男「最近、幼馴染のショタの様子がおかしい」 (90)

「でさー、俺が」
「もうっ、口!ご飯粒ついてるよ!ここ、ここ!」
 と、コイツに指摘され俺はほっぺに手を回して、確認してみる。
手を動かした矢先…妙にしめった感触を感じる…。
確かに……。コイツの指摘は間違ってなかった…。
「え?…あぁ、悪い…」
 正直、すごく恥ずかしい。俺は急いでしめったそれを指でそのままとろうとした。
「あ、ちょっと待って」
「…うん?」
と、声を掛けられ、俺は動きをとめた。
「…ん……あむっ…」
………。
「…あれ、どうしたの?ボーっとしちゃって」
「ほっぺ、きれいになったでしょ?」
いや、そうだけど……そうだけどさ…。何も口で直接とる事ないじゃないか…。
ハンカチで拭うとか、指でとるとかあっただろうに……。
これじゃ……これじゃ、まるでーー
「恋人みたいって言いたいんでしょっ!」
…!?コイツ…わかっててしたのかよ……。
俺達は男同士なのに…もうさすがとしか言い様がない……。
中性的…というか、もろ女性顔なコイツにこういう事をされて、正直、嫌じゃない。
けど…その、男のコイツを受け付けつつある俺に、自分自身嫌気がさす……。
「正直、キミとだったら別に僕は…」
どうしてこうなった……

ショタが幼なじみということはショタ同士か
素晴らしい

永井産業で

コレジャナイ感

みたいな感じのSSを!!
誰か!!誰か!!

せっかくここまで書いたんだ!
絶対に誰かにかいてもらうぞ!
でてこいオラァ!!

受け付けるって

受け入れの誤字だオラァ!たぶんそうだオラァ!
誰かかいてくださいお願いしますオラァ!



若干病み気味だと更に良いです

駄目か…駄目なのか…
神は俺を見捨てたのか……


若干病みと言っても結構グイグイいっても大丈夫です
てかむしろ大歓迎です

まず男とショタは同級生なの?

んー、とりま自分的には男、高2
ショタ、高1って感じですかね。
ガチショタよりも高校生ぐらいのショタの方が興奮するんすよね、俺的に

コレジャナイ

おうあくしろよ

――オカマみたいだ。
そんな稚拙な悪口で辱められ泣いていたショウタを救ったのは、タカシだった。
タカシは学年で一番背も高く、面白くて人気者だったから、そんな彼に救われたとなれば
いかに歪んだ連中であったとしても、その後ショウタを苛めることはできなかった。
おかげで中学校生活も半分を過ぎた頃には、ショウタの学校生活も地味ながら
明るいものになりつつあり、自然ともの陰でこそこそと泣く回数も減っていった。
親友同士と呼べるようになったのは、タカシの第二次性徴が他の子供たちよりも一足先に
完了した頃だろうか。
その頃になるとタカシはもういっぱしの大人のような風体であったから、チビで色白の
ショウタと並ぶと、まるで親子か年の離れた兄弟のようだった。
それをショウタはとても恥ずかしく思っていたものだが、
タカシの方はまるで気に留めた様子もない。
今までどおり、なんの変化もなく、ただだらだらと日常は過ぎていく。
背が高いタカシが羨ましい。バスケもサッカーも得意で、彼にできないことなど
この世に一つもないのではないか。そんなことをショウタはいつも考えていた。
たんなる羨望、たんなる憧れ。
そう思っていたショウタの気持ちを足元から揺るがすような出来事が起きたのは、
タカシに学校外で彼女ができたという噂を聞いた頃だった。

>>12
まぁガチショタを期待したのならシカタナイ
でも俺だってたまには浮気もすれんや…

だから俺は書かないって!

誰かあああ!!ヤンデレショタ物が読みたいよぉぉぉぉ!

ここでショウタ君にあえると思ってなかった運命を感じる

きたあああああああああ!
うおっしゃあああああああああああ!

いつも翔太君にはお世話になってます

>>14
コピペかと思った

「お前彼女できたんだって~?」
にやけながら言う佐藤に、タカシは「ちげぇし」と短く、そしてぶっきらぼうに
答えている。
いつか来ると思っていたその時が来た。佐藤の言葉に曖昧に微笑みながら、
ショウタは胸にトゲが刺さったような痛みをなんとかやり過ごしていた。
「な、な、ショウタ、お前はタカシの彼女、見たことある?」
「ううん、ないよ」
「だから違うっての」
彼女とか、そういうのではない。
いい訳じみた言葉を口にしながらも、タカシの耳の先は赤く染まっている。
なるほど、「まだ」彼女ではない、と言うところだろうか。
いくら憧れていると言っても、普通、友達に彼女ができたところで胸が痛んだりはしないだろう。
この気持ちが恋だということに、ショウタはもうとっくに気づいていた。
「彼女可愛い~」
佐藤に倣ってニヤニヤとした顔で言えば、タカシは「お前まで……」と言いたげな
呆れを付近だ、そして「仕方がない」と言うような諦めの顔を浮かべていた。
タカシはショウタに甘い。
何と言うか、駄目な弟を保護するような、そんな気持ちなのだろう。
それ以上でもそれ以下でもないことは、ショウタが一番よく理解していた。

ショウタカシリーズは書き下ろし(?)なんだよな
じっくり待ってる

またお前か…お前だよな?

「告られた。そんだけ」
それでもタカシが彼女を憎からず思っていることは、安易に知れる。
きっと可愛くて気立てのいい子なのだろう。
こんな風に、タカシが恥ずかしさを露にすることなど、今の今まで一度もなかったのだから。
タカシが面倒そうに女たちをあしらう様に、ショウタはいつでもホッとしていたのだ。
まだ彼も子供で、自分と同じなのだ、と。
無自覚にまとわりつけたあの頃が懐かしい。ほんの数ヶ月前の自分をショウタは振り返る。
変に意識をしてしまっては、腕に触れることさえできなくなる。
自分の気味の悪い下心に気づかれはしないか。
自分のことを邪魔に思ったりしないだろうか。
そんなことばかり考え、まともに顔を見ることさえ適わなくなってしまっていた。
「ショウタ?」
タカシがショウタの顔を覗きこむ。
真っ黒い目には、タカシを見上げる自分の顔が歪に浮かんでいて、それが
まるで心の歪みを示しているかのようで恥ずかしくなった。
「なんでもない。帰りハンバーガー食べたい!」
「またかよ、そんなに食ってもでかくはなんねぇぞ。
お前のペースで成長すりゃいいんだよ」
すかさずフォローを入れるタカシに「違うし」と言うが、確かにここのところ
大食いをしているのは、そんな理由もあってのことだった。
早く大きく成りたかった。タカシに恥をかかせないような、そんな男に。
「そーだぞ、ショウタはチビのまんまで丁度いい」
余計なことを言うな、と佐藤の頭を小突くと、タカシは「おら、帰るぞ」と
短くぶっきらぼうに言い放った。

>>18
コピペじゃないんだな、これが

>>20-21
即興だすよだすだす。
そしてわたしです。

ショウタカシリーズって何だよ!教えてくれいやください!

今の所これを合わせての3つだよね、確か

>>25
実は一作目のあと、同じスレッド内に短いのを一本書いた
甘めの奴

>>24
おいどんの書く駄文です
ショウタとタカシが狂っていくSSです

の次に姉ショタか
お主、やりおる

何このすごく読みづらい感じ

>>29
たぶん句点が多いんだ
すまんなー

いつもの店は満席だった。学校が集まる通りにある店なのだから
店内が学生で溢れるのも自然なことだろう。
色んな学校の制服を身にまとった少年少女たちでごった返す店内は、
食べ物の匂いだけではなく様々な匂いで溢れている。
香水の匂い、整髪量の匂い。そして小柄なショウタが押しつぶされないようにと
背中を支えるタカシの匂い。
「――背、大丈夫だよ」
自然に背に触れる手に心臓が高鳴った。
「つってずっこけてコーラぶちまけたのはどこのどいつだよ」
「……僕?」
「僕? じゃねぇっつの。お前だお前。いいからそのままで居ろよ」
「う、うん……」
背中を支えるタカシの手が夏の暑さのためか、いつもより温度が高かった。
クーラーでひどく冷えた店内のはずなのに頬が暑くてたまらなくなる。
――気づかれてしまう。
そう自分自身を追い込みながらショウタは体の中の熱を追い出そうと躍起になった。
レジの前まではあと少しだ。そこを過ぎればタカシの手は離れるはずだし、
そうすれば妙な態度を取らずに済むはずだ。
あと少し、あと少し。

そんなことを思っていると不意に誰かがタカシを呼ぶ声がした。
「タカシ君?」
声は少女のものだった。
瞬間、タカシの手がショウタの背中から離れた。
「――ミユキ?」
――ああ、彼女がそうなのか。
ポニーテールにした、市内随一のお嬢様校と呼ばれる制服に身を包む美少女が
そこには立っていた。
周囲の注目も集めている。勿論、タカシも。
傍目に見てもとてもお似合いに見えた。
ああ彼女か。
ショウタは再び観察するために彼女を具に観察し、
そして非の打ち所のない彼女の姿に猛烈な嫉妬を覚えたのだった。

「へぇ、幼馴染なんだ?」
「中学から一緒。家は近くだったけど、小学校は別だったから」
私立の小学校でいじめを受け、結局公立に転入したことはあまり言いたくはなかった。
「いいよもう、お前も一々答えてやるな」
口調が普段より柔らかなことにも苛立ちを覚える。
自分はこれほどまでに器の小さい人間だったのか――、ショウタはそんな自分に
嫌気が差していた。
「ショウタ君って可愛いね」
にこりと微笑む彼女の方が、余程可愛らしかった。
とてもいい子だ。そうに違いない。
だけど彼女の存在をショウタは受け入れがたかった。
恋敵にさえなっていないのに、彼女のことを一方的に敵視している自分が
気味悪かったし、どうしようもない人間性を自覚してとてもへこんだ。
「ごめん、僕トイレ」
「ああ、行ってこい」
そう言われて送り出され、そしてショウタは席を立った。
トレイは店内の混雑に比べれば別の店のように空いていて快適だった。
手を洗いながら、鏡を見る。
少女めいた顔、そして第二次性徴をどこかに忘れてきてしまったかのような
丸い頬のライン。
なんとも情けない話ではないか。タカシに並ぶこともできない。
こんなことで悩んでいることもまた女々しいことこの上ない。

用を足して外へ出れば店内は少しだけ落ち着きを取り戻していた。
「――だから、あいつにあんまり可愛いって言わないでやってくれ」
タカシがミユキに説明をしていた。それはいつもタカシが言う台詞で、
今に始まったことではない。ショウタが可愛いといわれることを
嫌がっていると、彼は誰よりも知っていた。
「それで小中と苛められたんだよ。かわいそうだから言うな」
ショウタはその言葉にピタリと歩みを止めた。
カワイソウダカラ。
何かがおかしい。そう思った。
イジメラレタンダヨ。
タカシはショウタのプライドを傷つけるようなことを決して言わなかったはずだ。
それが何故。
彼女だからだ。彼女がいるからだ。
その事実にショウタは打ちのめされた。
タカシも一皮向けばただの男ということだ。
なにを今まで神聖視していたのだろう、と頭の中で誰かが言った。
ただの男。彼女にいい顔をしたい、ただの男。
ショウタはおかしくなった。
口角が自然に持ち上がり、とたんに真っ黒い感情が渦巻き始めた。

>>1まだいんの?
カラオケの奴とかどうなんだろうか

このショウタ可愛さアップしてんな

「タカシ」
席に戻ると一番に声を掛ける。
「課題、見てくれるんじゃなかった?」
「あ、ああ、そうだ」
「なんの課題?」
「英語。こいつ、英語が全然駄目で」
まただ。またそういうことを彼女に言うのか。
「そうなんだー。じゃあ帰る?」
「ああ……」
離れがたいのだろう、タカシは少々困惑気味に頷いた。
「ごめんね、ミユキちゃん」
「ううん、いいの。いつもで会えるし。ね?」
微笑むミユキにも腹が立ったが、今はタカシがこの店から出ることが重要だった。
タカシの腕を強引に掴むと席を立たせ、足早に店外へと向かう。
扉が閉まると、タカシがショウタの腕を振り払った。
「お前、なに急いでんの?」
「別に。課題早くやんなきゃだし」
「つっても……」
「早く帰ろうよ」
「……ああ」
戸惑い気味のタカシを置き去り、ショウタはさっさとバス停へと向かう。
タカシがどんな顔をしているのか、どんな顔でショウタを見ているかなど、
知りたくもなかったのだ。

怖さアップの間違いだった

なかなかに女々しいことをしている。
そんな自覚は十二分にあった。
ミユキと会いそうな雰囲気をタカシが醸し出している時は、
すかさずショウタも同行したし、近頃ではタカシの家に入り浸ることも多くなっていた。
「お前なんなの?」
見慣れたタカシの部屋で、ショウタは黙々と数学の課題に取り組んでいた。
こうしてタカシの家を訪れるのは今月で五回目。流石のタカシも漸く「おかしい」と
気づいたようだった。
「えーどっか間違ってる?」
ショウタは鉛筆を動かしながら、そ知らぬ顔で返事する。
「――そうじゃなくて」
テーブルの上には茶碗、その向かいにはノート。
妙な組み合わせは、タカシが腹が減って仕方がないといったためだ。
彼はいつの間にかキッチンから茶碗に飯を盛って来ていた。
ふりかけをかけただけの簡素な飯を不機嫌そうに食べるのは、ショウタの所為に違いない。
「タカシここさぁ……」
「ぁあ?」
どんなに不機嫌でも、そう尋ねられればショウタのほうへと顔を近づける。
根っこの部分ではタカシは変わっていなかった。
それでも、彼女へ言ったあの言葉を許せなかった。
端的に言ってしまえば、ショウタは根に持っていたのだった。

>>35
居るで
カラオケって?

「やっぱり公式必須?」
「あーこの問題なら使わなくても……、」
説明を始めるタカシの頬が近づいた。
「あ」
「なんだよ?」
タカシの頬に、米粒がついていた。
「タカシ、ここに」
「え?」
言い掛け、イタズラ心が湧き上がった。
これを取ってやったら、どんな顔をするだろう。
「タカシ」
「え、」
唇を近づけ、頬に付着した米粒を取る。
唖然としたタカシの顔に、満足感で心が見たされた。
「うん、綺麗になった」
「お前、なにしてんの?」
「なにって?」
「いや、だって……」
「お米ついてたから」
「つっても……」
戸惑いを隠せぬ様子のタカシに、ショウタはニッと笑ってやる。
「タカシさー、鈍いよねぇ」
「に、鈍い?」
運動神経抜群、成績は上の上。そんなタカシは今までそんな台詞を言われたことは
一度もなかったのだろう。
面食らった顔で目を白黒させている。

>>40
男「中学の時の奴が集まってカラオケ? 行く行く!」
ってやつ
一応いくつか続きもある

綺麗に削られた鉛筆を置く。
「タカシさ、なんでミユキちゃんと会おうとすると僕が邪魔するのか判る?」
「な、なんで、だ?」
「好きだからだよ」
短く言うと、タカシはその意味を計りかねたのだろう、今まで一度たりとも見せたことが
ないような顔でショウタを見ていた。
「み……?」
「うん? なに、タカシ」
「ミユキのことが好きなのか?」
なにを言っているのだ、この男は。
まず最初にそう考えた。
次に、タカシはやはり鈍いのだ。そう確認した。
ショウタの感情に全く気づいていないその姿がおかしくて、ショウタは
カーペットの上に寝転がって笑った。
「なに言ってるの! そんなわけないじゃん!」

凄いラノベ臭

>>42
ちょっと見てきた
これではないんだなぁ…
もっと子供っぽくないと…

「じゃ、じゃあ」
カーペットの染みも、天井の色も完全に把握する程度にはショウタはこの家へと訪れた。
タカシはミユキと付き合うのだろう。
そのうち、相手はミユキではないかもしれないが結婚もし、子供も生まれるのだろう。
おそらくその頃にはタカシの中でショウタという男は「そんな奴もいたなぁそういえば」
と言う程度の存在になるに違いない。
ショウタもショウタで、この部屋の構造などすっかり忘れてしまうのだろう。
それでもきっとタカシを忘れられずに生きている。
だったらそうなる前に。
少しだけでもタカシの気持ちの中に、ショウタを刻み付けたかった。
「僕が好きなのはタカシだよ」
タカシは硬直して動かなくなった。
こうなることは判っていた。
困惑を通り越して驚愕をした顔。
「タカシ」
頬に両手で触れると、タカシがびくりと震えた。
「しょ、うた」
「うん?」
顔を近づける。
「やめろ」
唇と唇が合わさった。
タカシは抵抗をしなかった。やめろという言葉は一度だけ。
調子に乗ってショウタは舌を突っ込んだ。
それでもタカシはされるがままだった。
もう止めよう。如何せんこれ以上はタカシが気の毒だ。
ゆっくりと顔を離すと、顔は赤く染まったタカシの顔がそこにあった。

全部改行し直したら読む気になる

小説に比べたら一文ずつの改行だから十分読みやすくね?

>>47
一行あけるととんでもない行数になっちまうからさ
すまんなー

ごめんね。
そう言えば許してくれるだろうか。
男らしい頬から手を離し、少しだけ乱れた制服をもとに戻してやる。
タカシはゆっくりと下を向くと、肩で息をし始めた。
時計の秒針がカチカチとなる。
ショウタは体勢を整えると、タカシの反応を待った。
優しいタカシ。きっとショウタを傷つけるようなことは言わないはずだ。
そんな風に思っていたショウタを襲ったのは、刃物のように鋭い予想外な一言だった。
「気持ち悪ぃな! この変態!」
言葉の刃は真っ直ぐにショウタの胸に刺さった。
「なにしてんだよ、お前! 気持ち悪ぃ!!」
腕でごしごしと唇を擦るタカシの姿は、流石に予想はしていなかった。
拒否されることは想像できたものの、ここまで痛烈に、そして心底気味悪そうに
言われることを、ショウタは想像をしていなかった。
「た、かし」
「ふざけんなよ! 出ていけ!」
タカシはショウタのテキストを引っつかむと、力の加減なしに、思い切りそれを
投げつけた。
丁度鼻の付け根に角が当たった。
「お前、俺をずっとそんな目で見てきたのかよ! 気色悪ぃ!!」
次々と投げつけられる文房具に、ショウタはなすすべがなかった。
「出ていけ! 今すぐに!!」
ああ、血が出ている。滑った感触に気づいたが、タカシはそれを気にする様子もなかった。
許してもらえるはずがない。
同性に好かれたって、気味が悪いだけなのだ。
ショウタはその現実に、今漸く気づいたのだった。

ちょっと風呂行ってくる

いつも深夜風呂だな

はいってなかったんかい!(part2

>>44
ラノベでいいのよ……

言いたい事は皆同じだったようだ

前に書いたのは2スレだけ?読んできたけどショウタ怖いお…

保守

ただいまー
深夜風呂なのは
夜に運動をする→にちゃん→>>1のスレを見つける→
興が乗る→書く→3時じゃん!
みたいな。

>>56
そう、二つだけだよ

保守・・・しなくても大丈夫かな 時間的に

規制解除VIPをなめない方がいい

>>58
なるほどねー

おおおおかえって北

程なくしてショウタへの苛めは始まった。
言うまでもない、タカシがショウタの性癖を周囲にバラした為だった。
こんな屈辱を受けるのは数年ぶりのことで、すっかり苛めに対する耐性を失っていたショウタは
苛めとはこれほどまでに辛く厳しいものだったのだとひと月掛けて思い出し、
心身の痛みになんとか耐える日々を送っていた。
「オカマ!」
口々にそう言われ、文房具や制服を隠されることは最早日常となった。
告白などするべきではなかった。そう思ったが、一度言ったことは取り消せない。
ショウタが手ひどい苛めを受けるのを目にするたびに、タカシは笑うでもなく
からかうでもなく、ただ目を逸らしてそっと教室を抜け出していた。
ショウタの居場所は失われた。
居心地がよかった教室はまるでショウタを拒絶するために作られた空間のようで、
こっそりと溜息を吐く時間さえ与えられなかった。
佐藤気まずそうに見て見ぬふりをし、「お前もオカマの仲間か?」と
揶揄されれば「違うから」と眉をハの字にしてやんわりと訂正を入れるようになった。
相変わらずタカシと佐藤はつるんでいるようだが、そこにショウタは居ない。
入る隙など少しもなかった。

教室から抜け出すことが多くなるのは当然のことで、いつしかショウタは
授業をサボりがちになった。
学校中に居場所はない。そう思われたが、それでも生徒の侵入が禁止された図書室だけは
ショウタでもホッとできる空間となっていた。
誰も居ない図書室の、一番奥の机を陣取って個人学習を進める。
登校拒否も結構だが、馬鹿に成り下がるつもりはなかったからだ。
個人学習の仕方も思い出した。
なんだかんだと理由をつけてタカシと一緒に居たかっただけで、一人で
あれこれと試行錯誤して勉強することが、ショウタは苦手ではなかったのだと感覚を思い出す。
そうだ、今までそうやって来たのだ。
タカシなど居なくてもショウタはやっていける。
一人で。
一人で?
溜息が増えた。
そんなショウタを家族が心配しているは知っているが、どうすることもできない。
急に傷みが激しくなった教科書に、父は、母はなにを思っただろう。
きっと過保護な母はもっと昔、ショウタが苛めを受けていると確実に把握していた
あの頃のようにとても心配していることだろう。

支援

がらりと図書室の扉が開く音がした。
司書だろうか。サボっているのがばれると面倒である。
身構えたが、声は意外なものだった。
「だから来いよ!」
佐藤の声だ。
「なんだよ……」
続いて聞こえたのは、タカシの声。
二人もサボったのだろうと単純に考えたが、どうも雲行きは怪しかった。
いつもお調子者の佐藤の声が憤っていたからだ。
「タカシ、お前どーゆーつもりだよ」
「どういうって?」
「判ってんだろ!?」
佐藤は至極真剣にタカシと向き合っているようだった。
彼のこんな声は聞いたことがない。何事かと本棚の陰に身を潜め、息さえも殺して
ショウタは座り込んだ。
「ショウタのことだよ! なんでお前あんな嘘吐いたんだよ」
「嘘?」
「ショウタが……、ホモだなんて……」
言いづらそうに、それでも佐藤ははっきりと言った。
自分が世間にどのように見られているのかが客観的に判ると、なんとも言えない
孤独を感じるものだ。いや、孤独はもっと前から感じていたが、
それよりも更にはっきりとした「普通とは異なる自分」と言うものが重く圧し掛かるのだ。

「嘘じゃない」
「はぁ?」
「あいつにキスされた」
「――マジかよ……」
言葉を失った様子の佐藤に、胸が痛む。
別にお前のことまでそんな風に見てはないよ。
そう伝えたかったが、伝える術がない。
「それで。でも、それで皆にバラすのは違うだろ……。
あいつ中学ン時もオカマって苛められて……お前が助けたのに、なんでまた……」
「しょうがねぇだろ! 俺だって、俺だって……」
「なんで俺に相談しなかったんだよ」
「相談できるかよ! ショウタにキスされたなんて……」
それきり二人は黙った。
佐藤もなにか思案しているようだ。
今度こそ、二人に完全に嫌われてしまったのだろう。
佐藤もタカシに対して抗議することなど、今後ないに違いない。
「ショウタにキスされたからって何であいつのセクシャリティをバラすんだよ」
「え……」
「なんでバラすんだよ。いつものお前なら黙ってんだろ。なんでそんな
お前らしくないことすんの? あいつが苛められるようになるなんて、判っていただろ」
「……それは」
「お前がそんな奴だとは思わなかったわ」
「お前に俺の気持ちが判るか! ずっと友達だと思っていた奴に……!」
「それ、お前もじゃね?」
「は?」
「ずっと友達だと思っていたのに意識している自分にお前が一番困ってんじゃね?」

佐藤がキューピッドに

「なんだよ……、それ……」
自問自答するように呟くタカシに、ショウタもこのときばかりは同意した。
佐藤はなにを言っているのだろうか。
タカシがショウタを意識する? そんなことがあるわけがない。
今まで面倒を見てきたのだって、単なる面倒見のよさの延長のはずだ。
「お前さ、女の子振るときにすげぇぞんざいなの。俺にもな。でもあいつのことは
それこそ親でもやらないくらいにクッソ丁寧に面倒見ているわけ。
なんでそんなにあいつには優しかったんだよ? あ? 考えてみろよ」
「俺はホモじゃない!」
「そんなのどうでもよくね? いやまずいか? そういやお前一人っ子だしな。
いや、そうじゃなくて……、つまりさ、お前、ガキと同じなんだわ。
いい子ちゃんみたいな顔して、好きな子を苛めたいだけ。
どう扱ったらいいか判んないから、取り敢えずは乱暴にしちゃうんじゃね?」
そんな馬鹿は話があるわけがない。
本棚の陰で、カビのような匂いにまみれながらショウタは考えた。
「そんなわけが……!」
「認めろっての。お前本当に鈍いね」
「そんなことがあるわけ……!!」

「あんまり酷いこと言ってやるなよ。俺も協力するからさ。またあいつと一緒に
遊ぼうぜ。な?」
二人の会話が途切れる。授業の終わりを告げるベルが鳴り、もう午後の授業が
全て終わったのだと判る。
いつもなら、この後一緒に出掛けていただろう。
くだらない話をして、流行の漫画を読みに行って。
ベルがもうすぐなり終わる。
「女ならよかったのに」
タカシがぽつりと言った。
「女なら、女なら」
ベルに交じってタカシの願うような声がした。
女ならよかった。
こうなってから、ショウタも幾度もそう考えた。
女なら自然にタカシへと告白をしていたかもしれない。
それで振られることになったとしても手ひどい苛めを受けるようなことはなかった
かもしれない。
「それってどういう意味だ?」
「女なら、付き合えた! だけど俺は男なんて好きになれない!」
なれるわけがない、とタカシは叫ぶように言った。

ショウタは可愛いものが好きだ。
母が化粧をするのを見るのも好きだった。
それでも自分は男なのだから、とそんな素振りを見せずに生きてきたつもりだった。
必死で取り繕って、なんとか男らしくあろう、もっと男らしく生きよう、
背が伸びればせめてこの可愛らしいと揶揄される顔でも立派な男になれるだろうか、と
そう思いながら生きてきたはずだった。
一番否定されたくない人間に否定されたのだ。
「――馬鹿じゃねぇの」佐藤が短く、憤りを押し隠したような声で言った。「お前、馬鹿だよ」
ショウタは膝を抱えた。
女ならよかった。本当に。
図書室を誰かが出て行く足音がする。佐藤だろう。
ショウタはその音を聞きながら、泣き続けた。

そしてショウタは学校を辞めた。

そして俺も、ノンケをやめた

目が覚めると酷くいやな気分がして顔を両手で覆った。
――昔の夢を見ていた。高校一年のときの夢だ。
寝返りを打って時計を見ると、まだ朝の六時だった。変な時間に起きてしまった。
そのままおきてランニングでも行こうとジャージに着替え、部屋を出た。
ショウタは今なにをしているだろう。ショウタの人生を壊してしまったのは
タカシに他ならない。ショウタが学校を去り一年がたち、
彼のことを口にするものはいなくなった。
元気に暮しているだろうか。
学校を彼が辞めてからそう間をおかずにショウタは一家で引っ越してしまって、
やがて彼らの住まっていた家は売りに出され、今は別の家族が暮している。
祖父母と孫という変わった組み合わせの家族だ。
幸せそうな彼らを見るたびに「そこはショウタの家だったのに」と言う
理不尽な苛立ちが生まれては消えた。
公園を横切り、ペースを速めて走る。近くにショウタの家があるからだ。
なるべく早く通り過ぎたかった。
「おはようございます」
可愛らしい声がし、そしてタカシの横を通り過ぎた。
同じようにランニングをしていたのは、ショウタの家に越してきた例の家族の
孫娘だった。
かつて付き合ったことのあるミユキと言う少女と同じ制服を、彼女が身につけて
歩いているのを見たことがある。
「おはようございます」
こんな時間に女の子が走っていたは物騒だ。
そんなことを思いながら彼女が通り過ぎるのを横目で見ていると、
突然彼女が視界から消えた。

さっきまでずっと中学生の話かとおもってた
ちゃんと高一だったのか、興奮するぜぇ!

続いて聞こえてきたのは「きゃあ」と言う悲鳴。
振り返ると、そこには小石にでも躓いたのか、地面に突っ伏している少女だった。
「……大丈夫?」
一瞬通り過ぎてしまおうかと考えたが、放って置くのもばつが悪いような気がして、
タカシは渋々振り返ると少女に声を掛けた。
「あー大丈夫です。やだな、恥ずかしい」
「……血、出てますよ」
「え!? 嘘、本当だ!」
肘から血が滲んでいて、痛そうだった。
指摘された瞬間傷みが増したのだろう、彼女は眉間にシワをよせ「いてて」と言った。
「公園で洗ったほうが……」
「ううん、平気です。家はすぐそこなでの、一回帰ります」
彼女ははきはきと言った。気持ちのいい娘だった。
「そう?」
「はい。ありがとうございました」
彼女はすっくと立ち上がり、手を振って来た道を戻っていった。

次の彼女と会ったのは、その数時間後のことだった。

「あれ」と声を掛けたのは彼女のほうだった。
電車の待ち時間、文庫本から顔を上げると、そこには今朝の少女が居た。
「今朝はどうも!」
肘に絆創膏を張った彼女が恥ずかしそうに言った。
「ああ……どうも。駅同じなんですね」
「ほら、近所だし、学校の方向も同じだから」
「ああ」当然と言えば当然だ。今まで会わなかったのが寧ろ不思議なくらいだ。
「いつもこの時間なんですか?」
「まぁ、大体……」
「じゃあ私もこの時間にしちゃおうかな」
「は?」
突然のことに、タカシは本気で意味が判らなくなったが、そのうち思いにいたり、
ああ、と納得をした。つまり彼女はタカシに好意を寄せているということだ。
「別に……」好きにすればいい。どの時間に電車に乗ろうが、彼女の自由だ。
「やった! じゃあ待ち合わせしよう?」
なにを勘違いしたのか、早速そんなことを言い出す彼女にタカシは先ほどまでは
好意的に感じていた感情がどこかへと吹き飛んでいくのを感じた。
「いや、それは……」
こんな風に、少女――、アヤは始終タカシに好意をぶつけてきた。
激しいくらいのそれに押されに押され、ついに付き合いだしたのはそれから
ひと月後のことだった。

「へぇ、付き合い始めたわけか」
佐藤が菓子パンに食いつきながら言った。あの日以来、佐藤はタカシの色恋沙汰となると
妙に手厳しくなる。
――好きでもないくせに。
色恋について相談をしても、最終的にはそう片付けられたのだった。

まさか…

つまんね

「それで今日会うの? その『彼女』と」
「ああ。そうだけど」
「俺もついてくぞ」
「――なんでだよ」
佐藤は「別に」と言いつつも小馬鹿にしたようにして、ケータイを弄り倒していた。
「あー楽しみ。どんな女の子かねぇ」
「余計なこと言うなよ」
思わず言うと、佐藤は「はぁ?」といいつつケータイから顔を上げた。
「余計なことって? 俺そんなに口軽くないけど」

待ち合わせの店で、アヤは例のお嬢様学校の制服に身を包み、
しとやかさを全開にして本を読んでいた。
「アヤ」
声を掛けると、アヤはパッと顔を上げ、そして微笑んだ。
「タカシ君」
いそいそと本を仕舞いつつ、席を立つ。
そしてタカシの横に立つ佐藤に気づくと、にこりと微笑み「こんにちはー」と言った。
「お友達を連れてくるなら言ってよ」
「どうせすぐに別行動になるし」
「アヤちゃんだっけ? こんにちは」
「はじめまして」
ニコニコと初対面の男と会っても臆することなく言う姿に少しだけ不快感を
覚えるものの、我慢がならぬほど不愉快と言うほどに感じるわけではないのは、
おそらく彼女をそんなに好きではないからだろう。

さすが規制解除 SS()

そう、タカシは思い込もうとしていた。
アヤは可愛かった顔だけの話ではない。趣味もタカシとは合ったし、会話のテンポも
よく似ていた。
ショウタを傷つけてから誰に言い寄られてもその気にならなかった割に
彼女と付き合い始めたのは、そういう理由があってのことだ。
タカシが認められらないのは、またしても自分自身のことだった。
おめおめと自分が幸せになることなど許されはしない。
アヤのことも本気で好きなわけではないのだ。そう思いたかったが、
気持ちはもう殆どアヤのものだった。
アヤが佐藤に話しかけるのに微かな不快感を感じる。
タカシは後悔にさいなまれながらも、アヤを好きでいる自分を自覚せざるを得なかった。

付き合ってひと月がたち、タカシは突然アヤに振られた。
理由もいわずにアヤは別れを切り出した。
どうやら親元へ帰ることになったらしい、とアヤの友達に聞いたが、
それ以上のことは彼女たちも判らないようだった。

突然の別れ、突然の引越し。
なにもかもが判らないままだった。
アヤはどこかへ消えてしまった。タカシはその事実に思いのほかダメージを受けていた。
だが学生の一日は早い。受験の下準備などをしているうちには、
すっかりアヤのことも忘れ、少しずつ自分の生活を取り戻していった。

三年生の半ばとなると、みな受験のラストスパートを掛け始める時期だ。
そのころになると、タカシは「ひと月だけの男」と呼ばれるようになっていた。
どの女の子と付き合っても、ひと月しか持たない。
そういう意味だった。
実際はもっと短期間ということもあったが、それが知られていないのは幸いだった。
全てタカシが振っているわけではなく、相手から別れを切り出されるのだ。
色んな学校の、色んな女の子と付き合った。
手当たり次第と言うわけではなく、タカシも選んで付き合って居はいた。
どの子もみんな優しくて綺麗で、そして刺激的だった。
毎日楽しかったはずなのに、彼女たちはやがて「ごめんね」と言って別れを切り出す。
佐藤までもが「お前どうかと思うよそれ」と言い、少しだけタカシと距離を取るようになった。
彼女たちがなにを考えているか判らなかった。
こういう言い方はなんだが、彼女たちと別れ、新しい女のこと付き合い始めると
毎回「彼女は完璧だ」と思うのだ。だが、彼女たちはみんなタカシを嫌いになる。
完璧でないのは、タカシのほうだったのだ。

受験に合格した頃に付き合い始めたのは、華奢で、ショートヘアの似合う女の子だった。
少しだけボーイッシュな彼女は、その外見に反して実に女の子らしい性格だった。
ウタコと名乗った彼女は物静かで、だけどとても優しい女の子だった。
互いに県内の、同じ大学を受験したため、離れ離れになることはない。
今度こそ長く付き合えればいい。そんなことを思いながら、ウタコとタカシは
合格祝いに遊園地へ着てきた。
「オバケ屋敷はいや」
そういうウタコが可愛くて、タカシはなんとかなだめすかしてオバケ屋敷へと入った。
真冬のオバケ屋敷とはなんだかおかしなものだが、それでも人気アトラクションらしく
寒空の下、長蛇の列ができていた。
「怖くないかな」
怯えた様子でタカシの手を握るウタコに、少し笑って「大丈夫だよ」と言う。
冷たい手は痩せすぎている所為か、骨ばっていて握ると少し痛かった。
二人の順番が来ると、暗いアトラクション内に通された。
病院モチーフの内部は、消毒液のにおいさえして、妙にリアルだった。
「病院くさいな」
「うん。そうだね」
如何せんくさすぎはしないか、と懲りすぎた演出にタカシは顔を顰めた。
「ウタコ、くさくないの?」
「ううん。あたしは平気」
かなりくさいはずだが、彼女は気にした様子もない。
「タカシ、早く行こうよ」
「ああ……」
なにか分量を間違えているのではないか。そう思うほどに、中はくさかった。

「お前、本当に平気?」
「うん」ウタコの声が小さくなる。「あたし慣れているから」
何の話だ、と問いかけようとすると、彼女が悲鳴を上げた。
オバケ役の従業員が彼女を脅かしたためだ。
ひとしきり騒いだ後、また静かな廊下が続いた。
「慣れてるって、なんだよ」
「あたし、病院の匂いって慣れてるの」
どういうことだろうか。彼女は病弱と言うわけではないはずだ。
そんな話は、全くきいたことがなかった。
「アヤ」
ウタコが短く言った。
「え?」
「レイコ、ナナエ、次は誰だっけ?」
前を歩いていたウタコが振り返る。
「なんでお前……、」
「ああ、アミカ、カナ、ユリア、だっけ?」
タカシでさえもう忘れたような彼女たちの名前を、ウタコはぽつりぽつりと
指を折りつつ数え始めた。
「あー……何回目だろう」
「ウタコ?」
「何回失敗したのかな」
単純にタカシの尻軽――、男の場合もそういうのだろうか。それを詰っている
風ではない。タカシは首を傾げつつ、ウタコを呼んだ。
不意に、ウタコの手が力強くタカシの手を握った。
「気づかないんだね。僕だよ、タカシ」

ウタコは不気味に笑っていた。
可愛らしい声は消え、それは完全に男の声だった。
テレビで時折お笑い芸人が見せる、女から男の声になるあれは、
自分がやられるとあまりの恐ろしさに声すらでないものなのだと、タカシは
初めて知った。
「全然気づかなかったかの? タカシ、何人の僕と付き合った?」
「お、まえ……」
「うん、そう。ショウタだよ」
そんな馬鹿な。
ショウタは男で。
だから。
「お母さんもお父さんも泣くけどさ、こうするしかなかったんだよね。
いっぱい顔を治して、いっぱい女の子らしく振舞ったんだけど、
どれもタカシの好みじゃないみたいで困っちゃった」

怖え

「そん、な」
「体はさぁ、まだ治してないんだよね。だから毎回エッチになりそうになると
一生懸命逃げてたんだけど……。そろそろ僕もそうなりたいなぁって」
もう少し待ってね、とウタコ――、ショウタは楽しそうに言った。
指先がどんどん冷えていく。これがオバケ屋敷の温度設定の所為だけでないのは
明白だった。
「タカシ? どうしたの?」
ショウタの手に、力が篭った。
指先が軋む。
「なんて顔してんの、タカシ。あれ、もっと別の顔がよかった? それなら、
今すぐ帰って病院に……」
「違う!」
タカシは悪くはない。そんなことは判っていた。だが、どうしたらいいのかは
判らなかった。
「お前、お前、なんでこんなこと……」
ショウタは不思議そうに首を傾げ、「タカシが女の子ならよかったって言ったんじゃない」と言った。
聞いていたのか、と掠れた声は、ショウタに届いただろうか。
「早く手術したほうがいい?」
「違う、違う……!!」
タカシは、二度ショウタを殺したのだ。
一度はわざと苛めにあわせたとき、それから、女ならよかったと言った時。
「なんで、なんで俺なんかのために、なんで……」
佐藤以外はいないと思ったあの図書室。
あの言葉さえなければ、ショウタはこんな無茶な整形に走らなかっただろうか。

「ねぇ、髪、伸ばしたほうがいい? 統計的に、タカシは髪の毛短めが
好きだって気づいたんだけど、短すぎかな?」
ショウタは髪の先を摘みながら尋ねた。
短い髪が好きなわけではない。そんな感じの髪型を知らず知らずに選んだのは、
選んだのは――。
物静かな女の子がいいのも、はにかむように笑う子がいいのも。
――ああ、ショウタを壊してしまったのは、自分だ。
取り返しのつかないことをしてしまった。
タカシは確かに悪くはなかったかもしれない。
「俺は、」
タカシは俯いた。
遠くで、アトラクションを楽しむ女の子たちの声が響いている。
楽しそうだ。
「俺は……」
「うん?」
ショウタは嬉しそうに微笑んだ。

スカートに、ブーツ。温かそうなマフラーはどう見ても女のもの。
「お前が好きだった」
今さら認めたところで、もう遅い。
ショウタは壊れてしまった。
きっとそれはタカシの所為ではない。だけれども、そうなるように背中を
押してしまったのはタカシなのだ。
「男のお前でも、好きだった」
ショウタの顔が固まった。幼い表情は、あの頃と差ほど変わらない。
「好きだったよ……」
今漸く、タカシは自分の気持ちを認め、そして懺悔したのだった。

ショウタはもう、死んでしまった。
あの遠い日に。
ショウタの叫ぶ声が耳に木霊した。
<終>

方向性を見失ってしまった……全然ショタではない件
すまぬーすまぬー

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