ジュン「飛ばせ鉄拳、ロケットパンチ!」 (17)

真紅「ねえジュン、これはどういうことかしら?」

ジュン「何のことだよ、これじゃ分かんないよ」

真紅「とぼけないで頂戴、この右腕のことよ」

ジュン「言ってる意味がよく分からないな、僕はエスパーじゃないんだ」

真紅「まだ白を切るつもり?」バシュッ

ジュン「ぶふぇっ!?」ドゴォ

真紅「どう見ても貴方の仕業でしょう」カチッ

ジュン「だから知らないって、心当たりもない」

真紅「貴方のことはもう少し聞き分けの良いしもべだと思っていたのだけれど」ロックオーン

ジュン「わーっ、タンマタンマ!本当に知らないんだって!」

真紅「……その様子では本当に知らないようね」

ジュン「当たり前だろ、お前にロケットパンチを付けるなんてそんな恐ろしいことしようものなら餌食は僕じゃないか」

真紅「言い方は気に入らないけどその通りね、ジュン、貴方のことを信じるわ」

ジュン「はいはい光栄なこって」

ジュン「で、これはいつからなっていたんだ?」

真紅「知らないわ、朝起きたらこうなっていたもの」

ジュン「そういえば左腕はどうなんだ」

真紅「飛ばないわね、こうなるのはどうやら右腕だけみたい」

ジュン「右腕だけ、ってことは……やっぱり一回取れちゃったのがまずかったのかな」

ジュン「やっぱり僕の力はお前らのお父様とやらには及ばないってことなのか」

真紅「可能性はあるわね……あら」

水銀燈「あーら真紅ぅ?何やら愉快なことにぶふぇっ!?」ドゴォ

真紅(これは便利なのだわ)

ジュン(真紅の奴楽しんてないか?)

水銀燈「」チーン

真紅「とりあえずこのカラスの死体は捨てておくとして」

ジュン「ちょっとそれは酷くないか」

真紅「これは即急になんとかしなくてはいけないわね、ローゼンメイデンの第5ドールの腕が飛ぶなんて笑い者なのだわ」

ジュン「便利に使ってるくせに」

真紅「何か言ったかしら?」バシュッ

ジュン「ひぃ!?な、なんでもございません真紅様」カミヒトエデカイヒ

翠星石「二人ともご飯の時間ですよ……って……え?」

ジュン「」

真紅「」

真紅の腕「」

翠星石「」

翠星石「これは……真紅の……腕?」

ジュン「え、えーとこれは……」ダラダラダラダラ

翠星石「ば、バラバラ殺人じゃねぇですか!真紅が殺されちまったです!?」

ジュン「お、落ち着け翠星石!」オロオロ

翠星石「誰がこんな酷いことを……そうか水銀燈の奴の仕業ですね」ポロポロ

ジュン「水銀燈はむしろ被害者だけどな」

翠星石「真紅……こんな変わり果てた姿になって……必ず仇は取ってやるですよ」グスッ

真紅「ありがとう翠星石、貴女は優しい子ね」

翠星石「ううっ……慰めの言葉なんか……って真紅?なんでいるですか!」

ジュン「さっきからずっといたぞ」

翠星石「し、真紅の幽霊ですぅ!さっさと成仏するですよ!ナンマンダブナンマンダブ……」

ジュン真紅「「落ち着け(きなさい)」」

翠星石「ふーん、真紅の腕が、ですか」

ジュン「そうなんだ、多分あの時の一件が関係してると睨んでいるんだけど」

翠星石「うーむ……だとしてもおかしいと思うです」

翠星石「仮にそれが原因だとしたら腕の糸の劣化が前兆として現れると思うです、何か異常はあったですか、真紅?」

真紅「いいえ、昨日までは至って普通だったわ」

ジュン「お前らの感覚が人間と一緒なのかは分からないけどお前らが言うなら多分そうなんだろうな」

真紅「だとすると犯人は一人しか考えられないのだわ」

翠星石「同感ですぅ、こんなことをして楽しむ趣味が悪い知り合いは翠星石も一人しか知らんですよ」

ジュン「誰のことが言いたいのかはなんとなく分かるけど、動機がないだろ……」

真紅「動機なんかなくてもあいつを八つ裂きに出来る大義名分さえあればどうでもいいのだわ、行くわよジュン」

翠星石「今日の晩御飯はウサギ鍋ですぅ」

ジュン「いいのかよそれで……」

nのフィールド

ラプラスの魔「~♪」


真紅「あのウサギ、最後の晩餐になるとも知らず呑気に飯食ってるわ」

翠星石「もうすぐ翠星石たちの晩餐になるというのに呑気なウサギですぅ」

ジュン「ちゃぶ台に和食って……イメージ台無しだなぁ」

真紅「ふっふっふ……貴方が改造したこの右腕で、私を改造したことを悔いながら死ねばいいのよ」

翠星石「苦痛にのたうちまわって惨めに死にやがれですぅ」

ジュン「……仮にも至高の少女を目指す奴の言葉とは思えない」

桜田家

のり「翠星石ちゃん遅いわね……ジュンくーん、ご飯の時間なのよう」ガチャ

水銀燈「」バタンキュー

のり「あら、この子は誰?真紅ちゃんのお友達かしら?」

水銀燈「うぅ……ん……」

のり「目が覚めた?良かったらご飯でも食べてく?」

水銀燈「え?いきなり何?」

のり「遠慮なんてしなくていいのよう、せっかく作ったご飯が冷めちゃうし、ね」ダキッ

水銀燈「ちょ、待ちなさい!勝手に決めるんじゃないわよぅ!」ジタバタ

雛苺「あーっ、のり、お帰りなの……あれ?何で水銀燈がいるの?」

のり「ジュン君のお部屋に倒れていたのよう、ところで貴女、水銀燈ちゃんって言うの?」

水銀燈「……別に覚えなくてもいいわぁ」ムスッ

のり「まぁまぁ、貴女もお腹が空いているでしょう、遠慮しなくてもいいのよう」

雛苺「水銀燈も一緒に食べるのー」

水銀燈「か、勝手に決めないで!」(お、おいしそう……)ゴクリ

のり「……」ニコニコ

水銀燈「……分かったわよ、食べてあげるわ!」

雛苺「ちょっと待つの!食べる前に「いただきます」しないと駄目なのよー!!」

水銀燈「…………いただきます」ムスッ

nのフィールド

ラプラスの魔「」ピクッピクッ

真紅「まぁこんなものかしら」

翠星石「まだまだやり足りないですが、翠星石達は優しいからこの辺で勘弁してやるです」

ジュン(……地獄絵図だ)

ジュン(こいつらは腕を改造されただけでここまで冷酷になれるのか)

ジュン(もし……これの真犯人がこいつらにばれたら……)

ジュン(間違いなく僕も命はない)ガクブル

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