中学生「俺は物心つく前に、目の前で両親を殺された」

中学生「突然の別れだった…無残な殺され方だった」

中学生「犯人は17歳の高校生5人組だった」

中学生「犯行動機は『暇だったから』らしい」

中学生「意味がわからなかった……その暇つぶしのおかげで俺は児童養護施設に送られたってわけなのだ」

中学生「施設に入れられて数年後、ようやく引き取ってくれる里親が見つかった」

中学生「うれしくもなかった」

中学生「そのときの俺は犯人を憎むことでしか生きる目標を見出せてなかったからだ」

中学生「引き取ってくれるのは確かにありがたかった」

中学生「が、それは施設にいる間ずっと計画を立てていたが、施設だとどうにも実行しにくかったからという意味でだ」

中学生「本心では里親なんてどうでもよかった」

中学生「本拠地を持てるのが嬉しかったのだ」

中学生「まあそんなこんなでこうして計画の実行の機会を設けられたのだ」

中学生「有効活用しよう」

里親(母)「あら、中学生どこ行くの」

中学生「ちょっと散歩にね」

里親(母)「あんまり遅くならないでね」

中学生「うん」

ｶﾞﾁｬｯ　ﾊﾞﾀﾝ

中学生「確か集合場所は第一公園だったな…」ｽﾀｽﾀ


～～第一公園～～

親友「あ、きたきた」

友人「おせーぞ中学生、呼び出したのお前だろ？」

中学生「わりぃわりぃ」

中学生「ちょっと寝過ごしちゃって」

親友「ま、いいや、このあとお前が言ってたように楽しめればチャラにしとく」

中学生「サンキュな」

中学生(この二人は親友と友人、俺が施設にいた頃からの付き合いだ)

中学生(最初は施設で一緒に暮らしてる奴らなんてどうでもよかったが、かなりいい奴らで気が合ったから友達になった)

友人「あとで他の奴も合流するってよ」

中学生「マジで？どこで？」

友人「2丁目の13番団地で」

中学生「おう、そっか」

親友「さすがに3人だけじゃ実行するにも気が引ける」

中学生「まあな」

友人「もうターゲットの住所は特定してるんだろ」

中学生「ああ、6時に決行だ」

親友「どこに住んでんだっけ？」

中学生「>>16県」

志村県

中学生「志村県だ」

親友「了解、じゃ志村県に……は？」

友人「ねーよ」

中学生「冗談だよｗ」

親友「くだらねー冗談言ってんじゃねーよｗ」

中学生「再安価>>23県」

神奈川

中学生「一人目は神奈川県だ」

親友「了解」

友人「もうこんな時間だ、ちんたらやってねーでさっさと団地迎えに行って神奈川いこうぜ」

中学生「そうだな、行くか」


～～13番団地～～

女「おそーい友人くん～」

男1「何分待ったと思ってんだ」

男2「さっさといこーじゃん」

女2「トロすぎんだよクソヤローども」

親友「わ、わりぃ」

友人「すまんすまん」

中学生「･･･悪いな」

中学生(親友と友人とは打って変わって、俺はこいつらが好かない)

中学生(一応施設からの付き合いだが、俺は親友や友人ほど話したこともないし)

中学生(ただ友人の友達で、戦力になるらしいからって理由で参加させただけだ)

中学生(俺はこいつらを誘うのは乗り気じゃなかった)

中学生(そもそもこいつらは一人一人性格が悪い)

中学生(まず女…こいつはかなりのビッチで裏表が激しい)

中学生(俺や親友にはかなり皮肉めいた態度とる癖、友人に対してはイライラするほどべったりな奴だ)

中学生(男1…老若男女年上、誰に対しても常にボス面するやつだ)

中学生(なんか知らんが、自宅では数十匹の犬を飼ってるらしい)

中学生(そのせいか臭い…近寄ると動物園みたいな匂いがする)

中学生(ただ、キレるとかなりやばいらしいからあまり怒らせないようにする)

中学生(男2……こいつはかなり趣味が悪い)

中学生(常にデカくて気色悪い人形を背負ってて何を考えてるかよくわからん飄々としてる奴だ)

中学生(本人曰く、ファッションらしい…今もだが人々から好奇の目線で見られてるの自覚してないのか)

中学生(だが喧嘩は半端なく強いらしい)

中学生(最後に女2…こいつは異常に口が悪い)

中学生(仮にも『女』という性別なのに口から出る言葉は常にタチの悪い男のDQNも顔負けの罵詈雑言)

中学生(黒歴史だが、以前施設にいたとき俺は初対面でこいつに話しかけたら泣かされたことがある)

中学生(でも黙ってれば正直…かわいい)

中学生(容姿はかなり整ってる美少女だからだ…なのになぜそんな言葉遣いなんだ、もったいない…)

中学生(こんなかんじのキャラばっかだから俺はこの4人は苦手としている)

中学生(極力こいつらとのコミュニケーションは友人もしくは親友に任せておく)

男1「ちっ、まあいい、早いとこ行くぞ」

男2「レッツゴーじゃ～ん」

親友「お、おい！まだどこ行くか説明してねーだろ」

男1「あぁ？なんだよそれを早く言えよ」

親友「はいはい…」(相変わらずうぜーなこいつ)

親友「ていうか、俺らの目的を再確認しとく、まず俺らが最初に狙うターゲットは現在27歳フリーターの男、神奈川に住んでる」

親友「で、こいつをサツに見つかんないよう、ぶちのめすんだ」

中学生「おい」

親友「え？」

中学生「『ぶちのめす』んじゃなくて、『殺す』んだよ」

親友「・・・あ、そ、そーか、そーだった」

女「要は『完全犯罪』ってことだよねっ☆」

親友「そゆこと」

男2「へーたのしそーじゃん」

男1「OK、やることはわかった、さっさと駅行くぞ」

友人「だから待てって、まだ詳しい作戦話してねーだろ、本当相変わらずせっかちだなお前は」

男1「ちぃっ、うるせーな友人…さっさと言えよ」

親友「まずその男は中学生によると神奈川の○○市◇◇町△△丁目の一軒屋に住んでるらしい」

親友「そこに俺らのうち誰かがセールスマンに変装して尋ね、裏路地かどこかに誘い出す」

友人「そんでそいつをそこで旅立たせてやると…そーゆーことだな」

親友「そうだ」

男2「ヒュ～、すげーたのしそーじゃん！」

女「ほんとーなんだか楽しそう、スリル満点の新感覚ゲームだね☆」

女2「…ウズウズするぜ」

親友「だろ？まあとやかく言ってるが、リーダーは俺じゃなくて中学生なんだがな」

女2「どーだっていい、早くぶち殺しにいくぞ」

男1「右に同じ…待ちくたびれた、俺は殺しが味わえるって聞いたから参加したんだぜ」

男1「こんなとこいつまでも突っ立ってちゃ一日終わっちまう」

男2「なんだよー男1知ってたんじゃん」

女「知ってたんなら教えてよー」

男1「わりーな、お前らの存在すっかり忘れてたｗ」

女「ひっどーい！ｗ」

中学生(…大丈夫なのかこいつら……なんだか嫌な予感がする…)

今日はここまでにします