勇者「4コマ感覚でのんびり1レス更新」(23)

勇者「ねえ僧侶さん」

僧侶「ちょっと待ってくださいねー。いま戦士さんを生き返らせてるのでー」

勇者「ねえ武道家さん」

武道家「ちょっと待ってくれ、こいつなかなか手強いんだ!」 デュクシ デュクシ

勇者「ねえ魔法使いさん」

魔法使い「ちょっと待って。いま揚げ物の最中なのよ」

勇者「ねえ商人さん」

商人「し、しばしお待ちを。ただいま路銀の最終予算を清算中……あわわっまた散らばった!」

勇者「ねえ盗賊さん」

盗賊「……」ぼーっ

勇者「ねえ遊び人さん」

遊び人「おお勇者。哲学に終わりはないのは何故かという理由、端的に述べられるようになったのかい?」

勇者「ねえ賢者さん」    賢者「なんだ」

勇者「ぼくのパーティーは、毎日にぎやかだねえ」

賢者「そうだな。でも話の続きはとりあえず戦闘が終わってからな」

勇者「ぼくたち、なんで旅をしてるんだっけ」

賢者「魔王を倒すためじゃないのか」

勇者「どうして魔王を倒さなくちゃいけないんだっけ」

賢者「世界を平和にするためじゃないのか」

勇者「どうして世界を平和にしなくちゃいけないんだっけ」

賢者「ん、勇者は世の中が争い合ってた方がいいのか」

勇者「そんなわけないけど、そうじゃなかったら絶対に平和にしなくちゃいけないの」

賢者「それは極論かもしれないが、即答は難しいかもな。勇者は乗り気じゃないのか」

勇者「そうじゃないけど、魔王を倒したら平和になるって話もなんだかなと思ってさ」

賢者「これから確かめればいいさ」

勇者「そうしよう」

勇者は ルーラを となえた! ▼

賢者「えっ」

<魔王の城>

魔王「えっ」    勇者「こんちゃーす」

魔王「お前は誰だ。まさか勇者か。いやそんなはずはない」

勇者「勇者だよ」

魔王「なに、早過ぎる。こちらはまだ迎え入れる準備ができていない。帰れ」

勇者「お前を倒したら、世界は平和になるの」

魔王「分からぬ。人間共の心に巣くう闇がある限り、我ら魔族は……むっいかん」

魔王「まだ口上も全て覚えておらぬ。本番では必ずそらんじるゆえ、ここはいったん退け」

魔王は バシルーラを となえた! ▼

勇者「うわー」

 

 

勇者「っていう感じだったよ」

賢者「そうか。それが本当なら、魔王の方もいろいろ大変なんだな」

勇者「ね。じゃあ本番まで、ゆっくり旅を続けていくとしよう」

魔法使い「みんな、ご飯ができたわ」   勇者「わーい」

賢者「なんかちょっとアタマ痛くなってきた」

僧侶は ベホマを となえた!

武道家の キズが 回復した! ▼

武道家「サンキュー僧侶! これでまた戦えるぜ」 ひゃっはー

僧侶「いってらっしゃーい」

勇者「僧侶さんは回復呪文が得意でいいなー」

僧侶「わたし、前世はホイミスライムだったんですよー」

勇者「ええっ、本当?」

僧侶「ふふっ、冗談ですよー」

勇者「ほっよかった。ホイミスライムはいっぱいやっつけちゃってるもんね」

僧侶「ああ、きっとそのせいで、わたしが人間に生まれたのかもしれませんねー」

勇者「ええっ、復讐しに?」

僧侶「ふふっ、冗談ですよー」

僧侶「でもわたし、実はホイミスライムとテレパシーで会話ができるんですよー」

勇者「ええっ!」 ホントッ?

賢者「おい僧侶、もうそのへんにしておいてやれ」

武道家「おい勇者! 次の敵は! 魔物はまだか!」

勇者「武道家さん、たまには休もうよ」

武道家「ダメだ! 俺は誓ったんだ。必ずこの拳一つで最強を目指すと――!」

戦士「ちっ。アホみてえにサイキョーサイキョーほざきやがって虫唾が走る」

戦士「真の強者ってのは、自分がなりたいと思った時点で負けなんだよ」

戦士「ただ静かに刃を研ぎ澄ますんだ。あの夜の三日月よりも鋭く……その時が来るまでな……」

武道家「あ? 開幕でいきなり死んでる奴に言われたくねえよ腰抜けがよ」

戦士「あ? お前が半端に仕留め切れなかったせいで誰に被害及んでると思ってんだ脳筋が」

武道家「てめえの実力不足を棚上げして責任転嫁たぁ世話ねえな、雑魚!」

戦士「は? 雑魚? 雑魚って言ったのかお前そろそろ温厚な俺でもキレるぞ? おい」

武道家「お? やんのかコラ? お??」

勇者「ふたりともけんかはやめてっ」

勇者「けんかするなら、ぼくも全力で止めるよっ」 ←Lv50

武道家「サーセン!」 ←Lv12

戦士「すいやせんっした!」 ←Lv11

今日はここまでー
長期でちびちび更新していきまーす ではー

勇者「魔法使いさんはお料理が上手だね」

魔法使い「褒めてもメラしか出ないわ」ボッ

武道家「あぢぢぢぢ何だぁ!?」

勇者「どこでお料理をベンキョーしたの?」

魔法使い「本を読んだのよ。割と簡単にできたわ」

勇者「すごい。もしかして呪文なんかも?」

魔法使い「本を読んだの。やっぱり簡単にできたわ」

勇者「すごい! じゃあ剣術なんかも、本を読んだらできるんじゃないの?」

魔法使い「もれなくできたわ。割合簡単だったわね」

勇者「じゃあもしかして格闘術も?」

魔法使い「できるわ。本を読んだから」

勇者「ふえー! 何でもできちゃうんだー! すごいい~」

魔法使い「すごいでしょう。ジョークの本に書いてあったの」

勇者「ジョーク? 何それーぼくも読みたい!」

魔法使い「あら……困ったわね。ジョークが通じなかったときの対策本はまだ読んでなかったわ」

勇者「おや? どうしたの商人さん」

商人「ひあああ勇者さん!」

勇者「何か困ってるなら手伝おっか?」

商人「いえいえいえ、勇者様の手をわずらわせる訳にはっ」

勇者「平気だってば。これ、何の途中なの?」

商人「えっ、ええっとこれは、今度の宿泊費の予算……だったかなぁ……」

勇者「お金がたくさんあるねえ。これ、全部一人で管理するの大変なんだろうねぇ」

商人「管理できてないんですよう……」

商人「あたし本当はこんなの無理なのに、気づいたらこんな役回りを押し付けられちゃって……」

勇者「えっ、商人さんは商人さんじゃないの?」

商人「あたし村娘Cです。ホントのホントに商才なんてないんです……」

勇者「えっ、じゃあどうしてぼくのパーティーについてきたの」

商人「そんなのあたしが知りたいですよう!」

勇者「どゆこと?」

賢者「まあ成り行きだよ。誰も資金管理なんかやりたがらないから、みんな黙殺してるんだ」ボソ

盗賊「……」ほけー

勇者(いつもぼーっとしてる盗賊さん。声をかけても戦闘になっても無反応なことが多いけど)

勇者(実はお金さえあれば、何でもやってくれるんだ)

勇者は 盗賊に 5ゴールドわたした! ▼

勇者「盗賊さん盗賊さん。次の洞窟に行くまでの、このエリアのモンスター情報を教えてちょーだい」

盗賊「ん」

盗賊「スライム65%、ドラキー20%、アントベア10%、メタルスライム5%ぐらい」

盗賊「このまま直進すれば一番敵の遭遇率が高い。ここから山の麓沿いに進めば一番敵の遭遇率が低い」

勇者「なるほど……あ、そうだ」

勇者は 盗賊に 30ゴールドわたした! ▼

勇者「せっかくだから、次の洞窟のお宝、全部取ってきてよ」

盗賊「ん。わかった」
(10分後)
盗賊「終わった。お宝」ドサドサドサ

勇者「えっもう? 盗賊さんは仕事が早いねえ、ありがとー!」

賢者(勇者はあいつの空恐ろしい有能さを分かってるんだろうか)

レスありがとう
各キャラの詳しい情報はのんびり肉付けていきます


遊び人「やあやあ勇者君、ごきげん麗しゅう」

勇者「あ、遊び人さん」

遊び人「そう。確かに私は、この一団の長にさえ、遊び人と呼ばれている身分である」

遊び人「だがね、常々断ってあるように、私個人としては、『無能で偏屈なノンジャンルの哲学者』との肩書きが相応しいと感じている訳があってね」

遊び人「いやいや、『遊び人』との記号もなかなか的を得ていて私は気に入っているし、君たちが私をそう呼ぶ分にはなんら異存もない」

遊び人「ちなみに『的を得る』の使い方は広義ではこれで合っているのだが、世の中には鬼の首を取ったように誤用を指摘したがる勉強不足もいるもんでね」

遊び人「おっと、我々が取らなければならないのは魔王の首だったか、しかし平和の実現を考えるのならこれらは手段と目的が倒置しかねない」

勇者「遊び人さん」

遊び人「うむ、何かね? そう、遠慮せずに遮りたまえ。慣れたものだよ、いちいち横槍に閉口する性は生まれて早々捨て置いた」

勇者「遊び人さんは、どうしてこのパーティーについてきたんだっけ」

遊び人「ふむ。私の記憶が正しければ、その問いかけにはもう四度と解答を試みたはずだが、いやなに、君を咎めるつもりも別に手間を感じるわけでもないさ」

賢者「お前が無駄に語るからだ。今回は15文字で答えろ」

遊び人「おや賢者君、藪から棒なことだ。しかしさて、私がこの一行に追従する理由を15字に収めるには、些か難度が高いものでね、まず要点がざっと7はあるのだが、これらの優先度合いを測るには……」

賢者「勇者、お前こそなんでこんなの連れてるんだ?」

勇者「うーんなんでだろ。直接本人に聞けば分かるかなと思ってるけど、いつもこのパターンの繰り返しなの」

勇者「賢者さんは面倒見がいいよね」

賢者「リーダーが危なっかしいせいだよ。しっかり一団の舵取りやってくれよ」

勇者「ごめんなさい」

賢者「それ以前のこのパーティー、人数が多い上にまともな奴が少ないんだよ」

賢者「誰かがきっちりまとめなきゃ、半日後にゃ崩壊するんだよ。毎日毎日そんな状態なんだよ」

賢者「何で呪文のエキスパートが、戦闘以外の場で頭抱えなきゃならんのだよ」

勇者「いつも陰でありがとう。賢者さん」

賢者「ありがとうはいいが、そろそろ本格的に交代してくれ。これじゃ誰が何しにいってる集団なのか意味不明だ」

勇者「ぼくが、魔王を倒すための旅!」

賢者「そうだよその通りだよちゃんと分かってるじゃないか。オレ涙出そう」

賢者「じゃあとりあえず、次の目的地までのリーダーやってみてくれ」

勇者「えっ。次の目的地も何も、ぼくらは魔王の城に向かってるんじゃないの」

賢者「直行したら即全滅だよ、行くならお前一人で行って来い!」

勇者「もう行ってきたよー。ねえ次の目的地って、魔王の城じゃなかったらどこなの?」

賢者「……そこの宿屋だ。もう今日のところは休ませてくれ。疲れた」

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