男「おい!」幼馴染「んー?」(377)

男「胸を揉ませてくれ!」

幼馴染「ん?」

男「幼馴染のおっぱいを揉ませてください!」

幼馴染「言い直さなくても聞こえてるから。てか揉ませねぇよ!?」

男「えっ!?」

幼馴染「えっ!?じゃねえよ!なんで私がツッコミ入れてんだよ!」



後は任せた

幼馴染「ふっ・・・まぁよい、えーかっぷの巨乳を存分に楽しむがよい・・・的な?」

男「なにいってんだお前」

幼馴染「!?」///

男「どうしてもダメ?」

幼馴染「寧ろどうして許可されると思った…」

男「……」

幼馴染「…取り敢えず、何でそんなこと言い出したか、説明してくれる?」

男「実は…」

こんな感じで良ければ仕事終わってから乗っ取る

幼馴染「実は?」

男「昨日、見知らぬ親父に言われたんだけど…」

幼馴染「は?」

男「24時間以内に異性の胸を揉まなければ即死亡って…!!」

幼馴染「昔のドラマのネタはいいから」

男「もうちょっとノってくれよ」

幼馴染「男がそうやって無駄な冗談から入るときは大抵下らない話だよね」

男「下らなくない!下らなくなんかねえよ!!」

幼馴染「そう?じゃあどうぞ、続きを」

男「友、いるだろ?」

幼馴染「ああ、男の数少ない話し相手ね」

男「話し相手じゃなくて親友だよ!てか、少ないとか言うなよ!」

幼馴染「私と友君とマッチョ君以外で、よく話す相手いる?」

男「いるよ!えっと…確か………いるんだよ……本当…だから…」

幼馴染「話の腰折ってごめん。とりあえず本題を進めて?ね?」

男「…友と、イケメンがさ、今日の昼休みに猥談してたんだよ」

幼馴染「大体読めた」

男「嘘吐けエスパーじゃあるまいし」

幼馴染「最初はお互いの彼女自慢、それからバストサイズの話へ」

男「え!?」

幼馴染「どちらも出会った当初より大きくなったと言う。その理由を自分たちが揉みしだいたからだと冗談を言い合っていた」

男「聞いてたのかよ!」

幼馴染「猥談って聞いた時点で想像つくよ、この後に男が言う言葉も」

男「絶対外してやるよ!」

男「俺も揉んで育てたいんだ!成長の余地が多分に残された、お前の胸を!!」

幼馴染「やっぱりあってた。ていうか相当失礼だよね、殴っていい?」

男「ご褒美です!」

馴染「殴った手が汚れそうだからやめとく」

男「俺の作戦勝ちだな!」

幼馴染「投擲はするけどね」

男「って!何だよ、アイスの棒かよ」

幼馴染「生ごみ用のゴミ箱に捨ててきて」

男「はいよ」

男「捨ててきたぞ」

幼馴染「ありがと。はい、柿の種」

男「サンキュー、ご丁寧にピーナッツと分けてあるな」

幼馴染「ピーナッツあった方がおいしいと思うんだけどな」

男「添え物より本命の方がうまいって」

幼馴染「まあ、争奪戦にならないからいいけど」

男「閑話休題、話を戻そう」

幼馴染「まだ揉ませろ言う気?」

男「それだけじゃない」

幼馴染「それもそうだけど、友君たちの猥談とかさ、何で平気で話して来るかな」

男「聞けって…」

幼馴染「これでも私、女の子なんだよ?反応し辛いからあんまそういう話振らないでよ」

男「いい加減そこから離れろ!」

幼馴染「じゃあ、どこに話を戻すつもりだったの?」

男「まあ、揉ませろまで戻るんだけどさ」

幼馴染「言った側から…」

男「いや、幾らなんでもいきなり揉ませろは段階すっ飛ばしてたと思って」

幼馴染「後にどんな言葉を繋げてもそれ先に言ったら台無しだよね」

男「自分でもそう思う」

男「でさ、お前って、俺のこと何でも知ってるよな?」

幼馴染「何でもとは言わないけど、まあ誰よりも知ってはいるんじゃない?」

男「長い付き合いだからな」

幼馴染「来年で10年になるよね」

男「そんな長く一緒にいるんだからさ、そろそろ彼氏彼女って意味で付き合おうぜ?」

幼馴染「いや、これだけ長い付き合いだとそれこそ今更だよね」

男「振られたって解釈であってる?」

幼馴染「だって、もう家族同然だよ?私がお姉さんで、男が弟」

男「俺の方が半年早生まれだろうが!」

幼馴染「そうだね、でも妹の胸を揉みたがるお兄ちゃんは気持ち悪いよ?」

男「そういや妹も彼氏ができたっっつってたな」

幼馴染「ふ~んそうなんだ」

男「全然驚いてないな」

幼馴染「ちょっとは驚いたけど、まあ中学生だから不思議はないし、それに男の考えてることも分かったしね」

男「俺が何考えてるって?」

幼馴染「焦ってるんでしょ、周りが自分より進んで行くの見て」

男「……」

幼馴染「焦って急がなくても大丈夫だって。一日一善繰り返してればその内いいことあるよ、私以外の女子と」

男「ありがとな…まあ期待せずにやってみる…」

翌日

男(今日から一日一善のモテモテ計画開始か…)

男「行ってきます」

「いってらっしゃ~い」


通学路

幼馴染「おはよー」

男「おう、おはよう。今日は珍しく早いな、いつもぎりぎりに来るのに」

幼馴染「まあ昨日けしかけた手前、何か奇行に走らないか見張ろうと思って」

男「走らねえよ!」

幼馴染「それで、一日一善、やるの?」

男「ああ、それでモテるとは思わないけど、内申点アップくらいの見返りはあるだろうし」

幼馴染「思いの外冷めてるね、モテモテになってやる!今に見てろ!とか言うと思ったけど」

男「そりゃ一日一善でモテモテなら世界中どこ探してもモテない奴なんていないだろ」

幼馴染「だよねー。何するか知らないけど、帰りに結果報告聞くの楽しみにしてるよ」

男「了解。じゃあ4時前に西門で」

教室

男(一日一善か、とりあえずいいことしないとな。無難なところで掃除かな)

「お、どうした男?お前なんかやらかしたか?」

男「あ、おはようございます…って先生、これ別になんかの罰で掃除してる訳じゃないですよ」

先生「そうか、てっきりまた理科総合Aで寝過ごした罰かと思ったぞ」

男「確かに寝てましたけど、決め付けは良くないですよ」

先生「結局寝てんじゃねえか!言ってやろ」

男「ご無体な!」

「ははは!朝っぱらから何馬鹿やってんだよ!」

男「…うるせえ…とっとと朝練行って来いよ友」

友「悪い悪い、てか本当に罰じゃねえのかよ」

男「そうだよ、自主的にやってたんだよ。くそ、正直者が馬鹿を見る嫌な世の中だな」

友「馬鹿を見るのは正直者じゃなくてKY、いらんことまで言うから馬鹿を見るんだよ」

男「いらんことか…」

友「じゃあ朝練行ってくるからまたな」

男「おう、行って来い」

幼馴染「内申点上がる所か下がりそうだね」

男「見てたのかよ!」

幼馴染「さっき友君から聞いた。まあ変なことはしてないみたいで安心したよ」

男「そりゃ良かったな」

幼馴染「うん、良かったよ、監視しなくて済みそうで」

男「じゃあ安心して報告待ってろ」

幼馴染「期待しないで待ってるね」

放課後

男(やろうと思うと大してできないもんだな、いいことって)

男(結局、今日の掃除のゴミ出しを進んでやったくらいか、認められたのは…と、あれは…)

「んっ、くっ…あ…」

男(見たとこ後輩の女子か。こいつもゴミ出しか。結び目解けてぶちまけるとは可哀相に)

「え?あ、あの…」

男(何となく片付けたが何か声かけた方がいいかな)

「え、えと、その…」

男(いらんこと言って嫌な思いさせてもあれだしいいか。俺のとまとめて捨てに行こう)

「あ…」

男(結構重いな、これでプラゴミかよ)

男「よう」

幼馴染「ん、じゃあ帰ろっか」

男「おう」

幼馴染「という訳で!」

男「は?」

幼馴染「リザルトフェイズ」

男「今度は何のネタだ?」

幼馴染「フリゲ」

男「お前の趣味急激に金かけない方向に進んでいってるな」

幼馴染「それじゃ、今日の行動をチェックしてみようか」

男「と、こんなとこかな」

幼馴染「う~ん、朝もそうだったけど、善行って言うより自己満足だよね、完全に」

男「だよな、と、あとさっきゴミ出し手伝った」

幼馴染「ほほう?」

男「ゴミ袋解けて中身ぶちまけてた子がいてさ、回収手伝ってついでに捨てに行った」

幼馴染「中々いいんじゃない?いいことだし好印象だろうし」

男「終始おろおろしてたな、あの子」

幼馴染「え~?どういう対応したの君」

男「変なこと言って朝の二の舞にならないように黙って作業してただけだが」

幼馴染「原因それじゃん」

幼馴染「その子、かわいそうだな」

男「そこまで言うか!」

幼馴染「いや、無言でやられたら、怒ってるのかと思うよね。そりゃおろおろもするって」

男「でも何言っていいか分かんなかったし…」

幼馴染「かける言葉一つでも大分変わってくるから、今度はその辺も考えてやってみよう」

男「面倒くさいなあ…」

翌日

放課後

男「じゃ、今日も俺が持ってくわ」

「いいのか?昨日からどうした、鍛えたいのか?」

男「ゴミ出しくらいで鍛えるは大げさだろ、いいから部活行ってこいよマッチョ」

マッチョ「おう!サンキューな」

男(さて、今日も会うとは限らないけど、リベンジ行ってくるか)

男(いた!何かいた!二日連続でいた!ゴミ出し連続とか自分で買って出ないとありえないだろ)

「うん…しょ……と、くっ…」

男(今日は空き缶と燃えるゴミか、うへえ…どっちも重そうだな)

男「あとは俺がやるからいいよ」

「え!?で、でも…」

男「じゃ」

「え、あ…」

男(見栄張りすぎた!普通に重い!片方だけにすりゃ良かった!!)

翌日

マッチョ「明日は休みだな」

男「ああ、日曜だ」

マッチョ「日曜と言えば?」

男「特撮だ!」

マッチョ「そう!戦隊!ライダー!戦いが、群像劇が!」

男「俺たちを呼んでるぜ!」

マッチョ「まあ俺は部活あるからリアルタイムじゃ見れないんだけどさ」

友「お前ら本当に好きだな、特撮」

男・マッチョ「「ああ!そうだ!」」

友「うへえ、さすがにこれは着いていけないレベル」

幼馴染「そうだね。嫌いじゃなくても輪に入り辛いよね」

男「嫌いじゃないなら問題ないだろ」

マッチョ「うん、君も一緒に語り合おうじゃないか」

幼馴染「じゃ、そろそろ部室行くよ」

友「俺も、弁当買って部室行くか」

男「もうお開きか」

マッチョ「仕方ないよ、じゃあ俺も部室に…ん?」

男「どうした?」

マッチョ「いや、俺らが席立った途端に逃げるように誰かが走っていったように見えたんだけど…」

友「気のせいだろ」

幼馴染「そうそう」

男(今日はあいつら全員部活あるんだよな…)

男「…帰って飯食うか」

男(そういやマッチョが変なこと言ってたな、誰かが逃げて行ったとか)

男(俺らが席立った途端ってことは俺らを盗み見てたってことだよな)

男(誰を見てたんだろうな…冷静に考えれば、友か?あいつ、そこそこ顔はいいからな。それとも…)

男(幼馴染か?あいつ、誰がどう見てもブスとは程遠いしな…そして、そうじゃないとしたら…)

男「マッチョか?」

男(振り返っても特に反応する奴なし…マッチョに関しては女子からの評価は俺と大差ないしな、幼馴染の情報が確かなら、だが)

男「…自意識過剰もここまで来ると笑い話だな…」

「…ばれなくて良かった…」

翌日

TV「俺たちは、無敵のスーパースター!」

男「おっしゃ!テンション上がる…!」

「お兄ちゃん朝っぱらからうるさい!」

男「んだよ、いいだろ別に。平日の起床時間より遅いんだし、むしろお前の体内時計が悪いんじゃねえのか?妹」

妹「独り言が大きいんだって!幼馴染さんにも聞こえるよ」

男「聞こえる訳ないだろ!あいつ今日は午前中部活だぞ?」

妹「でも窓の外に人影があったんだよ?うちは友達とは家で遊ばないから、うちに来るの、幼馴染さんくらいじゃん!」

TV「ブレイブイン!」

男「…丁度CMだし、確認してくるわ」

妹「ほ~い」

男「ほいよっと、どちら様?」

男(って誰もいねえ。近隣住民すら…じゃあ、妹の勘違いか?でもあいつ、写真嫌いが高じて人の視線には敏感だしな)

男「何だったんだ…?ってそろそろCM終わってる頃だ!」

「……セ~フ……」

翌日

男「昨日、見たか!?」

マッチョ「ああ!ラスボス設定の癖にあっけなかったな」

男「登場した次の週にフルボッコされるとは思わなかったよな」

マッチョ「まあどうせ強化復活して返り咲くんだろうけど」

友「週明けからこれかよ…戦隊にライダーって…」

男・マッチョ「「カブト以降の平成ライダーは認めない」」

マッチョ「ただしダブルは除く」

男「そのこだわりは分からねえな」

友「俺にはそもそも何の話か分からねえよ…」

先生「そろそろHRだ。お前ら席着け」

マッチョ「早いな、もうそんな時間か」

先生「君も、自分の教室に戻れ」

「は、はい…」

男(この時間まで他のクラスにいるって、ぎりぎりだろ、遅刻扱いになるぞ。誰かは知らないけど)

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

先生「じゃあ、日直、号令」

幼馴染「起立。礼」

「「おはようございます」」

幼馴染「着席」

昼休み

男「よっしゃ!飯の時間だ!なあ幼馴染…!」

幼馴染「パス1。今日はガールズトークに誘われたから、他を当たって」

男「友!」

友「そろそろ分かれよ。去年からずっと女と食ってんだから」

男「あ、ああ、そうだよな…邪魔して悪い…マッチョ…」

マッチョ「君は追い討ちをかけるのか…?」

男「弁当忘れたくらい、学食行けば…」

マッチョ「普段から財布を持ち歩いてないんだよ!!…起きてると腹減るから今日は寝るよ…」

男「お、おお…何か悪かったな」

学食

「午後の授業だりい!」 「今日カラオケ行かね?」 「ははは」

男(やっぱ座る場所ないな。今からコンビに行ったら食う時間なくなるし、自販機の菓子パンでいいや)

ガコン

男(教室戻って空腹のマッチョを刺激してもかわいそうだしな、どっかで適当に食うか)

男(屋上で食べるのが学園者の定番なんだが…)

屋上前の階段

男「やっぱ開いてないよな、てなるとこうだ」

男(今更他に当てもなし、幸い人通らないから埃も舞わないし、ここでいいや)

男「お前もそれでいいよな?菓子パン…」

「え!?ああはい、それで全然問題ありません!」

男「え?」

「え?」

男「おま…いや、君、誰?てか、いつからそこに!?」

「ええ!?気付いてたから声かけたんじゃないんですか!?」

男「近くに誰もいないと思って一人芝居してたんだよ言わせんな!てか聞かれたことに答えろよ!」

「ご、ごめんなさい!ここに来たのは1分ほど前です!」

男「そ、そうか、ああ、いきなり責めて悪かったな。動揺しすぎた」

「いや、驚かせちゃったのは私の方ですから…」

男「気にするなよ、で、君は誰?」

「あ、はい。すーはー…私、1年6組の後輩です」

後輩「よろしくお願いします」

男「俺は2年7組の男。こっちこそよろしくな」

後輩「はい、こちらこそ…」

男「…………」

後輩「……あ、ここはもう使ってるみたいですね、他所行って食べます…」

男「いやいいよ別に。昼休み残り20分くらいだろうから、他探してたら食う時間なくなるぞ」

後輩「ですよね~…と、じゃあ、隣行っていいですか?」

男「まあ俺の私有地じゃないし、許可取らなくていいよ。邪魔だったんならもう少し端寄るけど」

後輩「いえいえそんな!十分座れるのでお構いなく!」

男「そ、そうか」

後輩「で、では隣、失礼します…」

男「おう…」

後輩「…………」

男「……」

後輩「……」

男(何か気まずいな。そうでなくても俺が振れるような話題なんてないけど)

後輩「……」

男(弁当小さいな。てか卵焼き美味そうだな。でも俺菓子パン残ってないから一口交換とかも頼めないな)

男「ズズー」

男(飲むヨーグルトも飲み終わったし、教室戻るか)

男「じゃ、お先」

後輩「え、もう!?あ、はいお疲れ様です!あ、あの!」

男「ど、どうした?」

後輩「また、ここにくれば会えますか!?」

男「いや、俺あんまここ来ないからな」

後輩「そうですか…」

男「…2の7くれば会えると思うよ、大体教室いるしな。じゃ、5限遅れるなよ」

後輩「はい!」

幼馴染「お、お帰り」

男「ただいま」

幼馴染「珍しく教室で食べなかったらしいけど、どこ行ってたの?」

男「屋上前の階段に。学食が埋まってたからな」

幼馴染「確かに、学食ってほぼ毎日満員だよね、昼時は」

男「だよな。久しぶりに行ってみてびっくりしたぜ。ありゃ授業中抜けなきゃ席取れねえよ」

幼馴染「それでそんな僻地に、ご愁傷様」

男「うるせえ」

放課後

幼馴染「じゃ、今週は私の班が掃除当番だから、先帰ってて」

男「おう、じゃあお先」

幼馴染「んじゃね」

男(とっとと帰って英語の予習だ。あの先生怖いからな)

後輩「あ、あの!」

男「ん?俺?」

後輩「そうですあの、その…」

男「確か、後輩、だよな?どうした?」

後輩「そうです、1年…」

男「いやクラスは分かったから、俺に何か用?」

後輩「は、はい、その…い、一緒に帰りません…か?」

男「別にいいけど、家の方向違うかもよ?」

後輩「そ、そのときはそのときで!」

男「とりあえず西門から出て左だけど、方向大丈夫?」

後輩「はい、私もそっち方面なので」

男「そっか、じゃあ行くか」

後輩「はい」

後輩「……」

男「……」

男(昼休みと同じ状況だ。無言じゃあんま良くないって学んだばっかで何やってんだ…ん?)

男「そういえばさ」

後輩「は、はい!何ですか!?」

男「あ、すまん、脅かしちゃったか?」

後輩「いえいえそんなことは!そういえば、何ですか?」

男「後輩って、先週ゴミ出しやってたよな?」

後輩「はい、やってました」

男「そっか、やっぱあの二日連続でゴミ出ししてたの君だったんだな」

後輩「そうですよ。気付きませんでした?」

男「今思い出した」

後輩「それは何よりです」

男「そっか」

後輩「ここ左です」

男「俺は直進だから、ここまでだな」

後輩「そうですね、ではさようなら」

男「おう、またな」

後輩「は、はい!ではまた…!」

男(さてと、英語の予習といくか)

翌日

通学路

男「おはよう」

幼馴染「おはよう、色男」

男「何でだよ!」

幼馴染「聞いたよ、昨日女の子と一緒に帰ったんだって?羊の顔して意外とやるねえ」

男「草食系とでも言いたいのか?」

幼馴染「さあどうでしょ。今後も経過報告楽しみにしてるよ」

男「モルモット扱いかよ!」

教室

男「おはよう」

マッチョ「あ、男、昨日はごめん!空腹に任せて八つ当たりしてすまなかった!」

男「別にいいよ、俺も三度の飯は割りと楽しみな方だし気持ちは分かる」

マッチョ「そうか、じゃあお礼に今日の弁当のブロッコリーをあげるよ」

男「いらねえよ、つかお前嫌いなもの押し付けてるだけだろ」

幼馴染「そうとも言うね」

マッチョ「そうとしか言わないよ」

男「確信犯じゃねえか!」

昼休み

マッチョ「今日は一緒に食べようか」

男「おう、幼馴染は?」

幼馴染「後輩たちが席取ってくれたらしいから学食行ってくる」

男「了解、行ってらっしゃい先輩」

幼馴染「んじゃまた5限にね」

マッチョ「今日はおにぎりだけか」

男「母親が今日同窓会だかでさ、朝早くからいなくて自分で作るしかなかったんだよ」

マッチョ「それにしてもこれはひどい」

男「そう思うんならお前のメンチカツくれよ」

マッチョ「それは困る!今日一番の楽しみなんだ。ブロッコリーならいいんだが」

男「却下。せめて卵焼き…」

後輩「でしたら、私のをどうぞ!」

男「ああ!?」

マッチョ「い、いつの間に!そしてどなた!?」

後輩「ひっ!」

後輩「あ、す…すみません……私の卵焼きなんか要りませんよね…」

男「いやそうは言ってない!って後輩か!」

後輩「はいそうですよー…」

マッチョ「後輩さん?見たところ一年生みたいだけど、どうしたの?男に用事?」

後輩「お昼一緒に食べようかと…あ、初めまして。後輩と言います」

マッチョ「初めまして、マッチョです。中学時代男と一緒の部活にいた、現クラスメイトだよ」

後輩「そうなんですか!?」

男「お、おう、まあな、今は帰宅部だけど」

マッチョ「復帰するならいつでも待ってるから、部室で」

後輩「それって、どういう…」

男「飯はいいのか?弁当すら出してないけど」

後輩「はあ、そんなことが…」

マッチョ「最後までやったけど進学後は続けないパターンだね。独り続けてる俺は寂しいよ」

男「何で俺の話題で盛り上がってんだよ」

マッチョ「まあ会ったばっかで共通の話題ってこれくらいだし、それに…」

男「それもそうだけど、つか、勝手に暴露すんなよ諸々」

マッチョ「ブロッコリーあげるから許してくれ」

男「だからいらねえって。くれるんならその冷食のコーンクリームコロッケ寄越せ」

後輩「じゃあ、冷食のたこ焼きはいかがですか?」

男「いやいいよ自分で食えよ、ただでさえ量少ないだろその弁当」

マッチョ「確かに。女の子ってこと考慮してもこれでもつの?」

後輩「はい、今は、ですが…」

マッチョ「前はもう少し食べていた、と」

後輩「一昨年の冬に…」

キーンコーンカーンコーン

マッチョ「もう予鈴か」

男「おい急がないと5限遅れるぞ」

後輩「は、はい!ではまた!」

マッチョ「うん、気をつけて教室帰ってね」

男「じゃあな」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

幼馴染「滑り込みセーフ?」

友「いやアウトだろ」

先生「席についてないお前もな」

友「ちょっ!教科書取り行くのはセーフじゃないっすかね?」

男「アウト」

マッチョ「アウト」

幼馴染「ダウト」

先生「だ、そうだ。二人とも平常点減点1」

放課後

友「お前らな、揃って余計なこと言うなよ」

マッチョ「すまない。でも言わなくても結果は同じだったと思うよ」

幼馴染「そうそう、反省するんだよ友君」

男「お前もだろ」

幼馴染「何だと?」

友「さてっと、部活行って忘れるとするか」

幼馴染「右に同じ」

マッチョ「そうだな、男はどうする?」

男「俺は…まっすぐ帰るよ」

幼馴染「……」

マッチョ「そうか、じゃあ、また」

西門

男「お?」

後輩「あ!」

男「…誰か待ってんのか?」

後輩「いえ、これから帰るところです。あの、その…」

男「一緒に帰るか?」

後輩「はい!」

男「……」

後輩「…………」

男(相変わらず会話がないな。でも、なんか昼休みより楽しそうな顔してるな)

男「何かいいことあった?楽しそうだけど」

後輩「え?そうですか?」

男「ああ、昼休みよりも、こう、自然に笑ってる気がする」

後輩「ああ、あはは…その、人の多いところ苦手ですし、あの時は緊張してたので…」

男「まあ緊張するか、単身上級生の教室に入ってきたんだしな」

後輩「はい…」

男(…また途切れた。話すの下手だな俺)

後輩「……」

男(そういえば…)

男「昼休み、何か言いかけてたよな?」

後輩「えっと…どれのことですか?」

男「一昨年の冬に、だったかな」

後輩「ああ…怪我したんですよ、部活中に」

男「怪我?どこを、ってか大丈夫だったのか?」

後輩「右足首を捻挫して…怪我は大したことなかったので大丈夫です。ただ…」

男「ただ、復帰後、調子が戻らなかった、か?」

後輩「何で分かったんですか!?」

男「いや、昼休みにマッチョから聞いてただろ、俺と同じなんだから」

後輩「先輩は私なんかとは違いますよ!」

男「びっくりした…え?でも怪我、不調、リタイア、だろ?同じだろ」

後輩「全然違う!引退まで続けるのと3年になる前にやめるのじゃ、雲梯の差ですよ!」

男「声でけえ!つか雲梯じゃねえ雲泥!雲と泥!遊具じゃねえよ!」

後輩「あ、す、すみません…と、ここまで、ですね」

男「ああ、ここ曲がるんだっけ」

後輩「はい…さようなら…」

男「…明日、昼休み予定あるか?」

後輩「いえ…?」

男「だったら、また屋上前の階段で、一緒に食うか?」

後輩「…はい!是非!あ、また、明日…」

男「おう、またな」

男(英語の予習が捗らねえな、元々苦手なのもあるけど)

男「…後輩、か…」

男(あいつも部活続けられなかったっつってたな)

男(てことは、あいつは否定してたけど、俺によく会いに来る理由って…)

男「同じ匂いを感じたってことか?」

妹「何言ってんの?きもいんだけど」

男「んだよ、何か用か?それとも喧嘩売りに来ただけか?」

妹「ご飯できたよ、お兄ちゃん」

男「おう、今行く」

翌日

教室

男「おはよう、って誰もいない」

男(結局昨日じゃ予習終わらなかったし、今やるか)

「おっす」「おはよう」「よう」「へいへいほー」

男(人増えてきたな…今日の授業でやるとこまでは終わったし、そろそろ切り上げるか)

幼馴染「お、やってるね、ガリ勉だねえ」

男「お前、俺が英語苦手なの知ってて言ってるだろ」

幼馴染「まあね、だから教えてあげよう、日曜日に」

男「ああ、来週からテスト週間だったな」

幼馴染「そういうこと。で、代わりに…」

男「数Ⅱと日本史B教えりゃいいんだろ?分かってるって」

幼馴染「うん、じゃあ朝7時半にお邪魔するね」

男「てっめ、それ特撮の時間じゃねえか!」

昼休み

マッチョ「漸く昼だね、待ちに待った飯の時間だ」

幼馴染「そうだね。男、今日は一緒に食べよう」

男「ああ悪い、今日は先約あるんでパス」

幼馴染「え?」

男「じゃ」

幼馴染「ああうん、いってらっしゃい」

マッチョ「……」

屋上前の階段

後輩「あ、先輩!」

男「お?早いな後輩。ここまでの距離はそっちの教室からの方があるのに」

後輩「たまたまですよ、それより…」

男「ああ、頂きます」

男「へえ、毎日自分で弁当作ってるのか、凄いな、てか美味いな」

後輩「ありがとうございます。でもそんな大したもの作ってる訳じゃないですし、量も少ないので楽ですよ?」

男「いや俺だったら無理。全品昨晩の残りでも毎日用意できない」

後輩「そんなこと…」

キーンコーンカーンコーン

男「と、予鈴か。んじゃ、またな」

後輩「あ、あの…!あ、明日も…!」

男「分かった。じゃ、明日もここでな」

後輩「はい!」

教室

幼馴染「ちゃんと間に合ったみたいだね、学食にでも行ってたの?」

男「いや、屋上の入り口の前の階段」

幼馴染「また?さては僻地で食べる趣味にでも目覚めたか?」

男「んな訳あるかよ!人ごみが苦手な奴だから…」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

男「と、時間か」

先生「号令」

友「起立、礼。着席」

幼馴染「……」

放課後

幼馴染「男、明日の放課後って予定ある?」

男「特にないけど」

幼馴染「やっぱりね、いつも通りだね」

男「余計なお世話だ」

幼馴染「余計ついでに寄り道しようよ。クレープ屋とか」

男「お前部活は?」

幼馴染「他の部活に体育館取られたから明日はなし」

男「どんまい、じゃ、明日行くか」

幼馴染「うん、じゃ部活行ってくる」

西門

男「やっぱりいたな」

後輩「いますよ。では…」

男「ああ、帰ろう」

男(すっかり慣れたな、後輩が待ってるのも、あんまり話さない帰り道も)

後輩「…ふふ…」

男(それでいてつまらなそうにしてないのも…と、もうそろそろか)

後輩「あの…!」

男「ああ、じゃあまた、明日の昼にな」

後輩「はい!また明日!」

翌朝

通学路

男「よう、今日は早いな」

幼馴染「うん。今日は朝連あるからね」

男「ああ、放課後場所とれない分、朝やるのな」

幼馴染「そうそう。それと、今日の放課後、忘れてないよね?」

男「健忘症じゃあるまいし!お前こそ財布忘れてないだろうな?」

幼馴染「もちろん。奢ってもらうつもりで中身抜いて持ってきたよ」

男「アホか!」

幼馴染「まあそれは冗談だけど、忘れて先帰るなよ?」

男「分かってるよ、お前が掃除終わるまで待ってる」

幼馴染「了解。じゃちょっと急ごう」

男「ぎりぎりだったのかよ!」

昇降口

幼馴染「ぎりぎりになっちゃったから鞄運んで」

男「おう、遅れんなよ」

幼馴染「了解、ありがとね」

教室

男(今日は英語がないから気が楽だな)

男「と、あいつの席通り過ぎた」

男(でもまあ試験までもう少し進むだろうし予習しとくか。HRまですることないし)

マッチョ「おはよう」

男「おう、おはよう」

マッチョ「英語の予習か」

男「ああ、試験範囲確定するまでこの苦行は続くんだ…」

マッチョ「気持ちは分かる、手抜きばれたときのあの先生は怖いからね」

幼馴染「男はその上英語苦手だしね」

男「まあな。って、もう朝練終わったのか」

マッチョ「予鈴の5分前だからもう、って程でもないと思うけど」

幼馴染「そうそう、結構いい時間だよね」

男「本当だ。結局1ページも進まなかったか」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立」

友「滑り込みセーフ!」

先生「遅刻1名、と」

友「マジすか!?」

「礼」

友「スルーされた!」

昼休み

男「おし、飯の時間だな」

幼馴染「そうだね、一緒に食べようか」

マッチョ「ん?いや、多分先約があるんじゃないか?」

男「ああ、てな訳で行ってくる」

幼馴染「うん、分かった…」

屋上前の階段

後輩「こんにちは!」

男「おう、今日も早いな」

後輩「現代文が早めに終わったので…」

男「なるほどな。と、そろそろ食うか」

後輩「はい!頂きます」

後輩「……」

男「…さてと、食べ終わったし予鈴まで5分ないし、そろそろ戻るか」

後輩「はい、あ、あの、今日も一緒に…」

男「悪い、今日は用事あるから一緒には帰れない」

後輩「あ…そ、そうですか……どんな用事ですか…?」

男「ああ、放課後に幼馴染と…」

キーンコーンカーンコーン

男「やべ!急ぐぞ」

後輩「は、はい!」

教室

幼馴染「最近昼休みぎりぎりまでどっか行ってるね」

男「屋上前の階段で飯食ってんだよ、前にも言ったろ」

幼馴染「聞いたよ。人混みが苦手な子と…」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

男「時間切れか」

「起立、礼。着席」

幼馴染「……」

放課後

マッチョ「さてと、今日もいい汗流すか」

男「おう、行ってこい」

マッチョ「たまには君もどうだい?」

男「パス。つうか今日は用事あるしな」

幼馴染「お、忘れてないようで」

マッチョ「そういうことか。じゃあ残念だけど、またの機会にするよ」

男「悪いな」

男「じゃ、図書館で自習しながら待ってるから」

幼馴染「了解、じゃあ掃除終わったら行くね」

男「おう」

「幼馴染ー、サボる気ー?」

幼馴染「ちゃんとやるって」

図書館

男(久々に来たけど、相変わらず静かだな)

男「……」

男(足音一つ許されないんじゃないかってレベルだな、ここまで来ると居心地悪い…)

男(早くあいつ来ないかな)

男(肩を叩かれた?と、やっぱ幼馴染か)

幼馴染「(お待たせ)」

男「(おう)」

男(やべ!周囲の視線がきつくなった!急いで出るか)

西門

幼馴染「いや、久しぶりに来たけど、怖いくらい静かだね、図書館」

男「そうだな。つか、お前が来たときガチで睨まれたし」

幼馴染「3年生かな?殺気立ってるよね」

男「だな」

幼馴染「いやあ、何か、久々な気がするね」

男「何が?」

幼馴染「一緒に帰るの」

男「先週も一緒に帰ったろ」

幼馴染「そうだけどさ、こう気分的に?って、あれ?」

男「今日はクレープ屋、来てないみたいだな。仕方ない、家で何か食うか」

幼馴染「よし、じゃあそこの喫茶店に入ろう」

男「何でだよ、必要以上に金かかるだろ」

幼馴染「いいからいいから。男の奢りでいいから」

男「聞けよ!てか良くねえよ!」

喫茶店

幼馴染「カフェラテMとストロベリーマフィンで」

「かしこまりました。そちらのお客様は?」

男「アイスコーヒーのMで」

「ご注文承りました。それでは少々お待ち下さい」

幼馴染「コーヒーだけ?」

男「金欠だからな」

「お待たせしました。カフェラテのMサイズ、ストロベリーマフィン、アイスコーヒーのMサイズです」

男・幼馴染「「どうも」」

男「で?」

幼馴染「ん?何?」

男「話があるんじゃないのか?何にもないのにこういうとこには来ないだろ」

幼馴染「いや別に何もないけど」

男「おい!」

幼馴染「冗談冗談」

男「何なんだよ」

幼馴染「はいこれ」

男「英Rの教科書か…和訳から何から完璧に予習してあるな」

幼馴染「写していいよ」

男「マジで!?サンキューベリーマッチョ!そこのコンビニでコピって…!」

幼馴染「ただし!ここで写すこと」

男「い、意味不明…効率悪すぎだろ」

幼馴染「でも自分で書き写さないとちゃんと読まないでしょ。てことで、この条件が嫌なら貸さない」

男「へえへえ、もうそれで結構なんでお貸し下さい幼馴染様」

幼馴染「よろしい。では貸して差し上げよう」

翌日

教室

幼馴染「おはよう」

男「おはよう。昨日はありがとな」

友「昨日何かあったのか?」

男「英語の予習写さしてもらったんだ」

友「そりゃ良かったな、ここ最近毎日予習してたらしいし」

幼馴染「感謝は行動で…」

男「ああ、明後日、日本史と数学みっちり教えてやるよ」

幼馴染「お手柔らかに」

昼休み

マッチョ「待ちに待ったこの時間」

友「たかが昼飯で毎度大げさな奴だな」

男「そういうお前だって女さんとのランチタイムを満喫してるだろ、それこそ毎日」

友「俺らの場合は食うのがメインじゃないけどな。んじゃ、また5限で」

幼馴染「食うのがメイン同士で教室に残っちゃったね。仕方ない、一緒に食べよう」

男「食い意地張ってるみたいな言い方すんなよ。まあいいけど」

マッチョ「え?行かなくていいのか?」

男「今日は特に約束してないからな。いただきます」

マッチョ「そうか、いただきます」

幼馴染「……」

幼馴染「食うのがメイン同士で教室に残っちゃったね。仕方ない、一緒に食べよう」

男「食い意地張ってるみたいな言い方すんなよ。まあいいけど」

マッチョ「え?行かなくていいのか?」

男「今日は特に約束してないからな。いただきます」

マッチョ「そうか、いただきます」

幼馴染「……」

キーンコーンカーンコーン

友「よし、今日はセーフだな」

男「どこで食ってたら毎度そんなぎりぎりになるんだ?」

友「大半が学食かな…って、今週はお前もぎりちょん多かったらしいじゃねえか」

男「ああ、屋上前の階段で食ってたからな」

友「何その新しい便所飯スタイル」

男「便所飯じゃねえだろ!人ごみが苦手な奴がいてさ…」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

友「やべ!その話また今度な」

「起立、礼。着席」

放課後

男「今日も終わりだな」

友「お前はな」

マッチョ「俺たちはこれからが本番さ、部活と言う名の」

幼馴染「そうそう、気が重いよね」

友「どうした?何かあったか?」

幼馴染「昨日休みになったし、明日が試験前最後だから、きつめの練習メニューなんだ」

男「そうか、それはまあ、頑張れ」

幼馴染「軽いなあ」

マッチョ「俺と一緒に頑張っても…」

男「悪いけど、パス」

マッチョ「それは残念だ…と、そろそろ行くか」

西門

男(明日試験範囲が分かるからな、そしたら英語の予習やめて日本史と数学やるか)

後輩「あ…えと、どうも…」

男「っと、後輩か。どうした?」

後輩「い、いえ!何も!あの…その、先輩は、今から帰り、ですか…?」

男「ああ、そうだけど。一緒に帰るか?」

後輩「はい…」

通学路

男(何か今日は沈黙が重いな。後輩は月曜の昼休みみたいにおどおどしてたし)

男「今日、何かあったのか?」

後輩「え!?い、いえ!特には…」

男「そうか。何か元気なさそうだけど」

後輩「そう、ですか……あ、あの…」

男「ん?」

後輩「…私って…先輩にとって迷惑ですか…?気に障ること…してませんか…?」

男「え?どうしたんだ急に…俺、お前に何かした?」

後輩「いえ!先輩は何もしてません何も悪くありません!」

男「お、おう…そうか……もしかして、今日の昼、一緒に飯食わなかったこと、怒ってる?」

後輩「そ、そんな厚かましいこと思ってません!先輩には、何か大事な用事があったんでしょうし…」

男「いやごめん普通にクラスメイトと食ってた。今日は特に後輩と食う約束してなかったし」

後輩「そ、そうですか…そうだったんですか…」

男「な、何かごめん」

後輩「いえ、お気になさらず…と、ここまでですね」

男「もうあの曲がり角か、いつの間に…」

後輩「では、失礼します…」

男「あのさ、明日も一緒に帰ろうぜ。明日は午前終わりだから、飯は一緒に食えないけど、どう?」

後輩「ぜ、是非!明日も一緒に帰りましょう!」

男「おう、じゃ、またな」

後輩「はい!また明日!」

翌朝

教室

幼馴染「おはよう」

男「おう、おはよう。部活どうだった?」

幼馴染「予想通りきつかった」

マッチョ「こちらも言うまでもなく。未だに眠いよ」

男「みたいだな、大丈夫か?」

マッチョ「今日を耐え切れば大丈夫。試験期間に回復できる」

幼馴染「こっちもそんな感じ。あ、男、今日のノート全部明日見せて」

男「全教科寝る気かよ!」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

友「きりーつ、礼。着せーき」

幼馴染「これで今日の授業終わり、と」

男「本当に全部寝やがった…てか、よく怒られなかったな」

幼馴染「ばれないようにうまくやってるからね」

マッチョ「我々運動部には必須のスキルだよ」

男「んなもん必須でたまるか!」

マッチョ「まあ実際はばれてて平常点減らされてるみたいだけど」

先生「席着け、帰りのHR始めるぞ」

放課後

男「英Rの試験範囲やばいな」

幼馴染「日本史Bはその比じゃないよ」

マッチョ「さて、試験範囲のことは部活行って忘れるか」

男「忘れちゃだめだろ」

幼馴染「そうだね。そろそろ行かないとね」

マッチョ「じゃ、また来週」

男「おう、じゃあな」

西門

男「よう」

後輩「お疲れ様です!」

男「相変わらず早いな」

後輩「ふふふ」

男「じゃ、帰るか」

後輩「はい!」

通学路

男(今日は機嫌よさそうだな)

後輩「あの、先輩」

男「ん?何?」

後輩「明日、何か予定ありますか?」

男「明日か、あるよ」

後輩「え?」

男「勉強会。今日期末の試験範囲、発表されただろ?その試験勉強を幼馴染と…知り合いとやろうと思ってさ」

後輩「幼馴染、さん…?」

男「ああ、小学校以来の腐れ縁って奴。今じゃ唯一の女友達ってとこかな」

後輩「……彼女さん…なんですか?」

男「いやそれはない。この前振られたし」

後輩「え!?振られたんですか!?」

男「あ、ああ…そんなに驚かんでも…」

後輩「だって!信じられませんよ!振った相手と勉強会とか…!」

男「そこはほら、慣れとか惰性とか、互いのメリットとか?得意な科目教え合ったり…」

後輩「でもでも…!」

男「って、あれ?そこ曲がらなくて良かったのか?もう分岐点過ぎてるぞ?」

後輩「い、いつの間に…」

男「じゃ…じゃあ、またな」

後輩「あ、はい…また月曜の昼休みに…」

男「さてと、得意科目もそろそろ手をつけとくかな」

男(明日幼馴染に聞かれて答えられないんじゃ、勉強会する意味なくなるしな)

男「幼馴染、か…」

男(今まであんまり考えなかったけど、やっぱりこの距離感って、普通じゃないんだよな)

男「……考えてても何も進まないし、手を動かすか」

男(しっかし後輩も珍しく声を荒げてたな。週明けにどんな顔して会ったもんかな)

翌朝

男「ふっ!と、六時半頃か」

男(数Ⅱの復習しとくか。昨日は後輩のことが気になって日本史Bしか終わらなかったしな)

「あ、起きた?ご飯できたから起こそうと思ったけど、手間が省けたわ」

男「そっか、って妹はいいの?」

「どうせ起こしても愚図るから、無視!」

男「確かに。じゃ、頂きます」

男「まあ、こんなもんか」

男(今回の試験範囲の確認はできた。後は特撮見ながら幼馴染を待つか)

ピンポーン

「はーい」

男(そういや丁度特撮の時間に来るって言ってたな。まあ冗談だろ)

幼馴染「おはようございます、お母さん」

男「はあ!?」

幼馴染「おはよう、男。何か渋い顔だねえ」

男「本当にこの時間に来たねお前。あれ冗談じゃなかったのかよ」

幼馴染「どれのことか知らないけど、早速テスト勉強始めようよ」

男「分かってて言ってんだろ!にやけてるぞ。特撮の時間って知ってて来たことだよ」

幼馴染「もちろん。そりゃ毎回週の始めにその話題ばっかされたらね」

男「悪かったな、帰宅部の数少ない楽しみなんだよ」

幼馴染「それはそれとして、数Ⅱから始めよう」

男「数少ない楽しみだって言っただろ。見てから試験勉強開始で、つか、もう始まってるし」

幼馴染「試験前に娯楽とは随分余裕だねえ。でも私は余裕ないから今から始めようよ」

男「じゃあ先始めといてくれ。見終わったらすぐ行くから」

幼馴染「そこまで粘られちゃ仕方ない。久しぶりに一緒に見ますか」

男「いいのか」

幼馴染「特撮嫌いな訳じゃないしね。そろそろCM終わった頃かな」

男「…絶対見るの久しぶりじゃないだろ」

幼馴染「今の戦隊ってコミカルなんだね…」

男「まあ、今回のはそういう路線かな。前回すかしたのやって受けなかった反動とか?」

幼馴染「でもこれは酷い」

男「俺もラスボス一時撃退後がここまでギャグ回になるとは思わなかったよ」

幼馴染「そっか。この後の、えっと、ウィザードだっけ?は見てないんだよね?」

男「ああ、ここ最近は戦隊だけだな」

幼馴染「ふうん。それじゃあそろそろ始めようか」

男「すまん、一応予告まで待って」

幼馴染「じゃ、今日はこっちの苦手科目中心で」

男「うう、っく!背に腹は替えられない!」

幼馴染「どんだけ戦隊好き…?」

TV「ご覧のスポンサーの提供で、お送りしました」

幼馴染「終わったね」

男「ああ、これはこれで明日マッチョと語り合うのが楽しみだな」

幼馴染「じゃあ、娯楽はここまで!試験勉強を…」

母「幼馴染ちゃん!朝ごはんは食べた~?」

幼馴染「はい。来る前に食べました~」

母「ありゃ残念。じゃあ昼にでも一緒に食べようね~」

幼馴染「は~い」

男「丸一日いる気かよ!」

男「これ確か接弦定理とピタゴラスの定理で…」

幼馴染「うん、一旦休憩しよう。休憩ついでに雑談しよう」

男「お前…!自分から数Ⅱやるって言ってからに…!」

幼馴染「一日一善やるとか言ってたけど、あれどうなったの?」

男「裏目に出ること多いからやめた。んでAの角度の2倍がBだから…」

幼馴染「一応の成果はあったんだよね?一緒に帰る女の子ができたりお昼メイトができたり」

男「お昼メイトって何語だよ…つか、どっちも同一人物だよ。で、この問題…」

幼馴染「ほう…懐かれてるね。で、明日の昼も一緒に食べる、と?」

男「ああ、そうだよ…って、勉強する気なしか!本当何しに来たんだよお前!!」

妹「お兄ちゃんうるさい!」

妹「せっかくの休みに何怒鳴ってん…の…?…あれ!?幼馴染お姉ちゃん!?」

幼馴染「おそよう。お邪魔してるよ」

妹「家来るの久しぶりじゃん!どうしたの?」

男「先週も来てたんだが」

妹「うちその時いなかったし。てかそれなら呼んでくれれば良かったんじゃない?」

幼馴染「実際には先々週の中頃だね」

妹「だったら部活休んだのに」

幼馴染「じゃあ今日はその分も遊ぼうね」

男「現実逃避すんなよ。赤点取るぞお前」

幼馴染「8切り、からの革命」

男「無理、パス」

妹「うちも」

幼馴染「で、上がり」

妹「なんで終盤でそんなにいい手残ってんの?」

幼馴染「悪いなりに都合のいい手が揃ってたからね。温存していたのだよ」

男「それはいいけど、本格的に捨ててるのか?今回の期末」

幼馴染「お邪魔しました」

母「泊まっていってもいいのよ?」

妹「うん、もう遅いしその方が良くない?」

幼馴染「いやあ、明日学校だからその準備もあるんで」

男「送っていこうか?」

幼馴染「すぐ向かいだし、見送りで十分だよ。じゃあまた明日」

妹「またねー」

翌朝

通学路

幼馴染「おはよー」

男「おう、おはよう」

幼馴染「結局昨日は試験勉強進まなかったね」

男「誰のせいだと…」

幼馴染「それはそれとして」

男「この野郎…」

幼馴染「今日の昼、一緒に食べよう?」

男「今日は後輩と一緒に食う約束してんだけど」

幼馴染「知ってる。私も、屋上前の階段だっけ?行くからさ」

男「別にいいけど、何なんだよ…」

教室

男「おはよう、っつっても、この時間は少ないよな」

幼馴染「そうだねえ」

男「試験期間だから、部活ないんだよな?こんな早く来なくていいのに」

幼馴染「試験期間だからね、昨日は大して復習できなかったし、偶にはね?」

男「言っても聞かないんだろ?もう好きにしろよ」

幼馴染「言われなくても」

マッチョ「予想以上にだれたね」

男「そうだな、まあシリアス回の後だから仕方ないんだけどな」

マッチョ「そうなんだが、あそこまでとはね」

友「ま~た内輪話かよ」

男「週1くらいいいだろ」

幼馴染「週始めだけで済まない事もあったよね」

男「悪いのか?」

マッチョ「多少はそういうこともあるだろう。部活が異なる以上、会話の時間は減るし」

男「それは本当に申し訳ない」

昼休み

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立!気をつけ!礼!!」

マッチョ「今日からは純粋に楽しい食事の時間だな」

男「だな。でも悪いけど…」

マッチョ「先約があるんだろ?早く行ってあげなよ」

男「ああ、じゃあ行ってくる」

幼馴染「……」

階段

男「本当に着いてきたな」

幼馴染「何か不都合でも?」

男「ないけど、何で来るかも分からないんだけど」

幼馴染「男の新しいお昼メイトを一目見たくて」

男「お前は俺の保護者かよ」

屋上前の階段

男「お待たせ」

後輩「こんに…え?あの…そ、そちらの方は…?」

男「俺のクラスメイト。幼馴染だ」

後輩「…あなたが…幼馴染さん……ですか…」

幼馴染「うん。只今ご紹介に与りました、幼馴染です。宜しくね」

後輩「あ、はい。えっと、1年6組の後輩です…宜しくお願いします…」

幼馴染「君が男のニューお昼メイトか」

後輩「…あ、あの…」

男「立ち話もなんだし、そろそろ食うか」

幼馴染「そう言えば、飲み物買い忘れてたよ。男、カフェオレ買ってきて」

男「自分で買って来いよそれくらい…」

後輩「あ、すみません先輩!私のも何かお願いします!」

男「その手に持ってるこんにゃく飲料は?」

ズズー ズ ズズ

男「一気飲み!?」

後輩「今日は…その、特に…暑いので、のど、乾いちゃって…」

男「分かったよ、買ってくるからそんな無理して飲むなよ」

幼馴染「奢ってくれるんだ、ありがと」

男「立て替えるだけだ!カフェオレと、後輩はそれと同じ奴でいいか?」

後輩「はい、これで。では、お願いします」

男「時間かかると思うから先食べててくれ。じゃ」

幼馴染「…さてと、後輩ちゃんだっけ?君とは一度話したいと思ってたんだよ」

後輩「…奇遇、ですね……」

男(ガールズトークのために追い出したのか。じゃあゆっくり行った方がいいな)

学食

ガコン

男(あいつらの飲み物買ったし、戻るか)

友「今日はこっちで食うのか?」

「珍しいね。人混み苦手じゃなかったっけ?」

男「友、と女さんか。いや、飲み物買いに来ただけ。人混みは苦手だよ」

友「飲み物買いにね。何だパシリか」

女「友君!」

男「いいよ間違ってないし。それよりそっちこそいいのか?席埋まるぞ?」

友「荷物置いてるし大丈夫だろ。お前も、急がなくていいのか?食う時間なくなるぞ?待ってる連れもいるんだろ」

男「俺抜きで話したいらしいから問題ない。ゆっくり戻ろうと思ってたから」

女「そっか。何の話しか知らないけど、済んでるといいね」

友「そうだな、じゃあまた5限前にな」

男「ああ、今度は遅れるなよ」

友「お前もな」

男(何の話しだったんだろうな。初対面のはずだが二人きりで話すようなことあったか?)

男「お待たせ…って、やけに静かだな、話し弾まなかったか?」

幼馴染「そんなことはないよ…」

男「何か元気ないぞ。これ飲んで元気出せよ。ほら、後輩も」

後輩「ありがとうございます。確か100円ですよね?」

幼馴染「こっちは130円だっけ」

男「本当に大丈夫か?催促なしに自分から払おうとするとか」

幼馴染「失敬な!」

後輩「そうですよ。親しき仲にも礼儀あり、ですよ」

男「それは何か使い方が違う気がするけど」

幼馴染「まあ、時間なくなるし、そろそろ食べようか」

男「それもそうだ。頂きます」

後輩「頂きます」

幼馴染「…召し上がれ」

キーンコーンカーンコーン

男「もう予鈴か。まあ買い出し行ってたし仕方ないか」

後輩「ですね。では先輩、また帰りに会いましょう」

幼馴染「……」

男「ああ。5限、お互い遅れないようにな」

後輩「はい!」

幼馴染「ん、じゃあね」

教室

男「何とか間に合ったな」

幼馴染「そうだね…」

男「友は、結局間に合わなかったか」

幼馴染「そうだね…」

友「今日はぎりぎりセー…」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

先生「席着いてないからアウトだ。日直」

「起立、礼。着席」

友「ええ…」

放課後

友「やっと終わったな」

マッチョ「今日からは部活がないからもう帰るだけか」

友「俺は掃除当番だけどな」

男「じゃあ頑張れよ」

友「は?幼馴染と一緒に帰るんじゃないのか?」

幼馴染「…今日は図書館で勉強して帰るよ」

男「そうか。じゃあ下駄箱までだな」

昇降口

男「ここまでだな。元気ないみたいだし、あんまり根を詰めすぎるなよ」

幼馴染「うん…ありがとう…」

男「さて、まずは英語二科目の復習から始めるか」

幼馴染「…ねえ…」

男「どうした?」

幼馴染「…私達の今の関係って…おかしいのかな…」

男「さあ?どうなんだろうな」

幼馴染「どう思う?…距離感とか」

男「普通、ではないんじゃないか?付き合ってる訳でもなくお互い家に行ったり二人きりで飯食いに行ったりとかって」

幼馴染「…そっか…そう、だよね…」

男「どうしたんだ急に」

幼馴染「別に、何でもない。じゃあね…」

男「ああ…じゃあ、またな」

西門

後輩「あ、先輩。お疲れ様です」

男「おう、お疲れ…」

後輩「何か、あったんですか?本当に疲れてるような…」

男「いや、大丈夫だ。帰ろう」

後輩「はい」

学路

男「なあ」

後輩「何ですか?」

男「あいつと、幼馴染とどんな話しした?」

後輩「どんなって、自己紹介して…お弁当三人とも手作りだって知って…」

男「そうじゃなくて、俺が飲み物買いに行ってる間の内容だよ」

後輩「秘密です」

男「即答か。少しくらい教えてくれよ」

後輩「…今は…まだ言えません…」

男「今は、って、いつか教えてくれるのか?」

後輩「はい…それがいつになるかは、まだ分かりません……でも、いずれ…」

男「そうか。じゃあその時が来たら話してくれ」

後輩「そうします……でも、どうしてそんなこと聞くんですか?」

男「あいつ、あの後から元気なかったから、気になってさ」

後輩「そうだったんですか…」

男「だから心当たりがあるかだけでも知りたいんだ」

後輩「ない、と言えば嘘に…あ、曲がる所通り過ぎてました」

男「本当だ。悪い、気付かなかった」

後輩「いえ…私の不注意ですから…気にしないで下さい」

男「ああ、じゃあまたな」

後輩「はい、また昼休みに」

男(そう言えば後輩も様子が少し変だったな)

妹「お兄ちゃん」

男(言い合いでもしたのか?何にしても、極力触れないでおくか)

妹「お兄ちゃん!」

男「何だよ」

妹「御飯できたって」

男「了解、今行く」

翌日

友「セーフ…!何とか間に合ったぜ」

男「朝練なくても遅刻ぎりぎりか」

友「うるせえな…俺より遅い奴もいるだろ、幼馴染とか…」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立、礼。着席」

先生「幼馴染は休みだ。そして友、チャイムまでに席着いてないと今度から遅刻でつけるぞ」

友「すみませんそれはやめて下さい!」

昼休み

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

マッチョ「さて、飯の時間だ」

友「今日は大袈裟に喜ばないんだな」

マッチョ「普段に比べて空腹じゃないからね」

男「部活ないとそんなに違うか?」

マッチョ「みたいだ。でも、それを聞かなきゃ分からない程、帰宅部在籍期間は長くないだろう?」

男「一年以上は十分長いだろ」

友「だよな。まあいいや、俺は女と飯食いに行ってくる」

男「おう。俺も約束があったな。じゃあな、マッチョ」

マッチョ「行ってらっしゃい」

屋上前の階段

後輩「こんにちは」

男「ああ、今日も早いな」

後輩「そうですよ」

男「昨日の二の舞にならないように、さっさと食うか。頂きます」

後輩「頂きます」

男(後輩は、もう食べ終わったか。量少ないし当然だけど)

男「あのさ、昨日こんにゃく飲料飲んでたけど、あれ好きなのか?」

後輩「いえ、単に珍しいなと思って買っただけで…」

男「ああ、あるな、そういうの。買うもの決めずに行った時とか、普段見ないのが気になって、っていうの」

後輩「昨日は正にそのパターンです」

男「やっぱり?少食な後輩にしては腹に溜まるのだったしな」

後輩「あはは、確かに。あれを2本は飲み過ぎみたいで、あの後の授業でちょっと寝ちゃいました」

男「後輩でも居眠りすることあるのか」

後輩「睡魔に敗れることくらい…誰にだってありますよ」

男「そりゃそうだ。いくら真面目そうな後輩でもそれくらいあるよな。でもまあ、後輩の意外な一面を見れたよ」

後輩「…どうせなら……もっと違う面に…目を向けてくれれば……」

男「例えばどんな面?」

後輩「え!?えっと…」

キーンコーンカーンコーン

男「やばい!急ぐぞ!」

後輩「は、はい!ではまた帰りに!」

教室

友「今日は俺の勝ちだな」

男「そうだな。珍しく、お前の方が早かったな」

友「珍しくは余計だ。と、女がお前に用があるってさ。て訳で帰り、ちょっといいか?」

男「いいけど、何の用?」

友「今日休ん…」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

友「仕方ねえ、後でな」

「起立、礼。着席」

休み時間

男「で、女さんが俺にどんな用だって?」

友「ああ、今日幼馴染が休みだったろ?それ伝えたらあいつ心配してさあ」

男「確かに珍しいよな」

友「だよな。そういう訳で見舞いに行きたいらしい」

男「行けばいいんじゃないか?俺に断る必要ないだろうに」

友「二人だけで話したいんだと。んで、今日の配布物あれば渡してくれってさ」

男「分かった」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

放課後

マッチョ「今日も終わり、期末まで残り四日」

友「言うな、気が滅入る…と、男」

男「女さんにプリント渡すんだろ?覚えてるって」

マッチョ「それだけなら友に渡してもらえばいいんじゃないか?」

友「急ぎの用がある訳じゃねえんだろ?」

男「お察しの通り、試験勉強くらいだよ」

友「ならいいだろ、少しくらい」

男「ああ、じゃあ行くか」

男「はい、今日の配布物。まあ地理のプリント一枚だけだけど」

女「うん、責任もって届けるね」

友「んな大袈裟な」

女「昨日の幼馴染って様子どうだった?」

男「昼休みの終わり頃から元気なかった。何か考え事してるようにも見えたな」

女「そっか…じゃあまたね。行こ?友君」

友「おう。じゃあな」

男「ああ、またな」

西門

男「よう」

後輩「あ、先輩。お疲れ様です」

男「ああ、じゃあ帰るか」

後輩「はい!」

通学路

男(幼馴染と後輩に続き、女さんまでもそうくるか)

後輩「何か、あったんですか?」

男「え?別に、何でまた急に?」

後輩「昼休みに比べて元気がないみたいで…」

男「そうか、悪い。心配させてたか」

後輩「お気になさらず。私が勝手にしてるだけですから」

男「ちょっと思う所があって…俺って話し辛いか?」

後輩「いえ!そんなことありません!誰に言われたんですか!?」

男「い、いや…言われた訳じゃないんだが、最近俺抜きで話したがる人が多くて」

後輩「…ああ…あの、すみません…それ、私と幼馴染さんのこと…ですよね…」

男「まあ大体合ってる」

後輩「ああ…それは…ちょっと違う理由です…」

男「そこは何となく分かるけど、その時のこと全部秘密だと、ちょっとな」

後輩「それは…」

男「いつか話してくれる、だろ?」

後輩「はい。私としてもその時が早く来るといいんですけど…と、ここまでですね」

男「そうだな。この所分かれ道まで早く感じるな」

後輩「…私も…」

男「じゃあまたな。昼休みに」

後輩「はい!」

翌朝

教室

幼馴染「おはよう…」

男「おはよう。大丈夫か?昨日休んでたけど」

幼馴染「大したことないよ」

友「ならいいけどな。女も心配してたし、体調管理はしっかりな」

幼馴染「…うん、ありがと。女にも後で改めてお礼言っとく」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

マッチョ「起立、礼。着席」

休み時間

女「おはよう。幼馴染、大丈夫?」

幼馴染「お陰様でね。昨日はありがとう」

女「ううん、これからも何かあったら遠慮なく頼って」

友「昨日そんな大変だったのか?」

男「さあ…まあ、邪魔しちゃ悪いし次移動教室だし、もう行くぞ」

幼馴染「…うん、ありがとう。じゃあその時は宜しくね…」

昼休み

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

マッチョ「さて、昼飯の時間だ」

男「ああ、悪いけど今日も…」

友「どっか行く前に、ちょっといいか?」

男「何か用か?」

マッチョ「人を 待たせているだろうから手短に」

友「それはこっちに言ってくれ」

マッチョ「こっち?」

女「こっち」

男「女さんに?」

友「ああ、お前に話があるってさ」

マッチョ「珍しい」

友「だよな。じゃあ行くか」

女「友君は留守番だよ」

友「何でだよ!」

廊下

男「いいのか?友かなり怒ってるぞ」

女「こっちの問題はいいから、そっちの問題聞かせてよ」

男「そっちって、どっち?」

女「幼馴染に決まってるでしょ」

男「決まってるって言われても…昨日何話したんだ?」

女「それはいいから。一昨日どんな喧嘩したか知らないけど、早めに仲直りしてね」

男「え!?一昨日?」

女「体調崩す程落ち込んでる幼馴染なんて初めて見た。可哀想だよ」

男「ええ!?いやちょっと待っ…!」

女「言い訳するの!?」

男「言い訳も何も、まず喧嘩自体してない!怒らせた覚えも言い合いも何もしてない!」

女「…本当に?」

男「嘘吐いても仕方ないだろ。幼馴染本人に確認してもいい。絶対違うから」

女「ふ~ん…幼馴染があんなに落ち込む原因なんて、他に思い当たらないんだけどな~」

男「何でだよ…」

女「そこは自分で考えようよ。まあでも、改めて幼馴染と話してみる、じゃあね」

男(昨日どんな話したらこんな伝わり方するんだ?それにしても)

男「…その解釈で合ってれば、振られるはずないんだけどな…」

屋上前の階段

男「ごめん。遅くなった」

後輩「いえ、何かあったんですか?」

男「ちょっと知り合いと話してて遅れただけ」

後輩「…そうですか…」

男「遅れた側が言うのもあれだけど、時間ないし早く食おう」

後輩「はい…頂きます…」

キーンコーンカーンコーン

男(後輩も食べ終わらない内に予鈴か…悪いことしたな)

後輩「それでは先輩、また帰りに…」

男「悪い。今日は一緒に帰れそうにない」

男(幼馴染の様子が変なのは女さんに指摘されるまでもないし)

後輩「何で…」

男「すまん、5限遅れそうだから急ぐぞ」

後輩「……」

教室

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

マッチョ「起立、礼。着席」

先生「筆記用具すら準備してないとはいい度胸だ…宿題にしてた問3から8、全部解いてみろ男」

男「すみません、ノート出すまで待って下さい」

休み時間

友「怒られてやんの、様見ろ」

男「遅刻常習犯に言われると腹立つな」

友「うるせえな。で、女と何話してたんだよ、ああ?」

マッチョ「野郎の嫉妬は見苦しいぞ」

友「お前マジで黙ってろ。で?」

男「秘密って言われてないし、まあいいか。耳貸せ」

友「何だよ一体…」

男「(幼馴染の様子が変なのは俺のせいみたいな糾弾されて弁解してきた。以上)」

友「ああね、あいつらしいな。でもって十中八九それで合ってる」

男「んな馬鹿な」

男「喧嘩も言い合いもしてないし貶した覚えもないぞ」

友「そういうことじゃねえんだよ。何でもない一言でも相手やタイミングで…」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

マッチョ「5限の二の舞になる。早く座った方がいい」

男「ああ…」

放課後

友「今週も半分終わったな」

マッチョ「試験まで後4日。そろそろ9教科にも手をつけないと」

男「そっちは前日一夜漬けでいいだろ」

マッチョ「赤点回避だけなら。ただ推薦枠を手に入れるには足りないんだ」

友「お前推薦狙ってるのか」

マッチョ「取れれば儲け物程度には。早々遊び倒している先輩見てそれもありかなってね」

友「いるよな、そういう先輩もそれに続こうとする奴も。と、もう帰るのか?幼馴染」

男(気付かなかった。もう帰り支度したのか)

幼馴染「うん。試験勉強あんまり進んでないからね…」

友「そうか。女も心配してたし気を付けて帰れよ」

幼馴染「うん。じゃあね」

男「送ってくよ」

マッチョ「え?」

幼馴染「いや、一人で…」

友「そうだな。体調崩したばっかだしその方がいいだろ」

男「だよな。じゃあ行くか」

幼馴染「…うん…」

昇降口

男「マッチョの言う通り、そろそろ副教科も手をつけないとな」

幼馴染「そうだね…赤点で補習が付くのは同じだからね…」

男「取ったことない癖に、その心配はないだろ」

幼馴染「紙一重はあったから一応気を付けないと」

男「学年末の数Ⅰだっけ?確か32くらいだし、5教科だろ。日曜にもやったし問題ないだろ」

幼馴染「だといいんだけど…後、33点だから」

西門

男「副教科は余裕か」

幼馴染「試験直前で詰め込んでも赤点取らない程度には」

男「そうか保健体育もか。ムッツリーニめ」

幼馴染「…ドラッグのどこにエロ要素あるの…」

男(やっぱりノリ悪いな。ここ最近は返しが沈んでばっかだ)

幼馴染「…悪目立ちするし、こういう人通りの多い場所でそのノリはね…」

男「悪い。心なしか見られてる気がするし、今後は控える」

通学路

男(人通りも少なくなってきたな。そろそろ切り出すか)

男「あのさ、ごめん!」

幼馴染「…え!?急に何!?」

男「お前、今週から元気なくなってたろ?月曜の昼休みまではそうじゃなかったから」

幼馴染「もう少し落ち着いて喋って。何言いたいか全然分からない…」

男「悪い。俺も自分で何言ってるか分からなかった」

幼馴染「…取り敢えず、深呼吸でもしてみたら?」

男「ああ、ひーひーふー」

幼馴染「…それ違うから」

男「月曜の昼休みを境に元気をなくした。その日は俺と飯食った。つまり、原因は俺にある。だから、ごめん」

幼馴染「……」

男「正直な所、俺のどの発言がお前をそこまで傷付けたのか分からないけど、本当ごめん」

幼馴染「…女に何か言われたでしょ…?」

男「え…?」

幼馴染「図星…みたいだね…」

男「確かにそれもあるけど…」

幼馴染「男のせいで私が不調になった、みたいな形で責められた。違う?」

男「そこまで話してたのか」

幼馴染「話してない…けど、大体想像つくから…」

男「マジか」

幼馴染「うん、マジ。それと、男のせいじゃないから…気にしないで…」

男「だったら一体…」

幼馴染「自己嫌悪…かな…」

男「自己嫌悪って…」

幼馴染「面白くない話はおしまい。じゃあね」

男「おい待てよ…」

幼馴染「家まで着いてくる気?試験勉強もあるし、早く帰った方がいいよ」

男「ちょっ…」

男(自己嫌悪?何に対して?いや、俺に責任を感じさせないために嘘吐いて誤魔化した可能性もある)

妹「お兄ちゃん、御飯」

男「ああ、今行く」

男(授業は今学期残り三日。その後でちゃんと考えた方がましか)

翌朝

教室

男「おはよう、と言っても誰もいないんだけどな」

男(馬鹿なことしてないで試験勉強するか)

女「もういる!早いね、男君」

男「…そっちこそ」

男「いつもは友と一緒に登校してるんだっけ?」

女「まさか!方向違うし、それこそ遅刻しちゃうよ」

男「そうか。知らなかった」

女「それより、何で早く来たか、分かってるよね?」

男「…幼馴染の件だろ?」

女「勿論」

男「俺に聞くまでもなく連絡取り合ってるだろうに」

女「何か要領を得ない返事しか来ないの。で、仲直りできた?」

男「微妙」

女「何それ?どういうこと?」

男「謝りはしたけど、あいつ、この所不調なのは別に俺のせいじゃないから気にするなって返された」

女「訳が分からないんだけど」

男「俺もだ。それと、女さんが俺に何か言ったってバレてた」

女「ああ、やっぱり?昨日問い詰められたんだ」

女「男君が気にするから余計なこと言うなって」

男「そうか…何か、避けられてるな」

女「そうなのかな?」

男「昨日も俺と帰るの嫌がってる様子だったし、家着いた時も強引に話ぶった切ったしな」

女「何の話してたの?」

男「不調の理由。俺のせいじゃないって言われたから、じゃあ何でだ、って」

女「ストレートに聞くね…何でだったの?」

男「自己嫌悪だってさ」

女「自己嫌悪か…」

男「ああ、何に対してかは教えてくれなかったけど」

女「…言える訳ないよ…」

男「何で?」

女「自分で考えて。それにしても、ここまで急に態度が変わるなんて絶対おかしい。何かあったんだよきっと」

男「何か、か…」

女「うん。どんな些細なことでも、幼馴染だけに限らない、男君のことでもいい。何か、変わったことなかった?」

男「そんな言われても…せいぜい、知り合いが増えたくらいだけど」

女「幼馴染に?男君に?」

男「俺に、いや両方かな。と言っても、あいつは月曜に初めて会ってそれっきりのはず…」

女「月曜!?関係大有りでしょ!誰なの!?」

男「落ち着いて!近い!近いから!」

女「ああ、うん。そうだね。さて、続きをどうぞ」

男「ああ。一年の女子で、後輩って言うんだ」

女「女子?いつどこで会ったの?」

男「先々週にごみ捨て場付近で」

女「どんな状況でそんな所で会うの…」

男「お互い掃除当番でごみ捨て行ってたらだな。そこで手伝って、暫くして話すようになったんだ」

女「特殊な出会いだね…その子とはよく会うの?」

男「この所毎日だな。昼休みと下校時に」

女「ふ~ん…じゃあ今日もお昼に会うんだ?」

男「まあ約束してたし」

女「じゃあ今日は一緒に食べよう」

男「じゃあって、脈絡ないだろ。それに、友はどうするんだ?」

女「たまには他の人と過ごしてもら…」

幼馴染「おい、浮気か」

男「いつの間に!?」

女「びっくりした。おはよう」

幼馴染「うん、おはよう。彼氏蔑ろにして他の人とお昼は良くないよ」

女「そういう意図じゃないし、友君も知ってる相手なんだけどな」

幼馴染「分かっててもいい気はしないよね?それとちょっと耳貸して」

女「この耳は、1分につき10、円の、レンタル料がかかります…で、何?」

男「終わった?」

幼馴染「うん。終わった。だからもう気を遣って待つのはいいよ、マッチョ」

マッチョ「お、気付いた?」

男「悪い、気付かなかった。取り敢えずおはよう」

マッチョ「おはよう。友も幼馴染もいないのに女さんが来るとは珍しいと思って、静観してたんだ」

男「確かに、女さんがこのクラスで用あるのは大体その二人だな」

女「そうかな」

マッチョ「それはそれとして、俺も幼馴染と同意見だ。この前も男と二人で話した後、気を悪くしてたから」

女「そうなんだ。ちょっと無神経だったかな?って、もうこんな時間。じゃあまたね」

男「ああ」

幼馴染「またね」

友「滑り込み…!」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

先生「アウト。遅刻1だ」

友「そこを何とか!」

男「厳しいだろ」

マッチョ「遅刻常習犯だからね」

先生「そういうこと。お前らも、チャイム鳴ったら私語やめろ」

昼休み

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

マッチョ「さて、昼飯だ」

友「そうだな。じゃあまた行って来るわ」

男「今度は遅れるなよ」

友「ああ、今朝やらかしたばっかだし気を付けるって」

マッチョ「男も、この所ぎりぎりだから気を付けた方がいい」

男「分かってる。じゃあまたな」

屋上前の階段

男「お待たせ」

後輩「いえ、私も来たばかりです」

男「にしては、準備万端って感じだな」

後輩「あはは…実は5分くらい前に来ました…」

男「相変わらず早いな」

後輩「数少ない楽しみな時間ですから」

男「数少ない楽しみって、大袈裟な」

後輩「大袈裟…ですかね?」

男「そこまで言われるとちょっと…まあいいや、そろそろ食おうか」

後輩「そうですね」

女「うん、頂きます」

後輩「え!?」

女「脅かしちゃった?ごめんね」

後輩「い、いえ…!あの…」

男「友と飯食っているはずじゃ…」

友「そのはずだったんだけどな」

男「友まで!二人ともどうした?」

友「こっちが聞きてえよ」

友「と、自己紹介が遅れたけど、俺は男と同じクラスの友。と、俺の彼女の…」

女「女です!宜しくね。えっと、後輩ちゃん?」

後輩「え!?な、何で…私の名前…」

女「男君から聞いたの。最近お昼一緒に食べてるんだよね?」

後輩「えっと、はい…そうです…」

男「女さん?」

女「あ、そうだ!友君も男君もこの頃お昼一緒になることなかったよね?」

友「ああ、まあ…」

女「じゃあ積もる話もあるだろうし、久しぶりに教室で一緒に食べたら?」

男「別に積もる話とか…」

女「行ってらっしゃ~い!」

教室

男「積もる話とか言われてもな」

友「ねえよ。毎日教室で会っててそれ以上話すことある訳ねえだろ」

男「同感だ」

友「ったく、どうしちまったんだよ」

男「後で何話したか聞いてみたら…」

友「あの様子じゃまともに答えねえだろ」

男「だろうな。俺ら追い出してまで何話してるんだろ」

キーンコーンカーンコーン

男「戻って来ないな」

友「探して来るわ」

男「5限遅れるぞ」

友「じゃあ女が教室戻ってるかだけ確認しとく」

男「急げよ」

友「おう」

マッチョ「今日は間に合ったね」

友「今朝が今朝だから流石にな」

男「席着いて準備しとけ。また滑り込みアウトになる」

友「分かってる。じゃ、後でな」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立、礼。着席」

休み時間

男「二人が何話してたか、分かったか?」

友「いや。さっきは本当に遠目で確認しただけだから」

男「まあ予鈴の後だしそうだよな」

友「一応聞いてはみるけど、期待しない方がいいだろうな」

男「そうか。じゃあ期待せずに待ってるよ」

友「そうしとけ」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

放課後

友「さてと、部活もないし、とっとと帰るか」

マッチョ「そうだな」

男「期末まで日数もないしな」

マッチョ「蒸し返さない方がいい。また友が怒る」

友「お前は俺を何だと思ってんだ」

男「遅刻魔」

マッチョ「脳筋スポ推進学狙い」

友「馬鹿扱い!?」

マッチョ「冗談だ。友が決して勉強できない訳ではないことは知ってる」

男「遅刻のせいで評価落としてるだけで、どの科目も学年順位二桁割ったことないしな」

友「お前らには及ばないのが癪だけどな。今回こそは男にだけでも勝つぜ」

マッチョ「その意気だ」

友「上から目線かよ。まあいいや、じゃあな」

マッチョ「ああ。さて、俺も帰るか」

男「ああ、またな」

西門

男(今日は別に約束してた訳じゃないから、後輩はいないみたいだな)

男「いつの間にか、習慣化してたんだな…」

男(…さっさと帰って試験勉強しないと)

通学路

男(いつものT字路が見えてきたな)

後輩「待って下さい!」

男(最近はそこまで後輩と話ながら歩いて、明日の昼休みの約束をして別れるのが…)

後輩「先輩!」

男「あれ?幻聴じゃなかった!?」

後輩「幻聴じゃないです現実です…」

男「ごめん。それにしても大分息切れしてるな」

後輩「今日は…遅くなって…しまったので…」

男「無理して喋らなくていいから。もうすぐ分かれ道だし、今日はゆっくり休め」

後輩「その前に一つだけ…」

男「何だ?」

後輩「明日こそは…お昼…一緒に…」

男「ああ、一緒に食べよう」

後輩「はい!…では、また明日…」

男「気を付けて帰れよ」

男(いつもは俺より早く来て待ってたけど、今日は何かあったのかな)

男「色々あって集中できないな」

妹「集中して勉強することあったっけ?」

男「お前と一緒にするな。夕飯できたのか?」

妹「うん、呼びに来た」

男「今行く」

妹「集中切れてるし調度いいね」

男(取り敢えず試験勉強に専念しないとな。後輩も、HRが長引いただけ。それ以上考えても仕方ない)

妹「無視?」

翌日

教室

男(これで手付かずの教科はなくなったな)

男「でも試験範囲の復習終わった科目もないんだよな」

マッチョ「流石にまずいんじゃないか?」

男「おはよう。今回は早めに始めたんだけどな。結局いつも通りになりそうだ」

マッチョ「試験二日目以降の科目を土曜に詰め込み…」

友「初日の科目を日曜頑張る、だろ?」

男「よく分かってるな」

マッチョ「それでこそ遅刻常習犯だ」

友「うるせえよ!」

友「そもそも今日遅刻してないだろ!」

マッチョ「確かに。今日は、遅刻してないね。雪でも降るのかな?」

友「馬鹿にし過ぎだろ。恨みでもあるのか」

男「にしても本当に珍しいな。用事でもあるのか?」

友「ああ。お前、昨日女に変なこと言ったか?」

男「いや、変なことは言ってないけど」

友「けど?お前がそう思ってないだけで何か言ったんじゃねえか?」

マッチョ「随時と喰ってかかるじゃないか。友の方こそ、何かあったのか?」

友「昨日あいつやけに機嫌悪かったんだよ。この頃お前と話すこと多いみたいだから、もしかして、ってな」

男「昨日?そんな不機嫌だったか?追い出されはしたけど、そうは見えなかったぞ?」

友「昼休みの件か。いや、放課後」

男「放課後は会わなかったけど」

友「帰ってからだよ。いつも通り電話がかかってきたと思ったら…」

マッチョ「惚気?」

友「話の腰を折るな。今のお前以上に話に刺があったんだよ」

マッチョ「俺そんなに刺あるか?」

男「今日はいつになくあると思うぞ。これ以上って普段の女さんから想像できないな」

友「俺もあんまり見たことないけどさ」

マッチョ「そこからどうしたら男のせいだと思うのやら」

友「最近女が神経使ってることって幼馴染のことくらいだろ?」

マッチョ「だろって言われても…」

男「そんなに話す訳でもないしな」

友「まあそういうもんなんだ。で、当の幼馴染の様子がおかしいのは…」

幼馴染「呼んだ?」

友「うお!?」

友「びっくりした。いつの間に来たんだか」

マッチョ「それは友もだろう?」

男「お前もだよ。揃いも揃って忍者かお前ら」

幼馴染「男が鈍いだけじゃない?」

友「そうかもな、色々と」

幼馴染「…ところで友は人がいない間に、何を話してたのかな?」

友「大したことじゃねえよ」

マッチョ「確かに。愚痴と惚気と八つ当たり、そしてその根拠として挙げた妄想。どれも大したものじゃない」

幼馴染「うわあ…」

友「お前今日何でそんなに敵視してくんの?てか、男も否定してくれよ」

男「事実無根とは言えないだろ」

友「何で朝っぱらから四面楚歌なんだよ!」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立、礼。着席」

先生「お、珍しく友も間に合ったな。これからも遅刻しないようにしろ」

友「先生まで!?」

先生「な、何かあったのか?」

休み時間

友「さっきの話だが、放課後女はもちろん、幼馴染とも何かあった訳じゃないんだな?」

男「ああ、帰る時も帰ってからも、どっちとも会ってないし、電話もしてない」

友「そうか。じゃあ別件で何かあったのかもな」

マッチョ「と、すれば言うことがあるんじゃないか?」

友「分かってるよ。男、疑って悪かった」

男「いいよ。それより、席着いてないとまた減点喰らうぞ」

友「または余計だ」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立、礼。着席」

昼休み

友「試験前最後の昼休みだな」

マッチョ「そうだね」

男「テンション低いな」

友「いつもなら飯飯って騒ぐのにな」

マッチョ「この所考えさせられることが多くてね」

友「期末くらいで情けねえな」

マッチョ「友には言われたくないな」

友「何だと?」

男「じゃあ俺はこの辺で」

マッチョ「ああ、行ってらっしゃい」

友「と、俺も女待たせちゃまずいな。行って来るわ」

屋上前の階段

男「あれ?いない…」

男(珍しいな。いつも後輩が先に来て待ってるのに)

男「そう言えば昨日の帰りもそうだったな」

男(何かあったのか?いや、試験前だし、版書写すのに時間かかってるだけだ。深く考えるな)

男「…取り敢えず、待つか」

男(中々来ない…食いながら待つか)

男「と、足音が…」

後輩「す…すみません……遅く…なりました…」

男「ど、どうした!?かなり息切れして…!」

後輩「振り切る…のに…時間が…」

男「い、一体何を振り切って来たんだ…?」

後輩「いえ、お気に…なさらず…それよりも…」

男「それよりも…って、ああ、分かった。分かったから落ち着け」

後輩「はい……すう…はあ……頂きます」

男「頂きます…」

後輩「あ…!…ああ…」

男(弁当箱から汁が零れて、包んでたハンカチに付いたみたいだな…中身も大分崩れてるだろうな)

男「…弁当交換する?」

後輩「い、いえ!今日のは、その…ちょっと人に出せる状態じゃ…!」

男「後輩の弁当美味いし、多少崩れても気にならないけど…」

後輩「え…!?何で…」

男「ああ…まあ、息切れ起こす程走ったら多分そうなるだろうなって、想像つくから」

男「それに、そこまでしてここ来て、食べる時に崩れてたら、嫌だろ」

後輩「…では、お言葉に甘えて…」

男「じゃあ、はい」

後輩「ありがとうございます…では…」

男「ありがとう。じゃ、改めて、頂きます」

後輩「頂きます」

キーンコーンカーンコーン

男「もう予鈴か」

後輩「すみません…私のせいで…」

男「気にするなって、いつもは俺の方が待たせてたんだから」

後輩「でも…」

男「それより、急がないと5限遅れるぞ」

後輩「分かりました。ではまた帰りに!」

男「ああ」

教室

マッチョ「早く席に着け。もうチャイムが鳴る」

男「分かってる!」

友「今日はお前が遅刻かよ」

男「友の専売特許を取るつもりはねえよ」

友「専売特許じゃねえ…!」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立、礼。着席」

放課後

友「女に東洋史教えてもらうか」

男「苦手なのか?」

友「普段使わない漢字がやたら出るからさ、覚えきれねえよ」

幼馴染「古文得意な癖に?」

友「日本史選択のお前らには分からねえだろ。あれはレベルが違うから」

マッチョ「常用漢字以外が出るのは日本史も変わらないが」

友「お前基準で大差なくても俺には致命的なんだよ」

幼馴染「じゃあ早く帰ってたっぷり教わらないとね」

友「そうだな、じゃあお先」

男「ああ、またな」

マッチョ「さて、こちらもそうするか」

幼馴染「そうだね。今回は早めに始めた割りに大して試験勉強進んでないし」

マッチョ「…そうか。なら尚のこと、早く帰らないとな」

西門

男「試験勉強か…俺も進みが遅いな」

男(調子が出ないんだよな。幼馴染もみたいだけど)

男「…後輩、今日も遅いな」

男(そう言えば、後輩も様子が変だな。来るのが遅くなるだけならまだしも…)

男(息切れしてたし、気になることも言ってたような)

男「…何を振り切ってるんだ…?」

男「暑い…」

男(そろそろ帰ろうかな)

後輩「す、すみま…せん……お待たせ…しました…」

男(今回はまたえらいぐったりしてるな)

男「だ、大丈夫?」

後輩「ご…ご心配なく…」

男「心配なくらい呼吸が乱れてるぞ」

後輩「あはは…」

通学路

後輩「……」

男(もう、後回しにしちゃまずいよな)

男「今日も、誰かを振り切ってきたのか?」

後輩「え!?」

男(誰に何されてるか知らないけど、後輩は明らかに迷惑してるみたいだしな)

男「昨日の帰りから、だよな?相手は誰なのか、何をされたのか、教えてくれ」

後輩「…何で急に、そんなこと…」

男「言い出したのは確かに急だ。けど、後輩の様子が気になったのはそう急でもないんだ」

後輩「気になったって、いつからですか…?」

男「今週の初めからかな?思えばそれくらいから後輩は変わったと思う」

後輩「そうですか…」

男「ただ、昨日からの変化は、後輩にとって良くないことなんだろ?」

後輩「…まあ…」

男「それを教えて欲しいんだ。俺にできることがあるか、分からないけど」

後輩「……分かりました…全部、話します。実際あったことも予想も、私の気持ちも…」

男「ありがとう。それで一体何が…」

後輩「ただ」

男「ん?」

後輩「明日話します」

男「何で…」

後輩「気持ちの整理をする時間が欲しいのと、もう分かれ道に着いたからです」

男「そういえばもうここか。分かった。じゃあ、明日、午前で終わりだから、帰りでいいか?」

後輩「はい。明日の帰り、先輩の教室に行きます…ではまた…」

男「ああ、また明日」

男(本格的に試験勉強が手につかなくなってきたな)

妹「お兄ちゃん、ご飯だって」

男「今行く」

男(でも、先延ばしにした結果が現状だろうから、いい加減向き合わないとな)

翌日

教室

男「早いな」

幼馴染「ちょっとね」

男「いつもは俺より遅いけど、どうかしたのか?朝練もないだろ?」

幼馴染「試験勉強。捗らないから、早めに来てやろうかと思って」

男「お前もか」

幼馴染「も?お互い良くないね。あのさ、明日…」

友「おはよう!ほらこれで文句ないだろ!遅刻魔発言取り消せよ!」

幼馴染「おはよう友君」

友「お?もしかしてお邪魔か?」

男「おはよう、別に邪魔じゃないと思うけど」

友「何か中断したっぽいけど、気のせいか?」

男「そういや、明日、何て言おうとしてたんだ?」

幼馴染「…明日詰め込まないと赤点確定だよね、お互いに」

友「なら今回は俺の勝ちだな」

男「かもな」

友「何だよ、張り合いねえな」

男「人のことより、東洋史はどうなったんだ?」

友「明日みっちり教えてもらうことになったよ。ありがたいけど欝だ…」

男「いやいや、教えてもらえるのに鬱とか言うなよ」

幼馴染「女に伝えておこう」

友「すみませんでしたマジ勘弁して下さい!」

マッチョ「朝から賑やかだな」

幼馴染「おはよう」

男「おはよう。またいつの間にか来てたな」

マッチョ「あれだけ盛り上がってればまあ気付かないだろう」

友「かもな。と、ほら、遅刻魔返上したぜ」

マッチョ「学期末から時間守っても、もう成績に影響しないと思うけど」

男「確かに」

友「労ってくれよ一人くらい」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立、礼。着席」

先生「明後日から期末だ。多分今日は自習が多いだろうけど寝るなよ」

先生「今日はそんなところか、じゃ、授業の用意しとけ」

友「さて、東洋史の用意でもするか」

マッチョ「1限は古典だろう?」

友「どうせ自習だし、別にいいだろ。古典は元々得意だし苦手科目に当てたって」

男「用意だけはしとけよ。復習とか自習プリントとかあるかも知れないし」

友「ああ、かもな。学年主任だけあってあの人熱心だしな」

マッチョ「そろそろ時間だ」

友「だな」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「起立、礼。着席」

学年主任「さて、試験前最後の授業ですが、今回は問題集の6ページをやります」

友「マジすか?」

学年主任「マジです。本気と書いてマジですよ。試験勉強にもなりますしちょうど時間の都合で飛ばしてましたし」

男(用意しといて良かった。ドンマイ友)

休み時間

友「結局今日一回も自習なかったな」

マッチョ「珍しいな」

男「確かに。問題集、質問会、センター過去問。内容も全部違ってたな」

友「つか、地理で何質問するんだか」

男(この後の後輩の話が気になってあんまり集中できなかったな)

マッチョ「そこはあの先生に聞いてもらうしかない」

男(集中してないと言えば、幼馴染も割りと上の空だったな)

幼馴染「……」

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「起立、礼。着席」

放課後

友「ああ今日明日で何とか詰め込まないとな」

マッチョ「男も、特に今回は試験勉強進んでないんだろう?」

男「まあ、恥ずかしながら」

友「ならとっとと帰ろうぜ?」

男「いや、この後ちょっと用事あるから先帰っててくれ」

友「試験直前にかよ、余裕だな」

マッチョ「それで、時間のかかる用事なのか?」

男「さあ?そう言えば聞いてなかったな」

友「呼び出しか何かか?」

男「まあそんなとこかな」

幼馴染「…じゃあお先」

男「おう。まっすぐ帰るのか?」

幼馴染「ううん。どうせ家じゃ集中できないだろうし、ちょっと図書館寄ってく」

男「そうか、頑張れよ」

友「お疲れ。俺もそろそろ行くかな」

マッチョ「そうだな。そろそろ学食が混む頃だろうし、そうするか」

友「男は待ち合わせ場所行ったりとかしないのか?」

男「ここなんだ」

友「そうか、んじゃ、またな」

男「ああ」

男(中々来ないな。試験勉強でもして時間潰すか)

「―――!!」「!」

男「…うるさいな…試験前に廊下で騒ぐとか何がしたいんだよ」

「―ないの!?」「―って、―ですか!」

男「え?こっちに近づいてる?」

男(まじかよやめろよ何なんだよこいつら…)

「それに、この距離ならもう聞こえますよ!あなたの言う親友との約束、破ることになりますよ?」

男(この声、まさか)

「ああもう!分かったよ!じゃあね!」

男(どっちも知ってる奴だった…何でこの二人がこんな仲悪いんだ?)

「すう…はあ……あの、お待たせ、しました…」

男「…女さんを振り切ってたんだな、後輩」

後輩「あ、やっぱり、聞こえてましたか…」

男「あれだけどたばたやられたら嫌でも聞こえる」

後輩「ですよね…すみません…」

男「…起こったことの一部は、今実際に聞いたけど、それ以外も含めて、話してくれるんだよな?」

後輩「…そういう約束でしたからね…でも…」

男「ああ、大騒ぎして人が集まってきて、話し辛いよな」

後輩「あはは…」

男「…じゃあ、いつものとこ行くか?」

後輩「はい」

屋上前の階段

男「さてと、何から聞いたもんかな」

後輩「……」

男「ああ、まあ長くなりそうだし、座るか」

後輩「そうですね…」

男「…じゃあ、さっきの状況から説明してくれ。女さんに追いかけられてた件から」

後輩「…通せんぼをされていた、と言う方が正確かも知れません」

男「通せんぼ?え、どこ行くのを邪魔されてたんだ?」

後輩「…先輩のいるところ…」

男「俺?」

後輩「そうです。一昨日、初めて会った日から、先輩のところに行こうとする度、邪魔されました」

男「意味不明…後輩が俺と会って女さんがどう困るんだ?無関係だろ」

後輩「ですよね。ただ、女先輩の中では、ある人を通して関係するみたいです」

男「…幼馴染、か?」

後輩「…はい…」

男「あの二人は仲いいからな。この前も幼馴染のことで取り乱してたし」

後輩「女先輩は、幼馴染先輩は先輩と一緒にいるのが一番だと、考えてるそうです。だから…」

男「後輩を邪魔してた」

後輩「そういうことになります」

男「ますます分からないな。両想いならそう考えてもしっくり来るけど、現に俺は振られてる訳だし」

後輩「……」

男「と、幼馴染と言えば、以前二人で何か話してたな」

男「あの日から、あの昼休みから、あいつは何か変わったんだ」

後輩「…でしょうね…」

男「やっぱり、後輩が関係してるんだな。もう他に原因思い付かないし」

後輩「…結果的に、追い詰めることになったかも知れません」

男「…詳しく話してくれ。返答次第では…」

後輩「でも、止めを刺したのは先輩だと思います」

男「と、言うと?」

後輩「…順を追って、実際話した内容から話します」

後輩「先輩がいなくなってからは、会話と言うほど落ち着いて話してないんです。結局は口論になったんですよ」

男「初対面の相手に口論って、二人とも何考えてるんだ」

後輩「先輩のことです」

男「え?」

後輩「…先輩に近づかないようにと責められて、猛反発して…お互い色々言いました」

男「まるで女さんみたいなことを…」

後輩「…急に理不尽な形で先輩との絶交を迫られた…その意味で、同じですね」

後輩「到底受け入れられなかったので、抗議も批判も、色々しました」

男「批判…」

後輩「付き合っている訳でもなく私達に干渉すること、先輩を振ったこと、そして」

後輩「それでいてなお、それまで通り先輩の側に居続けようとしていること…」

後輩「どれが堪えたのか、あるいは全部か…そこで幼馴染先輩は勢いをなくしました」

男「俺が戻ってきたのはその頃か…」

後輩「はい」

男「じゃあやっぱり、後輩が止めも刺したことになるんじゃないか?」

後輩「冗談に付き合う余裕は残ってましたよ」

男「言われてみれば…」

後輩「…ここからは予想になりますけど、あの後、先輩に何か尋ねませんでしたか?」

男「何か…」

後輩「縋る様なことを言ったと思うんです。藁をも掴むような気持ちで、先輩との関係を確認したはずなんです」

男「あ…」

後輩「そこで否定されて、止めを刺された…」

男(関係と距離感聞いてきたあれがそうだったのか)

後輩「体調崩すほど落ち込むなんて、そうでもないとあり得ないんです」

後輩「私は幼馴染先輩にとってただの他人だから、何か言われて傷ついても踏み止まれます」

男「体調を崩すことはない?」

後輩「そうです」

男「…ははっ、何だよ…」

後輩「先輩…?」

男「結局、友の言う通りだったなって思ってさ」

後輩「友先輩の?」

男「女さんは俺が幼馴染を傷つけたと思って俺を責めた。それを話したら友もその通りだって言ってて」

後輩「先輩の知らないところでことが起きてたんですから…」

男「それと、何気ない一言でも、タイミング次第では、ってさ」

後輩「……」

男「結局、俺が傷つけてたんだ…俺のせいだったんだ……だったら行かないと…」

後輩「待って下さい。まだ、話は終わってません」

男「…まだあるのか」

後輩「私にとって一番大事な話が残ってます」

男「一番…」

後輩「はい…ですから、もう少し、待って下さい」

男「分かった。俺が聞かなきゃ意味ないことだろうし」

後輩「予想、ついてるんですか…?」

男「大体な。間違ってるかも知れないけど」

後輩「……」

男「あ、悪い、遮るつもりはなかったんだ。続けてくれ」

後輩「はい…」

後輩「…先輩、好きです……付き合って下さい…」

男「…相手が俺である必要性はないと思う」

後輩「いえ…」

男「俺はあの時偶々ゴミ捨てを手伝っただけだし、俺がやらなくても他の誰かが手伝ってたと思う」

後輩「先輩…」

男「それが俺だっただけで、俺以外の場合でも、後輩はそいつを…」

後輩「違うんです!」

男「っと、びっくりした…」

後輩「…違うんです…それは、ただのきっかけで、惹かれたのは…好きになったのは…また別なんです…」

男「別…境遇か?部活やめて帰宅部になって、抜け殻みたいになってたのが…」

後輩「前にも言ったはずです。途中でやめた私と高校で続けなかった先輩は、同じじゃありません」

男「なら一体…」

後輩「…先輩が、私の一歩先にいるからです…」

男「一歩先?まあ、確かに一学年上だけど、そういう意味じゃないんだろ?」

後輩「もちろんです。同じ傷を…痛みを抱えていて、でも先輩はもうそこから前に進んでいて…」

男「怪我の不調で部活やめて、でも未練たらたらで何も手に付かないってとこか?」

後輩「はい…そうしてぼんやりして時間だけ過ぎて、気付いたら学校で孤立してて、毎日つまらなくて…」

男「……」

後輩「でも、先輩は毎日皆さんと、マッチョ先輩や友先輩…それに、幼馴染先輩と、楽しそうに過ごしていました」

男「まあな」

後輩「それに、私をそこに連れ出してくれました。引き摺ってぼんやりしているだけの毎日から」

男(何となくでゴミ捨て手伝っただけだったけど)

後輩「本当は一歩どころじゃない、ずっと先を行ってます。だから先輩は私の憧れで、目標で…」

男「俺は、後輩が思ってるような奴じゃない。未だに引き摺ってぐだぐだしてるんだよ」

後輩「分かってます。私より先に進んでいても、引き摺ってるのは同じです。だから、そこは私も同じだから…」

男「俺の気持ちが分かる、と」

後輩「はい。だからお互い支え会えると思うんです。私と先輩…」

後輩「なので…付き合って下さい、先輩…!」

男「…後輩の気持ちは…考えてることは分かった」

後輩「先ぱ…」

男「でもごめん」

後輩「え…!?」

男「後輩の気持ちは嬉しいけど、ただ、俺が好きなのは、付き合いたい奴は、ずっと前から変わらないんだ」

後輩「…幼馴染、先輩ですか…」

男「ああ。俺はあいつが好きなんだ。このところ落ち込んでた原因もはっきりしたし、これから会いに行く」

男「何言えばいいかは分かんないけど、俺はあいつに笑ってて欲しいんだ。できれば、俺の隣でさ」

後輩「先輩…」

男「だから、ごめん!もう行かなきゃ」

後輩「待って…!」

友「君が待て」

男「友!?マッチョも何でここに!?」

後輩「どいて下さい!友先輩!」

友「ごめん無理。女に頼まれててさ。こいつと幼馴染の邪魔しないようにしろって」

後輩「…マッチョ先輩もそのつもりなんですか?」

マッチョ「ああ。君には悪いけど、俺は男の意思を尊重するって決めてたんだ」

男「マッチョ…」

マッチョ「まあ、この子と付き合うのかと思ってたから、少し驚いたけどね」

後輩「だったら…!」

マッチョ「男は幼馴染を選んだ。だから今は君の味方はできない。さあ、行ってこい」

男「ありがとうな、じゃあ、行ってくる」

後輩「待っ…!」

友「はいストップ!10年も止まってた時間がやっと動き出すんだ。野暮なことしないで大人しく待とうぜ?」

後輩「私の時間だってやっと動き出したところなんです!待てません!」

図書館

男(幼馴染…上の空でペン回しって、こっちでも集中できてねえな)

男「(おい、幼馴染)」

幼馴染「え!?男!?」

男「(声が大きいって!話があるんだ。一旦出よう)」

幼馴染「(ああ…そうだね、凄い睨まれてるし)」

図書館前

幼馴染「で、何か用?」

男「ごめん!」

幼馴染「いきなり何?この前もそうだったけど」

男「この前は本当に気付いてなかった!けど、やっと気付いたんだ」

幼馴染「気付いたって何に?」

男「俺が言ったことでお前を傷つけてたってこと」

幼馴染「だからあれは違うって…」

男「俺とお前の今の関係をおかしいって切り捨てて、本当にごめん!!」

幼馴染「え…!?」

男「体調崩すほど落ち込ませて、悪かった」

幼馴染「い、いやいや。それで体調崩すほどガラスのハートじゃないって」

男「けど…」

幼馴染「て言うか、また女に何か言われた?急にこんなこと言ってくるなんて」

男「女に言われてきたんじゃないんだ。それに、お前にまだ言いたいことがあっ…」

幼馴染「じゃあ友君かな?」

男「あいつはこの件にはそんな詳しくないだろ。それより…」

幼馴染「じゃあマッチョ君…なんてある訳ない」

男「聞けよ!」

男「考えなしにお前を傷つけるようなこと言って本当に悪かった」

幼馴染「だからそれは…」

男「俺が見たいのは、好きなのはそんな姿じゃない。笑ってる顔の方がいい!」

幼馴染「人を福笑いみたいに…」

男「それも、俺の隣で…どこかの誰かのとこじゃなくて、俺の隣で笑ってて欲しいんだ!」

幼馴染「どこの誰を考え…」

男「だから、頼む!付き合ってくれ!!」

幼馴染「…あーあ、言い切っちゃった…」

男「…駄目か?」

幼馴染「普通は前回の時点でそう思うよね」

男「まあそうだよな。でもやっぱりお前以外は考えられ…」

幼馴染「何で断ったと思う?」

男「何でって、嫌いだから、とか?」

幼馴染「実はそうでもないんだよね。嫌いだったらこんな長い付き合いにならないし」

男「じゃあ気が合わない、って訳でもないし、趣味が合わないからか?」

幼馴染「まあアニメ特撮一辺倒はきついけど」

男「そこか…」

幼馴染「私も嫌いじゃないし、受け入れられないレベルじゃないんだよね」

男「何だそりゃ。じゃあ何で振ったんだよ…」

幼馴染「慣れちゃってたから」

男「慣れてたって」

幼馴染「この距離感に」

男「普通の友達より近くて、でも付き合ってはない、今の状態にか」

幼馴染「そうそれ。楽だし心地よかったし、ずっと変わらないって思ってた」

男「そうか…」

幼馴染「でも違ったんだよね」

幼馴染「楽だからっていつまでも曖昧なままなんて都合が良過ぎだよ」

男「幼馴染…」

幼馴染「後輩ちゃんに言われてやっと気付いた。遅過ぎだよね」

男「別に遅くは…」

幼馴染「本当は男に告白された時点で気付かなきゃいけなかったのに」

男「あんま自分を責めるなよ」

幼馴染「ありがと。やっぱり私も考えられないや」

男「何を?」

幼馴染「男のいない日常」

男「それって…」

幼馴染「今までみたいなままは楽だけどそうもいかないみたいだしね」

男「そうだな」

幼馴染「私も隣に男がいる方がいい」

幼馴染「でも何も変えないままじゃ、そんなの無理」

幼馴染「変えるの嫌がって全部なくすなんて耐えられないよ。だから…!」

男「ああ。OKってことで、付き合うってことでいいんだよな?」

幼馴染「うん…改めて、宜しくね」

男「こっちこそ。宜しくな」

翌週

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

先生「止め。じゃあ後ろから回収」

友「やっと期末終わった~」

幼馴染「そして色々終わった…」

先生「まだ私語禁止だぞ」

翌週

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

先生「止め。じゃあ後ろから回収」

友「やっと期末終わった~」

幼馴染「そして色々終わった…」

先生「まだ私語禁止だぞ」

「起立、礼。着席」

友「後は学年集会だけだな」

男「そうだな。そしたら晴れて期末期間終了、夏休みだ」

マッチョ「気が早い。明日からの答案返却、来週の通信簿配布に終業式が残ってるぞ」

幼馴染「テスト蒸し返すのはもうやめて」

学食

男「校長の話よりHRの方が長かったな」

友「そこはいいよな。他の高校は校長の話かなり長いらしいぜ」

幼馴染「でも疲れたー」

マッチョ「最近は色々あったからね」

友「だよな。特にお前ら二人」

男「ああ、その件では世話になった。ありがとな、友、マッチョ」

友「おうよ」

マッチョ「どういたしまして」

男「と、あの後どうしたんだ?後輩もお前らもどこ行ってたんだ?」

友「ちょっとな…」

マッチョ「もういいだろう。生徒指導室だよ」

幼馴染「え!?」

幼馴染「二人が後輩ちゃんを止めてくれてたのは聞いてたけど、どういうこと?」

男「あの短時間で何があったらそうなるんだ?」

友「上級生二人で下級生の女子いじめてるように見えたらしくてな」

マッチョ「実際は友がぐったりしてる傍で乱闘してたから只事じゃないと思われたんだ」

男「乱闘になってたのか!本当ごめん!」

幼馴染「友が真っ先に伸びてるって…」

マッチョ「試験直前で残ってる生徒も多かったのが災いしてね」

幼馴染「すぐに先生呼ばれて連れてかれたと」

友「そういうこと。まあ今日の部活に響かなかったのが不幸中の幸いだよ」

男「悪い、本当大変だったんだな」

幼馴染「お詫びにジュースでも奢るよ」

マッチョ「じゃあ微糖で」

幼馴染「うん」

友「アクエリ500ペットで」

幼馴染「うぐ、分かった…」

男「バナナオレで」

幼馴染「それは自分で買いなよ」

友「ちゃっかりしてんな」

男「流石に金は出すって。前回は俺が買いに行ったしいいよな?」

幼馴染「次覚えてろよ」

友「いいのかよ。つうかお前も気前いいな」

男「明日小遣いもらえるから500円くらいはな」

友「何だよ、じゃあ1リットルペットにしときゃ良かったぜ」

後輩「それはふっかけ過ぎですよ」

男・友「「うお!?」」

マッチョ「こんにちは、4日ぶりだね」

友「何の用だ?」

後輩「この前はやりすぎました。本当にすみませんでした」

友「思いの外素直に謝るんだな。まああれは俺らが悪かったしもういいけど」

マッチョ「俺も気にしてないよ。特撮みたいで少し楽しかったし」

後輩「そう言って頂けると幸いです」

男「あのさ、後輩…」

後輩「先輩は、幼馴染先輩に…告白したんですよね?」

男「ああ。それで今付き合ってるんだ」

後輩「……おめでとう…ございます……」

友「てな訳だから、悪いけどこいつにはもう…」

後輩「でも、同じ学校の、先輩後輩には変わりありませんよね」

マッチョ「それはそうだけど」

友「何を企んでんだ?」

後輩「ですから、こうして見かけた時に声をかけるくらいなら、問題ありませんよね?」

男「うん…うん?」

後輩「今後も、宜しくお願いします、先輩」

男「え!?」

友「お前何あっさり流されてんだよ…」

男「んな言われても、どう返せば良かったんだよ!」

友「知るかよ」

マッチョ「君、そんなはっきり自己主張する子だっけ?」

後輩「私も変わろうとしてるんですよ。先輩を見習って」

男「だから買被り過ぎだって!」

友「あんまかき乱すのはやめてくれよ?」

後輩「そんなことはしませんよ。数少ない居場所を失くしたくはありませんから」

男「後輩…」

後輩「それでは、失礼しました」

男「あ、ああ…」

マッチョ「じゃあね」

友「以外にあっさり退いたな。もっと粘…」

幼馴染「おい、浮気か」

男・友「「うお!?」」

マッチョ「お疲れ。缶コーヒーありがとう」

友「お、おう、俺のスポドリもサンキューな」

幼馴染「どういたしまして。で、何で後輩ちゃんがいたのかな~?」

男「正直俺もよく分からない…」

友「自棄にあっさり退いたのはそういうことかよ…」

幼馴染「ふんふん。彼女に飲み物買いに行かせてる間に何故か、可愛い後輩が来てたと」

男「確かにそうだったけど…って、お前らも見てたろ?」

友「そろそろ部室行かねえとな」

マッチョ「いつまでも席を取ってちゃ悪いし部室に行くよ」

男「マジかよ!」

ピンポーン

男「はい」

幼馴染「こんばんはー」

男「まだ夕方だろ」

幼馴染「お構いなく」

男「それ俺の台詞!」

幼馴染「あれ?誰もいないの?」

男「ああ。父さんが遅いのはいつものことだし、妹は友達と遊んで遅くなるらしい」

幼馴染「お母さんは?」

男「ちょうど買い物に行ったとこ」

幼馴染「…帰ろうかな」

男「何しに来たんだよ」

男「ほいよ。麦茶でいいよな?」

幼馴染「ありがと。それじゃあ昼の件を説明してもらおうか」

男「ああ。あの後、俺らの話に後輩が割り込んできてさ」

男「で、今後も学校の先輩後輩として宜しくって言って去ってったんだ」

幼馴染「そっか。いい様に流されたと、男に責任はないと言う訳だ」

男「悪かったよ。もっときちっと言わなきゃいけなかった」

幼馴染「別に怒ってないよ。そのくらいなら私も口出しできないし」

男「そうか」

幼馴染「口喧嘩した時に色々あったからね」

男「俺が飲み物買いに行ってた時のか」

幼馴染「うん。付き合ってもないのに男に近づくなとか。今考えると本当、何様って感じだよね」

男「そりゃ言い返されるわ」

幼馴染「という訳で、浮気と言えない程度の付き合いには、私に口出す権利はございません」

男「する訳ないだろ。俺は10年前から…」

幼馴染「恥ずかしい台詞禁止!」

男「早えよ!まだ言い始めたばっかだろ!」

幼馴染「そこまでで十分恥ずかしいって」

幼馴染「そうでなくても、大体何言おうとしてるか分かるくらいには付き合い長いから」

男「そうだけどさ…付き合いか…」

幼馴染「どうかした?」

男「前とは違って、今は俺ら付き合ってるよな?彼氏彼女的な意味で」

幼馴染「そうだね」

男「その上で今、家に二人きりだろ?」

幼馴染「もう先が読めるんだけど。まあ続けて」

男「胸を揉ませてくれ!」

幼馴染「却下。一字一句違わず予想通りだよ」

男「駄目か?」

幼馴染「却下って言ったよね?」

男「じゃあこれなら予想外だろ」

幼馴染「多分範囲内」

男「キス…!」

幼馴染「はい的中!そして却下」

男「即答!?」

幼馴染「まあ当然だよね」

男「当然か?」

幼馴染「この流れで許可するとかある、訳、ない」

男「おい!」

幼馴染「んー?」

男「これじゃ付き合う前と変わらないだろ!」

幼馴染「だからって付き合ってすぐ体求められたら隣で笑ってられないよね」

男「それもそうだな。やっぱ焦り過ぎだよな。前回も今回も」

幼馴染「そうそう。慌てる乞食はもらいが少ないって言うし」

男「そこまで言うか!」

幼馴染「…でもまあ、ちゃんと雰囲気とかシチュエーション考えてくれた上でなら、いいかな」

男「いいって?」

幼馴染「キス。場合によってはその先も」

男「マジか」

幼馴染「多分ね」

男「雰囲気か…そうだな。例えば、夜景の綺麗な店で君の瞳に乾杯とかか?」

幼馴染「本当に平成生まれ?」

男「そんなに古いか?つか、的外れだったか?」

幼馴染「親世代のドラマっぽいよね。的外れではないけどさ」

男「よし。じゃあこの方向で。どっかにそれっぽいとこあったっけ?」

男「そういや前に友がそれっぽいこと言ってたような…」

幼馴染「どんな?」

男「女さんと一緒に綺麗な夜景見たって。あれは確か…」

幼馴染「ほう。それは期待できそ…」

男「思い出した!」

幼馴染「どこ?」

男「隣町のラブホテルだ!」

幼馴染「台無しだよね」

おわり

3年弱かかって申し訳ない

苦手なジャンルで安易に乗っ取るのはもうやめる

感想、疑問、>>6死ね等あればご自由に

乙!
この締りのない感じの雰囲気がいいわ

>>365

早速の感想どうも

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月07日 (火) 18:16:36   ID: gaJzo4HA

続きはよ

2 :  SS好きの774さん   2015年05月02日 (土) 23:14:11   ID: atH5H6EO

続きはよ

3 :  SS好きの774さん   2015年05月08日 (金) 23:56:10   ID: fCOBRZiT

いいとこなのにww

4 :  SS好きの774さん   2015年05月18日 (月) 21:49:56   ID: F3RKScss

はやくー

5 :  SS好きの774さん   2015年07月04日 (土) 12:36:07   ID: qdmwEpli

後輩エンドでよろ。

6 :  SS好きの774さん   2015年07月22日 (水) 13:08:35   ID: z2D_65MG

女のウザさが異常

7 :  SS好きの774さん   2016年01月11日 (月) 04:53:09   ID: DAc1u-M7

気に食わぬ

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