カレン「先生は、私を見てくれマスか?」 (69)

○きんいろモザイクssです
○カレン×久世橋朱里(コミック3巻登場、アニメ未登場)の内容です
○キャラの口調が安定しない点があります
○百合成分、またコミックバレが多分に含まれています

これらの内容が苦手な方はご注意ください

それでもいい方は、よろしければ短いですがお付き合いください


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377783967

~ 2-A 教室 ~

朱里「九条さん、また宿題を忘れたんですか?」

カレン「ア、アハハハ…昨日ちょっとテレビを見てたらつい…」

朱里「言い訳は結構です!!これで何回目だと思っているんですか!!」

カレン「えーと、三回目…ぐらいデスか?」

朱里「五回目ですよ!!これで五回目です!!」

カレン「OH!!先生、記憶力とってもいいデース!」

朱里「おちょくってないで少しは反省しなさーーーい!!!」ウガー!

綾「あー、カレンまーた怒られてるよ」

忍「まあまあ、これももう日常になってることですしいいんじゃないでしょうか?」

綾「まあ確かに日常になってるけどさ…なーんであそこまで忘れてくるんだろうね」

忍「あれですよ、きっとカレンは三歩あるいたら忘れちゃう性格なんです」

綾「友達をニワトリと同列するな!」

忍「じゃあカレンは実はニワトリだったんじゃ…」

綾「なお悪いわ!!」

忍「えーっと、それじゃあ」ウーム

綾「もういいって、それにしても気になるわね…」

忍「気になる?綾は何か気になることがあるんですか?」

綾「うん、カレンが忘れてくる宿題だよ」

忍「え?」

綾「確かにいつも宿題を忘れて久世橋先生に怒られてるけど…カレンが他の先生から怒られてる所って見たことある?」

忍「そういえばありませんね。授業中良く寝てる事はありますけど」

綾「それもどうかと思うけど、気になるのはなんで久世橋先生の時だけ忘れてくるのかって事よ」

忍「うーん、難しい問題ですねー」

綾「考えられるのはカレンが久世橋先生を嫌ってるって可能性だけど…」チラッ

朱里「いいですか、次また忘れたら今度は本気で怒りますからね!!」

カレン「イエッサー!」ビシッ

朱里「敬礼はいいからしっかりやってきなさいよ」

カレン「ハイ、できるだけゼンショします!!」

朱里「善処じゃなくてしっかりやってきなさーーーい!」

カレン「ジョーダンですよー」アハハー

綾「…どう見ても嫌ってるようには見えないわよね」

忍「わぁ、まるで大阪にいるみたいです」

綾「しの、あれは漫才じゃないから。まあ結構カレンはノリノリでやってるけど」

カレン「イヤー、大変な目にあいまシタ」

忍「お疲れ様です、カレン」

カレン「ワハハ、もう慣れましたけどネー」

綾「…ねえカレン、ちょっと聞きたいんだけど」

カレン「ハイ、なんでしょうか?」

綾「もしかして久世橋先生の宿題を忘れてくるのって…わざとなの?」

カレン「失礼な!私だって全力でやっているのデスヨ!」

綾「そ、そう…それならいいんだけど」

カレン「ただ久世橋先生の宿題は何故か記憶からなくなるだけなんデス!!」ババーン!!

綾「結局同じ事じゃないの!!」

忍「や、やはりカレンはニワトリの可能性が…」

綾「ないから、絶対にその可能性はないからシノもそんな無駄に考えない!!」

綾「けど、そろそろ久世橋先生も本気で怒りそうだから注意しときなさいよね」

カレン「ダイジョーブですよ!たとえまたやらかしてもきっと許してくれますヨ」

カレン「それに、宿題を忘れてくれば…」ボソッ

綾「?カレン、今なんか言った?」

カレン「な、何でもないデスよ!!きっと綾のソラミミですよ!!」

綾「空耳、ねぇ…」

忍「そういえば空耳と空豆ってちょっと似てると思いませんか?」

カレン「OH!そういえば形もどことなく似てる気がしますね!!」

忍「カレンもそう思いますか!これは後でアリスと陽子にも意見を求めないと…」ブツブツ

綾「しの、アリスが混乱するだけだから止めておきなさい」

~ 職員室 ~

朱里「はぁ…」

さくら「どうしたんですか久世橋先生?ため息なんかついて」

朱里「いや、ちょっとウチのクラスの九条さんについて考えていまして…」

さくら「九条さんですか?時々居眠りをしてる事はありますがそこまで問題になるようなことはしていないと思いますが」

朱里「宿題忘れの常習犯なんですよ、彼女」

さくら「えっ!?九条さんがですか」

朱里「知らないのも無理はないと思います。何故か忘れてくるのは私の授業限定ですから」

さくら「えーっと、つまり九条さんはわざと…?」

朱里「としか思えませんよね。そこまで無理な量の課題は出していませんし」

さくら「く、九条さんって家庭科の授業が苦手とかは」

朱里「ないと思います。授業では器用に色々とこなしていますよ」

さくら「うーん、それは困りましたね」

朱里「…私、嫌われているんですかね」ハァッ

さくら「そ、それはないと思いますよ」

朱里「私もそう思いたいんですけど、ついつい注意する時大きい声を出したり、強い口調で注意したりしてますし…」

朱里「自分でも九条さんから嫌われていてもおかしくはないって思うんですよね」

さくら「それは考え過ぎですよ!それに九条さん、久世橋先生といる時とても楽しそうにしているじゃないですか!」

朱里「軽く遊ばれてるような気もしますけど」

さくら「そんなことないですって!…それにしても、九条さんの事についても気になりますね」

朱里「ええ、烏丸先生。何かいい方法はないでしょうか?」

さくら「そうですね…やっぱり直接本人から理由を聞いた方がいいんじゃないですか?」

朱里「直接、ですか」

さくら「といっても今回注意されたことで改善するかもしれませんし、次また宿題を忘れてきたら聞いてみるのはどうでしょう」

朱里「そうですね…そうしてみます」

さくら「それと、もしかしたら家庭の事情とかもあるかもしれませんし、授業中とかに聞くのはやめた方がいいと思いますよ?」

朱里「…分かりました。烏丸先生、こんな相談に乗ってくださって本当にありがとうございます」

さくら「いえいえ、まあ久世橋先生もあまり深く抱え込まないようにしてくださいね」

朱里「はい…」ハァッ

~ 数日後 ~

朱里「……」ゴゴゴゴゴ

カレン「あ、アハハハハ…なんと言いますか…」

朱里「六回目、これで六回目ですよ、九条さん」

カレン「は、ハイ…ゴメンなさい」

朱里「……」ハァ

カレン「く、久世橋先生?」

朱里「九条さん、ホームルームが終わったら被服室に来てもらえないかしら」

カレン「へ?」

朱里「ちょっと聞きたい事があるの、予定とか時間は大丈夫?」

カレン「ええ、まあ別に…」

朱里「じゃあ放課後、カギは開けておくから」

カレン「え、えーと、宿題の件は」

朱里「その時改めて聞きます。いい?」

カレン「わ、分かりマシタ」

朱里「それと、そこまで長く聞かないから、お願いだからちゃんと来てね」

カレン「は、ハイ…」

朱里「それじゃあ、また後で」

カレン「はぁ…」

綾「ま、六回連続となれば仕方ないわね」

忍「カレン、先生との話が終わるまで待っていましょうか?」

カレン「いえ、もしかしたら長くなるかもしれませんし、先に帰っていてくだサイ…」

綾「まあ久世橋先生も鬼じゃないし、ちょっとお説教して終わりだと思うわよ」

忍「そうです、久世橋先生は鬼というより虎ですし」

綾「それ全くフォローになってないわ、しの」

カレン「…私、嫌われたんデスかね…」

綾「…カレン?」

カレン「何でないデス」

~ 放課後 被服室 ~

カレン「し、失礼しマス」ガラガラッ

朱里「いらっしゃい、九条さん」

カレン「え、えーとその…」

朱里「とりあえず適当に座ってもらえるかしら」

カレン「は、ハイ…」スッ

朱里「それで、呼び出された理由は分かるわね」

カレン「えっと、宿題を忘れ続けた件デスよね?」

朱里「ええ、私の出した宿題だけを何故か忘てくる件よ」

カレン「!?」

朱里「他の先生からも聞いてみたわ、貴方が宿題を忘れてくるかどうか」

朱里「結果、そんな事はないみたいね。まあ授業態度は色々と問題があるみたいだけど」

カレン「そ、それはソノ、何と言いマスか…」

朱里「無理しなくていいわ、貴方が私の事を嫌っていてもおかしくはないしね」

カレン「!!!」

朱里「確かに貴方に対してはかなり強い口調で注意してるし、私が口うるさく言い過ぎているのも自覚してるわ」

朱里「けどこれも貴方のためを思って言っている事なのよ。確かに家庭科なんて社会に出たら役に立たない教科かもしれないけど…」

カレン「そんなことないデス!!先生の授業はとても面白いデスよ!!」

朱里「ありがとう、お世辞でも嬉しいわ」

カレン「そ、そんな…」

朱里「ただ…流石にこれ以上宿題を忘れるのも見逃せないからこうして貴方の意見を聞きたかったの」

朱里「私が原因なら改善するようにするし、もし家で何かあるようなら…頼りないけど私に相談してほしいわ」

朱里「もっとも、貴方の協力がある事が前提なんだけどね」

カレン「……」

朱里「……」

朱里『ここまで大人しくなる九条さんを見るのって初めてね』

朱里『けど、いきなり大人しくなったという事は、やっぱり何か悩みがあったのかしら…?』

カレン「…先生は」

朱里「?」

カレン「先生は、私を見てくれマスか?」

朱里「九条さん?」

カレン「私が真面目に宿題をやってきて、みんなと同じように授業を受けても、今と同じように私を見てくれマスか?」

朱里「九条さん?貴方、何を言ってるの?」

カレン「私は!みんなと同じじゃいやなんデス!!!」ダン!

朱里「!?」

カレン「私は、先生に特別に見てもらいたいんデス!!」

カレン「周りと同じ…ただのクラスの一人としてみられるのは嫌なんデス!!」

カレン「先生に特別に見れもらえるのなら私は問題児でも構いまセン」

カレン「それに注意された事も嫌って思った事なんて一度もないデスよ」

カレン「ただ先生が私を特別に見てくれてる…そう思うだけでもとっても嬉しかったデス」

朱里「な、何を言っているの?」

カレン「…先生、ハッキリ言います」

カレン「私は、九条カレンは…久世橋先生の事が大好きデス!!!」

朱里「えっ…えぇぇぇ!!!」

カレン「…///」

朱里「く、九条さん…本気で言ってるの?」

カレン「…///」コクッ

朱里「そ、その好きっていうのは英語で言うと、その…」

カレン「…LOVE、デス…///」

朱里「ラブって、その、冗談じゃ…」

カレン「こんな事…冗談じゃ言えまセン!」

朱里「……」

朱里「九条さん…」スッ

カレン「せん、せい…?」

朱里「ありがとう、その気持ちはとっても嬉しいわ」ナデナデ

朱里「けどね、そういう事を言うのはもっと大事な人が出来た時の方がいいわ」

カレン「!!!」

朱里「貴方の年頃だと先生とか、年上の人に憧れる事は良くあることよ」

朱里「九条さんの場合はそれを恋心と勘違いしてるみたいだけど、それは違うの」

朱里「ちょっと驚いたけど、きっと時間がたてば気持ちも変わっていくわ」

朱里「だからこれからはもっと自分を大事にしていけば、きっと…」

カレン「…先生は」

朱里「…?」

カレン「先生はオオバカヤロ―――デス!!」

朱里「なっ…!?九条さん、先生に向かってその暴言は何なの!?」

カレン「知ったこっちゃないデス!!私は自分の気持ちをしっかり伝えたのに、しっかり、伝えたのに…」ポロッ

朱里「九条さん…泣いてるの?」

カレン「泣いてますヨ!!あんな言葉で誤魔化されれば…泣きたくもなりますヨ!!!」ポロポロ

朱里「九条さん…」

カレン「…先生!!」グイッ

朱里「ちょっと、九条さんなにをっ…!!!」ムグッ

チューーーッ

朱里「~!!??!」

カレン「っ…はぁっ、はぁっ……」プハァッ

カレン「…本物です」

カレン「私の先生に対する気持ちは、本物なんデスからっ!!!」ダダダッ

朱里「ちょ、ま、待ちなさい!!」ガラッ

カレン「~~~!!!」ダダダダダッ!!

朱里「九条さん!!」ダッ

朱里「くっ!もういない…」

朱里「……」

朱里「……本気、なの?」

今日はここまでです

書いてて思ったんですが家庭科の宿題って何なんでしょう?
コミックの方にあったんで使ってみたんですが…謎ですね

それではまた

~ その夜 カレン自室 ~

カレン「………」ボフッ

カレン「ア~~~!!!」バタバタ

カレン「ヤッテしまいました~~~!!!!!」ウガーーー!!

カレン『あの時はあんな事するつもりはなかったんデス』

カレン『けど、先生が、先生の態度があまりにもショックだったから、つい…』

カレン『もう明日からどんな顔して会えっていうんですか~~~!!!』

カレン『誰か、誰か助けてくださーい!!』

カレン「…電話?モシモシ」pi!

綾「もしもしカレン、まだ起きてる?」

カレン「オー!アヤですか~まだバリバリ起きてますヨ!」

綾『良かった、寝ていたらどうしようと思ったんだけど』

カレン「いえいえ、それでアヤが電話かけてくるなんて珍しいですけど、どうしたんデスか?」

綾『…うん、ゴメン。気分悪くしたら謝るけどね…』

カレン「?」

綾『カレンさ、今日久世橋先生と何かあった?』

カレン「は、ハァァァァァァァ!?」

カレン「な、何をいてイルンデスカ、なななにもある訳ないじゃないですすカ」ビクビク

綾『カレン動揺しすぎ、逆に不自然だよ』

カレン「アヤ、一つ聞きたいのデスが…」

綾『何?といっても聞きたいことは一つだよね』

カレン「…いきなり電話してそんな事を聞いてきたという事は、アヤには何か確証があるんデスか?」

綾『確証というか…カレンに聞いた理由としては二つあるわ。まず一つ目は今日の帰りにカレンが家に帰るところを目撃した事ね。それだけだったら気にもならなかったんだけど…』

綾『カレンさ、今日走りながら帰っていったよね。しかも涙目になりながらさ』

カレン「う、うぐっ!?」

綾『後もう一つはここ最近のカレンの久世橋先生に対する態度。傍目から見ても明らかにおかしかったから…これが二つ目』

カレン「そ、そんなに可笑しかったデスか?私の態度」

綾『おかしかったというか、私と似ているというか…ってそれはいいの!!』

カレン「ノリツッコミ!?」

綾『で、それを踏まえたうえで聞きたいんだけど…』

カレン「……」

綾『カレンって、久世橋先生の事が好きなの?』

カレン「!?」ギクッ

綾『…ごめん、違ってたら否定してくれていいし、言いたくなければ別に…』

カレン「いいえ、間違ってませんヨ」

カレン「私は久世橋先生の事が好きデ、それで今日…」

カレン「告白、しちゃいました…」

綾『…そっか、やっぱりね』

カレン「で、告白したのはいいんですけど、先生がの態度があまりにもショックで、それで…」グスッ

綾『分かったわ、カレンも辛いだろうからそれ以上無理して言わなくていいよ』

カレン「…アヤ、教えてください」

カレン「私は、これからどうしたらいいでショウカ…?」

綾『どうするって、カレンはどうしたいの?まずはそれをはっきりさせたいのだけど』

カレン「私は…無理な話かもしれませんが、先生とカップルになりたいデス」

綾『……』

カレン「勝手に告白して逃げてきたような形になっていますけど、この気持ちは本物デスから」

カレン「アヤ、笑ってくれてもいいデスよ。自分でもムチャクチャ言ってるのは分かってますし…」

カレン「けど、それでも…これ以上無理して自分の気持ちを隠し続けるのは嫌なんデス!!」

綾『…羨ましいな、カレンが』ボソッ

カレン「アヤ?」

綾『何でもない、ひとりごとよ』

カレン「……」

綾『ねぇカレン。これはあくまで一つの選択という形で聞いてほしいんだけど…』

綾『そこまで久世橋先生の事が好きだったらさ、仕切り直してもう一度告白してみたらどう?』

カレン「…へ?」

綾『確かにカレンが自分の気持ちを隠し続けるなんて無理だと思うし、言い方は悪いかもしれないけどカレンらしくないわ』

綾『だから、もう一度告白してみて先生の気持ちをはっきり聞いた方がいいと思うの』

綾『勝手なことを言うようだけど、もしダメならダメで気持ちが切り替えられるはずよ』

カレン「切り替え、デスか。けど私は…」

綾『カレンだって、今のままモヤモヤしてるのは嫌なんでしょ?』

カレン「!!」

綾『自分の気持ちを素直に出せる。それがカレンのいい所じゃないの』

綾『だからさ、もう一度頑張ってみたらいいと思うよ』

カレン「…うんっ、ありがとうアヤ!!私、もう一回先生にアタックしてみます!!」

綾『ま、私からアドバイスできるのはこんな所ね、アドバイスにもなってないかもしれないけどね』

カレン「そんなことないデス!アヤがそう言ってくれなかったら私は今でもクヨクヨしていたと思いますから…アヤはまさに救世主デス!!」

綾『救世主って…大げさすぎよ』

カレン「けど、告白自体はいいとしても、キスの件はどう説明すれば…」

綾『大丈夫よ、キスぐr…って、え?』

カレン「え、どうしたんですかアヤ?」

綾『…ねぇカレン、今なんて言ったの?』

カレン「えーっと、だから先生への説明についてデスけど」

綾『そっちじゃない!!その前よ』バン!

カレン「そ、その…キスの件ですが」

綾『き…キキッキキキキキキスぅうううううう!!!?』バターン!!

カレン「ヒィッ!?」

綾『な、何やってんのよ!?告白だけじゃなかったの!』

カレン「そ、そうだったんデスが、だんだんと気持ちが高ぶってしまい、つい勢いで…」

綾『勢いがありすぎるわ!』

カレン「まあ、ちょっとやりすぎたかな~とは思ってたんデスが…やっぱり駄目でしたか?」

綾『駄目に決まってんでしょ!?生徒に告白されたと思ったらキスされたなんて今頃先生も混乱してるわよ!?』

カレン「ど、どうしましょーか?」テヘッ

綾『…カレン、とりあえず告白するにしても、その前に今日の事を謝っておきなさい』

カレン「…はい」

~ 同時刻 朱里宅 ~

朱里「ただいまー」ガチャッ

ネコ「にゃーん!!」ダダッ

朱里「よしよしお留守番御苦労さま。今ご飯の用意するからちょっと待っててね」

ネコ「にゃっ!」

朱里「…ふぅ。さて、どうしようかしら」

朱里「九条さん、か」

朱里「…教師としてはちゃんと彼女を指導してあるべき道に進ませてあげるのが正解なのよね」

朱里「普通に考えたら先生と生徒、それに同性同士のカップルなんて成立する訳はないしそれ以前にモラルとして最悪」

朱里「万が一そんな関係がばれた日には私はおろか彼女も学校を退学する事になる…」ムゥ

朱里「って私はなに付き合う前提で話を考えているのよーーー!!」

朱里「ないない!いくら彼女の気持ちが本当だったとしてもそれは…」

~ ~ ~

カレン『私の先生に対する気持ちは、本物なんデスから!!!』

~ ~ ~

朱里「本当だったとしても、それは…」

ネコ「にゃーん?」

朱里「!あ、ゴメンね、ちょっと考え事してて…っと、はい、お待たせ」ゴトッ

ネコ「にゃん!」モグモグ

朱里「ふふっ、たくさんあるからゆっくり食べてね」

ネコ「~♪」ウマウマ

朱里「…ねえ、ちょっと聞いてもらえる?」

ネコ「にゃん?」

朱里「私ね、今迷ってるんだ」

ネコ「?」

朱里「私を好きだって言ってくれた子に、どう答えてあげたらいいのかなって」

朱里「その子はとてもいい子なんだけど、私とはあまりに違いすぎてね」

朱里「立場とか年齢とか…それこそ色々。それでも彼女は私に告白してくれた」

朱里「私は、生徒と先生って関係だったから今まで意識した事はなかったけど、あの子の事を…」

朱里「…好き、だったかな。ううん、きっと好きなんだと思う」

朱里「だけどあまりにも違いすぎるから、あの子の気持ちにどう答えたらいいのかわからなくって」

朱里「…本当に、どうしたらいいんだろうね?」ハァッ

ネコ「……にゃっ!」ペロッ

朱里「キャッ!!ちょ、ちょっといきなり舐めないでよ」

ネコ「にゃんにゃん!!」ペロペロ

朱里「あはは、くすぐったいから止めて、ちょっとタイムタイム…アハハハハ!!」

ネコ「にゃーん!!」ダダダッ!!

朱里「もうっ!あの子ったら~」

朱里「けど羨ましいな、ネコは。やりたいって思ったらすぐに行動できて」

朱里「私なんてどうしても考えこんじゃうからね。まあ性格なんだけど」

朱里「行動できて…か」

朱里「私も、ネコみたいにすぐに行動できればいいいのに…」

朱里「……ちょっと、頑張ってみようかな」

今日はここまでです

というより思った以上にカレンの口調が難しいです
カレンを書いているというより凸森を書いてるような気がしてきます。

それではまた

~ 次の日 ~

カレン「はぁ…やっぱり憂鬱デスね」

カレン「正直どんな顔して話しを切り出せばいいかすら分からないデスよ」

カレン「けど、やっぱり改めて謝らないといけない事ですし…ここはひとつ勇気を出してカミカゼトッコーと!!」

朱里「何を朝から物騒な事言っているの、九条さん?」

カレン「ア、アイェェェェェェ!?」

朱里「もうホームルームが始まるのに、あなたが気づいていないようだから声をかけたのよ」

カレン「そ、そうデスか、それは失礼シマシタ」

~ 次の日 ~

カレン「はぁ…やっぱり憂鬱デスね」

カレン「正直どんな顔して話しを切り出せばいいかすら分からないデスよ」

カレン「けど、やっぱり改めて謝らないといけない事ですし…ここはひとつ勇気を出してカミカゼトッコーと!!」

朱里「何を朝から物騒な事言っているの、九条さん?」

カレン「ア、アイェェェェェェ!?」

朱里「もうホームルームが始まるのに、あなたが気づいていないようだから声をかけたのよ」

カレン「そ、そうデスか、それは失礼シマシタ」

朱里「まあいいわ。それじゃあ早く席に着いてちょうだい」

カレン「は、はい…ってそうじゃなくて!!」

朱里「何、まだ何か言いたい事があるの?」

カレン「あ、あの、先生にお話ししたい事が、その」

朱里「今からホームルームなの、残念ながらその時間はないわ」

カレン「あ、あうう…」シュン

朱里「……」

朱里「…九条さん、今日も放課後被服室に来てもらえるかしら」

カレン「へ?」

朱里「昨日の事で話があります、いいですか」

カレン「は、ハイ…」

朱里「はい、それじゃあ席に着いて、ホームルームを始めるわよ」

カレン「……」

綾「カレン、ちょっといい?」

カレン「どうしました、アヤ」

綾「さっき先生と何か話してたみたいだけど…昨日の事は謝れたの?」

カレン「いえ、あまり話せずダメダメでした」

綾「そう。ま、無理もないわね」

カレン「その後なんデスが…今日もまた先生から呼び出しされまシタ」

綾「…先生はなんて?」

カレン「昨日の事で話があるとだけしか」

綾「ま、そっちの方が謝りやすくてよかったんじゃない」

カレン「それより私は怖いデス、先生に嫌われたんじゃないかって思うと…」

忍「大丈夫ですって、カレンは嫌われてませんよ」ニュ!

綾「忍!?どっから出てきたの!!」

忍「どこから出てきたと言われましても、ここにいたとしか言いようがないんですが」

綾「本当に忍が忍者に見えてくるわ…」

カレン「それよりシノブ、私が嫌われてないっていうのは本当デスか?」

忍「はい!私が自信をもって保証します!」

綾「どこからその自信が出てくるのよ」

忍「なんと言いますか、感覚ですね」

綾「感覚って、またアバウトな…」

忍「それよりカレン、また今日も放課後残るんですか。何かあるんでしたら相談に乗りますが」

カレン「…イエ、大丈夫デス」

忍「そうですか、なんだか寂しいです」

綾「気にしなくていいのよ忍。どうせカレン一人で解決しなくちゃいけない問題なんだからね」

忍「???」

~ 放課後 被服室 ~

カレン「失礼します」ガラガラ

朱里「来てくれたのね。九条さん」

カレン「はい、先生に伝えたい事がありましたのデ」

朱里「それはやっぱり昨日の事…よね?」

カレン「…はい」

朱里「全く、あなたは勢いに任せる生徒という事は知っていましたが、まさかあんなことをするとはね」

カレン「!!け、けどあれは先生が、その…」

朱里「確かに私の態度があなたの傷つけたのは謝るわ」

朱里「それにしても、いきなりキスして何処かへ行くというのは感心しないわ」

朱里「ここに残された私の身にもなってちょうだいよ…」ハァ

カレン「そ、それはその…スミマセンでした!!」

朱里「…はぁ。まあいまさら怒る気はしないけどね」

朱里「それより改めて確認したいんだけど、私を好きだっていうのは本当なの?」

カレン「!!…はいっ!!」

朱里「冗談じゃなくて?」

カレン「もちろんデス!!」

朱里「私はあなたの担任であって教師でもあるのよ?それでも」

カレン「そんなんカンケーナイです!!先生が何であっても私の気持ちに偽りなしデス!」

朱里「…全部即答って、質問しといてなんだけど少しは考えたらどうかしら?」

カレン「何を考える必要があるんデスか?それとも気持ちを正直を出すのは馬鹿なんデスか!?」

朱里「いえ、決してそういう訳ではないけどね…」

カレン「それなら馬鹿でも構いません!気持ちを隠すのなんてまっぴらです!!」

朱里「…貴方って、どれだけまっすぐぐなのよ」

カレン「こんな私ですけど…先生は、嫌いになりましたか」

朱里「……」

朱里「…九条さん。ちょっと目をつぶっててもらえる?」

カレン「へ?な、何でデスか?」

朱里「…後でちゃんと答えるわ」


カレン「えーと、これでいいデスか?」

朱里「ええ……九条さん」

朱里「これが、私の答えよ」




ギュッ!!




カレン「え、エエエエエエエェェェェェェ!!!」カァーーー!!!

朱里「流石にキスはできないからこうすることしかできないけど…これが私の気持ち」

朱里「あなたは確かに手のかかる生徒だけど…それ以上に放っておけない」

朱里「それに、あなたにばかり無理させちゃったから、今度は私も正直になるわ」

朱里「九条さん…私もあなたの事が…その…す、」

カレン「ス?」カチッ

朱里「す…す…」

カレン「ス、スって…ビネガーか何かなんデスか?」

朱里「…!!す、好きよ!!」

カレン「…!!嬉しいデス、先生!!」ギュー!!!

朱里「ちょ、ちょっと強く抱きしめすぎよ九条s」

カレン「カレン」

朱里「え?」

カレン「本当に好きなら…カレンって呼んでください」

朱里「え!けど、それは、流石にその…」

カレン「それじゃあ、今までのは嘘なんですか…?」

朱里「違う、違うけどやっぱり下の名前で呼ぶのは流石に」

カレン「うぅっ…」グスッ

朱里「…!!あーもう!」

朱里「か、カレン…///」

カレン「…!!嬉しいデス、本当に」

朱里「……///」

カレン「…大好き、先生!!」カチッ

~ ~ ~

朱里「…ともかく、九条さんの気持ちは分かったから今度からはちゃんと宿題は提出しなさい。いい?」

カレン「はぁ、まーたいつものトラの戻っちゃいました」

朱里「虎じゃなくて先生よ。それにこれはあなたの事を思って言っているんですからね」

カレン「うーん、さっきまでのネコみたいな先生はどこへ行ったのデショウか?」

朱里「そ、それはそれ!!これはこれよ!!」

カレン「あ、赤くなってますヨー先生」

朱里「う、うるさい!!///」

朱里「あ、あとあなたの進路の事もあるし私達の関係は秘密よ。それは分かってくれるわよね」

カレン「えー、じゃあクラスではいつも通りなんデスか?」

朱里「当たり前でしょ!!もしもばれた日にはあなたが大変な目にあうのよ!!」

カレン「私は別になんとかなりますヨー。それに先生ももしも教師を辞めるんでしたらそのまま結婚もオッケ―デスよ」

朱里「なっ…///」

カレン「そんな訳ですからいっその事全部オープンでいきましょう。ねっ」

朱里「ばっ、馬鹿言ってるんじゃありませーん!!」

カレン「ムゥ、あれぐらいで怒鳴るなんて先生は心が狭いデス」

朱里「当たり前でしょ!全く、何といっていいか…」

カレン「仕方ないからこれを聞いて癒されますヨ」カチッ

朱里「うん?なんなのそれ…」

『…!!す、好きよ!!』

朱里「   」

カレン「えーっと、さっきの事なんですけど…記念に録音しちゃいマシタ!」

カレン「いや~、いざという時のためにレコーダーって持っとくものデスねー」

朱里「な、な…」

カレン「あー、やっぱりこっちの方が可愛いですねー」カチッ

『か、カレン…///』

朱里「か、貸しなさい!」

カレン「だが断りマス!」ヒュン!

朱里「ちょ、ほ、本気で怒るわよ!!」

カレン「へへっ、こういう時は…『あばよーとっつぁん!』…ってやつですかね?」ガララッ

朱里「ちょ、ま、まちなさーい!」ダダダッ

カレン「すたこらさっさデスー!!」ダダダダダッ!!

カレン『…それに、これは誰にも渡す気はないですから』

カレン『先生が、私だけを見てくれた記念なんですからね!』



END

というわけでこれにて終了です

しかし、きんいろモザイクのSSなのにアリスと陽子が完全に出てこないという結果に…
どうも同じクラスじゃないと絡ませづらいんですよね
まあ次書くとすれば今度は均等に書くと思います。

それではまた、次の作品で

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