幼馴染同好会(45)

スレタイのとおり、幼馴染系のSSになりますので、苦手な人はご遠慮ください。

幼馴染カップルが一つの学校に集まっちゃったらどうなるか?そんな感じのを書いてみようかなと。

基本ほのぼのでまったり書きたいと思います。

とりあえず簡単に人物設定。随時追加されるかも。

会長 (三年女子)3年A組、生徒会長。副会長の幼馴染。幼馴染同好会(非公認)の女子部部長。真面目で優しい

副会長(三年男子)3年A組、生徒会副会長。会長の幼馴染。幼馴染同好会(非公認)の男子部部長。真面目で頼りになる

お嬢様(三年女子)3年A組、眼鏡の幼馴染。ちょっと高飛車

眼鏡 (三年男子)3年C組、お嬢様の幼馴染。冷静沈着

友  (三年男子)3年A組、不良娘の幼馴染。ムードメーカー

不良娘(三年女子)3年B組、友の幼馴染。服装と言葉遣いで不良と思われている

オタク(二年男子)2年C組、元気娘の幼馴染。パソコン部

元気娘(三年女子)3年B組、オタクの幼馴染。女子バスケ部部長

男  (一年男子)1年A組、女の幼馴染で許婚。一般的

女  (一年女子)1年B組、男の幼馴染で許婚。少し内気

弟  (一年男子)1年A組、副会長の弟。妹の幼馴染。ムードメーカー

妹  (一年女子)1年B組、会長の妹。弟の幼馴染。ムードメーカー

会長「今年は豊作みたいね?」

副会長「そうだな。弟のクラスなんて凄いぞ。自己紹介で許婚って言った奴がいるらしい」

会長「私も妹に聞いたわ。彼女の方も許婚宣言したみたいね」

副会長「え?マジで?」

会長「うん」

副会長「その子たち、スゲエな。ってか、羨ましいわ」

会長「…そうね。まあ、とりあえず…」

副会長「少なくとも四人…。男女二人づつメンバーが増えるな」

会長「ええ。そうね。妹と弟君、許婚宣言した男君と女さん」

副会長「結構人数増えたよな。俺達にお嬢様と眼鏡君、友と不良娘、オタクと元気娘で十二人か」

会長「幼馴染カップルって結構居るわね。こうして数えてみると」

副会長「まあな。まあ、物心付いた時から一緒に居ればな」

会長「ふふ。そうね。私たちもそうだものね」

副会長「まあ、な」

会長「とりあえず、いつ誘うの?」

副会長「ん、金曜に男君を連れて来るように弟には言ってある」

会長「そっか。じゃあ私も金曜日に女さんを連れてくるように妹に言っておくわね」

副会長「楽しみだな」

会長「ええ。楽しみね」

男「○○中学出身、男です。1年B組の女さんは僕の許婚ですので、彼女ともどもよろしくお願いします」

入学式の教室で、俺の前の席の奴がそんなことを言ったので、俺は思わず声をかけていた。

弟「その女さんって幼馴染か?」

男「うん。そうだけど」

弟「許婚って親公認?」

男「うん」

弟「じゃあそれは、本物なわけだ」

そう言って俺は男の左手の薬指を指差す。

男「うん」

弟「羨ましいこって。…まあ、これでみんなが聞きたいことも聞いたっぽいからついでに俺の自己紹介しちゃうか。俺は○×中学出身、弟です。俺は男君みたいに許婚はいませんけど、1年B組の会長妹さんは幼馴染ですのでよろしく」

てな感じでさりげなく自己紹介の流れを取り戻した俺、グッジョブじゃね?

女「○○中学出身、女です。その、1年A組の男君の許婚です」

妹「へ?許婚?」

後ろの席の子がそんなことを言ったので私は思わず振り返って聞いてしまった。

女「は、はい」///

真っ赤になって俯く女を見て、私はちょっと羨ましくなる。

妹「両親公認なの?あと、それって本物?」

女の左手の薬指を指して私が言うと、女は真っ赤な顔のまま小さく頷いた。

妹「いいなあ。私も幼馴染居るけど、口約束しかしてないからなあ」

幼い頃の公園での約束を思い出して、私は小さく笑った。

アイツ、覚えてるのかなあ?

覚えてるといいな…。

お嬢様「新入生に親公認の許婚カップルがいるそうね?」

会長「ええ。副会長の弟君のクラスに居る男君と妹のクラスに居る女さんね。金曜日に会えるわよ」

お嬢様「先輩としてわたくしがしっかりと指導して差し上げますわ」

会長「私や副会長、友君と不良娘さん、オタク君と元気娘さんも居るんだけど?」

お嬢様「貴方達は親公認の許婚じゃないでしょう?」

会長「…え?」

お嬢様「あら?言ってませんでした?わたくしと眼鏡は親公認の許婚ですのよ」

会長「嘘!?そうなの?」

お嬢様「ええ。わたくし、卒業と同時に眼鏡と結婚しますの…」///

会長「け、結婚!?」

お嬢様「ええ。眼鏡との約束ですのよ」///

会長(結婚、かあ…)

オタ友A「オタク殿、聞いたでござるか?一年にリアル許婚カッポーが居るでござるよ」

オタ友B「自己紹介でwwwww許婚宣言wwwwwリア充wwwwwうぇっうぇっwwwww」

オタク「…まあ、人それぞれだから」カタカタカタ

オタ友A「拙者の彼女はモニターから出てきてくれないでござるよ」

オタ友B「同じくwwwwwだがそれがいいwwwwwコポォwwwww」

オタク「…とりあえず完成、と」カタカタカタ ターン

オタ友A「ほほう、オタク殿。何が完成したのでありますのかな?」

オタク「んー、シミュレーターみたいなもん」

オタ友B「まさかwwwww人工知能少女wwwwwキターwwwww」

オタク「そんなんじゃないけど…」(まあある意味合ってるけど)

オタ友A「おっと、そろそろ帰宅しなくては。再放送が始まってしまうでござるよ」

オタ友B「魔法少女wwwwwなりたいwwwwwうぇっうぇっwwwww」

友「よう。聞いたか?一年の許婚カップルのこと」

不良娘「聞いたけど」

友「その、ワリイな」

不良娘「は?何が?」

友「俺がヘタレで」

不良娘「訳わかんねえぞコラ」ジロ

友「おーこわ。睨むなよ。折角の可愛い顔が台無しだぜ」

不良娘「う、うるせえ馬鹿!」///

友「怒鳴るなよ、不良娘」ダキシメル

不良娘「あっ、ちょ……んぅ…」チュッ

友「…俺らもカミングアウトするか?ってか、俺はしたいんだけどさ」

不良娘「…オマエがそうしたいなら、アタシは、構わねえよ」

友「あー、もー、可愛いなあ。不良娘」チュッ

不良娘「馬鹿…」チュッ

会長「…お嬢様さんと眼鏡君だけじゃなく、不良娘さんと友君まで親公認の許婚だったなんて」

副会長「意外と親公認の許婚って多いんだな」

会長「まあ、私たちも公認の許婚みたいなものだけど」

副会長「いや、それは違うんじゃないか?」

会長「え?愛してないの?」

副会長「いや、愛してはいるけどさ」

会長「それなら、親が認めてるんだし、私たちも親公認の許婚みたいなものじゃない?」

副会長「いや、違うと思うけど」

会長「なんでよ。お互い好き合ってるんだし、問題ないと思うけど?」

副会長「…なんつーか、俺なんかが縛っちまっていいのかって、さ」

会長「そんなこと言うと、私もそんな風に考えちゃうじゃない」

副会長「まあ家で聞いてみようぜ」

会長「そうね」

元気娘「お邪魔しまーす」ガラッ

部屋の窓が勢い良く開いて、隣に住む元気ねーちゃんが部屋に入ってきた。キャミソールにショートパンツといういたってシンプルな格好だが、いつもと違う白いキャミソールは、良く見るととんでもないものを僕に見せてくれたわけで。

オタク「ちょ、元気ねーちゃん!それ!?」///

元気娘「んー?いつもと同じでしょ?オタク」ニヘラ

オタク「同じじゃないよ!その、透けてる」///

元気娘「へ?何が?」

オタク「…胸」

元気娘「うぇ!?ちょっ、嘘!?」///

オタク「あー、ほら、僕のタンスからなにか羽織るもの出して!」

元気娘「う、うん!ゴメン」

オタク「…誰にも見られなかったよね?」ボソッ

元気娘「ベランダからオタクの部屋に入ったから、オタクしか見てないと思う」

オタク「なら、よかった」ボソッ

元気娘「…」///

パーカーを羽織った元気ねーちゃんは、自分の身体を抱くようにしながら上目づかいで僕を見る。なんて言うか、元気ねーちゃんの上目づかいは反則だ。可愛いすぎる。

元気娘「その、さ、ゴメン」

オタク「別に怒ってないけど」

元気娘「うん。わかってるけどさ…」

オタク「…ずるいなあ元気ねーちゃん。そういうの」

元気娘「そっかな?」ニヘラ

オタク「…僕だけ、だよね?」

元気娘「ん?何が?」

オタク「元気ねーちゃんのその笑顔を見れるのは僕だけだよね?」

元気娘「うん。オタクにしか見せないよ」ニヘラ

オタク「ありがと。それでさ、この前言ってた○○高校バスケ部との試合をシミュレートしてみたんだけど、ウチは向こうに比べてディフェンスが弱いっぽい」カタカタカタ

元気娘「具体的にどんな感じ?」

オタク「ディフェンスは何回か入れ替えてるけど、2番、3番、5番、7番が向こうに負ける。あと、4番が孤立しがち」カタカタカタ

元気娘「ふむふむ、パス回しを強化して、ボクが突っ込み過ぎないようにしないといけないんだね」

オタク「あと、思ったんだけど、6番、8番のシュート率がもう少し上がれば、4番が孤立することも減ると思う」

元気娘「そっか。じゃああのコ達はメニューにシュート練習を追加しよう」

オタク「あくまでシミュレーションだから、そんな無条件で信用しないでよ」

元気娘「なに言ってるの。今までの実績があるから大丈夫」ニヘラ

オタク「まあ、自己責任ってことで」ニコ

僕にだけ見せてくれる元気ねーちゃんの笑顔に、僕も元気ねーちゃんにしか見せたことの無い笑顔を返す。

元気娘「オタクもそれ、反則だぞ」

オタク「元気ねーちゃんにしか見せないからいいんだよ」

元気娘「そっか」

オタク「うん」

男「まあ思ってたよりも、なんて言うか楽だったな」

女「私は結構緊張したけどなあ」

男「恥ずかしそうに僕のことを許婚って言う女、見てみたかったなあ」ニヤニヤ

女「悪趣味」

男「悪趣味ってことないだろ?好きな人が自分だけのものって他人に宣言してる姿を見たいって当たり前のことじゃない?」

女「…そっか。うん。そうかも。えへへ。男~」ギュッ

男「なんだい?」ナデナデ

女「○○中学出身、女です。その、1年A組の男君の許婚です」ギュッ

男「○○中学出身、男です。1年B組の女さんは僕の許婚ですので、彼女ともどもよろしくお願いします」ギュッ

女「えへ、えへへ。なんか恥ずかしいね」///

男「そうだね。本人の前で言うと結構恥ずかしいかも」///

女「がんばって言ったんだから」///

男「良く言えました。えらいえらい」ナデナデ

女「ご褒美…」ンー

男「了解」チュッ

――――――

妹「ねえ女さん。男君とはいつからの付き合いなの?」

女「えーっと家が隣でね、いつの間にか一緒に遊んでたかな」

妹「それは生まれた時からの付き合いってこと?」

女「うーん、多分そんな感じ。親同士も仲良しだし」

妹「婚約っていつしたの?」

女「え、えへへ。その、私の15歳の誕生日に」///

妹「そっか」(いいなあ)

女「妹さんは、その、どんな感じなの?」

妹「あー、私は、幼馴染と幼稚園の時に結婚の約束したけど、アイツ覚えてないかも」///

女「お付き合いはしてるんでしょ?」

妹「まあ、一応」

女「じゃあ大丈夫。男も約束忘れているように見えたけど、ちゃんと私の誕生日にプロポーズしてくれたから」///

妹「そうかなあ…。そうだといいな」///

女「きっと大丈夫だよ」ニコ

妹「うん、そうだね。私が信じないと駄目だよね」

女「えへへ。妹さん可愛い」

妹「からかわないでよ~。もう」

女「ごめんね」シュン

妹「いや、いきなり謝られても困るんだけど。そこは流して流して」

女「う、うん。わかった」

妹「それでさ、金曜…ってか、明日の放課後、一緒に行ってほしいところがあるんだけど、いいかな?あ、男君も誘われてると思うけど」

女「男も?」

妹「えーっと、私の姉さんと知り合いがね、幼馴染を集めた同好会みたいのをやってるのよ。それで女さんを私が誘うってことになって、男君は男君と同じクラスの奴が誘うって言ってた」

女「幼馴染を集めた同好会かあ。ふふ。面白そうね」

妹「いいかな?」

女「男に聞いてみてからでいい?」

妹「うん。じゃあ明日、また誘うね」

女「うん。また明日」

――――――

弟「なあ、男」

男「ん?なんだい弟君?」

弟「弟でいいよ。俺も勝手に呼び捨てにしてるし。あ、嫌ならやめるけど」

男「いや、いいよ。で、なにかな?弟」ニコ

弟「その、男は、どんな風に女さんと許婚になったんだ?」

男「あー、中三の時、女の誕生日にプロポーズした。貯めてたお年玉や小遣い全部使って指輪買って」///

弟「…マジ尊敬するわお前」

男「まあ家族ぐるみの付き合いだったし、なんつーか、女以外好きにならないと思ったし」

弟「やだ、この男カッコいい」

男「きもい」

弟「ひどっ」

男「まあ、僕たち相思相愛だから、女に手を出しても無駄だよ」

弟「そうやって全幅の信頼を置けるのが羨ましい…」

男「まあ、許婚だしね」

弟「…俺も、幼馴染とそういう関係になりたいんだけど」ボソ

男「お互いにそう思っているならなれると思うけど?」

弟「好きだし、好かれてるとは思うけど」ハァ

男「関係が壊れるのが怖い?」

弟「まあ、な」

男「まあそればかりは、弟と幼馴染さんの気持ち次第だし、僕からは頑張れとしか言えないなあ」

弟「あー畜生。幼馴染と許婚になっているなんて奴を目の当たりにして、焦っちまってるわ。俺」

男「なんか、悪い」

弟「いやいやいや、そこはスルーするところでしょ」

男「そういうもの?」

弟「うん。冷静になると恥ずかしいからスルーしてもらうと助かる」

男「わかった」

弟「悪いね。と、そうそう。兄貴に誘われてるんだけどさ、明日、付き合ってくれない?」

男「いきなり何?」

弟「えーっとだな、俺の兄貴と知り合いがさ、幼馴染同好会なんてもんをやってるのよ。それでさ、明日、会合みたいのをやるから男を連れてきてくれって言われてるんだわ。あ、女さんも俺の知り合いに誘われてるはず」

男「女も?…その知り合いって女性?」

弟「ああ、女の子で俺の幼馴染が女さんのクラスだからさ、女さんはそいつが誘ってると思う」

男「そっか」

弟「おう。で、付き合ってくれる?」

男「んー。まあ女と話してから決める」

弟「そっか。じゃあまた明日。いい返事待ってるぜ」

男「うん。また明日」

――――――

副会長「聞いたぞ。お前とお嬢様って親公認の許婚なんだって?」

眼鏡「ああ」

副会長「友と不良娘も親公認の許婚だってよ」

眼鏡「そうか」

副会長「あー…。どうやってそういう関係になったの?」

眼鏡「一度は婚約解消したんだけどな」

副会長「え?そうなの」

眼鏡「ああ」

副会長「そりゃまたどうして?」

眼鏡「同情で婚約してもらってると思ったから」

副会長「同情?」

眼鏡「ガキの頃あいつが攫われそうになったから、近くにいた俺があいつを庇った。まあそのときに怪我してな。それを負い目に感じたあいつの親が俺とあいつを許婚にしたんだ」

副会長「ガキの頃っていつだよ?」

眼鏡「ランドセル背負ってた頃」

副会長「怪我ってのは?痕でも残ってるのか?」

眼鏡「まあ痕って言えば痕だけど。好んで人に聞かせるようなことじゃないし、聞かせる気もない」

副会長「そうか。まあ無理に聞こうとは思わないけどさ、ならどうしてまた許婚になったんだ?」

眼鏡「…あいつに、愛を教えてもらったから。同情なんかじゃなく本当に俺を愛してるって教えてくれて、俺もあいつを愛しているって気づかされたから、許婚になった」

副会長「スゲエな。そんな真っ直ぐに『愛してる』って言えちまうのって。羨ましいわ」

眼鏡「俺が臆面も無く言えるのは、あいつのおかげだ」

副会長「へいへい、ご馳走様」

――――――

お嬢様「貴女達も許婚だったのね」

不良娘「まあな」

お嬢様「…その、一つお聞きしてもいいかしら?」

不良娘「ああ。構わねえよ」

お嬢様「友さんとはどういったご縁で許婚に?」

不良娘「アタシん家、父子家庭っての?母親いないんだけど、親父は土方の親方みたいなことやっててさ、あんまり家に居ないわけよ。で、隣の家の小母さん、つまり友のお母さんがアタシの面倒見てくれてさ、そうすると普通に友と遊ぶことも多くなるわけじゃない」

お嬢様「まあ、そうですわね」

不良娘「まあそれで、なんだかんだいっても優しいのよ、アイツ。それでまあ、好きってなるじゃん」///

お嬢様「ええ」

不良娘「で、小父さんと小母さんに『大きくなったら友のお嫁さんになりたい』って言って許可してもらった」///

お嬢様「お父様は?」

不良娘「親父も賛成っていうか、その、友に『不良娘のこと任せた』ってさ」///

お嬢様「友さんは貴女のお父様から貴女のことを任されてくれたのですね」

不良娘「そうだけど、なんかそう言われるとすげえ恥ずかしい」///

お嬢様「うふふ。でも、お互い必要としているのでしょう?」

不良娘「ああ。アタシにはアイツがいない生活なんて考えられない」

お嬢様「わたくしも、眼鏡がいない生活は考えられませんわ」

不良娘「ベタ惚れだな」

お嬢様「貴女だって」

不良娘「…ああ、そうだな」

――――――

元気娘「お邪魔しまーす」ガラッ

昨日と同じように元気ねーちゃんが窓から僕の部屋に入ってきた。キャミソールにショートパンツといったいつもの恰好。深緑色のキャミソールは元気ねーちゃんによく似合っている。

元気娘「およ?今日はパソコンいじってないんだ」

オタク「まあ、たまにはね。てか宿題は普通に手書きだし」

元気娘「オタクは真面目だねー」

オタク「宿題くらい普通だし」

元気娘「うっ、耳が痛い」

オタク「…元気ねーちゃん、受験生じゃなかったっけ?」

元気娘「あはは。まあそうなんだけど、さ」チラッ

上目づかいで僕を見てから、元気ねーちゃんは座っていた僕のベッドの上にあった枕を抱きしめる。

オタク「僕の枕はぬいぐるみじゃないんだけど?」

元気娘「…あのさ、オタク」

オタク「どうしたの?」

元気娘「お嬢様さんと眼鏡君居るじゃん?あの二人さ、許婚なんだって」

オタク「…ふうん」

元気娘「それに、不良娘さんと友君もそうなんだって」

オタク「そっか」

元気娘「…オタクはそういうの、どう思う?」ギュッ

オタク「…そういうのって?」

元気娘「許婚」

オタク「うーん。どうだろう?」

元気娘「わからない?」

オタク「許婚って、結婚の約束をさ、本人だけじゃなくて家同士でしているってことだよね?」

元気娘「…はあ。ボクが言いたいのはそういうことじゃないんだけど」

オタク「許婚の話をしていたんじゃないの?」

元気娘「ボクは進路について話していたつもりなんだけど」

オタク「許婚とどんな関係が?」

元気娘「うん、ボク、大学には行かないでおこうかなって思ってるんだけど、さ」

オタク「え?どうして?」

元気娘「就職もいいかな、って」

オタク「え?元気ねーちゃんがOL?」

元気娘「ううん、家事見習い」

オタク「なんでまた?」

元気娘「…ここに就職したいから、かな」ニヘラ

――――――

女「ねえ男。明日の放課後に幼馴染同好会っていうのに行こうって誘われた?」

男「うん。女も誘われたんでしょ?」

女「うん。クラスの妹さんに」

男「僕はクラスの弟に誘われた。どうする?行ってみる?」

女「…実は結構気になってたりして」

男「そうなんだ」


女「他の幼馴染ってどんな感じなんだろうなあって」

男「あー。そう言われると僕も結構気になったりする」

女「ふふ。じゃあ行ってみる?」

男「うん。行ってみよう」

女「他の人たちも私たちみたいな関係なのかな?」

男「家が隣で小さい時から一緒ってこと?」

女「えへへ。それでね、ずっと仲良しなの」

男「それが一番大切かもな」ナデナデ

女「うん」

――――――

会長「今日の放課後なんだけど」

副会長「ああ」

会長「いい機会だから私たちのこと言おうと思うの」

副会長「…そうだな。いい機会かもしれん。親公認じゃないけど、許婚みたいなものだしな」

会長「ふふ。そうね」

副会長「眼鏡や友にあてられたかな」ボソ

会長「羨ましい?」

副会長「まあ、な」

会長「でもさ、私たちも親公認みたいなものじゃない」

副会長「お互い頻繁に行き来してるしな」

会長「ふふ」

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