ミカサ「思い出の遊び」(23)

エレン「寒い…」ブルブル

アルミン「うん…寒いね…」ブルブル

ミカサ「…」ブルブル

エレン「なぁ、温まる方法知らねえか?」

アルミン「うーん…何かあるかな…」

エレン「…早く…寒い…」

ミカサ「…おしくらまんじゅう」

エレン「なんだそれ?」

ミカサ「4人でする遊び」

アルミン「へー…そんな遊びがあるんだ。知らなかったな」

エレン「悪いが、俺は遊ぶ元気はねえぞ」

ミカサ「大丈夫。これは密着して行う遊びだから」

ミカサ「体が温まり、元気がでる」

アルミン「…密着して温めあうの?」

ミカサ「そう」

ミカサ「4人それぞれがお互いに背を向けて円陣を組み、両側にいる人の腕を自分の腕にからめる」

ミカサ「その後、勢いをつけて円陣の中心に押し込んだり、外側に引っ張ったりする」

ミカサ「そうすることによって体が温まる」

アルミン「成る程…密着した状態でするから、熱が逃げにくいのか」

エレン「そんな遊びがあったんだな…」

エレン「というかミカサ、よく知ってるな」

ミカサ「…私が小さい頃、お母さんに教えて貰った」

ミカサ「よくお父さんとお母さんとしていた」

ミカサ「…思い出の遊び」

エレン「…そうか」

アルミン「………よし、しようか」

エレン「つってもさ、4人じゃないとできないんだろ?」

アルミン「あ、そうか…」

ミカサ「…大丈夫」

アルミン「え?」

ミカサ「3人でもできる…円陣じゃなくなるだけで、できないわけじゃない」

ミカサ「本来の形とは異なってしまうけど」

アルミン「…三角形状になるの?」

ミカサ「そう」

エレン「まあなんでもいいや。寒くて死にそうだ」

エレン「早くしようぜ」

ミカサ「では、腕を組もう」

エレン「腕を組んで…」

ミカサ「そう。そして、全員の背を向かい合わせにして…」

ミカサ「これで完成」

アルミン「…でも3人じゃ温まりにくくない?」

ミカサ「仕方ない。3人だと動きの幅が狭くなるものだから」

ミカサ「でも、何もしないよりはマシだと思う」

エレン「そうだぞ。例え3人でも何もしないよりマシだ」

エレン「押し合おうぜ」

アルミン「うん」

ミカサ「…ちなみに、押し合うときは掛け声をかけあう」

エレン「へー。どんなだ?」

ミカサ「ゴホン」

ミカサ「おしくらまんじゅうー♪押されて泣くなー♪」

ミカサ「…こういう感じ」

エレン「…意外と歌上手いんだな」

アルミン「そこ?」

ミカサ「…褒められると照れる///」

エレン「褒めたわけじゃねえんだけど」

ミカサ「…それでも構わない。嬉しい」

エレン「褒めてねえのに嬉しいってどういうことだよ?」

アルミン「…エレン、ミカサ、早くしようよ。寒いし」

アルミン(家族みたいなものといっても、やっぱり夫婦に近いよねこの二人)

アルミン(放置してると延々と話し続くし)

エレン「…そうだな。確かに寒い」

ミカサ「…では始めよう」

ミカサ「私が『せーの』というから、エレンから始めて」

エレン「わかった」

ミカサ「…せーのっ」

エレン「おしくらまんじゅうー♪」ギュムッギュムッ

アルミン「押されて♪」ギュムッギュムッ

ミカサ「泣くなー♪」ギュムッギュムッ


アルミン「おしくらまんじゅうー♪」ギュムッギュムッ

ミカサ「押されて♪」ギュムッギュムッ

エレン「泣くなー♪」ギュムッギュムッ

エレン「…なあ」

アルミン「なに?」

エレン「ちょっとしか温かくならないな…」

ミカサ「…」

ミカサ「…ごめんなさい」

エレン「いや、謝る必要はねえんだけどさ」

アルミン「そうだよ。ミカサが謝る必要はないよ」

ミカサ「…うん」

アルミン「…あんまり温まらないのは、押し合うのが弱いからかな?」

エレン「そっか。思い切り押し合えばいいのか」

アルミン「力強ければ強いほど、激しくなれば、その分エネルギーが生じて温かくなるかもしれない」

エレン「よし、思い切り押しあうか」

エレン「ミカサ、手抜くなよ」

ミカサ「…わかった」

アルミン(そんなこといわないほうがいいかも…)

エレン「おしくらまんじゅうー!♪」ギュムッ

ミカサ「押されて!♪」ギュムッ

アルミン「泣くなー!♪」ギュムッ


ミカサ「おしくらまんじゅうー!♪」ギュムッ

エレン「押されて!♪」ギュムッ

アルミン「泣くなー!♪」ギュムッ

エレン「お、温まってきたぜ!」

アルミン「僕も!」

ミカサ「それなら嬉しい。…私も温まってきた」

エレン「よし、まだまだするぞ!」

エレン「おしくらまんじゅうー!♪」ギュムッ

アルミン「押されて!♪」ギュムッ

ミカサ「泣くなー!♪」ギュムッッ


エレン「うわっ!」ガクッ

アルミン「ちょっ引っ張らないでよエレン!」

エレン「引っ張ってねえよ!体勢が…」

アルミン「腕っ腕っ!」

エレン「ちょっ無理だって!」ガクン

アルミン「うわぁ!」ガクッ

ミカサ「…!」ガクッ

ドシャアァ

アルミン「いてて…」

エレン「重い…二人ともどいてくれ…」

アルミン「あ、ごめん!」

ミカサ「エレン、大丈夫?」

エレン「いってー…」ムクッ

ミカサ「…土がついてる」

エレン「わかってる…」パッパッ

アルミン「…大丈夫?」

エレン「ああ、大丈夫だ」

エレン「このぐらい何ともねえよ」

ミカサ「…よかった」

アルミン「それにしても、おしくらまんじゅう で、こけるとは思わなかったよ」

エレン「俺もだ。…ミカサって力強いな。やっぱり」

ミカサ「…ごめんなさい」

ミカサ「力を入れすぎた…」

エレン「謝ることねえって」

エレン「耐えられなかった俺も俺だし」

ミカサ「…でも、エレンに怪我をさせてしまうようなことをしてしまった」

ミカサ「アルミンにも…」

エレン「だから大丈夫だって。怪我してねえし。な?」

アルミン「そうだよ。僕も怪我してないし、気にしてないからさ。ね?」

エレン「…それに、おかげで体温まったしよ」

アルミン「僕も温まったよ」

ミカサ「…そう…二人がそういうなら…」


エレン「……ありがとなミカサ」

ミカサ「え…?」

ミカサ「どうしてお礼を…?」

エレン「ミカサが教えてくれたから、こうして温まって寒くなくなった」

エレン「ミカサはいいこと教えてくれたじゃねえか」

ミカサ「…」

エレン「…後、俺がこけたとき、すぐ心配してくれただろ?」

エレン「心配してくれるのが嬉しいんだ」

ミカサ「…!」

エレン「前までは鬱陶しく思ってたけど、こんなにも心配してくれてるのってお前と、アルミンぐらいだ」

エレン「最近はそう思うようになってさ…」

ミカサ「エレン…」

エレン「…昔には戻れないからな」

エレン「今を大事に生きないと駄目かなと思うことがあるんだ」

エレン「もちろん、俺の周りの人を大事にしないと駄目だとも思う」

エレン「だから、俺に気をかけてくれる人を鬱陶しがったりするのってな…」

ミカサ「…エレン…!」

エレン「ミカサ…?」

ミカサ「嬉しい…エレンが大人になってくれた…!」

エレン「ミカサ…」

アルミン「僕も嬉しい。…でもエレンがそんなこと思ってるなんて驚きだ」

エレン「なんだよ。俺がこういうこと考えるって変か?」

アルミン「いや、そうじゃないけど…似合わないなって」

エレン「んだよそれ…俺は何も考えてなさそうってか?」

アルミン「周りにはそう思われてたりしてね」

エレン「…俺ってそんなイメージあったのかよ」

アルミン「でも、こういったことを恥ずかしげなく言えるのはエレンらしいと、僕は思うよ」

エレン「…そうかよ」


ミカサ「…エレン」

エレン「ん?」

眠いので寝ます。
中途半端なとこですが、もうちょいで終わります。

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