キース「……七夕か」(336)

七月上旬 食堂

ジワジワジワ

ミーンミンミンミーン

エレン「……」グデーン

ホーシツクツクホーシ

ミカサ「エレン大丈夫?」

エレン「ああ、ちょっと夏バテなだけだ…」グデーン

アルミン「僕も…食欲無いかも…」グデーン

ジャン「暑すぎんだろ…どうなってんだマジで…」グデーン

マルコ「というかこの暑さでもマフラーを取らないミカサって…」グデーン

サシャ「みなさん食欲ないんですか?だったらパァンは私がいただきますね!」パクパクッ

アルミン「うう…」

エレン「怒る気力もねぇ…」

ミカサ「エレン、私のパンをあげよう」

エレン「いやいらねぇ…まじ食欲ない…」グデーン

コニー「おめーらダラシねぇな〜こんくらいの暑さでへばってどうすんだよ」

ジャン「つかなんでお前らは元気なんだよ。あれか、バカは暑さも平気なのか」グデーン

ミカサ「ジャン、それは私に対して言っているの?」

ジャン「」

エレン「やっぱあれだな…山育ちは暑さにも強いんだな」

サシャ「いや〜それほどでも。テヘヘ」

ライナー「……暑いな」ジワジワ

ベルトルト「本当に…」ジワジワ

アニ「……」ボー

ベルトルト「大丈夫かいアニ?」

アニ「え、ああ、平気」ボー

ライナー「そのパーカー脱げよ。夏場に着るもんじゃないだろ」

アニ「……変態」ゲシッ

ライナー「いてっ!コラ蹴るな!スネを蹴るな!」ゲシッゲシッ

アニ「乙女に服脱げって言う方が悪いだろ」ゲシッゲシッ

ライナー「ち、違う!パーカーじゃなくて薄着のインナーを着ろと言ってるだけだ!痛い!」ゲシッゲシッ

ベルトルト「もー…うるさいし暑苦しい…静かにしてよ…」グデーン

ライナー「アニに言え、アニに」

アニ「はぁ…それにしてもホント暑いね…」グデーン

ベルトルト「パーカー脱げばいいのに」

アニ「ん、考えてみる」

ライナー「いやまてまて!なんか俺の時と態度違くないか!」

ベルトルト「だからうるさいってば」ゲシッ

ライナー「ひでえ!」

アニ「はあ…」

アニ(パーカー以外にインナーを持ってないなんて言えない)

アニ(寝巻きをインナー代わりにするのもなんというかね)

アニ(周りの女子はなんかオシャレだし…あ、あのシャツ可愛い)

ゲシッゲシッ
イタイ!ヤメロ!


ユミル「お、クリスタ〜可愛いシャツ着てんのな(汗ばんだシャツ最高)」グデーン

クリスタ「うん、今日は特別暑そうだし」グデーン

ユミル「違うだろ〜?私の問いに対しての答えになっちゃいない」

クリスタ「ふぇ?」

ユミル「なんで、おまえは、わざわざ訓練に可愛いシャツを着てくるんだよ」

クリスタ「そ、それは…その…」

ユミル「色気づきやがって、恋か?恋なのかクリスタ?」ケラケラ

クリスタ「う、うぅ…」

ユミル「素直に言えよ…見られたいんだろ?褒めてほしいんだろ?男共に」

クリスタ「ち、ちが…///」ジワァ

ユミル(クリスタかわいいprpr)

ミーナ「ユミル、クリスタをいじめちゃダメでしょ?」

ユミル「はいはい、悪かったよ〜許してくれよクリスタ〜」ギュウ

クリスタ「ううーユミル暑苦しいぃ…」

フランツ「ハンナ、はいアーン」

ハンナ「パクッ…おいしい!それじゃフランツもアーン」

フランツ「え?おいおい恥ずかしいな〜ハハ」パクッ

アルミン「あの二人はいつも以上にアツアツだね」グデーン

ジャン「くそ…朝から暑苦しいもん見せつけんじゃねぇよ…」グデーン

ワイワイガヤガヤ
グデーン

キース「……」

昼 演習場 格闘訓練

オリャー…
アツイイ…
ダルイ…
オェエェエエッ
ワー!ダズガハイタゾ!
イムシツニハコベ!イムシツニ!

キース(ふむ、まだ初夏だと言うのに今年は暑いな)

キース(訓練兵達もこの暑さのせいでやる気が削がれている…このままではマズイな)

キース「どうしたものか…」

ーーーー
ーー

その日の夜

キース(…寝苦しいな)

キース「少し散歩でもするか」ムクッ

ザッザッ

キース「……星が綺麗だな」

キース(ふっ、柄でもないことを)

キース「む、天の河が見えるな」

キース(そうか。もうじき七夕か…幼少の頃を思い出す)

キース(思えば奴らもまだ子ども…こんな時代に生まれて来なければ今頃家族と星を眺めていられただろうに)

キース「……七夕か」

黒金竹「……」ドーーン

ザワザワザワ

エレン「なんだ?あの銀色の植物は」

ミカサ「あれは竹と言う植物、私の住んでいた山にも生えていた」

マルコ「あれは黒金竹だね」

コニー「くろがねだけ?」

サシャ「なんですかそれ?メンマにして食べられますか?」

ユミル「どんだけ食い意地はってんだ芋女」

ジャン「ったく…おまえらちゃんと授業聞いてんのか?」

アルミン「工場都市北の山岳地帯に自生する特殊な植物だよね」

アルミン「外見こそ竹だけど白銀色の輝き、並の金属とは比較にならない硬度と軽さをもつんだ。」

アルミン「立体機動装置に欠かせない原料でアンカー部の素材に使用されているほか、葉は溶解させ取り出した葉脈を繊維とすることでワイヤーに、幹の空洞部分はボンベに使用されているんだよ」wiki原文まま

アニ「へぇ、さすが座学トップだね」

アルミン「えへへ」

ライナー「つーかなんでそんな物がここに置いてあるんだ?」

ベルトルト「さぁ…技巧の時に使うんじゃないかな」

クリスタ「じゃあ今度の技巧の授業はワイヤーとアンカーを造るんだね」

キース「いや。それは違うな」

クリスタ「き、教官!」バッ

アルミン「あの、これは技巧に使う黒金竹では無いのですか?」

キース「今度の技巧で黒金竹を使うのは事実だが…これはその内の数本を拝借してきただけだ」

アルミン「?」

キース「ゴホン…全員注目!」

一同「!」ザッ

キース「班に別れ席に着け」

ザワザワ

キース「これより短冊を配る、班長は班員に行き届くよう配れ!」

班長「ハッ!」ザッ

キース「貴様らは“七夕”という物を知っているか?」

コニー「おお、懐かしいな〜」

エレン「え?なんだよ七夕って」

サシャ「ダウパー村でもやってましたよ!」

ミカサ「私も知ってる…というか知ってるのは私だけかと思っていた」

アルミン「たしかにシガンシナ区には馴染みの無い風習だもんね。僕も本でしか読んだことないや」

エレン「へぇ、山育ちスゲぇな」

ミカサ(エレンに褒められた…///)

キース「知っている者もいるようだが一応説明しておこう」

キース「七夕とは七月七日、一部の地区で行われる一種の神事だ」

キース「貴様らには先ほど配った短冊に各々の願い事を書き、この黒金竹に吊るして貰う」

ザワザワ

エレン「願い事か…なんつーかあんまり気乗りしないよな」ボソボソ

アルミン「え?どうして?」ボソボソ

エレン「いや、自分の願い事を神頼みにするって言うのは…なんか違う気がしてよ」ボソボソ

キース「イェーガー訓練兵!」

エレン「は、ハッ!(やべえ聞こえてた!)」

キース「なにも神を信じろとは言わん。これは自らの目標を改めて自覚する儀式なのだ」

エレン「!」

キース「その短冊に各々の意志を筆にのせ己の欲望と向き合う。それこそがこの神事の目的なのだ」

エレン「…すいませんでした」

キース「分かればよい」

エレン(クソ…俺はなんて子どもじみた考えを…!)

アルミン(あれ?七夕ってこんなに大袈裟な行事だったっけ)

キース「短冊に願いを書くにあたり決まりを設ける」

キース「ひとつ!自らの名前は書かなくて結構!匿名だからこそ本当に叶えたい願いが書けるであろう」

キース「ふたつ!他人の名前も書くな!中傷はご法度だ!」

キース「短冊は今日中に吊るしておく事!他人に見られたくない者はこっそりと吊るすことだな。では食事に戻れ」

エレン「願い事か…そんなの一つに決まってるぜ!」サラサラサラ

アルミン「あはは…」

アルミン(たぶん巨人を駆逐したいとかそんなのだろうな…)

エレン「……」チラッ

アルミン「……」サラサラサラ

エレン「……」ウズウズ

アルミン「…なに?」

エレン「気になる?俺がなんて書いたか気になるかアルミン」

アルミン「…聞いてほしいの?」

エレン「まあアルミンがどうしてもって言うならな?」ウズウズ

ミカサ(自慢したくてウズウズしてるエレンかわいい)ハァハァ

アルミン「じゃあ見たい…かも」

エレン「しょうがねぇな!俺とアルミンの仲だから特別だぞ?」

つ『巨人を駆逐して外の世界を見る』

エレン「もちろんアルミンとミカサも一緒だからな」

アルミン「え、エレン…」ウルウル

アルミン(半分当たってたなんて言えない)

ミカサ「結婚したい(必ず三人で行こう)」ハァハァ

エレン「ん?ミカサが書いた願い事はお嫁さんになる事なのか?」

ミカサ「はっ、しまった、そう書けば良かった」ガーン

エレン「ちなみにアルミンはなんて書いたんだ?もう見せ合いっこしようぜ」

アルミン「ああ、僕はこれ」スッ

つ『皆が笑顔で過ごせる未来が訪れますように』

エレン「おお〜」

アルミン「まあ不可能に近いって分かっててもね…願いは大きければ大きいほど良いと思うし」

エレン「そんな事ねえよ、巨人を駆逐出来りゃきっと皆笑顔になるはずだ」

ミカサ「アルミンまじ天使(私もそんな未来が来ればいいと思う)」ハァハァ

アルミン「あ、ありがとう…(天使?)」

ジャン「……」サラサラサラ

マルコ「……」サラサラサラ

ジャン「よおマルコ、なんて書いたんだ?」

マルコ「え?詮索はしたらダメだって教官が言ってただろ?」

ジャン「待て。当ててやろう…『憲兵団に入りたい』…だろ?」

マルコ「それはほとんどの人が書くと思うよ。ちなみに僕のは違うから」

コニー「なになに?『暑いから涼みたい』って?」

マルコ「なッ!?こらコニー!覗くなんて…恥を知れよ!」

コニー「へへ、隠さない方が悪いんだよ」

ジャン「にしてもまた随分と現実的な願いだな」

マルコ「実際この暑さにはウンザリだしね」

コニー「まあマルコらしいっちゃらしいけどな」

マルコ「コニーはなんて書いたんだい?」

コニー「教えねー」

マルコ「人のを覗いといて自分は見せないつもりか!?」バッ

コニー「へへーん、ここまでおいでー」

マルコ「クソ…なにがなんでも覗いてやるからな!」ダッ

ライナー「…ま、書く事は大体決まってるだろう?」サラサラサラ

ベルトルト「当たり前じゃないか」サラサラサラ

アニ「当然」サラサラサラ

ライナー「満場一致ってことか」

ベルトルト「…?」

アニ「…?」

ライナー「えっ」

ベルトルト「えっ」

アニ「えっ」

エッ
エッ
エッ

サシャ「うへへ、こんなの答えが丸見えのテストより簡単ですね」サラサラサラ

ユミル「どうせ腹一杯飯が食いてえとかそんなんだろ?」サラサラサラ

サシャ「え、エスパーや…エスパーがここにおるとぞ…」

クリスタ「……」サラサラサラ

ユミル「さぁてと!クリスタちゃんはなんて書いてんのかな?」ガシッ

クリスタ「キャッ!ちょっとユミル!覗かないでよ!」バッ

ユミル「よし分かった当ててやろう…『胸が大きくなりますように』か?」

クリスタ「ち、違うよう///」

ユミル「おーい皆ちゅうもーく!クリスタの願いは『胸が

クリスタ「キャーーーッ!!分かった言うからっ!言うからやめて!」

ザワザワザワ

男子一部(胸…胸が…?どういうことだ?)

エレン(胸が…踊るような冒険がしたい、とかか?)

アルミン(胸が…一杯になるような本が読みたい、かな?)

ジャン(胸が…ときめく様な恋がしたい、か?俺はすでにしているからな…その気持ち分かるぜ)

ライナー(胸が…厚い男と結婚したいってことか筋トレしよ)

サシャ(胸肉か〜あぁ鶏肉食べたい)

ムネムネ
ムネガ?
キントレシヨ
エッ
エッ
エッ

ミーナ「ハァハァ…」ジー

アルミン「…!?」ゾクッ

アルミン(な、なにか得体の知れない視線を感じる)

ダズ「……」ポツーン

ダズ「……」サラサラサラ

ダズ「……はぁ」

『友達が欲しい』

ーーーー

ーー

翌日 朝 食堂

エレン「お、さっそくみんな吊るしてあるな」

アルミン「どれどれ?…ほとんどの人が憲兵団になりたいとか内地に行きたいとかだね」

ミカサ「このご時世仕方のないことだと思う」

ジャン「お、さっそく吊るされてんじゃん」

マルコ「うわ。憲兵団一色」

コニー「憲兵団以外の奴見てみようぜ」

アルミン「そうだね、えーと…」

『ハンナが幸せになれますように』

『フランツが幸せになれますように』

アルミン「名前出しちゃってるよ」

ライナー「というか誰が書いたのかバレバレだな」

ベルトルト「まあ当人達は恥ずかしがってないからいいんじゃない?」

アルミン「それもそうだね。中傷に使われてなければOKなんだっけ」

エレン「……」

アルミン「エレン?どうかし

『エレンのパンティおくれーっ!!!!!』

アルミン「ウーロンかよ」

ミカサ「///」

エレン「つかなんで俺のなんだよ…パンツがねぇなら買えばいいのに」

アルミン「ホントにね、でもこの世の中にはパンツも買えない人もいるんだよ」

エレン「そう…なのか。そういうことなのか」

アルミン「そういうことさ、食糧難って怖いね」

アルミン(そういうことにしといてくれ)

ジャン(馬鹿な奴もいたもんだ。わざわざ名指しで自分の欲望を満たそうとするとは)

ジャン(ま、まああんな死に急ぎ野郎に好意を抱いてる奴がいたなんて少し驚いたが…)

ジャン(俺は同じ轍は踏まんぞ!)

アルミン「あ、この短冊」

『暫定成績一位の人と結婚を前提にお付き合いしたい』

ジャン(ふっ、どうよ俺の匿名且つ名指しを避けた願い事は)

アルミン「色んな願い事があるんだねー(ジャンだな)」

マルコ「うん…うまくいくといいね(ジャンだ)」

アニ「……(ジャンだね)」

ライナー「うーん…(ジャンじゃん)」

ベルトルト「ま、まあ…ね?(ジャンとミカサだ)」

サシャ「あーお腹空いてきました(ジャァン!)」

コニー「ジャンじゃねーか(パン取るなよ芋女)」

ジャン「…ッ!?」

ジャン(空耳…?空耳だよな?)

エレン「あれ?暫定一位ってミカサじゃね?」

ミカサ「ま、まさかこれを書いたのはエレン…!?」

エレン「は?んなわけねーだろ。俺が書いた奴昨日見せただろ」

ミカサ「そう…では残念。これを書いた人の気持ちには応えられない」

ジャン「」

アルミン(ご愁傷さま…)

ユミル「お、なんだこの人混みは」

クリスタ「わあ。短冊がいっぱいついて綺麗になったね!」

サシャ「いや〜中々面白いですよ?みんなの願い事」

ユミル「なるほど、欲望の渦巻く短冊か…面白そうだな。ん?」

『皆が笑顔で過ごせる未来が訪れますように』

ユミル「えーとなになに?『皆が笑顔で過ごせる未来が訪れますように』」

ユミル「ダハハハハ!なんだこりゃ!くっせえにも程があんだろ!」

アルミン「/////」プルプル

クリスタ「ち、ちょっとユミル!人の願い事をバカにしちゃダメだよ!」

ユミル「はいはい、クリスタちゃんはいい子だもんな〜よしよし」

クリスタ「わ、私はこの短冊を書いた人は心が綺麗で素敵な人だと思う!」

マルコ「たしかに素敵だよね、世界平和はありきたりだけど」

アニ「まあ願い事だしいいんじゃないの?」

ユミル「でもさすがにこれはなぁ…いかにも子どもが考えそうな願いだろ」

アルミン「……」ジワァ

エレン「おいユミル!アルミンの願い事をバカにすんな!」

ミーナ「!」ピクッ

ユミル「え?」

アルミン「ぼ、ぼく…その…みんなが…笑えたらなって…思って…」グス

ユミル「え?え?」アタフタ

アルミン「み、みんなが笑えたら…幸せだろうなって…はは、確かに子どもっぽいよね」グスン

エレン(天使降臨)キュン

ミカサ(あぁアルミンみたいな子供が欲しい!)キュン

ジャン(ちょっと待て、いや待て…アルミンは男だろ?アルミンは男…だよな?)キュン

マルコ(あ、普通に可愛い)キュン

サシャ(なんやこの泣き虫こんなんじゃ狩人にはなれんな)キュン

コニー(よくわからんが胸が苦しい)キュン

アニ(やばい可愛いナデナデして慰めたい)キュン

ベルトルト(これは計算してやってるのか?だとしたらとんだ悪魔だぞ…アルミンは天使なのかそれとも悪魔なのか)キュン

ライナー(結婚しよ)キュン

クリスタ(まさかアルミンのだったなんて...どうしようこれを書いた人は素敵だと思うって言っちゃった!は、はずかしい///)キュン

ミーナ(涙ぐんだアルミンをかばうエレン…!まさに最高のシチュ!)キュン

ユミル「えー、えーと…その、なんだ」アタフタ

ユミル(う、周りからの視線が痛い…ミカサなんか殺気を放ってるぞ…)

ユミル「あれだ!間違えたんだ!クリスタのと!」ピコーン

クリスタ「え」

ユミル「クリスタの短冊ををからかってやろうとバカにしたはいいが勘違いだったみてえだ。ホント悪かったよ」

アルミン「い、いや!ホントにいいんだ!気にしないで!」

ライナー「ま、確かにクリスタが書きそうな願い事だな」

ジャン「たしかに」

ミカサ「言われてみれば」

ユミル(悪いクリスタ!)ボソボソ

クリスタ(もう!これに懲りたらああいう事はやめてね)ボソボソ

エレン「おっと。あと少しで訓練始まるぞ」

アルミン「もうザッと見ちゃおっか」

エレン「そうだな、残った短冊は…」

『故郷へ帰れますように』

『名前を覚えて貰えますように』

『もう少し乙女らしい格好がしたい』

『えろほんをだんしりょうにおいてほしい』

『おいしいご飯がいっぱい食べられますように』

『もっと人の役に立てますように』

『金髪碧眼天使とイチャイチャしたい』

『暑いから涼みたい』

『エレ×アル希望!』

『友達が欲しい』

ライナー「おまえら…ちょ〜っとこっちに来い」ガシッ

ベルトルト「えっ」

アニ「えっ」

ライナー「なぁ、なんで俺だけなの?故郷帰りたくないの?」

ベルトルト「…あ」

ライナー「あ、じゃねーよ!」

アニ「いや、というか逆にそんなこと無闇に書いたりしちゃダメなんじゃないの?」

ベルトルト「右に同じく」

ライナー「まあそうだが…じゃあベルトルト、お前はなんて書いたんだよ」

ベルトルト「え?べべべ別にいいだろなんでも」

ライナー「…じゃあアニ」

アニ「……変態」ゲシッ

ライナー「痛っ!なんでだよ!」

アニ「あんたが悪い」

ライナー(お、俺だって…俺だってクリスタと結婚したいって書きたかったんだぞぉ!)血涙

クリスタ「えろほん?」

ユミル「あークリスタにはまだ早い」

ジャン「つかこれコニーだろ(お返しだ)」ニヤニヤ

コニー「は、はああぁああぁ!?なんっでだよ!証拠はあんのか証拠はあ!」

ジャン「ひらがな」

コニー「」

アルミン「夢とか願い事っていうより…要望みたいになってるね…」

エレン「暑いから涼みたい…かぁ。これには賛成だな」

ミカサ「おいしいご飯…これはサシャ」

サシャ「え、エスパーが二人…」

マルコ「友達が欲しい…か。なんか切ないね…僕で良ければいつでも相談にのってあげるのに」

ジャン「エレ×アル?掛け算か?」

アルミン「僕も見たことない式だ…書いた人はよっぽど座学が好きなのかな?」

クリスタ「あ!ユミル!また変な事書いたでしょ!」

ユミル「え?なんのことだ?」

クリスタ「その…金髪碧眼天使とイチャイチャ…とか///」

ユミル「おいおい、自意識過剰もいい加減にしろよ。なにもクリスタとは言ってないだろ?」

クリスタ「う、まあ、たしかに…」

ユミル「あれあれ?もしかして自分の事天使だとか思っちゃってますか?うっわー痛い子だわー」

クリスタ「ううぅ...」

ユミル「それに私が書いたなんて証拠もないだろうが」

クリスタ「ご、ごめんなさい…」

ユミル「いや、許せないね。こればっかりは怒った。罰として今日は同じベッドで寝よう」

クリスタ「わ、わかった...って絶対怒ってないでしょ!もういい!」プンプン

ユミル(ああ涙目クリスタマジ金髪碧眼天使)

キース「おい貴様ら!何をしている!さっさと演習場に行かんか!」

一同「は、はい!」ビクッ

キース「まったく…」

黒金竹「……」Hello

キース(うむ、全員吊るしたようだな)

キース(さて…今夜は徹夜だな)

その夜 教官室

キース(奴らも過酷な訓練で疲れていることだろう)

キース(加えてこのうだるような暑さ…兵団全体の士気が落ちているような気がしてならん)

キース(この行事で多少は息抜きが出来ればよいのだが…しかし)

キース(私も教官として出来る事はしたいものだが…いかんせん若い者の考える事はよくわからん)

キース(従って今回は七夕という形で奴らの本音を引き出そうとしたはいいものの…)

キース「匿名にするべきではなかったな…これではどれが誰の願いかよくわからん…」

キース(いや、私も奴らの教官となりしばらく経つ…これは私がいかに訓練兵達を観察していたのかをためす試練なのだ)

キース「よし、特定していくか」

『憲兵団に入りたい!』

『内地で快適な暮らしを!』

キース「やはり大半の短冊がこれか」

キース(こればかりは自ら努力する他ないだろうな)

キース(私に出来る事は訓練の量を増やすことくらいだが…憲兵団に入れるのはどちらにせよ上位10名)

キース(実力のあるもの全てを憲兵団にというわけにはいかんからな)

キース「これは私にはどうにもできん。本人達のやる気と才能次第だろう」

キース「次だ」

『ハゲ教官の訓練キツすぎ辛い』

キース「ふんッ!」ビリビリィッ

キース(特定してやる...一匹残らず...!)

キース「……次だ」

『ハンナが幸せになれますように』

『フランツが幸せになれますように』

キース(ふむ。名前は中傷されない限りグレーゾーンなわけだが)

キース(これはどういう事だ?)

キース(他人の幸せを望むという事は...恋仲か?)

キース(考えうる可能性は二つ...訓練兵の中にこの両名に恋心を抱いている人物が2人いるか、もしくはこの両名が互いに愛し合っているのか...)

キース(今思い返せば奴ら水を汲む時もペアを組むときも食堂にいる時も二人だったな...ということは後者、か)

キース(え!?あいつら付き合ってたの!?)

キース「くっ…!こんな事にも気付けなかったとは…私は今まで奴らの何を見ていたのだ!」ガンッ

キース(しかし訓練兵内の異性交遊は厳罰…)

キース「という決まりではあるが」

キース「愛する者…守る者がいるからこそ人間は強くなれる。ここは見過ごしてやろう」

キース(ああー結婚式のスピーチとか頼まれたらどうしよう…緊張してきた)

キース(子供が生まれて名付け親になってくれとか言われたらなぁ。困るなぁ)

キース「ハンナ…フランツ…ハナ…フラン」

キース「よし、間を取って“ハラナツ”という名前にしよう」

キース「次だ」

『皆が笑顔で過ごせる未来が訪れますように』

キース「これはさすがに私でも分かるぞ」

キース「クリスタ・レンズだな!」

キース(相変わらずの天使っぷり…おっと、つい頬が緩んでしまった)

キース(彼女は自身が苦しい時にも周りを常に気遣い兵団の士気向上にも一役買ってくれている)

キース(教官の私が行き届かない所までフォローしてくれるあたり本当に助かっているからな)

キース(なにか褒美を与えたいものだが…)

キース「とりあえず保留しておこう。次だ」

『名前を覚えて貰えますように』

キース「む、名前を覚える?私は訓練兵の名前は一通り頭に叩き込んだはずだが」

キース(名前…名前か。覚えて貰えないということは周りが覚えづらいほどややこしい名前なのだろうな)

キース「ジャン・キルシュタイン」

キース「ミカサ・アッカーマン」

キース「ベルリン・フーパー」

キース「ミーナ・カロライナ」

キース「アルミン・アルれっ…アレrっ…」

キース(これはもしや…アルミン・アルレルトの短冊か?)

キース(確かにアホみたいな名前で覚えにくいが…周りからはアルミンと呼ばれて馴染んでいるようだし…違うか)

キース「…これも保留だな」

キース「次だ」

睡魔が俺を呼んでいる...

>>66 あした必ず続きを書くと約束してくれ

>>66
明日とは言わない
しっかり書ききってほしい

>>67 見てくれてありがとう。明日も書きます約束します
>>68 書ききるつもりなんですが自分でもゴールが見えない...無事に着地できるよう頑張ります
いっぱいレス付いて嬉しいです
七夕ネタなんで今日中に終わらせようと思ってたけど無理っぽい
それじゃちょっとだけ書いて寝ます

『暫定成績一位の人と結婚を前提にお付き合いしたい』

キース(暫定一位…たしか…)

ペラッ

キース「うむ、今のところ主席候補は断トツでミカサ・アッカーマンだな」

キース「む、ということは…」

キース「おぉ…おお!」

キース「これはまさしくエレンの短冊…!」

キース(グリシャ…今日お前の息子が…男になったぞ)

キース「グリシャの孫…か。私も歳をとったな」

キース(おっと、気が早かったな。ここは私がサポートしてアッカーマンとエレンの仲を取り持たねば)

キース「む、いかんな。睡魔が襲ってきた…もう寝るか」

キース(勝負は明日だ)


翌朝 男子寮から食堂への道

エレン「ふあぁ。ねみい…」

アルミン「…zzz」

コニー「夜遅くまで勉強なんかしてるから悪いんだよ。その点俺は偉い。生まれてこのかた勉強なんてしたことないからな!」

マルコ「自慢になってないよ…」

ベルトルト「ほら、寝ながら歩くと危ないよ」グイッ

アルミン「ん、おんぶしてベトベトン」

ベルトルト「甘ったれんなよコラ」イライラ

ジャン「今日も格闘訓練だろ?そん時に眠りゃいいじゃねえか」

エレン「……チッ」

ジャン「あ?いま舌打ちしたの誰だ?」

エレン「俺だよ」ゴゴゴゴゴ...

ジャン「へっ、自分の得意科目を貶されて怒ってんのか?まじでお前はおこちゃまだな」ゴゴゴゴゴ...

エレン「んだとォ!?」

ジャン「やるかコラ!」

ライナー「まぁ待てよお前ら。朝っぱら体力使ってどうすんだ」

エレン「…ライナーに免じてここは引いてやる。今日の格闘訓練覚えてろよ」

ジャン「上等だ死に急ぎ野郎、首洗って待っときやがれ」

ミカサ「おはようエレン、アルミン」

ジャン「み、ミカサ///おはよう!」

エレン「おはよ」

アルミン「ふぁよ」ゴシゴシ

ライナー「俺たちは先に行ってるぞ」

ベルトルト「ごゆっくり」

ジャン「え、ちょ、おまえら!」

マルコ「はいはい。行くよジャン」

コニー「ホント仲いいよな〜毎朝男子寮まで迎えにくるとか」

ワイノワイノ
<ミカサ〜!
ウルサイヨジャン

キース(…邪魔者は消えた)モグモグ

ミカサ「二人ともクマが出来てる」

エレン「昨日アルミンに徹夜で座学を教えてもらってたんだよ」

キース(これはチャンスだな)モグモグモグモグ

キース(名付けて“バナナの皮でアッカーマンが滑って転んだ所をエレンがキャッチし目が合った瞬間ドキッ”作戦だ)モグモグモグゴックン

キース(アルミン・アルレルトの存在が邪魔だが...どちらにせよ奴の反射神経では反応できんだろう)ゲプゥ

ミカサ「そう、アルミン。エレンのためにどうもありがとう」スタスタスタ

キース(まだだ…あともう少し…)

アルミン「いや、僕も復習になったし大丈夫だよ」スタスタスタ

キース(風向き、歩幅、速度…全てを計算し着地点を予測…かつエレンの方向に倒れこむような位置に…)

エレン「というかなんでお前がお礼を言ってんだ」スタスタスタ

ミカサ「家族がお世話になったのだからお礼を言うのは当然」

エレン「ったく…あ、おまえホコリ付いてるぞ」

ミカサ「え、どこ?」

キース(…!今なら隙だらけだ!)

ヒュッ←バナナの皮

エレン「ほら、ここに」スッ

ミカサ「あ…///」

どどどどど...

ドドドドドドドドド...!!!

ドヒュンッ!

サシャ「バナーーナアァアァーッ!!」ガブッ!

キース「…ッ!?」

キース(な、なんだとぉおぉおッ!!?)

エレン「……」

アルミン「……」

ミカサ「……?」

サシャ「こ、これは…皮あああぁあぁあ!!」ガーン

ミカサ「…サシャ?どうして私の足元に顔を突っ込んでいるの?」

サシャ「神…様…」

ミカサ「踏まれたい…の?(せっかくエレンが…私とエレンの時間が…)」ゴゴゴゴゴ

サシャ「……あ…あぁ…ひでぇよ…あんまりじゃねぇか…」

サシャ「誰だよ!!これ全部食べやがった奴は!?」

グシャッ

アルミン「あぁ…やられた…」

ミカサ「行こう」スタスタ

エレン「朝っぱらから変なもん見ちまった」スタスタ

アルミン「あ、えっと…酷いようなら医務室に行った方がいいよ。サシャの分のご飯は残しておくからね」スタスタ

キース「クッ…!」

キース(サシャ・ブラウス…奴のようなイレギュラーな存在を失念していた)

サシャ「う、いだいぃ…あんまりですよぅミカサぁ」

キース「ブラウス訓練兵」

サシャ「ひゃあ!き、キース教官!おはようございます!」

キース「訓練開始まで走って来い」

サシャ「え?」

キース「午前は立体機動訓練だからな、装備をつけるのを忘れるなよ」

サシャ「あの…なんで

キース「もちろん朝食は抜きだ」

サシャ「」チーン

ドビュゥンッ!!

ヒュンッ!

ヒュルルル

ミカサ「ハッ!」ズバァッ!

エレン「クッ!」スパッ!

アルミン「…ッ!」パキィッ

ミカサ(エレンが私を追いかけてる)ハァハァ

〜ミカサの脳内〜

ミカサ「うふふ、捕まえてごらんエレン」腹筋バキバキ

エレン「あはは、待て〜」ブーメランパンツ

ミカサ「うふふ」

エレン「あはは」

※ミカサは海を見たことがないのでアルミンの本で得た知識のみで妄想しています

ミカサ「うふふ///」デレデレ

エレン(クソ…!ミカサのヤツどうやったらあんな動きが出来んだよ!)

エレン(斬撃もあいつに比べて浅い…!)

アルミン「はぁ…はぁ…」

アルミン(二人の背中が遠のいていく…どうして僕はこんなにも…)

アルミン(さっきもうなじを斬るどころかブレードが折れてしまった…頭の中じゃ斬撃の進入角度の計算も上手くいっているのに…体が上手く動かない!)

アルミン「はぁ…はぁ…死んでも…足手まといにはなりたくない!」ヒュンッ

キース「……」

『ミカサ・アッカーマン』

あらゆる難解な科目を完全にこなす実現力がある
歴代でも類を得ない逸材として最高の評価は妥当と言える

キース(しかし口調や態度は常に冷静沈着で感情に抑揚がない…幼なじみで家族のエレンに対してもあまり笑顔は見せん)

キース(グリシャの話によると元気で可愛い女の子を家族として迎え入れたと聞いていたが…)

キース(なるほど、思春期に入り家族だと思っていたエレンを男として意識し始め自らの心と葛藤しているのだな)

キース(アッカーマンはエレンの事を家族としてしか見ていないのかもしれん…これは私が手助けせねばな)

『エレン・イェーガー』

グリシャの息子
ほっとけない感が実に可愛い
人一倍目的意識を持っていてすごい努力家だ

キース(かわいそうに…父親が行方不明だとは)

キース(ここは私が父親がわりとして見守らんとな)

そして成績の方は…まあ、うん

今期の訓練兵達は実に優秀過ぎる

周りのせいでエレンの才能が埋没してしまって本当に困る

格闘術に秀でる他は目立った特技は見られない…が

キース(もし格闘術が役立つ状況が来れば…あるいは)

ミカサ「エレン、ガスを蒸かしすぎてる。マイペースで進んだ方がいい」ズバァッ!

エレン「うるせえ!これが俺のペースなんだ…よ!」スパッ!

キース(気がかりなのはアッカーマンに対する態度のことだ…あの短冊の通りエレンがアッカーマンに恋をしているのは間違いない)

キース(しかしなぜ今はあんなにもよそよそしい態度を取っているのか…理由は一つ)

キース(思春期に入り急に大人びたアッカーマンの雰囲気にたまにドキッとなり意識し始めたはいい…が。ただの幼馴染という関係性を壊すのが怖いので素直な気持ちを伝えられないのだろう)

キース(私はおまえの味方だぞ、エレン)

『アルミン・アルレルト』

エレンの友人

アホみたいな名前

女々しい

歴代でも類を得ない落ちこぼれとして最低の評価は妥当と言える

キース(たしかヤツはアッカーマンとも幼なじみだったな…立場的には家族としか見られていないエレンよりも優位か)

キース(もしかするといずれアッカーマンを巡りエレンと対立するかもしれない)

キース「要注意だな、その時は削ぐ」ゴゴゴゴゴ...

だが座学の受け答えにおいて非凡な発想を見せると聞く

そして落ちこぼれのはずが奴の周りには自然と成績上位者が集まってくる

キース(奴自身も気づいてはいないが凄まじいカリスマ性を秘めているのかもしれん)

アルミン「はぁ…はぁ…くそ…」

アルミン「こんな…ところで…止まってられるかッ…!」ヒュッ

ズバッ!

キース「……」ゾクッ

アルミン「やった…やったぞっ!」

キース(…たまに、奴に恐怖を覚える自分がいる)

キース(心の奥底に封じ込めた何か得体の知れない非情さ...)

キース「たしか奴は王政に不満を覚えていたな」

もしかするとそのカリスマ性と非情さで民衆の支持を集め

王政を打破し新たな指導者として君臨する日がくるやもしれん

キース「いずれ全ての者が奴にひれ伏す存在になる。最強のライバルだぞエレン…アッカーマンを守るのはお前だ」

訓練終了後

ジャン「くぅ〜疲れたぜ!」

フランツ「はぁ…はぁ…すごいなジャンは…まったく追いつけなかったよ」

トーマス「どうやったらあんなに早く動けるんだ?」

ジャン「まあな。俺は天才且つ努力家だし?誰にでも出来るってわけじゃねぇよ、特に凡人には」

フランツ「……」イラッ

トーマス「……」イラッ

ジャン「はははっ!」

キース「……」

『ジャン・キルシュタイン』

立体機動装置の理解が深くその性能を引き出す術に長けている

現状を認識する能力も持っているが抜き身過ぎる性格が軋轢を生みやすい

ジャン「ーーーてな感じでよ、一瞬だけガスを蒸かすだけでいい。あとは慣性に身を任せて出来るだけ力を抜く事だ。あとは重心をーー」

トーマス「へぇ、そういうことだったのか」

フランツ「なるほど、だったらーー」

キース(なんだかんだ言いながらアドバイスをする所奴は根っからの悪人ではなさそうだな)

キース(実に面倒見がいい…普段からもあの性格ならば周りから頼られる存在になりうるはずだが)

キース(…あの性格はもしや照れ隠しなのか?本当の自分を隠すための)

キース(ふっ、だとしたら自分に素直になれないエレンに似ているな)

キース「ハッ…!」ピコーン

キース(そういえばこんな短冊が…)ゴソゴソ

『もっと人の役に立てますように』

キース(これはまさに奴の心の叫び…!)

キース「特定したm9(`・ω・´)」キリッ

昼 演習場 格闘訓練

エレン「いよっしゃあ!来たぜ格闘訓練!」

ライナー「すごい気合いだな」

エレン「当たり前だろ、正当な理由でジャンをボッコボコに出来るんだからな」

ライナー「怖いなおまえ…まあ頑張れよ」

サシャ「うぅ、おなか空きました…」

アルミン「サシャ」

サシャ「あ、アルミン…一緒にペア組みますか…?」

アルミン「これ」スッ

サシャ「パァンッ!」ガブッ

アルミン「うわっ!」ズデェンッ

サシャ「ど、どうしてパンがここに?」モグモグ

アルミン「結局食堂に来なかったからさ、取っておいたんだ」

アルミン「午前は立体機動だったから渡せなかったけど…今ならこっそり渡せると思って」

アルミン「ごめんね、ポケットに入れてたからペチャンコになっちゃってて」

サシャ「あぁ…ああ神ぃ…」モグモグゴックン

コニー「マルコー俺と組もうぜー」

マルコ「うん、いいよ」

アニ(めんどくさ…適当にサボるか)

ダズ「……」ぽつーん

ヒュオオオォオォ......

エレン「よう…5時間ぶりだな…」ゴゴゴゴゴ...

ジャン「ちゃんと首は洗ってきたか?今日こそ引導を渡してやるよ」ゴゴゴゴゴ...

キース(む、いかんな。エレンとアッカーマンでペアを組ませる予定だったのだが…まあいい。適当に理由を付けて引き離すか)

キース「おい貴様r

ジャン「おっと、ただ勝負するだけじゃつまらねえ…賭けをしようじゃねえか」

エレン「賭け?」

ジャン「勝った方が今度の休暇にミカサと過ごす…どうだ?」

キース(キターーーーー!!)

キース(まさかの展開だ!よくやったキルシュタイン!これは願ってもないチャンスだぞ!)

エレン「え?やだよ、俺になんの得もねぇだろ」

キース(イエェェェガァァァァッ!!!)

エレン「こっちは嫌気がさしてんだよ、あいつ休みの日は無理やり付きまとってくるし」

ジャン「」

エレン「勝ってもいつも通りだし、負けたらあいつと離れられるけどてめえには負けたくねえし」

エレン「なんの得もねえ」

キース(ヤツめ、女子と遊ぶのがそんなに恥ずかしいのか?照れ隠しもほどほどにしろ…!将来的にそういうのは後悔することになるんだぞ!)

ジャン「……ッ!」プルプルプル

ジャン「てめえコラァ!!羨ましいんじゃぁああぁ!!」ダッ

エレン「おっと」ヒョイ

ジャン「うらあ!」ヒュッ

エレン「おら」ガッ

ジャン「ぐわあ!」ズデェンッ

エレン「よっしゃ!俺の勝ちだな!」

ジャン「ぐッ…!ヂグジョヴッ!」ボロボロ

エレン「お、おまえ何泣いてんだよ…気持ち悪いぞ…」

キース「そこまで!」

エレン「!」

ジャン「!」

キース「アッカーマン訓練兵!こっちへ来い!」

クリスタ「ミカサ、呼ばれてるよ」ツンツン

ミカサ「…?はい」スタスタスタ

キース「駆け足!」

ミカサ「はい」ズダダダダダッ!

ザザーーッ

ミカサ「なんでしょうか」キリッ

キース「実はイェーガー訓練兵とキルシュタイン訓練兵が貴様を巡って一悶着あってな」

エレン「え」

ミカサ「」

キース「次の休暇にアッカーマンと過ごす権利を賭けて両者は格闘した」

ミカサ「ぁ…えと…そ、それはつまり」

キース「そしてその争いに見事イェーガーは勝利した」

エレン「え、は、はあ!?ち、ちょっと待って下さいよ!」

ジャン「」血涙

ミカサ「……え」ボロボロ

エレン「お、おい待てよ!なんでおまえら泣いてんだよ!わけわかんねえって!」アタフタ

ミカサ「ぇ…えれんっ…がっ…えぐっ…ひぐっ…わ、わだじを…?」ボロボロ

キース(な、なぜ泣くのだ!?いや...家族と共に過ごせるほど幸せな事はない。泣いてしまうのも必然か)

キース「そうだ、イェーガー訓練兵は戦いに見事勝利したのだ…貴様のために!」

ミカサ「わ、わたしのためにっ!」ボロボロ

キース「そうだ!貴様のために!」

ミカサ「はい!私のために!」ボロボロ

エレン(なんだこれ)

キース「涙を拭けアッカーマン!」

ミカサ「はい!」ゴシゴシ

キース「さて、イェーガー訓練兵。貴様には其れ相応の責任が伴ったわけだが」

エレン「は、は?」

エレン(なに言ってんだこのハゲ)

キース「とぼけるな、女を泣かせておいて知らず存ぜぬは通らぬぞ」

キース(あれ?なんでコイツこんな乗り気じゃないんだよ...バカなの?スプリンガーなの?)

キース「エレン・イェーガー、ミカサ・アッカーマン両名は次の休暇に行動を共にすること」

ミカサ「はい!」

エレン「えっ」

キース「そうだな…街に繰り出すのがいいだろう」

エレン「えっえっ」

キース「外出許可は私が取っておく、それでは訓練を再開しろ」ザッザッザッ

エレン「……はい?」

ミカサ「エレン!今度の休暇が楽しみだ!」ガシッ

ジャン「」

ジャン(死にたい)ジャジャジャジャーン!

キース「ああ、それとキルシュタイン訓練兵」

ジャン「……」ジャジャジャジャーン!

※ジャンの脳内には交響曲第5番「運命」が流れています

キース「おい!聞いているのか!」

ジャン「は、はい…」

キース「話がある。夕食前に教官室へ来い」

ジャン「え、あ、はい」

キース「以上。訓練に戻れ」

キース(ふむ、先ほどはごく自然な流れで二人のデートをこじつけさせたぞ)

キース(しかしヤツはグリシャの息子…女心など微塵も分かってはいないのだろうな)

キース(こっそり街について行くか?いや、他の短冊の件もあるのだ…奴らばかりに時間を割いてはいられない)

キース(仕方ない、誰か信頼出来る者に頼んでみるか)

キース「む?」

ダズ「……ふっ…んっ…」筋トレ中

キース「おい貴様!」

ダズ「は、はいぃ!」ビクッ

キース「ペアを組んで訓練をしろと言ったはずだが?」ゴゴゴゴゴ...

ダズ「い、いやっ、あのっ、組む相手が見つからなくてっ!」

キース「嘘をつくな!」

ダズ「ひいぃ!ほ、ホントです!」

キース(…?おかしいな。人数は偶数だったはず…あぶれるはずはないのだが)キョロキョロ

アニ「……」スタスタ

キース(アニ・レオンハート…)

キース(なるほど、やつがサボっているせいで一人あぶれたというわけか)

キース(注意してペアを組ませるか…いや、奴の格闘技術は並のものではない。このペアではどちらにせよ両者のためにならんか)

ダズ「あ、あのぅ…」

キース「わかった。貴様は私と組め」

ダズ「…!は、はい!」パアァ

キース「貴様がならず者役d…ハッ!」

キース「貴様はそこで待機していろ」ザッザッザッ

ダズ「え?は、はぁ…」ショボン

キース(そ、そういえばこんな短冊があったな…)ゴソゴソ

『友達が欲しい』

キース(ペアを組む格闘訓練で一人あぶれたということは…そういうことか。間違いない!)

キース「この短冊を書いたのはつまりヤツ…」

キース「アニ・レオンハートだなっ!」ドーン


m9(`・ω・´)


キース(そうと決まれば何か策を練らねば…うーむ)

ダズ(教官まだかな)ぽつーん

夕食前 教官室前

ジャン「……」フラフラ

ジャン(今日は肉体的にも精神的にも疲れた)フラフラ

ジャン(早く寮に帰って寝たい…)

ジャン(一体どんな用事なんだ…また頭突きか?もう勘弁してくれよ…)

コンコン

ジャン「第104期訓練兵、ジャン・キルシュタインです!」

<「うむ、入れ」

ジャン「失礼します!」ガチャッ

キース「そうかしこまる事はない、楽にしろ」

ジャン「し、しかし…」

キース「これは命令だ、楽にしろ」

ジャン「わかった」

キース「楽にしすぎだ」

ジャン「それで…話というのは?」

キース「うむ。貴様…人の役に立ちたいと思ったことはあるか?」

ジャン「……は?」

キース「言い方が悪かったか…人助けをしてみる気はないか、と聞いている」

ジャン「……」

ジャン(待て、考えろ…冷静に現状を認識するんだ)

ジャン(人の役に立ちたいかだって?はっ、誰がそんな面倒なことしなきゃならねえんだ)

ジャン(こっちは憲兵団になるために手いっぱいなんだ。他人に構ってる暇なんてねぇっつの!)

ジャン(…いや、待てよ?どうしてこのハゲは急にこんな事を言い出した?しかも俺だけを呼び出して)

ジャン「!」ピコーン

ジャン(ま、まさか…俺を優秀な兵士だと見込んで教官室へ?)

ジャン(だとしたらこれは…俺の内面を見るための試験…!)

ジャン(早くも憲兵団への近道のチャンス到来!!)

※ジャンの思考時間およそ0.8秒

ジャン「はい!わたくしは常日頃から人の役に立ちたいと願っています!」

キース(即答...か。やはりな)

キース「そうかそうか!それは結構なことだな!では貴様にはーーー」

サシャ「パァアーーーーン!!」

コニー「うおっ!?びっくりしたぁ…」

サシャ「こんにちワン!」ズイッ

クリスタ「あ、こんにちわ…ってもう夜だけどね」

サシャ「ありがとウサギ!」ズイッ

ミーナ「ど、どういたしまし...て?」

サシャ「こんばんワニ!」ズイッ

アニ「え、あ、うん…」

サシャ「まほうのことばでたのし〜い、なかま〜が〜」

サシャ「パパパパァン!」

コニー「今日のメニューにパンはねぇけどな」

サシャ「こまけぇことはいいーんですっ!待ちに待った夕食ですよ!」

ユミル「うるせぇぞ芋女!静かにしてろ!」

ミカサ「エレン、今度の休みはどこに行こうか。私はエレンが行きたい所ならどこでもいい」

エレン「はぁ…なんだってこんな事に…」

ミカサ「……」

ミカサ「エレン。私たちの分の夕食を取ってきてもらえないだろうか」

エレン「はあ?なんでだよ」

ミカサ「……」ジーーーーー

アルミン「ぼ、僕からも頼むよ…」ビクッ

エレン「アルミンがそういうならわかった」スタスタ

ミカサ「……」

アルミン「……」

ミカサ「アルミン」

アルミン「……」ビクッ

アルミン(嫌な予感が)

ミカサ「アルミンアルミン」ユサユサッ

アルミン(あぁ…短冊に胃痛が治りますようにって書けば良かった…)キリキリ

ミカサ「アルミンアルミンアルミン」ユッサユッサ

アルミン(あぁ…聞こえないフリは許して貰えなさそうだ…)キリキリ

ミカサ「アルミンアルミンアルミンアルミンアルミンアルミンアルミンアルミンアルミンアルミソアルミンアルミンアルミンアルミソアルミンアルミンアルミンアルミソアルミソアルミソアルミソアルミソ」ユッサユサユサユッサユッサ

アルミソ「あ、ちょ、酔う酔う…酔っちゃうから…おえっ」

ミカサ「やっと喋った、死体かと思った」

アルミン「…なに?なんなの?」

ミカサ「お願いがある」

アルミン「…何を言おうとしてるか大体分かるけど」

ミカサ&アルミン「「街のデートスポットを全て網羅しておいて欲しい」」

ミカサ「さすがアルミン!」ガシッ

アルミン「おねがい揺らさないで…ホントに吐きそう…」グワングワン


ワイワイガヤガヤ

ベルトルト「ジャン遅いね」モグモグ

ライナー「たしか教官に呼ばれてたな。なにか叱られるようなことしたのかもしれん」モグモグ

コニー「普段からあの態度じゃ呼び出されても仕方ないと思うけどな」ズズーッ

マルコ「そうかな、ジャンは実直すぎる性格なだけだと思うけど」モグモグ

コニー「いやそれがダメなんだろ」


バタンッ!

キース「全員食事を中断しろ!」

一同「!」

サシャ「はふっ…はむっ…!」パクパクッゴックン

キース「サシャ・ブラウス!」

サシャ「はむはむ…ズズッ…ふぅ…もしゃもしゃ…」ムシャムシャ

キース「……サシャ・ブラウス以外は食事を中断しろ」

一同(教官が押し負けた…だと?)

ジャン「……」

ジャン(ああ、なんだってこんなことに…)

キース「本日より一週間。兵舎に特別教室を設ける!」

ザワザワザワザワ

アルミン「あの、特別教室とは具体的にどのような?」

キース「うむ、その点についてはこのジャン・キルシュタインが説明しよう」

ジャン「あ、えーと…なにか困ってることとか悩みとかあったら来てください…相談にのります」

ザワザワザワザワ

え、あのジャンが?
うそだろおい
じょうだんきついわー

ジャン(くそ…クソが!今日は厄日だ!周りがドン引きしてるじゃねぇか!)

キース「連絡事項は以上!食事に戻れ」

ギィ…バタンッ!

ジャン「しねハゲ教官」ボソッ

キース「おっと」ガチャッ

ジャン「ファッ!?」ビクッ

キース「貴様ら…」ゴゴゴゴゴ

キース「ちゃんと歯を磨いて寝ろよ。そして消灯までに床に就くこと。暑ければ窓を開けて寝ろ。脱水症状を防ぐために枕元に水を置いておく事を忘れるな」

キース「それでは」ギィ…バタンッ

ジャン(焦ったぁ…)

マルコ「やあジャン、大変なことになったね」

ジャン「ホントだぜ…ったくなんでこんなことに」

ジャン(これも成績のためだ...仕方ねぇか)ハァ...

コニー「あれじゃね?日頃の行いが悪いからじゃね?口も悪いし」

ジャン「バカは黙ってろバカは」

コニー「ほらそういうとこだよ。だから厳罰が下ったんだぜ?やーいやーい」

ジャン「チッ…」

ジャン(悩み解決ねぇ…)

ジャン(俺は信頼が厚いからな、大勢の奴等がよってたかってくるだろう)

ジャン(座学の課題免除っつってもなぁ…自由時間が減るのは困るぜ)

ジャン「はぁ…」

睡魔がベッドで手招きしている...

夕食後 特別教室

ジャン「……」

シーーン

ジャン「……」

シーーーーーン

ジャン「……」

シーーーーーーーーン

ジャン「だああぁあ!!シンシンシンシンうるせぇんだよぉ!」ガタンッ

ジャン「誰も来ねぇジャン!静か過ぎて逆にうるせぇジャン!」

ジャン「あーアホらし…」

ジャン(ミカサが相談しに来ねえかなぁ)ホワンホワンホワン

『ジャン、あなたに折り入って頼みたいことがある』

『あぁ…ミカサのためなら火の中水の中あの子のスカートの中さ。なんでも言ってくれ』

『エレンのことなんだけど』

ジャン「っだあぁああぁあ!!なんっで妄想の中にまで死に急ぎ野郎がああぁああ!!」ガタンッ

ジャン(ダメだ。気が収まらん…もう一回だ!)ホワンホワンホワン

『ジャン…あなたに見て欲しいものがある…』

『なんだ?俺はミカサを見ていられるだけで幸せなんだが』

『それは…その…とても恥ずかしい物…けれどあなたにはいずれ見て貰わなければならない。ので、今から見せる、ね///』

『お、おう…そうだな!いずれ見るんだもんな!いまちょっとくらい見てもいいよな!』

『これ…』

『...なんだこれ?』

『エレンとの結婚式の招待状、ぜひジョンにも来て欲しい』

『』

『御祝儀を忘れないで欲しい、ので。よろしくおねがいする』

ジャン「んあぁああああッ!!」ガタンッ

ジャン「はぁ…はぁ…やべぇ、少しうたた寝しちまった」

ジャン「てかなんなんだよ今の夢は…招待した奴に御祝儀包めなんて普通言わねぇだろ…こっちだってマナーくらい弁えてんだから一々言わなくても…」ブツブツ

ジャン「ってそうじゃねぇよ!なんで死に急ぎ野郎と結婚式あげんだよぉッ!!?」

ジャン「はぁ…寝ても覚めてもミカサの事ばっか考えてるぞ俺…」

ジャン(そして同時に死に急ぎ野郎の事も考えちまってる…)

ジャン「はぁ…」

シーーーーーーーン

ジャン「ミカサの悩み事かぁ…あいつ何考えてるか分かんねぇんだよな」

ジャン(思えば俺ってミカサの事なんにも知らねえのな)

ジャン「……」

『よっしゃ!俺の勝ちだな!』

ジャン「……」

『ぇ…えれんっ…がっ…えぐっ…ひぐっ…わ、わだじを…?』

ジャン「……」

好きな女の泣き顔なんて見たくなかった

いや、違うな…嬉し泣きは別だ

でも

ジャン「でも…それは…」

俺のじゃない…俺のものじゃないんだ

あいつの笑顔も、泣き顔も

ジャン「くそ…なんでだよ…」

ジャン「…なんで俺はあいつじゃなかったんだ…」

ーーーーーー

ーーー

教官室

キース「よーし今日も特定しちゃうぞm9(`・ω・´)」キラーン

キース「えーとなになに?ペンネーム匿名希望さんより」

『暑いから涼みたい』

キース「あー分かる分かる!最近超暑いしね、髪の毛なくてよかったーとか思っちゃったり」

キース「んー、特定するには材料が足りないし…とりあえずこれは何かしら考えておこっと」

キース「じゃあ次行ってみよう」

『エレンのパンティおくれーっ!!!!!』

キース「ライナー・ブラウンめ…ブチ殺す…」ゴゴゴゴゴ

キース(前々から怪しいと思っていたのだ…ホモだとは確信していたがまさかエレンを狙うとはな…命知らずめ)ゴゴゴゴゴ

キース「さて、と」

キース「久しぶりにブレードの点検でもするかな」ゴゴゴゴゴ

キース(奴には然るべき報いを与えねばな…)ゴゴゴゴゴ

キース「……次だ!」ゴゴゴゴゴ

『えろほんをだんしりょうにおいてほしい』

キース「エロホンヲダンシリョウニオイテホシイ…?何かの暗号か?」

キース「えろほん…エロ本?なるほど、春画の事か」

キース「つまりこの短冊は『エロ本を男子寮に置いて欲しい』という願いなのだな」

キース「なるほどな…奴らも年頃の男。性処理もままならぬと訓練に支障が生じるやもしれん」

キース「これを書いた者を特定する必要は無さそうだな。これは男子全員の悲願なのだろう」

キース(図書室にも数冊設置してあったはずだが…借りるのが恥ずかしいのか、単に数が足りていないのか)

キース「なんとかせねばな、少々恥ずかしs…いや、私も男だ。エロ本を買うことくらいお手の物だ」

キース「……」

キース(年頃の男、か)

キース(閉鎖された環境で男共に囲まれる生活…ライナー・ブラウンが男に目覚めてしまうのも無理はない…か)

キース(特に兵士の中にはそういう輩がたくさんいると聞く)

キース「エレンを狙った罪は重いが…奴にも少し気配りしてやらんとな」

キース(こういうデリケートな問題は非常に扱いづらい。昔の知人に頼んでみるか)

キース「次だ」

『おいしいご飯が キース「サシャ・ブラウスだな」

キース「まったく…いつもいつも食い物食い物食い物…他のことに興味はないのか」

キース「花も恥らう乙女が…食い意地ばかり張りおって」

キース「少しは色恋沙汰なんかが…ハッ!それはいかん!」

キース(奴に男はまだ早い!純粋で世間知らずな子だから変な男に誑かされたら大変だ)

キース「うむ、奴に相応しい男が見つかるまで悪い虫がつかぬよう留意せねばな」

キース「ふあぁ…」

キース「む、睡魔が襲ってきたぞ」

キース「そろそろおネムの時間だな、寝るか」

キース(なにか忘れているような…まあいいか)

ーーーー
ーー
演習場

ダズ(教官まだかな)ぽつーん

翌朝 特別教室

チュンチュン…チュン

ジャン「う…うーん…あちぃ…あちいよぉ…」ジワジワ

ジャン「ハッ!」ガタンッ

ジャン「ど、どこだここは…?」

ジャン(あぁ…そういやウトウトして教室で寝ちまったんだっけか)

ジャン「ん…?」

つ『毛布』

ジャン「ったく、誰だよこんなに暑いのに毛布掛けやがった奴は…」

ジャン(まさかミカサが俺を心配して…!?)

ジャン「……」スーハースーハークンカクンカ

ジャン(ほのかにミカサの香りがする…ような気がしないでもない…!)

ジャン「よっしゃあ!今日も訓練頑張るぜ!」ジャジャーン!

キース「……」

睡魔が俺をベッドに誘っている...

最近色々と立て込んでまして
進行が遅くなり申し訳ないです
明日も早いので少し書いて寝ます

ーーーー
ーー

午前 馬術訓練

パカラッパカラッ

ザザーッ

クリスタ「よしよし、いい子ね」ナデナデ

馬「ぶるるっ」

キース「うむ、見事だ。レンズ訓練兵」

クリスタ「お馬さん、暑いのに頑張ってくれてありがとね」ニコッ

キース(クリスタ・レンズ。馬術、笑顔ともに120点)カリカリ

キース「次の者!馬に跨れ!」

コニー「はい!」

パカラッパカラッ

マルコ「やあジャン」

ジャン「おう、マルコか」

マルコ「昨日はどうだった?」

ジャン「もう行列が出来ちまってよ。部屋が箱詰め状態だぜ...みんな俺に頼りすぎっつーか?」

マルコ(……)

マルコ「あはは、ジャンはおせっかい焼きだからね」

ジャン「おいおいそりゃどーいう意味だよ」

マルコ「ご想像にお任せするよ」

ジャン「チッ…俺にはお前が何考えてるかさっぱり分からねえよ」

マルコ「ジャンが分かり易すぎるだけさ」

ジャン「あ、てめ…!言ったな!?」

ガヤガヤワイワイ

ユミル「クリスタっ!」ガバッ

クリスタ「きゃっ!もうユミル!それやめてっていつも言ってるでしょ!?」

ユミル「んー、いい匂いがする…」モフモフ

クリスタ「うあー暑苦しいぃ」

アルミン「やあクリスタ、今日も絶好調だった…ね」

ユミル「…チッ」

アルミン「あ、もしかしてお邪魔…だったかな」

クリスタ「ううん、そんなコトないよ。ユミル離れてってば!」ゴンッ

ユミル「ぐえっ」

ユミル(くっ…!このモヤシ野郎め…私とクリスタの時間を)

アルミン「走行中の馬のスタミナ管理について少し聞きたいんだけどいいかな?」

クリスタ「うん、もちろんいいよ」

ペチャクチャペチャクチャ

ユミル「……」イライラ

アルミン「口笛って難しいよね、僕まだあんまり上手く吹けないんだ」

クリスタ「ちょっとしたコツがいるんだよ、ほらこうやって小指と小指を」ピィー

アルミン「こうかな?」ヒュー...!ヒュー...!

アルミン「はぁ...はぁ...あはは、全然ダメだ」ベチョオ

クリスタ「大丈夫、私でも出来たんだからきっとアルミンも出来るようになるよ」

アルミン「そ、そうかな///ありがと」

イチャイチャペチャクチャ

ユミル「……」イライラ

クリスタ「よかったら今度一緒に練習しよっか」

アルミン「え、ホントに?ありがとうクリスタ。じゃあいつにしようか」

クリスタ「アルミンが暇な時でいいよ?」

アルミン「いや、クリスタが時間のある時で大丈夫だよ」

クリスタ「そう?じゃあ今度のーーーー」

イチャイチャイチャイチャ

ユミル「……」イライラ

ユミル「あー、お取り込み中の所悪いが…私とクリスタは女同士の非常に大切な話があるんだ。さっさと消えてくれモヤシ君」

クリスタ「え?ちょっとユミル、そんな言い方は無いでしょ?」

アルミン「あ、あはは」アタフタ

パカラッパカラッ

ザザーッ

コニー「どうどう…」

馬「ひひーん」

キース「よし、次!」

ダズ「は、はい…!」フラフラ

キース(すごいクマだな、大丈夫かコイツ)


だからー邪魔だっつてんの、髪切れよおまえ耳隠れて聞こえねーのか?
ユミル!
も、もういいよ…僕行くからさ、ごめんねユミル
アルミンは気にしなくていいってば!

キース(む、騒がしいな…)


コニー「おーい、どうしたんだよ一体」

ユミル「はぁ…またややこしいのが来た。ほら、さっさとどっか行け山へ帰れ」

コニー「おいクソ女、いきなり何毒付いてんだよ」イラッ

クリスタ「ちょ、ちょっと二人とも…」アセアセ

アルミン「も、元はと言えば僕が悪いんだ!訓練中なのにお喋りしちゃってさ」

クリスタ「そんなことないよ!ユミルがいきなり理由もなく怒りだすのがいけないの!」

コニー「そうだぞクソ女、おまえアレだぞ。そんなに怒ってるとハゲるぞ、あの教官みたいに」

キース「……」ピクッ

ユミル「……」ブチッ

キース&ユミル(ハゲ...だと...?)ゴゴゴゴゴ...

ユミル「てめえにハゲって言われたくねぇんだよハゲェッ!」ガシッ

ジョリジョリジョリッ!!

コニー「ぐあぁああ!ヤメろ!熱い!円を描くように頭を擦るな!」ジョリジョリジョリッ!!

ライナー「なんの騒ぎだ?」

ベルトルト「さあ...またユミルが癇癪を起こしたんじゃない?」

クリスタ「ちょっとユミル!なんでそんなに怒ってるの!?」

コニー「そうだって!おまえ何イラついてんだよ!」ジョリジョリジョリッ!!

アルミン(あぁあ...このままじゃコニーの頭皮が...)アセアセ

アルミン「ゆ、ユミル!ちょっと落ち着こうよ!」

ユミル「モヤシ野郎!元はと言えばてめえが悪い!」ガシッ

ワシャワシャワシャッ!!

アルミン「や、やめてよ!髪をワシャワシャしないで!絡まっちゃって痛いよ!」ワシャワシャワシャッ


キース(これは度が過ぎるな、ドカンと一発ぶちかますか)

ユミル「私はっ…私はなぁ!」

キース(叱るのって結構体力使うんだよね、感情任せに叱っちゃうと支離滅裂になって自分でも何言ってるのかわけわかんなくなるし)ドキドキ

ユミル「私はただっ…!」

キース(よし、落ち着いて行こう)フゥー

ユミル「金髪碧眼天使といちゃいちゃしたいだけなんだよぉ!」

シーーーン

キース「……」

ゴソゴソ

つ『金髪碧眼天使とイチャイチャしたい』

m9(`・ω・´)ビシィッ


キース(なるほど、この短冊を書いたのは奴だったか…)

キース(そして肝心なのがその相手。天使…天使…クリスタ・レンズ以外に思い浮かばんな)

ミカサ「一体何事」

エレン「うわ、アルミン髪の毛爆発してんぞ」

アニ「結構似合ってんじゃない」クスクス

ミカサ「ボサボサ頭のアルミンまじ天使(アルミン、私が直してあげよう)」サッサッ

キース(…?今アッカーマンはアルレルトの事を天使だと言ったのか?)

キース(あんなに頭を撫でて…やはりアルレルトは恋のライバルだったか…!抹殺しなけれb…じゃなかった、いま天使と言ったのか?)

キース(つまりこの短冊の“金髪碧眼天使”とは)


キース(アルミン・アルレルトの事だったのか!)ピコーン

キース(私的にはクリスタ・レンズの方が天使だと思うのだが…よくよく考えると奴とクリスタ・レンズは女の子同志ではないかっ)ハッ

キース(先ほどアルレルトに抱きつき頭を撫でていた所を見ると間違いない!奴はアルレルトに恋をしている!)ピピコーン!

キース(これはチャンスだ、エレンのライバルをアッカーマンから遠ざけるチャンスなのだ!)ゾクゾクッ

キース「最近…」ボソッ

キース(最近…自分の推理力が恐ろしい…)

キース(辻褄が合う…全て辻褄が合ってしまう…この年になり新たな才能を開花させてしまったようだ)

キース(封印されし私の力...それがいまっ目覚めてかけている!)


アルミン「…ごめんね、ホントに僕のせいで」

ユミル「いや、いいんだ…私のワガママで悪いことした。最初は悪ふざけのつもりだったんだが」

アルミン「気にしないで」

ユミル「ただ、ただ天使といちゃつきたかっただけなんだよ。私は」

ライナー「そう気を落とすな。天使といちゃつきたい気持ちは俺も分かる」

キース(はいきましたホモォーー!エレンに飽き足らずアルレルトにまで手を出そうとしてるホモ!)

キース(あぁ恐ろしい…奴がホモと言う推理も当たってしまった…自分の才能が恐ろしい)ブルブル


ミカサ「ふんッ!」ドスッ

ライナー「がはァッ…!!」

キース(アルレルトの危機を察知したアッカーマンが蹴りをかました…!やはりアッカーマンはアルレルトの事が…クソ!)

アニ「…ッ!!」ドゴッ

ライナー「おぅ…ふ」

キース(レオンハートまでもがアルレルトを!?こいつはややこしくなってきたぞクソッタレ!)

ベルトルト「……」ペッ

ライナー「」ビチョッ

キース(まさかビノールトもアルレルトの事が!?どういうことだってばよ…)

ベルトルト(ライナー…君は故郷に帰る気はあるのかい?)


キース「......」

ライナー「」チーン

キース(天罰だな、エレンを狙った)

キース(奴もこれで少しは懲りたか...怪我をしてしまっては大変だ。後で医務室に運ばなければ...)

キース「そこまでぇ!」

一同「ッ…!?」ビクゥッ

アルミン「き、教k

ユミル「教官!」

アルミン「!?」


ユミル「こ、この騒ぎの原因は私にあります。全て私が悪かったんです…だから」シクシク

アルミン「あ、あの…!この騒ぎは自分の責任でありまして」

ユミル「そ、そんな…全て私が」シクシク

アルミン(ユミル…口が悪くて粗暴な性格の人かと思ってたけど結構誠実な人なんだな)

アルミン「ユミル…もういいんだ、僕が全部悪かったんだよ」

ユミル「…言われてみればそうだったかもしれない、うん、こいつが悪いです」シレッ

アルミン(僕の勘違いでした)


キース「みなまで言わずとも事情は大体把握している」

キース「貴様らは罰として次の休暇は無し!」

アルミン「」

ユミル「」

キース「休暇は訓練兵団のために雑用でもしてもらおう、以上」

ザッザッザッ


キース「おっと」

キース「コニー・スプリンガー、あとで教官室に来い」ゴゴゴゴゴ...

コニー「え?いや、あの」

キース「私が怒りやすいからどうのこうの言ってただろう?あれについて詳しくスプリンガー先生にご教授願いたい物だ」ゴゴゴゴゴ...

コニー「……すいあせんしたっ!」

パカラッパカラッパカラッ

ダズ(…後何周すればいいんだろう)ぽつーん


パカラッパカラッパカラッ

ダズ(う、なんか眠くなってきた...というか酔ってき,,,気持ち悪

ダズ「おえぇええぇえぇっ」オロロロロロロ

馬(まじかコイツ!?)ベチョベチョ

馬「ひひーーーーんッ」ザザーーッ

ドスンッ!

ダズ「......」

ダズ(これで...やっと...眠れる)ガクッ

わー!ダズが落馬したぞ!
ゲロ吐いて倒れてやがる!
でもなぜか幸せそうな寝顔だ...

キース(...まったく、世話のかかる奴らばかりだな)

睡魔が上目遣いで「一緒に寝よ?」って懇願してきた...

医務室

ライナー「」チーン

ダズ「」チーン

キース「…うーむ」

キース(こんな日に限って医務室の先生が病欠だとは…)

ライナー「う、うーん、うーん…」

キース「む…?」

ライナー「や、やめろベルトルト…お、俺は…鎧の巨人…だぞ…強いんだぞ…」

キース「…ッ!?」

ライナー「い、いくらお前が超大型巨人でも…ハッ…おまえは…アニか…?」

キース「な、なん…だと…?」

ライナー「お、おまえまで…巨人化して…何をする気だ…やめろ…やめてくれぇ…」ウーンウーン

キース(あぁ…なんということだ)

キース「脱水症状を起こしているではないか…!水を汲みに行かなければ」

ダズ「うーん、うーん…」

キース「…!貴様もか!?待っていろ!3秒で戻ってくる!」

ダズ「とうちゃん…」

キース「…?」

ダズ「とうちゃん…かあちゃん…うっ…うぅ…」ボロボロ

キース「……」

キース(たしか…こんな短冊があったな)ゴソゴソ

つ『故郷へ帰れますように』

キース(任せておけ。おまえの願いは…私が叶えてやる!)

ーーーー
ーー

午後 座学

エレン「アルミン」ユサユサ

アルミン「なに?」

エレン「さっき消されたとこ書き写せなかったんだ、ちょっと見せてくれ」

アルミン「うん、いいよ」スッ

エレン「サンキュー」


ミカサ「……」キラーン

ミカサ「アルミンアルミン」ユサユサ

アルミン「…なに?」

ミカサ「例の件は順調だろうか」

アルミン「あぁ…うん、昨日の夜フランツとハンナに聞いといたよ」

アルミン(まさか56ヶ所一つ一つ思い出付きで教えられるとは思わなかったけど...)

ミカサ「さすがアルミン」

アルミン「いま書類に纏めてるからもうちょっとだけ待っててね」

ミカサ「わかった!アルミンありがとう!」ガシッ

アルミン「いたいいたいやめて!肩が脱臼する!」

コニー「…zzz」

サシャ「むにゃむにゃ…おいも…うへへへ」zzz

座学の教官「と、言うことで今回はここまで」

コニー「終わったぁ!!」ガバッ

サシャ「くぅ〜疲れましたwこれにて授業終了です!」ガバッ

座学の教官「と言いたい所だが、時間が余ってしまったので少し面白い話をしよう」

コニー「まじかよ…」

サシャ「うへぇ…早く夕食が食べたいです…」

座学の教官「これは壁外の話で多くは語れないのだがね」

エレン「!」

アルミン「!」

ミカサ「!」

座学の教官「調査兵団へ入団したいという者が君達の中にちらほらといるようなので少し語らせてもらう」

エレン「……」ワクワク

アルミン「……」キラキラ

座学の教官「この中で山育ちの者はいるかな?」

ミカサ「……」スッ

コニー「ほーい」スッ

アニ「……」チラッ

ベルトルト「……」スッ

サシャ「はーい!はい!わたし山育ちです!」バッ


座学の教官「そう、君たちの中にも山で育った者がたくさんいるわけだが」

座学の教官「壁外にはそれらより遥かに高い山がある。そこで君達に質問だ。この世界で1番高い山はどのくらい高いと思う?」

コニー「どのくらい高いかって?そりゃあれだろ…500cm…?」

マルコ「なんでセンチメートルで言ったの?」

コニー「じゃあ500mm!」

マルコ「より小さくなったね、砂山かな?子供が作った砂山かな?」

コニー「なにいってんだ?mが二つ付いてんだぞ?デカイに決まってんじゃねぇか」

ユミル「もうバカは黙ってろよ…」

クリスタ「でも50m以上はさすがにないんじゃないかな?」

ジャン「壁外との高低差を考えるとだが...壁内の山でも50mは軽く超えてると思うぜ。内地に行くほど標高は上がってるからな」

サシャ「じゃあ500mです!」

ジャン「おいおい…壁の10倍ってどんだけデカイ山なんだよ」

ベルトルト「さすがにそれは無いね」

アニ「…じゃあ250m」ボソッ

ミーナ「はーい、アニが250mだって」

アニ「ち、ちょ…!」

アニ(あぁ…間違えてたら恥ずかしいよどうしようお父さん)ドキドキ


座学の教官「はい、他に意見がある者はいるかね?」

アルミン「あ…」スッ

エレン「はい!」バッ

座学の教官「うむ、手を上げて発言するとは偉いぞイェーガー訓練兵」

アルミン「……」ショボン

エレン「世界で1番高い山は8848mです!」

ジャン「ブフゥッwwwww」

ジャン「ちょwww8848mってwww子供かよおまえはwwww」

座学の教官「おぉ…素晴らしい!正解だイェーガー訓練兵!」

ジャン「」

エレン「……」ドヤァッ

座学の教官「世界で1番高い山はなんと8848mもあるらしい。もっとも、古い文献に記された情報なので真偽の程は定かでないが」


ザワザワ

コニー「まじかよ…8848mってどんくらいでけぇんだ?」

サシャ「壁の100倍くらいですね」

マルコ「正確には177倍くらいだね」

クリスタ「壁の177倍…想像出来ないよ…」

ユミル「頂上からの景色はすごそうだな、世界中見えるんじゃねえか?」

アニ(間違えた恥ずかしい…///)

先輩が飲みに誘っている...

現在ダズ状態
よし
明日から本気出す


ミカサ「さすがエレン、私でも分からなかった。とてもスゴイことだ」

エレン「おまえなぁ…小さい頃毎日のようににアルミンが言ってたじゃねぇか。忘れちまうなんて薄情なヤツだな」

ミカサ「!」ガーン

ミカサ「ち、ちが…ホントは分かってた、けどエレンの方が早くて偉かった、ので…えと」

アルミン(ミカサ…エレンを褒めようとしてカウンターを食らうなんて…かわいそうに)

座学の教官「で、ではこの中に“海”を知っている者はいるかね?」

エレン「……」スッ

アルミン「……」スッ

ミカサ「……」スッ

座学の教官「…驚いたな。まさか“海”を知っている者がいるとは!」

ザワザワ

コニー「なんだ?海って」

サシャ「食べ物ですかね?」

ーーーー
ーー

医務室

ライナー「…ぐおっ…ぐがー」zzz

ダズ「……」zzz

キース「よし、大分楽になったようだな」

キース(さて、エレンの授業参観にでも行こうか)

ーーーー
ーー

座学の教官「いや…ね、私も幼少の頃から壁外の事に関心を持っていたのだが。そういう物に興味を持っている者が周りにいなかったら驚きを隠せんよ」ワクワク

座学の教官「では君達三人の中から一人、海について説明してもらおうかな。私も君達がどれほど海を理解しているか興味がある」

アルミン「あ、じゃあ…」スッ

ミカサ「はい!」バッ!

座学の教官「ではアッカーマン訓練兵、前へ出てきて説明してくれ」

アルミン「……」ショボン

ミカサ(エレン…私はここで名誉挽回する、しなければならない!)

ミカサ「海というのはーーーー」

ーーーーー

ーーー

ザワザワ

キース(……)コソコソ

キース(到着)シュタッ

キース(さてと…エレンの席を探さなければ)コソコソ

マルコ「は、8割だって!?」

ベルトルト「驚いたな…塩で出来た湖か」

ジャン(ミカサが先生…いい!すごくいい!)ドキドキ


コニー「8割ってどのくらいだ?」

サシャ「全体の8パーセントってことですよ!」

コニー「へ〜そんな事よく知ってんなお前」

サシャ「ふっふっふ」フゥーツ

ユミル「ドヤ顔ヤメろ」

クリスタ「サシャ、8割は全体の80パーセントだよ」

キース(む?なぜアッカーマンが教卓に?)

ミカサ「そして海の深さは正確には分かっていない…が、平均として3729mあると言われている」

座学の教官「それではなぜ正確に測れないのかは分かるかね?」

コニー「デカイものさしがないからじゃね?」

サシャ「息が続かないからではないでしょうか!」

ジャン「まさかお前らがまともな事言うとは思わなかった…」

マルコ「あと光が届かないからだね、水の中じゃたいまつは使えないし」

クリスタ「光が届かないならとっても寒そうだね…」

ユミル「その時は私が暖めてやるよ」ギュッ

クリスタ「暑苦しいぃ」ジタバタ


座学の教官「他に何か意見のあるものは?」

アルミン「あ…」スッ

エレン「水圧です!」

ミカサ「さすがエレン!とても偉い。ので、花マルをあげよう」

アルミン「……」

アルミン(僕の存在価値って…)


ミカサ「このように、壁の外には謎だらけ、とても興味深い」

ミカサ「私はいずれ全ての巨人を駆逐し(エレンと)外の世界を見る!」バーン

ザワザワ

巨人を駆逐って...
ミカサでもさすがにそれは...なぁ

パチパチパチパチ

ジャン「ミカサ!素晴らしかった!もっと色んな事教えてくれ!」パチパチパチパチ

ミカサ(エレン!私の演説はどうだっただろうか!)チラッ

アルミン「……」ショボーン

エレン「お、おいアルミン大丈夫か?気分でも悪いのか?」

ミカサ「……」

キース「……」ゴソゴソ

キース(なるほど、アッカーマンは巨人を駆逐し外の世界が見たいのか)

つ『巨人を駆逐して外の世界を見る』

キース「特定したm9(`・ω・´)」

キース(たしかに…奴の実力は人類史に残るほどの物だ)

キース(だが今のままでは…更に厳しい訓練…いや、なにか特別な訓練が必要だろうな)

キース「......」

キース「本当はエレンのお嫁さんになって欲しいのだが...」

ーーーーー
ーー


夕食後

エレン「アルミン、部屋戻ってトランプしようぜ」

アルミン「うん、いいy

ミカサ「エレンには悪い、とても悪いけど…アルミンには用事がある。ので、ひとり7並べをしていて欲しい」

アルミン(なにが面白いんだそのゲーム)

ミカサ「アルミン」ジー

アルミン「ご、ごめんねエレン。そういうことだから…」

エレン「ちぇ、しょうがねぇか」スタスタ

ミカサ「…行った」


アルミン「それでどうしたの?今からデートコースを書類にまとめようと思ってたんだけど」

ミカサ「それはありがたい、ありがたいのだが…私はとても重要な事を忘れていた」

アルミン「忘れてた?一体何を?」

ミカサ「デートの日に着る服が決まらない!」ウルウル

アルミン「あぁ…僕としたことが…僕もすっかり忘れてたよ」


ミカサ「自慢ではないが…私は筋肉質な体型で肩幅も広い…ので、着られる服が限られている」グスッ

アルミン「で、でも僕に相談するより他の女の子に相談したら?」

ミカサ「昨日の夜に相談した」

アルミン「で、どうだった?」

ミカサ「同じ部屋の皆に相談したらとてもノリノリだった」

ーーーーー

ーーー


昨晩 女子寮

ミカサ「と、言うわけで。デートに行く服が決まらない」

ミーナ「そういうことなら任せて!」ワクワク

クリスタ「うん、私に出来ることなら何でも協力するからね」キラキラ

ミカサ「一応何着かは持っている...けど、そういう流行り物には疎いから...力を貸して欲しい」

アニ(あのミカサでも数着持ってるのか...で、でも私だってパーカーなら何着も持ってるけどね)

ユミル「ふあぁ…おまえらってホントそういう話題すきなのな」

クリスタ「そういうユミルは興味ないの?」

ユミル「ないね」

ミーナ「いい?ユミル。年頃の女の子はね、恋愛と甘いものが大好物なの。あとBL」


ユミル「ふーん。じゃあ芋女を見てみろよ」

サシャ「うふふ、このチーズケーキも…いや、こっちのもモンブランも…うふふ」ボタボタボタ

ユミル「見ての通りヨダレでグルメ雑誌を汚すのに必死だ」

クリスタ「あはは…こういうのを花より団子って言うのかな…?」

ユミル「それにアニだって部屋の隅で大人しく寝てるじゃねえか」

アニ(き、気になる…ものすごく気になる!)ドキドキ

ミーナ「本当に寝てるのかな?ねぇアニ〜、こっちに来て一緒におはなししようよ」


アニ「……」スースー

ミーナ「アニ〜?」

アニ「……」スースー

ミーナ「こちょこちょこちょ〜」コチョコチョ

アニ「…!…!」プルプル

アニ(こ、こそばゆい!やめ、ちょ…どこ触ってんだい///)


ユミル「おい、ほっといてやれよ。起こしたら悪いだろ」

ミーナ「ご、ごめん…」

アニ「……」

ミーナ「……」ジー

アニ「う、うーん…むにゃむにゃ」

ミーナ「……ぷっ」クスクス

アニ「…!?(バレた!?)」ドキドキ

ミーナ「アニの寝顔って可愛いな〜」つんつん

アニ(ほっ、良かった…ありがとう神様仏様お父さん)クタァ


クリスタ「ミーナ、ミカサのファッションショー始めちゃうよ?」

ミーナ「はいはーい」

アニ「……」

アニ(最近気付いた事がある)

アニ(訓練兵になって一番上達したスキルは)

アニ(寝たフリだと思う)


アルミン「それで?」

ミカサ「皆にコーディネートというものをしてもらった」

アルミン「なんだ、それなら安心だね」

ミカサ「しかし…私はクリスタ案とミーナ案とユミル案のどれにしようか迷っている」

アルミン(ユミル案…?)


ミカサ「そこでアルミン、あなたを男と見込んで頼みがある」

アルミン「大体わかったよ、男子の視点でどのコーディネートがいいか教えて欲しいってことだね?」

ミカサ「その通り!そしてアルミンはエレンのことを詳しく知っている、私ほどではないが」

アルミン「エレンの好みかぁ…あんまりそういう話はしたこと無いんだけどね、頑張ってみるよ」

ミカサ「うん、では寮から服を取ってくる。ので、座学の教室で落ち合おう」

アルミン「あ、鍵は?」

ミカサ「すでに入手済み、それでは」シュタッ

アルミン「……はぁ、大丈夫かなぁ」


ジャンの特別教室

ジャン「……」パラパラ

シーン

ジャン「……」パラパラ

シーーーン

ジャン「…飽きた、7並べ飽きた」

ジャン「だああぁ暇だー帰りてえーーミカサぁああ」

ジャン「……」

ジャン(俺って嫌われてんのかな…)ショボン


ジャン(いや、ない。それはない。ダチもそこそこいるし…例えばマルコとかマルコとかマルコとか…)

ジャン「……あれ?俺ってダチ少なくね?」

ジャン(んなこたねぇ!それにダチの数が全てじゃねえしな、うん!)

ジャン「そうだ…女子にだってそこそこ人気はあるはずだ」

ジャン「例えば…ほら、あの…あいつ…」

ジャン(最後に女子とまともな会話したのいつだったっけ…)orz


ジャン「おかしい…俺が女にモテないのはおかしい…」

ジャン(身なりにも一応気を使ってるし)

ジャン「この髪型結構いけてると思うんだけどなぁ…」

ジャン「鏡…鏡…ドアの窓でいいか」

ジャン「……」サッ

ジャン「……」サッサッ←ポーズを決めてます

ガラッ

ジャン「おうっふぅ!」ビクッ


クリスタ「失礼しまーす」

ジャン(良かった…反対側の扉で良かった…)

ジャン「く、クリスタ…?なんでここに?」

クリスタ「え?ここってジャンの悩み相談室じゃないの?」

ジャン「ま、まぁそうだけどよ」

クリスタ「良かった。間違えちゃったかと思ったよ」ニコッ

ジャン(天使)


ジャン「まあ座れよ、立ち話もあれだし」

ジャン(ついに客第一号か…やっぱ俺って嫌われてなかったんじゃね?)

ジャン「それで?一体なにに悩んでるんだ?」

クリスタ「あ、あのね…ユミルがすぐ抱きついてきて困ってるの」

ジャン「蹴れ。以上」


クリスタ「えぇえ!?それだけ!?」

ジャン「大体なぁ、おまえは優しすぎんだよ、だからアイツがつけあがんだよ」

クリスタ「そ、そうかな?そんなことないと思うけど…」

ジャン「そうなんだよ」

クリスタ「そう?」

ジャン「そうだ」

クリスタ「…わ、わかった」


ジャン「てか、おまえはもう少し怒ったりした方がいいと思うぜ?」

クリスタ「私だって怒ったりはするよ?」

ジャン「…俺から見るとな、おまえは感情を抑制しちまってる気がする。まあお前以上に感情を抑制してる奴がいるにはいるんだけどな」

クリスタ「でも蹴るっていうのはちょっと…もっと平和的解決はないのかな?」

ジャン「平和的解決ねぇ…」ウーン

クリスタ「……」


ジャン「つーかそもそもなんであんなクソ女とつるんでるんだよ。おまえってあいつ以外にもダチ多いだろ?無視すりゃいいじゃねえか」

クリスタ「…ユミルはね、勘違いされがちだけどホントは優しい所もあるんだよ?」

ジャン「あいつが?冗談だろ?」

クリスタ「入団式の夜にね、倒れてたサシャを運んでくれたの知ってるでしょ?…口や態度は悪いけどいい所もちゃんとあるの」


ジャン「ハッ、それだけでいい奴かどうかなんて分からねえだろ。それをダシに水汲みを強制させてる奴なんてクソ以外の何者でもねえな」

クリスタ「なッ…それだけじゃないもん!他にもユミルはいっぱい…」

ジャン「所詮あいつは他人を道具としてしか扱ってねえんだよ。利用出来る人間はとことん利用する」

クリスタ「……」プルプル


ジャン「飴と鞭を与えて人の心を掌握してんだな、賢いっちゃ賢いがやり方が汚ねえわな」

クリスタ「…!…!」プルプル

ジャン「あれだ、おまえももしかしたら利用されてるだけかもしれねえぜ?今のうちに縁切っとけよ」

クリスタ「ユ…」

ジャン「?」

クリスタ「ユミルを悪く言わないで!」ゴンッ

ジャン「ぐはッ…!」グキッ

ジャン(頭突き…だと?)


ガタァンッ!

クリスタ「あっ…ゴメンねジャン!怪我はない?」

ジャン「いててて…」スクッ

ジャン(やべ…少し言い過ぎちまったか?どうしようどうしよう…こうしよう!)ピコーン

クリスタ「ほ、ホントにごめんなさい!」

ジャン「へへ…なんだよ、ちゃんと怒れるじゃねえか…」

クリスタ「ふぇ?」


ジャン「ダチのために怒れるんなら問題無いわな、うん」

クリスタ「ジャン…もしかして私のために?」

ジャン「ま、まあな」

ジャン(全部本音だ、なんて言えねえ…)


ジャン「クソおんn...ユミルにもそうやって頭突きでぶつかって見ろよ」

クリスタ「ず、頭突きで…?」

ジャン「そうだ。いつもやられっぱなしじゃ悔しいだろ?」

クリスタ「うん」


ジャン「どつき合って友情ってのは深まるもんだ。おまえもアイツに本音ぶつけて、どついてみろ」

クリスタ「あ、じゃあジャンはエレンと友情を深めたくていつも喧嘩してるのね?」

ジャン「はっ...はああああぁああぁ!!??なんで俺があんな死に急ぎ野郎なんかと...!?」

クリスタ「ふふ、ジャンに相談して良かった!本当にありがとう!」ニコッ

ジャン「...え?あ、おう...」キョトン


............ホワン

ジャン(なんだ?この気持ちは…恋?)

クリスタ「それじゃあおやすみなさい。ジャンも早めに休まないと明日の訓練に遅れちゃうよ」ニコッ

ジャン「お、おう」

ガラッ
ピシャンッ

ジャン「……」



ジャン(なんなんだよ…俺はミカサに恋してんだ。クリスタに特別な感情なんて…)

ジャン「まあしかし…」

ジャン「過程はどうあれ一人目の悩み解決だぜ!」

?「……」

頭ガンガンなのでもう寝ます
レスくれた人たち優しくてすごく嬉しい
それではまた

ーーーーー
ーーー

座学の教室

ミカサ「お待たせ」

アルミン「じゃあさっそく始めようか」

ミカサ「よし、まずはミーナ案から行ってみよう」ヌギヌギ

アルミン「ちょっ…!?ここで着替えるの!?」

ミカサ「…?…?ダメなの?」


アルミン「ダメに決まってるじゃないか!ミカサは女の子なんだよ!?」

ミカサ「アルミンになら別に見られても構わないのだが」

アルミン「いやいや!僕だって男の子だし!」

ミカサ「そう…よく分からないけど、アルミンがそういうならおそらくそうなんだろう」

アルミン「と、とりあえず別の場所で着替えてきてよ!」

ミカサ「わかった、お手洗いで着替えてくる」

ガチャッ
バタンッ


アルミン「まったく…ミカサにはもう少し女の子としての自覚を持って欲しいよ」

アルミン(それにしてもすごい腹筋だったな…)

アルミン「それに比べて僕のお腹は…」チラッ

ツルツル

アルミン「うぅ…男として自信を無くすよ…」


ガチャッ

ミカサ「お待たせ」

http://i.imgur.com/K5rAskZ.jpg

アルミン「あ、着替えて来たね」

ミカサ「どうだろうか」

アルミン「うん、いつものミカサっぽいね。似合ってるよ」

ミカサ「ミーナにもそう言われた。変に着飾る必要はない、いつものミカサが一番素敵だと」

ミカサ「ただ、その…デートにしては少し地味過ぎるような気がしてならない…」


アルミン「そうかな?僕は良いと思うんだけど…あ、でも長袖は夏らしくないかもしれないね」

ミカサ「暑さなら平気、ミーナ曰く、オシャレは我慢」

アルミン「そういえばマフラー巻いてないね、どうしたの?」

ミカサ「みんなに言われた。夏場はマフラーを巻かない方が良いらしい。ファッション的に」

アルミン(まあそうだろうね…)


ミカサ「エレンマフラー、略してエレマフを着けられないのは非常に残念…だが、デートのためだ仕方ない」

アルミン「うん、普段からもエレマフは着けないようにしようか。冬までエレマフ禁止で」

ミカサ「そ、そんな…!」ガーン

アルミン「いつも巻いてたらすぐに痛んじゃって破れちゃうかもよ?」


ミカサ「わ、わかった…アルミンがそういうなら…」

アルミン「それじゃ次のも見せて貰える?」

ミカサ「わかった、ではユミル案に着替えてこよう」

ガチャッ
バタンッ

アルミン(ユミル案…とても悪い予感がする…)

ーーーー
ーー


キース「7月5日…ついに明後日は七夕か」

技巧班の人「キースさん」

キース「む?」

技巧班の人「明日の授業に使う黒金竹を回収しに来たのですが」

キース「ああ、それならすでに返しておいた」

技巧班の人「そんな…言ってくださればすぐに取りに来たのに」


キース「それよりも例のアレは?」

技巧班の人「あぁ、持って来ましたよ。普通の竹」ガサッ

キース「うむ、これだけあれば充分だ。感謝する」

技巧班の人「いえ…そういえばキースさん明日有給を取られるそうで、珍しいですね」

キース「ああ、たまには息抜きせんとな。それはそうと例の件は順調か?」

技巧班の人「技巧班を舐めてもらっちゃ困りますよ。明後日までには間に合わせますんで」


キース「うむ、色々と迷惑をかけてすまないな」

技巧班の人「いいですよ、こっちもみんな楽しくやってますし」

キース「経費は全て私宛にな」

技巧班の人「自費ですか?」

キース「こんな世の中だ、金貨なんぞいつ石ころになるか分からん」

技巧班の人「そりゃそうですけど…あんまり無理しないで下さいね」

キース「ああ、ありがとう。君もゆっくり休むといい」

バタンッ

キース「さて、少し見回りがてらキルシュタインの様子でも見てくるか」

ーーーー
ーー


アルミン(ミカサとエレンがデートか…)

アルミン「幼馴染みとして嬉しいような寂しいような」

アルミン「二人が付き合ったら僕とも遊ぶ機会が無くなるんだろうなぁ…」

アルミン(いけないいけない。いつまでも二人に頼ってちゃダメだ。僕だって兵士、そろそろ自立しなきゃな)

ガチャッ

ミカサ「お待たせ」

アルミン「あ、ミカ

http://i.imgur.com/wVkXWB4.jpg

アルミン「」


ミカサ「どうだろうか///」テレッテレッ

アルミン(ユミルェ…)

アルミン「待って、ちょっと待って、え?」

ミカサ「…?どうかした?」ムキムキ

アルミン「ミカサ…昨日のユミルとのやり取りを再現出来るかな?」

ミカサ「出来る」ムキムキ

ーーーー
ーー


昨晩 女子寮

ミーナ「だから変に着飾る必要なんてないのよ、いつものミカサが一番素敵よ」

ミカサ「あ、ありがとうミーナ///とても照れる」

クリスタ「そうそう、ミカサは可愛いんだから何を着ても似合っちゃうよ!」

ミカサ「か、可愛い…?ありがとうクリスタ///」

アニ(スカートか…履いたことないし一度でいいから履いてみたいな)

ユミル「だあぁ!ダメだダメだ!おまえらなんにもわかっちゃいない!」

クリスタ「え?」


ユミル「いいか?夏だぞ?わざわざ肌を隠してどうすんだ」

ミカサ「し、しかし私は筋肉質で…」

ユミル「んなのどーだっていいんだよ、裸なんてお互い見慣れてんだろ?今更恥ずかしがってどうすんだ」

ミカサ「た、確かにそうだが…」

クリスタ「え…///」

ミーナ「そ、そうなのミカサ!?」

アニ(は、裸!?裸ってつまり…その…///そういうこと…だよね///)カァァァァ


ミカサ「でもそれは子供の頃の話、今はもう一緒にお風呂なんて入っていない…」

クリスタ「なんだ、ビックリしたぁ…」

ミーナ「ほっ、ミカサが大人になっちゃったかと思ったわ」

アニ(お、お風呂!?そ、それってやっぱり裸を…///)ドキドキ

ユミル「ん〜?クリスタちゃんは何を想像したのかな?」ギュッ

クリスタ「え、えぇ!?べ、別に私は…///」

ユミル「ほら、正直に言えよ…一体なにを想像してたのかを…」ハァハァ

クリスタ「や、やめてってば!」バッ


クリスタ「ととというかさっきまでミカサのお洋服に興味無かったじゃない!急にどうしたのよユミルは!」プンプン

ユミル「いやな、おまえらがキャッキャウフフしてたらいつまで経っても眠れねえの。だから特別に私がコーディネートしてさっさと終わらせてやる」

ミーナ「へえ、ユミルのコーディネートかぁ。ちょっと興味あるかも」

クリスタ「ユミルにファッションセンスなんてあるのかな?」プンプン

ユミル(ふてくされたクリスタ可愛い)ハァハァ


ミカサ「ユミル!」ガシッ

ユミル「うおっ!?」

ミカサ「協力してくれてとても嬉しい、よろしくお願いする」

ユミル「いいっていいって、とりあえずその手離してくれ。指の骨が折れる」ミシミシィ

ミカサ「はっ、ごめんなさい」パッ

クリスタ「ミカサ、ホントにいいの?私すごく嫌な予感がするの」


ミーナ「でもユミルなら体型も似てるし自分の洋服を貸すことも出来るわよね」

ユミル「その通り、さあミカサこっちへ来い。着替えさせてやるよ」オイデオイデ

ミカサ「わかった!」トテトテ

シャッ


クリスタ「ねえ、なんでカーテン閉めるの?」

ユミル「なんだ?ミカサの着替える所が見たいのか?おまえまさか…」チラッ

クリスタ「ユミルのバカ!もういい!」プンプン

アニ(あぁあ…気になる!早く出てこいミカサ!)ドキドキ

※アニはカーテンの隙間からこっそり覗いています


ユミル「よし!できt…ぶふっwwww」

シャッ

ミカサ「ん、少しキツイ…そして股の方がスースーする」

クリスタ「」

ミーナ「」

ミカサ「どう?」ムキムキ


クリスタ「ユ  ミ  ル ?」

ミーナ「こ、これはちょっと…ねぇ?」

アニ(か、可愛い!!なにあれ!?フリフリしてる!)キラキラ

ユミル「なんだよ?私のコーディネートに文句があるのか?クリスタ」

クリスタ「あのねえ

ユミル「あれ〜?さっき『ミカサは可愛いんだから何を着ても似合っちゃうよ』って言ってたのは誰かな〜?」ニヤニヤ

クリスタ「う…」


ミカサ「クリスタ…この服は私に似合わないのだろうか…」ショボン

クリスタ「そ、そんなことないよ!ね!?ミーナ!」

ミーナ「う、うーん…ま、まあ個性的…だよね?」

サシャ「ブフゥッwwwwなんですかそれwwwwち、ちょwwwおかし

ユミル「ふんッ!」ドスッ

サシャ「」チーン

ユミル「ったく、てめえはグルメ雑誌読んでたんじゃねえのかよ」


ミカサ「ゆ、ユミル…やはり私も少しおかしいような気がしてきた…肌が露出しすぎてなんだか恥ずかしい」モジモジ

ユミル「バカ野郎、それでいいんだよそれで」

ミカサ「?」

ユミル「男ってのはなぁ、肌を露出させてる女が好きなんだよ」

ミカサ「ほ、ホントに?」

ユミル「そうだ、肌の露出度=女子力だ」

ミカサ「女子力…!」

アニ(そ、そうだったのか…覚えておこ)


クリスタ(うぅ...)

ミーナ(色々言いたいことはあるけど...)

クリスタ&ユミル(ミカサの手前余計なことは言えない...!)

ユミル「それを着てるだけで男どもからチヤホヤされるぞ、よかったな」

ミカサ「それはいわゆるあれだろうか!アイドルというやつだろうか!」

ユミル「そうだおまえはステージエンターテイナー...その名も『みかりん』だ!...ブフッwww」プルプル

ミカサ「み...みかりん!」

アニ(みかりん...かわいい)


ユミル「ま、みかりんの手にかかりゃ巨人だろうと男だろうとイチコロだろうぜwwww」

ミカサ「い、イチコロ...!」

アニ(あにりん...とか...ダメかな、やっぱ)

ーーーーーー
ーーー

アルミン(頭もいいし運動もずば抜けてるミカサだけど...)

ミカサ「みかりん...ふふふ」

アルミン(変な所ぬけてるんだよな...)


ミカサ「アルミンアルミン」

アルミン「...なに?」

ミカサ「イチコロ?」ムキムキ

アルミン「......ある意味ね」

ーーーーーー
ーーー

ジャンの特別教室

ジャン(勤務時間終了まで残り1時間ってとこか)

ジャン「あぁー来ないで欲しいわー。誰にも来ないで欲しいわー楽できるしなー」チラッチラッ

睡魔がスリーパーホールドかけてきた...


ガラッ

コニー「おっす〜」

ジャン「なんだ、ただのバカか」

コニー「バカじゃねえ!俺は天才だ!」

ジャン「はいはい、コニーさんは天才でしたねすいません」

コニー「なんか言い方がひっかかるな…あ、それよりも聞きたいコトがあんだよ!」

ジャン「立ち話もなんだし、とりあえず座れよ」

コニー「おう!」ガタンッ


ジャン「で?聞きたいコトってのは?」

コニー「ジャン!頭が良くなる薬ってどこに売ってるんだ!?」

ジャン「バカにつける薬はねえ、以上」

コニー「…?頭が良くなる薬って塗り薬だったのか?」

ジャン(もうヤダこいつ…)

コニー「どうした?具合でも悪いのか?」

ジャン「…他に悩みはないか?無いならもう帰れ、山に」

コンコン


コニー「んあ?誰か来たぞ?」

ジャン「まったく…大盛況で困っちまうぜ」フッ

ガラッ

ガツンッ

ベルトルト「イタッ!」

ジャン「わざとらしい典型的なギャグはいいからさっさと来いベートーベン」

ベルトルト「……」

ベルトルト(開口一番2度傷ついた)


コニー「どうした?早く来いってベトベトン」

ベルトルト「う…うん。コニーもいたんだ」ガタッ

コニー「まあな!おまえもなんか相談しにきたんだろ?アルベルト」

ベルトルト「……」

ジャン「それで?悩みってのはなんだよベロリンガ」

コニー「お、わかったぜ!汗っかきなのを治したいってんだろ?」

ベルトルト「ち、違うよ…まあ悩みではあるけど…」

ジャン「じゃあなんだってんだ?」

ベルトルト「そ、その…なまぇ」ゴニョゴニョ


ジャン「あ?なんだって?聞こえねぇぞベトルネコ」

ベルトルト「ぼ、僕の名前を間違えてるんだッ!みんなッ!間違えてるッ!」

コニー「うお!?ど、どうしたんだよ急に…とりあえず落ち着けぺんぺん草」

ベルトルト「僕はぺんぺん草じゃない!一文字もあってないよ!」

ジャン「急にどうしたってんだ、おまえらしくもねぇ」

ベルトルト「いいかい?僕の名前は『ベルトルト』だ!」

コニー「んなこと知ってるって。今さら何言ってんだ、ベレトルトだろ?」


ベルトルト「違う!ベ・ル・ト・ル・ト!!」

コニー「ベンジョンソン」

ベルトルト「ちがーう!」

ジャン「ジングルベル?」

ベルトルト「ベルしかあってないよジャン!」

コニー「ジャングルジム?」

ベルトルト「ジャンと混ぜるな!いや混ざってるのはジングルベルの方か!」


ジャン「…??」

ジャン(こいつ急にどうしたんだよ…なんか怖くなってきたわ…)

ベルトルト「はい復唱!」

ジャン&コニー「え…?」

ベルトルト「ベ!!」

コニー「?」

ベルトルト「まずはコニーからッ!」

ベルトルト「復唱しろ!ベ!」

コニー「…ベ」

ベルトルト「もっと声を張って!」


コニー「ベ!」

ベルトルト「ル!」

コニー「ル!」

ベルトルト「ト!」

コニー「ト!」

ベルトルト「ル!」

コニー「ル!」

ベルトルト「ト!」

コニー「ト!」

ベルトルト「はい僕の名前は!?」

コニー「ベベルルトトルルトト」

ベルトルト「」


ベルトルト「あぁあ!なんで僕の分まで数えちゃうかなぁ!」

ベルトルト「はい次ジャン!」

ジャン「えぇ…なんで俺がこんなこと…」

ベルトルト「ベ!!」

ジャン「はぁ…ベ」

ベルトルト「ル!!」

ジャン「ル」

ベルトルト「ト!!」

ジャン「ト」

ベルトルト「ル!!」

ジャン「ル」

ベルトルト「ト!!」

ジャン「ト」


ベルトルト「僕の名前は!?」

ジャン「ベルトルト」

ベルトルト「…ッ!!」パアァァ

ジャン「ベルトルト・フィーバー」

ベルトルト「」


ベルトルト「違う!フーバーだ」

コニー「ベルトルト・パーカー」

ベルトルト「違う!パーカーはアニだ!」

ジャン「ベルトルト・ヒーハー」

ベルトルト「僕はハゲてないよ!」

キース「ベルリン・フーパー」

ベルトルト「違うってば!」

コニー「ウォールベルリン」

ベルトルト「うわーーーん!」ダッ

ジャン「あ、ベル…

ガラッ
ピシャンッ

ジャン「メゾン…」


キース「ふむ、青春しとるな」

コニー「き、キース教官!?」

ジャン「なぜここに?」

キース「少し様子を見にきただけだ、貴様がサボっていないかをな」

ジャン「め、滅相もありません!私は常に全力投球ですからっ!」

キース「そうか、ならばいい。それとスプリンガー」

コニー「はい!」


キース「馬術訓練時の話は覚えているか?」

コニー「は、はい…」

キース「スプリンガー先生には明日、私の代わりに教官を務めて貰う」

コニー「は、はい?」

ジャン「ちょっと待って下さい…どういうコトですか?」

キース「明日は大切な用事で貴様らに構っている暇はないのだ、よって教官の仕事は全てスプリンガーに任せる」

コニー「え、えええぇえぇえ!!?」


ジャン「こ、コニーが教官だって!?冗談はよして下さいよ!」

キース「冗談ではない、明日の午前4時30分に私の部屋に来い。マニュアルを渡すからその通りにこなせば問題はないだろう」

ジャン「いやいや!コニーに教官の代わりなんて無理ですって!」

コニー「やります!俺!やります!」

ジャン「おいおい!マジかよ!」


キース「うむ、よろしい。それでは」

コニー(ラッキー!教官ってコトはやりたい放題ってことじゃねえか!あんなことやこんなことしても許されるじゃん!)

キース「これだけは言っておく、教官の職責は重いぞ…覚えておけ」

コニー「うぃーっす」

ジャン(大丈夫かコイツ…)


ーーーーーー
ーーー


ミカサ「エレンはこの格好をどう思うだろうか///」テレッテレッ

アルミン「あ、あぁ…そればっかりはエレンに聞いてみないと…」

ミカサ「ではアルミンはどう思う///」テレッテレッ

アルミン(やばいこの子ノリノリだ早くなんとかしないと)

アルミン「と、とても可愛いと思うけど…さっきと比べて今回は派手過ぎるかな?」

ミカサ「そ、そうだろうか…よく分からない」


アルミン(なんとかしないと...いや待て!別にこの格好を否定する以外にも方法はあるじゃないか!)

アルミン(他のコーディネートをベタ褒めしてバッドエンドを回避する...!これ以外に方法はないっ!)

アルミン「と、とりあえず次の服を見ないと判断出来ないね、たしかクリスタが考えたコーディネートだよね」

ミカサ「わかった」

ガチャッ

アルミン(頼みの綱はクリスタ案だけだ…お願いします神様仏様クリスタ様)

ーーーーー
ーー


キース(結局全ての短冊の特定は出来なかったか…外した短冊を新しい竹に付け替えてから寝るか)

キース(む?向こうから灯りが…)

ミカサ「……」スタスタッ

キース「」

ミカサ「!」ビクッ

フゥッ
サッ
バッバッ
シュタタタタタタタッ

キース「……」

キース(ふ、腹筋のオバケだあぁああうえええぇええ!!!)


キース「いいいやいやいやいや!そのような非現実な物を信じてどうする…そうだ、オバケなんていない、絶対にだ…」

キース(ということは幻覚…か?どうやら疲れ過ぎているみたいだな、うん)

キース「いやしかし一瞬燭台の火が見えたような…」

キース「気になるな、確か向こうの方から歩いてきたようだが」

ーーーー
ーー


アルミン(ユミル…彼女をなんとかしないと僕の胃痛が止むことはないだろう)キリキリ

アルミン「それにしてもミカサがオシャレなんてちょっと前なら考えられなかったな」

アルミン「美人で背も高いし、オシャレしないなんてもったいないとは思ってたけど…さすがにみかりんはね…」

ゴチャゴチャ

アルミン「あーあ...こんなに脱ぎ散らかして,,,ミカサらしくもない」

アルミン(まぁそれほどエレンとのデートが楽しみで舞い上がってるんだよな)

アルミン「今のうちにたたんでおこ」パサッパサッ

ーーーーー
ーーー


キース(む、やはり教室から灯りが…誰かいるのか?)

キース「……」チラッ

アルミン「…今のうちにたたんでおこ」パサッパサッ

キース(あれは…アルレルトか?そして手に持っているのは…スカートだと!?)

キース「ま、まさか…」ゴソゴソ

つ『もう少し乙女らしい格好がしたい』

キース(これはアルレルトの短冊だったのか…!)


キース(まさか奴に女装癖があるとは…いや、もしかして奴はブラウンと同じ性癖なのか?)

キース(クックックッ…もしこれが本当ならば…エレンのライバルが消える!)

キース「特定したぞm9(`・ω・´)」

キース(任せておけアルレルト、貴様の願いは私が叶えてやろう!)

キース(ここは見逃してやる…明後日は覚悟しておけ!ふはははははは!)スタスタスタスタ


ーーーーー
ーー

アルミン「ミカサ遅いなぁ…もう眠くなって来ちゃったよ…」

ガチャッ

ミカサ「アルミンごめん、少々手間取った」

http://i.imgur.com/zljQ53J.jpg

アルミン「……」


ミカサ「途中で教官に会ってしまった…その場はなんとか凌いだけどもうそろそろ寮へ帰った方が

アルミン「可愛い…」

ミカサ「え?」

アルミン「可愛いよ!ミカサ!」

ミカサ「そ、そう…だろうか?」

アルミン(ここで一気に褒めたててみかりんエンドを回避する!)


アルミン「さすがクリスタだね!夏らしい格好なのに肌の露出も極限控えてる。髪留めを使って女性らしさもアピールしてるし…まさにミカサにピッタリのコーディネートだよ!」

ミカサ「あ、ありがとうアルミン…そんなに褒められると照れる///」

アルミン「よし!デートの服はそれに決まりだ!うん!そうしよう!」

ミカサ「あ、アルミンがそういうなら///」

アルミン「これならエレンもイチコロだよ!」

ミカサ「そ、そうだろうか!ありがとうアルミン!困った時はアルミンに相談するに限る!」

アルミン(感謝されてるのにあんまり嬉しくないな…)

アルミン「じゃあそろそろ帰ろっか」

ミカサ「うん!明後日が楽しみだ!」

アルミン(ふぅ…みかりんエンドは回避したか…でもなんだろう…僕の身になにか危機が迫ってる気がする)

夜も更けり皆寝静まったようだ
それではまた

くそぅ、画像見損ねた
再うpよろ


ーーーーー
ーーー

普通の竹「......」ドーン

キース「これでよし」

キース「特定数12か…保留した短冊は違う方法を考えねばな」

キース「まあ、なんにせよ…」

キース「特定完了m9(`・ω・´)」

>>321さん
一枚目は4巻82p
二枚目は9巻嘘予告
三枚目はパフスリーブのワンピースを着たミカサです

>>322 訂正

ーーーーー
ーーー

普通の竹「......」ドーン

キース「これでよし」

キース「特定数12か…保留した短冊は違う方法を考えねばな」

キース「まあ、なんにせよ…」

キース「特定完了m9(`・ω・´)」

『特定編』


ーーーー
ーー

7月6日 午前5時 教官室

座学の教官「それでは朝礼を開始します」

技巧班の人「お願いします」

教官A「お願いしまっす」

教官B「お願いします!」

教官C「お、お願いします」

警備兵A「うぃす!」

警備兵B「ですです!」

医務室の先生「お願いしまーす」

コニー「お、おなしゃす…」

コニー(な、なぜこうなった…)


座学の教官「えー、では104期生の訓練日程を確認していきます」

教官B「はい、私の受け持つB班54名の生徒は午前に技巧、午後に格闘訓練です」

技巧班の人「今回は黒金竹を使ったアンカーの作成ですね。ワイヤーとボンベはまた日を改めて」

座学の教官「了解しました、火の取り扱いにはくれぐれも注意を。それでは次の方」

教官C「は、はい!自分のC班は午前にバンジージャンプ、午後から馬術です!」

医務室の先生「必ず準備運動をさせてから取り組ませて下さいねー、ベッドの数にも限りがありますから」

教官C「り、了解ですっ!」


座学の教官「それではスプリンガー訓r…教官代理の受け持つ兵士達の日程は?」

コニー(あぁ…ねみい…教官ってこんな早起きなのか…知らなかった…)

座学の教官「ゴホンっ…教官代理」

コニー「え、えっ!?あ、は、はい!な、なんでしょうか!」ビクゥッ

座学の教官「あなたが受け持つ兵士達の訓練日程を教えて下さい」

コニー「あ、はい!え、えーと…」アセアセ

コニー(たしかマニュアルに…ってやべえ!難しい字ばっかで読めねえ!)


コニー「え、えー…D班は午前へ、へいとん?」

座学の教官「兵站行進、ですね」

コニー「そ、そうそうソレですソレ!兵站行進!」

座学の教官「それで午後は?」

コニー「ご、午後…は…」

コニー「……」

一同「……」ジトー

コニー(うっ…こえぇ!大人たちに睨まれるのってこんなに怖かったのか…)


コニー(くそ…こんなことなら一日中走らされてた方がマシだったぜ…最悪の懲罰じゃねーかコレ)

コニー(あのクソ教官め…ハゲって言っただけでこんなことしやがって…ん?)ペラッ

コニー(…!裏にふりがなが…振ってあるぞ!)

コニー「午前は兵站行進、午後は闇討ち…ッスね」

コニー「D班は優秀な兵たちが多いため厳しく、且つ細心の注意を払いサポートして行きます。特にイェーガー訓練兵は危なっかしい所があるので怪我をさせないように…ってなんだこれ…」

座学の教官「そうですか、最近はとても暑いので熱中症に気をつけて小まめに水分補給させてあげて下さい」

コニー「あ、はい!」

コニー(ふぅ、偶然ふりがながあって助かったぜ。もしかしてキース教官も難しい字は読めねえのかな)


教官A「次は俺ですね。A班は午前に座学、午後に立体機動の試験です」

座学の試験「試験が終わってないのはA班だけですか?」

教官B「B班は昨日終わりましたよ」

教官C「あ、C班はまだです…」

コニー「……」

一同「……」ジトー

コニー(あ、俺の番か!)

コニー「お、俺の所…D班は2、3日前に終わりました!」

座学の教官「正確には2日前ですね、私も採点に加わりました」

コニー「す、すんません…」


座学の教官「試験官は足りていますか?」

教官A「警備兵の2人に手伝って貰おうかと思ってるんスけど…」

警備兵A「うぃす」

警備兵B「ですです」

座学の教官「それでは私も試験官を務めましょう、他に試験官を務められる方は…」

コニー(…?…?だ、ダメだ…何を話してるのかさっぱり分からねえ…教官Aの受け持つA班は午前座学でつまり午前は座学の教官は忙しくて教官Aは暇なんだよなでも午後に104期は座学の授業は無いわけだから座学の教官はサポートに回れるんだよな?そんで教官Bの受け持つC班…じゃなかったA?B?それともDか、いやDは俺の受け持つ班だし)プシュウウ


座学の教官「そういえば君は午後から何もないのでは?」

技巧班の人「あ、すいません自分午後フリーなんですけどキース教官に頼まれた用事がありまして」

座学の教官「そうか、ならば103期生から数人手伝わせよう」

教官A「そうですね、俺もそれでいいと思います」

技巧班の人「あ、巨人パネルと装置なら荷車に乗せて倉庫に置いてありますんで」

教官C「あの、すいません...午後からC班が馬を使うので馬の体力は残しておいて欲しいです...」

教官A「了解、出来るだけ人力で頑張ってみるよ」


座学の教官「それではパネル配置の資料を渡しておきます。機密資料なのでくれぐれも訓練兵には見せないように」

教官A「わかってますよ、じゃあ午前中に103期生とパネル配置終わらせときます」

教官B「私も手伝いますよ、技巧の間私は暇ですから」

座学の教官「では警備兵の二人は訓練生が侵入しないよう見張りを」

警備兵A「うぃす」

警備兵B「ですです」

座学の教官「それでは解散!今日も一日頑張りましょう!」

一同「はい!」

コニー「……はい」

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