◆ゲンソウブレイカー◆(43)

◆注◆「忍殺」と「とある」の短編クロスss重点な。あと両作品の設定は色々変わってるかもしれない。◆意◆

◆プロローグ◆

平安時代にカラテによって日本を支配した半神的存在、ニンジャ。

彼らはキンカク・テンプルにて謎のハラキリ儀式を行い、歴史から姿を消した。

歴史は隠蔽され、改竄され、ニンジャの真実は忘れ去られる…


それから数百年の時が流れ、サイバネ技術が発達した日本にて
人間の超能力を開発する都市が存在していた…

その名はガクエン・シティ。

今、ガクエン・シティに突如ニンジャソウルが復活。
ガクエン・シティの闇に解き放たれたのだ…!

「ボーイ・ブレイク・ザ・イマジン」

ザーッ、ザーッ。重金属酸性雨は今日もガクエン・シティに絶え間なく降り注いでいる。

女学生ミコトはゲコタ・バイオカッパに身を包み寮に帰る最中だった。

彼女はガクエン・シティが誇る八人のヤバイ級能力者の一人であり、彼女のヒサツ・ワザの名前からレールガン=サンと呼ばれ恐れられている。

ミコトはいつものように路地裏を通り、その姿を見たヨタモノ・スキルアウトは恐れおののき無言で道を開けるのだ。

・・・しかし、今日は違ったのだ。

ミコトの目の前に立ちふさがる一人の男が居た。男は緑のバイオ・マントを纏い、顔は金属質のモノで覆われている。

男は威圧的な目でミコトを見据えている。

ミコトはかったるそうにバチバチとデンゲキ・ワザで指を光らせ威圧。

「アノー、私の正体知ってます?知らないなら…」

そこまで言いかけたところで男が口をはさむ。

「知ってます。ドーモ、レールガン=サン。プロミネンスです。」

「ドーモ、プロミネンス=サン。レールガンです」

両者オジギする。この変わり果てた日本でもアイサツだけはとても大事にされ奥ゆかしく受け継がれているのだ。
アイサツをしなければ実際シツレイである。例えそれが、サツバツとした殺し合いの直前だとしても…!

先制はミコトだ。

(勘違いした挑戦者の類ね、軽くあしらって実力の差を見せつけてやるわ!)

ワザマエ!おお、なんという速さ!両手で一瞬のうちに二つのデンゲキ・ヤリを作ると1秒も掛からぬうちにプロミネンスに投射!
ニンゲンの反射速度では絶対に避けられぬカミナリだ!ミコトは勝利を確信した。

…しかし、それは相手がニンゲンであった時の話だ。そう、お気づきかもしれないが、プロミネンスは…

「フン、そんなモノか。レールガン=サンが聞いて呆れるわ!」

「ワッザ!?避けたですって!?」

残像を残しながらユラリとプロミネンスの影がまるで炎のように動き、デンゲキ・ヤリを避けたのだ!
カトン・回避・ジツ!そう、彼はニンジャなのである!

「遅いぞレールガン=サン!イヤーッ!」

ミコトが動揺した一瞬のスキをプロミネンスは見逃さなかった!
しかしミコトはデンゲキ・ワザで肉体を高速で動かし避ける!

「ハッ・・!ンアーッ!」

カブーム!おお、なんという事だ!避けたはずの所に謎の爆発が起こりミコトが吹き飛ばされたのだ!

「フフ、例えレールガン=サンでも俺のパイロキネシス・カラテには通用しない事が分かったぜ!
この力でガクエン・シティを燃やし尽くしてやる!フッフハハ!フッフハハ!」

爆発の正体はプロミネンスのカトン・ジツだ!パイロキネシス・カラテは攻撃と同時にカトン・ジツを使い不可避の攻撃を行うカラテなのだ!コワイ!

「ウウ、ぐ・・・」

ヒサツ・ワザを使おうとポケットからコインを出そうとするが、上手く取れずコインが転がり落ちてしまう!
爆発の衝撃により壁に体を叩き付けられたミコトは脳が揺れてしまっていたのだ!ウカツ!
プロミネンスはゆっくりと勝利の余韻を楽しみながらトドメを刺す為にミコトへと近づいている!

「フッフハハ!死ね!レールガン=サン!」

「Wasshoi!」

「ナニヤツ!?」

突然路地裏に猛々しい声が鳴り響く。そして空から漆黒のニンジャ装束に身を包んだ男が降ってきたのだ!

漆黒のニンジャ装束を着た男はプロミネンスの方を向く。
ツンツンとした髪を露出したフェイスガードタイプのメンポには、
禍々しい書体で彫られた「幻」「殺」の二文字。

プロミネンスは彼から発せられるニンジャの気を読み、顔を強張らせるとマントを脱ぎ
「炎」「プロミネンスは私の名前」「悪い」と威圧的に書かれたメンポとニンジャ装束を見せつける。

「ドーモ、プロミネンス=サン。ゲンソウブレイカーです。」

「ドーモ、ゲンソウブレイカー=サン。プロミネンスです。
…何者だ。今俺はコイツと闘っている所なんだぜ?それともコイツを助けに来たのか?
どちらにせよ生きて帰れると思うなよ…フッフハハハ!」

「俺はオヌシの内に居るゲンソウを殺しに来た。
中学生の女の子を痛めつけ、挙句殺そうとするオヌシのゲンソウ、殺すべし。慈悲は無い。」

「ア、アイエエエ…」

両者の間にニンジャ同士の闘い特有の緊張感がミコトを気絶させた…ミコトの身体が崩れ落ちた瞬間、それが両者の闘いのゴングとなった!

「俺のパイロキネシス・カラテを越えるカラテなど存在しないのだ!イヤーッ!」

不可避のパイロキネシス・カラテだ!ニンジャ脚力から生み出されるダッシュ力と組み合わさり、恐るべき速さでゲンソウブレイカーへ突進する!

「イヤーッ!」

ゲンソウブレイカーはスゴイニンジャ洞察力・瞬発力で回避!

「掛かったな!イヤーッ!」

プロミネンスは避けた瞬間にカトン・ジツを放つ!ナムサン!

「フンッ、イヤーッ!」

その時だ!空中に現れた爆発の予兆を察知したゲンソウブレイカーは右腕を爆発地点に突き出したのだ!

キュオーン!これはどういう事だ!なんとカトン・ジツが不発!

「ナニ!?もう一発!イヤーッ!」

再びパイロキネシス・カラテだ!しかしゲンソウブレイカーは華麗にブリッジ回避!

「今度こそ爆発しろ!」

プロミネンスがカトン・ジツを放つ!しかしまたもブリッジから一瞬で体制を立て直し、右腕を突き出す!

キュオーン!不発!しかし今回はこれだけでは終わらなかった!そう、プロミネンスは不発に気を取られ
気付かぬうちにヤバレ・カバレになっていたのだ!

「俺にそのジツは効かないぜ!そしてお前の動きはもう見切った!イヤーッ!」

ゲンソウブレイカーの素早いカラテ連撃!プロミネンスは避けられない!

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!!」

プロミネンスはノーバウンドで吹き飛び、壁に叩き付けられ跳ね返りながら地獄への階段を降って行く!

「サヨナラ!」

プロミネンスは爆発四散!塵一つ残さずこの世から姿を消した!

「ゲンソウ殺すべし。慈悲は無い。」


・・・・・・・・


ゲンソウブレイカーは気絶しているミコトの携帯で救急車を呼ぶと、ガクエン・シティの闇へと溶けていった。


「ボーイ・ブレイク・ザ・イマジン」終わり

◆ニンジャ名鑑◆
プロミネンス

カトン・ジツの使い手。
元スキルアウトでありカチグミ能力者によるスキルアウト狩りに合い死にかけたところをニンジャソウルが憑依。
攻撃と同時にカトン・ジツを繰り出すパイロキネシス・カラテを生み出し、その力で能力者狩りをしていた。

◆ニンジャ名鑑◆
ゲンソウブレイカー

謎の漆黒ニンジャ装束ニンジャ。
凄まじいカラテを誇り、また右腕には相手のジツを打ち消す力がある。
ガクエン・シティのゲンソウ…つまりニンジャソウルに憑依された者を殺して回っているらしいが、
その正体は不明である

10分前後で書いたss処女作です。セッキョウ・ジツとかにすればよかったかもしれない。
これで終わりです。サヨナラ!

ドーモ、レス アリガトーゴザイマス。
次回は近いうちに書くと思います。オタッシャデー!

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