みんなで文才晒そうぜ(1000)

お題はよくある「デープキス」な

とりあえず、ドヤ顔はしとけ

彼女の唇に、顔を近づける。彼女の甘い吐息を感じる

そっと抱き寄せて、彼女の重みを感じていた。女の子の唇はこんなにも柔らかいものなのか、と思う

舌を入れる。遠慮がちながらも、ねっとりと絡みつく彼女のそれに、軽く吸いついた

10秒間ほどの短い時間。理性を飛ばすには、長すぎる時間だった

デープキスってなんですか

>>2悪いなディープキスだ

言わせんな恥ずかしい

>>4

俺は奴の頬と顎の肉に埋まる。

互いの肉の反発が唇を合わせる事を拒んだ。

「もう少し顎をひけ」

そんな俺の言葉に、奴は恥ずかしそうにボソボソと言葉を返す。

「もう、目一杯引いてる」

そうか、俺達では…俺達の筋肉では長時間のキスは無理だ。

なーんだそうか…あはは無理だ。

だよなー、俺おかしいと思ったもん…さーて、ピザとポテチでも食うか。

ディープ「んっ……れろ……ちゅっ」

武豊「うっ……」

ディープ「ちゅぱっ……」

武豊「く、くっせえ!!!」

カサパロフ「…………」ジー

ディープ「…………」ジー

カサパロフ「」チュッ

ディープ「///」ボフッ

審判「…3勝1敗」

IBM「次は負けん!」

>>38

奴が動かない。

顎の皺は乾きを訴えるように脈動し…激しい呼吸と流れ出る汗は、それらが無数の口である様に錯覚させた。

俺たちには過ぎた夢だった。

千里の道も一歩から…しかし、ダイエットとは始まりがもっとも辛く、厳しい。

だからこそ、の50m。

たった50mからのダイエットの始まり。

そして今。

スタートラインで俺達は泣き崩れる。

ガリムシャ

膝から響いた破滅の音…もはや何がどうなったのかも解らない。

ただ一つ解ることは、倒れる間際、確かに関節が幾つか増えていた…という事だ。

遠くで救急車の音が聞こえる。

俺はまだ呼んで無いから、まぁここは通りすぎるだろうけれど。

先生「そうです50M走です」

男「なんだか味気ないですね」

先生「そうですか?」

男「5.0×10Mというのはどうでしょう」

先生「なんだか短く感じますね」

男「そうですか。ならば5.0×10の6乗mmならばどうでしょう」

先生「まどろっこしいですね。でもあってると思いますよ」

男「本当ですか?」

先生「えっ」

男「本当ですか?」

先生「むぅ・・・」モンモン

先生「・・・・・・」モンモン

先生「ごめんなさい、煮詰まりました」プシュー

先生「はいスタート」ピッ

男「わー」タタタッ

あ、書き方的にスレ違いみたい

ごめんなさい

A君「50mマラソン?」

B君「うん、優勝者には賞金50億円だってよ。」
  「人間なら誰でも参加できるそうだ」

A君「そりゃ夢のある話だが、50m走をマラソンとはいわないんじゃ……」

B君「でもそうチラシにも書いてあった」

A君「何かの冗談じゃないの? 50億円って額は中々だぜ。」

B君「いや実際に開催はされてるらしい。今回は第二回だ。」
  「ただまぁ冗談みたいな話ではある」

A君「というと?」

B君「50メートルのコースが分割されて世界中にバラまかれているから、」
  「コースを探して世界中を回らなきゃならないらしい。で」

A君「で?」

B君「一回目の優勝者の爺さんは百歳を超えてたそうな。」
  「子供の頃から百年近く走って、ジジイになってやっとゴールだ」

A君「ひでえ話だ。ジジイになってから金貰ったって仕方がないぜ」

B君「いや、ひでえのはここからでさ。なんと百年前の50億円は」
  「今の5兆円ほどだとよ。本当にとんでもない話だ。」

A君「……まったくだな」

私は天才だと思うんです

お昼に起きてる人を襲えば通報されちゃいますし、夜忍び込んで襲えば通報される

でも・・・ふふふ。私は悟りましたよ?

つまり、お昼に寝てる人を襲えばいいんです!通報されるのされるはされない!!

こんなこと思いついちゃう天才な私が憎いな~・・・あれ

男「・・・zzz」

いたいた、うひひひひ・・・

うう、遂に人の血が吸える・・・ 何日ぶりだろ

日光対策も完璧!辺りには人も居ません!ということでゆっくりこってりいただきましょうかね・・・

では・・・いただきますっ!パクリッ!

男「!?」

ん・・・しっかりしていて、それでいてしつこくなく、喉越しさわやか・・・

男「あの、もしもし、警察ですか?」

男「女性に噛み付かれています。傷害事件です」

んふふ~、おいし・・・

吸血鬼「・・・zzz」

男「もしもし」

吸血鬼「・・・zzz」

男「ここで寝ていては風邪をひきますよ」

吸血鬼「・・・zzz」

男「ふむ・・・」

男「! そうですね。この方は吸血鬼ですし、夜行性なのでしょう」グッ

男「ならば何かかけるものを」グイッ

吸血鬼「ん~・・・zzz」グググ

男「おやおや、これでは動けませんね」

男「起きるまでここで待ちましょうか」

男「・・・・・・」

吸血鬼「・・・zzz」

男「・・・・・・」

男「・・・zzz」

炬燵「うわっ!こいつ足くっさぁ!!」

炬燵「ちょ!いくら寒いからって外から帰ってきていきなり足つっこむんじゃねぇよ糞っ!!」

炬燵「あーくせぇくせぇ!っと!!ちょいまてこらみかんの汁とんでるじゃねーか!!」

炬燵「なにが炬燵にはみかんだよね~だこの野郎!!」

炬燵「お前ら炬燵の気持ち考えたことあんのかよこらぁ!!」

炬燵「おめぇらの頭をみかんみたいに開いてやろうかボケぇ!」

炬燵「っておい!!このカップル急に炬燵のなかで足コキし始めてるんだけど!?え!?やめてやめて!?」

炬燵「うわっ!!ちょ!このままじゃかかるって!!それはコタツにかけるもんじゃねーって!!彼女の顔面にかけとけって!!」

炬燵「うぁあああ!!!」

炬燵「これが本当の性夜ホワイトXmasぅうううう!!!!!」

私はこのおじさんが苦手だ

理由は忘れたが、小さい頃、思い切りケンカしたことがある

私はあらん限りに泣き叫びながら、親の仇のようにポカポカとおじさんを叩いた

いつも豪快で笑顔の絶えないおじさんは、しかしながらその時はとても冷ややかな顔をしていた

丁度このような季節の時に、それも宴席で、だ

それ以来そんな顔を見たことは無いが、帰省するたびに少し距離を置くよう心掛けていた

それなのに・・・今、こうして状況を報告するハメになっている

それを聞きながらおじさんは神主さんと「そこそこ苦労しよりますな」なんて言っている

大きなお世話だ。すごくそう思う

そしてひとしきり話が終わったあと、不意に静かになったおじさんは

私に目を合わせた

私は氷ついた。あの目だ。表情も、あの時のままだ

そして、おじさんは少し薄笑いを浮かべ、固まる私に、こう言った

「お前、生きてて楽しいか?」

神主さんのいる建物に居座って酒を飲んでいる図太いおじさんが、いきなりそんなことを聞いてきた

今までの会話の中のどこに生きてて楽しいかを問う内容があったのか

心当たりなんて欠片もない。ましてやおじさんの気に触れるようなものがある訳がない

しかしおじさんは本気だ。目がマジだ。だから私は懸命に考えた挙げ句、一つの答えを出した

「・・・わか・・・りません・・・」

優柔不断な私らしい答えだ

それを聞いたおじさんはコップに半分くらい残ったお酒を呷ると、吐き捨てる様に言った

「俺は今までぜんっぜん楽しくなかったぞ」

「・・・」

「ぜんっぜん、な」

「確かに楽しいことは山ほどあった、けどな」

「心から楽しいなんて思えねぇんだよ」

あんなに人生を楽しんでそうなおじさんが、おじさんらしくない事を言った

「なぁ、お前」

「・・・?」

「まだ俺に『死ね』って思ってやがるんだろ?」

「・・・っ!?」

何から何まで薮から棒におじさんは質問を投げ掛けて来る

目の端に涙が滲むのがわかった。そして思い出した

私・・・『死ね』って言いながら叩いてた

優柔不断になんてなりえない、絶対的な記憶が蘇る

でも、それは子供の私が言ったことだ

おじさんはそんな言葉なんて冗談で弾き返すくらい元気なイメージがあった

しかし、おじさんはその言葉で心に傷を負っていた

何年たっても、私から子供の私の面影が失せても癒えない位の傷を

そして、おじさんは私に疑いをかけてきた

違う。絶対に違う。そんな訳がない。死んで欲しいなんて思うはずがない

・・・そう思っても口から言葉はでない

言い返す言葉が見当たらない

とにかく色々な感情がないまぜになり、行き所を探し、涙腺から流れ出す

私は半ば痺れたような感覚の頭を垂れ、壊れたように泣いた

「いいこと悪いこと、全部足して0だから、お前はよくわからねぇなんて言えるんだよ」

「浮きあがらねぇでも落ちこまねぇでも済んでる」

「平和じゃねぇか」

さっきとは違い、柔らかみのある声でおじさんは言う

「俺は何やってもどうも冴えなかった」

「いいことなんてあっても、ドブに石投げ込むみたいに飲まれちまうからな」

「それだけ、あの言葉は重いってこった」

まぁ、今はもうどうでもいいけどよ、なんて言いながらコップにお酒を継ぎ足す

わかりやすい見栄だった。あれだけ言ってどうでもいい訳がない

落ち着いてきた頭で、どうやってそんなことを思って無いことを証明出来るかを考えた

しかし、謝っても何してもうまくいかなさそうで、なんだか不甲斐なくなってきた

「子供は、思ってたより無邪気なものなんですね」

神主さんが沈黙を破る

「私には子供がおりません。だからあまり知らなかったのですけど」

「よければ一つ、童心にかえった気持ちで無邪気に振る舞ってみてはどうでしょう」

お神酒です、どうぞと何故かお酒を差し出す

お酒の力は偉大だ。あの堅いお父さんだって飲めば周りを巻き込んで何かしら盛り上げにかかる

あれが無邪気という状態なら、お酒は若返る薬だな

私は少しだけお酒の力を借りる事にした

神主さんからお神酒を貰い、少しずつ、喉に流し込む

まずい。喉がカッカする。でも昔ほどその意識は強はなかった

「まさかお前と酒が飲める日が来るとはな」

心底意外だ、という顔をしながら言う

・・・本当に余計なお世話だ

「どうですか?少しは無邪気になれそうですか?」

少し、頷く

優柔不断な私は影を潜めた。今が無邪気な状態かもしれない

「んで、どうなんだ?」

また、おじさんは聞いてきた

すると、今度は詰まらずに言葉が出た

「・・・おじさんには、何時までも元気でいてほしいな・・・」

「・・・へへ、そうかよ」

おじさんは照れを隠す様にコップを乾した

これで終わり?

良い話書こうとしたら長くなった。ごめん

 今日、学校が終わってすぐ、俺は彼女に告白した。返事はまだない。というか無視されたった、テヘペロ。
 原因は分かっていたが、やっぱりつらい。
 家に帰ると彼女から電話があった。夕方、河原に来いとのことだ。
 色々な期待に胸を膨らませ、俺は河原に向かった。
 
女「来るのが遅いわよ…ま、全く何を期待していたの?」
 
 川に反射した月は、ゆらゆらと揺らめいていた。
 顔を赤らめ、横顔のままの彼女に、俺はこう言った。

男「はぁ…まぁ、ごめんな。今回も嘘なんだ」

 また俺は彼女に殴られるのだろう。それがたまらない。
 それでも彼女は何故、何度も騙されるんだろう。
 それはきっと…
 川に落ちた俺を眺め彼女はこう呟いた。

女「ばーか。…分かってるわよ」

 でも、何で彼女は泣いているんだろう。

誰かなんかアドバイスおくれよ

そのとおりなんだけど
わかりずらいかなーやっぱ

男は屑でドM
殴られたくて嘘の告白
女は告白が嬉しくて毎回期待しちゃうんだけど毎回嘘でしたー
ってことなんだが
説明はどんなのいるかしら

×ワクワクと言う言葉は使わず
○ワクワク感は

…すまん

お題「夕焼け」で書いた許してヒヤシンス

仕事での小さなミスが増えたのは、最近私が疲れているからだと思う。
振るわない成績、有望な新人に対する焦り、職場に蔓延る結婚願望。
恋人のはずの携帯電話は、最近番号がつながらない。アドレスも送信不可なので、きっとスマートフォンを落としたに違いない。SNSのアカウントに確認を取るのも馬鹿らしい。
両親からは「あんたも女なんだからそろそろ結婚も考えないと」……彼に聞いてほしい。
そんな私を見かねたのか、上司は「これをA社に届けたら今日は直帰でいいよ」と封筒を手渡した。
願ってもないことだったので、ありがたく受け取って会社を出た。
その帰り道、さて誰に愚痴をこぼそうかとスマートフォンの電話帳を眺めていた私の目に光が差した。
国道の交差点、長く伸びた道路の上に夕日が沈みこんでいる。
なんだか珍しいものを見たような気がして私は足を止めた。
見事な茜空に感動して、というわけではなく。
ふと、昔のことを思い出したからだ。

「今日はいい天気だねっ」

ざざぁざざぁと波が押し寄せる海岸を歩く。きらきらと太陽を反射して輝く水面は無数のサファイアを敷き詰めたかのようで。
私はにっこりと笑いながら抱いている『はるか』に話しかける。
この子はまるで綿のように軽い。

「こうやって散歩してれば誰かに会うかもしれないね」

出会いに胸を膨らませてゆっくりと進んでゆく。
さくさく、砂を踏みしめるたびに心地よい音が鳴る。後ろを振り向けば、私の足跡が長く続いていた。
その光景がなんだか嬉しくて『はるか』を強く抱きしめてみる。

「がさがさ揺れる木の音や、そよそよ気持ち良い風の音しかないと落ち着くなぁ」

車が走る音もなく、テレビもラジオも流れない静寂は、自然の音の美しさを最大限に引き上げてくれる。
人の喧騒も、野良の犬猫の鳴き声も、うるさい音は何もない。
何も、ない。

「……一人ぼっちはつまんないなぁ」

誰かとお喋りしたい。
『はるか』に話しかけるだけではなく、人とお喋りがしたい。
このままずっと、孤独が続いていくのであれば私は耐えられないだろう。

「ねぇ……もう誰も生きてないのかなぁ」

私ひとりしか生き残ってないのかなぁ。
そう問いかけても。

縫い目がほつれた『はるか』は何も答えない。

いつも、雨が降っていた。

ミケが死んだ時も、高校に落ちた時も、お婆ちゃんが死んだ時も。
じめじめとした空気は鈍く淀んで、私の身体にベタベタと纏わりついてきた。

いつも、飴をくれた。

初めて会った時も、就職できた時も、告白をした時も。
あなたのくれる飴は甘く、優しくて、私の心をふわふわと温めてくれた。

そんなあなたが私に雨をくれた。
じめじめと黒く淀んだ空気は、あなたの亡骸を隠してしまいそう。

あなたは最後に言った。

「飴、食べる?」

あなたの手に握られていた最後の飴は、何故だかとてもしょっぱかった

>>538
哀しみの雨と喜びの飴が感情を対比させていて、いい味を出してる気がする
最初の6行で半分ずつ、雨と飴に絡むエピソードを紹介してていいね
それだけに「黒く淀んだ空気」、「亡骸を隠してしまいそう」ってのが、パッと見で理解し辛いのがもったいない。
重箱の隅をつつくようで申し訳ないけども、握られていた飴を奪って口に入れるんじゃないから、
「手渡された」とか「差し出された」とかに直した方がいいかもしれん
最後に飴を受け取るときに「あなた」が弱りきってる状態なら「何故だか」を省いちまって
その代わりに「震える手に」みたいに視覚に訴える書き方とかいかがっすか?

さらりと読んで目についたところ指摘しただけだから、見当違いな部分あったらごめんよ

誰かお題をよこせい

ほのぼの系かな?
『紫陽花』、『ずぶ濡れ』で夏向きな、なんとも涼しげな文章でいいね。
テーマの『蝸牛』が絡むと瑞々しさと雨季が両方そなわり最強に見える。
『彼女』が男勝りっぽい雰囲気を纏ってるみたいだから、
『形の良い眉』よか『凛々しい眉』みたいに男性寄りな表現でかっちょよくすると、俺は抱かれたくなる。
そんで、彼女もそれを気にして『力強さに欠けた』蝸牛になろうとしてマジ健気。抱ける。俺を抱け。
蝸牛は湿ってるもんな! 彼女も女の子だもんな! そりゃ彼女だって湿りたくもなるわな!!
気付かない『僕』ぐう畜。

3行目が舞台の季節を表すにぴったりと思うんだけども、
『申し訳程度』の解釈の仕方によって時期が多少だけど変化するのよね。
沢山植えられているうちの、一部が咲いているのか、元々少ない数なのか……
前者なら見頃手前だから、6月中旬よりも少し前、後者なら少量が満開だから中旬以降。
同じ行の後ろに『寂れた庭』ってあるから、俺は後者と理解して暑さとのギャップを脳内で楽しんだ。

それ以外に指摘する場所が殆どないから悔しくて粗探し。
ー(長音)は子供っぽさが出ちまう。
女々しい『僕』が使う分には構わんが、彼女の台詞で使用するには良設定が劣化しかねないんで注意。
女の子っぽさを演出しようとしたなら、最後まで不器用な強気な女の子を通した方が俺はによによできる。
あとは、全体的に読点が少な目な希ガス。3行目の句点を読点に変えちまって、4行目と統合すればより自然な感じに。

台詞と地の文の繋がりを強めて印象付ける為に4行目と5行目、6行目と7行目を接近させたんかな?
そうでないなら6行目の句点直後のスペースとセットで直しておこう。ケアレスミスには気を付けて。


『乾いてしまうだろう?』の意味を熟考してたらこんな時間だよ!
簡潔にまとめられてて面白かったよ。

長いな。キモいな。痛いな。寝る。

安価忘れとか
書かんでも問題ないと思うけども一応
>>550>>449のな

「真っ赤な真っ赤なチェーンソー、私の愛おしいチェーンソォ♪」

 月明かりだけが照らす薄暗い路地裏。

 セミロングの黒髪を愉しげに揺らしながら、少女は歌い、身の丈はある芝刈り用のチェーンソーを振り上げた。

 少女の頭上高く振り上げられたチェーンソーは月と重なり、振り下ろされるのを待つかのように唸りをあげている。

 その刃の軌道上には蝸牛のような醜悪な化け物。

 大きく突き出ている二つの目には怯えが宿り、頭上の刃と月明かりの逆光で表情が見えない少女の二カ所を交互に見上げる。

 《墜ちてくる、真ん丸真っ赤なお月様!!》

 少女は笑っていた。


 頭上で固定されていたチェーンソーの刃は微かに揺らめくと、蝸牛に向けて一片の躊躇もなく振り下ろされる。

 振り下ろされたチェーンソ-は肉を裂くときの少しの抵抗を受け蝸牛に食い込んでいく。

 チェーンソーの刃の唸り声は肉を裂く水音に変わり、辺りに蝸牛の血らしき物と肉片を飛び散らす。

 「んん、良い月だ。 明日はきっと、晴れるね」

 粘液を浴びて濡れそぼった少女は、ぼんやりと月を見て呟く。


 配管が血管のように這う薄暗い路地裏に、チェーンソーの唸り声だけが響いていた。



 たまには、書き方、内容をガラッと変えてみたかった。

 イメージ的にはラノベの冒頭シーンみたいな。

>>552
かたつむりんと少女の関係性が気になって夜も眠れなくなりそうなのが来たな
そのまま読んだら、弱い者いじめをする少女がド外道のイメージで定着しそうだ
悪を懲らしめるダークヒーローみたいで濡れるッ!

「月明かり『だけ』」って書いちゃうと、薄暗いどころか真っ暗になっちまう
暗さを表現したいならば「丑三つ時」とか、時間等の情報を組み込んで間接的に示すのもありよ
2行目、3行目で『少女』と『振り上げた』が被ってるのはイージーミスやね
『頭上に高く掲げられたチェーンソー』にでもして、スッキリさせちまおう
5行目では、まだチェーンソーは振られてないから『軌道上』にあったらあかん
つむりが戦闘前からザックザクに斬られるから、『少女の正面には』とかに変更してみよう
6行目は『頭上の刃』と『月明かり~~少女』までの情報の長さが違いすぎて違和感
『頭上』ってワードも使ってるし、『円盤型の銀刃』、『月光を背負って顔の見えない少女』を
生意気にも提案してみたり
7行目は台詞だけど特別扱いしたいです!!って感じなら≪≫→『』に妥協しよう
台詞じゃないなら俺が謝るごめんなさい
>>553
2レス目は上のやつを応用して表現を重複させなければ表面上の修正はおk
ぱっと目につくのは『振り下ろされる』、『肉を裂く』の連続やね
2行目の『肉を裂くときの少しの抵抗を受け』を『周囲に肉片を散らしながら押し込まれる様に』
で、ぐろてすくと鬼畜さを一緒に混ぜ込みご飯
そんで次の行を聴覚重視の文章にしてやると、誰しもがトイレに駆け込みたくなる新感覚テロに
最後の行の『配管』ってのは『配線』? それともそのままに配管? それがちょっと気になる

芝刈り用=円盤型ってイメージだけども、きりたんぽを潰したような楕円形だったらすまん
違ったら蝸牛の化け物を抱きながら、産まれててきたことを土下座で詫びつつ少女のチェーンソーに尻から裂かれたい

 どこまでも、どこまでも、飛んで行く。
 雄大な大自然を。
 無機質なコンクリートの群れを。
 美しい世界を。
 横目に見ながら飛んで行く。

 誰かの頬を撫ぜると、その人は私を締め出してしまった。
 誰かの頬を撫ぜると、その人はまるで極楽にいるみたいな、幸せな表情をしてため息をついた。

 ひょんなことから、私は命の誕生を目にした。
 私に、それに触れる権利は無かった。心のうちに、祝福を送って私は去って行った。

 ひょんなことから、私は死を目にした。
 私に、それに触れられるような力は無かった。空虚な落胆だけが私の心に染み込んだ。

 私は逆巻くひずみを遠目に見た。
 そのせいで、私は道を違えた。


 目前に広がる無限を、一人静かに眺めた。 


 私は飛ぶ。どこまでも広がる、この世界を。

初夏もまだというのにこの猛暑は耐え難い。頭が朦朧とするのもこのせいだ。
帰宅するや扇風機の前に陣取った姉を責めることができるのは、半歩遅れて玄関を踏み荒らした妹、私しかいない。
「占領すんな! 風が来ない!」
「いやです。暑い」
暑い暑いとのたまいながら姉は上着を脱ぎ始める。扇風機に抱き着いたまま器用に脱ぐさまは芋虫の脱皮だ。もちろん私は虫が嫌いである。
自堕落な姉だが肌着一枚となった姿は妬ましいほど整っている。あまりにも妬ましいので、そのブラ紐を掴んで引っぺがしてやろうかと手を伸ばしたところ、なにやら黒い点がアンダーベルトの上にこびりついている。
それは丸々としたダンゴ虫だった。いったいどこから入ってきたのか、姉の下着に足をからませ微動だにしない。
虫は嫌いだが、悪戯心が湧いた。ダンゴ虫が柔肌の上に座礁するのを期待して、そのまま見届けることにした。
じっと目線をぶつけてみるが、ダンゴ虫は微動だにしない。百年たってもこのままかと思ったが、そうも言えない異変が起きた。
姉の背中の上で、汗の珠がひとつに固まり、光沢を帯びた露となってつつと流れ落ちていく。
それがなんとなく扇情的で、私は息を止めて見入ってしまった。

しかし露が流れ落ちる先は、アンダーベルトの上、運の悪いことにダンゴ虫の位置にあった。
あわやと思われたとき、なんとダンゴ虫はベルトの上をとことこと横切り、露の直撃を避けてしまった。
その後続けて二、三滴の露が白肌を流れたが、まるですべて見えているかのように左右に動いてはかわしてしまう。
初めのうちは驚き、面白がった。しかし、幾度かのあと、ふと気味が悪くなり、私はダンゴ虫を指ではじいて落としてしまった。これ以上、姉の肌に触れてほしくないと思ったのかもしれない。

彼女は狐の面が好きだった。
それも、デフォルメされた可愛らしい狐ではなく、稲荷神社に祀られているようなある種の恐ろしさを湛えた狐である。
僕が「どうしてそんなものを被っているの?」と不思議そうな顔をしていると、彼女は笑いながらこう答える。

「私が神社で泣いていたときに、慰めてくれた子がいるの」

好きだった人にこっぴどく振られて、いろんなことに絶望して泣いていたとき、そっと隣に居てくれた――と。
それがなんだか面白くて、悲しさなんて吹き飛んで。おかげですっきりすることができたのだと。彼女はそう言った。

「これは、その記念」

彼女は面を被って、狐の真似事なんかをしている。
僕はその姿に目が釘付けになる。
彼女はそれが面白かったのか、けらけらと楽しそうに笑って、僕の頭を撫でる。

「ありがとうね」

僕は何だか照れくさくなって。
こーん。
と、一声鳴いた。

ピチャン、ピチョン

水滴は私の足を伝う。
水滴は、私の体を這うように下った後、音を立て地面に落ちる。

ピチャ、ペシャ

床に広がった水滴たちの上を歩く。
床から足をあげるたび、それは私の足の裏に絡みつく。
噴水のように飛び出して来たくせに、水滴はとても粘っこい。

ふと立ち止まって、水滴たちを掬い、口に入れる。

大好きな彼から滴るその液体は涙と鉄の味がした。

水場には霊が集まるって言うじゃないですか。

あれって本当なんだなあと実感したね。

山奥の人が滅多に近付かないようなとこの川辺なんだけどね、

その日どういうわけか若いカップル風の男女が来てたのよ。

何が面白いんだか水かけあったり、普段着のまま川に入ってったりさ、

でもそうして遊んでるうちに、急に女のほうが溺れ出してね、

んで男が大慌てで助けようとするんだけど、何か黒くてもやもやしたやつに引っ張られててうまくいかない。

よく見たらそれは無数の手だったわけなんだよ。

男ももう必死で女を引き上げようとするんだけど、その時にはもう女のほうはピクリともしなくなってたね。

最期には男のほうも黒いのに引きずり込まれてはいさようなら。

いやあ、水場ってのは怖いもんだよ。人気がない場所ならなおさら、ねぇ。


水の中。
私は水底に目をむけたまま、身動きひとつしないでずっと漂っている。

ここは薄暗い静寂の世界。
水以外のものは何も見えなくて、周囲の景色はいつも蒼色。

そしてただただ広い世界。
底は見えない……あるのかもわからない……眼下に広がるのは暗闇だけ。

ああ……静かだ……とても静か。
自分が今どのあたりの深さにいるのかも知らない……身をよじったことすらないのだから。

でも……ときおり静寂を破る音がくる。
底から昇ってきた幾つかの泡だ……心地よい音が通り過ぎてゆく。

私はこうして何万年の時を経たのかももうわからない。
願わくは意識が途切れるその時まで、このまま静かに漂っていたい…………





―――隊長……本当にここエウロパに生命は存在するんですかね―――

―――さぁな……まずはこの厚い氷を砕く所から始めようか―――

―――そうですね―――

水も滴る良い女、だなんてよく言うけれど。
それは確かに今僕が感じている気持ちを的確に表現している気がする。

ぬるり、と井戸から這い出してきた彼女は病的なまでに白い肌で、ぽたぽたと井戸水を垂らす黒髪で顔を所々隠して。
「いや、そこはお前恐怖すべきとこだろ」と友人には後でそう言われたが。
残念ながら、なのかは分からないけれど、恐怖なんてこれぽっちも感じなかった。

僕は彼女に恋をした。

『怨めし――』
「一目惚れしました」
『……へ?』
「僕と付き合ってください、貞子さん」

テレビから半分抜けだしかけていた貞子さんの頬を撫でる。ひんやりと冷たくて気持ちいい。

『え、えっ……えええぇぇぇええええぇっ!?』

驚きからかムードもへったくれもなくテレビから飛び出す貞子さん。

『えっ、えっ、ひとめぼれぇ!? 私貞子ですよぉ!?』
「何か問題でも?」
『い。いやいやいやいや、何かっていうか問題だらけっていうか、むしろ問題しかないというかぁ!』
「多少の問題など愛の前には障子紙ほどの障害にしかなりません」
『絶対おかしいよぉぉおおおおっ!』

そんなこんなで、僕は恋をした。

ゴポゴポ…と、泡が音をたてながら浮いていく。

僕は沈んでいく。

どんどんと水面と僕との距離が離れていき、暗くなる。

……もう何も見えない。周りは薄暗い…のではなく、真っ暗だ。

僕は怖くなる。

光が差し込まないだけで、こんなにも気分が暗く沈むとは思わなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴポゴポ・・・・・・・・・・・・

……考えるのは、もうやめることにした。

考えるだけだと何も起こらないから

……もう、目を閉じよう。

どうせ、目を開けても何も見えないから。


――――――
自分で書いててよくわかんなくなった

「ほ、ほ、ほーたる来い」

同級生に冷やかされた夏祭りの後、帰り道の途中にある河原で2人きりになった。
紺色の浴衣がよく似合う彼女。
髪の毛を纏めた事で露わになる白いうなじは、まるで白い絹を彷彿とさせた。

僕の身長の半分程の丈の雑草から、黄緑色の光がふわ、ふわりと漂う。
不規則に光る蛍は、あるときは宙に漂い。
またあるときは、草陰に隠れた。

「ねぇ、蛍ってなんで光る事にしたのかな」

「他の虫は鳴いたりしてるのに」

月明かりに照らされた彼女は憂いを帯びた表情でポツリと呟いた。

「……月に憧れたとか?」

少し背伸びをして返答をする。

遥か彼方から飛来する一つの物体があった。

直径5キロメートル、全長17.5キロメートル程の飛行する巨躯を見て、人々は大口を開けて空を仰ぎ見ながら、口々にあれはなんだ、飛行機か、隕石か、と騒ぎたてたが、その実それは巨大な蛍であった。

東の空から、空を揺らすような爆音を轟かせながら飛んでくるだけで、半径数百メートルの人々は衝撃波をその身に受けばらばらになり、数キロメートルの人々は爆音に頭をやられ、息絶えた。

数々の巨大建造物にぶち当たり、積木のように打ち壊しながらも、その黒い甲殻には、傷の一つもつかないようであった。

そして、破壊の限りを尽くしながら、西の地平線へと消えていく、蛍のルシフェリン・ルシフェラーゼ反応の冷たい光を、人々は瓦礫の隙間から、いつまでもみつめているのであった。

そんな一部始終を、完全に隔離されたシェルターの中から、超高倍率望遠鏡を使って見ていた俺は、蛍が視界から消えるなり大声で叫んだ!

「蛍怖い!」

ある家庭の一室で、姉と弟が見つめあっていた。
両者は言葉を発することなく、また、身動き一つすらしない。
まるで時が止まったかのような光景。
しかしそんな中で、時計の針だけがカチカチと音を立てて時を刻んでいる。
見つめあい、時計の秒針がちょうど60回目の音を鳴らした頃、姉は唇を震わせながら、絞り出すように言葉を漏らした。
「何……してるの……?」
それに対し、弟は呆然としたまま、
「…………蛍……」
ポツリと一言だけ、呟いた。
「………………そ、う……」
「うん……」
再び訪れた静寂の中で、彼のアナルに突き刺さったペンライトが、淡い光を発していた。

 昔の人は小さく小さくなったら、粒子って物質として見えると思ってたんだって。
 画素数が荒いと点々が見えるみたいに、明確な何かがあると思っていたんだって。
なのに科学がどんどんと発達していって、ミクロの世界も解明されていくとそれは球であり波であり場であったんだって。


「見えないけれども存在するなんて不思議だね」
「そういうのは案外沢山あるよ」
「まあ、そうだけどさ。自分の体とか、この立っている地面ですらそれで成り立ってるのかと思うと変な感じだよね」
「この世は全てブラックボックスだからね」
「そんな便利な言葉ですまそうとしないでもいいじゃん」


「じゃあ、こっちのほうがありふれているけども心も見えないでしょ?と言っておくよ」

 丸い青い頭の二頭身の、表情豊かなロボットの居候が少し拗ねたように口をとがらせて言っていた。
 小学生の頃は毎日のように一緒に遊んでいたけれど、大きくなっていくにつれて過す時間も減ってしまっていたから、昔なら気付けたことも気付けなくなってしまっていた。

 何が未来であったのかは分からない。だけど翌日には、押入れも机の引き出しもきれいに片付いていて、友人兼居候は居なくなっていた。

 決別は案外あっさりしているんだなと思った。大学に行って講義を聞いた。昼御飯を食べて昼寝をして起きたら眼鏡が濡れそうになった。突き詰めていったらロボットの彼もきっと自分と同じような粒子から出来てる。

 ロボットの彼に頼らなくなった自分の心を彼はどう感じていたのか、確かめれる日が来ればいい。未来きっとなによりも不安定で不思議なのだから。

最近読み専門。でも読解力は低いんだ。

>>558
散文詩っぽい。風そのものの視点なんだと思ったから精霊キャラとかで脳内再生した。場面に対比があってまとまりいいなと思った。
好みでいえば無音じゃないほうが風っぽいかなと思う。

>>559、560
これ好きだ。夏の一場面って状況が分かりやすくて読みやすかったし、姉妹のやり取りとか妄想したくなる。

>>563
狐が傍にいてくれた、で解釈合ってるのかな。それとも傍にいてくれた男の子が狐の真似でもしてたのかな、と。彼女がお礼を言っていることから、こーんと鳴いた相手=傍にいてくれた相手=質問相手、と解釈したのだけども、ちょっと不思議な雰囲気の話。

>>567
一読ではわかんなくって、どういう場面なんだろうと考えた結果、最初はえっちぃ場面なのかなと思っていたんだけども涙と鉄の味ということでこわい想像になりました。噴水のように飛び出すとか、粘っこいとか……修羅場後ですか、そうですか。水じゃない!とつっこみたい。面白い表現だと思った。

>>568
夏らしい話。不もなく可もなく状況がわかりやすい口調で読みやすい。案内人とか親せきのおっちゃんの話っぽいけどもう一捻りオチが欲しい感じ。

>>569
予備知識ないせいかオチがわかりにくかった。
ラノベの敵キャラとかの記述にありそうだなと思った。対比がある表現は作品内にある世界観を広げていいと思う。音は泡の音だけと前半に記述があるけど、後半に氷砕く記述があるから絡めた方が話として動きがある気がする。

>>570
いいノリだ。よし、応援しよう、と面白かった。
僕は恋をしたは、6行目のほうはなくても印象変わらないから削ってもいいかなとも思ったけど、反復してオチとして書かれてるから強調されて僕が本気っぽい印象をうけるのかなと思った。

>>571
表現としてはラノベっぽい状況でありだと思うけど、どういう場面かがわかりにくい。
……は、時間の経過を表したいのだと思うけど乱用しない文章を書くくせつけたほうが書く幅が広がると思う。長い小説のうちの1頁な印象でした。

>>574、575
まとまっていていいね。場面もわかりやすいし、僕と彼女のやりとりも初々しくっていい雰囲気だと思った。

>>576
もう一捻りほしい。というか、蛍じゃない……。
物語の冒頭で続きがあって俺が蛍に関わる、とかいう展開ならありかもと思うけどまとまりがいまいち。

>>577
ばかwww(褒め言葉的な意味で) 
読みやすかったし、時計の音とかの表現で沈黙が続いてしまってたんだろうなという真面目な雰囲気だというのにそのオチwww ウケたわ

>>582
どらえもん~。



前のほう読んでみたら感想かいてる方がいたので書いてみた。読解力はry
いくつか読んでみたけど、文才云々はわかんないけどやっぱ>>5とか>>39の流れが一番面白かったなwww

あげ

今のお題は「花火」

ぱぁん、ぱぁんと空砲が夕方の街に響く。
本日の花火大会は問題なく開催されます、という意味の空砲だ。

「ねぇ……目ぇつぶって」

私は目の前の男の子に言った。
空は黄昏色に紫が混じり始め、森からはひぐらしの大合唱が切なく響く。
それらの所為か、胸に抱えた思いの所為か、分からないけれど泣きそうになった。

「私たち、また会えるよね」

彼は何も言わない。
分かってる、私だって。遠すぎて会えるような距離じゃないって。

やり切れない思いにどうしたらいいか分からなくなって、彼に抱きついた。
精一杯背伸びして、目をつぶったままの彼にキスをした。
不安を握りつぶすように、強く彼の手をつかんだ。

彼は何もせず、私の行為を受け入れていた。

「…………いこっか、花火見に」

行こう。
彼がいなくなる前の、最後の思い出作りに。
夏の夜空に、泡沫と消える花火を見に。

夕日が沈み切り、辺りが急に闇に包まれる。
それは私たちの未来を表すかのようで。

頬に一筋涙が流れた。

花火「はぁ…今年も爆発して消えるのか…」

手持ち花火「お前なんかまだいいだろ…俺なんか他の花火の着火役になるときもあるんだぜ…」

彼らは花火。
なぜか夏限定とか言われる花火。
彼らはこんな生活に嫌気がさしていた。
炸裂するということを繰り返す日々。
花火という存在は数多あるが、その炸裂するということに心底飽きていたのだ。

ねずみ花火「俺たちなんて…地面をぐるぐる回って死ぬんだぞ!!全く華がねーんだよ!!」

…みんな大変なんだな、と花火は思う。
そして自分はまだいい方だ、と心から思った瞬間だった。
そのとき
職人「あちゃ~…しけちゃったか…いらねーからすてちまお」ポイ

花火(え?)

そのとき理解した。
自分は世界一不幸な花火ということを。

雑踏の中から、俺は名前を呼ばれた。
「こっちこっちー!」
どうやら先に場所取りしてくれていたらしい。何も買出しをしていないのを後悔しつつ、
俺は手を振る彼女の方へ、人の波を無視して進む。
「悪い、遅れた」
「打ち上げは遅刻だけど、花火の打ち上げはまだまだだよっ。
 だからセーフ!」
「はいはい。てか、二人きりでも打ち上げって言うのか?」
純粋に気になって、俺は少女に訊いていた。彼女はボッと顔を真っ赤にして、
おろおろして腕を小さくぱたぱたして、そして無理ににこにこ笑った。
「あはは……恋の花火も、打ち上げちゃうぞー……なんつって」
「なんつってって……」
おや、いつものキレがない。
手元が落ち着かないし、火照った頬はやけに扇情的だし、そもそも俺を名指しで誘うなんて。
これじゃあまるでなんだか──
「デート、みたいだな……」
「……う、うんっ。今頃、気付いたの?」
そう、これが俺と彼女の馴れ初めだった。

あたまの上で何かが動く気配で、ぼくは夢の世界から連れ戻された。

「あ、起きましたね」
まだ寝ぼけているのだろうか。緑色の奇妙な生き物が、そこにいた。妙に甲高い声がぼんやりとした頭の中でキンキンと鳴り響く。
「ああ、男さん、ちょうどよかった。今起こそうかと思ってたところでした」
奇妙な生物はなれなれしくしゃべりかけてくる。大きさは人間の赤ん坊と同じぐらい、顔はカエルに近く、体中をびっしりと短い毛が覆っていた。
のっぺりとした顔は、かわいいとは言えないが、どこか愛嬌がある。
「ああ、いきなりあらわれて、ちょっと驚いていらっしゃるんでしょう。わたくしめといたしましても、
こんな時間に勝手に部屋に上がるような失礼なことはしたくなかったんですが」
カエル顔はそういいながら、せわしなく動いている。花火の音が遠くで聞こえる。
ぼくは台所に行ってコーヒーを2杯淹れ、ちょっと迷って片方にミルクを入れた。ベットに戻ると、カエル顔は満足げな表情で僕のベットを眺めていた。
「コーヒー入れたんだけど」僕は遠慮がちに言った。
「これはどうも、こんなものまでいただいてしまって」
「ねえ、僕のベットに何かしたの?」
カエル顔は僕の質問には答えずに、ミルク入りのコーヒーをちびちびと飲んだ。
3杯のコーヒーを飲み終わると、玄関から帰って行った。



目が覚めた。変な夢だ。ぼくは念のためベットの周りを調べたが、特にいつもと変わったところはなかった。
どおん、ぱん、ぱらぱらぱら。
遠くで花火の音がする。その音に耳を澄ませながら、僕はふたたび眠りの世界へ落ちていった。

まるで針でつつかれて穴だらけになった暗幕のような夜空が、僕たちの頭上には広がっていた。

僕と彼女は夏の匂いがする小高い丘の上に立っていた。

それは僕と彼女の約束だった。3年前、小学校を卒業する時に交わした、淡い影のような約束だ。

彼女は少し背が伸びていて、その頃とはまるで違うようにも、何も変わっていないようにも見えた。

「久しぶりだね」と彼女は囁くように言った。

僕は心地よく吹く風に前髪をなでられながら「そうだね」と返した。

「あの時の約束、覚えてる?」

「もちろん。その為に来たんだ」

僕たちにはこれ以上の言葉は要らないのかもしれない。彼女の全てが解っているように感じた。

彼女は儚く微笑み、長く繊細な髪をなびかせながら、鋭い左ジャブからの回し蹴りを僕の顎に叩き込んだ。

視界が揺らめいて、脳内で花火が上がり、派手に散った。

3年前とは比べ物にならないほどの切れ味だ。本当に強くなった。

僕もそんな彼女の成長に微笑みながら逆立ちし、カポエラキックで応戦する。

まだ覇王の称号を彼女に渡す事はできない。

僕のストライカーとしてのプライドがそう言っていた。

なんかいっきに増えたな
まだ同一お題で来るかもだけど本日は午前中が暇なので昨夜に続き感想ー


>>588
花火が比喩で夏らしい別れの話でまとまりはいいと思う。
文に倒置法が多いから感情の表現らしいし。短い文だからラノベっぽいけど読みやすかった。

>>589
SS。花火視点でいいね。四コマっぽい。話はオチあるしまとまりあっていい。

>>590
リア充爆しろwwwとお約束な感想をつけたい。まとまりいいし、花火のお題的にもいいよね。
文章的には「……」が多いのが少し気になったけど、その表現じゃなかったがガラッと雰囲気変わりそうなのでこれはこれで。

>>591
不思議な雰囲気で個人的には好きだが、「花火」っぽくはないかな。
文章は読みやすいし続きがあったら読むけど、これだけをみるとまとまりはいまひとつで惜しい感じ。
(自分が比喩的表現に気付けてないだけかもなんだが)

>>592
いい中二病だwww バトルもんっぽいノリはいいと思う。
一行目の表現がいいね。ただ、花火なのか、満天の夜空なのか分かりにくいのが勿体ないけども。
話としてはオチがほしいところ。


一個人の意見なんで確実に偏ってます
ので、暇な人はお題だけじゃなくって感想かけばよいと思うよ

夜あたりに気付いた人お題変えちゃってください

>>617
批評サンクス
おおむね実話なんだよね、警官は創作だけど

「…暑は、やっぱり夏いなぁ…」
 季節は暑。脳に響く蝉の声。湧いて出てくる暑のG。
 俺は多分、この季節が一番苦手だ。

「…あれ、懐は熱いだっけ…?どうでもいいやもう…」
 猛暑が体から気力を根こそぎ削りとり、かすかな風の纏う清涼は熱気となり、優しい音色を奏でる風鈴が、いつの間にか嘲笑を浮かべているようにすら感じる。
 世はまるで地獄。現世が地獄なのならば、氷の地獄は天国とでも化すのだろうか。
 とろけたような脳にはそんなつまらないことしか浮かばない。

「…とろけた?」
「…とろけた」
「アイス、買いに行くか」

 今の俺を傍から見れば、さながら呻きながら蠢く死体。生と死の相容れない二律背反。
 そうやって新聞かニュースにでも取り上げられれば、俺も一躍有名人?
 相も変わらずろくでもない。

 一歩外に出た瞬間、紫外線が容赦なく肌を刺し、空間を蝉の鳴き声が蹂躙し、視界がぐらぐらと揺らめき始める。
 だが、それでも歩みを止めることは許されない。
 無造作に寝ころび、無気力に時を過ごすという、限りなく無益な、限りなき安寧を捨てたのだ。それを無駄にすることはできない。

 たった一つ、それが手に入ればよかった。されど一つ、などと言うじゃないか。
 安物の、まとめ売りされているようなやつでもいい。
 それだけを求めた。その甘美な存在を求めた。冷凍庫にぶちこまれ、買われるのを待つ品物でしかないそれを、自転車とついでに体を酷使して求め続けた。

 道端に立ち並ぶ木々は、俺のことなど気にせず、暑さも気にしていないかのようにゆっくりと葉を揺らしている。
 風はいつしか涼しくなった。
 どこまでいっても、蝉だけは騒音だった。

 アイスは売り切れだった。俺はなんだか昂揚し、自暴自棄にでもなってきたようで、こんなめちゃくちゃな夏の一日も、意外と悪くないな、と思えるようになった。

「暑っちぃ……」
「言うなよ、余計暑くなる」

首元にじりじりと、もはや痛みの域に達した日光が射す。足元の砂浜からの照り返しにもいじめられ、止まらない汗が顎を伝ってぽたぽた落ちる。
行く先には陽炎が立ち上り、歩む為のやる気を根こそぎにする。

「……なぁんで歩かなきゃいけないんだ」
「お前が財布落としたせいだ。おかげで家まで徒歩だよ」
「そうだった……」

財布さえ落とさなければこの海水浴からの帰り道、電車で我が家まで帰れたはずだ。
夏だからって馬鹿みたいにクーラーを働かせた、キンキンに冷えた電車で。

「お、駄菓子屋! アイス食おうぜ!」
「なけなしの150円使い切る気かよ」
「いいじゃねぇか……おーい、おばちゃーん! パピコちょーだーい!」

奴は駄菓子屋のおばちゃんに金を渡し、チョココーヒー味のパピコを買った。
茶色く焦げた顔でにかっと笑うと、受け取ったパピコを半分に割った。

「ほら、お前の分」
「…………はぁ、まったくお前は」

苦笑しながら、パピコを思いっきり吸い込む。こめかみがつんと痛んだ。
後ろの森からアブラゼミ達の合唱が聞こえる。目の前の海はきらきらと輝き、風が潮の匂いを運んでくる。
身体を撫でる熱波は不快だけれど、
こういう夏の雰囲気も、嫌いじゃない。

時計を見ると昼を過ぎていた。
ドテラに袖を通し、思い切って立ち上がりカーテンを空けると、
光と共に冷気が部屋に流れ込んでくる気がした。窓ガラスが結露している。
エアコンなど無い部屋だが、ガラスと布一枚の違いなのに、外よりは大分マシなようだ。
白い息を吐きながらコタツの電源を入れ、台所へ向かう。

下段の冷凍庫を引き出し、赤いラベルのアイスを取り出す。
2つセットで販売されているそれは、冬の間しか売られていない。
小走りで居間に戻り、コタツ布団に足を突っ込む。

暖まり始めた空間の変化を感じながら、アイスのラベルを半分だけ剥がした。
添えられているプラスチックのフォークを大福に突き立て、すぐに諦める。
硬すぎて、食べられそうにない。
そのまま放置して、しばらく足元の温もりを感じるままにする。

室温が上がってきたのか、窓ガラスが水滴が大きくなり、垂れ落ちた。
結露の隙間から見る外の世界は、残念ながら銀世界では無い。
商品名だからと言って、無理に従う道理も無い。
今度は軽い手ごたえを感じながら、大福を口に運んだ。

我こそは、と姉はのたまった。
「我こそは、唐突にアイスを所望する者なり」
「唐突に言われてもありませんよ。そういうことはもっと早く言うべきです」
「不出来な弟め。アイスを食べたいという感情が唐突でなかったときがあるか。唐突こそアイス欲、アイス欲こそ唐突である」
「アイス欲とはなんですか」
「アイス欲とは逃避なり。暑い暑いという感情の逃げ場はいくつかあるが、その不確定要素のひとつがアイス欲だ。食欲という枠では決して嵌まらない。そもそも腹を満たすものでもないし。かといって、納涼のためかと言うとそこまででもない。だが、唐突に求めてしまう。このふわふわとした欲求のことをアイス欲と言う」
「なるほど」
「アイス欲は環境に大きく左右される。いくら甘露だからといって、寒さを忍んで食べれば腹を壊すだろう。同じように、唐突にアイスを食べなければアイス欲は真に満たせないのだ」
理解したようで何よりだ、と姉が千円札を渡そうとするので、私は慌てて遮った。
「アイス欲とは唐突であるとおっしゃいましたが、唐突でないアイス欲もあるはずです」
「興味深い。述べよ」
「風呂上がりに食べるアイスは美味いですよ。あれには待望の楽しみもある」
「なるほど」
姉が少し思案するような顔をした。が、すぐにニタリと笑みを浮かべた。
「では、この千円で今すぐアイスを買ってきなさい。私はその間に風呂に入ろう」
この一言で、「こき使われている感」がさらに上がった気がするが、姉がこの返答をすることも予想済みである。
「もうひとつあります。それは、風呂上り後に夕涼みがてらアイスを買いに行くことです。アイス欲が環境に左右されるのであれば、これもまた、アイス欲を満たす屈指の方法なのではないでしょうか」
おお、と姉が感心する間に私は続ける。
「御姉様にはぜひこの新説をお試しいただきたく思います」
「しかし新説は二つも出てしまった」
姉は手元の千円札をひらひらさせながら言った。
「これは比較検討すべき問題だと思う。君が今すぐ風呂に入り、夕涼みがてらアイスを買いに行く。私はその間に風呂に入る。これで完璧だな」
私に手札は残っていなかった。

観念して風呂から上がると、居間で姉がカップのアイスを掬い取っていた。
姉曰く、「やはりアイス欲は唐突でなければ満たせぬ」ということらしい。
冷凍庫の中には、私の分のアイスがコンビニ袋に包まっていた。
「風呂に入る前に食べてしまうとはもったいない」
「食べたい時に食べる。これぞ美食の極致なり」
「私の分をあげますよ」
「妙齢の女の子が一日に二つもアイスを食べるか。それに、買ってもらったものを突っぱねるのは相手に失礼だ。お姉ちゃん怒るよ」
「ごめんなさい」
私と姉は居間のテーブルを囲んでアイスを舐めた。風呂上りのアイスは変わらず甘かった。
「明日は私がアイスを買って帰りますよ」
「ありがたいけど、アイス欲というのは唐突なものだから」
そう言って笑った姉に、私が勝てる要素はなかった。

 少女が一人、床に転がっている。
 浜辺に横たわる人魚のようと表現すれば本人はもしかしたら喜んだかもしれないが、俺はとてもそんな気にはなれない。
 転がっているものは転がっているとしか表しようがないし彼女を喜ばせたところで俺にリターンはないからだ。
 しいて言えばそうだ。浜辺に打ち上げられて死にかけている魚には似ている。

 顔中汗まみれ、薄目を開けて意識があるのかどうか見たところ判然としない。
 彼女はごろりと反回転すると、うつぶせに四肢を広げた。
 アイスがゆっくりと溶けていく様子が自然と頭に浮かんだ。

「アイス」
 と言うと、彼女が顔だけを緩慢にこちらへ向けた。死んだ魚の目で俺を見た。
「あるの?」
「いや。アイスみたいだなと思って。お前」
「死ね」

 なあにが死ねだ馬鹿が。
 幼馴染とはいえ勝手に人の家に上がり込んで、その上おやつまで巻き上げようとは図々しいにもほどがある。
 それを望むのならせめて死んだ魚から猿に進化してから出直してこい。話にならない。

 思いが通じたのかは知らないが。彼女は床に両手を突っ張るとゾンビのように起き上がってきた。
 目と口は半開き、両手を垂らした猫背なのでそれこそ類人猿みたいだ。あの教科書とかに載ってるやつ。
「どうした?」
「トイレ」

 ゆっくりとリビングを出ていく彼女を見送り、俺はため息をついた。
 あれでも昔は可愛かったんだけどな。時の流れというのは恐ろしい。
 人の恋心を少しずつ、だが確実に風化させて崩してくる。
 まったくもって嫌なもんだ。彼女が見えなくなったのを確かめて、俺は冷蔵庫からこっそりアイスを取り出した。

夏なんで「蝉」
あと、アイス書いたから投下させて

 玄関に見覚えのない踵の高い可愛らしいサンダルが置かれていたので自室に直行せずリビングに寄って行くことにした。僕の予想は当たっていたようで、リビングからは懐かしい従姉妹の声と母のはしゃぐ声が聞こえてくる。
「あ、おかえり、外は暑かったんじゃない?」
「ん、そりゃもう、フライパンの上でも歩かされて帰ってきた気分。もう今日は出たくないわ」
 大げさに答えると、「普段引きこもっているからでしょ」と呆れる母の奥で、記憶より大人っぽく綺麗になっている従姉妹が口元を隠しながらくすくすと笑ってくれた。
「久しぶりだね、大きくなって」
「お久しぶりです、おねえさんも綺麗になって」
「おお、お世辞までいう年になったんだ」
 本当なんだけどな、と思いつつ母の前で迂闊なことも言えずにっこりと無言で肯定だけしてみた。部屋に戻るとやっぱり蒸し風呂状態になっていたので、エアコンのスイッチだけ入れてすぐにリビングに戻った。
「戻ってきた」
「だってすぐには部屋冷えないじゃん」
 さりげに従姉妹の隣に座って涼しんでいるふりをしてみせた。
「あ、じゃあ、今お土産食べない?」
 君が帰ってきたら一緒に食べようと思って待っていたんだと従姉妹は冷凍室から人数分のアイスを持ってきてくれた。はい、と従姉妹から手渡されたそれを愛想良く受け取って食べ始めると、母の物言いたげな視線に気付いた。
「なに?」
「なーんにも? あんたも美味しそうにアイス食べるんだなって」
「僕にだって食べたくなるときくらいあるって」
 母が言いたいのは、僕が甘いもの嫌いで同じように涼をとるにしてもかき氷のほうが好きだと普段断言していることを指していた。

「え? 小さい頃からアイスクリーム好きだったよね?」
 従姉妹が母と僕との会話に首を傾げ、スプーンを口元に押し当てたまま不思議そうに自分を見つめてくる。年上なのに子供っぽいその仕草が似合っていて、なんとなく自分は恥ずかしくなって目をそらして「うん」とだけ答えた。
 頭の中で従姉妹が小さい頃に歌ってくれた童謡が流れている気がした。アイスそのものを好きっていった覚えはないけれど、従姉妹が構ってくれるのが嬉しくって適当に返事をしていた覚えはあった。そんなことを思い出していたせいだろうか、久しぶりに食べるアイスは口の中いっぱいに甘く広がり、べたべたしているけど案外甘くておいしく感じる。
「ああ、そうだ、あの、ちょっと早いかもなんですけど、私結婚決まったんです」
 手が止まる。
母より祝福の言葉を受けて幸せそうに返答している従姉妹をみて、僕の強制停止した思考がようやく動き出した。
「……あ、ちょっと、垂れてるっ」
「え、あっ」
 手についた冷たいドロッとした液体はそのままテーブルの上に落ちてしまった。アイスは甘かったはずなのに口の中には苦味しか残っていなくて、僕は一気に麦茶を流し込んだ。
「おねえさん、おめでとう」
 ワンテンポずれてなんとかお祝いの言葉を述べながら、しばらくアイスは食べられないなとか関係のないことを僕は感じていた。

>>619
警官創作なのに実話とはw


>>622
後半涼しくなってきたあたりからは分かりやすい文だし、脳が溶けてしまいそうな暑さのため理路整然とした思考は麻痺してる、って表現かな
この長さだったら読みにくいってこともないし、一人称の表現方法として面白いと思う。(使いどころは限られるかもだけど)

自分は横着なタイプなんで >無造作に寝ころび……それを無駄にすることはできない。の文は共感してしまって好きだ


>>625
この夏の雰囲気いいな。二人の掛け合いや、残金使い切ってアイスを買うという衝動的な行動で十代の男子っぽい様子が上手くでてる
状況説明も分かりやすくて上手いと思う
「男子高校生二人旅」、スタンドバイミーだなあ


>>626
二文目がドテラで始まってるし、冷気に結露、コタツと冬を表現する単語が丁寧に多く使用されていたし、暑いこの時期でも自分は冬を思い出せた

ただ、>エアコンなど無い部屋だが、の表現のあとに 
>暖まり始めた空間の変化、>室温が上がってきたのか、
という流れなのでコタツでそんなに部屋の中暖まるものだろうか?という違和感はちょっとあるかな

夏に冬ネタ。コタツに雪見大福いいよね。はよ冬こんかな……

>>628
お、姉もの。可愛い姉もの。キャラ物でやりとりが可愛い上に姉が可愛いな
流れがいいね。
とりあえずこの姉下さい……つう感想はともかくとして。

姉弟、なんだよな。一人称が「私」なのがちょっと残念(これは単純に読む側の好みの問題)。
姉妹にするか、「僕」とかにしたほうが好みではある



>>630
幼ネタっすな。
>彼女を喜ばせたところで俺にリターンはないからだ、でちょっと違和感を感じたが幼ネタってことで納得

比喩は面白いけど、一文一文が途切れている感じだからラノベっぽい印象になるのかな
後半に幼だけど恋心の風化、ってオチがあるわけだから、
一行目の「床」は、どこの床かもう少し限定したほうが早めに幼ネタだという状況つかみやすいかも

>アイスがゆっくりと溶けていく様子が自然と頭に浮かんだ。
からの流れが、なんだかんだと幼の反応をみている感じでいいなと思う



>>633
長いし読みずらいなあーー!!! せめて改行すべきだった

珈琲に沈んでいる砂糖を小さじのスプーンで掬いあげてみせる。
それだけのことなのに、目の前にいる心の幼い少女は目を白黒させて驚いた。
魔法の力によって黒から白を抽出しているようにでも見えているのだろう。

タネさえ明かせばなんでもないことだけれど、彼女はそれが分からなかった。
彼女の新しい表情を見れた満足感と、僕を満たしていたものが欠けてしまった喪失感。
それらをかき回して中和させるようと、僕は珈琲の中でスプーンを反時計回りに動かした。

絵の具で灰色を生み出すには黒色と白色を五分で組み合わせるのがちょうどいい。
けれども珈琲の色合いをいじるには砂糖よりもミルクの方が適切で手っ取り早い。
砂糖は甘みを付け足すけれど、決して苦味をやわらげてくれるものではない。

「ねえ、もう一回できる?」
「あー、準備が必要で」

僕が言ったとたんに、興味と探求心に輝いていた彼女の瞳が急に暗くなった。
魔法を使用する必要な呪文は既に魔法の一部であって、そこに前準備なんか存在しない。
今の失言は、クリスマスの夜に心をときめかせる幼子に、サンタクロースはいません、と
打ち明けるほどの衝撃の強さがあったことだろう。

「準備には秘密の呪文が必要だから目を瞑って耳を塞いで」

いかにもな嘘に彼女は疑うことも知らずに従う。
『彼女さんが事故で失った記憶と知識の一部を取り戻すのは非情に困難を極めます』
病院で医者に告げられた言葉を頭の中で、牛が食べた草を胃から口に戻して食むように反芻する。

目を閉じて兄を呼ぶ妹の声に、僕は彼女の背後に回って抱きしめた。
兄妹が恋人の関係に進展するのはどうも神様も許してくれそうにない、とても難しいことだった。
どんな魔法であってもいいからあの事故が起きる前まで時間を戻してほしいと願う僕の目の前で、
妹である彼女は唇を尖らせてつまらなさそうにカップを右回りにかきまぜた。


あの夏から3年がたった。でも、僕の時間は止まったままだ。そして僕の中の彼女は黙っている。
3年前、僕らは17歳だった。僕らの前には期待と不安でいっぱいの未来だけが広がっていた。僕自身の手で築き上げる未来だ。過去を振り返る暇なんてなかった。



夏休み、僕は毎日のように自転車の後ろに彼女を乗せて山奥の神社に行った。僕らは川で水遊びをし、
疲れると神社の祠で休んだ。ひとけのない神社だった。蝉のなく声が二人を世界から隔離していた。



僕と彼女が性的な関係を持ったのは、夏の終わりの頃だった。突然の夕立で、二人ともびしょ濡れになって祠に転がり込んだ。
僕は、風邪をひくといけないから、と言って彼女の服を脱がせた。僕は激しく勃起していて、彼女もそれに気付いたみたいだった。
もう何も言わなかった。彼女の身体中に口をつけ、手を這わせた。二人の荒れた呼吸の音を、激しい雨音が掻き消していく。
お互い初めてでセックスはぎこちないものだったが、二人には些細なことだった。僕らは湧き上がる性欲を愛だと思い込んでいた。
17歳という若さがそういった錯覚を起こさせるのだと、あとで知った。その日僕らは、三度交わった。



 彼女の妊娠が発覚したのは、その年の11月だった。生理が来なくなって検査したら陽性反応が出た。
「私、降ろさないから」と、彼女が言った。僕は混乱した。僕はまだ自由でいたかったし、自分の子供、というものに真正面から向き合うにはまだ若すぎるように思えた。
 僕はその旨を伝え、降ろしてくれるように頼んだ。彼女は泣いてしまった。僕は彼女を抱きしめてやりたくなったが、どう考えてもそんなことをする資格なんてなかった。
 僕は黙って彼女のそばで立っていた。僕の愛は脆かった。あんなものはただの性欲だった。でも、彼女はどうだったのだろうか。
 結局彼女は、両親の説得もあって僕の子を降ろすことにした。僕は内心ほっとして、そんな自分を嫌悪した。僕の中で何かが死んだ。



 
3年前、僕の前には未来だけが広がっていた。今の僕の前には、醜い過去だけが広がっているように見える。
もうどうすることもできない、醜い過去だけが。

張り切って時間をかけて書いた。
その割にはひどい出来だと思った
でも気にせず他人の批評しちゃう

>>648
前半部が好き、だからこそ最後の兄妹彼女設定はどうか

表現に関しては
>牛が食べた草を~
が変かな?と思った。「反芻する」だけでいいのでは?これでは「僕」が牛みたいなボケーとしたやつみたい
最後の行
>カップを右回りに~
これは「右回り」が必要かどうか
最後の文がちょっと長すぎるきらいがあるので

以上であります

>>648
上でも触れてるけど、反芻は元々胃から戻して咀嚼する行為のことだから、
頭が痛くなる頭痛だ。みたいになってる。

ミルクがちょうど良いと言ってるのに入れようともしなかったり、
話に絡まない無駄な説明、表現が多くて全体的に冗長な気がする。

コーヒーのかき混ぜる方向は、最初に反時計回りで僕が回して
時間を元に戻したいと思っているけれど、彼女はそれと知らずに
時間の進むほうにコーヒーをかき回すという意味で、話としてまとまりは良いと思う。
僕の気持ちをもっと明確するにと、分かりやすくなるんじゃないかな。

>>649
このままだと、淡々を過去を嘆いているだけだから、
お題に沿わせるなら、「もう一度彼女と~」とか、
何かしら「やり直し」要素を入れないと。

それから、「僕」を使い過ぎ。僕と彼女しか出てこないんだから、
そんなに主張しなくても、誰なのかは伝わるはず。

あと、細かいけど、「降ろす」じゃなくて「堕ろす」

ストーリーは出来ているのだから、独白で終わらせないで、
前向きにそこから「やり直す」話にすれば、ぐっと良くなると思う。

夏休みなんて早く終わってしまえばいいんだ
暑くて湿気がすごくて日に焼ける、まったくもって最悪でしかない
まだ学校のほうがマシだ、話し相手が居れば暑さを忘れることができるから

そんなに暑いから、こんなに暑いから
暑さのせいで頭がやられてしまったから
ぼくはきみにあんなことを言ってしまったんだ

全部夏のせいだ、顔が熱いのも心臓が熱いのも全部夏が熱いからだ
もっと少しずつのはずだったんだ、熱いから、つい勢いづいてしまっただけなんだ
ただ口が滑っただけなんだ、麦わら帽子に白いワンピースがあまりにもきれいだったから

公園にはぼくしかいない
昨日まではふたりだったのに
今日は暑さのせいでひとりだけ

夏休みが終われば涼しくなるかな?
この暑さがなくなったらまたきみは来てくれるよね?
きっと、きっと来てくれるよね?

ほんとはぼくはすごい寒がりなんだよ
冬よりも夏が大好きで汗なんか出たことすらないんだ
でもなぜか今はぼくの顔は真っ赤で汗まみれなんだよ

ああもう
はやく夏なんか終わってしまえ
夏のせいで、ぼくは変になってしまったんだから

夏のせいで、君の足音なんて聞こえてしまうんだから
夏休みはあと3日もあるのに

その猿の乾燥した胡桃の殻のようにしわくちゃで小さな脳の中には、確かに夏休みという概念は存在していた。

彼は6年前の春に森で生まれ、4年前の秋に研究所へ連れてこられた。

冬を越えるためのコートのような脂肪を蓄えるには、その年の森にある木の実やキノコでは少なすぎた。だから少なくない数の猿が森から街へ降り、そのほとんどが車に轢かれて死んだ。

彼は幸運にも人間に捕らえられ、不運にも森へ返されるのを見送られ、やがて様々な巡りあわせによって実験動物として研究所へと送られた。

研究所での生活はそれまでとは何もかもが違っていた。登りなれたブナや樫の木はギラギラした冷たい棒へと変わり、太陽は人間が来ると登り、去ると沈んだ。

互いに体を寄せ合って冬を耐え忍んだ仲間はどこにもいなかった。雨もなかった。風もなかった。匂いはあったが何の匂いかはわからなかった。

彼は決まった時間に出される鹿のフンのような餌を食べ、そして川原で見かけた小石のように白く小さく嫌な味のする粒を飲まされた。

その粒を飲んでなんともない時もあれば、体中が焼けるように熱くなる時も、川に落ちたように冷たくなる時もあった。人間達はそんな彼を熱心に観察し、ツララのようなもので血を抜き、そしてまた苦い粒を与えた。

それが彼の一日であり、彼の一生であった。

しかしそんな代わり映えのしない生活にも、僅かではあるが変化はあった。

森では猿の群れが春に産まれた小猿の子育てに忙しくなる頃、人間達は決まってその数を減らした。

その時期には苦い粒も出されなくなり、虹鱒のように無表情な人間が決まった時間に餌を持ってくるだけになった。

それは彼にとってささやかな休息の時期であった。彼は狭い檻の中をうろつくことも無く、薄くなった毛を繕うこともなく、ただ深く眠って過ごした。

彼は夢の中で木に登り、風を受け、群れを率いた。雨が降れば大樹の葉の下に隠れ、雪が降れば仲間と身を寄せあって耐えた。

彼はそうやって何時間も眠り続け、何年分もの森での生活を満喫した。そして人間達が帰ってくると、彼はまた苦い粒を飲まされながら、次のその時期について不確かな期待を持つのだった。

「こんなくだらないことはやめてしまえ」とぼうしが言った。「ばかげてるよ。時間はもっと有意義に使わなくちゃいけない」
 よくしゃべるぼうしだ。黙っていればどこに持って行っても恥ずかしくない立派なぼうしなんだけどな。
「ほら、こんなにいい天気だ。こんな日には子供は外で遊ぶもんだ」
 ぼうしはツバをふるわせて文句を言った。少しは黙っていればいいのに。そうすればきっと宿題も早く終わる。でもぼうしは一向に黙ろうとしない。ぼうしだから、仕方ない。やれやれ。
「もう少しで終わるから待っててよ。ほら、このページで最後だからね」
 とぼくは言った。たし算が12問。3ケタたす3ケタのひっ算か。むむむ、なかなかの強敵だ。
「勉強なんてくだらないよ」ぼうしはぼくに言った。あるいは扇風機に言ったのかもしれない。扇風機はだまって首を振った。



 ぼくがたし算の問題を解いている間中、ぼうしは文句を言い続けた。おかげでくり上がりを3回まちがえた。めいわくなぼうしだ。でも、最後の問題を解いているときにぼくのたし算のミスを教えてくれた。
 ぼうしは勉強を憎んでいるけれど、ぼくよりうんと頭がいい。かけ算やわり算もできるんだぞって、機嫌がいい時に自慢していた。ぼうしが手伝ってくれれば、もっと早く宿題も終わると思うんだけどなあ。
 ぼくは宿題を片付けてぼうしをかぶった。ぼくの大事な大事なぼうし。ぼうしの言った通り、今日はとってもいい天気だ。
「さあて遊ぶぞ。うんと遊ぼう。今日はセミ取りをするか。それとも、公園でゆうちゃんたちとサッカーしようか」
 ぼうしはとても機嫌がいい。

 ブルブル……。
 またメールが来たようだ。無視をすると、すぐにケータイが鳴った。出る必要はない。そう、出る必要はない――。

 奈津美は学校でいじめを受けていた。休み時間になれば集団で罵られ、放課後になれば現金を脅し取られた。プールの授業があれば下着を隠され、昼休みになると水を掛けられる。透けた制服に、いやらしい視線が突き刺さった。しかし誰も助けてはくれない。夏の暑ささえも彼女たちに味方して、昼休みが終わる頃にはいじめの証拠を乾かしてしまう。
 そんないじめから、ついに解放された。一学期が終わって、顔を合わせる必要がなくなったからだ。毎日のように来ていた呼び出しメールも、七月いっぱいで来なくなった。ついに自由を手に入れたのだ。

 八月になると花火大会に行き、お盆は父親の実家に帰省した。そこで親しくしている男友達と再会し、二人で海に行った。一年に一度のデート。それが毎年楽しみだった。
 海の家で焼そばを食べ、泳ぎ疲れたら浜辺に並んで座る。子供の頃は騒ぐのが好きだったけど、いつしかお互いの近況を話し合う時間が心地よいと感じるようになっていた。打ち寄せる波と夕日を見ながら、穏やかな時間が流れていく。
「なっちゃん、今年は何だか元気がないね」
 その言葉に胸が締め付けられた。
「夏休みの宿題が難しくて……」
 奈津美は、とっさに嘘を吐く。
「そうなんだ。高校生になってから、どの教科も難しすぎるよな」
 彼が溜め息を漏らした。もし悩みを打ち明けていれば、何か変わっていたかもしれない。だけど心配させたくなくて、本当のことは言えなかった。
 夕日が沈み、空に闇が忍び寄る。夜の砂浜で、二人は初めてのキスをした。

 夏休みの終わりが近づくと、再びメールが来るようになった。
『早く一緒に遊びたいな』
 何気ない内容だけど、それは二学期からの陰湿ないじめを予感させるものだった。幸せな時間に浮かれていた心が、勢いをつけて絶望へと転がり落ちていく。反動をつけて、どこまでも……。

 踏切の遮断機が降りた。ここが一学期だとすれば、向こう側が二学期だろうか。それならば、線路は夏休みだ。遮断機を潜ると、停車中の車のおじさんの表情がぎょっとした。
 ブルブル……。
 またメールが来たようだ。無視をすると、すぐにケータイが鳴った。出る必要はない。そう、出る必要はない――。
 死神の声が聞こえた瞬間、奈津美の身体は宙を舞った。

一つ前が夏休みらしかったので、鬱展開にしてみました。

偉そうには言えないけど、テーマの感想書きます。


>>664
ポエムとしては、切なくて良いですね。
『から』の多用はポエムだから許すとしても、ラストシーンはない方が引き締まったと思います。

>>665
夏休みがテーマである必要性を感じませんでした。

特に気になったのが、『それが彼の一日であり、彼の一生だった』という一文です。

第三者視点の過去形なので、主人公の猿は死んでいますよね。

それなのにラストシーンでは、猿に未来があるかのような文章になっています。

とても違和感を感じました。


>>667
はっきり言って長いです。
無駄な会話や状況説明を省略すれば、1レスに収まる内容になると思います。

掌編小説は誰でも書けるけど、簡潔にまとめる技術が必要です。
推敲して、半分に出来ないか考えてみてください。

内容は夏休みらしいファンタジーで、とても楽しかったです。
無駄を削れば、もっと良い作品に変わると思います。

>>670
テーマが絶対じゃないのに、なにを勘違いしてるんだか
ここは掌小説を書く場所じゃなくて文才を晒す場所
場違いだからラ研かなろうにでも行ってろ

>夕日が沈み、空に闇が忍び寄る
幸せの中にいるなら「闇が忍び寄る」なんて表現は適当じゃないよな

>ここが一学期だとすれば、向こう側が二学期だろうか。それならば、線路は夏休みだ。
夏休みも後期まで満喫しといて「ここが一学期だとすれば」はない
例えはうまいけど、夏休みに入る前、もしくは直後に使うべき

>停車中の車のおじさんの表情が
書いてる時は見落としやすい「の」の連続
書き直してすっきりさせましょうね

>死神の声が聞こえた瞬間
電車のブレーキ音かなにかの比喩なんだろうけど、
踏切内への浸入は故意的だから、それを死神結びつけるのは不適切

>>672
感想ありがとうございました。

夜の場面は暗喩法なのですが、やはり伝わりにくい技法ですね。
『の』の連続は後で気付いたのだけど、自分でも反省しています。

とりあえず、このスレの主旨は理解しました。
掌編の体を取るものが多かったので、少し勘違いしてました。
機会があれば、またお願いします。

>>673
いや、暗喩としてあまり適切ではないって事じゃないの?
好きな人とキスするように幸せな状況なのに、忍び寄る夜って表現がネガティブでチグハグだって事でしょ
その後の主人公の死を仄かに匂わせる為にあえてそうしたのかもしれないし、そこら辺はセンスみたいなものだから、こうしろって話でもないけどね

>>674
なるほど、それも一理ありますね。(^_^;)ゞ

実は主人公が助かった可能性も匂わせたくて、迫る闇と夜のキスを描写しました。

だから自殺場面でおじさんを書いて、死神の声が聞こえた『瞬間』に宙を舞っています。

主人公の生死は読み手に任せようと思いつつ、意図が誰にも伝わらないなら私の力不足ですね。
難しい表現です。(笑)


後、私の感想のことだと思うけど、ですます調で文体が固かったかもしれません。

SSではなくて小説の形式が多かったので、みんなで良い文章が書けるようになれば良いなと思って善意で書いた次第です。

もし気に障った作家さんがいたら、今回は許してください。m(_ _)m

それでは機会があれば、またお願いします。

急に人増えたなあ
と思ったらなんか荒れてる
過疎ってないのはいいことだけど、仲良くやろうね

>>670
今さらだけど感想サンクス。長すぎるのかな?う~ん、わからない
推敲は一応時間をかけてしてるんだけどねえ

>>692
返事ありがとう、670です。
長すぎると感じたのは、主に2つです。

①「もう少しで終わるから待っててよ。
~(略)~
もっと早く宿題も終わると思うんだけどなあ。

②「思いっきり遊べるのは今だけなのに」
~(略)~
遠くで電車が、がたんがたんと音を立てて走っている。


ぼうしの性格は書き出しで分かっているので、宿題の内容やぼうしの様子を詳しく書く必要はなかったと思います。

その代わりに、友達と遊ぶエピソードで生き生きしたぼうしの様子を書けば、帰り道のぼうしの寂しさが強調されたかも。

そして、次の日をすっきり書けば(特に宿題)、引き締まったと思います。

後、大人になったら遊ばないというやり取りは、頭のサイズと重複していると感じました。

私は、『ぼうし』が主人公だと思うんですよね。。
だから、ぼうしがあまり活躍しないエピソードは削れるんじゃないかな…と思いました。

推敲は難しいけど、お互いに良いものを書きたいですね。(^_^)v

僕は機械
人工知能も何もない機械
僕は機械
世代に取り残された落ちこぼれの機械
そろそろ廃棄されるかな?
僕はまだまだ働けるよ
新世代の自分で考える機械とは違うけど
新世代の誤作動を起こさない機械とは違うけど
まだまだ動けるまだまだ働ける

ついにきたかな?
僕の最後の日
新世代の機械が見えるよ
地面と繋がったネジが一本化ずつ抜かれていく
数人の男に僕の重い体を引き上げられていく
最後に僕は機械なのに雄叫びをあげ、
静かに行動をやめた

ポエムっぽくなったな

「風が、流れる」

風が流れる
囁くように、流れていく
なんだか言葉が聞こえた様な気がした
涙が零れそうになった
あれはもうないと言う事を
失われた時は戻らないと言う事を
死、なんて物だったらどれほどマシだったのだろう
あれはもう、ここにはない
いつか戻るかもしれないと思う
でも、あれはもむ、無い
ひょっこりと帰ってくるのなら
一言だけでも伝えたい
「ありがとう」と
私の「心」を取り戻してくれて
私と「思い出」を歩んでくれて
私に「世界」を教えてくれて

でも、貴方が最後に残したのは
一番最後に教えてくれたのは
愛するモノを、失う悲しみ
愛したモノが、無くなる絶望
愛するモノが、救った命
それがこれほど辛いのなら
それがこれほど苦しいのなら
命なんて、いらなかった
貴方の為に、捧げたかった
失われた時は もう 戻らない

風が 流れている

いつも 同じように

終わり
数字ミスってもた

男「私は秋が嫌いだ」

友「突然どうした?」

男「夏場、あんなにも青々と輝いていたはずの山々も、赤茶色に変わっていく。死に行く虫が寂しげに泣いて、分け入る草もどこか乾いている。しみったれた季節だよ。」

友「そんなにけなす必要はあるのか?」

男「嫌いなものの嫌なところは、嫌でも目につくからな」

友「なんで秋が嫌いなんだ?」

男「大抵の動物は秋に交尾するじゃないか。うらやまけしからん。」

友「動物にまで嫉妬してんじゃねーよ」

俺には、どんな題材でも最終的にはリア充への妬みに変える能力があるそうです。

>>723
わりと普通に凄いんですが

やれやれ、こりゃあ一雨きそうだな」
 ジリリリリリという音を鳴らす機械に夢から引っ張り出された男は、窓の外を見て憂鬱そうにつぶやいた。 
 遠くでは、たくさんの人を乗せた機械ががたんがたんと走っている。男はパンを焼く機械のスイッチを押して、
 それからじょりじょりと髭を剃り、四角い箱のスイッチを押した。箱の中の女は、雨は午後にはやむだろうと言った。
 
 

 世の中便利になったものだなあ、と男は思った。今や掃除、洗濯、料理、何をやるにも機械がなくては始まらない。
 男は機械がない生活を想像して、身震いした。これではとても生きていけそうにない。全く機械様様だ。
 程よく焦げ目の付いたパンを食べたながら、男はそれを焼いた機械を眺めていた。

 
 
 そろそろ家を出る時間だ。男は身支度を整え、小型機械がポケットに入っていることを確かめた。いろいろな機能がついている便利な機械だ。
 それから玄関を出て、そういえば今日は雨だったなと気づいた。男は思わず苦笑いした。
 「お前は変わらないな」と男は愉快そうに言った。「全く世の中何でもかんでも機械化されていくというのに、お前はひどく原始的だ」
 男はそういうと、その原始的な機械のボタンを押した。それは、黙って男の上に広がった。

715っす。読み返すと>手を叩かれ肩を叩かれ―― の表現あたりにネジ式の機械仕掛けの玩具かよとでも書いとけばよかったか?とか、似た表現続いて文章単調だよな、とかカタカナ台詞もうちょっと工夫しろよとか反省点は多々あるけども。

でもまあ、その出来は気にせず「機械」への批評。


>>712
うん、ポエムか絵本っぽいかな。一人称が僕で「人工知能も何もない」機械
という設定の視点だけど、>そろそろ廃棄されるかな? >ついにきたかな? 
という疑問形≒思考があるになってるからそういう印象なんだと思う。

その2行削ってみるほうが「機械」としての切なさは増す気がする。
ただ、あったほうが絵本っぽいけども。

>>728
そう! なんか日常に機械自体は溢れてるのに、「機械」って書くと
一気にSFちっくになるんだよな! 星新一っぽい感じ。


「機械」という単語の対比で「原始的」と使われてるからSF風な雰囲気が
ましてているんだろうな。雰囲気と最後の一文の終わり方がけっこう好き。

細かいとこなら、「原始的な」という単語は、>世の中便利になったものだなあ、
>お前は変わらないな の文章から男が「機械が発達していない頃」からいそうと
(SFならば)連想したくなるので、そうなると 
>男は機械がない生活を想像して、
若干違和感。……単に自分がその手の設定好きな感性なだけなんだがな。
 
あと、>「全く世の中何でもかんでも機械化されていくというのに、お前はひどく原始的だ」
とあるから、傘は機械化されていなくていいわけだから、
>その原始的な機械、  と‘傘全部’をさして表現するのは不自然かな、と。
はじき(スイッチ部分)のみ傘を開く為の原始的な機械と限定させるか、
台詞のほうを変更させたほうがすっきりするかなと。



クドくなってすまん。
自分では上手くは書けないくせに機械好きだからこだわりたくなるんだよな。

>>753
二行目がえげつない代わりに後半はえらく綺麗だ
台詞は幼いわりに語りの地の文はしっかりしてるから、思い出話の中で鮮明に残る一シーンといったところかね

一人称視点で自分の顔が赤くなったってわかるかな? そこだけちょっと引っかかったわ

ススキって……何?
私は道を歩きつつ、思う
こんな事を考える必要は無い
ならば何故考えるか?
その理由は単純明快、ずばり「暇」である
……あれ?
また下らぬ事を考えてしまった
すっかりススキから離れちゃった
まあいっか
いやいや駄目でしょう
何がって?知らん。私に聞くな
またススキから離れてる
これを集中力が無いって言うのかな
知らないけど
全くもって私の知ったこっちゃないけど
また脱線してるし
もういいや
・  ・  ・  ・  ・  ・
ススキって……何?

>>757
意外と「あ、これ顔紅いな」ってのは分かるよ

私は、人だ
人なんだ
お前達が何と言おうとも
お前達がいかに虐げようとも
私は、人だ
人間じゃないなんて、お前達の事だろう
心が無いのか、腐っているのか
そして、アレ達には生ける意味がない
アレ達には、殺す意味しかない
いらない
いらないんだ
消えてしまえ
呪われろ
いや、俺が呪う
お前達の事は、俺が呪ってやるよ
死ね
消えろ
屑共が

>>766
お、おう
後半迫力あるな

「俺」は「アレ達」を殺して、それによって「お前たち」に人でなしといわれる
10行目からは全部「お前たち」に対していっているんだよね?
対象が「アレ達」から「お前たち」に切り替わったポイントが初見でわからなかった

>>767
灼?-!

私は、死んでもいい

だから、せめて、君は生きて

さよならなんて言わないけど

別れることは悲しくないけど

なんだか、うまく言えない

本当は悲しいのかもしれないけれど

本当は泣きたいのかもしれないけど

それでも

それでも

私にこの世界は合わない

だったら、こんな命くれてやる

あの人の為ならば

幸せな「次回」を信じて

物語はいよいよ「閉幕」だ

さようなら、君

さようなら、お父さん、お母さん

さようなら、私の友達

さようなら、私

さようなら、そして、ありがとう

私が往く道は

美しく儚い、真の正義の道

この下らない争いを終わらせる

最初で最後の英雄碑

術式「救済ノ犠牲」展開

消えゆく意識の中で

最後に呟く

「いつか……また……」

さようなら、「世界」

さようなら、「絶望」

その少女は、誰もに忘れられた者

その少女は、全てを救う者

その少女は、時を駆け巡る者

その少女は、最高のハッピ-エンドに変える者

その少女は、争いを終わらせた者

その少女は、負の連鎖を食い止める者

その少女は、彼とまた出会う者


少女が、世界を蘇らせた場所は
今、美しく大量のススキが生い茂る

「……なんでススキなんだろうな」
「私に聞かないでよ……」

少女と彼は話す
本当の、エンディング

「ススキである理由は?」

「無い」

「やっぱお前が選んでんじゃねえか」

「私だってなんでススキにしたかなんて分からないよ……」

「何故やった」

「やらなきゃ駄目だと思った」

「せめて向日葵にしとけばいいだろ」

「やだよ……」

「薔薇」

「やだ」

「だあああああぁぁぁぁぁぁ------!」

「何ならいい!?」

「しらないもん!」

「そこでキレんな」

「ごめん」

「じゃ-おつかれ~」

「おつかれ~」

おけおけ

【理想】
韓国人「さすが日本だ、これは負けを認めざるをえない」
台湾人「日本かっけえ、韓国より格上だわ」
アメリカ人「ジャップはアジアの盟主、コリアは終わった」
フランス人「日本人は魅力的だとパリでも評判」
ドイツ人「JPOPは世界中で大人気」
中国人「日本料理は中華料理を超えた」
イギリス人「初音ミクはビートルズを超えた」
ロシア人「日本人は礼儀正しくて世界中で愛されてる」

【現実】
ネトウヨ「日本かっけえ、韓国より格上だわ」
ネトウヨ「さすが日本だ、これは負けを認めざるをえない」
ネトウヨ「ジャップはアジアの盟主、コリアは終わった」
ネトウヨ「日本人は魅力的だとパリでも評判」
ネトウヨ「JPOPは世界中で大人気」
ネトウヨ「日本料理は中華料理を超えた」
ネトウヨ「初音ミクはビートルズを超えた」
ネトウヨ「日本人は礼儀正しくて世界中で愛されてる」

韓台米仏独中英露
「なんだあいつ、一人でブツブツ言ってて気持ち悪い・・・」


なぜなのか

私には好きな人がいた。
ううん、違う。今でもきっと好き。でも、トライアングルに傷が入ったらキレイに音が出ないように、私の気持ちにも傷が入って、もうこの恋は多分二度とキレイに奏でる事が出来ない。

これで三度目の浮気。

一度目はそこら中の物をぶつけるぐらいに彼に怒った。CDが割れて、芳香剤が零れて、ラベンダーの香りが部屋中に染み込んだ。それ以来、私はラベンダーが大嫌いになった。
二度目は、トイレの中にこもって死ぬほど泣いた。コンビニの中だった。店員のお兄さんがノックしてきて、「どうされました、お客様……」って心配そうに尋ねられた。「何でもないです、何でもないです、何でもないです」嗚咽を上げながらそんな言葉を幼児の様に何度も何度も繰り返した。ハンカチは絞れるぐらいに濡れていて、化粧もぐちゃぐちゃ。コンビニから出ていく時のお客のヒソヒソ声は今でも耳に残っている。

そして、三度目……。深夜の駅のホームで私は彼の頬を思いっきりひっぱたいた。彼は驚いた顔を浮かべ、私は多分声にならない声を張り上げていた。駅のアナウンスがホームに響く。機械で作られた音声。喧騒が静寂に変わって、私はそれを打ち消すかの様にまた声を出していた。「何で! 何でそんな……!」……間もなく三番線に電車が参ります、白線の内側までお下がりください。生暖かい風と共に最終電車が到着した。

「……別れよう。お前とはもう付き合えない」

私の恋人期間もそこで終着した。その時の彼の声色は、これまで聞いた数々の愛の言葉よりも、何故か優しかった様に私には聞こえた。

最終電車が行く。彼を乗せて去って行く。私だけホームに取り残されて。駅員が歩いてきて、もう閉めますので。ダメ! 閉めちゃ嫌! 閉じないで!

……駅から出ると、ネオンがキラキラ光っていてまるで宝石箱みたいだった。涙が滲んで視界がくもり、そんな風に見えたのだった。私はタクシーを拾い、その中で呆れるぐらい泣いた。タクシーの運転手は一言も喋らなかった…………。

翌日、そんな夢を見たと同僚に言ったら、お茶を吹き出して爆笑された。こんな心がくもってるやつに話すんじゃなかったと私は本気で後悔した。今日はダイエットはやめて、昼休みにどら焼三つぐらい買ってきてやる。

蜘蛛ル?


「頭のねじが外れてんだろ」

ぐちゃぐちゃにかき回された花壇を眺めていると、顔も知らない男の子に言われた。
地面はまだ湿っていた。水を撒いたあとに荒らされてしまったらしい。
花壇はそこかしこを掘り返されていて、山と大穴ができていた。
悲しいときには涙が出るらしいけれど、そんな感情は湧いてこない。

大好きだった色鮮やかな花を失った僕にも、ぽっかりと穴が生まれていた。
頭は霧がかったかのように白くかすんでいる。何も考えられない。
大事な部品が欠けてしまったせいだろうか。自分のことなのにそれすらもわからない。
ただ呆然と立ちつくし、そこにあった景色を思い出そうとした。

橙、白、緑、灰、青、黒。容量のすくない頭では、きちんと思い出せそうになかった。
砂嵐混じりのおぼろげな記憶は、夕暮れの空を眺めているようにセピア色をしていた。

「やっぱりあいつ、どこかおかしいんじゃねえの?」
「あそこにずっと立たれていても邪魔だしさ。直してやろうぜ」

遠くから聞こえてくる声も、ただぼんやりと耳に入ってくるだけだ。
言葉に含まれた感情を読み取れない。表情を見ればそれも理解はできる。
だけども首を動かさない。余力を無駄にしない。花壇にあいた暗い穴の奥をじっと見続ける。

いつのまにか風の音もなくなっていた。空気が動く感触はまだある。……消えた。
色が消えて、音が消えて、だんだんと世界が足りなくなっていく。
このまま僕の見る世界は徐々に欠けていくのだろうか。
そう思っていると、頭に何かを差し込まれた感覚があった。

「ほらな。やっぱりこいつ頭のねじが外れてたわ」
「すげえな。よくあの距離でわかったな」


僕は彼女の手を引いて。
デコボコした農道を突き進み。
思いついたかのように草むらに突っ込んで。
なんたら交通省とかいうフェンスを蹴飛ばし。
真っ茶色な南京錠がすっこ抜け。
コンクリートに沿う梯子を登れば。

鉄骨と金網に挟まれた場所。誰も僕たちを侵す事のない場所。高架下と呼ばれる場所。

コの字で蓋をしたような空間から見える景色は、灰色の雲ばかりで。本当はもう少し開放的に見えるけど、窓枠が重厚な灰色だからつられてそう見えるんだ。
巣材に押し込められたハムスターみたいに、曇天の重さが足を鈍らせ。夜な夜な仕事をするダンプカーの振動と、星空を独り占めする厚い雲が眠らせてくれない。

やがて朝は来て、青く冴えた空が僕たちを我に返す。
昨日壊した筈の南京錠は光り輝き、元の場所に収まる。カチリと鳴ったその錠は、もう開く事はない。僕たちが、鍵を掛けて封印しちゃったからね。

さあ、行こう。
僕たちは、曇りの無い大人になる。

紅葉、黄葉した葉の絨毯を踏み進む。
枝から千切れて長いものは、足の重みを受けるたびに乾いた音をあげてひしゃげた。
仰いだ天井は、赤色から黄色までの葉で空の大半を奪っている。萌え尽きた秋の群
れが、往生際悪く自己主張をしているように見えて、生命のしぶとさに感服する。

青々しかった夏の面影がすっかりと消えた山路を、背よりも大きな篭を背負ってゆ
ったりと散策していく。
本来ならばここに辿り着くまでに、篭たっぷりの秋を詰め込めている筈だった。
めぼしい獲物は遠慮の知らない先客が、そのほとんどをかっさらってしまったらし
い。当然ながら栗のイガでは腹は膨れまい。

他人を恨むつもりはない。仕事の都合が合わずに出遅れ組となった自分を恨むだけ
だ。その迷惑は同行を望んだ娘にも及んでいて、申し訳なくなる。
しかし罪悪感があっても、労力と成果が見合わない登山は時間の無駄である。同じ
時間で栗入りの甘露をつつく方が断然に有意義だろう。

山の外側に広がる青空と左手首に捲いた腕時計に、下山の相談を持ちかける。陽が
暮れるまで時間は長いが、資料を基に協議を行った結果は下山する方向で固まった。
手を繋いで歩く娘に山を下りることを伝えると、我儘を言う事無く素直に頷いた。

手を引いて歩いていると、娘が肩からぶら下げてるポシェットが腹に何かをたらふ
く溜め込んでいることに気が付いた。子供は視点が低い。視点の高度に有利不利は
絡む。それを知っていても、嬉しさに混じる薄い悔しさに苦笑をしてしまう。

物拾いに長けた娘の成果をいち早く確認したくなり、中身を尋ねた。娘は軽く握っ
たポシェットを私に向かって緩やかに放り投げた。自分で確認しろということか。

柔らかく投げ渡されたそれを受け取る直前。娘は恥ずかしそうに小声で言った。

「イガ」

「ひと雨きそうね」と彼女が窓の外を見て言った。「きっとどしゃ降りになるわ」
 たしかに彼女の言う通りだった。教室の窓から見える空は一面をまっ黒い雲に覆われていて、これ以上雨粒をとどめておく余裕はないようだ。
「天気予報では雨が降るなんて言ってなかったんだけどな」
 とためしに言ってみたが、彼女は僕の意見に興味がないようだった。あるいは聞こえなかったのかもしれない。
 僕は諦めてノートを取る作業に戻った。黒板の前で、若い数学の教師が熱心な生徒の質問に答えていた。
   
   
 僕はあまり女の子と話すのが得意ではなかったし、彼女もやはり社交的とは言えなかった。
 だから、夏休みが終わってすぐの席替えで隣の席になった時、僕は彼女についてほとんど何も知らなかった。
「どうも、よろしく」
 と僕はいった。取りあえず何か言わなければ、と思ったからだ。彼女は黙って僕を眺めた。頭のてっぺんから足の先まで。僕はひどく困惑した。
「ねえ、どこか変だったかな」
 でも彼女は黙って首を振っただけで、何にも言わなかった。
 僕の体にまんべんなく視線を送った後、彼女は好きな色は何かと聞いた。そして、僕がカーキーと答えると彼女は満足げにうなづき、
 それから彼女は窓の外に視線を移した。もう僕には興味がないみたいだった。僕にはこれ以上彼女の好奇心を満たす要素がなかったのだ。

>>792
最後ビックリした。

じゃあ、短いけど。

イスキラスはドアを開け、喧噪の巷へと一歩を踏み出す。
垂れ込めた暗雲の行方を気にした人々が足早に行き交う中、彼は独りごちた。
「今日は大丈夫そうだな」

終わり

くもる


空を煌く星々がある
空を彩る輝きがある
空を着飾る思い出がある
空を羽ばたく夢がある

私は空を見上げる
私は夢を想う
私は風とささめく
私は空を駈ける者
私は空を駆ける人

夢を忘れぬ思い出があると
悲しみの果てに残るものがあったかと
希望の後に何があったと
私は空を見上げる
私は空に問う
私は空を見上げる
私は空に語らう
私は空を見上げる
すると、私の目から涙がこぼれた


隣人は小説家だそうだ。

その話を聞いた時、私はまさかと思ったものだ。

築40年、6畳一間のぼろアパートに作家などとい希有な職業の者が住んでるはずもない。

よしんば、住んでいるとしても自称・作家などであって、作家の風上にも置けない者であろうと思っていた。

ところがどうして、噂好きのご婦人の話によれば、これがなかなかの売れっ子作家なのだという。

2,3本のタイトルをそのご婦人に聞いた所、読んだことこそ無いものの書店で何度か見たことのある作品であった。

今まで隣人を特に気にかけたこともなく、それこそたまに会えば挨拶こそしたもののこれといって何かがあった訳でもない。

しかし、作家と分かってからというもの、急に隣人に興味がわいてきたのである。

全く興味もないのに、隣人の本を書店で購入してしまい、無駄に部屋の前を行き来などしてしまった。

別にサインなどを貰おうなどと思った訳ではない。

読んだ感想を少しばかり伝えたかったのである。

ところが、その様子を先のご婦人に見られてしまい、あげく何か含むような笑みを浮かべられてしまった。

そのことは、後にも先にもない私の恥辱と致すところとなった。

しかし、そんなことはどうでも良い。

兎も角、私は隣人の出現を待った。

作品の感想を伝えるために。

そのために、朝起きてから寝るまで隣人に注意を払い続けた。

月曜、火曜、水曜、木曜、金曜、土曜、日曜と。

隣人は外に出ることが滅多に無く、出るときは必ず誰かと一緒であった。

なるほど、売れっ子作家というものは常に人の出入りが激しいものなのだとなかなかの勉強になった。

しかし、私の精巧で詩的で発見に満ちた作品への感想は本人のみ耳にして良いものである。

どこの誰とも分からぬ者に私の美しい感想を聞かせる訳にはいかない。

だから、私は隣人が一人になるのを待った。

だが、隣人は決して一人になることはなく、ついには外に出ることすらなくなった。

そして、気づけば部屋に出入りするのはどこの誰ともわからぬ者だけになった。


そしてあるときを境にコトリとも音がしなくなったのである。

後日、先の噂好きのご婦人から作家が引っ越したという話を聞いた。

なんでもストーカーに悩まされていたのだという。

なるほど、隣人ほどの売れっ子になると見知らぬ誰かに付きまとわれる可能性もあるのかと、少々気の毒に思った。

しかし、私の精巧で詩的で発見に満ちた有難い感想を伝えることが出来なかったのは、ひどく残念なことである。

数年後、元隣人である作家の新作が出た。

別に楽しみにしていた訳ではないが、発売日にたまたま書店に寄ったため購入することにした。

タイトルは『隣人』というらしい。

帯の部分には「和製版『ミザリー』に恐怖が止まらない!」と書かれていた。

『ミザリー』とは海外作家の作品であるらしいが、海外の作家の本を読まない私にはとんとわからなかった。

隣人ははあれからどれだけ成長したのだろうか。

期待に胸が膨らむ。

読み終わったら、また感想を伝えることにしよう。

りんごネタはあるけど時間がry


以下、空気読まずに何処で冬眠してたんだっつう超亀レスっす。
今更だよなと思いつつタイミング損ねたんだ……。


>>782
>一度目~三度目 の状況説明の文が想像しやすかった。
けどその分、どこからどこまでが夢なのかがわかりにくくて、全体の印象がぼやけてるのが惜しい感じ。
(好きな人がいたこと自体が夢なのか、別れてはいないのか?)

文章の好みの問題だけど、香水はつけすぎないほうがいいのと似た理由で、比喩は印象付けたいとこに使うのが効果的だと個人的には思ってるんだ。
(デコレーションケーキの様に綺麗な文もあるけどさ)


>>785
これ好き(笑) 心情的に穴が生まれたとか、大事な部品が欠けたとか言ってて、
通行人酷いこと言ってるのかと思ってたらw

オチのシュールなとこがいいな

>>787
表現がデコボコとかハムスターとかコの字とか、と微笑ましい感じで統一されてていい雰囲気。
ラノベっぽいけど一段落目 >僕は~ 二段階目の >高架下と呼ばれる場所 まで、短文だから僕視点が移動している感じで読みやすかった。

秘密の場所での10代って感じが文全体に出てるから、最後、
>大人になる ですっかり終わってていいな。なんかの記念日の話かな
表現は好きだけど、くもりのない大人がなにかわかりにくいかな

>>788
なぜか父と子だと思ってた(笑)
刺さっちゃうかも?で終わってる辺りが日常が続いてる感があって、いい終りだと思った。

>>791
淡々とした文で雰囲気いいな。文章的には、

>だから、夏休み ~ >好奇心を満たす要素がなかったのだ。
までの行は、その日の時系列じゃないから、先にまとめるか、行開けるかしないとちょっと分かりにくい感じかな。

ただ、女の子のオチが唐突な感じはするから、男の子には気づかないけど読んでる人には気づくような小ネタがほしい気がする。(仕込んでたらスマン)


>>793
これネタ知らなくて検索して納得。いいなw

>>796
最後の段落で悩んでいる状態っていうのがよく伝わってきて、くもりという言葉がいかされてていいね。
最後の段落以外の文章は抽象的な同じ意味の言葉が多いのが気になるかな。まとめたりどちらかに選んだりして簡潔にして、同じ意味で幅を持たせたいなら具体的に想像出来そうな比喩表現力使った方が効果的だと思うよ

人は物語に飢えている。食欲や性欲と同じように、物語への欲求を誰もが持っているのだ。
そしてその欲求を満たそうとするのは当然の行為である。その手段は人によって異なる。
読書や映画、音楽やコンピューター・ゲームなど、欲求を満たす手段はいくらでもある。
とにかく、人々の欲求は様々なかたちで満たされているはずだ。

僕の物語への欲求は本を読むことで満たされる。
文字を追い、ページを捲るという一連の行為は、
先の見えない暗いトンネルを一歩ずつ歩いて進んでいるように感じられる。

終わりには何があるのかは分からないけれど、何かがそこにはある。
トンネルの終わりは行き止まりかもしれないし、外に繋がっているのかもしれない。
それは小説でいうと所謂「オチ」みたいなものだろうけど、結局はそこに辿り着くまでは何も分からないのだ。

僕はその感覚がたまらなく好きなのだ。
歩いた道はページであり、足跡が文面で、トンネルの終わりは本の裏表紙なのだ。
歩いた道を振り返ることも出来るし、その気になれば終わりから始まりに向かうこともできる。
本という媒体にはそういう魅力がある。すくなくともそれはコンピューター・ゲームにはないような魅力だと思う。

しかし、いちばん満たされるのは最初に終わりに辿り着いた瞬間なのだ。
ミステリーのオチで「やられた!」とか思うのがたまらないのだ。
でもそういう感覚はひとつのトンネルで一回でしか味わえない。

僕もきっとトンネルの中を歩いているのだ。進むべき道は真っ暗だけど、終わりにはきっと何かがあるはずだ。
僕はそれを目指して歩く。一度きりの終わりを目指して、ゆっくりと歩くのだ。
でもそれは僕を不安にさせる。僕の人生だって“物語”のはずなのに、どうしてそう思うんだろう?

庭のもみじが、今年も赤く色づいた。
暇だった私は、手元のメモ用紙に『紅葉』と書いて、このご時世に手書きで年賀状のあて名をしたためる夫を呼びつける。

「……おーい、アンタも暇でしょ?ちょっとこっちきなよ」
「別に暇なわけではないんだがな」

そう言いながらも、夫は手をとめこちらへと歩んできた。

「これ、なんて読む?」

私はそういって、先ほどの『紅葉』を見せる。

「もみじ、或は、こうようだな」
「……つっまんない正解を出さないでくれる?私は暇だったの。暇だったからどっちかを言ったアンタにもう片方が正解だって言ってからかうつもりだったの。さあ、やりなおし!」
「…………じゃあ、もみじ」
「こうようです!」

夫は、ため息を一つつくと、いきなり私にキスしてきた。しかも舌まで突っ込んできた。
驚いているうちに右腕で抱きしめられて、左手で頭を撫でられている。
キスも撫でられるのも、嫌いじゃない。このまま、してしまおうか?
唇をはなされ、夫からの言葉を待つ すると

「気分が高まる高揚の方が今の状況では近いだろう?だからこれはもみじのほうだな」

と、先ほどの『紅葉』を掲げられながら言われた。
バカか、この男は。こんな些細なことでこんなことをしてしまうのか。

私は自分の負けを認めるかどうか迷ったが、
紅葉のように真っ赤な頬には嘘をつけず、負けを認めることにした。

>>918
文章よりも語り手の性格の悪さが凄まじいな
これじゃ我儘なツンデレ女じゃなくてただの性悪ノータリン
舌を突っ込む等々の余計で幼稚な描写と重複を省いた普通のもので読み直したくなった

男「あなたといると、気分が高まるんです」

女「よくそんな恥ずかしいセリフを」

男「つまり、高揚するんです」

男「僕らの上に広がっている、この紅葉のように」

女「……よくそんな、恥ずかしいセリフを言いますね」

男「あなたはどうですか?」

女「……特に普通です」

男「それは残念」

女「私に何か、期待してしまいましたか?」

男「僕と一緒に居てくれるので、勘違いしたのでしょうか」

女「安い女じゃないんです」

男「ならなぜ?」

女「言わさないでください」

男「……ツンデレなんですね」

女「その言葉、死ぬほど嫌いなんです」

男「……」

女「それで?」

男「……」ギュッ

女「っ」

男「……」チュッ

女「……」

男「行動で示してみました」

女「性急な方ですね」

パンッ

乾いた音とともに、僕の頬にもみじが咲いた。

文才晒しスレでSS()かよ
文才じゃなくて低能を晒してるガキどもは見てるだけで恥ずかしくなる

『青コーナー……117.8ポンド、春中ジム所属……ハルナカァ、カエーデー!!!!』

リングアナのコールに観客が沸き立ち、その歓声と怒号の渦がスタジアムの床を揺らし、私の体を震わせる。
バンタム級・世界タイトルマッチ。相手は4度防衛に成功しているカナダの選手。
傍らにいる、トレーナーで今日もセコンドについてくれる兄と同じタイミングで、ごくりと喉が鳴った。

「すげぇ歓声……でも、やーっとここまで来たな。あと1勝でオヤジの夢がかなう」

「もう父さんだけの夢じゃない。兄貴の、私の、商店街の……皆の夢だ」

グローブで胸ポケットを小突く。
そのシャツの胸ポケットには、今は亡き父親がチャンピオンベルトを腰に巻き、私達ふたりを両肩にのせてガッツポーズする写真が入っていることを私は知っている。
商店街のおばちゃんたちが縫ってくれた、お手製のお守りも入ってる。

カメラのフラッシュが間断なく焚かれ、土砂降りの雨のように歓声が降り注ぐ花道を、シャドーで体を温めながら通り抜ける。
兄が先に階段を登り、ロープの間に体を入れて私が通る隙間を作る。

「緊張してるか?ヘラヘラ笑ってちゃ、勝てる相手にも勝てないぞ」

それは父の口癖で、ぐっと奥歯を噛んで口をへの字に曲げた兄の顔に父の面影を見つけることができた。

「いってこい!」

背中をバチンと叩かれる。
左の肩には父と兄の夢を。右の肩には子供の頃から支えてくれた街のみんなの想いを。

「いってきます!!」

そして背中には私の名前と同じ、紅葉のような五指の痕を。その3つがある限り、私は負けない。

面白い、いいと思うよ
楓(かえで)と紅葉(もみじ)は違うけど、もみじだと男の名前っぽくないもんな

>>927
感想あり。
すまんその……”女子”バンタム級の女子を書き忘れた
紅葉は「イロハモミジほかカエデ類の総称」という意味で使わせてもらった
相手がカナダの選手なのもカエデ=Mapleだから

感想もろもろ
>>918
そのツンデレ、Yesだね

>>919
恋人なのかな?二人の距離感を読んでる側が色々と解釈する余地があっていいと思う。辞書に紅葉と銀杏が仲良く挟まってる所想像した

>>921-922
オチはいいと思うけど、「紅葉が咲く」のは違和感あるかも。
紅葉が散った、くらいじゃまいか

>>923
こういう夫婦になりたいわ。まず嫁探ししなきゃいかんけど
2行目の表現の緻密さがすごい。文章読んで、イメージが頭の中に浮かんでくる

冷たく乾いた、鋭い空気。色彩を失い、黙りこくる街路樹。

また、この季節が来た。

コートの襟に顔をうずめる。コンビニ袋を提げた右手は、ポケットにしまう訳にもいかず、かじかんでしまった。
道の反対ではサラリーマンが、鬱屈とした気分をしょいこんでいるかのように背中を丸めて、帰路を急いでいる。
こんな時間まで仕事か、とお節介な同情が思わず湧いた。
思考も、何もかもがマイナスを向く。寒さと、長い夜が孤独感を呼ぶ、そんな季節。

だから冬は嫌いだ。

クリスマスの夜を指折り数えて待っていたのはいつ頃までだったか。
かつては心を躍らせたジングル・ベルのメロディや賑やかなイルミネーションの光も、今では虚しさを増長させるだけとなった。
心も、体も、凍えている。

外と大して変わらぬ寒さのアパート。感覚のなくなった手でこたつのスイッチを入れて、潜り込む。
即席めんと冷たい惣菜パンという貧相な夕食を終えてテレビを付けると、
クリスマス・グルメ特集と称して、芸能人が小洒落たレストランのフルコースを平らげていた。
第一声に「うわっ」
その次に「すごい」
それから「おいしい」
何処かで聞いたことのあるような紋切り型の誉め言葉を並べ立てている横で、シェフは、誇らしげにも、迷惑そうにも見える顔をして立っていた。

「カップルに人気」というワードがでたところでテレビを消して、替わりにパソコンを立ち上げる。

名前も顔も、住み処も知らない。それでも、聖夜、そこに集っているというだけで、「彼ら」に親しみを感じられた。

今年もまた、独り。
キーボードの音だけが、六畳一間の部屋を満たす。

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