泉「宮永咲!私の永遠のライバルや!!」 (47)

泉「宮永咲!私の宿命のライバルや!!」
の続きです

インターハイ会場


記者A「宮永選手、優勝おめでとうございます!!」

咲「ありがとうございます」営業スマイル

記者B「今のお気持ちは如何ですか!?」

咲「そうですね。IH2連覇は私達清澄メンバー皆の夢だったのですごく嬉しいです」営業スマイル

記者C「宮永選手にはまだ個人戦もありますが、注目している選手などはいらっしゃいますか?」

咲「いえ、特には。個人戦でもいつも通りベストを尽くすだけです」営業スマイル

咲「…ふう。インタビュー疲れたよ~」

優希「咲ちゃんお疲れだじぇ」

和「お疲れさまです咲さん」

数絵「お疲れさま」

まこ「咲、お疲れ」

咲「あ、みんな。私うまくしゃべれてたかな?」

優希「咲ちゃんにしちゃあ上出来だじぇ」

咲「よかった~。でもまだ慣れないんだよね」

和「ふふっ。咲さんらしいですね」

まこ「でもまさか昨年に続いて団体戦優勝できるとはなぁ」

数絵「ふっ。この清澄に転校してきた私の目に狂いはなかった」

優希「まあほぼ咲ちゃんの功績だけどな」

和「咲さん、昨年のIH決勝から一段と強くなりましたからね」

咲「え、そうかな///」テレッ

優希「咲ちゃんもすっかり有名人だじぇ」

まこ「あ、咲。いつものバラ届いてたぞ」フアサッ

咲「ありがとうございます染谷部長」


咲(紫のバラの人…今日もどこかで見守ってくれていたんですね…)ジーン

泉(宮永、大会2連覇おめでとう)

泉(オーラスでの四槓子はホンマ鳥肌もんやったわ)

泉(それにインタビューも風格が出て様になってきとるし)

泉(私もファンとして鼻が高いで)ウンウン


泉(……ん?)


泉「ちょっと待てーい!!」

泉「違うやろ!!私は宮永のファンやなくてライバルや!!」

浩子「一年かけてようやく気づいたようやな、泉」

泉「船久保先輩…」

浩子「あんたが目指してたんは宮永咲の追っかけやない、好敵手や」

浩子「しかしうちらの高校は今年もベスト8どまり。こんなんであの子のライバルを名乗れるん?泉」

泉「……!!先輩、私……」

泉「私間違ってましたああああああああああ!!」

浩子「全く、相変わらず泉はどっか抜けとるなぁ」フウ

泉「よっし!!さっそく来年のIHに向けて練習あるのみですわ!!」クワッ


竜華「その前向きさが泉のええとこやな」

セーラ「せやせや」

怜「ポジティブすぎんのも問題やけどな」

泉「あ、先輩方。見に来てくれてはったんですか?」

セーラ「おう。大学も夏休みで暇やしな~」

竜華「まあうちらの母校はまた準決勝どまりやったみたいやけどな」

泉「うっ…」

浩子「すみません先輩方、私らの力が足りないばかりに…」

セーラ「いやいや気にすんなや。それより泉がすっかりやる気になったことやし」

竜華「今から特訓したるでー!!」

怜「私らで泉を鍛えたるわ!!」

泉「ううっ先輩方…ありがとうございます」ウルッ

浩子「ええ話やなぁ…」ホロリ

怜「あんたもみっちり鍛えたるからな、フナQ」

浩子「えっ…」タラリ

泉(それから私はひたすら麻雀の練習に明け暮れた)

泉(毎日毎日打って打って打ちまくり…)

泉(船久保先輩を無理やり練習相手に引っ張り…)

泉(時には清水谷先輩らの家に押しかけ相手をしてもらったり…)

泉(指が豆だらけになってにわかに笑われても気にせず打ちまくり…)


泉(宮永に並び立つ存在になりたい、その思いだけが私を突き動かしていた)


泉「待っとれよ、私のライバル!!」

浩子「何で私まで…」グッタリ

そして時は流れ――――

1年後 インターハイ


アナウンサー「さあ、いよいよ団体戦の決勝も大将戦のみとなりました!!」

アナウンサー「勝利の女神が微笑むのは一体どこの高校でしょうか!!」


咲「よろしくお願いします」ペッコリン

淡「今年こそ優勝はうちが頂くよ、サキ!!」

ネリー「ヨロシクね!」

泉「……よろしくお願いします!!」

アナ「大会3連覇のかかった清澄高校、安定した強さを誇る白糸台高校に臨海女子」

アナ「そしてここまで怒涛の勢いで勝ちあがってきた千里山女子。果たしてどの高校が頂点を掴むのか!?」

アナ「解説の宮永プロに伺ってみましょう。…宮永プロが注目する高校は!?」

照「咲いいいいいい!!頑張れえええええええ!!!!」

アナ「…えー、宮永プロのシスコンモード突入につき誠に遺憾ながら実況のみでお送り致します…」


泉(ようやくここまでやって来たな)

泉(夢にまで見た宮永との対戦や)

泉(なのにえらい落ち着いとるのは何でやろうな)

泉(目の前には宮永咲。現在の高校最強や)

咲「…」

泉(でも私は負けへん。あんたに追いつき追い越すのが私の夢やから)

泉(絶対に優勝する!!そんであんたに私という存在を刻みつけたる!!)


アナ「それでは大将戦、開始です!!」


泉(さあ勝負や!!宮永咲!!)

――――


セーラ「お~い、泉~」

怜「お疲れ。お茶買ってきたで」

竜華「ううっ、泉ィ…」グスッ

泉「あ、先輩方。ありがとうございます」

泉「って清水谷先輩は何で泣いとるんですか?」

竜華「うち感動したわ。あの泉が宮永咲を追い詰めるまでに成長して…」グスグス

セーラ「せやせや。凄い対局やったで泉!!」

泉「……でも結局、私は宮永を超えることはできませんでした…」

泉「悔しいけど、今の私ではまだまだ宮永には届きません」

浩子「泉……」

泉「…でも!!私は諦めへん!!」

泉「あいつがこの後プロに進むのなら、私もそれを追いかけます!!」

泉「何年かかっても、いつかプロになって宮永と同じ土俵に立ってみせます!!」

セーラ「よっしゃ!!それでこそ泉や!!」

怜「せやせや、うちも応援すんで!!」

浩子「ええ話や…」ホロリ

竜華「ううっ、泉ィ…」グスグス

怜「あんたはいい加減涙拭けや、竜華」

泉「…せや。ちょっと先輩方、私用事ができましたんで席外しますね」

セーラ「何や何や、宮永んとこでも行くんか?」

泉「うっ///じ、じゃあちょっと行ってきますっ」ダッ

竜華「ファイトやで泉ィ~」グスグス


泉(今日の対局、ライバルとしては完敗やった)

泉(でもそれだけやない。あんたはうちの憧れでもあるんや)

泉(せやから今はあんたのファンとしてこの花束を贈るで)

泉(優勝おめでとう、宮永)

咲「ふう。今回は迷わずおトイレに行けたよ」スタスタ

咲(…あれ?うちの控え室の前に誰かいる…)

咲(あれは…千里山の二条さん?)

泉「」フアサッ

泉「」ダッ

咲(…?何か置いていった…?)タタッ

咲「…!!この紫のバラは…」

咲「……二条さん、貴方だったんですね…」

和「咲さん?ドアの前でどうしたんですか?」ガチャッ

咲「あ、和ちゃん」

和「ああ、また紫のバラですか。咲さんのファンの方、本当に熱心ですね」

咲「……うん。とっても、有難いよ…」ダキシメ

和「咲さんにそんなに大事そうに抱えられるなんて、その花束の主に嫉妬してしまいそうです」

咲「ふふ、和ちゃんったら」

優希「さあ咲ちゃんにのどちゃん!!祝勝会に繰り出すじぇー!!」ガチャッ

数絵「もんじゃにするか焼肉にするか、それが問題…」

マホ「マホはお肉が食べたいですー!!」

そして月日は流れ――――

1年後 臨海女子大学キャンパス


泉「ふ~、やっと今日で試験期間も終わりかぁ」

泉「大学の試験なんてノート見ながらできるし楽勝や!なーんて思っとったのが懐かしいわ…」

咲「泉ちゃ~ん!!」タタッ

泉「おお、咲。試験はどうやった?」

咲「うん、そこそこ出来たよ」

泉「咲は真面目やからなぁ」

咲「そういう泉ちゃんはもっと勉強した方がいいかも」

泉「うう、耳が痛いわ…」トホホ

咲「ねえ泉ちゃん」

泉「ん?何や咲?」

咲「泉ちゃんはどうしてこの臨海に?千里山も大学あったんじゃ…」

泉「ああ。いつまでも千里山の先輩達に頼ってばかりじゃ成長できんからな」

咲「へえ、泉ちゃんもちゃんと考えてるんだね」

泉「何やそのいつもは何も考えてないみたいな言い方は?」グイグイ

咲「むぐぐっ、泉ちゃん苦しいよぅ、肘で首絞めないで…」バタバタ

泉「まあ泉様は優しいからな、この辺で勘弁しといたる」パッ

咲「ううっ、酷いよ泉ちゃん…」ゼイゼイ

泉「そういう咲は、何で大学選んだん?」

咲「えっ?」

泉「あんたの実力やったら、すぐにでもプロにいけたはずやろ」

咲「……」

泉「実際いくつかのプロチームからお誘いがあったって…」

咲「……大学でやりたいことがあったから、かな」

泉「やりたいこと?何やそれは?」

咲「ふふっ、教えなーい!!」

泉「何でや!!」

咲「何でもー!!」

咲「…ねえ泉ちゃん。もしも私がプロになったら…」

咲「泉ちゃんはどうする?」

泉「そんなの決まっとる。あんたを追っかけてプロになる!!」

咲「どうして?私がライバルだから?」

泉「せや。咲は私の永遠のライバルやからな!!」

咲「でも他にも強い人はいくらでもいるよ?」

泉「他の人じゃあかんねん!!」

咲「…っ」ビクッ

泉「咲じゃないとあかん!!…咲だけや、こんなにも思いが掻き立てられるんは…」

咲「…う、うん///」

泉「あ、わ、私何いってるんやろうね、あ、あはは…///」

咲「///」

泉「さ、さあ!!試験も終わったことやし、ぱーっとお昼でも食べに行くで、咲!!」ダッ

咲「あっ、泉ちゃん待って~」ダダッ


セーラ「ふい~、やっと地獄の試験が終わったで~!!」

竜華「そういや泉のとこの大学も今日で終わりやったな、試験」

怜「臨海に行った泉か、咲ちゃんと仲良くやっとるかなぁ」

竜華「そりゃあもうベタベタなんとちゃう?何せ咲ちゃん、泉のためにプロ入り蹴るくらいやし」

セーラ「泉と同じ臨海に入ったんも、同じ大学で一緒に過ごしたいからなんて乙女やなぁ」

竜華「泣かせるわ…」グスグス

怜「ああもう、あんた涙腺緩くなったんとちゃう?」フキフキ


咲「泉ちゃん、追いついたっ!!」ダキッ

泉「わわっ、咲、急に抱きつかんといて///」カアッ

咲「いやです~」ギューッ

泉「全く、昔はあんなに気弱だったってのに…」

咲「…泉ちゃんのおかげだよ」ボソッ

泉「えっ?何て?よく聞こえんかったんやけど」

咲「何でもな~い!!」だっ

泉「あっ、待ち~や咲!!」だっ

咲「このまま学食まで競争だよ泉ちゃん!!」だだっ

泉「よっしゃ!!負けたもんが奢るってことやな、その話乗ったわ!!」だだっ

咲「ええっ?そんなこと言ってないよぉ~」だだっ

泉「負けんぞ~咲~!!」だだっ


咲(今まで私を見守っててくれてありがとう、泉ちゃん)

咲(これからも、よろしくね)


カン!

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