗木君は!)

苗木「えっと…ヒントをもう一つ追加した方が良いのかな?」

舞園「いえ、ヒントは結構です…大体わかりましたから」

苗木「そ、そう…?」

苗木(とてもわかっているようには見えないんだけど…)

舞園「苗木君…私とその人、どちらの方が可愛いと思いますか?」

苗木「…えっ?」

苗木(どっちも舞園さんなんだけど…つか舞園さんしか選択肢がないんだけど…)

苗木「…ま、舞園さんかな」

舞園「どちらの方が人気なアイドルですか?」

苗木「…ま、舞園さん」

舞園「しょ、将来結婚するならどちらの方が良いですか!?」

苗木「えっ、ええっ……!?」

舞園「苗木君っ!答えてください!」

苗木「……ま、舞園さんだよ」

舞園(なら私を選んでくれるのに、どうしてその人のことが好きなんですか!?)

舞園(私を選ばずにその人を選ぶ理由は何なんですか…)

舞園(わけがわかりませんよ…私の方が良いと思っているなら私を好きになる以外ないじゃないですか…)

舞園(…はっ!?もしかして苗木君はその人に何か弱みを握られているとか…?)

舞園(脅されて本当は好きでもないのに、好きとか言って…)

舞園(私にそのことを相談したいんだけど、恐ろしくて相談が出来ないとか…?)

舞園(…許せません、やはり生かしておく価値すらない腐れビッチです…)

舞園(早く見つけてころ…駆逐してやらないと)

苗木(…せっかくヒント出したのに舞園さんは答えまでにたどり着けなかったみたいだね…)

苗木(いっそ今ここではっきり言ってしまった方がイイのかもしれないけど舞園さんはずっと別の人だと思い込んでいるみたいだし…)

苗木(舞園さんの好きな人も気になるし、そっちを先に聞いてみよう)

苗木「舞園さんの好きな人のヒントって何かないのかな…?」

舞園「…え?」

苗木「僕はヒント出したから、舞園さんからも何かヒント出して欲しいな…」

舞園(ヒント、ヒント…良いヒントが思いつきませんね)

舞園「ええい、もういいです…ヒントは193811です」

苗木「…え?何その数字列?」

舞園「文字をひっくり返して見てください」

舞園(流石にこれでわかるでしょう…)

苗木「…うーん、全然わからないや」

舞園「何でわからないんですか!?全部英語に見えるはずですよ!」

苗木「9がGだとしても、8と同じ形のアルファベットなんてないよ…?」

舞園「8はAですよ!」

苗木「そ、そうなんだ…」

舞園(流石にこれで分かりましたよね…?もうわかっちゃいましたよね…?)

苗木「…わかった」

舞園(…今まで長かったです、やっと私の想いに気付いてくれたんですね……苗木君)

苗木「……わかったけど、どういうこと?」

舞園「…何がどういうことなんです?」

苗木「IGEAII……?イゲアイイ…?イゲアって何だろう…海外のホテルかな?」

舞園「それは違います!」

舞園「あと、文字の順番も違いますし!」

苗木「ええっ……じゃあ、IIAEGI……いいあえぎ?」

舞園「それも違います!」

苗木「舞園さんの好きな人は良い喘ぎをするのか……」

舞園「だから違いますって!」

舞園(ああ、もう…っ!どうしてこんなにわかりやすくしているのに伝わらないんですか…!)

舞園「…苗木君、11はIIじゃなくてNです」

苗木「…え?」

舞園「…これで分かりましたね?」

苗木「…NAEGI……なえぎ…?」

舞園「…そうです」

苗木「…え?」

苗木「………え?」

苗木「…………………え?」

苗木(これって、つまり……つまり…!?)

舞園(気付きましたね苗木君…ここまでストレートなヒントだったら気づかないわけがないですよね?)

苗木「……」

苗木(苗木…苗木って僕のことだよな……?普通に考えたらそう、そうなんだけど…なんか引っかかる……)

苗木(本当に僕のことが好きなら、あんな別の好きな人がいる振りはしないよね……僕じゃあるまいし)

苗木(…本当に僕なのか?たまたま舞園さんの好きな人の苗字と僕の苗字が被っただけで、僕の知らない人なんて……こともないのかなぁ)

苗木「舞園さん…」

舞園「…はい」カァァ

苗木(やめよう、もしそうだとしたらこんな遠回しに僕に知らせるわけがないじゃないか……舞園さんを信じよう)

苗木「ぼ、僕も…舞園さんのことが……」ドキドキ

舞園「……」ドキドキ

苗木(…いや、待てよ?一つだけ可能性があったぞ…たった一つだけ……まさか、いや……まさかとは思うけど………でも)

苗木「舞園さんって………もしかして、そっち系の人なの……?」

舞園「…そっち系?って何のことです……?」

苗木「いや、ひょっとして…ひょっとして……舞園さんは………僕の妹に…恋していたんじゃないかなと」

舞園「」

苗木(もしそうだとしたら遠回しに言ったり、ごまかしていたのも頷ける……だって、相手の妹に恋してますなんて普通明かせないからね……しかも同性愛だから余計に言いづらいだろうし)

舞園「何でそうなるんですか!?」

苗木「だって、よくよく思い返せば舞園さんは好きな人がいるって言ってただけで好きな男の人がいるとは言ってなかった気がするし…」

苗木「僕が早とちりして男の子のことだと思っていたんだけど…」

舞園「そんなわけないじゃないですか!?常識的に考えてくださいよ!」

苗木(常識外の才能を持ってるアイドルにそんなこと言われても…)

舞園「…もう」

舞園(どうしたら良いんですか…どうすれば苗木君に伝わるんですか……?)

苗木「…舞園さん」

苗木(酷く落ち込んでいる…やっぱり事実だったのかも……僕、またオブラートに包まないでデリカシーがないことを言ってしまったからそれで……)

舞園(…もしかして、苗木君ってわざとボケてませんか…?)

舞園(あまりにも上手くキャッチボールが出来なくてそうとしか思えないんですけど…)

苗木(ヒント出して伝えるのは不発に終わったけど、それで良かったかもしれないな…)

苗木’もし僕の想いを伝えた後で、同じ血の繋がった妹に惚れてるとか言われてたら多分今頃立ち直れなくなっていたよ…)

舞園・苗木「……はぁ」

舞園(苗木君が意図的に意地悪しているようにしか思えません…)

舞園(そう思うとなんだかイライラしてきました…!)

舞園「苗木君!」

苗木「な、何…?」

舞園「苗木君は鈍感どころじゃなく、超鈍感です!何回こちらからアピールしても無視されて何だかムカついてきたから私がお仕置きします!」

苗木「え、ええっ…何で僕がお仕置きを」

舞園「良いですから目を閉じてください!閉じないと怒りますよ?」

苗木(…既に怒ってるじゃないか)パチッ

苗木「…これでいいのかな?」

……チュッ

苗木「…え?」

舞園「……」カァァ

苗木(今、僕の唇に…何か柔らかいものが触れたような……)

苗木「…舞園さん、今のって………っ!?」ビクッ

舞園「余計なことを考えたり余計なことを喋ろうとしたらまた口を塞ぎますよ?」

苗木「……」ゴクリッ

舞園「…苗木君、私はどうしてこんなことをしたか分かりますか?」

苗木「……?」

舞園「…苗木君が好きだからですよ、好きな人にしかキスなんてしませんし…」

苗木「……っ!」

苗木(やっぱりあれは…舞園さんの……)

舞園「苗木君に遠回しに伝えるのが不可能だと分かったのではっきり言います」

苗木「……」ゴクリッ

舞園「…私が好きな人は苗木君です、苗木君の妹じゃありませんよ?私は苗木誠君のことが好きなんです」

苗木「……っ!」

舞園「苗木君が好きな人は誰ですか…?」

苗木「僕は……僕も舞園さんのことが好きだよ、僕の好きな人は舞園さん…舞園さやかさんだったんだよ」

舞園「そうですか……でも、それだけじゃ信じられません」

苗木「…え?」

舞園「言葉だけじゃなく行動で示してくれませんか?…私のように」

苗木(行動で示してって言われても…)

舞園「…さぁ」

苗木「……」

舞園「…私は、目を瞑りますから」スッ

苗木(…やるしかないのか)

舞園(苗木君、来てください……私に苗木君の想いをぶつけてください)

舞園(…全部受け止めますから)

苗木「…舞園さん」ドキドキ

舞園「……」ドキドキ

苗木(舞園さんの顔がこんなに近くに…)

苗木(舞園さんの可愛らしい唇が目の前に…)

舞園(…苗木君が、息の触れ合う距離にまで近づいてきてる…)

苗木(…僕、もう……)

舞園(…………え?)

山田「……ふぅ」

山田「お互い鈍感でバカップルやってて…」

山田「最終的にはお互いの想いに気づく純愛物は良いですなー」

山田「でもそれだけだとちょっと物足りない気がしますな…」

山田「何かひと捻りした方が良いかもしれませぬ…」

舞園「な、苗木君…!」

苗木「…え?」

舞園「…ちょ、ちょっと待ってください」

苗木(な、何で止められたの……?ここまできて…)

苗木(舞園さんが行動で示せっていったからそうしようと思ったのに……も、もしかして拒絶の意思表示?)

舞園「…あ、あれを見てください」

苗木「あれって……っ!?」

苗木(あれは山田君…!?)

舞園「こっちに向かってきて歩いてきているんです……私達の存在には気付いていないみたいですけど」

苗木「そ、そうみたいだね……あの大荷物は何だろう?)

舞園「あれはきっと同人誌即売会から帰ってきている途中なんでしょう……沢山の本に触れて悶えながら次書く新作の妄想でもしているんですよ」

苗木「な、なるほど…」

舞園「…今ここにいたら、こうして苗木君と二人でいるのが見られるかもしれません…ですから一旦離れましょう」

苗木「離れるって何処へ…?…わ、わわっ……舞園さん!?」グイッ

舞園「こっちです、苗木君!」

舞園(流石に私も知り合いの目の前でするのは恥ずかしいです…)

舞園(ですからどこか人目のつかないところで…)

苗木「ちょ、ちょっと舞園さん…っ!?」

苗木(舞園さんはどこに行くつもりなんだろう…?)

舞園(…って、今思えば私……苗木君と手を繋いでませんか!?)

舞園「……」カァァ

舞園(さっきは勢いで飛び出したので何も考えてませんでしたが…私、苗木君の手を握って……)

舞園「……」ピタッ

苗木「ちょ、舞園さん…!?」

苗木(思いっきり僕を引っ張っていたのにいきなり止まられたら……!?)

舞園「…え?きゃあっ…!?」

バタバタッ

苗木「…っつぅ……ご、ごめん舞園さん…大丈夫?」

舞園「…は、はい……大丈夫……ですけどっ!?」

苗木(こ、これは……!?)

苗木(僕が舞園さんを押し倒しているような体制に…!?)

舞園(苗木君が私に伸し掛かろうとしているような体制に…っ!?)

苗木(そ、それに舞園さんの服の隙間から谷間が見えたり…)ジーッ

苗木(お腹辺りで少し服が捲れておへそが顔を出してたり…)ジーッ

苗木(スカートも少し捲れて中が…見えそうで見えなかったり)ジーッ

舞園「…さ、さっきからどこをジロジロ見ているんですか!?」

苗木「ご、ごめん…!」

苗木(そんなこと言われても、こんなものを見せられたらついつい見ちゃうよ……僕だって男の子なんだから)

舞園(苗木君に完全に塞がられて起き上がろうとしてもできません……いえ、これはむしろ好都合です!)

苗木「…今すぐ、どくから…」

舞園「ま、待ってください!ど、どかなくても良いです…」

苗木「…え?でも…」

舞園「…さっきの続きをしてください」

苗木「こ、この体制で……っ!?で、でもさっきはジロジロ見るなって……」

舞園「み、見るなとは言ってません……!そ、それに……見られるだけでは嫌です…で、ですから……」

キタ━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)━━━!!
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貴一「これ、何だと思う?」
苗木「やめて!言わないでっ!」

舞園「…わ、わかりますよね苗木君?」

舞園(ここまで言えば流石に…)

苗木「…う、うん」

苗木(舞園さんは僕に……してほしいってことだよね?)

舞園(良かった……ちゃんと伝わっていたみたいです)

舞園「…め、目を閉じますね…」スッ

苗木「……」ゴクリッ

舞園(…さぁ、もう一回さっきと同じように…)

苗木「…じゃあ、いくよ…舞園さん」

舞園(苗木君が私に……)

舞園「…んっ……」

苗木「……」

舞園「……んっ?」

舞園(…おかしいですね、苗木君が一向にキスしてくる気配がないんですけど……)

舞園「…苗木君、何をして………っ!?」

苗木「…え?」

舞園「…苗木君、何をしているんですか?」

苗木「…舞園さんの服を脱がそうと」

舞園「どうして私の服を脱がそうとしているんですか…っ!?」

苗木「…えっ、え!?」

舞園(さっきの流れから何で服を脱がそうと思ったんですか、苗木君は…!?意味がわかりません…)

苗木(舞園さんは見るなとは言ってなくて…)

苗木(でも見られるだけは嫌って言ってたから…)

苗木(今のチラリズムしてる中途半端な恰好はあまり見て欲しくなくて…)

苗木(だから見るなら、服を脱がして私の全てを見てってことだと思っていたんだけど…)

苗木「ち、違うの……?」

舞園「違います!い、いや…違わないですけど!」

苗木(ど、どっちなの……?)

舞園(最終的には脱がして欲しいですけど……順序が違うと思います!)

舞園(普通はキスし合ってからでしょう…!?なのに先に脱がすなんて…)

舞園(それに、今ここで脱がされるのは正直恥ずかしいです…)

舞園(誰もいない二人だけの空間とかでしたら良いんですけど…)

舞園(もし、この状況を誰かに見られでもしたら……)

霧切「……」

舞園(……見られでもしたらっ!?)

霧切「…何をしているのかしら?」

苗木「…えっ、霧切……さん?」

舞園(…まさか、本当に他の人に見られるなんて……しかも知り合いの人に…)

苗木「ち、違うんだよ霧切さんっ!これは…」

霧切「何がどう違うのかしら…?」

苗木「そ、それは…」

苗木「これは事故なんだよ!」

舞園「そ、そうです!事故なんですよ!」

霧切「舞園さん、苗木君をかばうためにウソをつかなくてもいいのよ」

舞園「う、ウソじゃ……」

苗木「本当に事故なんだよ!信じてよ霧切さん!」

霧切「…わかったわ、信じましょう」

苗木「ありがとう、霧切さん…」

霧切「苗木君が舞園さんを押し倒したのは事故なのね?」

苗木「そ、そうだよ」

霧切「苗木君が舞園さんの服に手をかけているのも事故なのかしら?」

苗木「そ、それは…」

霧切「他人の服を脱がそうとする事故なんて偶然に起きるものなのかしら…?ねぇ、どうなの苗木君?」

苗木「…ち、違うって言ってるのに…っ!」ダッ

舞園「…あっ、苗木君…!?」

霧切「…逃げたわね」

舞園(苗木君……)

霧切「…舞園さんも起きたら服を正して」

舞園「…え、あ…はい」

霧切「貴方はアイドルなんだから節度を保った服装をしていないとダメよ」

舞園「ご、ごめんなさい…」

霧切「そんなはだけた格好をしていたら、いつまた苗木君みたいな人に襲われるか分からないわ」

舞園「別に私は苗木君に襲われたわけじゃないんですけど…」

霧切「…そう?」

舞園「そうですよ、あれは本当に事故なんです…」

舞園(押し倒したところまでは、ですが…)

霧切「本当にそうなの…?だとしたら私は苗木君に悪いことをしてしまったわね…」

舞園「霧切さんも苗木君がそういうことする人じゃないって知っているでしょう?」

霧切「…そうね、ちょっとあの状況を見て少し焦って動揺していたから思わずあんなことをいってしまったのかもしれないわ」

舞園「…え?」

舞園(霧切さんが焦って動揺……どうして?)

霧切「なんでもないわ…じゃあ私はもういくから、また苗木君に会った時に謝っておかないとね」

舞園(もしかして、霧切さんって…)

舞園「…あの」

霧切「何かしら?」

舞園「霧切さんって……誰か好きな人がいたりするんですか?」

霧切「…っ!?と、唐突ね……私の好きな人?」

舞園「はい」

霧切「…いるわよ」

舞園「…誰なんです?」

霧切「それは答えられないけど…強いて言うなら」

舞園「……」ゴクリッ

霧切「…鈍感で優しくて、人一倍運が良い人かしら…」

舞園「……」

舞園「…………」

舞園「………………え?」

霧切「じゃあもう行くから、舞園さんも事故に合わないように気をつけてね」

舞園(それって、つまり…)

舞園「…いや」

舞園(その前に苗木君を探さないといけませんね…)

舞園「苗木君はどこにいったんでしょうか…」



苗木「うっ……」

苗木(まさか、霧切さんに見られるなんて…)

苗木「しかも誤解してたし…」

苗木「きっと今頃他の人にも話が広がっていってるんだろうな…」

苗木「他の人からもアイドルを襲った変態だと思われてドン引きされて…」

苗木「そして誰も僕の言葉に耳を傾けなくなって、顔も合わせてくれなくなって……一人ぼっちになって……」

苗木「皆から嫌われて、嫌がらせをされたり酷い仕打ちを受けたりして…」

苗木「……もう嫌だ」

苗木「……………そうなるぐらいなら、そうなる前に死んでしまおうか」

苗木「でも死ぬなら苦しまずに死にたいな…」

苗木「どうしたら苦しまずに死ぬことができるんだろうか…」

苗木「…やっぱりこういう時は経験者に聞いた方がいいよね」

苗木「…いや、自殺経験者とかいるわけないか」

苗木「自殺してたら生きてないんだから感想が聞けるわけないよね…」

苗木「…どうしよう」



舞園「苗木君が見つかりません…」

舞園「どこにいるんでしょうか…」

舞園(こういう時に苗木君が行きそうな場所って……)

舞園「…思いつきませんね」

舞園(苗木君、どこにいったんですか…?)

苗木「そうだ、こういう時はあの人に頼めば…」

江ノ島「…で、私になんか用?」

苗木「…僕をお仕置き欲しいんだ」

江ノ島「…はぁ?何で?苗木、死にたいの?」

苗木「うん」

江ノ島「…そう、なら仕方がないわねー私がお仕置きしてあげるわよー♪ギャハハハハハ!」

苗木「ありがとう、江ノ島さん」

江ノ島「……」



ガシャーンガシャーンガシャーンッ

苗木(…ああ、やっと死ねる…)

ガシャーンガシャーンガシャーンッ

苗木(良かった…もう生きるのが嫌だったから………さよなら、皆…そして、舞園さん)

ガシャーンッ……

苗木「………え?」

苗木(何で止まったの……故障?)

苗木「江ノ島さん、どうしたの……?」

江ノ島「うーん、なんていうか苗木は絶望しすぎ!」

苗木「…え?」

江ノ島「何があったのか知らないけどさー、私にお仕置きお願いするときにありがとうとか言っちゃうし…正直今の苗木みたいな奴をお仕置きするのはつまらないのよねー」

苗木「つまらない…?」

江ノ島「そうそう、絶望しきってる人を殺しても全然面白くないじゃん?希望持ってる奴が絶望的に死んでいく姿を見るのが楽しいわけよ、わかる?」

江ノ島「だからー私は今の苗木は殺せないなー」

苗木「そ、そんな…」

苗木(…つまり、今の僕は殺す価値すらないってこと……?)

江ノ島「つか殺さない方が面白くね?」

苗木「…え?」

江ノ島「だって絶望的に生きてる姿とか素敵じゃん?今の苗木は最高にカッコイイよ!ギャハハハハハハ!!」

苗木「…もういいよ」

苗木(江ノ島さんに頼むんじゃなかった…)

苗木(江ノ島さんがダメなら…もう、自分でするしかないじゃないか)

江ノ島「苗木どこ行くのー?」

苗木「ちょっと出てくるだけだよ」

江ノ島「そう、いってらー」

苗木(高いところから飛び降りよう…そうしよう……そうすれば一発で死ねるはずだ…)



苗木「……」

大神「…む、苗木」

苗木「…大神さんか」

大神「どうした、元気がないが…?」

苗木「…何でもないよ」

大神「…そうか」

苗木「……」タッタ

大神(…苗木の様子が何か変だ……)

舞園「…苗木君、本当にどこに行ったんでしょうか…」

舞園「苗木君の部屋にもいませんでしたし…」

舞園「これだけ探しても見つからないと……」

舞園(…さっきのことを気にして、変なことをしていなければいいんですが……)

舞園「…あ、大神さん」

大神「…ぬ、舞園か」

舞園「ここら辺で苗木君を見ませんでしたか?」

大神「苗木か、苗木はあの高い建物に向かっていったぞ」

舞園「…高い建物へ?」

大神「うむ、あと様子が変だったが…」

舞園(様子が変……?)

舞園(…なんか、嫌な予感がします……急がないと!)

舞園「大神さんありがとうございます!では!」ダッ

大神「お、おい舞園…!」

大神(二人共一体どうしたというんだ……)

苗木「…いい景色だなぁ…」

苗木「これが僕にとって最後の光景になるのか…」

苗木「…それも悪くないね」

苗木「……さぁ、飛び降りて全てを終わらせよう」

苗木「……さよなら皆、…そして舞園さん」

舞園「待ってください!」

苗木「…え?ま、舞園さん…?」

舞園「…探しましたよ」

苗木「どうしてここにいるの…?」

舞園「それはこっちの台詞です!何をしているんですか?」

苗木「いや、自殺しようと…」

舞園(何でさっきの出来事が自殺にまで発展しているんですか!?)

舞園「自殺しないでくださいよ!てか何で自殺しようなんて思ったんですか!?」

苗木「僕なんて生きてる価値がないから…」

舞園「いやいや、何を言ってるんですか!?」

苗木「…僕はもうダメなんだよ、手遅れなんだ…」

舞園(苗木君、欝になりすぎじゃないですか…!?)

苗木「…ごめんね、舞園さん…今まで迷惑をかけて」

舞園「…え?」

苗木「今、飛び降りて逝くから…」

舞園「そ、そうはさせませんよ!」

苗木「やめてよ!近寄らないで!僕なんか死んだ方がいいんだ!」

舞園(…ど、どうすれば……はっ!)

舞園「そ、そうですか…なら私にも考えがあります」

苗木「な、何をやっているの…舞園さん、そんなところに立ったら危ないよ…?」

舞園「苗木君が死ぬのなら私も死にます!」

苗木「…え?」

苗木「どうして…?僕が死ぬからって舞園さんまで死ぬ必要はないんじゃ…」

舞園「そんなことありませんよ!」

苗木「…えっ?」

舞園「私は好きな人が死んだ世界で生きたくありません、だから苗木君が死ぬなら私も死にます!」

苗木「ま、舞園さん…」

舞園(どうしてこんな状況になったのかよlく分かりませんけど、今はこれが一番有効な手だと思います…)

舞園「さぁ選んでください、私と現実で生きるか……それとも死ぬか」

苗木(選べって言われても…)

舞園「…どうするんです、苗木君?」

苗木(…そんなの決まってるじゃないか)

苗木「…ごめん、舞園さん」

舞園「…え?」

舞園(何で謝られるんですか…?)

舞園(も、もしかして苗木君は飛び降りる気なんですか…?)

舞園(勢いであんなことを言ってしまいましたが、私…死にたくないんですけど!?)

舞園(というか、今この立ってるのも超怖いですし……足が震えていますし…)

舞園「…苗木君、考え直してもらえませんか…?」

苗木「…え?」

舞園(やっぱり心中はちょっと…)

苗木(考え直すって…僕は飛び降りるのをやめようと思ったんだけど…?)

苗木(どういうこと……もしかして、舞園さんは僕と死にたいの?)

苗木「……」

舞園「……」

苗木(舞園さんがすっごい期待の眼差しでこっちを見ている気がするんだけど…)

舞園(一緒に死のう、なんて言わないでくださいよ……?絶対に言わないでくださいよ…!?)

苗木(舞園さんの、好きな人が死んだ世界で生きたくないって言葉を聞いて心が揺れたし…)

苗木(やっぱり死なずに舞園さんと一緒に生きたいと思ったんだけど…)

苗木(何でそんな僕の自殺宣言を急かすかのような目でこっちを見てくるの…?)

舞園(苗木君、早く答えてくださいよ…私はこんな場所に長く立っていると怖くて泣きそうです…)

舞園「……」チラッチラッ

舞園(ひ、ひえええ……こんな高さから落ちたら間違いなく死んでしまいますよ…)ビクビク

苗木「……」

苗木(今、下を見たよね…二回も……)

苗木(まさか、早くここから落ちたくてウズウズしてるってこと……?)

舞園「…苗木君」

苗木「…な、何?」

舞園「…早く決断してくれませんか?」

舞園(…もう立ってるのが辛いです…)

苗木「…う、うん」

苗木(…舞園さんには悪いけど)

苗木「…ごめん、舞園さん」

舞園「…え?」

苗木「…僕、どうかしてたよ…」

苗木「舞園さんの言葉で目が覚めたんだ…もし、舞園さんが止めに来なかったら今頃僕は自殺していたかもしれない…)

苗木「…だから、本当にありがとう」

舞園「……っ!」ガクッ

苗木「…え?」

舞園(良かった…苗木君が、自殺を選ばなくて……というか、もう立っているのは限界でしたし…)

苗木(何で今膝から崩れ落ちたの……?もしかして、僕が生きる方を選んだから…?舞園さん、そんなに僕と死にたかったの…!?)

舞園(…ふぅ、命拾いしました……)ホッ

苗木「…ま、舞園さん」

舞園「…もう、苗木君は…いきなり自殺するなんて言わないでくださいよ」

苗木「…う、うん?」

舞園「びっくりしたじゃないですか…本当に」

苗木「ご、ごめん…」

舞園「…とにかく無事で良かったです、今は早くこの場から離れましょう…」

苗木「…え?」

舞園「こんなところに長くいると恐怖でおかしくなりそうです…何故自殺しようと思ったのかはあとでじっくり聞きますからね?」

苗木「あれ、舞園さんは自殺したがっていたんじゃ……?」

舞園「んもう、なーにふざけたことを言っているんですか?そんなわけないじゃないですか!」ドンッ

苗木「そ、そうだよね…なんだ、僕の勘違いか……あはははは」

舞園「………あっ」

苗木「………えっ?」

苗木(なんだろう…謎の浮遊感が……)

苗木(おかしいな…踏むべき床がないような……)

苗木「って……う、うわああああああああああああああああああ!!??」

舞園「苗木君!!」ガシッ

苗木「…あ、ああっ…!?」

舞園「…んぐっ」ズシッ

苗木(…と、止まった……)

苗木「…ま、舞園さん」

舞園「……ぐぅっ」

舞園(お、重い…手がちぎれそうです……)

苗木(助かった……けど)

苗木(さっきの舞園さんが押してきたのって……)

苗木「やっぱり、舞園さんは僕と心中したくて……」

舞園「心中したかったら今こうして苗木君の手を引っ張り上げてるわけないじゃないですか…この状況でふざけないでください」

苗木「そ、そうだね……ご、ごめん」

舞園「……んぅっ!」

舞園(私の力では苗木君を支え続けることができそうにありません…)

苗木「…ま、舞園さん…無理なら離しても良いんだよ?」

舞園「離しませんよ……離したら苗木君が死んじゃうじゃないですか」

苗木「……いや、でもこのままだと舞園さんの手が…」

舞園「…私の腕一本を気にするより、まず自分の命を気にしてくださいよ…」

苗木「…いや、ほら…僕は超高校級の幸運だからなんとか助かると…思うよ?」

舞園「こんなところから落下してどうやって助かるというんですか…?」

苗木「……」

舞園「……」

苗木(…こういうのって絶体絶命っていうのかな…)

舞園「…もうっ、限界です…」

苗木(ああ、死ぬんだ…僕……一度生きようと思い直したのに)

舞園「……こうなったら、私もっ!」ズルッ

苗木「……え?」

(;^ω^)

はよ合体して俺を寝せてくれ>>1

苗木(いや、いやいや…!?)

苗木「何で…!?何で舞園さんも一緒に落ちてるの!?」

舞園「…苗木君を一人にしたくありませんでしたから」

苗木「意味が分からないよ!手を離せば僕は死んでも舞園さんは助かったのに何でわざわざ一緒に落ちてきてるの!?」

舞園「苗木君一人だけ逝かせませんよ!逝く時は一緒です!」

苗木「やっぱり僕と心中したかったんじゃないか!」

舞園「それは違いますよ!…いや、合ってますけど!」

苗木「どっちなの!?」

舞園「両方です!」

苗木「わけがわからないよ!」



大神「…む、あれは……苗木と舞園…!?」

大神「何故あんな場所に…!?」

大神(まずい、急がねば……)ダッ

苗木「…舞園さん、これから僕達は死ぬんだけどさ」

苗木「何か言い残したことある…?」

舞園「…何でしょうね、苗木君に色々言いたいことはあるんですけど」

舞園「…言いたいことがあり過ぎて、逆に何を言えばいいのか分かりません」

苗木「…僕はそうだな、舞園さんと結婚して幸せな家庭を築きたかったかな」

舞園「どうして今それを言うんですか!?」

苗木「これから死ぬからだよ!」

舞園「私も、苗木君と何度も愛を確かめ合いあって沢山子供も作って幸せな人生を歩みたかったです」

苗木「何でそれを今言うの!?」

舞園「今から死ぬからですよ!」



大神「…ぬぅっ!」

大神(これは……ダメだ、間に合わんっ!)

大神(何か…何か二人を助ける術はないのか……っ!)

大神「…む、あれは……!?」

殺伐としたスレにホウオウが!
ピジョット
ルギア
レックウザ(AA略

苗木「…舞園さん」ギュッ

舞園「苗木君…」ギュッ

苗木「一度、ここでお別れになってしまうけど…僕達の関係は終わりじゃないからね?」

舞園「もちろんですよ、私達は一度離れたとしてもまた会って結ばれる運命なんですから…」

苗木「あの世か、来世で…また会いにいくからね」

舞園「待っていますから、必ず会いに来てくださいね…」

苗木「…舞園さん、愛してるよ」

舞園「…苗木君、私もです」

……チュッ











グシャッ

   |.  ``   -┼、\   /   .   ト-.   ヽ、_. -┼-   才,_   |
   |       / |    / ,-,     |     /    -┼-   /|/  ) .|
   ヽ_/  ./  J    ι'  し'   α^ヽ. ヽ (____. αヽ.    |  (_  .o

          \   +    +     *        /
           \    .n:n       nn +  /

  _____      nf|||       | | |^!n  ___
       ̄ ̄ ̄ ̄   f|.| | ∩        ∩|..| |.|       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           /   |: ::  ! }<●><●>{! ::: :| +\
          /     ヽ_,イ       ヽ  :イ    .\
        /           u  u          .\

山田「…ふぅ」

山田「心中ENDは良いですなぁ…」

大神「山田ッ!上を見ろッッ!!」

山田「…んんー?今どこからか大神さくら殿の叫び声が聞こえたような……上ですか?上に何が……っ!?」

山田「って、あれは苗木誠殿と舞園さやか殿…っ!?何故僕に目掛けて落下してきて……フゴッ!?」

グシャッ

バイーンバイーンバンバンッ……

苗木「……っ」

舞園「……っ」

苗木「…あ、あれ……助かった?」

舞園「何で……?」

苗木(というか、なんか跳ねたような気がするけど…)

舞園(あれは一体何だったんでしょうか………っ!?)チラッ

山田「」

苗木(山田君が僕達のクッションになってくれたの……!?)

大神「二人共、無事か…?」

苗木「大神さん…!?」

舞園「私達は無事ですけど、山田君が…」

山田「」

苗木「これは、死んでいるんじゃないかな…」

大神「ふむ………いや、大丈夫だ……気絶しているだけで、まだ生きている」スッ

苗木「い、生きてるんだ…」

舞園「…それなら良かったです」

大神「しかし何故、二人はあんな場所から落ちてきたのだ…?」

苗木「あれは……舞園さんが僕を突き落として」

舞園「…ちょ、何言ってるんですか!?あんなところにいた苗木君が悪いんですよ!」

苗木「僕のせい!?」

舞園「そうです!私のせいじゃありません!」

大神「…まぁいい、我は山田を運んで行くが、二人はどうするのだ…?」

苗木「僕達は…」

          ( *‘ω‘)
           |  |○(ll 二lコl===i━ Σ=-=-=-=-

       ,、 ,=ll、--- =イ二二二l_z__,-、 ___,,
    i!l ̄|__l__l__l__l_l_|::l'-----''l:l /~`ー 、- 、 ` ヾ-__,,                __
    l!l__,,|__l__l__l__l_l_|::|二二二|:l ,__,, ゛, '88 ヽ_,,)_l二二i二二i二二二i二二li__l!二l二l二lニl

       ~`ー─----z:: ::: :: :: ::__,___、_____ヽ'
        /ニニニ/(o)l≡ニニl=====lニニ≡l(o)\ニニニ\
        l 二二l:;l(ニニニニニニニニニニニ)l::l 二二 l
       /___l!   l     l      l   l l!___ヽ
        i三三l_j  ヾ,     l     ノ   i_ l三三l
          l三三i~ ̄ l  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l  ̄~'l三三l
         i三三l、},,},ノ            ゝ{,,{,,l三三l

苗木(あの後、部屋に戻ってきたけど……)

苗木「…何で、舞園さんまで僕の部屋に?」

舞園「何言ってるんですか、婚約した仲なんですから部屋を共有していても不思議じゃないです」

舞園「言ってくれましたよね、苗木君?私と結婚したいと」

苗木「…う、うん」

苗木(まぁあの時は死ぬと思ったから最後にぶっちゃけたというか…)

苗木「…そ、そういう舞園さんも言ってたよね…何度も愛を確かめ合って子供を沢山作りたいって」

舞園「…え?」

苗木「そんなに何回もやりたいの…?舞園さんって意外と性欲強いんだね…」

舞園「そ、そうですよ!いけませんか!?」

苗木「…え?」

舞園「私は何度も苗木君とやりたいんですよ!やりたくてやりたくてたまりません!私は苗木君が好きなんですもん、しょうがないじゃないですか!というか好きな人と何度もやりたいと思うのは普通でしょ!?それのどこがダメなんですか!」

苗木(な、なんか自己正当化し始めたぞ…)

舞園「そういう苗木君は私としたくないんですか!?」

苗木「…え?」

苗木「僕は…」

舞園「私はアイドルですし、アイドルとしたいと思う人は大勢います…そんな誰もがそう思うような人気アイドルの私と苗木君は両想いなんですよ?内心したくてしたくてたまらないんじゃないですか!?」

苗木「…それは違うよ」

舞園「…え?」

苗木「…僕は舞園さんがアイドルだから好きなんじゃなくて、舞園さんが舞園さんだから好きなんだよ…」

舞園「あ、ありがとうございます……そして、なんかごめんなさい」カァァ

苗木「だから僕はアイドルだから、じゃなくて舞園さんだから……やりたいんだ」

苗木「…僕も舞園さんとやりたくてやりたくてたまらないよ」

舞園「…苗木君、だったら我慢しないでください……」

苗木「…いいんだね?」

舞園「…はい、全力で受け止めますから…」

苗木「…舞園さん」ドンッ

舞園「…あっ」バタッ

舞園(苗木君にベッドの上に押し倒されて…)

苗木「……」ゴクリッ

苗木(ま、まずキスからだったよね…?)

舞園「……」ドキドキ

舞園(苗木君の顔が近づいて……目を閉じないと)スッ

苗木「……」ドキドキ

苗木(これで今日三度目のキスだよ…)

苗木(この後も何回もするのかな……)

舞園(…苗木君が、息が吹き掛かる距離にまで詰めてきて…)

苗木(舞園さん、いくよ……)

苗木「…………ん?」

舞園(あ、あれ……また、苗木君の唇がくっついてこない……?)

苗木「……」スンスンッ

舞園「…ひゃっ!?」

舞園(に、匂いを嗅いでる……!?)

苗木「…舞園さん」

舞園(苗木君は、実は匂いフェチだった……とか!?)

苗木「……何だか汗臭いね」

舞園「……え?あ、ああ……苗木君を止めに行くときに全力疾走してましたから…その時に汗をかいてしまったんだと思います」

苗木「…そうなんだ」スンスンッ

舞園(また匂いを嗅いで……!?)

舞園(これはあれですか、舞園さんの汗…凄く良い匂いだよ!とか…)

舞園(汗臭い舞園さん…最高だよ!とか変態的なことを言っちゃうつもりですか…!?)

苗木「…ごめん、舞園さん」

苗木「……やっぱり一旦風呂に入ってからでもいいかな?」

舞園「…え?」

苗木「僕も気づかないで僕自身も匂うかもしれないからさ…」

苗木「一旦身体を綺麗にしてからでも…」

舞園「そ、そうですね…」

舞園(苗木君は匂いフェチじゃなかったんですか…)

苗木「…どうする?舞園さんが先にシャワーを浴びる?」

舞園「…いえ」

苗木「じゃあ僕から先に浴びた方が良いかな…?」

舞園(何で苗木君は私と一緒に入るって発想がないんですか!?)

舞園(それに、入るにしてもシャワー室では少し狭いですし…)

舞園(…なら)

舞園「…苗木君、浴場に行きませんか?」

苗木「…え?」

苗木(…浴場についたけど)

苗木「…じゃあ僕は男湯に入るから」

舞園「待ってください!何で男湯に入るんですか!?」

苗木「…え?何でって……僕男の子だし」

舞園「私は苗木君と一緒にお風呂に入りたいんですよ!いい加減私の気持ちを察してくださいよ!」

舞園「てことで女湯に入ります!」

苗木「…えっ、でももし誰かに見つかったら…」

舞園「それにこの時間帯に入る人は恐らくいないでしょうし……中も確認してきます」ダッ

舞園「…誰もいませんでしたから大丈夫です、さぁ女湯に入りましょう」グイッ

苗木「…え、ええっ!?」

舞園「…では、私は脱ぎますので……こ、こっちを見ないでくださいね」クルッ

苗木「…う、うん…僕も脱ぎ始めるよ…」クルッ

舞園(いや、こっち見ても良いんですけど…むしろ、見て欲しいんですけど……まぁどうせこれから見られるので構いませんね)ヌギヌギ

苗木(…後ろには全裸の舞園さんがいるのか……そして、これから舞園さんと混浴を…)ゴクリッ

舞園「……もう、こっち見ても良いですよ?」

苗木「…う、うん…あ、ちょっと待って」

舞園「…何です?」

苗木「ど、同時に向き合わない…?」

舞園「…べ、別に良いですけど」

苗木「…な、なら…いっせーのーでっ!」クルッ

舞園「……」クルッ

苗木(身体にタオル巻いてる……)

舞園(…流石に下は巻いていましたか)

苗木(ちょっと全裸を期待してたんだけど……まぁ普通はそうだよね)

舞園(…まあいいです、あとで洗い合いっ子するときに剥がしてしまえば……)

舞園「…じゃあ、中に入りましょうか」

苗木「…う、うん」

苗木(入ったことなかったけど、中は男湯とあまり変わらないんだな…)

舞園「…じゃあ苗木君、さっそくお互いの身体を洗い合い子しましょうか」

苗木「…え?」

舞園「何を驚いているんですか?婚約している仲なら別におかしくないじゃないですか」

苗木「…で、でも」

舞園「でもも何もありません!これは強制ですよ苗木君!」

苗木「…えっ、ええっ…」

苗木(確かに舞園さんの身体に直に触れてみたいけど……僕の身体を触れられるのはなんか緊張するな…)

舞園(触れたい…苗木君の身体に早く触れたい!そして、私の身体も苗木君に思う存分弄られたいです…)ハァハァ

苗木「そ、そうだ…じゃんけんしない?どっちが先に洗うかをさ…」

舞園「…じゃんけん?ま、まぁ良いでしょう」

舞園(出来れば両方同時に洗い合いをしたかったんですけど、片方ずつでも構いません…)

苗木「それじゃ…するよ?じゃんけんっ…ぽんっ!」

舞園(わ、私が負けた……!?)

苗木(か、勝っちゃった……)

舞園「なら先にお願いしますよ、苗木君」ピラッ

苗木「ちょ、ちょっと待って!」バッ

舞園「…はい?」

苗木「別に今タオルを外さなくていいから…先にそこに座ってもらえるかな…?」

舞園「…わ、わかりました」ストッ

苗木(確かに舞園さんの全裸は見てみたいけどなんか、恥ずかしいなぁ…)

舞園(…もう、全裸を見たいくせに何でそんなに恥ずかしがる必要があるんですか…苗木君は可愛いですね)

舞園「…で、どこから洗ってもらえるんですか?」

苗木「…う、うーん」スッ

苗木(どこから洗えば良いんだろう…)スゥッ

舞園「……」

舞園(さっきから苗木君が私の身体の左右に手を出したまま、上がったり下がったり止まったりしています…どこから洗うか迷っているんでしょうか)

舞園「…苗木君、なんだか手の動きがいやらしいですよ」

苗木「…ご、ごめん!」

舞園「…ふふふ、冗談です」

舞園「どこからでも良いですから、早く決めてくださいね」

苗木「…う、うん」

苗木(…やっぱり、手からかな……それとも足から……)

舞園「……」ムズムズ

舞園(…遅い、遅いです苗木君……早く私のあそこをまさぐって下さいよ!別に胸を揉みながら洗ってくれてもいいですが…)

苗木(早くしないと、舞園さん待ってるし……で、でも)

舞園(……だぁーっ、もう!)

舞園「苗木君遅いです!」ガシッ

苗木「…え?ま、舞園さん…!」

舞園「決められないのなら、胸から洗ってください!」グイッ

苗木「…ちょっ!?」ムニュッ

舞園(やっぱりお楽しみは最後にとっておきます…、先にまず胸から洗ってもらいましょう)

苗木(僕の手が舞園さんのおっぱいに触れてっ…!?)

ガラガラッ

霧切「…………えっ?」

苗木「……えっ」

舞園「……えっ?」

苗木(き、霧切さん……!?)

霧切「…おかしいわね、ここは女湯だったはずなんだけど…」

苗木(見られた、また見られた……!)

霧切「……」

ガラガラッ

苗木「あ、あれ……出て行った?」

苗木(どうしたんだろう……)

舞園「苗木君、安心するのはまだ早いですよ!早くこっちに!」

苗木「う、うん…!」

ガラガラッ

霧切「やっぱり女湯の札が掲げてあったわ」

霧切(…あら?苗木君が消えた……?)

舞園「……」

霧切(さっきまでここにいたはずなのにどこに行ったのかしら…)

霧切(出口はここしかないから抜け出せないはずなんだけど…)

霧切「舞園さん、苗木君を見なかったかしら…?」

舞園「苗木君…?いや、見てませんけど…」

霧切「さっき苗木君に身体を洗ってもらっているように見えたんだけど…」

舞園「何を言っているんですか?そんなわけないじゃないですか…ここは女湯ですよ?苗木君がいるわけないですし、幻覚でも見たんじゃないですか?」

霧切(どうしてそんなに白を切れるのかしら…)ジーッ

霧切「舞園さん、貴方はどうしてそんな奥の方に入っているのかしら…?」

霧切(しかも少しだけ空間を開けて)

舞園「…奥の方が好きなんですよ、私」

霧切「…そう」

霧切(苗木君は貴方の背後に隠れているのね…)

霧切(…まぁ良いわ、ここは舞園さんに合わせましょう)

霧切「そうね、私は最近疲れていたし苗木君の幻覚を見たのかもしれないわ…)

舞園「そうですよ、きっと…」

霧切(…私の視線の直線上の位置を取って私から絶対見えないようにしているのね…)テクテク

霧切(調べたりしないから、いちいちそんなことしなくてもいいのに…)

舞園(…霧切さんは気付いていないみたいですね)

苗木(…本当にそうなのかな…)

霧切「…ふぅ」

舞園「……」

霧切「そう言えば、この前…私に好きな人を聞いてきたけど、舞園さんは誰か好きな人がいるのかしら?」

舞園「私の好きな人……ですか?」チラッ

舞園「そ、それは…苗木君ですよ」

霧切「…そう」

霧切「……私も実は、苗木君のことが好きなのよ」

苗木「…ブフッ!?」

苗木(霧切さんが……僕を好き…?)

舞園(いや、それはわかっていましたけど…)

舞園(何で今ここでそれを言うんですか!?)

霧切「…今、舞園さんの後ろで何かが吹き出したように見えたんだけど?」

苗木(ま、まずい……っ!)

舞園「あ、ああ……それは私の屁です」

霧切「…屁?」

舞園「そ、そうです……つい溜まっちゃったのが一気に出ちゃいました、てへっ☆」

霧切「そ、そう…随分と凄い屁だったみたいだけど……み、見なかったことにしてあげるわ」

舞園「…あ、ありがとうございます」

舞園(もうっ!私になんて事を言わせるんですか!)

苗木(僕のせい!?)

霧切(す、凄いわね……そこまでして苗木君のことを庇うなんて、わ…私には真似できないわ…)

霧切「…私達って、同じ人を好きだったのね」

舞園「…そ、そうみたいですね」

霧切「苗木君とは何処までいったの…?」

舞園「…えっ?」

霧切「…関係の話よ」

舞園(言っていいのかどうか分かりませんけど…)

舞園「…き、キスはしました」

霧切「…そう」

霧切(舞園さんと苗木君がキスを……!?)

霧切「…それだけかしら?」

舞園「…え?そ、それだけですけど…」

霧切「…ふーん」

舞園(何なんですか、あの余裕の顔は…?好きな人が別の人とキスしていたんですよ?落ち着いていられるはずがありません…もっと取り乱すはずです!)

霧切「…私は苗木君と、それより先に進んだわ」

舞園「…え?」

苗木(…え?)

舞園「それって、どういう意味ですか…?」

霧切「今まで話していなかったけど、キスはもちろん…その後のあんなことやこんなことも…」

舞園(ど、どういうことですか苗木君!?)

苗木「いや、ちょっと待ってよ!?僕は何も知らないよ!?)

舞園「ち、ちなみに…あんなことやこんなことって…どういうことですか?」

霧切「…それは内緒よ、苗木君の性癖に関わることだから言えないわ…」

舞園(…な、苗木君!?霧切さんに何をしたんですか!?あと苗木君の性癖を教えてください!)

苗木(いや、だから僕は何もしていないって!?)

霧切「毎日求めてきて、本当に苗木君は見かけによらずエッチだったわ…」

霧切「この私を先にいかせるなんて……苗木君のくせに生意気よ」

舞園(先にいかせる…っ!?)

舞園(…苗木君、私にはそんなに積極的じゃないのに霧切さんには…)

苗木(…霧切さんとそういう行為はしたことないからっ!)

霧切(まぁ全部嘘なんだけど…舞園さんも嘘をついているんだから、私も少しくらい嘘をついてもいいわよね…?)

霧切「…じゃあ私は先に出るわね」

舞園「…いきましたね」

苗木「…ふぅ」

舞園「苗木君、どういうことか説明してくれますか?」

苗木「…えっ」

舞園「苗木君は私が初めてだったんじゃないですか?」

苗木「初めてだよ!」

舞園「ですが霧切さんは既に苗木君と経験済だったような話をしていましたし…」

苗木「あれはデタラメだよ!僕やった覚えがないもん!」

舞園「記憶を失うまでやり続けたということですか……羨ましい」

苗木「だから違うって言っているでしょ!?」

舞園「苗木君、本当のことを答えてください…返答によっては今ここで苗木君を…」

苗木「ちょ、まっ…!?」


霧切(…ふぅ、ん……?これは苗木君の服ね……)

霧切「……」

舞園「霧切さんは妄想癖ありすぎです!」

苗木「…やっと信じてくれた」

舞園「いや、分かってましたけどね…苗木君がそういうことを私以外にはしないってことは!」

苗木「…その割には凄く疑っていたけど……目も怖かったし」

苗木(…ん?あれ、下着が…ない?)

苗木「舞園さん、僕の下着とった…?」

舞園「何を言ってるんですか、私がそんなことするわけがないでしょう?そんな下品な女に見えますか、私?」

苗木「…いや」

苗木(…ということは、こんなことをする人は一人しかいない……霧切さんしか)

舞園「では、苗木君…部屋に戻ったらまたさっきの続きを…」

苗木「…ごめん舞園さん、僕ちょっと霧切さんに会いに行かないと…?」

舞園「…え?」

苗木「だからちょっと待ってて、すぐに戻るから…」ダッ

舞園(何で霧切さんに会いにいくんですか……?私は……?)

苗木(何で霧切さんは僕の下着を奪ったんだろう……)

苗木「霧切さん!」

霧切「…苗木君?」

苗木「その、僕の下着を知らないかな…?」

霧切「下着…?知らないけど、どうしたの…下着がないの?」

苗木(知ってるんだから別に知らばっくれなくても良いのに…)

苗木「…霧切さんが持っているんでしょう?」

霧切「…どうして私を疑うの?私は苗木君の下着を奪うようなことはしないけれど」

苗木「いや、だって霧切さんしかいないじゃないか…」

霧切「何故そう思うのかしら?ちなみにいつどこで亡くしたの?」

苗木「それは、さっき女………っ!?」

苗木(僕が女湯にいたことを答えて良いのか…?)

霧切「私を疑うってことはそれだけの理由があるはずよ、だから聞かせて頂戴」

苗木「そ、それは…」

苗木「…あ、いや…ごめん」

霧切「…え?」

苗木「僕の勘違いだったよ…あはは」

霧切「…そう」

苗木「疑ってごめんね…それじゃ」

霧切「……」

霧切(この下着はいらないってことかしら…)



苗木「…はぁ、僕の下着どうしよう…」

苗木(…って、戻ってきたら舞園さんがいない?)

苗木「どこに行ったんだろう…」

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