エレン「壁が……崩れていく……」(66)

※注意※

人生初SSです。
少々大目に見て頂けると助かります。
またこの作品は、進撃の巨人SSですが本編の設定に少しオリジナル要素を+してます。
オリジナル設定が苦手な方はご遠慮下さい。
可能な限り本編の設定に沿うつもりですが、どうしてもオリジナル設定が入ってしまいますので……。
SS慣れしていないため、キャラ崩壊の可能性あり。
また>>1は単行本派なのでその先の展開をまだ知りません。
ですので雑誌で先に読んでしまってる方は、違和感を覚える可能性があります。
ご容赦下さい。
メインキャラが亡くなるシーンも御座います。
「SSぐらい平和なものが!」と思う方は、避けられたほうがいいかもしれません。

更新速度は遅いです。
殆ど書き溜めもしていない為、徐々に徐々に更新していきます。
基本夜中に更新予定です。
マガジン的なノリで読んで頂けると嬉しいです。

期待頑張って下さい

ウォール・ローゼ西 クロルバ区 深夜

 駐屯兵A(以下兵A)「交代の時間だ。お疲れ様」

 兵C「天の助けだな。もう我慢の限界だったんだ」

 兵D「本当だぜ。こんな暗闇を見詰めるだけの作業、苦痛しか感じねえよ」

 兵B「そう言うな。これが俺達の仕事だ」

 兵A「あぁ、何せ"駐屯"兵団なんだからな」

 兵D「"調査"よりはマシってか」ヘヘッ

 兵C「でもよ。巨人は夜に活動はしないんだろう? 俺達がここを見張る意味って……」

 兵D「言うな、悲しくなる」

書き散らして未完で放置の臭いがプンプンするぜ~!




是非完結させて下さい。

>>1から言い訳並べるのはやめといたほうがいいよ
読む気なくなる

>>2 >>4
早速の応援ありがとうございます。
一応個人的な趣味で、小説を書いてまして基本完結させてますので未完にはならない筈です。
頑張っていこうと思いますので、宜しくお願い致します。

>>5
すみません、今度から気をつけます。

一つ言い忘れてました!
単行本10巻までのネタバレがあります。
アニメ組みの方は、その点を踏まえてお読み下さい!


 兵C「酒でも持ってきていいなら最高なんだけどな」

 兵D「満天の星空の下で酒!そして薄っすらと光るは街明かり!最高だな!」

 兵A「その光を守ってるのが我々だと思うと、少しは仕事が楽にならないか?」

 兵D「守ってるのは壁だけどな」

 兵B「それを守ってるのが俺達だ」

 兵C「物は言いようだな」

 兵D「ま、俺達はお先にあがらせてもらいますわ」

 兵C「そうだな、じゃあお疲れ様」

 兵A「あ、いや、待て」

 兵C「ん?」

初心者アピールは疎まれるから気を付けたいところ



とりあえずの期待

 兵A「報告がまだだ。監視時の様子と発見した巨人の数を伝えろ」

 兵C「あぁ、忘れてた」

 兵D「こんな暗闇で巨人を見つけれる訳ないだろよ」

 兵B「これも仕事だぞ。ここで二言三言喋れば、待ってるのは冷たい酒と暖かい毛布だ」

 兵D「勤務開始から本時刻までの巨人発見数はゼロ! 異常はありませんでした!」

 兵A「ご苦労、後は我々が仕事を継ぐ。帰っても構わない」

 兵C「ん? 待ってくれ。そういえばついさっきまで森のほうから変な音がしたんだ」

 兵D「ばっ……! あえて言わなかったのに……」

 兵A「何? 詳細を伝えよ」

 兵D「ほらこうなる。あぁ、暖かい毛布と冷たい酒が遠ざかったぜ」

 兵C「気持ちは分かるが、あの音は――」ゴゥン!

 それは一瞬だった。
 その場に居た駐屯兵四人組は轟音と共に壁の上から消え去り、街へと落下していった。
 まるで子供が癇癪を起こし、積み木の城を殴り壊すようかのに。彼らは簡単に壁から吹き飛ばされたのだ。
 通常であれば立体機動に移り、壁に張り付くだろう彼らは力も無くただただ落下していく。
 満天の星空の元、薄っすらと光る街明かり。壁上から落ちていく彼らの瞳に映っていたのは、薄いその光だけ。
 その光も最後には赤い雫へと居場所を変え、地面に広がる赤い液体と肉片を彩った。
 次第に硬くなっていく液体と共に、その光は失われていく。
 まるで人類を暗喩するように。

 この出来事から数時間後、クロルバ区からの報告が途絶えた。

この時間の更新はここまでとさせて頂きます。
今日の夜中、また続きを書かせて頂きますのでその時までお待ち下さい。

再開します。
大体1ペース、1場面だと思ってもらって構わないです。

>>8さんもご指摘ありがとうございます。
次回から気をつけます。

では投下を。

クロルバ区の異常から十数時間後
ウォール・シーナ東城壁都市  ストへス区

 エルヴィン「そうか……。壁の中に巨人が……」

 ハンジ「うん、私の推測だけどあの壁は巨人が硬化した皮膚だと思う」

 リヴァイ「硬化だと? あの氷女みたいにか?」

 ハンジ「そう、正にそれ」

 エルヴィン「ハンジ、何故そう思う」

 ハンジ「まだ詳しい調査はしてないんだけどね。先ずやろうと思っているのは"彼女"の結晶と壁の破片を比べるというモノで、顕微鏡を使ってそれぞれの模様と――」

 リヴァイ「……簡潔に話せ。会議に遅れる」

 ハンジ「もう、せっかちだなぁリヴァイは。つまりね、壁の中にいた巨人は敵意があるだろうということ」

 エルヴィン「……」

 リヴァイ「……」

 ハンジ「壁の巨人は穴が開いたときに動き出そうとしてたし、ニック司祭も巨人を動かさない様にと日光を遮る指示をしてきた。その上で考えると壁の中にいる巨人が協力的だとは思えないよね」

 リヴァイ「巨人が仲間か……。そんなのはあいつだけで充分だ」

 ハンジ「お、エレンを仲間だって認めたんだね!」

 リヴァイ「……まだ信用はしていない」

 ハンジ「素直じゃないんだから、もぅ……。まぁ、まだ完全には考えが纏まってないんだけどね。ただ、今分かることといえば壁の巨人は友好的ではない。そして更に、壁の中で動き出そうとしたこと。これは壁から出ようとしたと見ていいよね」

 エルヴィン「壁になった上で、壁から出ようとする……か」

 リヴァイ「ハッ。そうなるとあいつらはただの間抜け以下だな。壁から出てこようとするなんて、壁になった意味がねぇ」

 ハンジ「間抜けかどうかはあれだけど、結局はそこなんだよリヴァイ。多分彼らは"最初"、壁になる必要性があったんだ。それも私達とは違う理由で」

 リヴァイ「……」

 ハンジ「だって考えてみてよ。私達は巨人から身を守るために壁を使ってる。だけど彼らは"内地の方向を向いて"壁になってるんだ」

 エルヴィン「巨人から身を守るなら、外側を向くということか」

 ハンジ「さっすがエルヴィン!そういうこと!目的は違えど彼らは壁になる必要があり、その壁を見つけた人類が偶然ここに居住した。そしてその彼らは、既に目的を終えており動き出す可能性がある」

 リヴァイ「全て予想の話じゃねぇか」

 ハンジ「だけどこれぐらいしか説明が付かないんだ。巨人に関する過去の文献は殆どないし、想像するしかない」

 ハンジ「それにあの壁は繋ぎ目も何も無い。人の技術では作れない製法で出来た壁だと言っていい。巨人の硬化も、目的も、今の推論は無視出来ないと思うけどね」

 リヴァイ「……確かにな。あいつらがただの間抜けって説もあるが」

 ハンジ「だとしたらここまで考えた私も間抜けになるね」ハハッ

 エルヴィン「その推論が外れてるにせよ当たってるにせよ、我々は常に発想を飛躍させる必要がある。やはり巨人化には熟練度があると見たほうがいいか」

 ハンジ「そこは分からないけど、可能性は高くなったかな。エレンが硬化出来ないのは、巨人それぞれの特質かもしれないし、まだ未熟なせいかもしれない」

 エルヴィン「エレンが硬化出来るとするなら、作戦の幅も広がる。可能なら身に付けて貰いたいが……」

 ハンジ「そう!そこで頼みたいのは、エレンを一度貸して貰って――」

 リヴァイ「そこは俺に言うべきことだろ。あいつはまだ、俺の足元に置いてるんだ」


 ハンジ「じゃあ直ぐに貸してくれるかい? 大した用事はないんだろう?」

 リヴァイ「……あいつの目が覚めたら、寄宿舎の掃除をさせるつもりだ」

 ハンジ「なら決定だね!」 

 リヴァイ「……」

 エルヴィン「とは言えまだ今回の捕獲作戦について、区長への報告が終わっていない。この状態でエレンを動かすのは危険だ。ハンジ、少しだけその実験は待ってもらえるか」

 ハンジ「直ぐにでもと言いたいところだけど……仕方ないよね」

 エルヴィン「よし。では報告会議の準備をしよう」

今日はここまでです。
続きは明日になります。
一気に進むときと、じっくりの時の差が激しいかもしれませんがご容赦を。

続きを投稿します。
今思えば>>17のエルヴィンは
「よし、では報告会議の準備に移行しよう」
のほうがぽかったかもしれませんね。

今頃ですが時間軸はアニ捕獲後です。

暫くして

ストへス区 寄宿舎

 ジャン「取り敢えずこれでエレンが王都に召還されるって話はなくなったよな……」

 アルミン「うん……」

 ジャン「本当にそれどころじゃねぇよ……。アニが本当に女型で街で暴れて……。眠り姫になっちまって……それから……」

 ジャン「壁の中には……実はずっと大型巨人がいました……だって?」

 アルミン「……うん」
 
 アルミン「少なくとも100年間ずっと立ちっぱなしだったから……。そろそろ散歩しだすと思うな。……一斉に」

 ジャン「アルミン、お前今冗談を言ったのか!?つまんねぇよお前!最高だな!」ハハハ!

 ミカサ「ジャン、静かに」

 ジャン「おうっ!す、すまん」

 アルミン「あの壁ってさ……。石の繋ぎ目とか何かが剥がれた跡とか無かったから、どうやって造ったのか分からなかったんだけど」

 アルミン「巨人の硬化の能力で造ったんだじゃないかな……。アニがああなったように効果の汎用性は高い。多分だけど、ハンジさんも同じ予想に至ってるんじゃないかな……」

 アルミン「……僕達はずっと、巨人によって巨人から守られていた」

 ジャン「それも冗談か? 本当に笑えねぇぞ」

 アルミン「うん、でもそういうことになるよ……。今回のことから、あの壁も"ただの壁"じゃなくなった。僕達を守ってきた壁には巨人が居る。それも超大型が……」

 ジャン「……なぁ、アルミン。もしあの壁に入ってるのが超大型だとしたら――ん?」ドンドン!


 アルミン「? はい、どうぞ」 

 調査兵A「アルミン、ミカサ! 居る!?」

 アルミン「え? あ、はい」

 調査兵A「よかった。あ、新兵のジャンだっけ? 君も居たんだね。丁度よかったよ」

 ミカサ「あの、エレンが眠ってます。もう少し静かにして頂ければ……」

 調査兵A「すまない、だけど今は眠ってる場合じゃないんだ。エレンを起こしてくれないか」

 ミカサ「……」

 アルミン「あの……一体どういう……?」

 調査兵A「それは――」

十分前

ストヘス区 憲兵団支部

 ハンジ「今回の会議、多分初めから区長は渋い顔をしているだろうね」

 エルヴィン「仕方が無い。市民にも犠牲が出てしまったのだからな」

 ハンジ「でも、必要な犠牲だった……」

 エルヴィン「……区長には我々の姿勢を見せるだけでいい。彼も捕獲作戦の必要性を頭で理解はしているはずだ」

 ハンジ「分かってはいても、割り切るのは難しいことだよね。私も、そうだった」

 エルヴィン「……そうだ、ハンジ。クロルバ区についての報告はどうなった」

 ハンジ「あぁ、あの『壁に何かがぶつかったのではないか?』という?」

 エルヴィン「それだ」コクリ

 エルヴィン「通常では考えられないが、もしそれが巨人によるものだとしたら見過ごすことは出来ない」

 ハンジ「裏があるってこと? 巨人が知能を持って、何か作戦を講じていると?」

 エルヴィン「その可能性は否めない」

 ハンジ「……うーん、詳しい報告はまだかな。分かっていることはその時壁上にいた駐屯兵4名が殉職。街には壁の破片が降り注いで、市民にも被害が出たってところかな」

 エルヴィン「壁の損壊度合いは?」

 ハンジ「深夜ということもあって、壁外の調査はしてないみたい。壁上と内部壁だけの検査で取り敢えず済ませるそうだよ。壁上は何かがぶつかった跡が残ってるみたい」

 エルヴィン「"例の巨人"は……?」

 ハンジ「報告にはないから問題ないだろうね。内部壁は新品同然。穴はないって」

 エルヴィン「壁外の損壊度合いが気になるな……」

 ハンジ「明るくなり次第、調査するって言ってたけど」

 エルヴィン「その報告が入ったのは昼前だったな。続報はないのか」

 ハンジ「言われてみれば遅いね。もうそろそろ来てもいいと思うのだけれど」

 ハンジ「ん?」ドタドタドタ

 トーマ「エルヴィン団長!」バタン!

 ハンジ「トーマ!? なんでここに? ミケと一緒の筈じゃ……」

 トーマ「南ウォール・ローゼが崩壊しました! 同時に超大型巨人が複数出現! その数二十以上! 数え切れません!」

 ハンジ「……は?」

 エルヴィン「……」

 ハンジ「いやいやいやいや、ちょっと待ってよ……。まさかとは思うけど、その巨人って……壁の中から――!」

 トーマ「!? どうしてそれを……」

 ハンジ「……ハハッ。これは流石に……エルヴィン!」

 エルヴィン「……トーマ、ご苦労だった。ここで少し休んでいてくれ。戻り次第指示を出す。ハンジ、君は他の隊員の招集を頼む」

 ハンジ「わ、分かった。任せて。その、エルヴィンはどうするつもり――」

 エルヴィン「――私は区長と掛け合ってくる」

今日はここまでで。
続きはまた明日、投稿します。
それでは。

すみません、今日はちょっと投稿することが出来なそうです。
少しは書いてるので、溜まり次第明日の夜に投稿します。

遅くなりすみませんでした!
急用が入ってしまい、どうして時間が作れず……。

続きを19時過ぎからあげていこうと思います。
宜しくお願い致します。

また修正になってしまいますが>>27
エルヴィン「トーマ、ご苦労だった。ここで少し休んでいてくれ。戻り次第指示を出す。ハンジ、君は兵員の招集を頼む。エレンもだ」
ハンジ「……うん、分かった。任せて。それで、エルヴィンはどうするつもり――」
のほうが良かったですね。
今思えは「隊員」というより「兵員」のほうが世界観にあってますし。
うーん、まだまだだなぁ。

時は戻り

ストへス区 寄宿舎

 ミカサ「エレン、起きて。エレン」

 エレン「……ん? ……ミカサ?」

 ミカサ「起こしてごめんなさい。体調は大丈夫? 具合は悪くない? 頭痛がしたり、吐き気がしたりは――」

 エレン「またかよ……。いい加減にしろミカサ。俺はお前の弟や子供じゃ――」

 ミカサ「……」ジッ

 エレン「……っ。少し眩暈がする程度だ。そこまで悪くねぇ」フイッ

 ミカサ「そう、ごめんなさいエレン。本当は寝かせてあげたいのだけれど、そういう訳にもいかなくなったから」

 エレン「どういうことだ? 一体何が……」

 エレン「もしかして、アニか? あいつがまた!」

 ミカサ「違う、あの女は関係ない」

 エレン「うっ……。そ、そうか……」ガチャ

 アルミン「おはよう、エレン」

 エレン「アルミン! 丁度良かった。一体今何が――」

 アルミン「うん、そのことについては僕が話すよ。ミカサ、エレンのことが心配だろうけど、先に出撃の準備をしておいて貰えるかな。エレンの分も装備を確保して来てくれると助かるんだけど」

 ミカサ「……分かった。エレン、また後で。私は先にあなたの装備を取りに行って来る。その間にアルミンから状況は聞いておいて。直ぐに戻るから」ガチャッ バタン

 エレン「は、はぁ? 装備を取りに行って来るって、そんなの俺自身が取りに行かないと渡して貰えない筈――」

 アルミン「それほど緊急事態だってことだよ。エレン、落ち着いて訊いて欲しいんだけど、実は少し前に緊急招集が掛けられたんだ。勿論、エレンもその召集に含まれてる」

 エレン「緊急召集?」

 アルミン「うん、エルヴィン団長からの直接命令だって」

 エレン「団長直々の!? それって!」

 アルミン「……信じたくは無いけど、ウォール・ローゼが崩壊したらしい」

 エレン「なっ……! ア、アルミン。その、破られたのは何処の地区か分かるか?」

 アルミン「ごめん、詳しくは分からないけどウォール・ローゼ南だって話は――」

 エレン「南!? それって俺のせいなのか!? 俺が塞いだのはトロスト区で、ローゼの南だ! 俺の塞ぎ方が甘かったから!」

 アルミン「エレン! それは違うよ! エレンのせいじゃない! 今回は超大型巨人が一斉に!」

 エレン「超大型巨人!? 畜生、またあいつか――待てよ。アルミン、今なんて言った? 超大型巨人が『一斉』に……?」

 アルミン「……」コクリ 

 エレン「ど、どういうことだよ! 『一斉』って! それじゃあまるで、あいつ等が複数いるみたいな――」

 アルミン「……うん、その『まるで』だよ」

 エレン「……っ!」


 アルミン「時間がないから簡潔に伝えるね。今回は『超大型巨人によってウォール・ローゼ南が崩れていくところを見た』と早馬から連絡が来て、エルヴィン団長が緊急招集を掛けた」

 エレン「崩れて……」

 アルミン「これはエレンが眠っている間に発覚したことなんだけど、壁の中にはずっと超大型巨人が存在していたんだ」

 エレン「は、はぁ!?」ガタッ!

 エレン「うっ!」フラッ!

 アルミン「エレン!?」ダキッ

 エレン「いや、大丈夫だ。気にしないでくれ……。多分巨人化の後遺症だ。直ぐに治る……」

 アルミン「む、無理はしないでね? 話を続けるけど、今回はその巨人が動き出して壁が崩れ落ちたらしい。原因は分からないけど、ウォール・ローゼが崩れたのはエレンのせいなんかじゃない。きっと何か別の――」

 エレン「いやいやいやいや、意味がわかんねぇよ……。 巨人が中にいたって、どういう――」

 アルミン「僕もきっとエレンの立場だったら、同じような反応をしていただろうね。でも本当なんだ。実際に僕は、この目で壁の中に生きた超大型巨人が埋まっているのを見た……。それしか今は言えないけど、信じてくれるかな」

 エレン「……アルミンがそんな嘘をつくとは思えねぇ。俺は……信じるよ」

 アルミン「ありがとう、エレン。具合が悪いところ悪いんだけど、さっき伝えられた作戦をエレンにも教えるね」

同時刻

ウォール・シーナ東城壁都市  ストへス区
憲兵団支部

 区長「正気か、エルヴィン」

 エルヴィン「お言葉ですが区長、現状はこれが最善の策かと思われます」

 区長「私が何に対して『正気か』と問うているのか、理解していないようだな。エルヴィン"団長"?」

 エルヴィン「と申しますと」

 区長「壁の内部に超大型巨人が存在していたということについては百歩譲ろう。実際に"調査兵団"の兵も見ているからな」

 エルヴィン「……」

 区長「だが『その巨人が壁の中で動き出し、ウォール・ローゼを破壊した』なんていう戯言を誰が信じる?」

 区長「更にもう一つだ。その戯言が"事実"だったと"仮定"しよう。だがこの『作戦』は何だ? エルヴィン、貴様はいつから『見えない確率』へ縋り付く人間になった」

 エルヴィン「確かに『今作戦』には穴が多いと言えるでしょう。『見えない確率』と言われても仕方がありません」

 エルヴィン「それを承知の上で、再度申し上げます」

 エルヴィン「この『作戦』が現状、最善の策です」

 区長「信じられないな。この作戦は殆ど"市民が切り捨てられる"といってもおかしくは無い。それでも最善だと?」

 エルヴィン「間違いなく」

すみません、遅くなりましたが今はここまででお願いします。
続きは明日の朝か昼にあげますので、宜しくお願い致します。
連絡が遅くなって、申し訳ありませんでした。

また遅くなってしまいすみません。
毎度投稿予定時間がずれてしまい本当に、申し訳なく思っています。
今頃ですが「期待している」っと応援して下さる方々の言葉が、とても嬉しく励みになります。
必ず完結させますので、今後とも宜しくお願い致します。

今日の夜中に続きを投稿します。

 エルヴィン「ですが区長。一つ、区長は誤解されておられるようで」

 区長「……」

 エルヴィン「我々は市民を切り捨てるつもりは毛頭ありません」 

 区長「……戦力を市民に当てないというということは、市民を切り捨てることと同義ではないかね」

 エルヴィン「人類の存続が掛かっています。賭けは必要です」

 区長「それは余程、低確率なんだろうな?エルヴィン」

 エルヴィン「残念ながら」

 区長「その低確率の賭けに二百五十万近くの命を捧げると?」

 エルヴィン「その通りです」

 区長「馬鹿馬鹿しい話だ。そんな賭けをするぐらいなら、兵を市民に割き、巨人を迎撃したほうが」

 エルヴィン「超大型巨人数百体と正面から戦いを繰り広げるのですか?」

 区長「……」

 エルヴィン「壁の中に入っていた超大型巨人が数体で済むとは思えません。恐らく壁全面に敷き詰められていることでしょう」

 区長「だがこの作戦では夕方前に行軍し、超大型巨人を深夜討伐するとある。巨人の活動は夜、衰えるとは言え自殺行為だ。巨人には個体差がある。もし超大型巨人の中に、深夜も活動できるものが居たとすれば――」

 エルヴィン「それはないでしょう」

 区長「……何故そう言い切れる」

 エルヴィン「彼らは壁の中に居たために、日光が遮断され活動を停止していたのです。もし例外の巨人が居れば、壁は直ぐに崩壊してしまう」

 区長「それは確かにそうだが、壁が崩壊しているのだ。通常種と鉢合う可能性もあるだろう。それに関してはどうか?」

 エルヴィン「確かに否めませんが、それもほぼ有り得ないと言っていいでしょう」

 区長「ふむ……何故だ」

 エルヴィン「崩れ方にもよりますが、五十メートルもの壁が崩れ落ちたのです。その瓦礫だけでも十分な壁と言えます」

 区長「十五メートル級なら乗り越えるのではないか?」

 エルヴィン「そこは否定しません。ですがただですら足場が不安定になっている瓦礫の山に、巨人が乗るのだとすれば――」

 区長「時間稼ぎにはなると?」

 エルヴィン「その通りです」

 区長「至極曖昧で、不確定要素の多い作戦だ」

 エルヴィン「今作戦の肝は時間です。如何に迅速に動けるか。ここが肝となるでしょう」

 区長「超大型巨人の討伐にか」

 エルヴィン「それもありますが、今回はエレン・イェーガーの生家であるシガンシナが目標地点です。過程のルート作成は存在しません」

 区長「出たとこ勝負か。調査兵団らしい」フンッ

 エルヴィン「我々の専門分野ですから」

 区長「……しかしそれが時間と何の関係がある。夜を避けるということか」

 エルヴィン「いえ、問題は壁外に出る行程です。クロルバ区の状況はご存知で?」

 区長「勿論だ。気になる報告だったからな。昼の報告になるが、壁で深夜、轟音がしたという――」ハッ

 エルヴィン「何が起きたかはまだ判明していませんが、本事件はクロルバ区から始まったと見て間違いはないでしょう。彼らが報告に来たのは昼」

 区長「もし朝から昼に掛けて巨人が壁内で動き出したとすれば……」

 エルヴィン「約半日近くでクロルバ区からトロスト区までの壁が崩れたことになります」

 区長「トロスト区の壁が崩れた時刻は確か、昼前後だったな」

 エルヴィン「その通りです。最悪、カラネス区の手前まで既に巨人が目覚めているかもしれません。時は一刻を争います」

 区長「……深夜の戦闘に出て、勝ち目はあるのか」

 エルヴィン「駐屯兵団と憲兵団を各区に最小限、我々調査兵団の一部と駐屯兵団の一部を使って超大型巨人を討伐します。そして残った調査兵団を全てエレン・イェーガーの護衛に」

 エルヴィン「今回の我々の勝利は巨人の完全討伐ではなく、エレン・イェーガーの生家到達と巨人の謎の解明です。超大型巨人が大量に現れた今、彼の生家に掛けるしか方法はありません」

 エルヴィン「その為には時間稼ぎとなる超大型巨人の数減らしが必要です。大量の超大型が各区を襲撃すれば、ひとたまりもないでしょう」

 エルヴィン「我々は深夜という先の見えない状態で、先の見えない希望に頼るしかないのです」

 区長「……」

 エルヴィン「ただ、今のところは天候が崩れる様子もなく、雲も薄い。空を見る限り、作戦実行時は月明かりが射します。僅かな光が、我々を射すこととなるのです」

 区長「……エレン・イェーガーの生家に何も無かったときはどうする」

 エルヴィン「我々人類の敗北、全滅です」

 区長「勝率は」

 エルヴィン「先程仰った通り出たとこ勝負です。一分程でしょう」

 区長「低いな」

 エルヴィン「二百五十万の命、一種族の存続が掛かっています。妥当な数字かと思われますが」

 区長「この作戦で兵団の殆どは死に絶えるだろう。そのことについてはどうお考えか?」

 エルヴィン「彼らには家族が存在し、生活が存在します。そんな彼らにこの作戦を強いるのは酷なことでしょう」

 区長「……」

 エルヴィン「ですが私は、彼らが必要な犠牲であると、考えています」

 区長「……エルヴィン、私は今君と話している気がしない」

 エルヴィン「……」

 区長「まるで別人だ。兵というものは人命を救う為でもあり、人類を救う為の存在でもある」

 区長「そしてその彼らも同じ人命だ。しかし時には死を強いることもあるだろう。だがそれは余りにも酷で、また余りにも悲しい」

 区長「君は今、その命を無駄にする可能性を秘めた作戦を――いや、無駄にすると言っていい作戦を提示している。それを理解した上で、この場にいるのだな?」

 エルヴィン「その通りです」

 区長「即答か。私も人の命というものは、時に切り捨てる必要性があると分かっていた。それでもエルヴィン、君の様にはなれなかったよ」フッ

 エルヴィン「……」 

 区長「だがそれが君で、人類を背負う決断をした者なのだろうな」

 区長「私もその僅かな光とやらに掛けてみよう。調査兵団13代団長、エルヴィン・スミス殿」

この時間帯の更新はここまでです。
それではまた後日。

更新が滞ってしまい申し訳御座いません。
ただいまリアルの方が忙しく、更新自体が遅くなってしまっています。
予定としては今日の夜中か、金曜の夜中になります。
宜しくお願い致します。

因みにエルヴィンは書いていて困りました。
……だってエルヴィン、意外とサッパリとしか喋らないんだもんorz

引き伸ばしてしまい本当にすみません。
もう暫くお待ち下さい。

のんびり書いて下さい

>>61
見て下さっている方がいらっしゃるとは……。
ありがとうございます、ありがとうございます。

更新の目途が立ちました。
8月6日もしくは7日に続きをアップします。
ここ数日は余裕があるので、連続で書いていこうと思います。
本当にお待たせしました。

ただいま書き貯め中です。
ある程度出来次第、放出しようと思います。

進撃の巨人11巻を先日買って、読んでみたのですが、予想と少し違った展開になっていたので只今SS修正中です。
11巻のネタバレは入れないのようにしますが、ライナーやベルトルトの発言、行動を修正しています。
もう暫くお待ち下さい。

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