律子「大雪警報、関西弁とメガネにご注意ください」 (314)


冬 765プロ事務所内

律子「・・・」

P「・・・」

律子「参りましたね」

P「せやな」

律子「例年にない大雪で都内の交通機関が全てマヒ」

P「せっかく終電までに仕事終わらせたのになぁ」

律子「じゃあ車で帰りますか?」

P「この大雪の中、車を走らせる勇気は俺にはないで」

律子「私だってありませんよ」



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注)プロデューサーが関西弁である事に特に意味はありません

P「ほな、どうする?」

律子「どうするって・・・一つしかないでしょう」

P「せやなぁ・・・」

律子「はぁ・・・今晩は事務所に泊まりですね」

P「でも別に事務所に泊まりって言うても、今に始まった事やないしな」

律子「そうですね、どこぞの鬼畜関西弁が夜通し作戦会議なんかするもんだから」

P「あれはそもそもお前の身から出た錆やないか、誰のせいやと思ってんねん」

律子「ぐっ・・・そう言われると何も言い返せない」

P「まあでも、それも最近はほとんど無くなったな」

律子「私だってそれなりに成長してるんですよ、誰かさんがスパルタだから」

P「まったく、鍛え甲斐のあるやつやでお前は」

律子「まあ、何にせよアイドルの子達が無事に帰れたのは幸いでしたね」

P「せやな、念の為に仕事が早めに終わるよう調整しておいて正解やったわ」

律子「ついでに自分の仕事も早く終わるよう調整出来ていれば言う事なかったんですけどね」

P「それはお互い様やろ」

律子「確かに」

P「しかし本格的にえげつない雪の量やな」

律子「例年にない大雪だってニュースで言ってましたよ」

P「あーあー・・・向いの建物、入り口が雪で埋まってもうてるわ・・・かわいそうに」

律子「落ち着いたら車で帰ろうと思ってましたけど、こりゃ無理そうですね」

P「念のために用意しといてよかったわ・・・よっこらせっと」

律子「何年寄りみたいな声出してるんですか・・・なんです、それ?」

P「見て分からんか、寝袋や」

律子「どうしてそんなものが事務所に?」

P「いや・・・いつ泊まりで仕事が出来てもええようにな」

律子「社畜ここに極まれり、って感じですね」

P「まあ、お前の分もあるねんけどな」

律子「・・・」

P「なんやその顔は」

律子「何となく予想がついていた辺り、私も大概社畜なんだなぁ、と」

P「じゃあ明日に備えて寝るか、律子はここと会議室、どっちがええ?」

律子「えっ?」

P「いやいや、まさか一緒の部屋で寝る訳にもいかんやろ・・・あっ、もしかして社長室がよかった?」

律子「いや、そういう話じゃなくて・・・もう寝るんですか?」

P「だってもう今日やる分の仕事終わったで、起きててもしゃあないやろ」

律子「でも私はまだ寝付けそうにありません、風の音もうるさいですし」

P「お前は子供か」

律子「プロデューサーに比べれば」

P「そんな無駄口叩いてないで、ほらもう寝るぞ寝るぞ」

律子「折角だし、眠くなるまで雑談でもしましょうよ」

P「えー・・・俺もう寝たいんやけど」

律子「ほらほら、これでも飲みながら他愛の無い話に花を咲かせましょう」ドンッ

P「これビールやん・・・お前、なんちゅうもんを事務所に」

律子「実は一人で残業してる時とか、たまに飲みながらやってたんです」

P「お、お前・・・」

律子「このくらいの息抜きがないと、夜遅くまで残業なんか出来ませんよ」

P「お前も随分と、したたかになったもんやなぁ・・・」

律子「あなたのおかげですね」

P「はぁ・・・分かった分かった、付き合ったるわ」プシュッ

律子「そうこなくっちゃ」プシュッ

P「それじゃあ、乾杯」

律子「乾杯」

P「プハーッ・・・うまいけど、事務所で酒飲むって何か変な気分やな」

律子「慣れれば結構病みつきになりますよ」

P「・・・最初の頃の真っ直ぐなりっちゃんはどこにいったんやろうか」

律子「その真っ直ぐなりっちゃんをダークサイドに堕としたのはどこのどいつですか」

P「人を暗黒卿みたいに言うなや、つうか俺のせいかいな」

律子「勿論です、あなたが悪いんです」

P「強気なんは元からやったけど、そんなに鋭いキャラやったっけ」

律子「これくらいでないとあなたの相手なんか出来ませんからね」

P「それで、一体どんな話をしようというんや?」

律子「そうですねぇ・・・私としては眠くなるまで時間が潰せれば何でもいいんですけど」

P「言い出しっぺはお前やねんから、せめて話題くらいは考えてくれよ」

律子「そうですねぇ・・・それじゃあプロデューサーとアイドルの子達の普段のやり取りとか」

P「お前、そんなん聞いて楽しいか?」

律子「私としては興味がありますね」

P「えー・・・何でまた」

律子「今やアイドルの子達もすっかりプロデューサーの事を信頼し切っちゃってるじゃないですか」

P「まあ、そういう風に言ってもらえるのは嬉しい限りやな」

律子「入社して3ヶ月も経たない頃にはもうすっかり信頼関係築いてましたよね?」

P「そうかぁ?」

律子「そうですよ、私としましては一体どんな手口を使ったらそんな事が出来るのかなと」

P「手口ってお前もうちょい言い方ってもんがあるやろ、俺詐欺師みたいやんけ」

律子「間違ってはいないかもしれませんね、ある意味口の上手さだけは一級品ですし」

P「そういう言い方、ちょっと傷つくわぁ」

律子「何しろ、通り名が765プロの口先の魔術師っていうくらいですからね!」

P「おいちょっと待て、いつそんな不名誉な通り名がついた!」

律子「そんな細かい事はどうだっていいじゃないですか、気にしない気にしない」

P「いやいや、普通気にするやろ・・・」

律子「まぁとにかく、そういうわけで普段プロデューサーはどんなやり取りとしているのかなぁ、と」

P「んー・・・別段聞いても面白い事なんか何も無いと思うけどなぁ」

律子「いや、別に面白さとかそういうのを求めてるわけではないんですが」

P「せやなぁ・・・それやったらまず最初は春香あたりかな」

律子「春香ですか」

P「こういうのってまず最初は春香やろ、定番やん?」

律子「定番ですね」


P「ほら・・・あいつってさぁ、よく転ぶやん?」

律子「そうですね、春香イコール転ぶ、もしくはリボン、ですからね」

P「お前既に酔い始めてるな、今の発言何気にトゲがあるぞ」

律子「気のせいです」

P「まあええか・・・それでな、あいつのアレは天然なのかワザとなのかっていうのをこの前聞いたんや」

律子「おおぅ・・・また結構エグい質問しましたね」

P「で、まぁそん時の話やねんけど」

————
———
——

P「おーい春香」

春香「何ですかー、プロデューサーさーん」

P「ちょっとこっち来てくれへんかぁ?」

春香「分かりましたー、今いきまーす・・・ってうわぁ!?」

ドンガラガッシャーン

P「・・・」

春香「うぅ・・・いったぁ・・・」

P「おおう、派手にいったな・・・大丈夫か?」

春香「は、はい・・・なんとか」

P「・・・なあ春香」

春香「うぅ・・・な、何ですかプロデューサーさぁん・・・」

P「お前、ワザとやってるよな?」

春香「はいっ!?」

P「お前、ワザとこけてるよな?」

春香「ひ、ひどいですプロデューサーさん!私ワザと転んでるわけじゃないんですよ!」

P「えー・・・うそやろぉ・・・」

春香「ホントです!ホントのホントに転んじゃうんです!絶対にワザとじゃありません!」

P「まぁ・・・それならそういう事にしとこか」

春香「むー・・・それで、一体何の用ですか?」

P「せやった、お前に仕事のオファーが来てるんや」

春香「えっ、お仕事ですか?」

P「うん、先方から直々にお前を指名や」

春香「やったぁ!どんなお仕事ですか!?」

P「お笑い」

春香「・・・はい?」

P「いや、だからお笑い」

春香「プロデューサーさん・・・私、アイドルですよ?」

P「せやな」

春香「お笑いの仕事って一体なんですか・・・私、芸人じゃありませんよ」

P「お前なぁ、お笑いをバカにするなよ」

春香「べ、別にバカにしてるつもりは・・・」

P「最近はアイドルだって普通にお笑い番組に出演してるやないか」

春香「そ、それはそうかもしれませんけど・・・私にはお笑いなんて無理です!向いてません!」

P「またまたそんな事言うて・・・春香さん、今日もバッチリ頼みますよ」

春香「なんでそこでリボンに向かって話しかけるんですか!?」

P「あれ、ここが春香の本体やろ?」

春香「本体って何ですか!これはタダのリボンですよ!こっちが本体です!」

P「なかなかノリがええな、案外お笑い向いてるかもしれんで?」

春香「そんなわけないじゃないですか!さっきからちょっとひどすぎませんか!?」

P「すまんすまん・・・春香って何かからかい甲斐があるからなぁ」

春香「うわーん、プロデューサーさんがいじめるー!」

P「ごめんごめん、そんな怒らんといてえな」

春香「うぅ・・・私はアイドルなんですよ!?そんな芸人みたいな扱いしないでください!」

P「悪かったって」

春香「・・・ちなみに、どんな内容のお仕事なんでしょうか?」

P「えーっとな・・・某お笑い事務所の芸人さん達でやってる舞台、つまりは喜劇やな」

春香「喜劇、ですか・・・でも私、面白いことなんて何も言えませんよ?」

P「えーっ・・・またまたぁ」

春香「何ですかその反応は!そんな目で見たって何も出ないですからね!?」

P「春香さんやったらきっと出来るって、がんばれ春香姉さん!」

春香「姉さんって何ですか!プロデューサーさん、何度も言いますが私アイドルですよ!」

P「アイドルってやたら強調するけど、でも最近はアイドルでもそういうのに出演してたりするねんで?」

春香「そうなんですか?・・・あやしいなぁ」

P「ホンマやって、とある舞台ではアイドルがレギュラー出演してたりもするくらいやからな」

春香「へぇー・・・アイドルがレギュラーですかぁ・・・なんだかすごい世の中になりましたね」

P「まあぶっちゃけ面白い事云々は問題ないねん、別に台本は向こうで用意してくれるから」

春香「ぶっちゃけましたね」

P「だって事実やしな」

春香「・・・それで、どうして私なんかにオファーが来たんですか?」

P「コケ方・・・かな」

春香「・・・はい?」

P「春香のコケ方を見たとある大御所芸人さんがいたく感銘を受けたらしくてなぁ」

春香「あ、あの・・・」

P「あのコケ方には天性のものを感じる!お笑いを生業とする我々本家でさえあんな芸当は無理だ」

春香「天性!?」

P「是非ともあの天才的なズッコケ芸を本場の舞台で客達に見せてあげて欲しい!」

春香「ず、ズッコケ芸!?」

P「そして未だ燻っている若手芸人達への手本として!」

春香「手本!?」

P「とまぁ、大御所さんが春香のズッコケ芸をどうしても笑いの舞台に活かしたいっていうてな」

春香「・・・」プルプル

P「・・・春香?」

春香「うわぁぁぁん!!プロデューサーさんひどいよー!」

P「えぇぇっ!?」

春香「わ、私・・・お笑い芸人じゃないですし・・・ぐすっ・・・わざと転んでるわけでも・・・ないのにぃ・・・」

P「えぇー・・・泣くほどのことかいな・・・」

春香「な、何なんですかズッコケ芸って・・・ぐすっ、ひっく・・・私のこれは、芸なんかじゃ・・・うぅっ・・・」

P「ごめんて春香・・・泣き止んでえな」

春香「ぐすっ・・・わ、私そんなの出来ません・・・そんなお笑いの仕事なんて私には・・・む、無理です・・・」

P「確かになぁ・・・天然でコケてるとなったら舞台では使えんかぁ」

春香「そうですよ・・・そんな、狙ってコケるなんて出来るはずないじゃないですか」

P「普段狙い済ましたようなタイミングでコケとるやないか」

春香「何か言いましたか?」

P「いえ何でもありません」

春香「とにかく、私にはそんなの無理です!」

P「わかった春香、ちょっとお前ワザとコケてみろ?」

春香「は、はぁぁっ!?なんでワザと転ばなきゃいけないんですか!」

P「お前の普段のズッコケ芸と、ワザと転んだ時の差を見比べたい」

春香「なんかもうさり気なく普通にズッコケ芸とか言っちゃってるし!」

P「それでワザと転んだ時のリアクションが実際に使えそうかどうか判断する」

春香「それでダメだったら諦めてくれますか・・・?」

P「まあ関西出身の俺としてはお笑いの仕事を断るんは苦渋の選択やが、仕方ない」

春香「分かりました・・・それでは天海春香、ワザと転ばせていただきます」

P「本気でやれよ、手は抜くな」

春香「い、いきます・・・キャッ」ステーン

P「・・・」

春香「い、いたた・・・プロデューサーさん、わたし転んじゃいましたぁ」テヘペロ

P「あざとい」

春香「!?」

P「でもこれはこれで使えるかもしれんな」

春香「!?」

P「こういうズッコケ芸もあるんやっていうのをアピールしてみるか・・・」

春香「えぇっ、何で!?」

P「いやーありがとう春香、新しい可能性を見せてもろたわ」

春香「・・・」プルプル

P「・・・春香?」

春香「プロデューサーさんのバカぁぁぁ!!!」

タッタッタッタッタ

P「あれっ!?春香!おーい春香ぁぁぁ!!!」

キャッ ドンガラガッシャーン

P「・・・やっぱあのコケ方、神がかってるわぁ」

————
———
——

P「とまぁそんな事があってなぁ」

律子「・・・」

P「あの後、ヘソを曲げた春香の機嫌を取るのに苦労したもんやで」

律子「プロデューサー、誰も漫才エピソードを聞かせろなんて言ってないんですけど」

P「あれ、面白くなかった?」

律子「別に面白さを求めてるわけじゃないって言いましたよね」

P「そうか気に入らんかったか・・・そう言えばヘソを曲げると言えば雪歩もやな」

律子「雪歩ですか?」

P「いつやったか、俺と律子が事務所に泊まりで仕事してた時があったやろ」

律子「あー・・・私たち二人が一晩一緒に事務所にいたって知って変に誤解してましたね」

P「元はといえばお前が誤解を招くような言い方するからやぞ」

律子「・・・すいません、あの時は眠すぎて頭回ってませんでした」

P「それにしたって言い方があるやろ・・・こっちはどれだけ苦労したと思ってんねん」

律子「め、面目ありません・・・」

P「あの後、説得を続けて3日目にしてようやく口を利いてくれるようになったんやけどな」

————
———
——

P「なー雪歩?」

雪歩「」ツーン

P「なぁなぁ雪歩ってばぁ」

雪歩「」プイッ

P「雪歩さーん、返事してえなぁ」

雪歩「・・・ふんだ」

P(頬っぺた膨らましてる雪歩かわゆい)

雪歩「・・・」プイッ

P「・・・ていっ」プニッ

雪歩「うひゃぁ!?な、ななな何するんですかプロデューサー!」

P「おっ、やっと返事してくれたなぁ」

雪歩「そ、そりゃ急に頬っぺたつつかれたら誰だって驚きますぅ!」

P「なー雪歩、いい加減機嫌直してくれや」

雪歩「べ、別に私は機嫌が悪いわけじゃありません」

P「じゃあ何でこの3日間口利いてくれへんかったんや」

雪歩「そ、それは・・・別に深い意味は・・・」

P「ふーん、雪歩は深い意味も無いのに人様を無視しちゃうような子やったんや」

雪歩「ほえっ!?」

P「そうやったんや・・・雪歩はもっと優しい子やと思ってたのに・・・残念やわ」

雪歩「あ、あのっ・・・プロデューサー・・・私、別にそんな悪気があったわけじゃ」

P「冗談やって、そないバツの悪そうな顔すんなや」

雪歩「うぅ・・・プロデューサーがイジワルですぅ・・・」

P「あー・・・それにしてもノドが渇いたわ、雪歩」

雪歩「・・・はい?」

P「あー・・・ノドが渇いたなぁ、どこかにお茶でも入れてくれる優しい雪歩はおらんかなぁ」

雪歩「えっと・・・お茶、飲みたいんですか?」

P「久しぶりに雪歩の淹れてくれたお茶が飲みたいなぁ?飲みたいなぁ?」チラッチラッ

雪歩「プ、プロデューサー・・・」パァァ

P「あー飲みたい飲みたい、早く雪歩が心を込めて淹れてくれたお茶が飲みたいなぁ」

雪歩「わ、私すぐにお茶淹れてきますぅ!今すぐ淹れてきますぅ!待っててくださいプロデューサー!」

タッタッタッタッタ

P「なんてかわいいやつや」

雪歩「プロデューサー、お茶ですぅ、どうぞ!飲んでください!」

P「いやぁ久々の雪歩のお茶や、これが無いとどうも事務所での仕事が捗らんのや」

雪歩「えへへ・・・そう言ってもらえると嬉しいですぅ・・・」

P「いやいやホンマに、雪歩のお茶を飲まん事には1日が始まらんくらいのレベルやで」

雪歩「え、えへへ・・・そんな風に言われると照れちゃいますぅ」

P「この3日間、雪歩のお茶が飲めんかったからな、調子が狂ってしょうがなかったわ」

雪歩「す、すみませんでしたプロデューサーさん・・・私、変に勘違いしちゃってたみたいで」

P(ふむ・・・大分機嫌も直ってきたかな)

雪歩「えへへ、プロデューサーと仲直り出来てよかったですぅ」

P「もう怒ってへんやんな?」

雪歩「はい、もう気にしていません」

P「いやー、それならよかったわ」

雪歩「あの、プロデューサー・・・本当に律子さんとは何でもなかったんですよね?」

P「だから言うてるやん、泊りがけで仕事してただけやって」

雪歩「で、でも律子さんが・・・」

P「あいつがなんか変な事でも言うてたん?」

雪歩「ええっと・・・『あの鬼畜関西弁が朝まで寝かせてくれなかった』とか」

P「!?」

雪歩「あとは、『一晩中とか、どんな体力してんのよ』とか」

P「あんのボケぇ・・・」

雪歩「プロデューサー・・・本当に何もなかったんでよね・・・?」

P「無かったっちゅうねん、神に誓って無かったっちゅうねん」

雪歩「それじゃあ何で律子さん、あんな事を・・・」

P「寝ぼけて頭回ってなかったんやろ、自分でも何言うてるか多分分かってへんと思うで」

雪歩「ほ、本当ですか・・・?」

P「やけに疑うな、そんなに俺と律子の間になんかあって欲しかったか?」

雪歩「そ、そそそそんなわけないじゃないですかぁ!」

P「大体俺と律子の間に何か間違いが起こるなんて事、有り得る訳が無いやろう」

雪歩「そ、そんなにはっきり言われちゃうと何だか律子さんがかわいそうな気も・・・」

P「いやいや、第一俺と律子はタダの同僚やで・・・少なくとも俺にはそういう類の感情は一切無いわ」

雪歩「でも律子さん、すっごく魅力的じゃないですか・・・」

P「ふむ、魅力的か・・・そういえばあいつ、うなじとかキレイやったな」

雪歩「そうですよねぇ・・・律子さんのうなじってセクシーですよえねぇ・・・って、えええぇぇっ!?」

P「あぁ、それにうなじから背中にかけてのラインもかなりキレイやったな・・・」

雪歩「せ、背中!?」

P「普段は前にばかり目がいくけど、何気に背中からのアングルも悪くないんよな」

雪歩「プロデューサー、そんな目で律子さんの事を・・・」

P「ええよな、スーツ女子の後ろ姿って、ああいうの背中美人っていうんやっけ」

雪歩「ぷ、プロデューサー何言ってるんですかぁ!?」

P「うん、確かに魅力的ではある・・・全体的なプロポーションはかなりええよな」

雪歩「ぷ、プロデューサー・・・やっぱり・・・」ボソボソ

P「あれ、雪歩・・・どないしたん?」

雪歩「やっぱり私みたいなちんちくりんより、律子さんみたいな魅力的な人の方が・・・」ボソボソ

P「おーい、雪歩?」

雪歩「うぅっ・・・ぐすっ、やっぱり男の人ってそういう所ばっかり気になっちゃうんだ・・・」

P「ちょ、雪歩どないしたんや!?」

雪歩「う、うぅぅっ・・・ひっく・・・ぐすっ」

P「うぇぇっ!?なんで雪歩泣いてんの!」

雪歩「プロデューサーのバカ!うそつき!ケダモノ!」

P「ケ、ケダモノ!?」

雪歩「プロデューサーなんかケダモノです!律子さんの言うとおり鬼畜ですぅ!」

P「なんで!?」

雪歩「びえぇぇぇぇん!プロデューサーなんかもう嫌いですぅぅぅ!!!!」

P「雪歩!?待てって、おい!」

タッタッタッタッタ

P「・・・なんでや」

————
———
——

P「ってな事があって、まあ完璧に誤解を解くのにさらに数日掛かったわけやが」

律子「」プルプル

P「・・・律子?」

律子「ぷ、プロデューサーうなじって何ですかぁ!」

P「おい律子落ち着けって・・・く、苦しい首絞めんといて・・・」

律子「何ですかうなじから背中のラインって、いつ見たんですか!?いつ!どこで!」

P「やめて律子、苦しい・・・ぐえぇぇ」

律子「なんですか背中からのアングルって!プロデューサー、セクハラですよ!」

P「アカン、これはマジで洒落にならん・・・い、意識が・・・ぐはぁっ」

律子「す、すみませんでした・・・」

P「あやうく三途の川を渡りかけるところやったわ、つうか向こう岸見えたわ」

律子「ついカッとなっちゃって・・・」

P「ホンマに気をつけてくれよ・・・今のはマジで危なかったわ」

律子「で、さっきの件ですけどちゃんと説明してくれますよね?」

P「分かってるって」

律子「事と次第によっちゃもう一回三途の川に行ってもらいますけど」

P「あれや・・・この間、お前と小鳥とあずさの4人で飲みに行ったやろ」

律子「あぁ・・・確かそんな事もありましたね」

P「そん時お前アホほど酔っ払ってたやろ」

律子「すいません・・・正直飲み会の最中の記憶がほとんど残ってません・・・」

P「やと思ったわ・・・それでお前酔っ払って俺にかなり突っかかってきてなぁ」

律子「そ、そうだったんですか・・・すみませんでした」

P「それでつい俺もイラっときてな、グラスに入ってた氷をお前の背中にポイっとな」

律子「え、えぇぇ・・・そんな事があったんですか・・・」

P「やっぱり何も覚えてへんか?」

律子「はい・・・何一つとして」

P「まあそん時にな、チラっと見えたんや・・・」

律子「み、見えたって何が・・・ですか?」

P「ほら、アレやん・・・その、服の隙間から・・・な?」

律子「」

P「まぁあれや、俗に言う不可抗力っていうやつや、俺は悪くないで」

律子「な・・・な・・・どさくさに紛れて何やってんですかこの人はぁぁ!」

P「ちょっと待て律子落ち着け!やめろ!その手を下ろせ!」

律子「これは間違いなくセクハラですよ!見紛う事無きセクハラですよ!」

P「でも別に背中やしそんな大したことないやろ!前が見えたわけやないんや!」

律子「この期に及んでそんな言い訳が通用するかっ!そんな問題じゃないんですよっ!」

P「く、苦しい・・・だから首を絞めるのをやめてくれ・・・り、律子」

律子「このセクハラプロデューサーが!天誅ですよ!天誅を下してやりますよっ!」

P「アカン・・・これはアカンで律子・・・り、つ・・・こ・・・」

律子「もっかい渡ってみるかぁ!?もっかい三途の河渡ってみるかぁ!?」

P「俺はそのうちお前に亡き者にされるんやないかと気が気でないわ」

律子「すみません・・・ちょっと怒りに我を忘れてしまって・・・」

P「ま、まぁ俺も悪かったしな・・・とりあえずこのことはもう忘れようや」

律子「そ、そうですね・・・出来れば忘れて頂けると嬉しいですね、私自身の為にも」

P「ふむ、自分自身の為か・・・」

律子「どうかしましたか?」

P「いや、ちょっと千早のことがふと頭に浮かんできてな」

律子「千早、ですか・・・?」

P「あいつって歌に対してはとにかくストイックやん?」

律子「そうですね、千早にとっては歌が全ての中心と言っても過言ではないでしょうから」

P「あいつは歌の為ならどんな努力も惜しまん、結果的にそれがあいつの為ではあるんやろうけど」

律子「何か気になることでも?」

P「この間、あいつのボイスレッスンに立ち会った時の事なんやけどな」

————
———
——

千早「あれ、今日のレッスンはプロデューサーが指導してくれるんですか?」

P「アホ言うな、俺ごときが千早の歌に口出しなんか出来る訳ないやろ、ただの立ち会いや」

千早「そうですか、ふふっ・・・でもプロデューサーがいるだけで気合の入り方も変わってきますね」

P「なんや、普段は気合入ってへんのかいな」

千早「そういう意味ではありません・・・より一層気合が入る、という意味です」

P「そんな世辞はええから、俺の事なんか気にせんで始めてくれ」

千早「〜♪」

P(さすがに歌に関しては申し分ないな・・・)

千早「〜♪」

P「あれ・・・今の部分」

千早「」ピクッ

P「・・・どうしたんや千早?」

千早「プロデューサー・・・私の歌に何か問題でもありましたか?」

P「えっ、何でや?」

千早「今、私の歌を聞いて首を傾げましたよね?何かおかしな点があったのでしょうか?」

P「いや、そないに大した事やない・・・気にせんといてくれ」

千早「そうもいきません、私の歌に何か思う所があるというのなら、遠慮なく仰ってください」

P「そうは言っても、俺の気のせいかもしれんぞ?」

千早「プロデューサー・・・私は、歌に関しては一切妥協したくはないんです」

P「千早・・・お前ってやつは・・・」

千早「他ならぬプロデューサーの意見、是非とも耳に入れておきたいんです」

P「よし、分かった・・・なら遠慮なく言わせてもらうで」

千早「お願いします」

P「ってな感じで、さっきのパートやとこういう表現の方がしっくり来るんやないかと思うんや」

千早「〜♪このような感じですか?」

P「そうそう、そういう感じやな」

千早「なるほど、確かにそうかもしれませんね・・・とても参考になりました」

P「そうか、千早に役に立てて何よりや」

千早「ところでプロデューサー、さっきの表現をこの歌に取り入れる事が出来るのであれば・・・」

P「うん」

千早「こことここのパートも、〜♪こういった表現方法にすれば、印象も変わってくると思うんです」

P「せやな、確かにそれもええかもしれんけど」

千早「あるいはここの歌い方を〜♪このようにすれば、やはり違う印象を持てると思いませんか?」

P「う、うん・・・せやな」

千早「だとすれば、こことここの箇所を〜♪こういう形にしても面白いと思うんです」

P「千早、そこまで変えてしまったら歌の印象が最初と随分変わってしまうで」

千早「確かに全体の印象はガラリと変わりますが、こういう形も私としては有りなんじゃないかと」

P「ま、まぁ確かにそうかもしれんけど・・・」

千早「プロデューサー、私・・・ちょっと思いついた事があるんです」

P「な、なにかな・・・(あかんこれ絶対面倒くさいパターンや)」

千早「私、今から思いつく限り、色々な歌い方を試してみたいと思います」

P「・・・えぇぇ」

千早「プロデューサは何か気になる点があれば、その都度私に言ってください」

P「ええと・・・マジで?」

千早「プロデューサー・・・何度も言いますが、私は歌に関しては一切妥協したくありません」

P「せやな、千早はそういう子やったな」

千早「プロデューサーのおかげで私はまた一つ、歌に対する見解を得ました」

P「そうか、千早の役に立ててよかったわ・・・」

千早「私は、この見解をより深める為に現時点で出来得る限りの事をしたいんです・・・」

P「そ、そうか・・・千早は努力家やなぁ」

千早「プロデューサー・・・」

P「は、はい・・・」

千早「それにはプロデューサーの助けが必要なんです・・・」

P「あぁー・・・何となくこの流れになる事は想像できてたわ」

千早「協力・・・してくれますか?」

P「そんな目で見つめられたら断れるわけないやろ!」

千早「プロデューサー・・・ありがとうございます!」

P「もうこうなったらとことんまで付き合ったる!やるぞ千早ぁ!」

千早「はい!」


それから数時間後

P「千早さんもう勘弁してください」

千早「まだです、まだ私は全然納得が出来ていません」

P「えぇー・・・もう一体何時間続けてると思ってんねん・・・」

千早「時間なんて問題ではありません、重要なのは内容です」

P「俺からすれば内容も十分に濃い気もするねんけどな」

千早「いいえ、これではまだ足りません、まだ私の納得のいくレベルでは・・・」

P「マジかいな・・・」

千早「あの、プロデューサー・・・ひょっとして迷惑ですか?」

P「えっ?」

千早「私なんかのワガママに付き合せてしまって、ひょっとして迷惑ですか?」

P「いや、そういうわけではないけど」

千早「私、ついプロデューサーと歌について語り合えるのが嬉しくて・・・熱くなりすぎてしまいました」

P「ま、まぁ確かにちょっと熱くなり過ぎではあるな」

千早「やっぱりそうですよね・・・すみませんでした・・・ぐすっ」

P「えぇぇっ!?なんで泣くの!?」

千早「プロデューサーの気持ちも考えずに私・・・自分の事ばかり・・・」

P「ちょっとちょっと・・・千早さん落ち着いてえな」

千早「すみませんでした・・・今日はもうこれで終わりにしましょう・・・」

P「いや・・・でもまだ納得できてへんのやろ?」

千早「このまま続けてプロデューサーに嫌な思いをさせるくらいなら・・・ぐすっ」

P「嫌な思いなんて、そんな事ないって」

千早「こんなことでプロデューサーに嫌われたりなんかしたら・・・わたし・・・」

P「別に嫌いになったりもせえへんって」

千早「でも、プロデューサーは・・・」

P「あぁぁぁもう分かった分かった!続けるぞ!このまま納得いくまでやるぞ!」

千早「でも・・・」

P「でももへったくれもあらへん!いいから続けるぞ!お前が嫌っていうても俺はやるぞ!」

千早「プロデューサー・・・本当にいいんですか・・・?」

P「そんな子犬みたいな目で見つめられたら断れるわけないやろチクショウが!やるぞ千早!」

千早「プロデューサー・・・ありがとうございます!」

P「あぁもう!その笑顔かわいいなぁ!お前それはずるいわ!」

————
———
——

P「千早が泣き落としとか、正直反則級の破壊力やで」

律子「確かに・・・普段の千早からは考えられませんものね」

P「あそこまでされて断る勇気を持つ男なんて、まずおらんと思うわ」

律子「いや・・・女の私でも多分それは断れないですね」

P「それにしても、あいつの歌に対する貪欲さを甘く見ていたわ」

律子「今更すぎますよ」

P「あれや、軽々しく千早に歌の事で口出しすべきやないな」

律子「そうですね」

P「あの後、さらに延々何時間と千早が思いつく限り何通りもの歌い方を試されてな」

律子「うわぁ・・・」

P「その度に、歌に対する意見をお互い交換し合ってな」

律子「うわぁ・・・」

P「そこでまた新たに出た意見を歌に取り入れて・・・あれぞまさしく無限ループや」

律子「本当にお疲れ様でした」

P「あの後、1週間は千早の歌声が頭から離れんかったわ」

律子「でも何だかんだであの子についていける辺り、プロデューサーの根気も大したものですね」

P「いやー、根気と言えば真もかなりのもんやで」

律子「へぇ・・・真ですか」

P「あいつって腕っ節とか、体力的な面とか、女の子にしてはかなりのもんやろ?」

律子「空手とかもやってましたし、今でもトレーニングはしてるみたいですしね」

P「それでもやっぱり女の子な以上、いざ腕力勝負となったら男に及ぶはずもないやん」

律子「まあ、確かに幾ら鍛えてても女の子ですからねぇ」

P「なのにあいつときたらなぁ・・・」

————
———
——

とりあえず書き溜め分は終了、少ないけどレスついてて良かった
初投下で不安だけど何とか終わらせよう・・・

せやねん

P「はぁ・・・雪歩のお茶に慣れたせいか、自分で淹れたお茶はあんまり美味く感じひんな・・・」ズズッ

ガチャ

P「おっ、誰か来よったな」

真「きゃっぴぴぴーん!まっこまこりーん!プロデューサー、おはようございます!」

P「ぶふぉぁっ!」

真「うわぁっ!プロデューサー、飲んでるお茶吐き出すなんて何考えてるんですか!」

P「げほっ、げほっ・・・お前のせいやろがぁ!」

真「えっ、ボクが悪いんですか!?」

P「出会い頭にそんなフリフリのドレス着てぶっ飛んだ挨拶されたら誰かて吹くわ!」

真「えー・・・そこまで言わなくてもいいじゃないですかぁ・・・」

P「そもそもお前、そんなドレスどっから持ち出してきたんや・・・」

真「これですか?伊織のプロモーション用の衣装らしいんですけど」

P「うん、要するに伊織の衣装ってことやんな?何で真が着てるん?」

真「ええと、その・・・伊織もまだ来てないみたいだし、あまりに可愛かったのでつい・・・」

P「お前、人様のもん勝手に着るなや・・・」

真「ボクだってたまにはこういう可愛いドレス着てお仕事したいですよ」

P「それはまた機会があれば考えといてやるから、さっさと着替えてこい」

真「はぁーい・・・」トボトボ

真「というわけで着替えてきました」

P「ん・・・真、お前今日その格好で来たん?」

真「そうですけど?」

P「お前がワンピース着て来るなんて珍しい事もあるもんやな」

真「・・・やっぱり似合ってませんでしたか?」

P「いや、全然似合ってるで・・・かわいいと思うわ」

真「ホントですか?へへっ、やーりぃ!」

P「その口癖はともかく、格好だけならそれで十分女の子らしいと思うで」

真「そ、そうですか?ボク、女の子らしいですかね・・・?」

P「その格好でも全然ええやん、わざわざあんなドレス着る必要なんか無いやろうに・・・」

真「そんなことありませんよ、女の子は誰だってああいうお姫様チックなのに憧れるもんなんです!」

P「そ、そうか・・・そういうもんなんか」

真「はぁ・・・伊織がうらやましいですよ、ボクもあんな衣装着れるお仕事させてくださいよ!」

P「いやそうは言っても、人には得て不得手、或いは需要というもんがあってやな・・・」

真「や、やっぱりボクなんかがあんな格好しても誰も喜んでくれないんですね・・・うぅっ」

P「まぁそない落ち込むなって・・・そのうちお前にもそういう仕事持ってったるさかい」

真「そのうちそのうちって、ずっと同じような事を言われ続けてるんですけど・・・」

P「それはまぁ・・・お気の毒としか言いようがないんやけど」

真「ボク、これでも随分と女の子らしくなってきたつもりなんですよ!」

P「せやなぁ・・・今みたいな、いわゆる普通の女の子らしい衣装の着れる仕事なら幾らでもあるんやけど」

真「そんなの普段のお仕事でも全然着てるじゃないですか、やっぱりボクはお姫様みたいな衣装が着たいです!」

P「贅沢言うなや・・・そんな仕事そうそう取ってこれるわけないやろう」

真「うぅっ・・・やっぱりダメですか?」

P「今回はいつになく食い下がってくるな」

真「さっきの伊織の衣装見てたら何だか無性に羨ましくなっちゃって・・・」

P「ふむ・・・」

真「何だかんだ言ってボクだけですよ、ああいう衣装着させてもらえないのは・・・」

P「まあ、確かに不憫な思いをさせてるっていうのはあるかもしれん、その辺は俺らの責任やな」

真「分かってます、イメージがあるっていうのは・・・でも・・・ボクだって一度くらいは」

P「・・・分かった、なら一つ条件を出してやろう」

真「条件、ですか?」

P「今から俺と勝負して勝ったら、お前にもああいう可愛いドレス着れる仕事を用意してやろう」

真「ほ、ホントですか!?」

P「勿論や、俺に腕相撲で勝てたらな」

真「う、腕相撲・・・ですか?」

P「真は一応腕っ節に自信あるんやろ?まぁ、女の子がそんなもんに自信持つのも妙な話やけど・・・」

真「うぅ・・・耳が痛い・・・でも腕相撲だったらボクにだって勝機はあるかも・・・!」

P「せやな、まあやってみんと分からんよな、ほな勝負や」

それから数十分後

真「プ、プロデューサーもう一回お願いします!」

P「何回やっても同じやっちゅうねん・・・お前これで何連敗目やと思ってんねん」

真「ううぅ・・・何で、何で勝てないんだよぅ・・・」

P「そら俺かて曲りなりにも男やからな、腕力勝負で女の子に負けるわけにはいかんで」

真「くうっ・・・もう一回!もう一回お願いします!」

P「もういい加減諦めろや、何回やっても勝たれへんって」

真「うぅっ・・・でも、そんな・・・ここまできて諦めるなんて」

P「・・・なあ真、お前そんなにお姫様みたいなドレス着たいんか?」

真「当たり前じゃないですか!ボクの夢なんですよ!ずっとやりたかった事なんですよ!」

P「例えそれが万人受けするような代物でないとしても?」

真「うっ・・・」

P「方々から確実に不評を買うと分かっていても?」

真「うぅっ・・・仮にそうだとしても、それでも自分のやりたい事をやりたいって言って何がダメなんですか!」

P「ふむ・・・」

真「雪歩や皆はボロクソに言いますけど、ボクにだってやりたい事を主張する権利くらいあるはずです!」

P「まあ、確かにそうかもしれへんな」

真「だから・・・今回のこのチャンス、ボクは絶対に逃したくないんです!」

P「まあ、今のところお前の連敗街道驀進中やけどな」

真「チャンスなんだ・・・今ここでプロデューサーに勝ちさえすれば・・・」

P「・・・あぁー、いたたた、腕が痛いぞ、これは参ったな」

真「プロデューサー?」

P「いやぁ・・・連戦のしすぎで腕がちょっと痺れてきたかもしれへんなぁ、いたいいたい」

真「あの・・・プロデューサー?」

P「今やったら負けるかもしれへんなぁー・・・出来れば今勝負はしたくないなぁ」

真「プロデューサー・・・一体何を言って・・・」

P「でも俺はプロデューサーやからなぁ、アイドルから頼まれたらきっと断れへんやろうなぁ」チラッチラッ

真「えっ・・・!プ、プロデューサー・・・それって」

P「はよせな俺はこの場から逃げるかもしれへんでー?急いだ方がええんとちゃうかなー?」

真「あの、プロデューサー・・・出来ればもう一回、勝負してくれませんか・・・?」

P「あっちゃー・・・最悪のタイミンで挑まれてもうたなぁ!でもまぁ挑まれた以上はやるしかないかなー」

真「プロデューサー・・・ありがとうございます!」

P「しゃあないなぁ、負けると分かっててもやらなきゃならんのは、プロデューサーの辛いところやでぇ」

真「へへっ、それじゃあいきますよ!」

P「よっしゃいくで!レディー・・・ゴーッ!」

真(プロデューサー・・・ありがとうござい・・・あれっ)

P「ふんっ、、、ぬらばっ!!!」

バッキャァァァン

真「」チーン

P「あ、ごめんつい・・・」

————
———
——

律子「おい今の流れワザと負ける流れとちゃうんかい!」

P「いやぁ、そのつもりやったんやけどな・・・何で中途半端に関西弁なってんねん」

律子「やっぱり鬼畜だ!このオッサン鬼畜だ!」

P「そんなこと無いって、あの後泣き喚く真をなだめて何とかもう一回勝負したんや」

律子「泣かしてる時点でアウトでしょうが!」

P「だからちゃんと埋め合わせしたやないか」

律子「次戦できっちり負けてあげたと?」

P「まあな」フフン

律子「何したり顔してるんですか、殴りますよ」

P「今日のりっちゃんは何やバイオレンスやな・・・」

律子「プロデューサーがアイドル泣かしたりするからでしょうが!」

P「まさか泣くとは思ってなかったんや・・・今となっては反省してる」

律子「はぁ・・・真に仕事あげるつもりなら最初からそうしてあげればいいのに、回りくどい真似を・・・」

P「普通にあげたら面白くないやん、やっぱり幾つかの過程を経た上で手に入れんとつまらんやろう」

律子「性格悪いですね」

P「おいおいそない褒めるなや」

律子「褒めてません、、殴りますよ?」

P「今日のりっちゃんマジこわい・・・」

律子「それにしても、以前ファッション誌で真がフリフリのドレス着てたのは、そういう裏があったんですね」

P「せやで、あの仕事自体取ってくるんはワケ無かったけど、モデルを真にするんは骨が折れたわ」

律子「確かに世間一般での真のイメージからすれば暴挙以外の何でもないですからね」

P「なんとか頼み込んで無理くり話通したけど、まあ方々からの評判はお前も知っての通りや」

律子「まあ・・・どうだったかは敢えて言いませんけど、というか気の毒すぎて言えませんけど」

P「でも撮影してる時の真、ホンマにいい顔してたわ、よっぽど嬉しかったんやろうなぁ」

律子「それだけに周囲の反応を考えると、今の真の環境がますます不憫に思えてきちゃいますよね」

P「真がああいう、自分のやりたいような格好をしても受け入れてもらえる環境を早く作ってやらんとなぁ」

律子「期待してますよ、プロデューサー」

P「アホ、お前も手伝えや」

律子「そういえばお腹空きましたね」

P「いやいや、もう結構ええ時間やん・・・そろそろお開きにしようや」

律子「えー何言ってるんですか、ようやく盛り上がってきたところなのに」

P「お前、眠くなるまでの時間つぶしって言うてへんかったか・・・?」

律子「細かい事は気にしない、さあさあ腹が減っては何とやらですよ」

P「全然人の話聞いてへん・・・」

ガチャン

律子「んー・・・何か食べ物食べ物はっと・・・あっ、おにぎり発見」

P「なんで事務所の冷蔵庫におにぎりなんか置いてるんや・・・」

律子「これ美希のですね、確かお昼に食べるつもりで買ってたみたいですけど」

P「それが何で冷蔵庫に入ったままになってんの?」

律子「事務所出る時に急いでたから持っていくの忘れてたみたいです、すっごく悔しがってましたよ」

P「美希がおにぎりを忘れるなんてまさしく驚天動地の出来事やな・・・」

律子「案外この大雪もそのせいだったりしてね?」

P「おいおいそんなアホなことあるかいな・・・」

律子「まあ冗談ですけど」モグモグ

P「・・・お前、美希のおにぎり何で勝手に食うとんねん」

律子「だってこのまま放置してたら傷んじゃうじゃないですか、食べなきゃ勿体ないですよ」

P「例えそうであったとしても美希のおにぎりを食べる度胸は俺にはないな・・・」

律子「その点私は美希には強いですからね、おにぎりの一つや二つ恐くも何ともないですよ」フフン

P「確かに美希も律子には頭上がらんみたいやしなぁ、俺とは大違いやで」

律子「さしものプロデューサーも美希には手を焼いているみたいですねぇ」

P「まあなぁ・・・あいつはやる時とそうでない時のムラっ気がえげつないからなぁ」

律子「一度やる気を出してくれれば、あれほど頼りになる子もいないんですけどね」

P「あいつは基本的に気分屋さんやからなぁ・・・」

————
———
——

美希「ねぇねぇ、おじさん・・・ミキもう疲れちゃったの」

P「おじさん言うなや、いい加減プロデューサーって呼んでくれや」

美希「もうおじさんって呼び方に慣れちゃったし、今更変えるなんて面倒くさいの」

P「まあ言うても無駄なんは重々分かってはいるけど・・・」

美希「おじさん、この後何件お仕事入ってるの?」

P「この後か?雑誌の取材が3件、宣材の撮影が1件、TV局で今度出る特番の打ち合わせ」

美希「」

P「その後は営業周り行った後に、最後に軽めのレッスンで締めってとこかな」

美希「そんなのってないの!キツすぎるの!」

P「お前がどんどん仕事入れてくれって言うからやろうが」

美希「確かにたくさんお仕事したい気分だったのは確かだけど、これは詰め過ぎなの!」

P「お前がいつになくやる気になってくれたみたいやし、つい嬉しくて」

美希「おじさんはちょっと加減が利かないって思うな・・・」

P「俺は美希やったら十分こなせると思ってスケジュール組んだんやけどなぁ」

美希「むぅ・・・そう言ってくれるのは嬉しいけど、それだけじゃ頑張る気になれないの!」

P「えー・・・じゃあ何をどうしろっていうねん」

美希「ねぇおじさん、ミキお腹空いちゃったの」

P「そう言えばもう飯時か・・・どっかで食べてくか、あんまり時間は取れへんけど」

美希「あのね、この近くに有名なおにぎりの専門店があるんだよ?」

P「へー、おにぎりの専門店かぁ、最近はそんなんも出来てきたんや」

美希「おにぎりをバカにしちゃいけないの!おにぎりもそれだけで立派な料理になるんだよ?」

P「別にバカにしているわけやないけど・・・」

美希「ミキもオフの時とかたまに行くんだけどね、最近は全然行けてなくて・・・」

P「なるほどそういう事か、じゃあ今日の昼飯はおにぎりにするか」

美希「はいなの!」

P「なるほど確かにこれは美味いな、おにぎり侮る事なかれ」モグモグ

美希「場所が遠くて普段は中々来れないから、こういう時に食べておかないと損なの」モグモグ

P「移動しながら食べれるっていう点はありがたいな」モグモグ

美希「本当は店内でゆっくり食べたかったんだけど、今回は仕方ないの・・・」モグモグ

P「しかし美希のおにぎり好きはホンマに筋金入りやな、山下清もビックリやで」

美希「山下さんが誰かは知らないけど、おにぎりの事ならミキは誰にも負けないの!」

P「山下清知らんのか・・・これが世代の壁というやつか・・・」

美希「有名な人なの?」

P「めちゃくちゃ有名な画家さんやぞ、ドラマシリーズ化もしたくらいや」

美希「ふうん、そうなんだ」

P「興味なさげやな・・・まあええか、腹も膨れたことやしそろそろ行くか」

美希「おじさんご馳走様!おにぎり食べて元気も出たし、お仕事頑張るの!」

P「おにぎりでやる気出してくれるんなら安いもんや」

数時間後

美希「終わったの・・・もう疲れたの、くたくたなの」

P「確かに今日は少し働きすぎたな、レッスンは中止にしてもええかもしれんな」

美希「ホントに?もう帰ってもいいの?」

P「まあ本音を言えば、フェスも間近にあるし、調整の意味でも軽めに身体動かしてほしいところやけど」

美希「むむむ・・・そんな風に言われたらやるしかないの・・・」

P「すまんな、無理やりやらせるみたいな形にしてしもうて」

美希「おじさんは口がうま過ぎるって思うな、そんな言い方されたら断るに断れないの」

P「おいおい美希、そんなにガッツリやらんでもええんやぞ?軽めでええって言うたやろ」

美希「〜♪〜♪」

P「そんなに飛ばして、明日動けんくなっても知らんぞ」

美希「いざ踊ってみたら楽しくなってきちゃって、レッスンなんて久しぶりだったから」

P「しかしまぁ、あんだけ働いた後でよくそれだけ動けるもんやな」

美希「おじさんは発言がいちいち年寄りくさいの・・・」

P「お前はちょいちょい傷つく事を言ってくれるな・・・」

美希「ねえおじさん、美希のダンスどうだった?」

P「出来は申し分なかったが、幾つか気になる点はあるな」

美希「ダメなところ、あった・・・?」

P「いやそういう事やないが、お前そのダンスでフェスに挑む気か?」

美希「勿論なの!」

P「せやったら、まあ・・・次のフェスではもうちょいダンス抑え目でええかもな」

美希「手を抜けって事?」

P「違うって、次のフェスは真と響の3人で組んで出るやろ?」

美希「うん、だからミキ、他の二人に負けないようにダンス頑張ろうって思って」

P「殊勝な心がけやが、お前じゃどんだけ頑張ってもダンスであの二人には並ばれんぞ」

美希「ひどいの!そんな言い方ってないと思うな!」

P「別にお前をバカにしてるわけやない、あの二人のダンススキルと比べた結果や」

美希「確かにあの二人のダンスと比べられるとしょうがないけど・・・」

P「とは言えお前も力を出し切ればある程度は並べるかもしれん、お前にはそれだけの力があるからな」

美希「そ、そうかな?そう言われると照れちゃうの」

P「しかしそれは限りなく全力投球に近い形や、それでは他の部分にまで気が回らんやろ?」

美希「そ、そんな事ないの!ミキ、ちゃんとやれるよ?」

P「見栄張るなや、仮にダンスで並べたとして、その先にあるのはダンス一色のユニットになってまうぞ?」

美希「ダンス一色って・・・何だかそれって全然面白くなさそうなの・・・」

P「せやろ?それならダンスは他の二人に任せてお前は他の部分できっちりアピールせえ」

美希「他の部分・・・?」

P「要するにビジュアル面やな、お前は何でもこなせる天才肌やが、結局の所一番の武器はそこやと思う」

美希「て、天才って・・・おじさんはさっきから美希の事褒めすぎだって思うな」

P「お前風に言う所のキラキラする、やな・・・その点に於いてはお前の右に出る奴はおらん」

美希「ミキ、キラキラしたいっていう気持ちの強さなら誰にも負けないよ!」

P「そうやな、そしてそれはお前にしか出来ん事や、他の誰にも真似は出来ん」

美希「ミキにしか、出来ない事・・・」

P「そして響と真のずば抜けてレベルの高いダンス、これも勿論他の誰にも真似は出来ん」

美希「確かにあの二人のダンスは誰にも真似できないの」

P「各々にしか出来ん事がある、何でも出来る完璧な人間なんておるわけない」

美希「当たり前なの、そんな人がいたら世の中不公平だって思うな」

P「だからこそ、互いに足りない部分をフォローし合うのがユニットやろ?」

美希「う、うん・・・」

P「お前もユニットやってたんや、そういうのは十分わかってるはずや」

美希「そうだね・・・そうだったの・・・ミキ忘れてたの」

P「お前はあの二人のダンスに華を添える、あの二人のダンスはお前の華やかさを際立たせる」

美希「ミキ、それ知ってるよ!相乗効果ってやつでしょ?」

P「そうや、それぞれが違う事をしつつも互いの長所を伸ばし合えるっていうのは、ユニットならではや」

美希「ミキがダンスだけ頑張ってたら、それは出来ないって事なんだよね・・・」

P「残念ながらその通りや、すまんな、せっかくダンス頑張ろう思ってたのに」

美希「ううん、いいの・・・ダンスで二人に敵わないのはちょっと悔しいけど、今回はおじさんの言うとおりにするね」

P「お前のビジュアルにあの二人のダンス、これで上手くいかんはずはないからな」

美希「ねえおじさん、ミキ達キラキラ出来るかな?」

P「出来るに決まってるやろ、出来んかったら俺の首やるわ」

美希「あはっ、楽しみなの!」

P「期待してるで」

————
———
——

律子「どこが手を焼いてるんですか、きっちりやる気出させてるじゃないですか」

P「言葉選ぶんも結構めんどいねんぞ、あいつは言葉一つですぐにモチベーション変わるからな」

律子「あー、それは確かに言えてますね、気分がコロコロ変わりますからねぇ」

P「とはいえ後日開催されたフェスは盛況のまま終わったけどな」

律子「確かにあのフェスの出来はよかったですねぇ・・・」

P「あの3人の持ち味がキッチリ出せた、掛け値なしにええフェスやったわ」

律子「さすが、プロデューサーの指導の賜物ですね」

P「いやいや、おだてんなや・・・アイドル達の頑張りの結果や」

律子「いやいや、そんなご謙遜を」

P「いやいや、俺はちょっとアドバイスしたに過ぎんって、ははは」

律子「って何ほのぼのとした空気になってるんですか!」バンッ

P「何で机叩くねん!和やかな空気になって何がアカンねん!何が気に入らんのや!」

律子「なんとなく、あなたの口から普通にいい話が出てきた事が気に入らなかっただけです!」

P「面白い話とか漫才エピソードいらんって言うからええ話してやっただけやろ!」

律子「本当にいい話してどうするんですか!それでも尚、面白い話に持っていくのが関西人でしょ!」

P「とんでもない偏見やな、ムチャクチャ言うなや・・・」

律子「」モグモグ

P「って無視すんなや!」

律子「こんな夜更けに大声出さないでくださいよ、恥ずかしい」

P「うわぁ・・・今日のりっちゃんマジでめんどくさい」

律子「あ、このチーズおいしい」モグモグ

P「・・・お前冷蔵庫の中身ほとんど食うてもうてるやん」

律子「意外と皆食べ物とか入れっぱなしにしてるんですね、結構色々ありましたよ」

P「他人のもんって分かっててよく食えるな・・・」

律子「入れっぱなしにしている方が悪いんです、私が責任を持って処理しているだけです」

P「なんて横暴な・・・しかし律子の食べてる所見てたら俺も腹減ってきたな」

律子「良かったらおすそ分けしましょうか?」

P「そもそもお前のもんとちゃうやろ・・・でもええわ、こんな時間に食べたら胃がもたれる」

律子「発言が完全におっさんですね」

P「やかましいわ」

律子「食べ物と言えば、プロデューサー一時期やよいにお弁当作ってきてもらってませんでした?」

P「あー・・・そんなこともあったなぁ」

律子「アイドルにお弁当作ってもらうなんて何考えてるんですか・・・しかもやよいって」

P「アレには色々と事情があってなぁ」

律子「お聞かせいただきたいものですね?14歳の女の子に毎日お弁当作ってもらうような事情を?」

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———
——

一旦離席

P「コンビニの手巻き寿司はコスパ最高やな、手軽に食えつつ仕事も出来るってなぁ」モグモグ

やよい「・・・」

P「皆が戻ってくる前にちゃっちゃと済ませんとなぁ、この時間くらいしかゆっくりデスクワーク出来んで」

やよい「・・・」

P「あーあー・・・メールの返信が随分溜まってもうてるなぁ・・・早く処理してしまわんと」

やよい「プロデューサー!」

P「うわっ、やよいか・・・ビックリしたぁ」

やよい「やよいか、じゃありませんよ!何してるんですかプロデューサー!」

P「何って昼飯食いながら仕事してるんやがな」

やよい「お昼休みはお休みする時間ですよー、何でお仕事してるんですか!?」

P「何でって・・・この時間くらいしか落ち着いてデスクワーク出来んからな」

やよい「ダメですよー、ちゃんと休憩しないと!それにお昼ご飯だって・・・」

P「ん、俺の昼飯がどうかした?」

やよい「それだけじゃ絶対足りないかなー、って・・・」

P「意外とこれで夜まで持つもんやで」

やよい「でもでも、それだけじゃ栄養だって偏っちゃうし・・・」

P「そうは言うても外までちゃんとしたもん食べに行く時間が勿体ないからなぁ」

やよい「だったらプロデューサー、お弁当とか作ってきたらいいと思います!」

P「弁当か・・・作れん事は無いが正直そこまでする余裕は無いかなぁ」

やよい「う、うぅぅ・・・」

P「やよい、俺の食生活の事を心配してくれるんはありがたいけど・・・」

やよい「じ、じゃあ!」

P「んー?」

やよい「私がプロデューサーにお弁当作ってきます!」

P「・・・はい?」

やよい「私、プロデューサーにはちゃんとした食事をして欲しいんです!」

P「いや、それは分かるけど何でそこからやよいがお弁当作るって流れになるんや」

やよい「私って兄弟たくさんいるじゃないですかぁ、皆の分のお弁当も私が作ってるんですよ?」

P「そうかぁ、そら立派なもんやで」

やよい「それで、お弁当の材料とかって案外余っちゃうものなんですよ」

P「そうなんや」

やよい「それで・・・だったらもう一人分くらい余分に作っても平気だったりするかなーって・・・」

P「要するに余りものの処理か」

やよい「はわわっ・・・別にそんなつもりじゃ!」

P「冗談やって、まぁ・・・嬉しい申し出やけどさすがにアイドルの子にお弁当作ってもらうんはなぁ・・・」

やよい「うぅぅ・・・やっぱり迷惑、ですか・・・?」

P「いや、迷惑なんてことはないけど」

やよい「私・・・プロデューサーが毎日あんな偏った食事してるの見てたら心配で・・・」

P「そ、そうか・・・それは心配かけてスマンな」

やよい「プロデューサー、いつも私たちの為に頑張ってくれてるし・・・」

P「それが俺の仕事やからな」

やよい「私も、プロデューサーに何かしてあげられたらなーって」

P「その気持ちだけで十分やで」

やよい「それでせめてお弁当くらいはって思ったんですけど・・・ぐすっ」

P「!?」

やよい「せめてちゃんとしたご飯くらい食べてもらおうと思ったんですけど・・・うぅぅ」

P「えっ、何で何で!何でこの流れで泣くの!?」

やよい「やっぱり迷惑ですよね、急にお弁当作ってくるなんて言われたら・・・」

P「いやいや迷惑なんて言うてへんで、嬉しいよ?普通に嬉しいに決まってるやん!」

やよい「だったら、何でダメなんですか?」

P「普通プロデューサーがアイドルの子から手作り弁当なんて貰えへんやろ・・・」

やよい「じゃあ、毎日ちゃんとご飯食べてくれますか?」

P「それは正直ちょっと出来る自信が無いな・・・」

やよい「うー・・・なんでですか!?プロデューサーの分からず屋!」

P「いや・・・だって、時間的な余裕が、ねぇ?」

やよい「うぅぅ・・・ダメですよぉ、ちゃんとご飯は・・・食べないと・・・ぐすっ、ひっく・・・」

P「」

やよい「ぷろ・・・でゅうさぁ・・・ちゃんと、ぐすっ・・・ごはん食べないと・・・身体壊しちゃいます・・・」

P「oh...」

やよい「わたし、プロデューサーに・・・ご飯・・・ぐすっ、食べて・・・うぇぇぇん」

P「アカンこれマジ泣きやん」

やよい「ぷろでゅーさーが・・・ぐすっ、もし倒れたりでもしたらわたし・・・ひっく」

P「わ、分かった分かった!よーしプロデューサー、やよいさんにお弁当お願いしちゃおうかなー!」

やよい「ぐすっ・・・本当ですか?」

P「ホンマやホンマ!」

やよい「私の作ったお弁当、食べてくれますか・・・?」

P「食べる食べる!やよいの手作りお弁当食べたいなー!」

やよい「嘘じゃ・・・ありませんか?」

P「嘘なんかつくかいな!やよいのお弁当が食べられるなんて俺は幸せやなー!」

やよい「うっうー!それじゃあ張り切って作ってきますね!」

P(立ち直り早っ!)

後日

P「結局やよいの勢いに押し切られてしもうた・・・一応昼飯は買ってへんけど大丈夫やろうか」

やよい「プロデューサー!お昼ですよ、はいっ約束のお弁当ですっ!」

P「笑顔でお弁当差し出してくるやよいとか、眩しすぎて直視出来ひん・・・」

やよい「プロデューサー・・・どうかしましたか?」

P「いや何でもあらへん、ホンマに作ってきてくれるとはなー、ありがとうやよい」

やよい「えへへぇ・・・だって約束しましたから」

P「それじゃあ有難く頂くわ、さてと・・・それじゃあ仕事の続きでもしながら食べるかな」

ガシッ

やよい「プロデューサー、めっ!」

P「あのー・・・やよいさん、何で俺の腕掴んでんの?」

やよい「今はお昼ご飯を食べる時間ですよー!仕事なんかしちゃダメです!」

P「えっ、でも今やれるうちにやっとかな・・・」

やよい「だーめーでーすー!私がいる内はお昼休みに仕事なんかさせません!」

P「えぇー・・・」

やよい「ダメです!そんな目で見てもぜったい、ぜぇぇったいダメですー!」

P「この書類、昼休みに片付けようと思ってたのになぁ・・・」

やよい「こっちに来てください、プロデューサー、一緒にご飯食べましょうー!」

P「ちょ、マジかいな、仕事が・・・はぁ、まあいいか」

やよい「プロデューサー、どうですかー?」

P「うん、普通に上手い・・・まあやよいが作ったんなら当然か」モグモグ

やよい「えへへぇ・・・よかったです」

P「しかしスマンな、わざわざ弁当なんか作ってもらって」

やよい「いいんですよー、私が好きでやってることですから!」

P「しかし一人分多く作るとなったら食費も余分に掛かってしまうやろう・・・そこが気がかりでなぁ」

やよい「そんなの気にしないでくださいー!今はお仕事も順調だし、少しだけど余裕も出てきたんです!」

P「まあ、高槻家にとって負担でないというならええんやけど・・・」

やよい「それに昨日も言いましたけど材料だって結構余っちゃうんですよー?使わないと勿体ないかなーって!」

P「まあやよいがそう言うなら気にせんとくか・・・」モグモグ

やよい「」ジーッ

P「・・・やよい、どないしたん?」

やよい「はわわっ!な、なんでもありません!」

P「このおかず見てたな、これがどうかしたんか?」

やよい「あの、実はそれ材料があんまり無くて・・・プロデューサーの分しか作れなくて・・・」

P「そういえばやよいの弁当箱には入ってなかったな」

やよい「結構自信作なんですけど、プロデューサーのお口に合うかなーって」

P「ふむ、どれどれ」モグモグ

やよい「ど、どうですか・・・?」

P「うん、美味いやん、よく出来てるで」

やよい「ほ、本当ですか!よかったですー!」

P「せっかくやし、やよいも半分食べるか?」ヒョイ

やよい「ぷ、プロデューサー!?」

P「あっ、ごめんごめん・・・箸で切ったとは男の言え食べさしなんか普通嫌やんな」

やよい「いえ、そういうわけじゃ・・・でもそれって何だか・・・」モジモジ

P「これはさすがにデリカシーが無かったな、いやいや申し訳ない・・・」

やよい「・・・えいっ!」パクッ

P「やよい!?」

やよい「えへへ・・・おいしいです!我ながら上手く出来ましたー!」

P「そ、そうか・・・それは良かったな」

やよい「こういうのって何だか・・・その・・・」モジモジ

P「どうしたんや、やよい?」

やよい「何でもありませーん!・・・えへへっ」

P「・・・?」

————
———
——

律子「もしもし警察ですか?うちの事務所にロリコンが一匹紛れ込んでるんですが」

P「お前、この吹雪の中外に放り出すぞ」

律子「今の流れはアウトでしょ!」

P「なんでやねん!普通に清く正しく食事してただけやないか!」

律子「最後の件のどこが清く正しくなんですか!このロリコン!」

P「俺はロリコンちゃうぞ!断じてちゃうからな!」

律子「言い訳は警察署でしてください」

P「おい待てやとりあえずその手に持った受話器下ろせや、おい律子ぉ!!」

書き溜めてきます
残りの面子のエピソードが浮かんでこないぜ・・・

律子「結局やよいのお弁当も結局1週間くらいで終わっちゃいましたね」

P「あれは俺から断ったんや、さすがに毎日作ってきてもらうのも申し訳なかったからな」

律子「でもプロデューサーの食生活を心配してのことでしょう?よく折れてくれましたね」

P「引き換えに毎日きちんとした昼食摂る事を約束させられたけどな」

律子「なるほどそういうことですか」

P「まあでも、おかげさんで結構調子ええで、やっぱ食事って大切なんやなぁって思い知ったわ」

律子「私が言うのも何ですけど、激務なんだから食事くらいしっかり摂ってくださいよ」

P「せやな、肝に銘じておくわ」

律子「ちなみに、私としては、お弁当を受け取るプロデューサーへ対する伊織と千早の表情が面白かったですけどね」

P「リアルに悪寒が走るっていう表現を使いそうになったんはあん時が始めてやったわ」

律子「さあさあ、これでようやく半分ですよ!」

P「いやいや、お前は鬼か!もしかして全員分のエピソード語らせる気か!?」

律子「当たり前じゃないですか」

P「もうかなり夜も更けてきた、ええ加減勘弁してくれや」

律子「問答無用、こうなりゃとことんまでいきますよ!」

P「お前、かなり酔っ払ってるやろ・・・ってうぉぉい!?」

律子「どうしましたプロデューサー?」

P「いつの間にか辺りがビールの空き缶だらけになってる・・・お前、どんだけ飲んでんねん」

律子「なんだか止まらなくなっちゃって」

P「大体これだけのビール、どこに隠し持ってたんや・・・」

律子「それは、とっぷしぃくれっとです」

P「似てへん」

律子「プロデューサーは・・・いけずです」

P「だから似てへん・・・あぁ次は貴音ってことね、分かった分かった」

律子「いよっ、待ってました!期待していますよ!」

————
———
——

P「はぁ・・・もうこんな時間か、社長の長話に付き合わされるのも楽やないで」

貴音「あの、お言葉ですがそのような事を言っては高木殿に失礼ではないかと・・・」

P「だって延々何時間も昔話やで、仕事終わりの身体には正直堪えるで・・・」

貴音「左様でございますか・・・」

P「あれに毎回付き合わされる小鳥も大変やなぁ」

貴音「小鳥嬢はもう慣れたと仰っていましたが」

P「それは大したものやなー、俺にはとても無理そうやで」

貴音「そうですか」

スタスタスタスタ

P「・・・ん?」

貴音「はて・・・どうかしましたか?」

P「えぇっと・・・四条貴音さんですよね?」

貴音「はい、わたくしです、四条貴音です」

P「・・・なんで貴音がここにおるん?」

貴音「なぜ、とは・・・随分な物言いですね」

P「俺、確か一人で帰り道歩いてたはずやけど」

貴音「実は散歩していたところ、一人夜道を歩くプロデューサーをお見かけしまして」

P「見かけたんなら声掛けてくれたらよかったのに」

貴音「わたくしもそのつもりだったのですが、プロデューサーが何やら疲れ気味の様子だったので」

P「俺そんなにしんどそうな顔してた?」

貴音「えぇ・・・それで少し様子見をと思い、少し後ろを歩いておりました」

P「マジか、全然気付かんかったわ・・・」

貴音「気配を消すのには慣れております故」

P「隠密でも目指してるんかお前は」

貴音「そうして後ろを歩いている内に、声を掛ける機会を失ってしまった事に気付きまして」

P「いや、俺と貴音の仲やねんから、声掛けるんに機会も何も無いやろ」

貴音「ですが、このような展開で急に声をお掛けしては驚かせてしまうのではないと思いまして」

P「お前ってそういう変なところ気にするよな、まあ貴音らしいっちゃあ貴音らしいけど」

貴音「すると唐突にプロデューサーが独り言を呟き始めたので・・・ここしか無いと思い」

P「さり気なく会話に持ち込もうとしたわけやな」

貴音「その通りでございます」

P「まぁ、いる筈の無い人間が急に独り言に割り込んでくるとか、そっちの方が驚くよね」

貴音「確かに・・・言われてみればその通りかもしれませんね」

P「次からは変に気ぃ使わんで普通に声掛けてくれ、まあこんな機会そうそうあると思えんけど」

貴音「ふふっ、承知しました」

P「それにしてもアイドルがこんな時間に夜道を散歩とは、あまりオススメは出来んな」

貴音「申し訳ございません、ですが本日は月があまりに美しかったもので」

P「月か、確か今日は満月やったか・・・」

貴音「はい、今宵の満月は真に見事で御座います」

P「なあ貴音、この後時間とか大丈夫か?」

貴音「はい、わたくしは特に何もありませんが」

P「貴音さえ良かったら少しだけ月見でもせえへんか?」

貴音「プロデューサーと、ですか?」

P「まあ嫌やったらええねんけど」

貴音「わたくしは構いませんが、プロデューサーははお疲れなのでは?」

P「まあ疲れてはいるけど、何となく月見でもしたい気分なんや」

貴音「そうですか・・・宜しいですよ、わたくしでよければ幾らでも」


公園内

P「ほれっ、何が好みか分からんかったから無難にミルクティーにしといたけど」

貴音「ありがとうございます」

P「夜の公園に貴音と二人かぁ・・・中々珍しいシチュエーションやな」

貴音「ふふっ、そうでございますね」

P「月ばかりに目が行ってて気付かんかったけど、今日は星も結構見えるなぁ」

貴音「確かに、これだけ星の見える日も珍しいですね」

P「貴音は確か天体観測も趣味やったっけ」

貴音「はい、一応は・・・」

P「確かあれがやぎ山羊座やったかな・・・するとあの辺のあれが射手座かな・・・」

貴音「プロデューサーは天体にお詳しいのですか?」

P「俺の場合は子供の頃に見たアニメの影響が強いかな、星座をモチーフにしたアニメなんやが」

貴音「はぁ・・・あにめ、ですか」

P「まあ俺も年代的には再放送とかやねんけど、知らん?ペガサス流星拳!とか」

貴音「申し訳ございません・・・わたしくし、そういった事には少々疎くて・・・」

P「そうかー、まぁ、そんなわけで詳しい言う程のもんやない・・・にわか知識もええとこや」

貴音「左様でございますか、実はわたくしも天体そのものに詳しいわけではないのです」

P「そうなん?」

貴音「天体観測が趣味、とは申しましてもわたくしはただ星空を眺めるだけで良いのです」

P「まあ、そういう楽しみ方もあるか」

貴音「本当に美しい星空は、眺めているだけで心が澄んでいくような気持ちになれます」

P「ふうん・・・」

貴音「じっと見ていると手が届きそうで、それこそ本当に願いが叶いそうな気分になれます」

P「俺はそんなすごい星空は見た事が無いな、こんな都会じゃ星の見える日の方が珍しいからな」

貴音「そうなのです、こちらに来て星空の見えない事にわたくしはとても落胆しました」

P「そうかぁ・・・いつか夜空一杯の星空が見れるようなロケでも組んでみるか」

貴音「プロデューサー、それは真ですか?」

P「本当に綺麗な星空は、見ているだけで心が澄んでいくんやろ?」

貴音「はい、その通りでございます」

P「俺も含めて全員仕事ばかりの毎日や、そういうのを見て心をリフレッシュさせるのも必要かもしれんな」

貴音「プロデューサーは、本当に皆の事を思っておられるのですね」

P「まあ一番の理由は、俺自身が見たいからやねんけどな、本当に美しい星空ってやつを」

貴音「そうですか・・・プロデューサー、期待しておりますよ?」

————
———
——

律子「普通ですね」

P「おう、見事なまでに普通の話やぞ」

律子「オチとか無いんですか?」

P「そもそも何故オチを求めるんや・・・まぁ、無くはないけど」

律子「ほほう、ちなみにどんなオチですか?」

P「その後しばらく貴音と他愛の無い話をしてたんやけどな」

律子「ひょっとして気が付いたらいつのまにか朝になってたとかですか?」

P「まあ半分正解やな、気が付いたら朝になってたんやが・・・貴音がどこにもおらんかったんや」

律子「えっ・・・・」

P「しかも途中から俺の記憶がすっぽりと飛んでてな、文字通り時間が飛んだような感覚やったわ」

律子「ちょっとなにそれ恐いんですけど」

P「途中から記憶が飛んで、いつの間にか朝になってて、貴音は消えている、不思議やなぁ」

律子「それ本当に貴音だったんですか?狐にでも化かされたんじゃ・・・」

P「分からん、あの後貴音に聞いてみたら、貴音は何も覚えが無いとか言うしな」

律子「それホントに狐にでも化かされたんじゃないですか・・・?もしくは幻覚を見たか」

P「そんな非科学的な、バカバカしい」

律子「でもどう考えても普通じゃないと思うんですけど・・・」

P「ははっ、大丈夫やって、きっと貴音がふざけてただけやって」

律子「本当にそうだったらいいんですけどね・・・」

P「でも気分は妙に晴れ晴れとしてたわ」

律子「一晩中起きてたのにですか?」

P「そうやねんけどなぁ、不思議と全然疲れとかはなかったんや」

律子「何だか信じがたい話ですね」

P「意識もやけにハッキリしてて、頭の中のモヤモヤが全部消えたような感覚やったな」

律子「へぇー・・・不思議な事もあるもんですね」

P「全くやで、世の中・・・っていうか貴音はホンマに謎だらけやなぁ」

律子「時にプロデューサー、星空を見れるロケはいつ組んでくれるんですか?」

P「お、おおう・・・それは中々日程の折り合いがつかなくてな・・・」

律子「言ったからには実践してくださいよー!私も満点の星空とやら、見てみたいです」

P「せやな、ちょっと皆の為にも気合入れて調整してみるか・・・」

律子「期待していますよ」

P「せやな、貴音との約束も果たしてやらんとアカンしな」

律子「ロケといえばこの間の伊織のロケ、同行してもらっちゃってすいませんでした」

P「ええって、急な打ち合わせなんやからしゃあないやろ」

律子「どうでした?」

P「どう、とは?」

律子「普段はあんまり伊織と仕事で絡む機会無いじゃないですか、仲良くやれたのかなぁ、って」

P「あのなぁ・・・俺、一応プロデューサーやぞ?そのくらい上手い事やるがな」

律子「そうでしたね、あなたが口先の魔術師だってこと忘れてました」

P「その設定まだ引っ張るんや・・・」

律子「伊織とのロケ、楽しかったですか?」

P「まあ、楽しかったっちゃあ楽しかったかな・・・」

————
———
——

伊織エピソードは明日書くよ・・・
いおりんごめんよ

伊織「まさか律子の代わりにアンタが来るなんてね・・・」

P「スマンかったな、律子は急な打ち合わせで来れんくなってしまったらしくてな」

伊織「まあ、打ち合わせじゃ仕方ないわよね」

P「俺じゃ不満なんも分かるけど、まあ今日くらい我慢してくれや」

伊織「べ、別に不満ってわけじゃないのよ?」

P「あ、そうなんや」

伊織「ただ、アンタとはあんまりゆっくり話した事が無いから、どう接していいか分からなくて・・・」

P「なんやなんや、伊織らしくもない」

伊織「茶化さないでよ、これでも結構真面目に悩んでるんだから」

P「そんなん普通でええやん、いらん気ぃ使うなや」

伊織「いいの?」

P「当たり前や、アイドルがプロデューサーに対して遠慮とか気ぃ使うとか、そんなんいらんって」

伊織「そ、そう・・・?アンタがそう言うならそうさせてもらおうかしら」

P「おう、遠慮すんな」

伊織「ちょっと!ノドが渇いたわ、オレンジジュース買ってきなさい!」

P「はぁ!?何で俺がパシられなアカンねん!」

伊織「むっきぃー!遠慮するなって言ったのはそっちでしょ!」

P「別にそういう意味で言ったわけやないんやけど・・・」

伊織「つべこべ言わないの!この伊織ちゃんがノドが渇いたって言ってんだから、さっさと買ってきなさい!」

P「えぇぇ・・・ムチャクチャ横暴やん・・・」

伊織「あっ、私は果汁100%のオレンジジュースしか飲まないからね」

P「あれ、俺買ってくるん決定事項なん?」

伊織「にひひっ、いいからさっさと買ってきなさい♪」

P「こ、こいつ・・・」

伊織「ねえ、ところで今日のロケ・・・」

P「なんや不満なんか?」

伊織「どうしてこの伊織ちゃんが下町の商店街巡りなんてしなきゃいけないわけ?」

P「お金持ちのお嬢様が下町の庶民の暮らしに密着、いかにもありきたりなテーマやないか」

伊織「庶民の暮らしに、ねぇ・・・」

P「やっぱり伊織はそういうの嫌か?」

伊織「そんな事ないわよ・・・私はそんな奢り高ぶった人間じゃないもの」

P「冗談やって、ちゃんと分かってるから」

伊織「ただ庶民の暮らし、って言ってる割にはさっきから巡ってる店ってアレじゃない」

P「アレ、とは?」

伊織「いわゆる昔ながらの由緒ある老舗とか、ちょっとお高めの高級和菓子店とか、そんなのばっかりじゃない?」

P「あー、確かにそうやな」

伊織「確かに下町の商店街の中にあるとは言え、そういう店って庶民的とはちょっとズレてるんじゃない?」

P「確かにそうかも知れんな、まあ伊織の立場を考えてチョイスしてるんやろう」

伊織「それはそれで何だか変に気を使われてるみたいで嫌な感じね・・・」

P「そう言うなや、お金持ちのお嬢様相手に安っぽいもん食わせるわけにはいかんやろ」

伊織「だから、私はそういう考え方が嫌な感じって言ってるのよ」

P「ふむ・・・」

伊織「どうせ巡るなら、ちゃんと企画に合った店を巡りたいわよ、そうでなきゃ意味ないじゃない」

P「ほう・・・それは中々殊勝な心意気やな」

伊織「当然よ、これでも伊織ちゃんはプロなんだから」

P「そうは言ってももう収録もほぼ済んでしまったし、今更撮り直しも出来んで」

伊織「分かってるわよ、こんな事愚痴ったって意味ないことくらい・・・ただ」

P「・・・ただ?」

伊織「ちょっと興味あったのよ、こういう下町の雰囲気に・・・」

P「ふーん・・・」

伊織「でもいざ蓋を開けてみたら考えてたのと違ってて、ちょっとガッカリしただけ」

P「そうかぁ、伊織なりにこの仕事に対して思う所もあったっちゅう訳か」

伊織「まあ、今更よね・・・」

P「せやなぁ、もうちょい早めに言うてくれてたら何とか出来たかもしれんけど」

伊織「そうね、そうすればよかったわ・・・休憩も終わったし、そろそろ戻るわ」

P「なあ伊織」

伊織「なによ」

P「収録済んだら俺とちょっとデートしよか」

収録終了後

伊織「この伊織ちゃんをデートに誘うなんて図々しいにも程があるわよ!」

P「とか言いながらちゃっかり来てるやん」

伊織「あ、あんたがいなきゃ帰れないでしょう!」

P「別に帰れんことはないと思うけどなぁ」

伊織「むっきぃー!そんな事言うならホントに帰るわよ!?」

P「悪かったって、機嫌直してえな」

伊織「それで、これからどこに行くつもりなの?」

P「お前言ってたやろ、こういう下町の商店街に興味あるって」

伊織「ええ、言ったわよ」

P「俺なりにちょこちょこ調べておいたんや、お前の興味惹きそうな店とか」

伊織「アンタ、収録の合間にそんなことしてたの・・・?」

P「お前もモヤモヤした気分のまま帰りたくはないやろ」

伊織「それはまぁ、そうだけど・・・」

P「まあそんなわけで、放送はされんけど、伊織ちゃんの下町商店街レポート番外編といこうや」

伊織「何よそれ、バッカみたい・・・」

P「あれ、お気に召さんかったか・・・」

伊織「で、でもしょうがないから付き合ってあげるわ!折角アンタが企画してくれたんだもの」

P「おっ、着いたでここや」

伊織「なにこれ、コロッケ屋さん・・・?」

P「やっぱり下町で商店街といえばこれは外せへんで」

伊織「へぇー・・・コロッケと言いつつ色々売ってるのね・・・って何これ、コロッケ一つ60円!?」

P「やっすいよなぁ、これは商店街のコロッケ屋さんならではやで」

伊織「何これ、他にも80円とか・・・高くてもせいぜい120円とか、価格破壊もいいとこじゃない!」

P「それは幾らなんでも言いすぎやろ・・・あっ、おばちゃーんコロッケ二つちょうだい」

伊織「だってこんなの信じられないわよ、一体何をどうしたらこんな値段で出せるのよ・・・」

P「ちょっと落ち着けや、とりあえずはい、これは伊織の分な」

伊織「これ、私にくれるの?」

P「まあ一個60円の安モンのコロッケやけどな、まあ食べてみろって」

伊織「じ、じゃあ折角だし食べてみようかしら・・・あつっ!」

P「おいおいいきなり丸齧りするなって、揚げ立てやねんぞ、火傷するやろ」

伊織「こんなに熱いとは思わなかったのよ・・・ふぅーふぅー、はむっ」

P「あちち・・・ええな、この手の味、懐かしいわ・・・」モグモグ

伊織「」モグモグ

P「どないや?お口に合うかな?」

伊織「正直、手が油でベトベトだし、熱すぎるし、このソースも何だか味が濃いし・・・」

P「おおう・・・さすがお嬢様、辛辣な意見やな・・・」

伊織「でも、なんていうか・・・ホッとする味、思った以上に美味しいかも・・・」

P「そうか、良かったわ・・・不味いって言われたらどないしようかと思ったわ」

伊織「こんなお店もあるのね、全然知らなかったわ」

P「これぞまさに庶民の味方の代表格やで、俺も学生時代は小銭握り締めてよう買い食いとかしてたわ」

伊織「へぇー・・・アンタも子供の頃はそういう事してたんだ」

P「いつの時代にもおるもんや、ほらあそこにいる子供とか見てみいや」

伊織「あっ・・・集まってコロッケ食べてるわね」

P「食卓のおかずとして買ってく人もおるけど、小腹空いた時とかに手軽に食べれたりもするんや」

伊織「ふーん・・・ねぇ、他には?」

P「他?」

伊織「こういう店、他には無いの?」

P「おっ、興味出てきた感じ?」

伊織「最初から興味あるって言ってるじゃない、他にもこういうお店あるんでしょ?」

P「あるで、たっぷりリサーチ済みや」

伊織「早く行くわよ!あんまりのんびりしている時間も無いんだから!」

P「おいおい急かすなや」

伊織「ほらっ、早く行くわよ!ぐずぐずしないの!」

P「なんや、すっかり乗り気やないか」

伊織「光栄に思いなさい、アンタみたいな男がこの伊織ちゃんとデート出来る事に」

P「はいはい、分かりましたよ」

伊織「にひひっ、責任持ってちゃんとエスコートしなさいよ♪」

————
———
——

律子「ほー収録終わりにアイドルとデートとは良いご身分ですねー」

P「そないトゲのある言い方せんといてえな・・・」

律子「ちなみに、他にはどんな所に行ったんですか?」

P「他?まあ無難なところで駄菓子屋とかかなぁ」

律子「へー駄菓子屋ですか、懐かしいですね」

P「あぁ、あまりに懐かしすぎて俺の方がテンション上がってもたわ」

律子「私あれ好きでした、キャベツ太郎」

P「あー分かる、美味いよなアレ」

律子「あとはアレ、定番ですけどよっちゃんイカ」

P「俺、実は酸っぱいのちょっと苦手やねんな」

律子「そうなんですか?勿体ない・・・じゃあ、酢昆布とかも?」

P「あー無理無理、逆に辛いのとか好きやった、タラタラしてんじゃねーよとか」

律子「私あれ無理でした・・・アレって子供が食べるにはちょっと辛くないですか?」

P「分かってないなぁ、あの子供にはちょっとキツイ辛さがええんやないか」

律子「えー・・・私、辛い系だったらカレーせんべいが限界でしたね」

P「お前なぁ・・・あれのどこが辛いんや、あんなもんで辛い言うてたら怒られてまうで」

律子「誰に怒られるっていうんですか・・・」

P「あとはそうやなぁ・・・チョコバットに夢中になったんもええ思い出やな」

律子「分かります分かります、ヒットあと一つで交換っていう時に限って出ないんですよね」

P「そもそもアレ、ホームランなんか入ってるんか?俺一度も拝んだことないで」

律子「私も無いですねー・・・友達が出たって言ってた事ありましたけど」

P「見せてもらったん?」

律子「いえ、もう交換した後だって言われました」

P「嘘くさいな」

律子「きっと嘘ですよ、ホームランなんかあるわけないですもん」

P「あー、そういえば俺、どうしても苦手なもんが一個だけあるねんなぁ」

律子「よっちゃんイカとか酢昆布とはまた別にですか?」

P「それは嫌いなもん、苦手なもんとは違うで」

律子「違いがよく分かりませんね・・・」

P「苦手っていうんは、食べれはするけど好んで食べたくはないって感じかな」

律子「あー・・・それなら何となく分かるかも・・・ちなみに、それはなんだったんですか?」

P「ココアシガレット」

律子「・・・」

P「・・・」

律子「分かります!」

P「せやろ?」

何度かホームランでたことある

ちょいと離席

>>153
なん・・・だと・・・

律子「・・・ックシュン!」

P「お、大丈夫か?」

律子「ええ、大丈夫です・・・うぅ、ちょっと冷えてきたかも」

P「まだ外は雪降ってるからなぁ、気温も大分下がってきてるやろうなー」

律子「寒い寒い・・・お酒一旦控えて、暖かいお茶でも飲もうかしら・・・」

P「お茶くらい俺が淹れたるわ、お前ストーブで暖まっとけ」

律子「すみません」

P「とりあえずエアコンの温度ちょっと上げとこか・・・別に上げてもええやんな?」

律子「電気代の節約、と言いたいところですがまあいいでしょう」

P「風邪でもひいたらエライ事やしな」

律子「そうですよ、風邪なんかひいてる暇ないですものね」

P「・・・おう、せやな」

律子「風邪でもひいて休んだ日には他の皆に迷惑かかりますからね」

P「・・・まったくやな」

律子「どこぞの鬼畜関西弁なんか、クソ忙しい時に風邪ひきましたもんね」

P「・・・スマンかった」

律子「でも安心しました、プロデューサーもちゃんと風邪をひくまともな人間である事が確認できて」

P「お前、今の言い草は何気にひどいぞ」

律子「病気一つしない完璧超人だとばかり思ってましたので」

P「んなわけあるかい・・・俺かて人間やぞ、風邪の一つや二つくらいひくわ」

律子「夜通し不眠不休のまま会議してもピンピンしてるような鉄人がですか?」

P「別にピンピンはしてないぞ、俺かてそれなりに疲れてるからな」

律子「血の代わりにガソリン流れてるんじゃないかってくらい馬車馬のように働く稀代の社畜が?」

P「稀代の社畜ってまた嬉しくない表現してくれるな」

律子「あっ、訂正しますね・・・仕事バカ」

P「余計ひどくなってる!」

律子「とは言え、もうあんな事は二度と無いようにしてくださいよ?」

P「体調管理も社会人の努めやからな、まあ気をつけるわ」

律子「それは勿論そうですけど、私が言ってるのは別の件です」

P「あー・・・はい」

律子「分かってますよね?アイドルの子を家に上げるなんて二度としないようにお願いします」

P「分かってるって・・・俺も反省してるわ」

律子「ならいいんですけど」

P「しかしアレにはさすがに驚いたで」

律子「私も話を聞いた時は驚きましたよ、まさかあの響が・・・ねぇ?」

P「看病しに来たぞー!って言って押し掛けてきよったからな」

律子「それであっさり家に上げるプロデューサーもどうかと思いますけど」

P「折角来てくれたんやし、無下に帰すのも悪いやろうに・・・」

律子「そ、それはまぁ・・・そうですけど」

P「それに響のおかげで一晩で治ったんやし、まあ大目に見たってくれや」

律子「仕方ないですね・・・それじゃあ代わりにその時の事を洗いざらい吐いてもらいましょうか」

P「まあ聞かれて困る話でもないし、別にええか・・・」

————
———
——

P「うー・・・ゲホッ、ゲホッ・・・本格的な風邪なんていつ振りやろか・・・」

ドンドン

「おーいプロデューサー!」

P「あーアカン、熱でボーッとする・・・」

ドンドン

「プロデューサー!いないのかー?」

P「律子には申し訳ないことしたな・・・今度ちゃんと埋め合わせしてやらんと・・・」

ドンドン

「ねーねー、プロデューサーってばー」

P「響の声が聞こえるような気もするけど、そんなわけないよな・・・」

ドンドン

「プロデューサー!いるんだろー?開けてよー」

P「アカン、これっていわゆる幻聴ってやつちゃうんか・・・ヤバイぞ俺・・・」

ドンドン

「本当にいないのかな・・・よーしハム蔵、この郵便受けから中に入って様子見てくれくれ!」

P「幻聴が止んだ・・・もう安心かな・・・ん?」

ゴソゴソ

ハム蔵「ヂュイ」

P「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!あぁぁぁ!!」

「あっ、プロデューサー!やっぱりいるじゃないか!」

P「うわあぁぁ!?ってお前ハム蔵やん・・・って事は・・・?」

「おーいプロデューサー・・・早く開けてよー・・・」

P「さっきから聞こえるあの声は・・・響か?」

「そうだぞー、自分だぞー、プロデューサー看病しに来たぞー」

P「・・・マジか」

響「なんで早く開けてくれないんだー!」

P「すまんかった、まさか本当に響が来ているとは思いもよらんかった」

響「自分、扉の前でずっと叫んでて危ない人みたいだったじゃないかー!」

P「何で叫ぶんや・・・何のためのチャイムやねん」

響「チャイムってさ、何回も押されてるとイラってこない?」

P「まあ、確かにそれはあるけど」

響「だから!」

P「あー・・・うん、色々ツッコミ所はあるけど正直今はそんな気力無いし、ええわ・・・」

響「ところでプロデューサー・・・どうして自分は玄関に立ちっぱなしなんだ?」

P「俺は今、この状況をどうするべきか自分自身に問いかけてる最中なんや」

響「プロデューサーの言ってることがよく分からないぞ・・・」

P「時に響、お前今日は確かオフやったな」

響「うん、そうだぞ」

P「わざわざ俺の家まで何しに来たん?」

響「だから、看病しに来たって言ったじゃないか!」

P「俺が風邪ひいてるって、誰から聞いたん?」

響「暇だったから事務所に遊びに行ったんだ、その時ピヨ子に」

P「ついでに俺の家の住所まで?」

響「うん、すごい笑顔で教えてくれたぞ!」

P「あんの鳥・・・」

響「あとすっごい目ぇ輝かせながら、頑張ってねって言われたけど何の事かよく分かんないや」

P「いつか素揚げにしてやる・・・」

響「それはそうとプロデューサー・・・自分、部屋に上がっちゃダメなのか?」

P「あー・・・響、お前も一応自分の立場ってもんを考えてくれ」

響「自分の立場って?」

P「あのな、お前は曲りなりにもアイドルや、そんで俺はこれでも男や」

響「でもプロデューサーは自分のプロデューサーだぞ!」

P「いや、まぁそうであったとしてもやな・・・アイドルが男の部屋に上がるっちゅうんは何かとマズイ」

響「うぅ・・・ダ、ダメなのか?」

P「そらなぁ・・・何か間違いが起こってからでは遅いからなぁ」

響「ま、間違い!?プロデューサーは自分に何かするつもりなのか!?」

P「するか!俺は腐ってもプロデューサーやぞ、アイドルに手ぇなんか出すか!」

響「だったらいいじゃないかー、自分プロデューサーの事はちゃんと信用してるぞー?」

P「んー・・・そうは言ってもなぁ・・・」

響「自分、プロデューサーが風邪ひいたって聞いて心配になっちゃって・・・」

P「そら心配かけて悪かったな」

響「普段自分たちの為に頑張ってくれてるから、こういう時くらい何か出来たらなぁって・・・」

P「その気持ちだけで十分やって」

響「だから、今日は自分、プロデューサーの看病しようと思って来たんだけど・・・ぐすっ」

P「!?」

響「そうだよね・・・アイドルが、男の人の部屋に上がりこむなんてダメに決まってるよね・・・」

P「あるぇー・・・なんやこの展開、既視感あるなぁ・・・」

響「自分、プロデューサーの事は信用してるから大丈夫かなって思ったんだけどさ・・・ぐすっ」

P「ええっとな・・・響・・・」

響「こんな自分でも、プロデューサーの役に立ちたいなんて思ったんだけど・・・ぐすっ、うぅぅ・・・」

P「いやな、その気持ちはすごく嬉しいねんで?」

響「無理・・・して・・・ぐすっ・・・そんな事言わなくても・・・いいんだぞ?」

P「これはアカン、いやな予感がする」

響「やっぱり自分なんか来たって、迷惑・・・な、だけ・・・だよね・・・ひっく・・・ふぇぇぇん」

P「」

響「プロデューサー・・・ゴメン、自分帰るね・・・」

P「あー・・・響?」

響「・・・なんだ?」

P「その袋の中身は何なん?」

響「プロデューサーに栄養付く物食べてもらおうと思って買ってきたんだけど・・・」

P「ふうん・・・」

響「でも余計なお世話だったみたいだし、持って帰って自分で何か作って食べるさー・・・」

P「あのさぁ、響」

響「なんだ、プロデューサー?」

P「俺、腹減ってきた」

響「・・・ん?」

P「風邪ひいてて自分で飯作る気力が無いんよなぁ」

響「う、うん・・・それは大変だな・・・」

P「こんな時、誰か飯でも作ってくれる人がいてくれたら助かるんやけどなぁ」

響「えっと・・・プロデューサー・・・?」

P「丁度響が来てるみたいやし、響が俺の飯作ってくれるとありがたいんやけどなぁ・・・」

響「プロデューサー・・・それって」

P「まぁ、その・・・とりあえず、このまま帰らせるんもバツが悪いし、な?」

響「上がっても・・・いいの?」

P「上がらんと料理出来んやろ、ほら入った入った」

響「プロデューサー!自分、頑張って美味しい料理作るから!期待しててね?」

まだ途中だけど今日はここまで
どんなに少なくてもレスがあるとやる気が出るね

眠れないからとりあえず響エピソードだけ終わらす

P「さて、結局こっちが折れて家に上げてしまったわけやが・・・」

響「〜♪」

P「アイドルに飯作ってもらうとか・・・ええんやろうか・・・」

響「フンフンフーン♪」

P「まあ響も機嫌直してくれたみたいやし、良しとしとくか・・・」

ハム蔵「ヂュイ!」

P「せやな、ハム蔵もそう思うか」

響「お待たせー!出来たぞプロデューサー!」

P「おー、ええ匂いやなー」

響「自分特製の豆腐チャンプルーだぞ!さあ食べてくれ!」

P「それじゃあありがたく、いただこうかな」

響「どうかな?どうかな?」

P「そないに急かすなや」モグモグ

響「どう?おいしい?」

P「むぅ・・・」モグモグ

響「プロデューサー?」

P「んー・・・」モグモグ

響「ひょっとして、おいしくなかった・・・?」

P「いや、普通に美味いで」

響「よ、よかったぞ・・・焦らすから不安になったじゃないか!」

P「いやいや、これは予想以上に美味いな・・・さすが響やで」

響「えへへっ、ホントに?もっと褒めてもいいんだぞー?」

P「響はすごいなー、きっといいお嫁さんになれるでー」

響「お、お嫁さん!?プ、プロデューサー、からかわないで欲しいぞ!」

P「別にからかってないんやけどな・・・本音やぞ、これは」

響「うぅー・・・プロデューサーにそんな風に言われると照れるぞ・・・」

P「ふぅ・・・ごちそう様でした、美味かったで」

響「お粗末さまでした、それじゃあ食器片付けてくるね」

P「あぁ、それくらい俺がやるで」

響「プロデューサーは病人なんだから、ちゃんと寝てないとダメだぞ!」

P「分かった分かった、ほな頼むわ」

響「うんっ、任せて!」

P「ホンマにええ子やな・・・」

ハム蔵「ヂュイ!」

P「ははっ、全くや・・・ハム蔵もそう思うか」

響「食器片付けといたぞプロデューサー!」

P「おう、ご苦労さん」

響「プロデューサー、お薬はもう飲んだのか?」

P「いや、まだ飲んでへんで」

響「ダメだぞ、食後はちゃんとお薬飲まないとー」

P「えぇぇ・・・だって苦いやん・・・」

響「良薬口に苦しって言うだろー!ちゃんと薬飲まないと治らないぞー!」

P「はぁ・・・分かったわ、ちゃんと飲むから」

響「はいっ、これお薬とお水・・・ちゃんと飲むんだぞー?」

P「分かったって・・・んぐっ」

響(うわぁ・・・すごい嫌そうな顔してる)

P「・・・ぐっ」

響(いい年した大人が薬飲んで苦虫噛み潰したような顔してる・・・)

P「・・・ぐえっ」

響(なんかいつものプロデューサーと違っててちょっと面白いかも・・・)

ハム蔵「ヂュイ!」

響「やっぱりハム蔵もそう思うか!そうだよな!」

P「さてと、それじゃあ俺はちょっと一眠りさせてもらおうかな・・・」

響「じゃあ、自分もそろそろ帰ろうかな」

P「スマンな、大した持て成しも出来んで」

響「そんなの気にしないでいいぞ!今日はプロデューサーのお見舞いで来ただけだから」

P「ありがとうな、ご飯美味かったで」

響「うんっ!プロデューサーに美味しいって言ってもらえて自分、嬉しかったぞ!」

P「おかげさんで早く治りそうやわ」

響「それじゃあまたね・・・ってあれ、このCD・・・」

P「あー、それは・・・」

響「この間出した自分のシングルじゃないか!」

P「出しっぱなしにしてたか・・・スマンが棚に戻しておいてもらってええか?」

響「うん、お安い御用だぞ・・・って、おおぅ・・・」

P「ん、どないした」

響「この棚、すごい数のCDだな・・・」

P「まぁ職業柄な」

響「自分達、765プロ関連のCDだけじゃない、色んなアイドルやアーティストのCDだらけだぞ・・・」

P「他所のアイドルや歌手がどういう曲を出してるかっていうのも、調べておかんとアカンからな」

響「すごいなー・・・何だかいかにもプロデューサーって感じだなー」

P「プロデューサーやからな」

響「765プロ関連のCDやDVDに関しては全部集めてるんだな・・・」

P「まあ、一応全部買い揃えてはいるな」

響「こんなの、プロデューサーなら幾らでもタダで手に入るだろー?」

P「そんなんで手に入れても意味ないやろー」

響「意味、ないのか?」

P「当たり前やん、俺はお前らのプロデューサーであると同時にファンやからな」

響「うわぁ・・・なんか今、ちょっとプロデューサーかっこよかったぞ」

P「ふふん」

響「ドヤ顔したら全部台無しになったぞ・・・」

P「やかましいわ」

響「・・・」ジーッ

P「響ぃー?どないしたんや?」

響「・・・えいっ」

カキカキ キュッキュッ

P「おい響、何してるんや・・・」

響「出来たぞ、プロデューサー!」

P「響、お前それ」

響「えへへっ、自分のサイン入りCDだぞ!」

P「響・・・」

響「これはプレミア間違い無しの一品だぞ!大事なファンへのプレゼントさー!」

P「そ、そうか・・・ありがとうな」

響「大事にしてねっ!何なら友達とかに自慢してもいいんだよ?」

P「せやな・・・ありがとう、大事にさせてもらうわ」

響「それじゃあプロデューサー、早く元気になってね!」

P「あぁ、分かった」

響「次会う時が事務所でね!それじゃあまたねー!」

ガチャ バタン

P「・・・マジでええ子すぎるやろ・・・」

響エピソード終わり
あと3人・・・あと3人・・・

直ってるー!書き溜めてないけどー!

律子「爆ぜろ」

P「なんで!?」

律子「爆発しろ、砕け散れ、木っ端微塵になれ!」

P「おい律子いくらなんでも言いすぎやろ!落ち着けや!」

律子「これが落ち着いていられますか!アイドルを部屋に連れ込むだけならまだしも!」

P「おいぃぃっ!連れ込むって言い方は語弊があるやろうが!」

律子「連れ込んだ挙句イチャイチャするとかプロデューサーにあるまじき行為ですよ!」

P「別にイチャイチャなんかしてへんやろ!普通に飯食わしてもらっただけや!」

律子「自宅でアイドルにご飯作ってもらってる時点でアウトでしょうが!」

P「ぐううっ・・・そう言われると何も言い返せんやないか・・・」

律子「それにしても、プロデューサー?」

P「ん?」

律子「あんな風にアイドルに優しく看病されて、よく変な気起こしませんでしたね」

P「起こすかボケ!腐ってもプロデューサーやぞ俺は!」

律子「またまた、そんな事言っちゃってー、意外と満更でもなかったんじゃないですかぁ?」

P「んなわけあるかい!」

律子「いやいや、誰にも言いませんから、ここだけの話」

P「・・・正直、熱で判断能力落ちてたせいもあるけど、ちょっとドキっとした・・・」

律子「あの硬派なプロデューサーから、まさかの予想外の返答いただきました・・・ちょっと引きます・・・」

P「じゃあ聞くなや!」

律子「大体、響だけなんてズルいですよ、私もプロデューサーの家行きたいです」

P「何でやねん、来たって別に何も無いで」

律子「いいじゃないですか、別に減るもんじゃあるまいし」

P「響は一応お見舞いって名目あったけど、お前別に来る理由なんか無いやろ」

律子「同僚のお宅にお邪魔するのに理由なんか必要なんですか?」

P「それはまぁ、そうかもしれんけど・・・お前かて一応女性なんやから」

律子「職場の同僚に対しては一切そういう感情持たない主義なんじゃなかったでしたっけ?」

P「まぁ、確かにそうやけど」

律子「私一人だけっていうのがダメなら、別にあずささんや小鳥さん一緒でもいいんですよ?」

P「あずさはアイドルやないか、さすがに部屋に問題あるんちゃうかな・・・」

律子「でも私や小鳥さんも一緒だったら問題ないんじゃないですか?」

P「んー・・・まあお前ら二人が一緒っていうんなら、別にええんかな・・・」

律子「やった!そういうわけで今度3人でお邪魔しますね」

P「おい待てや、何で俺の家に来る前提で話進めてんねん、俺まだ了承したわけやないぞ」

律子「いいじゃないですか、大人組だけで鍋とかしましょうよ」

P「鍋か・・・それは面白そうやな」

律子「でしょ?いつも居酒屋とかで飲むばっかりじゃ面白みが無いと思うんですよ」

P「せやなぁ・・・誰かの家で宅飲みっていうんも、それはそれで有りかもしれんな」

律子「私やあずささんの家はさすがにちょっと無理なんで・・・」

P「確かに、あずさやお前の家となると色々と問題になりそうやな」

律子「そうなると、プロデューサーか小鳥さんの家しかないじゃないですか」

P「あっ、小鳥は俺と同じ側の扱いなんや・・・」

律子「小鳥さん相手に今更そんな遠慮しても仕方ないと思うんで」

P「お前、その言い方は小鳥に失礼やろうが・・・」

律子「2×(ピー)歳の独身女性の部屋で飲み会するのに遠慮なんか必要ですか?」

P「・・・お前の小鳥に対する印象はよく分かったわ」

律子「でもまぁ、事実ですし」

P「せやな」

律子「否定しない辺り、プロデューサーも大概ひどいじゃないですか」

P「だって事実やしな」

律子「そんなわけで、次飲み会する時はプロデューサーの家で宅飲みってことで」

P「はぁ・・・分かった分かった、しゃあないな」

律子「でも響っていい子ですねー」

P「全くやで、まさかオフの日にわざわざ俺の見舞いに来てくれるとはなぁ・・・」

律子「おや、意外でしたか?」

P「意外っていうか、自分の担当アイドルがそんな事してくれるとは考えてもなかったわ」

律子「それだけアイドル達に懐かれてるって事なんですよ」

P「そうか・・・それはまぁ、プロデューサー冥利に尽きるな」

律子「本当に幸せ者ですね」

P「いい子と言えば、その対極に位置するのがあの双子やな」

律子「あの二人だって、いい子じゃないですか」

P「いや、まあ別に悪い子やって言うてるわけや・・・いや、悪ガキやな」

律子「悪ガキって・・・」

P「あいつらもイタズラさえせんかったら問題ないんやけどなぁー」

律子「最近は専らプロデューサーがイタズラの餌食になってますもんね」

P「せやで、真美は最近マシになってきた方やけど、亜美なんか特にひどいで・・・」

————
———
——

亜美「おっはよー!・・・ってあれ、おっちゃんだけなの?」

P「誰がおっちゃんやねん」

亜美「おっちゃんはいおっちゃんしかいないじゃん!」

P「あのなぁ、お前らといい美希といい、いい加減プロデューサーって呼んでくれや」

亜美「ダメだよー!おっちゃんはおっちゃんでないとおっちゃんじゃないんだから!」

P「・・・うん、よく分からんけど何言っても無駄っていうんはよく分かった」

亜美「そうだよおっちゃん、人間キラメキラリが肝心だよ」

P「諦めが肝心、な・・・せやなその通りやわ」

亜美「・・・おっちゃんは最近ボケても全然ツッコんでくれないからつまんないよー!」

P「毎度毎度お前らの難解なボケにツッコんでたら身が持たんわ!」

亜美「むー・・・ところで今はおっちゃんしかいないの?」

P「せやで」

亜美「他の皆は?」

P「他の子は全員現場なりレッスンなりに行ってるな、律子もその付き添いやし」

亜美「ピヨちゃんは?」

P「小鳥もちょっと買い物に出てるわ、すぐ戻ると思うけど」

亜美「ふーん・・・じゃあ、本当におっちゃん以外誰もいないんだ」

P「ああ、俺だけやで」

亜美「事務所におっちゃんだけって何だか珍しいね」

P「ちょっとな、どうしても片付けておきたい仕事があってな」

亜美「ふーん・・・」

P「そういうお前は・・・あぁ、確かオフやったな」

亜美「そうなんだよー、でも今日は真美も仕事だし、家に一人でいてもつまんないからさ」

P「で、事務所に遊びに来たっていうわけか」

亜美「ここに来たら誰かいるかなぁ、って思ったんだけどさー」

P「お前といい、他のアイドルといい、オフの日によくもまぁ事務所まで来るもんやな」

亜美「だってここって何だか居心地いいんだもん」

P「まあ確かにな、その気持ちは分かるわ」

亜美「ねーねーおっちゃん、亜美、ノドが渇いちゃったなー?」

P「さよか」

亜美「おっちゃーん、亜美にお茶淹れてよー」

P「何で俺がお前にお茶淹れてやらなアカンねん」

亜美「だって亜美は今日オフなんだよ?って事は亜美はお客人になるわけじゃん?」

P「その理屈はおかしいやろ」

亜美「いーじゃーん、おっちゃんお茶淹れてきてよー!」

P「はぁ・・・分かった分かった、しゃあないな・・・ちょっと待ってろや」

亜美「・・・」ニヤリ

P「はいお待ちどうさん」

亜美「おっ、ありがとー」

P「雪歩みたいに美味くはないぞ、我慢せえよ」

亜美「分かってるよー、おっちゃんにそんなの期待してないもん」

P「こ、こいつ・・・」

亜美「ふーふー・・・あちち」ズズッ

P「さてと、それじゃあ仕事の続きするか・・・」

亜美「・・・」

P「なんややけに静かになりおったな・・・って、うわぁぁ!?」

亜美「なになに?急に大声出して、どったの?」

P「俺のパソコンのマウスがいつの間にか苺大福に変わってるやないか!」

亜美「えー、パソコンのマウスが苺大福に!?おかしな事もあるもんだねー」

P「白々しい反応すんなや!明らかにお前の仕業やろうが!」

亜美「むぅー、ひどいよおっちゃん・・・亜美がやったっていう証拠でもあるのかい?」

P「証拠も何も、状況的にすり替えられるのお前しかおらんやろが」

亜美「バレちったか、これは中々見事な推理ですなー」

P「下らんイタズラしてへんで俺のマウス返せや・・・仕事出来んやないか」

亜美「それじゃあおっちゃんもその苺大福返してよ!それ亜美のおやつなんだよ!?」

P「何で逆ギレやねん!」

亜美「ねぇ、おっちゃーん」

P「なんや?」

亜美「たまには竜宮の現場にも遊びにきてよー」

P「遊びに、って・・・竜宮の現場には律子がおるんやからええやろ」

亜美「でもこの間、いおりんの現場には来てたらしいじゃん」

P「あれは律子が急な仕事で同行出来んくなったからや、別に遊びやないぞ」

亜美「その仕事終わりの後、いおりんとデートしたって聞きましたけど?」

P「ぐぐっ・・・その話、一体誰に聞いたんや」

亜美「いおりんがすごく嬉しそうに言いふらしてたよ!」

P「えぇ・・・伊織ってそんなタイプやないと思ってたのに・・・」

>>146
ソースて何?
コロッケに付いてんの?

亜美「あずさお姉ちゃんも何だかんだでおっちゃんとよく飲みに行ってるそうじゃん」

P「あずさの場合は小鳥や律子も一緒やぞ、別に二人ってわけやない」

亜美「それでもさー、そしたら亜美だけじゃん・・・おっちゃんとあんまり絡む機会が無いのって」

P「確かにそうやなー・・・でもそれは仕方のない事やろう」

亜美「分かってるけどさぁ・・・亜美だって、たまにはおっちゃんと遊びたいよ・・・」

P「いや、だから俺は別に現場に遊びに行ってるわけや・・・」

亜美「・・・」シュン

P「・・・はぁ、分かった分かった、今度時間に余裕があったら竜宮の現場にも顔出すわ」

亜美「ホント?約束だかんね!絶対だかんね!」

P「立ち直りはやっ!?うちのアイドル達ってひょっとして狸ばっかりなんとちゃうん・・・」

亜美「んっふっふー、狸ってのはよく分かんないけど、おっちゃんもまだまだだねー」

ちょっと休憩

>>206
付けてから渡してくれる所もあるよ

P「ふぅー・・・」

亜美「お仕事終わったの?」

P「終わるかいな・・・ちょっと疲れてきただけや」

亜美「だったら一旦休憩して亜美と遊ぼうよー」

P「アホ、そんな時間あるか」

亜美「ぶぅー、ケチ!」

P「ケチでも何でもあらへん!確か冷蔵庫に栄養ドリンクあったはずやな・・・」

スタスタスタ

亜美「・・・」ニヤリ

P「う、うわぁぁぁぁっ!?」

亜美「おっちゃんまた大声出して、どったのー?」

P「俺の栄養ドリンクが、ちっちゃいコケシに変わってるやないかー!」

亜美「おぉー!それはまたとんでもない変身を遂げたもんですなー!」

P「白々しいこと言うなや、これもお前の仕業やろ!」

亜美「ひどいなー、亜美がやったっていう証拠でもあるのー?」

P「お前が来る前に冷蔵庫開けた時はまだあったっちゅうねん!お前しかおらんやろ!」

亜美「むむー、先ほどに続いて中々の名推理ですなー」

P「アホ言うてないで、俺の栄養ドリンクどこに隠したんや、さっさと教えんかい」

亜美「冷蔵室の方に移してあるよー、まだ時間そんなに経ってないから凍ってないはず」

P「うわぁ・・・めっちゃキンキンに冷えとるやん・・・」

亜美「いやー、災難だったねー」

P「全部お前のせいやろ・・・何であんなキンキンに冷えた栄養ドリンク飲まなアカンねん・・・」

亜美「心外だなー、さっきからちょっと亜美にひどすぎやしないかい?」

P「俺は事実を言うとるだけや・・・まったく、ホンマに下らんいたずらばかりしよってからに・・・」

亜美「・・・ねー、おっちゃん」

P「んー、なんや?」

亜美「亜美のイタズラって・・・そんなに迷惑?」

P「なんやいきなり、藪から棒に」

亜美「迷惑、かな・・・?」

P「まぁ確かに、されて気分の良いものではないけど・・・どないしたんや、急に?」

亜美「さっきも言ったけどさ、亜美だけじゃん・・・おっちゃんとあんまり絡む機会が無いのって」

P「まあ、確かにそうかもしれんな」

亜美「だからさ、たまにこうやっておっちゃんと一緒になった時くらい、楽しく過ごしたいんだよー」

P「だからって何もこんなイタズラばっかりする事もないやろ・・・」

亜美「そりゃ亜美だってさ、普通におっちゃんとおしゃべり出来たら良いなって思うよ、でもね・・・」

P「うん」

亜美「亜美はまだ子供だからさ、おっちゃんとどんなお話したら盛り上がるのか、分かんないんだよ」

P「確かになー、年齢の壁は大きいよなー、俺も正直アイドルとの会話に困る事あるわ」

亜美「だから亜美はさ、こんな風にイタズラするくらいしか思いつかないんだよ」

P「いや、その理屈はおかしいやろ・・・」

亜美「うあうあー!そんな事言ったって他にどうすればいいのか分かんないんだもん!」

P「発想力乏しすぎやろ!何で真っ先にイタズラが浮かんでくるねん!」

亜美「だってイラズラは亜美のアイアンメイデンなんだよ!?」

P「うん、アイデンティティーな・・・いい加減ツッコミめんどいから普通に言ってくれんかな」

亜美「亜美にはイタズラを除いて、他にコミュニケーション取る手段が無いんだよ!」

P「どんだけ不器用やねん!」

亜美「亜美の1日はイラズラに始まり、イタズラに終わるんだよ!」

P「イタズラで締めるな!やられた方の気持ちになってみろ!」

亜美「と、まあ冗談はこのくらいにしておいて」

P「俺・・・絶対バカにされてるよな・・・」

亜美「でも最初の方に言った事はホントだかんね?」

P「最初の方?」

亜美「たまにおっちゃんと一緒になった時くらい、楽しく過ごしたいってやつ!」

P「あぁー、まあ俺もどうせやったら楽しい方がええけど」

亜美「でもやっぱり亜美は子供だし、不器用だから他に表現方法が浮かばないんだよ・・・」

P「んー・・・だからってイタズラばっかりするんもなぁ・・・」

亜美「そうだよね・・・おっちゃん仕事してるもんね、やっぱり迷惑だよね・・・」

P「あー、一応迷惑掛けてるっていう自覚はあったんやな」

亜美「ごめんね、おっちゃん・・・そんなに迷惑だっていうんなら、もうイタズラしないからさ」

P「おいおい、急にどないしたんや」

亜美「だってさ、それでもしおっちゃんに嫌われたりでもしたら、亜美・・・」

P「別にそんなんで嫌いになったりはせえへんで」

亜美「でも迷惑なんでしょ?亜美がイタズラしたら嫌な気分になるんでしょ?」

P「おい亜美、ちょっと落ち着けって」

亜美「おっちゃんは亜美と一緒にいても全然楽しくないんだよね・・・」

P「亜美!」

亜美「な、何おっちゃん・・・急に怒鳴ったりして・・・」

P「あのな、俺がいつお前とおって楽しくないって言うた?」

亜美「え、でも・・・イタズラされたら気分が良くないってさっき・・・」

P「まあ確かに、度が過ぎたんはな・・・例えば背後からクロスチョップかますとか」

亜美「・・・亜美、そんな事したっけ?」

P「自分のやったイタズラくらい覚えとけや!まあそういう肉体的に痛いんは困る・・・けどな」

亜美「けど?」

P「程度の軽いイタズラやったら別に迷惑・・・ではあるけど」

亜美「やっぱり迷惑なんじゃん・・・」シュン

P「話は最後まで聞けや、確かに迷惑ではあるけど・・・俺は別に楽しくないわけやないぞ」

亜美「・・・えっ?」

P「正直、お前のイタズラで幾らか息抜き出来てる部分はある、認めるんも癪やがな」

亜美「そ、そうなの・・・?」

P「まあ、かと言って大歓迎というわけやないが、正直今更辞められると物足りんで」

亜美「お、おっちゃん・・・」

P「まあ、適度にな・・・あんまりキツイのは勘弁してくれよ?」

亜美「おっちゃん!ありがとう!」

P「さてと・・・亜美の機嫌も良くなった事やし、一服してお茶でも飲むかな」

亜美「おっちゃーん、亜美もお茶飲みたーい」

P「分かった分かった、淹れてきたるから待っとけや・・・よっこらせっと」

亜美「・・・」ニヤリ

ピーン

P(俺の足元にワイヤーが張り巡らされてる・・・いつの間に・・・?)

亜美「・・・計画通り」

P(・・・!?亜美、こいつ・・・俺の足元にワイヤートラップを・・・!)

ドンガラガッシャーン

亜美「いぇーい!引っかかったー!」

P「ぐぅ・・・亜美ぃ・・・おまえぇぇ・・・」

亜美「おっちゃんもまだまだ甘いねー!亜美が足元にトラップを仕掛けているのを見落とすなんて」

P「キツイのは遠慮してくれって、さっき言うたばかりやないか・・・」

亜美「こんなの亜美にとっちゃまだまだ軽い方なんだよー?」

P「お前の中での最大級が、恐ろし過ぎて想像出来んわ・・・」

亜美「そんなわけでおっちゃん!これからも精々、亜美のイタズラの餌食になってねー?」

P「こ、こいつ・・・余計な事言わんかったらよかった・・・」

亜美(一緒にいて楽しいって言ってくれて嬉しかったのはホントなんだけどね・・・)

P「いたたた・・・春香も真っ青なズッコケ芸になってもたな・・・」

亜美「はぁー、イタズラして遊んでたらお腹空いてきちゃった」

P「さっき苺大福食べてたやんけ」

亜美「あんなんじゃ全然足りないよー!亜美は今、育ち盛りなんだから!」

P「あんまり食い過ぎんなよ、律子に怒られるで」

亜美「甘いぜおっちゃん!バレなきゃいいんだよ、バレなきゃ!」

P「アホか、俺が律子にチクるっちゅうねん」

亜美「おっちゃんひどいよー!鬼軍曹の手先に成り下がったの!?」

P「今のも一緒に伝えとくわ」

亜美「そ、それだけはやめてよぅ・・・」

P「嘘やって、冗談や」

亜美「おっちゃんの冗談は心臓に悪いぜ・・・」

P「まあ、少しくらいなら食べてもええで」

亜美「やった!おっちゃん太っ腹!ええと・・・確かこの戸棚に亜美の秘蔵のお菓子があった・・・はず」

P「・・・」ニヤリ

亜美「あれ・・・何で・・・」

P「どうしたんや、亜美?」

亜美「あ、亜美の秘蔵のお菓子が・・・お菓子が・・・」

P「お菓子がどないしたんや?」

亜美「亜美のお菓子達が・・・全部乾物になってるよー!」

P「それはまた、お菓子も残念な変身を遂げたもんやなぁ・・・」

亜美「何で・・・この場所は亜美と真美しか知らないはず・・・まさか真美が・・・?いや、そんなはずは・・・」

P「あのクッキー・・・真、美味でした」ボソリ

亜美「はっ・・・!ま、まさかおっちゃんが!?」

P「偶然見つけてな!美味しそうやから食ったった!」

亜美「うわーん!おっちゃんひどいよー!」

P「あんな所にお菓子隠してる方が悪いんや!恨むんなら自分を恨め!」

亜美「おっちゃんのバカー!あのお菓子、食べるの楽しみにしてたのにー!」

P「しかし偶然とはいえ、これで亜美に土を付けてやった!」

亜美「ううっ・・・ひどい・・よ・・・おっちゃん」

P「やられっぱなしは面白くないからな、まあこれで少しは気も晴れたわ」

亜美「お菓子・・・食べるの・・・ううっ・・・楽しみにしてた・・・のにぃ」

P「しかしまぁ、これで・・・うん?亜美・・・どないした?」

亜美「おっちゃん・・・ぐすっ・・・ひどいよ・・・何で・・・」

P「・・・あるぇー」

亜美「うわぁぁぁぁん!!!おっちゃんのバカー!お菓子返してよぉぉぉ!!!」

P「えぇぇっ!?嘘、マジ泣き・・・?」

亜美「おっちゃんなんか・・・おっちゃんなんか大嫌いだぁぁぁ!!」

タッタッタッタッタ

P「・・・えぇぇー」

————
———
——

律子「このクズ野郎!ゴミ野郎!カス野郎!」

P「ボロクソやな!」

律子「いたいけな子供のお菓子を奪うなんて、なんて残虐非道なゲスなんですか貴方は!」

P「子供なんか確かやけど、いたいけではないやろ!」

律子「何を言ってるんですか、あんなにか弱い子をイジメるなんて、貴方は本当にクソ以下ですね!」

P「うぉぉい!元アイドルがそんな言葉遣いするなや!」

律子「ですが言わずにはいられません、このカス!ドカス!変態ドカス!」

P「いくらなんでも言いすぎやろ!」

律子「いいえ、幾ら言っても言い足りませんね!亜美が可哀想で可哀想で・・・」

P「お前はここぞとばかりに、俺を攻め立てる口実が欲しいだけとちゃうんかい」

律子「そうですけど!何か?」

P「はっきり言いやがった!ここまではっきり言われると、いっそ清々しいな!」

律子「貴方をこんな風に袋叩きに出来る機会なんて滅多にありませんからね!」

P「普段から結構ボロクソに言われてる気もするんやけど・・・」

律子「で、真面目な話、ちゃんと亜美の事フォローしてあげたんでしょうね?」

P「りっちゃん目がマジ恐いんですけど」

律子「当たり前です、うちのかわいい亜美を泣かせておいて、何のフォローも無かった日には・・・」

P「日には・・・?」

律子「・・・さぁ?」

P「どうせならハッキリ言ってくれ!そういう含みを持たせた言い方が一番恐いんや!」

律子「それで、実のところどうなんですか?まさか、プロデューサーに限って何も無いなんてことは」

P「安心せえや、ちゃんと亜美へのフォローはしておいたで」

律子「・・・本当ですか?」

P「ホンマやって、そんな疑わしい目で見るなや」

律子「ちなみに、どんな形でフォローしてあげたんですか?」

P「小鳥が大事に隠し持ってたお高いチョコレートを贈呈しておいた」

律子「お、鬼や・・・」

P「しっかしあのチョコはマジで美味かったな、亜美と二人で平らげてしまったわ」

律子「あんたも食うたんかい!」

小鳥「後日泣き叫ぶ小鳥を柱の影から亜美と二人でこっそり眺めさせてもらいました」

律子「さすがですね!この鬼畜関西弁!」

今日はここまで
明日には終わらせたい・・・終わらせたい

>>227
×小鳥「後日泣き叫ぶ小鳥を柱の影から亜美と二人でこっそり眺めさせてもらいました」
○P「後日泣き叫ぶ小鳥を柱の影から亜美と二人でこっそり眺めさせてもらいました」

誤字に今更気付くとかダメダメすぎる・・・

P「しっかし亜美はいつまで経っても変わらんなぁ・・・」

律子「今の口ぶりからすると、真美は違うんですか?」

P「いや、まああいつも相変わらずの悪たれっぷりなんやがな・・・一人の時は比較的大人しいな」

律子「あー・・・言われてみれば確かにそうかもしれませんね」

P「二人でいる時は相変わらずのフリーダムっぷりなんやが、一人になった途端静かになりよる」

律子「まぁ、色々と難しい年頃なんでしょうね、特に真美に関してはお姉ちゃんですし」

P「思春期ってやつなんやろうなぁ・・・二人では出来るイタズラも、一人やと恥ずかしくて出来んのやろうな」

律子「子供っぽい、って思われたくないんでしょうね、きっと」

P「まあでも実際、真美からは結構言われてるで、子供扱いしないでよ!って」

律子「あっ、それ私もよく言われますよ、やっぱり大人ぶりたい年頃なんでしょうねぇー」

P「いや・・・まぁ、大人ぶろうと背伸びするんは別にええんやけど、あいつの場合はなぁ・・・」

律子「何か問題でもあるんですか?」

P「あいつの中での大人の基準がイマイチ俺にはよく分からんのや・・・」

律子「真美の中での大人の基準、ですか?」

P「せや、あいつの中での大人=これ、みたいな発想がどうもズレとるような気がしてならんのや・・・」

律子「私は真美とはそういう話はしたことありませんけど、プロデューサーはあるんですか?」

P「ん・・・?まぁ、ちょっとだけな」

律子「へぇ・・・ちょっとそれ興味ありますね、よかったらお聞かせ願えませんか?」

P「まあええけど・・・あれは以前のオフの日に俺と真美が出掛けた時の事やねんけど」

律子「すみません警察ですか?うちの事務所にロリコンが一匹紛れ込んでるんですが」

P「ちょいちょいちょい!ちょっと待たんかい!」

律子「なんですか?言い訳なら取調べの場で幾らでもどうぞ」

P「この流れさっきもあったけど俺は別にやましい気持ちなんて無いからな!」

律子「よくもまぁそんな事が言えますね!13歳の女の子と一緒にお出掛けとか犯罪ですよ!」

P「それだけで犯罪って、世の中こわすぎやろ!」

律子「いやいや、プロデューサーはちょっと世の中を甘く見すぎですよ、世間はそんな言い訳許してくれませんよ」

P「お前はどうあっても俺を犯罪者に仕立て上げたいようやな!」

律子「っていうかさっさと話進めてくれませんか?こっちは待ちくたびれてるんですけど?」

P「もう嫌やこの酔っ払い・・・」

律子「はーやーく!はーやーく!」

P「あぁもう分かったからお前ちょっと落ち着けや!」

————
———
——

真美「おーい、おっちゃーん!こっちこっちー!」

P「あのな真美・・・お前仮にもアイドルやねんからこんな往来のど真ん中で大声出すなや」

真美「大丈夫だって!バッチリ変装してるからさ!」

P「いや、まあ確かに変装はバッチリやけど・・・」

真美「・・・?」

P「何言ってんの?みたいな顔すんなや・・・何でわざわざ亜美の髪型にしてんねん」

真美「いやーなんとなくこっちの方が面白いかなぁー、って」

P「これ何かあったら全部亜美に被害及ぶやん・・・」

真美「まあでも実際のところ、ここにいるのは本当に亜美だったりしてー?」

P「いや、それはないな」

真美「・・・随分ハッキリ言うんだね」

P「お前な、俺がお前ら双子を見間違えた事があるか?」

真美「・・・うん、無いね」

P「せやろ?」

真美「あっさりバレちった・・・今回は完璧に亜美になりきったつもりだったのになー・・・」

P「どこがやねん、髪型以外どっからどう見ても真美やないか」

真美「相変わらずおっちゃんはすごいよねー・・・真美達を完璧に見分けられるんだもん」

P「見分けるも何も、お前ら二人全然違うやん」

真美「そういう事を平然と言えるおっちゃんって本当にすごいよね」

P「とりあえず髪型元に戻しとけ、これでもし亜美に変な噂立ったら亜美が可哀想やろ」

真美「むぅー・・・分かったよぅ」

P「しっかし何で折角のオフをお前の為に割かなアカンねん・・・」

真美「うあうあー、おっちゃんヒドイよー!こんな美少女とお出掛け出来るんだからもっと喜ぼうよー」

P「確かに美少女っていうんは間違いないけどな」

真美「うえっ!?」

P「ん、どないした?」

真美「えと・・・その・・・そんな風にあっさり肯定されると、ちょっと照れちゃうんだけど」

P「なんやガラにもなく照れよって」

真美「おっちゃん茶化さないでよー!恥ずかしいじゃんよー!」

P「はっはっは、かわいいやつめ」

真美「でもおっちゃん、ホントによかったの?」

P「何がや?」

真美「折角のオフなのに、真美なんかの為に使っちゃってさ」

P「まあ、約束やからな」

真美「確かに約束はしたけどさ・・・」

P「なんやねん、この前のイベントで無事成功したらデートしてくれ、って言うたんはお前やろ」

真美「・・・まさか本当に守ってくれるとは思わなかったからさ」

P「約束した以上は守らんとアカンやろ、俺はそういうのはキッチリする男やで」

真美「さすがだね、社会人のラーの鏡だね」

P「うん、普通に鏡でええやん・・・無理やりラーって付け足す必要ないやろ」

真美「それじゃあさ、いいの?今日はホントにデートしてくれるの?」

P「しつこいやっちゃな、デートになるかどうかは分からんけど今日はお前に付き合ってやるから」

真美「やったー!それじゃあおっちゃん、今日はしっかり真美の事パスポートしてね?」

P「うん、エスコートな」

真美「さっきもそうだけど、最近おっちゃんって真美達のボケに対してちょっと冷たいよね」

P「亜美といいお前といい、同じような事言いよってからに・・・」

真美「えっへん!伊達に双子じゃないからね!」

P「褒めてへん!だからお前らのムチャクチャなボケに毎度毎度ツッコミ入れてられるかい!」

真美「それじゃあおっちゃん、早く行こうよー!」

P「慌てんなや、それでお前はどこに行きたいんや?」

真美「ぶぅー・・・おっちゃん、ちゃんと真美の事エスコートしてって言ったじゃーん」

P「そないな事言うたかて、13の女の子が喜びそうな所なんか見当もつかへんわ」

真美「やっぱりおっちゃんみたいな年寄りにそこまで求めるのは酷だったかー」

P「こ、このガキゃ・・・」

真美「そんじゃね、そんじゃね!真美、服買いに行きたいな!」

P「服か・・・ええんとちゃう?イベント成功のご褒美に何か買ってやるわ」

真美「ほんとに!?やったー!」

アパレルショップ店内

真美「双海真美改造計画ぅー!」

P「お前は一人で何を盛り上がってるんや」

真美「おっちゃんもちょっとは乗っかってくれてもいいじゃん!ノリが悪いなぁー・・・」

P「俺にそんなん求めるなや・・・で、着替え終わったんか?」

真美「バッチリだよー!さぁさぁ、ご覧あそばせー!」

シャッ

P「・・・」

真美「どう?どう?似合ってるかなー?」

P「・・・一つ質問してもええかな?」

真美「何ー?」

P「・・・なんでスーツなん?」

真美「スーツって大人が着る服じゃん?」

P「まあ一概にそうは言えんかもしれんけど、大体着るんは大人の人ばっかりやな」

真美「やっぱりスーツを着こなしてこそ大人だと思うんだよね!」

P「そうかそうか・・・真美の中ではスーツ=大人ってわけか・・・」

真美「うん、そだよー」

P「あのな、真美・・・」

真美「はーい、何かなー?」

P「・・・全然似合ってへん」

真美「!?」

P「なんつうか、違和感ありありやぞ」

真美「うわーん!りっちゃんなんか真美より小さいのにあんなにスーツ似合ってるのにー!」

P「まあなんや・・・諦めろ、お前にはスーツはまだ早いって」

真美「うぅぅ・・・スーツの似合う大人女子を目指したかったのにぃ・・・」

P「ほらほら落ち込むなって、どうや?このワンピースなんかお前に似合いそうやぞ」

真美「あっ、かわいい・・・おっちゃんセンスいいね」

P「伊達にアイドルのプロデュースしてへんからな、試着してみるか?」

真美「うんっ!」

P(あっさり機嫌直しよった、チョロかわいい)

真美「やったー!かわいいワンピース買ってもらっちゃったー!」

P「喜んでもらえてよかったわ、よう似合ってたで」

真美「んっふっふー、帰ったら亜美に自慢してやろーっと」

P「ところで真美、お前飯は食ってきたんか?」

真美「うん、食べてきたよー」

P「そうか、俺も腹減ってるわけやないけど歩き疲れたし、どっかでちょっと休まへん?」

真美「あっ、じゃあ真美、喫茶店行きたいなー」

P「喫茶店?別にスタ○とかでもええんやぞ?」

真美「真美も別にそれでもいいんだけどさ、喫茶店って何だかさー」

P「・・・うん?」

真美「大人っぽいじゃん!」

P「・・・あーそう」

真美「なんだよおっちゃん、その反応はー!」

P「真美の中では大人=喫茶店なわけなんや」

真美「そうだよー!」

P「・・・うん、まあええわ、それなら行こか」

律子も似合ってるかって言われたら果てしなく疑問ではある

喫茶店 店内

真美「おぉー、これぞまさしく喫茶店って感じだねー!」

P「物珍しそうに見回してないではよ座れって」

真美「はーい」

P「で、お前は何頼むん?」

真美「んっとねー・・・じゃあ、これ!」

P「あれ、お前コーヒーなんか飲めたっけ?」

真美「飲めないよ!」

P「・・・じゃあ何で頼んだんや・・・いや、ええわ何となく察しがつくし」

真美「大人っぽいからに決まってんじゃん!」

P「うん、やと思ったわ」

真美「おっちゃんは何頼むの?」

P「俺もコーヒーでええかな、真美はホットでええんやな?」

真美「うん」

P「じゃあすいません、ホットとアイス一つずつで・・・あっ、ガムシロップ5つくらい貰えます?」

真美「おっちゃーん、真美にはそんなもの必要ないぜー?しかも5つなんてちょっと子供扱いしすぎじゃないかい?」

P「何言うてんねん、これは俺の分や」

真美「・・・へっ?」

P「俺ブラック苦手やからな、甘くせんとあんまり飲みたくないんや」

真美「それはちょっと入れすぎだと思うよ・・・」

P「きたきた、それじゃあ飲もうかな・・・真美、お前ホンマにブラックのまま飲む気か?」

真美「あ、当たり前じゃん!真美はこのくらいへっちゃらだよ!」

P「無理すんなや、俺のガムシロップ分けてやろうか?」

真美「い、いらないよ!真美は平気だよ、全然飲めるもん!」

P「さよか・・・まぁ、そこまで言うならええけど」

真美「・・・」ズズッ

P「あー、うまっ・・・やっぱりコーヒーは甘ったるいのに限るな」

真美「うえっ・・・うぅ・・・苦いよぅ」

P「・・・真美、無理すんなって」

真美「うぅ・・・別に無理してなんか」

P「いやいや、明らかに涙目やないか、このままやったらお前確実に残すやろ」

真美「ご、ごめんおっちゃん・・・やっぱり真美には無理だったよ」

P「ほら言わんこっちゃない、すいまーせん店員さーん、お砂糖貰えますかー?」

真美「面目ないぜ、おっちゃん・・・」

P「ったく、飲めもせんくせに見栄張りよって」

真美「大人ってすごいねー・・・こんな苦いのよく飲めるね」

P「いや、だから別に大人やからブラック飲めるってわけやないやろ・・・俺かて苦手やし」

真美「でもおっちゃん、仕事の時はブラック飲んでなかったっけ?」

P「あれは眠気覚ましと集中力を切らさん為やな、仕方なく飲んでるだけや」

真美「そうだったんだ、別に好き好んで飲んでるわけじゃなかったんだね」

P「当たり前やろ、あんな苦いの好き好んで飲めるかい」

真美「真美の中では大人は毎朝ブラックを飲んでるものとばかり思ってたよ」

P「お前の中での大人のイメージがいまいちよう分からんわ・・・」

真美「なんかねー、ビシっとしてシャキっとしてバシっとしてるの!」

P「余計分からんわ!」

真美「でもおっちゃん見てると何だか真美のイメージしている大人と随分かけ離れちゃうね」

P「それは俺がビシっとしてなくて、シャキっとしてなくて、バシっとしてないってことか」

真美「うん」

P「自分で言っておきながらさっぱり分からんけど、そうハッキリ言われるとなんかカチンとくるな・・・」

真美「だっておっちゃん、そんな甘ったるいコーヒー飲むなんて、何だか子供みたいだよ」

P「あのな、真美・・・お前の中で何を以って大人とするかは知らんけど、これだけは言うとくぞ」

真美「うん」

P「お前はまだ子供や」

真美「なっ・・・おっちゃん、真美の事あんまり子供扱いしないでくれるかなー!」

P「お前がどんだけ背伸びして大人に近づこうとしてもな、それでもお前はやっぱり子供やねん」

真美「そんなことないよ、真美はもう子供じゃないよ!」

P「残念やけど、世間的にいうところの13歳は、まだまだ子供や、諦めろ」

真美「それじゃあ、真美はどうすれば大人になれるのさー」

P「んなもん、待つしかないやろ、気長に待て」

真美「待つって、いつまで待ってればいいのさー」

P「お前が大人になるまでや」

真美「だからその大人になる為にはどうすればいいって聞いてるんじゃんよー」

P「んなもん知らんがな・・・」

真美「知らないって、おっちゃんそれはちょっと無責任だよー!」

P「そんなこと言うたかて、人間、気がついたら勝手に大人になってるもんや」

真美「そういうものなの?」

P「そういうもんやで、年取って、経験積んで、気がついたらいつの間にかなってるんや」

真美「じゃあ、真美が大人になるにはあとどのくらいかかる?」

P「さぁ?多分18から20くらいの頃にはもう大人って呼んでも差し支えないんちゃうかな」

真美「なんだか散々焦らした割には普通の答えだね・・・」

P「やっぱり年齢っていうんは一番大きいで」

真美「でも年取ってても中身が子供っぽい人はたくさんいるよ?ピヨちゃんとかピヨちゃんとかピヨちゃんとか」

P「まああいつは確かになぁ・・・そう考えると何を以って大人とするか、線引きは難しいもんやな」

真美「うあうあー!何だか大人になるってすっごく難しそうだね・・・」

P「せやな、難しい問題や、かく言う俺も自分自身が果たしてホンマに大人かどうか分からんしな」

真美「そうなの?」

P「せやで、ええ年して子供じみた事ばっかりやるしな」

真美「まぁ、確かにそうだね・・・」

P「そこは嘘でも否定して欲しかったな・・・ただまぁ、これだけは言えるで」

真美「・・・?」

P「お前くらいの年齢は色々難しいと思う、思春期やし、子供扱いもして欲しくはないやろうけど」

真美「うん」

P「それでもな、やっぱりお前はまだ子供やし、今どんだけ頑張ったって大人になんてなれるわけないんや」

真美「おっちゃんの話を聞く限りはそうみたいだね」

P「やったら今はあれこれ難しく考えんで、年相応に生きたらええやないか」

真美「年相応に、かぁ・・・」

P「背伸びして、大人ぶりたい気持ちも分かるし、そうするんもええけどな・・・今しか出来ん事をしようや」

真美「今しか出来ないこと・・・」

P「子供は子供らしく振舞うんが一番や、大人になるとかそういうんはしっかりと段階踏んでいけばいい」

真美「焦っても大人にはなれないって事かぁ・・・」

P「そういう事や、ゆっくり成長していったらええ」

真美「そっかぁ・・・分かったよおっちゃん、真美、ちょっとずつ大人になっていく事にするよ」

P「あぁ、そうしたらええ」

真美「それじゃあ早速だけど、子供らしく振舞ってもいい?」

P「ええよ、どうぞお好きなように」

真美「それじゃあ店員さーん!注文いいですかー?」

P「あっ、なんか嫌な予感・・・」

真美「えっとねー、このメニューのここからここまでと、このメニューの・・・」

P「ちょいちょいちょいぃぃ!おい真美お前何やってんねん!」

真美「あっ、ごめーんおっちゃん!ダメだった?」

P「アカンに決まってるやろ!お前そんな頼んで全部食いきれるんか!」

真美「ごめんねーおっちゃん、真美、子供だから何がいけないか全然わかんなかったよー」

P「こ、こいつ・・・」

真美「ねーねーおっちゃん・・・真美、このDXストロベリーパフェってのが食べたいなー」

P「アホか!こんな見るからにカロリーの塊みたいな奴食わせられるか!自分の立場考えろ!」

真美「ダメぇー?」

P「そんな猫なで声出してもアカン!我慢せえ!」

真美「ねぇーパパぁー、真美・・・これ食べたいなぁー?ダメぇー?」

P「ちょいちょい!その呼び方なんやねん!なんか怪しい響がするぞ!」

真美「パパぁー、いいでしょー?」

P「その呼び方やめろって、つうかお前急にはっちゃけだしたな!」

真美「やっぱりこの方が真美っぽいかなーってさ!」

P「うん、その方が確かにお前らしいけどさっきのお前の呼び方のせいで周りの視線が痛いんですけど!」

真美「ねぇ、パパぁー・・・お・ね・が・い」

P「分かったからその呼び方を辞めろ!店員さん大丈夫です、私は正常です、問題ありませんから!」

真美「おーおー、ゴミを見るような目で見られちったね、おっちゃん」

P「誰のせいやと思ってんねん!今まで溜めに溜めた分全部発散させる勢いやな!」

真美「やっぱり我慢は身体に毒だね!まだまだいけそうだよ」

P「やっぱりお前もうちょい我慢せえ、頑張って大人になれ!」

真美「もう無理だよー、おっちゃんのせいだかんねー?」

P「ぐぬぬぬ・・・俺はなんちゅう事をしてしまったんや・・・」

真美「だからさ、おっちゃん」

P「ん、なんや?」

真美「責任持ってさ、真美が大人になれるまでちゃーんと見守っててね!」

————
———
——

P「いやはや、全くひどい目に合ったで・・・」

律子「Zzzzz...」

P「あの後終始店員さんや周りの視線は痛かったしなー」

律子「んん・・・むにゃむにゃ」

P「そんな衆人環視の中でパフェを貪り食うあいつの神経の図太さには驚かされたけどな」

律子「ぷろ・・・りゅうさぁ・・・もう飲めませんってばぁ・・・」

P「しかしまぁ、これであいつも変に背伸びする事もなくなったやろう」

律子「うぅん・・・へへっ・・・りゅうぐうこまち・・・ばんざーい・・・すぅすぅ」

P「やっぱり子供はそれらしく振舞うんが一番かわいいからな」

律子「んー・・・あずささぁん・・・そっちは違いますよぅ・・・むにゃむにゃ」

P「それにしても律子、急に静かになったなぁ・・・」

律子「それは地獄門ですよぅ・・・それをくぐっちゃ・・・ダメです・・・Zzzz」

P「まかさ俺が話してる最中に寝てたりなんかしてへんよな、幾ら何でもそんな失礼な事」

律子「Zzzz...」

P「・・・してるやないか」

律子「んふふ・・・ぷろりゅうさぁーの・・・ばぁーか・・・すやすや」

P「律子ぉぉぉぉぉ!!!!!」

今日はここまで!終わらなかった・・・

>>248
アニマスのりっちゃんスーツかわいいやん・・・

————
———
——

都内 居酒屋

P「といった事があったんや」

あずさ「あらあらー、それは大変でしたねぇ」

P「ホンマに信じられへんで・・・人が話してる最中に寝てまうとか、ありえんやろ」

あずさ「律子さんが寝た事に気付かず話し続けるプロデューサーさんもどうかと思いますけど・・・」

P「やけに静かになったとは思ってたけど、まさかホンマに寝てるとは思わへんやろ・・・」

あずさ「それで、プロデューサーさんはそれからどうなさったんですか?」

P「まず辺りに散らばってたビールの空き缶を片付ける所から始まったかな、ひどい有様やったし」

あずさ「あ、あらあら・・・」

P「次にあいつが食い散らかした食べ物の後片付けもしたな」

あずさ「律子さんったらお行儀が悪いんですねー・・・」

P「まあ一通り片付け終わったらもう明け方近かったけどな」

あずさ「その後はプロデューサーさんもお休みになったんですか?」

P「まさか、もう外も明るくなり始めてたからな・・・あんな時間に寝てもたら取り返しがつかんわ」

あずさ「それじゃあ、一睡もしないままその日はお仕事してたってことですか?」

P「せやで」

あずさ「相変わらずタフなんですねー」

P「まあ小鳥とかが出勤してくるまで手持ち無沙汰やったから適当に律子にイタズラしたったけどな」

あずさ「イ、イタズラですか・・・?」

P「そのまま寝かしておくんも面白くなかったからな」

あずさ「そ、それはちょっとひどいんじゃないでしょうか・・・」

P「俺が話してる最中に寝るとかいう無礼を働くからや」

あずさ「ま、まぁ・・・それは確かに律子さんも悪いでしょうけど」

P「叩き起こさんかっただけでもマシと思って欲しいな、俺なりに気を使ってやったつもりやで」

あずさ「ちなみに、どんなイタズラをしたんでしょうか?」

P「大したことはあらへん、額に肉って書いてヒゲをちょちょいと書いてやっただけや」

あずさ「」

P「定番やろ?」

あずさ「定番やろ?じゃありませんよ!女性の顔に落書きなんてあんまりです!」

P「おいおい、そない怒鳴るなや・・・大丈夫やって、ちゃんと水性で書いたから」

あずさ「そういう問題じゃあありません、プロデューサーさんったら、もう・・・」

P「律子のやつ、目が覚めて顔洗いに行ったとき、鏡を見て発狂してたな」

あずさ「当たり前ですよ・・・」

P「仕返しと言わんばかりに、俺の額にも落書きしようとしてきたわ・・・まぁ断固阻止したけど」

あずさ「ホントに二人とも、しょうがないですねー・・・でも良いですね、そういうの」

P「そういうの?」

あずさ「そういう、遠慮なくお互いに、ふざけ合える関係です」

P「・・・そうか?」

あずさ「だってそれって、仲が良い証拠じゃないですか」

P「仲が良いかどうかはともかく、まあ確かに遠慮なんかするような間柄ではないかな」

あずさ「正直うらやましいです・・・私もそんな風に接する事が出来たらなぁ、って思いますもの」

P「律子と?」

あずさ「プロデューサーさんとです」

P「俺?別に俺相手に遠慮なんかする事は無いやろう・・・好きなように振舞ってくれてええねんで?」

あずさ「それが簡単に出来たら苦労はしないんですけどねぇー」

P「俺相手に気ぃなんか使うなって、その方が俺も気が楽やしな」

あずさ「プロデューサーさんがそう言ってくださるのなら・・・うふふ、ちょっと頑張ってみようかしら」

P「おっ、あずさ、グラスが空になってんで・・・注いだるわ」

あずさ「あらあらー、プロデューサーさん、ありがとうございます」

P「しかし、よもやあずさと二人だけで飲む日が来るとはなぁ」

あずさ「いつもは律子さんや小鳥さんと4人で飲んでますものね」

P「せやなぁ、基本的に飲みに行くとなったら4人で行くのが当たり前になってたからなぁ」

あずさ「それはそれで楽しいですけどね」

P「いつか二人で飲みに行こうって約束してたけど、こんなに遅くなってしまって悪かったな」

あずさ「いいんですよ、結果的にこうして飲みに連れてきてくれたんですから」

P「けど、こんな店でよかったんか?」

あずさ「こんなお店・・・ですか?いいお店だとは思いますけれど」

P「いや、もうちょっと洒落た店でもよかったんやで?何もこんな普通の居酒屋やなくても」

あずさ「それはそれでとてもステキだと思いますけど、私こういう賑やかなお店も好きですよ?」

P「そうかー?あずさやったらもっと静かな雰囲気の店の方が似合うと思うけどなぁ・・・」

あずさ「それにこういう賑やかなお店だったら、人目を気にする必要も無いじゃないですかー」

P「確かに、それも一理あるな」

あずさ「そうですよ、だから私、こういうお店も好きなんです」

P「まあ、あずさがそれでええって言うんなら、そういう事にしとこか・・・」

あずさ「それにしてもプロデューサーさん、ちゃんと他のアイドルともしっかりコミュニケーション取ってるんですね」

P「まあ、これでも一応プロデューサーやからな・・・やっぱりアイドルとのコミュニケーションは大事やろ」

あずさ「それはそうですけど、私や伊織ちゃん、亜美ちゃんはプロデューサーの担当じゃありませんよ?」

P「・・・別に担当外のアイドルと絡んだらアカンっていう決まりも無いやろう」

あずさ「あらあら・・・気に障っちゃいました?」

P「別に気にしてはないけど・・・それになぁ」

あずさ「・・・それに?」

P「どっちかっつうと絡んでくるんは俺の方からやなくてアイドルの方からやしな」

あずさ「プロデューサーさんは人気者ですものねぇー」

P「茶化さんといてえな」

あずさ「でも本当なんですよ?皆、本当にプロデューサーさんのこと信頼してるんですから」

P「なんやなんや、どないした・・・そないに褒めても何も出てこんぞ」

あずさ「別に深い意味は無いんですけど、プロデューサーさんってイマイチ自己評価が低いじゃないですか」

P「そうかぁ?いや、まぁ確かに自分を過大評価しているつもりもないけど」

あずさ「だから改めて知っておいて欲しかったんです、皆がプロデューサーさんの事どう思ってるかって」

P「ん・・・なんや、そういう風に言われるとちょっと照れてまうな・・・」

あずさ「あっ、プロデューサーさん、何か食べたいものありますか?」

P「せやな・・・たまには野菜でも食おうかな、居酒屋来るとどうも油モンばかり食べがちやしな」

あずさ「だったらこのサラダ、取り分けますね」

P「おう、スマンな」

あずさ「このサラダ、居酒屋のメニューの割に野菜が新鮮で美味しいですよね」

P「確かになぁ、このトマトうまいな」モグモグ

あずさ「プロデューサーさん、串焼きの盛り合わせ来ましたよ、これも食べます?」

P「せやな、食べよかな」

あずさ「それじゃあ私も食べたいんで、ちょっと串から外してもいいですか?」

P「ああ、構わんよ」

あずさ「それじゃあ失礼して・・・よいしょ、よいしょ」

P「・・・」

あずさ「はい、プロデューサーさんどうぞ」

P「あぁ、ありがとう」

あずさ「適当に取り分けましたけど、他に食べたいものとかありましたか?」

P「いや、これでええで」

あずさ「そうですか?また何か食べたいものがあったら言ってくださいねー、取り分けますので」

P「今更やけどあずさって、結構世話焼きやんな」

あずさ「そうでしょうか?」

P「せやで、結構色んなところに目が行き届いてるし、気配りも出来るし、面倒見もいいし」

あずさ「あ、あらあらー・・・どうしたんですか?急にそんな事言い出して」

P「今も甲斐甲斐しく俺の皿に食べ物取り分けてくれてるし、そういう気遣い出来る子ってええよな」

あずさ「そ、そんな急に褒めないでくださいー・・・あっ、ひょっとしてさっきの仕返しですか?」

P「いや、そういうわけやないけどな・・・改めてそう思っただけや」

あずさ「も、もう・・・プロデューサーさんったら、照れるじゃないですか」

P「あずさは絶対にいい嫁さんになるよな」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん!?お、お嫁さんだなんて!」

P「いやいや、これは間違いないやろ」

あずさ「さっきからどうしたんですか・・・?そんな事言ったって何も出てきませんよ?」

P「優しいし、包容力もあるし、気配りも出来るし、気遣いも出来るし、家庭的やし」

あずさ「あ、あらあらー・・・そんなに褒めちぎられると私・・・恥ずかしいじゃないですかぁ」

P「恥ずかしがる事なんかあらへんやろー、事実やねんから・・・もっと自信持ってええねんで」

あずさ「あぁーん、もうその辺で勘弁してください!この話はヤメ!ヤメですよ!」

P「そうか・・・まだまだ褒め足りんねんけどな」

あずさ「もう・・・プロデューサーさんったら・・・あぁ恥ずかしい、お顔が熱い・・・」

P「運命の人かぁ・・・あずさの運命の人、もしおったらきっと幸せ者なんやろうな」

あずさ「・・・未だにめぐり合えていませんけどねー」

P「ホンマ、世の中の男どもは見る目無いでなぁ・・・こんないい女性、滅多におらんで」

あずさ「プロデューサーさんはそんな風に思ってくれるんですか?」

P「せやな、もし結婚するんやったらあずさみたいなタイプが一番やろうな」

あずさ「まぁ・・・もし本当にそう思ってくれてるんだとしたら、すごく嬉しいです」

P「こんな事で嘘ついてもしゃあないやろ・・・まさに理想のお嫁さんって感じやと思うけどな」

あずさ「あらあらー・・・うふふ、プロデューサーさんったら・・・うふふふふ」

P「あっ・・・もうこんな時間か」

あずさ「何だかんだで結構話し込んじゃいましたねぇ」

P「大半は取るに足らん話やったけどな」

あずさ「でも私はとても楽しかったですよ」

P「さよか・・・でも良かったんか?」

あずさ「よかったって・・・何がですか?」

P「仕事の悩みとかストレスとか相談事とか、そういうの聞いて欲しかったんちゃうん?」

あずさ「そのつもりだったんですけど、プロデューサーさんと楽しくお喋りしてたらどうでもよくなっちゃいました」

P「そうか・・・まぁ話したい事があるんやったらいつでも言ってくれ、相談には乗るさかい」

あずさ「はい、ありがとうございます」

P「それじゃあ帰るか、送っていくわ・・・言うてもタクシー一緒に乗るだけやけど」

あずさ「プロデューサーさん、タクシーなんか乗らなくても歩いて帰れますよ?」

P「いやいや・・・今のあずさを一人で放り出したらどこに迷い込むか、恐くて考えたくもないわ」

あずさ「ひどいじゃないですかぁ・・・」

P「まあそういうわけや、我慢してくれ・・・」

あずさ「はぁい・・・分かりました」

P「あっ、安心してくれ、ちゃんと自宅が見えん位置で車止めてもらうようにはするから」

あずさ「お心遣い、ありがとうございます」

P「そのへんはプロデューサーとして当然の事や」

あずさ「ねぇ、プロデューサーさん」

P「ん?」

あずさ「私ね、まだ運命の人とはめぐり合えていませんけど」

P「うん」

あずさ「やっぱり私の運命の人っていうのは、私の事をとても大事にしてくれる人じゃないといけないって思うんです」

P「まあ、結婚する上では大事な事やしな」

あずさ「私の事をちゃんと理解してくれて、私の事を大事にしてくれて、私の事を安心させてくれるような人・・・」

P「そういう人も、なかなかおらんもんやけどなー・・・」

あずさ「そうでしょうか?」

P「・・・ん?」

あずさ「案外、私のすぐ近くにいたりするかもしれませんよ?」

P「灯台下暗しってやつかー、確かに出会いなんていうもんは予期せぬ所に潜んでるもんやしなぁ」

あずさ「・・・はぁ」

P「おっ、気分でも悪いんか?飲みすぎたか・・・?」

あずさ「いえ、大丈夫です・・・ねぇ、プロデューサーさん?」

P「どないした?」

あずさ「私、頑張りますからね?」

P「・・・?なんやよう分からんけど、頑張るっちゅうんなら頑張ってくれ」

あずさ「私、頑張って運命の人を見つけて、その人を振り向かせて見せます」

P「やけに積極的やな・・・まぁ、俺の立場上複雑ではあるけど、応援はしてるで」

あずさ「・・・はぁ、本当に頑張らなきゃいけないわね、これは」

P「・・・?」

あずさ「なんでもありませーん!プロデューサーさん、帰りましょう?」

P「あぁ、せやな・・・帰ろか」

あずさ「また飲みに連れていってくださいね?」

P「あぁ、任せとけ」

————
———
——

765プロ 事務所内

律子「Zzzz...」

P「こ、こいつ・・・人の話の最中に寝やがってぇ・・・!」

律子「んふふ・・・すやすや」

P「やけに楽しそうな顔してるな・・・なんや、ええ夢でも見てるんか」

律子「えへへ・・・すー・・・すー・・・」

P「正直たたき起こしたい気分やけど・・・さすがにそこまでするんは可哀想か・・・」

律子「んん・・・むにゃむにゃ」

P「とは言え、俺に対して無礼を働いた罰は受けてもらうで」

キュポン

P「くっくっくっ・・・覚悟せいや、律子」

カキカキ キュッキュッ

律子「うぅん・・・ぷろりゅうさぁ・・・くすぐったいれすよぅ・・・」

P「なんつうピンポイントな寝言や・・・」

律子「ん・・・Zzzz...」

P「安心せい、武士の情けや・・・一応水性にしといたから水で消せるで」

P「さてと、もうこんな時間か・・・今更寝てもしゃあないし、片付けるか・・・」

律子「・・・すやすや」

P「はぁ・・・こいつ、スーツ着たまま寝たらシワになってまうやろうが・・・」

律子「んー・・・」

P「・・・ったく、しゃあないなぁ、こいつは・・・」

ゴソゴソ

律子「うぅん・・・ぷろりゅうさぁ・・・何するんれすかぁ・・・ぐぅ・・・」

P「くそっ・・・そんなピンポイントな寝言言うなや、恐いやんけ」

ガサガサ スル...スル...

律子「ぷろりゅうさぁ・・・それ、せくはらですよぅ・・・すやすや・・・」

P「こいつホンマは起きてるんちゃうか・・・別にこの行為に他意は無いからな・・・」

スル...スル... パサッ

律子「ん・・・」

P「起こさんように注意したまま上着脱がすって難しすぎるやろ・・・ってか俺は何をやってるんや・・・」

律子「んん・・・さむい・・・」

P「せっかく寝袋用意しても使わんかったら意味無いやんけ・・・しゃあないな、とりあえず毛布被せとくか」

ファサッ

律子「ん・・・えへへ・・・あったかぁい・・・」

P「ホンマに世話のやけるやっちゃで・・・」

律子「・・・すー・・・すー・・・」

P「しかしまぁ、思いの他楽しかったで、律子」

律子「・・・ん」

P「寝てる奴に言うても意味ないかもしれんけど、風邪ひかんようにな」

律子「・・・」

P「そんじゃな、おやすみ・・・律子」

スタスタスタ ガチャ バタン




律子「おやすみなさい、プロデューサー」


おわる

スーツの話が出てたから最後にちょっとだけスーツ絡めた話で締めさせてもらった

とりあえずぐだぐだながらも終わらせる事が出来てよかった
見ていただいた方、どうもありがとうございました

まだもうちっとだけ続くんじゃよ

以下、番外編

後日、プロデューサー宅


小鳥「まだですかね?まだですかね?」

P「小鳥落ち着け、まだや」

律子「ふふふ・・・良い匂いがしてきましたね」

あずさ「蓋を開けるのが待ち遠しいですねー」

グツグツ

P「しかし、まさかホンマに俺の家で鍋する事になるとはなぁ・・・」

律子「ちゃんと約束したじゃないですか、そこはしっかり守っていただかないと」

P「いや、確かに俺は約束は守る男やけれどもなぁ・・・」

小鳥「こういう、誰かの家で飲み会っていうのもいいものですね」

あずさ「でも良かったのかしら・・・私までお邪魔しちゃって」

P「確かに、あずさは現役のアイドルやもんなぁ・・・ホンマにええんやろか」

小鳥「いいんですよ、あずささんは特例ですよ特例!」

律子「そうですよ、あずささんは貴重な私たちの飲み仲間なんですから」

P「小鳥はともかく、担当プロデューサーのお前が言うてええ台詞やないやろ、それは・・・」

律子「いいんですよ、私と小鳥さんも一緒にいるんだから、何も問題ありません」

小鳥「そうですよ!私たちが一緒にいる以上はプロデューサーさんに間違いなんて起こさせません!」

P「起こすかボケ!」

律子「でもやっぱり飲むとなったらこの面子じゃないと盛り上がらないでしょう?」

P「せやな、確かにお前の言う通りやわ」

律子「だったらいいじゃありませんか」

P「お前も随分とくだけた性格になってきたもんやな・・・」

律子「頭固いだけじゃ世の中やっていけないって教えてくれたのはプロデューサーですよ?」

P「なんや細かい事でぐだぐだ言うのがアホらしなってきたわ・・・分かった分かった」

あずさ「よかったわー、皆さんにそう言ってもらえると私も気が楽になりますー」

律子「何も遠慮なんかすることはないんですよ、あずささん!気兼ねなく、くつろいでください」

小鳥「そうですよあずささん、どうぞ自分の部屋だと思ってもらって!」

P「いやいや、お前らがそれ言うんおかしいやろ・・・ここ俺の家やから・・・」

小鳥「とかなんとか言ってるうちに、そろそろ鍋が良い具合なんじゃないですか?」

グツグツ

律子「もういいでしょう・・・もう十分でしょう、早く食べましょうよ!」

グツグツ

P「せやな、そろそろええやろ・・・」

あずさ「それじゃあ開けますよー?」

律子「おーぷん!早くおーぷん!」

小鳥「ご開帳!ご開帳!」

P「まだ酒入ってへんのにテンション高いなお前ら・・・」

カポッ

小鳥「キター!!ピャッホォォォォイ!!!」

律子「おぉぉぉぉ・・・これは美味しそうですねぇ・・・」

P「確かに、これは間違いなく美味いやろうな・・・これで不味かったら世の中間違ってんで」

小鳥「はやく!はやく食べましょう!」

P「・・・小鳥はちょっと落ち着けや」

あずさ「ちょっと待ってくださいねー、皆さんの分よそいますのでー」

律子「すみません、あずささん、お願いします」

小鳥「はやく!あずささんはやく!」

P「あずさはやっぱり家庭的やなぁー、どこのぞピヨスケと違って偉いわー」

小鳥「ぐふっ」

あずさ「うふふ、プロデューサーさんはどの具がお好きですか?」

P「俺は何でも食うで、バランスよく入れてくれたらええわ」

あずさ「分かりました、お任せください♪」

律子「鍋をよそうあずささんって、何だかとても画になりますよねー」

P「せやな、こんな嫁さんおったら毎日楽しいやろうな」

あずさ「もう、お二人ったら・・・はいどうぞ、プロデューサーさん」

P「おっ、ありがとさん・・・うん、これは美味そうや」

小鳥「あずささんがお嫁さん・・・エプロン姿のあずささん・・・ぶふっ」ボタボタ

P「小鳥、鼻血出てんで」

あずさ「律子さんは入れて欲しい具のリクエストはありますか?」

律子「私も何でも食べますよ、全部美味しそうだし」

あずさ「分かりましたー、それじゃあちょっと待っててくださいねー」

律子「うふふ・・・わくわく」

あずさ「律子さんったらかわいい、子供みたい」

律子「もうー、あずささんってば、茶化さないでくださいよー」

小鳥「はやく!あずささん私も分もはやく!はーりぃあっぷ!」

P「あずさー、小鳥は野菜だけでええそうや」

小鳥「ピヨッ!?プロデューサーさん、ひどいです!あんまりです!」

P「お前はちょっと落ち着かんかい・・・最年長やろ」

律子「ホントにいい年して落ち着きないですね、この人は・・・」

小鳥「」

あずさ「こ、小鳥さん・・・元気出してくださいねー」

小鳥「ピヨ・・・二人ともひどいです・・・」

あずさ「ええっと・・・小鳥さん、どの具材がいいですか?」

小鳥「お肉!お肉!肉中心でお願いしまっす!」

P「あずさ、やっぱり野菜中心で頼むわ」

律子「肉少なめにしてやってください」

小鳥「ぴぇぇぇぇん!二人ともイジメないでくださいよぉぉぉ!!」

あずさ「あ、あらあらー・・・」

P「それじゃ、各自行き渡ったなー?」

律子「ばっちりです」

P「それじゃあ皆、グラス持ってー」

あずさ「はい、オッケーでーす」

小鳥「はよ!はよ!プロデューサーさんはよ!」

P「分かったから、頼むからお前はちょっと落ち着いてくれ」

小鳥「は・や・く!は・や・く!」

P「・・・ほな、かんぱーい」

「「「かんぱーい!」」」

小鳥「んぐっ・・・んぐっ・・・ぷはーっ!うめぇぇぇぇ!」

P「おっさん丸出しやな」

律子「はふっ、はふっ・・・んー!おいしい!」

あずさ「やっぱりお鍋は最高ですねぇー」

P「ヤバイな・・・これは箸が止まらんで」

小鳥「はふっ、はふっ・・・もぐもぐ、あずささんおかわり!」

P「はやっ!つうかお前それくらい自分でやれや・・・」

律子「そうですよ、仮にも女性なんですからそのくらいやりましょうよ」

P「ホンマにお前は女子力ひっくいのー」

律子「もっと出来る女アピールしておいた方がいいんじゃないですか?」

P「ただでさえ婚期逃してるのに、これ以上自分を追い詰めてどないすんねん」

小鳥「」

あずさ「お、お二人とも・・・もうそのくらいにしてあげた方が・・・」

P「あずさ、甘やかすんはこいつの為にならんで」

律子「そうですよ、あずささん!そろそろこのだらしない性格を直さないと手遅れになりますよ」

小鳥「もうやめて!小鳥のライフはもうゼロよ!」

P「まだいけるやろ」

律子「そうですね、まだまだ元気そうですね」

小鳥「ピョェェェ!!この二人鬼やで!鬼畜関西弁と鬼畜眼鏡やで!」

P「ほう、面白い事言うてくれるやんけ」ゴゴゴゴゴ

律子「覚悟、出来てるんでしょうね?」ゴゴゴゴゴ

小鳥「」

あずさ「・・・ふふっ」

P「なんや、あずさ・・・急に笑い出して」

律子「プロデューサー、笑い茸でも入れたんですか?」

P「入れるか!つうかんなもん入れたら全員危険やろが!」

あずさ「いえ・・・何だかお二人とも、ものすごく息がピッタリだなぁ、と思って」

P「・・・そうかぁ?」

あずさ「はい、まるで長年連れ添ったパートナーみたいですよ」

律子「あずささん!その例えはちょっと心外ですね!いただけませんよ!ありえませんよ!」バンッ

P「おい人ん家の机叩くなや・・・つうかそんなに否定されるとさすがに悲しいんやけど」

小鳥「今のうちにお肉を確保、確保・・・ふふふ」

ガシッ

P「おいピヨスケ、随分と手癖が悪いなぁ」

小鳥「」

P「・・・というのは冗談や、折角の鍋なんやし、好きなもん好きなだけ食ったらええで」

小鳥「いやいやいや!そんな風に急に手の平返されると逆に恐いんですけど!?」

P「スマンな、ちょっといじめ過ぎたか・・・」

小鳥「ちょっとどころじゃない気もしますけど!?」

P「悪かったって、お詫びに俺がよそってやるから・・・ほら、何が食べたいんや?言うてみい」

小鳥「・・・えっと、じゃあそこのつみれと豚肉と、あとは・・・」

P「はいよ、小鳥」

小鳥「あ、ありがとうございます・・・」

P「律子は?お前もなんか食べたいもんとか無いんか?」

律子「あっ、いいんですか?それじゃあ私はそこの鳥団子と白菜と・・・」

P「はいよ、ちょっと待ってなー」

あずさ「・・・うふふ」

P「・・・なんや、あずさ、お前も何かよそって欲しいやつあるんか?」

あずさ「いえ、そうじゃないんですけど・・・プロデューサーさんって・・・」

P「ん?」

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