死神「人の命なんだと思ってんの」(114)

男「尊いもの」

死神「でしょ?」

死神「だからあいつ死ねばいいとか思っちゃダメっしょ」

男「……」

死神「世の中には生きたくても生きられない人だって居んの」

死神「それなのに何で死ねとか消えろとか思うの」

男「……」

死神「全く、言葉でも人殺せるんだから」

男「……」

死神「あ、そろそろ魂貰いに行かないと」

死神「どうやって殺そうかなぁ……」

男「ちょっと待って」

男「お前ホントなんなんだよ」

死神「死神ですが」

男「何で人殺すのが目的の奴に命の説教されんの」

死神「仕事は仕事ですから」

男「そうじゃない!」

男「何で命の説教してるやつが何で人殺しをして何でそんな顔で語れるんだよ!」

死神「仕事ですから」

男「……で、いつになったら俺は死ぬんだ」

死神「さぁ」

男「じゃあ何で来たの」

死神「事の始まりは1か月前」

男「何で回想なんだよ……」

1か月前

地獄

これこれ、コイツよコイツ

死神「はぁ」

もうそろそろ死ぬからさ、魂ちょちょっと貰ってきて

死神「えー……私こんな冴えない奴につくんですかー」

まぁまぁ、少しだけだから

死神「まぁ私が美少女過ぎて男には私が行くってのはわかりますけどー」

うん、頑張ってね

死神「イヤだなぁ」

あ、それと
今後指令はそっちに通達するから戻ってくるなよ

死神「はーい」

現世

死神「えーと……あ、あいつか」

死神「うっわ汚い部屋」

死神「何で起きてすぐパソコンなんだろ」

死神「うわぁ……鼻くそ食べた手で頭掻いてる……」

死神「さっさと終わらせよう」

男の部屋

男「あ゛あ゛……」

死神「……あのー」

男「部屋に入るなって言ってるだろ! 出てけババァ!」

死神「いや確かに200歳越えてますがまだババァでは……」

死神「あのー」

男「まだ居たのかよ」

死神「いやその……」

男「つかだれ………」ドキーン

男「……」

死神「……?」

男「初めまして、男と言います」

男「身長177、体重57で、好きなものは肉じゃがです」

男「人目見たときからこう思っていました」

男「嗚呼、この心のざわめきはなんだろう……と」

男「よろしければ結婚を前提にお付き合いをしていただけませんか?」

死神「…………はい?」

男「わたくし、収入こそなかれ包容力はあると自負しております」

男「決して不自由な思いはさせません」

死神「……えと、私を見て驚かないんですか?」

男「あなたの美しさにびっくりです」

死神「……いや普通叫ぶか目を丸くしますよね」

男「肝が座ってるのが取り柄でして」

死神「……え? じゃあ私が殺しに来たって言っても?」

男「あなたに殺されるなら本望です、一緒にホルマリン生活もまた美しい」

死神「あ、じゃあ死んでくださいね」

男「おや、わたくし初めて大鎌を目にしましたよ、ハッハッハ」

スカッ

死神「あれっ」

男「……」ダラダラ

男「……じ、冗談もここまで来たら……ハハ」

死神「冗談じゃないですよ」

ブォン!

スカッ

死神「……ダメだ、腕が鈍ってるのかな」

男「……え、ホントに死神さん?」

死神「はい」

男「かーちゃんが言ってたお見合いの子じゃなくて?」

死神「はい」

男「……ひっ」

男「イヤァァァァァァァァァァ! 人殺しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

死神「肝座ってるんじゃないのかよ……」

男「たずげでぇぇぇぇ! 死にたくないよぉぉぉぉ!」

死神「あ、登録しないと……」

死神「ちなみに登録ってのはどこへ逃げても捕まえられるようにってことね」

死神「期間は二年更新」

男「聞いてないよ! マンションかよ! 助けてぇぇぇ!」

死神「うるっさいなぁ」

死神「もういいですよね、さようなら」

男「ギャァァァァァァァァァァァァァ!!」

ピーピーピー

死神「失礼」

死神「はい」

「あ、何かね、その人違うみたい」

死神「は?」

「いやなんかね、お隣さんと間違えてさ」

「登録してないならさっさと宿見つけて次の指令待ってね」

ピッ

死神「人違い?」

男「イヤァァァ……って……え? 俺死なないの?」

死神「みたいですね」

男「趣味で殺したりとかは……」

死神「仕事とプライベートは分けてますから」

男「……つまり殺されない?」

死神「はい」

男「おうお前よくも脅してくれたなアァン!?」

男「ガキの分際でお痛が過ぎるんじゃねぇのかアァン!?」

死神「……」

男「アァン!?」

死神「おい」

男「アァン?」

死神「……」

男「アァン……?」

死神「今日からここに住むんで」

男「アァン……」

死神「部屋を綺麗にして、朝昼晩飯だして、お前は床私ベッドのフォーメーションね」

男「はい?」

死神「じゃあお母様に挨拶してくるから、それまでにな」



死神「泣きながら喜んでた」

男「オメッコラッアァン!?」

死神「口を慎まないと喉切るぞ」

男「1つ質問いいですか」

死神「うん」

男「状況を説明してください」

死神「質問って意味わかってる?」

男「どういう状況なんですかね」

死神「えとね」

・間違い殺しだった
・登録後二年は現世から離れられない
・宿ない金ない、だからここに住む


死神「という感じ」

男「あぁはぁ……」

男「え? ホントにホントに死神さんですか?」

死神「うん、ローブもあるし」

男「何でタメ口になってるんですか?」

死神「仕事じゃないし年下だし」

男「……」

死神「そんでもってさ、ちょっとしたニュースがあるんだよね」

男「はぁ」

死神「登録された者は、期間終了後2週間以内に伴侶を決めないと死ぬんだ」

男「どのみち二年と2週間の命だと」

死神「まぁちょこちょこ変わるから」

男「はぁ」

現在

男「まだ俺の死亡期限は変わらないわけ?」

死神「さぁ? もしかしたら上の気まぐれで今殺されるかもしれないし」

男「……」

死神「それよりさぁ」

死神「何かこう、幸せなことないの」

男「お前の口から幸せという単語が出るとは」

死神「大学生なんだし学校行けば?」

男「いやいい」

死神「告白してバラされて虐められてヒッキーとか」

男「しょうがないじゃん?」

死神「じゃあ何か楽しみ探しに行こうよ」

男「ホントに死神?」

死神「一度きりの人生大事に行こうよ」

男「ねぇホントに死神さんですか?」

男「それにお前仕事入ったんじゃねぇの?」

死神「別の子が行ったよ」

男「何人居るんだ?」

死神「さぁ」

死神「数十人だろうね、この地域なら」

男「へぇ」

死神「早く行こうよ」

男「うーん……」

死神「好きな子の誕生日プレゼント決めならやめたら?」

男「よくわかったな」

死神「まぁね、死神だし」

男「でも渡すだけ……」

死神「あの子凄い性格悪いからやめときなって」

男「お前ほどじゃないだろ?」

死神「君も言うようになったね」

ショッピングセンター

男「これとかどうよ」

死神「センス無さすぎ」

死神「こっちの葉巻とかの方がいいね」

男「俺女の子にプレゼント渡すの」

男「渋いダンディなおじさまじゃないの」

死神「あべこべいうな」

男「つべこべだよね、反対のこと言ってないよね」

死神「まぁまぁ」

死神「あ、あれは?」

男「針なんかどうすんだよ」

死神「饅頭の中に入れる」

男「あれホント怖いしトラウマになるからやめて」

死神「やられたのか……」

男「そんなことよりお前は家で待ってろよ」

男「おままごとでもしてろ」

死神「君が人形になる?」

男「やめて鎌を向けないで」

死神「それに現世なんて久々だし」

男「仕事でよく来るんじゃないのか?」

死神「いや私ね、前にやりすぎて謹慎くらってたの」

死神「1人殺すのがビル1つやっちゃって」

男「……お前まさか20年位前の犯人か?」

死神「誰も捕まってないならそう」

死神「……なに携帯触ってんの」

男「あ、いや……時報聞こうかなって……110だったかな……」

死神「通報したら殺すからね」

死神「四股切断ぐらいなら死なないから」

男「すみませんでした」

死神「結局何にするの」

男「バンダナとかリュックとか」

男「ポロシャツジーパンとか」

男「丸縁メガネとか」

死神「オタクにしたいの?」

男「え?」

死神「よく絵で見るようなオタクにしたいの?」

男「あの子はオタクとかけ離れてるよ」

死神「じゃあなんなのそのチョイスは」

男「男気溢れるバンダナと……」

死神「男気いらないよね」

男「その子ケンシロウ好きみたいだし……」

死神「だからって世紀末救世主にはなれないよね」

男「気分だけでもって」

死神「気分だけでも暗殺拳継ぐのイヤだよね」

男「心がこもってりゃいいんだよ」

死神「悪意しか感じられないんだけど」

男「お前は何も買わないの?」

死神「別に」

男「遠慮するなって」

死神「じゃあ……」

死神「ご飯食べよ」

男「どこで?」

死神「そういうのはエスコートしてくれるんじゃないの?」

男「エスターク?」

死神「エスコート」

死神「ファミレスでいいから」

男「しょうがねぇなぁ、そこまでいうなら言ってやるけどー」

死神「早く殺せないかな」

ファミレス

男「これね」

「かしこまりましたー」

男「早く決めろよとろくせぇ」

死神「……普通女の子が選ぶの待つんじゃないの」

男「ハッ」

死神「鼻で笑ったな?」

男「笑ったのは口ですぅー鼻は笑いませーん」

死神「……もういい」

男「あ、おいどこいくんだよ!」

死神「帰る」

男「いやいやいや」

男「ちょ、待てよ」

死神「イケメンでもないのにその台詞はダサい」

男「ごめん、ごめんって」

男「俺が悪かったって」

死神「……次はないぞ」

男「はい」


男「さ、なに頼むよ」

死神「……」

男「……すみませんでした」

死神「何が」

男「いやまた怒らしたのかと」

死神「違うよ」

死神「…………」

男「どうした? 好きなもん頼めよ」

死神「君と同じものでいい」

男「男のカツカレーVOL.50だぞ、食えるのか?」

死神「……」

男「好きなもん頼めって」

死神「……めないの」

男「アァン?」

死神「文字が読めないの!」

男「なら早くいえよ……」

男「何が好きなんだ?」

死神「バカにしないの?」

男「別に」

男「ほら何が好きなんだ?」

死神「……ステーキ」



男「高いもん頼みやがって……」

死神「それおいしいし……」

男「てか何で文字読めないのにメニューがあるとこいったんだ?」

死神「読めないって言っても全くじゃないから」

死神「五十音はマスターしたしね」

男「通用するのは小学低学年までだな」

死神「お、きたきた」

男「お前そうしてると普通の人間だよなぁ」

死神「…………うん」

男「うん?」

死神「冷めるぞ」



男「いやぁ食ったわ」

男「そろそろ帰るか」

死神「どうせなら今日渡しなよ」

男「いや、誕生日プレゼントだし」

死神「すぐそこにいるのに」

男「マジで…………おぉぉぉぉ!」

男「あっ……………さ、帰ろう」

死神「どうした」

男「いや別に……」

死神「あぁ、安心しろ、隣のやつは兄貴だ」

男「まぁどっちにしろ渡すのは今度」

死神「ヘタレが」

男「性悪女が」

自宅

男「ねぇ」

死神「なにさ」

男「ご飯作れる?」

死神「地獄の釜煮込みなら」

男「え?」

死神「地獄の釜煮込み」

男「何料理?」

死神「フレンチ」

男「お前そういうどうしようもない嘘つくなよ」

死神「嘘じゃないって」

死神「これが後のペペロンチーノだし」

男「イタリアンだよね」

男「もういい」

死神「そもそも何で料理なんか?」

男「ババァ逃げたから」

死神「首輪繋いどけってあれほど……」

男「俺料理出来ないからさ、お前なら作れるかなって」

男「腐っても女だし」

死神「女の子がみんな料理作れると思うなよ!」

男「何キレてんだよ……」

死神「キレてないっs

男「弁当買ってくる」

コンビニ

男「カップ麺と……」

チャラ男「あっれーwwww」

キョロ充「うはwwww」

ギャル「何かいるwwwwwwww」

男「……」

チャラ男「お前wwヒッキーwwwwやめたのwwww」

キョロ充「くっさwwww」

チャラ男「いや臭くはない」

キョロ充「あ、いや……臭くないwwww」

チャラ男「wwww」

ギャル「こんなゴミほっとこwwww」

ギャル「いこww」

キョロ充「俺弁当買ってくわwwww」

チャラ男「勝手にしろよ」

男「これでいいかな……」

キョロ充「お前みたいなのが何買うんだよ」

男「……」

キョロ充「なんとか言えよ」

男「死ね」

キョロ充「アァ!?」

男「シネマって面白いよな」

キョロ充「アァ?」

男「じゃあ……」

キョロ充「お前もう学校くんなよ」

キョロ充「どうせ彼女なんて出来ねぇんだから」

キョロ充「女ちゃんは俺が貰うからwwww」

男「……」

キョロ充「悔しかったら彼女出してみろwwww」

死神「あ、ダーリン待ってぇ!」

男「うわっ……」

死神「彼女を忘れるなんてぇ」

キョロ充「え……」

男「お前部屋にいろよ……」

キョロ充「部屋……え……」

死神「ご飯作って待ってたのにぃ」

キョロ充「同棲……え……」

死神「一泡吹かせたいから来ちゃった」

男「………あぁ」

男「……ごめんねー! 彼女待ってるから! 腐れ童貞ブサイク坊やは帰ってねー!」

キョロ充「な、な……」

男「さぁ行こうかハニー」


キョロ充「あんな可愛い子を……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……………そうか、金か! こりゃチャラ男に報告しないと!」

自宅

男「助かった」

死神「じんましんがぁぁぁ!」

男「そんなイヤだったのかよ……」

死神「冗談だって」

死神「いやーあいつキモかったねー」

死神「スカッとしたよ」

男「俺もスカッとしたけどこれでもう学校行けないな」

死神「その話はあと」

死神「何で死ねなんて言ったの」

男「いやいや、シネマって面白いよなって」

死神「違うよね」

死神「前も言ったよね、言葉でも人は殺せるって」

男「またか……」

2時間後

死神「だからね……」

男「ご飯食べたい」

死神「待って」

男「……」

2時間後

男「もう食うよ! 食わせてもらうよ!」

死神「食べればいいじゃん」

死神「待ってたの? 律儀だねぇ」

男「このっ……!」

男「………それよりご飯作って待ってたって言ったけど」

死神「待ってたけど食べちゃった」

男「お前ホント……性格歪んでるなぁ……」

死神「歪みすぎて異次元と繋がってる」

男「だからなんだよ」

また明日



死神「はい、今日もやってまいりました」

男「お前でいいだろもう」

死神「君はやっぱ変態だな」

男「じゃあ俺が先か?」

死神「変態だな」

男「どうしようもないじゃん」

死神「君はもう入らなくていいよね」

男「お前が入らなくていいよ」

死神「年頃の乙女に何をいう」

男「クソババァ」

死神「あぁ?」

男「僕は銭湯に行ってくるからどうぞ」

死神「そうだね、次から風呂争奪戦争は君が銭湯で手を打とう」

銭湯

男「何でいんの」

死神「来たことなかったし」

男「せいぜい恥をかけ」

死神「待て、何で別々なんだ」

男「はい?」

死神「一緒にいてくれ」

男「告白してんの?」

死神「図に乗るなよ」

男「……じゃあ家の風呂一緒に入るか?」

死神「変態が」

男「同じこと言ってんの」

男「女はあっち、男はこっち」

死神「ならばわからないことは聞くとしよう」

男「そうしとけ」

男湯

男「生き返るわぁ」

男「五臓六腑に染みるわぁ」

女湯

死神「ほほぉ」

死神「どれ早速」

おばちゃん「こらあんた!」

死神「ひっ!」

おばちゃん「身体流してからが基本だよ!」

死神「ご、ごめんなさい」

おばちゃん「いい身体してるんだから、ちゃんと綺麗にしなきゃね」

死神「は、はい」

銭湯前

男「ポッカポッカ」

死神「君、1ついいこと聞いた」

男「なにさ」

死神「鍵は足首につけるといいらしい」

男「へぇ、今度試すわ」

キョロ充「へへ」

男「……またか」

死神「懲りないねコイツも」

キョロ充「ちょっと今日はそっちのねーちゃんに用があるんだよ」

死神「ごめんねっ! 汚い奴と歩きたくないんだっ」

キョロ充「ケケッ」

男「コイツいつからこんな小物臭が……」

男「寄り道しないで帰ってこいよ」

キョロ充「ケケッ、彼氏は冷たいなぁwwww」

キョロ充「いいから来いよ」

グイッ

死神「あぁ……?」

死神「……あ」

自宅

男「何でこう会いたくないやつらに会っちゃうんだろ」

男「あの女来てから碌なことが……ないわけじゃないけど」

男「…………遅いな」

男「あれ? このローブ………あ、大鎌……」

男「まさか今丸腰?」

山小屋

死神「ここどこなの」

キョロ充「山小屋さ」

死神「どこにそんなのが……」

キョロ充「あいつがいる場所はこの発信器でバッチリwwww」

キョロ充「来たらwwww逃げるww」

死神「来るまで何するの」

キョロ充「肉便器にwwww」

死神「……はぁ」

キョロ充「まだww動かないwwwwみwすwてwたw」

ピピピ

キョロ充「お、電話だwwあいつからかな?wwww」

『どこにいるんだ!』

キョロ充「おしえねーよ」

『どこだ!』

キョロ充「探してみろよ、お前の彼女が無事なうちにw」


チョンチョン

死神「ん?」

死神「……ほぉ」


『手を出したら許さんぞ!』

キョロ充「ケケッ」

ピーピー

キョロ充「あいつwwww怒ってるwwwwでも探しにいかないwwwwwwww」

キョロ充「さ、楽しもうかwwww」

キョロ充「……あれ?」

自宅

死神「家から近いんだ」

男「まぁね」

死神「しかしどうやったんだ?」

男「録音を再生して、発信器を床に付けて助けにいっただけ」

死神「なかなかだね」

死神「会話を予測なんて」

男「簡単だよ、天才だし」

死神「あぁー一言要らなかった!」

男「……」

男「もう寝ようぜ」

死神「あいつはどうするんだ?」

男「さぁ」

就寝前

死神「寝たか?」

男「寝てる」

死神「そう」



死神「寝たか?」

男「寝てる」

死神「そう」



死神「寝た

男「なんなんだよ!」

男「もうなんなんだよ!」

男「意識とんだ瞬間に戻される苦しみわかるのか!」

男「ビクンッてするんだぞ!」

男「用があるなら言えよクソババァ!」

死神「………ありがとう」

男「お前Mだったのか……」

死神「首切るぞ」

男「やれるもんな

ブォン!

男「」ガクッ

死神「気絶するほどか?」

死神「はぁ………………ありがとう、格好よかったぞ」

男「あぁ気にすんな」

死神「大の字に寝て舌を出せ」

男「ひぃっ!」

翌日

男「あの」

男「目が見えないんですが」

死神「腫れてるからね」

男「何か右肩が上がらないんですが」

死神「外したからね」

男「……何で?」

死神「さぁ」

男「ついでに昨日の記憶ないんですが、風呂はどっちが先に?」

死神「さぁ」

死神「今日はなにするの」

男「病院行ってきます」

死神「却下」

男「えぇ……」

男「あの」

死神「なに?」

男「おっぱい触らしてください」

死神「……」

チャキ

男「間違えました! 今日予定があるのでタンスに隠れててください!」

死神「どこをどう間違えたの……」

死神「なんで?」

男「誕生日プレゼントを……」

死神「あぁ……わかったよ」

死神「くれぐれも過ぎた真似はしないように」

男「はい!」

死神「しかしよく家に誘えたね」

男「来なかったら殺すと500通手紙書きました!」

死神「ちょっと正座」

4時間後

ピンポーン

死神「来たみたい」

死神「続きはあとでね」

男「はい……」

ガチャ

女「あのー……」

男「いらっしゃい」

女「お邪魔します」



死神「……ん? あれが手紙渡された奴の態度かな? まさか冗談だった?」

男「お茶は……」

女「レモンティー」

男「レモンティー……ごめん、買ってくる」

女「ゆっくりでいいからね」

ガチャ

女「さて……」



死神「机を漁り出した」

死神「これはひょっとして…………あ、通帳と判子をバッグに……」

死神「……こっち来た」

ギィィ

死神「あ、ども」

女「ひっ……」

死神「同棲してる者です」

女「あ、あんた……みてたの……?」

死神「泥棒してるとこですかな?」

女「ちょ……お願い言わないで!」

死神「犯罪ですからね、一応オブラートに言っときますよ」

女「……やめて」

死神「じゃあ返しましょうか」

女「う……」

ガチャ

男「お待たせ……ってお前なにして……」

女「男くん! この人いきなり私を泥棒って!」

男「……マジで言ったの?」

死神「いや実際……」

男「……なんなのお前……ホント余計なことしかしないよな」

男「勝手に捕まって勝手に泥棒扱いして女の子泣かして、勝手に居着いて勝手に彼女のふりして……」

死神「最後のは君のためで……」

男「出てけよ」

男「俺は今日に懸けてたんだ、最悪だよ、消えろ」

死神「えーと……」

男「出てけよ!」

死神「…………」

ガチャ

男「もう大丈夫だよ」

間開けて悪いけど再開させてもらうよ

女「……うん」

男「そんなことよりもさ、ゲームしない?」

女「……わかった、私ゲーム強いよ?」

男「俺もだよ」

公園

死神「何で私がこんな目に」

死神「いやまぁ傷付いてないんだけどね」

死神「仕事柄嫌われるなんて茶飯事だし」

死神「……少し休んだら謝りに行こう」

自宅

女「トイレ借りるね」

男「突き当たりを真っ直ぐ行ったとこだよ」

女「りょーかい」



男「いやちょっと待って」

男「冗談真に受けたの? ……もしかしてものスゴくユーモアな人なのか?」

男「頭隠して尻隠さず状態で……グヘヘ」

男「おーい」


女「このゲームも売れるかな……」

女「限定版? ……よくわからないけどまぁいいや」

女「とくてん……特典CD?」

女「ゲームにアニメ要素必要?」

女「……うーん、あのキモいのもゲーム減りすぎたら気付くか……」

女「まぁこの辺でいいかな」


男「……俺のゲームライブラリーで一体何を……?」

男「あ、しまった……プレゼントあそこに……」

男「いや、気づいてもらえれば結果オーライ、届け俺の想い!」

女「ん?」

女「……女ちゃんへ……」

女「……プッ」

女「アハハハハハハ! キモい! キモすぎ!」

グシャグシャ

女「こんな安物で私が釣られるかよ! キャハハハハハ!」


男「…………」

男「………………」

男「部屋に……戻ろ……」

公園

お母さん……お母さん……

ねぇどこいくの?

おいてかないでよ

ねぇ……あのひとだれ?

やめて! お母さんを虐めないで!

やめてよ!

死神「おぉう」

死神「懐かしい夢を……」

死神「さて戻りますか」

少女「かえしてよー!」

キョロ充「うっせwwwww」

少女「かえして!!」

キョロ充「だwまwれwガwキw」


死神「懲りないねぇ……」

死神「よし、憂さ晴らしにあいつ虐めよう」

死神「何がいいかな……あぁ、前通販で買ったアイアンヴァージンがあった」

死神「あ、おにーさーん!」

キョロ充「あ?」

キョロ充「うわwwwおまえwwwww」

キョロ充「お前よくも逃げてくれたな、こっち来いや」

死神「そんなことよりもぉ、こっち来て一緒に遊ぼ?」

死神「私ぃ……したくなっちゃった!」

キョロ充「wwwwwwwwww」

キョロ充「ちょwwwww待ってろwwwww」

死神「殺したいなぁ」

キョロ充「は?」

死神「殺したいほど愛くるしいよねぇ!」

キョロ充「うはwwwww」

キョロ充「で、これなに?www」

死神「入ってからのお楽しみだよぉ」

キョロ充「把握wwwww」

ギギギギ

バタン

死神「さ、今のうちに」

少女「おねーちゃんありがと!」

死神「うんうん、次はちゃんと持っとくんだよ」

少女「うん!」


キョロ充≪おーい、まだかーwwwww≫

死神「実はこれ、タイマー式なんですよね」

死神「今から15分後、肉体的ダメージは0なんですが、精神に棘をズバッと!」

死神「イチキュッパのお買い得商品でした」

死神「さ、帰ろ」

自宅

男「…………」

女「私帰るね」

男「うん」

女「それじゃ」

男「…………」



ガチャ

死神「ただいま……なんだまだいるのか」

死神「どれ雰囲気は……」

女「……は?」

男「謝ってくれる?」

女「意味わかんないんだけど」

男「盗んだのはもういいからさ、あいつに謝ってくれる?」

女「……マジ意味不」

女「あんた最初私に味方したのに裏切る気?」

男「はい」

女「意味わかんない、私何も盗んでないし」

女「この私がわざわざ来てあげたのにその言い掛かりなに?」

女「あ、まだ私にいてほしいとか?」

女「キモいんだけど」



死神「顔が良かったらキュンキュン来たのになぁ……」

男「ごめんってだけでいいから」

女「はぁ?」

女「妄想も大概にしてよキモ男」

男「……」

女「もう二度と連絡しないでよ」

女「それから、大学なんて来ないだろうけど」

女「万一にでも来たら……覚えといてね」



死神「私より性格悪いのがいたなんて」

死神「でも私を心配してくれたお詫びに助けてあげようではないか」

ガチャ

バタン

男「少し優しくされただけで好意を抱くなんて……」

男「童貞の風上にも置けないな」

男「むしろ風下なら誰かの影で過ごせるか……」

死神「おい」

男「おぉう」

男「何だいたのかよ」

死神「一時休戦と行こうではないか」

男「……?」

死神「これが済んだら出ていくよ」

死神「それまで手を貸してしんぜよう」

男「え?」

死神「とりあえず、さっきの事は忘れて復讐の事を考えろ」

男「……」

男「……そうだな」

死神「私は性格が悪いんだ、やるなら徹底的にやる」

男「俺も性格歪んでんだよ」

死神「プランα開始だ!」

男「おー!」



男「これ使える?」

死神「なにこれ」

男「ドラグノフ」

死神「……」

死神「ちょっと座って」

男「いやいや、ちゃんと実銃だから」

死神「……」

男「あ、何で持ってるか気になる? 気になっちゃう?」

死神「人を殺して楽しい?」

男「バカだな、単に殺すより足を狙って動きを封じる方がいいだろ」

死神「そういうこと言ってるんじゃないの」

男「まぁまぁ、この際ババ臭い説教はなしで」

死神「……」

死神「殺さないならいいけど」



死神「これあげる」

男「これは?」

死神「クレイモア」

男「ちょっと待って」

男「殺す気?」

死神「バカだね、単に殺すより足を狙って動きを封じた方がいいでしょ?」

男「しかし待ってほしい」

男「俺が足を狙ってお前が地雷で爆発したらどうなる?」

男「ちょっとしたテロだよ」

死神「と思うじゃん?」

死神「君が足を狙うことによって這いつくばる形になるじゃん?」

死神「どっこいホフクなら爆発しないで回収できるのだ」

男「色々言いたいけど結果地雷いらないよね」



死神「そう言えば何で銃なんて持ってるの」

男「15年くらい前までは裕福だったんだよ」

男「その時アメリカ軍にいる人に貰った」

男「親父の友人らしい」

死神「いやだからってこれは……」

死神「空港は?」

男「密入国だったし空港通ってなかった気がする」

死神「なにこの犯罪一家」

死神「……これは」

男「デザート」

死神「大経口まであるのか……」

男「他になに揃える?」

死神「私が言ったのは社会的死亡なんだからもっとこう……ね?」

男「あぁ、ならこっち」



男「ほら」

死神「盗撮か」

男「否定はしないけどここ見て」

死神「……万引き?」

男「そうそう」

男「たまたま撮った写真が万引きだったのよ」

男「これで脅して調教して……フフフ」

死神「でもこれだけじゃ弱い」

死神「もっと心抉る感じの」

男「女ちゃんの家行ってイタズラとか」

死神「それで行こう」

女宅

男「これバレない?」

死神「下心なければ」

男「下心あった場合どうなんの?」

死神「今私達が被ってるローブが点滅してバレる」

男「……」

ピカッピカッ

男「おぉ」

死神「因みに何を考えたの」

男「お前の胸を揉みしだこうかと」

死神「お、帰ってきたよ」

男「スルーですか? スルーなんですか? あ、揉むほどないから痩せ我慢ですか?」

ガァン!

男「」

女「さーて」

女「ヤフ○クで……」

女「5,000即決でいいかな」

カタカタ

男「おい、親父さんいた」

死神「だから」

男「桜吹雪の!」

死神「サライーノソーラヘー」

男「やっちゃんだよ親父さん!」

女「……誰かいるの?」

男「え……」

死神「まぁ声まで遮断出来ないからね」

男「先に言えよウンコクソババァ」

死神「むしろなぜ気付かない」

男「御都合主義的な」

死神「ハッ」

男「お前鼻で笑ったな?」

死神「鼻は笑いませんー口が笑ったんですぅー」

男「言われると腹立つな」

死神「わかればよろしい」

女「誰!?」

女「どこにいるの!?」

女「……おとうさーん!」

男「親父さん呼ばれたな」

死神「死にはしないでしょ」

「どうしたぁ!」

女「誰か覗いてるの!」

「あぁ!?」

男「腰に携えてるのは何でしょうか」

死神「ダガー?」

男「おいおい殺されるぞ」

死神「私は死なない」

男「俺死ぬよ!」

死神「元よりそれが目的」

男「いやぁぁぁぁぁ!」

「目星はついてるのか?」

女「わからないけど……」

「ふむ……」


死神「まぁ落ち着け、姿は見えないんだ」

男「それもそうだな」

死神「その落ち着きっぷりにビックリだよ」


「ここ最近誰かを家にいれたか?」

女「ううん」

「ならば遠隔での覗きは不可能だ、天窓だけだしな」

「そして今日はお前とワシしかいない、つまり部屋のどこかに隠れている」

「だけどここに隠れられるスペースはない」

「何らかの光学迷彩、もしくはお前の服に何かをつけられているかもしれない」

死神「まさかの知性派」

「声はどこから?」

女「そこの……角から」

「……信じられないが光学迷彩かもしれない」

「墨を持ってこい」

男「そんな古典的方法で……」

死神「逃げるぞ」

死神「機械類は水に弱いのだ」

男「機械なのこれ?」

死神「うん」

タタタタ

男「……ん? なんだこのヒラヒ……ラ……」

ピカッピカッピカッピカッ

死神「はぁ……」

女「誰だ!」

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