召喚士「出でよ!!可愛い獣娘!!」★2(674)

ネメア「よし!召喚士確り捕まえていろよ!今こそ!お前の力を使う時だッ!」

召喚士「お、おおううッ!」

魔喚士 (なるほど……カンヘルに避けられないために……)

ネメア「………」

召喚士「………」

魔喚士 (矢が当たる寸前まで押さえ付けて……避ける。はぁ……くだらない……)

ネメア「今だッ!」

召喚士「愛の舞い散る男道

ネメア「召喚術を解除するッ!!!」

召喚士「言わ……はああああッ!?」

ドッドスッ!



ネメア「………」

喚起士「ギリギリ……でしたね……」

ネメア「あそこまで引き付けねば……こうはいかなかっただろう」

喚起士「そうですね……」

魔喚士「驚いた……まさか憑依召喚していたなんて……」

ネメア「………」

魔喚士「しかも押さえ付けてた者ごと矢を貫くなんてね……」

ネメア「終わりだ」

魔喚士「そう?カンヘルは無事なようだけど」

ネメア「………」

魔喚士「……貴方、ネメアのライオン?」

ネメア「貴様に名乗る名など無いと言った筈だ」

魔喚士「そんなに冷たくしなくてもいいじゃない。でもそれなら納得」

ネメア「………」

魔喚士「カンヘルが食い付いても振り払おうとしても無理だった事にね」

喚起士「……大丈夫ですかッ!」

召喚士 (大丈夫じゃ無いですッ!)

喚起士「うぅぅ……」

召喚士 (……いや……泣かないでくださいよ喚起士さん……アホネメアが悪いんですからッ!)

喚起士「こんな事……」

召喚士 (でも、喚起士さんに……抱擁されたら許

喚起士「ジノ……」ダッ

召喚士「………」



ジノ「ハァ……クゥ……」

喚起士「ジノ!」

ジノ「喚起士……やったね……」

喚起士「………」

ジノ「そんな顔しないでよ……痛いけど致命傷って程じゃ無いから……」

喚起士「ごめんなさい……ごめんなさいジノ……」

ジノ「………」

喚起士「私がもっと警戒していたらこんな事には……」

ジノ「謝らないで喚起士。あたしもだし、それに……約束守れ無かったし……」

喚起士「………」

ジノ「………」

喚起士「………」

ジノ「実はね……あたし、喚起士に嘘付いてたんだ……」

喚起士「嘘……ですか?」

ジノ「本当はね……」

ネメア「………」

魔喚士「んん?どうなるの?」

ネメア「もうすぐ始まる……」

魔喚士「何が?って言っても答えてくれないんでしょうね。それに終ったり始まったり大変ね」

ネメア「………」

魔喚士「さて……貴方達もうやる事はやったみたいだしカンヘルの食事の時間にしましょう……」

ネメア「………」

魔喚士「……カンヘル」

カンヘル「………」

魔喚士「カンヘル?」

カンヘル「ゥゥ……ガァァ……」

魔喚士「こ、これ……カンヘルゥゥッ!」

カンヘル「ガアァァァァッ!」ボロボロ……

ネメア「………」

魔喚士「なによこれえぇぇぇぇぇッ!」

ネメア「……重魔力による壊痕だ」

魔喚士「や……やめて……カンヘルがぁ……カンヘルが……」

カンヘル「ガゥゥ……ガ……」ボロボロ……

ネメア「………」

魔喚士「あ……ああ……」

ネメア「………」

魔喚士「………」ガクッ

ネメア「終わりだ」

召喚士 (えぇぇぇぇッ!何あれ何あれッ!俺もああなるのッ!)



魔喚士「………」

喚起士「魔喚士さん……貴女の負けです」

ネメア、ジノ「………」

召喚士「……あの?喚起士さん?」

ネメア「いつまでもやられたふりをしていないでさっさと起きろ。馬鹿めが」

召喚士「馬鹿はお前だろ……なんだよこれ!」

ネメア「矢だな」

召喚士「そうじゃなくて!お腹に矢が刺さったままになってるんですけど!」

ネメア「……矢鴨ならぬ矢召喚士か。ふっ」

召喚士「………」

喚起士「……クスッ」

召喚士「喚起士さん笑ってる場合じゃ無いです!これ!」

喚起士「ご、ごめんなさい……」

召喚士「ああああッ!俺もボロボロドロドロ溶けるんですか!」

ネメア「そのような事になる訳無いだろ。……既に貴様はこの世にはいないのだから」

召喚士「……は?」

ネメア「お前……体に痛みはあるか?」

召喚士「無いけど……」

ネメア「なら……矢が刺さったままで何故平気でいられるか……」

召喚士「………」

喚起士、ジノ「………」

ネメア「知っているか?魂となった人間には……痛覚は無いと」

召喚士「………」

喚起士、ジノ「………」プルプル……

ネメア「お前は……いや、よそう。御苦労だった召喚士よ……」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「イヤアアアァァァッ!」

ネメア「嘘だがな」

召喚士「………」

ジノ「ギャハハハッ!召喚兄さんその顔!イタタ……」

喚起士「ネメア……そんな冗談を……ふ……ふふっ」

ジノ「兄ちゃん笑わせないでよ!笑うと傷口が……イタァ……」

ネメア「すまん……」

喚起士「ぷっ……ふふっ……ふ……」プルプル……

ネメア「笑う事を我慢するのは良くないぞ」

喚起士「ですが……ふ……召喚……士さんに……悪い……ぶふっ!」

ネメア「………」

召喚士「………」



召喚士「………」

喚起士「す、すいません召喚士さん……」

ネメア「謝らなくていい」

召喚士「お前は謝れよこの野郎ッ!あとこれ!抜けないないんだけど!」

喚起士「あっ、今は抜いては駄目です」

召喚士「しかしですね……」

ネメア「召喚士よ、先程私は体に痛みはあるか?と聞いたな?」

召喚士「そうだね!後、俺を騙くらかしてくれたねこの野郎ッ!」

ネメア「なら召喚術を解いているのに痛みは無いのは何故だ?」

召喚士「……あれ?そう言えば……何で?」

喚起士「今、召喚士さんはその矢で回復しているんですよ」

召喚士「回復……?同じ矢で刺さったあっちはドロドログチャグチャになってますけど……」

喚起士「その矢はレラジェの魔矢と言って相手を回復させる力と……相手を壊痕させる力を持っているんです」

召喚士「な、なら俺を一緒に射抜いたのは……?」

喚起士「それはですね……本来ならレラジェと言う悪魔を召喚してその矢を使わせるんですが……」

召喚士「………」

喚起士「どうしても私の魔力では喚び寄せられず……矢だけを召喚したんです」

召喚士「………」

喚起士「それで矢だけ使うのでは色々と条件があり……一緒に射抜いたと言う訳なんですよ」

召喚士「………」

喚起士「最初に射抜かれた者を回復し、次は壊痕……とですね」

召喚士「…………なるほど」

ネメア (理解してないなこいつ……)

ジノ「………」

喚起士「ですから誰かとカンヘルとを一緒に射抜く必要があったんです……」

召喚士「……ふむふむ」

ネメア「後……その条件は最初に人間でなければならないと当てはまらない」

喚起士「……え?」

ネメア「ジノ……そろそろ言ってはどうだ?」

ジノ「………」

喚起士「どう言う事ですか……」

ジノ「あたしね……喚起士の為に死のうとしてたんだ……」

喚起士「………」

ジノ「ずっとさ……仇を討つなんて言って楽しい事ひとつしないで……」

喚起士「………」

ジノ「それで生涯終わるなんて……悲しいじゃん……」

喚起士「………」

ジノ「……人間にこんな感情抱くなんて本当はいけないんだけどね。でも……」

喚起士「ジノ……」

ジノ「………」

ネメア「喚起士よ、私が口を出すべき事では無いのかもしれないが……ジノはお前を想ってだな……」

喚起士「ネメア……それはわかります。ですが……ジノ……そんな嘘を……」

ジノ「……ごめん」

喚起士「………」

召喚士 (いい話だなぁうぅぅぅ……ん?)

喚起士「………」

召喚士「か、喚起士さん?せせせせ背中!」

喚起士「……はい?」

召喚士「背中の魔方陣が消えていきますのよ!」

喚起士「え……」

ネメア「呪縛が解けたのだな……」

召喚士「呪縛って!?……どう言う事?」

ジノ「………」

喚起士「これは……」

ネメア「召喚士が矢を受けた事で……ジノとお前の契約が反故になったのだな」

喚起士「………」

ジノ「良かった……召喚兄さん……」

召喚士「呪縛って!?」

ジノ「ありがとう……」

召喚士「呪縛ってなんだよ!教えてくれよ!」

喚起士「………」

ネメア「これで二人は助かった。召喚士感謝するぞ」

召喚士「だから呪縛ってなんだよって!」

ネメア「喚起士よ、まだ……魔力はありそうか?」

喚起士「……少しならありそうです」

ネメア「そうか……」

ジノ「もうちょっと喚起士を見届けられるね……ふふ」

喚起士「………」

召喚士「無視はやめてくれよ……」

ネメア「さあ……あの者を連れて」

魔喚士「……なるほどね。もう泣ける話し合いは終わりかしら?」

ネメア「………」

魔喚士「やだ……答えてよ……あんな恥ずかしい演技した私が馬鹿みたいじゃない……」

ネメア「演技だと……?」

魔喚士「ふふふ……ほらぁ希望を消しさっちゃうのって悪いでしょ?」

喚起士「………」

魔喚士「折角頑張ってくれたのに一方的に相手を叩きのめすのも……ね?」

ネメア「随分と余裕だな。もうカンヘルはいないと言うのに……」

魔喚士「……それね、最初っからカンヘルの魂がこの世に存在していないとしたら……どお?ふふ……」

喚起士「……それはどう言う事ですか」

ネメア、ジノ「ッ!!」

魔喚士「気付いた?御察しの通り……アハハハハッ!」

ネメア「グッ……なんて事だ!」

ジノ「……そんな」

喚起士「ジノ……」

ジノ「こいつ……カンヘルを召喚なんてしてなかったんだよ……」

喚起士「召喚していないなら何故カンヘルがあの場に……それに魔喚士さんに従う……ッ!」

ジノ「やられたね……同じ召喚士だと思ってたのに……」

喚起士「そ、そんな……」

魔喚士「ふふ……いい顔」

召喚士 (俺の扱い酷いだろ……身代りさせるわ矢で射抜かれるわ無視されるわ!)

ネメア「貴様……ネクロマンシーだな?」

魔喚士「当たり。ふふ……」

ネメア「………」

召喚士「どう言う事?」

ネメア「……カンヘルには何をしても無意味だったと言う事だ」

召喚士「なんで?」

ネメア「先程……私がお前に言った冗談のように……この世に存在していないのだからな」

召喚士「……?……死んでたって事?」

ネメア「そうだ。それに死者をいくら葬っても……こいつが何度でも蘇らせる」

ジノ「カンヘルの様子で気付くべきだった……」

召喚士「な、ならもう一度

喚起士「無理です……もう魔力がありません……」

召喚士「………」

魔喚士「ネメアのライオンならまだ動けそうじゃない?……いつまでもつか知らないけど」

ネメア「………」

魔喚士「……カンヘルと対等に戦えるならね」

ネメア「………」

魔喚士「………」

召喚士 (なら今この人倒せばいいんじゃないか?)

ネメア「恐らく無駄だ。そうでなければあのような余裕の態度をとれている筈がない」

召喚士「人の心を読むなよ……」

魔喚士「さて……もう手は無いみたいだから終わりにしましょ」

ネメア「………」

魔喚士「カンヘル……我が身を介して……魂無き常世の残芯

ズシャァッ!……ゴトッ……

……「………」

喚起士、ジノ「………」

召喚士「な……」

ネメア「……お前」

……「………」

ネメア「何故……」

……「チッ……汚れてしまった」

ネメア「お前ッ!何故ここにいるんだッ!」

……「………」

ネメア「答えろ!マルコシアスッ!」

マルコシアス「貴様のせいだ」

ネメア「何がだッ!」

マルコシアス「……貴様が約束を守ればこんな事にはならなかった……」

召喚士 (ウゥッ女の人の首が……)



盗賊「……ッ!」

剣士「どうした?」

盗賊「ここにいるのはよくない……」

剣士「……何でだ?」

盗賊「………」

剣士「……?」

執事「坊っちゃん……私めもそう思います」

剣士「何かあるのか?」

執事「何やら……空気の密度が増したと申しましょうか……」

剣士「………」

執事「良くない事が起きる前には決まってこの様な雰囲気になるので御座います……」

剣士「ん……全然わかんねえがお前が言うんならそうなんだろうな……」

執事「………」

剣士「わかった……蒼頭城を出るぞ」

蒼頭「……姫様立てますか?」

姫宮「うん……」

蒼頭「剣士……召喚士殿達はいいのか?」

剣士「あいつらなら大丈夫だろ。何があってもそう簡単には死なねえよ」

蒼頭「そうだな……」

剣士「………」

蒼頭「ささ、姫様お手を……姫様?」

姫宮「……将軍は……何をしたかったの……」

蒼頭「………」

姫宮「国を壊そうとして……御父様に手をかけて……」

剣士「………」

姫宮「……私の本当の……うぅぅ……」



女兵士「何がどうなってるの……?何で女王が……それにあんた帰ったんじゃないのって?」

傭兵「女王は色々とな……俺も色々とあったんだ」

女兵士「その色々の部分を説明してくれないとわからないでしょって!」

傭兵「国を……救いに来たんだ」

女兵士「救いにって……」

傭兵「大将は……この国の兵士全員ぶっ殺そうとしてたんだと」

女兵士「………」

傭兵「……そんなの聞かされたら帰れねえだろ?」

女兵士「じゃ、じゃあ女王がいるのは……?逃げ出したって聞いてたけど……」

傭兵「逃げ出したんじゃ無い。この機会を伺ってたのさ……大将を討てるな」

女兵士「………」

傭兵 (俺もわけわかんねえが……こんな感じだろ……)

女兵士「そんな……私達ずっと将軍に騙されてたって事……」

傭兵「そうだ……」

女兵士「王はこの事を……」

傭兵「王は死んだ……」

女兵士「………」

傭兵「恐らく周りの人間も生きて無いだろ。城の中がこんなんじゃな」

女兵士「誰もいないもんね……」

傭兵「……こんな事言いたく無いが……この国は終わりだ。女王が居るだけじゃな……」

女兵士「………」

傭兵「……蒼頭も帰ってきたのに可哀想にな」

女兵士「蒼頭?あの変人頭巾なんていないじゃない。何言ってるの?」

傭兵「そっか……あそこ美人、蒼頭だぞ?」

女兵士「はあああ?嘘でしょ……?」

傭兵「本当だ……」

女兵士「あり得ないって……」

傭兵「後なあそこの筋肉ムキムキマッチョマンは大将の息子だそうだ」

女兵士「………」

傭兵「なんだかなってやつだよな……」

女兵士「そうね……」

傭兵「………」

女兵士「何が始まるんです?って感じよ……」

傭兵「第三次大戦だ……って言った方がいいか?」

女兵士「バカ。……それにしてもあんたよく知ってるのね」

傭兵「そりゃお前、あいつらと志を同じにした仲間だからな!」

女兵士「へぇ……国を救うか。あんたをちょっと見直した」

傭兵「だろ?惚れてもいいぜ?」

女兵士「無いから安心して」

傭兵「そっか……」



スガァァンッ!

ネメア「グッ!止めろッ!貴様と戦う理由など無い筈だろッ!」

マルコシアス「………」

ネメア「わけを言えッ!」

マルコシアス「……そんなに私が主天使の座に戻るのが困るか?」

ネメア「なんの事だッ!」

マルコシアス「惚けるな……偽物のタテガミを私に寄越し今もほくそ笑んでいるんだろ……」

ネメア「知らんッ!私は本物を渡したぞ!」

マルコシアス「………」スゥ……

ネメア「クッ!」

スガァァンッ!

マルコシアス「………」

ネメア「……止めろ。誰に騙されたかは知らんが私は嘘など言っていないッ!」

マルコシアス「嘘など言っていないか……」

ネメア「………」

マルコシアス「ならば……女神が私に嘘を付いたと?」

ネメア「女神……?」

マルコシアス「有り得ない……そんな事は有り得ないッ!」

ネメア「待て!……私を捕らえよとお前に命じたのは女神なのか!」

マルコシアス「答える必要は無い!」

ネメア「私の話を聞けッ!」

マルコシアス「その必要も無い!貴様が騙し女神が私を主天使の座に戻さなかった……この事実は変わらないのだからッ!」バッ!

ネメア「その事実は違うッ!」

マルコシアス「黙れぇぇッ!」

グバッ!ガギギィンッ!



召喚士「ああ……あ……あれあれあれ……」

ジノ「ななななななんで……」

喚起士「何がどうなっているんですか!?」

召喚士「ジノジノジノ!どうなってるんだ!あれ!」

ジノ「知らない知らない知らない!」

召喚士「どうしてあの人がネメア襲ってるんだよ!」

ジノ「あたしにだってわからないよ!」

召喚士「凄い怒ってるぞ!あの女の人の首……うう……」

喚起士 (魔喚士さん……あの世で……)

ジノ「……ここ危ないかも」

召喚士「なら逃げよう!ネメアは大丈夫だろ!」

ジノ「大丈夫だろうけど……それは兄ちゃん見捨てて行くの?」

召喚士「見捨てる見捨てる!」

喚起士、ジノ「………」

召喚士「あ……いや……ネメア硬いから!足も早いし敵わなければ逃げて来るって!今は自分達の事心配して方がいいって!」

喚起士「……確かにそうかもしれませんね」

召喚士「ですよね!じゃあ!」

ジノ「召喚兄さん背負って!」

召喚士「……何言ってるんだお前。自分で歩けよ」

ジノ「……あたし超怪我してるから動けないんだけど」

召喚士、喚起士「………」

ジノ「だからあたしを背負って行ってって!」

召喚士「ジノ……重そうだよな……」

ジノ「……で?」

召喚士「先に行って

ジノ「動いたら喰ってやる……」

召喚士「………」

ジノ「じゃあ喚起士お願い!」

喚起士「え……私には無理だと……」

ジノ「………」

召喚士、喚起士「………」

ジノ「なら二人で協力してさ……」

召喚士「……多分無理だよ。ジノは俺達よりデカいのに持てると思うか?」

ジノ「思わない……けど置いてったら食べるからね?」

召喚士「………」

ジノ「………」

喚起士「………」

召喚士「そこは喚起士達だけでも逃げてって言う所だろ……」

ジノ「あたしも逃げたいから言うわけ無いじゃん!」

召喚士「………」

ジノ「………」



ネメア「グゥッ!いくら攻撃を仕掛けてきても無駄だ!」

マルコシアス「………」

ネメア「やめろ!無意味だ!」

マルコシアス「……確かにこのまま続けても無意味だな」

ネメア「ならば!」

マルコシアス「………」

ネメア「……?」

マルコシアス「ここは何故か……魔力が充実しているな……」

ネメア「だからなんだ……」

マルコシアス「……折角だ、使わせて貰おう」

ネメア「……何をするつもりだ」

マルコシアス「フフフ……」

ネメア「………」

マルコシアス「貴様を葬るのは出来ん。……だがその周りにいる人間なら……」

ネメア「やめろ……」

マルコシアス「………」

ネメア「………」

マルコシアス「……ただ葬りさらん。この魔力……限界まで使いこの辺り一辺蒸発させてやる……」

ネメア「関係の無い者を巻き込むな!私だけでいいだろッ!」

マルコシアス「関係無いのだから……せめて痛みの無い方法をとってやると言うのだ。感謝しろよ……」

ネメア「やめろ……やめろ……」

マルコシアス「アハハハハッ!面白いな!貴様がそのような様になるとは!」

ネメア「……やめてくれ」

マルコシアス「自分の仕出かした事……後悔しろ。ヌウウウウアッ!」バッ!

ネメア「やめろォォォオォッ!」



グゴゴゴゴッ……

剣士「なんだッ!?」

盗賊「早く逃げた方がいい……」

蒼頭「姫様……立てますか?」

姫宮「………」

剣士「行くぞ蒼頭!」

蒼頭「ああ……。姫様、某の手を……」

姫宮「………」

蒼頭「……何があっても離しませぬ故」

姫宮「……うん」

執事「………」

剣士「召喚士……上で一体何が起きてんだよ……」



召喚士「あわわわわ……」

喚起士「……ジノ」

ジノ「マズイマズイマズイ……何かやろうとしてる……」

召喚士「何かってなんだよ!」

ジノ「知らないよ!ただ……ここにいると……」

召喚士「なら

ジノ「食う!」

召喚士「………」

喚起士「ジノ!」

ジノ「な、なに?」

喚起士「あの方は何者ですか」

ジノ「喚起士は知らないんだったね……あれは悪魔だよ……」

喚起士「な……何故ここに?」

ジノ「それは!」



ジノ「って事があって!」

喚起士「………」

ジノ「早く何とかしないと!召喚兄さん止めてきて!」

召喚士「出来るわけ無いだろ……」

ジノ「それは知ってる!だからちょっと時間稼ぎしてくれればいいから!」

召喚士「アホか!」

喚起士「召喚士さん……ジノ……」

召喚士「喚起士さん!何かこの場を切り抜ける方法思い付いたんですか!」

ジノ「おおお!さすが喚起士!」

喚起士「いえ……今は静かにしていましょう……」

召喚士「……何故です?」

喚起士「………」

召喚士、ジノ「………」

喚起士「あの悪魔の方がネメアを討とうとしていて……あの状態なんです……」

召喚士、ジノ「………」

喚起士「これからきっと……とてつもない事が起きようとしています……」

召喚士、ジノ「………」

喚起士「ですから……逃げても無駄です……」

召喚士、ジノ「………」

喚起士「祈りましょう……安らかに終わりを迎えられるように……」

召喚士、ジノ「………」

喚起士「………」

召喚士、ジノ「イヤァァァアアッ!」

喚起士「………」



フォシュン……フォシュン……

マルコシアス「……む?」

ネメア「ッ!」

……、……「………」

マルコシアス「良いところに来たなお前達。良い物を見せてやるぞクククッ」

ネメア (この状態で新手か!……打つ手が……)

マルコシアス「さあッ!己の罪を悔いろネメアァァッ!」グバッ!

ネメア「グッ……すまん召喚士……」

……「やり過ぎじゃよマルコシアス……」

マルコシアス「ハハハハハッ!」

……「……馬鹿が」……ピトッ

マルコシアス「………」ガクッ……

……「………」

ネメア「………」

……「すまんな。わしらの仲間が馬鹿な真似をしようとして……」

ネメア「……仲間なら……」

……「仲間なら馬鹿な事しようとしている者を止めるじゃろ」

ネメア「………」

……「こいつ……何か様子がおかしかったんじゃ……」

ネメア「……マルコシアスの仲間なら……お前も悪魔……だな?」

……「ああ、そうじゃよ。……何じゃ?何を戸惑ってる?」

ネメア「戸惑うだろ……わけがわからない事ばかり起きて……そしてお前達が現れたのだから……」

……「そうか。……ならまずこれは言っておくが、わしらはお前さんをどうこうしようとはしとらんからな」

ネメア「………」

……「馬鹿な真似しようとしてる奴止めに来たのに、それに追い詰められた奴に馬鹿な真似されたらかなわんからな」

ネメア「………」

……「………」チラッ……

ネメア「……?なんだ……?」

……「いや……なんでも無い」

ネメア「……聞いていいか?」

……「ああ、ええよ」

ネメア「お前は何者だ……それに何故悪魔と天使が一緒にいる?」

……「天使?ああ、こいつは天使じゃ無いぞい。見掛けは天使だが中身は悪魔じゃ」

ネメア「………」

……「わしらの仲間は堕天の者が大半じゃからな。見掛けが天使の奴もいるんじゃよ」

ネメア「そうなのか……」

……「………」

……「で、わしはロノウェじゃ」

ネメア「ロノウェ……地獄の侯爵だな?」

ロノウェ「ああ、そうじゃよ。侯爵だとか……あんまりそう言うのは好きじゃ無いがな」

ネメア「その侯爵が何故マルコシアスを止めに来たんだ?」

ロノウェ「侯爵とか好きじゃ無いと言ったろ……馬鹿な事する奴がいたらそれを誰かが止めんといかんだろ?それでじゃよ」

ネメア「………」

ロノウェ「わしらのような者を止めるなら、わしらのような者が止めた方が手っ取り早い」

ネメア「なるほど……」

ロノウェ「それにわしは和平の使者だしの!」

ネメア「………」

ロノウェ「……何じゃ?」

ネメア「いや……」

ロノウェ「……?」

ネメア (和平等とは程遠い顔をしてるのに……使者なのか……)



喚起士、ジノ「………」ポカーン……

召喚士「………」

喚起士「ジノ……」

ジノ「あたしだって何起きてるかわからないんだから何聞かれても答えられないよ……」

喚起士「そうですか……」

ジノ「………」

喚起士「あの突然現れた御老人?と……天使もわかりませんか?」

ジノ「わからない……でもマルコシアスを止めたんだからそれなりの力を持った悪魔だよね……」

喚起士「……悪魔?」

ジノ「そう、あの二人は悪魔だよ。魂が似てるし」

喚起士「………」

ジノ「……?召喚兄さんどうしたの?終わりだぁぁッ!とか叫ばないの?」

召喚士「爺ちゃんだ……」

ジノ「はあ?」

召喚士「なんで……」

ジノ「………」

喚起士「……ジノ」

ジノ「………」フルフル

召喚士「死んだじゃないのかよ……」

喚起士、ジノ「………」

召喚士「………」ダッ

タタタッ……

ジノ「………」

喚起士「召喚士さんはやっぱり……」

ジノ「事情はわからないけど……これでハッキリしたね……」

喚起士「………」

ジノ「………」

喚起士「……?」

ジノ「ん?どうかしたの?」

喚起士「召喚士さん……レラジェの魔矢を受けましたよね……」

ジノ「そうだけど?」

喚起士「……何故平気だったんでしょうか」

ジノ「ほら……半分人間だし!その部分に当たったんだよ!……多分」

喚起士「多分て……ネメアはジノに全てを聞いたと言ってましたけど……」

ジノ「……え?あたし兄ちゃんに教えて無いし、兄ちゃんは召喚兄さんの事知らない筈だよ……」

喚起士「は?……知らなかったのですか……?」

ジノ「うん……」

喚起士「………」

ジノ「………」

喚起士「なら……」

ジノ「……それ以上は言わない方がいいよ」

喚起士「………」サァ……

ジノ「………」

喚起士「わ、私はなんて事を……」

ジノ「……いいじゃん」

喚起士「ジノ……?」

ジノ「無事だったんだし!もしかしたら召喚兄さんがドロドロになってたかもなんて考えなくていいよ!」

喚起士「ですが……」

ジノ「いいって!召喚兄さんそんなの気にしないって!」

喚起士「………」

ジノ「……だから召喚兄さんにこの事言っちゃ駄目だよ。わかったね?」

喚起士「わかりました……」



ネメア「ロノウェ……私の事も知っているか?天使に追われている事を」

ロノウェ「知っとるよ。マルコシアスの事を調べてる時に知ったからな」

ネメア「……なら、女神など上の存在が関与しているのは?」

ロノウェ「知っとる」

ネメア「教えてくれ……何故女神が関与している!マルコシアスを騙し私に危害を与えようとした事を!」

ロノウェ「……知らん方がいい」

ネメア「何故だ!」

ロノウェ「くだらん理由じゃ……」

ネメア「くだらなくても私には知る権利があるだろ!」

ロノウェ「………」

ネメア「………」

ロノウェ「……本当に知らん方が

召喚士「爺ちゃん!」

ロノウェ「………」

召喚士「生きてたのかよ!どうやって釘500本くらいで打ち固めた棺から出てこれたんだよ!」

ロノウェ「………」

ネメア「……召喚士知ってるのか?」

召喚士「知ってるのかもなにも育ての親だよ……」

ネメア「………」

召喚士「爺ちゃんたら!召喚士だよ?ボケて無かったらわかるだろ!」

ロノウェ「……知らん。誰だお前は」

召喚士「……え」

ロノウェ「誰かと間違えてるようじゃが……わしはお前の事など知らん」

召喚士「爺ちゃん……ボケちゃったのか……」

ロノウェ「失礼な奴じゃ……わしはボケとらんわ……」

召喚士「なら……本当に違うの……?」

ロノウェ「違う。わしは悪魔じゃぞ?人間なんかと暮らせるかい……」

召喚士「悪……魔?」

ネメア「地獄の住人だ。そこの……マルコシアスと同じな」

召喚士「………」

ロノウェ「わかったか。人間……」

召喚士「ははははははい……」

ロノウェ「……ちなみに聞くが、何故に釘を500本も棺に打ちこんだんじゃ?」

召喚士「面白いと思って……」

ロノウェ「面白……死者を冒涜する事をよく出来たな……」

召喚士「泣きながら送っても爺ちゃん喜ばないと思ってね……」

ロノウェ「………」

召喚士「そうすれば天国行った爺ちゃんも心配しないかなって……」

ロノウェ「………」

召喚士「でも今は……」

ロノウェ「……今は?」

召喚士「地獄に落ちろ嘘つきクソ爺ちゃんって感じかな……」

ロノウェ「………」

召喚士「ローンちゃんと上手くいかなかったのは全部クソ爺ちゃんのせいだしッ!ぐあああッ!腹立つなあ!クソ爺ちゃんッ!」

ロノウェ「………」

ネメア「もういいか?」

ロノウェ「あ、ああ……」

ネメア「理由はなんだ」

ロノウェ「そのうち知る事になるじゃろから……わしからは言わん」

ネメア「ふざけるな!」



タタタッ……

執事「………」

剣士「爺?どうした?」

執事「……坊っちゃん、先に行ってください」

剣士「……何かあるのか?」

執事「はい。……地下にまだ囚われの者がいるので御座います」

剣士「なら俺らも地下に」

執事「いえ、私めだけで。坊っちゃんは女王をお守りください」

剣士「………」

執事「何があろうと私めだけなら対処しやすいので……」

剣士「……わかった。任せるぜ」

執事「はい」

剣士「………」

執事「………」



執事「………」

干城「貴様……」

執事「ここは危のう御座います。牢からお出でください」

干城「なにを今更!」

大臣「……待て干城よ」

干城「大臣様!こいつは将軍の手先!」

大臣「いいから待て!……執事、牢から出すとはどう言う事だ?危険とは?」

執事「………」

大臣「……もしや将軍は事を成そうとしているのか?」

執事「いえ……」

大臣「違うと申すか……」

執事「将軍様は……お亡くなりになりました……」

大臣、干城「ッ!?」

執事「………」

大臣「何が起こっている……誰かが将軍の企みを止めたと言うのか!それとも魔喚士と仲違いを……?」

執事「違います……女王がお戻りなり……」

大臣「なんと……女王が……」

干城「大臣様!」

大臣「うむ。そうか……だが……」

干城「………」

大臣「他の危険な事……魔喚士めか?」

執事「それはわかりません。それに私めの役割は終わりましたので城の従事者を牢に閉じ込めておく事も意味が無くなり……」

大臣「………」

執事「ささ、お早く」



ネメア「………」

ロノウェ「だからな?知らなくていい」

ネメア「もういい……聞かん……」

ロノウェ「おお!諦めてくれたか!」

ネメア (そんなに言えない理由なのか……話せばロノウェの立場が危うくなるのだろう……)

ロノウェ「それとな……恐らくもうお前さんには追っ手の手がかからんから安心せい」

ネメア「………」

ロノウェ「まあ……これも理由は話さん。察してくれてありがとよ」

ネメア「いい……私の事が解決しているのならそれでいい」

ロノウェ「すまんの……」



召喚士「お爺ちゃんじゃ無かったみたい……」

ジノ「そりゃあそうだよぉ……」

召喚士「………」

ジノ「召喚兄さん?」

召喚士「ん?ん……だよな。本当にお爺ちゃんが生きてたならよかったんだけど……」

ジノ「………」

召喚士「俺のさ……ただ一人の肉親だったしさ……」

ジノ「………」

召喚士「なんて言うのかな……」

ジノ「召喚兄さん……」

召喚士「………」

喚起士 (あの天使みたいな悪魔の方……綺麗ですね……)

……「………」スゥ

喚起士「あ……す、すいません……」

……「………」

喚起士「あ、あの……」

……「………」

喚起士「貴方を見ていたのは悪いと思いますが……けして悪気があって見ていたのでは……」

……「………」

喚起士「………」

召喚士「か、喚起士さんから離れろよ!」

ジノ「喚起士……何かやったの?」

喚起士「いえ……綺麗でしたので見とれてただけです……」

……「………」

ロノウェ「どした?クロケル」

クロケル「………」

ロノウェ「黙っとったらわからんだろ……」

喚起士「私が……お気に触る事をしたのでしょうか……」

ロノウェ「………」

喚起士「なんでしょう……?」

ロノウェ「娘さん……」ビシッ!

喚起士 (な、何故私に向かって親指を立てるのでしょう……まさか悪魔の間にある印相か何かなのでしょうか……)

ロノウェ「………」

喚起士「………」ゴクリッ

ロノウェ「ナイスバデェ!」

喚起士「………」

ジノ (こりゃ召喚兄さんの育ての親に間違いないね……)

召喚士 (お爺ちゃん……だよな……どう見ても)

ロノウェ「いいのぉ……いいのぉ……」

喚起士「………」

ロノウェ「なるほどのぉ……」ジー……

喚起士「まじまじと見ないでいただけますか……」

クロケル「………」クイクイ

ロノウェ「なんじゃクロケル」

クロケル「………」コソコソコソ!

ロノウェ「そのぐらい自分で言え……」

クロケル「………」

喚起士「私に何か用事でしょうか……」

クロケル「わ、わすど温泉さ入らば!いいかがダス……?」

喚起士、召喚士、ジノ (わす……?)

クロケル「そんなばいい湯場近くばあるけぇほなこつあたったば桃色のどだば

喚起士「あ、あの!」

クロケル「……なんダス?」

喚起士「申し訳ありません……悪魔の言語はちょっと理解出来ないんですけど……」

クロケル「ほんなこつ!人間ば言語け!わすがわざわざ喋りばってんなんば!?」

喚起士「え……えーと……?」

召喚士「お爺ちゃん……何かこの天使怒り出したけど……」

ロノウェ「お爺ちゃんじゃ無い!」

召喚士「チッ……怒ってるけど?」

ロノウェ「お前らがクロケルの言ってる事を理解して無いからじゃ」

召喚士「あんなの理解出来るかよ……」

ジノ「あたしでも理解出来ないよ……」

クロケル「乳さゆっさゆっさ揺らしたばそんなに偉えダスか!」



クロケル「ばがざらがぁ!」バタバタ!

召喚士「何言ってるかわかんねえよッ!」

ジノ「どこの言葉だよッ!」

喚起士「………」

ロノウェ「……娘さん」

喚起士「なんでしょう……」

ロノウェ「ちと……いいかの?」

喚起士「………」

ロノウェ「いや……さっきの続きじゃ無い……」

喚起士「……ならなんですか?」

ロノウェ「いいから。ネメア、この娘さんを借りるぞ」

ネメア「………」

ロノウェ「本当にさっきの続きじゃ無い……」

ネメア「理由は?」

ロノウェ「………」

ネメア「……わかった。ただし馬鹿な真似はするなよ」

ロノウェ「だからせんと言っとろうが!……ったく」

ネメア「………」

喚起士「この場では話せない事なのでしょうか?」

ロノウェ「ん……そうじゃな……娘さんにしか話せんし……頼めん事じゃ……」

喚起士「頼む?」

ロノウェ「………」

喚起士「わかりました……」

ロノウェ「では行こか……」



喚起士「私に話とは……?」

ロノウェ「……あの馬鹿の事じゃ」

喚起士「召喚士さんの事ですか……」

ロノウェ「あれの事は……娘さん、どこまで知っとる?」

喚起士「………」

ロノウェ「取って食ったりせん……わしが悪魔だからとかは今は忘れておくれ」

喚起士「……召喚士さんがそれである事しか知りません。貴方はやはり召喚士さんと暮らしていたと言う……」

ロノウェ「そうじゃな……召喚士と暮らしとった」

喚起士「………」

ロノウェ「まあ……意味がわからんじゃろうな……」

喚起士「はい……」

ロノウェ「悪魔があれを育てていたなんてな……」

喚起士「………」

ロノウェ「………」

喚起士「何か理由があり育てていたのですよね?」

ロノウェ「そうじゃ。あの馬鹿の親に頼まれてな……召喚士が道を選ぶ日まで……とな」

喚起士「道をですか……?それは一体なんでしょうか……」

ロノウェ「人間として生きるか……または……な……」

喚起士「召喚士さんは人間として生きる道を選んだ……と言う事ですか……?」

ロノウェ「………」コクッ

喚起士「………」

ロノウェ「召喚士と暮らしていたある日、わしは聞いたんじゃ。お前は人間と……どちらになりたいとな」

喚起士「………」

ロノウェ「あいつはなんて答えたと思う?」

喚起士「わかりません……なんと答えたんでしょうか?」

ロノウェ「オッパイが大きい方!……って答えたんじゃ……」

喚起士「………」

ロノウェ「ふふ……あいつらしい答えじゃ……」

喚起士「……そうですか」

ロノウェ「それが良かったのか悪かったのか……」

喚起士 (絶対よくありません……)

ロノウェ「………」

喚起士「あ、あの!……何故胸が大きい方が人間を選んだ事になるのでしょうか……?」

ロノウェ「……自分の胸に聞いてみる事じゃ」フッ

喚起士「………」

ロノウェ「あいつが人間として生きる道を選んでから人間として育ててな……生きる術になるよう召喚術を教え……」

喚起士「強力な体術も教えた……ですか。貴方が教えていたのですね……」

ロノウェ「は?わしはそんなもん教えとらんぞ?……あいつは召喚術でさえ真面目に覚えようとせんかったのに……」

喚起士「……え?じゃあ……」

ロノウェ「それは娘さん……あいつに騙せれとるんじゃ……」

喚起士「………」

ロノウェ「……馬鹿者が。昔から口だけは達者だったからの……」

喚起士「………」

ロノウェ「召喚術を教えるにしても餌が無きゃ覚えようともせんかったからな……」

喚起士「餌?……まさかローンですか?」

ロノウェ「おお!よく知っとるの。召喚術覚えればこれを喚べるぞって言ってやったんじゃ」

喚起士「……なんて事です。召喚獣をそのような事に使うなんて……」

ロノウェ「怒らんでくれ……仕方無かったんじゃ……」

喚起士「……最低です」

ロノウェ「そんな目で見んでくれ……」

喚起士「……ですが、召喚士さんが使おうとしていた召喚陣は間違っていましたけど?」

ロノウェ「え?」

喚起士「……?まさか間違って教えていたのですか……?」

ロノウェ「いや……」

喚起士「………」

ロノウェ「悪魔が使う召喚陣はアイツには使えんのか……知らなんだ……」

喚起士「………」

ロノウェ「てっきり人間が使おうが悪魔が使おうが同じ物だと思っておった……」

喚起士「……?」

ロノウェ「……どうした?」

喚起士「あのネメアを召喚させる陣も教えたんですよね?」

ロノウェ「いいや、教えとらんよ。………」

喚起士「ならネメアは召喚士さんが独自に喚び寄せたのですか……それは凄いですね……」

ロノウェ「ネメアは……」

喚起士「はい?」

ロノウェ「……偶然の必然的事情と言うかな……ん……ネメアは召喚士の元に送り込まれたんじゃ……」

喚起士「送り込まれた……?」

ロノウェ「説明するとな……ややこしいんじゃが……」

喚起士「なら簡単にでも構いません……何でしょう送り込まれたなんて……」

ロノウェ「それはな……ただの親バカじゃよ。あれの母親のな」

喚起士「………」

ロノウェ「……娘さん」

喚起士「はい……」

ロノウェ「ここからは……わしの頼み事じゃ。召喚士の事を全て話してあげよう……だからな……」

喚起士「………」

ロノウェ「……召喚士の事を頼めるか?召喚士を一人にしたわしが言うのもあれなんじゃが……心配でな……」



剣士「……中庭にも誰もいねえな。盗賊、ここなら大丈夫そうか?」

盗賊「………」コクッ

剣士「そっか。……蒼頭、姫さんは無事だな?」

蒼頭「もちろん……」

姫宮「………」

蒼頭「姫様……何も出来ぬ某をお許しくだされ……」

姫宮「ううん……蒼頭はちゃんと私の為にしてくれたから……ありがとう……」

蒼頭「………」

姫宮「剣士も盗賊も……ありがとう……」

剣士、盗賊「………」

姫宮「………」

剣士「今……こんな事を言うのはあれだけどよ……笑えよ」

姫宮「………」

剣士「そんな悲しそうな面だとよ……俺ら本当に姫さんの為になったのかわからなくなるだろ?」

姫宮「………」

剣士「………」

姫宮「そうだよね……うん……」ニコッ

剣士「悪いな……無理言って……」

姫宮「私だって皆に無理させたんだから……おあいこだよ」

蒼頭「………」

ズガァァン……

剣士「なんだッ!?」

ズガァァン……ズガァァン……

蒼頭「門をこじ開けようとしているな……もしや召喚士殿とネメア殿が外へ追いやった兵士達か!」

剣士「チッ……そっちも相手にしなきゃならねえのかよ!」

スガァァン……

剣士「チッ……」

バキバキッ……ズバァァンッ!

魔王めぇぇッ!魔王を探せぇぇッ!

剣士「……魔王?」

ワアァァァァアアッ!

剣士「………」ザッ!

ワアァ……ザワ……ザワ……

姫宮「………」グッ……

蒼頭「姫様……」

おいあれ……ザワ……

剣士「……あ?来ねえのか?」

女王じゃないのか……ザワ……

姫宮「………」

なんで……ザワザワ……



大臣「……聞いていいか?」

執事「何で御座いましょう?」

大臣「お前の役割とはなんだ?」

執事「………」

大臣「………」

執事「主人に使える事……で御座います」

大臣「………」

執事「……そのような怪訝の表情をなされても困ってしまいますが」

大臣「主人に使える……それだけなのか?……ならば主人が死ねと言ったならば命絶つと申すか?」

執事「はい」

大臣「………」

執事「私めの中の世界では主人は絶対で御座います。なんら不思議は御座いません」

大臣「あれ程の力を持ったお前が何故……」

執事「私めの世界は……大変狭い世界で御座います……」

大臣「………」

執事「……人の持つ世界には無限に近い選択肢や可能性が御座います。自分自信を更に高める為……ですが私めにはそれが御座いません……」

大臣「……お前は自分の為に生きられないと言う事か?」

執事「………」

大臣「そんな人間が……」

執事「ここにおります……」

干城「大臣様!」

大臣「静かにせんか干城!」

干城「違います!女王が!」

大臣「……ッ!」



有り得ないだろ……ヒソヒソ……

剣士「………」

今更……皆の前によく顔を出せたな……ヒソヒソ……

姫宮「………」

剣士「人の気も知らねえでよく言ってくれるぜ……」

盗賊「……敵?」

剣士「わかんね。が、そうなるかもな……」

盗賊「………」

剣士「これだけの数、召喚士だって相手にしたんだ。……俺だってやってやる……」

蒼頭「待て剣士……」

剣士「……なんだ?」

蒼頭「……手を出さないでくれ。何があっても……」

剣士「………」

蒼頭「もし敵になるのならば某が相手になる」

剣士「……そうかい」

蒼頭「すまんな……」

剣士「謝る事かよ。……で?どうすんだこれ」

蒼頭「………」

剣士「………」

蒼頭「聴けぇぇえ皆の者ぉッ!この国の姫がこの国を救ったぞおおッ!」

……………

蒼頭「見事将軍を討ち取りッ!この国を取り戻したのだぁッ!」

……もう遅いんだよ……

蒼頭「何が遅いと言うか!」

国王も……大臣様も……いなくなったこの国を今更救っても……

蒼頭「………」

魔王に……いいようにされ……

剣士「だから魔王ってなんだよ……」

おしまいだ……おしまいだ……

蒼頭「………」

姫宮「………」

蒼頭「何がおしまいだッ!まだ姫がいるだろッ!」

……………

蒼頭「そこでおしまいならッ!またそこから始めると何故考えないッ!」

……………

蒼頭「そうする事が亡き者になった者達への弔いになると何故考えないッ!」

……………

蒼頭「……姫様はここにいる。自分達の国であろう?まだ終わらせるには早過ぎると何故考えない……」

……………

蒼頭「………」

やれるのか……これから……

蒼頭「やれるのかではない……やってやるだ!」

傭兵「そうだぜ皆ッ!ここから……」

あれ……なんであいついるんだ……ザワザワ……

傭兵「始めればいいじゃねえか?」

帰ったんじゃ無かったのか……魔物と戦うなんてゴメンだって言って……

傭兵「………」

一足先に逃げたしたのに……ザワザワ……

傭兵「………」

蒼頭「下がっててくだされ……」

傭兵「お、おう……俺には出る幕は無かったようだ……」

女兵士「………」



喚起士「………」

ロノウェ「と、言うわけじゃ……」

喚起士「………」

ロノウェ「………」

喚起士「召喚士さんは……これからどうなるのでしょうか……」

ロノウェ「もうあれの母親に手は出させん。今回のような事ももう起きらんじゃろ」

喚起士「失礼ですが……貴方にそんな事が出来るんですか?」

ロノウェ「……わしだけでは出来んじゃろうが……他にも女神の喉元に届く武器が育っておる。心配せんでええ」

喚起士「武器……ですか?」

ロノウェ「それはまた別のお話ってやつじゃ」

喚起士「はぁ……」

ロノウェ「………」

喚起士 (召喚士さんの母親が……女神だったなんて……)

ロノウェ「納得がいったか?」

喚起士「はい……召喚士さんが持っている魔力の量も何故それなのかも……」

ロノウェ「………」

喚起士「ネメアが召喚士さんの元へ来た事も……」

ロノウェ「そうか……」

喚起士「………」

ロノウェ「……馬鹿でどうしようもない奴じゃがよろしく頼むよ娘さん」

喚起士「はい……あ、最後にいいでしょうか?」

ロノウェ「なんじゃ?」

喚起士「召喚士さんの為に何故そこまでなさるのですか……?」

ロノウェ「情じゃよ。それ以上でも以下でもない……」

喚起士「ならまた一緒に暮らしてあげたらいかがですか……」

ロノウェ「それは出来ん。人間として生きるなら人間と暮らすのが一番じゃ。わしの出る幕はもう無い……」

喚起士「はい……召喚士さんが持っている魔力の量も何故それなのかも……」

ロノウェ「………」

喚起士「ネメアが召喚士さんの元へ来た事も……」

ロノウェ「そうか……」

喚起士「………」

ロノウェ「……馬鹿でどうしようもない奴じゃがよろしく頼むよ娘さん」

喚起士「はい……あ、最後にいいでしょうか?」

ロノウェ「なんじゃ?」

喚起士「召喚士さんの為に何故そこまでなさるのですか……?」

ロノウェ「情じゃよ。それ以上でも以下でもない……」

喚起士「ならまた一緒に暮らしてあげたらいかがですか……」

ロノウェ「それは出来ん。人間として生きるなら人間と暮らすのが一番じゃ。わしの出る幕はもう無い……」

>>119
はミスです。
なんて事でしょう……あああ……

喚起士「………」

ロノウェ「悪魔であるなら尚更な……」

喚起士「わかりました……召喚士さんの事は御引き受け致します」

ロノウェ「うん……」

喚起士「それならば……曲がりくねった根性や腐った性根!私が叩き直おさなければいけませんね!」

ロノウェ「……は?」

喚起士「貴方はきっと召喚士さんに甘過ぎたんです。人間として生きるなら……ふふふ」

ロノウェ「………」

喚起士「次に召喚士さんとお会いになる時は真人間になっている事でしょう……ですからご心配なさらずに」

ロノウェ「そ、そうか……」

喚起士「………」

ロノウェ (召喚士よ……わしは間違いを犯したかもしれんぞ……)



ネメア「………」

クロケル「べらぼうさんに屏風を上司に上手に取り入った!」

召喚士「だああ!違うって言ってるだろ!屏風に上手に絵を描いただよ!」

ジノ「……召喚兄さんさ」

召喚士「なに!?」

ジノ「もう諦めなよ……そんなの教えても絶対上達しないって……」

召喚士「………」

ジノ「悪魔には悪魔の言語があるんだから無理に人間の言葉教える事無いって……」

召喚士「そもそも何で俺こんな事してるんだろ……」

ジノ「知らないよ……」

ロノウェ「……クロケル」

クロケル「ロノウェ!ハナァーシはオワタですか!」

ロノウェ「なんじゃその喋り方は……」

ネメア「用は済んだのか?」

ロノウェ「ああ……」

ネメア「そうか。お前達はこれからどうするのだ?」

ロノウェ「ちと寄る所寄って帰るつもりじゃ」

ネメア「……寄る所?まだ何か不安要素的な物があるのか?」

ロノウェ「そうじゃ無い。クロケルに礼をせねばならんのじゃ」

ネメア「そう言う事か……なるほど」

召喚士「聞いていい?」

ネメア「どう言う事?か?」

召喚士「そう!なんかジノがわからないからってさ……自分で聴けって言うの!」

ジノ (くっ!確かにわからないから言い返せない……)

ネメア「ふむ、この場に悪魔が二人。少しおかしいと思わないか?」

召喚士「……?」

ジノ「……?」

ネメア「……おかしいと思え。そしてこの場で力を使ったのはロノウェだけだ。ではクロケルは何の為にこの場にいるのか」

召喚士「……人間の言葉をマスターする為?」

ネメア「違うッ!……それはお前と遊んでいただけだろ」

召喚士「ええ?じゃなに?」

ネメア「ロノウェをこの場に連れてくる役目だ。ロノウェだけではここに来る事は出来なかった。そうだなロノウェ」

ロノウェ「ああ、そうじゃよ。わしには長距離移動みたいな能力は無いからの」

召喚士「じゃあこの天使悪魔にはそれがあるの?」

ロノウェ「無い……が、交換条件を出して連れて来てもらった」

ネメア「無いのか……セーレ程の移動能力があるのかと思っていたぞ……」

ロノウェ「いやぁ……セーレに頼もうかと思っておったがの……」

ネメア「………」

ロノウェ「あいつ問題があるから無理なんじゃ」

ネメア「問題?」

ロノウェ「女好きでの……」

ジノ「うわ……」

ロノウェ「いや、多分今思ってるその下を行く最低っぷりじゃぞ……」

ジノ「……下を?」

ロノウェ「女好きは女好きでも……子供の女が好きなんじゃ……」

召喚士、ジノ、ネメア「………」

ロノウェ「そんな奴に頼めんじゃろ?だからクロケルに頼んだんじゃ」

ネメア「そ、そうか……交換条件と言うのは?」

ロノウェ「こいつ、大の温泉マニアじゃからの!温泉があるぞと言ったら快くわしの用事に付き合ってくれたんじゃ」

ネメア「………」

ロノウェ「さて!行くかのクロケル!」

クロケル「あいあいさー」

ロノウェ「………」

召喚士「………」

ロノウェ (ではな……馬鹿で屑で助平で……それでも孫のように可愛いわしの召喚士よ……)

召喚士「………」

ロノウェ (もうお前の前には現れる事も無いじゃろ……元気でな……)

召喚士「………」

ロノウェ「ネメア……それじゃあの……」

ネメア「ああ」

ロノウェ「………」



ロノウェ「………」

クロケル「……なまらよがったんだす?」

ロノウェ「もうわしらの言葉で喋れ……聞き難くてかなわん……」

クロケル『あれでよかったのかい?』

ロノウェ「何がじゃ?」

クロケル『あの人間……ロノウェが女神から引き受けて一緒に暮らしてた人間だろ?』

ロノウェ「……そうじゃ。それでよかったとはなんじゃ?」

クロケル『だからさ……また一緒にって』

ロノウェ「出来るわけ無かろう……わしは悪魔であいつは人間じゃぞ」

クロケル『……あんなに未練がましい目で見てたのにかい?』

ロノウェ「………」

クロケル『………』

ロノウェ「……正直に言えばまた一緒に暮らしたい。悪魔だとか人間だとか別にしての……」

クロケル『なら……』

ロノウェ「それでも出来無いものは出来無いんじゃ……」

クロケル『なんで?一緒に暮らしたいなら暮らせばいいじゃないか』

ロノウェ「そんな事してみろ……わしは召喚士を手離せなくなる……」

クロケル『………』

ロノウェ「わしも人間のように暮らせるならそれでも構わんが……そうはいかんじゃろ……」

クロケル『……和平の使者だもんね』

ロノウェ「わしが地獄からいなくなったら誰がわしの代わりを勤められると言うんじゃ……」

クロケル『そうだね……ゴメンね。こんな事聞いちゃって』

ロノウェ「いい……」

クロケル『………』

ロノウェ「………」

クロケル『……泣いてるの?』

ロノウェ「………」

クロケル『………』

ロノウェ「あいつ……召喚士との……暮らした日々は本当に楽しかった……」

クロケル『………』

ロノウェ「悪魔である事を忘れ……笑える事の出来たのは召喚士のおかげじゃ……」

クロケル『………』

ロノウェ「もう馬鹿者がと叱る事も抱き締めてやる事も出来ん……」

クロケル『……ロノウェさ』

ロノウェ「………」

クロケル『温泉パーっと入って元気出そうよ!』

ロノウェ「………」

クロケル『混浴だといいね!』

ロノウェ「すまんの……感傷的になってしまって……」

クロケル『いいよ……』

ロノウェ「………」

クロケル『……行こうか』

ロノウェ「そうじゃの……」

クロケル『我等が温泉に入る意味!』

ロノウェ「我等が温泉で見る物ひとつ!」

ロノウェ、クロケル「『それは……オッパイッ!』」

ロノウェ、クロケル「『イエーイッ!』」パシッ!

タタタッ……



あ、あいつ……魔王に拐われたんじゃ……ザワザワ……

女兵士「……?」

蒼頭「魔王に拐われたとは?」

女兵士「ああ……ネメア神の事って」

剣士「ネメア……神?ネメアって神様なのか?」

盗賊「違う。これっぽっちも神様じゃ無い」

剣士「だよな……」

蒼頭「ネメア殿が女兵士殿を拐ったと?」

女兵士「よくわかんないけど一緒に連れて来られたって」

剣士「………」

蒼頭「………」

女兵士「……?」

剣士「それでなんでネメアが魔王になるんだ?」

女兵士「自分でみんなの前で名乗ってたから!」

剣士「……馬鹿かよ」

蒼頭「皆の気を引くのに最適だろうが……いくらなんでもな……」

あいつがここにいるって事は……ザワザワ……

剣士「あ?」

魔王も討ち果たしたのか……ザワザワ……

蒼頭「………」

剣士「なんか話がデカくなってきてるぞ……」

これなら……いけるんじゃないか……

姫宮「……え」

あの女が言っていたように……また最初から……

蒼頭「……そ、そうだッ!出来る!魔王をも討ち果たした姫様と皆が力を合わせればぁッ!」

剣士「お、おい……」

おおお………ザワザワ……

剣士「蒼頭……そいつは不味くねえか?」

蒼頭「皆がやる気を出し始めているのだ!……ここでやらねば……」

剣士「そうだけどよ……ネメアが魔王とか言われてんなら召喚士も同じじゃねえのか……?」

蒼頭「………」

剣士「召喚士……顔出せなくなるぜ……」

蒼頭「……召喚士殿なら大丈夫!練達の師なのだからそれぐらい!」

剣士「………」

蒼頭「なせばなる……大丈夫……大丈夫……」

剣士「まあ召喚士だからな!」

蒼頭「そうそう!」

姫宮「………」



召喚士「………」

ネメア「これでこちらは解決……だな」

ジノ「色々と偶然が重なってだけど……」

喚起士「そうですね……」

ネメア、ジノ「………」

喚起士「………」

ジノ「この姉ちゃんも……悲惨な最後だったよね……」

ネメア「因果応報と言うやつだろう……」

ジノ「そうだね……あそこであの悪魔が現れてなかったらあたし達どうなってたかな……」

ネメア「さあ……私達が魔喚士と同じ姿になっていたかもしれんな……」

ジノ「………」

ネメア「……ジノ、動けそうか?」

ジノ「少しなら……イツツ……」

ネメア「そうか……なら下へ向かうぞ」

ジノ「うん……下は今どうなってるかな……」

ネメア「私と召喚士が通った時には剣士と将軍が戦闘中だったが……」

ジノ「………」

ネメア「まだ無事なら良いがな……行くぞ召喚士」

ジノ「喚起士?」

喚起士「はい?」

ジノ「下へ行くって」

喚起士「はいわかりました……」

ジノ「………」

喚起士 (魔喚士さん……貴女にこのような事を思うのはおかしいのかもしれませんが……安らかにお眠りください……)

ネメア「何をボーッとしている。行くぞ!」

召喚士「え?あ、うん……」

ジノ「あの爺ちゃんの事……気にしてるの?」

召喚士「まあ……そうだね……」

ネメア「ただ似ていたと言うだけだろ」

召喚士「………」

ジノ「パイアとお姫様だってそっくりなんだしさ、悪魔と人間がそっくりだっておかしく無いよ」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「そうじゃ無くてさ……思い出しちゃったんだよね……爺ちゃんに怒られた事とか笑ってくれた事とか……」

ネメア「そう言う感傷に浸るのは後にしろ。剣士達が心配だからな」

召喚士「うん……」

ネメア「行くぞ」

タタタッ……



喚起士「これは……」

ネメア「自害だな……」

喚起士「……将軍が自害する理由なんてあったんでしょうか」

ネメア「わからん……」

召喚士「ウプッ……」

ジノ「吐かないでよ……さっきこれより強烈な首チョンパ死体見てたじゃん!」

召喚士「人の死体なんて見慣れるわけ無いだろ!」

ジノ「そお?あたしは食べ慣れもしてるけど」

召喚士「………」

喚起士「それに……この場を既に引いていると言う事は更に下で何かあったんでしょうか……」

ネメア「……まさか」

喚起士「何か心当たりでも?」

ネメア「城外へ追いやった兵士達が城内へ入ったのかもしれん……」

喚起士「それにしては静か過ぎる気がしますが」

ネメア「うむ……そうだな……」

召喚士「ジノさ……聞いていいか?」

ジノ「なにを?」

召喚士「人間って旨いのか?……喚起士さんみたいなのは美味しそうだけどさ……」

ジノ「喚起士は美味しいだろうね……色々な意味でも!」

召喚士「………」

ジノ「色々な意味でも!」

召喚士「二回言わないでもわかっとるわ!」

ジノ「へぇ?わかってるんだぁ……」

召喚士「そりゃ見てよし!多分触ってよし揉んでよしだろうし!」

ジノ「オッパイ限定かよ……」

召喚士「まずはそこだろ!」

ジノ「………」

ネメア「喚起士よ……親子で死で合う剣を交えるとはどの様な気持ちなのだろうな……」

喚起士「私にはわかりませんが……何故そのような事を聞かれるのです?」

ネメア「この将軍の穏やかな顔を見てな……」

喚起士「………」

ネメア「………」

喚起士「将軍は……自身が行おうとしていた事を止めて貰いたかったんじゃ無いんですかね……」

ネメア「………」

喚起士「行く所まで行き……引き返せなくなった時、間違いだったと気が付いて……」

ネメア「なるほど……」

喚起士「私の推測ですから……そうなのかはわかりませんが」

ネメア「………」

喚起士「先へ行きましょう……」



干城「くっ!やはり罠だったかッ!」

ネメア、ジノ「………」

喚起士「お待ちください!これは違いまして!」

執事「なんとも……間の悪い……」

干城「貴様ぁ……ッ!」

執事「落ち着いてください。この方達は女王のお仲間で御座います」

大臣「女王の……?女王はこの魔物達に力を借りていたと申すか?」

執事「はい」

ネメア「……生き残っていた者がいたのか」

ジノ「兄ちゃんだけでも召喚器の入ってれば騒がれなかったかもね……」

召喚士「お前の方が魔物してるだろ……」

ジノ「なッ!どう見てもこっちの方が怖くて悪そうじゃん!」

ネメア「こっちとか……怖くて悪そうとか……言うんじゃない……」

干城「大臣様!お下がりください!信用してはなりません!」

大臣「………」

執事「困りました……そこは信用して頂かない事には話が進まないのですが……」

干城「この女に魔物を使わせ我らを始末しようとしているのだろ!」

喚起士「違います!私達は……あの……」

ネメア「将軍と魔喚士を討ちに来た。それだけだ」

大臣「……魔喚士までもか?」

ネメア「そうだ。そして事は成した」

大臣「……ッ!」

干城「嘘を付くな!大臣様、魔物が言っている事など耳に入れてはいけません!」

執事「……失礼します」シュッ……

干城「ガァッ……」ドサッ……

大臣「………」

執事「少しお邪魔でしたので」

大臣「左様か……」

ネメア「信じられんのなら確認させに行かせれば良かっただろ……」

執事「大変……お邪魔でしたので……」

ネメア「………」

大臣「……魔物よ、本当に魔喚士までも討ったのだな?」

ネメア「信じられんのなら自身の目で確かめてくるがいい」

大臣「いや……信じよう。執事の言っていた事も……」

執事「………」

大臣「助けられたのだな……この国は……」

盗賊「………」

ネメア「何故いるのだ……パイア……剣士達と一緒にいた筈だろ……」

盗賊「向こうは大丈夫そうだったから」

大臣「先程、通路で彷徨いている所で会ってな。この娘とは知り合いか?」

ネメア「まあ……」

大臣「ふむ……それにしても娘よ兄上は無事なようだぞ。良かったな」

盗賊「………」

召喚士「……へ?ああ……その兄上はこっちの事だよ……」

ネメア「………」

大臣「………」

盗賊「………」?

大臣「心配して探しに来たと言っていた兄上は魔物……なのか?」

盗賊「そう……」

大臣「なんと……」

喚起士「……聞いても宜しいでしょうか?」

大臣「あ、ああ……」

喚起士「何故信用なさる事が出来たのですか?それと……貴方は何方でしょう?この国の偉い方とお見受けしますが……」

大臣「我はこの国の大臣である」

喚起士「……私は喚起士と申します」

大臣「そうか。後は……何故、執事の言っていた事が信用出来たかだったな」

喚起士「はい……」

大臣「この者……主人無しでは生きられぬらしい。こちらの方がにわかに信じがたいが」

執事「………」

大臣「その者が主人であったであろう将軍を主のようではなく名で呼んでいた」

喚起士「………」

大臣「……旦那様では無く将軍様とな」

喚起士「もう主人では無いのだから嘘を言っても仕方が無い……と言うわけですか?」

大臣「そうだな。……こちらも聞いて良いか?」

喚起士「はい……答えられる事なら」

大臣「この娘は……何者だ?女王に瓜二つだが」

喚起士「……魔物です」

大臣「ふむ……そうか……」

喚起士「………」

大臣「………」

喚起士「お互い色々聞くには時期では無いみたいですので……」

大臣「そうだな……女王は?」

ネメア「既に城内にはいない。外へと出たのだろ」

大臣「うむ。ならば急がなければな」

召喚士「ジノ……なんで急ぐんだ?もう危ない事は無いんだろ?」

ジノ「……さぁ?」

召喚士「わかんないのかよ……」

ジノ「自分だってわかって無いんじゃん……」

召喚士「俺はそう言うキャラだからいいの!」

ジノ「良くないと思うけど……」



ザワザワザワッ!

蒼頭「あと一押し……姫様……」

姫宮「うん……?」

蒼頭「皆に声を掛けてくれませぬか?」

姫宮「………」

蒼頭「さすれば……皆付いて来る事かと……」

姫宮「………」

蒼頭「………」

剣士「親父……いや、将軍に言われた事なんて忘れちまえよ」

姫宮「………」

剣士「今はさ……お前はこの国に必要なんだぜ?」

姫宮「………」

剣士「出来ねえか?女王でいる事が……」

姫宮「私なんかじゃ……」

剣士「お前しか出来ねえ事なんだぜ」

姫宮「でも……」

剣士「わかった……じゃあこれだ」

姫宮「………」

蒼頭「……その小銭で何をするんだ?」

剣士「賭けだよ。……表ならお前は女王をやる、裏なら誰かに代わりをやって貰え」

蒼頭「………」

剣士「簡単だろ?」

姫宮「………」

剣士「もちろんこの勝負やんなくてもいいぜ。……この場から逃げてもいい」

姫宮「………」

剣士「それがお前の理想なら俺は何も言わねえ。……ここにいる奴等の顔を見てそんな事出来るならな」

姫宮「………」

ザワザワザワ……

剣士「……やるか?」

姫宮「うん……」

剣士「そうか。良かったぜ、やんねえって言われたらどうしようかと思った」

姫宮「………」

剣士「じゃあ……盗賊……盗賊?あれ?いねえし!」

姫宮「え?」

剣士「またあいつ肝心な時に……」

姫宮「………」ジィ……

剣士「……イカサマしようなんざ考えてねえって!」

姫宮「………」ジィ……

剣士「……イカサマしようとしてた」

姫宮「やっぱり……」

剣士「………」

蒼頭「某がやろう……それを投げればいいのだろ?」

剣士「あ、ああ……」

蒼頭「姫様……」

姫宮「………」

蒼頭「……姫様の命運を賭す小銭、某が投げますぞ?」

姫宮「………」コクッ……

剣士「………」

蒼頭「然らば……タアアアアッ!」ピンッ!

ワアアアアアッ!

剣士「な、なんだ!?」

だ、大臣様が……大臣様が生きていたぞぉぉぉッ!!!

蒼頭、姫宮「……ッ!」

大臣「………」

姫宮「大臣……」

大臣「女王……お帰りなさいませ。そしてありがとうございます……」

姫宮「お礼なんて……」

大臣「何を仰います……女王がこの者達を集め、この国をお救いになられたではありませんか」

姫宮「……私は何もしないから」

大臣「………」

姫宮「私はただ……ここにいただけ……」

大臣「女王がいたからこそでは御座いませんか?……この者達や後ろにいる者達が女王の為に戦っていたのは」

姫宮「………」

大臣「さあ、女王。お仕事で御座いますよ。……皆にこの国の無事と復旧を誓う言葉をかけてあげてください」

姫宮「でも……私は……」

大臣「………」

剣士「私はなんだ?これ見ろよ」

姫宮「………」

剣士「コインは表だ。……お前は女王だぜ」

姫宮「………」

剣士「ふふ……天命ってやつだなこれは。そう思うだろ蒼頭よ」

蒼頭「そうだな……」

姫宮「………」

剣士「約束だもんな……女王やれよ」

姫宮「………」

剣士「わかったな?わかったなら返事くらいしろよ」

姫宮「……わかった」

剣士「よし。……クックッ……」

蒼頭「笑うな……バレるぞ……」

剣士「バレても構わねえよ。あいつは絶対女王をやる事になってたからな」

蒼頭「絶対?……剣士、お前姫様が見ていない隙に小銭を表にしたのだろ?それで何故絶対なのだ?」

剣士「そのコイン見てみろよ」

蒼頭「………」

剣士「な?絶対裏にはならねえんだよ。なんてったって天命だからな!」

蒼頭「何が天命だ……表裏の無い小銭ではないか……」

剣士「クククッ……」

蒼頭「………」

大臣「女王……良いですな?」

姫宮「うん……」

大臣「……静まれッ!これより女王からお言葉がある!」

姫宮「………」

…………ザワ

姫宮「あの……皆……ごめんなさい……」

大臣「………」

姫宮「今まで我慢して……今まで耐えてくれて本当にありがとう……」

剣士、蒼頭「………」

姫宮「……もうこの国は自由になったよ」

……………

姫宮「………」



喚起士「ネメアとジノは隠れていた方がいいでしょう……」

ネメア「いらぬ混乱は避けねばな」

ジノ「そうだね……兄ちゃん出てったら大騒ぎだもん……」

ネメア「ジノも同じだろ……」

召喚士「何か……剣士もお姫様も無事みたいだね」

ネメア「………」

召喚士「………」

喚起士「終わりましたね……」

ネメア「………」

喚起士「ネメア……私はこれからどうすればいいのでしょう……」

ネメア「これから?」

喚起士「はい……ジノが帰えったその後ですね……」

ネメア「………」

喚起士「あっ……ネメアの用件がまだ残ってましたね」

ネメア「……いや、それはもう済んでいる」

喚起士「え?」

召喚士「はあ?いつの間にネメアが礼をしたいって言う凄い召喚師に会ったんだよ!」

ネメア「お前は一緒に会っているだろ……何を言っているんだ……」

ジノ「兄ちゃん……召喚兄さんショックで寝込んでたからわからないと思うよ……」

ネメア「ああ……そうか。召喚士よ、喋る斧に会っただろ?あいつがそうだったんだ」

召喚士「あの性悪斧がそうだったのかよ……」

喚起士「ジノ……どう言う事です?」

ネメア「私から話そう。召喚士がふざけた帽子を……」



ネメア「と、言うわけだ」

喚起士「そうだったんですか……」

ネメア (魔王の魂の破片が込められた武器の事は流石に言えぬがな……)

喚起士「………」

ネメア「……それでジノが帰った後
だったな」

喚起士「はい……私にはもう召喚を生業とする力はありません……」

ネメア「………」

喚起士「今までそれを頼りに生きてきて……兄の仇を討って……」

ネメア「………」

喚起士「それも終わり私はこれからどうすればいいか……」

ネメア「………」

召喚士「……喚起士さん」

喚起士「はい……」

召喚士「喚起士さんには……その体があるじゃないですか……」

喚起士「………」

ネメア「お前な……くだらん事を言う時は空気を読んで

召喚士「誰がこんな真面目な話に割り込んで下の話をするかよ!」

ネメア「ち、違ったのか……すまん……」

喚起士 (違ったのですね……)

召喚士「長年培ってきた召喚の知識とか……まだ喚起士さんには色々あるじゃないですか」

喚起士「………」

召喚士「魔力が無くて召喚出来ないって言っても喚起士さんには出来る事まだ沢山あると思うんですよ……」

喚起士「………」

召喚士「………」

執事「差し出がましいと思いますが……私めも同意見で御座います」

喚起士「………」

執事「終わったならまた始めれば良いだけの事。何も迷う事など無いと思いますが」

喚起士「………」

執事「私めはそれが出来る貴女様が大変羨ましく思います……」

喚起士「羨ましいとは……?」

執事「……それは後程」

喚起士「はあ……?」

召喚士 (だあああ!今俺が喚起士さんと話してるのに割り込んでくるなよ!)

喚起士「……召喚士さん?」

召喚士 (人が格好良く!決めようとしてたのに!)

喚起士「……?」

盗賊「………」!

ジノ「パイアどうしたの?」

盗賊「………」パサッダッ!

ダダダダダッ!

ジノ「………」

ネメア「パイアは……何かあったのか?」

ジノ「わからない……顔隠して外行ったけど……」

ネメア「ふむ?」

女王が連れ拐われたぞぉぉぉ……

ネメア「……は?」

ダダダダダッ!

姫宮「え?なに?盗賊?え?え?」

盗賊「ここにいて……」

姫宮「うん……?」

ネメア「パイア何をして

ガバァッ!

召喚士「なななな何するんだパイア!は、離せよ!」

盗賊「………」グイッ!

イデデデ!痛いってパイアァァ……

ダダダダダッ!

姫宮、ネメア「………」

魔王がまだ生きているぞぉぉぉぉ!

姫宮、ネメア「………」

おおおおッ!女王が魔王に殴りかかってぇぇぇッ!

姫宮、ネメア「………」

女王ッ!女王ッ!女王ッ!

姫宮、ネメア「………」

女王が魔王に止めを刺したッ!

姫宮、ネメア「………」

ワアアアアアアッ!

ネメア「うむ……一件落着だ……」

姫宮「………」

ネメア「………」

ーーーー

姫宮「………」

大臣「さあ女王……我が国政の勉強を学ぶお時間ですぞ」

姫宮「………」

大臣「……早いもので、あれから一週間ですか」

姫宮「うん……」

大臣「………」

姫宮「周りの人々はどう?」

大臣「兵達は件の一件見て落ち着きを取り戻しつつあります。まだ熱が治まらない者もおりますが……」

姫宮「そっか……」

大臣「………」

姫宮「ねえ……」

大臣「なんで御座いましょう?」

姫宮「本当に……私がこのまま女王をしてもいいのかな……」

大臣「………」

姫宮「私は御父様の子供じゃ無いのに……」

大臣「………」

姫宮「………」

大臣「いいえ。女王は亡き王の御息女で御座います。それが血の繋がらない間柄であったとしても」

姫宮「………」

大臣「……私はそう思っております」

姫宮「………」

大臣「それに女王をやると決めたのですよね。ならば亡き王の意志を継ぎ……この国を治めるべきだと思われますが」

姫宮「うん……そうだね……」

大臣「………」

姫宮「ごめんね……」

大臣「いいえ……」

コンコンッ

……宜しいでしょうか?

大臣「入れ」

カチャ

喚起士「失礼します……」

姫宮「喚起士!」

喚起士「姫宮様……」

姫宮「様はやめてよ……」

喚起士「いけません。……それに今、私は立場が違いますし」

姫宮「立場って?」

大臣「喚起士は今……私の片腕として一時的に雇い入れていましてな。その立場ならば流石に前のように呼ぶなど出来ますまい」

姫宮「………」

喚起士「そう言うわけなんです!」

姫宮「そうなんだ……でも、喚起士はこの国を救った一人なんだからそんな事しないでも……」

喚起士「………」

大臣「この者はまだ前の件が終わっていない……そう思っております」

喚起士「まだこの国が安定を取り戻すまで時間がかかると思うんですよ……」

姫宮「………」

喚起士「私に出来る事は微々たるものですが……少しでもお役に立ちたいと願い出たんです」

姫宮「そうか……ありがとう喚起士……」

喚起士「いえ……それにジノを匿って貰っていますから」

姫宮「あ、ジノはどう?大丈夫?」

喚起士「はい。まだちゃんと動けるようになるには時間がかかりますが」

姫宮「そっか……」



ネメア「………」

ジノ「兄ちゃん……何かやってよ」

ネメア「何かってなんだ……」

ジノ「暇なの!つまんないの!喚起士忙しくて構ってくれないし!」

ネメア「怪我をしているのだ。ジッとしていろ……」

ジノ「うう……」

ネメア「………」

ジノ「はああ……帰る時までこんな所にいないといけないのかなぁ……」

ネメア「仕方無いな。人間の前に出ては混乱を招くだけだ」

ジノ「そうだけど……兄ちゃんと二人っきりって言うのも嫌なの!」

ネメア「嫌とか……言うんじゃない……」

ジノ「召喚兄さんでも来ればからかって遊ぶのに……」

ネメア「………」

ジノ「暇だなぁ……」

ネメア「ジノよ……召喚士には感謝しても感謝しきれんな……」

ジノ「何いきなり……」

ネメア「………」

ジノ「……?確かに喚起士の事とか身代わりになってくれた事は感謝するけど……」

ネメア「そうではない」

ジノ「そうではない?……どう言う事?」

ネメア「……あいつはジノがしようとしていた事を聞いた時な、どうしたと思う?」

ジノ「あたしがしようとしていた事……カンヘルもろとも死んじゃおうかってしてた事……?」

ネメア「そうだ」

ジノ「それ聞いて召喚兄さんは……大爆笑した?」

ネメア「違う……」

ジノ「なら……クスッと笑った?」

ネメア「……逆だ。あいつは凄い剣幕で怒り出してな……」

ジノ「………」

ネメア「お前がジノを助けてやらなくて誰がたすけるんだよ!……と言われて」

ジノ「………」

ネメア「黙って見ている事しか出来なかった私を……な」

ジノ「そんな事があったんだ……」

ネメア「召喚士があそこで怒らなければ……今は無いだろう……」

ジノ「………」

ネメア「………」

ジノ「……そっか。ふふっ」

ネメア「………」

ジノ「召喚兄さん……」



蒼頭「………」

兵士「おい!魔王!しっかり掃除しとけよ!」

召喚士「へい!」

士卒「おい!魔王!鎧ちゃんと磨いとけよ!」

召喚士「へい!」

蒼頭「………」

召喚士「もおおお……なんで……なんで俺の扱いがこんなんなんだよぉぉ!」

蒼頭「………」

召喚士「お姫様助けるの協力したのに酷いだろ!」

蒼頭「魔王などと名乗るから悪いので御座ろう……」

召喚士「ぐぬぬ……」

蒼頭「それに魔王と名乗って生かせて貰っているのですから……」

召喚士「そうだけどさ……いつまで雑用やらされるんだろ……」

蒼頭「………」

召喚士「お姫様もさ……もっと気をきかせてこの国の英雄である俺達をだな!」

蒼頭「………」

召喚士「こう……なんて言うの?酒池肉林?みたいな持て成しとかするべきなんじゃないの!」

蒼頭「………」

召喚士「……ったく!蒼頭もそう思うだろ!」

蒼頭「思いませぬ……」

召喚士「なんでぇ?蒼頭だって助けるの協力したんだからこんな雑用してる事も無いじゃんか!」

蒼頭「某は結局……何も出来なかった故その資格はありませぬ……」

召喚士「………」

蒼頭「それにこの仕事は好きでやっているので某はこの扱いで構わないのですが……」

召喚士「それでもさ英雄だぞ英雄!」

蒼頭「………」

召喚士「……何?」

蒼頭「英雄は……姫様一人居れば充分では御座らんか……」

召喚士「………」

蒼頭「それに某は英雄と言う器では御座らんし……」

召喚士「御座御座言ってるけど……それでも頑張ったんだからそれなりの美味しい思いしても

兵士「おい!魔王!」

召喚士「なに!今ちょっと忙しいんだけど!」

兵士「何が忙しいだ!サボってんじゃない!」

召喚士「それはこっちも同じだろ!なんで俺だけに言うの!」

兵士「……そ、それは……うるさい!魔王が口答えするな!」

召喚士「………」イラッ……

兵士「いいからしっかりやれよ!」

召喚士「………」

蒼頭「………」

召喚士「なんだよあれ……」

蒼頭「召喚士殿……すいませぬ……」

召喚士「別に蒼頭が悪いんじゃ無いからいいよ……クソォ覚えてろよアイツ……」

蒼頭「………」

傭兵「オッス!やってるな!」

召喚士、蒼頭「………」

傭兵「……なんだ?」

召喚士「なんでいるの……?」

傭兵「なんでって……帰ろうと思っても帰して貰えないからだな」

蒼頭「帰して貰えない?」

傭兵「ほら……俺はお前らに付いてったろ?色々と聴きたい事があるんだとよ」

召喚士「へぇ……」

傭兵「ところで、遠目から見てたが何かあったのか?」

召喚士「俺だけサボるなって文句言われたよ……俺だけね!」

傭兵「………」

召喚士「蒼頭が美人だからえこひいきしてんだアレ……」

傭兵「……それは違うな」

召喚士「は?……何が違うの?」

傭兵「蒼頭が美人だからって言うのは合ってるがそれだけじゃない……別に理由があるんだよ……」

召喚士「………」

傭兵「蒼頭はな……元々この城で雑用してたのは知ってるよな?」

召喚士「うん……で?」

傭兵「で、顔を晒すまでは皆蒼頭の事を男だと思ってたわけだ」

召喚士「………」

傭兵「寝食共にしても気付かれない……野郎共に囲まれて生活してたんだよ……」

召喚士「それがなんなの……?」

傭兵「わからないか?……野郎共が集まれば下世話な話もするだろ?野郎同士でしか出来ない話もするわけだ……」

召喚士「………」

傭兵「そんなのを蒼頭に聴かれていたんだぞ……誰も何も言えなくなるって……」

召喚士「なるほど……」

蒼頭「それで城の男共が某に対しておかしな態度をとっていたので御座るか……」

傭兵「しかもコイツ……大体の男共の知られたくない秘密握ってるからな……」

蒼頭「そんな大それた事など某わかりませぬが……」

傭兵「……さっきの奴と何か話した事あるか?」

蒼頭「まぁ……世間話程度ならば……」

傭兵「なんて話した?」

蒼頭「息子が小さい上に早いとか皮がなんとかと言う話はした事がありましたな」

傭兵、召喚士「………」

蒼頭「背は伸びぬが足が早いご子息なのでしょう。皮の意味はわかりませぬが」

傭兵「……な?」

召喚士「うん……よくわかったよ……」

蒼頭「……?」

女官「蒼頭さぁん!」

蒼頭「女官殿如何なされた?」

女官「ちょっとお話があります。今、お時間いいですか?」

蒼頭「はぁ、少しならば」

女官「ほら!言いなさいって!」

侍女「………」モジモジ……

蒼頭「………」

侍女「あの……これ……」

蒼頭「……これ?」

侍女「私が……作りました……」

蒼頭「………」

侍女「受け取って貰えますか……?」

蒼頭「ありがとう御座ります……?」

侍女「あと……あと……」

蒼頭「あと……なんで御座ろう?」

侍女「………」モジモジ

女官「ビシッと決めて!頑張って!」

侍女「……うん」

蒼頭「………」

侍女「す、す……好きです……」

蒼頭「……は?」

侍女「お付き合い……して貰えますか……?」

蒼頭「………」

侍女「………」

蒼頭「某……女ですぞ?」

侍女「それはわかってます!……わかって言ってます……」

蒼頭「………」

傭兵「……ああ言う輩に好かれる顔なんだな。蒼頭は……」

召喚士「………」

傭兵「美人って大変なんだな……」

召喚士「そうだね……」

傭兵、召喚士「………」



剣士「しかしな……」

執事、盗賊「………」

剣士「こんな所に墓なんか作っていいのかよ……」

執事「許可は得ていますので。それに城の裏側にあるこの場所なら人目にも付きません」

剣士「そっか。……ほれ盗賊、こう手を合わせてなナムナムってやるんだぜ」

盗賊「………」ナムナム

剣士「………」

執事「坊っちゃん……」

剣士「馬鹿だよな……本気でやろうなんて思ってたのかな……」

執事「………」

剣士「争いの無い世界を作ろうだなんて」

執事「………」

剣士「俺ならこんな馬鹿げた事考えねえけど……」

執事「………」

剣士「でも……実現してたらどうなってたんだろうな」

執事「さあ……私めにもそれはわかりません」

剣士「………」

執事「………」

剣士「こいつな……死ぬ間際俺になんて言ったと思う」

執事「………」

剣士「いい剣を手に入れたなだとよ。笑っちまうよな」

執事「………」

剣士「屑だなんだ言ってた息子に対して死ぬ間際に親父面するんだぜ」

執事「………」

剣士「……今更かよ。遅えよ……なんで最後だけそんな事するんだよ……」

執事「………」

剣士「最初から……いや、ねえなこの親父がそんな事する筈がねえ。親子の縁を大事にするなんて事な……」

執事「………」

剣士「それにしても……なんで死んだ後まで俺に嫌がらせすんのかね……こいつは」

執事「それは親子でございますから」

剣士「……似てるって言いたいのか?」

執事「ええ」

剣士「似てねえよ……俺はコイツみたいに意地悪くねえもの……」

執事「そこでは無く……やろうとしていた事で御座います」

剣士「………」

執事「……坊っちゃんも世界を変えようとしておられたのですよね?」

剣士「俺は……別にそんなデケえ事しようとは思ってねえよ。ただ……今のままが嫌だったから……」

執事「結果的に同じだと思いますが」

剣士「………」

執事「ふふっ……」

剣士「爺もやな奴だな……」

執事「坊っちゃんはこれからどうするのですか?」

剣士「こいつの尻拭いだよ。めんどくせえ……」

執事「………」

剣士「でも仕方ねえよな……嫌でも俺は親父の息子だもんな……」

執事「………」

剣士「誰かにってわけにはいかねえし。はぁ本当めんどくせえ……」

執事「あの……坊っちゃん……」

剣士「……爺はここに残れよ」

執事「………」

剣士「ここに残って姫さんの力になってやってくれよ。こっちは盗賊いるしな」

執事「ですが……」

剣士「………」

執事「………」

剣士「そう困った顔するなよ。……俺が爺を使ってやるから」

執事「………」

剣士「聞いたぜ。主人に仕えてねえと爺は生きられねえって」

執事「………」

剣士「それなら俺が主人ってやつになってやるよ。それならいいだろ?」

執事「はい……」

剣士「じゃあ命令だ。ここに残って姫さん助けてやってくれ……いいな?」

執事「はい!かしこまりました!」

剣士「よし……じゃあ行ってくるわ。喚起士に聞いたらネメア達が帰るのは三ヶ月後くらいって言ってたからな」

執事「………」

剣士「それぐらいには帰ってくるぜ」

執事「かしこまりました」

剣士「じゃあな爺、こっちは宜しくな」

執事「はい。行ってらっしゃいませ旦那様」



ネメア「ふむ……」

ジノ、喚起士「………」

コンコンッ……カチャ

召喚士「うーいジノ、餌だぞ」

ジノ「あたしをペットみたいに扱うな!」

召喚士「同じようなもんだろ?」

ジノ「全っ然同じじゃ無いし!」

召喚士「あれ?喚起士いたんですか」

ジノ「こっちを無視するな!」

喚起士「ちょっとネメアに相談をですね……」

召喚士「へぇそうなんですか」

喚起士「………」

召喚士「……?」

ネメア「しかしな……それを私に相談されても困るぞ」

喚起士「そうですよね……」

ジノ「それちゃんとリクエストした人肉?」

召喚士「アホか!んなもん用意出来るか!」

ジノ「ええ!ちゃんとリクエストしたじゃん!」

召喚士「そんな生け贄みたいな事出来んわ!」

ジノ「召喚兄さん使えなぁーいなぁ!」

召喚士「……そもそも何で食べ物いるんだよ。今までいらなかっただろ……」

ジノ「喚起士の魔力あと少ししか無いから……それの足しになればと思って……」

召喚士「……そうなのか」

ジノ「………」

召喚士「そうだ!俺と契約すればいいんじゃないか!俺は魔力

ジノ「それだけは絶っっっっ対イヤッ!」

召喚士「………」

ジノ「召喚兄さんと契約するくらいなら帰った方がマシだもん!」

召喚士「………」

ネメア「静かにしないか!……ったく。喚起士よ、やはり私ではお前の力にはなれそうにない……すまんな」

喚起士「いえ……気にしないでください」

ネメア「………」

召喚士「何々?」

ネメア「……お前には関係の無い事だ」

召喚士「聞くだけだしいいだろ!」

ネメア「……聞くだけなのか」

召喚士「それで何?」

ネメア「この国の財政が少し厳しいと話てたんだ」

召喚士「………」

喚起士「ネメアなら……何か助言を頂けるかもと思い相談していたんですよ……」

ジノ「いい考えがあるよ……人間……間引こうよ……」

喚起士「………」

ジノ「え?あれ?……あたし何か言った……?」

喚起士「………」

ネメア「不味いな……」

喚起士「ジノは……やはり魔力が足りなくなってきてるんでしょうか……」

ネメア「そうだな……召喚器にでもなれれば違うのだろうが……」

喚起士「………」

ジノ「……喚起士」

喚起士「………」

ネメア「ジノ……そう不安がるな。いざとなったら私が止める」

ジノ「兄ちゃん……」

ネメア「………」

召喚士「喚起士さん、財政が少し厳しいってどれくらいお金が足りないんですか?」

喚起士「そうですね……何か観光の目玉になるような物があれば長く保持出来ると思いますが……」

ネメア「この谷間にある国では難しいだろうな……」

召喚士「観光の目玉ね……」チラッ

ネメア「……なんだ?」

召喚士「………」ニヤッ

ネメア「………」

召喚士「喚起士さん……観光の目玉ありますよぉ」

喚起士「何処にでしょう?」

ネメア「わ、私は絶対にやらんぞ!」

召喚士「ほら!お姫様助ける為じゃん!」

喚起士「……?」



召喚士「宜しく頼むよ」

女兵士「任しといてって!」

ネメア「絶対うまくいく筈が無い……やめておけ……」

喚起士「本当にネメアを目当てに人が集まって来るのでしょうか……」

女兵士「それは大丈夫って!何てったって本家本元のネメア神がいるから!」

喚起士「ネメア……神?」

ネメア「………」

女兵士「これ」ペラッ

喚起士「ハンカチ?……ネメアの刺繍が何故?」

女兵士「これ持ってると恋愛運爆上げって!」

喚起士「………」

女兵士「ハンカチの刺繍でこれなんだから……本物触れたらね?ふふふ……」

喚起士「そ、そうですか……」

女兵士「何処かの国の騎士もネメアの刺繍を施した物持ってたら結婚出来たってね!」

喚起士「へぇ……」

女兵士「それでね!それでね!その噂がジワジワと

喚起士「あの……もう宜しいので……」

女兵士「そお?」

ネメア「一体どこのどいつがそんなふざけた噂を広めたんだ……」

喚起士「そうですね……ネメアと恋愛は関係無く思うのですが……」

女兵士「じゃ!谷の国恋愛運上げ上げ特殊広報部隊出動してくるって!」

召喚士「うむ!健闘を祈る!」

ネメア「……あのような部隊を作ったのか?」

喚起士「いえ……あの方お一人ですし……」

女兵士「え?一人じゃ無いって」

喚起士「は?何方かと同行するのですか?」

女兵士「執事と傭兵連れてくし」

喚起士「………」

女兵士「女の一人旅なんて危ないしって!許可くれますよね?恋愛課秘書代理!」

喚起士「私にその様な役職を勝手に付けないでください……」

ネメア「………」

喚起士「その方達が良いと言うのであれば……大臣様にそう話を通しておきますよ」

女兵士「了解って!」

喚起士「女兵士さんお願いしますね……後、国税で遊ぶなど無いと思いますがくれぐれも羽目を外さぬようにお願いします」

女兵士「……も、モチってぇ。真面目にやるから大丈夫ぅ……」

喚起士「………」



傭兵「………」

執事「何故私めが……旦那様との約束が……」ブツブツ……

傭兵「あんた……なんで女兵士と一緒に行くの……?」

執事「………」

傭兵「………」

執事「はぁぁぁぁぁ……」

傭兵「い、言わないでいいぜ……強引に付いて来いって言われたんだろ……」

執事「はぁぁぁぁぁ……」

傭兵「……あんたアホみたいに強いって蒼頭に聞いたぜ。何かあっても安心だな!」

執事「はぁぁぁぁぁ……」

傭兵「一緒に行くのそんな嫌か……?」

執事「……嫌に決まっています」

傭兵「じゃあなんで……」

執事「はぁぁぁぁぁ……」

傭兵「それはもう良いから理由を教えてくれよ……」

執事「先程、貴方様が仰っていたではありませんか……強引にで御座いますよ……」

傭兵「そうだけどよ……いくら強引にって言ってもあんた強いんだから断っても……」

執事「……苦手なので御座います」

傭兵「何が……?」

執事「女兵士様が……」

傭兵「なら付いて行くの断れば良かったんじゃないか?」

執事「………」

傭兵「……?」

執事「付いて来なければ一生付きまとってやると言われまして……」

傭兵「………」

執事「仕方無く……はぁぁぁぁぁ……」

傭兵「……相談乗ろうか?」

執事「結構で御座います……」

傭兵「そっか……」

執事「………」

傭兵 (女兵士……この爺様に苦手だんなて言われる程なにやったんだ……?)

執事「聞いても宜しいでしょうか?」

傭兵「あ、ああ……なんだ?」

執事「貴方様が付いて行く理由は何で御座いましょう?」

傭兵「俺は帰るついでだからさ一緒にってわけだ」

執事「……は?」

傭兵「何か問題あるか?」

執事「それは……行きは一緒でも帰りは一緒では無いと言った意味で御座いましょか……?」

傭兵「まあそうなるよな」

執事「………」

傭兵「途中でお別れだ」

執事「………」

傭兵「二、三日は一緒に行動する事になるだろうがな」

執事「に、二、三日ッ!?」

傭兵「なななんだ?大声出して……」

執事「………」フラッ……

傭兵「お、おい!どうした!」

執事「あ……ああ……一ヶ月近くも女兵士様と御一緒しないといけないなんて……はは……」

傭兵「………」

執事「あああああ……」

傭兵「そこまで嫌なのか……」

執事「あああああ……」

傭兵「………」

ーー

ジノ「暇ぁ……」

コンコン……カチャ

召喚士「ジノぉ飯だぞ」

ジノ「………」

召喚士「どうした?」

ジノ「ひーまー!」

召喚士「仕方無いだろ……我慢しろよ……」

ジノ「じゃあ兄ちゃん持ってかないでよ!」

召喚士「ネメアにはやる事やってもらってるから駄目!」

ジノ「あれ……本気でやってるの?」

召喚士「本気本気!凄いんだぞ!城内の女の人にネメア大人気!」

ジノ「………」

召喚士「ここでそれだけなんだからな……ネメアがここに居るって周辺に噂が広まれば……ふふ!」

ジノ「………」

召喚士「なんか大臣のオッサンも乗り気になってな、ネメア殿造ろうって話も出てるんだよ」

ジノ「ネメア殿って……そんな建物造って失敗したらって考えないのかな……」

召喚士「いいんじゃないか。失敗しても責任は全部大臣のオッサンがとるわけだし」

ジノ「………」

召喚士「な!」

ジノ「でも、言い出しっぺは召喚兄さんでしょ?召喚兄さんも何か責任取らされるんじゃないの?」

召喚士「……え?」

ジノ「え?じゃなくて……普通そうじゃ……」

召喚士「………」

ジノ「………」

召喚士「もしさ……失敗して責任を取らされる事になったらどうなるのかな……?」

ジノ「さあ……わかんないけど、ここで一生タダ働きとか?」

召喚士「………」

ジノ「最悪、首吊りとかじゃない……?」

召喚士「………」サァ……

ジノ「召喚兄さんはただでさえ魔王とか言われてるのに……失敗して生かしとく理由は無いもんね!」

召喚士「あ、アホか……そんなんで殺されてたまるか……」

ジノ「じゃあ!殺される前にあたしが食べてあげる!ね!良いでしょ?」

召喚士「………」

ジノ「召喚兄さん不味そうだけど贅沢も言ってられないしぃ!」

召喚士「待て!……お前なんだか変だぞ……?」

ジノ「………」

召喚士「………」

ジノ「あああ……まただ……」

召喚士「また……?」

ジノ「ほら……あたし今は喚起士が残した少ない魔力でこの世界にいるんだけど……」

召喚士「うん……」

ジノ「どうしてもそれだけじゃ魔力が足りないんだよ……足りないとね……」

召喚士「………」

ジノ「こう……人間食べたくなったり……人間食べたくなったり……人間食べたくなったり……」

召喚士「………」ジリ……

ジノ「召喚兄さんでもいいから食べたくなったり……」

召喚士「………」ジリジリ……

ジノ「ふふふ……」

召喚士「や、やめろよ……」

ジノ「なんて!冗談だよ!」

召喚士「………」

ジノ「冗談だから大丈夫だよ……」

召喚士「まったく冗談に聞こえないんだが……」

ジノ「いくらなんでも命の恩人を食べたりしないって!」

召喚士「……本当か?」

ジノ「本当本当!」

召喚士「………」

ジノ「召喚兄さんさ……あたしの事で怒ったんだって?」

召喚士「な、なんだよいきなり……」

ジノ「兄ちゃんから聞いたんだよ……あたしが喚起士の為にしようとしてた事を聞いたら怒ったって」

召喚士「………」

ジノ「ふふ……本当?」

召喚士「まあ……本当だな。親子とか兄弟って大事だろ?」

ジノ「………」

召喚士「俺……そう言うの爺ちゃんくらいしかいなかったしさ……」

ジノ「………」

召喚士「身近にいたのに急に欠けるなんて思い……嫌だろ?あ、これはネメアに言う方か……」

ジノ「いや、いいよ。なんで怒ったのかなって知りたかったからね」

召喚士「そっか……」

ジノ「召喚兄さん……ありがとう……」

召喚士「いいって。そんなお礼言われる程の事じゃ無いし」

ジノ「………」

召喚士「……?」

ジノ「召喚兄さん……お礼に触らせてあげようか?」

召喚士「……は?ななななな何を!?」

ジノ「触りたいって言ってた物……」

召喚士「………」

ジノ「………」

召喚士「オッパ

ジノ「肉球ッ!」

召喚士「……そっちか。なんだ……」

ジノ「なんで残念がるの……普通に考えてオッパイ触らせるわけ無いじゃん!」

召喚士「いいじゃないか!減るもんじゃ無いし!」

ジノ「召喚兄さんに触らせたら減るもん!」

召喚士「………」

ジノ「触るの!触らないの!」

召喚士「……触ります」

ジノ「はい!」

召喚士「……おお?」グニ

ジノ「………」

召喚士「中々にいい感触だな……」グニグニ

ジノ「………」プルプル

召喚士「お、面白いかも……」グニグニグニグニ

ジノ「ちょっと召喚兄さん……くすぐったい……」

召喚士「ふ……ふふ……」グニグニ

ジノ「いや……ちょっと……」

召喚士「………」グニグニ

ジノ「あ……本当に……やめ……」

召喚士「これがいいんだろジノぉぉフハハハ!」グニグニ

ガシャーンッ!

召喚士、ジノ「ふえ!?」

喚起士「………」

召喚士、ジノ「………」

喚起士「何を……なさっているんですか……」

召喚士「ちちちち違いますよ!喚起士さん!なあジノ!」

喚起士「………」

ジノ「ふぇぇん喚起士ぃ……あたしが怪我して動けない事をいいことに召喚兄さんがエッチな事色々してくるよぉぉ」

召喚士「ばっ!おまッ!」

喚起士「………」

召喚士「デタラメ言うなよッ!」

ジノ「ふぇぇぇぇん!」

喚起士「………」

召喚士「……違いますからね?本当ですよ?」

喚起士「表へ出なさい……」

召喚士「いや……」

喚起士「表へッ!出なさいッ!」

召喚士「は、はい!」

ジノ「………」

ジノ「………」

ギャアアアアッ!

ジノ「………」

ジノ「ごめん召喚兄さん……」

ジノ「ちょっと面白いかもって嘘ついちゃった……」



ネメア「……グァァ」

姫宮「嫌なら止めていいよ……?」

ネメア「嫌だが……私が協力する事で少しでも役立つならば……」

姫宮「………」

ネメア「グァァ……」

バターンッ!

女官、侍女「………」

ネメア「……グッ」

女官「さあ!お撫でなさい!」

侍女「はぁぁ!どうか!どうか!あの方との仲をぉぉ!」ナデナデッ!

ネメア「………」

女官「………」ナデナデッ!

ネメア「………」

女官、侍女「………」ナデナデッ!

ネメア「真顔で撫でるのはやめてくれ……」

女官「おお!ネメアからの有り難い御言葉ですよ!」

侍女「ははあぁ……」

ネメア「………」

姫宮「………」

女官、侍女「………」ナムナムッ!

ネメア「………」

女官「今日の礼拝終わり!行きますわよ!」

侍女「はい!」

バターンッ!

ネメア「………」

姫宮「何か……凄い疲れた顔してるけど大丈夫……?」

ネメア「……この程度なら平気だ。まだ耐えられる……」

姫宮「あのね……言いづらいんだけど……」

ネメア「なんだ……」

姫宮「……今、周辺の村や町とか……国とかにネメアがここに召喚されたって吹聴して回って貰ってるんだって」

ネメア「なん……だと……」

姫宮「もしかしたらこの規模で収まらないかも……」

ネメア「………」

姫宮「………」

ネメア「グァァ……」

姫宮「で、でもね!人はそんなに集まらないかもしれないし……」

ネメア「集まられてたまるか……」

姫宮「………」

ネメア「今でも限界だと言うのに……これ以上は……」

姫宮「………」

ネメア「胃が痛くなってきた……」

姫宮「魔物でも胃が痛くなるんだ……」

バタンッ

大臣「おお!ネメア宜しくやっていますかな!」

ネメア、姫宮「………」

大臣「女王もおいででしたか。ならば丁度いい……」

ネメア「……丁度いいだと?なにがだ?」

大臣「ネメア殿の建設についてですな!」

姫宮「ネメア……殿?」

大臣「ええ!これを機にネメアを祀る

ネメア「やめろ!」

大臣「はて?何故そのような事を仰るか?」

ネメア「財政難なのだろ!そのような無駄な事に国税を使う必要が無いだろ!?」

大臣「ふむ」

ネメア「………」

大臣「財政難だからと何もせず保守的な考えでいたなら……国は衰退の一途を辿るでしょうな」

ネメア「………」

大臣「そうならぬよう革新的な何かを行う必要があるのです」

ネメア「………」

大臣「わかりますか?無駄な事でもやらねばならぬ失敗に終わろうがやらねばならぬ……」

ネメア「………」

大臣「もちろん……それに伴う責任は負わねばなりませんが」

ネメア「なら……お前がその責任を負うのだな?」

大臣「それは言い出した者の責任。全てですな……ふふ……」

ネメア「………」

姫宮 (大臣のあんな悪どい顔初めて見た……)

ネメア「それは構わぬが……他に無いのか?私では無いなにかが!」

大臣「ありません。あったとしてももうネメア殿の建設に着工していますからな」

ネメア「既に作り始めているのか……」

大臣「もう止める事も戻る事も出来ない所まで来てますからな!」

ネメア「………」

姫宮「そこまでして……何か私達に用事あるの?」

大臣「おお!そうでした!女王とネメアの承諾を得たいと思いましてな!」

ネメア「貴様!それでは順番が逆ではないか!」

大臣「そうですな。私とした事がうっかりしてましたな……ははは!」

ネメア「グァァ……こいつ……」

大臣「そうそう、もし承諾を戴けないのであれば……この国は崩壊……城の者は即路頭に迷う事になりますな……」

ネメア「………」

大臣「そんな事になれば……後は言わないでもわかりますな?」

ネメア、姫宮「………」

大臣「……承諾を頂けますな?」

ネメア「卑怯者め……」

大臣「ふふっ……」

ネメア「………」

大臣「では、私はやる事がありますので失礼を。女王……参りましょか」

姫宮「え?私も行くの?」

大臣「女王……まだやらなければならない勉強が残っていますよ」

姫宮「今日の分は終わったと思うけど……」

大臣「いいえ、残っております」

姫宮「………」

大臣「ネメア……また」

カチャ

ネメア「………」

ネメア「人間も大変なものだな……悪を演じなければならぬ時もあるか……」

ネメア「………」



大臣「………」

姫宮「……ねぇ大臣」

大臣「何で御座いましょう?」

姫宮「本当に……まだ残ってるの?」

大臣「いいえ、残っておりませんよ」

姫宮「………」

大臣「女王……私は幾つか嘘を付きました……お許しください……」

姫宮「嘘?」

大臣「先程の事やネメアの事に関してで御座います……」

姫宮「………」

大臣「私は責任を言い出した者が取ると言いましたな?」

姫宮「うん……」

大臣「そんな事は致しません。私が全て責任を負います……どんな結果になろうともですな」

姫宮「………」

大臣「これは……何かを変える最大の好機なので御座います……」

姫宮「………」

大臣「ですからネメアに是が非でも協力をして貰わなければ……その為なら私は何でもしようと……」

姫宮「……悪役を演じる事も?」

大臣「はい……」

姫宮「そっか……私ね、大臣が悪い事考えてるんじゃって思ったの……」

大臣「………」

姫宮「でもそうじゃ無くて良かったよ……」

大臣「女王……」

姫宮「……ねえ?ネメア殿の事も嘘なんだよね?」

大臣「いいえ、それは本当で御座いますな」

姫宮「……え?」

大臣「はははは!大理石で出来た立派な物になりますぞ!」

姫宮「………」



召喚士「おごご……」ボロボロ

ジノ「マジでごめんて……」

召喚士「許せるかぁ!何故嘘付くんだよ!」

ジノ「暇だったから何か面白い事でも!と思って……」

召喚士「なんにも面白くないわ!」

ジノ「それに召喚兄さんの手つきヤラシかったし!あながち間違いでも無かったしぃ!」

召喚士「てめえ……」

ジノ「でもさ!触ってたのが肉球で良かったじゃん。これがオッパイだったら……ね?」

召喚士「そんなの喚起士さんに見られてたら人間として終わってるわ……」

ジノ「だからもういいじゃん!」

召喚士「良くないだろ!俺ぶん殴られてるんだぞ!」

ジノ「いつまでもグチグチ言うの良くないよ!」

召喚士「こいつ……」

ジノ「……仕方無いなぁ、兄ちゃんの秘密教えてあげるから許してよ」

召喚士「ネメアの?」

ジノ「そう!」

召喚士「なんだよ……ネメアの秘密って。アレに弱いとかだったら興味ないぞ?」

ジノ「兄ちゃんと相瀬を重ねる相手がいるんだけどなぁ……」

召喚士「………」

ジノ「知りたい?知りたいよねぇ……?」

召喚士「いいから言えよ……誰だ?」

ジノ「なんとビックリ!蒼頭なんだって!」

召喚士「………」

ジノ「……あれ?驚かないの?」

召喚士「い、いや……驚いてるよ……」

ジノ「そお?」

召喚士 (ジノが言うんだからやっぱり本当だったのか……)

ジノ「やるよね兄ちゃん!」

召喚士「そうだな……」

ジノ「あの穴に落ちた時あったでしょ?」

召喚士「うん……」

ジノ「迎えに行った時なんぁんか怪しかったもん!」

召喚士「へ、へぇ……」

ジノ「で!あの夜の宿屋で絶対何かあったよね……むふふ!」

召喚士「………」

ジノ「兄ちゃんと蒼頭が二人っきりで同じ部屋に……わはッ!」

召喚士「………」

ジノ「兄ちゃんやらしい!」

召喚士「………」

ジノ「ね!召喚兄さん!」

召喚士「あ、ああ……でもさ……ネメア真面目だからそこまで進展してるのかな……」

ジノ「真面目だから本能に従い……繁殖活動をすると思うけど!」

召喚士「………」

ジノ「蒼頭のお腹には既に兄ちゃんとの愛の結晶が!なんて事もあり得るんだよねぇ」

召喚士「マジかよ……」

ジノ「参ったね!あたしジノ叔母さんになっちゃうよ」

召喚士「あのさ……」

ジノ「ん?なに?」

召喚士「ネメア……お前と一緒に帰っちゃうよな……?」

ジノ「あ……そっか……」

召喚士「………」

ジノ「………」

召喚士「蒼頭の奴……それだと可哀想だよな……」

ジノ「うん……」

召喚士「………」

ジノ「でもさ、蒼頭もそれはわかってるんじゃないかな……」

召喚士「………」

ジノ「ネメア殿……例え離ればなれになろうとも某の心はいつもネメア殿を……なんてぇ!」

召喚士「………」

ジノ「……いいなぁ。ちょっと憧れちゃうよね……」

召喚士「俺にはそう言うのわからないけど……」

ジノ「男の召喚兄さんじゃわからないって!」

召喚士「そう言うもの?」

ジノ「そう言うもの」

召喚士「へぇ……」

ジノ「もう夜空見上げてね!ネメア殿……見ていますか……。某の腹にいる我らが子は立派に育っておりますぞ……てぇ!」

召喚士「もういいから……」

ジノ「ええ!もっと乗ってよ!」

召喚士「………。ところでさ……ネメアと蒼頭の子供が産まれるとして、どんなんが産まれるんだろな」

ジノ「………」

召喚士「………」

ジノ「兄ちゃん似の女の子だったら悲惨だよね……」

召喚士「……想像したくないな」

ジノ「うん……」

もう一つのスレと同じ時間軸?

>>246
はい、そうです。



蒼頭「姫様……お話よろしいで御座ろうか?」

姫宮「うん。どうしたの?」

蒼頭「……あの日より、姫様は大分落ち着かれたご様子ですが如何か?」

姫宮「うん……まだちょっとあるけど……」

蒼頭「そうで御座いますか……」

姫宮「………」

蒼頭「………」

姫宮「私って……結局何なのかなって考えるの……」

蒼頭「姫様は姫様で……」

姫宮「そうじゃ無くてね……」

蒼頭「はい……」

姫宮「……何で私は御父様に育てられて何で……ここにいるのかなって」

蒼頭「………」

姫宮「知りたいんだけど……怖いの……」

蒼頭「………」

姫宮「もしね……ただ誰かの代わりが必要だっただけなら私で無くても……」

蒼頭「姫様……聞いて宜しいか?」

姫宮「うん……?」

蒼頭「王は姫様を見て微笑む事はしなかったのですか?」

姫宮「………」

蒼頭「王は姫様を叱る事はしなかったのですか?誉める事はしなかったのですか?」

姫宮「………」

蒼頭「王は……姫様に今言った事をしていたで御座ろう?」

姫宮「うん……」

蒼頭「ならば……姫様は王に愛されていたのですぞ。誰かの代わりなどでは無く……王の子として」

姫宮「………」

蒼頭「親の愛が無ければ……王は姫様に無関心だったでしょうな」

姫宮「………」

蒼頭「ですから……」

姫宮「蒼頭……ありがとう……」

蒼頭「………」

姫宮「私……ちゃんと御父様の子だったよ……」

蒼頭「……左様で御座りますか」

姫宮「………」

蒼頭「………」

姫宮「蒼頭……話ってそれの事だったの?」

蒼頭「あ……んん……」

姫宮「……?」

蒼頭「姫様……」

姫宮「うん?」

蒼頭「……姫様のご様子が落ち着かれたなら……某……」

姫宮「………」

蒼頭「故郷に帰ろうかと……思いまする……」

姫宮「………」

蒼頭「己の目的を果たし……己の役目を果たし……もうこの地にいる事は無用と考えております……」

姫宮「そっか……」

蒼頭「………」

姫宮「………」

蒼頭「姫様……その無言……しかと受け取りましたぞ……」

姫宮「………」グッ……

蒼頭「………」

姫宮「引き止めたいけど……いつまでも側にいて欲しいけど……うぅ……」

蒼頭「………」

姫宮「そんな事したら……蒼頭に嫌われちゃうもんね……」

蒼頭「………」

姫宮「………」

ーーー

召喚士「あー……」

姫宮「………」

召喚士「偽乳行ってから一週間立つけど全然人来ないな……」

姫宮「やっぱり失敗だったんじゃ無いの……?」

召喚士「………」

姫宮「………」

召喚士「あのな……失敗とか言わないでくれ……」

姫宮「……なんで?」

召喚士「もう色々と引き返せない所まで行き着いてるから……」

姫宮「……は?引き返せない所までってネメア殿の事だよね?」

召喚士「………」

姫宮「もしかしてまだ何か作ったりしたの……?」

召喚士「………」

姫宮「お願い……何を作ったりしたのか教えて……」

召喚士「ネメア召喚記念硬貨とか……ネメア抱き枕とか……」

姫宮「………」

召喚士「ネメアまんじゅうとか……ネメアペナントとか……」

姫宮「もういい……」

召喚士「………」

姫宮「………」

召喚士「しょうがなかったんだ!大臣のオッサン、俺が適当に言った物を片っ端から採用して作り始めたんだからぁぁ!」

姫宮「………」

召喚士「あそこまで乗られるとこっちも引き下がれなかったんだよぉぉ!」

姫宮「………」

召喚士「うおぉぉぉぉ……マジで作るなんて思わなかったんだよぉぉ……」

姫宮「………」

召喚士「どうしようぉぉ……こんなの絶対失敗出来ないじゃんかぁぁ……」

姫宮「召喚士……」

召喚士「………」

姫宮「言っておくけど……逃げないでね……」

召喚士「………」

姫宮「逃げようとしたら私……国家権力使うから……」

召喚士「に、逃げるわけ無いじゃないかぁやだなぁははは……」

姫宮「………」

召喚士「そうだ!お姫様知ってる!?」

姫宮「………」

召喚士「ネメアの事じゃ無いよ……いや、半分ネメアの事か」

姫宮「半分?……どうせろくな事じゃ無いんでしょ……」

召喚士「これは聞いたら驚くよ!」

姫宮「なに……」

召喚士「……蒼頭な妊娠してるんだって」

姫宮「はぁぁぁぁ??」

召喚士「情報通から聴いたからな……確実だ……」

姫宮「誰なの……情報通って……」

召喚士「ジノ……あいつが言うんだから間違いない……」

姫宮「………」

召喚士「驚きだよ……そこまで話が進んでるなんてな……」

姫宮「うん……」

召喚士「ネメアと蒼頭……これからどうするんだろうな……」

姫宮「蒼頭は……帰るみたいだよ……」

召喚士「………」

姫宮「もしかしたら……ネメアに妊娠したの悟られたく無いから帰るのかな……」

召喚士「………」

姫宮「………」

召喚士「結局は離ればなれになるからって……?」

姫宮「うん……」

召喚士「そっか……」

姫宮「………」

召喚士「これは二人の問題だからな……知らないふりしてた方がいいかもな……」

姫宮「そうだね……」

召喚士「………」

姫宮「………」

蒼頭「ほっと……召喚士殿、これはここで良ろしいか?」ガチャ

召喚士「あ、蒼頭!そんな重そうな物俺が持つから!」

蒼頭「はぁ……?」

姫宮「蒼頭!そんなに激しく動かない方がいいよ!」

蒼頭「某……いつもと変わらず……」

召喚士「お姫様の言う通りだぞ!雑用なんか馬鹿兵士達にやらしておけばいいから静かにしてろって!」

姫宮「……自分がやるって言わないんだ」



大臣「ホッホッ!ネメアペナントの刺繍の細かさは良いな!」

喚起士「………」

大臣「ネメアまんじゅうはまだ改良の余地有りか……」

喚起士「あの……」

大臣「何かな?」

喚起士「本当にこの様な事に国税を使われてしまわれても宜しいのでしょうか……」

大臣「宜しくは無い。本当は非常にマズイ事であるな……」

喚起士「なら何故……無駄と思われる事に使われるのですか……」

大臣「………」

喚起士「これが続くのであれば……国が破綻しかねません……」

大臣「……喚起士」

喚起士「なんでしょう……国が破綻しかねません……」

大臣「………」

喚起士「国が破綻しかねません……」

大臣「そう同じ事を何度も言わずともよい……」

喚起士「………」

大臣「これは私の賭けなのだ……」

喚起士「賭け?」

大臣「もしこの事が成功すれば……この度の騒ぎで犠牲になった者達や周りの親族達に賠償を支払う糧に出来る……」

喚起士「ならば尚更……」

大臣「聞け……賭けに負け失敗してもそれを補うだけの物は存在する」

喚起士「………」

大臣「それを使わざるを得ない時には……この国は存在せんがな……」

喚起士「………」

大臣「そしてその責任も全て私が背負おう」

喚起士「………」

大臣「それに何もせず……このままの状態でも国が無くなるのは時間の問題なのだから……」

喚起士「それで賭けに出た……と言うわけですか……」

大臣「………」

喚起士「女王様に断りも無く……」

大臣「……女王が背負うにはまだ幼さ過ぎる。これは先が短い者の役目だ」

喚起士「………」

大臣「私ひとりが背負えばよい。何もかも……な」

喚起士「………」

大臣「すまぬな……」

喚起士「謝る事などありません……大臣様が決めた事ですから私はもう何も言いません……」

大臣「……そうか」

喚起士「………」



召喚士「あー……暇だなぁ」

蒼頭「召喚士殿……」

召喚士「んん?」

蒼頭「立派な建物の前で……出店など置いて宜しいのか……」

召喚士「大臣のオッサンがネメア殿の中でお土産売るなって言うからさ……仕方無くだよ……」

蒼頭「………」

召喚士「つーか、これも売り捌かないとマズイのになんでネメア殿の中で売っちゃいけないんだよ!そう思うだろ蒼頭!」

蒼頭「………」

召喚士「ったく!」

来客「あの……」

召喚士「んー?なんですか?」

来客「……ネメア殿と言うのはこちらですか?」

召喚士、蒼頭「………」

来客「……?」

召喚士「なんでネメア殿の事を……?」

来客「………」チラッ

召喚士「………」

蒼頭「……?」

召喚士「この人はお前に説明したいんだと……へっ……聞いてやれよ……」

蒼頭「はあ……?何故ネメア殿の事をご存知か?」

来客「それは……恋愛成就の魔物のネメアが召喚されたと聞いてです……」

蒼頭「ならば!ここに!ネメア殿に来たと言うわけですな!?」

来客「は、はい……」ポッ……

蒼頭「召喚士殿ッ!やっと……やっと御客が参りましたぞ……?」

召喚士「……ペッ」

蒼頭「………」



姫宮「………」

召喚士「いらはいーいらはいー……」

キャーキャー私ネメアまんじゅうひとつッ!

蒼頭「かしこまり候!ああ!そこの御婦人、列を乱さないでくだされ!」

握手してくださいぃ!お名前教えてくださいぃ!キャァーッ!

召喚士「いらはいー……」

姫宮「暇そうだね……」

召喚士「………」

姫宮「それにしても……凄いね……」

召喚士「ネメア効果に蒼頭の効果を上乗せだからな……」

姫宮「………」

召喚士「きっとリピーターが多いんだよ」

姫宮「なるほど……」

召喚士「なあ、お姫様……」

姫宮「なに?」

召喚士「人間……やっぱ顔かな……」

姫宮「蒼頭は人間じゃ無いけど……」

召喚士「………」

喚起士「……蒼頭さん忙しそうですね」

姫宮「うん……こっちも同じ物売ってるんだけど……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「喚起士さん……人間やっぱ顔ですかね……」

喚起士「その様な事は……」

召喚士「………」



ネメア「何だ急に……女人が増え出して……何処から湧いてきたと言うのだ……」

……ナムナム……ナムナム……

大臣「やっと吹聴して回った効果が現れ始めたのだな」

ネメア「………」

大臣「ふふふ……これは忙しくなりそうだ!」

ネメア「………」

大臣「さあッ!御婦人方!ネメアへのお触りタイムですぞ!」

ザワッ……ギラギラ……

ネメア「………」

大臣「一列にお願いしますぞ!そこッ!割り込まないで!」

ネメア (こ、これが狩る者に睨まれた獲物の心境か……)

大臣「一人ひと撫でまで!ああ!毛を抜こうとしてはいけませんぞ!」

ネメア「………」



召喚士「………」

蒼頭「いやはや召喚士殿ッ!物凄い盛況ぶりですな!」

召喚士「あっそ……」

蒼頭「流石ネメア殿ですな……この様なお力があったとは感服つかまつります!」

召喚士「あっそ……」

蒼頭「……如何かなされた?」

召喚士「………」

蒼頭「おや?随分と品がお残りで」

召喚士「………」

蒼頭「クフフ……」

召喚士「………」ムカッ!

姫宮「しょ、召喚士ぃ!」

召喚士「ああん!?今、イケメン様が喧嘩吹っ掛けてきて忙しいんだよッ!」

姫宮「それどころじゃ無いの!ネメアが……ネメアが大変なの!」

召喚士「ネメアが大変?どうせ鼻の下伸ばし過ぎてガゼルみたくなってんだろ?放っておけって!」

姫宮「違うよ!……何て言うかとにかく大変なの!」

召喚士「………」

蒼頭「召喚士殿……これは行かれた方が宜しい……」

召喚士「めんどくさい……」

蒼頭「な!ネメア殿に万一があった時には召喚士殿しか助けられないのですぞ!」

召喚士、姫宮「………」

蒼頭「それをめんどくさいなどと!」

召喚士、姫宮 (必死だな……)

蒼頭「召喚士殿ッ!」

召喚士「わかった!わかったよ……ったく。行くよ……」



ネメア「………」ゲソッ……

召喚士、姫宮「………」

ネメア「………」

召喚士「ネメアさん……ですよね……?」

ネメア「そうだ……」

召喚士「り、立派な七三分けですね……」

ネメア「………」

召喚士「それとストレートパーマでも当てたのかな?はは……は……」

ネメア「貴様の冗談に付き合う元気も無い……静かにしてくれ……」

召喚士「………」

姫宮「ね?大変でしょ……」

召喚士「大変だな……全精力吸われた様な顔してるもんな……」

ネメア「………」ヨボヨボ……

召喚士「お、おいネメア……良かったな?女の人達に触って貰ったんだろ……?」

ネメア「………」

召喚士「羨ましいなぁ……モテモテでははは……」

ネメア「……羨ましいなら代わってくれ」

召喚士「いや……」

ネメア「何時間も女臭と香水とで包まれた空間で!ギラギラと今にも人を殺しそうな視線を浴びせられ続け!」

召喚士「………」

ネメア「ペタペタペタペタとタテガミを撫で!しまいには私の性器にまで触る輩が現れる始末ッ!」

召喚士「嫌なら怒れば……」

ネメア「怒り声をあげても!キャーキャー嬉しそうに崇められるだけなんだぞ!」

召喚士「………」

ネメア「うがああああ……」

召喚士「………」

ネメア「もう無理だ……もう私には無理だ……」

召喚士「でもさ……ネメアがやってくんないとこの国が……」

ネメア「知るか!こんな事で栄える国など滅んでしまえだッ!」

姫宮「………」

ネメア「あ……」

姫宮「……酷いよネメア……」ジワッ

ネメア「いいいいやこれはだな……」

姫宮「自分が嫌な思いしたからって……国が滅べだなんて……うぅ……」

ネメア「お、お嬢……言い過ぎた……すまない……」

姫宮「うえぇぇぇん……」

ネメア「………」

召喚士「あーあ……マズイよなこれは……」

ネメア「………」

召喚士「お前……一番言っちゃいけない言葉言っちゃったもんな……」

ネメア「………」

召喚士「どうすんの?」

ネメア「………」

姫宮「うえぇぇぇ……」

ネメア「お嬢……悪かった……。許してくれ……」

姫宮「うぅ……なら……助けてくれる?」

ネメア「………」

姫宮「うえぇぇぇんッ!」

ネメア「わ、わかった!助けるから泣かないでくれ……」

姫宮「……良かった。ネメアならそう言ってくれると思ってたよ……」ニヤッ

ネメア「………」

召喚士 (黒いなお姫様……)

ーー

ジノ「んふ……」

喚起士「………」サッ……サッ……

ジノ「気持ちいい……」

喚起士「ふふ。ジノ……」

ジノ「んー?」

喚起士「後、何回……こうやってジノの髪をとく事が出来ますかね……」

ジノ「………」

喚起士「………」サッ……サッ……

ジノ「なんだかこうしてると……初めて会った時を思い出すね……」

喚起士「………」

ジノ「喚起士が私の隠れ家に来てからだもんね。結構一緒にいるよね」

喚起士「そうですね……」

ジノ「喚起士の兄ちゃんが地図にあたしの居場所記して無かったらどうなってたかな……」

喚起士「何も出来ず途方に暮れていたでしょうね……」

ジノ「………」

喚起士「泣いて憎んで……それでも何も出来ずに……」

ジノ「そっか……」

喚起士「ジノに会わなければ私はここにいなかったでしょうね……」

ジノ「………」

喚起士「………」

ジノ「何とか仇も討てたし良かったじゃん!」

喚起士「そう……なんですかね……」

ジノ「……まさか自分が魔喚士と同じじゃないかなんて思ってる?」

喚起士「………」

ジノ「そんな事は無いよ。喚起士はそう考えられるんだから」

喚起士「………」

ジノ「魔喚士と同じなら……多分何も思わないよ。あたしといる事とか召喚兄さん達といる事とかね」

喚起士「………」

ジノ「……喚起士はあんなんじゃ無いでしょ?あたしを物みたいに思ってる?」

喚起士「物だなんて……そんな事は一度も思った事はありません」

ジノ「なら同じじゃないよ。……喚起士は優しい子だもんね」

喚起士「………」

ジノ「………」

喚起士「ありがとうございます……ジノ……」

ジノ「いいって!あたしと喚起士の仲じゃん!」

喚起士「………」

ジノ「喚起士はさ……あたし帰ったらどうするの?何かやる事見付かった?」

喚起士「この谷の国で御世話になろうかと思います。私には帰っても待つ人はいませんし……」

ジノ「………」

喚起士「魔力も無くなりますから……召喚も出来ませんし……」

ジノ「………」

喚起士「何も無くなってしまいますが……大臣様がここで良いなら働かないかと申されましてそれに甘えようかと」

ジノ「そっか……」

喚起士「ここで御仕事をする事が楽しいと言う理由もあるんですよ」

ジノ「楽しいの?」

喚起士「はい。何故か色々任せて貰えますし、この国の色々な秘密も教えて貰いましたし!」

ジノ「………」

喚起士「他の国の方とも御話出来たりして楽しいですよ」

ジノ「……で、視線は合わせて貰えた?」

喚起士「それは……何故か合わせて貰えませんね。国の偉い方達は皆様そうなんですかね……」

ジノ (この世は……政治よりオッパイなのかな……)

喚起士「ジノ……?」

ジノ (こんなんじゃ……あたし帰れないじゃん……喚起士を守る誰かがいないと……)

喚起士「……?」

ジノ「喚起士さ……」

喚起士「はい?」

ジノ「召喚兄さんとは……とうするの?」

喚起士「召喚士さんとは……このまま一緒にいる事になりますね」

ジノ「え?なんで?」

喚起士「召喚士さんはネメアプロジェクトの責任者ですから。……本人には内緒ですけど」

ジノ「………」

喚起士「この国からは……余程の事が無い限り出られないでしょうね……」

ジノ (うわ……でも、その方が召喚兄さんとってはいいのかな……)

喚起士「これで少しは人として責任ある方になればいいんですけど……」

ジノ「無理なんじゃないかな……」

喚起士「………」

ジノ「……あれ?喚起士は召喚兄さんが無能って知ってる?」

喚起士「はい……あの老人の悪魔に全て教えていただきました」

ジノ「って事は……やっぱりあの悪魔は召喚兄さんと一緒に暮らしてた爺ちゃんなの?」

喚起士「そうですね……」

ジノ「そっか……」

喚起士「召喚士さんについても色々教えて貰いましたよ。……条件付きでしたけど」

ジノ「……条件って?」

喚起士「召喚士さんを真人間にする事ですね!」フンス!

ジノ「………」

喚起士「ジノ……召喚士さんがアレな理由はわかります?」

ジノ「さあ……もしかしてそれ知ってるの?」

喚起士「召喚士さんはですね……実は……」



喚起士「……と、言うお話だったんですよ」

ジノ「マジで……?」

喚起士「はい……」

ジノ「………」

喚起士「そんな召喚士さんですから……このままではいけませんよね!」

ジノ「………」

喚起士「私がなんとしてでも召喚士さんを更正させなければ!」

ジノ「でもさ喚起士……そんな事出来るの?」

喚起士「必ずやり遂げます!」

ジノ「……召喚兄さんに巧みに騙されたりしない?」

喚起士「しません!大丈夫です!」

ジノ (こりゃ……かなり心配だな……)



ネメア「………」シオシオ……

コンコンッ

ネメア「開いている……」

カチャ

蒼頭「………」

ネメア「蒼頭か……なんだ?」

蒼頭「いや……あの……随分とおやつれになりましたな……」

ネメア「………」

蒼頭「こう……精気を吸われた後のような……」

ネメア「その事は口にするな……思い出したくも無い……」

蒼頭「も、申し訳ありませぬ……」

ネメア「蒼頭よ、そんな事を言いにここへ来たのでは無いのだろ?」

蒼頭「はい……」

ネメア「なんだ、言ってみろ」

蒼頭「某……明日、国へ帰ろうかと思いまする……」

ネメア「そうか……」

蒼頭「………」

ネメア「お嬢の事が心配か?」

蒼頭「……そうで御座いますな」

ネメア「ふむ……」

蒼頭「………」

ネメア「お嬢なら大丈夫だろ。お前が去った後でも……あれならば色々乗り越えられるだろう」

蒼頭「………」

ネメア「……蒼頭、お前の気持ちもわかるが……お嬢はそれほど弱い人間では無いと思うがな」

蒼頭「某の他に……姫様をお守りする方々もいる事は十分承知しております……」

ネメア「………」

蒼頭「某が離れ……また同じ事が起きたならばと……」

ネメア「それも乗り越えられる筈だ。……それにその時はお前がまた駆け付ければよい」

蒼頭「………」

ネメア「どんなに離れようが……蒼頭ならばそうするだろう?」

蒼頭「はい……そう……致しますな……」

ネメア「………」

蒼頭「某の杞憂で御座いました……姫様の危機に某が駆け付ければいいだけの事……」

ネメア「………」

蒼頭「ネメア殿……ありがとうございます……」

ネメア「………」

蒼頭「………」

ーー

召喚士、姫宮、ジノ「………」

喚起士「蒼頭さん……お元気で」

蒼頭「はい。喚起士殿……御世話になりましたな」

喚起士「いいえ……こちらこそ御世話になりましたよ」

蒼頭「ネメア殿にも大変御世話になり申した!」

ネメア「ふふ……私もだ」

蒼頭「召喚士殿……」

召喚士「俺は御世話してないから言わなくても良いよ」

蒼頭「そうで御座いますな」

召喚士「………」

ジノ「剣士も居れば良かったんだけどねぇ」

蒼頭「剣士は……己でやれねばならぬ事で忙しいのでしょう……」

ジノ「………」

蒼頭「本当なら一言別れを言いたかったので御座いますが、仕方無し……」

召喚士「どっかでまた会えるだろ?」

蒼頭「……そうですな」

ジノ「蒼頭さ……あの答え教えてよ」

蒼頭「あの答えとは……?」

ジノ「ほら……遠くを見つめるなんたらって問題の!」

蒼頭「ジノ様……」

召喚士「お前……まだわかって無かったの?」

ジノ「………」

蒼頭「あれの答えはですな……ジノ様で御座いますぞ」

ジノ「はあ?あたし?」

蒼頭「如何にも。朝昼夜共に四本……ジノ様ですな」

ジノ「兄ちゃんだって同じじゃん……」

蒼頭「謎を駆け……謎をかけるはジノ様、駆けはジノ様が走る様を表しましたな!」

ジノ「………」

蒼頭「遠きを見つめ……ジノ様のような魔物が像になっている絵を見ましてな!」

ジノ「それはあたしじゃ無いし!あれは男だし!」

蒼頭「半ばの王……ジノ様の下半身は獅子で御座いますな?」

ジノ「それで半分だけ王って……?」

蒼頭「如何にも!」

ジノ「そんなのわかるわけ無いじゃん!」

蒼頭「そうで御座いますか?」

召喚士「ちょっと考えればわかるだろ……」

ジノ「わっかんないよ!」

蒼頭「ふふふ」

ジノ「なにそれ!あたしわかんなくてあんなに悩んだの馬鹿みたいじゃん……」

姫宮「………」

蒼頭「姫様……お願いが御座います」

姫宮「………」

蒼頭「笑顔で……某を見送ってはくれませぬか?」

姫宮「………」

蒼頭「……これで永久の別れになるわけではありませぬ故」

姫宮「うん……」

蒼頭「………」

姫宮「蒼頭……このままでいいの……?」

蒼頭「……何がで御座ろう?」

召喚士、喚起士、ジノ「………」

姫宮「ネメアと……これで会えなくなっちゃうんだよ!」

蒼頭「……そうで御座いますな?」

ネメア「……?」

姫宮「蒼頭……そんなに覚悟が決まってるの……?」

蒼頭「覚悟とは……?」

姫宮「ネメアと蒼頭の子供を一人で育てようって覚悟だよ!」

蒼頭、ネメア「………」

ジノ「兄ちゃんには……もしかして内緒なんじゃ無いよね?」

召喚士「おい!ネメア!お前も平気なのかよ!?」

ネメア「何を言っているんだ……」

ジノ「何をって……兄ちゃん惚ける気なのッ!」

姫宮「最低だよネメア!」

召喚士「蒼頭もハッキリ言ってやれよ!責任取れって!」

蒼頭「あ、あのですな……」

ネメア「何の事だ!……喚起士よ、こいつらに……?」

喚起士「………」ジィ……

ネメア「………」

喚起士「私も責任は果たした方が宜しいと思いますけど……」

ネメア「責任……」

喚起士「他の方の色恋話に口を挟むべきでは無いと思いますが!蒼頭さんを孕ませてその態度は酷いと思いますよッ!」

ネメア「は……?」

召喚士、ジノ「そうだ!そうだ!」

姫宮「本当……最低だよ……ネメア……」

ネメア「待て待て待て待て待てぇぇ!」

召喚士「何を待てって言うんだよ!」

ネメア「お前達は一体何を言っているんだ……」

蒼頭「そうで御座いますな……」

召喚士、ジノ、姫宮、喚起士「………」

ネメア「……ジノ、詳しく話せ」

ジノ「詳しくって……今更隠そうって言うの?」

ネメア「隠すも何も何の事だかサッパリわからんのだ!」

ジノ「兄ちゃん最低……」

召喚士「そうだ!そう

ネメア「黙れッ!……私と蒼頭がお前達に隠れ……愛惜を重ねる仲になっている……こう言いたいのか?」

ジノ「そうでしょ……」

ネメア「………」

蒼頭「じじじじじジノ様!何を言っておいでか!そそそ某とネメア殿はままままま

ネメア「落ち着け……そんな態度をとるんじゃ無い……」

ジノ「………」ジィ……

ネメア「そんな目で見るな……私と蒼頭はその様な仲では無い」

蒼頭「本当で御座いますぞ!ネメア殿は尊敬出来るお方ですが、某とは……その……えっと……」

ネメア「蒼頭よ……少し黙っていろ。それでは余計に誤解されてしまう……」

蒼頭「………」

ネメア「あのなジノ……そんな話を誰から聞いた……」

ジノ「……?」

ネメア「この話の出所は貴様か……?」

召喚士「………」

ネメア「貴様だな……?」

召喚士「ち、違うよ!俺はジノから聞いたんだし!」

ネメア「………」

ジノ「ち、違うよ!ああああたしじゃ無いし!あたしはお姫様から聞いたんだもん!」

ネメア「………」

姫宮「………」

ネメア「……召喚士か?」

姫宮「うん……」

ネメア「………」

召喚士「………」

ネメア「貴様はあッ!やはりお前ではないかぁッ!」

召喚士「だってネメアあれやこれやって蒼頭をさ気にかけてただろ!あんなの見たら勘違いしない方がおかしいだろ!」

ネメア「馬鹿か貴様はッ!勘違いする方がおかしいに決まっているだろッ!」

召喚士「そ、それに!ジノが悪いんだよ!ネメアと蒼頭の間に子供出来たとか言い出すから!」

ジノ「な!」

ネメア「ジノ……」

ジノ「に、兄ちゃんと蒼頭が二人っきりになってとかだと邪推したりとかしちゃうじゃん!ね!召喚兄さん!」

召喚士「あれはお前の邪推なのかよ……」

ネメア「………」

召喚士、ジノ「………」

ネメア「お前達は……私と蒼頭の間にその様な関係は無い。わかったか!」

召喚士、ジノ「あい……」

蒼頭「………」

ネメア「……まったく。蒼頭もこいつらに言ってやれ」

蒼頭「そうで……御座いますな……」

姫宮「蒼頭……」

蒼頭「ややや!うん!召喚士殿達は一体何を言っておるのですかな!ははは!」

召喚士、ジノ、喚起士「………」

ネメア「………」

蒼頭「……日が高くなる前に発たねばならぬ故、某行こうと思いまする」

姫宮「いいの……?」

蒼頭「またお逢い出来ます故……そうですなネメア殿」

ネメア「そうだな……」

蒼頭「………」

姫宮「………」

蒼頭「姫様……お達者で。某、きっとまた……姫様の元へ訪れますぞ……」

姫宮「うん……待ってるから……」

蒼頭「………」

姫宮「絶対来てね……」

蒼頭「はい……必ずや……」パサッ

召喚士「……何でまた頭巾被るんだ?」

蒼頭「どうも某の顔は元凶を呼び込むようで……」

召喚士「なるほど……」

蒼頭「では皆様方……姫様……御元気で。次は某の家族を引き連れこの地へ参ろうかと思いまする……」

姫宮「え……?」

蒼頭「さらばで御座ります!」ダッ!

姫宮「あ、蒼頭……行っちゃった……」

召喚士「家族とか言ってたぞ……」

姫宮「うん……」

姫宮「お久しぶりでございます」ホギャアホギャア

召喚士「……おい、あれ」

姫宮「うん……綺麗な……タテガミだね」

ネメア「………」

召喚士、ジノ、姫宮、喚起士「………」

ネメア「……そんな目で見るな」

ジノ「兄ちゃん……マジで……」

ネメア「してない……」

召喚士「お前マジで……」

ネメア「してない……」

姫宮「家族って……」

ネメア「してない……」

喚起士「………」

ネメア「してないと言っているだろぉッ!蒼頭ぉ!確りと誤解を解いていけ!」

ーー

召喚士「いらはいー」

兵士「いらはい……」

召喚士「しっかり腹から声出せよ!」

兵士「何で俺が……こんな事を……」

召喚士「知らないよ!上から蒼頭の後を引き継げって言われたんだろ!」

兵士「そうだが……」

召喚士「じゃあしっかりやれよな!」

兵士「………」

召喚士 (ふふ……喚起士さんに言ってコイツを蒼頭の後釜として推薦しといて良かった……)

兵士「いらはい……」

召喚士 (俺を散々馬鹿にした報いを受けるがいいッ!)

兵士「おお……何故いきなりこんな所に左遷されるんだ……」

召喚士 (それにしても……喚起士さんに言ったらコイツ直ぐここに飛ばされて来たよな……)

兵士「一国の兵士が売り子なんかに……あああ……」

召喚士 (そんなに発言力を持ってる程……偉くなってるのかな……)

来客「………」

兵士「いらはい……どれに致しましょう……」

来客「………」

兵士「……?」

来客「……これをひとつ」

兵士「はい、銅貨二枚になります」

来客「………」チャリ……

兵士「確かに……あ?」

来客「………」ギュウゥ

兵士「………」

来客「………」

兵士「お客様……手を離して貰えるか……」

来客「出来ません……」

兵士「……何故?」

来客「………」

兵士「………」

来客「今夜……私の宿泊している宿に来ませんか?」

兵士「………」

来客「もっと貴方とお話したいです……」

兵士「喜んで……」

召喚士「………」

来客「では……後程……」

兵士「はい……」

召喚士「………」

兵士「いやぁ!はははは!」

召喚士「………」

兵士「良い事なんて無いと思ったが!こんな事があるんだなぁ!」

召喚士「………」

兵士「まさかな……女性の方から声を貰えるなんてな!」

召喚士「………」

兵士「ん……貴様もこう言う事が多々!あるのか?なあ?どうなんだ?」

召喚士「……一度も……なぃょ……」

兵士「はああ!?聴こえんが!」

召喚士「一度も無い……です……」

兵士「おおそうか!…………えええええ!無いのぉッ!?」

召喚士「………」

兵士「そっか!」ニヤニヤ

召喚士「………」

兵士「まあ頑張れよ!な!」ニヤニヤ

召喚士「やなやつ……やなやつ……」

喚起士「召喚士さん……」

召喚士「やなやつ!やなやつ!やなやつ!」

喚起士「……召喚士さん?」

召喚士「あ!か、喚起士さん!なんですか?」

喚起士「お仕事が終わった後、お時間ありますか?」

召喚士「ええ、ありますけど?」

喚起士「なら私に少しお付き合いください」

召喚士「いいですけど……何するんです?」

喚起士「ここではちょっと……」

召喚士「はあ……わかりました。終わったら喚起士さんの部屋に行きますよ」

喚起士「はい、お願いします。では……」

兵士「………」

召喚士「………」ニヤニヤ

兵士「……聞いていいか?」

召喚士「言う程の事じゃ無いよぉ。まあ?そう言う関係だとだけ言っておくよ……ふっ」

兵士「マジか……」

召喚士「さあてね?ふふふ……」

兵士「………」

召喚士「なになに?何か言いたそうだね?」ニヤニヤ

兵士「セクシー魔神様と……お前がなんて……」

召喚士「セクシー魔神って……」

兵士「有り得ん……」

召喚士「………」

兵士「有り得ん……有り得ん有り得ん有り得んんん!」

召喚士「これが現実ってやつだよチミィ。あははははは!」

兵士「ぐぬぬ……」

召喚士「ははははははは!」



召喚士「………」

喚起士「ここをですね召喚士さんの血で描いて欲しいのですが」

召喚士「……何です?これ……」

喚起士「え?ジノ達を還す召喚陣ですけど」

召喚士「………」

喚起士「何か不都合な点でも?」

召喚士「いえ……」

喚起士「……?」

召喚士「………」

喚起士「ここに少し円を描いて貰えば、後は私が書き上げますので……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「……どうしました?」

喚起士「ジノ達は還さなければいけませんよね……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「ジノ達がいなくなったら寂しくなりますね……」

喚起士「そうですね……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士 (やっぱり……いつまでも一緒なんて出来ないよな……)

喚起士「また……私は一人になってしまうんですかね……」

召喚士「………」

喚起士「今はそう思う暇はありませんが……いつかはそう言う日がまた……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「か、喚起士さん!」

喚起士「はい?」

召喚士「おおおお俺でいいなら側にいますよ!」

喚起士「………」

召喚士「それなら一人にならないですよ!うん!」

喚起士「………」

召喚士「喚起士さんが嫌になるまで側にいますから!だから……」

喚起士「………」

召喚士「だから……そんな悲しそうな顔しないでください……」

喚起士「………」

召喚士「………」

喚起士「あ……あ……」

召喚士「俺にもわかりますよ……爺ちゃんがいなくなった時は凄い寂しかったですから……」

喚起士「い……」

召喚士「そんな思いは二人いればしないで済みますし……」

喚起士「しししし……」

召喚士「し?」

喚起士「召喚士さん……」

召喚士「はい?」

喚起士「………」

召喚士「……?」

喚起士「その……わ、私……」

召喚士「顔赤いですよ?大丈夫ですか……?」

喚起士「召喚士さんが……あの様な事を……」

召喚士「あの様な事?」

喚起士「………」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「あ……ああああれはですね!うん!そのそうなんですけど!」

喚起士「………」

召喚士「そっちじゃ無いって言うか!ああああ……」

喚起士「………」

召喚士「そっちだけど意味合いが違うかどうかなんてどうしちゃったりなんだりと!」

喚起士「召喚士さん……ありがとうございます……」

召喚士「ふへ?」

喚起士「人にそんな事を言われたのは初めてですよ……」

召喚士「………」

喚起士「嫌になるまで一緒に……嬉しいです。こんな事を言っていただいて……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士 (ああああれ?あれ?いい雰囲気……?)

喚起士「本当に嬉しい……」

召喚士「……ふ、ふははは!当然の事を言ったまでですよ!」

喚起士「………」

召喚士「この召喚士!女性を悲しませる事などしませんのでね!ははは!」

喚起士「………」

召喚士「もう女性全員に同じ事言いまくってるくらいですからッ!」

喚起士「へぇ……そうなんですか……」

召喚士「あ……いや……今のは無しで……」



喚起士「これでよし……」カリ……

喚起士「後は召喚士さんに返還術をやって貰えればジノ達は……」

喚起士「………」

喚起士「……召喚が出来ない私は本当に意味があるんでしょうか」

喚起士「召喚士さんは側に居てくれると言っていますが……何も出来ない私なんかと一緒ではいずれ……」

喚起士「………」

カタッ……

喚起士「……ん?」

盗賊「………」

喚起士「ぱ、パイア!」

盗賊「ただ……」

喚起士「剣士さんと一緒では無かったのですか!?」

盗賊「……振られた」

喚起士「……は?」

盗賊「冗談」

喚起士「………」

盗賊「………」

喚起士 (私にわかりずら過ぎる冗談を言われても……)

盗賊「見送りと護衛」

喚起士「……見送りはわかりますが、護衛?」

盗賊「………」コクッ

喚起士「どなたをでしょう……?」

盗賊「姫さん」

喚起士「姫宮様を?……それを剣士さんにやれと言われたのでしょうか?」

盗賊「そう」

喚起士「………」

盗賊「………」

喚起士「……それであの方は?」

盗賊「師匠になったから暫く帰れない」

喚起士「………」

盗賊「………」

喚起士 (困りましたね……こう答えが返ってくると全部聞き終わるまで時間がかかりそうですし……)

盗賊「………」

喚起士「で、ではパイアとあの方は今は別行動しているでいいですね?」

盗賊「………」コクッ

喚起士「………」

盗賊「……向こうが終わればここに来る」

喚起士「そうですか……」

盗賊「………」

喚起士「あの……あの方が帰って来るまでの間……魔力はどうするんです?」

盗賊「姫さんに貰う。剣士がそうしろって言ってた」

喚起士「え……」

盗賊「………」

喚起士「………」

盗賊「大丈夫。問題無い」

喚起士 (問題大有りだと思いますが……)

盗賊「ネメア兄とジノは?」

喚起士「え、ああ……どちらともお部屋で休まれていると思いますよ」

盗賊「そう。姫さんは?」

喚起士「同じく……ですね……。あの何故姫宮様の居所

盗賊「………」グワァァ!グワァァ!

喚起士「………」

盗賊「案内よろしく」グワバァァ!

喚起士 (姫宮様……お許しください……。私は……貴女の元へ淫なる蜜を届けてしまいます……)



姫宮「………」フラフラ……

盗賊「………」ツヤツヤ!

喚起士「………」

ジノ「あ!パイア!帰って来たんだ!」

盗賊「………」コクッ

ジノ「いつこっちに帰って来たの?」

喚起士「……昨日の夜中ですね」

ジノ「へえ。……やっぱり見送りに帰って来たの?」

盗賊「後、護衛と報告」

喚起士「報告……ですか?昨日はその様な事は言って無かった筈ですよね?」

盗賊「昨日わかったから」

喚起士「はぁ……?」

ジノ「剣士はどうしたの?」

盗賊「師匠やってる」

ジノ「んん?師匠?なにそれ」

バタンッ……

ネメア「………」フラフラ……

大臣「ほっほ!」

ネメア「……帰る日までこき使われるとは思っていなかったぞ」

大臣「大事な収入源ですからな!そう楽はさせてあげられませんぞ」

ネメア「……ん?パイア!帰っていたのか!」

盗賊「………」

ジノ「見送りに帰って来たんだって……」

ネメア「そうか……」

ジノ「これで帰って……次はあたし達、いつ揃うかな……」

ネメア「さてな……」

結局何がグワバ言ってたんだ

>>349
盗賊の腹の虫です。

ジノ「………」

ネメア「パイア、剣士はどうした?」

盗賊「………」

ネメア「めんど臭そうな顔をするな……皆から散々聞かれたのだな?」

盗賊「………」コクッ

ネメア「ジノ、剣士は?」

ジノ「師匠やってるって」

ネメア「はあ?なんだ師匠とは……」

ジノ「あたしもそれ以上は聞いてないけど」

ネメア「ふむ……?」

喚起士「あの……ネメア?召喚士さんは……」

ネメア「いないなら知らん。……っと、あいつは私達が帰るのに必要なんだったな……」

喚起士「はい……」

ネメア「馬鹿め……何をやっているんだ……」

ジノ「どうせ寝坊してるんだよ。きっと!」

喚起士「まさか……昨日あれだけお願いしていたのですからそんな事は……」

バターンッ!

召喚士「おおおお遅くなりましたぁ!」

ネメア、ジノ「………」

召喚士「いやぁ!ちょっと夜更かしをし過ぎましてね!ははは!」

喚起士「……それで寝坊したと?」

召喚士「そうなんですよぉ!」

喚起士「………」

ジノ (ズバリだけど……タイミング悪いなぁ召喚兄さん……)

喚起士「昨日……私は確りとお願いしましたよね?遅れないようにと」

召喚士「……はい」

喚起士「それが何故遅れて来るのですか?」

召喚士「………」

喚起士「私のお願いした事は守らなくてもいいと思おいなんでしょうか?ねえ召喚士さん」

召喚士「そんな事は無いです……はい……」

喚起士「……では、私をどう思って寝坊なんかするのです?」

召喚士「………」

喚起士「しかも悪気の無い様な顔で……」

召喚士「………」

ネメア「もうよいではないか……許してやれ……」

喚起士「………」

召喚士「………」

喚起士「わかりました……今だけは内に納めておきます。ジノ達が帰った後じっくりお訊きしますので」

召喚士「……はい」

ネメア「さて、揃ったか。……喚起士よ」

喚起士「……法陣の方は描き終えていますので後は召喚士さんに返還術を行っていただければ還れます」

ネメア「そうか……」

ジノ「兄ちゃん?……まさか名残惜しいの?」

ネメア「そうだな……」

召喚士「やっぱ蒼頭

ネメア「しつこいッ!違うッ!」

召喚士「じゃあなんだよ?あー、ネメア神と

ネメア「それも違うッ!それは私にとって悪夢だッ!」

ジノ「……召喚兄さんの事?」

ネメア「それはどうでもいい。むしろ馬鹿と離れられて清々する」

召喚士「最後まで馬鹿馬鹿言うなよ……」

喚起士「姫宮様の事でしょうか……?」

ネメア「そう。お嬢の事だな」

姫宮「……私?」フラフラ……

ネメア「大丈夫か……?」

姫宮「うん……平気……えへへ……」

ネメア「………」

召喚士「……お姫様は何であんな法悦の表情でフラフラしてるんだ?」

ジノ「………」クイッ

召喚士「はあ?……ぱぱぱパイア!」

盗賊「………」

召喚士「何でいるんだよ!いつ来たんだ?剣士は?」

盗賊「昨日師匠見送り護衛報告」

召喚士「……どう言う事?」

ジノ「昨日帰って来て剣士は師匠やってるって。パイアはここへあたし達の見送り来た!」

召喚士「剣士が師匠?まあそれはどうでもいいや」

ジノ「よくないと思うけど……」

召喚士「それで護衛報告って言うのは?」

喚起士「剣士さんがここへ戻られるまで姫宮様の護衛するようです」

召喚士「へえ……報告は何です?」

喚起士「それはまだ聞いてませんでしたね……」

盗賊「………」

ネメア「パイアよ、何か私達に言う事があるのか?それとも他に言う話か?」

盗賊「………」サスサス……

ネメア「……どうした?腹など擦って」

盗賊「出来た」

ネメア「何がだ?」

盗賊「赤子」

ネメア「………」

召喚士、喚起士、ジノ「………」

盗賊「………」

ネメア「……は、はは……面白い冗談を言うではないか……」

盗賊「………」サスサス……

ネメア「………」

ジノ「あらら……結局あたし、ジノ叔母さんになっちゃうのかぁ」

ネメア「………」

ジノ「でも産まれて来る子は見れないね兄ちゃん……」

ネメア「ジノ……お前は先に帰れ。私は用が出来た」

ジノ「……兄ちゃん?」

ネメア「………」

ジノ「………」

ネメア「グアアアアッ!!剣士めぇぇッ!殺おおすぅぅぅぅッ!」

ジノ「にににに兄ちゃん落ち着いて!」



ネメア「はぁ……はぁ……」

ジノ「兄ちゃん落ち着いた……?」

召喚士「ネメアさ……こうなるってわかってたじゃん……」

ネメア「………」

召喚士「もう諦めろよ……既にお腹に赤ん坊いるんだからさ……」

ネメア「しかしだな……」

召喚士「しかし何よ?」

ネメア「……その腹の子は半魔獣として生きねばならぬのだぞ」

召喚士「………」

ジノ「半分人間で半分魔物って意味だからね」

召喚士「し、知ってたし!そんなの教えて貰わなくても良かったし!」

ジノ「………」

ネメア「蒼頭の様な……人に受け入れて貰える魔物なら良いだろうが……」

召喚士「………」

ネメア「もし人に受け入れられず生涯を……一人で過ごさねばならぬ様な事にならったらどうする……」

召喚士「………」

ネメア「………」

盗賊「大丈夫」

ネメア「パイア……」

盗賊「私がいる限りそんな事にはならない。させない」

ネメア「………」

盗賊「………」

ネメア「そうか……わかった……」

盗賊「………」

ネメア「なら私は何も言わない……パイア、確りとな……」

盗賊「………」コクッ

ネメア「………」



喚起士「ジノ……彼方の世界でもお気を付けて……」

ジノ「うん……喚起士もね」

喚起士「ありがとうございました……」

ジノ「あたしもありがとう喚起士……」

召喚士「ネメア……彼方の世界でもお気を付けて……」

ネメア「………」

召喚士「なんだよ……せっかく同じ様にやろうとしてるんだからさ……」

ネメア「くだらん事をしてないでさっさと準備をしろ!」

召喚士「へーい……」

ジノ「パイアじゃあね!あと、召喚兄さんが喚起士泣かしたら骨折砕いて良いからね!」

盗賊「………」コクッ

ネメア「召喚士がお嬢に悪さをする様な事をしたら城の屋根にでもつるしておけ」

盗賊「………」コクッ

喚起士「もし召喚士さんが人との約束を守らなければ顔を叩いてください」

盗賊「………」コクッ

姫宮「召喚士がお城の侍女達に何かしようとしたら髪の毛むしっていいからね」

盗賊「………」コクッ

大臣「召喚士殿が売り子をサボる様なら脇腹にキツいのを入れて良いぞ」

盗賊「………」コクッ

召喚士「………」

ネメア「……この世との別れか」

ジノ「うん……」

ネメア「召喚士……頼むぞ」

召喚士「早く帰れ!」

ネメア「何をそんなに怒っている?」

召喚士「怒るだろ!俺が何か仕出かすんじゃないかってみんなして!」

ネメア「なるほど」

召喚士「何がなるほどだよ!酷いだろって!」

ネメア「……酷いか。だがな召喚士、皆がこう言う事を言うからには原因があるからとは思わないか?」

召喚士「原因なんて無いだろ!」

ネメア「………」

喚起士、ジノ、姫宮、大臣「………」

召喚士「………」

ネメア「無いと言い切れるか?」

召喚士「……いいえ」

ネメア「では仕方無い事だな。全て貴様が悪いのだから」

召喚士「ぐぬぬ……」

ネメア「わかったら準備をしろ」

召喚士「くそぉ……くそぉ……みんな酷いやぁぁ……」



召喚士「えっぐ……みんなが俺を虐めるよぉ……」

喚起士「召喚士さん……あの……」

召喚士「……そうか!これはあの話の様に繋がるんだな……」

喚起士「……?」

召喚士「なるほどなるほど……やがて俺の前に魔女が現れ!どうたらこうたらで女王がガラスの靴を!」

喚起士「………」

召喚士「で……やがて俺と女王は……」

盗賊「………」スゥ……

ズドォッ!

召喚士「グハッ!」

盗賊「………」

召喚士「ゲハッ……な、何を……」

盗賊「早くして」

召喚士「………」

盗賊「………」

召喚士「わかったよ……ネメア、ジノいい?」

ネメア「何時でもいい」

ジノ「あたしも!」

喚起士「………」

ジノ「笑って喚起士!そんな泣きそうな顔しないで……」

喚起士「わかっているんですけど……わかって……」

ジノ「……また会えるからさ」

喚起士「そうですね……」

ネメア「お嬢、世話になったな」

姫宮「ううん、こっちがお世話になったから……」

大臣「女王……顔をお上げになって。この国を救った者達を確りとお見送りください」

姫宮「うん……」

大臣「ネメア……こちらの事はもうこちらで色々と解決をする。心配はしなくてもいい」

ネメア「そうか……」

大臣「……どの様な困難にも自分達で立ち向かわなければ前には進めないからな」

ネメア「………」

大臣「だが……」

ネメア「……だが?」

大臣「お前が残した力は存分に使わせて貰うぞ!」

ネメア「………」

大臣「今や谷の国を挙げての一大名物となり得ているからな!凄いぞぉ!女性群

ネメア「それはいいッ!思い出させるなッ!」

大臣「そうか……」

ネメア「まったく……」

召喚士「………」

ネメア「どうした?」

召喚士「いや……」

ネメア「まだ……お前には言っていない言葉があったな」

召喚士「え?……何?馬鹿とか言わなくていいからな……」

ネメア「そうではない。召喚士……」

召喚士「………」

ネメア「ありがとう」

召喚士「………」

ネメア「ジノの事も含め色々とな」

召喚士「や、やめろよ……」

ネメア「………」

召喚士「……恥ずかしいからもういいだろ?」

ネメア「そうだな……頼むぞ召喚士」

召喚士「うん……」

喚起士、姫宮、大臣「………」

召喚士「いくよ……」

喚起士「召喚士さん……手を握って貰えますか……」

召喚士「……はい」グッ……

喚起士「………」グッ……

ネメア、ジノ「………」

召喚士「幻想の彼方より来たりし者よ……」

喚起士「………」

召喚士「うつし世から幻想の地へいざ送り出さん!」ババッ!

シュウゥゥ……バアアアァァッ!



………

シュウゥゥ……バアアアァァッ!

  ノ⌒)(⌒ヽ
 (´  _,人_  `)   
(  )´・ω・`(  )
 (  )ー (  ) ☆
  ヽ _)(_ノ ヽノ
     UU~UU

  ノ⌒)(⌒ヽ
 (´  _,人_  `)   
(  )´・ω・`(  )
/ )ー (  )/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ノ⌒)(⌒ヽ
 (´  _,人_  `)
/ )ー (  )/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

………



   iニニニi
  /  ./ヽ_
/|農||/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   iニニニi
  /  ./ヽ
  |農||_
/|協||/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   iニニニi
  /  ./ヽ
  |農||
  |協||
/|牛||/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   iニニニi
  /  ./ヽ
  |農||
  |協||
  |牛||_
/|乳||/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

………………


過去から今へ……そして未来へと続く道を……

共に歩んだ者達は……

星の下で誓い……そしてその誓いを守り通したのでした……

…………

別れが出逢いを育み……出逢いが別れを産み落とす……

別れた先へと進みし道達は……

あの日得た温もりを胸に抱き……時の周し轍へと……

…………

そして……



……………



ジノ「ぷはっ!」

ネメア「………」

ジノ「おおお!」

ネメア「帰って来たか……幻想世界に……」

ジノ「うん……」

ネメア「………」

ジノ「あれだねぇ。召還陣通る時の感覚ってあたし好きになれないな」

ネメア「そうか?私は好きだが」

ジノ「えええ!何かネチョネチョしてるし嫌な感覚だよ?兄ちゃんはそれがいいの……?」

ネメア「は?」

ジノ「……え?」

ネメア「私はそんな感覚は感じんが……」

ジノ「………」

ネメア「そう感じるのはジノだけだろ……」

ジノ「なんで……?」

ネメア「己の周りを包み込むように確りと魔力を使っていたか?」

ジノ「……してない」

ネメア「だからだ……」

ジノ「………」

ネメア「しかし……」

ジノ「ん?なに?」

ネメア「いや、結局私が何故召喚士の元へと召喚されたのか……召喚士は何者なのかがわからぬままだなとな……」

ジノ「………」

ネメア「まあ良いだろ……わからぬままと言うのも」

ジノ「兄ちゃんさ……マジで召喚兄さんが何者かわかって無かったの?」

ネメア「ジノは知っているのか?」

ジノ「まあね……」

ネメア「なんだその言いたく無さそうな顔は……」

ジノ「召喚兄さんの事聴いたら兄ちゃん……ショック受けるかと思って」

ネメア「……ただの人だろ?」

ジノ「違うし……」

ネメア「なんだと……屑で間抜けで馬鹿な人間だろうが……」

ジノ「本当……召喚兄さん酷い言われようだね……」

ネメア「それ以外に無い人間なのだから当然だろ」

ジノ「召喚兄さんにはそれ以外にあるんだよ……」

ネメア「一体何があるというんだ」

ジノ「召喚兄さんは……半神なんだよ……」

ネメア「………」

ジノ「………」

ネメア「ジノ……その冗談は面白くないぞ」

ジノ「冗談じゃないし!本当なんだって!」

ネメア「………」

ジノ「あの馬鹿げた魔力の量とかさ説明出来る?半神なら納得だよね」

ネメア「………」

ジノ「まあ召喚兄さんはそれしか無いみたいだったけど……兄ちゃん?」

ネメア「有り得ん」

ジノ「そんな真顔で言われても……」

ネメア「召喚士が半神?……有り得んだろッ!何故そんな者が存在しているッ!」

ジノ「いや……あたしに言われても……」

ネメア「グアアア……気分が悪くなってきた……」



ネメア「人間は……こうも私の胃へ負担をかける事をするのか……」

ジノ「………」

ネメア「ジノ……それはいつから知っていた……?」

ジノ「マルコシアスに初めて会った夜かな……」

ネメア「何故そうだと言わなかった……」

ジノ「言えるわけ無いじゃん!言ったら兄ちゃん召喚兄さんに言っちゃうもん!」

ネメア「確かに言うだろうが……」

ジノ「そんな事したら召喚兄さん大変だよ?」

ネメア「なんでだ?」

ジノ「ほら……召喚兄さんだから自分が半分でも神とかわかっちゃったら……」

ネメア「………」

………

召喚士『ぐははは!我は神也!ひれ伏せ人間供よぉぉッ!』

召喚士『頭が高いぞ!神の前ではつざまつけい!』

召喚士『あはははははッ!』

………

ジノ「ってな風になって!」

ネメア「………」

ジノ「そしてね!」

………

召喚士『あ、あの……俺……神なんですけど……』

召喚士『あっ……やめて……石を投げないでください……』

召喚士『うううっ……なんで誰も信じてくれないんだ……ぁぁ……』

………

ジノ「で、こうなるじゃん」

ネメア「………」

ジノ「いく末は……」

………

召喚士『ういぃ……おう!酒買ってこい!』

喚起士『そんなお金は……もうありません……』

召喚士『てめえ……俺が神だってわかってそう言ってんのか!』

喚起士『………』

召喚士『何とか言え!』

パシーン!

喚起士『あっ……』

召喚士『チッ!てめえは大人しく神である俺の為に酒用意すればいいんだよ!』

喚起士『うぅ……』

………

ジノ「こんな感じになるから!」

ネメア「なるだろうな……」

ジノ「でしょ!」

ネメア「有り得過ぎて笑えん……」

ジノ「だから言わなかったの!」

ネメア「なるほど……」

ジノ「後ね……召喚兄さんは女神の子なんだって……」

ネメア「………」

ジノ「ロノウェって悪魔いたでしょ?アレが女神に頼まれて召喚兄さんを人間の世界で育ててたみたい……」

ネメア「それでロノウェは私に事情を話せんかったのか……」

ジノ「………」

ネメア「召喚士が女神の子で……半神とはな……」

ジノ「うん……」

ネメア「確かにこんな事……簡単には話せんだろうが……」

ジノ「………」

ネメア「………」

ジノ「ちょっと信じられないと思うけど……」

ネメア「いや……そうなのだろ。私との召喚術に耐えられた事と言い、他の事も……」

ジノ「………」

ネメア「……他の事?」

ジノ「なに……?」

ネメア「召喚士は……レラジェの魔矢を受けたな……」

ジノ「うん……」

ネメア「何故耐えられた……神と言えどあの魔矢の一撃は……」

ジノ「………」

ネメア「………」

ジノ「……半分人間だからその部分に当たったんだよ」

ネメア「そんな事があるのか……?」

ジノ「さあ……でも!気にする事無いじゃん!」

ネメア「………」

ジノ「召喚兄さんだし!」

ネメア「……それもそうだな」

ジノ「え……」

ネメア「アイツはあの時、私に力を貸すと言ったのだからどうなろうとも覚悟はあった筈だしな」

ジノ「………」

ネメア「例えその身が朽ちてようが文句は無かっただろうな!うん」

ジノ「………」

ネメア「それにしてもジノよ、召喚士の事情をかなり深い所まで知っている様だが……何故だ?」

ジノ「あの時……ロノウェが喚起士と話してたでしょ?」

ネメア「うむ」

ジノ「その話を後から喚起士に聞いたの」

ネメア「そうか……」

ジノ「喚起士は召喚兄さんと一緒にいるって条件で話して貰ったみたいだったけど」

ネメア「なんだその条件は。ロノウェが……いや、無理なのか」

ジノ「悪魔だからね……」

ネメア「それにロノウェの役目も重なっているのだろ」

ジノ「みたいね。女神が召喚兄さんをロノウェに託したのもその辺が事情みたいだけど」

ネメア「なるほどな……己の傍らに置けないなら一番安全な所へと預けたわけか」

ジノ「うん……」

ネメア「………」

ジノ「ロノウェなら他の悪魔何かも手出し出来ないもんね……でもそれも無いし……」

ネメア「………」

ジノ「ちょっと召喚兄さん可哀想かな……」

ネメア「喚起士やお嬢がいるのだ。後は自分でなんとかするだろ……」

ジノ「そうだね……」

ネメア「ジノ、私が召喚士の元へと喚ばれた理由も知っているのか?」

ジノ「喚起士の話じゃ送り込まれたとか言ってたけど」

ネメア「送り込まれた?……それでは誰かの意図で私が喚ばれたみたいではないか」

ジノ「この辺は喚起士も聞いて無いみだいだけど……」

ネメア「そうか……」

ジノ「でもね、何となくはわかるよ」

ネメア「教えてくれ……何故私は喚ばれた?召喚士は私を喚び出せる召喚陣を使わず……しかも間違った召喚陣を使って何故私を……?」

ジノ「あたしの推測だからね?本当かどうかわからないけど……この世界から召喚兄さんの所へ行った召喚陣って斧が使った召喚陣なんじゃないかな……」

ネメア「まさか……」

ジノ「召喚兄さんはローンを喚び出そうとしてたんでしょ?」

ネメア「うむ……」

ジノ「だから、斧が使った召喚陣に兄ちゃんが入って!偶然同じ時にローンを喚び出そうとしてた召喚兄さんの所に出口が出来ちゃったんじゃないかな……」

ネメア「………」

ジノ「細かい所は半神の力って事で」

ネメア「……有り得るのか?」

ジノ「さあ?推測だから」

ネメア「………」

ジノ「送り込まれたの意味はわからないけどね」

ネメア「ふむ……」

ジノ「この辺も女神が絡んでるからロノウェも教えなかったのかもね……」

ネメア「恐らくそれだな。いい迷惑だ。どうせなら斧の元へと送ればよいものを」

ジノ「召喚兄さんと斧じゃ斧の方が良いもんね……」

ネメア「比べるまでも無い」

ジノ「そか……それにしてもさ、召喚兄さんこれからどうするんだろうね?」

ネメア「さてな。それは召喚士が選び辿る道だ」

ジノ「そうだけどさぁ……気になるじゃん!」

ネメア「どうせダラダラと人生を無駄に過ごすに決まってる」

ジノ「それは違うよ?兄ちゃん」

ネメア「……違うと思うのか?」

ジノ「だって召喚兄さん絶対喚起士のヒモになるもん」

ネメア「ああ……確かにそうだな。間違いない」

ジノ「でも勿体無いよねぇ。あの魔力があれば魔術関連の生き方もあると思うんだけど」

ネメア「召喚士自身がそれに気付かねばどうする事も出来んだろ」

ジノ「うん……でもやっぱり魔法使いとかになっても喚起士のヒモになってそうだね」

ネメア「あいつにそんな甲斐性がある筈が無い」

ジノ「召喚兄さんに喚起士任せたの失敗したかな……」

ネメア「喚起士が不幸にならねばよいがな」

ジノ「………」

ネメア「………」

ジノ「大丈夫だよぉ……」

ネメア「大丈夫では無いと思うがな」

ジノ「大丈夫だって!召喚兄さんだって男だもん!ここって時は決めてくれるって!ねッ!召喚兄さん!」

召喚士「………」

ジノ「……え?」

召喚士「………」

ネメア、ジノ「………」

召喚士「……ここどこ?何で俺は草原のど真ん中にお前達といるの……?」

ネメア、ジノ「………」

召喚士「おいって……」

ネメア、ジノ「何でいるぅぅッ!?」

召喚士「………」

ーーーーー

女王「……と言う、お話だったのです」

勇者、女騎士「………」

女王「この国が未曾有の危機に瀕して救われたのは……もう三年以上前の事になります……」

勇者「失礼ですが……先程の話に出てきた方達の姿が見当たらないようですが」

女王「………」

女騎士「国を救ったのだからこの場にいそうなものだが」

女王「それはこれからお話します……」

勇者、女騎士「………」

女王「その後、ネメアとジノを還したのですが……件の召喚士も姿を消してしまっていました……」

勇者「………」

女騎士「どこへ行ったかは?」

女王「わかりません……四方手を尽くし探しているのですが見付からず……」

女騎士「ふむ……」

女王「………」

勇者「……それで俺達に用と言うのはやはり、召喚士と言う方を探して欲しいと言う事でしょうか?」

女王「はい……聞けば勇者様は槍と言う方を探して各地を旅していると聞きましたもので」

勇者「………」

女王「お願い出来ますでしょうか……?」

勇者「俺の旅は……槍さんを見付けたらそこで終わります。それ以上は続けられません」

女王「………」

勇者「それでも宜しければ……ですが」

女王「構いません。それでも見付からないのなら……この世にはいないのかもしれませんから……」

勇者「………」

女王「………」

女騎士「勇者よ、いいのか?」

女王「あっ、召喚士を探すのは槍と言う方を探すついでで宜しいので」

女騎士「……ついででいいのか?」

女王「はい。……もう一人は恐らく召喚士と一緒にいると思いますのでその方は必ず戻るようにと仰っていただければ」

勇者「召喚士と言う方だけではないんですか?」

女王「はい……あの日消えてしまったのはもう一人いまして……」

勇者「………」

女王「その方だけは国を揚げて必死に探したのですが……」

女騎士「召喚士と言う輩と同様見付からず……か」

女王「はい……何かあれば谷の国へ帰って来てる筈なんですが……」

女騎士「それが帰らずと言う事は召喚士と一緒と言う事か」

女王「そうです……」

勇者「わかりました。その方もお見掛けしたら声を掛けますので……」

女王「お願い致します……」

勇者「それと……」

女王「そうでした、勇者様がお探しになっている槍と言われる方はこの国にはいないようです」

勇者「そうですか……」

女王「……魔王を討ち果たした勇者様がお探しになるぐらいですから立派な方なのでしょうね」

勇者「は

女騎士「単なる愚か者だ。折角、救いだしてやったのに魔王を倒した途端どこぞへ消えて……」

勇者「………」

女騎士「勇者がいるから探してやってるのだ……」

女王「な、何か事情がおありの様で……」

勇者「気にしないでください……」

女騎士「女王よ、召喚士の容姿は?何か特徴的な物は?」

女王「勇者様達はこれから南へ向かわれるとお聴きしましたが……」

勇者「確かに。山越えをせず、東へ行こうと思いますが……それが何か?」

女王「途中、港の町へ寄られるかと思いますが……その町にある浜辺に召喚士の胸像が立っております……」

勇者「胸像……ですか?」

女騎士「一国を救った英雄なのだ。それぐらいはあるだろ」

女王「………」

勇者「ですが……何故港の町に胸像なんかを?」

女王「……私達の国とは関係御座いません。勝手に立っていたのです……」

勇者、女騎士「………」

女王「何故かはわかりませんが……」

勇者「そ、そうですか……ならその胸像を頼りにすればいいですね?」

女王「はい……」

勇者「わかりました……」

ゴソッ

盗賊、子盗賊「………」

女王「ハッ!い、今はお客様がいらしてるので用は

盗賊「お腹空いた」

子盗賊「お腹空いた」

女王「で、でしたら大臣に何か作らせるように

盗賊「……今日は魔力をくれる日」

女王「ででででも……」

盗賊「………」グギュルル……

子盗賊「………」グギュルル……

女王「………」

勇者 (女王が二人……?)

女騎士 (この国の女王は双子なのか……)

盗賊「駄目なら明日、夜になるまで吸い続ける」

女王 (そそそそそんな事になったら私死んじゃう……)

盗賊「………」

女王「……わかりました。勇者様……槍と言う方がこの国に訪れたならお引き止めしておきますので……」

勇者「はい……」

女王「それでは失礼致します……勇者様の旅に幸運を……はぁぁ……」

勇者 (何であんな嫌そうな顔するんだろ……)

女騎士「勇者よ、行くぞ」

勇者「は、はい」

女王「………」

盗賊「………」

女王「はぁ……ねえ、盗賊」

盗賊「なに」

女王「召喚士達……これで見付かったらいいね……」

盗賊「………」

女王「……私も姫宮の時の様に召喚士達を探しに行きたいなぁ」

盗賊「駄目」

女王「なんで?」

盗賊「剣士がここで姫さんを守る様に言ったから」

女王「………」

盗賊「………」

女王「そっか……そうだよね。剣士待ってないといけないもんね……」

盗賊「………」コクッ

女王「……剣士は帰って来るよね?」

盗賊「私がいるから帰って来る」

女王「子盗賊見たらどんな顔するかな……ふふっ」

盗賊「………」

女王「私も盗賊みたいな親になれるかな……」

盗賊「………」

女王「二人、同じ様に大きくなっても全然違うもんねぇ……盗賊が羨ましい」

盗賊「そう」

女王「はぁーあ……女王代わってくれない?」

盗賊「嫌」

女王「冗談だよ!……最近ね、召喚士達といた時の様に外へって思うんだよ………

盗賊「………」

女王「……私は私だけど私の知らない私を知りたいって言うか」

盗賊「………」

女王「何で御父様は私を引き取って娘にしたのかなって……」

盗賊「………」

女王「それは大臣に聞けばいいんだけど!自分の事だもん……自分で調べて知りたいんだよ」

盗賊「………」

女王「ふふっ……やっぱり知らなくていいかな!私はどうであっても谷の国の女王だもんね!」

盗賊「………」コクッ

女王「………」

子盗賊「……お腹空いた」グキャアア!

女王「………」

盗賊「待て」

子盗賊「待つ」

女王「……や、やっぱり何か食事を

盗賊「………」ガバッ!

女王「んんっ!はぁ……ぁっ……」

盗賊「チュパっ……ん……」

女王 (ああ!凄い……盗賊ぅ……)

女王 (私……私……盗賊から離れられなくなっちゃうよぉぉ……ァァァッ!)

女王 (ああああッ!駄目駄目きちゃうぅぅぅ!)

子盗賊「………」



女騎士「どうしたボッーとして」

勇者「いえ……」

女騎士「いい加減バカ槍の事など諦めたらどうだ?」

勇者 (女王は……魔術師様に似ていたな……)

女騎士「どうせくだらん話で女子供を引っ掛けゲスの如く手を出し牢獄にでも捕らえられてるのだろ」

勇者 (似てた……)

女騎士「いい気味だ!」

勇者「………」

女騎士「……そうだ、勇者よ」

勇者「……はい?」

女騎士「私はこの国に違う用があるのだが……」

勇者「違う用ですか?何です用って」

女騎士「いや……うん……」

勇者「……?」

女騎士「知らなくていい!そう!だから城門で待っていて貰えるか!」

勇者「……はぁ?いいですけど……」

女騎士「………」

勇者 (用って何だろう……女騎士さんの知り合いにでも会うのかな)

女騎士 (ふふふ……全てこの為に谷の国へ来たのだ……)

勇者「………」

女騎士 (番人め……貴様がとっとと私に手を出していればこの様な事せずとも良かったのにな!)

勇者「じゃあ行ってますけど……」

女騎士 (だが……ここへ来たからにはそうはならないぞ!)

勇者「女騎士さん?」

女騎士 (あははははは!)

勇者 (何でこんなに企んでる顔してるんだろ……)



女騎士「おお……これがネメアか……」

大臣「ようこそネメア殿へ。良い出逢いや殿方に恵まれないご婦人方の味方ネメアが祀られています」

女騎士「………」

大臣「さあ、かつてネメアが召喚され鎮座していた場所にある像の前へ」

女騎士「うむ……」

大臣「………」

女騎士「……で、どうすればよいのだ?」

大臣「拝むもよし、触るもよし……ご自由に。それで貴女に良い出逢いが!中々振り向かない殿方が!」

女騎士「………」ゴクッ……

大臣「貴女の手に……ふふ」

女騎士「おお……」

大臣「そうそう、ご寄付も承っておりますので」

女騎士「………」

大臣「如何なさいました?」

女騎士「いや……」

大臣「……ご寄付の件はお気になさらず。貴女様のお気持ち次第ですから」

女騎士「そ、そうだな……」

大臣「………」

女騎士「……ぐぬぬぅ!」ナムナムッ!

大臣「………」

女騎士「何卒ぉ……何卒ぉ勇者がぁぁ勇者とぉぉ勇者をぉぉ……」

大臣「………」

女騎士「……ふぅ」

大臣「お済みですか?」

女騎士「うむ……」

大臣「左様ですか……左様で……」

女騎士「……何故そんな残念そうな表情をする?」

大臣「いえ……先程の祈りで足りたのかと……」

女騎士「今のでは足りないと……?」

大臣「貴女様がそれで満足なら私は何も申しません。何もね……」

女騎士「………」

大臣「……あれでは報われない」ボソッ……

女騎士「………」

大臣「失礼、少し声に出てしまいましたな」

女騎士「どどどどどうすればいい!?おいッ!」

大臣「どうすればと申されても……」

女騎士「なんでもいいッ!何か裏技的な物もあるんだろ!?」

大臣「無い事も無い……のですが……」

女騎士「それを教えてくれッ!頼む!」

大臣「………」スゥ……

女騎士「何だその手は……」

大臣「私も慈善にネメア殿の管理をしているわけではありませんでな」

女騎士「………」

大臣「人を雇い、ここを維持するにも何かと必用なのですよ」

女騎士「………」

大臣「……後は言わずもかな」

女騎士「わかった……持っていけ」

大臣「ほほ!毎度……いえ、ご寄付の程感謝致します」

女騎士「……それで必ず報われるのだな? 」

大臣「ええ!勿論!……なんと!」

女騎士「なんだ……」

大臣「貴女様の後ろにネメアが見えます……これは……」

女騎士「………」キョロ!キョロ!

大臣「貴女様は運がいい……中々に現れないのですぞ!」

女騎士「ネメアが見えたらどうなる……?」

大臣「ネメアが貴女様の想いを聞き入れ……意中の殿方との仲を必ずや手に納める事しょう!」

女騎士「本当か!?」

大臣「はい!本当で御座いますぞ!ささッ!お急ぎください!」

女騎士「何故急がねば

大臣「ネメアの効力が強いうちに!殿方の側へ参ればその仲がより強硬な物に!」

女騎士「なんとぉ!わかった!」

大臣「あ、外の露店でお土産を買えばその効力が更に倍!是非とも手に入れておかれた方がよいですぞ!」

女騎士「おおおおおッ!」

ダダダダッ!

大臣「………」

大臣「ふふ……」



女兵士「今日は暇ねぇって……」

兵士「こんな日もあるだろ」

女兵士「そうだけどって」

ダダダダッ!

女兵士、兵士「……?」

女騎士「はあはあッ!……ごほんッ!」

女兵士「いらはいーませって!こちらのメニューより選びご注文くださいませって」

女騎士「………」スゥ!

女兵士「はい!ネメアまんじゅうですねって」

女騎士「………」スススゥッ!

女兵士、兵士「え?」

女騎士「………」……スゥ!

女兵士「あのって……一体メニューのどこを指したのって?」

女騎士「……全部だ」

女兵士「は?」

女騎士「全部……貰おう……」

女兵士「………」

兵士「いいんですか?結構な額になりますけど……」

女騎士「構わん!」

兵士「は、はい!まいど……」

女騎士「ふ……ふふ……」

女兵士「……時々こう言うお客いるよねって」コソコソ

兵士「事情ってもんがあるんだよ……年齢的に切羽詰まってるんだろ……」コソコソ

女騎士「何をコソコソしている?」

女兵士「い、いえ!こう豪気なお客様なら相手の方も想われて羨ましいって!」

女騎士「そうか?ふはははは!そうだろそうだろ!」

女兵士、兵士「………」

女騎士「時にお前達……ここで商売をして……」

女兵士、兵士「………」

女騎士「ネメアの恩恵みたいな物はあったか……?」

女兵士、兵士「………」バッ!

女騎士「何故、左腕を……なッ!」

女兵士、兵士「………」

女騎士 (あ、あれがマリッジリングなる物か!……何と言う輝きだ……)

女兵士、兵士「………」ピカーン

女騎士 (クソッ!今の私には眩しすぎる……)

女兵士 (ああ……この人結婚出来ないタイプの人間って……)

兵士 (この手の女って……結婚指輪見ると眩しそうにするんだよな……)

ーーーーー

ネメア「帰れッ!」

召喚士「………」

ジノ「帰れッ!」

召喚士「お前らさ……説明くらいしろよ……」

ネメア、ジノ「………」

召喚士「帰れ帰れって言われてもどう言う状況なのか理解出来ないんだけど!」

ネメア「私達も理解出来てないのだ!」

ジノ「………」

召喚士「なんだよそれ……」

ジノ「兄ちゃんさ……」

ネメア「なんだ?」

ジノ「ちゃんと契約は解除……した?」

ネメア「………」

ジノ「まさかしてないの……?」

ネメア「………」

ジノ「それのせいなんじゃ

ネメア「ば、馬鹿な事を!そんな筈は無い……」

ジノ「……言い切れるの?」

ネメア「………」

召喚士「なに……こうなってるのってお前のせいなの?」

ネメア「違う……」

召喚士「おい!こっちを見て言え!」

ネメア「………」

召喚士「まあいいや。取り合えずここどこだよ?」

ネメア、ジノ「………」

召喚士「谷の国からそんな遠いのか?」

ネメア「遠いな……」

召喚士「なんだよ……また旅みたいな事しなきゃなんないのか……」

ジノ「あのね召喚兄さん……もう旅はしなくていいんだよ……」

召喚士「なんで?谷の国まで帰んなきゃいけないだろ」

ジノ「その必要はね……無いんだよ……」

召喚士「また同じ様に帰れるの?」

ジノ「………」

召喚士「……?」

ネメア「この世界はお前がいた人間の世界じゃ無いんだ……」

召喚士「……どう言う事?」

ジノ「ここから帰れないって事かな……」

召喚士「………」

ネメア「私達……魔物の世界にお前はいるんだ……」

召喚士「………」

ジノ「主に人間界で存在してない召喚獣なんかが暮らしててね……」

召喚士「………」

ネメア「もちろん……人間を憎むやからも多く存在する……」

召喚士「……やめろよ。お前ら俺をビビらせようと

ジノ「してない……」

召喚士「な、なら冗談

ネメア「など言えるはず無い。この状況ではな……」

召喚士「帰せよ!」

ネメア、ジノ「………」

召喚士「ほらまたあれやれば戻れるんだろ?なあ?」

ネメア「どうやってだ?この世界と人間の世界とでは召喚の仕方が恐らく違うぞ」

召喚士「……じ、じゃあ!誰かに向こうから召喚して貰えば!」

ネメア「誰がそんな事をする?」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「……ローンちゃんはここにいるの?」

ネメア「いるだろうが……そうか!」

召喚士「ローンちゃんに言って性悪斧に俺を召喚して貰えば!」

ネメア「なるほど……確かにいけるかもしれんがそれは……」

召喚士「よし!じゃあローンちゃん探して!」

ジノ「あー……ゴメンね。それ無理なんだよ」

召喚士「……なんで?」

ジノ「召喚兄さんさ、向こうの世界に何か残してきてる?」

召喚士「残して?どう言う意味だ?」

ジノ「召喚される側はね、本来いた世界や場所に戻る道標を帰る為に残してこなきゃいけないんだよ」

召喚士「………」

ジノ「それで、何かは自分のものだったらなんでもいいの。肉体とか感情とか」

召喚士「………」

ジノ「召喚兄さん……そう言う物を向こうの世界に残してきてないでしょ?」

召喚士「無い……あ、ある!」

ジノ「あるの!?」

召喚士「抜けた髪の毛とか!一人でした後の……ゴニョゴニョ……とか!」

ジノ「………」

召喚士「どうだ!」

ネメア「それでは駄目だろうな……」

召喚士「なんで!?」

ネメア「召喚される側の魂と釣り合いが取れる物でなければならんのだ。そんな物で貴様の魂と釣り合いが取れるわけが無い……」

召喚士「なら他の方法で……」

ジノ「まあ……帰れなくても問題無いじゃん」

召喚士「は……なんで……?」

ジノ「向こうで待ってる人もいないし!いてもどうしょうも無いし!」

召喚士「………」

ジノ「この世界で野垂れ死ぬのも一興だと思うけど」

召喚士「アホか……誰が野垂れ死ぬか……」

ジノ「そう?あたし助けてあげないからね?」

召喚士「………」

ネメア「………」プイッ

召喚士「お前は俺を助けろよ!」

ネメア「激しく嫌だ……それにジノが言ってた通りだろ?」

召喚士「………」

ネメア「人に迷惑をかけながら生きるならここにいろ」

召喚士「いくらなんでも酷過ぎだろ……」

ジノ「酷く無いよ!どうせ帰ったって喚起士を不幸にするだけだもん!ね!喚起士!」

喚起士「………」

ジノ「……え?」

喚起士「あの……ここは……?」

ネメア、ジノ「何でいるぅぅ!?」

召喚士、喚起士「………」

ーーーーー

女騎士「ぬはははははッ!」

勇者「………」

女騎士「ぬはははははッ!」

勇者「あのですね……人の顔見て高らかに笑うの止めていただけませんか……?」

女騎士「別に良いだろ!ぬはははははッ!」

勇者 (何でこんなに機嫌がいいんだろ……)

女騎士 (貴様は既に私の物となったのだ!ぬはははははッ!)

勇者「……それとですね、その荷物は何ですか?」

女騎士「乙女の秘密だ」

勇者「………」

女騎士「さあ!温泉の村まで後少しだ!行くぞ!ぬはははははッ!」

勇者「はい……」



チャポーン……

女騎士「………」

蒼頭「結構な湯加減で御座いますな、母上殿」

蒼頭母「そうですね蒼頭……」

女騎士 (こいつらはなんだ……何故顔を隠し入浴などしてる……)

蒼頭母「蒼頭、谷の国の方々には十二分に御礼をしなければいけませんよ」

蒼頭「は!母上殿、心得ております故」

女騎士 (親子だろうが……怪し過ぎる……)

蒼頭母「ふふふ……湯が柔らかい。とても良い温泉ですね」

蒼頭「そうで御座いますな!こう、肌に染み渡るようないい湯で御座います!」

女騎士 (まあ何であれ……胸は私の勝ちか。ふっ!)

蒼頭母「………」

蒼頭「……母上殿、如何なされた?」

蒼頭母「そこの異国の方……」

女騎士 (ぬはははははッ!勇者よ……今宵はこの胸に顔を埋めるがいい!)

蒼頭母「もし……異国の方!」

女騎士「……?」キョロ?キョロ?

蒼頭母「そなたです……」

女騎士「私か……?な、なんだ?」

蒼頭母「……失礼ながら、そなたの顔に禍患の相が出ております」

女騎士「……は?」

蒼頭「母上殿……見ず知らずの緒方にそれは……」

蒼頭母「私はこの緒方をお助けしたいと……」

女騎士「………」

蒼頭母「いえ、余計な事でしたね。誠に失礼致しました……今言ったお事は忘れてくださいませ……」

女騎士「………」

蒼頭母「ただ……」

女騎士「……ただなんだ?」

蒼頭母「もし、そなたが旅をしているのなら……その旅が終わるまで殿方に触らぬように……」

女騎士「………」

蒼頭母「………」

蒼頭「母上殿……それは心配いらぬ事なのでは?」

蒼頭母「そうですが……万が一と言う事もあります。見てくれはお綺麗でも気配がこうでは心配に……」

女騎士「………」

蒼頭「なるほど……母上殿は実にお優しいですな!」

蒼頭母「ふふふ。……蒼頭」

蒼頭「は、何で御座いましょう?」

蒼頭母「そなたの刀を打ちし刀匠にはやはりお会い出来ませんか?」

蒼頭「それは……残念ながら叶いませぬ……」

蒼頭母「そうですか……」

蒼頭「地中深く居を構え……そこまでの道らしき道は御座いませんのでな」

蒼頭母「お礼をしたかったのですが……」

蒼頭「………」

蒼頭母「残念ですね……あの様な素晴らしき刀をそなたに与えたお方ですから一目会いとう御座いましたのに」

蒼頭「某も会わせとう御座いましたぞ……以前の刀の供養の為に……」

蒼頭母「私の大切な刀だったのですが……」

蒼頭「……申し訳ありませぬ母上殿。某が確りと精進していたら刀を泣かせる事は無かったのですが……」

蒼頭母「構いません……我が家では母親から娘へ、己が手に入れし刀を譲るのが慣わし」

蒼頭「………」

蒼頭母「これで蒼頭も嫁入り出来ますね」

蒼頭「は、はぁ……」

蒼頭母「己の子に託せる刀を手に入れたのですから……ふふ」

蒼頭「………」

蒼頭母「本当に良かった……」

蒼頭「あ、あの……母上殿?某にはまだ嫁入りとか早いと申そうか……」

蒼頭母「早い?」

蒼頭「………」

蒼頭母「……何が早いのです。そなたは帰還してからと言うもの番の殿方を探そうともせず!」

蒼頭「………」

蒼頭母「日々、女の身でありながら修行に明け暮れ……ああ……」

蒼頭「いや……母上殿……」

蒼頭母「刀を手に入れると言う役目は果たしたのです!次は孫を私に見せるのが役目ではないのですか!」

蒼頭「………」

蒼頭母「全くそなたはぁ!」クドクド……

蒼頭「………」

蒼頭母「私が刀捜しの旅をしていた時は殿方を……」クドクド

蒼頭 (……姫様、あれから三年以上の月日が経つが如何か)

蒼頭母「取っ替え引っ替えして親御にこんな小言を言わせる事など……」クドクド

蒼頭 (きっと立派になられてるでしょうな……ふふ)

蒼頭母「このままでは兎角一族の存続問題にもなりかねませんよ!」クドクド

蒼頭 (蒼頭は変わらず元気で御座いますぞ……姫様……)

蒼頭母「確りと聴いているのですか!」

蒼頭 (今……約束の家族を従え姫様のお膝元まで来ています……)

蒼頭母「はぁ……」

蒼頭 (はよう逢いとう御座いますな……)

女騎士「わわわわわわ私はどうすれば救われるんだあぁぁぁぁッ!」

ーーーーー

ネメア「これは困った事になったな……」

ジノ「うん……まさか喚起士まで付いて来ちゃったなんて……」

喚起士「………」

召喚士「俺と凄い違い……」

ジノ「召喚兄さんはどうでもいいもん」

召喚士「よくないだろッ!」

喚起士「あの……ジノ達が本来いる世界に私達は来てしまったのはわかるんですが……」

ネメア「すまない……」

召喚士「謝るって事はやっぱりお前が悪いんじゃないか!」

ネメア「黙れ!」

喚起士「それはいいんです。よくはありませんが……この世界に人間はいていいものなんでしょうか?」

ネメア「ふむ……」

喚起士「私達に何か不都合な環境であるなら……」

ネメア「それは大丈夫だと思う」

喚起士「何故でしょう?人間の住みかでは無い世界に足を踏み入れたんです……」

ネメア「実はな……この世界にも人間はいる」

喚起士「……は?」

ネメア「だからその辺は心配する事は無い」

喚起士「………」

ネメア「ソイツがいるのだからお前達も大丈夫だろ」

喚起士「……その人間の方は何者なんです?」

ネメア「学者……をやっている変わった奴だな……」

喚起士「………」

ジノ「あたし達の召喚における知識もオッチャンから教えて貰ったんだよ」

召喚士「オッチャンかよ……」

喚起士「ならその方を頼れば……」

ネメア「………」

喚起士「何か問題でも?」

ネメア「ソイツはかなり遠方に住んでいてな……ここからだと喚起士の足で何年もかかる場所にいるんだ……」

喚起士「………」

ネメア「頼りたいのは山々だが、簡単にとはいきそうに無いな……」

喚起士「なるほど……」

召喚士「ならお前だけ行ってこいよ」

ネメア「………」

召喚士「どうせ私の足なら二日だ!とかなんだろ?」

ネメア「……それで構わんのならそうするが」

召喚士「構うわけ無いだろ!」

ネメア「そうか……召喚士よ、お前をこの世界で守らなくてもよいと言うのか」

召喚士「え……」

ネメア「わかった……私が帰ってくるまで一人この世界で生きろよ……」

召喚士「………」

ネメア「……死ぬなよ。では!」ダッ!

召喚士「まままままま

バビューンッ!

召喚士「………」

喚起士、ジノ「………」

召喚士「や、やだなぁ……ネメアの奴脅かして……」

ジノ「マジで脅しだと思うの……?」

召喚士「………」

ジノ「さっきも言ったけどあたしは絶対助けてあげないからね……」

召喚士「薄情者!」

ジノ「あたしは喚起士守んなきゃいけないの!」

召喚士「俺もついでに守ってくれよ!」

ジノ「無ー理ーでーすーぅ!」

召喚士「じゃあ俺はどうすればいいんだよ……」

ジノ「言ったじゃん。野垂れ死ねって」

召喚士「………」

喚起士「ジノ……」

ジノ「喚起士が言っても無理なものは無理なんだよ……どちらか一人守るのが精一杯なんだもん……」

喚起士「………」

ジノ「だから……」

召喚士「おおおお……」

喚起士「私は大丈夫ですから召喚士さんを

ジノ「嫌!」

喚起士「………」

ジノ「こればっかりは喚起士に何言われようが無理だよ!召喚兄さん守ったらあたしにエッチな事するもん!」

召喚士「生きるか死ぬかわからない時にそんな事するか!」

ジノ「するね!」

召喚士「お前ね……」

喚起士「………」

ジーノォー!

ジノ「……あ!」

……「ジノ!」

ジノ「アンドロ!」

アンドロ「久し振りだなジノ!」

ジノ「うん!」

アンドロ「人間の世界に行ってたんだって?クリオ達から聞いたよ」

ジノ「まあ……そうなんだけどね……」

アンドロ「……?そうそう!向こうの話聞かせてくれよ!ピラミッドまだあった?」

ジノ「それは知らない……」

アンドロ「えええ!何だよ!人間の世界行ったらまずはピラミッドだろ!」

ジノ「それはアンドロ限定じゃん……」

召喚士「………」

喚起士「ジノ……あの……」

召喚士「何だこの生き物は!」コソコソ

ジノ「あたしと同じスフィンクスだけど」

召喚士「はぁぁ?スフィンクスってのはジノみたいなのだろ!」

ジノ「あのね……召喚兄さん本当少しは勉強した方がいいよ?」

召喚士「………」

ジノ「はぁ……仕方無いから冥土の土産に教えてあげるけど……」

召喚士「不吉な言葉を付け加えないで教えろよ……」

ジノ「あの男のスフィンクスがアンドロ・スフィンクスって言うんだよ」

召喚士「うん……」

ジノ「で、牡羊っぽいのがクリオ・スフィンクス。隼っぽいのがヒエラコ・スフィンクスだよ」

召喚士「……ならジノは?」

ジノ「何言ってるの……?」

喚起士「……召喚士さん、ジノはジノと言う個の名前では無くジノ・スフィンクスと言う種の名前なんですよ」

召喚士「え、そうなのか?」

ジノ、喚起士「………」

召喚士「そんな目で見ないでください……」

アンドロ「………」クンクン

召喚士「………」

アンドロ「……ジノ」

ジノ「なに?」

アンドロ「この人間臭い奴等はなんだ?」クンクン

ジノ「え……そそそそそれは……」

アンドロ「まさか人間なんて事は無いよな?」

ジノ「ち、違うし!アンドロ何言ってるの!」

アンドロ「………」

ジノ (まずいな……)

召喚士「……何でジノは人間って言わないんです?」

喚起士「恐らく……私達の正体が人間だとバレると食べられるんだと……」

召喚士「………」

アンドロ「……まさか本当に

ジノ「あ……あれだよッ!あたし人間の世界に行ってたじゃん!」

アンドロ「それが?」

ジノ「その時にね!こっちの世界に来たいって言ってた妖精なんだよッ!」

アンドロ「妖精って……あれが?」

召喚士、喚起士「………」

ジノ「そうだよッ!」

アンドロ「………」

召喚士「ぼ、僕かわいい妖精だよ!」えへっ!

アンドロ「………」

喚起士「わ、私もかわいい妖精……です……」えへ……

アンドロ「………」

ジノ「ね!?」

アンドロ「………」

召喚士、喚起士「………」

アンドロ「雌の方ははわかるが……雄の方は妖精って面じゃ無いだろ……」

召喚士「………」

ジノ「人間の世界にいた妖精だから……」

アンドロ「へぇ……変わってるんだな向こうの妖精って」

ジノ「う、うん!変わってるの!」

召喚士「………」



召喚士「喚起士さん……俺はそんなに妖精に見えませんか……」

喚起士「見える……と思います……」

ジノ (こいつは何でそこにショックを受けてるんだよ!)

アンドロ「お前ら何か魂も変わってるんだなぁ」

喚起士「人間の世界で生まれ育ちましたから……はは……」

アンドロ「ふーん……おい」

召喚士「……はい?」

アンドロ「………」

召喚士「………」

アンドロ「……あれはお前のつがいか?」

召喚士「つがい……?」

アンドロ「違うのか?」

召喚士「……そ、そうさ!」

アンドロ「お前凄いな……」

召喚士「なんで……?」

アンドロ「至宝を二つも我が手にしてるんだぞ……」

召喚士「まままままあね!はははは!」

アンドロ「片方くれよ……」

召喚士「やれるわけ無いだろ……どちらか欠けたらアノ!至宝は意味が無くなるんだからな!」

アンドロ「……そっかぁ。そうだよな……」

喚起士、ジノ「………」

アンドロ「お前、ここへ来たばかりだろ?」

召喚士「そうだけど?」

アンドロ「よっしゃ!ジノ、かみさん、こいつ借りてくぞ」ガシッ!

召喚士「へ?」

アンドロ「いっくぞぉッ!」バサッ!

召喚士「ほあああ!」

バサバサバサッ!……ひぃぃぃ高いぃぃぃ………

喚起士、ジノ「………」

喚起士「は!し、召喚士さん!」

ジノ「………」

喚起士「どどどどどうしましょう!連れ去られてしまって……」

ジノ「放っときなよ……」

喚起士「ジノ……?」

ジノ「あの感じじゃ大丈夫だから……」

喚起士「………」

ジノ「うん!邪魔者は去った!行こうか喚起士」

喚起士「えええ……」

ジノ「本当大丈夫だって!」

喚起士「……そうですね」

ジノ (ぇぇぇ……もっと心配するかと思った……)

喚起士「ジノ……」

ジノ「ん?なに?」

喚起士「もう私に構う事は無いんですよ……?」

ジノ「………」

喚起士「召喚された側とする側の関係は終わってるんです……ですから……」

ジノ「なぁに言ってるの!喚起士、そんな関係であたしといたの?」

喚起士「いいえ……」

ジノ「ならいいじゃん!そんな関係は終わったんだからこれからは友達ってやつでもね!」

喚起士「………」

ジノ「だから……友達が困ってたら助けるのは当たり前でしょ?うん、そう!」

喚起士「……ありがとうございますジノ」

ジノ「いいって……ふふ」

喚起士「………」

カアチャーーンッ!!

ジノ、喚起士「……?」

……「うおおおおッ!誰か!誰かカアチャンをぉぉぉ!」

ジノ、喚起士「………」

……「カアチャンを助けてやってくれぇぇ!」

ジノ、喚起士「………」

……「……だ、誰かぁカアチャンを!」

ジノ、喚起士「………」

……「………」

ジノ、喚起士「………」

……「誰かカアチャンを助けてやってくれぇ……」チラチラ

ジノ、喚起士「………」

……「………」チラチラ

ジノ、喚起士「………」

……「あーぁ……誰かカアチャンを助けてくれねえかなぁ」チラチラ

喚起士「あの……」

……「おおお!誰だか知らないが頼むカアチャンが苦しがって……助けてくれ!」

喚起士「……その奥さん?は何処に?」

ジノ「喚起士!」

喚起士「何が出来るかわかりませんが……困っているなら……」

ジノ「あんまりこう言うのは関わらない方が……」

……「こっちだ!ああぁカアチャン今助けてやるからな……」

喚起士「………」



召喚士「………」ガタガタ……

アンドロ「どうだ!いい眺めだろ!」

召喚士「高いです降ろしてください……すいません降ろしてください……食べないでくださいすいません……」

アンドロ「はあ?今は降ろせないし、お前なんて食べないよ……」

召喚士「……どうして?」

アンドロ「妖精ってクソ不味いじゃんな」

召喚士「じゃんななんて言われても……」

アンドロ「それと、お前こっち来たばかりだしな良い所連れてってやろうと思ってさ!」

召喚士「良い所って……?」

アンドロ「ふふ……」

召喚士「………」

アンドロ「サキュバスの巣に連れてってやるよ」

召喚士「なん……だと……ッ!?」

アンドロ「いいぞぉサキュバス!お前のつがいには敵わないがお宝級のパイオツがな!右往左往と……?」

召喚士「………」

アンドロ「……嬉しく無いのか?」

召喚士「………」

アンドロ「人間の世界にいた妖精ってそう言うの興味無さげ?」

召喚士「舐めるなよ……そう言うの人一倍興味あるさ……」

アンドロ「なら嬉しそうにしろよ……かみさんに遠慮してんの?」

召喚士「違う……今は内なる歓びを押さえ込んでんだ……ぐああ……」

アンドロ「………」

召喚士「よし……喜ぶぞ……」

アンドロ「……どうぞ」

召喚士「イヤッフゥゥゥゥッ!アハハハッ!人間の男どもよぉ!我は貴様らの追い求めるサキュバスへと近付こうとしているぞぉぉぉッ!」

アンドロ「………」

召喚士「どうだ!羨ましいか!グハハハハッ!」

アンドロ (変な妖精だな……)

召喚士「早くしろ!早く行け!渇れるまで頑張らなきゃな!」

アンドロ「渇れるのはいいが見るだけだからな?」

召喚士「……?」

アンドロ「そんな意味不明って顔するな……この世界じゃ常識だぞ……」

召喚士「なななななんで見るだけなんだよ!」

アンドロ「そりゃ……死にたく無いからだよ……」

召喚士「サキュバスとなんて死んで本望だろ!」

アンドロ「ああ……お前さ、人間の世界のサキュバスしか知らないのか」

召喚士「……こっちだと何か違うのか?」

アンドロ「違う……」

召喚士「………」

アンドロ「あっちじゃ精を吸うとかだけどこっちじゃ普通に食われるからな」

召喚士「……精を?」

アンドロ「いや、頭からガブリと……」

召喚士「………」

アンドロ「種族関係無くな……」

召喚士「………」

アンドロ「だから見るだけだからな。絶対声とか出すなよ……」

召喚士「………」

アンドロ「ほら、これ持ってろ」

召喚士「……これ何?と言うかどっから出したの?」

アンドロ「獣乳だよ」

召喚士「飲めと……?」

アンドロ「違う違う。もし見付かったらこれ投げろ」

召喚士「で?」

アンドロ「で、あいつら馬鹿だからそれを精子だと思って群がるからその隙に逃げる。わかった?」

召喚士「………」

アンドロ「人間の世界でも同じなんじゃないのか……?」

召喚士 (知るか……サキュバスを追い返そうなんて男はいる筈がないし!)

アンドロ「んじゃ!」

召喚士「……?」

アンドロ「サキュバスの巣までとばすぞぉ!」グンッ!

召喚士「はやややや!」

アンドロ「ついでだ!キリモミ三回転でござーい!」

ギュオォォォォッ!

召喚士「アババババッ!」

アンドロ「宙返り二段返しなぁーり!」

召喚士「………」

アンドロ「楽しいだろ!」

召喚士「………」ゲロゲロ……

アンドロ「汚いな!」

召喚士「うああ……うぷっ……」



……「いやぁ!あんた凄いな!」

喚起士「………」

……「カアチャンすっかり元気にしてくれてよ!」

喚起士「……それは

ジノ「喚起士……」フルフル

喚起士「………」

……「おし!何か御礼をしなきゃな!」

喚起士「御礼だなんて……結構ですよ……」

……「遠慮しなさんな!俺が出来る範囲の御礼するだけだしな!」

喚起士「………」

ピクト「そうそう!俺ピクトってんだ!あんたは?」

喚起士「喚起士と申します……」

ピクト「おう!喚起士先生!御礼は何がいい!」

喚起士「先生だなんてやめてください……後、御礼も本当結構ですので……」

ジノ「喚起士……御礼受け取ったら?」

喚起士「ですが……」

ジノ「ここにいるのにも何か必要な物かもしれないし。あって困る物なら返せばいいじゃん」

喚起士「………」

ジノ「ね?」

喚起士「もしあの方の奥様の症状が食べ過ぎだったと知られたら……」

ジノ「それでもいいと思うよ?相手が御礼したいって言ってんだから素直に受け取りなよ」

喚起士「………」

ピクト「………」

喚起士「貴方の御気持ちお受けします……」

ピクト「そっか!よかったぁ!」

喚起士「………」

ピクト「じゃ!何がいい!って俺は一つしか出来ねえけど!」

喚起士「なら……家をお願い致します」

ジノ「は?か、喚起士?」

喚起士「なにか?」

ジノ「いきなりそんな……家だなんてふっかけ過ぎだよ……」

喚起士「………」

ジノ「もっと遠慮した物を……」

喚起士「ジノ、この方はピクトなんですよ?」

ジノ「……だから?」

喚起士「この方……ピクトと言う種族は建築を得意とした種族なんですよ」

ジノ「こんな小さいのに?」

喚起士「ええ。集団で大仕事をこなす方達ですから……良いかなと」

ジノ「………」

ピクト「おう!そんなんでいいのかい!」

喚起士「はい」

ピクト「じゃあ!ん……天にそびえるくらいの城でいいかい?」

喚起士「い、いや!普通に私が住めるくらいの小屋で結構ですよ!」

ピクト「……小屋?天にそびえるくらいの?」

喚起士「全然そびえ無くて宜しいですから……」

ピクト「ふむ……」

喚起士「………」

ピクト「逆に難しいな……」

喚起士「もっと簡単に考えて貰えればいいですから……」

ピクト「……わかった。カアチャンの命の恩人の礼だ!やってみっか!」

喚起士「……絶対にそびえさせないでくださいね」

ピクト「わかったって!ガハハハハ!」

喚起士「………」



召喚士、アンドロ「………」

インキュバス「オッス!オッス!」

召喚士「おい……ふざけてんの……?」

アンドロ「おかしいな……」

召喚士「おい!てめえふざけてんのか!」

アンドロ「そんな怒るなよ……」

召喚士「何が怒るなよだ!サキュバスの巣だと聞いたから心の底から沸き立つ喜びを押さえつつここまで来たのに……」

アンドロ「………」

召喚士「それなのにこの仕打ちか!」

アンドロ「俺だってここがサキュバスの巣だって聞いてたから……」

召喚士「悪いけど!この召喚士……生まれ落ちて幾星相これ程腸煮え繰り返る怒りを感じたのは初めてなんだからな!」

アンドロ「悪かったって……」

召喚士「悪かったで済むか!」

アンドロ「俺も騙されたんだよ……」

召喚士「その騙した奴連れて来い!ゲンコツ喰らわせてやる!」

アンドロ「そんな事言われてもな……クリオの奴どこにいるんだか知らないし……」

インキュバス「………」

召喚士「うがあああ!この怒りをどこにぶつけてやろう!」

アンドロ「落ち着けって……」

インキュバス「君達……」

召喚士「俺しかいないのに君達ってなんだよ!」

アンドロ「はあ?俺言ったんじゃ……あがが……」ガタガタ……

召喚士「ああん!?」

アンドロ「う、うう後ろ見ろ……」

召喚士「………」

インキュバス「ウッス!」

アンドロ、召喚士「………」

インキュバス「………」

召喚士、アンドロ「あわわ……」

インキュバス「スフィンクスによくわかんないのか……悪くないねぇ……」

召喚士「み、見付かったけどどどどどどうするんだ!」

アンドロ「全力で逃げ切るしかない……」

召喚士「逃げ切れなかったら……?」

アンドロ「言わないとわからないか……?」

召喚士「………」

アンドロ「これだけは言っとくと、違う意味で喰われるからな……」

召喚士「………」

インキュバス「うふふん……どちらにしようねぇ……」

召喚士「……こ……こっちの方が良いですよッ!」

アンドロ「お前ッ!」

インキュバス「ほお……」

召喚士「こいつはアンドロ・スフィンクスと言いましてね!」

アンドロ「アホかぁッ!」

召喚士「こうなった責任をお前は取るべきだ!」

アンドロ「お前が大声で叫んでなきゃ見付かって無いわ!だから責任を取るならお前だろ!」

召喚士「ここへ連れて来られなきゃ大声も出して無いわ!」

インキュバス「………」

アンドロ「うるさい!グヘヘェ旦那!こいつは人間の世界から来たばかりの妖精なんですよ!」

インキュバス「ほお……人間の世界」

アンドロ「ですから!」

インキュバス「ううん、美味しそうだねぇ……」

召喚士「………」

インキュバス「………」ジィィ!

召喚士、アンドロ「………」

インキュバス「決めた……スフィンクスを頂いてから変わった奴を食べよう。うん」

アンドロ「………」

召喚士「おい!」コソコソ

アンドロ「死のう……雄の尊厳が融けきる前に……」

召喚士「おいって!」

アンドロ「なんだよ!」

召喚士「あいつに弱点は無いのかよ!」

アンドロ「……知らね」

召喚士「………」

アンドロ「………」

召喚士「使えない奴だな!これは!」

アンドロ「獣乳じゃ駄目なんじゃないかな……」

召喚士「もうぅ!なんでこうなるんだよ!」

アンドロ「マジでどうするか……ん……?」

召喚士「……え?」

ヒュュュウ……

インキュバス「私の顔に何か着いているかな?ふふ」

召喚士、アンドロ「………」

インキュバス「さてと……」

ズガァァァンッ!

……「いだぁッ!でヤンス!」

召喚士、アンドロ「………」

……「ななな何が起こったでヤンスか!」

召喚士、アンドロ「………」

……「一体全体何でヤンスかこれは!」

アンドロ「……あんた」

……「あん?……何でヤンス?」

アンドロ「助けてくれてありがとうッ!」

……「……は?」

召喚士「本当本当!マジで危機一髪だったもんな!」

……「………」

アンドロ「ジンさん!マジでサンキュウ!」

……「……ジン?」

アンドロ「あんた妖精のジンだろ?足元ユラユラしてるし」

……「ふぁ?……ななななアッシの足がユラユラしてるでヤンス!」

アンドロ「……?」

……「何でヤンス!何でヤンス!これは!ここは!何がどうなってるでヤンスぅッ!」

召喚士「……何か凄い状況を理解してないみたいなんだけど」

アンドロ「だな……」

召喚士「どうする……?」

アンドロ「それはお前……命の恩人だしな……」

召喚士「ヤンスとか語尾に付けちゃってるからな……」

アンドロ「助けてやるか!」

召喚士「そうだな!」

……「あわわわでヤンス……」

召喚士「あんた!困ってるよね!」

風「あんたじゃ無いでヤンス!あっしは風と言う名前があるでヤンス!」

召喚士「風さん!……だと何か堅苦しいな……」

アンドロ「うん……なら!」

召喚士「ヤンスさんで!」

風「………」

召喚士「何かお困りの様ですが!ヤンスさん!」

風 (こいつ……妙に懐かしい雰囲気がするでヤンスが……)



召喚士「なるほど……」

風「お前……今の話を理解出来てるでヤンスか……?」

召喚士「全然!」

風「………」

アンドロ「様はヤンスさんがボインになって炎?って奴に変な事されたらここに飛ばされたと」

召喚士「へぇそうなの?」

風「お前がいると話が進まないでヤンスな……」

召喚士「良く言われる!」

風「………」

アンドロ「ふむ……でもさ、その姿って……」

風「そうなんでヤンス……ここに来た事は置いておいて元の姿に戻ったのはいいでヤンスが……」

アンドロ「言わば魂だけの状態だろ?」

風「そうでヤンスね……」

アンドロ「変な奴に魂だけここに飛ばされたって事にはならないのか?」

風「うーん……それがよくわからないでヤンス……」

アンドロ「………」

風「取りあえずは問題無さそうでヤンスからいいでヤンスが……」

アンドロ「じゃあ俺達はヤンスさんが元に

風「戻らなくていいでヤンスッ!」

アンドロ「……なんで?」

風「………」

アンドロ「ま、まぁゆっくりしてけるならしていきなよ。俺達はヤンスさんの味方だしさ」

召喚士「そうそう!」

風「はぁ……なら厄介になるでヤンス……。右も左もわからない世界にいるでヤンスから……」

召喚士「奇遇だね!それは俺もなんだよ!」

風「………」

アンドロ「そいつね、人間の世界から来た妖精なんだって」

風「どこをどう見たらこれが妖精になるでヤンスか……」

アンドロ「だろ?」

召喚士「………」

風「その辺はどうでもいいでヤンス……」

アンドロ「じゃあ!ヤンスさんとお前にこの世界の説明しながら行くか!」

召喚士「……は?戻るの?」

アンドロ「いいや……今度はちょっと凄いぞ」

召喚士「………」

アンドロ「エルフの里だぜ」

召喚士、風「ッ!!?」



ネメア「………」

学者「ふぅむ、久方ぶりであるな」

ネメア「また……世話になにりきた」

学者「厄介事であるか?」

ネメア「……かなりな」

学者「ほほう、あらゆる法則が乱れその混乱に乗じ次元を支配しようとする輩でも現れたであるか?」

ネメア「そんなわけのわからぬ事では無い……」

学者「なら?」

ネメア「私は人間の世界に召喚され帰って来たのだが……それに人間を巻き込みこの世界に連れてきてしまった……」

学者「ふむ……」

ネメア「何とかして還してやりたいが……私ではもう手詰まりでな」

学者「それで頼りに来たであるか」

ネメア「そうだ……」

学者「なるほど。厄介事であるな」

ネメア「………」

学者「その結論から言うと還すのは不可能であるな」

ネメア「……何か無いか?」

学者「世の理をねじ曲げる程のパワーが存在すれば別であるが、現状にて不可能と言わざるを得ないのである」

ネメア「………」

学者「召喚とは喚ぶ還すだけの簡単な事柄では無いのである。法則や規則にのっとり初めて実現する事象であるからな」

ネメア「そうか……」

学者「力になれそうも無くすまないのである……」

ネメア「いや、そうではないかと思っていたのでな……こちらこそ無理な相談をしてすまなかった……」

学者「………」

ネメア (あの二人はやはり幻想世界で暮らしていかなければならぬのか……)

学者「時にネメア、人間の世はどうであった?」

ネメア「それを聞く前に何故私が召喚されたのか聴かんのか?」

学者「そんな物は大方、私利私欲の為か好奇心を満たすだけなのである。聞くだけ無駄と言うものであるな」

ネメア「そのどちらでも無いとしたら?」

学者「後は、偶然か間違いで喚ばれたかであるか」

ネメア「……どうやら私は女神によって召喚者の元に送り込まれたらしい」

学者「………」

ネメア「………」

学者「それは真であるか?」

ネメア「本当……だと思う」

学者「……思う?確証は無いのであるか?」

ネメア「その召喚者と言うのがだな……その女神の子らしいのだ……」

学者「なんと……」

ネメア「………」

学者「なら、その召喚者は神に……?人間の世界にいたのであるな?」

ネメア「………」

学者「何故人間の世界に神が……そこにネメアをであるか……」

ネメア「………」

学者「意味がわからんのである……詳しく話すのである」

ネメア「……嫌だ」

学者「はあ?」

ネメア「その召喚者の事を思い出すたび……胃が痛くなるのだ……」

学者「何故であるか……」

ネメア「………」



召喚士「いやぁ!最高でしたね……エルフの里!」

風「本当にでヤンス!最高だったでヤンス……エルフの里!」

アンドロ「………」

召喚士「あんな良いものとは思いませんでしたよね!」

風「そうでヤンスな!」

アンドロ「………」

召喚士「どうしたアンドロぉ」ニヤニヤ

風「そうでヤンスよぉ」ニヤニヤ

アンドロ「……お前らブッ飛ばすぞ」

召喚士「お前が連れてくるのが悪いんだろ……」

風「そうでヤンス」

アンドロ「ぐああああ……」

召喚士「アンドロの寿命八十年分ポッキリ飲み放題食べ放題!」

風「可愛いエルフがお出迎えってヤンス!」

アンドロ「………」

召喚士「もうちょっと遊びたかったですよねぇ」

風「ケチケチしないでドバァッと寿命出しちゃえば良かったんでヤンス」

アンドロ「アホか!」

召喚士「あ!ヤンスさん!名刺貰いました?」

風「おーおー貰ったでヤンス!」

召喚士「……どの娘から?グフフ」

風「一番端にいた短髪の褐色娘でヤンス。グフフ」

召喚士「お目が高いですな!」

風「いやぁそれほどでもでヤンスぅ」

召喚士、風「ナアハハハッ!」

アンドロ「死ねッ!お前ら死ねッ!」

召喚士「俺は寿命取られてないから死なないしぃ」

風「アッシは可愛いエルフにまた会わないといけないでヤンスから死ねないしぃ」

アンドロ「………」

召喚士、風「ねえー」

アンドロ「マジで死ねよ……」

召喚士「アンドロ、次どこいく?」

アンドロ「お前はつがいん所帰れよッ!」

召喚士「ええ……」

アンドロ「あのな……あんな二つの至宝を放っておいていいのかよ……」

召喚士「………」

アンドロ「誘っといてなんだけどさ……誰かに取られても知らないぞ?」

召喚士「………」

風「何々?至宝って何でヤンス?」

アンドロ「こう胸にドーンと至宝が二つユサユサとな!」

風「ああ……興味無いでヤンス」

召喚士、アンドロ「ええ!何で!?」

風「……あれも自分に付いてたら邪魔でヤンスからな」

召喚士、アンドロ「………」

風「重心は前にかかるわ、歩く時重みでフラフラするわでヤンス……」

召喚士、アンドロ「………」

風「そんないいもんじゃ無いでヤンスよ……?」

召喚士、アンドロ「変態ッ!」

風「……あのでヤンスな、今のガッチリ体型にカイデーなパイオツが付いてた訳じゃ無いでヤンス!」

召喚士、アンドロ「………」

風「何故か女体化してでヤンスな!その時に!」

召喚士「その時に……お風呂入ってセクシーポーズとかしたろ」

風「な……」ビクゥッ!

アンドロ「自分の体をまさぐったろ……」

風「や……」ビクゥッ!

召喚士、アンドロ「………」

風「………」

召喚士、アンドロ「変態ッ!」

風「ぐぬぬ……」

アンドロ「まあ……気持ちはわからんでもない」

召喚士「そうだな。オッパイだもんな」

風「………」

アンドロ「オッパイ触りたいなぁ……」

召喚士「俺も……エルフの里でもっとハッスルすれば良かった……」

アンドロ、風「………」

召喚士「……なに?」

風「『ひゃひゃい!ぼぼぼ僕は妖精なんですのよ!』」

召喚士「………」

アンドロ「『あ、あああの……オッパ……』(顔真っ赤)」

召喚士「人の真似をするな……」

風「悲しいかなでヤンス……」

アンドロ「童貞の性だな……」

召喚士「うるさい!」

風「ガンバでヤンス……」

アンドロ「つがいがいるのに手を出してないなんてな……」

召喚士「だああ!黙れ!」

風、アンドロ「……ふっ」

召喚士「ぐぬぬ……」

アンドロ「取り合えず帰るか?」

召喚士「……うん」

アンドロ「ジノがいるから大変な事にはなってないだろうけど」

召喚士「………」

アンドロ「ほれ、背中乗れよ」

風「あの……でヤンスな……」

アンドロ「なに?ヤンスさんも乗る?」

風「いや……アッシも付いていっていいんでヤンスかなっと……」

アンドロ「何言ってんだよ……」

召喚士「そうだよ……」

風「………」

アンドロ「俺達……もう友達でガンス?」

召喚士「そうザマス……」

アンドロ「付いていっていいかなんて水臭い言うなでガンス……」

召喚士「そうザマス……」

風「いきなり語尾つけるなでヤンス……でも……」

召喚士「おおっと!泣くなよ……男だろ?それに……偶然とはいえ、出会ってさ……」

アンドロ「今日と言う日に固い絆で結ばれちまったんだ……」

風「………」

召喚士、アンドロ「な!」ビシッ!

風「ううう!いい奴でヤンスなぁぁぁぁぁッ!」



ダダダダッ!

ネメア「………」

学者「ハイヨーネメアである!」

ネメア「その掛け声はやめろ……私は馬では無い……」

学者「いやはや乗り心地が中々良いのであるからついな!」

ネメア「………」

学者「時にネメア、目的地に付くのは如何程であるか?」

ネメア「後、二、三日と言うところか」

学者「ふむ。件の半神とやらに会うのは楽しみであるな」

ネメア「……何も楽しい事など無い」

学者 (余程現世で痛い目にあったであるか……ネメア……)

ネメア「………」

学者「その半神、半神と言うからには……それ相応の力を持ち合わせていたであるか?」

ネメア「……そんな物は微塵たりもも無い」

学者「え……?」

ネメア「………」

学者「半神であるぞ?」

ネメア「己の魔力の量さえわからぬ奴だぞ……」

学者「………」

ネメア「半神だからと言う目で見ていたら落胆するな……」

学者「……何やら余計にわけがわからなくなったのである」

ネメア「………」

学者「かたや阿呆で間抜けな屑でありながら、かたや半神で女神の子である……ネメアよ、どういう事であるか?」

ネメア「その言葉の通りだ……」

学者「ふむ???」

ネメア「………」

学者「決して解けぬ謎は女心だけと思っていたが……世の中は広いであるな……」

ネメア「馬鹿の心など誰にもわかる筈がない」

学者「………」

ネメア「………」

学者「……その馬鹿者の為にどうして私を頼るのである?」

ネメア「………」

学者「いくら半神だからと……嫌なら放っておいていいのであるぞ?」

ネメア「……あいつには借りがあるんだ」

学者「借りであるか」

ネメア「返しても返しきれない大きな借りがな……だから……」

学者「せめて現世に送り返してあげたい……であるか」

ネメア「………」

学者「………」

ネメア「……こんな事は本人の目の前では言えぬがな、ジノを助けて貰い……私を助けて……」

学者「………」

ネメア「他にも……現世で兄弟が集ったのもアイツのおかげだろ……」

学者「なるほどである……」

ネメア「………」

学者「大昔のネメアからは考えられぬ思考であるな」

ネメア「………」



バサッバサッ!

アンドロ「もうちょいでジノ達がいた草原に着くぞ」

召喚士「アンドロ……吐きたい……」

アンドロ「だあああ!お前は!俺に掛けるなよ!」

風「だらしないでヤンスな……」

召喚士「仕方無いだろ!うぷっ……こいつの背中乗り心地最悪なんだから!」

アンドロ「………」

風「……ん?なんでヤンスかあれ?」

アンドロ「あん?……なんだあれ……」

召喚士「うぷっ……?」

アンドロ「あんな建物あったか?」

召喚士「そんなの聞かれてもわかるわけ無いだろ……」

アンドロ「そ、そうだよな……しかし……」

風「それにあの建物に並ぶ行列はなんでヤンスか……」

アンドロ「………」

召喚士「……アンドロ?」

アンドロ「あれさ……お前のつがいの仕業じゃないか……」

召喚士「喚起士さんが何かしたのかあれ……」

アンドロ「お前らこの世界で生きてかなきゃなんないだろ?」

召喚士「まあ……」

アンドロ「なら……糧になる物も必要だよな……」

召喚士「………」

アンドロ「こんな事は言いたく無いけど……」

召喚士「………」

アンドロ「あの至宝を使ってさ……糧と交換に

召喚士「ウワアアアアッ!か、喚起士さん何やってるんですかぁッ!」

召喚士「そんなの聞かれてもわかるわけ無いだろ……」

アンドロ「そ、そうだよな……しかし……」

風「それにあの建物に並ぶ行列はなんでヤンスか……」

アンドロ「………」

召喚士「……アンドロ?」

アンドロ「あれさ……お前のつがいの仕業じゃないか……」

召喚士「喚起士さんが何かしたのかあれ……」

アンドロ「お前らこの世界で生きてかなきゃなんないだろ?」

召喚士「まあ……」

アンドロ「なら……糧になる物も必要だよな……」

召喚士「………」

アンドロ「こんな事は言いたく無いけど……」

召喚士「………」

アンドロ「あの至宝を使ってさ……糧と交換に

召喚士「ウワアアアアッ!か、喚起士さん何やってるんですかぁッ!」

>>513はミスです……

アンドロ「………」

召喚士「そんな……そんな……」

アンドロ「………」

召喚士「そんな破廉恥な事をッ!」グワッ!

アンドロ、風「………」

召喚士「魔物相手にポールダンスをぉぉぉッ!」

アンドロ「……ポールダンスなんて言ったっけ?」

風「全然……もうアイツの中では妄想が渦になってグチャグチャになってるでヤンスな……」

召喚士「そんな太い物をその胸でなんてぇぇぇッ!」

アンドロ、風「………」

召喚士「くそぉぉぉッ!アンドロ!急げ!俺も挟まれたいからッ!」

アンドロ「はいはい……」

召喚士「うをおおおお!」



召喚士、アンドロ、風「………」

ジノ「オレイアスおばあちゃん!次はおばあちゃんの番だよ!」

オレイアス「えぇ?あんだって?」

ジノ「おばあちゃん!の番だよ!」

オレイアス「あんだってぇ?」

ジノ「おばあちゃん!の!番!だよッ!」

オレイアス「………」

ジノ「わかったッ!?」

オレイアス「……あんだって?」

ジノ「………」イラッ……

オレイアス「飯は食べて来たからいらねえよぉ」

ジノ「ご飯じゃなくてぇッ!おばあちゃんの番だってッ!」

オレイアス「はああ?あんだって?」

ジノ「………」

カチャ

喚起士「オレイアスさん、診察室へどうぞ」

オレイアス「おお先生!孫がまごまごしててぇ!」

喚起士「お話は診察室でお聞きしますよ。ふふ」

ジノ「ババア……耳聞こえてるじゃん……」

召喚士「……ジノ」

ジノ「あ?……チッ……生きてたんだ」

召喚士「人を勝手に殺すな……」

アンドロ「この建物とさ……爺さん婆さんの集まりはなんだよ……」

ジノ「診療所だよ……魔物のね」



ジノ「ある魔物助けたらね……その噂がどんどん広まっちゃってこんな事になってるんだよ……」

アンドロ「ほお……」

召喚士「ポールダンスじゃ無かったよ!」コソコソッ!

風「アホかでヤンス……」

アンドロ「あのつがいは魔物の体治したり出来るの?」

ジノ「喚起士は元召喚のプロなんだよ。だから魔物に詳しいし何だかんだで治療も出来ちゃったりするんだよね」

アンドロ「へえ、凄いな」

ジノ「でしょ?ふふん」

アンドロ「……それがこんなんのつがいになってるのか」

ジノ「………」

召喚士「こっちを見るな……こんなんて言うな……」

アンドロ「良かったな。かみさんが駄目雄好きで」

召喚士「………」

アンドロ「で、ジノはそれの手伝いをしてるわけか」

ジノ「そうそう。ほら、これ!」

アンドロ「その帽子がなんだ?」

ジノ「看護婦さんだよ!」

アンドロ「………」

ジノ「召喚獣の看護婦さんなんてグッとくるでしょ!ふふん!」

アンドロ「……特には」

ジノ「この魅力がわからないなんて……」

風「本当でヤンスな。医療に従事する雌の姿を見てグッとこないなんてどうかしてるでヤンス」

ジノ「………」

風「……なんでヤンスか?」

ジノ「誰……?」

召喚士「ヤンスだよ。知らない?」

ジノ「知らない……」

アンドロ「このヤンスさんさ、何か異世界から飛ばされてきたらしいんだ」

風「いやぁ自分でも何が何だかわからないでヤンスが多分そうなんでヤンスよ」

ジノ「………」

風「まあ、本来なら戻らないといけないでヤンスが……?」

ジノ「………」

風「……何でヤンス?アッシの顔に何か付いてるでヤンスか?」

ジノ「………」

召喚士「あー何だジノぉ……一目惚れか?」

風「な!な、何を言うでヤンスか!この方にそんな事言うなんて失礼じゃないでヤンスか!」

ジノ「………」

風「で、でもでヤンスな……わからないでも無いでヤンス……」

ジノ「………」

風「この雄の魅力に溢れたアッシに一目惚れした……ふふ、お嬢さんアッシに惚れると火傷するでヤンス……」

ジノ「……こいつ死んでない?」

風「………」

ジノ「ねぇアンドロ」

アンドロ「本人が気付いて無いんだから言うなよ……」

風「………」

召喚士「どう言う事?」

アンドロ「あの……なんだ……ヤンスさんってさ、魂だけの状態って言ったろ?」

召喚士「覚えてない……」

アンドロ「まあそう言ったんだ。で、普通さ……魂だけだとどう言う状態かわかる?」

召喚士「………」

ジノ「駄目だよアンドロ……そんな説明じゃ召喚兄さん理解できないって」

召喚士「……つまり?」

アンドロ「簡単だろ……理解しろよ……」

ジノ「つまり!こいつは幽霊って事」

召喚士「え……」

風「………」

召喚士「でででででで

ジノ「召喚兄さん……今更幽霊とか驚く事?」

召喚士「……いや」

風「………」

ジノ、アンドロ、召喚士「………」

風「………」

アンドロ「や、ヤンスさん元気出していこうぜ……」

召喚士「そ、そうだよ……死んでても可愛いエルフとお喋り出来るじゃん……」

召喚士「行けっ! スフィンクス!!」

スフィンクス「両手ぱーんちっ!!」

っていう続きまだかな

風「……そうでヤンスな」

召喚士、アンドロ「………」

風「で、スフィンクスのお嬢さんはそれでもアッシに惚れていると言うわけでヤンスか」

ジノ「は……?何が惚れてなの……」

風「だってそうでも無きゃズバッと死んでるなんて言わないでヤンス!」

ジノ「………」

召喚士「な、なんかヤンスさんおかしくない?」

アンドロ「……もしかしてヤンスさんジノの事気にいったのかもな」

召喚士「マジで……?」

アンドロ「うん……」

風「それはさておきでヤンス!」

ジノ「………」

カチャ

喚起士「それではオレイアスさん、お大事になさってください。次の方……え?」

召喚士「喚起士さん……その格好は……?」

喚起士「生きていたんですか……」

召喚士「………」

ジノ「しぶといよね……」

召喚士「喚起士さんまで……俺に死ねと思っていたんですか……ぁぁ……」

喚起士「ち、違いますよ!ジノが……召喚士さんは時空の狭間で擦り潰されて亡くなったと言っていたので……」

召喚士「お前……」

ジノ「次元の狭間で決戦中に自爆に巻き込まれてバラバラになっちゃた方が良かった?」

召喚士「いいわけあるか……人を勝手に殺すなよ!」

ジノ「いいじゃん。これからそうなるかもしれないんだし」

召喚士「………」

ジノ「むふふ」

召喚士「……なんだよ?」

ジノ「なんでもぉ」

召喚士「………」

喚起士「召喚士さん……今はお仕事中ですので後程……」

召喚士「は、はい!頑張ってください」

喚起士「では……次の方、どうぞ」

召喚士「………」

ジノ「仕事の出来る女って良いよねぇ」

召喚士「そうだな……で?さっき何で笑ったんだよ……」

ジノ「喚起士ね……召喚兄さんに気があるかもよってね」

召喚士「……マジか?い、いや!毎度毎度俺は騙されないぞ!」

ジノ「ふむ、信じなくてもいいけどぉ話だけは聞いた方がいいと思うねぇ」

召喚士「………」

ジノ「聞く?」

召喚士「言えよ……」

ジノ「どうしよっかなぁ!」

召喚士「もったいつけるな……」

ジノ「仕方無いなあ。喚起士ね、召喚兄さんが死んだって言った時泣いたんだよ!」

召喚士「………」

ジノ「これは一発逆転くるか!って感じだよね」

召喚士「うそぉ……」

ジノ「本当だって!」

召喚士「………」

ジノ「そうそう、それで喚起士に手を出したら殺すからね」

召喚士「……はあ!?」

ジノ「わかった?」

召喚士「喚起士さんが良いって言ったら良いだろ!」

ジノ「ダメぇ」

召喚士「………」

アンドロ「何々?」

召喚士「何でもない……」

アンドロ「俺も話に混ぜろよぉ!」

召喚士「………」

風「ハイセンスな城の上空から眺めた景色は最高なんでヤンス!」

ジノ (……あれ?コイツあたしに向かって喋ってるの?)

風「それでヤンスな!アッシの仲間だった奴等はどうしょうもない連中ばかりでヤンスでして!」

ジノ「………」

風「男色家に男色好きにゲスと!とんでもない連中だったんでヤンス!」

ジノ「……あっそ」

風「まあアッシがいなかったら何も出来ない連中でヤンスからなぁ!」

ジノ (鬱陶しいなコイツ……)



喚起士「お待たせしました」

ジノ「おつかれちゃん!」

召喚士、風「………」

アンドロ「お前凄いな!こっち来たばっかりでこんな暮らし普通にしてるんだもんな!」

喚起士「たまたま巡り合わせが良かったんですよ」

アンドロ「それでも凄いって!衣食住困ってる風には見えないもんな」

喚起士「それはここの魔物の皆さんに助けて貰ったおかげですし……」

ジノ「なぁに言ってるの!喚起士が患者治してそのお礼に貰った物ばかりじゃん!」

喚起士「そうですけど……私の力なんて……」

アンドロ「いいんじゃないか?それでみんな喜んでくれてんだからさ」

喚起士「………」

アンドロ「でもさ、何でじいさんばあさんばかり集まってるんだ?」

ジノ「暇なんだよ……どこも悪く無いのに集まって……」

アンドロ「ああ……そう言う事か……」

喚起士「ジノ、暇だなんて失礼ですよ。ここに来る方達は何かしら疾患を抱えた方なんですから」

ジノ「あたしにはそう見えない連中が多々いる風にしか見えないんだけどね……」

アンドロ「……そう見えない連中って?」

ジノ「喚起士の着てる服……どうしたと思う?」

アンドロ「貰った?」

ジノ「そうだけど、お礼にただ貰っただけならいいんだけどね……」

アンドロ「……?」

ジノ「魔物のエロジジイ共が集まってこの服を喚起士にあげたんだよ!」

アンドロ「………」

ジノ「おお先生!神々しやぁナンマンダナンマンダって……」

アンドロ (俺もやってしまいそうだわ……パツパツの胸元が映える服に微妙に短いスカートで黒の網の靴下だもんな……)

ジノ「どうしょうもないね!そう思うでしょアンドロ!」

アンドロ「まあな……」

ジノ (こいつもか……喚起士防衛リストに加えとこ……)

喚起士「召喚士さん……」

召喚士「……そこに甘い果実があったらもぎ取るだろ……男なら死よりももぎ取る方を選ぶよな……」ブツブツ……

喚起士「召喚士さん?」

召喚士「え……ああ!何でしょう!」

喚起士「………」

召喚士「??」

喚起士「召喚士さんは平気ですか……?」

召喚士「何がです?」

喚起士「私達はこの世界で暮らしていかなければならない事ですね……」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「喚起士さんは不安……ですか?」

喚起士「そうですね……今は良くてもこの先どうなるかわかりませんし……」

召喚士「………」

喚起士「元の世界に帰れないのかもしれませんし……」

召喚士「大丈夫ですよ……きっと」

喚起士「何故でしょう?」

召喚士「ネメアが言ってた人に聞けば帰る方法もわかるかもしれませんし」

喚起士「………」

召喚士「もしこの世界から帰れなくても喚起士さんにはジノがいるし……俺がいます」

喚起士「………」

召喚士「俺にも……喚起士さんがいるから平気ですよ」

喚起士「………」

召喚士「ね?……人間二人いれば寂しくなんか無いですし!」

喚起士「……ありがとうございます召喚士さん」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士 (エルフの娘を口説き落として無いのにまだ帰れませんよ喚起士さん!)

喚起士 (凄いな召喚士さん……)

ジノ「………」



学者「どうどう!である」

ネメア「だから私を馬の様に扱うんじゃ無い……」

学者「ネメア……まだであるか?」

ネメア「……もうそろそろだ」

学者「それは五日前から聞いてるのである……」

ネメア「………」

学者「まさかとは思うが……迷ったであるか……?」

ネメア「………」

学者「ネメア程の者が迷うとは……」

ネメア「………」

学者「………」

ネメア「来た道を辿って来た筈なんだが……」

学者「もしかしたら地形が変化したのかもしれないのであるな」

ネメア「地形が変化……?短時間で私がわからなくなるほどにか?」

学者「そうである」

ネメア「ふむ……」

学者「周りの地形を見れば地殻の変動と言うわけでは無いのであるから、おそらく魔物の仕業かもしれないのであるな」

ネメア「なるほど……」

学者「しかしである……それを誰が何の為にやったのか気になるのである……」

ネメア「………」

学者「ネメア……急いで探しだした方がいいのである」

ネメア「わかってる……」

学者「………」

ネメア「………」

学者「ネメア、匂いで半神の居場所はわからないであるか?」

ネメア「わかるか……私は犬じゃない……」

学者「超音波ではどうである?」

ネメア「コウモリでも無い……」

学者「なら足音

ネメア「しつこいッ!私は鳩では無い!」

学者「冗談である。律儀に答えなくてもいいのである」

ネメア「………」

学者「時にネメア、あの建物に住んでいる輩にここがどの辺りになるか聞いてみるのも一興であるな」

ネメア「あ?建物?」

学者「ほれ、あそこである」

ネメア「何故あんな所に……」



学者「もし尋ねたい事

ジノ「ブラウニーおじいちゃん!そこはトイレじゃ無いよ!」

ブラウニー「ええ?ここかい」

ジノ「違うって!」

風「むむむ!ジノ殿は忙しそうでヤンスな!」

召喚士、アンドロ「………」

風「よし!ここはひとつアッシの余興で荒れ狂う御老人達を静かにまとめるでヤンスか!」

召喚士、アンドロ「………」

風「ふふふ……元の世界ではポイズンバイパーと異名を持つアッシにかかれば御老人なんて爆笑に次ぐ爆笑間違いなしでヤンス……」

召喚士「ポイズンバイパー……?」

アンドロ「余興って何やるの……?」

風「見てればわかるでヤンス……ふっ!」

召喚士、アンドロ「………」

風「さあさあ御老人達!ご静聴してくだされでヤンス!」

ザワザワ……?

風「見る者来たれや去る者追わず!立てば笑いや座れど笑い!アッシがちょいと余興をばお見せしましょうでヤンス!」

おおお!いいぞ!やれやれ!

風「さあさあさあ!」

召喚士「……大丈夫なの?」

アンドロ「知るか……ヤンスさんだから異世界ジョークのひとつでも披露するんだろ……」

召喚士「………」

風「おいそこババア!マンドラゴラみたいな顔してるでヤンスな!」

ざわ……ざわ……

風「そこのジジイ!死に損なって無いで元気でいろよでヤンス!」

…………



召喚士、アンドロ「………」

風「おごご……集団リンチは酷いでヤンス……」ボロボロ

召喚士「馬鹿なの……?あんな事言われたら普通怒るよ……」

アンドロ「だよな……」

風「で、でも!アッシの世界じゃジジババが爆笑してたでヤンスよ!」

召喚士「ここはヤンスさんがいた世界じゃ無いから……」

風「………」

ジノ「退いて邪魔!」

学者「……すまんであるが」

ジノ「ああ!もう!並んで並んで!急患じゃ無いんでしょ!」

学者「そうであるが……尋

ジノ「あのおじいちゃんの後ろへ並んでて!……ってオッチャンじゃん……」

学者「むむ……おお!ジノであるか!」

ジノ「取り合えず並んでて!」

学者「いやちょっと尋

ジノ「いいから!後でね!」

学者「………」

召喚士、アンドロ「………」

学者「取り付く島も無いのである……」

召喚士「……おっさんジノの知り合い?」

学者「まあそうであるな」

召喚士「へぇ……アンドロ、これは何て魔物なの?」

アンドロ「そいつは人間だよ」

召喚士「そうなんだ」

アンドロ「………」

召喚士「………」

アンドロ「………」

召喚士「……は?」

アンドロ「遅えよ!」

召喚士「だだだだだってさ!」

アンドロ「そりゃ……人間のいない筈の世界に人間が居れば驚くのはわかるけどさ……」

召喚士「………」

アンドロ「いるものはいるんだよ……」

召喚士「……あのさ、何でこの人襲われたり食われたりしてないの?」

アンドロ「こいつな……鬱陶しい結界張ってるんだよ……」

召喚士「………」

アンドロ「襲ったり食おうとしたりすると、ぶつけた時みたいに凄い足の小指が痛くなるんだよ……」

召喚士「……地味に嫌だな」

アンドロ「だろ?だから誰も食おうとしないんだよ」

召喚士「へぇ……」

学者「出直して来るのであるか……」



ネメア「どうだった?」

学者「中々忙しそうな所だったのである」

ネメア「忙しい?……これは何の建物なんだ?」

学者「ふむ、魔物の診療所と言ったところであるか」

ネメア「………」

学者「魔物にはこう言った概念が薄いとは思っていたであるが中々どうして、ちゃんと診療所として機能しているようである」

ネメア「そんなもの一体誰が……」

学者「それはわからんであるが……種族の壁を取り払いそう言う事が出来るとは立派である」

ネメア「………」

学者「ここで待つか……先を行くか。どうするであるかネメア」

ネメア「ふむ……」

学者「………」

ネメア「どうしたものか……」

学者「そうそう!中でジノに会ったのである」

ネメア「………」

学者「元気そうで何よりであるな」

ネメア「………」

学者「ジノとは久しく会っていないのであるか?良かったら少し会ってきたら良いのである」

ネメア「ここだ……」

学者「何がであるか?」

ネメア「私が目指していた場所がここだ……」

学者「………」

ネメア「………」

学者「そうであったか……」

ネメア「待つか……」

学者「そうであるな……」



剣士「ふぅ……やべえやべえ……」

剣士「もう3年以上盗賊ほったらかしだもんな……」

剣士「………」

剣士「……やべえ絶対怒るよな」

剣士「召喚士にも怒られそうだな……」

剣士「召喚士……」

剣士「俺よ……あれからちっとは強くなったぜ」

剣士「後よ、欲しいもんは気付かない間にさ手に入ってた……」

剣士「………」

剣士「召喚士のお陰だぜ……」

剣士「………」

……「待てぇ!」

剣士「……あ?」

女騎士「覚悟しろ山賊めがッ!」

剣士「………」

女騎士「………」チャキ!

勇者「おおお女騎士さん!いきなり失礼ですよ!」

女騎士「何を言うか勇者よ!見ろ!この風貌……山賊の何者でもないだろ!」

勇者「も、申し訳無いです!気にしないでください……」

剣士「………」

女騎士「退け!この女騎士が成敗してやる!」

勇者「女騎士さん!」

剣士「あ……まあこんな身なりだかんな……山賊と間違われてもしかたねえか……」

女騎士「ああん!山賊だろ!」

剣士「髭剃んなきゃな……髪も切るか……」

女騎士「話を聴けぇッ!」

剣士「なあ、確かこの先に温泉の村あったよな?」

勇者「ありますよ……」

剣士「そっか。じゃあそこで見綺麗にするか」

女騎士「無視するな!」

勇者「………」

剣士「ん……」

勇者「……なんです?山賊と間違えた事は謝ります」

剣士「違うって。……あんた強えだろ?」

勇者「………」

女騎士「あまり前だ!まおフガフガ!」

勇者「女騎士さん……言わないでいいです……」

女騎士 (は、はぁぁ!勇者の手が私の口を押さえ……ッ!)

剣士「どうなんだ?」

勇者「何故……そんな事を聴くんですか?」

乙乙
あかん登場人物整理したくなってきた…

>>555

ー登場人物 (ネメア帰還後) ー

・召喚士 (ブレない男)

・喚起士 (セクシー女医満喫中)

・ネメア

・ジノ (召喚獣の看護婦さん)

・アンドロ (ジノのスフィンクス仲間)

・風 (ゴロゴロな世界からこんにちは)

・学者 (幻想世界にいる人間。何故いるかは……)

・ピクト、オレイアス、ブラウニー (チョイ役)

ー登場人物その2ー

勇者 (槍編の主人公で元番人。ここで登場しているのは剣編エピローグ後の勇者)

女騎士 (剣編の主人公。馬に乗れない騎士)

女王 (元姫宮)

盗賊、子盗賊 (主食は姫宮の魔力)

大臣 (谷の国及びネメア殿維持の為、日夜女性の心を弄ぶ苦労人)

蒼頭、蒼頭母 (娘の嫁入り修行が終わり御世話になった谷の国へと御礼をする旅をしている)

剣士 (色々と終わり……盗賊が待つ谷の国へと帰っている)

剣士「何故ってなぁ……これだろ!これしかねえって!」パシッ!

勇者「腕試しですか……」

剣士「おう!その背中の変わった武器は飾りじゃねえんだろ?」

勇者「………」

剣士「どうだい?俺とさ一戦交えないか?」

勇者「………」

剣士「……?」

勇者「申し訳ありませんが……やめておきますよ……」

剣士「ええ……そうかい……」

勇者「………」

剣士「絶対楽しくなる事間違い無しだと思ったのによぉ……」

勇者「俺なんか弱いですから楽しくなんてならないですよ……」

剣士「そっかな……」

勇者「それに……この武器はもう脱け殻になっちゃいましたからね……」

剣士「脱け殻?」

勇者「いえ、それはこちらの話です……」

剣士「そうかい。ああ!残念だな!」

勇者「………」

女騎士 (ああああ勇者の手が私の唇に触れた!もう駄目だ!これは蹂躙されたと言っていい!うん!)

勇者「女騎士さん……この方に謝ってください……?」

女騎士 (私を闇へ堕として何をするつもりだぁぁぁぁ!)

勇者「………」

剣士「……こっちのネエチャン大丈夫か?」

勇者「気にしないでください……たまにある事なんで……」



勇者「はぁ……」

女騎士「勇者よ……私はいいぞ……」

勇者「何がいいんですか……」

女騎士「言わせるな……」

勇者「………」

女騎士「……そ、そう言えばだな!」

勇者「はい……」

女騎士「何故あの男の腕試しの誘いを断った?」

勇者 (ちゃんと話聴いてたんだ……)

女騎士「勇者ならあんな奴の腕二、三本簡単に折れるだろ」

勇者「そんな事出来ませんしやりませんし腕は三本もありません……」

女騎士「……それはいいから!何故なんだ!」

勇者「俺なんかではあの方に手も足も出ないからです……」

女騎士「そんな事は無いだろ!貴様は魔王を倒す程の!」

勇者「……もうその力は俺にありませんし」

女騎士「………」

勇者「それに……あの方と俺とじゃ背負っている物が違うって言うか……」

女騎士「………」

勇者「あの方にはきっと……命を捨てても守る物があるからですね……」

女騎士「………」

勇者「そんな目をした人に俺はもう敵いません……」

女騎士「……歯を食いしばれ」

勇者「は?」

女騎士「お前は勇者だろッ!」

勇者「………」

女騎士「なんだ今の態度は!」

勇者「………」

女騎士「もう一度私の前でそんな態度を取らぬよう殴ってやる!」

勇者「……女騎士さん、聴いて頂けますか」

女騎士「なんだ!」

勇者「俺は……槍さんを見付けたら勇者と言う名を返して武器を置こうと思っています……」

女騎士「………」

勇者「女騎士さんが思っているような勇者にはもうなれそうもありません……」

女騎士「……貴様ぁ!」

勇者「燃え尽きてしまったんですよ!身も心もッ!」

女騎士「………」

勇者「すいません……大声出して……」

女騎士「………」

勇者「………」

女騎士「いい……」

勇者「槍さんを助けて魔王を倒し……もう俺には目指す物もありません……」

女騎士「………」

勇者「……ですから」

女騎士「その先はもう言わないでくれ……」

勇者「………」

女騎士「………」

剣士 (やべぇ……にいちゃんの足元にある財布拾ってくれなんて言えねえ雰囲気だぜ……)

勇者「ごめんなさい女騎士さん……」

女騎士「………」

剣士 (どうすっかな……)

ーーーーー

喚起士「………」

学者「まさかここの主が人間だったなんてである……」

喚起士「始めまして……喚起士と申します……」

学者「うむ、学者である」

ネメア「私が言っていた人物だ」

喚起士「………」

学者「ネメアよ」

ネメア「なんだ?」

学者「私にはこの喚起士がどうも愚か者には見えんのであるが……」

ネメア「……半神は向こうの男だ」

学者「………」

ネメア「これ以上は言わんし聞くな……」

学者「あんな知性の欠片も無いような顔の半神なんてである……」

ネメア「………」

学者「何かの間違いでは無いか?」

喚起士「間違いではありません……ネメア、この方に召喚士さんの事は……」

ネメア「全部では無いが教えた。もちろん本人にそれであると言わないともな……」

喚起士「そうですか……。あの……」

学者「半神だと誰に説明されたのであるか?」

喚起士「ロノウェと言う悪魔です……」

学者「なんと……」

ネメア「………」

学者「……何故、悪魔が絡んでくるのであるか」

喚起士「それは……」



喚起士「と、言うわけです……」

学者「………」

喚起士「………」

学者「なるほどである……」

喚起士「………」

学者「これは大いに問題であるな……」

ネメア「問題だな……あの屑めが半神の

学者「そうでは無いのである……」

ネメア「そうでは無い?何がだ?」

学者「………」

ネメア、喚起士「………」

学者「用は……あの半神の為の世界を女神が造ろうとしていたのではないかである……」

ネメア「……は?」

学者「………」

喚起士「召喚士さんの世界……ですか?」

学者「そのネメアが半神の元へ召喚された事も、君が件を成せた事も……そうすれば全て説明がつくのである」

喚起士「………」

ネメア「さっぱりわからん……私が召喚されたのは偶然で……」

学者「その偶然が意図的に起こせたとしたらである?」

ネメア「………」

学者「ネメア達が巻き込まれた件は偶然が重なり過ぎてると思わないであるか?」

喚起士「……確かに」

学者「おそらく女神は偶然を何らかの形で操れる術を持っているのである」

ネメア「そんな事が可能なのか……?」

学者「可能ではあるが……それが正しく機能しなかったようではあるな」

喚起士「どう言う事でしょう?」

学者「人間の世界があの半神の世界になっていないからである」

喚起士「………」

学者「何処かで何かが狂った……のかもしれないのであるな」

ネメア「……女神の思い通りにはならなかったと言うわけか?」

学者「そうである。半神の世界にする為の偶然の連鎖を何かが断ち切った……のであるな」

ネメア「その何かとはなんだ……」

学者「歴史を変えてしまうほどの力……である」

ネメア「そんな物が存在するのか?有り得んだろ……」

学者「ひとつだけあるのである……」

喚起士、ネメア「………」

学者「魔銀杭……聞いた事はあるであるか?」

ネメア「無い……」

喚起士「……魔銀杭?」

ネメア「知っているのか?」

喚起士「ん……何処かで……」

学者、ネメア「………」

喚起士「……パイアが呟いていました」

ネメア「パイア?パイアが魔銀杭と言っていたのか?」

喚起士「ええ、確か……王の魔銀杭とか……」

学者「………」

ネメア「何故パイアがそんな物を知っていたんだ……」

学者「……人間の世界でパイアに会ったのであるか?」

ネメア「そうだ」

学者「………」

ネメア「……なんだ?難しい顔をして……」

学者「パイアはその魔銀杭を使ったであるか?」

喚起士「いいえ、使ってはいないと思いますが……」

学者「ただ魔銀杭と言っただけであるか?」

喚起士「……パイアが彫刻した召喚士さんの顔を指差して言っていたんだと思います」

学者「ふむ……」

ネメア「パイアはそんなくだらん事をしていたのか……」

喚起士「はい……あ、いえ……」

ネメア (……人間と言う者は本心は隠せぬものなのだな)

喚起士「………」

学者「……それは半神のみであるか?」

喚起士「彫刻はそうでしたね。後は……姫宮様に会う前に旅を一緒していた方達の似顔絵を……」

学者「そうであるか……」

喚起士「………」

ネメア「何か良くない事か?」

学者「いや、君達は人間の世界へと帰れるのであるぞ」

喚起士「え……?」

ネメア「本当なのか?その魔銀杭とやらが関係してか?」

学者「そうであるな」

ネメア「なんと……」

喚起士「………」

ネメア「……良かった」

喚起士「ええ……」

学者「………」

喚起士「………」

学者「……まだ説明しきれてない事柄が残っているのであるから……」

喚起士「………」

学者「君がいたいだけここに要ればいいのである。時間はまだあるのであるから……」

喚起士「……はい」



ジノ「………」

風「召喚士君でヤンス!」

召喚士「ヤンス君!」

アンドロ「でた!ゴールデンコンビ!ひっさつのツインシュート!ふたりのいきはぴったりだぁ!」

召喚士「いっけぇー!」

風「シュヲオオオオ!シュヲオオオオ!」

ジノ「………」

アンドロ「キーパー身動き出来ない!ゴォォォォルゥゥゥ!」

風「ピピィィィ!」

ジノ「……一体なにやってるの?」

召喚士「なにってヤンスさんに教えて貰った遊びだけど?」

ジノ「………」

風「いやぁ!いい汗かいたでヤンスな!」

アンドロ「本当に!中々白熱する遊びだなこれ!」

召喚士「ドライブとかタイガーとかカミソリとかいいよね!」

ジノ「……召喚兄さんさ」

召喚士「ズザザァ!ってして吹き飛ぶとこなんか熱いよね!」

ジノ「召喚兄さんさ!」

召喚士「何だよ……人が熱心に語ってるのに……」

ジノ「そんな遊んでていいの……?」

召喚士「やる事無いしな……」

ジノ「喚起士と協力して生きていくとかあるじゃん!」

召喚士「………」

ジノ「ねえ!このまま喚起士に養って貰いながらここに居る気なの!」

召喚士「……そんなつもりはないけど」

ジノ「じゃあどうする気なの」

召喚士「………」

ジノ「………」

召喚士「……働きます」

ジノ「………」

アンドロ「無理だろ……」

召喚士「無理じゃねえですし!」

アンドロ「働くって何するのよ?お前狩りとか出来んの?」

召喚士「喚起士さんのお手伝いを……」

ジノ「……あたしがいるし!召喚兄さんなんかじゃ役に立たないですぅ!」

召喚士「………」

アンドロ「………」

召喚士「……何でもするからさぁ」

ジノ「じゃあ死んで」

召喚士「お前なんだよ!死ね死ねって!いい加減にしないと俺も怒るよ!」

ジノ「勝手に怒ればいいでしょ!あたしは喚起士が不幸になりそうなのが耐えられないの!」

召喚士「……?何で喚起士さんが不幸になるんだよ?」

ジノ「………」

アンドロ「お前さ……」

召喚士「なに……」

アンドロ「あのつがいが何も言わなかったら側で遊んでるつもりだったろ……」

召喚士「……そんな事はない」

アンドロ「本当かよ……」

召喚士「………」

ジノ「嘘だね!喚起士の優しさに漬け込んで遊び呆けてるよ!絶対!」

召喚士「そんな事は無い……」

ジノ「………」

召喚士「………」

ジノ「……じゃあどうするのか言って」

召喚士「だから働くって……」

ジノ「何して?」

召喚士「……アンドロとヤンスさんと協力して」

アンドロ「こっちを巻き込むなよ!」

風「………」

アンドロ「ヤンスさんも何か言ってやれよ!」

風「召喚士、お前……本当にアッシと何かやる気はあるでヤンスか?」

召喚士「……ヤンスがその気なら」

風「そうでヤンスか……」

ジノ、アンドロ「………」

風「ふふ……」

召喚士「………」

風「ならばここで!一発当ててやるでヤンスよ」

召喚士「え……?」

風「アッシにいいアイデアがあるでヤンスッ!」ニヤリ!

召喚士「………」

アンドロ「お、おい……あの顔は不味い顔だぞ……」

召喚士「………」

アンドロ「ヤンスさんには悪いけど

召喚士「黙ってろ……」

アンドロ「は……」

召喚士「やってやるさ……」

アンドロ「………」



喚起士「お聞きしても宜しいでしょうか?」

学者「なんであるか?」

喚起士「貴方は……何故この世界にいるのでしょう?」

学者「………」

喚起士「私達と同じ様に偶然に迷い混んでしまったのですか?」

学者「……私は自らの意思でここに来てここにいるのである」

喚起士「それは召喚や他の事への探求の為でしょうか?」

学者「………」

喚起士「……?」

学者「違うのであるな……」

喚起士「ならどうして……」

学者「私は……逃げてきたのである……」

喚起士「………」

学者「人の世から……罪を逃れる為にである……」

喚起士「………」

学者「………」

ネメア「……それは貴様のせいでは無いだろ」

学者「いや……私の罪である……」

ネメア「………」

学者「私が好奇心に駆られ召還などしなければ……名も住処も追われる事は……」

ネメア「………」

喚起士「……名?貴方は人間の世界の名前を使っていないんですか?」

学者「………」

ネメア「人間の世界ではアグリッパと言われていたらいしい」

学者「ネメア……余計な事を言わないでいいのである。もう私はその名を名乗る事は無いのであるから……」

喚起士「………」

ネメア「すまん……」

学者「………」

喚起士「アグア……」

学者、ネメア「……?」

喚起士「アグアグ……」

ネメア「……どうしたのだ喚起士」

喚起士「アグリッパ先生ッ!」グワッ!

学者「なななななんであるか?そんな身を乗り出して……」

喚起士「はああ……ああ……」

学者「……先生等と呼ばれても困るのである」

喚起士「先生の著書は拝読させていただいています!」

学者「………」

喚起士「先生の魔術思想……とても素敵でした……」



学者、ネメア「………」

喚起士「自然魔術、数学的魔術、儀式魔術……どの著書もとても素晴らしかったです!」

学者「そ、そうであるか……」

喚起士「特に!特に!」

ネメア「落ち着け喚起士……」

喚起士「落ち着いている場合ではありません!」

ネメア「何故だ……?」

喚起士「私の目標にして心の師……その方が今!目の前にいるのですよ!」

ネメア「………」

喚起士「はあああ!お聞きしたい事は山程あるのに……何から聞いて良いのやら!」

ネメア「……お前は人間の世界ではそれほど有名なのか?」

学者「知る人ぞ知る程度だとは思うのであるが……」

ネメア「そうか……」

学者「……?」

ネメア (こいつも……私が人間の世界で味わった寂しさを感じているのだなきっと……)

喚起士「あの!あの!」

ネメア (己の知名度がいかに低いか……)

学者「………」

喚起士「あああ!」キラキラ!

ネメア「………」フッ……

学者「………」



喚起士「こほんっ……先生……」

学者「……落ち着いたであるか?」

喚起士「私ったら……お恥ずかしいところを……」

学者「いいのである……」

喚起士「先生はその……既に……」

学者「人間の世界では死んだ事になっているであるか?」

喚起士「はい……」

学者「まあそれは……」

喚起士「………」

学者「先程言った召喚に関してであるな……」

喚起士「噂では先生は悪意のある悪魔を喚び出し……ある方を殺害したために処刑されたと伺っておりますが……」

学者「………」

喚起士「ですが、私は先生がその様な事をしたなんて信じられなくて……」

学者「………」

喚起士「………」

学者「暴走である……」

喚起士「………」

学者「好奇心に刈られ召喚したまでは良かったが……己の力量を過信していたのであるな……」

喚起士「………」

学者「私の力では召喚した悪魔を制御しきれず暴走……」

喚起士「………」

学者「本来なら召喚した者がその罪を償わなければならないのであるが……」

喚起士「………」

学者「………」

喚起士「……何方かが代わりを立て先生を逃がしたのですか?」

学者「察しの通りである……」



ジノ、アンドロ「………」

召喚士「ふ……ふふ……いける……いけますよヤンスさん!」

風「まあ……当然でヤンスよ。ふははは!」

アンドロ「お、おい……」

召喚士「何だよアンドロ!今更入りたいって言ってもダメだからな!」

アンドロ「誰が入りたいなんて思うか……」

風「またまた!アッシと召喚士見て羨ましくなったくせにでヤンス!」

アンドロ「………」

ジノ「……アンドロ、もう止めないでいいよ」

アンドロ「で、でもさ!」

ジノ「もう放っといていいから……」

アンドロ「………」

ジノ「あそこまで召喚兄さんアホだなんて思わなかったよ……」

アンドロ「………」

風「……召喚士」

召喚士「何でヤンス?」

風「アッシの語尾を使うなでヤンス……まだ決めてない事があったでヤンスな」

召喚士「ごめん、何か釣られて。……決めてない事?」

風「ユニット名でヤンス!」

召喚士「ッ!?」

風「………」

召喚士「そうだったね……大切なものだもんね……」

風「ヤンス」

召喚士「で、どうするの?」

風「アッシがボーカルでヤンスからな、GS風な名前にしたいでヤンスな!」

召喚士「……は?ヤンスさんがボーカル?」

風「左様でヤンス」

召喚士「おいおい、ちょっと待ってよ……」

風「待つ?」

召喚士「どう考えても俺がセンターでしょ……それにさ、ヤンスさんセンスが古臭いんだよなぁ……」

風「古……」

召喚士「これからは何て言うの?こう、ソウルよりもエンターテイメントって言うかさ」

風「………」

召喚士「なあ?アンドロもそう思うだろ?」

アンドロ「………」

風「………」フラッ……ガスッ!

召喚士「いたっ!な、なにを!」

風「あ!すまんでヤンス!ちょっと足元が!」

召喚士「………」

風「いやあいやあでヤンス!ふふ」

召喚士「………」……ガスッ!

風「……痛いでヤンス」

召喚士「ごめーん!俺も足元が!」

風「………」

召喚士「………」

風「………」ベシッ!

召喚士「……痛いんだけど」

風「………」

召喚士「………」ベシッ!

風「………」

アンドロ「お、おい……やめろよ……」

風「こいつが悪いでヤンス……」

召喚士「最初に叩いたのはヤンスさんだろ!」

風「古臭いなんて言われたら叩きたくもなるでヤンス!」

召喚士「ああん?本当の事言っただけたし!」

風「こいつはぁ……もう勘弁ならないでヤンス!」

召喚士「別に勘弁してくれなくてもいいもんねぇ!」

アンドロ、ジノ「………」



喚起士「召喚士さ……」

召喚士「こんにゃろが!」ポカポカ!

風「にゃろめがでヤンス!」ポカポカ!

ジノ、アンドロ「………」

喚起士「……何ですかこれ」

ジノ「………」

喚起士「何をじゃれあっているんですか……」

ジノ「放っておけばいいから……」

アンドロ「口喧嘩から発展した殴りあい……だと思う」

召喚士「とりゃああああ!」ポカポカ!

風「こなくそぉぉぉぉでヤンス!」ポカポカ!

喚起士「……これがですか?」

アンドロ「察してやってくれ……」

喚起士「………」

召喚士「おらおらおらあああ!」ポカポカ!

風「アリアリアリアリでヤンス!」ポカポカ!

喚起士「し、召喚士さん!」

召喚士「止めないでください喚起士さん!」

喚起士「ですが……」

召喚士「男の喧嘩に……女の口出しは無用です……」

風「ほう……よくわかってるでヤンスな……」

召喚士「………」

喚起士「は、はあ……?」

召喚士「いくぞヤンスさん……いや!ヤンス!」

風「来い……返り討ちにしてくれるわでヤンス!」

喚起士「………」

召喚士「きぇぇぇぇいっ!」バッ!

風「はぁぁぁぁぁあっ!」バッ!

バチィーンっ……

召喚士「………」

風「………」

召喚士「ぐっ……」ガクッ

風「や、ヤンス……」ガクッ

喚起士、ジノ、アンドロ「………」

召喚士「……や、やるじゃないか……」

風「……ふん……主もなでヤンス……」

喚起士「あの……」

召喚士、風「………」ドサッ……

アンドロ「……どうすんだこれ」

喚起士、ジノ「………」

召喚士 (実にいいタイミングで喚起士さん来たな!)

風 (ふ……ふふ……自分でも惚れ惚れする程の倒れっぷりだったでヤンス……)

召喚士 (さあ!喚起士さん今ですよ!傷付いた男を介抱出来るタイミングは!)

風 (さあ!倒れたアッシを心配して涙を流しながら駆け寄ってくれでヤンス!ジノ殿!)

喚起士、ジノ「………」

アンドロ「あ、あのさ……」

召喚士、風「………」ニヤニヤ

ジノ「………」

召喚士、風「………」ニヤニヤ

ジノ「………」グバシッ!

召喚士、風「ぎゃあああああッ!」

ジノ「いい加減にして……本気で怒るよもう……」

召喚士「な、なななんでだよ!」

ジノ「言われないとわからないの……?」

召喚士「………」



喚起士「一体何があったんですか……」

ジノ「ただの馬鹿同士の喧嘩だよ」

召喚士「違いますぅ!」

風「そうでヤンス!」

ジノ「ああ?じゃなに?」

召喚士「音楽性の違いでイザコザしただけですぅ!」

風「そうでヤンス!」

ジノ「………」イラッ……

喚起士「……そ、そうですか」

召喚士「何か俺に用でも?」

喚起士「はい……実は、元の世界に帰れるらしいんです……」

召喚士「本当ですか!」

喚起士「ええ……」

召喚士「そうですか……良かった……」

喚起士「………」

ジノ「帰れるんだ……うん!良かったじゃん喚起士!」

喚起士「………」

ジノ「……やっと笑顔になってくれたね」

喚起士「いつまでも……ジノと別れる時に悲しい顔してたら嫌われちゃいますから……」

ジノ「そっか……」

アンドロ、風「………」

召喚士「結局帰れるのか……何か色々悩まなくてもよかったよなぁ……」

アンドロ、風「………」

召喚士「もっとこう異世界に召喚された俺はみたいなラブロマンスをだな……」

アンドロ「………」

風「……こいつの種族は雌は優秀だが雄は馬鹿って種族でヤンスか?」

アンドロ「多分そうなんだろ……」

ーーー

風「こうして二人は無事?人気の世界へ帰って行ったでヤンス」

アンドロ「………」

風「帰った先には闇の牙が待ち受けてるとも知らず……にでヤンス」

アンドロ「……何やってんだ?」

風「次回予告でヤンス」

アンドロ「………」

ワァァァァァァセンセェェェェッ!

喚起士「皆様……御世話になりました」

……孫の嫁にぃぃぃぃぃ!いや!うちの孫に嫁いでえ!帰らないでぇぇぇぇッ!

喚起士「ははは……」

召喚士「喚起士さん凄い人気だな……」

ジノ「そりゃどこぞの誰かさんみたいに遊んでないで魔物の為に色々してくれたからね」

召喚士「お、おおお俺だってもっと時間があればだな!」

ジノ「……もう無理しなくていいから。帰ったら会う事も無いし」

召喚士「………」

ジノ「好きにしたらいいよ。あたしは召喚兄さんにアレコレ言うの疲れちゃったし……」

召喚士「ごめん……」

ジノ「これだけは言っておくけど、喚起士には召喚兄さんしかいないんだからね」

召喚士「………」

ジノ「お願いだから喚起士を泣かせたりしないで……」

召喚士「勿論……そのつもりだよ?」

ジノ「じゃあ誓って……」

召喚士「喚起士さんを泣かせたりしません……って誓うよ」

ジノ「はぁぁぁぁ……何に?」

召喚士「ネメア?」

ジノ「兄ちゃんに誓ってどうするの……」

召喚士「ならどうしたらいいんだよ……」

ジノ「………」

召喚士「………」

ジノ「なら……あたしに誓って」

召喚士「わかった。ジノに誓って喚起士さんを泣かせたりしません……これでいいか?」

ジノ「……いいよ。よし、完成」

召喚士「完成……?」

ジノ「ふふ……召喚兄さんに今ね呪いをかけたから」

召喚士「おまッ!何やってんだよ!」

ジノ「……別にいいじゃん」

召喚士「良くないだろ!」

ジノ「喚起士を泣かせたり不幸にしたりしたら発動するだけだから……ふふふ」

召喚士「………」

ジノ「ね?それなら構わないでしょ?」

召喚士「いや……」

ジノ「あ"?」

召喚士「いえ……構いません……」

ジノ「よし」

学者「達者でである」

喚起士「あの……先生?」

学者「なんである?」

喚起士「本当に此方で書かれた著書を頂いてもいいんでしょうか……」

学者「ああ、構わんのである。君ならきっと向こうの世界でそれを役立ててくれる筈であるからな」

喚起士「先生……」

学者「君達が還るのに使われる力の事もそれに記してあるのである。気にならったら見ればいいのである」

喚起士「はい……ありがとう御座います。あの……それと……」

学者「うむ?」

喚起士「………」モジモジ

学者「……どうしたのであるか?」

喚起士「その……サインを……」

学者「………」

喚起士「いえ!無理ならいいんです!私ったらはしたない真似を……」

学者「別に構わんのである……」

喚起士「本当ですかッ!?あああ……なんと言う事でしょう……」

学者「……して、何処に記せばいいのであるか?」

喚起士「はい!頂いた著書の背表紙と!」

学者「……と?え?」

喚起士「魔物の患者さんに頂いた織物20枚にマントとこの杖に是非ッ!」

学者「………」

ネメア「………」

風「なんでヤンス?」

ネメア「ジノに手を出したら殺す……」

風「てててて手をだなんてでヤンス!そそそそそんな事しないでヤンス!」

ネメア「………」

風「ま、まあ……初めは手を繋ぐ事が目標でヤンスから……」

ネメア「それでも殺す」

風「はあああああ!?お兄さん何言っちゃってるでヤンスか!」

ネメア「お兄さんと呼ぶな……殺すぞ」

風「御兄ちゃん?アニキ?あんちゃん?」

ネメア「………」

風「兄者?兄上?」

ネメア「……次に『兄』と言う言葉の付いたものを発したら、この場で殺す」

風「ええ……じゃあ何とお呼びすればいいでヤンスか!」

ネメア「貴様が私とジノに関わらなければいいんだッ!」

風「それは無理な相談でヤンス」

ネメア「ああん!?」

風「もうアッシとジノさんは未来に向けての魔生設計とか一緒に話し合ってる仲でヤンスから」

ネメア「なん……だと……?」

風「ジノさんは子供は三人は欲しいみたいでヤンス。ふへへ」

ネメア「………」フラッ……

アンドロ「あ、あのさネメアの旦那?」

ネメア「………」

アンドロ「それはヤンスさんがジノの近くで勝手に呟いてるだけだしさ?」

ネメア「………」

アンドロ「つーか、ジノはヤンスさんガン無視だしさ?」

ネメア「……殺す」

アンドロ「お、落ち着いて……」

ネメア「殺す……殺す……殺す……」

アンドロ「………」

風「で!ジノさんは庭付き一軒家が望みでヤンしてな!」

ネメア「殺ぉぉぉぉぉすぅぅぅッ!」ゴアッ!

アンドロ「ひぃぃぃぃ!や、ヤンスさん火に油を注ぐなよ!」

召喚士「じゃあなアンドロ!ヤンスさん!」

風「おうでヤンス!向こうに行っても元気でやるでヤンスよ」

アンドロ「あ、アホ!今それどころじゃ無いって!」

召喚士「はあ?ネメアの事?」

アンドロ「そうだよ!ネメアの旦那が怒り狂って……」

召喚士「あんなの放っておけよ。何で怒ってるか知らないけど大した事無いだろ」

アンドロ「え……大した事無い……?」

召喚士「どうせ吼えて終わりだし。放っておけって」

アンドロ「いいのかよ……」

召喚士「それでさ、アンドロとヤンスさん……」

アンドロ「うん?なんだ?」

風「なんでヤンス?」

召喚士「うん……」

アンドロ、風「……?」

召喚士「またなって……」

アンドロ「ああ……なるほど。ふふ……」

風「顔を上げるでヤンスよ召喚士」

召喚士「………」

アンドロ「お前どうしようもねえ奴だけどさ……もう友達だろ?」

風「そうでヤンスよ。一緒にエルフの里通って名刺コンプリートした仲じゃないでヤンスか」

召喚士「………」

アンドロ「まあ……俺もお前がいなくなると寂しいけどさ……」

風「そうでヤンスな……」

アンドロ「でも、あのツガイと一緒に行かないとマズイだろ?」

召喚士「………」

風「召喚士を養ってくれるような牝なんてアレ以外いないでヤンスから絶対手離しちゃいけないでヤンスよ」

召喚士「ううぅ……」

アンドロ「泣くなよ……雄じゃないか……」

召喚士「アンドロぉ……ヤンスさん……」

風「ほれ……召喚士、手を前に出すでヤンス。アンドロもでヤンス」

召喚士、アンドロ「うん……」

風「拳を合わせて……友情の誓いでヤンス……」

召喚士「お、おれ……」

アンドロ「ずっとダチだぞ?召喚士」

風「ヤンス……」

召喚士「うわぁぁん……ありがどうぅぅ……」

アンドロ、風「………」

召喚士「俺……俺……絶対ここに帰ってくるからぁぁぁッ!」

アンドロ、風「二度と帰ってくんな!」

召喚士「……え?」

アンドロ「あ、いや……ほ、ほら!ツガイが可哀想じゃん!」

風「そうでヤンス!決して迷惑だからとかそんな事は無いでヤンスよ!」

召喚士「………」

喚起士「……召喚士さん、そろそろ」

召喚士「はい……」



喚起士「先生、お願いします」

学者「うむ。法陣の上に立つのである」

喚起士「はい」

召喚士「俺……俺……ずっとダチとか言ってたじゃんか……それが迷惑とか……」

喚起士「召喚士さん……?」

召喚士「喚起士さん……裏切り者は死んだ方がいいと思いませんか……?」

喚起士「何を突然……」

召喚士「野郎共……ん?喚起士さん……その大漁の荷物なんです?」

喚起士「これですか?これは……魔物方達から頂いたお土産ですよ」

召喚士「………」

喚起士「ここまでして頂けなくても良かったのですが……」

召喚士「アンドロッ!テメーお土産寄越せッ!」

……うっせー!ヒモ野郎はとっとと帰れ!

召喚士「ぐぬぬ……」

喚起士「………」

学者「いくのであるぞ」

喚起士「……召喚士さん」

召喚士「この野郎!帰ったらお前の石像ぶち壊してやるからなぁッ!」

……やれるもんならやってみろ!バーカ!

召喚士「なんだとッ!?」

喚起士「召喚士さん!」

召喚士「は、はい?」

喚起士「また……手を繋いで貰えませんか……?」

召喚士「………」

喚起士「………」

召喚士「喜んで!……もし、また変な所に飛ばされても一緒にいられる様に離さないですよ」

喚起士「召喚士さん……」

召喚士「どうしました?顔、赤いですよ?」

喚起士「そ、それは……」

召喚士「……?」

喚起士 (ジノ……もう私は……大丈夫そうです。召喚士さんがいてくれますから……)

学者「銀のたゆたう異形の針よ……ナムナム……」

召喚士「ジノ!ヤンスさんウザかったらぶん殴っていいからな!」

……触りたくないから嫌!

……な!ジノさんあんまりじゃないでヤンスか!

……どさくさに紛れてオッパイ触るなぁッ!

……去るものは去れ……これよりこの場に留まる全ての者を粛清する……

召喚士「ね、ネメア?……喚起士さん……ネメアが……」

喚起士「………」

召喚士「あれ……凄いマズくないですか……?」

喚起士「皆さん逃げてッ!」

召喚士「え……」

喚起士「ネメアが怒りで我を忘れてます!」

……旦那落ち着いて!ヤンスさん謝れ!

……すまんでヤンス (てへっ)

……ウガアアアアァァァァッ!

喚起士「先生!」

学者「術式もネメアも、もう止められないのである!」

……皆殺しだぁぁぁッ!!

召喚士「アンドロ頑張れぇ!」

……うるせー!早く帰れ!こっちはそれどろじゃないんだよ!

学者「……翼を常世に……理を道標に……銀よ……迷いを正しき道へ!」

シュバアァァァッ!

学者「こっちは何とかネメアを押さえ込んでどうにかするのである!」

喚起士「ですが!」

学者「帰りなさい……君達の世界へ」

喚起士「先生……」



ジノ「はあ……」

アンドロ「ジ、ジノ!ため息ついてないで旦那を止めろぉぉ!」

学者「そ、そうなのである!」

ネメア「さあ逃げろ……歩みを止めた時が貴様らの最後だ!」

風「こっちまでおいででヤンスぅ」ぺんぺん

ネメア「ガアアアアッ!」

ジノ「はあ……喚起士……」

アンドロ「アホー!怒らせるじゃないよ!」

ジノ「はあ……女の子の顔してたな……あたしには一度だってそんな顔見せた事無いのに……」

ジノ「そんなに召喚兄さんに心奪われちゃったのかなぁ……」

ジノ「まあ……それで喚起士が幸せならいいか……」

ジノ「はあ……」

ーーーーー

女騎士、勇者「………」

女騎士「……やはり場所が違うのではないか?」

勇者「ですがここにしか胸像ありませんし……」

女騎士「ならコレが……?」

勇者「でしょうね……」

女騎士「馬鹿な……」

勇者「………」

女騎士「こんな間抜け面したのが英雄だと……」

勇者「女騎士さん、失礼ですよ……」

女騎士「だがな……英雄と言うのはもっとこうな……」

勇者「………」

女騎士「例えば、勇者みたいな?……とか……」

勇者「俺は英雄みたいな面構えじゃないです……」

女騎士「いいんだ!私は勇者みたいなのがいい!むしろ勇者がいい!」

勇者「………」

女騎士「な!格好良く優しく凛々しく我が儘を言っても全てを包んでくれる……そんな勇者がいいんだ!」

勇者「誰ですかそれは……俺はそんなんじゃ無いですよ」

女騎士「誰でもない!……私の……私の英雄は貴様だ……」

勇者「………」

女騎士「うぅ……それが……」

勇者「……泣かないでください。もうその話は……」

女騎士「話はなんだ!?私はな!もう嫌なんだ!私の中の英雄が……消えていくのは……」

勇者「………」

女騎士「………」

勇者「……ッ!?なんだ!」

女騎士「……どうした?」

勇者「女騎士さん……剣を構えてください……」

女騎士「私が貴様に敵うわけ

勇者「違います。何か来ます……」

女騎士「……何か?」

勇者 (何処だ……?)スチャ……

女騎士「………」

勇者「………」

女騎士「……勇者よ、何が来る?」

勇者「わかりません。油断しないでください……」

女騎士「わかった」

勇者 (前か後か……)

ブゥン……ヒュワッ!

勇者「上です!」

女騎士「……ッ!」

ドシャーンッ!……ポヨン!

女騎士「な、何が……あ?人か……?」

召喚士「もがー!ふがぐあうー!」

女騎士「………」



女騎士「……大丈夫か?」

召喚士「ペッ!ペッ!……いやぁ死ぬかと思いました!あのまま頭が砂から抜けなかったら……?」

女騎士「そうか……」

召喚士「あ……ああ……」

女騎士「どうかしたか?」

召喚士「い、いえ……そうだ喚起士さん!」

女騎士「……?」

勇者「ふがぁふああぁ……」バタバタ

喚起士「うぅ……」

召喚士、女騎士「………」

勇者「ほぉ、ほぉんなひぃざんんん」

女騎士「ほう……」

勇者「ぶはっ!お、女騎士さん……?」

女騎士「………」ゴゴゴゴゴッ!

勇者「え……」

女騎士「そうか……そうか……」

勇者「な、何がでしょう……?」

女騎士「その女の胸に埋もれて随分と鼻の下を伸ばしているな」

勇者「へ?え?……うわっ!だ、大丈夫ですか!」

女騎士「………」

喚起士「あ……はい……」

勇者「貴女は……」

女騎士「勇者よ、今は自分の身を安ずるのが先だと思うが」

勇者「はい?俺は別に怪我などは……」

女騎士「その伸びきった鼻の下を心配するんだなッ!」ゴゴゴゴゴ!

勇者「い、いや!これは事故ですし!鼻の下を伸ばしてなんかは!」

女騎士「うるさい!」



女騎士「ふん」

勇者「………」ボロボロ……

喚起士「……大丈夫ですか?」

勇者「え、ええ……」

女騎士「時に女、貴様らは何者だ?突然、空から降って湧いて出たが」

喚起士「私は喚起士と申します。突然現れたのは……少々事情がありまして……」

女騎士「事情?その事情とは?」

喚起士「それはその……」

女騎士「………」

勇者「……ん?お、女騎士さん!」

女騎士「………」プイッ

勇者「え……」

女騎士「………」

勇者 (うわ……もうめんどくさいなぁ!)

女騎士「………」

勇者「はぁ……女騎士よ。先程の事は不可抗力とは言え恥ずべき行為であった。貴様に心より詫びよう。許せ」

女騎士「ふん……」

勇者「我が……親愛なる友、女騎士よ。私には貴様だけだ。星の煌めきに誓って私は嘘はつかん」

女騎士「………」ビクゥ!

勇者「………」

女騎士「しししし仕方無いな!ゆゆゆゆ勇者がそこまで言うのなら許そう!ここ今回だけだぞ!」

勇者「はい……」

女騎士「それで何だ?」

勇者「……そうだ!あの方ですよ!」

召喚士「……?」

女騎士「な……」

勇者「ね!」

召喚士「……何ですか?」

女騎士「貴様は召喚士と言う名か?」

召喚士「まあ……そうですが……」

女騎士「なら貴様が喚起士か?」

喚起士「何故私達の名を?貴方方は一体……」

女騎士「私達はまお

カバッ!

勇者「お、俺達はただの旅人ですよ!谷の国で貴方達を探していてですね……」

喚起士「はぁ……?」

女騎士 (またか勇者!せせせせせめて人がいない所でぇぇ!いや勇者はそういうのが好みなのか!なるほどなるほど!)

喚起士 (突然いなくなってしまったんですから、やはり私達を探していますよね……)

勇者「アレを頼りにして捜すよう頼まれたのですが……」

喚起士「アレ?」

勇者「後ろの……アレです」

喚起士「うわ……ああ、アレですか」

召喚士 (またうわ……って言われた……。つか!パイアはアレ壊して無いのかよ!)

喚起士「なるほど……わかりました」

勇者「聞いてもいいですか?」

喚起士「今まで何処にいたか……でしょうか?」

勇者「そうですね。3年も何処で何をしていんでしょうか」

喚起士「さ、3年ッ!?」

勇者「ええ。何かおかしかったですか……?」

喚起士 (3年だなんて……私達が彼方の世界にいたのは精々3ヶ月程度だったと思うのですか……)

勇者「………」

召喚士「………」

女騎士 (そうかそうか、なるほど。特殊な性癖故に……私に手を出せなかったのだな。うんうん)

召喚士「………」

女騎士 (しかしな……そんな勇者に私は着いていけるだろうか……)

召喚士「………」

女騎士 (いや!勇者が望むのだ。仕方あるまい……)

召喚士 (やっぱそうだよな……あの時の……)



勇者「そんな事が……」

喚起士「はい……お聞きしたいのですが、今は谷の国はどの様な状況なのでしょう?」

勇者「やけに女性の旅人の方が多かった以外は、治安もいい国でしたね」

喚起士「そうなのですか。……女王はどうしょう?」

勇者「お二方ご健在でしたよ」

喚起士「……二人?」

勇者「何か?」

喚起士「い、いえ……」

勇者「……?」

喚起士 (もう一人と言うとパイアですよね……?ネメアの事もうまくいったみたいですね……良かった)

女騎士「……さっきから私を睨んで何た?」

召喚士「何でも無いです……」

女騎士「………」

召喚士「あ、あの一緒にいる男の人は誰です?」

女騎士「あれか?……ふふ、いずれかは我が夫となる者だ!」

召喚士「………」

女騎士「どうだ?貴様より英雄と言う名が相応しい面構えだろ?」

召喚士「……そうですね」

女騎士「何故視線を反らす?」

召喚士「いえ……」

喚起士 (谷の国へ帰るべきですかね……)

召喚士「……か、喚起士さん!早く行きませんか!」

喚起士「あの……」

召喚士「谷の国へと!」

喚起士「そうですね……このままと言うわけにもいきませんよね。3年も過ぎてるみたいですし……」

召喚士「ええ!是非とも帰りましょう!」

喚起士 (それに……召喚士さんが言うんですから……)

勇者「召喚士さん」

召喚士「………」

勇者「召喚士さん……あの……?」

召喚士「よ、寄るなぁッ!」

勇者「え……」

召喚士「それ以上近寄るなよ!」

勇者「……何故です?」

召喚士「いいから!俺はそんなんじゃ無いからな!」

勇者「………」

喚起士「いきなりどうしたんですか召喚士さん……」

召喚士「喚起士さんもコイツに近寄っちゃ駄目です!」

女騎士「貴様……私の勇者になんて口振りだ!」

勇者 (俺……何か失礼な事したかな……)

召喚士「うう!……そんな考えの奴なんかに近寄られたくないだけだよ!」

女騎士「ああ?どんな考えだ!」

勇者「………」

召喚士「男なのに……そんな目をして……」

勇者「………」

召喚士「俺だだったら恥ずかしくて生きてけないね」

喚起士「ちょ、ちょっと召喚士さん失礼が過ぎますよ!」

女騎士「そこになおれ!叩き斬ってやる!」

勇者「女騎士さん……」スゥ……

女騎士「止めるな!貴様、自分が貶されて悔しく無いのか……?勇者?」

勇者「何故わかるんですか?」

召喚士「見ればわかるよ……」

勇者「………」

召喚士「何でそんなのか知らないけど……」

勇者 (流石英雄と言われる方なんでしょうか……俺が燻ってるのを見ただけでわかるんですね……)

召喚士「………」

勇者「……でも、それは仕方無い事なんです。俺は……」

召喚士「仕方無いって……自分が選んだ事じゃん……」

勇者「………」

召喚士「それを人のせいみたいに……」

勇者「………」

召喚士「だからそんなんなんだよ」

勇者「………」

召喚士「今の自分を見て何も思わないの?……俺も人の事は言えないけどさ、君よりマシだよ」

勇者「……思わない事は無いんですよ。でも……」

召喚士「そっか……」

勇者「………」

召喚士「喚起士さん行きましょうか」

喚起士「え、ええ……」

勇者「………」

女騎士「……貴様、あそこまで言われて」

勇者「あそこまで言われて……あの方が俺を見る目で……気付きましたよ……」

女騎士「何をだ?」

勇者「勇者である事の責任を……ただ嫌だと、目的が達成されたからと逃げる自分の甘さにです……」

女騎士「………」

勇者「……あの方は軽蔑の目で俺を見ていました。きっと今の俺が燻ってグズグズしている様が気に入らなかったのでしょうね」

女騎士「………」

勇者「………」

女騎士「流石は英雄と言われるだけの事はあるか。……それで貴様はどうするのだ?」

勇者「……勇者である責任から逃れるのは簡単です。ですが、俺は……もうあの軽蔑の眼差しを人から受けるのは耐えられそうもありません……」

女騎士「………」

勇者「だから……もう少しだけ。いや、勇者と言う名が必要と無くなるまでは頑張ってみようと思います」

女騎士「そうか……」

勇者「女騎士さんには勝手に聴こえるかもしれませんが……」

女騎士「そんな事は無いッ!」

勇者「………」

女騎士「私は……嬉しいぞ。それならば側にいられるしな」

勇者「………」

女騎士 (感謝しよう、谷の国の英雄よ。元の……元の勇者に戻してくれた事を!私の勇者を元に戻してくれた事を!うぅ……)

勇者「女騎士さん……?」

女騎士「なんだ!うぅぐぅ……」

勇者「泣かないでください……」

女騎士「これが泣かずにいられるか!私の……私の勇者が帰ってきたんだぞ!」

勇者「………」

女騎士「うぅ……」

勇者「女騎士さん……ご免なさい。……こんな自分についてきて貰って……」

女騎士「うっぐっ……」

勇者「でも、もう女騎士さんを泣かせる様な事はしませんから。ですから……」

女騎士「ですがらぁ……?ズズゥ!」

勇者「女騎士さんが言っていた側にいるって言うのを……俺からお願いしたいです」

女騎士「………」

勇者「こんな事言える立場じゃ無いんですけど……」

女騎士「……それは愛の告白と受け取って良いのか?」

勇者「まぁ……その……何と言うか……」

女騎士「………」

勇者「……はい」

女騎士「………」

勇者「………」

女騎士「………」

勇者「……女騎士さん?」

女騎士「うわああああああああッ!」

勇者「お、女騎士さん!」

女騎士「し、幸せが私の全ての不幸を拐い駆逐していくぞぉぉぉああッ!」

勇者「………」

女騎士「うがああ……幸せが重い……この背に乗る幸福の重圧が私を至福で押し潰さんとぉぉぉぉ!」

勇者「………」

女騎士「あああ……見よ勇者……」

勇者「……はい?」

女騎士「あの海原の彼方……私を祝福せんと皆が手を振っている……」

勇者「え……」

女騎士「おーい!おーい!私はぁ!幸せだあああああッ!」

勇者 (これは……幻覚が見えるほど気分が高まっちゃったんだな……)

女騎士「さあ!勇者も!おーい!あははははッ!」

勇者「………」

女騎士「はははははッ!」

勇者 (……ありがとうございます召喚士さん。貴方のおかげで目が覚めました)

女騎士「ありがとうッ!ありがとうッ!」

勇者「もう悔いない様……生きようと思います……」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの雪葵   2014年01月25日 (土) 04:29:21   ID: CXFSI-oM

まだかな?まだかな?ワックワクするなァ~

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