酔っ払い「何してんの?」女勇者「魔王討伐」(126)

酔っ払い「.....ハッ。そりゃご立派なこった。」ヒック

女勇者「何だと?だれだ貴様は。」チャキッ

魔法使い「まぁまぁ。そんな飲んだくれなんか相手にしちゃダメよ。」ハァ
僧侶「勇者様。出発の準備はできてます。」
戦士「いつでも行けるぞ。」

女勇者「分かった。では出発だ!」スタスタ

酔っ払い「.......。」

店主「おいおい。喧嘩売る相手ぐらい選べ。よりによって勇者様に吹っかけるバカがあるか。」

酔っ払い「....あれが今の勇者なのか?」

店主「そうさ。女の身でありながら剣と魔法の才に溢れ、王国の騎士長にも引けをとらない腕前だってよ。それでもまだその実力は発展途上だと。」

酔っ払い「だが前回の勇者は王国の軍隊と同等以上と言われていたが?」

店主「ははっ。たしかにそうだ。だがそれは旅に出た後の話だろ?旅に出る前は一兵士にすら劣ると言われていたんだ。それに比べたら
   今の勇者様が遥かに上だろう。魔王を今度こそ倒してくれるさ。」

酔っ払い「.....だといいがな。それより酒だ。」

店主「はいよ。てか早くツケ払えよ。」

一ヶ月後〜

城下町・酒場

ギィ
女勇者一行「.....」

店主「これは勇者様。お疲れ様です。どうです?旅のほうは。」

女勇者「あ、ああ。順調に進んでいる。」

酔っ払い「おい。随分と辛気臭い面してんな。」ヒィック

女勇者「.....貴様には関係ないだろ。」

酔っ払い「どうせ魔物どもの強さに怖くなったんだろ。」

女勇者「ッ....。だまれっ!そんはずがあるものか!」

魔法使い「.....。」
僧侶「.....。」
戦士「.....。」

酔っ払い「あぁそうかい。せいぜい頑張りな。」

女勇者「貴様に言われずとも!だいたい酒ばかり飲んでいる無職に言われる筋合いなどない!」

酔っ払い「だ、だれが無職だ!ふざけるなっ!」ダン

女勇者「ふん。その慌てぶりを見ると図星のようだな。貴様のようなやつがいるとせっかくの食事が台無しになる。
    みんな行こう。」スタスタ

酔っ払い「待てよ!謝りやがれ!」

ギィ

酔っ払い「ち、ちっくしょーーーーー!」ダァン

店主「いや、働けよ。」

一ヵ月後〜

城下町広場

女勇者「.....はぁ。」

酔っ払い「これはこれは。勇者様じゃないですかい。相変わらず辛気臭い面だな。」ヒィィック

女勇者「.....また貴様か。その顔を見ると殺したくなるんだが。というより道端で何をしている?」

酔っ払い「あ、あんたには関係ないだろ。」

女勇者「.....。あぁなるほど。物乞いか。哀れだな。」

酔っ払い「.....。」(なんて冷たい目で見やがる。でもなんだか心地がいい....?)
    「おい。」

女勇者「....?」

酔っ払い「もっと俺を責めろ。」

女勇者「......。」ドゴッドゴッバキッ

酔っ払い「」ピクピク

女勇者「クズが。」

その日の夜

城下町・酒場

女勇者「.....ふぅ。」コトッ(酒とはまずいものだな)

酔っ払い「よっこいしょ。昼間はどうも。」ドサッ

女勇者「だれだ貴様は。さっさと失せろ。」

酔っ払い「おいおい。あれだけ仲良くやっておいてそれはあんまりだろ?」

女勇者「変態と仲良くなった覚えはない。その首今すぐはねてやろうか。」チャキ

酔っ払い「随分と荒れてんだな。仲間にでも見捨てられたか?」

女勇者「なっ....!」

酔っ払い「昼間も一人だったからもしやと思ったが図星みたいだな。」

女勇者「ち、ちがう!そんなはずがある訳がない!た、ただ仲間たちには別の目的ができただけで....見捨てられたとかでは.....」

酔っ払い「ふーん。で、あんたはまだ旅を続けるのか?」

女勇者「あ、当たり前だ!たとえ一人でも魔王を倒してみせる。」

酔っ払い「無茶苦茶だな。一人で勝てるはずがない。新しい仲間でも連れて行くべきだろ。」

女勇者「一人で十分だ!一人でも魔王を倒してみせる!」

酔っ払い「.....また裏切られるのが怖いのか?」

女勇者「ッ.....!違う!」

酔っ払い「あんまり見栄張ってると取り返しのつかないことになるぜ。....もう旅なんてやめちまえよ。」

女勇者「うるさい!貴様には関係ないだろ!無職のくせに!私は勇者だ!人々の希望であり勇気の象徴なんだ!
    そんな真似ができるか!」ガタッスタスタ

酔っ払い「やれやれ。」(いい加減仕事でも探そうかな。)

三ヶ月後〜

城門前

門兵「そこの者止まられよ。通行許可証を見せてもらおうか。」

女勇者「.....。」スッ

門兵「ん?これはこれは勇者様でしたか。失礼ですがフードを取って顔を確認させて貰えますか?」

女勇者「....。」ファサッ

門兵「なるほど。相変わらず辛気臭い顔だ。」

女勇者「......!?貴様はっ!」

門兵「そうそう。もと酔っ払いだよ。まぁ今は一応国の兵士としてなんとかやってるんだがな。」

女勇者「くっ.....。」フイッ スタスタ

門兵「ちょ、おいおい。待てよ。つれないな。一緒に酒飲んだ仲だろ?」ガシッ

女勇者「さ、触るな!」ドンッ

門兵「いってー。何すんだよ。ってあんた左腕はどうした?」

女勇者「お、お前には関係ないだろ。」

門兵「..........。なんでそこまでして旅を続ける?」

女勇者「..........私は勇者だからだ!たとえ死んだとしても後に続く勇者のためにも逃げるわけにはいかない!希望と勇気の
    象徴である勇者が命が惜しいからと逃げ出すわけにいかないんだ!」

門兵「だがあんたは勇者である前に一人の人間だろ?」

女勇者「貴様に何が分かる!!」ドカッ

門兵「」ピクッピクッ

女勇者「....何も.....分からないくせにっ....」

一ヵ月後

城下町・広場

女勇者「.........。」スタスタ

警備兵「ん?」(あれは女勇者か?それに左目には眼帯....?)

女勇者「.......あ。」ピタッ

警備兵「よぉ。俺だよ。門兵から警備兵に昇格したんだ。このままいけば王国騎士にもなれるってもんだぜ。にしても相変わらずだな。
    辛気臭いどころか、死人みたいな面してるぜ。」

女勇者「.......。」

警備兵「.........左目もやられたのか?」

女勇者「..........。」フイッ

警備兵「......なぁ。ここからずっと南に行ったところの山奥に小さな村があるんだ。何もないところだがみんな良い人ばかりでな。
    とてものどかな村なんだ。」

女勇者「..............。」

警備兵「......もう魔王討伐とか勇者なんてもの忘れてそこで暮らしてみないか?そこなら誰もあんたのこと詮索しない。」

女勇者「......。」ギリッ

ダッ

警備兵「あっ!おい。待てよ。....ったく。」(勇者......か)

三ヶ月後

城下町・広場

王国騎士「....きれいな満月だな。」(とうとう俺も王国騎士か。酔っ払いだった頃が懐かしいな。ん?)

???「......。」フラフラ

王国騎士「だれかいるのか?」(あの格好は....女勇者!?)

???「......。」フラフラ

王国騎士「女勇者なんだろ?おい。無視すんなよ。」タッタッタッ ガシッ

女勇者「え?」

王国騎士「やっぱりだ。ほら。俺だよ。もと酔っ払いの。まぁ今じゃ王国騎士だけどな。どうだ出世しただろ?
     つーかあんたよく見たらボロボロじゃないか。」(耳が....聞こえないのか?)

女勇者「あ.....。」ポロポロ

王国騎士「お、おい。どうしたんだよ。い、今回復魔法してやるから。」ポゥ

女勇者「....なんだよ....ど、どうせ馬鹿にしているのだろう。」

王国騎士「.......。」ポゥ

女勇者「あれだけ大きいことを言っておいて、こんな有様になって.....情けないやつだと.....口だけの....勇者ですらない
    臆病ものだと......そう.....思って.....いるのだろう.......。」

王国騎士「.....そんなことはない。あんたは立派だよ。過去の勇者よりずっと立派だ。本物の勇者だ。」

女勇者「う、嘘だ!そんなはずがない。こんな私が勇者であるはずがないんだ。魔王軍の幹部すら倒せず、こうして逃げて
    くるだけが精一杯の私が......」

ドオォン

女勇者「!!!!」

王国騎士「!!何だ!?城門の方から....爆音!?」

オォォォォォォォ

王国騎士「こ、この雄叫びは......魔物か!!!あ、おいどこへ行く!?」

女勇者「このまま迎え撃つ!貴様は住民の避難に専念しろ!」ダッダッダッダッ

王国騎士「な!?無茶だ!待て!.......くそっ!」プルプル (魔王が攻めて来たのか!?)

兵士「き、騎士様!?こんなところにいたのですか!?大変です!魔物の軍勢が攻めて来ました!
   今すぐ城へお戻りください!」

王国騎士「くっ!だが魔物も迎え撃たねばならんだろう!」

兵士「はっ!ただいま城内にて王国騎士の部隊の編成をしておりまして、すぐに迎撃に出るそうです。
   それまでは我々が住民を避難させますので。」

王国騎士「それでは遅い!すでに勇者が単身で向かっているんだ!俺も援護に向かう!」タタタタタタッ

城門前
ギャァァ キィン ザシュッ

女勇者「くっ!」ズパッ(数が多すぎる!魔力もあまり残っていない。このままだと......)
   「!!!」ガキィン

幹部「おーおーよく受け止めたな。勇者よ。」ギリギリッ

女勇者「き、貴様は....!」

幹部「お前の耳をかじるぐらいでは満足できなくてね。」ニヤ

女勇者「こ、このぉぉ!」ガキィン

キィン キィン ガッ

幹部「なんだ?随分とギリギリみたいだな。」

女勇者「なめるなっ!この程度でっ!」タタタタッ

幹部「甘いわっ!」ドゴ

女勇者「ぐはっ!」ズサ

幹部「ふん!せいぜいもがくんだな!」キィィィン ドガーン

女勇者「ぐぅっ....がはっ.....げほっ......ごほ....」ヒューヒュー

幹部「この程度で勇者だとは興醒めだ。これで終わりにしてやろう。」ヒュッ ガキィン

幹部「むっ!なんだお前は。」ギシギシ

王国騎士「女勇者!大丈夫か!?」プルプル

幹部「くっくっく。おい!お前震えてるじゃねえか!見たところ兵士みたいだが、怖いんだったらさっさと逃げたらどうだ?」ヒュッ

王国騎士「余計なお世話だっ!」ガキィン タタタッ

女勇者「なに....してる....早く逃げろ.....。」

王国騎士「あんたも余計なお世話だ!今回復してやるから!」ポゥ

幹部「....。」(ほう。詠唱なしで魔法が使えるのか。)

女勇者「....何で来た...?」ムクッ

王国騎士「どっちにしろ闘わないといけないだろ!?それに今勇者を失うわけにはいかん!士気にかかわってくる!」チャキッ

女勇者「.....。」スチャッ

幹部「....そろそろいいか?」

王国騎士「ハッ!随分余裕だな。行くぞ!」(くそっ!体の震えが止まんねぇ!だが今逃げるわけには!)

キィン キィン ドカッ

女勇者「はぁっ....はぁっ....ぐっ....」 (やはり強い!このままでは....)

王国騎士「ちっ!」ゼェゼェ (やっぱこのままじゃダメか。)

幹部「どうした?二人でこの程度か?勇者よ。また命乞いでもしてみるか?次は右耳だけでは済まさんぞ?」

女勇者「くっ....」 (せめてこいつだけでも道連れに.....)

王国騎士「....おい。勝手に諦めんなよ?こっからは本気出す。」 

女勇者「何か考えでもあるのか?」

王国騎士「ああ。単純に魔法を使うってこと。温存してても死んだら意味ないしな。あんたはさっきと変わらずに闘ってくれ。」

女勇者「....分かった。」

幹部「作戦でも決まったか?なら行くぞ。」

ヒュッ キン キン スパッ

幹部「ぐ!」(なんだ?さっきより早くなっている。それに力も....。)

女勇者「はああああ!」ダダダダッ (よし!これならいける)

王国騎士「どうした!?さっきより必死になってきたな!」キィン (やっぱ魔法もなまってるな。だがもう少しで....)

幹部「な、なめるなぁっ!全軍かかれぇっ!」

グォォォ

女勇者「ちぃっ!」(あと少しなのにっ!)

王国騎士「......おっしゃ!おい準備ができた!一旦下がれ!」キィィィン

女勇者「なにっ!?」ザザザッ

幹部「逃がすかぁっ!」タタタタッ

王国騎士「くらえぇぇぇ!」キーン ドッガーーーン

女勇者「くっ!す、すごい....。なんて威力だ....」パラパラッ (あれだけの数が一瞬で......一体何者なんだ?)

王国騎士「はぁっはぁっ.....さすがにしんどいな.....。でもこれだけ減らせば後は国の兵たちでも十分だろう。
     丁度来たみたいだしな。」

ガシャガシャ

騎士長「敵は目の前だ!かかれぇぇぇ!」

国王軍「うおおおおお!」

ーーーーー-----

女勇者「....おい!貴様一体何者なんだ?」

王国騎士「.......別に。ただの飲んだくれだよ」

女勇者「嘘をつくな!そんなはずがないだろう!......いや、無理には聞かないでおこう。それよりも助かった。礼を言う。」

王国騎士「随分素直だな。逆に違和感がある。」

女勇者「うるさい!」

王国騎士「なぁ。あんたはまだ旅を続けるのか?」

女勇者「......ああ。魔王を倒す。例え倒せなくとも手傷くらいは負わせて見せるさ。」

王国騎士「......怖くはないのか?」

女勇者「.......。怖いさ。今にも逃げ出したいくらいにな。」

王国騎士「だったら!」

女勇者「だが!私は勇者だ!人々に希望と勇気を与えるんだ!魔王討伐は果たせなくてもこれだけは!果たしてみせる....。」

王国騎士「ッ.....。」ザッ

女勇者「お、おい。何だいきなり膝をついて....。」

王国騎士「今まで数々の御無礼をどうかお許し下さい。あなたこそ真の勇者です。私もどうか魔王討伐のお供をさせて下さい。」

女勇者「いきなり何を言い出すんだ。たしかに心強いが.......。」

王国騎士「この剣に懸けて誓います!あなたの剣となり、盾となることを。ですからどうか......。」

女勇者「.......分かった。これからよろしく頼む。王国騎士。」

王国騎士「はっ。」

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
とりあえず書き溜めなくなりましたので、ここで一旦区切ります。

ありがとうございます。
あの、すいませんがトリップって名前の欄に#1234という感じでいいんでしょうか・
投稿するの初めてでよく分かりませんですた。

すいません。最初ss速報にたてようとしたらエラーがでたのでこっちにたてました。
ss速報にたってました?
ちょっと確認してきます。

遅くなりました。
今から書き溜めた分投下していきます。

ID変わってますが、今トリップつけたんでこれで大丈夫だと思います。

数日後

城門前

女勇者「準備はいいな?では行こうか。王国騎士....いやこれからは騎士か?」

騎士「ええ。騎士でかまいませんよ。まずはどこへ向かいますか?」

女勇者「うむ。まずは魔王軍の主力を潰していこうと思う。北の都市付近に最近凶暴な魔物が
    出没するようになったらしいんだ。そこへ行こうと思う。」

騎士「分かりました。では俺の移動魔法で。」

女勇者「頼む。あと敬語はやめてくれ。違和感がある。前のような話しかたでかまわんのだが。」

騎士「.....分かった。じゃあ行こう。」ビューン

北の都市

騎士「.....随分と被害が出ているようだな。」

女勇者「ああ。ここまでとはな。一刻も早くなんとかしなければ!」

騎士「まずは情報でも集めるか。」

女勇者「そうだな。」

兵士「そこのお方。旅のものか?」

女勇者「.....そうだが。今しがた着いたばかりだ。」

兵士「なるほど。最近この辺りは強力な魔物が出没している。被害は見てのとおりの有様だ。」

女勇者「たしかにひどいな。」

兵士「そこで今は少しでも兵力を集めているところだ。もちろん報酬は弾むがどうだ?」

女勇者「ふむ。どうする?騎士。」

騎士「いいんじゃないか?あんたに任せるよ。」

女勇者「分かった。引き受けよう。で、敵の情報は?」

兵士「おお!引き受けてくれるか!助かるよ。敵のことなんだがアジトはここから更に北に行ったところにある砦を拠点
   にしているようなんだ。あと敵の大将は怪力で大きな斧を使う。数はざっと1000匹ってとこだな。」

騎士「そこまで分かってるなら、こっちから攻めないのか?」

兵士「ああ。そのための兵の募集さ。ということで明日の朝、中央の広場に来てくれ。頼んだよ。」スタスタ

騎士「だ、そうだが。俺たちだけでやるか?」

女勇者「そうだな。下手に被害が大きくなるよりはいいか。」

騎士「じゃあ早速行くか。まぁ魔法でアジトごと壊して終わりだろ。」

女勇者「ふふっ。頼もしいな。」

騎士「.....。」(はじめて笑ってるとこ見た。.....カワイイな。)

女勇者「?どうした?行くぞ。」

騎士「あ、ああ。」

書き溜めてるんだったらもう少しゆっくりしてもいいんだぜ
でも支援

敵のアジト

騎士「......思ったより弱かったな。」

敵「」

大将「」

女勇者「......本当に魔法一発とは.....。」

騎士「帰ろうぜ。んでパーッと酒飲みたい。」

女勇者「そうだな。」(こいつ本当に何者なんだ?)



北の都市・酒場


騎士「ぷはー。うめー。」ゴトッ
女勇者「よくそんなに美味しそうに酒が飲めるな。」

騎士「なんだよ。酒の美味さが分からないとかまだ子供だな。」

女勇者「何!?子供ではないぞ!貴様がおっさんなだけだ。」

騎士「おいおい。勘弁してくれこれでもまだ20歳だぞ。」

女勇者「は?私とそんなに変わらないじゃないか!」

騎士「だろ?おっさんはひどい。でも罵られるのは嫌いじゃない。」

女勇者「.....。」(忘れてた。こいつ変態だった。)

騎士「.....ああっ。その目だ!」

女勇者「だまれ。......それより外が騒がしいな。」

ワーワー ユウシャサマガイルッテ? ドコダ?

騎士「あんたが勇者ってバレちまったからな。」

女勇者「まぁ、無理に隠すようなことでもなかったからな。だがここまでの騒ぎになると居づらいな。」

騎士「だな。さっさと次の目的地にでも行こうか。」

女勇者「次は東の城に行く。噂ではなにやら魔物と手を組んでいるらしいんだ。」

騎士「魔物と!?それは気になるな。」

女勇者「ああ。出発は明日の朝だ。」

騎士「分かった。」

すいません。ちょっと少ないですが今日はこれで終わりにします。
>>41ありがとうございます。明日はもっと書き溜めてから投下します。

今から用事あるんで、書き溜めた分投下していきます。

の城・城下町

ワイワイガヤガヤ

女勇者「見たところはいたって平和な国だな。」

騎士「そうだな。まぁガセだったとしても装備は整えられるだろう。貿易は盛んみたいだしな。」

女勇者「そうか?装備はこのままでも構わんが。」

騎士「さすがにこのまま魔王討伐は厳しいだろ。ここには知った店がある。そこへ行こう。」

女勇者「分かった。任よう。」

東の城・武具の店

女勇者「ここか?随分と目立たないとこにあるんだな。」

騎士「ああ。でも腕はたしかだよ。俺が保証する。」ガチャッ

店主「いらっしゃい。おっと。これは懐かしい顔だ。今日はどんな用件だい?」

騎士「ああ。久しぶりだな。今日は装備を新調しに来た。」

店主「......。そうか。で、そちらは?」

女勇者「はじめてお目にかかる。私は勇者だ。」

店主「!.....そうかい。あんたが今の勇者か.....。」

騎士「ああ。今はこうして魔王討伐の旅にお供させてもらっている。」

店主「そうか......。」

女勇者「....?」

店主「よし!そういうことなら任せな!腕によりをかけて見繕ってやるよ。」

騎士「助かるよ。あと変な噂を聞いたんだが。」

店主「ん?あれか。この国が魔物と手を組んでるっていうヤツか。」

女勇者「何か知っているのか?」

店主「たいした情報はないんだが、どうも国というより最近新しくなった大臣が裏で何かやってるらしい。」

女勇者「この国の大臣が?」

店主「ああ。今の大臣は裏ではろくな噂は聞かないからな。まぁ国のためか私欲のためかは分からんがね。」

騎士「どうする?女勇者。」

女勇者「そうだな。まずは国王に挨拶しに行こうか。勇者が来たとなれば向こうから何か行動に出るだろ。」

騎士「それはちょっと危険じゃないか?」

女勇者「大丈夫だろ。向こうもあまり目立ったことはできないだろうからな。」

騎士「不安だ.....。」

店主「まぁ頑張りな。装備の方は明日までには仕上げとくよ。」

東の城・城内


東の王「おお!そなたが勇者か。その活躍ぶりは聞き及んでおるぞ。」

女勇者「はっ。勇者の名に恥じぬようこれからも精進いたします。」

東の王「うむ。隻腕、隻眼でありながらその気迫。さすがじゃ。ん?その者は勇者の仲間か?」

騎士「はっ。」

東の王「......はて。前に会ったことがあるかのう?」

騎士「いえ。滅相もございません。私のようなものが国王様にお会いするなどと。」

東の王「.......そうであるか。あいやすまぬ。わしの思い違いであった。して勇者が来たとなればやはり例の噂か?」

女勇者「!?ご存知でしたか。」

の王「うむ。我が国が魔物と手を組むなどという噂はほうってはおけんからの。じゃが尻尾はまだつかめておらんのじゃ。」

大臣「またその話しですか。王ともあろうお方がそのような噂に振り回されてはなりませんぞ。」ソワソワ

騎士(怪しい。)

女勇者(怪しすぎる。)

東の王(絶対大臣のはずなんじゃが。)

大臣「な、なんですか?その目は。」

東の王「いや。何でもない。大臣よ。勇者たちと話しがある。下がれ。」

大臣「なりません!。陛下の身に何かありましたら一大事です。」

東の王「かまわん。それとも大臣よ。わしに人を見る目がないとな?」

大臣「いえ、けっしてそのようなことは。......分かりました。では勇者殿、後ほど。」スタスタ

東の王「.....ふう。では話しを続けようか。二人とももっと近う寄れ。」

女勇者・騎士「はっ。」

東の王「実はの。わしは大臣が怪しいと思うのじゃが、はっきりとした証拠がないのじゃ。」

女勇者「そうでしたか。」

東の王「そこで勇者であるそなたに頼みたい。」

女勇者「分かりました。必ずや尻尾をつかんで見せます。」

東の王「うむ。期待しておるぞ。大臣は夜な夜な出掛けるそうじゃ。兵に尾行させても途中で見失ってしもうての。」

女勇者「なるほど。ですが勇者の私が来たとなれば相手からなにかしら接触してくるかと。」

東の王「すまぬ。危険な役をさせる。」

女勇者「いえ。私は勇者ですので。」

東の王「よし。そうと決まれば今夜は城でゆっくり休むがよい。ん?」

姫「お父様。そちらのお方は?」スタスタ

東の王「おお。姫よ。こちらは勇者とその仲間じゃ。勇者よ紹介しよう。わが娘でありこの国の姫じゃ。」

姫「まぁ。あなたがあの勇者様。お目にかかれて光栄ですわ。」

女勇者「はっ。ありがたきお言葉。」(この国の姫か。なんと美しいお方だ。)

姫「もしよろしければ旅のお話しを聞かせて頂けませんか?」

東の王「これこれ。勇者は疲れておる。迷惑をかけるでない。」

女勇者「いえ。私はかまいませんが。」

姫「ほらこう言って下さってますし、いいでしょう?お父様。」

東の王「すまぬ勇者。少しの間頼めるか?」

女勇者「はっ。」

姫「では参りましょう。勇者様。」スタスタ

騎士「.....。」

東の王「やれやれ。すまんのう。一人娘であるためつい甘やかしてしまう。」

騎士「ははっ。そんなことはないと思いますよ。」

東の王「そうかのう。それにしてもこうして会うのは久しいな。昔を思い出す。」

騎士「......ええ。」

東の王「すまぬ。思い出させてしまったか。」

騎士「....いえ。」

東の王「今の勇者と旅をしているのはお主の決意があってのことじゃろう。わしからは何も聞くまい。」

騎士「ありがとうございます。」

東の城・姫の部屋

女勇者「ーその湖は息をのむほど美しい景色でした。」

姫「まぁ。わたくしも是非とも見てみたいですわ。」キラキラ

女勇者「よろしければ今度私の移動魔法でそこへ行きましょうか?」

姫「本当ですか?ふふっ。楽しみにしておきますわ。約束ですわよ?」パァッ

女勇者「ええ。必ず。」

姫「はぁ。勇者様のお話はとても魅力的ですわ。わたくし外には出してもらえなくてこうして外の世界の話しを
  聞くのが楽しくて.....。お疲れのところ付き合わせてしまって申し訳ありません。」

女勇者「いえ。私の話でよければいくらでも。」

姫「ところで勇者様はずっとお二人で旅をなされているのですか?」

女勇者「いえ。はじめは四人で旅をしていましたが、途中でパーティを解散してしばらく一人旅をしていました。あの者と
    旅をはじめたのはつい最近です。」

姫「そうでしたの.....。お連れの方はどういった方ですの?」

女勇者「騎士のことですか?実はあまりよく知らないのです。前から顔は知ってましたが、最初にあったときはただの酔っ払い
    でしたから。まぁ腕はたしかなのですが。」

姫「そのような方とどうして旅に?」

女勇者「先日、祖国に魔王の軍勢が現れたときに私を助けてくれました。そのときに騎士が旅に連れて行ってほしいと言われて...。」

姫「勇者様は慕われていらっしゃるのですね。」

女勇者「そうでしょうか?」

姫「ええ。きっとそうですわ。勇者様のお力になりたかったのですよ。」

女勇者「ですが私は未熟です。未熟故に見栄を張り一人で魔物と戦い腕と目を耳を失いました。」

姫「未熟だなんてとんでもない。そこまでしても世界のために旅を続けるからこそ騎士様も勇者様のために旅に出たんですわ。」

女勇者「そう...かもしれませんね。」

姫「.....勇者様は騎士様のことどう思われてるのですか?」

女勇者「どう思っているか、ですか?まぁ頼れる旅の仲間ですね。」

姫「それだけですの?」

女勇者「あとは.....何といいますか。私を勇者としてだけではなく一人の人間として接してくれる人、ですか。」

姫「なるほど。お互いに好きあっておられるのですね。」

女勇者「な!?ななななにをおっしゃいますか!いきなり!アイツはた、ただの仲間でしてそれに変態ですし!」

姫「ふふっ。そういうところも知り合える仲ということですわね。」

女勇者「ち、ちがっ!!.......っ。」

姫「あら。違いましたか。申し訳ありません。わたくしてっきり。」

女勇者「そ、そうです!...ゴホン...私は勇者です。魔王討伐が使命であり、それだけしか考えておりません。」

姫「そうなんですの。」ジトー

女勇者「はい。な、なんですかその目は?」

姫「別になんでもありませんわ。」

女勇者「そ、それに私はこんな体です。片腕、片目、耳だって片方ありません。こんな女より姫のような美しい
    お方がいいに決まっています。」

姫「あら?そんなことありませんわ。勇者様はとても素敵ですわよ。容姿も美しくて、心まで美しいですわ。」

女勇者「そ、そんな....」

コンコン

メイド「姫様、勇者様。お食事のご用意ができました。」

姫「まぁ。もうそんな時間ですの?では勇者様行きましょう。」

女勇者「.....はい。」

ガチャッ

姫「あら。騎士様もご一緒でしたの?先ほどはご挨拶もせずに申し訳ありませんでしたわ。」

騎士「ああ。いえ。こちらこそ。」

女勇者「......。」フイッ

騎士「ん?」

姫「ところで騎士様は勇者様のことどう思われていらっしゃいますの?」

女勇者「ぶっ!な、何をまた!」

騎士「....どう、ですか?」

姫「はい。」

騎士「そうですね。わたしは勇者の剣であり盾であります。勇者が望むならこの騎士。目となり、腕となり、耳となる覚悟です。」

姫「ということはつまり?」

騎士「ええ。この身も心も捧げたということですね。」キリッ

姫「まぁっ!やっぱり!」キラキラ

女勇者「きっさまぁぁ!」ドカッドカッ

騎士「な、なぜっ!?」ガフッ

女勇者「うるさいっ!誤解されるような言い方をするな!わざとだろ!?わざとだな!?」ドゴッ

騎士「がはっ!.....む、無念....」ガクッ



東の城・大臣の寝室

大臣(まさか勇者まで来るとは....。間違いなくわしを疑っておる。国王だけならまだしも.....。勇者相手では分が悪い。)

大臣「.....潮時か。」

??「何が潮時なのだ?」

大臣「ひっ。あ、あなたは!?どうやってここまで?」

??「ふん。この程度容易いものよ。それより勇者が現れたそうだな。」

大臣「え、ええ。情報がお早いですね。」

??「ちょうどいい機会ではないか。勇者を捕らえる。前回の勇者では失敗したからな。」

大臣「殺すのですか?それではまた次の勇者が現れてしまいます。」

??「なに。殺しはせん。あくまで生け捕りにするのだ。よいな?」

大臣「む、無茶です。わし一人では....。」

??「安心せい。貴様が失敗したところで我がおる。勇者ごときに遅れはとらん。」

大臣「ですが、勇者にはもう一人仲間がいます。」

??「仲間?ふむ。勇者は一人で旅していると聞いておったが.....。」

大臣「城に来たときにはたしかに仲間がいました。騎士と名乗る男です。」

??(勇者の最初の仲間はすでにこちらの手中にあるが、まだ他にもおったか....。所詮は寄せ集めであろうが一応調べておくか。)

??「かまわん。一人増えたところで何も変わらぬであろう。では果報を待っているぞ。」シュン

大臣「お、お待ちくだ.....消えた....。」

魔王城・地下牢

??「...。」シュン

魔法使い「....ブツブツ......ブツ.....。」

僧侶「神よ......どうか......。」ガタガタ

戦士「ウー.....アー....。」ダラダラ

??「...おい。」

僧侶「ひぃっ....ど、どうか.....命だけは.....。」ビクビク

??「....ふむ。他の二人は壊れたか....。貴様はたしか僧侶だったな。」

僧侶「....い、いやだ....死にたくないぃ.....。」ビクッ

??「ならば我が質問に答えよ。今勇者に仲間がおるそうだが、貴様ら以外に心当たりはあるか?」

僧侶「し、知りません.....。本当に....何も知りません.....。わ、私達が知っていることは...す、すべて話しました.....。」カタカタ

??「命惜しさに勇者を見捨てるような奴は信用ならんな。貴様が話す気になるまで体に聞くとしよう。」ガシッ

僧侶「ひっ!...し、知りません知りません...本当です....だから...もう....ゆるし.....いやだあぁぁぁ!」ズルズル



二日後

魔王城・地下牢

僧侶「」

??「本当に何も知らなかったか.....。それならたいした奴ではないということか。」(ただの思い過ごしであればよいが....)

東の国・城下町

女勇者「新しい装備はもうできているだろうか。」スタスタ

雑魚1「あれが勇者か?」ヒソヒソ
雑魚2「多分そうだ。今は一人だ。やるぞっ!」ダッ

女勇者「んぐっ!.....ッ.....。」ガクッ

雑魚1「よし。さすがにこの薬はよく効くな。」
雑魚2「じゃあさっさと引き渡しに行くぞ。」

騎士「....女勇者....。」コソ(あとはつけるだけか。)

町外れの小屋

雑魚1「やっと着いたぜ。」
雑魚2「ダンナ連れて来ましたぜ。」

大臣「うまくいったか?」

雑魚1「ばっちりでさぁ。」

女勇者「....。」スゥスゥ

大臣「うむ。間違いないな。ほれ、報酬じゃ。」(あとはあのお方を待つだけだな。)

雑魚2「毎度ありぃ。」

ザンッ
   
雑魚共「ぐあっ」ドサッ

大臣「な!?誰だ!」

ドコッ

大臣「げへっ」ガクッ

騎士「俺だよ大臣。...おい!起きろ!」パシパシ

女勇者「んっ!....ここは?.....はっ!うまくいったのか?」ガバッ

騎士「ああ。やっぱり大臣が犯人だったな。」

女騎士「そうか。よし!これであとは吐かせるだけだな。」

騎士「そうだな。もう少しで兵たちが来るだろう。あと....ほら。新しい装備だ。ついでに持ってきた。」ガチャ

女勇者「なんだ。取って来たのか。」ガチャガチャ

??「しくじったようだな。」スッ

女勇者「!?誰だ!」チャキッ

??「.....。」バッ

女勇者「くっ!逃がすかっ!追うぞ!」ダッ

騎士「分かってる!」ダッ

草原

??「.......。」

女勇者「もう。逃げるのは終わりか?まずはそのフードを取ってもらおうか。」

??「くっくっく。まさか貴様がいるとはな。わしの嫌な予感は当たっていたようだ。」

女勇者「なんだと?貴様など知らんぞ!」

??「勇者よ。貴様ではない。そこの男のことよ。今は騎士だったか?」

騎士「....何?お前はだれだ!」

??「一度魔王様に敗れた貴様がまた勇者と共に魔王様へ闘いを挑むとはおもわなんだ。」

騎士「ッ....!?」

女勇者「な.....に....?」

??「まさか魔王様の恐ろしさを忘れたわけではあるまい?またあの時のように勇者を死なせたいのか?」

騎士「...だまれっ!」タタタッ

??「貴様がいるのであれば我も本来の姿で闘おう。」モコモコ バキッバキキ

女勇者「で、でかい!」

騎士「お前は......ドラゴン!?」ズザッ

ドラゴン「グオォォォォォォォォォォォォッ!!」ビリビリッ

女勇者「こ、これがドラゴン!?なんて大きさだ!」

ドラゴン「我こそは魔王様が側近!勇者たちよ!我が力に恐怖するがよい!」グルルルル

女勇者「なんて威圧感だ....。こんなのに勝てるのか....?」ゴク

騎士「女勇者!ボーッとするな!俺達ならやれる!」ダッ

ドラゴン「ゆくぞぉっ!!」ゴォォ

書き溜めた分おわりました。
続きはまた明日になると思います。

ドォン ガキィン ドカーン

女勇者「この巨体でなんて早いんだ....!」ズザザ

ドラゴン「さすがは勇者なだけはあるな。そんな体でよく戦える。」ゴッ

騎士「空を飛ぶのはやっかいだな。まずは翼を狙うか....。」キィン ドガーン

ドラゴン「ふん。その程度避けれぬ我ではないわ!」ブワッ

女勇者「そこっ!」ズパン

ドラゴン「なっ!?いつの間に!?....ぐぅぅぅ!」ズシィン(翼が....これでは飛べぬ....)

騎士「これで戦いやすくなるな。」ブン

ドラゴン「さっきの魔法はめくらましか。やはり貴様はやっかいだな。」ガキィン

騎士「そりゃどうも。」キィン

女勇者「雷撃魔法!」ピシャッ ドゴォォン

ドラゴン「グオォォ!」パリパリ

女勇者「やっとまともに当たったな!」ニッ

ドラゴン「おのれぇぇぇ!人間がぁ!」グアッ

ゴォォ キィン ドゴッ

女勇者「いける!」ガキィン

ドラゴン「舐めるなァッ!」グァッ

騎士「吠える割りにはだいぶ傷が増えてきたな!」ズパッ

ドラゴン「まだまだこの程度でやられはせんわ!」(さすがに血を流しすぎておる。ここは一旦退くか....。)

騎士長「撃てぇッ!」

兵「はっ!」ドォォン

ドラゴン「ぐっ!?砲撃だと!?」グラッ

女勇者「これは....東の国の兵たち!?」

騎士長「全軍!勇者様に続けぇ!」

東軍「うおぉぉぉぉ!」ドドドドッ

ドラゴン「....この...人間風情がぁぁぁ!」ゴォォォッ

東軍「ぐぁぁぁ!」

東の王「ひるむなぁ!進めぇ!」

東軍「ぐ、おぉぉぉぉ!」

騎士「俺たち相手に余所見とは随分と余裕だな!」ザシュッ

ドラゴン「がはっ!」ヨロッ

女勇者「これでとどめだっ!」ザンッ

ドラゴン「ゴフッ....」ズゥン

女勇者「....やったか!?」ゼェッゼェッ

ドラゴン「....わ、我としたことが.....ぬかったわ....」グフッ

騎士「その傷じゃもう助からないな。」

ドラゴン「たとえ...命尽きようとも...貴様ら...人間ごときには...屈さぬ....殺せ。」

騎士「この状況でも人間を見下すか...。いい目だ。.....興奮する。」チャキッ

ドラゴン「...ふざけr」ドシュッ

騎士「だが女勇者には及ばん!」キリッ

東の城

東の王「わが国の勇敢なる兵士よ!皆の働きにより魔王の側近を討ち果たすことができた!」

東軍「はっ!」

東の王「わしはそなたたちを心より誇らしく思う。今宵は傷ついた体をゆるりと休めるが良い!」

東軍「ははっ!」

東の王「堅苦しい演説はここまでにして....。今宵は宴じゃあっ!」

東軍「おぉぉぉ!」

宴会〜

ワイワイ

女勇者「....。」キョロキョロ

東の王「勇者よ。楽しんでおるか?」

女勇者「!これは陛下。楽しませてもらってます。」

東の王「うむ。それは何よりじゃ。そなたらにはなんと感謝すればいいことか。」

女勇者「いえ。陛下のおかげです。私たちだけでは勝てていたかどうか。」

東の王「そんなに謙遜するでない。わしは何もしておらぬ。頑張ってくれたのは兵たちじゃしのぅ。」

女勇者「陛下の人望があってのことかと。」

東の王「ほっほ。そう言ってくれるとうれしいのぅ。ところで勇者。」

女勇者「は。なんでしょう?」

東の王「西の地に反魔王軍の組織があるという話しは知っておるか?」

女勇者「反魔王軍ですか?初耳ですね。」

東の王「そうか。わしも詳しくは知らんのじゃが。勇者の耳には入れといた方がよいと思ってな。」

女勇者「分かりました。こちらでも調べてみます。

東の王「うむ。何でもそこの統率者はかなりの魔法の使い手らしい。そこの協力を得られればかなりの戦力になるじゃろ。」

女勇者「は。」

東の王「難しい話はここまでにしておこうかの。そういえばわが娘が探しておったぞ。」

女勇者「姫様が?」

姫「勇者様ー!」トタトタ

東の王「おお。噂をすればじゃ。ではわしはこれで。」スタスタ

姫「勇者様!お話しは伺いましたわ!さすがは勇者様!戦うお姿はまさに鬼神の如きお強さだったとか!」キラキラ

女勇者「い、いえ。さすがにそれは言いすぎです。」

姫「そんなことありませんわ!相手はあの魔王の側近!お城からあのドラゴンの姿を目にしたときは身も凍る思いでしたわ。
  あれほどの敵にたった二人で挑んだなんて、まさに噂に違わぬ勇者様です!」

女勇者「お褒めに預かり光栄です。」

兵「あ!勇者様!こちらで飲みましょう。」ガシッ

兵「勇者様だ!是非わたしに剣を教えてください!」ガシッ

女勇者「ちょ、ちょっと。待ってくれ。私は....」

兵「勇者様!こちらでお話しを!」

兵「勇者様だ!是非ともこちらで!」

姫「まぁ。さすがは勇者様ですわ。ここまでの人気とは。」フフッ

ユウシャサマー ユウシャサマダ! ケッコン!

ーーー--

女勇者「...ふぅ。やっと抜け出せた...。」フラフラ

騎士「....。」グビッ

女勇者「こんなところにいたのか?」スッ

騎士「....ん?あんたか。...外の風が気持ちよくてな。」

女勇者「そうか。.....なあ、あの側近が言ったことは本当なのか?」

騎士「.....ああ。本当だよ....。黙っていて悪かった。怒ってるか?」

女勇者「....いや、怒ってなどいない。世界のために魔王と戦ったんだろ?」

騎士「...ああ。勇者も俺たちも世界のために必死に戦ったよ。」

女勇者「そうか。前の勇者はさぞ勇敢だったんだろうな。」

騎士「...ああ。勇者と呼ぶにふさわしかった....。」

女勇者「そうか。最期まで立派だったのだろうな。」

騎士「........泣いていた....。」

女勇者「え...?」

五年前ー

魔王城・玉座


魔王「どうした?終わりか勇者たちよ。」

騎士「....こいつ...バケモンかよ...」

賢者「....く...」

勇者「ぐっ...そんな....ここまで....」

ドラゴン「人間共め。これで身の程が分かったであろう。」

勇者「く、くそっ....!お前らなんかにっ.....!」ポロポロ

賢者「勇者....」

騎士「ゆう....しゃ...?」

魔王「ふははは。どうした勇者よ。涙など流して。それほどに我が恐ろしいか?」

勇者「....っ!」ガチガチ

騎士「勇者!逃げよう!このままじゃ勝てない!」

勇者「くっ...」プルプル

魔王「ほう。逃げるか?仮に逃げれたとして我にまた歯向かうことができるか?」

勇者「あ...ぅ....」

賢者「勇者!逃げましょう!」

魔王「くくっ。安心するがよい勇者よ。殺しはせん。次の勇者が現れぬよう、この城で飼ってやる。」

勇者「ッ!?....賢者、騎士。せめて二人だけでも逃げてくれ.....。」チャキ

騎士「何を言ってる!一緒に....」

勇者「僕はダメだ....。もう僕は魔王に立ち向かえない....。それにこのまま捕らわれるくらいなら....」ドスッ

賢者「え...?」

勇者「せめて....次の勇者に....希望を....託す.....ごふっ...」ドサッ

ドラゴン「な!?こやつ自分の心臓を....!」

賢者「い、いやあぁぁ!」

騎士「そん...な....」

魔王「下らん真似をしおって....!」

ドラゴン「魔王様。如何いたしましょう?」

魔王「死んでしまっては仕方あるまい。次の勇者を捕らえるまでよ。」

ドラゴン「はっ。では残りの二人は....。」

賢者「あ......」

騎士「.......。」

魔王「そやつらに用はない。始末しておけ。」スタスタ

ドラゴン「仰せのままに。」スッ

騎士「くっ!」ダッ

賢者「!?騎士!離して!私は勇者と....!勇者と....お願い.....離してっ....!」

ーーー---

女勇者「自害....したのか?」

騎士「ああ。勇者は世界に唯一無二の存在。自分が生きている限り次の勇者は現れない。だから....」

女勇者「そうか...そうだったのか。....もう一人の仲間はどうなったんだ?」

騎士「さぁ。そのあと何で助けたんだと思いっきりビンタされてな。そのままどっか行っちまった。」

女勇者「そうか...。そんなことが。」

騎士「済まない。」

女勇者「騎士が謝ることじゃない。」

騎士「...。」

ーーー---

女勇者「自害....したのか?」

騎士「ああ。勇者は世界に唯一無二の存在。自分が生きている限り次の勇者は現れない。だから....」

女勇者「そうか...そうだったのか。....もう一人の仲間はどうなったんだ?」

騎士「さぁ。そのあと何で助けたんだと思いっきりビンタされてな。そのままどっか行っちまった。」

女勇者「そうか...。そんなことが。」

騎士「済まない。」

女勇者「騎士が謝ることじゃない。」

騎士「...。」

あ、すいません>>1です。
間が空きましたが、ボチボチ投下していきます。

女勇者「....なあ。騎士はこのまま私と旅をしていいのか?」

騎士「どうしたんだ?急に。」

女勇者「いや。せっかく助かった命なのだろ?わざわざまた死地に向かわずとも。」

騎士「女勇者が気にすることはない。俺は自分の意思であんたに付いて行くと決めたからな。」

女勇者「ありがとう。なんとなくだが騎士ならそう言ってくれると思ったよ。」

騎士「まあ、なんだ。あんたが世界のために闘うなら、せめて俺だけでも女勇者のために闘おうと決めたんだ。」

女勇者「ふふっ。なんか照れくさいな。」

騎士「そうか?でも当然だろ?なんたって俺は女勇者の騎士だからな。」

女勇者「......うん。」

翌日

東の城・城内


東の王「勇者よ。もう旅立つのか。まだゆっくりしていってもかまわんだろうに。」

女勇者「ありがとうございます。ですがこうしている間にも魔物による被害は増えていますので。」

東の王「うむ。じゃがあまり気負いすぎぬようにな。武運を祈っておる。」

姫「勇者様。道中お気をつけて。」

女勇者「はっ。」

西の地・平原


騎士「どこも廃墟だらけだな。」

女勇者「この地はすでに魔王の支配下だからな。」

騎士「たしかに魔物もかなり強いしな。でも本当にこんな地に反魔王軍なんているのか?」

女勇者「どうだろうな。だがそれを確認するために来たんだ。」

騎士「しらみつぶしに探すしかないか。」

女勇者「そう言うな。もし接触できれば魔王軍について有益な情報が聞けるはずだ。」

騎士「そうだな。」

数週間後

西の地・廃墟


騎士「はあ。」

女勇者「なんだ。うるさいぞ、さっきから。」

騎士「だってよ。全然見つからないじゃん。どこいっても魔物、魔物。正直疲れる。」

女勇者「愚痴を言うな。その分こっちも強くなっている。修行だと思え。」

騎士「そりゃそうだが....。けどこの地もあらかた調べ尽くしたろ?やっぱいないんじゃないか?」

女勇者「....かもしれんな。それにいい加減、魔王にも勘付かれてもおかしくはないか....。」

騎士「だな。チンタラしてられないな。」

女勇者「....おい。」

騎士「ああ。.....何かいるな。」

女勇者「囲まれたか。」

??「てめぇらだろ?最近この地をうろついているヤツって。」

女勇者「....何か用か?」(人間....)

??「安心しろよ。敵じゃねえ。ただ何者か確認しに来ただけだよ。」

女勇者「私は勇者だ。この地に反魔王軍がいると聞いて来た。貴様たちがそうか?」

??「へぇ。こいつは驚いたな。勇者様がおれたちに何の用だ?」

女勇者「魔王についての情報が欲しい。」

??「.....なるほどな。ちょっとそこで待ってな。」

女勇者「いいだろう。」

数時間後


??「待たせた。ついて来な。」

女勇者「....やっとか。」

??「悪かったな。これでも急いだんだぜ?」

女勇者「別に気にしてない。やっと見つかったんだ。これくらい大したことない。」

??「ならいいけどよ。おっと、自己紹介がまだだったな。おれは女戦士だ。よろしくな。」

女勇者「ああ。よろしく。こいつは私の仲間の騎士だ。」

騎士「よろしく。」

女戦士「おう。にしても思ってたのと全然違うんだな。勇者ってもっとゴツイのかと思ってた。」

女勇者「そうなのか?想像と違うのによく勇者だと信じたな。」

女戦士「まあ、なんだろうな。勇者だと言われて妙に納得できたんだ。」

騎士(大丈夫なのか?コイツ)

反魔王軍アジト


女戦士「ここがおれたちのアジトだ。歓迎するぜ。」

女勇者「なるほど。強力な結界だな。見つからない訳だ。」

騎士「....この結界は.....」

ヒソヒソ ユウシャダッテ アレガ? ホントニ?

武闘家「その人たちが勇者ご一行様?」

女戦士「そうだぜ。魔王の情報が欲しいんだってさ。」

武闘家「ふーんそうなんだ。はじめまして。私は武闘家よ。」

女勇者「ああ。よろしく。」

武闘家「この部屋で私たちのリーダーが待ってるわ。」ガチャ ギィ

リーダー「ようこそいらっしゃいました。勇者。」

女勇者「あなたがここのリーダーか。」

リーダー「ええ。そうです。......それと久しぶりね。騎士。」

女戦士「は?」

武闘家「え?」

騎士「.....ああ。久しぶりだな。まさか反魔王軍のリーダーをやっているとはな。賢者。」

女勇者「賢者?まさか...あなたは!」

賢者「ふふっ。騎士から聞いてるみたいですね。私たちはかつての勇者の仲間でした。」

女勇者「やはり....。」

賢者「それにしても騎士。あなたがまた勇者と旅をしているとは思わなかったわ。」

騎士「.....まあ、色々あってな。」

賢者「....そう。....積もる話もあるけれど、まずは本題に入りましょうか。」

女勇者「...ええ。実は魔王のことですが。あなた方なら何か魔王を倒せる方法を知らないかと思いまして。」

賢者「なるほど。たしかにこちらでは魔王について調べてはいますが、弱点となりえる情報は得られていません。」

女勇者「そうですか.....。」

賢者「ごめんなさい。期待に添えなくて...。」

女勇者「いえ、決してそのようなことはないです。」

賢者「ですが、できる限りあなたの力になります。こちらにもそれなりの戦力はありますから。」

女勇者「ありがとうございます。」

賢者「今日はもうお疲れでしょう。たいしたもてなしはできませんがゆっくりしていって下さい。」

女戦士「じゃあおれがここを案内してやるよ。」

武闘家「それならあたしも。」

女勇者「ありがとう。助かるよ。」

賢者「それと少し騎士をお借りしていいですか?」

女勇者「ええ。かまいませんが。」

賢者「それでは後ほど。」

女戦士「じゃあ女勇者行こうぜ。」

ギィ バタン

騎士「....。」

賢者「...ふう。そう身構えなくていいわ。」

騎士「ああ....。」

賢者「あなたにはまず謝らないといけないわね。...ごめんなさい。」

騎士「急にどうしたんだ?」

賢者「あの時あなたのおかげで助かったのに、あんなこと言ったでしょ?」

騎士「あのことか。むしろ俺が謝りたいくらいだ。...勇者を守れなかった。」

賢者「そんなことないわ....。あれはどうしようもなかった。誰のせいでもないわ。」

騎士「.....すまない。」

賢者「謝らないで.....。」

アジト内

女戦士「なあ。えっと騎士、だっけ?」

女勇者「?」

女戦士「やっぱ強いのか?」

女勇者「は?」

武闘家「はぁ...。まったくあんたは。そういうことしか考えられないわけ?」ハァ

女戦士「いいだろ別に。賢者の仲間だったんだ、武闘家も興味あるだろ?」

武闘家「まあ、たしかにそうだけど。」

女勇者「なるほど。まあ強いと思うぞ。」

女戦士「そっかそっか。強いか。そいつは楽しみだな。」

武闘家「まさか闘うつもりじゃないでしょうね。」

女戦士「なんだよ、手合わせくらいいいだろ?なあ、女勇者。....ダメか?」

女勇者「私は別に構わんが...。なんなら私が相手になってもいいぞ?」ニヤ

女戦士「マジかよ!?いいのか?是非頼む。」

武闘家「....はあ。....この脳筋が。」ボソッ

賢者「何を騒いでいるんですか?」スタスタ

武闘家「あ、賢者ー。聞いてよ。女戦士がさ。」

女戦士「賢者!この二人と手合わせしたいんだ!女勇者はいいって言ったぞ。なあ、いいだろ?」

賢者「ええ。いいですよ。」ニコッ

騎士「え?なに?よく聞こえなかったんだけど。」スッ

女戦士「よっしゃあ!じゃあ、さっそく....」

賢者「待って下さい。今日はゆっくり休んで明日にして下さい。」

女戦士「えー」

賢者「女勇者も疲れているでしょう。手合わせは明日。いいですね。」

騎士「なになに?どういうこと?」アセッ

女戦士「....分かったよ。明日だな。」

賢者「それと武闘家、あなたも。いいですね?」

武闘家「え?いいの?あたしも?」

女勇者「うむ。多いほうがいいに決まっている。」フフン

騎士「なにがいいの?ねえ。」

賢者「それでは決まりですね。」ニコッ

今日はここまでにしときます。
読んで下さった方、ありがとうございます。

ちょっと内容がまとまらなくなってきて、完結できるか不安ですが
頑張ります。

その夜

クリスタ「なんだか可哀想だよ…」

ユミル「ケッ…兵士が甘えた事抜かしやがって…」

クリスタ「そうかもしれないけど…私は助けてあげたいな…」

ユミル「やってらんねーよ…やるならお前1人だからな」

クリスタ「そんな…」

ユミル「私は寝るぞ、おやすみー」

クリスタ「…」ポツーン

ごめんなさい!
書き込むスレ間違えました!

>>117あ、気にしなくて大丈夫ですよ。

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