エレン「燃える闘魂」(636)

かつて世界は、日本プロレスとして統一された団体であった

しかし100年前、二人のカリスマ、アントニオ猪木とジャイアント馬場が新たな団体を創立する

猪木による新日本プロレス そして馬場による全日本プロレス

この事により日本プロレスは崩壊し、両団体はベルトを賭けて争いを繰り広げる

技を技で返し続ける熾烈なリングデスマッチの末、新日本プロレスは壁の中へ追いやられる結末となった

新日本プロレスと全日本プロレスは以後、争う事はなく、100年の平和が訪れる

しかし…845年

突如現れたジャイアント馬場の32文ロケット砲により、その平和は脆くも崩れ去った…


その日、全プロレスファンは思い出した…

あの熱い他団体交流戦の熱狂を…

エレン「母さん!!!!」

カルラ「…エレンかい?」

エレン「ミカサ…! そっちを持て! この150kgバーベルをどかすぞ!」

ミカサ「う、うん!」

エレン「行くぞ! せーの!!」


デンデデンデデンデデンデ…
http://www.youtube.com/watch?v=N_hIyCwx0yM


カルラ「こ、この入場曲は…アブドーラ・ザ・ブッチャー…!?」

カルラ「エレン…ミカサを連れて逃げなさい!!! 黒い呪術師が来るわ、早く!!」

エレン「逃げたいよ俺も! 早く出てくれよ!!」

カルラ「母さんはバーベルに足を挟まれて…動けない! ここから出ても…!」

エレン「俺が担いで走るよ!!」

カルラ「どうして母さんのいう事聞かないの! 最後くらい言う事聞いてよ!! ミカサ!!」

ミカサ「ヤダ… イヤダ…!」

デンデデンデデンデデンデ…


カルラ(このままじゃ…三人とも…! ブッチャーの地獄突きに…!! あれは…!)

ハンネス「…」ダダダッ!

カルラ「ハンネスさん!!! 子供たちを連れて逃げて!!」

ハンネス「見くびってもらっちゃ困るぜ、カルラ!! 俺も新日選手のはしくれ…」

ハンネス「俺はブッチャーから3カウントを取り、3人を助ける…!」

カルラ「お願い!!!」

ハンネス(カルラの願いを聞くか… リングドクターへの恩を返すか…! 俺は…!!)

>>1は確実に30代

ブッチャー「…」

デンデデンデデンデデンデ…


ハンネス「」

ハンネス(俺は…)

ハンネス「…」ダダダッ!

エレン「お、おい! ハンネスさん!! 何やってんだよ!! 母さんがまだ…!」

カルラ「エレン! ミカサ!! 生き延びるのよ…!! 強い…選手になって!!」

ブッチャー「…」

カルラ「っひ!」

ブッチャー「シャッ!」地獄突き

カルラ「ぐえっ!?」

ブッチャー「シャッ!」地獄突き

カルラ「ぐえっ!?」

ブッチャー「シャッ!」地獄突き

カルラ「ぐえっ!?」


エレン「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

ハンネス「はぁ…! はぁ…! …っい!? エレン! 何を―!?」

エレン「もう少しで…もう少しで母さんを助けられたのに…!!」

エレン「余計な事すんじゃねぇよ!!」

ハンネス「…」ブンッ!

エレン「くっ…!」ゴテッ!

ハンネス「お前の母さんを助けられなかったのは…お前に力がなかったからだ」

ハンネス「俺が… ブッチャーに立ち向かわなかったのは… 俺に闘魂がなかったからだ!」

ハンネス「…すまない すまない」涙ボロボロ

エレン「う…うぅ…」グスッ

船上


「あ…ああ…!! ウォール木戸が…突破された…!」

「おしまいだ…! また新日は…! 全日にピンフォールされる…!!」


エレン(もう… あの道場には… 二度と帰れない…)

エレン(もう… 母さんはいない… どこにもいない…!)

エレン(どうしてこんな目に… 新日の方が…若干資本金が少ないから…?)

エレン(弱い奴は… 泣き喚くしかないのか…!)

エレン「……ノックアウトしてやる!」ギリッ!

ミカサ「…エレン?」

エレン「リングで…! 一人残らず…! 全日をノックアウトしてやる!!」

母はブッチャーに地獄突きされ、3カウントを取られた…!

その仇を… いや、壁の中に追いやられた新日すべての仇を取りたい…!

エレンは熱い決意を胸に、ミカサ、アルミンと共に新日本プロレス道場の門を叩く…!

次回、「鬼コーチ!! キース小鉄!!!」

>>4
20代前半です

847年

2年前、突然の全日本プロレスの襲撃により、新日本プロレスは3分の1の試合会場と2割の選手が流出した

また、多くの新日ファンが全日に鞍替えしてしまい、その興行収入は激減の一途を辿っていた

そんな中、全日への復讐に燃えるエレン、ミカサ、そしてアルミンは、新日本プロレス選手となるべく

「新日本プロレスリング道場」の入門式に出席していた…

キース「…貴様」

アルミン「オッス!」

キース「貴様は何者だ!!」

アルミン「シガンシナ区出身! アルミン・アルレルトですっ!」

キース「何の為に新日に入った!?」

アルミン「強い選手となって、全日との決戦に出場する為ですっ!!」

キース「そうか! スクワット100回!」

アルミン「オッス! 1! 2!」フンッ! フンッ!

キース「今な、今なぁ! 体が前に倒れてたろ!? そうじゃない、人間苦しくなると前にいくわけよっ!」

キース「肺に悪いから駄目よっ! しっかり体立てて! なっ!?」

アルミン「ハイッ!」フンッ! フンッ!

キース「真っ直ぐ! なるだけ真っ直ぐ! 真っ直ぐ降ろす、解る!?」

アルミン「ハイッ!」フンッ! フンッ!

キース「それから足! こう開くんじゃなくて真っ直ぐだよ! なっ!?」

アルミン「ハイッ!」フンッ! フンッ!

教官1「やってるな お前も入りたての頃は初っ端からあれだったろ?」

教官2「懐かしいです でも、入ったばかりの者にスクワット100回なんて…」

教官1「それくらいやってのけなければ、ここでの修練には付いていけん」

教官1「言わば体力テスト… 通過儀礼だ」

教官2「言われてない者も居るようですが…?」

教官1「あぁ… すでに通過儀礼を終えている者には必要ない」


アニ「…」ムッキムキ

ライナー「…」ムッキムキ

ベルトルト「…」ムッキムキ

キース「貴様は何者だ!」

ジャン「トロスト区出身! ジャン・キルシュタインですっ!!」

キース「何の為に新日に入った!?」

ジャン「…レスラーになって、金持ちになる為です」

キース「…そうか 金持ちになりたいのか」

ジャン「…オッス!」

キース「腕立て300回!!」

ジャン「!?」

キース「その程度こなせなくて、何が金持ちだ!? やれ!!」

ジャン「オ、オッス!!」フンッ! フンッ!

キース「貴様は何者だ!?」

マルコ「ウォール魁南区ジナエ町出身! マルコ・ボットです!」

キース「何の為に新日に入った!?」

マルコ「レフェリーになり、公正な試合を執り行う為です!!」

キース「…そうか それは結構な事だ」

マルコ「オッス!」

キース「…しかし、貴様は必ずヒールレスラーに栓抜きで攻撃される」

マルコ「!?」

キース「あと必ず誤審して野次を飛ばされる」

マルコ「!!?」

教官2「…中々エグいですね」

教官1「そうだな… だが彼は真の名コーチだ あの山本小鉄の指導を継ぐ者だからな」

教官2「指導を継ぐ者ですか… しかし、全日にはジャイアント馬場を継ぐ者が現れたというのに…」

教官1「ああ… 我々にはまだ… 燃える闘魂を継ぐ者は現れていない」

教官2「今は何処かへと去ってしまった伝説のレスラー アントニオ猪木…」

教官1「彼を継ぐ者が現れなければ… 我々新日は…」

食堂


コニー「お、お前シガンシナの出身なんだろ!? 見たことあるのか…!?」

エレン「…何をだよ?」

マルコ「ジャイアント馬場だよ…! どんなだった!?」

エレン「…ジャイアント馬場は見てない」

アルミン「それに馬場はもう、引退しているしね」

エレン「そうだな 今回の襲撃は…それを継いだ誰かが起こしたんだ」

コニー「他には見てないのか…!? 全日の選手をよ!?」

エレン「…ブッチャーは見た」

マルコ「ブッチャー…! アブドーラ・ザ・ブッチャーの事かい!?」

エレン「ああ…」

コニー「身長186cm… 体重150kg! カナダが生んだ黒い呪術師…! すげぇ!」

マルコ「どんなだった!? 地獄突きは見れた!?」

エレン「地獄突き… うっ!」

アルミン「エレン!」

マルコ「ご、ごめん…! 思い出したくない事もあるよね…」

コニー「す、すまん! 色々思い出させちまって…!」

エレン「…違うぞ ブッチャーなんざ大した事ねぇ」

エレン「俺たちがレスラーとしてリングに上がった日には、あんな奴…!」

エレン「それにもう、スポニチ毎日読み漁らなくても、リングに立ってプロレスできるんだ」

エレン「さっきのは思わず感極まっただけだ…」

エレン「そんで海外遠征組に入って…力つけて 全日選手を全員ノックアウトしてやるんだ」

ジャン「おいおい… 本気か? 今、海外遠征組に入るって言ったのか?」

エレン「…ああ そうだが お前はたしか、金持ちになりたいって…」

ジャン「俺は正直者なんでね わざわざ海外行くより、国内でキャリア積んで人気を上げたほうがいい」

ジャン「外人選手に怯えながら海外行くなんていう奴より、よっぽどさわやかだと思うがな」

エレン「てめぇ… そりゃ俺の事か…!?」

ジャン「ああ悪い 正直なのは俺の癖だ… だがな、日本人選手が外人相手なんて…」

ベルトルト「…それは聞き捨てならないね」

ジャン「!?」

エレン「!?」

ジャン(で、でけぇ…!)

エレン(こいつ… 葉巻吸ってやがる…!)

ベルトルト「外人選手に怯え、国内に留まる… レスラーの風上にも置けない暴言だよ」

ベルトルト「国内にはない厳しい環境で鍛えられてこそ、心・技・体全ての成長に繋がる」

ベルトルト「…そうは思わないかい? 僕はエレンを支持するよ」

ジャン「あ…あぁ そ、そうだな」ビクビク

ベルトルト「解ったのなら、握手をしなさい」

ジャン「お、おう」

エレン「…おう」

ベルトルト「…うん いいね …エレン 君には期待しているよ」

エレン「…あ、あぁ ありがとう」

エレン(なんだ…こいつ! 周りの奴らとは雰囲気が違う…! まるで王者の風格…!)

エレン(すでにリング入り… いや、ベルトを持っていてもおかしくねぇ貫禄だ…!)

エレン(こいつは… 一体!?)

ライナー「…ベルトルト そろそろ行くぞ」

アニ「…」

ベルトルト「ああ… じゃあ、またね エレン」

エレン「お、おう…」

ミカサ「…エレン」

ジャン「―!!!」

エレン「ミカサ… どうした?」

ミカサ「今… 喧嘩してなかった?」

ジャン「し、してない してないぞ! なあ、エレン!」

エレン「うわっ!? どうしたんだよ、ジャン!?」

ジャン「は、はは! 俺たちは今日から友達! だよなっ! なっ!」

エレン「はぁ? 気持ち悪い奴だな ミカサ、行こうぜ」

ミカサ「うん」

ジャン「お、おい! 待てよおい!」

外 食堂裏の物陰


ライナー「…社長 あまり新日の奴らと親しくするのは…!」

ベルトルト「…ライナー 社長はよしてくれと言ったよね」

ライナー「むっ… ベルトルト! 俺たちの目的はただの偵察なんだ! あまり派手に動いては…」

アニ「…別にいいでしょ 誰が気付くの?」

ベルトルト「アニの言うとおりだ… 誰も気付きやしないさ …それにしてもエレン」

ベルトルト「面白いね… 全日を全員ノックアウトとは大したビックマウスだ」

ベルトルト「彼に興味が沸いたよ…! ふふふ…」



食堂裏でヒンズースクワットをしながら不敵に微笑むベルトルト…!

ダンベルを高速で上げ下げしながら心配顔のライナー…!

そして無表情で空中戦のイメトレを行うアニ…!

敵か味方か…! 彼らは一体何者なのか…!

次回、「レスラー! それぞれの理由!!」

ついに新日本プロレス道場、地獄の修練が始まった

エレンを始め、新日に入門した若きレスラーの卵たちは、この血が滲み滴る訓練に必死に耐え続ける

足首を痛める者、頚椎を捻挫する者、そして耐え切れなくなり道場を去る者…

根性を試され、運も試され、そうして残った者たちは、次第に一人前のレスラーとして成長していく

明日の新日を背負い立つのは俺たちだ…!

彼らの目には、自信と、そして何ものにも臆さない勇気が宿っていた…!

夜 食堂


エレン「…ふぅ 今日もキツかったな」

アルミン「そうだね… 僕は皆に付いていくのがやっとだよ」

ミカサ「二人とも… プロテインは飲んだ?」

エレン「ああ… しかし同じ味ばっかで飽きてきたな そろそろ変えるか…」

アルミン「うん でもチョコ味以外は地雷なんだけどね」

コニー「よう お前ら」

エレン「おう コニー 足の具合はどうだ?」

コニー「軽く捻っただけだ 大したことねぇよ」

アルミン「…支柱やトップロープからの大技ばかり練習してるからね」

コニー「まぁな」

エレン「…何か理由があるのか?」

コニー「…ああ 俺はな、マスクマンになりてぇんだ」

アニ「…!」ピクッ

コニー「小さい頃、ミル・マスカラスの試合を見た… 震えたぜ」

コニー「フライングクロスチョップ、プランチャ、ロメロ・スペシャル… よく弟相手に真似したもんだ」

アルミン「なるほど… 弟さんは大丈夫だったの?」

コニー「大体泡吹いて倒れてたよ その後母ちゃんに怒られてなぁ」

アニ「…あんた マスクマンになりたいの?」

ライナー「…! おい、アニ!」

ベルトルト「ライナー… いい、行かせてやりなさい」

コニー「…おう、そうだぜ お前は…」

アニ「…アニ アニ・タイガーハート…」

コニー「ああ、そうだったな お前もマスクマンが好きなのか?」

アニ「…父がマスクマンだった」

コニー「本当か!? 誰だ!? エル・サムライ? それとも…ぐえっ!?」ドカッ!

アニ「…」

エレン「!? な、何やってんだ!?」

アルミン「なんて見事なエルボー・バット…! 的確にコニーのこめかみを捉えているっ!」

コニー「い、痛てぇ… おい!! 何しやがるんだ!!」

アニ「…マスクマンは孤独だよ 本名が周知されていても、自ら名乗る事は出来ない…!」

アニ「あんたにそれが耐えられる…? コニーという名を…捨てられる?」

コニー「何…!? 訳わかんねぇ事言いやがって…!」ダッ!

アニ「…甘いね」シュッ!

コニー「!? う、うあぁぁ!?」ドガァァァ!!


アルミン「ジャ、ジャーマンスープレックスゥ!? あんな高度な技を…一瞬で!?」

ミカサ「…しかも、その後にしっかりとホールドしている… 只者じゃない…!」

マルコ「…1! 2! スリ…!」

コニー「…フンッ!!」バッ!

アニ「…」タッ!


アルミン「すんでの所でコニーが返した…! なんとかスリーカウントを免れたよ…!」

エレン「おい、お前らなにやってんだよ!! ここはリングじゃないだろ!!」

コニー「こいつがいきなり掴みかかって来たんだ…! てめぇ!!」

アニ「…」

ベルトルト「…二人とも、やめなさい」スパーッ

エレン「うっ… ベルトルト…」

アルミン「なんで葉巻吸ってるの…?」

ライナー「アニ! 頭に血を上らせ過ぎだっ! ちょっとは抑えろ…!!」

ベルトルト「…すまなかったね、コニー 彼女はマスクマンの話になるといつもこうなんだ」スパーッ

コニー「すまなかったねじゃねぇよ! おいてめぇ…! 女だからって調子に乗ってると…!」

アニ「…コニー あんたがマスクを被った時… その時に相手をしてやるよ」

アニ「そしてアンタのマスク… 剥いでやる」

ベルトルト「やめるんだ、アニ… ほら、行こうか」

アニ「…」

コニー「なんだよあいつ…!」

エレン「…それにしてもさっきのスープレックス、迫力あったな…!」

アルミン「うん…! まるで新米レスラーとは思えない…! 貫禄を感じたよ…!」

コニー「お前らまでなんだよ! あぁ、痛てぇ!!」

サシャ「…何か凄い音がしましたけど 大丈夫ですか?」

クリスタ「…うわ! コニー、凄いタンコブ!」

ユミル「…おいおい どうしたんだ? 喧嘩か?」

コニー「違ぇよ! いきなりアニの奴に襲われたんだ…!」

クリスタ「私に任せて…! リングドクター志望だから! ユミル、氷とタオルを…!」

ユミル「…はいはい 持ってくるよ」

コニー「お前ら、悪いな…」

サシャ「うわぁ… 真っ赤に腫れてますよ…」

ミカサ「…このぐらい、レスラーなら普通の怪我」

エレン「ああ、そうだな …お前は実際の試合、見たことないのか?」

サシャ「え、ええ… 見たことないです…」

アルミン「…え? じゃ、じゃあなんで新日道場に…?」

サシャ「…実はですね 私の地元は山奥の村なんですが…ある日、食糧庫に忍び込みまして」

サシャ「ほんの少し…食料を失敬するつもりだったのが…気がついたら半年分はいっちゃってて」

サシャ「それで村から追い出されまして… ここなら食べ物に困らないんじゃないかと…」

エレン(…うわぁ)

アルミン(…プロレス関係ねぇ)

サシャ「で、でも実際ここではちゃんこ鍋食べ放題ですし…! その為に修練は怠けませんよ!」

サシャ「む…その顔はなんですか …そういうエレン達はどうなんですか!?」

エレン「…俺か? 俺は一日も早くレスラーになって、全日の奴らをぶちのめす」

エレン「…本当にただそれだけだ ファイトマネーも、観客からの声援すらも無くていい」

エレン「ただ、ただひたすらに…全日選手をリングに沈め続けてやるんだ…!」

ミカサ「…エレンがそう言っている限り、私もそうする 私の目的は…エレンと共に歩む事」

ミカサ「エレンの示した道を…歩む事」

アルミン「…ぼ、僕もエレン達と想いは一緒なんだ …でも」

エレン「…アルミン、どうしたんだ?」

アルミン「僕は小柄で… 貧弱で… 大したフィニッシュ・ホールドも持っていない…」

アルミン「あるのは知識… プロレスの歴史から技の名前、選手の特徴… 最新のスポニチ…」

アルミン「最近、僕はレスラーに向いていないって思うんだ… それよりも、リングアナの方が合ってるかなって」

エレン「アルミン…」

アルミン「エレンと共にタッグを組んで戦いたかったけど…」

アルミン「僕は知識で、声で、そして熱意で… エレンと共に戦い続けようと思ってるよ」

アルミン「…ははっ やっぱり臆病だよね… エレンのお母さんがあんな事になったのに…」

エレン「いや…アルミン! すげぇ立派だよ…! お前なら、誰にも負けないリングアナになれる!」

ミカサ「うん… リングアナが居なければ、観客に熱狂は伝わらない… 言わば彼らもレスラー」

ミカサ「リングの外で戦い続ける…立派な選手 アルミンの決意は…むしろ勇敢だと思う」

アルミン「エレン…! ミカサ…! ありがとう…!」

リングに賭ける者、戦う勇者を癒す者、公平の名の下に試合を見つめる者、そして熱狂を伝える者

厳しく辛い新日道場の中で、切磋琢磨し、友情を育み、やがて選手たちは各々の道を歩み始める

俺たちは何の為に首相撲してるのかって…? それはもちろん、勝つためさ…!

彼らの胸の中には、気高いプライドを象徴する黄金の獅子のマークが浮かんでいた…!


そして月日は流れ… 彼らは立派な選手へと成長し、道場卒業を間近に控えていた…

ライナー「よし、もういっちょ来い!!」


キース(ライナー・ブラウン… 得意技はバックドロップ…) 

キース(屈強な体躯と精神力を持ち、本人にその気は無いが、仲間からの評判も上々)


アルミン「おお~~~~っと! ここですかさずジャンピング・ニー~~~~っ!!」

アルミン「突き刺さる膝ぁっ!! これは痛ぁぁぁぁぁあああああっい!!」


キース(アルミン・アルレルト… 得意なのは熱が入りまくりの実況…)

キース(体力面でレスラーへの道を諦めるものの… その語り口は聞く者の心を揺さぶる)


アニ「…」ブンッ!

ライナー「ぐえっ!?」ドガァァ!!

アルミン「さらに追い討ちぃ~~!! 伝家の宝刀っ! ジャァアアマンッ! スゥゥプレックス!!」


キース(アニ・タイガーハート… 得意技はジャーマン・スープレックス…)

キース(打撃・サブミッション・空中技… 多彩な戦術を操るオールラウンダー…)

キース(性格面で孤立気味だが… 何かを隠しているようにも見える…)

コニー「いくぞ、ジャン! っしゃあああああっ!!」ピョーン!

アルミン「コニーが飛んだっ! 天高く飛んだぁぁ!! 行くんだコニィィィィィィィィッ!!」


キース(コニー・スプリンガー… 得意技は浴びせ蹴り…)

キース(打撃・サブミッション共に得意ではあるが、なんといっても彼の空中技は魅力的だ…)

キース(マスクマン志望ということもあり、今後の新日を支える重要な選手となるだろう…)


ジャン「お、おい! いきなり来るな…ぐわぁぁ!?」ドカッ!

アルミン「命中っ! トペコン命中ぅぅぅっ! ジャンっ! 動けるかぁぁああああ!!?」


キース(ジャン・キルシュタイン… 得意技はローリング・ソバット…)

キース(リング内の状況判断能力に長け、それらを生かした咄嗟の戦術を思いつく…が)

キース(いかんせん抜き身な性格が周囲との軋轢を生みやすい…)

>>1 はホモ団の人かい?
違ってたらすまそ

>>51
そうです
よく解りましたね

エレン「…よし、行くぞ! ミカサ!!」シュッ!

ミカサ「うん…!」ドスッ!

アルミン「エレンのナッコォがミットォに炸裂っっ!! ミットが痛ぁぁい!! 可哀想だぁあ!!」


キース(エレン・イェーガー… 得意技はナックル・パート…)

キース(これといった特徴はないものの、彼の熱いリングファイトは観客の心を掴む…)

キース(どんな相手にも臆する事無く望む姿勢は、新日のストロング・スタイルそのものだ)


ミカサ「…次は私も反撃する いい?」

エレン「ああ! もちろふがっ!?」ゴチッ!

ミカサ「エレン!! ごめんなさい…!!」

アルミン「ミカサのっ! ミカサの裏拳っ!!! お返しとばかりにエレンの顔面を襲ったぁぁぁ!!」


キース(ミカサ・アッカーマン… 得意技は雪崩式フランケンシュタイナー…)

キース(おそらく今期1、2位を争う才能の持ち主…しかし)

キース(エレンのリングパートナーばかりを務め、実戦に臨む姿勢は薄い…)

キース(…ううむ 何とか才能を開花させてやりたかったが…)

>>53
毎回言ってるかも知れんが、
アンタの頭の中、一体どうなんてんだよwwww
引出が多すぎるだろwwww

>>55
あまり他の人が題材にしないようなSSを書くのが好きなんですwww

サシャ「……」モグモグ…

アルミン「ただ食べるっ! その為に私は生まれたっ! サシャ・ブラウスっ! 見参だぁぁぁ!!」


キース(サシャ・ブラウス… 得意技は…なんだろ)

キース(恐らく才能はあるのだが… なにぶん練習をしない…)

キース(…まぁいいだろう ほっておけ… そして…)


ベルトルト「…ふふふ みんな頑張ってるね」スパーッ

アルミン「今日も葉巻がうまぁぁぁい!! ただ見てるだけっ! ベルトルト・フゥゥバァァッ!!」


キース(ベルトルト・フーバー 彼の得意技も良く解らん…)

キース(…しかし、彼から滲み出るオーラは誰が見ても明らかだ…)

キース(恐らく、スパーリングなどさせようものなら一瞬で相手を潰してしまうだろう…)

キース(…底の見えない恐ろしい男だ すでに王者の風格を持っている…)


キース(…思えば奴らも明日、ここを出て行くのか… 寂しいものだな)

キース(皆、名選手になる実力を持っている…! 明日の新日を…背負ってくれ…!)

>>53 つべのURL貼った時点でそうかと

>>58
なるほど
確かに他のSSではあまり見かけませんね

翌日


キース「…100年の平和の代償は、惨劇によって支払われた」

キース「当時の選手層では突然のジャイアント馬場の乱入に対応出来るはずもなかった」

キース「その結果、我々はウォール木戸を失い…活動範囲を大きく狭められる事となった」

キース「今、この瞬間に馬場が現れ…ベルトを賭けたタイトルマッチが行われたとしても不思議ではない」

キース「その時こそ貴様らは新日選手として…奴らからベルトを奪い返すのだっ!」


一同「オウッッッ!!!」

キース「本日…貴様らは練習生を卒業する」

キース「その中でも成績の良かった者は前へっ!!」

キース「主席! ベルトルト・フーバー!!」

ベルトルト「アポォ!」

キース「次席! ミカサ・アッカーマン!!」

ミカサ「…オス」

キース「3番! ライナー・ブラウン!!」

ライナー「オッス!!」

キース「4番! アニ・タイガーハート!!」

アニ「オス」

キース「5番! エレン・イェーガー!!」

エレン「オスッ!」

キース「6番! ジャン・キルシュタイン!!」

ジャン「オォッス!」

キース「7番! レフェリー! マルコ・ボット!!」

マルコ「オッス!!」

キース「8番! コニー・スプリンガー!!」

コニー「おっしゃぁぁ!!」

キース「9番! サシャ・ブラウス!!」

サシャ「…っえ!?」

キース「10番! リングドクター! クリスタ・レンズ!!」

クリスタ「おす!」

キース「そして…リングアナ!! アルミン・アルレルト!!」

アルミン「き、きたぁぁぁぁぁ!! 僕がっ! ここでっ! きたぁぁぁぁぁ!!!」

キース「以上十名は後日行われる試合に出場してもらうっ!!」

キース「いいか、貴様らはもう練習生ではないっ! 一人前のレスラーだっ!!」

キース「……心からっ!! おめでとうっっっ!!!!」


一同「オオッッッッッス!! ありがとうございましたっっっ!!!!」



オッス…! ありがとうございましたっ…! 気持ちの良い返事が道場に響き渡る

彼らは今日、一人前のレスラーとしてここを巣立っていくのだ

鬼コーチ、キース小鉄の目にも涙が浮かぶ

さぁ、新日の反撃はここからだ…! エレンの目は希望と闘志の光に満ちていた…!

そして数日後… エレン達は、新人戦に出場する為、トロストドームへと向かった…!

トロストドーム


ワーワー! ワーワー!


エレン「…すごい観客だな」

ミカサ「…うん」

ジャン「何だ、緊張してるのか?」

エレン「そんなんじゃねぇよ…」

コニー「ただの新人戦だってのにこの人数… 嬉しくなってきたぜ!」

エレン「馬場の襲撃以来、初めてのニューフェイスお披露目だからな ファンは来るさ」

ユミル「お前ら、準備出来てるか?」

クリスタ「私とユミルが居るから、いくらでも怪我してきていいよ!」

ジャン「…はは 中々のブラックジョークだな」

ネタ的にどう見ても30台後半なんだよなぁw

>>65
元々プロレスは好きなんですが、このSS書くに当たってむっちゃ調べました

エレン「そういやサシャは?」

ミカサ「…観客席で芋食べてた」

コニー「なんだそりゃ? あいつ試合はどうすんだよ…!」

ジャン「…あ? ベルトルト達も居ないな…?」

ユミル「…あー、そうだな でもあいつらの試合は大分後だからなぁ」

コニー「なんだよあいつら…! 本当にやる気あんのか!?」

エレン「試合が近くなれば来るだろ それよりもお前とジャンは第一試合だろ?」

ジャン「ああ… そろそろ準備しないとな」

コニー「…へっ 負けねぇからな」

エレン「二人とも…頑張れよ!!」


頑張れよ…! エレンの熱い応援を背中に受け、ジャンとコニーは歩き出す

人生で初、プロとしてリングに上がり、プロとして技を競い合う

ここから俺たちのプロレス人生は始まるんだ…!

程よい緊張感と、熱い闘志を胸に、二人はリングへと向かった

アルミン「…レディースエンジェントゥルゥメェン!!! みなさん、こんにちはぁぁぁ!!!」


「こんにちはーーーー!!!」

「うぉぉぉぉぉーーーー!!! 始まるぞぉぉぉぉ!!」

「アルミィィィィィィィィン!!!」


アルミン「本日はぁぁぁ!! 新日本プロレス、新人戦にお集まり頂き、ありがとうございますっ!!」

アルミン「私っ! 本日のリングアナを勤めさせて頂きます、アルミン・アルレルトと申しますっ!!」

アルミン「…お前らっ! 期待のニューフェイスをっ!! 見たいかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」


「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「見たいぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「みたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいい!!!」

アルミン「…解りましたっ! 皆さんの熱気っ! その期待っ! よく届いてますよぉぉぉ!!!」

アルミン「明日の新日を背負って立つ、若き勇者達の活躍をっ!! 共に見届けましょぉぉ!!!」

アルミン「それではっ! 選手っ!! 入じょぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」


「はやくしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「いいぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
 
「アルミィィィィィィィィィィィンン!!!」

アルミン「青コォォォォォナァァァァァ!! コニィィィィィィ・スプリンガッ!!!!」

コニー「よっしゃああああああああああ!!!」


「コニーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

「わああああああああああああああああああ!!!」


アルミン「赤コォォォォォナァァァァァ!! ジャン・キルシュタァァァァァイン!!!」

ジャン「…行くぜ!!」


「ジャアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!」

「かっこいいぞおおおおおおおおおおおおお!!!」


アルミン「本日の試合のメイン・レフェリーは、マルコ・ボットでお送りしますっっ!!!」

マルコ「ボディチェック!」

コニー「なんも持ってねぇよ」

ジャン「新人戦だぜ? ダーティな事する訳ないだろ」

マルコ「まぁ 決まりだから …うん 何もないね」


アルミン「レフェリーによるボディチェックが終わりました…! さぁ、いよいよゴングですっ!!」


マルコ「両者、向かい合って…!!」

コニー「…」

ジャン「…」

マルコ「……ファイ!!!」


ゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!

マルコを挟み、コニーとジャンが睨みあう

憧れのキャンパスに立ち、天井からの照明を浴びて、今、若き勇者が激突する

観客の声援の中で、戦いの時を告げるゴングの音が鳴り響いた

…その時だった!!


アルミン「さぁ!! 今っ!! ゴングがなら…うわあああああああああ!!?」


ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


「うわああああああああああああ!!?」

「な、何だ!? 何の音だ…!?」

「爆発…!? なにか爆発したの!?」

マルコ「!!?」

コニー「な、なんだぁ!?」

ジャン「お、おい! なんだよおい!?」


「ば……馬場だ! 馬場が…壁を破ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


アルミン「なっ!!?」

マルコ「えっ!!?」

コニー「お、おい!!?」

ジャン「マジかよ…!!?」


ざわめく会場の中、ただ一つ、その言葉だけが響き渡る

馬場が! ジャイアント馬場が… 再び壁を蹴破った…!

選手たちに、観客に、ドーム全体に… 電撃のような緊張感が走る…!

エレン「アルミン! 何の音だ!?」ダダッ!

ミカサ「何か…爆発したの!?」ダダッ!

アルミン「エレン、ミカサ! 馬場が…馬場が壁を蹴破ったみたいだ!」

ミカサ「えっ…!」

エレン「か、壁を…!? なっ!?」


デンデデンデデンデデンデ…

http://www.youtube.com/watch?v=N_hIyCwx0yM


ミカサ「こ、この入場曲は…!!」

エレン「あ、ああ…! あいつだ! 母さんに地獄突きを食らわした…ブッチャーだ!!」

「う、うあああああああああああ!!?」

「や、やめろぉぉぉ…!」

ブッチャー「シャッ!」地獄突き

「ぐえっ!?」

ブッチャー「シャッ!」地獄突き

「ぐえっ!?」

ブッチャー「シャッ!」地獄突き

「ぐえっ!?」


エレン「で、出やがった…!!」

ミカサ「観客や他の新米レスラーたちに…地獄突きを…!」

アルミン「乱入! 全日本プロレスの乱入でぇぇぇぇぇっす!! 何という事だぁぁぁぁ!!!」

アルミン「今日! この場は新人戦ではなく…ベルトを賭けたタイトルマッチへと変貌するのかぁぁ!!?」

アルミン「姿を現したのはアブドーラ・ザ・ブッチャー!! 別名黒い呪術師だぁぁぁぁ!!!」

アルミン「観客や新米レスラーに容赦なく地獄突きをかましながら、リングへ一直線でぇぇっす!!!」


ジャン「お、おい!! こっちに来るぞ!!!」

コニー「ど、どうするよおい! 俺たちで何とか…!」

ジャン「は、はぁ!? 向こうは百戦錬磨のヒールレスラーだぞ!?」

ジャン「俺たちでなんとか出来る相手じゃねぇだろ!!!」

コニー「何言ってんだ! 俺たちはリングに上がった時から…レスラーだろうが!!」

コニー「どんな相手にだって立ち向かう… 新日のレスラーだろうがっ!!!」

アルミン「ブッチャー! 止まりません! 止まりません!! まるで暴走列車ぁぁぁぁ!!!」

アルミン「近づくものは地獄突き!! 離れていても地獄突き!! 地獄からの使者がぁぁ!!」

アルミン「ここっ! トロストドームに殴り込みだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


マルコ「こ、こら!! 駄目だ!! リングに入るな!!!」

ブッチャー「シャッ!」栓抜き

マルコ「がっ!? ぐあああああ!!?」ゴロゴロッ


アルミン「酷い! 酷すぎる!! レフェリーに対して凶器攻撃ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

アルミン「彼にはスポーツマンシップというものが無いのかぁぁ!! 暴走するだけなのかぁぁ!!?」

アルミン「彼はリングを!! 新日の若き勇者の血で染めに来た、悪魔なのかぁぁぁぁぁ!!?」

ジャン「お、おい! マルコだいじょ…!」

ブッチャー「シャッ!」地獄突き

ジャン「ぐえっ!?」

コニー「ジャ、ジャアアアン!! てめ…」

ブッチャー「シュッ!」栓抜き

コニー「だっ!? あああああ!!?」ゴロゴロッ


アルミン「ま、瞬く間に二人の勇者が…新日が…リングに倒れこんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「コニーが凶器によって出血し…マットに描かれた新日の象徴…! 黄金の獅子のマークをっ!!」

アルミン「赤く…赤く染め上げていまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!!!」


エレン「あ、あの野郎……許さねぇ…許さねぇぞ!!!」

ミカサ「エレン…!!」

エレン「今…! 今だ、ミカサ…! 母さんの、みんなの仇を…取るんだよっ!!!」

ミカサ「…うん!」

アルミン「リング上はまさに地獄っ! 地獄絵図となっていまぁぁぁぁす!!!」

アルミン「このまま新日は…また五年前の時と同じくっ! 全日に屈してしまうのかぁぁぁ!!?」

アルミン「新日はっ! 僕たちはっ! 全日に勝つことはできないのかぁぁぁぁ!!?」

アルミン「僕らの仇をとってくれる、勇者はもういないのかぁぁぁぁぁぁ!!?」

アルミン「僕は!! 僕は!! 涙で前が見えませぇぇぇぇぇぇん!!!」


「アルミン!!!」


アルミン「―!!?」


エレン「アルミン…! 俺が…!」

ミカサ「…違う 私たちが」

エレミカ「みんなの仇を取るっ!!!」

アルミン「い…居ました!! 勇者が…勇者が僕たちにはまだ…いましたぁぁぁ!!!」

アルミン「先日道場を出たばかりのエレン・イェーガー…!! そして同じくっ!!!」

アルミン「ミカサ・アッカーマンがっ!! 悪魔の前に…仁王立ちだぁぁぁぁぁ!!!」


ミカサ「マルコ…! 大丈夫…!?」

マルコ「あ、ああ…! ありがとう!!」

エレン「よう… 五年ぶりだな」

ブッチャー「…」ニヤッ


クリスタ「は、早くコニーとジャンをリングから降ろしてっ!!」

ユミル「わ、わかった!!」

コニー「く、くく…! エレン、頼むぞ…!」

ジャン「俺たちの仇を…取ってくれぇぇ!!」

エレン「ああ…! 任せろ…! 必ず…あいつをノックアウトしてみせる!!」


マルコ「…僕はまだレフェリーを続けられる! 二人とも…! いい!?」


エレン「ああ…!」

ミカサ「いつでも…いい!」

ブッチャー「…Haha!」


アルミン「僕たちの…新日の命運は…二人の若きレスラーに今! 託されましたぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「エレン! ミカサッ! 僕たちの仇をっ! 取ってくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


マルコ「それじゃあ…両者! 見合って…! ファイッ!」


ゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!

全日、当然の乱入に衝撃の走るトロストドーム…!

ミカサとエレンを除き、選手は全員、まさかの負傷…!

二人は、たぎる復讐心を胸に今! 五年前果たせなかった仇討ちに挑む…!

次回、「決戦! トロストドーム!!」

オースチンやロック様は出ませんかね

>>86
多分でませんね
闘魂三銃士は出します

ハンセンやブロディは?

>>88
あーハンセンは出したいかなぁー

新人戦直前のトロストドームに、馬場来襲の叫び声が響いた…!

壁が蹴破れる轟音に混乱する選手、観客、そしてアルミン!

ざわめく会場に姿を現したのは、極悪非道のヒールレスラー、アブドーラ・ザ・ブッチャーだった!

百戦錬磨の黒い呪術師に成す術もなく、瞬く間にジャンとコニーとマルコはマットに沈む…!

また新日は全日に敗北してしまうのか…! 誰もが諦めかけたその時、二人の勇者がマットに立った…!

エレンとミカサは、母を何度も呼吸困難に陥れたこの黒い悪魔を、燃える瞳で睨みつけていた…!

ゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!


アルミン「さぁ!!! 今っ! 運命のゴングが鳴らされましたぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「リングに立つのはエレン・イェーガー! そしてミカサ・アッカーマン!!!」

アルミン「この二人は、黒い呪術師と並々ならぬ深い因縁がありますっっっ!!!」

アルミン「そうっ!! 五年前の全日襲撃事件で、母親が地獄突きの餌食となっているのですっ!!」

アルミン「この試合は彼らにとって! 母の仇討ちでもあるのですっっっ!!!!」

アルミン「この試合、どう見ますか!? サシャ・ブラウスさんっ!!!」

サシャ「…っえ!? わ、私ですか!?」

アルミン「はいっ!!!」

サシャ「…その 良いと… 思います」

アルミン「良いと思いますっ!!! 僕も良いと思いますっっっ!!!」

アルミン「なおっ!! この試合は実力差を考慮して、2対1の変則マッチとなるようですっ!!」

エレン「…ミカサ! 俺が先に行く…! お前はリングの外に出てろ!」

ミカサ「…わかった 危なくなったらいつでもタッチして」

エレン「ああ…!」


ブッチャー「…」ニヤ…


アルミン「先にブッチャーへと立ち向かうのは、道場5番! エレン・イェーガー!!」

アルミン「両者、距離を取り…互いに間合いを見極めながら、攻撃のチャンスを伺っているようです…!」

アルミン「それにしてもブッチャーの不敵な笑みっ! なんと不気味な事でしょうっ!!」

アルミン「ブッチャー選手の得意技は、その体躯からは想像も出来ないほど素早い空手!!」

アルミン「そして彼が喉元へと放つ貫手はっ! 地獄突きとして恐れられていますっっ!!」

ブッチャー「…Hey boy! Come on!」クイッ クイッ

エレン「…てめぇ!! 調子乗るんじゃねぇ!!!」ダッ!

エレン「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


アルミン「!!! ブッチャーの挑発を受けて…エレンがいったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「ナッコォ!! ナッコォ!! また、ナッコォォォ!!!」

アルミン「ブッチャーの顔面を強襲するぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

エレン「っしゃあ!!」グイッ!!

ブッチャー「!!」ダダダッ!


アルミン「そ、そして! ブッチャーをロープへ走らせたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


相手の体を掴み、勢いよく押し出す事で、敵をロープへ向けて走らせる 

これはレスラーにとって必須の技能である

そこから多彩な攻撃へと派生させる重要な起点であるからだ

主に用いられるのは、ロープの反動で帰ってくる敵へのカウンター技である

勢いを止められない相手は、スタンド状態で放たれる技の何倍ものダメージを負う事となるのだ…!

アルミン「ブッチャーがロープの反動で戻ってくるのを! エレンのナックルアローが待ち構えるぅぅ!!」


エレン「食らいやがれっっっ!!」

ブッチャー「ッシャァァ!!!」

エレン「!? がぁ!!?」

ミカサ「エレン!!」


アルミン「ああああっとぉ!! カウンターを放ったのは、ブッチャーだぁぁぁぁ!!!」

アルミン「地獄突きがエレンの喉元を深くえぐったぁぁぁぁ!!」

エレン「っだぁ…!? あぁ…!」ヨロッ…

ブッチャー「…」ガシッ!

エレン「っ!?」


アルミン「ブッチャー…よろめくエレンの頭を掴み…! 一体、何をする気なのか!!?」


ブッチャー「…ジャッ! ッジャッ! ッジャッ!」

エレン「っだ!? がぁ!? ぃあ!?」ガンッ! ガンッ! ガンッ!


アルミン「強烈ぅぅぅぅぅぅ!!! 連続ヘッドバットォォォォォォ!!!!」

アルミン「全身の力を頭の一点に込めてっ! エレンの頭蓋骨を破壊する気だぁぁぁ!!!」

アルミン「さ、流石にエレン!! 耐えられなぁぁぁぁい!! マットに倒れこんだぁぁぁ!!!」

ブッチャー「…fu!!」シュ!

エレン「!!? がぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」ドォォン!


アルミン「追い討ち! 倒れこむエレンに追い討ちっ! 毒針エルボー・ドロォォォップ!!!」

アルミン「150kgの巨体から放たれた肘がっ! エレンのみぞおちに叩き込まれたぁぁぁぁ!!!」


エレン「っぇっほ!? げほっ!!? …ぐぇぇ!!?」

ブッチャー「…」


アルミン「そのままエレンに圧し掛かぁぁぁぁぁる!! フォールの体勢だぁぁぁぁ!!!」

アルミン「こ、このままじゃエレンは…! エレン!! 3カウントだよぉぉぉぉ!!!」

アルミン「返せ!! 返してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


アルミンの悲痛な叫び声がドームに木霊する…!

エレンの体に重く圧し掛かったその体重は、実に150kg…!

あのジャイアント馬場にさえ、「まともに食らえば返せない」と言わしめた必殺のフォールだった!

マルコ「…1!」


アルミン「返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! エレェェェェェェェェェェン!!!」


「頑張れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「エレェェェェェェェェェェェェェェェェェン!!!」

「返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


マルコ「…2!」


エレン「ぐぎ…いぃぃぃぃぃぃ!!!」グググッ!

ブッチャー「…」ニヤ…


マルコ「スリぶへっ!?」


アルミン「あ、あああああああ!! マルコが!! マルコが宙を舞ったぁぁぁぁ!!!」

ミカサ「…エレン タッチして」


アルミン「マルコを思いっきりカットしたのは、ミカサだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「ミカサ! ロープ握ってないのにタッチしても無効だよっ!!!」

アルミン「でもそんなの関係なし! エレンの為なら私がルールだと言わんばかりの表情!!」


エレン「…ミ、ミカサ!?」

ミカサ「早く! マルコが倒れてる今がチャンス!」

エレン「あ、ああ!!」パシッ!


アルミン「今っ! ミカサルールで交代でぇぇす!! レフェリーをなんだと思ってるんだぁぁ!!」

ミカサ「エレン…! すぐそこから、出してあげる!」ガシッ!

ブッチャー「!?」


アルミン「…!! ミカサ、ブッチャーの腰を掴んで…どうするつもりだ!!?」


ミカサ「…フッ!!」グンッ!

ブッチャー「ッGaaaaaaaaaa!?」ドガァァァァ!!


アルミン「そ、そのまま力任せにもっていったぁぁぁ!! バックドロォォォップ!!」

アルミン「なんてパワーだぁぁ!! 15歳の少女のどこに、そんな力があるんだぁぁ!!」

ミカサの華麗なバックドロップに、会場は熱狂するっ!

全日の、しかも熟練ヒールレスラーであるブッチャーを…!

新日のニュージェネレーションが、轟音と共にリングへと叩き付けたのだ!

湧き上がる歓声、爆発する感情、そして会場の全新日ファンの胸に浮かび上がるのは「新日復活」の二文字

彼女の芸術的なバックドロップは、それを印象付けるのには十分であった

しかし…次の瞬間、彼女の右足首を激痛が襲った…!


ミカサ「――っつぅぅ!!?」

ブッチャー「…」ニヤ…


アルミン「…!? ど、どうしたんだミカサ!? どこか痛めたようですが…!!」

アルミン「…こ、これは!! ミカサ選手の足首から…出血!! 何か…刺さっているようですっ!!」

アルミン「…フォォォォック!! フォークだぁぁ!! ブッチャー、まだ凶器を隠していたぁぁ!!」

エレン「―!! ミカサァァァ!!!」

ミカサ「…エレン、私は大丈夫…! …ので、そこで見ていて」

エレン「何言ってんだ!! 大丈夫なわけないだろ!!」


アルミン「エレン選手! ミカサ選手に駆け寄りますっ!」

アルミン「彼らは幼馴染っ! 共に食べ、共に遊び、共に学んできた家族ですっ! ちなみに僕も幼馴染ですっ!」

アルミン「負傷したミカサを、エレンはほっておく事は出来なぁぁぁぁぁぁぁい!!!」


エレン「ほらっ! 早くリングから出てクリスタに見てもらえっ!」

ミカサ「エレン… 後ろっ!!」

ブッチャー「シャッ!」

エレン「はっ…!? がぇぇ!?」


アルミン「不意打ち地獄突きぃぃぃぃぃぃぃ!!! エレンの喉元一直せぇぇぇぇぇぇん!!」

エレン「っが! ぐぇぇ…!」ヨロッ…

ミカサ「エレン!! …こいつ!」ガシッ!

ブッチャー「…!?」

ミカサ「っぐ、ぐぅぅぅ…!」グググ…


アルミン「な、なんだ…! ミカサ、何をする気なんだっ!?」

アルミン「ミカサ選手が…! ブッチャー選手を掴み上げ…次第に持ち上げて行くぅぅぅぅ!!!」

アルミン「150kg…! それほどの巨体を…天高く持ち上げたぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「こ、これは…! 垂直ブレーンバスターァァァァァァァ!!?」


ミカサ「…ぐっ! ぐぅ!」ヨロッ…


アルミン「あ、あああ! しかし、負傷した足では上手く体重を支えきれなぁぁぁい!!」

エレン「は、はぁ… …ミカサ…!」

ミカサ「…エ、レン…!」グググ…


アルミン「ああっと! エレン選手、よろめくミカサ選手の隣に立ち…支えているぅぅ!!」


エレン「…ほら! 行くぞ! …二人で!」

ミカサ「…うん!」

エレン「…落とせぇぇぇぇ!!!!!」

ブッチャー「―!!!?」ドガァァァァァァァ!!

http://www.youtube.com/watch?v=mxhMNs43NVA


アルミン「ツ、ツープラトン!! 垂直落下式!! ブレーンバスターァァァァァ!!!」

アルミン「愛と! 友情の!! ツープラトンバスターが! 決まったぁぁぁぁぁ!!!」

轟音一閃…! ブッチャーの脳天がマットに叩きつけられる重低音が会場に響く…!

それと共に、甲高い歓声がドームに満ちた…!

喜び勇む者、目を疑う者、涙を流す者…

それぞれがそれぞれの感情にまかせ、大きな声でリングへ声を送っていた

今、トロストドームのテンションは、五年前の悲劇を忘れてしまったかのようだ…!


アルミン「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 決まったぁぁぁぁぁぁぁ!!」


エレン「ミカサ! そのままフォールだっ!!」

ミカサ「うん!!!」

ブッチャー「」

エレン「ほらマルコ! 起きろ!!」バシッ!

マルコ「…ん? んん…」

エレン「ミカサがフォールしてるんだ!! お前がカウント取らないでどうするんだよっ!!」

マルコ「…え!? ほ、本当かい…!!」

マルコは揺れる意識を必死に抑えながら、ミカサのフォールのカウントを始める…!


マルコ「…1!」

アルミン「ワン!!!」

「「「ワン!」」」


マルコ「…2!」

アルミン「ツー!!!」

「「「ツー!」」」


マルコ「…3!」

アルミン「スリィィィィィィィィィィィ!!!!!!」

「「「スリィィィィィィィィィィィ!!!!!!」」」


カァン! カァン! カァァァァァァァァァァン!!!

会場全体が揺れるようなカウント…!!!

巻き起こる歓声…! そのどれもが、リングに立つ二人の勇者へ向けられていた…!

今! 新日は輝かしい初勝利を上げたのだ…!

しかし、勝利に目を輝かせるエレンたちの前に、新たな壁が立ちふさがる…!

次回、「現れた裏切り者たち!!!」

母の仇、アブドーラ・ザ・ブッチャーはマットへと沈んだ…!

会場にいる全新日ファンからの声援を浴び、エレンとミカサは力強く手を上げる…!

新日本プロレスの! 俺たちの反撃はこれからだ…!

そう言わんばかりの拳であった…!

アルミン「スリィィィィィィィィィカウゥゥゥゥゥンットォォォ!!!」

アルミン「エレン! ミカサ! 両名がブッチャーからスリーカウントを取りましたっ!!!」

アルミン「遂に…! 遂に我々新日は…! 全日に反撃の狼煙を上げましたぁぁ!!」


エレン「…はは! ミカサ…見てみろよ…!」

エレン「会場が… 震えてるぜ…」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「勝ったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「二人ともっ! ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ミカサ「…うん …私たち…勝ったのね…」

エレン「…ああ! 俺とお前で…勝ったんだ!」

ミカサ「…エレン …痛っ!」

エレン「ミカサ!! 大丈夫か!?」

クリスタ「…エレン! 早くミカサをリングの外へ…!」

クリスタ「足首に刺さったそのフォーク、かなり深く刺さってるよ…!」

エレン「わ、解った…! ほら、ミカサ!」ヒョイ

ミカサ「!? エ、エレン!?」///


アルミン「なんっとぉぉぉぉ!!! エレン選手っ! ミカサ選手をお姫様だっこだぁぁぁ!!!」

アルミン「そしてそのままっ!! リングを降りて行きまぁぁぁぁぁぁぁっす!!!」


エレン「…よし! クリスタ、ミカサの足はどうだ!?」

クリスタ「…やっぱり、かなり深い…! しかも負傷したまま無理したから…」

クリスタ「傷口が広がっている…! もう、今日はこれ以上、試合を行うのは無理よ!」

ミカサ「…そう」

コニー「…まあ、こんな状況になっちまったんだ 新人戦も中止だろ」

ジャン「ああ、そうだな …クソっ! せっかくの晴れ舞台だったってのによ…」

エレン「…なに言ってんだ! 全日が攻めて来てるんだぞ…! これからが勝負じゃねぇか!」


「そう!!! エレンの言うとおりだよ……!!!」


ジャン「―うぉ!?」

ミカサ「―!!?」

エレン「―!? な、何だっ!?」

アルミン「!!? 声っ! 声がしましたぁぁ!! 誰か、マイクに向けて一言っ!!」

アルミン「『エレンの言うとおりだ』とぉ!! しかぁし、会場に姿は見えませぇぇん!!」

アルミン「一体っ! 一体誰だぁぁ!! マイクを持っていいのは、僕だけだぁぁぁ!!」


http://www.youtube.com/watch?v=HOB9MFEdZV0


アルミン「!!? こ…この! この入場曲は…!! 全日プロレステーマ…『王者の魂』…!」

アルミン「そして…そして、この曲を背に会場へ現れて良い選手は… ただ一人……!!」

アルミン「ま、まさか…!! まさかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

ベルトルト「…ふふふ やぁ! 新日の諸君っ!」スパーッ

ライナー「…ブッチャーを倒すとは大したもんだな」

アニ「…」


コニー「な…!!! 花道から…!!」

エレン「べ、ベルトルト…!!!」

ジャン「ベルトルトだけじゃねぇ…! 横に居るのは…ライナーか!?」

ミカサ「もう一人… マスクを被っているけど…あれはアニ… 絶対にアニ!!」

アルミン「ど、どういう事だぁぁぁぁぁ!!! 花道から現れたのはっ!!!」

アルミン「道場4番! アニ・タイガーハート!! 同じく3番! ライナー・ブラウン!!」

アルミン「そして道場をトップの成績で卒業した…ベルトルト・フーバーだぁぁぁ!!!」

アルミン「そ、その…! ベルトルトの出で立ちは…赤いパンツに赤いサポーター…!!!」

アルミン「そして腰には…腰には…! ベルトが締められておりまぁぁぁぁぁぁす!!!」

アルミン「ど、どういう事だよ…!! 本当に…どういう事なんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ベルトルト「…アルミン 気付いているんだよね?」

ライナー「それとも、信じたくないのか…?」

アニ「…」

アルミン「…そ、そんな…!! ほ、本当に…本当にそうだっていうのか!!?」

アルミン「君たちは…!! 道場で一緒に汗を流してきた…兄弟じゃないかっ!!!」

アルミン「僕には…!! 僕にはそんな事…信じられない! 信じられるわけ、ないよっ!!」


ベルトルト「…アルミン 僕は君から紹介して貰いたかったよ…」

ベルトルト「…でもしょうがないね…! この入場曲、パンツ、そしてベルト…!」

ベルトルト「それらが意味するのは… この会場の誰もがわかっているはずさ…!」


エレン「ベルトルトォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

ベルトルト「エレン…!」


エレン「お前が…! お前がぁ!! やったのかぁぁぁぁぁぁ!!!」


ベルトルト「…そうだ! 僕だ!! 僕が五年前、32文ロケット砲で壁を蹴り崩した!!」

ベルトルト「ジャイアント馬場の王者の魂を継ぐ者… ベルトルト馬場だよっ!!!」


ミカサ「ベルトルト…!」

ジャン「…馬場!!」

コニー「ふ、ふざけんじゃねぇ…! てめぇらっ! 俺たちを騙してやがったのかっ!!!」

ライナー「ああ、そうだ 新日のニュージェネレーションがどんなものかと思ってな…」

ベルトルト「この三年間、君たちを観察させてもらったけど… 駄目だね」

ベルトルト「誰も僕達三人に匹敵するような選手は現れなかった…!」

ライナー「唯一、ミカサだけが期待を持たせてくれたが、やるのはエレンのリングパートナーばかり…」

ライナー「グズにかまけて自らの才能を開花させようとしない者など、戦士とは呼べん」


エレン「…ふざけんな ふざけんじゃねぇぇっ!! この、裏切りもんがぁぁぁ!!!」

エレン「ベルトルトォォォっ!! てめぇ、リングに上がれぇぇぇぇ!!!!」

エレン「お前のそのベルト…剥ぎ取ってやるっ!!!」

ベルトルト「…エレン 僕と戦いたいのかい…? でも君じゃ勝てないよ」

ベルトルト「…それでも戦いたいのなら、まずこの二人を倒してからだね」

ベルトルト「…そうしたら、このベルトを賭けたタイトルマッチ… 受けて立とうじゃないかっ!!」


エレン「ああ! いいだろう!!!」

エレン「必ず…必ずお前を… ノックアウトしてるっっっ!!!」

アルミン「な、なんて事なんだ…! 僕たちが、僕たちが道場で築き上げた友情は…!」

アルミン「全て…全てっ!! この日の為のまやかしだったのかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「これは、これは許せなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」

アルミン「そして今っ!! 我らがエレンと、ベルトルト馬場がっ!!!」

アルミン「ベルトを賭けた、タイトルマッチの約束を取り付けましたぁぁぁ! がっ!」

アルミン「エレンはその前に…二人の強豪レスラーを倒さなければなりませぇぇん!!」

アルミン「大丈夫か…エレェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェン!!」

エレン「…どっちでもいい! さっさとリングに上がれっ!!」

コニー「お、おい! エレン!! 一人で大丈夫なのかよっ!!」

ジャン「ああ…! 新日のベテラン選手が来るのを待ったほうが…!!」

エレン「そんなの…待ってられねぇよっ!! 俺はこの日の為に首相撲してきたんだ…!」

エレン「この…裏切り者どもを… 一秒でも早くリングに沈めてぇぇぇんだよ!!!」

ライナー「…エレン 熱いな」

ベルトルト「…うん でも、まだだろうね」スパーッ

ライナー「…アニ、先にどっちが行く?」

アニ「…私が行く」


アルミン「ああっとぉぉぉ! 先にリングへと上がったのは、アニ・タイガーハートだぁぁ!!」

アルミン「タイガーハートっ! その名が示すとおり、彼女の顔は輝くタイガーマスクで覆われているぅ!!」

アルミン「彼女は打撃・サブミッションのみならず! 空中戦も得意とする万能選手っ!!」

アルミン「エレン・イェーガーはっ! この隙のないタイガー・レディーにどう立ち向かうのかぁぁ!!」

ミカサ「エレン…! あまり熱くならないで…!」

エレン「何言ってんだ、ミカサ! こいつら、俺たちを騙してたんだぞ!!」

ミカサ「熱くなっては駄目…! アニの戦術は多彩だから…突っ込めば相手のペースに嵌る…!」

ジャン「ああ…そうだ! 少しでも隙を見せたら、あのジャーマンを食らっちまうぞ!」

コニー「絶対に後ろを取られちゃ駄目だ…!」


アニ「コニー… あんた、無様だね」


コニー「!? あ、ああ!!?」

アニ「マスクマンとほざいておきながら… 結局あんたは負傷して、そこで指くわえて見てるだけ…!」

アニ「いつまでもそうしていればいいよ… マスクを被った世界は…あんたには無理」


コニー「て、てめぇぇぇぇぇぇ!!!」

エレン「コニー、待ってろ…! 今すぐこいつの減らず口を止めてやる…!」

エレン「おい、マルコ!! さっさと始めろっ!!」

マルコ「あ、ああ…! で、でも、僕も負傷…」

エレン「うるせぇ!! はやくしろよっ!!!」

マルコ「ひぃ! りょ、両者見合って… ファイッ!」 


ゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!

アルミン「さぁぁぁぁぁぁ!! 今、ゴングが鳴らされましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「エレン・イェーガー 対 アニ・タイガーハートっ!!!」

アルミン「打撃重視のエレン選手に対し、タイガーハート選手の戦術は謎に包まれておりますっ!!」

アルミン「道場時代を見る限り、彼女の得意技はジャーマン・スープレックスでありましたがっ!」

アルミン「それも今となっては確かな情報ではありませんっ!」

アルミン「騙されていた事でエレン選手っ! やや熱くなっているかっ!?」

アルミン「サシャさんっ! この試合、どのように展開されていくと思われますかっ!?」

サシャ「…っえ!? ま、またですか!?」

アルミン「はいっ!!!」

サシャ「……ア、アニは…意外と優しいです」

アルミン「意外と優しいっっっ!!! 僕もそう思いますっっっ!!!!」

アニ「……さあ、かかってきなよ」

エレン「……言われなくてもそうさせてもらうさ!」ダッ!


アルミン「エレンっ! 先制の打撃を仕掛けたぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「対してアニは…! ボ、ボクサースタイルっっっ!!!」

アルミン「真っ向からエレンと打ち合うつもりだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

エレン「オラァァッ!!」シュッ!

アニ「…」パシッ! シュッ!

エレン「ッグッ!? ぐあっ!?」ガンッ!


アルミン「アニ選手っ! エレンからのナックルを華麗に捌き、カウンターの掌底っ!!」

アルミン「そのままローキックへと繋げたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


エレン「っ痛っつぅぅ!?」ダッ!

アニ「…」


アルミン「エレンっ! 溜まらず距離を取るっ!!」

アルミン「なんと鮮やかなスタンドプレーでしょうっ! 正面からは打ち破れなぁぁいっ!!」

ミカサ「エレン! 焦っては駄目!! もっとフットワークを使って!!」

ジャン「ああ!! あいつの裏をかくんだ!!!」


エレン「…っち!」タッタッ!


アルミン「おっと! エレン選手、ステップを踏みながらアニ選手の周りを回り始めたぁぁ!」

アルミン「スピードでかく乱して、相手の隙を突くつもりですっ!!」

アルミン「しかぁし!! アニ選手、動じなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」

アルミン「自分の周りを旋回するエレンをっ! しっかりと睨みつけ、正面を向けているぅぅぅ!!」

エレン(…裏をかけったって… こいつのどこにそんな隙があるんだよ…!)

アニ「……もう来ないの?」

エレン「ああ!?」

アニ「なら… こっちから行くよ…!!」ダッ!

エレン「!!?」

アニ「…フッ!!!」シュッ!

エレン「――がぁ!?」


アルミン「!!? アニ選手行ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」

アルミン「一気に距離を詰めっ!! こめかみ目掛けてエルボー・バットォォォォォ!!!」

アルミン「エレンの脳天直撃セガサタァァァァァァァァァァァァァン!!!!!」

アルミン「エレンっ! よろめくっ! よろめぇぇく! 酔っ払いだぁぁぁぁ!!!」

今日はここまで

エレン「っあぁ!? っつ!?」ヨロッ…

アニ「…」ガシッ!

エレン「な…!?」


アルミン「ア、アニ選手…ふらつくエレンを…右肩に担ぎ上げたぁぁぁぁぁぁ!!!」


アニ「…受身取れないと…まずいよ」

エレン「っは!? うわぁ!!」ドガァァ!!


アルミン「そ、そして…! 激しくマットへと叩き落したぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

アルミン「エメラルド・フロォォォジョンッッ! エレンの頭蓋骨がマットに叩きつけられたぁ!!!」

エレン「っがぁぁぁぁ!!?」ゴロゴロッ

アニ「…何? もう動けないの?」

エレン「…う、うるせぇ…! てめぇ…!」

アニ「…情けないね…!」ガッ! ガッ!

エレン「んがっ!? ああっ!!?」

アニ「全日を全員ノックアウト… どの口が言ったの?」ガッ! ガッ!


アルミン「ストンピングっ! 動けないエレンを、ストンピングの嵐が襲うぅぅぅ!!!」

アルミン「こ、これはもう…リンチだ…! 倒れこむエレンを執拗に蹴り続けるぅぅぅぅ!!!」

アルミン「た、立て!! エレンッ!! 立つんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ミカサ「エレンッ!!!!」

ジャン「ひでぇ…! 足ばかりを狙ってやがる…!」

コニー「おい! やりすぎだろっ!」

クリスタ「まずいよ…! あのままじゃ、足に後遺症が残るかもしれない…!」

ミカサ「えっ!?」

クリスタ「アニは集中的に膝を狙って蹴っている…! レスラーにとって、膝は最も壊れやすく…」

クリスタ「そして、もっとも治りづらい箇所なの…! このままじゃエレンの選手生命が危ないっ!!」

ジャン「おい! ドクターストップ!! ドクターストップだ!!」

ミカサ「…クリスタ! マルコにドクターストップを…!」

コニー「それでエレンが納得すると思うのかよ…!」

コニー「あいつの母親は全日に呼吸困難にさせられてたんだろっ!?」

ミカサ「…恐らくしない でも、今はそんな事言っている場合じゃ…!」

コニー「……俺がリングに入るっ! エレンを助けるんだ…!」

ジャン「何言ってんだ! 一度負けた選手がリングに上がるってのは…!」

コニー「ならマスクでも被って上がりゃいいだろ!! 何か顔を隠すものはねぇのかっ!!」

ユミル「…ここにはない 控え室ならもしかすれば…!」

コニー「よしっ! すぐに戻ってくる…! エレン、待ってろよ…!」ダダッ!

ジャン「お、おい! コニー…! 行っちまいやがった…!」

ユミル「おい…! アニのストンピングが激しくなってきたぞ!」

クリスタ「…本当にエレンを潰す気だよ!」

ミカサ「――エレンッ!!!」

こんな所でエレンの選手生命を終わらせる訳にはいかない

しかし、エレンにとっては命よりも大切な試合である事も、コニーには解っていた

コニーは走る…! 共に飯を食い、共にベンチプレスの限界へと挑戦した友の為に…!

控え室


コニー「…クソッ! なんもねぇ…!!」ゴソゴソッ

コニー「あああ…! いっそジャンのパンツでも被って出るか… ん?」

コニー「…なんだ、このロッカー? こんなもんあったか…?」ガチャ

コニー「………ん、全身タイツ?」

コニー「……このマスク!? なんでこんな物がここあるんだよっ!!」

コニー「…これは、看板新日レスラーの一人の……!!」

コニー「…こ、これを俺が……着てもいいのか!?」

コニー「いや、今は迷っている場合じゃねぇ…! 着るしか…ねぇ!!」

エレン「っがぁぁぁぁぁぁああああ!!!?」

アニ「…ほら どうしたの? 早く立ちなよ」ガッ!

エレン「…う、うるせっ!? ぐぅぅぅ!!?」


アルミン「む、惨い…! 惨すぎるっ!! あ、あのままじゃエレンの膝は…!!」

アルミン「だ、だれかっ!! エレンを…エレンを助けてよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


ジャン「……おいっ! もう待てねぇっ! ドクターストップをしろよっ!!」

ミカサ「うん…! クリスタ、マルコに合図を…!」

クリスタ「う、うん! マルコ…!」


ライナー「…成らなかったな」

ベルトルト「そうだね… まぁ、しょうがないさ」

ベルトルト「今回も僕らの圧勝で終わりそうだ… まったく、つまらないね」スパーッ

アルミン「ああっと! 今、リングドクターがレフェリーに何かサインを送っていますっ!!」

アルミン「…これは!? ドクターストップ…! ドクターストップのサインのようですっ!!」

アルミン「サインを受け、レフェリーが試合を………!!!」


「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

http://www.youtube.com/watch?v=wqq2eWbN-vs


ミカサ「――!!?」

ジャン「――な、何だ!!?」

ユミル「この入場曲…!! まさか…!?」

クリスタ「…嘘っ! だってこのレスラーは、遥か昔に……!!」

アルミン「!!? こ、この新日で唯一歌える入場曲……!? そ、そんなまさか……!!」

アルミン「い、いやでも… このレジェンド・レスラーは…遥か昔、アントニオ猪木が新日を去った頃…!」

アルミン「追いかけるように引退…! 姿をくらましていますっ!!!」

アルミン「し、しかぁし!! この曲が流れたという事は…あっ!!」

アルミン「花道に…人影が……っ!!」


コニー「…」


アルミン「う、嘘だろ…! あの、赤と白のスーツ…! そして三本の角が伸びる…特徴的なマスクっ!!」

アルミン「あ、あれは……あれはっ!! まさしくっ!! 獣神っ! サンダーライガーァァァ!!!」

アルミン「そしてライガーが…花道をリングに向けて…走りだしましたぁぁぁああ!!!」


アニ「…ライガー!?」


ライナー「…おどろいたな あれはコニーか?」

ベルトルト「…だろうね そうか、コニーが継ぐ事になったんだね… 面白くなってきたよ!」

コニー「―っしゃああああ!!!」

アニ「っああ!!?」ガンッ!


アルミン「リング支柱に駆け上がり…そのままアニ目掛けてフロッグスプラァァァァァッシュ!!」

アルミン「ライガーがっ!! エレンを助けたぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


コニー「おい、エレン!! 大丈夫か!?」

エレン「…あ、ああ その声…コニーなのか…?」

コニー「コニー… いや、コニーじゃねぇ」

エレン「…いや、コニーの声なんだが…」

コニー「…コニー・スプリンガーは死んだ リヴァプールの風になった」

コニー「俺は獣神… 獣神サンダーコニーだ!!」


ミカサ「……獣神!」

クリスタ「サンダー……!」

ユミル「…コニー…!」

ジャン「……コニーじゃねぇか!!」

アルミン「な、なんとぉぉぉ!!! リングに現れたのは、ライガーじゃなかったぁぁぁ!!!」

アルミン「獣神を継ぐ者…! 獣神サンダーコニーィィィィィィィィィィ!!!!」

アルミン「つ、遂にッ! 遂に新日ニュージェネレーションにっ!! 伝説を継ぐ者が現れましたぁぁ!!」


マルコ「ちょ、ちょっと! これはタッグじゃないんだから!!」

マルコ「勝手に入ってきちゃ駄目だよっ!!」

コニー「ああ!? 今はそんなのどうでもいいだろっ!!」

マルコ「いや、でも…!!」

アニ「…コニー、やってくれたね」

コニー「…ああ お前の言うとおり、マスクを被ってきてやったぜ…!」

コニー「さぁ… 相手してもらおうじゃねぇか…!!」

アニ「…いいよ 相手してやる…! マルコ、勝負を仕切りなおしにして」

マルコ「え、ええ!? いや、駄目だよ!」 

エレン「おい! 勝手に話進めんな!! これは俺の試合…痛っつぅぅ!?」


クリスタ「エレンを早くリングの外へ…! アイシングしないと!! …ユミル!!」

ユミル「ああ、氷とタオルだろ? わかってるって」

ミカサ「エレン! 早くリングの外へ…!!」

ジャン「コニーがお前の為に来てくれたんだ…! あいつを信じろっ!!」

エレン「駄目だっ!! 俺が、俺がこの手で…リングに沈めるんだっ!!」


ジャン「…っち! この頑固もんが…!」

ミカサ「…仕方ない 無理矢理降ろす…!! ジャン、手伝って!」

ジャン「あ、ああ! 任せろっ!!」///

エレン「…!? おい、放せ!! 俺はまだ…!」ズルズル…

アニ「……かつて、三代目が負けたのも、あんたのマスクを被った男だったね」

コニー「ああ… もう一度、その通りにしてやるよ」

アニ「……ふん 出来るものならね」

マルコ「え…? 本当に仕切りなおしするの…!?」

アニ「蹴るよ」

マルコ「えっ!? りょ、両者…見合って…!! …ファァァイッ!」


ゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!

エレンのピンチに現れたのは、獣神を継ぐ者、コニー扮する獣神サンダーコニーだった

道場時代からの因縁をもったこの二人が、リングの上で睨みあう

今! 新日の虎と、全日の虎が! マスクマンとしてのプライドを賭け、ぶつかり合う時がきた…!

次回、「吼えろ! 獣神!!」

マスクマン…

素性を隠し、己を偽り、リングの上で戦い続ける孤高の存在…

ゆえにマスクマンという事に、並々ならぬプライドと情熱を持ったレスラー達である

そんな二人のマスクマンが今、四角い檻の中で対峙した…!

己の持つ体力、技、そして精神の全てを競い合うために…!

アルミン「さぁぁぁぁ!!! ゴングが鳴らされましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「獣神サンダーコニー 対 アニ・タイガーハートォォォ!!!」

アルミン「新日本プロレスを代表するマスクマン、獣神サンダーライガーの意志を継ぐコニーはぁ!」

アルミン「豊富な技と経験を持つタイガーハートにどのように立ち向かうのでしょうか!?」

アルミン「今まさに! 新日と全日、双方のジュニア頂上決戦が始まろうとしておりまぁぁす!!」

アルミン「サシャさん! マスクマンとして優劣付けがたい両選手、どちらに軍配が上がると思われますか!?」

サシャ「…え、いや…その」

アルミン「どうなんですかっ!!?」

サシャ「…その、あまり… プロレス詳しくないんで…」

アルミン「詳しくないっ!!! 三年間道場に居たのに詳しくないんですかっ!!?」

サシャ「…え、えぇ すみません…」

アルミン「しょうがありませんっ!! サシャさんは詳しくなくてもしょうがないと思いますっ!!」

サシャ「…うぅ」

コニー「…ほら、行くぞ 虎女!」ダッ!

アニ「…!」ググッ!


アルミン「開始早々、ライガーがアニに掴みかかったぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「リング中央で組み合いですっ!! 力比べをするつもりなのかぁぁ!!?」


アニ「…」ググッ

コニー「なんだよ、そんなもんか?」グググッ

アニ「…なに?」グググッ

コニー「女がプロレスなんてするんじゃねぇって事だ」グググッ

アニ「…だれが好きでプロレスしてるなんて言ったの?」バッ!

コニー「はぁ!? うわ!!?」グイッ


アルミン「ああぁぁ!! アニ選手っ!! 突然力を抜いてコニーをかわしたぁぁぁ!!」

アルミン「コニー、止まれない止まれない!! ロープに突っ込むぅぅぅぅ!!!」


コニー「いけすかねぇ手を使いやがって…!」

アニ「ほら! ちんたらしてる場合じゃないよ!」シュッ!

コニー「がっ!? てめぇ!!」ガッ! 

アニ「っつ!?」ドスッ!


アルミン「アニのエルボーに、お返しとばかりに喧嘩キックゥゥゥゥゥ!!!」

アルミン「下からみぞおちを蹴り上げたぁぁぁぁああぁぁあ!!!」

>>180

間違い

ライガー ×

コニー  ○

コニー「後ろからエルボーとは、舐めた真似するじゃねぇか…!」

アニ「…フッ!」シュバッ!

コニー「おっと!」バシッ!

アニ「っ!?」

コニー「…へへ お前の動きはずっと研究してたんだよ」

コニー「お前にジャーマン決められた時からなぁ…!」


アルミン「!!! ライガー、アニの蹴りを掴んだぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「まるで超硬質ブレードの斬撃のようなソバットを、どうやって見切ったんだぁぁぁぁ!!!」

アルミン「流石は伝説を継ぐ者という事でしょうか!? いつものコニーと一味違うぞぉぉぉぉ!!!」

コニー「お前の動きは大体予測はついてるぜ…!」

アニ「…ベラベラとよく喋るね」タッ!

コニー「おわ!?」

アニ「ふん!!」グイィィ!!

コニー「っっっだぁ!?」ドガァァァ!!


アルミン「ア、アニ選手!! 残った片足でジャンプ、それをライガーの首に引っ掛けて…!?」

アルミン「体を思いっきり仰け反らせて投げたぁぁぁぁ!!! フランケンシュタイナァァァァァ!!!!」

アルミン「片足しか首にかけられなかったにも関わらず、見事に決まりましたぁぁぁぁぁ!!!!」

ジャン「あ、あんな体勢から決まるのかよ…!」

ミカサ「…とても難しい… が、できない事もない」

ミカサ「ただ…不安定な体勢、そして体重の軽いアニがコニーを投げるには… 私並に背筋と腹筋が強力でないと…」

クリスタ「…私、見たことある… アニは150キロバーベルを首に乗せて、背筋を鍛えていたわ」

ユミル「150…!? 化け物かよ…!」

ミカサ「…私なら170はいける」

エレン「おいコニィィィィィ!!! 何やってんだよぉぉ!!」

片足でフランケンシュタイナーとかできんの?
教えてプロレスファン。

>>186
膝を首にかけて頑張ればできるかと

コニー「ぐぅ…っだぁ!?」ゴロゴロ


アルミン「コニー…どうしたんだ!? 立ち上がれません!! のたうつばかりです!!!」

アルミン「頭を…頭を打ったのか!? っ!? あ、ああ!! アニが…リング支柱に…上っていくぞぉぉぉぉ!!!」


アニ「無意味な技はあんまり好きじゃないんだけどね…!」ダッ!


アルミン「コニー目掛けて、トップロープからアニが飛んだぁぁぁぁぁぁ!!! ムーンサルトォォォォォ!!」

アルミン「両足を揃え、コニーのマスク目掛けて体重を乗せたハンマーを振りおろすぅぅぅぅ!!!」

アニ「沈んでなっ!!」

コニー「へっ!!」バッ!

アニ「!?」ダァァァァァン!

コニー「だから動きは解ってるってんだろっ!!」グルンッ!

アニ「っ!?」ガコォォッ!


アルミン「!!! す、すんでの所でコニーが避けたぁぁぁぁぁぁ!!! そのまま浴びせ蹴り!!! アニの側頭部に入ったぁぁぁ!!」

アルミン「立ち上がらなかったのは、アニの隙を誘うブラフだったのかぁぁぁ!!」

コニー「オラ、反撃の開始だぁ!!」ガシッ!

アニ「!?」グググッ!

コニー「叩きつけてやるぜ…! 俺たちの獅子になっ!!」グググッ!


アルミン「コニー、倒れたアニを逆さに担ぎ上げ…こ、これは…ライガーボム!! ライガーボムの体勢だぁぁぁ!!!」

アルミン「今っ!! リング中央で…伝説のライガーボムがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


コニー「オラァァァァァッ!!!!」ブンッッッ!!!

アニ「っあぁぁぁぁあ゛!!!?」ダァァァァァァン!!!

http://www.youtube.com/watch?v=QyDxHhzw1cw


アルミン「炸っ!! 裂っ!!! ライガーボム炸裂ぅぅぅぅぅぅ!!!!」

アルミン「黄金の獅子に、全日の虎が叩きつけられたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「まだマットが揺れているぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! なんて威力だ、これは危なぁぁぁぁいっ!!!」

エレン「あれが…ライガーボム…!!」

ジャン「ただのパワーボムじゃないのか…!?」

クリスタ「ライガーが撃てばライガーボムになるのよ…!!」

ミカサ「いえ… 今はコニーボムと言うべき」

ユミル「コニーボム…! 実際の威力とは裏腹に、すげぇ弱そうだな…!」


ライナー「おいおい… 大丈夫か…!?」

ベルトルト「ライナー、心配しすぎだよ 彼女の本領はここからなのは、君も知っているだろ?」

ライナー「……うむ アニは…追い詰められてからが強いからな…」

ベルトルト「そうだね… 本気になったアニは…僕でも手を焼く程さ」スパーッ

ライナー「ああ… ああなったら、あいつはもうレスラーじゃない… そう、ストライカーだ…!」

コニー「おい、どうした? 立てねぇのか?」

アニ「……」

コニー「っへ! さんざんデカイ口叩いといて、こんなもんかよ」

アニ「……覚悟、出来てるね?」

コニー「ああ? 覚悟ぉ?」

アニ「……いいよ 覚悟が無くても」ムクリッ


アルミン「アニ選手、立ち上がります…! し、しかし…ライガーボムの影響でしょうか…!!」

アルミン「多少足がふら付いているようにも……!!」

ジャン「…流石にダメージが残っているみたいだな」

ミカサ「…違う…! あれは…フットワーク…!」

エレン「フットワーク…? あんな小刻みにか…?」

ミカサ「…うん あの動き…まるでボクサー… それよりも少し重心が低いから…他の格闘技の特色も入っているみたいだけど」

ミカサ「…例えばボクサーのフットワークは、私たちレスラーの大きく動き回る動きとはまったくの別物…」

ミカサ「常に足を細かく動かすことで、敵の突発的な攻撃にも即座に対処出来る そしてなによりも、打撃へ体重を乗せるタイミングをコントロールできる」

ミカサ「…つまり 今のアニはスタンドプレー… 打撃特化の体勢に入っている…!」

ユミル「打撃特化… 確かにアニは道場時代からよく打撃の訓練はしていたが… レスラーでは珍しいな」

クリスタ「…確かに打撃技はプロレスではあまりみかけないね 試合開始直後の小競り合いくらいでしか使わない…」

エレン「ああ… 何より見た目が地味で、試合が白熱するほどのものじゃないしな…」

ミカサ「…でも飛び技、投げ技よりも数段狙いやすく、的確に急所をつければ、相手へのダメージは計り知れない…」

ミカサ「今回のようなシュートレスリングならなおさら…! コニーを確実に仕留めに来ている…!」

コニー「何を決めるってんだよ…! フラフラしてるじゃねぇか」

アニ「……本当によく喋るね いいから来なよ」

コニー「…っへ!」ダッ!


アルミン「コニー、アニに飛びかかったぁぁぁぁ!! 右手はしっかりと掌底を狙っているぞぉぉぉ!!」

アルミン「対してアニは…またあの構えだっ!!! 両腕をやや高く上げ、背を攻撃的に丸めたボクサースタイルゥゥ!!」

アルミン「打撃戦っ!! 撃ちあい上等っ!! そんな目つきで迫るコニーを睨みつけるぅぅぅぅ!!!」

アルミン「先に相手の顔面を穿つのは…! コニーの掌底かっ!! アニのエルボー…!!」


コニー「ッシャァァ!!」シュッ!!

アニ「ッフ!!!」ブンッ!!

コニー「!!!!?」スパァァァァァァァン!!


アルミン「!!!? な、なんだ今のは…!? 蹴り…蹴りなのか…!? 見えなかったぞぉぉ!!?」

コニー「ぐああああああああっ!!?」ゴロゴロゴロッ

アニ「……」


アルミン「コニー、悶えるっ!! 悶えるぅぅぅぅ!!! 左足を押さえて転がり回るぅぅぅぅ!!!」


ジャン「おい…! 今、何をしやがった…!?」

エレン「あ、ああ…!! 蹴り…なのか…!? すげぇ音したが…!!」

ミカサ「……アニが放ったのはローキック」

ジャン「はぁ!? ローキック…!?」

エレン「た、ただのローキックであんな音出るかよ…! 俺も受けたんだぞ…!」

ミカサ「エレンの時より数段鋭い…! 私でさえ目で追うのがやっとの速度…!」

ミカサ「アニのローキックは極限まで研ぎ澄まされている…! 恐らく、彼女にはプロレス以外の格闘の心得がある…!」

ミカサ「いえ、あの構えを見る限り…アニの本業はむしろ…」

ユミル「総合…格闘技… マーシャルアーツか…!!」

コニー「ぐぅぅ…! て、てめぇ…!!」

アニ「……コニー、あんたに一つ教えてあげる」

アニ「プロレスの技…それには無駄で危険な物が多すぎる」

アニ「言ってしまえば実戦的とは言い難い なのにあんたたちレスラーは、客を湧かせる為だけに危険な技を繰り出し続ける」

アニ「私の父は…そんなプロレスの派手さばかりを追い求めた結果に… 殺されたようなもの」


アルミン「な、なんという事だぁぁぁぁぁぁ!!! タイガーハートッ!! 彼女の専門は、マーシャルアーツ!!」

アルミン「打撃・サブミッション・空中技…全てを華麗にこなした彼女の根幹には、相手をいかにして倒すかという理想の元っ!!」

アルミン「合理化に合理化を重ね、研ぎ澄まされていく格闘術が流れていたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「この試合、つまりはプロレス 対 総合格闘技…! 異種格闘技戦の様相を呈してまいりましたぁぁぁぁぁ!!!」

コニー「てめぇの親父さん… リングで死んだのか」

アニ「……そう だから私は… 本当はプロレスのリングに上がるつもりなんてなかった」

アニ「父の極めたプロレスという世界を否定し、総合の世界へと入った… ……だけど血は争えないね」

アニ「虎の子としてタイガーマスクになる素養を持った私には、父のように名を捨て、この虎のマスクを被る事以外許されなかった…」

アニ「だから私は総合を捨てた 父のようなマスクマンになる為にね」

アニ「……でも、マスクマンになりたがるあんたや、エレンのような命知らずを見ると…思い出すの …格闘家としての私を」

コニー「…お前が思い出してるのは、親父さんのことだろ?」

アニ「…そうかも知れない 父を奪ったプロレスに対する恨みを、思い出しているのかもね…」

コニー「…それでお前はエレンの膝を壊そうとしてやがったんだな」

アニ「…プロレスのリングに上がる奴なんて馬鹿さ… 命をなんとも思っていない馬鹿ばかり」

アニ「プロレス選手以外の人生を歩んだほうが、もっと安全で幸せな人生を歩めるってのにね…」

コニー「勘違いするなよ…! レスラーってのは相手の技を受けてなんぼ、危険な技をかけてなんぼ…! それに命を賭けている…!」

コニー「確かに傍からみりゃ無駄ばかりで命知らずな技だろうが、そんな技を仕掛け仕掛けられ… 血反吐吐いても戦い続けるのがレスラーなんだ…!」

コニー「リングで死んだお前の親父さんは、レスラーの鏡だ! 俺は、尊敬するぜ…」

アニ「…やっぱりあんたも馬鹿の一人だね …本当に、どうしようもない馬鹿さ」

アニ「その狂った頭… 私が覚ましてやる…! いやでもリングに上がれなくしてあげるよ…!」

コニー「……やってみろ 俺がお前に、レスラーってもんを見せてやるよ…!!」

アニ「…ふん 口だけならなんとでも言えるさ…!」ダッ!

コニー「…っ!!」

アニ「ッフ!! ッシュ!!」ビュッ! シュバッ!

コニー「っぐ! ぐぅ!!」

アニ「ッ!!!」ザッ!!

コニー「っがぁぁ!!」


アルミン「!!!? は、早い…! 早すぎる…!! ジャブ! ジャブ! そしてハイキックゥゥゥ!!!」

アルミン「的確に…的確にコニーの顎を捉え…ハイキックはこめかみを強打ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「コニー、大丈夫か…!! 大丈夫なのかぁぁぁぁ!!!」

コニー「…痛っつぅぅ!!」グラッ!

アニ「ほら、どうしたの?」ドスッ!!

コニー「っ!? ぐぇぇっ!?」


アルミン「ミゾにボディブロォォォォォォ!!! アニの拳撃が…コニーの全身を襲うぅぅぅぅ!!!」

アルミン「まるで居合い…! 達人の居合いの如きスピードで繰り出される打撃だぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「し、しかし…! コニーは何故かガードの体勢をとらない…! どういうことだぁぁぁぁ!!!」

ジャン「おい…! コニー、何やってんだ…! ガードしろよっ!!」

エレン「あいつ…何考えてんだ…!! アニの攻撃が早すぎるのか…!!」

ミカサ「…多分それもある… でも、コニーは防御するのを放棄しているようにも見える…」

ジャン「放棄…!? なんでだよっ!!」

エレン「…まさかあいつ… アニの攻撃を受けきるつもりかよ……!!」

ジャン「ば、馬鹿じゃねーのか…! いくらレスラーは技を避けないからって…流石にあの打撃は…!!」

ミカサ「…コニーは多分、ア二に見せようとしてる…! レスラーの…レスラーとしてのプライドをっ!!」

アニ「……あんた、舐めてるの? なんで防御しないの」

コニー「うぇっ…!! …っへ うるせぇ…よっ!!」

アニ「…そう!!」シュッッ!!

コニー「っ!? だぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

アニ「いつまで…! 立っていられるんだろうね…!」シュバッ! フッ!!

コニー「っ!! っつぅぅ!!!」


アルミン「!!! コニー! 出血っ!! 赤いマスクから血が…血が滴り落ちるぅぅぅぅぅ!!!」

アルミン「コニー!! ぼ、防御できないなら下がるんだっ!! それじゃサンドバックじゃないかっ!!」

アルミン「やめろ…!! やめるんだっ!! 捨て身すぎるっ!!!」

アニの繰り出すフック、ジャブ、そして多彩な蹴り技…!

その全てが的確に、そして無常にもコニーのウィークポイントを捉え続ける…!!

並みの選手ならば、いや、それが名レスラーであっても、すでに意識を刈り取られていてもおかしくなどなかった…!

しかし、コニーは耐え続ける…!

マスクやスーツの紅白模様が赤一色へと染め上がっても、コニーは膝をつくどころか、両腕も上げないまま耐え続けた…!!

レスラーとは、攻撃を避けるものじゃない! 相手の技を、全てを受け切ってこそのレスラーだ!!

コニーの両足は、その何者にも曲げることの出来ない信念が支えていた…!!

アニ「…いつまで受け続けるつもり?」

コニー「…さあ…な」グルンッ!

アニ「…っ」ッタ!

アニ「浴びせ蹴りなんて、奇襲でもない限り決まらないよっ!!」ブンッ!

コニー「っがぁぁぁぁぁぁぁ!!」スパァァァァァァン!!


アルミン「ああああ!!! 浴びせ蹴りをサイドステップでかわし…わき腹に鋭いローキックゥゥゥ!!!」

アルミン「駄目だっ!! 駄目だよコニーィィィィ!! 君もスタンドプレーに切り替えるんだぁぁ!!!」

アルミン「大技は総合相手じゃ無力だ…! 彼らは技を避ける事に重点を置いているっっっ!!!」

アルミン「レスラーの土俵で戦っちゃだめだぁぁぁぁぁ!!!」

コニー「っが…ぁっ!! っぐ! う、うるせぇよアルミン…!!」

コニー「レスラーは…誰に対してもレスラーじゃなきゃ…駄目なんだよっ!!」

アニ「…あんた、本当に馬鹿だね…!!」

コニー「ああ… 元々頭が悪いからな…」


アニ(……コニー、ここまでタフだった…? 小柄で、体重もヘビーとは言えない…)

アニ(それなのに、私のハイキックを耐え切り… 脇へのローも致命傷なはずなのに…!)

アニ(ただのやせ我慢…? それでここまで立っていられるものなの…?)

アニ(…まあいいさ 次でダウンを取り、マウントからサブミッションをかけ膝を破壊する…!)

アニ「…いい加減、あんたの相手も疲れたよ 次で終わらせる…!」

コニー「…いいぜ やってみな」

アニ(この男からダウンを取るには…単純なダメージは恐らく無意味… 顎を狙った一撃で沈めるしかない…!)

アニ(渾身の右ストレート… それを叩き込む…!!)

コニー「…なんだ? 来ないのか?」ユラッ

アニ「…いや いくよっ!!!」シュッ!!!

コニー「っ!!! うぉぉぉ!!!」ガシッ!

アニ「っな!?」グラッ!

アニ(あ、合わされた…!! 私のストレートに、タックルを…!!)

コニー「へっへへ… 待ってたぜ、この時をな…!」


アルミン「!!!!! ア、アニのストレートをかいくぐり…コニーが胴にっ!! 抱きついたぁぁぁぁ!!!」

アルミン「一瞬っ!! 一瞬の出来事ォォォォォ!!! 寸分の隙をついて、コニーが食らいつくぅぅぅ!!!」

アニ「っ!! このっ!!!」ガスッ! ガスッ!

コニー「っぐ! っぐぅぅ!!」グググ…

アニ(こ、こいつ…押してる…!? 私をリング隅に…追い詰める気!?)

コニー「…掴んじまったら、こっちのもんさ…!」グググ…!!


アルミン「コニー!! アニからの膝蹴りをものともせず…リング隅へ…じわじわと追い詰めるぅぅぅ!!!」

アルミン「まるで装甲車、戦車、重機関車ぁぁぁぁぁ!!! 彼には痛覚というものが無いのかぁぁぁぁ!!!」

アニ(…! 一度ロープブレイクで… 体勢を立て直すしか…!!)バッ!

コニー(――今だっ!!)

コニー「っそらぁぁ!!」グイィィ!!

アニ「っきゃ!?」


アルミン「ああっとぉぉ!! コニーがアニを持ち上げ、コーナーに担ぎ上げたぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「アニ選手がロープブレイクを狙う瞬間、その時を待っていたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

コニー「っおらっ!!」ダンッッ!!

アニ「っつぅぅ!!?」グラッ!!

アニ(…しまった!! 体勢が…リング外へ…!! 落ちるっ!!!)


アルミン「コーナーに担ぎ上げたアニ選手に、ドロップキィィィィィィィィィィック!!!!」

アルミン「なんて跳躍力だぁぁぁぁ!!! 腹部に受けたアニ選手、エプロンサイドに真っ逆さまぁぁぁぁぁ!!」

アニ「っ!?」

アニ(どこ……!? あ…! た、立ち上がれない…!!)

アニ(……私、頭を打ったの…!? え…ここ、エプロン…?)


マルコ「ワーン!!」


アニ「!」


アルミン「レフェリー、場外のカウントダウンですっ!! 10カウント以内にリングへ戻れなければ、反則行為っ!!」

アルミン「すなわち、負けでありますっ!! さあアニ選手、立ち上がれるかぁぁぁぁぁぁ!!!」


アニ(…っく! コニー、やってくれたね…!!)ググッ!

アニ(…よし、なんとか力は入る…!! はやく…リングへ…!!)


マルコ「ツー!!」

アニ(…上半身を起こす事は…出来たけど…、コニーの姿が無い…)

アニ(い、いったいどこへ…?)

コニー「よう、探してんのか…?」

アニ「!?」

アニ(え…!? し、支柱に…!!)


マルコ「スリー!!」


アルミン「あ、あああ!! コニー、リング支柱に立ち、アニ選手を見下ろしているぅぅぅ!!!」

アルミン「支柱から…エプロンサイドへの空中技…!! こ、これは、コニー選手の独壇場だぁぁぁぁ!!!」

アルミン「ああっと!! コニー選手、体の向きを…リング側に向けたぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

アニ(まずい…!! 飛んでくるっ!! よけないと…!!)

コニー「…いいか? 本当のプロレス技ってやつを見せてやるよっ!!」

アニ「ま、間に合わ…!」

コニー「っしゃああああ!!」ダッ!!


アルミン「と、飛んだっ!! 飛んだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! これはムーンサルト…!!」

アルミン「!!? いや、体を…体を空中で…捻っているっ!!!」

エレン「あ、あれは…!!!」

ジャン「本家ライガーも一度しか使わなかった大技…!!」

ミカサ「スターダスト… プレス!!」

http://www.youtube.com/watch?v=CS7PICj2aLg



アルミン「夜空に舞うスターダストプレスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

アルミン「それもリングではなく、遥か下のエプロンに向けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

アルミン「コニーが星屑となり! アニの元へ真っ逆さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

コニー「っがぁぁ!!」ダァァァァァァァン!!!

アニ「っつぅうううう!!!?」ダァァァァァァァン!!!


エレン「そんな… あの技をエプロンに向けてなんて!!」

ジャン「おい…!! コニーは大丈夫なのかよっ!!!」

クリスタ「すでにキャパシティを越えるダメージを受けながら、捨て身覚悟の特攻技…!!」

ユミル「ああ…!! こりゃあどっちが起き上がるか…解らないぞ…!!」


アルミン「そ、双方!! とんでもない状況ですっ!!! 二人とも、エプロンサイドで動けなぁぁぁい!!!」

アルミン「アニ選手のナイフのように鋭い打撃に耐え、膝を顔面に何度も入れられながらもぎ取ったこのチャンス…!!」

アルミン「その最後の技が…相討ち上等の空中技っっっ!!!」

アルミン「コニーを…! 獣神サンダーコニーをっ!! レスラーと言わずして、なんと言えましょうっっ!!!」

アルミン「さあコニー!! 君が、君がレスラーとしてしなければならない役目はまだあるぞっ!!!」

アルミン「リングに…リングに帰ってくるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アニ「っつ…うぅぅぅ…!」

アニ(う、うぅ… 頭が…グラグラする…!)

アニ(あんな技を… 場外目掛けて放つなんて…!)

アニ(…コニー! コニーはどこ!?)バッ!


コニー「…ぁっ ……ぅう……」


アニ(…あいつ、殆ど自爆じゃない… 立ち上がれそうもないね…) 

アニ「…っく!」ヨロッ


マルコ「ファーイブ!!!」


アルミン「あ、あああ!! 先に…先に起き上がったのは…アニ! アニ・タイガーハートォォォ!!!」

アルミン「まずいぞコニィィィィィィィィ!!!! 立て、立ち上がるんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アニ(…本当に馬鹿 そんなにリングで死にたいの?)

アニ(そんなに… プロレスが好きなの?)

アニ(…まるで 父さんみたいだね)


エレン「アニの奴…なんでリングに入らないんだ…!?」

ミカサ「…コニーを見つめたまま、動かない…?」

ジャン「おい… どういうことだよ…」


ライナー「…アニ、どうしたんだ! 早くリングに入れっ!!」

ベルトルト「……」

アニ(……私の打撃を耐え切り、そしてここまで追い詰めたのはベルトルト以外じゃこいつが始めて…)

アニ(……何を考えているんだろう まったく)

アニ「…コニー 立てないの?」

コニー「…っ ぁ…あぁ」

アニ「…世話が焼けるね」グイッ

コニー「っ!?」


マルコ「シィィィィィックス!!!」


アルミン「な、なんだ…!? アニが、コニーを担ぎ上げて…!」

アニ「……ほら!」

コニー「っわ!?」ドンッ!


アルミン「リングの中へと、投げ入れたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


エレン「!? あ、あいつ…!?」

ジャン「コニーを助けやがった…!!」


ライナー「!? な、何をやってるんだアニィィィィィィ!!!」


マルコ「セェェェェブゥゥゥゥゥゥゥンンンン!!!!」

コニー「…っ ぉ、お前…」

アニ「……今回はあんたの勝ちでいい」シュルッ

アニ「あんたのレスラーとしての覚悟… よく解ったよ」


マルコ「エエエエエエイットォォォォォォ!!!」


アルミン「!? ア、アニ選手…マスクを…マスクを脱いでおりますっ!!」

アニ「…だから、もう一度戦うチャンスを与えてやるよ」

アニ「次はタイガーハートとしてではなく、アニ… 三沢アニとしてね」バサッ

コニー「…三沢 …アニ」


マルコ「ナァァァァァァァイイイイインンンン!!!」


エレン「……三沢!」

ミカサ「アニ……!」

ジャン「……まぁわかってたけどな」

アルミン「ア、アニ選手…!! 脱いだタイガーマスクをコニーに投げ、リングに背を向けたぁぁぁ!!!」

アルミン「彼女は…全日の伝説のタイガーマスク、三沢光晴の娘だったのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「三沢光晴選手… プロレスに生き、そしてプロレスの中で死んでいった…真の勇者でありますっ!!!」

アルミン「こ、これは新日、全日関係なく…彼の人生は、我々プロレスファンにとっては正に伝説っ!!!」

アルミン「いつまでも、いつまでも我々の心の中に生きる、名レスラーの一人でありますっ!!!」

アルミン「そんな伝説の娘が…我々新日の獣神サンダーコニーに…再戦を…それも、三沢アニとしての再戦を約束しましたぁぁぁ!!」

アルミン「なんと、なんという美しい友情でありましょうっ!!」

アルミン「二人は今日っ!! マスクマンとして戦い…そして、その拳を交えることで理解しあったのでしょうかっ!?」


マルコ「テェェェェェェェェェェェェェン!!!」


カァン! カァン! カァァァァァァァァァァン!!!

アルミン「今っ!! ゴングが鳴らされましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「勝者は我々、新日!! 獣神サンダーコニーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「アニ選手の華麗なスタンドプレーに耐え、満身創痍になりながらも最後までレスラーとして戦い続けた彼にっ!!」

アルミン「そしてっ! 勝利目前まで来ながらも、敵であるコニーに手を差し伸べ、勝者は彼だと言った三沢アニにっ!!」

アルミン「盛大な、盛大な拍手をお願いしますっっっ!!!」


「うおぉぉおおおおおおおおおおおコニィィィィィィィィィィィィ!!!」

「お前こそ真のレスラァァァァだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「アニィィィィィィィ!! コニーとの再戦楽しみにしてるぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


エレン「コニー…勝ちやがった…!!」

ジャン「ああ… あいつのひたむきなレスラーとしてのプレーが、アニを動かしたんだ…!」

クリスタ「今は喜んでる場合じゃないよ…! はやくコニーをリングから降ろしてっ!!」

エレン「ああ…! そうだな…っ痛!?」

ミカサ「エレンはまだアイシングを続けないと…! ジャン!」

ジャン「あ、ああ!! ミカサ、行くぞ!」///

ライナー「アニッ!! お前、どういうつもりなんだっ!!」

アニ「……」

ライナー「勝ちを譲り、あろうことか人前でマスクを脱ぐなど、お前らしくもないだろっ!!」

ベルトルト「…いや、これでアニは決心がついたんだよね?」

ライナー「ああ? 決心!?」

アニ「…そうだね 私はレスラーとして、ようやく決心がついたのかもしれない」

アニ「…良い試合だったよ 本物のレスラーを相手に出来たんだからね」

アニ「私はまたあいつと戦いたい… そう思えるような奴にね」

ライナー「…ぐ、ぬ…」

ベルトルト「うん! ライバルは自分を強くする…! 本当に、素晴らしい試合だったよ…!」

ベルトルト「…本当に、僕にもはやく欲しいくらいさ」

アニ「…で、次はライナーが出るんだよね?」

ライナー「…ああ しかし、コニーはもう今日は動けんだろう…」

ベルトルト「…まぁ そろそろエレンは出られるはずさ 出られなくても、無理矢理リングに上げなさい」

ライナー「…そうだな 俺たちの目的はそれだ」

アニ「…やりすぎないようにね」

ライナー「…はは どうしたアニ? 優しくなったんじゃないか?」

アニ「あんたじゃ成る前に潰しそうだからさ」

ライナー「…かもしれんな 手加減できん性質でなぁ」

ベルトルト「…それでも構わないさ 成らないなら、そのまま潰してくれ」

アニ「……」

エレン「コニー、大丈夫かっ!?」

コニー「…ぁ、ああ… なんとかな」

ジャン「うぁ…! 瞼が切れてるぞ…!」

ミカサ「それだけじゃない… 鼻も曲がっている…!」

クリスタ「ユミル、裂傷にワセリンッ! …コニー、タオルを噛んで…!」

コニー「…? もが…」

クリスタ「…痛いだろうけど、我慢してね…! えいっ!」グギッ!

コニー「!!!!!? ッがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

ジャン「は、鼻を戻しやがった……!!」

クリスタ「鼻血が大量に出るから、ガーゼをっ!! …太ももの腫れも酷い…ユミル、氷!」

ユミル「へいへい… 大忙しだな」

ベルトルト「…新日の諸君っ!! まだ勝負は終わってはいないよっ!!!」


エレン「っ!? ベルトルト…!?」

ジャン「だ、だがよ… もうあいつらに立ち向かえる選手なんてここには居ないぞ…!」

エレン「馬鹿野郎…! 俺が出るに決まってるだろっ!!」

ミカサ「駄目っ! エレンの足はまだ万全じゃない…! 私が…出る!」

クリスタ「それも駄目だよっ! ミカサの傷は深いから、激しく動き回ったらまた出血が…!」

ベルトルト「…出ないのかい? 新日ニュージェネレーションもそんなものだったんだね…!」


エレン「てめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! ふざけんなぁぁぁぁぁ!!」

クリスタ「!! エレンを押さえてっ!!」

ミカサ「エレンッ!!」ガシッ!

エレン「離せよっ!! あの野郎をぶっ飛ばしてやる…!!」


ベルトルト「…ふふふ 熱いね、エレン…! いいよ、その調子だ…!!」

ベルトルト「さぁ… 君の次の相手はライナー… 彼も伝説を継ぐ者の一人だよ…!!」

ベルトルト「誰もが知っている… あのレスラーのね!!」

ベルトルト「さぁライナー!! 入場だっ!!」


http://www.youtube.com/watch?v=ue4h3mGtPaU

アルミン「!!!? こ、この曲は…!! この…爽快感溢れる入場曲は…!!!」

アルミン「ま、まさか…三冠ヘビー級初代王者…そして日本人初のAWA世界ヘビー級王者…!!!」

アルミン「レ、レジェンドの中でもさらに異彩を放つ経歴に彩られた…あ、あの…あっ!?」

アルミン「は、花道に…ライナーが、ライナーが現れましたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「黒いパンツに黒いリングシューズ…そして、右腕には黒いサポーターァァァァァァ!!!!」

アルミン「ま、まさしく…まさしく彼は…!!」


ライナー「…おうよ 俺は鶴田…ライナー鶴田さ」ダッ!

アルミン「ラ、ライナーが…!! ライナー鶴田が花道をリングに向け走り出したぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「まるで猛牛っ!! 彼の前にあるものは、全て破壊されてしまうかのようなダッシュゥゥゥゥ!!!」

アルミン「まさしくミスタープロレスッ!! 彼のパワーの前にはッ!! どんな壁も意味を成しませんっ!!」


ミカサ「鶴田…!?」

クリスタ「そんな… 日本人レスラーとして最強とまで言われた… あの鶴田選手を継ぐ者だなんて…!」

ジャン「お、おい…!! とんでもねぇ奴が出てきたぞ…!!」

エレン「…ビビッてんじゃねぇよっ!! 俺は…リングに上がる…!!」

ジャン「馬鹿っ! よせっ!! そんな足で上がっても挽肉にされちまうぞっ!!」

エレン「…ふざけんなっ!! てめぇら…それでも新日選手かっ!!!」

エレン「コニーの戦いぶりを見て… 何も思わねぇのかよっ!!!」

ミカサ「エレン…! それは違う…!! ただ、格が…違いすぎる…!!」

ユミル「ああ…!! 大型ダンプと軽自動車が正面衝突するようなもんだ…! 相手になるならないの話じゃない!」


ライナー「…エレン、どうした? 新日をノックアウトするんじゃなかったのか…?」


エレン「当たり前だ…!! 今上ってやる…!!」

ミカサ「駄目…!」ググッ!

エレン「は、離せよ…!!」

ミカサ「駄目なものは…駄目ッ!!」グググッ!

ライナー「…女引き連れて戦場に来る様な奴は… やはり駄目だな」


エレン「ああ!? 俺の事かっ!?」


ライナー「ああ… ぬるま湯で吼えるレスラーに大した奴はいない… お前がそれだ」


エレン「っ!? なんだと…!? もういっぺん言ってみろぉぉぉ!!」

クリスタ「駄目だよっ!! リングに上がっちゃ駄目っ!! 確実に死ぬっ!!」

ジャン「ああ…!! 悔しいが…俺たちにどうこう出来る相手じゃ…!」


「オイ… ガキ共… これは… どういう状況だ?」

エレン「―!?」

ジャン「こ、この声は…」

ユミル「あ、ああ…!! 海外遠征組の…!?」


アルミン「!!!? ド、ドーム内に聞き覚えのある声が響いたぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

アルミン「い、今の声は…! 新日本プロレス海外遠征組、選手長…! …あっ!?」

アルミン「新日側の花道に人影…そ、それも三人です…っ!! あ、あれはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」


グンタ「…おいおい 凄い事になってるな」

エルド「…ああ 俺たちが居ない内に壁ぶち破るとはな…」

オルオ「…あそこに居るのが馬場か? っふ」


アルミン「と、闘魂三銃士ィィィィィィィィィィ!!!!!!!!」

アルミン「武藤グンタ、蝶野エルド、橋本オルオが揃い踏みだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

今日はここまで

ライナー「…ほぉ 海外遠征組か…」ニヤッ


ジャン「すげぇ…! 遠征組だ…!! 遠征組が帰ってきたぞ!!」

ユミル「これならライナー相手にも、なんとかなるかもな!」


アルミン「え、遠征組がっ!! 新日本プロレス海外遠征組がっ!! 帰ってきたぞぉぉぉぉぉぉ!!!」

アルミン「武藤グンタは黒師無双スタイルッ!! 綺麗な文字でぇ! 般若心経が体中に書き込まれておりますっ!!」

アルミン「ドン、蝶野エルドのブラックギャングな出で立ちは今日も見る者を圧倒っ!! いかつすぎるぅぅぅぅ!!!」

アルミン「そしてぇぇ!! 橋本オルオの額にはっ!! 象徴の白鉢巻がはためいているぞぉぉぉぉぉぉ!!!」

アルミン「国内を飛び出し、屈強な外人選手相手に年間百数十試合を消化するという過酷な巡業を繰り返しっ!!」

アルミン「技と経験に磨きをかけ続ける新日の精鋭部隊っ!! トップエースたちがっ!!!」

アルミン「全日襲撃に震えるトロストドームに、駆けつけてくれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「武藤ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! シャイニングウィザード見せてやれぇぇぇぇ!!!」

「蝶野だっ!!! 蝶野エルドだぁぁぁぁぁ!! 黒のカリスマだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「オルオォォォォォォォォォォ!!! ぶっ壊せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

アニ「…遠征組が帰ってきたね」

ベルトルト「…アニ、少し安心しているようだね? エレンがリングに上がらなくて済むからかな?」

アニ「……何を言っているの?」

ベルトルト「…安心しなよ ライナーにはああ言ったけど、彼はそんな事出来る人間じゃない」

ベルトルト「ライナーは相手の実力によってバックドロップを落とす角度を変える…」

ベルトルト「どうもJを継いだ時に、鶴田選手の優しい面も受け継いじゃったみたいでね…」

ベルトルト「良くも悪くも心優しいプロレスラー… 若大将なんだ」

ベルトルト「…先ほどのぬるま湯と言った挑発も… かつて自分が言われた事を皮肉ってるんじゃないかな」

アニ「……まぁ あいつは非情になろうとしてるけどね」

ベルトルト「…無理だろうね 君のように」

ベルトルト「でも、例え甘い面があったとしても、名実共にライナーは現全日のトップエースだ」

ベルトルト「闘魂三銃士が相手でも… 問題は何一つないよ…!」スパーッ

グンタ「よう お前らが新日ニュージェネレーションか」

エルド「…おう そのスーツ、マスク… こいつはライガーか?」

ジャン「は、はい!! 俺たちと同期で、コニー・スプリンガーと言います…!」

コニー「…ち、ちげぇ… 俺は獣神サンダーコニー… コニー・スプリンガーは死んだ リヴァプールの風になった…」

オルオ「…ふっ マスクマンとしての覚悟も出来てるんだな」

クリスタ「コニーは… 先ほどの試合で三沢光晴の娘、三沢アニを倒したんです…! でも、その試合でこんな状態に…」

グンタ「三沢… あのタイガーマスクを倒したのか…!」

エルド「…いいガッツを持ってるな 俺は気に入ったぞ」

オルオ「…で、リングの上で睨みつけてるのは… ジャンボ鶴田のJを継ぐ者ってわけか」

エレン「…はい! 俺が今から… あいつをノックアウトして見せます…!!」

エルド「お前が? それはちょっと荷が重過ぎるな…」

オルオ「そうだな新米 鶴田と言ったら外人選手すらも力任せに投げるパワーを持っているんだぞ」

オルオ「…ま 俺が出るしかないだろうな… っふ」

グンタ「お、おい! 何リングに上ってるんだ! 選手長が出るって言ってただろ!!」

オルオ「破壊なくして創造はなし、悪しき古きが滅せねば誕生もなし…」

ジャン「…!? な、何を言ってるんだ…!?」

ライナー「…最初の相手はお前か?」

オルオ「…何がお前かじゃバカヤロウ…! んだコラ!?」

ライナー「…ああ? 何を言っているんだ?」

オルオ「お前が言ったんだろバカヤロウッ!! やっちまうぞコラ…!!」

ライナー「…おい 何のつもりだ?」

オルオ「お前…お前死にてぇんだろ…! ナメてんだろこの野郎ォォォ!!!」


アルミン「あ、あああ…!! オルオ選手…突然リングに上がって口喧嘩だぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「猛然とライナーに向け、言いがかりをつけ始めたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


グンタ「あ、ああ… 始まりやがった…」

エルド「とりあえず口喧嘩… あいつの悪い癖だ」

ライナー「…もういい 解った… まずお前の相手をしてやる」

オルオ「うるせぇんだよコラ…! オラァァァ!!!」ブンッ!


アルミン「ああっとぉぉ!! ライナー目掛けてミドルキックゥゥゥゥゥゥ!!!」

アルミン「し、しかし…!! まったく動じない…ライナーは動じてないぞぉぉぉぉぉ!!!」


ライナー「…確かにいい蹴りだ だが、まだ軽いな」

オルオ「…!? んだテメェェェェェェェェ!!!!」ブン! ブン!


アルミン「膝蹴りっ!! 膝蹴りっ!! そしてミドルキックゥゥ!!! 怒涛の攻撃だぁぁぁ!!!」

アルミン「そ、それでも…! それでもライナー選手にダメージは…通ってなさそうですっっ!!!」

アルミン「鋼の肉体…!! 圧倒的なタフネス…!! まさに鉄の城ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

アルミン「オルオ選手の攻撃は、その分厚い筋肉を通らないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

オルオ「…っち! 随分硬いなおい!!」

ライナー「…なんだ? もう終わりなのか…?」

オルオ「あぁ!? んだとコラバカヤロウ!! いい加減にしろよコラ!!」ガシッ!

ライナー「おお…? バックドロップか…?」

オルオ「……グンタァァァ!! 俺ごと刈れぇぇぇぇぇぇ!!!」


グンタ「……は!?」


アルミン「ね、狙っていたのは自爆技っ!! 『俺ごと刈れ』だったぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「後ろから相手を持ち上げ、それを自分ごとタッグの選手にSTOで刈り取られるっっ!!!」

アルミン「かつて本家橋本選手が、小川選手とタッグ戦を行った際に見せた伝説の技でぇぇぇぇぇぇぇすっ!!」

アルミン「しかぁぁぁし!! これはタッグではなくっ!! というかまだゴングも鳴っていませぇぇぇぇん!!!」

アルミン「橋本オルオォォォォォォォ!!! 何がしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!?」

オルオ「グンタァァァァァァァ!! 早くしろぉぉぉぉ!!!」

ライナー「…おい、バックドロップじゃないのか?」

ライナー「残念だな… 新日のバックドロップを受けて見たかったのになぁ…!」

ライナー「変わりに全日の… いや、世界を取ったバックドロップを見せてやるよ…!」シュッ!

オルオ「な!? お、おい!! 武藤さぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

ライナー「ほら、後ろを取ったぞ…!」


アルミン「!!? そ、即座にオルオ選手の手を解き…後ろへ回ったぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「あの巨体からは想像もの出来ない機敏な動き… 高速戦もこなせるのかぁぁぁぁ!!!」

アルミン「正に寸分の隙なしっ!! 完全無欠のエースの動きぃぃぃぃぃぃ!!!」

ライナー「…しっかり受身をとれよっ!!」グワッ!!

オルオ「っちょ!?」

ライナー「ッオォォォォォォォォォ!!!!」ブンッッ!!!!

オルオ「っだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?」ズダァァァァァァァァァン!!!


クリスタ「っひぃ!?」

ジャン「な、なんて音しやがる…!!」


アルミン「うあああああああ!!! 爆発っ!! これはもう爆発だぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「有り余るパワーを…! オルオ選手ごとマットに叩きつけたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「ジャンボ鶴田選手の代名詞、バックドロップ… 別名岩石落としぃぃぃぃ!!!」

アルミン「轟音と共にマットを揺らすっ!! マグニチュード8.7ァァァァァァ!!!」

オルオ「」

ライナー「…なんだ 伸びちまったのか」


エルド「…お前、うちのブッチャー君をよくも伸してくれたな 覚悟できてるんだろうなぁ!!」

グンタ「おい 選手長を待てって言ってるだろ 念仏パワーボム食らわすぞこの野郎」

エルド「武藤さん…! あいつをあんなにされて黙っていられないだろっ!!」

クリスタ「と、とりあえず橋本さんをリングの外へ…! 脳震盪を起こしているみたい…!」

ハンジ「あらら… オルオ、やられちゃったんだね」

ペトラ「また調子に乗って因縁つけたんでしょ? 世話が焼けるわね」

ユミル「あ、あんたたちは…?」

ハンジ「私たち? 私が遠征組専属のドクター、ハンジ・ゾエで…」

ペトラ「私はペトラ・ラルね 同じく遠征組のセコンドを担当しているわ」

グンタ「お、ペトラにハンジ… お前ら来たって事は、選手長の準備も出来たんだな?」

ハンジ「そうだね そろそろ来るんじゃないかな? マイク持ってたし…」

エルド「…マイク またあれを歌うのか…」

ペトラ「選手長は気に入ってるからね… あの歌…」

ライナー「おいおいどうした闘魂三銃士? リングに上がってこないのか?」


エルド「…てめぇの相手は俺らじゃないんだよ!! いいから待ってろ!!」

グンタ「まあそう慌てるな… 新日の現最強選手がお前の相手だ 楽しみにしとけ」

エレン「ま、待ってください!! 俺が出るんです…! 俺の試合なんですっ!!」

エルド「まだ言ってるのか? オルオを見ただろ? あいつだって新日じゃ看板背負うレスラーなんだ」

グンタ「それが一瞬、ものの見事にノックアウト お前にはまだ早すぎる相手だ」

エレン「それでも… それでも戦うのが新日でしょうっ!! どんな相手にも立ち向かうのがストロング・スタイルでしょうっ!!」

エレン「腕折られても、鼻曲げられても…! 相手をノックアウトするのが俺たちでしょうがっっっ!!!」


「ほぅ… 悪くない」


グンタ「! 来たか」

エルド「ああ…」

フッ…


「うわ… 真っ暗だぞ!!」

「おい! リングはどうなってんだ!?」


アルミン「な、なんだ…!! また選手長の声がしたと思ったら…ドームの照明が落とされましたぁぁぁぁ!!!」

アルミン「!!! いえ、一つ明かりが…! スポットライトが… 新日側の花道に…伸びていまぁぁぁぁす!!!」

アルミン「あ、あああ!!!? これは…ハンドクラップ…!! ハンドクラップの音が聞こえてきましたぁぁぁぁ!!!」

アルミン「この曲っ!! この曲が流れたという事はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


http://www.youtube.com/watch?v=KojXi803jFU


ミカサ「……この、曲は……!!」

ジャン「このハンドクラップ… 気の抜けた電子音…!! そして無意味に渋いギター…!!!」

クリスタ「この曲を歌えるのは新日… いえ、世界でもただ一人…!!」

ハンジ「…来るね」

ペトラ「うん …いつ聞いても新鮮な衝撃があるわね…」

アルミン「出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! スポットライトの一筋の光の中にっ!! 現れましたぁぁぁぁ!!!」

アルミン「新日本プロレス海外遠征組選手長っ!!! 藤波っ!! リヴァイィィィィィィィィィィ!!!!」


「マッチョドッラッゴン!! 燃っえ上がれっ!! マッチョドッラッゴン!! そっらに舞えっ!!」


リヴァイ「あざや~かに決まるわ~ざは~♪ ナーイフの切れ味ぃ~♪」

リヴァイ「あ~いを胸にひ~めてぇ~♪ 力にくじ~けないぃ~♪ ファイトをみせぇ~てやるぅ~♪」


「マッチョドッラッゴン!! たっち上がれっ!! マッチョドッラッゴン!! かっぜを呼べっ!!」


アルミン「熱唱っ!!! 世界的にも類を見ない独特な音程と声でっ!! 熱唱しながら花道を歩いて行きますっ!!!」

アルミン「会場の皆さんもっ!! リヴァイ選手長の歌声にっ!! 魅了されておりまぁぁぁぁぁぁすっ!!!」

リヴァイ「……ほぅ お前らが全日か」

リヴァイ「遠征組が居ないうちに来るとは、舐めた真似するな…」


ライナー「藤波… リヴァイ… ははっ! これは面白くなりそうだなっ!!」


リヴァイ「……っち それはこっちの台詞… …おい、ちょっと待て」

リヴァイ「ごくあ~くな敵に遭ぁ~えばぁ~♪ あぁ~つく燃えるぜぇ~♪」

リヴァイ「マットー焦がすほ~のぉ~♪ 正義のなのぉ~もとにぃ~♪ 息の根とめぇ~てやるぅ~♪」


アルミン「あっとぉぉぉぉ!! 間奏が終わり次第、また歌いだしたぁぁぁ!! 二番っ!! 二番ですっ!!」

アルミン「何者も選手長の歌を止める事は出来ないぃぃぃ!!! 全員聴きやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

エレン「あ、あれが新日最強のレスラー…! 藤波リヴァイ選手長…!!」

ミカサ「思っていたよりも…というか、かなり小柄… だけど、とてつもないオーラを感じる…!!」

エルド「ああ… WWWFジュニアヘビー… そして衰退直前のNWAジュニアヘビー級を獲得した伝説のレスラー…」

グンタ「海外遠征時のリングネームはドラゴン・フジナミ… その名と歌が示すとおり、竜の如く襲い掛かり、一時は壊し屋と恐れられた」

ペトラ「選手長なら、全日のライナー鶴田相手にもひけを取らないはず…!」

ハンジ「そうだね なんてったってリヴァイはストロング・スタイルの正統後継者だから…!」

リヴァイ「あ~くと散らすひ~ばなぁ~♪ しぃかくいジャン~グルを~♪ 真っ赤にそめぇ~てやるぅ~♪」


「マッチョドッラッゴン!! ぶっつぶせっ!! マッチョドッラッゴン!! ゆっめに飛っべ!!」


ライナー「……歌は終わったのか?」


リヴァイ「……ああ」

エレン「選手長!」

リヴァイ「……なんだ」

エレン「俺を…俺をリングに出させてくださいっ!!」

リヴァイ「馬鹿言え その足で出てもすぐにノックアウトだ 今は休んでろ」

エレン「それでも…! 出たいんですっ!!」

エレン「それでも…! 出たいんですっ!!」

リヴァイ「……駄目だな うちの橋本が伸されたんだ 落とし前つけさせるのは俺だ」

エレン「選手長…!!」

リヴァイ「……」ブンッ!

エレン「んがっ!?」ガスッ!

ミカサ「エ、エレン…! この…チビッ!」

リヴァイ「いいから黙って見てろ てめぇに足りない物を見せてやる」

グンタ「選手長、あのJを継いだ男… 予想以上に強敵です オルオは一瞬でノックアウトされました」

エルド「ええ… パワーもある癖にやたら動きが機敏です… 気をつけてください」

ペトラ「恐らくスピード・パワー…そしてタフネスにスタミナも、外人選手並…いえ、それ以上かもしれません…!」

リヴァイ「お前ら心配するな 確実にマットに沈めてくる…」タッ!

アルミン「リヴァイ選手長、マットに上ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「新日の竜がっ!!! 全日の猛牛を睨みつけているぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


リヴァイ「……随分とうちのを可愛がってくれたみたいだな」

ライナー「ああ… 暇つぶしにもならなかったがな」

ライナー「だが、あんたは楽しませてくれそうだ…! 戦士の目をしている…!」

リヴァイ「十分後にはてめぇに白目むかせてやるよ…」

ライナー「はははっ! そいつは楽しみだなっ! 気に入ったぞ、藤波リヴァイ…!!」

リヴァイ「…っち おい、レフェリー… さっさと始めろ」

マルコ「は、はぁい!! 両者見合って……!! ッファァァァァァイ!!」


ゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!

三沢アニに辛くも勝利した新日勢…

しかし、次なる壁はJを継ぐ男、ライナー鶴田…!!

その圧倒的なパワーとスピードの前に、橋本オルオは成す術もなくリングへと沈んだ…!!

この全日最強選手の前に、新日最強の竜が立ちはだかる…!!

さあリヴァイ…!! 四角いジャングルを…! 真っ赤に染めてやれ…!!

次回、「竜になった男!!」

>>262で最初の二行入れ忘れてました

リヴァイ「いなぁずぅまっがやみをさ~いてぇ~~♪ お~れを呼んでるぅ~♪」

リヴァイ「あ~くと散らすひ~ばなぁ~♪ しぃかくいジャン~グルを~♪ 真っ赤にそめぇ~てやるぅ~♪」


アルミン「出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! スポットライトの一筋の光の中にっ!! 現れましたぁぁぁぁ!!!」

アルミン「新日本プロレス海外遠征組選手長っ!!! 藤波っ!! リヴァイィィィィィィィィィィ!!!!」


「マッチョドッラッゴン!! 燃っえ上がれっ!! マッチョドッラッゴン!! そっらに舞えっ!!」


リヴァイ「あざや~かに決まるわ~ざは~♪ ナーイフの切れ味ぃ~♪」

リヴァイ「あ~いを胸にひ~めてぇ~♪ 力にくじ~けないぃ~♪ ファイトをみせぇ~てやるぅ~♪」


「マッチョドッラッゴン!! たっち上がれっ!! マッチョドッラッゴン!! かっぜを呼べっ!!」


アルミン「熱唱っ!!! 世界的にも類を見ない独特な音程と声でっ!! 熱唱しながら花道を歩いて行きますっ!!!」

アルミン「会場の皆さんもっ!! リヴァイ選手長の歌声にっ!! 魅了されておりまぁぁぁぁぁぁすっ!!!」

>>239
誤字ありました

× ライナー「…エレン、どうした? 新日をノックアウトするんじゃなかったのか…?」

○ ライナー「…エレン、どうした? 全日をノックアウトするんじゃなかったのか…?」

ジャンボ鶴田… 現在でも彼が日本人レスラー最強との説が根強く残る、伝説のレスラーである

藤波辰巳… 竜の異名を持つ新日正統派レスラーであり、数々の名勝負を産み出した彼もまた、歴史に名を残す伝説のレスラーだ

その魂を継ぐ者… Jを継ぐ、ライナー鶴田 そして竜を継ぐ、藤波リヴァイ…

かつて実現しなかった全日と新日双方のエースが今、トロストドームで向かい合う…!

王道 対 ストロング・スタイル…! 

技を、力を、互いの信念をぶつけ合い、二人の巨頭が火花を散らす時が来た…!

アルミン「さぁぁぁぁぁ!!! ゴングが鳴らされたぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

アルミン「藤波リヴァイ 対 ライナー鶴田ッ!!!!」

アルミン「ライナー鶴田選手はあの最強レスラー、ジャンボ鶴田選手のJを受け継ぐ者でありますっ!!」

アルミン「その力、そしてスピード、さらには威圧感…! そのどれもが破格のジャンボ級っ!!!」

アルミン「まさに一騎当千っ!! 天下無双の強さを持ち合わせておりますっ!!!」

アルミン「対して我らが新日からは海外組選手長、藤波リヴァイッ!!!」

アルミン「炎の飛竜…! ドラゴン・ザ・ファイヤー…! 烈火の男ッ!! 異名はつきませんっ!!」

アルミン「その鋭くも熱い闘争心とは裏腹に、クールフェイスは崩さない憎い男でもありますっ!!」

アルミン「新日、全日双方のエース中のエースの二人ですが、体格差は歴然っっ!!」

アルミン「小柄なリヴァイ選手と恵まれた体格のライナー選手! まるで小人と巨人っ!! この差を埋める事が出来るのかっ!!」

アルミン「力量で見ても最高峰、まさに頂上決戦と言えますが、サシャさん! この試合の行方は何が決め手でしょうかっ!?」

サシャ「そ、そうですね…」

アルミン「はいっ!! なんでしょうっ!!!」

サシャ「…えーと その… 強さ… じゃないでしょうか?」

アルミン「強さっ!! 強さが決め手っ!! 僕も完全同意っ!! 両手を挙げて賛成でぇぇぇす!!」

ライナー「……さあ どこからでもかかってこい…!」

リヴァイ「……」


アルミン「ライナー選手、悠然と待ち構えるっ!! 俺は逃げも隠れもしないっ!! 不敵な笑みがそう言っている!!」

アルミン「対してリヴァイ選手、一体何を考えているのか…! 凍るような眼光をライナー選手に向けているぞぉぉ!!」


グンタ「……なるほど、Jを継ぐ者らしいな」

エルド「ああ 自分の周りを回らせようって魂胆か…」

エレン「…どういう事です?」

エルド「プロレスでもボクシングでも…まあ大抵の格闘技に言える事だが、弱い方が強い方の周りを回るもんなんだ」

グンタ「強い方には隙がない だから弱い方が動き回り、隙を見つけようとする… まあ当たり前の原理だな」

ペトラ「でも、恐らくライナーにはフットワークを使わせてスタミナを削る狙いもあるみたいね」

ハンジ「ああ… 本家鶴田選手もそうして長州選手のスタミナを切らしていたよね… さて、リヴァイに通じるかな」

グンタ「選手長が相手の周りを回るわけないだろ… そういうのが一番嫌いなタイプだ」

エルド「だろうな こういう場合、いつも真っ向から行く…!」


リヴァイ「……くだらない作戦だな 舐めてんのか?」スタスタッ

ライナー「!」


アルミン「!!! リヴァイ選手、ライナー選手に向け歩き出したぁぁ!! まるで散歩に出かけるかのように…!」

アルミン「口笛でも聴こえてきそうな足取りで、普通に近づいていくぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

ライナー「ほう いい度胸だ…! 無防備に俺の前に立つなんてな…!」

リヴァイ「……今度からはお前が俺の周りを回れ」

ライナー「っ! ッオォォォォォ!!!!」ブゥゥンッ!!!

リヴァイ「っっっ!!!」バッシィィィィ!!!


アルミン「あああぁぁ!! ダブルチョップゥゥゥゥ!!! リヴァイ選手を強打ぁぁぁぁ!!!」

アルミン「身長差を生かして、両手でリヴァイ選手の背中を強かに打ったぁぁぁぁぁ!!!」


ライナー「まだ終わらないぞっ!!」ガシッ!

リヴァイ「!」

ライナー「吹っ飛べぇぇ!!!」ブゥゥゥン!!!


アルミン「そのまま抱きかかえ、投げっ放しフロント・スープレックスゥゥゥゥゥ!!!」

アルミン「リヴァイ選手を後方へ吹っ飛ばしたぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「!!! あ、ああ…! そして自分はロープへ向け走り出したぞぉぉぉぉぉ!!!」

リヴァイ「っつ…!」ムクリッ

ライナー「オラァッ!!!」ダダダダッ!

リヴァイ「! チッ!!」


アルミン「!!! フロント・スープレックスから起き上がったリヴァイ選手に、ロープから帰ってきたライナーが…!」

アルミン「あ、あれはラリアット…! ジャンボラリアットですっ!! リヴァイ選手それを避けなぁぁぁい!!」

アルミン「当たるつもりか…! 真っ向からいくのかっ!? 空母に漁船で突っ込むようなものだぞぉぉぉ!!!」


ライナー「ッオオオオオオォォォ!!!!」ッガスッッ!

リヴァイ「っぐ!!!!?」ッダァァァァァァァン!!!!


エレン「な、なんて音だ…!!」

ジャン「選手長の体が…半回転しやがった…! 思いっきり背中から落ちたぞ…!」


アルミン「ぶっ放したぁぁぁぁぁぁぁ!!! まるでコルトパイソンの発射音っっっ!!!」

アルミン「凄まじい音と共にリヴァイ選手っ!! 反動で背中からマットに叩きつけられたぁぁぁ!!!」

ライナー「…ふぅ やりすぎちまったか…?」ニヤ…

リヴァイ「…そんな事はない もっとやってもいい」ムクリッ

ライナー「! ほぉ…」


アルミン「あ、あれ…? そんな…ふ、普通に起き上がった…! 普通に起き上がったぞ…!!」

アルミン「体が回転するようなラリアットを受けても…ダメージを見せていないっっ!!」

アルミン「どういう事だ…! やはり彼は超人…!! 只者ではなかったぁぁぁぁぁぁ!!!」


エレン「!!? ピンピンしてる…!?」

ジャン「嘘だろ…!! あれだけの勢いで背中を打ったら、普通はまだ立てないぞ…!?」

ミカサ「確かに高速でリングに叩きつけられた… でも、しっかりと受身を取っている…! あのチビ、凄まじく受身が上手い…!」

グンタ「ほー 良く解ったな そのとおり、選手長の受身は天下一品だ」

エルド「今、リングからいい音しただろ? ああいう音がした時は、いい受身がとれてる証拠だ」

ハンジ「抜けたような音が一つ響いた時は、体全体から接地してる…」

ハンジ「逆にくぐもった音が複数聞こえたら、バランスを崩してどこかにダメージを負っている…」

ハンジ「レスラーにとって、受身は美学さ 相手の技を派手に受け、なおかつダメージを残さない…!」

ハンジ「君たちも良く見ておいた方がいいよ リヴァイの受身は芸術だからね」

ライナー「あんた、良い受身を取るな 技をかけがいがある…!」

リヴァイ「……お前は聞きがいの無い無駄口を良く叩くな」

ライナー「ぐぬっ!」

リヴァイ「そろそろ喋れなくしてやるか なぁ…?」

ライナー「……調子に乗るなよ」

リヴァイ「――ッラァッ!!!」ビュッ!!

ライナー「っが!!!?」ズガァァァッ!!!


アルミン「正面飛びドロップキックゥゥゥ!!! 凄いぞっ!! 顔面に入れたぁぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「身長差、約30cm!! それを物ともしないジャンプッ!!! 超ハイアングルッ!!!」

アルミン「まさに飛竜っ!! 遂に新日のドラゴンが火を噴いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ライナー「っうぅぅぅ!! オラァァァ!!」ブンッ!!

リヴァイ「……ほぉ 次は足か」ガシッ!

ライナー「!?」


アルミン「!! 力任せに蹴り出したライナー選手の片足を両手で持って…脇に抱えこんだぞぉぉぉぉ!!!」

アルミン「手はしっかりと足首添えられているぅぅぅ!! 出るかっ! 出るのかっ!!?」


リヴァイ「ッソラァッ!!!」グギィィィ!!

ライナー「っ!!!? がっあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ズダァァァンッッ!!


http://www.youtube.com/watch?v=AO0cR1WYol8

アルミン「ドラゴンスクリュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!! ライナーの靭帯を捻りながら投げたぁぁぁぁ!!!」

アルミン「巻き投げの足バージョンっっ!! 下手をすると靭帯断裂っ!! 危険な技ぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「今日初めてっ!! ライナー鶴田の表情に苦痛の色が滲んでいるぅぅぅぅぅ!!!」


グンタ「うわ… あれ出しちゃうのか…」

ペトラ「グンタ、あれで一回選手の膝壊してるよね…」

グンタ「あ、ああ… 加減が難しいんだ 本当にねじ切れる時はねじ切っちゃうからな…」

ハンジ「今回はシュートだからね… リヴァイも技の出し惜しみしてないって感じだね」

ライナー「っが…! ぐぅぅ…!!」

リヴァイ「……立て」グイッ!

ライナー「っ…!」

リヴァイ「っ!!」タッ!

ライナー「うぉっ!?」グルンッ!!


アルミン「ああっと! リヴァイ選手、悶えるライナー選手の頭を掴み…無理矢理立たせて…!」

アルミン「ライナー選手の背面でジャンプ!! 足を相手の脇下に絡ませ、体の反動を使って引き倒したぁぁ!!」」


リヴァイ「…ほら 返してみろ」グググッ


アルミン「ジャパニーズ・レッグロール・クラッチッ!! 後方回転足折り固めっ!!」

アルミン「選手長の見事なブリッジの下で、ライナー選手!! 両肩をマットに押し付けられたぁぁ!!」

マルコ「ワンッ!!」


ライナー「ぐ… ふふ…」

リヴァイ「……」

ライナー「…あんたの体重で、俺をホールドできると思っているのか?」

リヴァイ「……さあな」

ライナー「…そらっ!!」グンッ!!

リヴァイ「っ!!?」ブワッ!


アルミン「!!? な、なんだあの返し方は…!? 足の力だけで、リヴァイ選手を吹っ飛ばした…!」

アルミン「ち、力まかせ…!! 足を抜く、首を抜く、そんな概念は存在しないっ!!」

アルミン「ただ… 筋力に物を言わせて… ホールドを解いたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ペトラ「っ!? な、何あの返し方…!! あんなの人間にできるの…!?」

グンタ「確かに選手長の体重は軽いが… それでも人一人分の体重を足と背筋の力だけで…!?」

エルド「今のは完全に決まっていただろ そうそう返せる体勢じゃない…!」

ハンジ「……さすが、鶴田選手って事だね どういう筋力してるんだか…」


リヴァイ「っぐ!? ……」ズダッ!

ライナー「ホールドじゃ俺は倒せんぞ 特にあんたのような小柄な選手じゃな…」

リヴァイ「……」

リヴァイ(………確かにこいつは固い それに人間離れした筋力もある…)

リヴァイ(………打撃・ホールドは封じられたか 残るは投げ技、間接、末端への攻撃…)

リヴァイ(………投げ技以外は随分とせこい手しか残されてないな …気に食わん)

ライナー(ふむ… いい選手ではあるが、やはり体格が問題だ…)

ライナー(小柄すぎる… いかに新日最強と言えども、俺の相手は務まらんか…)

ライナー(…次で決めてやろう あまり長引かせてやるのも可哀想だ…)

ライナー「……」スッ

リヴァイ「…!」


アルミン「っ!? ライナー選手、大きく右腕を上げた…!! これは予告…! 予告ですっ!!」

アルミン「来るのはラリアット!! あの、ダンプカーのようなラリアットを予告していますっ!!」


ベルトルト「……ライナー 本気で打つつもりだね」

アニ「そうだね… あいつの本気のラリアット… 一体何人の外人選手を沈めてきたか…」

ライナー「……ッォォォォオオオオオオ!!!!」ダダダダッ!

リヴァイ「……」グッ!


アルミン「猪突猛進っ!! 片手を大きく伸ばしっ!! リヴァイ選手に向け突進だぁぁ!!」

アルミン「その右腕はまさに鎌っ!! 死神の鎌のように、リヴァイ選手の首を狙うぅぅぅぅ!!!」

アルミン「リヴァイ選手っ!! 襲い掛かる死神を…睨みつけるっ!! また受けるつもりだぁぁぁぁぁ!!!」


ライナー「オオオオオオオオオオッ!!!」ッガァァァァ!!!!

リヴァイ「っがぁっ!!!!?」

リヴァイ(―なっ!?)

リヴァイ「っっっあ゛あ゛!!!?」ドォォォォォォォォン!!

エレン「―!? お、音がくぐもっている…!?」

ペトラ「えっ!? い、今…選手長…!」

グンタ「受身を…取り損なったのか…!?」

ハンジ「…さっきのラリアットとインパクトの音が全然違う…」 

ハンジ「あまりの勢いに、リヴァイも受身を取り損なったみたいだ…」

ハンジ「つまりライナー鶴田は… まだ本気じゃなかったって事だね…!!」

エルド「…なんでお前はちょっと嬉しそうなんだよ?」

ハンジ「そりゃもちろん、リヴァイがどんな怪我をして帰ってくるかってね!」

エルド(…このマッドドクターめ!)

ペトラ「っ!! せ、選手長っ!! 大丈夫ですかっ!?」

ジャン(お、ちゃんとセコンドっぽい)

ペトラ「ライナー鶴田のパワーはやはり脅威ですっ!! 次からの攻撃は、ちゃんと…」


リヴァイ「……ちゃんと なんだ?」ムクリッ

ライナー「…まだ立ち上がるのか…!?」

リヴァイ「ああ いい眠気覚ましになったがな…」


アルミン「!!? また立ち上がったぁぁぁぁぁ!!! ノーダメージッ!!!」

アルミン「不死身っ!! 不死身の男っ!! 藤波リヴァァァァァァァイッ!!!」

アルミン「自分より遥かに大きな相手にも、一切屈する事はないっっっ!!!」

アルミン「みなさんっ!! これぞエースっ!! 新日の誇る、最強の竜だぁぁぁぁぁ!!」

ライナー(…確実に決まっていたし、受身も取れなかったはずだが…?)

ライナー(必ずダメージはあるはずだ… だが、そんな素振りは一切みせていない…!)

ライナー(…執念のプロレスリング… これがストロング・スタイルという奴か…!)

リヴァイ「……何をぼーっとしている?」

ライナー「っ!?」

リヴァイ「―ッラァァッ!!!」ブンッッッ!

ライナー「んぐっ!?」ドガッ!

リヴァイ「……お前の受身を見せてみろ」ガシッ!

ライナー(!? う、後ろ…!?)


アルミン「!!! リヴァイ選手、不意をついてソバットォォォォ!!!」

アルミン「奇襲にうろたえたライナー選手の後ろに回り込み… 腰に手をまわしたぁぁぁ!!」

リヴァイ「確か、お前の得意技はバックドロップだったよな?」

ライナー「あ、ああ!?」

リヴァイ「……新日のバックドロップ 見せてやるよ…!」グンッッッ!

ライナー「なっ―!?」

ライナー(お、俺を持ち上げ…!?)

ライナー「っっっっ!!!!?」ッダァァァァァァァァン!!!


アルミン「う、うわ…! 僕とそこまで身長が変わらないのに…! 決めたぁぁぁぁぁ!!!」

アルミン「バックドロップッ!! バックドロップですっ!! それも超急角度っ!!」

アルミン「身長差、体重差っ!! そんなの関係ねぇっ!! 相手の十八番、バックドロップをぶっ放したぁぁぁ!!」

ライナー「っぐ…!?」

ライナー(その体格で… 俺の体重を…!? こいつの腰はどうなってやがる…!!)

リヴァイ「おい まだ終わってないぞ… 立て」グイッ!

ライナー「お、お前…!」

リヴァイ「―ッラァァァァッ!!!」グンッッッ!!!

ライナー「っがぁぁぁぁぁぁ!!!?」ッズドォォォォォン!!!


アルミン「!!!? に、二回目…!! 二回目だっ!!! 相手を無理矢理引き起こし、二回目のバックドロップ!!」

アルミン「連続バックドロップですっ!! 相手の伝家の宝刀を…! 二度もぶちかましたぁぁぁぁ!!!」

エレン「お、おい…! いいのかよ…!?」

ミカサ「…掟破り…!」

ハンジ「…そうだね 普通、相手の代名詞と呼ばれる得意技、フィニッシュ・ホールドはその試合では出してはいけない」

ハンジ「でもリヴァイはそういう暗黙の了解を悉く無視するんだよ むしろ相手より上手く決めて、挑発するんだ」

グンタ「選手長はマスクマン相手に『お前、ザカリアスだろ?』って観客の前で正体ばらした事もあったしな…」

エルド「…おいおい… あんなヘビーな選手を投げて大丈夫か? まだ腰は完治してないだろ?」

ジャン「…え? 選手長、負傷してるんですか…?」

ハンジ「…うん だから腰を使った技は最近控えさせてたんだけど… 今、リヴァイの腰には相当な激痛が走っているはずだよ…」

ペトラ「選手長っ!! 何やってるんですかぁぁぁぁぁ!!!」

ハンジ「…こりゃあ、リヴァイも久々の本気モードだね…!」

リヴァイ「……まだだな!!!」ブンッッッ!!

ライナー「っあああああ゛あ゛!!!!?」ドォォォォォォォン!!!


アルミン「三回目っ!!! 三連続、バックドロォォォォォォップ!!!!」

アルミン「息もつかせぬ怒涛のバックドロップッ!! 三度ライナー選手の後頭部を打ちつけるぅぅぅぅ!!!」

アルミン「リングがぐわんぐわんとウネっているぞぉぉぉ!!! ライナー選手っ!! 無事なのかぁぁぁぁ!!!?」


ライナー(何て角度で落としやがるっ!! 受身がまるで取れん…! 頭を庇う事で精一杯だ…!)

リヴァイ「オラ、立て」グイッ!

ライナー「っぐぅぅ…!?」

リヴァイ「……次で決めてやる」ガシッ!

ライナー「っ!?」

ライナー(なんだ…!? こいつ、脇の下から…手を!?)


アルミン「あ、あああ!!! リヴァイ選手が、ライナー選手を後ろから羽交い絞めに…! こ、これはぁぁぁ!!!」

アルミン「か、会場も沸き立っていますっ!! 見れるっ!! 見れるぞっ!! 藤波リヴァイの代名詞ッ!!!」

リヴァイ「……行くぞオラァァァァァァァ!!!!」ブンッッッ!!

ライナー「っああ゛!?」グワッッ!!

ライナー(な、なんだこれは!! 腕を極められながらスープレックス!? こ、これでは頭すら…!!)

ライナー(ま、待て…!! リングが…ちか)

ライナー「ッがあああああああぁぁぁぁぁ!!!!?」スダァァァァァァァァァン!!!

http://www.youtube.com/watch?v=_4e5FkZiavs



アルミン「ドラゴン・スゥゥゥゥゥゥプレックス・ホォォォォルドッ!!!」

アルミン「飛竜ッ!! 藤波リヴァイの得意技ッ!! ドラゴン・スープレックス・ホールドだぁぁぁ!!!」

アルミン「両脇から相手の腕を極め、身動きが取れない状態からのバックドロップゥゥゥ!!!」

アルミン「衝撃音がこだまするリングの中ッ!! しっかりと相手をホールドしてるぞぉぉぉ!!!」

エレン「す、すげぇ!!! あれがドラゴン・スープレックス…!!」

ジャン「なんて鋭い角度…! あれじゃ抜け出せないぞ…!!」

ミカサ「ブリッジも綺麗なアーチを描いている… ダメージの残る今ならホールド勝ちも…!」

ペトラ「……いや、完璧じゃない……!」

エレン「…え? どういう事です…?」

ペトラ「……やっぱり、腰がかなり痛んでいるみたい! 選手長の顔を見て…!」

グンタ「ああ… ありゃかなり耐えてるな…! ハンジ、鎮痛剤用意しといた方がいいぞ!」

ハンジ「そうだね 無茶しちゃって…」

ジャン(なんも変わってないように見えるんだが)

あれはジャーマンスープレックスホールドの発展形のひとつだ!

リヴァイ「……」

ライナー「……ぐっ!」

マルコ「…ワンッ!!」

リヴァイ「もう動くな」

リヴァイ(……でないと、俺の腰が持たん)

ライナー「……これで決めたつもりか?」

リヴァイ「……ッ!」

マルコ「ツー… えっ!?」

ライナー「っぐぉぉぉぉぉぉぉ!!!」プルプルプルッ

リヴァイ「! …馬鹿力が…!!」


アルミン「あっ!? あああ…!? リ、リヴァイ…選手長ごと…逆立ち…!?」

アルミン「な、なんだよこれ…なんだよこれ!! 普通、体をちょっと跳ねさせて解くものだろ…!!」

アルミン「なのに腕の力だけで… 腕の力だけで…ホールドを解いている…!?」

ライナー「っがぁぁぁぁぁぁ!!!」ブンッ!!

リヴァイ「チッ…!!」


アルミン「戻したぁぁぁぁぁ!!! 強引に体勢をっ!!! 戻したぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「と、とんでもないパワー…!! 人一人背負って、あの体勢から逆立ちっ!?」

アルミン「こ、これがヘビーとジュニアの差なのかっ!? その壁はかくも厚い物なのかっ!?」

アルミン「体格の差は…!!! 経験や才能では…埋められない物なのかぁぁぁぁぁ!!!」

ライナー「やってくれたな!! この野郎っ!!」ブンッ!!

リヴァイ「っぐ…!」ズダンッ!!

ライナー「お前のタフネスには驚くばかりだ… だが、新日のエースというなら…!」

ライナー「俺のバックドロップを受けてから… 余裕顔をしてみせろ…!」ガシッ!


アルミン「あああ!!! しがみ付くリヴァイ選手を首投げで引き剥がし、バックをとったぞぉぉ!!」

アルミン「脇から首を入れ… こ、これは…!! 出る!! 世界のバックドロップゥゥゥ!!!」

ライナー「受身なんぞとらせんぞっ!! ッオオオオオォォォォ!!!」ブンッッッッ!!

リヴァイ「――っぐがぁぁぁっ!!!!?」ズドォォォォォォォォォン!!!!


http://www.youtube.com/watch?v=t9nqkplntew



ペトラ「選手長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ジャン「な、何て音だよっ!!」

エレン「ああ…!! リングから出るような音じゃねぇぞこれ…!!」


アルミン「根こそぎ持っていったぁぁぁぁぁぁ!!! 世界を取ったバックドロォォォォップ!!!」

アルミン「まさに岩石落としぃぃぃ!!! とてつもない轟音が、ドームに響き渡るぅぅぅ!!!」

アルミン「これはもう自動車事故っ!! それも大型トラックが正面衝突したかのような爆音だぁぁぁぁ!!!」

アルミン「こ、これはジュニアに耐えられる衝撃じゃないよ…!! リヴァイ…立てるのかぁぁぁぁ!!!」

リヴァイ「……っ …ぐ…!」

ライナー「……はっ! 立てないのか…?」

ライナー「俺はフォールなんぞしないぞ…! 立って…痛っ!?」

ライナー(首が…! さっきのドラゴン・スープレックスで…首をやられていたか…!)

ライナー(……まあいい…! こいつはもう立てんだろう…!)

マルコ「…ワンッ!!」

エレン「あ、ああ…! カウントが始まっちまった…!!」

ジャン「駄目だ…! 立ち上がれそうにもねぇぞ…!!」

ミカサ「ライナーの高さから…あれだけの急角度… しかも渾身の力を込めて…!」

ミカサ「普通は立てない…! 脳震盪を起こしていてもおかしくはない…!」

エレン「で、でも…! 選手長だぞっ!? 俺たちとは…!!」

ペトラ「何も変わらないわ…! 選手長だって人間… 英雄だからって無敵だとでも思っているの!?」

ペトラ「怪我もすれば出血もする…! 骨だって折れるし間接だって外れるっ!!」

ペトラ「選手長はいつだって… 試合が終わればボロボロなのよっ!!」


マルコ「…ツー!!」

エレン「え… そ、その… すみません…」

グンタ「ペトラ、やめろっ!! …ルーキーに怒ってどうする!!」

エルド「そうだぞ! 気持ちは解るが、仲間内で口喧嘩している場合じゃない!」

ハンジ「…まあ、この子らの歳じゃね… そういう風に思っても仕方ないさ」

ペトラ「だって…! 何も解ってないじゃない…!! 完全無欠なレスラーなんて…いないのよっ!!」


リヴァイ「ああ… その通りだな ペトラよ」

ライナー「なっ!?」

マルコ「…スリィィィ!!」

リヴァイ「完全無欠なレスラーなど、この世にはいない…」

リヴァイ「どんな奴にだって弱点はある… なければ作るまでだな」

ペトラ「せ、選手長…! 起き上がっては駄目ですっ!!」

グンタ「おい、ハンジ…! 試合は続行できるのか…!?」

ハンジ「…んー 頭を打ってるから、ちょっと心配ではあるけど… リヴァイがドクターストップなんて許すはずないよね」

ジャン「い、いや… それでも止めるのがドクターなんじゃないですか…?」

ハンジ「まぁ、そうなんだけどね でも、リヴァイは怒ると怖いしなぁ…」

エルド「あ、ああ… 3時間キャメルクラッチとか普通にしてくるからな…」


マルコ「…シィィィィィックスゥゥ!!!」

リヴァイ「……十分休ませてもらった もうカウントは止めていい」ムクリッ

マルコ「は、はぁい!!!」

ライナー「……」

リヴァイ「……なんだ 立てないと思っていたのか?」

ライナー「……そうだな 正直驚いている」

今日はここまで

>>304
確かにちょっとおかしいですね
ここが気になったので訂正します

× アルミン「両脇から相手の腕を極め、身動きが取れない状態からのバックドロップゥゥゥ!!!」

○ アルミン「両脇から相手の腕を極め、身動きが取れない状態からのスープレックスゥゥゥ!!!」

>>301
訂正へのレスし忘れてました

× アルミン「両脇から相手の腕を極め、身動きが取れない状態からのバックドロップゥゥゥ!!!」

○ アルミン「両脇から相手の腕を極め、身動きが取れない状態からのスープレックスゥゥゥ!!!」

>>132
脱字ありました

× エレン「必ず…必ずお前を… ノックアウトしてるっっっ!!!」

○ エレン「必ず…必ずお前を… ノックアウトしてやるっっっ!!!」

リヴァイ「馬鹿言うな お前をリングに沈めない限り、俺は倒れん」

ライナー「…はは だろうな… あんたの闘志は本物だ…!」

ライナー「だが、その足…いや、腰か? 痛みから来る痙攣を起こし始めているぞ」 

ライナー「もう、立っているだけで精一杯なんじゃないか?」

リヴァイ「……」

ライナー「無理はするな これ以上勝負を続ければ、二度とリングに上がれなくなるぞ…!」

リヴァイ「……敵相手に心配事か? 随分と余裕があるな」

リヴァイ「……俺もてめぇの心配をしてやるよ …肩 …張っているぞ」

リヴァイ「首を痛めてるな… それもさっき… 俺のスープレックスでな」

ライナー「!」

リヴァイ「……予告しといてやる 俺はその弱点を逃しはしない」

リヴァイ「腕が折れようが、肩が外れようが、腰が砕けようが… 必ずだ」

リヴァイ「必ずお前の首を狙う…!!」ギロッ…

ライナー「っ!!」

ライナー(…こいつ本気か…? 本気で言っているのか…?)

ライナー(…自身の選手生命を賭けて… 俺の首を壊す…!?)

リヴァイ「……」

ライナー(…こいつの目…!! なんて凄みがありやがる…! こいつは…!!)

ライナー「ぐっ…!!」

ベルトルト「…ライナーの様子がおかしい」

アニ「……怯えているの?」

ベルトルト「…かなり肩に力を入れてるね 無意識かな?」

アニ「うん… 多分、首を怪我してる…おそらく捻挫 それを無意識に体が庇っているみたいだね…」

ベルトルト「…首か…! ちょっとまずい部位だ…!」

アニ「ストップをかけた方がいいんじゃない?」

ベルトルト「……その用意はしておくべきだね」

グンタ「…こりゃ駄目だ 完全に殺る気スイッチ入ってるぞ…」

ペトラ「選手長!! だ、駄目ですって!! 何で試合を続けようとしてるんですかぁぁぁ!?」

エルド「あの腰で続ける気か!? 体震えてるじゃないか…!」

ハンジ「…それだけじゃないよ 受身も取り損ねてるから、体の節々にもダメージが蓄積してる…」

ハンジ「顔に出してないだけでもう一杯一杯… 立ってる事ですら相当な苦痛だと思うね…」

エレン「……」

ハンジ「……エレン 失望したかい? 新日の英雄が、本当は自分たちと何も変わらないレスラーだと知って…」

エレン「い、いえ…! そんな事は… …でも」

エレン「……でも、何故まだ戦おうとするんですか…? 腰なんて壊したら選手として致命的ですよ!?」

ハンジ「そうだね… じゃあ、君ならどうする? すぐにでもレフェリーに止めてもらって、試合を終わらせるかい?」

エレン「…………いえ、戦います 勝つまで… 止めません!」

ハンジ「……ふふ やっぱり君とリヴァイは似ているよ 君にも執念のプロレスリングの魂がある」

ハンジ「違うとすれば…そうだね 落ち着きかな」

エレン「落ち着き…ですか?」

ハンジ「そう、落ち着き… 執念だけじゃ試合に勝つ事は出来ない… チャンスを掴む落ち着きが必要だよ」

ハンジ「そして今はリヴァイを見ることさ…! あいつの戦いから… 全てを学ぶんだ!」

エレン「……オス!!」

リヴァイ「……どうした? 余裕顔が消えているぞ?」

ライナー「…ぬぅ…!」

リヴァイ「……いいか、必ずだ 忘れるなよ」ジリッ…

ライナー「ぐっ…!」ズサッ!


アルミン「っ!? 詰め寄るリヴァイ選手に… ライナー選手が後ずさりを…!?」

アルミン「な、なんだ…!? 何が起こっているんだ!? 追い詰められたのは選手長じゃなかったのか!?」


アニ「…まさか 怪我を感づかれている…!?」

ベルトルト「っ! …ますますマズい状況だよ…! 藤波リヴァイは壊し屋としても一時期名を馳せたんだ…!」

ベルトルト「確実に… 狙ってくる…!!」

ライナー(…ぐぅぅ!! こいつ…!! またドラゴン・スープレックスを狙っているのか…!?)

ライナー(接近するのは危ない…! 後ろを取られる…! 投げ技は…バックドロップは危険だ…!)

リヴァイ「……」ジリッ…

ライナー(…どうする!? ラリアット…? ロープに振ってからのニー)

リヴァイ「―!」ザッ!!

ライナー「っあぁ!?」ガシッ!

リヴァイ「ほら 決めてやる…!!」


アルミン「!!! リヴァイ選手っ!! 行ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「素早い動きで相手の脇を抜けっ!! 後ろに付いたぞぉぉぉぉぉぉ!!!」

アルミン「超高速っ!! ジュニアの利点っ!! スピードを生かした奇襲戦法ぉぉぉぉ!!!」

リヴァイ「受身はとらせねぇからな…!!」

ライナー(っが!? 駄目だ!! 次食らったら…!! 食らったらっ!!)

ライナー「っあ゛ぁぁぁぁぁ!!!」ブンッ!!! ダダッ…

リヴァイ「ぐっ!!」ズダッ!!


アルミン「あ、ああ…!! 後ろに付いたリヴァイ選手を…力任せに振りほどいた…!!」

アルミン「ラ、ライナー選手…!! 相手の技を…避けたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ライナー「―なっ!!!?」

ベルトルト「!? ライナーが逃げた…!?」

アニ「あいつが技を逃げる所…初めて見た…!!」

ベルトルト「これは…ただ事じゃないよ…!!!」


ライナー(お、俺が相手の技を…避けただと!? 受けずに…!?)

ライナー(王道プロレス…その理念のひとつ…!! 受けの美学を無視してっ!?)

ライナー(リヴァイの執念…! ストロング・スタイルに…俺の王道プロレスが…!? 戦士が…!!)


ライナー「……認められん!!! 認められるかっ!!!!」

リヴァイ「…ッチ うるせぇな」

ライナー「…藤波リヴァイッ!!! ぶっ潰してやる…!!」

ライナー「覚悟しとけよこの野郎っっっ!!!!」スッ!

リヴァイ「っ!」

リヴァイ(……ラリアット もう接近はさせてくれないようだな… なら、あれで決めるしかない)

ライナー「次で勝負を…終わらせてやるっ!!」

リヴァイ「……ああ 俺も早く終わらせたいと思っていた所だ」スッ!


アルミン「!!? え、えええ!!? りょ、両者…右腕を上げた…! ダブルラリアット予告…!?」

アルミン「二人…二人同時にラリアット…!! ラリアット対決ですっ!!!」

アルミン「まるで荒野のガンマンっ!! 二人の決闘が…始まってしまうぞぉぉぉ!!!」

ジャン「ラ、ラリアットをラリアットで受けるつもりかよ…!?」

ミカサ「体重で負ける…!! それは解っているはずなのに…!」

エルド「いや…選手長はそこまで無謀な人じゃない… 何か策があるんだろうが…」

グンタ「…まさか! あれでカウンターを狙うつもりじゃないだろうな…!?」

エルド「あれ…?」

グンタ「ああ…! あの目つき…首筋を狙ってる…!!」

エルド「首筋…! …いや、合わせられないだろ! 相手は走りこんでくるんだぞ!」

ハンジ「…決まるかどうかは置いておくとして、リヴァイが狙っている事は確かみたいだね…!」

グンタ「ああ…! だが、選手長もラリアットを受ける事に…しかも空中でだぞっ!?」

ハンジ「…あいつ、賭けてるよ 次の一撃に…!」

ライナー「っ!? ラリアットで勝負する気か…!?」

リヴァイ「残念だが違うな… だがまぁ…致命的な一撃にはなるだろう」

ライナー「っぐ! 舐めるなっ!! ッオオオオオオオ!!!!」ダダダダッ!!!

リヴァイ「…っ!!」ダダダダッ!!


アルミン「っ!? 両者っ!! リング中央に向け走りだしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「今っ!! 今ここトロストドームでっ!! とんでもない決闘が行われておりますっ!!!」

アルミン「巨人の進撃にただ一人っ!! 真っ向から…真っ向から立ち向かう新日のエースっ!!」

アルミン「猛牛と竜っ!!! 互いが互いを目掛けっ!! 弾丸のように疾走ぉぉぉぉぉ!!!」

アルミン「これで…勝負がっ!? あ、ああ!? リヴァイ選手、飛んだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

まさにそれは互いの信念を賭けた決闘だった…!

ライナーは、リヴァイの執念に気おされた自分を否定し、もう一度王道の輝きを自分の胸に取り戻すために…!

リヴァイは力量、体格、全てを上回る敵に対しても、立ち向かい続ける新日のエースとして…!

猛牛の猛々しい咆哮…!! 竜の静かな眼光…!!

二つの意地が激突する直前、リヴァイは飛んだ…!! 飛竜の如く…!!

ライナー(っ!? インパクト直前…俺の横で垂直飛び…!!!!?)

ライナー(足が…伸びてくる!? レッグラリアット!? 違うっ!! 逆の足…!!?)

ライナー(――しまった!!? こいつの狙いは…俺の……!!!)

リヴァイ「―ッラァァァァァァァァァァッ!!!!!」ザァッッッッ!!!!

ライナー「ッオオオオオオオオォォォォォ!!!!!」ゴォォォォォォ!!!!

リヴァイ「っっっ!!!?」メキッッ!! ゴキッ!!

リヴァイ(チッ! 空中でラリアットなんて受けるもんじゃねぇな…!)

リヴァイ(だが……削いだぞ 確実にな…!)

ライナー「オオオオオオオォォッ!? っが――」スパァァァァァァン!!!!
 
http://youtu.be/6jylQ2jZXdA?t=2m48s


アルミン「う、嘘だろ…!? ラリアットに…延髄斬りを…合わせたっ!! 合わせたぞォォォォ!!!」

アルミン「藤波リヴァイ…!! 全日最強レスラーにっ!!! 延髄斬りで対抗したぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「ラリアットの拳が顔面にめり込みながらもっ!! その脛はしっかりと相手の首に入っているぅぅぅ!!!」

アルミン「師匠っ!! アントニオ猪木直伝っ!! 命を賭けた捨て身の延髄斬りぃぃぃぃぃぃ!!」 

アルミン「ライナー選手の脇下を抜けた斬撃がっ!!! 首筋を叩き斬ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

リヴァイ「っがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」ズダァァァァァァァン!!!

ライナー「」ズサァァァァ!!!

リヴァイ「…っ…! がぁっ…!!」

ライナー「」


アルミン「あああああ!!! ダブルダウンッ!!! 両者、マットに倒れこんだぁぁぁぁ!!!」

アルミン「首筋を切り裂く乾いた音っ!! 顔面を破壊する鈍い音と共にっ!! 二つの体がマットに叩きつけられたぁぁ!!」


ペトラ「選手長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

ジャン「きりもみしながら落ちたぞ…!!!」

エルド「まずいな…! 表情がかなり歪んでいる…! 頬骨割れてんじゃないか!?」

ミカサ「…ライナーが…動いてない…?」

クリスタ「神経の集まる脊椎…それも首筋への衝撃… 意識を失っているのかも…!」

マルコ「…ワン!」

リヴァイ「…っつ! ぐ…!!」モゾ…

リヴァイ(顎、頬それと脇腹… しばらくプロレスは無理だな…)

ライナー「」

リヴァイ(意識を失ってるか… 捻った訳じゃないんだ… 後遺症はないだろ…)


ペトラ「選手長…!! 動かないで…!! 動かないでください!!」

エレン「た、立てるのか…!?」

ジャン「…無理だろ…! 目の焦点が合っていない… 軽く脳震盪を起こしてるぞ…」

エレン「いや…立つ気だぞ…あれ…!」

ハンジ「…馬鹿だね 暫く待てばレフェリーストップだってのに…」

ハンジ「君、手伝ってくれる? ズタボロの英雄様が帰ってくるよ…!」

クリスタ「は、はい…!」

マルコ「…ツー!!」

リヴァイ「…っぐぅ! がっ!」ヨロ…


ペトラ「っ!? ちょ、ちょっと…安静にしててくださいよぉぉぉぉぉ!!!」


リヴァイ「……っっっあ゛あ゛!!」ズズ…!


ペトラ「立ち上がっちゃ駄目ですってばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


アルミン「っ!! リ、リヴァイ選手…膝を立てた…! マットに膝を立てたぞっ!!」

アルミン「頼りない足取りではありますがっ!! 確かに…確かに彼は…立とうとしておりますっ!!」

アルミン「それに対し、ライナー選手… 気を失っているのか!? ピクリとも動かなぁぁぁぁい!!」

マルコ「…スリィィィ!!」

マルコ(あ、あれ…? これカウント続けていいのかな…?)

マルコ(ライナーはどう見ても気を失ってるし… レフェリーストップした方が…)

マルコ(…あれ? どうだっけ? 僕の権限で勝負決めても良かったんだっけ…?)

マルコ(…っ! 教官に誤審で野次飛ばされるって言われたし…! ど、どうしよう…!)

マルコ「…フォォォォォォォォ!!!」

マルコ(あ、カウント進めちゃった…! い、いいのかな? いいのかな?)


ペトラ「ちょっとレフェリー!! はやく試合止めてよ!! どう見てもライナーは動けないでしょ!!」


マルコ「っ!?」

マルコ(あ、ああ…! 怒られちゃった…!)

マルコ(で、でも…! レフェリーストップはサブミッション中だけじゃ…? あれ、違う…?)

マルコ(え… どっち? どうなの? ああ、混乱してきた…!)

マルコ「…ファァァァァァイッブゥゥゥゥゥゥ!!!」

マルコ(あ、カウント進めちゃった…!)

リヴァイ「っう゛ぅぅぅぅ!!!」グググッ…


アルミン「た、立つ…立つぞ…!! 新日の竜が…エースが…立ち上がるぞぉぉぉぉ!!!」

アルミン「不屈っ!!! 不屈の精神っ!!! 何者にも負けない… 消えぬ炎の闘志ぃぃぃぃぃ!!!」

アルミン「レジェンドっ! アントニオ猪木選手から脈々と受け継がれるストロング・スタイルッ!!!」

アルミン「その体現者が…っ!! 今っ!! 私たちに… 教えてくれるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

アルミン「燃える闘魂とはっ!! こういう事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

リヴァイ「っあ゛あ゛あ゛あ゛あああぁぁぁ!!!」ズダッ!!!


エレン「…立った…!!」

ジャン「膝が笑ってる… 目だって虚ろ… それでも… しっかりと立っている…!」

グンタ「……ああー やっぱ頬いってるぞこれ…」

エルド「腫れてるなぁ… 腰だってもう限界超えてるだろ…」

ハンジ「…うん これはちょっと休養させないとね…」


アルミン「立った…!! 立ち上がった…!! 立ち上がったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

アルミン「痛々しい…あまりにも痛々しい姿ではありますが… 彼はっ!! 立ち上がりましたっ!!」

アルミン「っ!? 会場の…観客も…サシャ以外は総立ちっ!? スタンディングオベーションでっ!!」

アルミン「我々の英雄の生還を… 称えているぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

マルコ(あ、ああ…! 立っちゃった…!! あれ? これカウント続けていいのかな?)

マルコ(…これ、ライナー絶対起き上がらないだろ…! 白目むいてるし…)

マルコ(う、腕を三回上げて全部落ちればレフェリーストップだっけ…? だよね…そうだよね…!?)

マルコ(で、でも… もうカウント続けてるし… うう、どうしよう…!!)

マルコ「セェェェェェブゥゥゥゥンンンンン!!!」

マルコ(あ、カウント進めちゃった…!)


ペトラ「ヘボレフェリィィィィィィ!!! 何してんのぉぉぉぉぉぉ!!!」


マルコ「っ!?」

マルコ(こ、怖っ!! すっごい怒ってるよ…!! うわ… あんな目で睨まれたの初めて…!!)

マルコ(あ、あああ…! もうっ!! さっさとカウント進めよう…!!)

マルコ「エイトッ! ナインッ! テェェェェェェェェェェェン!!!」


カァン! カァン! カァァァァァァァァァァン!!!

今日はここまで

アルミン「ゴングがなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルミン「勝者っ!! 藤波リヴァイィィィィィィィィィィィ!!!!」

アルミン「見事…見事っ!! 全日をノックアウトッ!! リングにッ!! 予告どおり沈めたぁぁぁぁ!!!」

アルミン「新日の竜が…! 僕らに…見せてくれたぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

アルミン「それはっ!! 『闘魂』の二文字だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


リヴァイ「……」

リヴァイ(…駄目だな 足の感覚がねぇ… 腰の痛みで麻痺してるな)

リヴァイ(俺の両足はちゃんとマットに立っているのか? っ!?)フラッ

ペトラ「選手長っ!!」ガシッ

リヴァイ「…ペトラ」

ペトラ「ば、馬鹿じゃないですか…!? 腰壊したらどうするんですか!?」涙ボロボロ

ペトラ「もう…プロレスできなくなる所でしたよ…!」

リヴァイ「…うるせぇな 肩貸せ、一人じゃ歩けねぇ」

ベルトルト「ライナー! おい、ライナー!!」ユサユサ

ライナー「…んっ… っつ!?」ガダッ!

アニ「気がついたようだね…」

ライナー「…!? なんだ…!? なんでお前らがリングに入っている!? あいつはどうした!?」

アニ「…試合は終わったよ」

ライナー「何言ってやがる! いいからリングから出ろ…!」

ベルトルト「…残念だけど君は負けた 10分43秒…延髄斬り…ノックアウトだ」

ライナー「な…!? 信じられるかっ! 俺はまだ動けるんだぞ!!」

アニ「…そうだね あんたの怪我はまだ軽い… それでも負けたんだよ 認めるしかない」

ライナー「ッ…!!」

ベルトルト「藤波リヴァイは重症だよ 最後のラリアットの時、鈍い音が聞こえた…恐らく骨折もしている」

アニ「それでもあんたに見事延髄斬りを決め…マットに沈めた」

ベルトルト「…まさに執念…いや、怨念のプロレスだった あれで恐怖を覚えないレスラーはいない…」

ベルトルト「…僕らの王道プロレスよりシュートに近いファイティングスタイル…これほどの物だったとは」

ライナー「…俺は…技でも力でも体格でもなく…奴のストロング・スタイルに負けたというのか…っ!!」

アルミン「一階席…二階席…その端までっ!! 全観客が…全新日ファンが見守る中っ!!!」

アルミン「セコンドに支えられ…勇者が…伝説がリングを降りていきますっっっ!!!」

アルミン「藤波リヴァイ…その名勝負数え歌の中に…新たな一ページが刻まれましたっ!!!」

アルミン「それは今日っ!! ここトロストドームで行われたっ!! 藤波リヴァイ対ライナー鶴田戦!!!」

アルミン「10年…20年…30年ッ!! 幾年月が流れようともっ!! 決して色あせない名勝負でありましたぁぁぁ!!!」


ペトラ「…うぅ 本当に…馬鹿なんですから…」グスッ

リヴァイ「……」

ハンジ「…お疲れさん また随分派手にやられたね」

グンタ「選手長…! 今回ばかりは冷や冷やさせれられましたよ」

エルド「ほら、この指何本に見えます?」

リヴァイ「…三本」

ハンジ「あ~ 駄目だこりゃ」

ハンジ「…んー 頬は恐らくヒビが入っているね あばら骨は三本くらい骨折してるかな 腰は…まあ悪化は覚悟しといて」

リヴァイ「…そうか」

エルド「…ハンジ 嬉しそうだな」

ハンジ「まぁーね 治療しがいがあるよ!」

ペトラ「ほら、病院に直行しますよ! 頭部のスキャンもとってもらわないと…」

リヴァイ「馬鹿言うな まだ戦いは終わっていない」

グンタ「はぁ!? こ、ここで観戦するつもりですか!?」

リヴァイ「当たり前だろ …新日の命運が懸かってる 離れるわけにはいかない」

エルド「い、いや…そんな事言っている場合じゃ…!」

グンタ「そうですよ! 次は俺が出ますから、選手長は病院に…!」

ハンジ「駄目駄目! リヴァイはこうなったら絶対言う事聞かないから」

ペトラ「もう…! 本当に頑固なんだから…」

クリスタ「で、でも…! 頭を何度も打っているですよ!? 骨折や腰の事だってあるし…それを放置して観戦を続けるのは…」

リヴァイ「鎮痛剤がある 今日の試合終了までは持つだろ」

ハンジ「…まあ意識ははっきりしているから、安静にしていれば大丈夫だとは思うけど…」

ハンジ「とりあえず肋骨にはギプスを巻かせてもらうね 頬は氷で冷やしときゃいいでしょ」

リヴァイ「…ああ」

クリスタ(ええ…!? そ、そんなのでいいの…!? 適当すぎない…!?)

アニ「…ライナー 大丈夫?」

ライナー「…ああ 首を動かさなければな」

ベルトルト「コルセットを嵌めてるんだ…無理な負荷はかかってないはずだよ」

アニ「病院へは?」

ライナー「戦いの最中にそんな事は出来ん… この試合、俺はここで最後まで見届ける…!」

アニ「そう… でも、向こうに戦える選手は…もう闘魂三銃士くらいしか…」

ライナー「…すまんな エレンをリングに上げるつもりだったんだが…」

アニ「…しょうがないよ 藤波リヴァイ…一度は戦ってみたくなる相手だよ」

ライナー「…そして見事負けた… ようやく受け入れられそうだ…」

アニ「…ベルトルト、どうするの? このまま闘魂三銃士と戦うつもり?」

ベルトルト「いや…僕らの目的はあくまでエレンだよ 次はなんとしてもリングに引きずりだすさ…!」

ハンジ「じゃ、我慢してね ちょっとキツ目に巻くから…」ググッ

リヴァイ「……」

クリスタ(うわ…脂汗でてる… 表情かわらないけど…)

ジャン「しかし、勝ててよかったな…」

ミカサ「ええ それにベテラン選手も駆けつけてくれた…もう私達ルーキーがリングに上がる必要はない」

ユミル「ああ…コニーならともかく、ベルトルトは私達じゃ手に負えそうもないからな」

エレン「…何言ってるんだ…! 次こそは俺が出るぞ…!」

ジャン「おい、エレン…次の相手は天下の馬場だぞ?」

ミカサ「それに足だって怪我をして…」

エレン「足の腫れはもうひいている… 今なら行けるさ…!」

ジャン「そういう問題じゃないだろ! ベルトルトは恐らく…ライナーよりも強力な選手なんだぞ…!」

エレン「んな事は解ってるんだよっ!!」

ミカサ「いえ…エレンは何も解っていない…! 今度は腫れるだけじゃすまない…!」


エルド「…あのルーキー、まだあんな事いってるのか…」

グンタ「血の気が多いのは結構な事だが…状況が見えてないな…」

リヴァイ「……」

ペトラ「…? 選手長、どうしたんです?」

リヴァイ「………おい、お前」


エレン「っ!? お、俺ですか…!?」

リヴァイ「ああ…… 名前を言え」

エレン「オスッ! エレン・イェーガーですっ!!」

リヴァイ「エレン………お前は次の試合に出たいか?」

エレン「……はい!」

ペトラ「ちょ、ちょっと選手長!」

エルド「……ルーキー 言いたくはないが、お前には無理だ!」

グンタ「ああ… 次の相手は恐らく馬場… 俺が出ても勝てるかどうか…! シャイニングウィザード決めれるかな…?」

リヴァイ「お前ら落ち着け… 俺がこいつと話してるんだ」

リヴァイ「エレン… お前は間違っていない やりたきゃやれ」

ペトラ「選手長! 何を言ってるんですか…!」

リヴァイ「俺にはわかる… こいつは本物の執念を持っている」

リヴァイ「どんなキツい腕ひしぎ三角固めでも…地味に激痛の走るアキレス腱固めでも…こいつの闘志を挫く事は出来ない」

リヴァイ「お前とこいつらの判断の相違は経験則に基づくものだ だがな…」

リヴァイ「そんなもんはアテにしなくていい… 戦え」


エレン「ッオオッッッッッス!!」

ミカサ「エレン…!!」

エレン「ミカサ…俺はリングに上がるぞ…! もう止めるんじゃねぇ…!!」

エルド「いいんですか…選手長!?」

リヴァイ「ああ…… 多分な」

グンタ(多分って……)

ミカサ「…エレン、わかった もう止めない…でも、私をセコンドに付かせて欲しい」

ミカサ「そして…私の指示をよく聞いて」

エレン「……ああ」タッ!


アルミン「!!! 激戦の興奮がいまだ残るリングに…! 誰か上った……あれは…!?」

アルミン「エ、レン…? エレンじゃないか…!! まさか…エレンが出るっていうのか…!?」

ライナー「…ほう 誘うまでもなかったようだな」

アニ「……あいつ、勝てると思ってるの…?」

ベルトルト「ふふ… やっぱりエレンの闘志は本物だ…! 期待できるよ…!」

ライナー「…ベルトルト、行くのか?」

ベルトルト「……いや、まだ行かない エレンにはまだ…『燃える闘魂』が備わっていない」

アニ「…じゃあ」

ベルトルト「うん… 彼なら…エレンの闘志を昇華させてくれるはずさ…! 彼って言っていいのかわからないけど…」

ライナー「まぁ… 性別不明だからな…」

アルミン「エレン・イェーガーっ!! リング中央で仁王立ちっ!! 真っ直ぐにベルトルト選手を睨みつけおりますっ!!」

アルミン「足の怪我は…もういいのかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」


マルコ「エレン…大丈夫なのか…!?」

エレン「ああ… もう試合しても大丈夫だ 選手長もそう言ってくれたしな」

マルコ「そ、そうか…」

エレン「お前こそ大丈夫か? 何試合もぶっ続けでレフェリーして…」

マルコ「うん… 栓抜き食らった所はまだ痛いし…ちょっと気分的に凹んでるけど…いけるよ!」

エレン「そうか… 俺の試合のレフェリーも…頼んだぞ」

マルコ「ああ… 任せてくれ!!」

マルコ(なんか…今日初めて気にかけて貰えた気がする…)グスッ

エレン「……ベルトルトォォォォォォォォ!!!」


ベルトルト「…!」


エレン「さっさと…! リングに上がれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

エレン「決着をつけてやるっ!!」


ベルトルト「…エレン!! それはまだ早いようだよ…!! 実はもう一人…一匹…いや一人! 選手がいるんだ…」

ベルトルト「君にはまだ、戦ってもらわなくちゃいけない……!!」


エレン「な…てめぇ!! 約束と違うだろっ!!」


ベルトルト「ふふふ…大丈夫…!! 君もきっと満足してくれるさ…! そして、新日にとっても面白い相手だと思うよ…!!」

ジャン「ああ…!? 次の相手は…ベルトルトじゃないのか…!?」

ユミル「あの野郎…!!」

グンタ「新日にとっても…? どういう事だ…?」

エルド「さあ…わからん」

リヴァイ「……」


ベルトルト「次の相手は…君を大きく成長させてくれる事だろう…!!」

ベルトルト「特別に彼…? 彼女…いや、彼が新日に参戦していた時の入場曲で…迎え入れようか!」


http://www.youtube.com/watch?v=wp5VPlFcmHc

リヴァイ「っ!? ……これは…!」

エルド「お、おい…!! こ、この曲って…!!」

グンタ「あ、ああ…!! これは確かに…俺たち新日にとっては…まさに因縁の相手…!!」

ジャン「あの…ブッチャーと並ぶヒールレスラー……!!」


アルミン「あ、あああ!!? こ、この曲は…! かつて…我らがアントニオ猪木選手と何度も死闘を繰り広げ…」

アルミン「猪木といえばこの人…! まさにライバルともいえる存在の…!? あああっとぉぉぉ!! 花道に人影ですっ!!」

アルミン「…え? ひ、人? 人…? ……あれは…人じゃないだろっ!! 猿じゃないかっ!!」


獣「ここはなんという場所ですか?」


ベルトルト「そう…! 彼…もう彼でいいや、彼は君たち新日のレジェンド、アントニオ猪木に何度も苦渋を舐めさせた…」

ベルトルト「あのタイガー・ジェット・シンの虎を継ぐ者… タイガー・ジェット・猿だよっ!!」


エレン「タイガー……!」

ミカサ「……ジェット!」

ユミル「猿……!」

アルミン「なんっとぉぉぉぉ!!! ここで全日っ!! 外人選手ならぬ人外選手を投入してきたぁぁぁぁ!!」

アルミン「その名もタイガー・ジェット・猿っ!! あのインドの虎、タイガー・ジェット・シンを継ぐ者だぁぁ!!」

アルミン「確かに猿の頭にはターバンっ! そして右手には…守護神であるサーベルが握られておりますっ!!」

アルミン「一時は新日にも参戦していたシン選手でありますが…! その凶暴性は折り紙つきっ!!」

アルミン「猪木選手との間に出来た遺恨により、幾度にも渡って戦いあった選手でもありますっ!!」

アルミン「つ、つまり…この試合…!! 全日はあの時の様に…虎を使って僕達新日を潰すつもりなのかぁぁぁ!!?」

アルミン「現代に蘇った虎が…!! 再び新日に飛び掛ろうとしているぞぉぉぉぉぉ!!!」


エレン「……虎だろうが猿だろうが関係ねぇ…! 必ず…リングに沈めてやる…!!」

獣「へー 君が対戦相手なんだね」

エレン「ああ…!」ギロッ

マルコ(うわー… 猿ってプロレスとか出来るんだ…)

エレン「おい、マルコ…! 始めてくれ…!」

マルコ「あ、ああ…! それじゃあ…両者、見合って…! ッファァァァァァイ!!」


ゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!

藤波リヴァイの死闘の末に、強敵ライナー鶴田を打ち破った新日勢…

次なる相手は遂にベルトルトだと、勇みリングの上に立つエレン…

しかしその小さな勇者の前に現れたのは、虎を継ぐ猿…タイガー・ジェット・猿だった…!

人ならざる異色レスラーを前に、エレンはその闘志を滾らせる…!

次回、「インドの猿! タイガー・ジェット・猿!!」

ライナー:スタン・ハンセン
ベルトルト:アンドレ・ザ・ジャイアント
アニ:ダイナマイト・キッド

エレン:ハルク・ホーガン
ミカサ:タイガーマスク
アルミン:前田日明
ジャン:小林邦昭
マルコ:ミスター高橋
コニー:山田恵一
サシャ:船木優治
クリスタ:木戸修
ユミル:ビル・ロビンソン

ミーナ:剛竜馬
トーマス:ジョージ高野
うむ、
個人的にはこのようなイメージで宜しくお願いしたかった次第だがね。

ミーナを食った巨人:ソラール
トーマスを食った奇行種:デイビーボーイ・スミス

ミカサ「エレン!!

エレン「ん……?

ミカサ「起きて
もう帰らないと日が暮れる」

エレン「……?
…あれ?
ミカサ…
…お前…
マスクはどうした……?」

エレン「イヤッ…猪木さんがなんか
すっげーことを成し遂げたような気がするんだけど……
何だったっけ
思い出せねぇな…」

ミカサ「…!
エレン?
そのシャツの『一番』てプリントは何?」

エレン「え…?
え…!?」

エレン「言うなよ…誰にも
このシャツのこと」

ミカサ「……言わない
だって…それはこの国の文字じゃないし
私にそれが読めるなんて
一度おじさんに相談してみる?」

エレン「バカ言え!
親父に言えるかこんなこと」

ハンネス「どうしたエレン?」

エレン「!!
ハ…ハンネスさん」

ハンネス「何だそりゃ寒いのか?
この季節に上着のボタンを全部とめたりなんかして?
ミカサのマントみたいに新しいファッションか?」

エレン「は!?
なんでオレが寒いんだよ!
…って
酒くさ!!」

エレン「え……!?
また…飲んでる…」

ハンネス「お前らも一緒にどうだ?」

エレン「イヤ…あの…練習は?」

ハンネス「おう!
今日は腹筋だ!
一日中やっている訳だから
やがて腹が減り喉も渇く
飲み物の中にたまたま酒が混じっていたことは些細な問題にすぎねぇ」

エレン「そんなんでイザって時に闘えんの!?」

因みにハンネスさんは取り敢えずのところ北尾か高野弟のイメージで

ハンネス「……
イザって時って何だ?」

エレン「……!!
何言ってんだよ
決まってんだろ!
外敵がベルトを奪いに!!
リングに上がって来た時だよ!!」

ハンネス「おいエレン!
急に大声出すんじゃねぇよ…」

モブ駐屯兵「ハハハ…元気がいいな小僧
外敵がベルトを脅かすことがあったら
そらしっかりやるさ
しかしな
そんなこと旗揚げ以来一度もないんだぜ」

エレン「で…でも!
そうやって安心している時が危ないって
父さんが言ってたんだ」

ハンネス「まぁ…
確かにそうかもな
団体の旗揚げメンバーのイェーガー取締役には頭が上がらねぇんだけど…
でもなぁ…
トップになれれば常連外人勢との抗争とかで星の貸し借りやただデカイだけの急造マスクマンなんかとやり合える機会があるんだが…
ヤツらにうちのベルトの権威をどうこう出来るとは思えねぇんだ」

エレン「じゃあ
そもそも団体のトップを張る覚悟なんかねぇんだな!?」

ハンネス「ねぇな!」

エレン「なっ…なんだよ!!
もう『中堅レスラー』なんて名乗るのはやめて『万年平社員』にしろよ!!」

ハンネス「それも悪くねぇ!
しかしなエレン
外敵にベルトが脅かされるってことはそれは最悪の時だ…
オレ達がトップに上がれない『万年中堅の引き立て役』って馬鹿にされている時の方が会社的にはうまく回っているんだぞ?」

エレン「……!!」

モブ駐屯兵改めモブ中堅レスラー「ハンネスの言う通りだ
まったく…俺が俺がと長州さん逆らってまでトップに上がろうっていう連中の気が知れねぇ…
適当な世代抗争でも企画してればそれでいいんだよ」

エレン「一生ベルトを腰に巻けなくても……
適当にマッチメイクに従ってりゃ生きて行けるよ…
でも…それじゃ…
まるでただのサラリーマンじゃないか…」

ハンネス「…!!
まさかあいつ…
チャンピオンになりたいのか…?」

ミカサ「…エレン
新日トップはやめた方がいい」

エレン「なんだよ……
オマエもプロレスを八百長だってバカにすんのか!?」

ミカサ「……バカにするとか
そういう問題じゃ」

カンカンカンカンカンカン

モブマスコミ「海外遠征組が帰ってきたんだ!!
記者会見が始まるぞ!」

カンカンカンカンカンカン

エレン「…英雄の凱旋だ…!!

カンカンカンカンカンカン

行くぞミカサ!」

エレン「……!!

モブマスコミ「これだけしか帰って来れなかったのか…
今回もひどいな…

10人近くも修行に向かったハズなのに…
2人しかいないぞ…
…みんな…
現地で逃げちまったのか…」

ブラウン母「あの…息子が…
ブラウンが見当たらないんですが…
息子は…どこでしょうか…!?」

マサ斉藤「……!!
ブラウンの母親だ…
持ってこい……」

ブラウン母「……え?

マサ斉藤「現地のプエルトリコで悪徳プロモーターにだまされて…」

ブラウン母「う…うぅ…
…でも…
息子は…
会社の役に立ったのですよね……

何か直接のタイトルを得たわけでなくても!!
息子の行方不明は!!
会社の営業のプラスになったのですよね!!?」

マサ斉藤「もちろん―!
………
……

今回の遠征で…
我々は…今回も…
………!!
なんの成果も!!
得られませんでした!!

私が無能なばかりに……!!
ただいたずらに新人を浪費し…!!
有望なヤングライオンを育てることができませんでした!!」

モブマスコミ「……ひどいもんですね
無謀な海外マット進出なんて諦めたらどうなんですか!?
レスラーなんて税金の無駄遣いなんじゃないですか!?」

エレン「……!?

モブマスコミ「まったくですよね
これじゃあ国民の血税でアンタらにプロテインをやって大きくしているようなもんですよね

ホッ!?

なにすんだ
クソガキ!!」

エレン「何すんだよ!!
ヘビーウエイトをぶちまけたじゃねぇか!」

ミカサ「…エレン
新日に入団したいって気持ちは…
変わった………?」

エレン「!!
…………
手伝えよ拾うの…」

エレン「ただいま」

エレン父「おかえりなさい」

カルラ「遅かったのね二人とも」

エレン「イヤ…
まぁ……
色々あって…

アレ?父さん
今から出かけるの?」

エレン父「ああ
2つ上の街の親分さんに興行の挨拶だ」

ミカサ「…エレンが…
新日本プロレスに入りたいって…」

エレン「ミ…ミカサ!!
言うなって」

カルラ「エレン!!
何を考えているの!?
新日の若手へのかわいがりがどんにひどいか
海外修行に出された新人のあつかいがどんなものか分かってるの!?」

エレン「わ…分かってるよ!!」

エレン父「……
エレン
どうして外に出たいんだ?」

エレン「海外マットがどうなっているのか
何も知らずに一生無難に働いて
相応の給料をもらって暮らすなんて嫌だ!!

それに…
ここで誰も続く人がいなかったら
オレ達の後の子供の世代…
後の孫の世代のちびっこファン達の期待に誰が応えると言うんだ!」

エレン父「…そうか…
船の時間だ
そろそろ行くよ」

カルラ「ちょっと…
あなた!
エレンを説得して!!」

エレン父「カルラ…
人間の探求心とは誰かに言われて抑えられるものではないよ
………
……
…エレン
帰ったら…
ずっと秘密にしていた地下室を…
見せてやろう」

エレン「ほ…
本当に!?」

カルラ「…エレン
駄目だからね
新日本プロレスに就職するなんてマネ―

エレン「は!?
就職だって…!?
オレには…平凡なサラリーマンでも平気いられる人間の方が
よっぽどマヌケに見えるね!」

カルラ「………!!
…エレン

ミカサ
あの子はだいぶ危なっかしいから…
困った時は二人で助け合うんだよ」

ミカサ「うん!」

アルミン「どないやねん?
悔しいんやったら殴り返してみいや」

モブ不良少年「く…くそ
赤井さんがいてくれはったら
こんなデカイだけの在日野郎なんかに…!!」

アルミン「何やと!?」

モブ不良少年「俺等が言うてることをホンマやと認めとるから…
言い返せへんで殴ることしか出来へんのやろ?
そ…それは!
俺等に降参しとるってことちゃうんか!?」

アルミン「う…うるさいんや
この屁理屈野郎!!」

エレン「やめろ!!
何やってんだアルミン!!」
アルミン「あッ!?
エレンにミカサやないか
ちょっと待っといたってや
今からコイツらの口二度としゃべられへんようにしたるさかい」

エレン「オイ!
何言ってるだよアルミン!?
早く逃げないと警察が来るぞ!!」

アルミン「―それで在日はすぐに半島に帰るべきやとかほざきよったから
ちょっとばかし気合いを入れたっただけや」

エレン「くっそ―
在日ってだけでなんで白い目で見やがるヤツラがいるんだ」

アルミン「そりゃ…
日本人の島国根性ちゅうヤツちゃうんか
確かに俺等の中には戦後の混乱期のドサクサとかに勝手にやって来といて
自分等は『強制連行』されて来たんやとか言うとるような連中もおるんやけどな」

アルミン「もちろん力道山が在日やったちゅうのは有名な話なんやけどな
大木金太郎やってそうや
せやけど猪木さんや馬場やとか社会的成功者は誰でも在日呼ばわりするんはちょっとちゃうんとちゃうんか」

エレン「つまり島国根性丸出しのヒガミすぎっつー話だ!」

アルミン「…せやせや
せやけどホンマにそれだけでなんやろか?」

エレン「自分の力で成り上がるんだ
オレらの努力次第だろ!」

ミカサ「絶対駄目」

エレン「……

ミカサ「…駄目

エレン「そーいやお前
よくも親にバラしたな!!」

ミカサ「協力した覚えはない」

アルミン「で…どうやったんや」

エレン「そりゃあ

ミカサ「喜ばれはしない…」

アルミン「…そりゃそうやろな」

エレン「なっなんだよ
オマエもやめろって言うのか!?」

アルミン「いや…
そう言うわけとちゃうんやけどな
まぁ
親心ちゅうのはそう言うもんなんやろな」

アルミン「確かに公務員や終身雇用のサラリーマンは安定しとると信じきってるような連中はどうかとは思うけどな
旗揚げ以来一度も団体の権威が脅かされへんかったからや言うて
今日脅かされへん保証なんかどこにもあらへんちゅうのにな…」

ドォ!
ビリビリ

エレン「は……!?」

アルミン「な…何や!?」
エレン「地震か!?」

アルミン「はぁ?」

エレン「行ってみよう!!」

エレン「アルミン
一体何が…!?

オ…オイ…何が見えるってんだよ!?」

アルミン「そんな…アホな!!
あ…あのトップロープを……
か…軽々と…一跨ぎにするやなて……」

エレン「…あ……
…………
…ヤツは……

大巨人だ」

ドオオオオオオオオ

アルミン「あ……ありえへん
外人レスラーがいくらデカイちゅうても2mやそこらのはずや…!
トップロープを軽々と一跨ぎしてまうやなんて―」

エレン「!?
動くぞ!!」

ゴゴゴゴゴゴ

『二回からのヘッドバット』

ゴオ

ドッゴオオオ

エレン「……あ……

オオオオオオオオオオ

アルミン「………
け…健吾さんが…
一撃でやて…!?」

ザアアアアアアアアア

アルミン「逃げるんや二人とも!
早くせえへんと次々と外敵が上がってくるで!!」
アルミカ「エレン!?」

エレン「ストロング小林が吹っ飛ばされた先に家が!!
母さんが!!」

ミカサ「!!」

アルミン「ミカサ!!」

アルミン「うぅ……!!
もう…駄目なんや…
新日は…もう…
ベルトだけやあらへん
団体存亡の危機なんや!!」

エレン『ストロング小林はゲイのはずだ
母さんを襲うわけがないそれにとっくに逃げたに決まってる…
イヤッ
小林だって新日の所属レスラーだ
母さんを悪い外人レスラーから守ってくれている…はずだ』

エレン「母さん!!」

エレン「母さん…?」

カルラ「……エレンかい?」

エレン「ミカサ!
そっちを持て!!
この柱をどかすぞ!!
行くぞ!!
せーの!!」

ハタリハタマタハタリハタマタ

エレン「!!?
うッ…!!
あれはタイガー・ジェット・シン!?
そしてパートナーは上田馬之助だと!?
シンは…確か全日に引き抜かれた…はず
馬之助のヤツ…日本人のクセに!!」

エレン「ミカサ急げ!!」
ミカサ「わかってる」

エレン「急ぐんだ!!」

カルラ「わ…悪い外人レスラーが…
場外で暴れているんだろう?
エレン!!
ミカサを連れて逃げなさい!!
早く!!」

エレン「逃げたいよオレも!!
早く出てくれよ!!
早く!!
一緒に逃げよう!!」

カルラ「母さんの足はロープに絡まって
この柱をどかしたとしても動けない…
分かるだろ?」

エレン「オレがロープを噛みちぎるよ!!」

カルラ「どうしていつも母さんの言うこと聞かないの!
最期くらい言うこと聞いてよ!!
ミカサ!!」

ミカサ「ヤダ…イヤダ…
ズシンズシンズシン

カルラ「!!」

ズシンズシン

『皇帝戦士:ビッグ・バン・ベイダー』

ズシンズシンズシン

ズシン

カルラ「二人とも逃げて!!」

エレン「急げミカサ!!」
ミカサ「うん…!」

カルラ『このままじゃ
3人とも…!!』

カルラ「!!
ハンネスさん!!
待って!!
闘ってはダメ!!
子供たちを連れて…
逃げて!!
そんな腹周りのだぶついた練習不足ではベイダーには勝てないわ!!」

ハンネス「見くびってもらっちゃ困るぜカルラ!!
体格には恵まれているんだ
オレはこのデブをぶっ殺してきっちり3人とも助ける!
役員様の家族を救って会社にもたっぷりと恩を着せて―

カルラ「ハンネスさん!
お願い!!」

ハンネス『確実に…
確実に二人だけは助ける方を取るか…
このデブと闘って全員助ける賭けに出るか…
役員の人妻の願いに応えるか…
会社にたっぷりと恩を着せるには…
オレは―!!

ベイダー「ガンバッテェー!!(マスク脱ぎ捨て)
ハンネス「オレは…

エレミカ「!?

カルラ「ありがとう…」
エレン「オ…オイ!?
ハンネスさん!?
何やってんだよ!!
オイ…母さんがまだっ

カルラ「エレン!!ミカサ!!

ベイダー「パゥ!パゥ!

カルラ「生き延びるのよ…!!」

ベイダー「パゥ!

カルラ「…あ……
…い…
行かないで…

ベイダー「ガンバッテェー!!

エレン「やめろぉぉおおお

あ…………

ハンネス「いッ…!?
エレン!?
何を―

エレン「もう少しで母さんを助けられたのに!!
余計なことすんじゃねぇよ!!」

ハンネス「お前の母さんを助けられなかったのは…
お前にブックがなかったからだ…

オレが…!
ベイダーにセメントをしかけられなかったのは…
オレに実力がなかったからだ…」

エレン「……!!

ハンネス「すまない…

エレン「……うぅ

ハンネス「すまない…

ミカサ「…あぁ
またこれか…

モブフロント「これ以上は危険だ
早く試合を止めろ!!」

モブ現場屋「何言ってんだ
もうすでに大勢のお客さんが喜んでくれているんだぞ!!」

モブフロント「このタイトルが流出したら団体の権威の失墜どころの話じゃない!!
ただでさえギャラの張る連中の次の来日までに団体のストーリーをどうやってもたせるつもりだ!?」

モブ現場屋「目の前のファンの期待に応えない道理はない!!」

モブフロント「試合を止めろ!!
急げ!!
ハンセンが本部席に突っ込んで来るぞ!!」

モブ中堅「阻止しろ!!
会社命令だ!!
…駄目だ!!
やはり若手のタックルぐらいじゃとまらない―

まさに『ブレーキの壊れたダンプカー』だ!!」

ハンセン「ウィー!!

エレン『もう…あの家には…
二度と帰れない
どうして最後までロクでもない口ゲンカしかできなかったんだ!!
もう…母さんはいない!!
どこにもいない…
どうしてこんな目に…
日本人レスラーに花がないから?
花のないレスラーは不条理なブックにも従うしかないのか!?』

エレン「駆逐してやる!!
この世から…
一匹…
残らず!!」

坂口征二「旗揚げ以来のぬるま湯の代償は企業経営の大きな重荷となっている
我々はアントニオ猪木と言う一人のカリスマに依存し過ぎていたのだ
当時の危機意識では突然の『人間山脈』の出現に対応できるはずもなかった…
その結果…団体の有した二つのタイトルの流出を招き
人気そして視聴率の低迷
スポンサーからはゴールデン枠撤退も余儀なしとの声もある

坂口征二「今この瞬間にあの『一人民族大移動』が全日本に引き抜かれようとしていたとしても
何ら不思議ではない
今この瞬間こそ諸君らはその職務として靴底をすり減らす『スーツ組』に代わり
自らの肉弾を持って外敵という脅威に立ち向かってゆくのだ!
心臓を捧げよ!!」

練習生一同「ハッ!!!」

坂口征二「本日諸君らは『練習生』を卒業する…
その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する
呼ばれた者は前へ

主席
ミカサ・アッカーマン
得意技:旋回式ボディープレス

2番
ライナー・ブラウン
得意技:クローズライン
3番
ベルトルト・フーバー
得意技:エルボードロップ

4番
アニ・レオンハート
得意技:ダイビングヘッドバット

5番
エレン・イェーガー
得意技:ベアハッグ

6番
ジャン・キルシュタイン得意技:フィッシャーマンスープレックス

7番
マルコ・ポット
レフェリー志望

8番
コニー・スプリンガー
得意技:シューティングスタープレス

9番
サシャ・ブラウス
得意技:チョークスリーパー

10番
クリスタ・レンズ
得意技:膝十字固め

坂口「以上10名―

エレン「やっとここまで辿り着いた…
今度はオレたちの番だ
今度はオレ達が…
新日本を背負ってやる!!」

うむ、
しかしながらこの掲示板は誤字脱字、改稿ミスなどを後から修正出来得ないと言うのがいささか不満の次第なのだがね。

坂口「本日を以て練習生を卒業する諸君らには3つの選択肢がある
肉体の強化に努め団体の新たな屋台骨を担う『ヤングライオン』
犠牲を覚悟して海外の未知の強豪に挑む『海外遠征』
格闘技世界一を目指しいついかなる勝負にも挑み続ける『異種格闘技路線』

坂口「無論
新人から異種格闘技路線に進めるのは成績上位10名だけだ
後日配属路線を問う
本日はこれにて練習生解散式を終える…以上!」

練習生一同「ハッ!」

モブ練習生「いーよな お前らは10番以内に入れてよ!
どーせ異種格闘技路線に進むんだろ?」

ジャン「ハァ? 当たり前だろ
何のために10番内を目指したと思ってんだ」

マルコ「オレも異種格闘技路線にするよ
猪木さんの近くで仕事ができるなんて…光栄だ!!」

ジャン「まだお利口さんをやってんのか マルコ…」

マルコ「ぶッ!!

ジャン「言えよ本音を
ゴールデンタイムに映れるからだろ?
やっと クッソ面倒臭え雑用生活から脱出できるからだ!!
ゴールデンタイムでの花方のお茶の間の顔になれるレスラー人生がオレ達を待ってっからだろうが!!」

マルコ「なっ……
お前……
は…恥を知れよ 少なくともオレは―

ジャン「あ~すまん オレが悪かった
お前は優等生だったな
しかし お前らならどうする?
オレ達がゴールデンタイムに映れる機会なんてそうそうないぜ!?
それでも「団体の屋台骨」とかいう美名のためにここで裏方にとどまるのか?」

モブ練習生達「………

モブ練習生「そりゃあ… 好きであんな厳しい練習に耐えて来たわけじゃないし…
先輩方の陰湿なかわいがりに怯えなくて済むんなら…

ジャン「だよなぁ…
みんなテレビに映りたいよな…
で…お前らは

ベルトルト「僕は異種格闘技路線に志願するよ」

アニ「私も…だけど
あんたと一緒だとは思われたくないわ」

ジャン「ハハハッ!!

エレン「なぁ…
テレビで有名にだとか言ってたな…
新日本も5年前までは野球と同じゴールデン2時間枠だったんだぞ
ジャン…テレビになんか出てなくても
お前の脳内はいつでもゴールデンタイムだと思うぞ?」

ミカサ「エレン
やめなさい」

ジャン「………

ジャン「オレが頭のめでたいヤツだと
そう言いたいのか エレン?
………
それは違うな…
オレは誰よりも現実を見てる

4年前―
全日に敗北した視聴率を取り戻すべく…
会社の資本力の2割を投じて看板外国人レスラーの引き抜き合戦が行われた…
そしてその殆どがそっくりそのまま資本力に勝る全日の常連外国人へと定着した
あと何割の金を積めばビジネスにシビアな外国人を取り戻せるのか?

ジャン「巨人戦の視聴率に対抗するのに何人の猪木さんが必要だと思う?
しかしこのメディアを支配する読売新聞の資本力は新日本の30倍ではすまないぞ
もう十分わかった
新日本は…
全日には勝てない…

はぁ…
見ろ…お前のせいでお通夜になっちまった」

エレン「それで?

ジャン「はぁ?
話聞いてたか?」

エレン「『勝てないと思うから諦める』ってとこまで聞いた」

ジャン「…

エレン「なぁ…諦めて良いことあるのか?
あえて希望を捨ててまで現実逃避する方が良いのか?
そもそも巨人戦の視聴率に挑んで負けるのは当たり前だ
4年前の敗因の1つは外国人レスラーに対しての無知だ…
負けはしたが得た情報は確実に次の商談の成功への大きな糧となる
お前は企業努力を放棄してまで大人しく業界の2番手に甘んじたいのか?
……冗談だろ?」

エレン「オレは…
オレには夢がある…
日本マット界のタイトルを統一してこの狭い島国を抜け出したら
…世界中のタイトルを総なめするんだ」

ジャン「はッ!
何言ってんだお前!?
めでたい頭してんのはお前の方じゃねぇか!」

エレン「…なんだと!!

ジャン「見ろよ!
誰もお前に賛成なんかしねぇよ!」

エレン「…

エレン「あぁ… そうだな…
わかったから…
さっさとなれよお茶の間の顔ってヤツによ…
お前みてぇな敗北主義者が新日にいちゃあ 士気に関わんだよ」

ジャン「勿論そのつもりだが お前こそ海外に行きてぇんだろ?
さっさと行けよ 大好きな外人がお前を待ってるぜ?」

エレン「…めんどくせぇ」

ジャン「へっ……

バキ

モブ練習生達「うおおぉぉ!
また始まったぜ!!

ジャン「オラ! エレン! どうした!!
ジュニアのオレに手間取ってるようじゃ…
ドォ
エレン「!?

ジャン「大型外人の相手なんか務まんねぇぞ!!

エレン「あたりめーだッ!!
ドス
ジャン「!!
ぐ…っ!!

エレン「フッ!!
ドコッ
ジャン「グッ……!!
……!!

ライナー「オーイ! その辺にしとけ!
忘れたのかジャン!?
エレンの道場セメントは今期のイチバンだぞ!」
ドン
エレン「!!?
……!?
ミカサ!!

ライナー「いや…
ミカサに次いでだったっけ?」

エレン「お…降ろせよ!!」

うむ、
フランツは保永昇男
ハンナは斎藤弘幸
のイメージだがね。

フランツ「ジャン これ以上騒いだら小鉄さんが来ちゃうよ!」

ジャン「オイ… フランツ…
これは送別会の出し物だろ?
止めんなよ!!」

フランツ「イ…イヤぁ… もう十分堪能したよ」

ハンナ「やめてよ! 同期同士で争うのは…

エレン「オイ! 降ろせよ ミカサ…!」

ジャン「チッ よかったな エレン!
またそうやってミカサにおんぶに抱っこだ!
そのまま海外遠征にもミカサを巻き込むつもりだろ!」

エレン「うぉっ!!
…いってーな!!

ミカサ「熱くなるとすぐ衝動的に行動する…

エレン「さっきあいつが何か言ってたが……
お前… 配属路線の希望は?」

ミカサ「私は海外遠征にする」

エレン「……
お前は首席だろうが……
異種格闘技路線に行けよ
それも歴代の中でも逸材だとよ…
きっと破格のデビュー戦を飾れるぞ」

ミカサ「あなたが異種格闘技路線に行くなら私も異種格闘技路線に行こう
あなたがヤングライオンとして団体の屋台骨を地道に支えるなら
私もそうしよう
エレンは私と一緒にいないとイチバンにはなれない」

エレン「頼んでねぇだろ そんなことは!
いつまでこんなこと続けるつもりだ!?」

ミカサ「人生が続く限り…
一度死んだ私を再び生き返らせた恩は忘れない

なにより…
もうこれ以上家族を失いたくない…」

エレン「…………

アルミン「二人とも今日はもうお開きやてな…
寮に戻るで」

エレン「あぁ… なぁアルミン
お前…路線の希望はどうするんだ?」

アルミン「……
俺は海外遠征に出るで!」

エレン「!!
本気で言ってんのか?
お前は―

アルミン「あぁ わかっとるで…
俺は人より学があらへんし不器用やからな
プロテストを合格できたんも奇跡や…

エレン「お前は読書家で勉強もしている
体格だっていいんだから猪木さんも本当は期待してるんだって小鉄さんも言ってたじゃねぇか!
会社の期待を裏切ってまでリスクの大きい選択をするのは勇敢って言わねぇぞ」

アルミン「……
俺は帰化したんや
前田日明の『日』は日本と意味や
俺には俺なりの愛国心ちゅうもんがあるんやで!」

エレン「前田日…?
アルミン…お前何を…?

アルミカ「!

ハンネス「!
では今日はここで解散」
モブ中堅若手レスラー「ハッ

ハンネス「あー……直っていいぞ
上下関係は大事だが
お前らが相手だとどうも慣れねぇ…
久し振りだな…!」

エレン「本当に慣れないよ…
飲んだくれの練習嫌いでも今やセミファイナル枠だからね」

ハンネス「あぁ… また大きくなったな お前ら
そうか…もうあれから5年も経つのか…

ハンネス「…………
すまねぇな…
お前らのブックを破れなくて……

エレン「その話はもういいよ
仕方なかったんだから」
ハンネス「…………
まだお前らが入団するずっと前―
オレは些細なことから女将さんに手をあげちまって…
角界を干されて大相撲を廃業した…
ところがある日イェーガー役員が色物デブタレントに埋没しかけていたオレなんかを破格の待遇でプロレスに拾ってくれて…

ハンネス「オレはその恩返しがしたかったんだが
ついぞ叶わねぇまま…

エレン「もう何回も聞いたよ…」

ハンネス「そのイェーガー役員の行方だが…
こっちは何もわからないままだ
頼りは最後に会ったお前の記憶なんだが…
何か思い出したか?」

ミカサ「!

ハンネス「!

アルミン「エレン!?

ミカサ「ハンネスさん!」

ハンネス「そ…そうか すまねぇ…
すっかり忘れてた…
大丈夫かエレン!?」
ズキ
エレン「だ…大丈夫だけど…
なぜかこうなっちまう…
頭が…破裂しそうだ

ズキ

何も…思い出せねぇのに…

ズキズキ

因みにエレン父は豊登のイメージだがね。

エレン『父さん
やめてよ! 父さん!
何をしようとしているの!
父さんは母さんが干されておかしくなったんだ!!』

エレン父『エレン!!
上着を脱ぎなさい!
エレン……!!』

エレン「!?

アルミン「…大丈夫なんか?
あの後急に倒れてもて寮まで運んだんやで
めっちゃうなされとったみたいやけど
どないな夢?」

エレン「なんだったっけ
…アレ……?
忘れた」

エレン「しっかし 夕方5時台のダイジェストだっていうのに
視聴率はそれほど悪くないよな…」

ハンナ「もう5年も何も無いんだもん
数年前の雰囲気のままとはいかないでしょ」

フランツ「この5年間の地道な興行で新たなファン層も獲得できたしね!」

ハンナ「もう問題児ばかりの外人レスラーなんていらないじゃないかな」
エレン「何腑抜けたこと言ってんだ!!
バカ夫婦!! そんなことじゃ―

ハンナ「そ そんな夫婦だなんて…

フランツ「お似合い夫婦だなんて…
気が早いよ エレン!」

エレン「……
お前らなー

エレン「はぁ……!?
海外遠征にするって?
コニー… お前8番だろ!?
前は異種格闘技路線にするって…

コニー「異種格闘技路線がいいに決まってるだろ…
けどよ…

トーマス「お前の昨日の演説が効いたんだよ」

エレン「は!?」

コニー「イ…イヤ!!
オレは…アレだ…
そう! ジャンだ
オレはアイツと同じ路線に進みたくないだけだ!」

トーマス「海外遠征に出る説明になってないぞ…
コニー「うっ…うるせぇ!!
自分で決めてたんだよ!」

トーマス「そう照れるなよ
やるべきことはわかっていても踏ん切りがつかないこともあるさ
それにお前だけじゃ…

サシャ「あのぅ みなさん…
星野さんの本棚から裏ビデオ盗ってきました」

エレコニトマ「……!!

トーマス「サシャ…お前星野さんにシバキ倒されたいのか…?」

エレン「お前…本当にドMなんだな」

コニー「ドMって怖えぇ…」

サシャ「後で…みなさんで観ましょう
そしてその後はみなさんで…
むふふ…

コニー「も…戻してこい」

ミーナ「そ…そうだよ
それに私…そ…その…
そういうの初めては…
……だし…

サシャ「……
私はSでもMでもありません
ただ他人よりも少しだけ性欲が強いだけですよ
ミーナにも優しく教えてあげますから」

エレン「え…?

トーマス「そ…そうだな
プロテスト合格のお祝いと海外遠征出発前の景気づけに…捨てておくってのも悪くないよな!!」

コニー「?

エレン「……
トーマス…

サムエル「………
……
オ…オレもそのビデオ観る!!」

ミーナ「わ…私は…
あの…その…
サ…サシャが…
どっ…どうしてもって言うなら…

サムエル「な…何おっ勃ててんだ エレン
練習に集中しねぇと
ケガするぞ!」

ミーナ「そ…そうだよ
お昼はまだ…先なんだから…

エレン『くっそー
在日ってだけで何で白い目で見られるんだ

あれから―
5年経った―
ゴールデン枠の放送権と資本金の2割を失ってようやく新日は尊厳を取り戻しつつある
勝てる―
新日本プロレスの反撃はこれからだ―

エレン「熱ッ……!?
な!!?
何が―!!?

コニー「うわあああぁぁ
エレン「!?
みんな!!
クッ……!!
コーナーポストに登れッ!」

コニー「ハッ!!」

古舘伊知郎「こんばんは やって参りました お茶の間のみなさん ワールドプロレスリングの時間です
実況は私古舘伊知郎
解説は山本小鉄さんです
いやぁ山本さん 久々のゴールデンタイム生中継と言うことで実況の私も非常に手に汗握る心境です」

古舘伊知郎「さて リング上は早くも荒れ模様
久々の来日となった人間山脈アンドレ・ザ・ジャイアント
その規格外の強さを推し量る為にと催された新人若手レスラーとの6対1の変則ハンディキャップマッチ
しかしこれはどうですか 山本さん 流石の大巨人アンドレと言えども―

山本小鉄「ちょっと待って下さい!

古舘伊知郎「おーっと!
新人若手レスラー達 何を思ったか いきなり一斉にコーナーポストに登り始めたぞ!?」

エレン「!?
オイ!! サムエル!!
クッ!!
サシャ!?

サシャ「サムエル! 今助けますから!」

古舘「しかしリング上にコーナーは4つしかありません
最初にアンドレに捕まってしまったのはサムエル選手です
新人6人の中では最も長身のサムエル選手ですが対するはひとり民族大移動アンドレ・ザ・ジャイアント ひとりというにはデカすぎる ふたりといったら計算が合わない!」

うむ、
因みにサムエルは高野弟のイメージだがね

古舘「おーっと! サムエル選手の救出に向かったのはサシャ選手 タイツの中から何か棒状の物を取り出したぞ!?
これはいけません!! しかしレフェリーミスター高橋はコーナーに登った他4人の方に気をとられているぞ!
サシャ選手 その棒状の何かでアンドレの巨大な臀部を強襲だ!!
流石の大巨人アンドレも苦悶の表情を浮かべるか!?
恍惚の笑みを浮かべるは変態サシャ選手!
おーっと! ここでレフェリーのチェックが入ります」

エレン「危なかった…
!?

『ガリバーキック』
ドオオオオオオ
エレン「!!?
ドオオオオオオオ

エレン『駆逐してやる!!
この世から…
一匹…残らず!!』
ドクン
エレン「一匹…
ドクン
残らず!!」

古舘「おーっと! アンドレの反撃 人間エグゾセミサイル、地獄のICBM弾が何とレフェリーのミスター高橋に…誤爆してしまった!!
直撃ではないにせよ これは恐らくもう立ち上がれないはず
リングは無法地帯、阿鼻叫喚の地獄絵図へとなろうとしているのか!?」

トーマス「レフェリーがやられた…

コニー「まただ…また…外敵が入ってくる…
ちくしょう…俺たちはデビュー早々大巨人に潰され…

エレン「サシャ!!
サムエルを任せた!!
リング設営整備4班!
空中殺法用意!!
目標 目の前!!
大巨人アンドレ・ザ・ジャイアント!!」

ミーナ「……!!

エレン「これは好機だ 絶対に逃がすな!!
猪木さんが3カウントを奪えないのはアンドレだけだ!!
こいつさえ仕留めれば……!!

エレン「……!!
……よう
5年振りだな…

古舘「おーっと! 大巨人アンドレ 新人6選手のうちリーダー格はエレン選手と見定めるや コーナーポストに突進だ!!」
エレン『こいつ…
デッドリードライブを狙いやがった…!!
それだけじゃない!
レフェリーに誤爆したのも偶然じゃなかった!!
やはりこいつは…
ただデカイだけじゃない―

エレン「……!!
……よう
5年振りだな…

古舘「おーっと! 大巨人アンドレ 新人6選手のうちリーダー格はエレン選手と見定めるや コーナーポストに突進だ!!」
エレン『こいつ…
デッドリードライブを狙いやがった…!!
それだけじゃない!
レフェリーに誤爆したのも偶然じゃなかった!!
やはりこいつは…
ただデカイだけじゃない―

エレン『くッ!!
しかしチャンスだ!!
レフェリーが倒れた今のリングは無法地帯だ!!

古舘「おーっと!
エレン選手 これは実に器用だ!
トップロープの上を曲芸師の綱渡りがごとく走り渡っているぞ!?
これはアンドレの背後をとれる形だ!
そして―

エレン「鈍い!!
いける!!
殺った!!

エレン「なっ…!?
熱っ!?
行けぇぇぇぇ

古舘「アンドレの巨大な後頭部に向かっての飛び膝蹴りそして脳天へのダブルチョップだとぉ!!?
これは正にキラー・カーンのアルバトロス殺法を彷彿させる…
新たな時代への一大ページェントなのか!?」

エレン「……!?
手応えはない…!!
外した…!?

エレン「イヤ… 違う
消えた……

コニー「アンドレが消えた!!
エレン! お前が場外に落としちまったのか!?」

エレン「……
違う…5年前と同じだ…
こいつは突然現れて突然消えた…!!

…すまん 逃がした…」

トーマス「何謝ってんだ
俺達なんてまったく動けなかった…

コニー「オイ… そんな話している場合か!!
リングは未だレフェリー不在だ!
早く試合の体裁を保たないと こんなぐだぐだ…お客さんが納得しないぞ!?」

カンカンカンカン
モブ中堅レスラー「何をしているんだ新人共!!
試合終了のゴングは鳴らされた!
ただちにお前らは控え室に戻れ!
そしてマスコミのインタビューがあれば無難な回答をしろ!」
カンカンカンカン
エレコニ「ハッ 第二試合の健闘を祈ります!」
カンカンカンカン
エレン「!
カンカンカンカン

星野勘太郎「悔やまれることに最も人気実力共に優れる団体の看板レスラー…アントニオ猪木はケガのため長期欠場中にある
現在我々『セミファイナル枠』のみによって…興行の中継ぎとブックの打ち合わせが進行している
お前達練習生もプロテクトを合格した立派なレスラーだ!
今回の巡業でも活躍を期待する!」

フランツ「大丈夫だよ ハンナ…僕が必ず君を守るから」

ハンナ「フランツ…

ミカサ「…
………
!
エレン!」

エレン「大丈夫か アルミン!」

アルミン「だっ大丈夫や こんなんすぐ治まりよる!
せ せやけど…まずいんちゃうか
現状ではまだ猪木さんの抜けてもてる穴をすぐに塞げはる2番手はおらへん!
塞いでトップに踊り出たるとか言うてはった長州さんかて…
結局アンドレをダウンさせることかて難しいんやで!
穴を塞げない時点でスポンサーは離れてまう…
ゴールデンタイム生中継は失敗……そもそも話やで
読売新聞はその気になりよったら新日なんかいつでも潰すことがでけるんや!!」

エレン「アルミン! 落ち着け!!」

アルミン「………!!
す すまん 大丈夫や」

星野勘太郎「それでは練習通りに各班ごと会場に戻り中堅レスラーの指揮の下 花道確保・入退場補佐・紙テープ回収等のリング清掃を行ってもらう
第三試合を中堅色物枠が
第四試合を我々率いるジュニアベビー級が
セミファイナルを中堅ベテラン枠が…

星野「我々はぬるま湯のツケを払うべく当放送が完全に終了するまでこのゴールデンタイムに期待される平均視聴率を死守せねばならい
なお…承知しているであろうが会社に多大な損害が及ぶようなしょっぱい行動をとった者は解雇に値する
みな 心して業務に専念せよ
解散!!」

練習生一同「ハッ!!」

ジャン「うおぉぉぉ!!
何でいきなりなんだ……!?
明日からが研修だって言ってたっつーのに!!」

ダズ「う…
うぅ
ビチャビチ
クリスタ「大丈夫!?」

ダズは向山裕辺りなどどうかね

ミカサ「場外乱闘が起きたら私のところに来て」

エレン「は!?
…何言ってんだ!?
オレとお前は別々の班だろ!?」

ミカサ「混乱した状況下では筋書き通りにはいかない
私はあなたを守る!」

エレン「………
お前…さっきから何を…
イアン「ミカサ練習生!!
お前は特別にセミファイナル枠だ
付いてこい!!」

ミカサ「……!!

イアンはマッハ隼人

ミカサ「…私の腕では足手まといになります!」

イアン「!?
お前の判断を聞いているのではない
生中継失敗も危惧されている今はメイン枠に多くの精鋭が必要だ
そしてこれを渡しておこう これは会社命令だ」

ミカサ「し…しかし!

エレン「オイ!
いいかげんにしろ ミカサ!
団体存続の危機だぞ!!
なにテメェの勝手な都合押しつけてんだ!!」

ミカサ「………

ミカサ「悪かった…
私は冷静じゃなかった…
でも…頼みがある…
1つだけ…どうか…
干されないで…」

エレン『干されないさ…オレは
こんなところで終われないんだ
オレはまだこの業界の実態を何も知らないんだから…』

エレン「……
アルミン
こりゃあいい機会だと思わねぇか?
海外遠征に出る前によ
この巡業で活躍しとけばオレ達は新人にして…
スピード昇格間違いなしだ!!」

アルミン「……!!
せや… 間違いあらへん」

ミーナ「言っとくけど二人とも…
今期の海外遠征志望者はいっぱいいるんだからね!!」

ザ・コブラ「さっきはエレンに遅れを取ったけど次は俺のシングルマッチだ!!
みんな 入場サポート宜しく頼むぜ!!」

エレン「お…お前 そのマスク…トーマスなのか!?」

ザ・コブラ「あぁ いかにもの急造マスクマンな感じだがな
会社の期待には存分に応えるつもりだ」

モブリングアナウンサー「ザ・コブラ入場!!」

エレン「行くぞ!!」
(コブラ神輿乗り込み)
アルミナコブサム他「おおぉぉぉ」
(神輿担ぎ上げ)

エレン「なっ!?
あれは!?
何だあのお客さんのブーイングは!?」

ミーナ「リングがゴミだらけ…

サムエル「何やってたんだ
普段威張り散らしている前座枠の先輩方は…

ザ・コブラ「まだ第三試合が終わったばかりなのに…
前座試合が総崩れじゃないか」

エレン『決して楽観視していたわけじゃなかったがこれはあまりにも…

コブラ「!!?

ザ・バンピート「俺はデイビーボーイ・スミスだ!」
(マスク脱ぎ捨て)

エレン「ト…トーマス!!
ま…!! 待ちやがれ!!」

モブ同期新人「よせ!乱入は―
エレン!!
リング下にも1人―

『蒼い流星仮面:マスクド・スーパースター』

エレン「うッ!!?
ドォ
『ネックブリーカードロップ』
ドゴォ

ミーナ「そんな…エレンが……

サムエル「お…おい…
やばいぞ 止まってる場合か!!
来るぞ!」

アルミン『なんでやねん…

『太陽仮面:ソラール』

アルミン『なんで俺は
仲間がやられとる光景を…
眺めとるんや…

ズシンズシン
『ユーゴの白熊:クリス・マルコフ』

アルミン『どないして俺の体は動かへんのや…

うああぁああぁぁぁぁ

エレン「ア…アルミン……

ガクッ

アルミン『エレン!
ここにおったんや!!』

エレン『どうしたよ アルミン』

アルミン『これな…じいちゃんが隠し持っとったんや!
海外マットが書かれとる本やで!』

エレン『海外マットだって!?
それって子供だましのトンデモ本だろ!?
頭が悪くなっちまうぞ!?』

アルミン『そんなん言うとる場合とちゃうんや!!
この本によるとな この世界の大半にはまだまだ前人未踏のプロレス未開拓地があってな そこには想像を絶する「未知の強豪」がおるかもしれへんのやて!!
しかも未だ「未知の強豪」やからなギャラかて安いんや!!』

エレン『……!!
ギャラが安いだって!?
うっ…嘘つけ!!
どうせそんな色物外人 ただデカイだけのビックリ人間に決まってるじゃねぇか
きっと後で怪我が何だとかごねだして高額な治療費を訴えて来たりとかするんだよ!!』

アルミン『ちゃうちゃう!
「未知の強豪」や言うたらホンマに「未知の強豪」なんや!』

エレン『……
んなわけ…
…!!

アルミン『未知の強豪だけやない!!
937連勝の鉄人:ルー・テーズ!
プロレスの神様:フランク・ゴッチ!
黄金のギリシア人:ジム・ロンドス!
きっと海外マットは今の閉鎖的な国内マットの何倍も凄いんや!』

エレン『海外マット…

アルミン『エレン!
いつか…海外マットを制覇でけたらええな…』

アルミン「うぅ…
うああぁぁぁ

ズズズズズ
アルミン「エレン!!

エレン「こんなところで…終われるか……
なぁ…アルミン…
お前が…
お前が教えてくれたから…
オレは……海外のマットに…

アルミン「エレン!!
早よしたれ!!

『パイルドライバー』

アルミン「うああああぁぁぁ

コニー「~ン!!
アルミン!! 目を覚ませ……!!」

アルミン「!?
コニー…

コニー「ケガは無ぇのか?
オイ!? お前の班は!?」

アルミン「班…?

コニー「オイオイ しっかりしろよ!
何で一人だけなんだ!?
何かお前上半身裸だし 返り血だらけだしよぉ…!
一体何があったんだよ?」

アルミン「……
…あ…
うぁぁああああ

コニー「アルミン……!!
アルミン「………!!
この……!!
トンパチ野郎…!!
死んでまえ!!」

コニー「オイ…落ち着けっ アルミン! みんなは…

ユミル「もういいだろ コニー!
退場したんだよ コイツ以外は」

コニー「うるせぇな! アルミンは何も言ってねぇだろ!!」

ユミル「客のドン引きぷりを見りゃ分かるよバカ!
これ以上そいつに構ってる時間はねぇんだ!」

コニー「何でアルミンだけ取り残されてんだよ!?」

ユミル「さぁな もう干されちまったんじゃねぇの?」

ユミル「ブチキレたコイツが外人相手にどんなトンパチをしでかしたか知らねぇが…
何も分からねぇ新人がリング下に取り残されてて誰もフォローに入らねぇとか…
よっぽどだぜコイツはよ…」

コニー「……
なぁ クソ女…
二度と喋れねぇようにしてやろうか!?」

クリスタ「やめて 二人とも!!
みんな気が動転してるんだよ!!
急に生中継だとか言われたんだもん…仕方ないよ」

ユミル「さすが私のクリスタ!
この巡業が終わったら結婚してくれ」

コニー「確かに… いつも以上にふざけてやがる…
とにかくこのままじゃいけねぇ…
立てるかアルミン?」

アルミン「すまん 迷惑掛けてもた
セミファイナルの準備をする」

コニー「アルミン!


モブ新人「コニー行くぞ
俺達はリングの清掃だ…」

アルミン『もうあかん…
俺なんかが耐えれるわけあらへん…
こないな地獄みたいなもん…
イヤ…ちゃうわ…
地獄になったんやない
今まで勘違いしとっただけや
元からこの業界は地獄なんや
強いもんが弱いもんを食うてまう
ご親切なくらいよう分かる業界…

ただ―
俺のツレはこないな界隈で優しゅうあろうとしとった
粗暴ですぐに手が出てまう俺を庇ってくれよった
それが堪えられへんかった…
二人にとって俺は守られとる存在なんや
二人のように優しゅう…
肩を並べよってこの界隈を生きていきとかった…

アルミン『その結果があの様や…
俺のせいでエレンは首をやられてもた』

アルミン「ハンナ?
一体何を…

ハンナ「あ…!!
アルミン!?
助けて! フランツが股間を打ったの!!
さっきから何度も…何度も揉みしだいてるのに!」

アルミン「ハンナ… そんなんしてもたら余計に…

ハンナ「フランツをこのままにできないでしょ!!」

アルミン「違うんか…!?
それとも新手のプレイなんかいな…!?
……
もう… やめたってくれや…
これ以上は…ホンマに死んでまうで…

新間寿「お…おい…!!
あんた達…
今がどんな状況か分かってんのか!?」

ショウジ・コンチャ「分かってるからこうなってんだよ!!
てめぇらこそ会場を盛り上げたかったら先払いだ!!」

モブフロント「ふざけんじゃねぇよ!!
それ以上凄んでもそんな大金は出せねぇよ!
何考えてんだ 試合を始める方が先だろ!」

新間寿「何やってんだ警備員!
そいつらをつまみ出せ!!」

警備員「し…しかし…

ショウジ・コンチャ「やってみろ下っ端!
オレは住吉会舎弟の本職だぞっ!
お前らを食わしてる興行のチケットは誰がさばいている!?
お前がこの会場の従業員を食わす金を用意出来るのか?
いいから払え!
この興行はお前らのチンケな人生じゃ一生かかっても稼げねぇ代物だ!
金を出せば保証する!!」
モブチビッ子ファン「お母さん…
どうして試合が始まらないのかな?
アレ…

モブ観客「酔っぱらいだ!!
酔っぱらいが暴れているぞ!!」

ショウジ・コンチャ「今すぐ金を出せ!!」

モブ観客「うわあぁぁ ゲロだぁぁぁ」

ショウジ・コンチャ「小切手でもいいぞ!!
とにかく先払いだ!!」

モブ観客「やめて 子供が…

モブ警備員「クソ!! なぜオレ達を無視してリングに上がろうとするんだ!!」

モブ警備員「酔っぱらいだ 考えても無駄だ!!」

モブ警備員「クッ…強い!!

モブ警備員「コイツ シャブでもやってやがんのか!?

モブ警備員「このままじゃ―
!?

『アームロック』

タイガーマスク「……
!?
……
は…!?

タイガーマスク『試合が始まらないと思ったら…
(警備員酔っぱらい取り押さえ)

タイガーマスク「何をしているんですか?
今お客さんがイライラしています…
試合が始まらないから…お酒を飲んでいる方などは荒れたりもするでしょう…

ショウジ・コンチャ「おぉ佐山!
お前の今夜のファイトマネーの交渉をしてやっていたところだ
コイツらがろくに汗もかかずにアントン・ハイセルに流用している金の額を考えれば当然の権利じゃないか!」

タイガーマスク「……
人がお金のためだけに働くのが当然だと思ってらっしゃらないのなら…
きっと理解して頂けるでしょう
あなたのいう一つの正論が多くの人の理解を得られないことがあることも」

ショウジ・コンチャ「佐山…!!
オレはお前のマネージャーだぞ!?
お前の将来を思ってやっていることだ
お前には実績がある それは相応に評価されるべきだ…
これは真剣に話し合わなければならない問題だぞ!!」

タイガーマスク「佐山?
今度キックボクサーと対戦するんですが
でかくていいのはいませんか?」

田中正悟「…!?

ショウジ・コンチャ「佐山…
…何を言っている!?
そうか まだ…
試合を始めろ…

モブチビッ子ファン「ありがとう タイガーマスク!!」

タイガーマスク「!


モブチビッ子ファン母「頑張って下さい
いい試合を期待しています」

イアン「よくおさめた アッカーマン 流石だな…
タイガーマスク「ありがとうございます
…しかし
焦ってチビッ子ファンに怖い思いをさせてしまいました
次は注意します…

イアン『こいつは間違いなく逸材だ
こいつさえいれば…しかし…
この落ち着きは何だ?
これだけの観衆の期待を背にしているというのに…
過去にどんな経験を…

ズキズキ
タイガーマスク「どうしてこんな時に思い出す…?」
ズキズキ

『チキンウイングフェイスロック』
ズキズキ
ミカサ「うぅ…
うぅ…
痛いよぅ…はなしてよぅ…

ミカサ母「よく憶えておきなさい…ミカサ
この技は私達一族が受け継がなきゃいけないものなの
ミカサも自分の子供ができた時にはこの技を伝えるんだよ?」

ミカサ「……?
ねぇ お母さん
どうやったら子供ができるの?」

ミカサ母「それはプロレスよ!!
毎晩お父さんとお母さんがマットの上でやっているじゃない!?
詳しいやり方はお父さんに聞いてみなさい」

ミカサ「ねぇー お父さん

ミカサ父「いや…お父さんは何もできないんだ
いつも母さんに上をとられるから
もうじきイェーガー役員が挨拶に来る頃だから役員に聞いてみようか…

コンコン

早速来たみたいだ…

エレン「ミカサ?」

グリシャ「そうだ お前と同い年の女の子だ
このあたりには子供がいないからな
仲良くするんだぞ」

エレン「うん…
そいつのファイトスタイル次第だけど…

グリシャ「エレン…そんなんだから一人しか友達できないんだぞ…
ん? 留守かな?
アッカーマンさん…イェーガーです
ごめんください」

グリシャ「クッ…
駄目だ…
2人とも一撃で首をやられている…
エレン…
近くに女の子…ミカサはいたか?」

エレン「いなかった」

グリシャ「そうか…
父さんは警察を呼んで捜索を要請する
お前は麓で待ってるんだ
!
……
分かったか エレン?」

ミカサ『痛い…

ズキンズキン

寒い…

モブ人拐い「オイ…
本当に戻れるんだろうな こんな山奥まで来ちまって…
わざわざ親殺してまで連れ去ったってによ…

モブ人拐い「そいつの手足の異様な長さを見ろ」
モブ人拐い「んん?
確かに長い方だとは思うがな…
なかなか上玉のガキだが…
オレにそういう趣味はねぇ」

モブ人拐い「お前の趣味を聞いたんじゃねぇよ
そいつは『山人』なんだ
土蜘蛛または手長足長とも呼ばれるかな
昔は日本人にも種類があってな
そいつはその昔『山』に棲まうと言われた一族の最後の末裔だ
そいつを都の地下街で変態の旦那方相手に競りにかける
他の山人は交雑したからな…
相当な値がつくぞ」

モブ人拐い「こいつの親父は山人には見えなかったぞ?
こいつは純血じゃねぇよ」

モブ人拐い「そうだよ! 本当に価値があったのは母親だ!
てめぇがビビって殺すから!」

モブ人拐い「し…しかたねぇだろ!?
マウントをとられたんだ!!」

ミカサ父「イェーガー役員お待ちしてました」

『ツームストンドライバー』

ミカサ父「う…
う……

モブ人拐い「どうも失礼します」

モブ人拐い「いいか?
おとなしくしろ
こいつで頭を割られたくなかったら―
!!

ミカサ母「うあぁぁ!!

モブ人拐い「うおぉ!! この女!」

『馬乗りヘッドバット』ゴッ!ゴッ!

ミカサ母「ミカサ!!
逃げなさい!!」
ゴッ!ゴッ!

ミカサ「え……!!
お…おかぁさん…

ミカサ母「ミカサ!!
早く!!」
ゴッ!ゴッ!

モブ人拐い「くそ…こいつ!!
本当に女か!?

ミカサ「えっと…
お父さん?

モブ人拐い「オイ 何やってんだ!!」

ミカサ「え…!?
イ…ヤダ…


モブ人拐い「くそ!!
いいかげんに―
しろ!!」

『大斧攻撃』

モブ人拐い「ああ!! 何やってんだ馬鹿!!
殺すのは父親だけだと言っただろ!!」

モブ人拐い「だ…だってよ!!
この女…信じられねぇ…
(額割れ大流血)

モブ人拐い「オイ…お前はおとなしくしろよ?

グイッ

でないとこうだ

『頭掴みラリアット』
ドコォ

ミカサ『お母さん…
私は…
どこに逃げればよかったの……?
お母さんもお父さんもいない所は……
私には寒くて生きていけない

ガチャ

エレン「ごめんください」

エレン「…
あ…

モブ人拐い「オイ ガキ!
どうしてここがわかった!?」

エレン「…え…?
えっとボクは
森で…迷って……
小屋が見えたから……

モブ人拐い「ダメだろぉ~?
子供が一人で森を歩いちゃ
森には怖いクマだっているんだぞ~?
でも もう心配いらないよ
これからはおじさん達と一緒に―
『フロントチョークスリーパー』

エレン「ありがとうおじさん…
もうわかったからさ
死んじぇよ クソ野郎」
ボキッ

モブ人拐い「は……!!
う 嘘だろ……?

バタン

オイ…!?
ま 待ちやがれ!!
このガキ!!
!!

『飛びつき腕ひしぎ逆十字固め』

モブ人拐い「うぁああああああ

『ステップオーバーアームブリーカー』
バキッ

モブ人拐い「うああああああああああああ

『馬乗り後頭部ヘッドバット』
ゴッゴッ
エレン「この…獣め!!

ゴッゴッ

死んじまえ!

ゴッゴッ

もう起き上がるな!!

ゴッゴッ

お前らなんか……こうだ!!

ゴッゴッ

こうなって当然だ!!」

『チョークスリーパー』
ボキッ

ミカサ「……!
ビクッ

エレン「もう大丈夫だ…
安心しろ…」

エレン「お前…ミカサだろ?
オレはエレン…新日本プロレスのイェーガー役員の息子で父さんとは前に会ったことがあるはずだ
挨拶回りの付き添いでお前の家に行ったんだ…
そしたら―

ミカサ「3人いたハズ」
エレン「え?

『サッカーボールキック』
ボス

モブ人拐い「てめぇがやったのか…?」

エレン「ぐっ…
…!!

『ネックハンギングツリー』

モブ人拐い「信じらんねぇ
てめぇが殺ったのか!?
オレの仲間を…!
てめぇ…よくも……!!
殺してやる!!」

ミカサ「あっ……

エレン「~
た……
闘え!!」

ミカサ「……!!

エレン「闘うんだよ!!
殺らなきゃ…殺られる…

モブ人拐い「この…ガキ!?

エレン「…勝てば生きる…

モブ人拐い「何考えてやがるこのガキ……!!」

エレン「闘わなければ勝てない…

ミカサ「……
そんな……
できない……

ミカサ『その時
…思い出した
…この光景は今までに…
何度も…何度も
見てきた…
そうだ…
このリングは…
残酷なんだ
今…生きていることが奇跡のように感じた…その瞬間
体の震えが止まった
その時から私は自分を完璧に

ミカサ「闘え…

アントニオ猪木・炎のファイター ~INOKI BOM-BA-YE~ - YouTube
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ミカサ『支配できた
闘え!
闘え!!

何でもできると思った』

モブ警察官「背後から延髄を一薙ぎだ…
それに首と左腕が完全に破壊されている…

モブ警察官「…これを…
あの子供達がやったのか…

グリシャ「く……
エレン…
麓で待っていろと言っただろう!!
何てことを…
お前は…
自分が何をしたのかわかっているのか…!?」

エレン「有害な獣を駆除した!!
たまたま人と格好が似てただけだ!!」

グリシャ「エレン!!」

エレン「こんな時間に警察が来ても奴らはとっくに移動していた!!
警察じゃ間に合わなかった!!」

グリシャ「もしそうだとしてもだ! エレン!!
お前は運が良かっただけだ!!
私はお前が自分の命を軽々に投げ打ったことを咎めているんだ!!」

エレン「………
でも…
早く…
助けてやりたかった…

グリシャ「……
ミカサ
覚えているかい?
君がまだ小さい時に何度か会っているんだが…

ミカサ「イェーガー役員
…私は
ここから…
どこに向かって帰ればいいの?
寒い…
……
私には…もう…
帰る所がない…

エレン「やるよ これ

(マント羽織らせ)

あったかいだろ?」

ミカサ「……
あったかい…
それにカッコいい…

グリシャ「ミカサ 私達の家で一緒に暮らそう」
ミカサ「え…

グリシャ「辛いことがたくさんあった…
君には十分な休息が必要だ…

ミカサ「……

エレン「なんだよ?
ほら 早く帰ろうぜ
オレ達の家に」

ミカサ「…うん
帰る…」

『千の技を持つ悪魔:マスクド・ハリケーン』

タイガーマスク『勝者しか生きることは許されない
残酷なリング』

ヒュッ
『ケプラドーラ・コンヒーロ』
バキ

タイガーマスク『メインイベントは未だシークレットのまま…!?
まだ試合のブックも決まってないの!?』

新間寿「よし! スリーカウントだ!!
ゴングを鳴らせ!!」
カンカンカンカン
モブリングアナウンサー「勝者! タイガーマスク!!」

カンカンカンカン
モブ中堅レスラー「撤収だ!!
リングを清掃しろ!
メインイベントが始まるぞ!」

タイガーマスク「メインイベントのブックを確認してきます!!」

モブ中堅レスラー「な…!?
オイ…佐山!!」

タイガーマスク『私には…この業界に立つ場所がある
エレン…あなたがいれば私は何でもできる』

タイガーマスク『!?
なぜ…
セミファイナル終了のゴングは聞こえたハズ…
なぜみんなメインイベントの準備を始めない…!?
……?
!?
あれは!?』

コニー「クソッ どうするんだよ!?」

ジャン「どうもこうもねぇよ…
やっとメインイベントだってのに…来日外人共がゴネ出してオレ達は試合の準備も始められねぇ…
そんで失敗するんだろうな 生中継は…
あのフロントの無能共のせいで…

ジャン「資金繰りが間に合わなかったんだと…
会社の台所事情はわかるけどよ…
オレ達に会場整理を丸投げして会議室に引きこもりは無ぇだろ…
案の定 本職方も騒ぎ出して収集がつかねぇ…

コニー「だから!
イチかバチかリングに上がってアドリブで中継ぎするしかねぇだろ!
オレらがここでウダウダやってても同じだ!
いずれお客さんも怒り出す!
いたずらに引き延ばしても生中継の数少ない機会を無駄にしてしまうだけだ
ゴールデン枠を完全に失えば本当に終わりだぞ!!」

ジャン「珍しく頭を使ったなコニー
だが…
今のオレ達の実力でそれができると思うか?
前座枠の先輩方はぐだぐだで客にゴミを投げられる程だ…半人前のオレ達新人を指揮れる余裕があると思うか?
まぁ…指揮って頂けたところでオレらじゃこのムードをどうにもできない…
おそらく会議室には常連外人の弁護士も入ってるぜ?
当然そんな中でのいい交渉は不可能だ
連中には新日の経営など知ったことじゃない」

コニー「……
ダメかな?」

ジャン「はぁ~
つまんねぇ練習生活だった
こんなことならいっそ…言っておけば…

サシャ「やりましょう!! みなさん!!
さぁ!! 立って!
みんなが力を合わせればきっと盛り上がりますよ!
取り敢えず私が脱ぎますから
み みなさん
……
アルミン 私と生板…しませんか…?」

マルコはミスター高橋からミスター空中に変更だがね

アニ「ライナー…どうする?」

ライナー「まだだ……
やるならCMが開けてからだ」

マルコ「だめだよ どう考えても…
僕らはろくなデビュー戦も飾れずに依願退職だ
リストラを覚悟してなかったわけじゃない…でも…
一体 何のために辞めるんだ…

モブ新人「タイガーマスク…!?
アンタ 今試合を終えたばかりじゃ…!?」

タイガーマスク「キッド!」

アニ「!

タイガーマスク「何となく状況はわかってる…
その上で…私情を挟んで申し訳ないけど
エレンの試合を見てなかった…?」

アニ「私は見てないけど医務室に運ばれた連中も…

ライナー「そういや あっちに同じ試合のミスター前田がいたぞ」

タイガーマスク「!
アルミン」

アルミン「!!
あ 佐山さん…お疲れさんです」

アルミン『ミカサ……
あかん…話す言葉が何もみつからへん…
ミカサに…何て言うたら…
俺なんか…
無駄に暴れてもただけや…
こんなことやったら
あん時に一緒にやられとくんやった…

タイガーマスク「アルミン…
ケガは無い?
大丈夫なの?

エレンはどこ?」

うむ、
マスクド・スーパースターにやられたのはサムエルではなくナックかミリウスのどちらかと言うことで宜しくお願いしたい次第だがね

アルミン「俺達……ザ・コブラデビュー戦にて―
トーマス・ワグナー
ナック・ティアス
ミリウス・ゼルムスキー
ミーナ・カロライナ
エレン・イェーガー
以上5名は自分のブックを全うし…
ほとんど致命的な…病院送りになってしまはりよった…」

サシャ「そんな…

モブ新人「ザ・コブラデビュー戦は失敗か…

モブ新人「オレ達もまともにブックに従うだけではそうなる」

アルミン「すまんミカサ……
エレンは俺の身代わりに…
俺は…何も……
ただやみくもに暴れることしかできひんかった
すまへん……

タイガーマスク「アルミン 落ち着いて
今は感傷的になってる場合じゃない
さぁ 立って…」

アルミン「……

タイガーマスク「マルコ ゴネてホテルの部屋から出て来ないような外人を引きずり出してみたところで現状を好転できるとは思わない
要は絵的におもしろくかつお客さんを満足させればいい
違わない?」

マルコ「あ…あぁ そうだ…
し しかし…いくらお前がいても…
この状況では…

タイガーマスク「できる」

マルコ「え……!?

タイガーマスク「私にはスター性がある…あなた達より花がある…正にスーパースター!
…ので私は…今からリングに上がって悪いレスラー共を蹴散らして会場をわかせることができる…例えば…一人でも
……
あなた達は…腕が立たないばかりか…臆病で腰抜けだ…
とても…残念だ
ここで…指をくわえたりしてればいい…くわえて見てろ」

モブ新人「ちょっとミカサ?
いきなり何を言い出すの!?」

モブ新人「この大観衆を一人でわかせる気か?
そんなことできるわけが…

タイガーマスク「……
できなければ……干されるだけ
でも…勝てば活きる…
闘わなければ勝てない…
マルコ「オ オイ!?

小林邦昭「残念なのはお前の言語力だ
あれで発破をかけたつもりでいやがる…
てめぇのせいだぞ…エレン…
オイ!! オレ達は仲間に一人で闘わせろと学んだか!?
お前ら!! 本当に腰抜けになっちまうぞ!!」

ライナー「そいつは心外だな…

アニ「……

マルコ「…はぁ―

サシャ「や やい 短小―
包茎―
イ…インポ―

モブ新人「あいつら…

モブ新人「ちくしょう…やってやるよ……

モブ新人一同「うおおおおおおお

『虎ハンター:小林邦昭』

『ローリングソバット』バシン

モブ新人「急げ! ミカサに続け!」

小林邦昭「とにかく間を持たせろ!!
オレが悪役に回ってやる!!
痛快な勧善懲悪を演じてちびっこファンの心をつかむんだ!!」

コニー「しかし…すげえなミカサは…
どうやったらあんなに速く動けるんだ……

アルミン『アカン…
こないな連戦やのに前半から飛ばし過ぎや!
あないなことやったらすぐにバテてまうで
いくら腕があるっちゅうても息を切らせてもたらアカンのとちゃうか…

やっぱ…いつもみたいに冷静やないんや
動揺を行動で消そうとしとる…このままやったら…
いずれ…』

ガンッ

アルミン「……!!
ミカサ…!!」

タイガーマスク『トップロープから足を滑らせるなんて…

ズキン

まただ…
またこれだ…
また家族を干された

ズキン

またこの痛みを思い出して
…また…ここから
始めなければならないのか…

『鋼鉄男:テッド・デビアス』
ズシンズシン

タイガーマスク『この世界は残酷だ…
そして…
とても美しい』

『鋼の超人:ハルク・ホーガン』
ズシンズシン
ズシンズシン

タイガーマスク『いい練習生活だった…

エレン『闘え!!
闘え!!』

http://m.youtube.com/watch?v=XUFRmHbeD7Q

ズシンズシン

タイガーマスク『ごめんなさいエレン…
私はもう…
諦めない
辞めてしまったらもう…
あなたとリングに上がることさえできない
だから―
何としてでも勝つ!
何としてでもイチバンになる!!』

タイガーマスク「うあああああ

『ビックブーツ』
ドォ

タイガーマスク『一体…何が…

ハルク・ホーガン「イチバーン!」
ズシンズシン

『レッグドロップ』
ドォッ

タイガーマスク『外人が―
外人と闘っている!?』

タイガーマスク『ただひたすら困惑した
外人がベビーフェイスに回るなんて聞いたことがない…
そして…微かに
高揚した…
その光景は新日本のストロングスタイルが体現されたように見えたから…

アルミン「ミカサ!!」

タイガーマスク「うっ!!

アルミン「ミカサ!! トップロープから足を滑らせてもたやろ!?
ケガはあらへんか!?」

タイガーマスク「……私は大丈夫…

コニー「オイ!! とにかく移動だ!!
まずいぞ!! 大型外人が二人だ!!」

タイガーマスク「イヤ…
あの外人は…

アルミン「!!

『虎の爪:ケビン・フォン・エリック』

ハルク・ホーガン「イチバーン!」

エリック「タイガークロー!」

『タイガースピン』
ヒュッ

アルミン「ッ―!??

『ボーアンドアローバックブリーカー』

アルミン「グラウンドで…ギブアップを奪ったやて!?
それにさっきのはミカサの技とちゃうんか…!?」
コニー「とにかく移動するぞ
あいつがこっちに来る前に…

アルミン「イヤ…
俺達に無反応や…
とっくに襲ってきよってもおかしゅうないのに…
タイガーマスク「パワーだけじゃなくレスリングの確かな心得があるようにも感じた
あれがヒロ・マツダ道場のテクニック…

コニー「そういうアングルって言うしかねぇだろ
わかんねぇことの方が多いんだからよ…
とにかく一度控え室に戻るぞ
どうやらメインイベントは始まってる!!」

アルミン「ちょい待ちや!
ミカサの試合が終わってへんやろ!!」

コニー「…!

コニー「オイ……試合ってオマエ オレ達が勝手に中継ぎに回っただけだろ!?」

アルミン「やることは決まっとる!!
『黄金のスーパーヒーロー:タイガーマスク』がトップロープから足を滑らせてもて終わりやなんて許されへんのや…
早よリングに戻らんかい!!」

タイガーマスク「アルミン!!」

アルミン「そうする以外に道はあらへん!!
それが新日本プロレスとちゃうんか!?
でもな…今度は…大事に試合を運んでくれや
ちびっこファンの期待を裏切らへんために……

タイガーマスク『私は…
団体の命運を背負う覚悟も無いまま先導した…
その責任も感じない内に一旦は引退さえ覚悟した
それも自分の都合で…
私は…

アルミン「よっしゃ!!
もう一度トップロープに上がったれや!!
皆が期待しとるんやで
ただな…これだけは約束したってくれ…
ぶちギレて俺やみたいなトンパチだけはせぇへんこと
タイガーマスクは…ちびっこ達のスーパーアイドルなんやで」

アルミン「へ!?
な…っ なんやねん…

タイガーマスク「アルミン!」

アルミン「…!?

タイガーマスク「ここに置いていったりはしない」

アルミン「…せ… せやかて…せっかくのメインイベントやのに俺やみたいなトンパチをリングに上げるやなんて…

コニー「お前をこんなところに残していくわけねぇだろ!!
行くぞ!!
三人でリングに上がる!!
ミカサの援護だ!!」

アルミン『アカンがな よしたってくれや
このままやったら俺は
また友達を病院送りにしてまう……

アルミン「き…
聞いたってくれや!!
提案があるんや!!」

コニー「提案?」

アルミン「やるのんは二人や…
せやから…二人が決めたってくれや…
……無茶やとは思うねんけどな…

小林邦昭『ダメだ……
大観衆をわかせるどころかベタな中継ぎにさえできない……
犠牲を覚悟しない限りは……

トム「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ

小林邦昭「…!?

トム「うっ…!!

小林邦昭『まずい!!
あいつ…
ネタ切れだ!!』

トム「うああああ

小林邦昭「…!?

モブ新人「トム!!
今助けるぞ!!」

小林邦昭「よせ!!
もう無理だ!!」

モブ新人「やめろぉぉおおお

小林邦昭「…っ
……

今だッ!!!
お客さんが少しでもあいつらに注目しているスキに放送席に突っ込め!!
これしかない…
どのみち…ネタが無くなればグダグダだ
全員でダイブしろ!!

―ふッ!!

うおおおおおおお

『トペ・スイシーダ』
ガシャ

小林邦昭「うッ!!
ハァッ ハァッ

何人…エスケープした…?
同期の死に体を利用して…
オレの合図で何人…潰れた?

お…お前ら…
フロントの事務方……だよな!?」

モブフロント事務方「……
あぁ…
え!?

『ナックルアロー』
バキッ

マルコ「よせ!! ジャン!!」

小林邦昭「こいつらだ!! オレ達に全部丸投げしやがったのは!!
てめぇらのせいで余計に新人が潰されてんだぞ!!」

モブ女性フロント事務方「来日外国人の弁護士が入って来たの!!
資金繰りが上手く行ってないの!!」

小林邦昭「それを何とかするのがお前らの仕事だろうが!!」

ライナー「!?
避けろ!!

『トマホークチョップ』
ドオォォォォォォォォ

小林邦昭『しまった……
人が集中しすぎた…

モブ新人「ミカサはどうなったんだ!!」

モブ新人「ミカサはトップロープから足を滑らせて倒れたままだよ!!」

モブ新人「早く!! 控え室に…

モブ新人「よせ!! 一斉には戻れない!!」

『狼酋長:ワフー・マクダニエル』

『踏みつぶし野郎:モンゴリアン・ストンパー』

小林邦昭『普通だ……
これが現実ってもんだろうな……
オレは夢か幻でも見ようとしてたのか?
オレは知ってたハズだ 現実ってヤツを
普通に考えればわかる
こんなキャラ立ちしたヤツらには勝てねぇってことぐらい…

『ジャンピングニーパット』
ゴッ

ホーガン「イチバーン!」

小林邦昭「は…!?
ありゃあ…… 何だ……?

『スペースフライングタイガーアタック』
ガシャ

『トペ・コンヒーロ』

『スワンダイブミサイルキック』

小林邦昭「ッ―!?
ミカサ…!??

コニー「危ねぇ… 紙一重だ……
やったぞ…ギリギリ届いた…

小林邦昭「お…お前…
ピンピンしてるじゃねぇか!!」

コニー「やったぞ アルミン!!」
バシバシ

アルミン「痛いて!!痛いてな」

コニー「お前の作戦の成功だ!!
みんな!! あの外人は日本人側につくベビーフェイスだ!!
しかもオレ達のグダグダのフォローまでしてくれるんだってよ!!
アイツに群がる外敵をオレとミカサで引き付けて放送席にダイブしたお前らの所まで誘導してきた!!
アイツが上手いこと暴れてくれればオレ達はこの難局から脱出できる!!」

小林邦昭「…!?
外人に暴れてもらう!?」

小林邦昭「外人がベビーフェイスだと……?
そんな夢みてぇなアングルが…

タイガーマスク「夢じゃない…!!
ブック破りでも何でも構わない
ここであの外人により長く活躍してもらう…それが
現実的にこの生中継を成功させるための最善策」

公式プロフィール

人間山脈:アンドレ・ザ・ジャイアント
身長223cm 体重270kg

鋼の超人:ハルク・ホーガン
身長196cm 体重128kg

格闘王:前田日明
身長193cm 体重105kg

虎ハンター:小林邦昭
身長183cm 体重95kg

黄金のスーパーヒーロー:タイガーマスク
身長170cm 体重97kg

コニー「だ 大丈夫だ…
あの外人は並の外人より強い
あいつが派手に暴れている内は…お客さんも不満をもらさないだろう」

ライナー「お前ら あの外人についてどこまで知っているんだ?」

コニー「?……興行が無事に終わってからでいいだろ そんなこと」

ライナー「…そうだな…
まずは無事に終わってからだ」

小林邦昭「あったぞ! パウダー攻撃用の小麦粉だ
賞味期限は切れていやがるが…
目潰しなんて本当にいいのか…?
そもそもこんな卑怯な小細工…
正規軍のムーブに赦されるのか…?」

アルミン「何もあらへんよりはマシやとは思う…
次のバトルロイヤルに出場しよるルチャ系の覆面レスラー達が地元ではコミカル系のルードでならしてるんやったらこんなんみたいな反則や言うても
全員同時に目を見えへんようにしたるようなことも無理やないで」

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