ゆら「C3部のみんなに陰口叩かれてた…」 (13)

れんと 「ゆらちゃん……」

カリラ 「もういいだろ。あんなヤツのことは放っとこうぜ? だいたいさぁ」

ほのか 「でも、『ゾンビ』を自分で告白したのはいいことだと思うわよ?」

八千代 「まーそうかもねー。黙ってればわからない、それがゾンビのいちばん問題な所じゃん?」

ほのか 「じゃ、始めるわよ『よいこのためのサバゲー講座 第9回:ゾンビ』」

れんと 「はじまりはじまりですー」

ほのか 「撃たれても撃たれても、絶対ヒットコールしないひとがいるの。それを『ゾンビ』って呼んでる。マナーもルールも守れない人、それがゾンビ」

八千代 「まさに『腐った死体』じゃんね」

カリラ 「そんなヤツには至近距離で200発くらい撃ち込めばいーんだよ。パニックで悲鳴上げるからそれでヒットコール替わりだしな」

ほのか 「ううん、それは違うと思う。そんなことしたらカリラもゾンビと同じ所に堕落する」

カリラ 「!?」

ほのか 「わたしたちはサバゲーマーは常にゾンビの誘惑にかられるのよ。どうしてだと思う?」

れんと 「ええと……」

ほのか 「装備品や銃に当たってもヒット。靴のつま先でも指先でも当たったらヒット。味方に誤射されてもヒット。ゲーム開始1分で、これから活躍したいところで偶然の流れ弾でゲームオーバー。これ納得できる?」

八千代 「んー。確かにガッカリじゃんね」

れんと 「本当はもう少し遊びたいですよね」

ほのか 「でも、そのちゃんが言ってたよね。サバゲーは本当の戦争とは違うって」

カリラ 「ああ、言ってたなー」

ほのか 「ぽろっと落ちてきたBB弾でも『戦死』なのは、サバゲーと殺人を区分するいちばん大切な部分なの」

八千代 「サバゲーはヒットされても次のゲームで復活できるし」

ほのか 「そう。お手軽に死んでお手軽に復活。『リアル』と『ごっこ』の徹底的な違いはここ」

カリラ 「確かに、リアル戦争だと撃たれて奇跡的に死ななくても、後遺症がずっと残ったり、その時の記憶が永久に残ったりするしな」

れんと 「戦争はイヤなのです……」

そのら 「おー。お前ら何の話してるんだ?」

八千代 「そのちゃん!?」

れんと 「今、ゾンビの話をしてたのです」

そのら 「ゾンビ? そんなのどーでもいいんじゃないか?」

カリラ 「どうでもいいのかよ!?」

そのら 「そのゾンビはわたしたちとは別の遊びをしてるからな。自分だけの世界でヒーローになりたいんだろ? だからほっとけばいいんだ。もちろん、そういうチームとはゲームしない。それでいいだろ?」

ほのか 「確かにそうだけど……」

そのら 「興奮状態でダッシュしてるときに1発流れ弾が当たっても気がつかないことだってある。もちろん確信犯のゾンビは問題だけどな。でも、当たった当たってないをイチイチ問題にしてたらきりが無いだろ」

八千代 「まーたしかにそーだけどさー」

そのら 「嘘ついて誤魔化してルールを破って相手に勝って楽しいか? 何度も言うけど、楽しくなかったら負けだ。だからゆらは……負けたんだ」

れんと 「……」

ほのか 「そうね。24時間サバゲーで最大の敗北者はゆらちゃんかもしれないわね」

カリラ 「オイオイ、そんなにテンション下げるなよ? いっそさ、ゾンビだらけのサバゲーやってみようぜ? 題して『死霊の盆踊り』だ!」

ほのか 「パス」

八千代 「不参加」

れんと 「わたしもちょっと……」

そのら 「てわけで、今日のゲームはゾンビなカリラをみんなで撃ちまくるゲームな」

カリラ 「ええええ?」

そのら 「ゾンビだからヒットコール禁止だぞ? 当たっても痛くても我慢だ!」

カリラ 「マテマテ。それひでーだろイジメだろ?」

ほのか 「至近距離で200発は誰のセリフだったしら?」

八千代 「ゾンビ狩りじゃん?」

れんと 「楽しそうですっ♪」

カリラ 「そんなわけで今回はオシマイっ。オレは逃げるっ!(ササッ)」

そのら 「次回もお楽しみになっ!」


おわり

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