【咲‐saki‐】玄「えっ!お姉ちゃんが料理!?」 穏乃「はい!」 (129)

咲のssになります。キャラ崩壊がひどいです。キャラに思い入れがある人は読まない方がいいかと
一応書き貯めがありますがほぼ思い付きで書いていきますのでよろしくお願いします
最後にあまり慣れていないので文字化け等ありましたら指摘して頂ければ嬉しいです

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阿知賀 某日


玄「おーもちーおーもちーたーっぷりおーもちー♪」

玄「おーもちーおもーちーたっぷりいーわとーがやーってくーるー♪」トコトコ

穏乃「玄さーん!」タッタッ

玄「おや、シズちゃん。今日も元気ですねー何かあったの?」

穏乃「何かあったって言うか今日は阿知賀麻雀部の話し合いの日ですよ。玄さんが来ないから勝手に話進めちゃいましたよ?」

玄「あっごめんなさい!今日は脳内おもち会議の日だったからそっちを優先しちゃいました」ペッコリン

穏乃「なーんだ。いつものですか。それなら仕方ないですね!」

玄「ところで本日は何の話合いだったので?」

穏乃「来月に和がこっちに遊びに来るんで歓迎会をやろうって話だったんですよ」

ちょっと戻って阿知賀麻雀部室 話合い中

穏乃「ではでは!来月に和がこっちに来るんですけど何か歓迎会でやりたい事はありますかー?」

憧「うーん。和の昔の思い出の場所巡りとか?」

穏乃「それいい!さすが憧!」

憧「ほ、誉めてもなにも出ないわよー!」テレテレ

灼「歓迎会って名目だし料理とか振る舞うのもいいと思…」

穏乃「料理もいいですね!…でもこの中で料理出来る人いる…?」

憧「わ、私は無理かなー。今覚えてる最中だし」

灼「提案してなんだけど私も苦手。作れても玉子焼きくらいしか…」

穏乃「私ももちろん無理だし無難にどこかのお店に食べに行こうか」

宥「あ、あのー」

穏乃「宥さん、どうかしましたか?」

宥「う、うん。実は私少しだけ料理できたり…」フルフル

穏乃「!本当ですか!!」

憧「まぁ宥姉確かに料理上手そうだもんねー」ウンウン

灼「見た目通りのハイスペック…」ウンウン

穏乃「よし!これで和を歓迎出来るぞー!」ウオォォ!

灼「じゃあ料理担当の宥さんを胴上げしよ…」

憧「いいわねー!やっちゃいましょうか!」

穏乃「よっしゃ!胴上げだー!」

穏乃 憧 灼「ゆーうさん!ゆーうさん!」ワッショイワッショイ

宥「わわ…」ポーンポーン

穏乃 憧 灼「ゆーうさん!ゆーうさん!」ワッショイワッショイ

宥「みんな…私頑張るね!」アッタカーイ

穏乃「…って事があったんですよ」

玄「ふんふむなるほどなるほどー。お姉ちゃんが料理担当なんだね!」









玄「えっ?」

玄「それってつまり私のお姉ちゃんの松実宥が和ちゃんとみんなの為に手料理を振る舞うって事かな?」

穏乃「そうですよ。玄さんのお姉さんが私達に料理を振る舞うんです」

玄「あっなるほどなるほどー。尾根井さんって方が私達に料理を振る舞ってくれるんだね!」

穏乃「違いますよ!松実宥さんが手料理を作ってくれるんです!」

玄「シズちゃん…」ガシッ

穏乃「えっどうしたんですか?玄さん」アタフタ

玄「…それはアカンやつや…」

穏乃「えっ」

玄「それだけはホンマにアカン。最悪和ちゃんが長野に帰れんくなる…」

穏乃「く、玄さん。話し方が…」

玄「はっ!これはこれは大変失礼をば!」ペッコリン

穏乃「それよりどういう事ですか?宥さんに料理を作らせてはいけないとか」

玄「そっかー。シズちゃん達はまだ知らないんだね」

玄「あれはお母さんが亡くなって1年ぐらい経った時にね…」

玄「お母さんが居なくなって身の回りの事は女将さんや旅館の方達がしてくれてたんだけどこのままじゃいけないって幼いながらに思ってね」

玄「お姉ちゃんは旅館の手伝い、私は家の事を精一杯頑張ってみようって二人でその時決めたんだぁ」

穏乃「玄さん…」ウルウル

玄「それで今では私が家事全般、お姉ちゃんが女将さんの補佐をするくらいまで成長してね」

穏乃「なるほど…でも宥さんに料理を作らせてはいけない理由が分かりませんが?」

玄「うんうん。ここからその話になるわけだけど、さっきの話で分かった通り私は家事全般、つまりは料理とかが得意になった訳だよ」

穏乃「はい」

玄「それとは反対にお姉ちゃんは旅館の手伝い、つまりは経営者としての能力が目覚めた訳だね」

穏乃「はい…?」

玄「つまりはお姉ちゃんは家事全般を今までやった事がない…料理なんて出来ないんだよ!」

穏乃「な、なんだってー!?」ズガーン

穏乃「あれ?でも宥さん料理は得意って言ってましたけど」

玄「…お姉ちゃんは昔から人とは違うセンスの持ち主でね。これは今から2年くらい前の話なんだけど…」

2年前 まつみけ

玄「呼吸をー止めて一秒おもち真剣な揺れをしたからー♪」

玄「そこから目線外せなくなるの石戸はロンリネンス♪」トコトコ

宥「玄ちゃーん」

玄「おや、お姉ちゃん。手伝いはしなくても大丈夫なの?」

宥「うん。今日は女将さんが休んでも大丈夫だからって…」フルフル

宥「だから今日は私が夕飯作るね!」

玄「いやいや、大丈夫だよ。せっかくのお休みだし遊びに行ってきていいんだよ?」

宥「…玄ちゃん今日が何の日か分かる?」

玄「うーん…おもちの日?」

宥「違うよぉ…今日は母の日なんだよ」

玄「母の日…でもお母さんは…」

宥「だから今日は玄ちゃんの日でもあるんだよ?」

玄「えっ私の日…?」

宥「そうだよぉ。玄ちゃん今までお母さんの代わりに家の事全部やってくれてたでしょ?だから玄ちゃんは松実家の母でもあるんだよ?」ニコニコ

玄「私がお母さん…?」

宥「うん。だから今日はゆっくりしてね?」

玄「お、お姉ちゃん…」ジワッ

宥「いつもいつもお疲れ様」ニコッ

玄「うわーん!おねいちゃーん!」ダキッ

宥「わわっ玄ちゃん大丈夫?」

玄「お姉ちゃんだいずぎだよー」ウワァーン

宥「フフッ私も玄ちゃんが大好きだよー?」ギュッ

宥「落ち着いた?」

玄「うん」スンスン

宥「じゃあ夕飯の準備しちゃうね。玄ちゃんは何か食べたいものある?」

玄「お姉ちゃんが作ってくれるならなんでも美味しいに決まってるよー!」

宥「そ、そんな事ないよー」ハワワ

宥「じゃあ出来るだけ豪勢な料理にしちゃうね♪」

玄「楽しみだなぁ!私はお部屋で待機してますのだ!!」ビシッ

宥「準備出来たら呼ぶからゆっくりしててね」ウフフ

玄(あれから一時間…そろそろ夕飯出来たかなー♪)ワクワク

宥「玄ちゃーん。夕飯の準備出来たよー」

玄「待ってましたー!!…これはステーキソースの臭い?」クンクン

宥「うん。ちょっと奮発してステーキ作っちゃった♪」

玄「お姉ちゃんすごーい!早くテーブルに運ぼう!」

宥「玄ちゃんは席に着いてて♪私が運ぶから♪」ウフフ

玄「はーい!おとなしく待ってますのだ!」

宥「お待たせー♪」ジュージュー

玄「うわわ!既にソースのいい香りが!」

宥「さ、玄ちゃん召し上がれ♪」コトッ

玄「いっただきまーす!」ガブッ

玄「!!」ジュワッ

玄(す、すごい…!一口噛んだだけで大量の肉汁が…!)モグモグ

玄(しかも噛むたびにさっぱりした肉汁と濃厚なソースが絶妙に絡み合い…)モグモグ

玄(あれ?肉汁なのにさっぱり?)モグ…

玄(な、何これ…何か果汁のような物とソースが最悪の味を醸し出して…)モ…

玄(全然噛みきれない…何これ…あれ?どこかで食べたことあるような…もう一口!)モグ

玄(うんうん。あーこれあれだ。小さい時に大好きだった…)モグモグ






玄「ナタデココじゃねーか!!」ブフォォ!

ナタデココじゃねーか!

ナタデココじゃねーか

ナタデココじゃねー…

ナタデココじゃね…

ナタデココじゃ…

――………


……―――

玄「って事があってね…」

穏乃「な、ナタデココのステーキ…」

玄「お姉ちゃんに悪気が全くないからツッコミもろくに出来なかったよ…」ハァ…

穏乃「…でも信じられないですよ。宥さん見た目で凄く家庭的な感じじゃないですか。もしかして全部玄さんの妄想じゃ…?」

玄「バカにし過ぎだよ!…まぁ気持ちは分かるよ。なら家に来てお姉ちゃんの料理食べてみる?」

玄「お姉ちゃんにはシズちゃんの大好物を用意してもらっておくから」

穏乃「えっ!?いいんですか?喜んでごちそうになります!」

玄「じゃあ今晩家で待ってるから。あ、胃薬は自前でお願いします」ペッコリン

穏乃「わ、わかりました。では8時頃に伺いますね!」

穏乃自宅

穏乃「あ!そうだった。今日は憧の家に泊まりに行く約束してたんだった…でも宥さんの真相を見極めたいしな」

穏乃「憧には悪いけど断りの連絡入れとこう」ピッピッ

憧自宅

憧「ふふーんふーん♪シズが泊まりに来るのも久しぶりよねー!失礼がないように部屋の掃除と体の掃除しとかなきゃ!」

憧「そして夜、遊び疲れたシズにこの色々なものが入ったコーヒーを飲ませて…」クフフ


穏乃『あこ…わ、私なんだか体が熱くて…もっと側にいってもいいかな…?』

憧『しょうがないなぁ。そんなに熱いならジャージ脱いじゃいなよ』

穏乃『わ、分かったよ…じゃああこも一緒に…ね?』


憧「うっぎゃー!シズかわいいかわいいかわいいかわいい!よーし!今夜こそは…」カガヤイテーココイチバンー

憧「ん?メールだ。シズかな?」ピッ

fromシズ

ごめん憧!今夜は玄さんとイッてくるね!



憧「」

穏乃「んー。何か色々はしょったメールになっちゃったけど大体分かるよね!」

穏乃「あ!そろそろ時間だ。いい具合におなかも空いてきたし…」クー

穏乃「玄さんはああ言ってたけど私にはやっぱり信じられないよ。きっと玄さんの妄想劇場だよね!宥さんの作るご飯楽しみだなー♪」ワクワク

まつみけ

穏乃「くーろーさーん!きーまーしーたーよー!」ウォォ!

玄「し、シズちゃん!そんな小学生みたいに叫ばなくても!インターホンの意味が全くないよ!しかももう夜だよ!ご近所迷惑だよ!」

穏乃「あ、すいません。もうおなかペコペコで」

玄「今お姉ちゃんが作ってくれてるからもうちょっと待っててね。玄関で話すのもなんだしどうぞお上がり下さい!」

穏乃「わかりました!お邪魔しまーす」ガラガラ





宥「あらぁ穏乃ちゃんいらっしゃーい」ポワポワ

穏乃「宥さん、今日はごちそうになりに来ちゃいました!私凄く楽しみです!」ワクワク

宥「ふふっ今スープを煮込んでるから玄ちゃんのお部屋でもう少し待っててね♪」

穏乃「わっかりましたー!行きましょう玄さん!」

玄「う、うん。そうだね…」トコトコ

玄の部屋

穏乃「玄さん!今日のメニューは何ですか?」ワクワク

玄「言ったでしょ?シズちゃんの大好物だよ。きっとね…」

穏乃「私の大好物?もしかしてあれですか?ナンですか!?」ガタッ

玄「違うよ!ナン単品なんて別に食べようとも思わないよ!って言うかシズちゃんナンが好きだったの!?初耳だよ!」

穏乃「うーんナンじゃないなら全然分からないなぁ。でも楽しみにしときますね!」

玄「どうして選択肢がナンしかないの!?まぁシズちゃんが好きなものには違いないはずだから…」


クロチャーンジュンビデキタヨー


玄「あ、準備出来たみたいだね。それじゃあ行こうか」

穏乃「はい!」

宥「穏乃ちゃんお待たせー♪」コトッ

穏乃「わぁ!これスープですか?もしかしてナンの付け合わせですか!?」フンフン

玄「いい加減しつこいよ!さっきナンの可能性は全否定したばかりだよ!…お姉ちゃんこれは…?」

宥「ふふっちょっと待っててね♪あ、そのまま飲んだらダメだよ?濃いからね」

玄「お、お姉ちゃんまさか…」ガタガタ

穏乃「うーん!スープから豚骨ベースのいい香りが!もしかして私の大好物って…」

宥「そうだよ?♪穏乃ちゃんラーメンが好きでしょ?だから豚骨ベースの漬け麺にしましたー!」ジャーン

玄「な、何と言う事だ…」ガタガタ

松実玄は驚嘆した。確かに姉には穏乃の好物であるラーメンを作って欲しいとお願いしたのだ。
その理由は2つある。1つはインスタントラーメンなら流石の姉もミスのしようがない。なぜなら松実家に買い置きしてあるうまかっちゃんには初心者でも間違えないように作り方が書いてあるのだ。仮にミスをしたとしても水の分量間違い程度のものだろう。そう、食べれない事はないのだ。
2つ目は煮込む料理だからである。焼く、混ぜる、これらをしなければ最悪の事態には至らない。
松実玄の計画は完璧だった。姉が少しのミスをしてしまう→穏乃がそれを指摘する→成る程ー!と姉は納得する→じゃあ和ちゃんへの料理はミスしちゃうといけないから私も手伝うよ→うふふー!
そう完璧だったのだ。しかし…




人は予想を越えてくる…!!

玄「お、お姉ちゃん。漬け麺なんて作った事あったっけ…?」ダラダラ

宥「んーん。今日が初めてだよー♪」ポワポワ

玄(ま、まずい…麺はまだしもスープは何が使われているか検討もつかないよ…)

穏乃「うーん!我慢できない!スープ一口いただきます!!」ゴクッ

玄「ま、待つんだぁ!早まってはいけないよ!」

穏乃「うっ…こ、これは…」

玄「うわー!大変だよぉ!救急車救急車ー!!」ウワァァア!

穏乃「……凄く美味しい!!」テッテレー

玄「わぁぁあ!シズちゃんしっかりして!…えっ」

穏乃「宥さん!このスープ凄く美味しいですよ!ほら、玄さんも飲んでみて下さいよ!!」ハイ

宥「良かったぁ!失敗したらどうしようって思ってたの♪」

玄「ば、バカな…!あり得ない…!これは罠!信じてはいけない…!圧倒的罠!!」ざわ…ざわ…

穏乃「自分のお姉さんどんだけ疑ってるんですか。ホントに美味しいんですよ!このスープとご飯があれば和も喜びますよ!」

玄「うぅ…分かったよ…ちょっと飲んでみるよ…」

玄「南無三!!」ゴクッ

松実玄はまたも驚嘆した。姉が作ったスープが美味しいのだ。漬け麺用に作られた濃厚な豚骨ベースのスープの中におそらく野菜、魚介類も一緒に煮込んだのであろう、飲み終わった後には全くしつこくないあっさりとした後味。
長年家事をやってきた松実玄でもこの味は生み出せないだろう。たかがスープ、されどスープ。姉、松実宥はスープという分野において松実玄の上をいったのだ。

玄「お、おいしい…!お姉ちゃんスゴいよ!お店出せるレベルだよこれは!!」

宥「それは言い過ぎだよー」テレテレ

穏乃「宥さんやっぱり料理上手なんですね!流石です!」

宥「もう、そんなにおだてても何も出ないよー?じゃあ麺を持ってくるからちょっと待っててね♪」トコトコ



穏乃「全然心配なさそうじゃないですか玄さん」ヒソヒソ

玄「うん…正直私もビックリしてるよ。いつの間に出来るようになったんだろ」ヒソヒソ

穏乃「実は宥さんは元から料理上手だったんだけどそれを認めたくない玄さんが宥さんは料理下手っていう幻想を持ったまま幼少期を過ごしたっていう可能性は?」ヒソヒソ

玄「ないよ!シズちゃんの中で私はどれだけ根暗なの!?」ヒッソォォ!

穏乃「いや、ずっと一人で掃除してたから結構暗いのかと」ヒソヒソ

玄「まぁそれはそうかも…ってシズちゃん言い過ぎだよ!いつからそんな子になっちゃったの!?」ヒッソソォォ!



宥「麺持ってきたよー♪」コトトッ

見てくれてる方すいません。眠気がピークなので一旦寝ます
あと、キャラ崩れ過ぎて不快な思いをした方すいません。この後他の学校も出て来る予定ですがやっぱり崩れてると思います

1です。意外に読んでくださってる方がいてびっくりしました
本日中に終わらせる予定ですがちょくちょく食事等挟みますのでお願いします

穏乃「きたきたー!玄さん!早速食べましょうよ!!」フンフン

玄「そうだね!いただきまーす!」パクッ

穏乃「いっただきまーす!」パクッ

宥「はーい♪召し上がれ♪」

玄 穏乃「!!」

宥「ど、どうかな…?」オソルオソル

玄(な、なんだこれ…この麺ブドウの味がするよぉ…シズちゃんはどう?)アイコンタクト

穏乃(あ、私の気のせいじゃなかったんですね。ちなみに私のはみかんの味がします…)アイコンタクト

玄(うーん。どこかで食べた事あるような…)モッチモッチ

穏乃(私も覚えがあります…小さい頃に食べたような…あ、分かった!)モッチモッチ

玄(シズちゃん分かったの?私全然分からないよ…)

穏乃(これアレですよ!駄菓子屋に売ってる長いグミのお菓子…)

玄(なるほどなるほどなるほどー。思い出したよ。懐かしいなぁ…)





玄「ヒモQじゃねーかこれ!!」ブッフォォオオ!ガタターン!


ク,クロサンオチツイテー! クロチャンドウシタノー!?

ワー ワー

---……

……玄の部屋

玄「シズちゃん分かってくれたかな…?」ズーン

穏乃「はい…まさか宥さんにあんな一面があったとは…」ズーン

玄「…やっぱり和ちゃんの歓迎会では私が料理するよ」

穏乃「えっ?」

玄「せっかく長野から来てくれるんだからヒモQ漬け麺なんて食べさせられないよ!」

穏乃「…」

玄「お姉ちゃんには私から上手く伝えるから…」

穏乃「玄さんのばかー!」ベシッ

玄「へぶんっ!な、何するのシズちゃん!」

穏乃「玄さんのバカ!意気地無し!」

玄「シズちゃん…」

穏乃「無能!カス!ドラ置き場!」

玄「そろそろ怒るよ?」

穏乃「宥さんはあまり面識のない和の為に頑張って料理を振る舞おうとしてるんです!そんな宥さんの好意を…無駄になんて出来ないよ!」

玄「…うん。そうだよね。私間違えてたよ」

穏乃「玄さん…!分かってくれましたか!」

玄「でもでもシズちゃん。和ちゃんに作る料理はどうするの?ヒモQ漬け麺、ナタデココステーキ、おそらくはこの2択になるけど…」

穏乃「そ、それは…もしかしたら和は喜んで食べるかもしれないし!」

玄「和ちゃんの舌をバカにし過ぎだよ!あんなの食べれる人類なんて存在しないよ!」

穏乃「それは言い過ぎかと…」

玄「ご、ごめんつい…」

穏乃「でもホントにどうすれば…」ウーン

玄「そうだ!本番で私が隠れて上手いことお姉ちゃんをサポートすれば大丈夫だよ!」

穏乃「分かりました!宥さんでも美味しく作れるレシピを探しに行きましょう!」テッテレー

玄「人の話を1ミリも聞いてないの!?そんなことしなくても大丈夫…」

穏乃「玄さんのばかー!!」ベシシッ

玄「あびしっ!ま、また!?」

穏乃「宥さんは自ら進んで立候補したんです!そう…これは宥さんの、いや、宥さんだけが、あの、ほら…」

玄「グダグダ過ぎだよ!しっかりまとめてから発言しようよ!私殴られ損だよ!!」プンプン

玄「まぁ…シズちゃんの言いたい事は分かったよ」ハァ…

穏乃「流石玄さん!話が分かる!」

玄「で、誰にレシピを教わるつもりなの?」

穏乃「玄さんも知ってる方ですよ。龍門渕の執事さんです!」

玄「なるほどなるほど。確かにあの方が作る料理は一級品だったね。シズちゃんいつの間に連絡先聞いたの?」

穏乃「連絡先?知りませんよ。」

玄「えっ」

穏乃「分からないなら直接長野に聞きに行けばいいんですよ!」

玄「は…?」

穏乃「って事で明日の朝出発するんで玄さんも準備しててくださいね!ではごちそうさまでしたー!」シュタタタタ…

玄「え?ちょまっ、早っ!もう見えないよ…」ドウシヨ…

レジェンドはすこやんと麻雀打ちに行って連絡が取れない設定でお願いします。



翌日まつみけAM5:00

玄「うーん。石戸さん。そんなにおもちばかり食べられないよぉ…」ムニャムニャ

穏乃「玄さん玄さん」ユサユサ

玄「ううーん。あっ薄墨さんはいらないです」ムニャムニャ

穏乃「起きろ!」バスンッ!

玄「らいちっ!痛たた…ってシズちゃん!?どこから入ったの!?」

穏乃「いい感じに屋根があったので窓からお邪魔しました」ペッコリン

玄「不法侵入だよ!訴えたらシズちゃん負けちゃうよ!?」

穏乃「まぁまぁ。じゃ、早速出掛けましょうか!」

玄「いや、色々言いたい事はあるんだけど…和ちゃんが長野から来るのに私達が長野に行ったら元も子も無いんじゃないの?」

穏乃「大丈夫です!和にバレないように細心の注意をはらいます!」

玄「まぁそこは置いとこう。じゃあ何で長野まで行くの?」

穏乃「それは旅館の横に停めてあるジュンチャン号で行きます!」ホラ

ジュンチャン号「」チリンチリーン


玄「うん。私の見間違いかな?あれは自転車だよね?」

穏乃「違います!ジュンチャン号です!」


ジュンチャン号「」ハヤクシロヨ


玄「あれで長野まで行くつもりなのかな?高鴨穏乃は?」

穏乃「はい!二人乗りで行きますよ!」

玄「」


ジュンチャン号「」マァオレニマカセトケヨ


玄「うるさいよ!」

穏乃「く、玄さん!?どうしたんですか?」

玄「あぁごめんなさい。朝早いから幻聴が聞こえて…」

まつみけ外


穏乃「では早速出発しますよ!玄さん準備はいいですか?」

玄「うん…もういいよ。諦めた。その代わり私自転車漕がないからね!」

穏乃「自転車じゃありません!ジュンチャン号です!」プンプン

玄「もうジュンチャン号でもサンショク号でも何でもいいよ…早く行っちゃおう!」

穏乃「おっしゃあぁぁー!!やぁってやるぜぇぇええ!!」ゴォォオオ!

玄「えっ?な、何!?」ワタワタ

穏乃「いっっっけぇぇええ!!」シュゴォォオオ!!

玄「ちょ、速すぎいぃぃ‐‐‐……」

AM9:00長野のどっか

穏乃「ふひゅうーいい汗かいたー!!」ノビー

玄「」オロロロロ…

穏乃「玄さん?どうしたんですか玄さん!」ユサユサ

玄「ちょ…やめてやめて…お願いだから揺らさないで…」オロロロロ…

穏乃「朝ごはん食べないからそんなことになるんですよ。何か食べに行きます?」

玄「朝ごはん食べる暇を与えなかったのは誰だよ!っていうかこれは間違いなく乗り物酔いの症状だよ!!自転車でまさか高速乗るとは考えもしなかったよ!!」ゼーハー

穏乃「でもほら、高速乗ったお陰でもう長野に着いたんだから万事休すですよ!」

玄「それ違うと思うけど…まぁいいや、それで龍門渕の方には連絡がいってるので?」

穏乃「いや、連絡先知らないって言ったじゃないですか」

玄「えっホントに知らなかったの!?冗談だと思ってたよ…」

穏乃「大丈夫です!流さんは龍門渕さんの執事ですし居ますよ。きっと」

玄「萩原違いだよ!ここまで来てアポ無しって…」ハァ…

穏乃「まぁとりあえず行ってみましょう!龍門渕さんの家へ!」

玄「シズちゃーん。まだ着かないの?そろそろお疲れムードが漂ってきたよ…」

穏乃「あっれー?おかしーな。こっちじゃなかったっけ?」ウーン

玄「誰かに聞いた方が早いかもね。立派なお屋敷だったし知らない人はいないんじゃないかな?」

穏乃「それが間違いないですね。でもそれ以前に人に出会わないのですが…」

玄「町の方に出れば誰かしらいるんじゃないかな?とりあえずこのまま駅を目指して…」

クロチャンサーン! ドドド…

玄「ん?今何か聞こえたかな?」

穏乃「何か玄さんを呼んでたような…」

クーロチャンサーン!! ドドドドドド…

穏乃「やっぱりこれ玄さんを呼んでますよ!」

玄「おや?向こうからすごい勢いで女の子が走って来ますがまさか…」

???「やっぱり玄ちゃんさんだー!何か気配がしたんですよー!!」キャハー

穏乃「み、宮永さん!?」

玄「なんで宮永さんがここにいるのかな!?あと気配ってどういう事!?」

咲「玄ちゃんさんの気配くらいすぐ分かりますよー!あと宮永じゃなくて咲って呼んで下さい!!」

穏乃「玄さん、いったいいつの間に宮永さんと仲良くなったんですか?」

玄「インハイ終わってホテルで和ちゃん達と麻雀打ったでしょ?その時にえらくなつかれてしまって…」

咲「だって玄ちゃんさんと私の麻雀の相性ぴったりですよー?麻雀の相性が良いって事はきっと恋人としての相性も完璧だと思うんです!って事で結婚しましょう!すぐに!今ここで!!」

穏乃「」ムッ

穏乃「まぁ麻雀と恋愛の相性はまったく別物ですよね。玄さん」

咲「あれあれ?穏乃ちゃんは何を言っているのかな?そんなの付き合ってみないと分からないよね?ということで私と付き合いましょう!玄ちゃんさん!」ダキツキ!

玄「えぇっ!?」

穏乃「やめろよ!玄さん困ってるだろ!」プンプン

咲「えー?そんなことないですよね?」ギュウ

玄「ま、まぁ嫌な訳じゃないんだけどちょっと離れてくれるかな?」

穏乃「そーだそーだ!離れろー!!玄さんは今から私と用事があるから急いでるんだよ!」

咲「用事ってどこかに行くの?」

穏乃「そうだよ!私と玄さんは龍門渕さんの執事さんに簡単に作れるレシピを教えて貰いに長野まで来たんだ!」

玄「その道中で道に迷ってしまって困ってたところなのです」

咲「なるほどー。私りゅうもんさんのお屋敷知ってますよ?」

玄「ホントに!?良ければ案内してくれないかな?」

穏乃「玄さん!こんな奴に頼らなくても…」

咲「でも場所分かんないんだよね?」

穏乃「ぐぬぬ…」

玄「シズちゃん。ここはせっかくだし案内してもらおうよ」

穏乃「玄さんがそう言うなら…」

咲「でもそれには条件があります!」

玄「条件…?」

咲「簡単ですよ。今日はウチに泊まっていって下さい。そして一緒にお風呂に入って下さい!!」ドゲザー

玄「よ、欲望に忠実だね…」

穏乃「そんな条件飲む必要ないです!阿知賀に帰って私と温泉入りましょう!」

玄「シズちゃんまで何を言い出すの!?」

咲「お風呂で私の胸触り放題ですよー?」ペターン

穏乃「私だって玄さんになら触られても平気です!」ペペターン

玄「うむむ…」



ああ、全能なるおもち神よ。こういう時どうすればいいんでしょうか…?

おもち神(偽)『触ってしまえばいいのですよー。ちっちゃいとはいえおもちはおもち。むしろただ大きいだけのおもちより張りがあって揉み心地いいかもですよー?』

玄「そ、そうかも…私はただ大きいおもちだけを求めてたけどそれは間違いなのかな…」

おもち神『そんなことはありませんよ』

玄「!!」

おもち神『おもちは大きいもの。それが自然の摂理。お餅だって焼く前より焼いた後の方が大きいし美味しいでしょ?焼く前のお餅に価値なんてないのです。さぁ、目覚めなさい松実玄!』

玄「そうだよ…危なく騙されるところでした!」

おもち神『さぁはっちゃん。よくも私の名前を語って言いたい放題言ってくれたわね?お仕置きよ』ゴゴゴゴ…

おもち神(偽)『ひ、ひいぃぃ!霞ちゃん!許して下さいですよー!!』ガタガタ

おもち神『いいえ許しません。今夜は霞スペシャル×5セットよ』

おもち神(偽)『い、いやですよーー!!』

………――

咲「玄ちゃんさん!」

穏乃「玄さん!」

咲 穏乃「「どっちとお風呂入るんですか!?」」

玄「わ、私は……」

玄「私はどちらとも入りません!」

玄「二人とも……」

玄「お も ち つ け て 出 直 せ!!!」

咲「」

穏乃「」

玄「はっ!しまった!脳内おもち会議の結果をそのまま口に出しちゃったよ!」アセアセ

咲「」チラッ

穏乃「」コクン

玄「あ、あれ?二人とも私を挟んで何を…?」

咲「マグネットパワープラース…」ユラー

穏乃「マグネットパワーマイナース…」ユラー

玄「こ、これはまずい!?」

咲 穏乃「「クロスボンバァァーー!!」」ドドゴォ!

玄「ひしもちっ!」グシャア

咲「私はまだまだこれから伸びしろがあるから大丈夫なんです!」プンプン

穏乃「私だってこれからもっと大きくなります!二倍くらいにはなりますよ!」プンプン

玄「ま、マイナスとマイナスを足したところでそれは結局マイナスなんじゃ…」ゲホゲホ

穏乃「だまれ!!」ポコンッ

玄「ちまきっ!わ、私が悪かったよぉ…」シクシク

咲「じゃあ着いてきてて下さい。りゅうもんさんのとこに案内しますよ」

玄「みやな…咲ちゃん、いいの?」

咲「他ならぬ玄ちゃんさんの頼みですからね。さっきのは冗談ですよ」

穏乃「宮永さん…いい人だったんだね。お願いします!」

咲「あ、穏乃ちゃんは私と玄ちゃんさんが出発してから20分後に出てね♪」

穏乃「」



宮永咲…!やっぱり私が倒すべき相手だ!!

なんやかんやで龍門渕邸付近

咲「あ、見えました。あのお屋敷がそうですよ」

玄「久しぶりに見たけどやっぱりすごくすごいお屋敷だねぇ」ホェー

穏乃「では早速行ってみましょう!」

玄「ってシズちゃん!?さっきまで居なかったのにいきなり!?」

咲「もぅ。出るのは20分後って言ったでしょ?」

穏乃「ちゃんと守って20分待ってから追いかけてきたよ!」

玄「でもでもどうやってここが分かったので?」

穏乃「玄さんの臭いを追っかけてきました!」ドヤァ

玄「…私そんなに臭いかなぁ…」クンクン

穏乃「そんなことないです!いい香りですよ!」

咲「そうですよー!玄ちゃんさんが臭い訳ないじゃないですか!ホラ、こんなにいい香りですよ!!」クンカクンカスーハースーハー

玄「うわわっ!咲ちゃん!分かったからスカートに潜りこまないでー!」

穏乃「おい!玄さん嫌がってるだろ!」プンプン

咲「穏乃ちゃんは知らないだろうけど嫌よ嫌よも好きのうち。って言葉が日本にはあってね…」

穏乃「玄さんとは長い付き合いだから本気で困ってるときはすぐわかるんだよ!」

玄「まぁまぁ二人とも落ち着いて…って門のところ誰か掃除していらっしゃるけどあれは…」

???「ふふーんふふふーん♪」サッサッ

咲「燕尾服ですしハギヨシさんかもですね!」

穏乃「ナイスタイミング!早速話してきます!」ダダッ

玄「シズちゃん!走ったら危ないよ!」

穏乃「大丈夫ですよー!…ってうわっ!」グラッ

玄「シズちゃん!?」

???「おいおい大丈夫かよ?」ガシッ

穏乃「あ、ありがとうございます。あれ?萩原さんじゃない?」

純「なんだよハギヨシに用事か?アイツなら今いねーぞ」

玄「シズちゃん大丈夫!?」タタッ

咲「あ、井上さんお久しぶりです。」ペッコリン

純「なんだなんだ次から次に。どういう組合わせでいったい何の用だよ?」

穏乃「す、すいません!私と玄さん覚えてますか?1度練習試合を受けてもらったんですけど…」オドオド

純「あぁ?忘れる訳ねーだろ。こんな衣並みにちっちゃい生物」ワッシャワッシャ

穏乃「わわっ!あ、頭撫でないで下さい…///」

純「悪い悪い。ちょうどいい位置に頭があるもんだからついな。で?奈良から何の用でここまで来たんだ?」

玄「それは私から説明致しますです!」

すいません。30分程外します。無駄に長くなりそうで後半分くらいで終わらせる予定です。よろしくお願いします

説明終了


玄「…と、まぁこんな感じなのです」

穏乃「ぜひとも萩原さんに宥さんにでも作れるレシピを教えて頂こうと思いまして…」

咲「でもハギヨシさんいらっしゃらないんですよね?」

純「そーなんだよ。ハギヨシの奴今まで休みっていう休みを取った事ないから透華が無理やり豪華客船での世界一周旅行に行かせてな」

玄「そんなぁ…やっぱりアポ取ってから来た方が良かったよぉ…」

純「悪いが力になれそうにはないな。ウチの奴等も料理なんてからっきしだし…」

???「純?何かありましたの?」ガチャ

玄「透華さん!いきなりおじゃましてすみません」ペッコリン

穏乃「龍門渕さん、お久しぶりです!」ペッコリン

純「いやな、こいつらが…」


説明中


純「…って訳なんだわ」

咲「ちなみにりゅうもんさんも料理ダメなんですか?」

透華「そ、そんなことありませんわ!ハギヨシの代わりに私が力になってもよろしくってよ?」

純「え゛っ」

穏乃「ホントですか!是非お願いします!」

玄「私からもお願いします!」

透華「そんなに畏まらなくて結構ですわ。早速始めましょうか。着いていらして」トコトコ

純「ちょま…」



純「…いっちまったな」

咲「どうかしたんですか?」

純「…透華に料理をさせたらダメなんだよ。あいつら最悪病院送りだぞ…」

咲「どういう事なんですか?もしかして玄ちゃんさんのお姉さんと同じ感じなんですか…?」

純「まぁそんなとこだ。とりあえずどうにかしないとな…国広くんに緊急連絡しとくか…」ピッピッ

咲「…はっ!つまり玄ちゃんさんが危ない!?私も行きます!」ダダッ

純「おい待て…はぁ…俺も行くか」

龍門渕邸内

透華「それではまず私が見本を御見せしますわ!高鴨さんと松実さんはそちらの応接間で寛いでくださいませ」スタスタ

玄「ほわー!改めて見ると高そうなものばかりだねー!」

穏乃「ホント凄いですね…このテーブル金で出来てますよ」スゲー


龍門渕職員休憩所

一「あーやることなくて暇だなー。…ハギヨシさん今頃楽しんでるかな?」フフッ

ビーッビーッ

一「ん?純君からだ。緊急用の携帯に連絡って何かあったのかな?どれどれ…」ピッ

トウカガリョウリヲスルケハイ。ナントシテデモソシセヨ

一「」

一「ま、まずい…どうしよう…そ、そうだハギヨシさんに連絡して対処法を…」ピッピッ


世界のどっか。豪華客船上

VIP「まさか萩原君と一緒に旅行できる日が来るとはな。少しは仕事にも飽きてきたかね?」ハッハッハ

ハギヨシ「いえ、とんでもない。これは透華御嬢様のお心遣いですからね。せっかくなので楽しませていただきますよ」フフッ

VIP「そうかそうか…ところで
私の娘が君の事を大層気に入っててね。時間があれば今度食事でもどうかね?」

ハギヨシ「そんな、恐れ多い…失礼、携帯が…」ピルルルルピルルルル ピッ


ハギヨシ「おや国広様。いかがいたしましたか?」

一『あ、ハギヨシさん!お休みなのにごめんなさい!』

ハギヨシ「いえいえ、私に連絡が来るということはお屋敷で何かありましたか?」

一『実はと、透華が料理を作ろうとして…』

ハギヨシ「な、んだと…国広様。二時間だけ時間を稼いで下さい。すぐ戻ります」

一『え!?戻るってハギヨシさん…』ピッ


VIP「おお萩原君。どうかね?娘と会ってくれないかね?」

ハギヨシ「申し訳ありません。私は龍門渕透華様の執事ですので…」

VIP「それは残念…って船首に登ってなにを!?危ないから降りたまえ!」

ハギヨシ「どうやら私にはまだ休日は取れそうにあれませんね」ニコッ

ザパーン

VIP「と、飛び込んだ!?誰か!誰かー!!」


………――

戻って龍門渕邸


咲「玄ちゃんさん!」バーン

一「ひょわぁ!み、宮永さん!?ビックリしたぁ…」

咲「国広さん!玄ちゃんさんは!?玄ちゃんさんは無事なんですか!?」ユサユサ

一「お、お、落ち着いて…」ガクガク

純「おら、何やってんだ」コツン

咲「痛い!はっ!すいません。慌てすぎました…」

一「落ち着いてくれたようで何よりだよ…で、純君。あの連絡は…」

純「あぁ。透華のやつ阿知賀の二人に料理作る気まんまんだぜ。こういう時にハギヨシがいてくれればなぁ」

一「うん…一応ハギヨシさんに連絡したらすぐ戻るから時間稼いでくれって言われたけど…」

純「はぁ!?アイツが乗ってる船は今頃ドーバー海峡辺りだろ!どうやって戻るんだよ」

咲「あ、あのー。テレビ観てください…」

テレビ


こーこ「みなさん御覧ください!燕尾服着たイケメンがドーバー海峡をバタフライで横断してます!」スゲー!

すこやん「わぁ!ドーバー海峡横断部って懐かしいな。ウンナンさんまたやってくれないかなぁ!」

こーこ「…すこやん。ホントはやっぱりアラフォーなんじゃ…」

すこやん「アラサーだよ!そんなに古い番組でもないよ!こーこちゃんも知ってるでしょ!?」

こーこ「いやー、私は人から聞いた事しかないよ。あれでしょ?何か棒で進む迷路…」

すこやん「あー番組違うよ。それは炎チャレの電撃イライラ棒だね!あれはやってみたくてオモチャ買ったりしたよねー!!」

こーこ「以上、スーパーアナウンサー福与恒子がお送りしました!」

すこやん「無視!?こーこちゃんホントに知らないの!?あの伝説の…」

ピッ

咲「…」

純「…」

一「…」

咲「あ、あのー…あれってもしかしなくても…」

純「…間違いなくハギヨシだろうな」

一「いやいやいや!ドーバー海峡でバタフライって!」

咲「あの冷静なハギヨシさんがあんなに…」

純「やっと分かったか。早くしないと阿知賀の二人がアブねーぞ」

一「何してるの二人とも!早く透華を止めに行くよ!」ダッシュ!

純「もう手遅れな気もするが…まぁ行くだけ行ってみるか」

咲「そうですね!もし玄ちゃんさんに何かあったらりゅうもんさんをゴッ倒さないといけなくなるので…」ゴゴゴ…

純「いったい何するつもりだよ…」

玄たちのとこ


透華「さぁ二人とも!出来ましたわよ!どうぞ召し上がって!」

玄「…何か見たことない料理が出てきたのですが…」

穏乃「なんなんですかね?白くてどことなく石鹸の香りがするような…」クンクン

透華「とにかく一口召し上がってみて?そのあと説明致しますわ」

玄「じ、じゃあ…」

玄 穏乃「「いただきます!」」パクッ

玄(!甘っ!)モチモチ

穏乃(何かお肉の味もする…)モシャモシャ

透華「いかがかしら?それはまず挽き肉を炒めたものをペースト状にしたトマトと和えまして…」

玄「ふんふむ」モチモチ

穏乃「なるほどなるほどなるほどー」モシャモシャ

透華「それらをホワイトチョコレートチョコレートで綴じて香りつけに軽く石鹸を散らせたものですわ!」

玄 穏乃「ブッフゥゥゥウウ!!」ブシャァァ!


※石鹸は具合が悪くならない程度の物です

咲「玄ちゃんさん!」バーン!

一「透華!料理はダメだって!」ババーン!

純「…一足遅かったみたいだな」ハァ

玄「」

穏乃「」

透華「みなさん!?松実さんと高鴨さんが!」アワワ

咲「……さぁりゅうもんさん。麻雀。楽しもうか…」ゴゴゴゴ…

純「落ち着け。透華、お前コイツらに何食わせたんだよ?」

透華「あ、新しく開発したこれですわ!」

純「どれどれ」パクッ

一「」オソルオソル

一「ど、ど独創的な味だね」ウップ

純「まずっ!こんなの出したのかよ!」

透華「そ、そんなはずは…」パクッ

透華「…不味いですわ…」ガタガタ

咲「そ、そんな事より玄ちゃんさんがー!!」ウワァァァ!

穏乃「う、うーん…何かすごいショックを受けたような…」

玄「うへへへ。ここはおもちのパラダイスやー」ムニャムニャ

穏乃「く、玄さんしっかりー!!」パンパーン!

玄「ひじきっ!わたりっ!あ、あれ?私は…」

咲「玄ちゃんさーん!良かったよぉー!」ワーン

咲「早くここから脱出しましょう!」グイッ

玄「わわっ!咲ちゃん引っ張らないでー!!」

穏乃「おい!玄さんを乱暴に扱うなよ!」ダダッ

一「帰っちゃったね…この残骸どうしようか…」

透華「…二人ともごめんなさい。珍しいお客だったのでつい見栄を…これはもう捨てましょう…」

純「…」パクッ

透華「!!純!いけませんわ!そんなものを食べては…」

純「なんだよ、不味いとは言ったが食えないとは言ってねーだろ?残り全部俺が食うから持ってこいよ」ムシャムシャ

透華「純…」キュン

一「おや?」

龍門渕邸外


咲「散々な目に遭いましたね…」

玄「確かに…でも龍門渕さんも悪気があった訳じゃないからね…」

穏乃「これからどうしましょうか…宛が外れちゃいましたね」

衣「あれー?しずのとさきだー!!」タタタッ

咲「衣ちゃん?何で外に…」

衣「ちゃんではなく!ちょっと散歩に興じていたのだ。お前達こそ何でこんなとこに?」

穏乃「天江さん!お久しぶりです!実は…」

玄「はいはい!ここは私が説明をば!」

説明中……

衣「成る程な。つまり宥が作る料理が妖異幻怪の異形だから簡単に美味しく作れるレシピをハギヨシに聞きに来たと…」

玄「まぁそんなとこです。結局萩原さん居なかったんですが…」

穏乃「他に料理出来そうな知り合いもいないし…」

咲「あ、私の知り合いにいたよ!料理出来そうな人が!」

穏乃「ホントか?何か怪しいな…」

咲「んもう!穏乃ちゃんは疑り深いなぁ」ヤレヤレ

玄「ちなみにどなたなので?」

咲「えっと確か…」

咲「ちょっと距離あるんだけど岩手の宮守女子の副将さんなんてどうかな?(完全に見た目でだけど…)」

衣「宮守といえばマヨヒガがいたとこだな。咲と戦った大将も面白い打ち手だった」

玄「宮守女子かぁ。シズちゃん知ってる?」

穏乃「知ってますよ。姉帯さんっていうものすごく大きい人がいるとこです!」

玄「も、ものすごく大きいの…?」

咲「確かに大きかったよ。2メートル近くあるんじゃないかな?しかも服装真っ黒だし」

玄(怖っ!)

穏乃「では次の目的地も決まった事だし早速出発しましょう!」

玄「…ちなみに何で行くのかな?」

穏乃「もちろんジュンチャン号です」

玄「…あぁ。やっぱり…」

咲「ジュンチャン号ってこの自転車?もしかして長野まで自転車で来たの!?」

玄「うん…高速に乗ってね…」

衣「自転車でここまで来るとは愉快な奴等だ!」ハハハ

玄「うぅ…笑い事じゃないよぉ…」

穏乃「玄さん!早く乗って!今から出れば夕方には岩手に着きますよ!」フンフン

玄「どういう計算をしたらそうなるの!?」

咲「私も玄ちゃんさんに着いて行きたいですけど自転車じゃ無理ですね…また是非遊びに来て下さい!」ウルウル

衣「衣もまた遊びたいぞ!」

玄「ふふっ。今度はお二方が奈良に来て下さい!松実旅館で歓迎しますよ!」

咲「そ、それって遠回しのプロポーズですよね!!一緒に暮らそう、家族になろうよって事ですよね!!」ガタッ

玄「い、いやそういう意味じゃないんだけど…」

穏乃「咲!言っとくけどお前なんかに玄さんは渡さないからな!」

咲「へぇ?さん付けやめたと思ったらそんな強気な発言かぁ…穏乃ちゃんはホント面白いね」ゴゴゴゴ

玄「またおかしな方向に…シズちゃん!出発しましょう!」ガシッ

穏乃「了解しました!天江さん!また一緒に麻雀打ちましょうね!!」

衣「うむ。楽しみにしておるぞ!」フリフリ

咲「玄ちゃんさん!お気を付けて!穏乃ちゃん!玄ちゃんさんに何かあったら許さないからね?」

穏乃「言われなくても分かってるよ!じゃあまた!」ドヒュュウウ!!

玄「咲ちゃん!ありがとねえぇぇぇ!――………」

咲「…行っちゃったなぁ。さて!衣ちゃん今から暇?良ければ麻雀打たない?」

衣「打つ打つ!衣麻雀だーいすき!!」ピョンピョン

咲「ふふっ。じゃあrooftopに行こうか」トコトコ

衣「うん!!」

一方その頃 日本の海のとある砂浜

おっさん「はぁー。なんだよ部長の奴…規模縮小だからって真っ先に俺から切りやがって…帰ってとし子になんて説明すればいいんだ…」

おっさん「…このまま海に入って死んじまうか…」チャプチャプ


おっさん(俺の人生散々だったなぁ…せめて家族には俺の分まで幸せになって貰いたいもんだ…)ゴポゴポ

……さい。

おっさん(なんだ?もう天使がお出迎えか…いや、俺の場合は悪魔だな。ははっ…)

……しっかりしなさい!

その時確かに海の底に沈んでいたおっさんの体が浮かび始めたのだ…!神の奇跡か悪魔の悪戯か。すぐに海面に顔を出して事なきを得たのだ。

おっさん「ゲホゲホ!な、なんだ!?俺は確かに…」

ハギヨシ「何があったかは詮索致しません。家族の幸せを願っておられたようですが、あなたを失って御家族は果たして幸せなんでしょうかね?」

おっさん「そ、それは…」

ハギヨシ「あなたがやっておられる事はただの逃げでしかありません。様々な苦しみを分かち合ってこそ本当の家族というものです。…失礼。若輩者が知った風な事を言ってしまいましたね。私はこれで失礼します」ザバザバ

おっさん「ま、待ってくれ!あんた一体何者なんだ?」

ハギヨシ「…ただのしがない使用人ですよ」ニコッ


この一時間後、ハギヨシは主の待つ屋敷に到着するがそれは別のお話…

…戻って岩手の某所 PM18:00

玄「」オボロロロ…

穏乃「いやー!こんなに自転車漕いだの久しぶりだー!!」ノビー

玄「あ、お母さんだぁー…私も一緒に逝くよー…」ウフフ

穏乃「何言ってるんですか玄さん!」スパーン!

玄「ぱせりっ!!…はっ!危なく行ったらいけないとこに行くとこだったよ!」

穏乃「気がつきましたか。もう岩手ですよ!」

玄「えっそうなの?警察に追われてるとこから記憶が…」ウーン

穏乃「大丈夫です!うまいこと撒きましたから!」フフン

玄「えぇー…まさかのどや顔だよぉ…」

玄「ところで随分山奥みたいですが…」

穏乃「はい。ちょっと様子を見て来ましたがこの辺は村が一つあるくらいですね」

玄「うぅ…で、でもこんな怖いとこにいつまでもいられないよぉ…早く誰か見つけないと…」

穏乃「あれー?誰か向こうに立ってますよ?」ホラ

???「…」ジー…

玄「な、何かこっち見てない…?あ、ああああれって人…なのかな…?」ガタガタ

???「…」スタスタ…

穏乃「こっちに来ますよ!」

???「…」ズーン

玄「ひひひいぃぃ!でででかい!」ガタガタ

穏乃「あれ?もしかして宮守女子の姉帯さんですか?」

豊音「そうだけどー?って!阿知賀の高鴨さんに松実さん!?」アワワ

穏乃「はい!咲から連絡来てると思うんですが…」

豊音「うわー!ちょー感激だよー!サイン下さい!!」

玄「おおお大きい…」ガタガタ

豊音「あ!自己紹介がまだだったねー!私は宮守の大将、姉帯豊音っていうんだよー!」ピョンピョン



玄ビジョン

豊音「私…?私はね…」

豊音「宮 守 の 姉 帯だ よ う…?」


玄「ひ、ひいぃぃ!た、武丸だぁー!!」

穏乃「は…?」

玄「つ、ツルハシは勘弁してくださいぃー!!」ドゲザー

豊音「えぇー!ちょっとやめて下さいよー!」アワワ

穏乃「玄さんしっかりして下さい!」スパパーン!

玄「ぴっち!はっ!これはこれは大変失礼をば!」ペッコリン

豊音「いえいえー!こちらこそ怖がらせてごめんねー?私背が大きいからびっくりしちゃったよねー…」ショボーン

玄「ホントにすいませんー!!あ、姉帯さんはは全然怖くなんかないですよ!」

豊音「ホント…?」ウルウル

穏乃「そうですよー!豊音さんは一周回って普通ですよ!」

玄「ちょ、それフォローになってない…」

豊音「それなら良かったよー!!」パァァ

玄(た、単純だー!!)ガーン

なんやかんやで豊音宅


豊音「それにしても咲ちゃんから連絡あったときはびっくりしたよー!まさか阿知賀の二人が来るなんてねー!」

玄「咲ちゃんからはなんて連絡があったので?」

豊音「なんか、超絶かわいい美少女とそのペットがそちらに向かったのでよろしくお願いします! って電話があったよー」

穏乃「…あの根暗女…」チッ

玄「あ、あはは…それで私達の目的も聞いたのですか?」

豊音「んーん。咲ちゃんその用件だけ伝えたら電話切れちゃったからねー」

穏乃「では説明しますよ!」

玄「いいや!ここは私が!!」ガタッ

説明中……

豊音「なるほどー!松実宥さんの為にこんな山奥まで来てくれたんだねー?」

玄「そうなのです。明日で構いませんのでその臼沢さんのとこに案内して頂けませんか?」

穏乃「臼沢さんは料理が上手と聞いてますので期待度大ですねー!!」

豊音「それなんだけどー…」

玄「どうかしました?」

豊音「たぶん咲ちゃん勘違いしてるよー。塞は言っちゃ悪いけど料理はできないよー…」

玄「えぇ!?」

穏乃「そんな…咲からはすごく家庭的な人って聞きましたけど」

豊音「うん。確かに家庭的だよー!掃除、洗濯なんでも出来るしねー!!…料理以外はね」

玄「そんなぁ…」ガックシ

豊音「お役に立てなくてゴメンねー?」ショボーン

穏乃「いえいえ!豊音さんが悪い訳ではないですから気にしないで下さい」

玄「でもこれからどうしようか?」

穏乃「とりあえずもう少ししたら一旦奈良に帰りましょうか。みんな心配してると思うし」

豊音「えー!?もう帰っちゃうのー?残念だよー…」ショボボーン

玄 穏乃(…か、帰り辛い!)

穏乃「あ、あー。やっぱり今日は泊まっていこうかなー」

豊音「え!ホントにー!?」ガバッ

玄「ちょ、シズちゃん!そろそろ帰らないとみんな心配してるよ!」ヒソヒソ

穏乃「大丈夫です!憧にメールしときましたから!」ヒソヒソ

豊音「ちょーうれしいよー!明日は宮守のみんなに二人を紹介するからねー!」

玄「はい!よろしくお願いいたします!」ペッコリン

玄(シズちゃんなんてメールしたんだろ…?)

阿知賀 憧の家

憧「あー!シズのやつどこ行ってんのよー!玄と一緒にいるのは間違いないだろうけど…」

憧「はっ!もしかして二人でお城のようなホテルに泊まってるとか…?ま、まさかねー!」カガヤイテーココイチバンー

憧「!シズからメールだ!何々?」ピッ


from穏乃

憧!悪いけど今日は帰れそうにない。でも心配しないで!玄さんと二人で駆け落ちしてるだけだから!


憧「」

穏乃「うーん。また色々はしょったメールになっちゃったけど伝わるよね!」

豊音「それで明日なんだけどーまずはシロの家に案内するよー!」

玄「シロさんのとこですか…?」

穏乃「シロさんって小瀬川さんの事ですね!楽しみです!」

豊音「そうだよーそれにちょっとスペシャルゲストがシロのとこに泊まりに来てるから紹介したくてねー!!」

玄 穏乃「ゲスト…?」

次の日 シロ自宅

TV「お前がそう思ってるならまずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!」

小蒔「ふわぁぁぁ…」キラキラ

シロ「…」

TV「いいねいいねェ!最っ高だねェ!素敵に愉快にキマっちまったぞコラァ!!」

小蒔「おぉぉぉ…」キラキラ

シロ「…」

シロ「…あのさ。昨日からテレビばっかり観てるけど楽しい?」

小蒔「はい!お家ではてれびなんてニュースしかみせて頂けませんから…」ショボーン

シロ「ふぅん…ま、私はダルくないからいいけど…」グテー

小蒔「そう言えばこのてれびの方はシロさんに似てますね!」フンフン

TV「圧縮圧縮ゥー!空気を圧縮ゥー!!」

シロ「えぇー…」

小蒔「シロさん!ちょっと真似してくれませんか?」キラキラ

シロ「いやいや…」

TV「クカカカー!」

小蒔「お願いいたします!」キラキラ

シロ「う、うーん…」

小蒔「…!…!」ワクワク

シロ(そんなに期待した眼差しを受けるとなぁ…)

シロ「分かった分かった…ちょっとだけだよ…?」ハァ

小蒔「!はい!」パァァ

シロ「こ、ここから先は一方通行だ…」ボソボソ

小蒔「もっと大きい声で!」

シロ「ここから先は一方通行だ…!」 シロー?アガルヨー? オジャマシマスー ガチャ

小蒔「もっと気持ちを込めて!」 コッチガシロノヘヤダヨー! テクテク

シロ「悪りィがこっから先は一方通行だ…大人しく尻尾ォ巻いて元の場所へ引き返しやがれェ!!」バーン

小蒔「わぁー!かっこいいです!!」キラキラ

豊音「あ…オジャマシテマス…」

玄「お、オジャマシテマス…」

穏乃「すごい迫力ですね!」フンフン!


シロ「」

豊音「さぁ!こちらが永水の先鋒で魔物の一人!神代小蒔さんです!」

玄「永水といえばゴッドおもちの石戸様が居られる場所…!まさかこんなとこでレジェンドおもちの神代さんに会えるなんて感激です!」

穏乃「本物の神代さんだー!!雑誌でしか見たことないよ!」スゲー

小蒔「わぁ!お二人は阿知賀の松実さんと高鴨さんですね!団体決勝戦、ドキドキしながら拝見してました!」

豊音「あ、それでこちらが一方通行役の小瀬川さんデスー」

玄「あ、ベクトル変換お疲れ様デスー」

穏乃「へー。麻雀だけじゃなくて声優もしてたんですね!」

シロ「ちょ、違う違う!な、な何で豊音達がここに!?」アワアワ

説明中…


シロ「へぇーそうなんだー…」ズーン

豊音「ご、ゴメンねシロー!来る前に連絡しとくべきだったねー」アセアセ

玄「いきなりお邪魔してすいません。けして小瀬川さんのあんなとこを覗こうとした訳ではないので…」

シロ「あぁ…分かってる分かってる…」ズーン

穏乃「でも一見クールにみえるのにあんな子供っぽいとこもあるんですね!」

シロ「」

玄「ちょっと!空気を読もうよ!」

小蒔「…」

小蒔(シロさん元気がありませんね…きっと私が無理に真似をお願いしたから…)

小蒔(…こうなったら私もてれびの方の真似をしてシロさんに元気を出して貰いましょう!)テッテレー

小蒔「し、シロさん!!」

シロ「ん?どうかした?神代さん」

小蒔「こ、小蒔はあなたが落ち込んでるとこなんて見たくないの!しゃんとして凛々しいあなたが大好きなの!って小蒔は小蒔は思いの丈をぶつけてみたり!」

シロ「えっ」

豊音「わっ」

穏乃「おぉ!」

玄(かわええ…)

豊音「い、いい今のって告白だよね!?どうするの!?シロどうするの!?」ワタワタ

シロ「豊音落ち着いて…神代さんもいきなりどうしたの?」

小蒔「はい…私がシロさんに無理を言ってしまったのでシロさんが落ち込んでるんじゃないかと思いまして…」オズオズ

シロ「…なんだそんな事か」ナデナデ

小蒔「ふわぁ!し、シロさん!?」

シロ「あなたのせいで元気がなかった訳じゃないし気にしないで…それに私が好きでやった事だしね」テレテレ

小蒔「は、はい…」ポー

穏乃「やっぱりですよね!スゴく気合い入ってたし本物かと思いましたよ!」

シロ「」

玄「シズちゃん!話を蒸し返さないで!」アワワ

豊音「それでそれでー?塞達はー?てっきりシロの家に来てるんだと思ってたんだけどー」

シロ「あぁ。塞達なら…」

豊音達が来るちょっと前


胡桃「シロ!休みだからってだらだらしない!」

シロ「えぇー…せっかくのお休みだし…」

塞「まぁまぁ。もう少ししたら豊音も来るしね」

エイスリン「ミンナデアソブノヒサシブリ!タノシミ!」ワクワク

小蒔「あの…私もご一緒して大丈夫なんでしょうか?」

シロ「いいんじゃない?せっかく泊まりに来てるんだし…」

トシ「じゃあ私は買い物にでも行くかね。みんな節度を持って遊ぶんだよ」

塞「トシさん!わざわざ送ってくださってありがとうございました」

エイスリン「トシサンハドコニカイモノイクノ?」

トシ「そうだねぇ…たまには遠出してジャスコにでも行くかね」

胡桃 塞 エイスリン「ジャスコ!?」ガタッ

塞「トシさんジャスコに行くんですか!?」ガタッ

トシ「え、えぇ」

胡桃「ゲームしてもいいよね!?クレーンゲームがやりたいな!」ガタタッ

トシ「そ、そう…」

エイスリン「ワタシタチモイキタイ!」

トシ「じ、じゃあ一緒に行くかい…?」

胡桃 塞 エイスリン「行きます!!」

塞「って事でシロ!私達ジャスコ行って来るから!」

シロ「う、うん…」

胡桃「ちゃんと神代さんの相手してあげてね!」

シロ「わ、分かった…」

エイスリン「ジンダイサンモタノシンデネ!」

小蒔「はい!」

胡桃 塞 エイスリン「じゃあ豊音によろしくー!」シュタタタタ…

シロ「…行っちゃった」

シロ「…って事があってね」ダルッ

豊音「そっかそっかー!ジャスコなら仕方ないねー私も行きたかったなー」

小蒔(じゃすこ とはそんなに楽しい場所なんでしょうか…?私も行ってみたいです!)フンフン

シロ「ところで阿知賀のお二人は何でまた岩手に…?」

穏乃「はい!実は…」

玄「おっと!説明ならおまかせあれ!」


説明中…

シロ「…なるほど。お姉さんでも作れる料理をねぇ…」

穏乃「はい…このままだと宥さんにも恥じをかかせてしまう事に…」ショボーン

玄「もういっそのこと私が作ろうかと考えたんですが…」

穏乃「やっぱり宥さんのやる気を無駄には出来ないので…」

豊音「ホントに泣ける話だよー!!」オロローン

シロ「(泣けるかなぁ…?)それで何かいい方法は見つかったの?」

玄「長野の知り合いにも相談したんですが特には…」

小蒔「うらやましいです!」

穏乃「神代さん…?」

小蒔「高鴨さんのお友達さんは幸せ者ですね!もし私が歓迎してもらえる立場なら料理の内容なんて関係ありません。私の友達が私の事を歓迎してくれる…こんなにすばらな事はないです!!」

玄 穏乃「!!」

シロ「ふふっ…神代さんらしいね…でも私もそう思うなぁ。内容なんかよりどれだけその友達の事を思っているか…」

豊音「そうだねー!きっと原村さんもそう思ってるよ!」ニコッ

玄「し、シズちゃん…」チラッ

穏乃「」ボロボロウルウル

玄「ご、号泣してるーー!!」

穏乃「…玄さん…私達はどうやら一番大切な事を忘れていたみたいですね…」

玄「うんうん。それが分かっただけでもここまで来た甲斐があったよ!」

穏乃「阿知賀に帰りましょう!そして和の歓迎会の準備をしましょう!」

小蒔「高鴨さん、何か掴んだみたいですね!」ニコッ

穏乃「はい!ありがとうございました!」

シロ「…きっと原村さんも喜んでくれるよ…」フフッ

玄「はい!和ちゃんに喜んで貰えるように頑張ります!!」

豊音「今度は私達も阿知賀に行くからその時は歓迎会してくれると嬉しいよー!」

玄 穏乃「もちろん!是非いらして下さい!!」

岩手から帰宅中…


玄「うーん!やっぱり自転車はゆっくり走るに限るね!」シャー

穏乃「帰りくらいは景色を楽しみながらサイクリングしたいですしね!」シャー

穏乃「…玄さん。今回はいろいろすいませんでした…私の勢いで連れ回してしまって…」

玄「全くだよ!自転車で高速乗るなんて前代未聞だよ!しかも朝も早いし!」プンプン

穏乃「うぅ…すいません…」ショボーン

玄「でも楽しかったよ」

穏乃「え?」

玄「色んなとこに行けたし珍しい人にも会えたし、新しいお友達も出来たし!何より気持ちが一番大切って事も教わったしね!」ニコッ

穏乃「玄さん…」

玄「シズちゃんが良ければまた色々連れて行ってほしいな!」

穏乃「!!もちろんです!玄さんの為なら沖縄、北海道までジュンチャン号で連れていきますよ!」

玄「い、いやそこまで遠出するなら素直に他の交通機関を使おうよ…」

穏乃「おっしゃあー!やる気出てきたー!一気に阿知賀まで帰りますよー!」シュゴゴゴゴ

玄「ま、待って!帰りくらいはゆっくりぃぃーー……」

なんやかんやで阿知賀到着


穏乃「玄さん玄さん!阿知賀に着きましたよー!」ユサユサ

玄「ちょ、ちょいタンマ…」オロロロロ

憧「玄!ちょっとどういう事か説明して貰うわよ?」ゴゴゴ…

玄「あ、憧ちゃん?説明とは一体…?」

憧「シズとイッた話とか駆け落ちした話よ!キッチリ吐いて貰うからね!」

玄「え、えぇー…話の流れが見えないよぉ…シズちゃん説明を…」

穏乃「あっ!麻雀戦隊 酢哩プニキュアの再放送の時間だ!玄さん、私帰りますねー!」シュタタタタ

玄「うぉい!せめて説明くらいはしていこうよ!」

憧「さ、玄。説明して貰いましょうか?」ゴゴゴ…

玄「ひ、ひぃぃ!」


結局その日は憧ちゃんに拘束されて「シズはタチ!?ネコ!?どっちなの!?」っていう問いが5時間続きました…そして迎えた和ちゃんの歓迎会当日…!!

歓迎会当日


和「玄さん皆さん、今日は私なんかの為にわざわざありがとうございます」ペッコリン

穏乃「相変わらず固いなー!和は!」

玄「そうそう!もっとリラックスして下さい!」

和「玄さん…穏乃…」

憧「それに友達を歓迎するのは当たり前だよねー」フフッ

和「憧…」

宥「みんなー料理の準備が出来たよー」ポワポワ

灼「早く食べよ…」

和「はいっ!」

宥「はい和ちゃん。浸け麺だからスープに浸けて食べてね♪」コトッ

玄(でた…!ヒモQ浸け麺…!)

穏乃(でも料理の内容なんかより気持ちが大事なんだ…!)

和「ありがとうございます。いただきますね!」パクッ

玄 穏乃「…!」ドキドキ

和「こ、これは…!」

玄 穏やか乃「…!…!」ドキドキドキドキ

和「な、ないわー」

玄 穏乃「デスヨネー」


その後は宥さんの料理のダメ出しやらなんやらで一日潰れました。気持ちも大切だけど最低限の料理の腕も必要だったって事ですね。でも今回の旅で玄さんともっと仲良くなれた気がします。最近アプローチを掛けまくって来てる咲に負けないように頑張ります!


玄と穏乃の楽楽しい旅行記

カン!!

最後にミスしましたがこれで終わりです。読んでくださった方ありがとうございました
もし次があれば姫松、白糸台あたりを書こうと思います。また機会があればよろしくお願いします

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