早川あおい「キミ…ボクの初恋の人に凄く似てる…」パワプロ「えっ…?」 (51)

―――パワプロ野球アカデミーA組―――

パワプロ「やったー!あおい先生のスタンプ全部集めたぞっ!」

あおい(まさか全部集めるなんて…ちょっとビックリしたけど…)

あおい「ふふっ…偉い偉い」

パワプロ「ご、ご褒美は…!?」

あおい「こら、あんまり興奮しないの」ポカッ

パワプロ「あいたっ!」

あおい「そうだなー…」

あおい「今度部活休みの日、ボクと遊びに行こっか?気分転換も兼ねて」ニコッ

パワプロ「ま、マジっすか!?」

パワプロ「あおい先生とデート…!」

あおい「で、デートじゃ…」アセアセ

やる気が上がった

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―――日曜日―――

パワプロ「待ち合わせ場所はこのあたりのはず…」キョロキョロ

パワプロ「!」

パワプロ「あ、あおい先生!」

あおい「!」

あおい「パワプロくん!もうっ、ちょっと遅いんじゃないかな!」

パワプロ「ご、ごめんなさい!矢部くんがついて来ようとするから振り切るのに大変で…」

あおい「…」ジトーッ

パワプロ「せ、先生…?」

あおい「減点だよ」プイッ

パワプロ「!?」

あおい「どんな理由があったとしてもデートで女の人を待たせちゃダメなんだからね、わかった?」

パワプロ「す、すいませんでした…って、先生…今デートって…この前は違うって言ってたましたけど…」

あおい「!」

あおい「い、今の無し!別にボクが今日楽しみにしてたとかじゃなくてっ…!」カァッ

あおい「と、とにかくっ!今後パワプロくんが女の子とデートする時は気をつけなきゃダメなんだからね!」アセッ

パワプロ「つ、次は気を付けます!」

あおい「つ、次って…またボクと出かけるわけじゃ…」カァッ

パワプロ「またスタンプ集めたらあおい先生とデートできますよね!?」

あおい「ば、馬鹿言ってないでほら、行くよ!」

パワプロ「はは…」

あおい「もうっ…あんまり先生をからかうとスタメンから外しちゃうから!」

パワプロ「そ、それは困ります!」

あおい「あはは、冗談だよ、冗談」

パワプロ(いや…監督からそんなこと言われたら…ねぇ…?)

あおい「じゃ、行こっか」

パワプロ「はい!」

あおい「…」

パワプロ「…」

あおい「…?」

パワプロ「…」

あおい「どうしたの?」

パワプロ「い、いや…いつもジャージとかだから私服のあおい先生は新鮮だなって」

あおい「!」

あおい「ぱ、パワプロくんは今日もユニフォームだけどね…」

パワプロ「それは仕様です」キリッ

あおい「あ…そうなんだ?」

パワプロ「それはそうと」

パワプロ「案外ラフな格好ですね」

あおい「えっ…そ、そうかな…?今日も暑いからTシャツとかでいいかなって思ったんだけど…」

あおい「ぼ、ボクあんまり男の人と出かけることってないから…その…」

あおい「変…かな…?」

パワプロ「い、いや!いいと思います!」ドキッ

あおい「そ、そっか…よかったぁ…」ホッ

パワプロ(あおい先生は男性経験が少ないのか!)

やる気があがった

パワプロ「それで、どこに行きましょうか?」

あおい「えっ?」

パワプロ「えっ…?」

あおい「考えて来て無いの?」

パワプロ「あっ」

あおい「また減点!」

パワプロ「そ、そんな…」

あおい「こういうのは男の子がリードしないと…」

パワプロ「…」

パワプロ「や、やっぱりそれってデートなんじゃ…」

あおい「ち、ちがうよ!?」アセアセ

パワプロ(それにしても減点ばかりとは…)

パワプロ(こ…ここにきて経験値の無さが…ふっ…俺、野球ばっかりの人生だったからなぁ…)ホロリ

あおい「ぱ、パワプロくん!?なんか遠い目してるよ!?」

パワプロ「ハッ!すいません、ちょっと後悔を…」

あおい「後悔…?だ、だいじょぶだよ…?ボク、言うほど気にしてないから…ね?」

パワプロ「い、いや…俺の今まで人生を振り返って後悔を…」

あおい「…?」

パワプロ「あ、こっちの話です…はは…」

あおい「そ、そっか…じゃあ…どこ行こうか?」

パワプロ「あおい先生と一緒ならどこでも!」

あおい「ま、またそういうこと言う!」カァッ

あおい「でも…へへ…そっか…」

あおい「じゃあ、テキトーに歩いて探そ?」

パワプロ「はい!」

あおい先生とのデートが始まった

テクテク

パワプロ「それで、この前矢部くんと~」

あおい「あはは、ホントに馬鹿だね、キミたちは」アハハ

パワプロ「あ、こんなところにバッティングセンターが…」ウズッ

あおい「あ、ホントだ…全然知らなかった…つい最近できたのかも」

パワプロ「…」ウズウズ

あおい「…」

あおい「やってこっか?」

パワプロ「い、いいのでしょうか!?せっかくのオフなのに!?」

あおい「うん、パワプロくん、やりたそうだったし」

あおい「ボクもこういう方が気楽でいいかなって」ニコッ

パワプロ「やった!」ワーイ

パワプロ「…」

パワプロ(良く考えたらこれは…)

パワプロ(あおい先生にいいところを見せるチャンスなんじゃないか…!)

パワプロ「いってきます!」キリッ

あおい「う、うん」

あおい(気合入ってるなぁ…)

カキーン

カキーン

スカッ

カキーン

パワプロ「ふぅっ…まずまずかな」

あおい「…」ジーッ

パワプロ「あおい先生?」

パワプロ(な、なんだ!?空振りか!空振りしたのががダメだったのか!?)

あおい「パワプロくん、ちょっと」

パワプロ「は、はい」

あおい「うーん…前から気になってたけど…キミの打撃フォーム…ちょっと体が開きすぎてるかも…」

パワプロ「えっ…」

あおい「こっち来て?」

パワプロ「あ、はい」トテテ

あおい「スイングしてみてくれる?」

パワプロ「こう、ですか?」ブンッ

あおい「うーん…ちょっとごめんね」ギュッ

パワプロ「!」

パワプロ(あおい先生に触られている…!)

あおい「振ったときは、もっと…こう…」グイグイ

パワプロ(なんかいいにおいする)ドキドキ

あおい「聞いてる?」

パワプロ「き、聞いてます聞いてます!」

弾道があがった

パワプロ「!」

パワプロ「ちょっとトイレに!」ダッ

あおい「ちょっ!まだ途中だよっ!」

あおい「ぁ…行っちゃった…」

あおい「もう…」

―――――
―――


パワプロ「お待たせしました」

あおい「お、遅いよ!どこか行っちゃったのかと思ったよ!」

パワプロ「…」

パワプロ「先生、指導の続きを」キリッ

あおい「あ、う…うん…だからね、もうちょっとつま先意識して…うん、そうそう」

パワプロ「…」ブンッ ブンッ

あおい「いい感じだね!それでもう一回やってみて!」

パワプロ「やってみます」

あおい(なんかパワプロくんのテンションが変わった気がする…)

カキーン

カキーン

カキーン

カキーン

パワプロ「こ、これは…!」

あおい「すごいすごい!ちゃんとできてる!」

あおい「ミート良くなっただけじゃなくてさっきよりホームラン性の打球が多くなってるね!」

パワプロ「あおい先生のおかげです!」

あおい「へへっ…これでも元プロなんだからナメないでよね!」テレッ

パワプロ「よし!なんか俄然やる気が出てきたぞ!」

あおい「…」

あおい「よかったぁ…」

パワプロ「…?」

あおい「いや…ほら、なんかパワプロくんのテンションが低くなったみたいだったから…」

あおい「せっかくのオフなのに部活みたいに指導とかしちゃってさ…」

あおい「もしかしたらパワプロくん、ボクと一緒にいてもつまらないかなって思って…」

パワプロ「ぁ…それは…その…一時の気の迷いと言いますか…」

パワプロ「いやいや!そ、んなことよりもあおい先生から個人指導してもらえるんだからこんなに嬉しいことは無いです!」

あおい「そ、そうかな…」モジッ

パワプロ「はい!」

あおい「ふふっ…よーし!ボクもやろっと!」

あおい「バットは軽い方でいいかなー…」

パワプロ「…!」

パワプロ「せ、先生!」

あおい「ん?なーに?」

パワプロ「俺のバットも使ってください!」

あおい「えっ?」

パワプロ「…!!」

パワプロ(お、俺は何を言っているんだ!)ハッ

あおい「パワプロくん、バット持って来てるの?」

パワプロ「い、いえ…その…常備ついてると言いますか…でも金属バットは無いです…」ゴニョゴニョ

あおい「変なのー」クスッ

あおい「じゃあ、やってくるから見ててね!」

パワプロ「…」

パワプロ(純粋すぎワロタ)

カキーン

カキーン

あおい「うん、いい感じ!」

パワプロ「おぉ!先生さすがです!」

あおい「ふふん」ドヤッ

あおい「あ、ほら!あっちにピッチングのやつもあるからやろうよ!」

パワプロ「お、いいですね!」

あおい「じゃあ勝負しようよ!どっちが多く的に当てられるか!」

あおい「負けたらジュースね」ニコッ

パワプロ「えっ…俺本職じゃ…」

あおい「現役のプレーヤーが勝負から逃げるんだー?」

パワプロ「なっ…!」

パワプロ「やるからには…勝ちますよ!」

あおい「そうこなくっちゃね!」

ビュッ

ビュッ

パワプロ「6枚抜いたぞ!」

あおい「よーし、次はボクの番!」

―――――
―――


パワプロ「パーフェクト…!」

あおい「へへん、どう?先生もまだまだイケるでしょ?」ドヤァ

パワプロ「むぅ…」

あおい「よっし、じゃあパワプロくんに早速ジュースを…」

パワプロ「先生!」

あおい「ん?」

パワプロ「さ、三回先に勝った方が勝ちってことで!」

あおい「えー…往生際わるいなー…」ジトーッ

パワプロ「元プロが教え子からの勝負から逃げるんだー…へー…」

あおい「むっ」カチン

あおい「いいよ、返り討ちにしてあげるから!」

パワプロ「次は負けません!」

―――――
―――


あおい「ごくっ…ぷはっ!」

パワプロ「…」

あおい「運動した後だから喉渇いてたんだよねー…ん、パワプロくん、ごちそう様!」ニコッ

パワプロ「…」

あおい「はは、悔しいのかな?どう?まだまだボクもイケるでしょー?」ドヤァ

パワプロ「ぐぅ…完敗…です…」

パワプロ(全部パーフェクト出されたら勝ち目とか無いじゃん…)

あおい「あー、楽しかった!ふぅ…それにしても暑いし…動いたから汗かいちゃったなー…」パタパタ

パワプロ「…!」ハッ

あおい「どうしたの…?」

パワプロ「あ、汗でTシャツが透け…それにシャツ一枚だからシャツで仰ぐと見え…!」

あおい「!?」バッ

パワプロ「えっ…?」

パワプロ(し、しまったーつい声に出てしまった…!)

あおい「ぱ、パワプロくんのえっち!」カァッ

あおい「せ、先生のこと…あんまりそういう目で見ちゃ…ダメ…だよ…?」モジモジ

パワプロ「…!!」ドキッ

パワプロ(か、かわいい!)

あおい先生とバッティングセンターで楽しんだ

打撃フォームが変わった

ミートが上手くなった

パワーがあがった

弾道があがった

やる気があがった

あおい先生の評価がちょっぴりあがった

疲れがたまった

パワプロ「こ、これからどうしますか…?はは…」

あおい「あ、あんまり見ないで…透けてるって…わかってるんでしょ…?」

パワプロ「見ないでと言われましても…」ジーッ

あおい「~~~っ!」

あおい「ふ、服買いに行く!パワプロくんにえっちな目で見られない服!」

パワプロ「そんな…いかにも俺が変態みたいな言い方!」ガーン

あおい「それに…やっぱり…少しくらいお洒落な格好した方が…いいかも…しれないし…」ボソッ

パワプロ「はい?今なんて…」

あおい「こっちの話だから!」

パワプロ「あ、はい…」

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