ジャイロ「ウェイストランドからの『向かい風』だぜ」 (23)

「……」

「……いらっしゃい。この辺じゃあ、見かけない顔ね?」

「アナタも水が欲しくてこの町に来たのかしら?」

「ニョホ」

「キミのよーなカワイコちゃんに会いに来たって言ったらどーよ?」

「二十点ね」

「手厳しいねェ〜」

「『人』を探してる。歳のいった割にゃあ〜〜〜フットワークの軽いオッサンだ」

「名前は『グレゴリオ』……ここは色んなとこから人がわんさか集まるんだろ? 何か知らねーか?」

「……ふふっ」

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「変な帽子の兄ちゃんよォ、ここは酒場だぜ?」

「酒も女も買わないんだったら、とっとと失せな」

「そりゃあそーだ……ワインを貰おう、いくら?」

「……」

「……マカッたりはしてくんねーか?」

「出口はあっちだ」

「チッ、分かってるよ」

「待ちなさい。私が一杯奢ってあげる」

「生憎、オレの出せるモンは何もねーぞ」

「そんなの要らないわ……気に入ったの、アナタのその『眼』が」

「名前を教えてくれない?」

「なるほどね……良いね、オレもおたくが気に入ったぜ」

「『ジャイロ』」



ジャイロ「『ジャイロ・ツェペリ』だ」


車椅子の男「……」


錆びた鉄と核の町『メガトン』
中心に過去の大戦の遺物である不発弾を抱えたこの町には実に多くの人種が集まる。
安住を求めて来た者、追われている者、何かを探しに来た者、そして……

ぼくのような、過去を捨てて、誰も自分を知らない場所を求めて来た者。


車椅子の男「新顔だ」


カウボーイハットをかぶった奇妙な風貌の男。
ウェイストランド人には似つかわしくない小綺麗な服装から『穴ぐら』から来たヤツと一目で分かる。

後から思い返して見るに……恐らくこの出会いは必然だったのだろう。

ぼくと彼。

どちらが欠けてもこの物語はきっと始まらなかった。



『スティール・フォール・ラン』


ジョジョの奇妙な冒険 第7部 × fallout3

こんな感じでスローにやってきます。

期待

ジョジョしか知らんが期待

鉄球をぶつけられ破裂し体液を撒き散らすラッドローチ

デスクロー先生期待

ヒャッハー!新鮮なスレだー!

投下。

「話すことは何も無いな……いや、そうじゃ、実はこの町の水の供給管にいくつか穴が開いていてな」

「それの修理を……」

ジャイロ「まてまてジジイッ! オレはそんなに呑気していられねーんだ」

ジャイロ「カネなら払うよ。確かにここに来たはずだ、『Vault』から男が一人ッ!」

「……」

ジャイロ「……うぐっ」



「なるほどね。あなたのお願いを聞いてあげてもいいけど……知らないことも無いし」

ジャイロ「ニョホハハッ! 本当?」

「その代わりこちらのお願いも聞いてもらっていいかしら?」

「放射能を浴びすぎた人体について調べたいんだけど、手頃な実験体が見つからなくてね……それで」

ジャイロ「ジ、ジョーダンだろ〜〜〜!?」

「あら、私はとても大真面目よ?」

     ・・
ジャイロ「トンでるぜ……この町のヤツらはよォ〜〜〜認識が甘かった」

ジャイロ「ヨソ者にゃあ、簡単に情報はくれてやらねーってか(おっそろしー目に合ったぜ)」

ジャイロ「かといって……グズグズは出来ない。このままここで足止めされてるワケにはいかねー」

ジャイロ「どうしたもんかねェ……」

ジャイロ「ンー」

ジャイロ「あれ、オレのクマちゃんどこいった?」ガサガサ

ジャイロ「……」

ジャイロ「……誰だぁ? てめー。そこに立っててもオレのおケツは喋りゃあしねーぜ」


ザッ


「ハハッ……君かな? この町に来た新顔というのは……」

ジャイロ「だったらどーだってんだ?」

モリアティ「その前に自己紹介させてもらおう。私の名は『コリン・モリアティ』
      酒場のオーナーをやっている」

ジャイロ「ご丁寧だな」

モリアティ「何やら色々、聞いて回ってるようじゃあないか。人を探しているとか……収穫はあったか?」

ジャイロ「この町のヤツらは融通が利かなくて困ってたとこだよ」

モリアティ「だろうね」

ジャイロ「本題に入りな……まどろっこしい」

モリアティ「せっかちだな、父親とは大違いだ」

ジャイロ「……何ィ?」

モリアティ「私は『グレゴリオ・ツェペリ』の居場所を知っているぞ。ジャイロ・ツェペリ」

ジャイロ「!!!」

ジャイロ「おたく、オレの父上……知ってんのかッ!? それにオレのこともッ!」

モリアティ「顔を見せろジャイロ……私はお前が小さい頃に一度会ったこともある。大きくなったものだ」

ジャイロ「待てよ、オレはあんたのことを知らねぇ。大体、オレは『Vault 101』の出身だ」

ジャイロ「オレとあんたは初対面じゃなくちゃあいけないハズだ」

『Vault』……Vault-tec社製の地下シェルターの総称。200年前、核戦争から人々を守る為に建造された。
      現存している『Vault』は今では僅かであり、その中でも『Vault 101』は建造されてから現在まで、
      ずっと外界との接触を絶ってきた。

モリアティ「そんなことはどうでもいいことだ。
      私はお前とお前の父親、お前の父親の居場所を知っている。大切なのはこの事実だ」

ジャイロ「……」

モリアティ「どうだいジャイロ? 私の頼みごとを引き受ける気は無いかな?
      引き受けてくれたらお前の父親の居場所を教えてやろう」

ジャイロ「オレがおたくを信用すると?」

モリアティ「ジャイロ、ジャイロ……お前は引き受けざるを得ないハズだ。
      この町の人間は外から来た者をあまり……よろしく思わない」

モリアティ「私の申し出を突っぱねたところで、お前の望むものは手に入らないだろう」

ジャイロ「……何をしてほしいってんだ?」

モリアティ「実に簡単なことだよ。難しいことは何も要らない」



モリアティ「とある女を『殺して』もらう」

一旦、ここで。

こいつは期待

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