ミカサ「光の・・・巨人?」(115)

初めての作品です。
進撃の巨人と特撮で独自にストーリーを考えてみました。
公になっている部分はすべて盛り込んでいるのでネタバレが嫌な方はご容赦ください。
できるだけ見てくださった方の意見は取り入れたいと思いますが、うまくいかなかったときはごめんなさい。
では、スタートです。

あれは、私たち第104期調査兵団が初めての壁外調査に出たときのことだった。

女型の巨人によって壊滅的な被害を受けた調査兵団は、一度は女型の巨人を捕獲することに成功するも予想外の巨人の能力に翻弄され、女型の巨人を取り逃がしてしまう。

あろうことか、エレンをあの汚れた巨人の口の中に入れてしまうという大失態を犯した。

私とリヴァイ兵長は何とかあの汚らわしい巨人からエレンを奪還することに成功したが、実はその時その場にはもう一人いた。

青く輝く―――光の巨人が。

この情報はまだ、私とリヴァイ兵長しか知らない。

第57回壁外調査の翌日、私はまだ巨人化の後遺症で臥せっているエレンを見舞った。

昨日よりも顔色はだいぶ良くなった。だが、まだ動けるようになるには程遠い・・・といったところか。
私はエレンの上体を起こし、スープを口に運ぶ。

エレンは猫舌なので、「ふーふー」してあげなければ飲むことが出来ない。
それなのにエレンは強がってそのまま飲もうとするからすぐに舌をやけどしてしまう。
最初から「ふーふー」してもらっていればいいのに。私は全然かまわないから。

結局、私が「ふーふー」してエレンの口元にスープを運んだ。こうしている時間は巨人のことなど考えなくていい。家族の姿そのものだ。
スープの量もわずかになったころ、エレンが口を開いた。

「そういえば、オレは・・・女型に・・・」

思い出さなくていい。あんな汚らわしい場所に私のエレンがいたなんて。きっとエレンにとっても屈辱のはず。

「そんなことは思い出さなくていい。今は体力の回復に専念して」

私はエレンにこれ以上女型のことを考えてほしくないと、再びエレンを横にしようとした。
でも、エレンはまだ女型のことを気にしていた。

「女型に食われて・・・そのあと、リヴァイ兵長とお前が女型から取り返してくれたんだっけ・・・」

あぁ、私のエレン。とても悔しそうな顔をしている。当然だ。私だって悔しい。私が女型をズタズタに引き裂いて見せる。だからもう少し・・・待ってて。
でも、私の脳裏に彼の姿が浮かぶ。彼が来てくれなければ・・・勝てなかった。

私の考えていることをエレンに悟られてはいけない。きっと、エレンは責任を感じてしまうはず。
だから・・・私は口を結び、半ば無理矢理にエレンを寝かせた。

「エレン、寝て。これじゃ回復できるものも回復できない。寝て」

私はエレンが眠りにつくまでエレンの肩をさすり続けた。

そのころ、リヴァイ兵長のもとへは予期せぬ来客があった。
どこから現れたのか?そして、明らかに壁内の人間とは違う服装。そして・・・私と同じ東洋人の顔。
リヴァイ兵長の話では、立体機動を装備していなかったにも関わらず、兵長の執務室へ音もなく侵入してきたらしい。
そう、この東洋人の男が・・・青い光の巨人の正体だった。

彼の話だと、女型はかなり疲弊しているとのことだ。おそらく、2~3週間は起き上がることもできないらしい。
しかし、彼は女型の正体を話してはくれなかったそうだ。
人類の敵・・・。私のエレンを攫おうとした汚らわしい女狐。
彼は・・・人類の味方なのだろうか?もし、そうでなければ・・・削ぐまでだ。

コメントあって嬉しいです。

光の巨人の正体が何なのかは、もう少々お待ちを・・・。

ちなみに、ミカサ視点で書いてますが粗相はないでしょうか?

iPhoneから失礼します。
外出のため、次は22時ごろ更新いたします。

青、東洋人、不法侵入……

藤宮かヒカリやな(確信)

>>16
ゼロやコスモス、あとティガやダイナの可能性もありますよ!

ここで、女型との戦闘で本当は何があったのかを告白しよう。
皆が知っている「事実」とは、エレンが攫われた後、私とリヴァイ兵長で女型を追尾、私が囮になって兵長が女型を攻撃、そして女型からエレンを奪還した。
しかし、私のミスで兵長を負傷させてしまった―――。というものである。

しかし、事実はこうもうまくは行っていなかった。

私が女型のうなじを狙ったとき、兵長は木に叩き付けられていたのだ。

「に・・・逃げ・・・ろ・・・」

瀕死の状態で兵長は私に逃げるよう促す。
エレンはまだ奪還できていない。もう・・・家族を失うのはたくさんだ。
私の命に代えても、エレンを救い出してみせる―――。
そう思って再び女型にシャフトを放った瞬間、眩い閃光と轟音、そして衝撃に私は吹き飛ばされた。

気が付くと私は青い何かに包まれていた。
そして・・・それが巨人の掌の中だと気付くのにそう時間はかからなかった。
私がもがいて抜け出そうとすると、巨人はそれに気づいたようで、私を兵長の隣にそっと降ろした。

こんな巨人、見たことがない・・・。
それが率直な感想だ。
全身が青い皮膚に覆われ、胸元には光る宝珠、そして仮面をつけた巨人。
奇行種か?それともエレンのように意思があるのか?
・・・どっちでもいい。エレンを救い出してくれるのなら、悪魔に魂を売っても構わなかった。

青い巨人が女型と対峙すると、女型は我に返ったように踵を返して走り出した。

「―っ!逃げられる!」

私は追いかけようと足に力を入れるが・・・腰が抜けてしまって動けない。腰が抜けたというよりも、何か人外の力で体を押さえつけられているかの如く。
このままでは・・・また、家族を失ってしまう。

動け!
動け!!
動け!!!

どれだけ頭で考えても体は動いてはくれない。
徐々に女型の体が小さくなっていく。

「あ・・・エレン・・・いかないで・・・」

その時だった。
青い巨人は目で追えない速さで女型の後ろを取り、巨大樹に投げ捨てた。
そこからは一瞬の出来事だった。
閃光が女型の巨人の四肢を吹き飛ばしていく。
そして急接近した青い巨人が女型の下あごを打ち砕き、その手にエレンを握りしめて離脱する。
次の瞬間には青い巨人はエレンとともに私たちのもとにいて、エレンを私の横に降ろす。
女型は回復に時間がかかっているようだ。
おびただしい蒸気を上げながら座り込んでいる。
青い巨人の手が私たちの頭上にかざされたとき、巨人の掌から暖かな光が差し込んできた。
どう表現したらよいのだろう・・・。痛みも、疲労も、すべてが瞬く間に消えていった。
兵長の体も、ほとんどが癒えていた。
気が付くと、女型も青い巨人もそこから消えていた。
残されたのは、私と、エレンと、兵長だけ。

まるで幻でも見ていたかのようだったが、あの女狐の汚らわしい汚物にまみれたかわいそうなエレンがこれまでのことが現実であったと認めざるを得ない理由だった。

「オイ・・・。帰るぞ」

兵長に促され、私たちはエレンとともに本体に合流した。

もし光の巨人が〇〇〇〇マンなら超大型しか対抗出来んなサイズ的に

>>26 そこは相手の大きさに比例して変わることができるという特撮ならではの設定を流用しています。

これが、女型の巨人が現れたときに起きた出来事だ。
実は、この後にももう一度だけ彼は私の前に現れている。

あれはアルミンと話をしていた時のことだった。

「でもミカサ、よくエレンを連れて帰ってくれたね」

「うん・・・。エレンを取り返せてよかった」
「ミカサは何か女型の手掛かりになりそうなものは見なかったの?」

―――どう答えたらよいのか一瞬迷った。
青い巨人のために女型のことをよく見ている余裕はなかった。
ただ、青い巨人のことは誰にも言うべきではない・・・そう思った。

「ごめんなさい。エレンを助けることで精いっぱいだった」
「そっか・・・。でも、また女型を捕獲できるかもしれない」
「・・・えっ?」
「今、作戦を練ってるからそれまで待っててくれ!」

アルミンはそう言い残して作戦室へと入っていってしまった。
今度こそ、女型を仕留めて見せる。そう、心に誓った。

―――その時、視界に“いるはずのないもの”が入った。
青い巨人。
いや、体のサイズは私たちと大差ない。せいぜい190?もあるかどうかといったところか。
青い巨人はついてこいとでも言わんばかりに手を招く。

・・・罠かもしれない。
出方を伺っているうちに青い巨人は踵を返してしまう。

「待て!!」

私は彼を追いかけた。

うーん、なかなかうまくいかないっすね〜涙
なんかアドバイスあったらぜひお願いします!

―――はっ はっ

なんて身体能力なのだろう。
追いかけても追いかけても追いつける気がしない。
そうして追いかけているうちにたどり着いたのは・・・地下室。
巨人には光が必要なはず。なのに・・・なぜ?

地下室のドアを開ける。
中にいたのは・・・男。
こいつが青い巨人の正体?

「お前は誰だ。なぜ、ここにいる?」

男は黙って、答える様子はない。

「もう一度問う。お前は誰だ?ここで何をしている?」

男はこちらに背を向けたまま。
あの青い巨人の謎を知っているのであれば、早々に開示させる必要がある。

「答えろ!!」

男がゆっくりとこっちを向く。

一瞬の油断も許されない。少しの油断が命取りになる。
初めて見たはずなのに、どこか懐かしさの感じる顔立ち。

「この世界では東洋人は絶滅したのか・・・。徐々に時が近づいているようだ・・・」

こちらの質問に答えず、男は独り言のようにそう漏らした。

埒が明かない。
男の脳天に蹴りを入れようと半身に重心をかけ、思い切り踏み込む―――。
だが、私の攻撃は空を切った。

もう一度・・・今度は逆足から顎を狙う!!
それも躱され、空を切った私の足を逆に掴まれ、取り押さえられてしまった。
誰もいない地下室。この私が、格闘術で負けるなんて・・・。

「ミカサ、おとなしくしていてくれ。人類を滅ぼす意思はない」
「では何を!何をしている!?」
「ミカサ、この世界は死にかけている。この世界を救いに来た」
「僕の名は―――」

今日はこの辺にします。
明日も仕事が早いので・・・。

もうちょっとうまくかけるように頑張ります・・・。

コメント、全部読んでます!
ありがとうございます。
コメントが私の励み!

「―――ハッ!?」

天井が見える。私は横になっているのか?
上体を起こして周りを見渡すとそこはさっきまで男と話をしていた地下室であることは間違いない。
しかし、肝心の男の姿はもうそこにはなかった。

「いつの間に・・・?」

周りを見回し、何か手がかりが残っていないかと目を凝らす。
すると、私の頭のあったあたりに一枚の紙切れが残されていた。
真っ白なその紙切れは、これまでに見たことのないほど上質で、光沢がかかっている。
そこにはこう記されていた。

―――巨人は、壁の中にいる。

・・・内通者が壁内にいるということなのだろうか?
わからない。

「おーい!ミカサ!!」

階上からアルミンの声が近づいてくる。
私が起き上がったころにちょうどアルミンが地下室のドアを開けて入ってきた。

「アルミン、どうしたの?」
「あっ!やっぱりここにいたんだ。ちょっと前に地下室に行ったって聞いたから・・・」
「なんでもない。それで、どうしたの?」

アルミンは深呼吸をすると、私にこう告げた。

「女型の巨人の捕獲作戦を発表する」
「!?」
「エルヴィン団長も来るから・・・一緒に来て」

その後、女型の巨人の正体がアニである可能性が高いことが私たちに告げられた。

そのころ、アニの元へはあの男が現れていた。
憲兵団の兵舎の一室、アニの部屋に突如現れた彼はアニの蹴撃をも躱してアニの口元を抑えるとこう囁いた。

「君の正体は知っている。僕と取引をしないか?」

一瞬、驚きの表情を浮かべたアニは、しばらく考え込んだ後、抵抗の意思がないことを示した。
男とアニはベッドの上に腰掛け、いくつか言葉を交わした。
一通り話し終わった後、男は立ち上がり、ドアの前でアニにこう告げた。

「この世界を救うために・・・エレンの敵になることは怖くなかったのかい?その・・・恋心を捨てるほどの・・・」

しばらく静寂が続き、深いため息をついた後、アニは彼にこう答えた。

「もう、気持ちの整理はつけたよ」

アニの表情は哀愁を漂わせていたが、強い女の決意を感じさせるものだった。

少ないですが、今日はここまでです。
深夜時間が空いたらまた更新したいと思います。

青い巨人の正体について、議論が沸き起こっているようですね・・・。

ここで聞くのもアレですけど
ほぼ同じタイトルの進撃×ウルトラパロSS書いてたんですけど、
投稿はまだ控えた方が良いですかね?
読んでみた限り内容はたぶんかぶらないとは思うんですけど・・・

このSSはすごく期待してます。ウルトラパロはもっと増えても良いと思うんだ

女型の巨人捕獲作戦当日、私たちはウォール・シーナのアニを地下道へ誘導する役割となった。
エレンに危険が及ぶことが気がかりではあったが、アニを確実に地下に送るためには致し方ない。
抵抗するならばそこで削げばいい。

もう一つ気になっているのが、エレンがアニが女型の正体である可能性を示唆したときにそれをなかなか認めたがらなかったこと。
エレンはあの女狐に騙されてしまった。
エレンは優しいから、きっとそれを認めたくはないのだろう。
しかし、世界は残酷だ。ので、きっとエレンは躊躇することなくあの女の首をへし折るだろう。
私の仕事はただ、削ぐだけ。

この時はあの男のことを考えるまでもなかった。

アルミンがアニを説得し、憲兵の目をごまかしにかかる。
アニは素直についてきている・・・ように見える。
だが、油断はならない。
地下道の入り口にさしかかろうかという頃・・・アニの足が止まった。

アルミンとアニのやり取りが続く。
まさにいたちごっこ。
それでもアルミンはまだ問い続ける。

「アニ、なんでマルコの立体機動装置を持ってたの?」

沈黙。

「そう・・・あれは・・・拾ったの」

―――もう、我慢が出来ない。
証拠はそろった。
あとは・・・削ぐだけ。

「不毛・・・」


アルミンとエレンがぎょっとした顔で私を見ている。

「今度こそズタズタに削いでやる。女型の巨人」

アニは不敵とも焦りにもとれる含み笑いを浮かべた。

アルミンが突撃の空砲を鳴らす。
調査兵団の団員が次々にアニを取り押さえにかかる。
猿ぐつわを咬ませた。あとは・・・首をはねる。
―――!?

私は確かに見た。
アニの指輪から突起が出たところを。
背筋が寒くなる。
―――遅かった!!!

すぐにエレンとアルミンを地下道の奥まで引きずりこむ。
閃光と轟音。
女型の巨人が姿を現す。
私たちの背後には無残な姿の団員たちが壁にへばりついていた。

待っていてくれた方、もしもいてくださっていたらお待たせしました。
ここはほぼ単行本の引用みたいになってますね。すみません。

>>45 私が言うのはおこがましいかもしれませんが、ぜひほかの方々のウルトラSSを見てみたいです!
タイトルを被らせるつもりは全くなかったのでタイトルが気に障りましたら申し訳ありませんでした。


―――ウォール・シーナ某所

現れた女型の巨人。
閃光と轟音から異変に気付いた憲兵団団長のナイル・ドークはすぐさま護衛の部下に様子を見るように指示した。
その隣には調査兵団団長のエルヴィン・スミス、そしてリヴァイの姿があった。

「ナイル、すぐに全兵を派遣しろ。巨人が現れたと考えるべきだ」

事態を呑み込めないでいるナイルは茫然としながらエルヴィンに問う。

「エルヴィン・・・ここで、何をしている・・・?」

精悍な表情でかの方向を見つめるエルヴィン。
その隣で静かに拳を握りしめるリヴァイ・・・。

「始まった・・・。うまく壁の外に行けたらいいのだけれど・・・この世界を・・・救うために・・・」

男は轟音のする方向を見つめながらそうつぶやき、しばらくして踵を返してどこかへ去っていった。

―――地下道

アニに巨人化された私達は、エレンにも巨人化してもらい、二次の作戦に移行しようとしていた。
だが、退路は塞がれ、エレンは巨人化できない。


「くそ・・・またかよ・・・こんな時に・・・!!」

痛みに悶絶するエレン。
私にはわかった。
エレンは躊躇している。
まだ信じようとしている。
でも・・・
この世界は残酷なのだ。

「あなたの班員を殺したのは、あの女でしょう?」

エレンの顔がみるみる青ざめていく。

「うるせぇな・・・やってるだろ!」

再び自傷行為をするエレン。

私はうすうす感じていた。
何かエレンの中で特別な感情が邪魔している可能性があることを。
そしてもう一つ、その感情はあの女狐に誑かされたことで湧き上がっているものだと。

「作戦を考えた」

アルミンが私たちに作戦を説明する。
両側から私とアルミンが同時に飛び出し、アニが反応した方と逆の出口からエレンが脱出するというもの。
つまり・・・どちらかが必ず死ぬ作戦。

位置につき、アルミンとタイミングを合わせる。

―――なんでお前らは戦えるんだよ・・・?

―――仕方ないでしょ?世界は残酷なんだから

いざ、飛び出さんという瞬間。
爆発音がこだまする。
同時に巨人化したエレンがアニに一撃を与える。
激しい格闘の末、立っていたのは・・・アニ。
エレンを昏倒させたにも関わらず、それをほったらかして逃走する。
もうエレンの身柄はどうでもいいのか?

「待て!!」

調査兵団の面々が懸命に立体機動で追走するものの、爪を硬化させて高速で壁を登るアニにはとても追いつけない。
逃げられる・・・
そう思った時だった。

「ミカサぁ!!」

アルミンの声。
エレン。
私を、アニのところまで放り上げる気なのだ。

―――ひゅっ

一刀のもとに右手の指を、返す刀で左指を全切断。

茫然とするアニの顔。

―――落ちて、アニ。

エレンがアニの首をもぎ取り、人類は女型の巨人に勝った・・・そう思えた。
だが、激しい蒸気の中、アニは水晶体の中に閉じこもってしまった。
そして・・・

―――ガラッ

「・・・壁の破片が・・・・・・・!?」

私は目を疑った。
壁の中には超大型巨人にそっくりの巨人の姿。
そして・・・

―――生きてる!!!!

困惑する兵士たち。
そこへ、ウォール教の司祭が駆け寄る。

「あの巨人に・・・光を当てるな!」

困惑する兵士たちにさらに困惑する出来事が起こる。
壁の中身だけじゃない。
新たな巨人、
私にとっては・・・3度目の
青い巨人がその姿を現した。
今度は・・・50メートル級の姿で。

「なんだ・・・あの巨人は・・・」

たっての巨人ヲタクのはずだったハンジ分隊長ですら絶句するその姿。
巨人は私の姿に気づいたようだ。
私をその手中に収めようとする。

「くっ・・・!」

とっさにアンカーを外して自由落下で離脱する。地面まであとわずかのところで再びアンカーを刺して巨人の様子をうかがう。
壁を破壊する様子は見られない。
ただ、壁の中の巨人を眺めているようにも見える。
兵士たちは大砲の用意をしているようで、特に憲兵はもはや烏合の衆と化している。

ついに巨人が動いた。
なめらかな動きで壁に向かって光線を放つ。
徐々に、壁が修復されていく。
ついには、壁は完全に修復されてしまった。
私はその時初めて、巨人の胸元の石が赤く点滅しているのに気付いた。

さて、このあたりから原作とは違う解釈で書かせていただいてます。
つまらなかったらそっとスレを閉じてください。

さて、皆さん、夜までごきげんよう。

光に包まれ、巨人の姿が消えていく。
そして巨人の立っていた場所には、見覚えのあるあの東洋人が立っていた。

「コスモス・・・ついに始まりましたね・・・」

男は手に持っていた何かをそっと仕舞った。

男が振り返ると彼はその周りを調査兵団の面々に囲まれていた。

ハンジ分隊長が調査兵団のジャケットを投げてよこす。

「ここは目立つ!それを羽織ってこちらへ!」

ついていくわけがない・・・。
そう思っていた。
だが、彼は素直にハンジ分隊長の指示に従い、ジャケットを羽織り、ハンジ分隊長の後をついていった。
周りの兵士たちはブレードを両手に握りしめ、何かあったときに備えている。

数時間後、彼と私たちは彼自身のことについて話を聞くことになった。

ハンジ分隊長、リヴァイ兵長、エルヴィン団長、私、アルミン、エレンが同じ席に着いた。

「では・・・まずは君の名前を聞いておこう」

エルヴィン団長がきわめて冷静に彼に問う。
もし、彼があの時のように壁を塞ぐことが出来るのならば、エレンを危険な目に合わせることなくウォール・マリアを奪還することが出来る。
何としても彼を人類の味方につけなければならない・・・それが全員の一致した見解だった。
全員が息をのみながら彼の答を待っている。

「僕の名前は・・・春野ムサシです」
「ハルノ・・・ムサシ?珍しい名前だ。君は東洋人か?どこから来た?」
「僕は東洋人です。この世界では絶滅したそうですが」
「この世界・・・。君は、別の世界から来たというのか?」
「ええ」

みんな、目を合わせて驚きを隠せない。
いや、驚きというよりも、あまりにも平然と理解を超越する出来事が続いて理解が追いついていないのかもしれない。
ただ、団長は淡々と質問を続けた。

「君は、何のためにこの世界に来た?」
「この世界を救うために来ました」
「救うとは?」
「この世界は侵略者によって狙われています。この星の人間から助けを乞われたのでやってきました」
「助けを求めたのは誰だ?」
「わかりません」
「侵略者とは?」
「それもまだ・・・」

ため息をつく面々。
ただ、ついに我慢の限界が来た男が一人いた。

「おい、てめぇ・・・ふざけんなよ。知ってること洗いざらい吐きやがれ!」
「エレン!!!」

エレンが突如立ち上がり、ムサシの襟をつかむ。
ハンジ分隊長、私でエレンを取り押さえる。
どうやらエレンには、勿体ぶって話しているように感じたらしい。

「この問題は個人の怒りでどうにかできる問題じゃない!」

ムサシが怒声を浴びせる。
穏やかな表情だった彼が、こんな激情家の一面を見せるとは驚きだ。
面食らったエレンは茫然と彼を見つめている。

「時間がない・・・。この世界の秘密を知る人間から“敵”の正体を聞き出さないと・・・人類はおろか、この世界は本当に滅亡してしまう」

団長がムサシに何か尋ねようとしたときだった・・・。
勢いよく扉が開き、トーマという調査兵団の団員が息も絶え絶えに入ってくる。

「エルヴィン団長!!ウォール・ローゼが・・・突破されました!!」

待っていて下さった方、(いたらの話ですが)お待たせしました。
仕事が多くて夜にはベッドに倒れております・・・。
夜は更新できたらやります!

ゆるーりとおまちくださひ。


騒然となる室内。
すぐにハンジ分隊長、私、エレン、アルミンが部屋を後にして壁に向かう。
まだ、何もわかってはいないのに・・・。

私たちがウォール・ローゼに発ったのち、ムサシはエルヴィン団長に問うた。

「ウォール教の司祭に合わせてください」

団長は肯くと皆、部屋を後にした。

〜ウォール・ローゼ〜

この時はまだ昼。
この時、私たちはアニとウォール・シーナで先頭を繰り広げていた。
巨人のにおいを感知したミケ分隊長が先ほどのトーマに早馬でエルヴィン団長へ報告へ走る。
絶望するナナバ。
そんなナナバを彼は鼓舞する。

「人は戦うことをやめた時、初めて敗北する。戦い続ける限りはまだ・・・負けてない」

再び士気を取り戻すナナバ。
立ち上がると馬の準備を行う。

それを見届けたミケは声高らかに指示を出す。

「巨人が林に到達した時点でここから離脱する!それまでに近隣の集落への伝達、および破壊箇所の調査を行う!4班に振り分ける!行くぞ!!」


そう・・・まだ、あきらめてはいけない。

待ってくれている方がいる!ありがたやー

さて、次は時間が空いたら22時頃に更新します。
ミケに関しては安価で決めようかな・・・と。

>>80に死ぬか生きるか決めていただきたいと思います。
実は重要人物なのです。
>>80までレスがなかったら・・・
泣きながら自分で決めます。

死ぬ

おおおっ!私涙目。嬉しいです!
読者の皆様ありがとう!


・・・てなわけで壮大なフラグを立ててくれたミケさんの死にざまを書いていきたいと思います。

すいません。
夏風邪をひいてしまったようで全くうごけません。。。

治り次第また頑張りたいと思います。。。

少し体調が回復しました・・・。
生姜ユミルは本当によく効きます。

心配してくださったかた、お心遣いありがとうございます。

しんがりを勤め上げたミケは廃屋の屋根の上で考えていた。
数多に転がっている巨人たちの亡骸がその奮戦ぶりを物語っている。

ーーーあと、4体・・・。潮時だ・・・。もう南班は巨人から遠くへ逃れたはずだ・・・

指笛で愛馬を呼び寄せる。
後はここから離脱するだけ・・・
だが・・・

ミケが気にしているのは50メートルほど離れたところでただ、その周辺を徘徊しているだけの獣のような姿の巨人だった。
エレンの巨人化した姿よりもさらに大きい、およそ17メートルほどの体長のその巨人は奇行種なのだろうか?

パカラッ パカラッーーー

ミケの愛馬がミケの元へ駆け寄ってくる。
さすがは俺の愛馬だ・・・
そう安堵した瞬間だった。
奇行種と思しき獣の巨人が彼の愛馬を掴み上げた。

「なっ・・・!?」

突然の出来事にまだ頭が認識できていない。
ただ、淡々と説明するとしたら、こうなるだろう。
獣の巨人は投げた。ミケの愛馬を。
そしてそれは一直線にミケの立つ廃屋へと・・・

ドカッーーー

激しい衝突音と崩れさる足場。
落ちるミケ。
そんな彼を漫然とキャッチするもの。
彼の顔を絶望が襲う。
ーーー巨人だ。

彼を掴んだ巨人が迷うことなく彼の足にかじりつく。
激痛に叫ぶミケ。

「・・・待った」
そう声をかけたのは紛れもない、あの獣の巨人だった。

ミケ編はもうすぐ皆さんの知っている結果になります。
・・・ほとんどはですが。
この後はミケ編を書き上げ、その後は更新できそうなら11時頃に更新したいと思います。
楽しんでいただけていたら幸いです。

巨人はミケを食いつくさんと彼を屠る。
しかし、獣の巨人はその巨人をいとも容易く握りつぶした。

「待てって言ったのに。汚いな〜」

獣の巨人はミケに立ち直り、彼に問うた。

「さて、壁の中のこと、いろいろ教えてもらえます?コスモスがどこまできたのか・・・とか」

恐怖に声も出ないミケ。
頭をかきながら獣の巨人は不思議そうに彼を見つめている。

「ん〜、同じ言語のはずなんだけどな。そろそろコスモスが来てもおかしくないからな・・・。この腰につけて飛び回るやつのこともきいてみたいんだけどな〜」

怯えるミケを見て、獣の巨人は何かを悟ったようだった。

「怯えて声が出ないのか・・・それとももともとしゃべれないのか・・・」

刹那、彼の脳裏にナナバと交わした言葉が脳裏をよぎる。

人は戦いを辞めたとき、初めて敗北するーーー

彼は再び、兵士としての誇りを取り戻した。
折れ曲がった足を引きずり、刃を奴に構える。

「あ、もう動いていいよ」

獣の巨人がそう言った途端、それまでぴくりとも動かなかった周りの巨人たちが一斉にミケを食らう。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

ミケの断末魔がこだまする。

一片、ミケの肉片が獣の巨人のもとへ飛ぶ。
奴はそれを口にすると、ミケの持っていた立体起動装置を持ってどこかへと去っていったーーー

ー数時間前ー

ある個室。
ハンジの怒声が聞こえてくる。

「いい加減答えてくださいよ!こうしているうちに巨人の脅威は迫ってる!」

ハンジは壁の中に巨人がいるという事実が発覚して以降ニックに対し壁の秘密を開示するよう迫っていた。
それを静観しているムサシとリヴァイ。
時間だけがいたずらに過ぎていく・・・

「ハンジ、壁に向かってくれ。エレンを連れてだ。壁を速やかに補修する必要がある」

エルヴィンの言葉にまだ怒気の残るハンジは黙って部屋を後にした。

ーウォール・ローゼ 内門ー

ウォール・ローゼ突破の報告から数時間後、一斉に住民の避難が始まった。
絶望と不安に満ちた表情でただ淡々と内地に向けて歩を進める人々にウォール教司祭のニックは絶句していた。

「これが・・・お前らが切り捨てようとしていた奴らの顔だ・・・」

まだ傷が癒えないリヴァイは彼についていた。
そしてニックは黙って首を振るだけだった・・・。

ニックを小部屋の中に連れ込む。
黙って神への言葉をつぶやいているようだ。

「天より舞い降りし壁を作りし神々よ・・・」

その時、ムサシがはっとした表情を浮かべる。
直後から表情はより一層深刻なものへと変わった。

ーーーあの子の話、巨人、壁、頑に口をつぐむ司祭・・・。まさか!?

ムサシは司祭の顔をのぞき込み、一言だけ彼に訊いた。

「”神”はあなたの前に現れましたか?」

驚きと焦燥の顔のニック。
すべてがわかったムサシは立ち上がり、コスモプラックを取り出す。

「できるだけの兵士を集めてウォール・ローゼへ!エレンたちが危ない!」

エルヴィンにそう告げると彼は外へ飛び出す。

「コスモース!!!!」

光とともに青い巨人が現れ、空を飛びながらウォール・ローゼの方角へと向かっていったーーー。

昨日更新しようと思っていた部分を更新しました。
結構時系列の問題とかが難しいです・・・。

予定より長くなってるのですが、物語自体は折り返し地点を過ぎました。
もう少々おつきあいください。

ーウドガルド城跡ー
昼夜を徹して行われていたウォール・ローゼの破壊個所を探していた南班は、破壊個所が見当たらないという事実を突きつけられていた。
兵士たちの疲労も激しく、この城跡で夜明けを待つ運びとなったのだ。
その時、見張りをしていたリーネが、人の姿を発見する。

「まさか・・・あれは!?」

「ミケ分隊長!!!」

「明かりが見えたので・・・もしやと思ったが・・・お前たちだったのか」
「よく・・・ご無事で!」
「あぁ・・・。馬を失ったが何とかこの装置で巨人から逃れることができたよ」

ミケはそう言って立体機動装置に目をやる。
その瞬間、リーネは目を疑った。

ーーーガスもついていないのにどうやって立体機動装置を使ったというの・・・?

「あなたは・・・誰?」

恐怖に顔を歪めるリーネ。
それに対して満面の笑みのミケは答えた。

「誰でしょう?」

ズボッ

刹那、リーネの胸をミケの胸が貫通する。

「う・・・え?」

声も無く倒れるリーネ。
ミケは何らかの合図を出す。徐々に足音が近くなってくる・・・
ミケがリーネの声でみんなを起こす。

「みんな、屋上に来てくれ!巨人だ!!」

全員がその声に驚き、屋上に来てみると、月明かりに照らされ巨人が周りを取り囲んでいる。
そして、血まみれのミケ。

「ミケ・・・分隊長?」

ゲルガー、ナナバはともに絶句する。
転がっているリーネ。
その時、ミケは笑顔で塔の下へ飛び降りていったーーー。

赤い閃光が目に入る。
そして・・・獣の巨人が現れた。

「じゃ・・・巨人たちと楽しんでね〜」

獣の巨人はリーネの装備を持って壁の方へ向かっていく。
ゲルガーは怒りに震える。

「よくも・・・ミケ分隊長のツラしてあんなことを・・・」
「ぶっ殺してやる!!!」

104期調査兵団のクリスタ・ユミル・コニー・ベルトルト・ライナーを背に、ナナバは彼女たちに指示を出す。

「下がっているんだ、新兵たち。ここからは・・・立体機動装置の出番だ」

彼らは巨人に向かっていく。

新兵たちは大急ぎで塔の中に戻る。
バリケードを作り、巨人を中に入れないためだ。

「巨人がどこまで来てるか見てくる!お前らは何でもいいからかき集めて持ってこい!」

ライナーがそう言って階段を駆け下りていく。

「待つんだライナー!」

ベルトルトが彼を追いかけてく。
コニーもそれに続く。


「やっぱすげぇな、ライナーは・・・俺にはあんなことをする勇気はねぇぞ・・・」
「あぁ・・・。悪い癖だ」

ベルトルトは嫌な予感がしていた。
もしかしたら・・・「あいつ」なのかもしれない・・・。
ライナーのことを知ったらあいつは迷わずライナーを消すだろう。
それだけは・・・嫌だ。
ベルトルトはライナーの元へ駆ける!!

かなり駆け足で進んでしまった気もします・・・。
ちなみにミケがもし生きていたらこの時点で敵の正体が明かされる予定でした。
個人的にベルトルさん好きなんですよねー。おすすめのベルトルさんSSとか教えてもらえたらうれしいです。

この後は皆さんのコメント(あれば)返したりしたいと思います。
リクエストもできるだけ受け付けます。
よろしくお願いします。

誤字 ×リーネの胸をミケの胸が貫通する。 
   ○リーネの胸をミケの腕が貫通する。

大変失礼いたしました。お詫びして訂正いたします。

塔の階段を下りるライナー。
巨人がどこまで来ているのか?
そもそも、入ってきた巨人をどこまで食い止められるのか?たかが知れている。
扉を開けて奴と目が合う。
満面の笑みを浮かべた奴がライナーに気づく。

「くっ!」

体を反転させ、扉を閉じる。
かんぬきをして叫ぶ。

「ここだぁ!!何でもいいから持ってこい!」

めりめりと扉が壊される音がライナーの耳をつく。

ーーーここじゃねぇだろ・・・?

壊された部分から巨人の手がライナーを掴もうとしたとき・・・

「ライナー!!!!」

ベルトルトが熊手を持って階段を駆け下りてくる。

そして・・・

ブスっ!!

巨人の目をひと突きにする。

ベルトルトと目が合うライナー。

「帰るぞ・・・。俺たちの・・・故郷へ・・・」
「あ・・・あぁ!帰ろう!」

しかし、巨人は目を潰したくらいでは死んでくれない。
万事休すかと思われた時、会場からユミルたちの声が耳に入る。

「そこをどけ!!!」

武器になるものを探しているうちに見つけたのだろう。
古い大砲を階段の上から巨人めがけて突き落とした。


・・・激しい衝突音とともに巨人が大砲の下敷きになる。
一段落ついた・・・。

皆、工具を用いて塔の扉を塞いだ。

ーーー夜明けまで、後4時間。

保守党

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