とあるローマの幻想殺し 第二章 (715)









『現実なんてそんなものさ』






  

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1374118352







『世の中は
  いつ何が起きても少しも不思議じゃないし
          ちっとも理不尽じゃない』





『どんなに偉い人だって
  何でもない事で死んじゃうし
      どんなに努力を重ねたって
             ふとしたことで無にかえる』




  








『逆に何もしなくても
    生まれついての幸運で
          一生を幸せに終える奴だっている』




  











『バカみたいだろう?』








 








「『そんな事にいちいち本気で付き合うなんてさ』?」







ああ、その通りだよ、先生。

 




だけど俺は、決めたんだ。



バカみたいだろうと、愚かに見えていようと。



俺は、『アイツ』に人を救うと、誓ったんだ。







「そうか。いい答えだ、当麻」


注意書き

・このスレは、『とあるローマの幻想殺し』とあるローマの幻想殺し - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1366896899/l50) の次スレです。前スレを見ないとよくわからないところもあると思います。
・このスレは、とある魔術の禁書目録の二次創作です。
・原作とはかなり設定を変えているところがあります。
・キャラ崩壊もあるかもしれません。というかあります。
・特にキャラクターの戦力の魔改造がひどいです。だいたいのキャラはかなりの力を持っています。
・その場その場で名前が無い程度のオリキャラは登場します。
・カップリングは特にありません。ただ上条さんはモテます。
・リアルもあるので、更新は亀になるかもしれません。
・批判、批評は絶賛受付中です。ガンガン指摘してください。


メイン登場人物紹介

ローマ正教

上条当麻(14)
ローマ正教に所属する神父で魔術師。
肉弾戦スペックがとても高い。『魔法のお札』を使って魔術を行使できる。
異能の力を殺す右手『幻想殺し』を持っている。学園都市に来てからはまだ未使用。
家事、料理などが得意。


神の右席

フィアンマ(?)
ローマ正教の裏のトップ、『神の右席』に右方のフィアンマとして所属している。
何でもできるスーパー右手、『聖なる右』を持っているが、よくどうでもいい事に使って怒られている。
また、引きこもりでもある。

ヴェント(?)
神の右席に前方のヴェントとして所属している。
上条さんにフラグを建てられていて、依存気味。
原作における御坂っぽい性格をしている。

テッラ(?)
神の右席に左方のテッラとして所属している。
数少ない常識人。ただし異教徒は嫌い。
よくワインとパンを食べている。

アックア(?)
神の右席に後方のアックアとして所属している。
本名はウィリアム=オルウェル。イギリス人で、イギリスで色々あった。
上条当麻の師匠でもある。

という訳で、新スレです。少し待たせてしまって申し訳ありませんでした。まさかあんなに早く埋まるとは………

新スレにあたり、トリをつけてみました。ちゃんと表示で来ているようで良かったです。

ちなみに、冒頭のモノは『先生』の台詞ですが、元ネタはシャーマンキングの台詞です。

それから今日の9時ごろ、投下しに来ます。
絶対能力者進化実験編ではなく、上条当麻の過去編1になりますが。

数分後に投下開始なのですよー。




            上条当麻の過去話①
            『ヒーローと厄病神』




『厄病神』。



それが、彼につけられたあだ名だった。

意味はそのまま。

『不幸を運んでくる、不吉な存在』。




家にいると、『偶然に』窓ガラスが割れたり、『意味もなく』電球がショートして降ってきたりした。



街を歩いてると、『何故か』交通事故に出くわした。『たまたま』看板が落ちてきた。



公園で遊んでいると、『運悪く』木が倒れてきた。『不幸にも』通り魔に襲われた。



自分がいると理不尽に『不幸』が、『不運』が、危険が襲ってきた。



友達ができた事はなかった。


当たり前だろう。近くにいたら絶え間なく危険があるのだから。


それでも、彼には両親がいた。


限りなく温かく、そして優しい愛情を注いでくれる両親が。


もし彼らがいなかったら、すぐにでも死んでいただろう。


両親がいるだけで、彼は幸福だった。


両親が自分のいることを祝福してくれるだけで、彼は幸せだった。




ある日のこと。


彼が在宅し、両親がいない時、床のコードに足を引っ掛けた。


倒れそうな自分の体を支えようと、『偶然そこにあった』よく海外に行く父が買ってくるお土産にさわった。


すると、空から。











『黒い光』が落ちてきた。






轟音が、鳴り響いた。





家が、吹き飛んだ。



『不幸にも』僕は生き延びた。


黒い光は、右手に触れると消し飛んだ。


だが、家は壊れてしまった。


大切な両親の、大切な思い出の詰まった家が。


何となく自分のせいだとは理解していた。





自分が『不幸』だから、こうなったのだと。




絶望する彼を見て、戻ってきた両親はこういった。







『あなたが生きていて、よかった』







そして彼は、すべてを捨てに行く。




















 








疲れた。


もうたくさんだ。


僕が死ねばよかった。


家には、お母さんの、お父さんの大切な思い出が詰まっていた。


僕が。壊した。



僕のせいで。



僕の『不幸』のせいで。




きっと僕が死ねばこの不幸は消える。



お母さんもお父さんも悲しむかな?



だけど仕方ないんだよ。



僕は『不幸』だから。



きっと、みんなを巻き込んじゃう。




迷惑のかからない所に行こう。



きっといるだけで周りは不幸になる。



じゃあ、せめて、少しでも。







―――――皆が幸せになれるように。

 

ここなら迷惑がかからないかな。


森の中は、涼しいな。


何をしよう。何もしなくていいや。


あ、リスだ。野生のリスは初めてみた。


可愛いな。だけど近づいちゃだめだよ。僕に近づくと、不幸になるよ?


あーあ、きちゃった。もう仕方ないよね。



眠くなってきた。


もう夜だ。星がきれいだな。


あ、しってる星座だ。あれ『オリオン座』っていうんだよね。


たしかすごい強い人だったんだよね。


強い……人かあ。なってみたかったなあ。


ああ、リスさんちょっとせまかったね。






ごめんね。



『おい、いたぞ!』

『こいつだ!こいつから魔力の残滓を感じる!』



あれ?声がする。こんな森の中で。



『よし、捕獲しろ!』

『あの魔術について吐かせるぞ!』



え?何で僕を捕まえるの?

『あの黒い光は、遥か昔失われたはずの術式だ』

『何としても手に入れる!』



何で僕の周りに剣を付きたてるの?




何で。何で。何で。





リスさんが刺されてるの?

助けて。



誰か助けて。



死んじゃう。リスさんが。



僕の不幸で、死んじゃう。



いやだよ。いやだ。



お願い、誰か。



誰か助けて。





―――そうか。そうだった。



世界はそんなに優しくないんだ。



助けてと願ったからって誰かが助けてくれるわけじゃない。



そんなに都合よく正義の味方は助けに来ない。



だったら。



『わああああああああああ!!』

くらえ、どこかへ行ってしまえ。







力の限り突撃したけれど、あっさりと蹴り飛ばされる。






『こいつ、反撃してきやがった!?』

『舐めやがって、見せしめだ!』



足を切られた。



僕には力が無い。



闘うことすらできない。



ましてや誰かを救う事すら、できない。

『この野郎、図に乗りやがって!』

『ニ度と舐めた真似できないようにしてやる!』



何度も頭を殴られる。



このまま、死ぬかもしれない。



元々死ぬつもりだったからそれでいいのかな。



だけど、そのせいでリスさんは死んじゃうのかな。



いやだよ。





僕に力があればよかったのかな?




僕がヒーローのように強ければよかったのかな?




ああ、神様。



どうか、願いがかなうなら。




悪を倒して、正義を守る、おとぎばなしみたいな―――――






『あまり子供を痛めつけるのは感心しないであるな』






―――――ヒーローに。















  

それは、一瞬の出来事だった。


彼の視界には残像すら映らない。


ただ、目の前の男が全てをなぎ払った後。


彼は唐突に、男のもとへ駆ける。


『どうしたのであるか?』


男は、尋ねる。

彼は喚くように訴える。


『心配はいらないのである』


男は、死につつあるリスに、手を置く。


すると、リスは生気を戻し、みるみる傷が塞がった。


それを見て、彼は唐突に泣き始める。


『何故、泣くのであるか?』


その男は身体に数多の傷が刻まれていた。


それは、戦ってきた証。


男は、自分の傷を恐れているのかと思った。



『恐れる事はないである』


彼は、首を振りながら、恐れ、という部分を否定する。


男は、幾多にも刃筋の付いた、傷だらけの剣を持っていた。


それは、戦ってきた証。


男は、自分の携えている大剣がこの少年に危機感を与えているのかと思った。

『私は危害を加えるつもりはないのである』


彼は、同じくそれも否定する。


『では、何故であるか?』


男は問いかける。


それに対し少年は。


泣きながら、逆に問いかける。




何故だ。何故自分を。



『泣いていたように見えたのである』



なぜ、なぜ、なぜ。


理由になっていない。答えになっていない。


何でそんなに戦って。何でそんなに傷つきながら。


何でそんなに、強くッ―――――!!





『簡単である』




男は、優しく微笑みながら、答える。


『私は、この名に懸けて誓ったから』


その姿は、彼の眼には、まるで、





『私は、その涙の理由を変えるものだからである』


 













―――――待ち望んだヒーローが。現れたように、見えた。

投下終了。
上条さんの幼少期の話ですね。
こんな感じに短い区切りで過去編はやっていくと思います。

数分後に投下開始―。
第四話ですねー。






           とあるローマの幻想殺し 第四話
           「それは、この名前に誓ったから。」




なぜ、こんな事になっているのですの?



上条「ふむ、興味深い………」


初春「何がですか?」


上条「この卵………普通の卵じゃない………気配でわかる!」


初春「えー、『学園都市特製!品種改良二黄卵パック!』」


上条「なるほど、興味深い………」


初春「ぷ、なんですかそれ」


上条「いや、特に」


初春「だけど、ほんとにそんなに料理上手なんですか?」


上条「俺は食の探究者だからな。プロ顔負けの超うまい料理をふるまってやるよ」


初春「期待してます」




上条「卵がメインでいいかな。おーい白井?和食と洋食、どっちがお好み?」


黒子「………和食でお願いしますの」


彼女たちは上条とともに第七学区のこれから上条もお世話になるであろう激安スーパーで買い物をしていた。



そうなったのも。そう、それは確か、数十分前の事だ。

簡単に説明すると、



上条『わあお金がない!どうしよう!』


黒子『助けてくれたお礼に私がおごって差し上げますの―』


初春『私も払います!』


上条『いや、神父としてならともかく男としては施しを受けるのはだめだー』


黒子『じゃあどうするんですのー?』


上条『よし、俺が料理をふるまってやろう!だから材料費は出してくれ!』


初春『どこで作るんですかー?』


上条『君たちの寮だぜー!』


黒子『ええ!?』


こんな感じだ。

もちろん、頑なに奢ろうとする白井と上条の超話術による喧騒などもあったが、そこらへんは書く気になれなかったんでカットで。



そんなこんなで、今上条たちは食材を集めるために買い物をしている。



黒子(いやもちろん感謝はしていますし?お礼もしたいと考えていますの。それに彼もとてもいい人だということは分かっているのですが……
 それにしたって出会って初日の殿方を寮とは言え少女が住む家に連れ込むのはどうなんでしょう?)


そんな事を考えている間に、買い物を終えた上条たちは移動を始める。

日も沈み始め、黒ずんだ空には飛行船が学園都市内のニュースを流している。


上条「学園都市は街に飛行船が飛んでるのか」


初春「その格好もそうですけど、もしかして上条さんってこの街の人じゃないんですか?」


上条「そうだぞー」

黒子「え?だけど能力は使っていましたし、この街の人間では無いのに能力者なんですの?」


上条「おう、俺は『ゲンセキ』ってやつでな。つい最近能力が使えるようになって、この街にやってきたんだ」


上条(ククク……先程までの俺とは違うぜ!しっかり教皇に貰った俺の『設定』の資料に目を通した!
 よって俺の事についての質問でもううろたえることはない!)



心の中でほくそ笑む上条。

むしろ何故飛行機の中でしておかなかったのかとかそんな質問はしてはいけない。

上条当麻は学園都市への期待でパンフレットとかばっかり読んでいて当然のごとく飛行機に酔って7時間ぐらいずっと寝込んでいたのだ。

ちなみにエコノミークラス。

彼は貧乏ではないが、節約好きなのだ。

学園都市内では貧乏になる事になるだろうが。

初春「すごいです!どんな能力なんですか?」


上条「『水流操作(ハイドロハンド)』の強能力者(レベル3)だ。結構高位能力者の方らしいぞ」


黒子「わたくしと同じですわね。『空間移動』の強能力者ですの」


初春「わあ~凄いです!私はまだ無能力者(レベル0)で…………」


上条「んー。だけど気にする事ないんじゃないか?まだ小六なんだろ?」


初春「それでも……白井さんもまだ同じ年齢なのに」


上条「うーん。…………不思議だよな、おかしいよな」


黒子「どうしましたの?」

上条「この街じゃ能力と学力がモノを言うんだろ?当然みんなそれを手に入れるために努力する訳じゃないか」


黒子「そうですわね」


上条「で、学力はまあ頑張れば上がる。だけど、能力についてはこの街には無能力者が六割を占めてるわけだろ」


初春「はい………」


黒子「そうですわね。ほとんどの者が無能力者か弱能力者ですの」


上条「白井はその能力ってどうやって手に入れたんだ?」


黒子「まず最初に『能力開発』をして、その時に『空間移動』の適性があったので、そのあと研究所に通ったり、能力をたくさん使ったりしましたね」


上条「うん。つまり、努力をすれば伸びるんだよ」


初春「で、ですけど」

上条「だけど、だったらみんな能力者になってるはずだよ。それこそこんな不思議な力、手に入るのは夢なんだから。
 そりゃ多少はサボったりもするかもしれないけど、学園都市に来ている時点で能力を手に入れるための努力を全くしないなんてことはないだろ」


初春「はい。私も出来る限り頑張ってるんですけど………」


上条「『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』」


黒子「はい?」


上条「これが能力者の生み出す力の元なんだろ。簡単にいえば、頭の中で出来る、と思ったものが現実に現れるってこと」


初春「はい、そう教わりました」


上条「おかしいんだよ、明らかに」


初春「何がですか?」


上条「これは自慢じゃないけどな、俺は物事を客観的に見たりするのが得意だ。そうしないとわからない事がたくさんある。
 誰もが当たり前と思っていても、明らかにおかしい事があるんだ」


黒子「………?」

上条「まあ沢山あるうちの一つだけど。『なぜ能力は子供しか使えない?』。これは、多分大人の方が頭の中が完成していて、出来ると思わなくなる、みたいな説明がされているんだろう。多分。

 だけど、この世に精神異常者なんていくらでもいる。それこそ大人の方が多いくらいだ。

 『自分は神の生まれ変わりだ』、『自分は空を飛ぶ事が出来る』、『自分は本当は違う世界の人間で、こんな退屈な毎日はかりそめに過ぎない』。そんな事を心の底から信じている人がたくさんいるんだ」


初春「…………」


上条「だけど、大人の能力者なんて、いまだかつて発見されていない。いや、発見はされているけど、それが『本当に超能力者だったのか』はっきりと分かった人はまだいない。

 原石だって、みんな子供だ。

 いったい、大人と子供で『何が違う』んだ?

 大人のような体験をしている子供なんて沢山いるだろうし、子供みたいな経験知しかない大人もいるだろう?」


黒子「…………確かに、そうですわね」


上条「まあ他にもいろいろあるけど、考えてみてもしょうがないからな」

初春「だけどよく考えてみると不思議ですよね………まず超能力が人工的に使えるようになったのっていつなんでしょう?」


黒子「ソ連では世界大戦の頃から超能力者についての研究を国を挙げて行っていましたし、そもそも仏教などの宗派においては、密教など――――――」


初春「―――――」


「――」


そんな超能力の歴史についての話に花を咲かせる二人。

そんな二人の横を歩きながら、上条当麻は思考していた。



上条( …………『頭の中で考えた事を現実に持ってくる』。そのこと自体は魔術では普通だ。あたりまえのように行っている。

 だけど、特に疑問なのは、『超能力と魔術が併用できない』こと。

 いままでの世間で超能力者だなんだ言われてきたのは、みんな魔術だ。憑きモノだったり、神の加護だったり。

 行っている事はまるで同じ。なのに、双方ともに拒絶反応を示す。

 『回路が違う』?『才能がない人間が才能にある人間に対抗するため』?バカ言え。

 絶対におかしい。明らかにおかしい事があるのに、それがおかしいとは思わない。

 誰も疑問に思わない。誰も不思議に感じない。誰も何も言わない)

上条当麻は考える。

良く考えればわかるはずなのだ。

少し深めの魔術知識と、とても初歩的な超能力の原理を知ってれば。



なのに、何故だ?



何故、誰もおかしいと思わないんだ?



上条(そして何より。この『右手』)


異能をすべて殺す力。


神の奇跡だろうが超能力だろうが、問答無用で打ち消すこの力。


では、『異能』とは、何だ?


科学的に証明された手段で発動する『異能』なら、それはもはや『異能』ではないのではないか?

もしその男が正常だとしても、世界が他の人間は狂っていればその男はその世界にとっては狂っている事になるのだ。



そんな内容の話がある。



師匠も、フィアンマも、ヴェントも、テッラも。



何故―――――





 


 

黒子「つきましたの」



初春「ここが私たちの寮です!」



上条「……ん?ああ。ここか。…………普通だな」





思わず思考の海に潜り込んでいた上条を、二人の少女が現実に引き戻す。

初春「何ですか普通って!」


上条「いや、学園都市だからそれこそ……機動要塞?みたいなのを想像してたから」


黒子「学園都市はそこまで吹っ飛んではいませんわよ?」


上条「え?」


黒子「いや、真顔で返されると少し傷つくのですが。学園都市はそこまで…………」


上条「いや、正直おでんにイチゴを組み合わせるのはどうかと思った」


初春「おいしいですよ!?」


上条「飲むのかよ!?」

くだらない話をしながら寮の中に入っていく三人。

そのまま食堂へと向かう。


「やあ、いらっしゃい。上条君だね?飾利ちゃんと黒子ちゃんから話は聞いてるよ」


食堂に入ると、眼鏡をかけて髪を後ろに束ねたエプロンを着けた女性が立っていた。


上条「えーと………どちらさまでしょうか?」


黒子「この方は、私たちの寮の料理長ですの。名前は………」


料理長「そんなことはどうでもいいんだよ。それよりも話を聞かせてもらおうか二人とも!」


初春「話、ですか?」


料理長「ふふん。出会って一日の男性を女子寮に連れ込むなんてなかなか大胆だね?」

初春「なっ………!」


黒子「そ、そんなことは………!」


料理長「なにかい?窮地を救ってくれたヒーローさんにときめいちゃった感じかな?この思春期め!」


黒子「ちょ、ちょっとま」


料理長「上条君?キッチンは勝手に使っててくれていいから。あ、ボヤ騒ぎとか起こすのは勘弁してね?」


上条「学園都市製のキッチンが爆発とかしなければ大丈夫です」


料理長「電子レンジで卵をチンするなよ?」


上条「白熱電球を入れたら大変なことになりましたね」


料理長「でんじろう先生かい?」


上条「でんじろう先生です」


料理長「あの空気砲は私もよく作ったものだよ」


上条「ですよねぇ。で、バンバン叩きすぎて側面がめり込んでいくと」

料理長「そういえば、学園都市の技術を利用した、超合段ボール空気砲というものがあってね」


上条「超合金のオマージュなんですかね」


料理長「たぶんね」


上条「なんか学園都市ってだけでなんか凄そうなんですけど」


料理長「人一人なら殺せる」


上条「なにそれこわい」


料理長「砲門が私の方に向いていて発射した時は頭が吹き飛ぶかと思った………」


上条「どんな見た目なんですか?」


料理長「外観は基本的には普通の段ボール空気砲と同じだよ。ただかなり大きかったり中にボンベが入ってたりファンが回ってたりするだけだね」


上条「全然普通じゃないんですけど」


料理長「ああ、あとメタリックカラーに輝いているね」


上条「それのどこが段ボール!?」

料理長「段ボールにペンキを塗っているだけだよ。なんなら見てみるかい?」



上条「是非」



料理長「さて、そろそろ黒子ちゃんたちが痺れを切らしているから料理に取り掛かってもらおうか」



上条「了解です。ふふふ………学園都市のキッチン、さぞかし高度な調理が出来るに違いない!!」



料理長「自称『プロ顔負け』らしいけど、『神の舌を持つ女』である私の舌をうならせることはできるかしら……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



上条「舌を洗っていて待っていてください………『幻想の料理人』であるこの僕があなたに天国をご覧入れましょう………」ドドドドドドドドドド


黒子「………何を言ってるんですの?」



初春「さ、さあ……」



料理長「上条君はノリがいいね。こんな無茶振りに付き合ってくれるとは」



上条「いえ、慣れてるだけですよ。周りにいる奴が大体こんなノリなので」

料理長「ほほう、実に楽しそうだ。一度会ってみたいものだよ」


上条「イタリアまで来るんですか?」


料理長「本場のイタリアンは食べてみたいと思うけどね」


上条「ご安心を………僕が本物のイタリアンをお見せいたしましょう………」ドドドドドドドド


料理長「期待せずに待っていますわ……三流君?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


黒子「いやどういうキャラですの!?」


上条「寡黙な凄腕料理人と」


料理長「傲慢高飛車お嬢様」


黒子「息がぴったりすぎますの!」


初春「仲良くなりすぎじゃないですか!?」


料理長「波長があった?みたいな?」

上条「というか全然寡黙じゃなかったな。キャラを練り直すか」


料理長「元外国人部隊、とかどうかな?」


上条「食べ物を使って爆弾を作ったりするんですか?」


料理長「テロリストと戦ったり」


上条「もう戦った事はありますけどね」


料理長「詳しく聞いていいかな?」


黒子「もういいですから!料理を作っていただけません!?」


料理長「まあそう焦るんじゃない。しわが増えるぞ」


初春「まだ小学生です!」


料理長「何を言っているんだ。男は精通をしたときから既に男だ。女は初潮が来たときからもう女なんだぞ」


黒子「ななな……何を言っているんですの!////////////」

料理長「そして小六くらいが女の頂点なんだ。中学生はババアなんだよ。わかるかい?」


黒子「わかるわけありませんの!!いったい誰がそんなこと言ってるんですの!?」


上条「私だ」


料理長「お前だったのか」


上条「また騙されたな」


料理長「まったく気付かなかったぞ」


上条「暇を持て余した」


料理長「神々の」


二人「「遊び」」


黒子「もう!料理長も上条さんも早く作らないなら、私が作りますの!!」


上条「おっと、すまんすまん。おごってもらうんだからな。しっかりうまいもん作ってやるぜ!」

料理長「いや、待つんだ上条君。ここは黒子ちゃんの料理に」


初春「料理長!!」


料理長「やれやれ。恋する乙女は怖いなぁ」


黒子初春「「料理長!!!」」


そんなこんなで、上条が料理を始めた。

投下完

ただ上条さんに調理器具の使い方を説明するだけの役割だった料理長が、やけに動きました。
どうなっているのやら。

どうでもいい呟きですけど、一番最初に話を思いついた時はバリバリの主人公無双モノでしたね。
一方さんはワンパンで、カッキーとかむぎのんとかはまず登場せず、ステイルさんは当然のかませで、自動書記は速攻の予定でした。


くそう、筆が進まぬ……
一方通行との戦闘とかエピローグとかノリノリで書いてたのに、そこまでつなげられない、くそう。
皆さんは少しずつでも更新頻度が高いのと30レスぐらいドバッと投下するの、どっちがいいですか?ちなみに私はどっちでもいいんですけど。

それから今日多分9時くらいに投下しに来ます。

好きなキャラの死に際は、アウレオルスダミーとネウロの電人HALです。

では投下するのです。




料理長「で?上条君はどんな子なんだい?」


黒子「わたくしたちもまだあったばかりなので…………というかまずどんな人か聞くんですのね」


料理長「あたりまえじゃないか!私の可愛い娘分をやる男なんだから、しっかりと見定めないと!」


初春「む、娘をやるって………////////////」


料理長「まあ見てる分には悪そうな人ではないけどね。何よりあの無茶振りに対する適応能力は逸材だよ。実に欲しい」

黒子「何にですの?」


料理長「えー、嫁とか?」


初春「よ、嫁ですか?婿ではなく?」


料理長「ふふん、分かってないね飾利ちゃんは。この世には『主夫』という言葉がある。家庭的な男は主夫という道もあるんだ」


黒子「ええ…………それはありなんでしょうか…………?」


料理長「もちろんありに決まっているだろう。ただ、上条君はむしろバリバリ働いていそうだけどね」


初春「神父さんらしいですよ、職業は」

黒子「確かに修道服ですし、ロザリオも首から下げていますが、見たところ14,5歳でしょう?そんな歳で修道士になれるんですの?」


料理長「本人に聞いてみればいいんじゃないかな?」


上条『料理長―!キッチンの使いかたがわかりません!!』


料理長「おや、噂をすればなんとやらだね。ちょっと行ってくるよ」


黒子「わたくしも行きますの」


初春「私も行きます!」




……………………………………………………………

料理長「ああ、このキッチンは火が出るんじゃなくて電気で温めるんだよ」


上条「火がないのに温まる…………学園都市は恐ろしい所だ…………」


料理長「イヤ、『外』にも結構前からある技術だよ?」


上条「いやー日本に帰ってきたのは久しぶりなんで」


料理長「ほほう?詳しく聞こうか」


上条「三年前に里帰りしてきて以来かな」


料理長「それまでは?」


上条「まあ基本的にはイタリアにいて。ヨーロッパを飛び回ってアフリカ行ったり、中東行ったり」

黒子「し、神父とはそんなに忙しいものなんですの?」


上条「いや、俺の場合はちょろっと特殊かな。実際同業のだいたい一緒にいる四人のうち二人はあんまりイタリアからでないし。一人は引きこもりだしな」


初春「引きこもりですか?」


上条「すごいえらいし実力もある奴なんだけど、外に出なくていつも建物の中をふらふらしてる。あ、すいません、醤油とってもらえます?」


料理長「コレだね。君は何しにそんな海外に行っていたんだい?」


上条「どうも。………そうですね。まあ布教活動?後はボランティアとか」


上条(魔術組織を視察に行ってるとは言えないしなぁ)


初春「ほえー。凄いんですねー」

上条「光栄ですよっ、と。すいませんこれ戻しといてもらえますか?」


料理長「了解だよ」



………………………………………………

短いですけど投下終了。
次の投下の時、安価するかも。

あれ、ひょっとして前スレは見たけどこっちに来れてない人っている感じでしょうか。

もしそうだとしたらどうしましょうか……

料理長と上条さんとのやりとりは食戟のソーマを参考にしてますか?

かきためてるのか?
一方通行編が楽しみで仕方ないぜ

>>109 食戟のソーマは好きですが特に参考にしたとかは。
 とりあえずこれからシリアスパートに入るのでギャグを詰め込めるだけ詰め込んでおこうと思っただけです。

>>112 書きためてないです……というか書きためはあるんです。ただ書きためまで繋がっていないので投下できないのです。
 明日か明後日、投下したいです……

前スレの時思ったんだけど、幼い頃から神の右席といたのにフィアンマやテッラが当麻と呼ばないのはちょっと気になったな

眠い………………
これから街に出て実験に遭遇して研究所いって妹達と会話しないと一方通行戦闘編まで行けないなんて……
もう駄目だぁ…………
私の17656字 3127行 原稿用紙122枚分プラス5911字 915行 原稿用紙37枚分に及ぶ凄絶な書きためにまで行くにはまだまだ遠い………(自慢)

投下します。
寝オチするかも。

………………………………………………




料理長「―――――!!!」


上条「―――――!!!」


凄い喧騒で熱く語り合う二人。ちなみに午後9時10分。


黒子「お風呂頂きましたの」


初春「あ、了解でーす」


黒子「…………」


初春「…………」

上条「………異議あり!…噌汁……………入れ……ど……」


料理長「待った!…………大根……ね…を……」


黒子「よく聞こえませんが、あの二人は何を話していますの?」


初春「さっきの上条さんの料理のお味噌汁に意見があったそうです」


黒子「はて?文句のつけようがないくらいおいしかったですが」


初春「そうですね。和食料亭なんかに出てくる料理みたいに美味しかったです」


黒子「そのあとのデザートもまたすごかったですの」


初春「すごいですよねー。パフェを作っちゃうなんて。食堂内に行列が出来てましたよ」

上条「……波のォォォ……間に間にィィィ証ォ拠がァ……ハネりゃぁぁぁ……

 オレのォォォ……ココロもォォォハネるゥのさぁぁぁ………」


料理長「‥‥夢のォォォ‥‥間に間にィィィ証ォ拠がァ‥‥オドりゃぁぁぁ‥‥

 オレのォォォ‥‥ココロもォォォ‥‥‥‥」



黒子「…………歌っているように見えるのですが」


初春「何なんでしょう……あの歌」




カミジョー「……もっと、自分の証言にセキニンを持ってください!“ナスがカレーにハイッテイタ”さっきは、そう証言しましたね!」


リョウリチョ「“さっき”……?じゃあ聞こうじゃないか!アンタ、ちっちゃいコロのユメは?」


カミジョー「は……?」


リョウリチョ「おっきくなったらナニになりたかったのサ!」

カミジョー「将来のユメ……ですか。み、ミラクル仮面……でしたけど。それがナニか?」


リョウリチョ「ホレごらん!アンタは今、ミラクル仮面じゃないだろうが!」


カミジョー「はあ……」


リョウリチョ「“ムカシ、ナニを言ったか?”……そんなコトに、いったいなんの意味があるってのサ!“今”がすべて!ムカシのコトなんて、セキニン持てないョ!」


カミジョー(サイバンを根底からくつがえす、ショーゲキ的な発言だな……)




黒子「いやほんとに何の話ですの!?」



カミジョー「一理だと‥‥?それがなんだっていうんだ。
  俺たちは‥‥万里の道を行く旅人なんだぜ」


リョウリチョ「単位が違うじゃないか!」





……………………………………………

料理長「上条くんはどこで寝るんだい?」


上条「あ―………というか帰りますよ?家に」


料理長「家の場所も分からないのにかい?」


上条「くそう………話すんじゃなかった」


料理長「ふふん。私の前で隠し事なんて、7年早いね」


上条「7年。いやに具体的」


料理長「私に歳が追いついてから言うんだね」

黒子「料理長も7歳歳を取るのなら永遠に追いつけないのでは?」


料理長「私は永遠の21歳だからね。上条くんも7年後には追い付けるさ」


初春「なんで21歳なんでしょう……」


黒子「微妙な当たりですの」


上条「というか帰りますって。ご飯を食べさせてもらうだけで有難いのに」


料理長「学生にこんな夜中に歩かせるのは忍びない。いいから泊まって行きたまえ」


上条「ええ―………大丈夫ですよ、男ですよ」


料理長「安心はできないぞ。変態はどこの世界にもいるんだ」

上条「いや、大体どこで寝るんですか?女子寮でしょう」


料理長「私の部屋でいいじゃないか」


黒子「うえ!?」


初春「な、何を言ってるんですか!」


料理長「どうしたんだい二人とも。何の問題もないだろう?まさかセックスをするのでもあるまいし」


初春「せせせせせ…………/////////」


上条「教育に良くないですよ、料理長。大体女子寮に男が泊まる事がおかしいんです」


リョウリチョ「カミジョーくん、先入観は捨てて。女子寮に泊まるのは女子だけじゃないはずよ」


カミジョー(まさか………女性………)


黒子「いや、わからないですの!」


料理長「逆転裁判5、近日発売!」


上条「絶対買ってくれよな!」




………………………………………………………

結局上条さんは、ロビーに寝ることになりました。


上条「全く、おかしいぞ料理長も。男を女子だらけの寮に泊めるなんて」


初春「あはは……………」


料理長「君の信頼への証だ。光栄に思うといい」


上条「信頼って、まだ一日も過ごしてませんよ?」


料理長「君は信頼に足る人間だ。私が保証しよう」


上条「え―…………まあ信頼されるのはいいんですけど」

料理長「といっても、君は何か隠し事をしてるみたいだけどね」


上条「ぎくっ」


黒子「ぎくって口に出しますの?」


料理長「まあえて詮索はしないよ。誰にだって知られたくない事くらいあるさ」


上条「料理長にもそういうものがあるんですか!」


料理長「そりゃ少しはあるさ。たいていのことは隠さなくてもいいつもりだけどね」


上条「質問です!」

料理長「なんだい?」


上条「料理長のお名前は何ですか?」


料理長「トップシークレットだ」


黒子「ええ………」


初春「私たち料理長の名前は知っていますよ?」


料理長「浅はかだね君たち。私がそんな簡単に本名を明かしたりすると思ったのかい?」


黒子「むしろ明かさない必要性が分からないですの」


初春「っていうかそれは寮的に考えて大丈夫なんですか?」

上条「料理長はなんて君たちに名乗ったの?」


黒子「『山田花子』ですの」


上条「いやそれは無茶があるんじゃないのかな」


料理長「『山田太郎』が居るんだから問題ないだろう。もちろん本名じゃないけど」


上条「なんで俺の周りには本名不詳の連中が多いんだ…………?」


上条(フィアンマもテッラも本名は知らないし、大体の魔術師は魔法名しか名乗ってくれないし。こっちに来てからはいきなり絶対等速とか名乗る本名不詳者が出てくるし)


料理長「安心したまえ。私にもどう考えても人間につける名前じゃないだろみたいな感じの名前の知り合いが居る」


上条「イタリア語で『火』」


料理長「四字熟語」


上条「北欧神話の神様の名前」


料理長「数の単位」


上条「フルネーム一文字」


料理長「漢語」


上条「概念」


料理長「概念」


上条「…………やりますね」


料理長「君こそ」

初春「何の話だったんでしょう………?」


黒子「知っている人の名前ではないでしょうか」


初春「………世界は広いですね」



ボーン、ボーン。

彼らが会話しているロビーに、時計の鐘の音が鳴り響く。



料理長「おっと。つい話し込んでしまったね。もう深夜だ。消灯時間だ―」


上条「夜更かしは体に悪いぞー。さっさとねなさーい」

黒子「む。なんとなく子供のように扱われている気がしますの」


料理長「気のせいだ。それに私ももう寝る」


上条「俺もだな。まだ学園都市に来て初日だし、疲れた」


黒子「ええ!?」


初春「初日ですか!?」


料理長「ほらほら、その事について話したらまた時間が立ってしまう。おやすみだ」


上条「おやすみなさいでース」


黒子「むぅ………おやすみなさいですの」


初春「おやすみなさい」


………………………………………………………………………

投下完了。
料理長の口調が不安定に安定しています。ちなみに本名は決まってません。

どうでもいいけど禁書ってメガネキャラ少ないよね。固法先輩と鉄装さん、ちょっと違うけどリメリアさんぐらいですか。
魔術や超能力を使えるようになると目が良くなるのだろうか。
ちょっと能力開発してきます。

上でネウロのHALの話のせいか数の単位は刹那が浮かんだ

単位とか概念って木原一族しか思い浮かばなかった






          挿話 『上条当麻の過去話 1.5』
                  『親』

それは、突然告げられた事。



衣服は破け、血糊だらけで。



ボロボロの息子が返ってくるなり、突然告げた事。


魔術・オカルトの存在。



この家の状態。



そして、それによって引き起こされた事件。



助けてくれた恩人。



そして。

デュエリストか



『僕は、もう決めたんだ』



詰め寄り、どうやっても止めようとする私たちに対して、息子が、一人の男が言ったこと。




『僕がいると、周りが不幸になる』



 




そんなことはない。お前がいるだけで、私たちは幸福なんだ。



まるで子供のように詰め寄って言う私たちに微笑みかけて。




『たとえ父さんたちが幸福でも、僕は傷つく父さん達を見るのはいやなんだ』




彼は言う。




『だけど、僕はもう逃げない』




真っ直ぐ私たちの眼を見て、言う。






『ヒーローに、なるんだ』




 





―――――その目は、今まで見てきたどの眼よりも、輝いて見えた。

その傍らに立つ、大男へと問いかける。



本当に、本当に、



『誓うのである、この名に懸けて』



その男は目をそらさず、まっすぐこちらを見据えていた。





『彼を、強くする』

そして、男は巣立った。



大きな希望を胸に。



尊敬すべき師と共に。



私たちはそれをただ見送るだけだった。



だがそれでいい。



親は、見送るためにいるのだから。



子供が巣立つときに、応援してやるためにいるのだから。



そして。

いつか、子供が飛び疲れたとき、そっと手助けしてやるためにいるのだから。



だから当麻。



何時でも、休みに来い。



私たちは、ずっとお前の味方だ。





(―――なぁ、神様)




私はあなたが嫌いだ。



今も昔も。



きっと空の上から私たちを眺め、嘲笑っているのだろう。





(―――なぁ、神様)




私はあなたを呪うだろう。



今もこれからも。



こんなに優しい子に、何故こんなにも重い鎖を付けるのか。

「なぁ、神様」



だけど、私は祈らずにはいられない。



神様。



あなたが私たちの事を嫌いならば、それでもいい。



私もあなたの事が大嫌いだからだ。





だけど、それでも。






もし、赦されるならば。








幸多き未来を、彼に―――――


  

投下完了なのです。途中で一度突然中断してしまい申し訳ないです―。

今回は挿話。
上条当麻の過去話1.5は過去話1の直後の話ですね。

前々から質問のあった両親について。
別に彼らは死んだりしていません。上条さんは自分の意思で旅立ちました。
今も元気に生きています。また、上条さんも数カ月に一度くらい絵葉書を送ったり、何年かごとに里帰りしたりしています。

レス返し

>>115 多分後で書きますが、フィアンマやテッラさんはそこまで凄い長い付き合いではありません。
   せいぜい4~5年程度です。
   ちなみにアックアさんは10年近いです。

>>137 せぇぇつなぁあああああああああ!!!!

>>140 気のせいじゃないんですか?

>>145 私のことでしょうか? 私は遊戯王が大好きですけど。

遊戯王ネタあったんでデュエリストかなって
バリアンネタとかくるのかな?

眠い。
最近くじに来れる事が少なくなっている気がする。
これはゆゆしき事態。
ので、投下頻度が落ちる、かもしれない。


どうでもいいけど銀さんのラストワン賞が当たった(?)。うれしい。

………………………………………………………………………





深夜一時。



ロビーでパソコンを叩いていると、廊下から料理長の姿が現れた。

風呂上がりなのか、まとめて下げられていた髪がタオルにすっぽりと隠れている。

「さて、夜の雑談タイムとしゃれこもうじゃないか」



のんびりとこちらに歩きながら、話しかけてくる。



「……寝るんじゃなかったんですか?」



「君はどうせ寝ないんだろ?」



いいあてられる。

何故だろうか。

「……なんでです?」



「なんとなくわかるんだよ、君も人生を積み重ねて行けば分かるようになるさ」



「21歳じゃなかったんですか」



「10台と20代の間には大きな差があるんだよ。悲しい事にね」



知った事ではない。



「単純にパソコンでなんか打ってるのを見てただけなんじゃないですか?」



「だったら風呂上がりにここに来ずにすぐ寝るだろう?」



確かにそうかもしれない。



そんな事を考えながらキーボードをたたく。

「神父としての仕事かい?」



「まあそんな物ですね。レポートみたいなものです」



「ふむ。学園都市には布教活動をしに来たのかい?」



「ええ。ついでに俺自身が原石って言うのもありますね。やはり能力者の研究は学園都市が一番でしょう」



「そうかい」



沈黙。

カタカタとキーボードをたたく音だけがあたりに響く。

辺りに人影はない。

小学生の寮なのだから、深夜に誰もいないのは当然かもしれない。

学園都市は学生の街だ。総人口の8割の学生らしい。

大学を卒業した者はどうなるのか。そのまま学園都市の外へ出ていくのか、研究者になるのか。能力はどんなふうに失われるのか。

色々と興味はある。それについても調べるのも仕事の一端だ。

学園都市へのスパイは非常に生存率が低い。

最悪生きて帰れないかもしれない。

全く、フィアンマもなかなかブラックな奴だ。

ひょっとしてからかっていることを根に持っているのかもしれない。

お土産を贈ろうかと思っていたが、ネタに走ってやろうか。達磨とか。あかべことか。こけしなんかいいかもしれない。

と。



「君は嘘をついているね」



彼女が、告げた。

「なにがですか?」



「それこそ、沢山だよ」



「どうでしょうか」



「どうだろうね」



本当に確信があるのか、それともカマをかけているのかは知らないが、どちらでもいいことだ。

なんせ、彼は隠すつもりはないのだから。

「そうですね。俺は嘘をついていますよ」



「だろうね。どんな内容かな」



「当ててみますか?」



「当たったら教えてくれるかい?」



「どうでしょうか」



「どうだろうね」

彼女は、からからと笑う。

まず三年もの間嘘を貫き通すなんて、無理だ。

上条はまずあまり隠し事が得意ではない。それは自覚している。しかも慣れ親しんだ魔術世界ではなく、よりによって相反する科学世界。



だけど、自ら教える場合を除き、絶対に魔術師だという事に感づかれてはいけない。



ならどうするか?



簡単だ。嘘と本当を織り交ぜればいい。

一部に本当の事を織り交ぜ、整合性をつけるために嘘をつく。

嘘を追求されれば、どこまでが嘘なのかを嘘をつく。

とある漫画でも行っていた。『嘘とホントを煙に交えて』。少しずつ混ぜれば相手がよほどウソを見抜くすべにたけているか、よほどの事がない限りばれる事はない。


どうやら、彼女は前者だったようだ。

「じゃあ確信を持っている部分から言おうか」



彼女は、眼鏡をはずし眼鏡ふきで拭きながら語る。



「そうだね、まず君は原石じゃないだろう」



驚いた。

割と核心部分をこんなにあっさりと付いてくるとは。

「大正解ですよ。研究者か何かですか?」



「元、だけどね。それにしても、ずいぶん素直に答えるじゃないか」



「俺、正直に言ってあんまり隠すつもりないんですよね」



「それは嘘かい?」



「ええ、嘘です」



「どうだろうね」



「どうでしょうね」

先ほどと全く同じ台詞で返され、返す。

こういうやりとりは嫌いじゃない。むしろ好きな方だ。



料理長も同じなのか、喉をくっくっくと鳴らす。



「いやぁ、楽しいな。君と話すの本当に楽しい」



「光栄ですよ、料理長」



「ああ、それともう一つ。付け加えておこうじゃないか」



「?」



なにがだ?



対して料理長は、こちらの心の中を察したように補足する。



「私の『確信』についてだよ」

「あらら。これ以上当てられたら上条さんの立場がかたなしですね」



肩をすくめて、おどけるように行ってみせる。

彼女は、そんな自分を見て、眼鏡をかけなおしながらふっと笑って、





「君、人を殺した事があるね」




 





言った。

いったん終了。

今回は試験的にNOT台本形式です。いかがでしょうか。

ちなみに料理長のキャラについてですが、だんだんと頭の中で妄想が広がってきました。
だけどそれについて書くと完全にオリキャラになってしまう……困りました。

ちなみに本名は相変わらず未定です。

本筋にがっつり絡んでるからすでに十分オリキャラな件

オリキャラは名前つけないで。わからなくなる

今人いますか?

レス返し

>>163 ? どこかにありましたっけ。
    バリアンネタとかは、あるかもしれません。ないかもしれません。悔しいでしょうねぇ。

>>191 このssにおいて、『上条当麻の過去話』以外の『全て』の話が『まだ本筋に関わっていません』。
    第一話も第二話も第三話も、『本筋とは全く関係ありません』。

>>193 ですね。料理長。それにしたってせいぜい船頭程度の出番にしておこうと思っていたのに、いつの間にかめちゃくちゃ台詞が多くなっています。
    これ黒子よりも多いんじゃないか…………?

なんかいっぱいいた。
じゃあ投下します。



『君、人を殺した事があるね』。

意味はそのままだろう。
お前は殺人を犯した事があるだろう。
そう聞いているのだ。



「いや、殺す、とまではいかないけれども、君はいざという時、人を傷つける事のできる人間だ」


「躊躇いも、後悔も無く」


「そして、実際にその経験と技術もある。違うかい?」




…………まったく。この人は何者なのか。


料理長は、歌うように言葉を紡いでいる。


「ふふふ、どうした?顔がにやけているぞ?」


おっと、どうやら笑っていたらしい。
自分が人殺しだと言われて笑っているのも、とてもおかしなことだろう。
だけど、楽しいのだから仕方がない。



「参りましたね。何でわかるんでしょうか?」



「おや、本当なのかい?人は見かけによらないものだ」



「本当でしょうかね?とりあえず口では本当だと言っておきますよ」



「ふむ、相変わらず君は読み取りにくいね。先程から表情が全く揺れ動いていない」



「嘘をつくのも仕事の一つですからね」

「いやな仕事だね」



「やりがいはありますよ。いろんな人と知り合いになれますし。貴女もやってみますか?」



「遠慮させてもらうよ。私は今の現状にある程度満足しているんだ」



「ある程度、ですか」



「ある程度、さ」

料理長が、ロビーの机の下をあさり始める。

どうやら机の下には小型の冷蔵庫が冷蔵庫が置いてあったらしい。

中から、ワインのボトルが取り出される。



「飲むかい?」



「未成年です」



「そうか。連れないな」

そういうと、すでに開封済みだったのか、浅く詰めてあったコルクを素手で抜き取り、またどこからか取り出したワイングラスに注いだ。



未成年に飲酒を勧めるとは。何を言っているのかこの人は。



料理長は、そっとワイングラスを口元で傾ける。

淡い黄色の透明な液体が、彼女の口の中へと流れ込んでいく。

「ふぅっ。美味しいね」



「ワインって常温で保存するものじゃなかったんですか?常温じゃないくても、さすがに冷蔵庫で金金に冷やすものじゃなかったような気がしますけど」



「それは人の自由だよ。それの所有者のポリシーの違いさ。鍋奉行や焼き肉奉行と一緒。

 ただその奉行側の人間が、ワインにおいてはメジャーで正義であるだけだよ」



「そういうものなんですか」



「そういうものなんだよ」

再び、沈黙。

先程の会話を顧みれば、もっと気まずくなっていてもおかしくないのだが、不思議と嫌悪感は無い。

それもこの人の人徳なんだろうか。

ますます良くわからない女性だ。



数分、沈黙のまま過ごす。



ふと、いい事を思いついた。

出会ったときからずっと感じていた事。

口に出すつもりはなかったが、せっかくなので言っておこう。

これは、まぎれもない本心なのだから。

「……そうだ、俺も一つ言っておきましょう」



料理長が、小首をかしげる。



「俺の『確信』についてです」



「……意趣返しかい?まったく。趣味が悪いな」



そういう割に、楽しそうだな、と思う。

くっくっく、と喉を鳴らして、愉快に笑っている。



俺はそんな料理長を見て、ニヤリと笑う。







「貴女も、俺と同じ穴のムジナの匂いがします」





 

料理長は、笑いを崩さない。

いや、むしろ先ほどよりも大きく笑っている。

「いやぁ面白いね。君は。こんなにも人間に興味をひかれたのは、初めてかもしれないな。知的好奇心が刺激される」



「貴女こそ。本当は何者なんです?」



「そのセリフ、そのままバットではじき返すよ」



「ではそのセリフを、さらにゴルフクラブで弾き飛ばしましょう」



「………くっくっく」



「………ニシシ」

笑い合う。

まだ学園都市に来て初日だというのに、厄介な人と知り合いになってしまったかもしれない。



「フフ。もう夜も遅い。私は眠らせてもらうよ」



「そうですか。おやすみなさい」



「おやすみ。いい夢を見なよ」



料理長が、ゆっくりと廊下の闇の中に消えていった。

後に残ったのは、静寂。




(本当に、何者なんだろうな)



なぜか、考えても無駄なような気がした。

それもあの人の雰囲気のなせる技なんだろうか。

同じ穴のムジナの匂い。

それは、どういう穴なのか。

上条には、よくわからない。

料理長にも、よくわからない。

だが、確信を持って。

そういう時は、寝るに限る。



「おやすみ、『――』」



そうして、上条当麻は眠りについた。

投下完了。
上条さんは嘘をつくのが苦手です(真顔)。

テンションが上がってきた。
これは俗に言う『心の中が一方通行』状態!
人いますか?
いたらさっさと書きあげて投下します

マジか…

だけどちょっと時間が足りなかったな…

夕方くらいに…

又来るぜ…

待たせたな…

だがまだ書き終わっていないんだ…30分後位に投下する…用事が入らなかったら…






           挿話 『上条勢力』

聖ジョージ大聖堂。

イギリス清教の本拠地。

その最深部に置いて、一人の女性と一人の少年が会話している。

「『上条勢力』という言葉に聞き覚えはありて?ステイル」



身長の2.5倍位ある、宝石店にそのまま売られてもおかしくない金髪をもつ、ベージュの修道服を着た女性が、目の前の赤髪の神父に話しかける。



「『KAMIJO』……ですか?日本人の名前?」



話しかけられたのは、2mを超すような長身の少年。香水の匂いを漂わせ、右目の下にはバーコードの刺青という不良のような格好をしている。

その赤髪の神父も答える。

「ええ。『上条』なりけるのよ」



「聞いたことがありませんね、最大主教。勢力、というからには何かの組織のリーダーなんでしょうが」



女性は、自分の美しい金髪を櫛でとかしながら言う。



「そう。知らざりけるのね」



「はい。新たな魔術結社の名前でしょうか?」



「そうね。やっている事は似たようなものになりにしよ」

ステイルと呼ばれた赤髪の神父は、相変わらずバカなしゃべり方をする女だ。と心の中で毒づく。

忙しい所を呼び出され、何を言われるのかと思いきや「世間話でもするにありけるよ」などと言われたら毒づかない方が難しい。

それこそ聖人だ。魔術的な意味ではなく。



そんな事を考えている彼を意に介した様子も無く、女性は続ける。

「『上条勢力』。あるかないかすらも分からない。あったとしてもどこまでが勢力に含まれていて、どこまでが勢力に敵対しているのかもわからない、不思議な集団」



「はぁ………聞いたことも無いのですが。どこの国の組織でしょう?」



「そうね、本拠地はバチカン、という事になるのかしらん?」



ステイルの顔つきが変わる。

バチカンは、ローマ正教の中心地。よってその『カミジョー勢力』というのもローマ正教の傘下だという事になる。

「どのような規模なのですか?」



「…………フフ、そうね。わからなしよ」



殴ってやろうかコイツ。

ステイルが拳を振り上げると同時、彼女は口を開く。

「正確には、と言いけるのよ、ステイル。この勢力は、先ほども言いしたるように、中身が完全に不透明になりけるの」



「………それならば、そのような勢力、存在しないのと同じなのでは?」



ステイルの疑問に対し、女性は答える。



「そんな事はなきにしよ。恐らく、世界最大級といっても過言ではない勢力になりけるの」



「…………ハァ?」



明らかに胡散臭そうに眉をひそめるステイル。

彼女は、クスリと笑って、言った。

「いい事を教えておきたるのよ、ステイル」



「……なんでしょうか」



ついに真面目の聞く気も無くしたのか、ステイルは懐から煙草を取り出し始める。








「私も、『上条勢力』の一員になりしよ」



ステイルの手から、煙草が落ちる。



「ハァ!!?何を言っているんですかあなたは!!」



イギリス清教のトップが、その『カミジョー勢力』に所属だと!?何を言っているんだこの目狐は!!



激昂しながら言うステイルに対し、彼女はなんのことなしに続ける。

「私だけではなきにしよ。イギリス女王、エリザード。第二王女キャーリサ。騎士派の長、騎士団長。他にも多くの騎士たちは、『彼』を支持している」



「なっ……!それでは、イギリスはほとんどその勢力に属しているということではないですか!」



「ええ、その通りになりけるのよ」



絶句するステイル。

自分が名前も知らないような勢力が、イギリスをほぼ掌握している、という事に驚きを隠せない。

「イギリスだけではなきにしよ。『彼』は、世界中を回り、世界中と太いパイプを築いている。
 私が把握しているだけでも、ロシア正教の魔女、ローマ正教における教皇、最終兵器、多くの実働部隊とも友好的な関係を持ち、十字教に関わらず中小の数十の魔術結社に加えて、インドの『インド系ヒンドゥー勢力』、中東の紛争地域における『イスラム勢力』『ユダヤ勢力』ともかかわりがありしよ」



「………はぁ?」



「そして魔術世界においてだけではあらずるのよ。アメリカの少数インディアン、アフリカ・南アメリカの貧困層の人々。中東地域の紛争地帯の人々にも、強く支持されていりけるの。
 『彼』は世界中を回って、人を救っているような馬鹿な人間になりけるの。その人徳のなせる技になるのかしらん?」

ステイルは、もはや驚きを通り越して呆れに近い。

ひょっとしてこの女が妄言を吐いているのではないか。

自分を驚かそうと、ある事ない事ほざいているのではないか。

そう思わずにはいられない。



なぜなら。



「そんな勢力があるのならば、もう世界はとっくにその勢力の物になっているのではないですか?」



そう、そんなものが存在するならば、すでにこの世界はとっくに統一されているだろう。

「それがそうでもなきにしよ。ステイル。

 例えば、結構前に。イギリスで一つの魔術組織が壊滅しけるの。謎の襲撃者によって。

 その魔術組織は、ローマ正教の狂信者どもで、宿敵であるイギリスを貶めるために、とある術式の準備をしていた。

 それを密告し、たたきつぶしに向かったのはまぎれも無く、イギリスにおける『上条勢力』である騎士派の精鋭たちにありけるの」



その事件については自分も知っているが、それにも『カミジョー勢力』とやらが関わっていたなど聞いたことも無かった。

「例えば、イタリアのフィレンツェにおいて、少し前にスペイン星教の魔術師達が拘束されけるの。

 それをしたのはイタリアにおける『上条勢力』のシスターたち。理由は、フィレンツェの市民を魔術の実験に使っていたから。

 例えば、中東のアラブ諸国の軍隊が、どこかの軍隊によって足止めされけるの。それをしたのは、中東地域における『上条勢力』の傭兵たち。

 理由は、進行方向に非武装市民の集落があって、そこから退避させるため。

 例えば、ブリティッシュ海峡における小さな魔術結社の小競り合いが制圧されしによ。

 それを行ったのは、其々の側のもっと上の上司。そしてそれに働きかけたのは、まぎれも無く『彼』になりけるのよ」



「………はぁ」

スケールが大きすぎてついていけない。

『カミジョー勢力』は世界中に散らばって、色々のな事をしているようだ。

だが、それにしては、



「行っている事の一貫性がなくないでしょうか?」



「その通りなりけるのよ、ステイル。これが『上条勢力』が世界を支配していない理由」



彼女は、楽しげに微笑んで言う。

「あの勢力は、リーダーである『彼』のやりたい事を支援しているだけ。

 敵に回れば容赦なくたたきつぶしにくるし、味方に回れば命をかけて守ろうとしてくる。そんな行ったり来たりの不安定な組織。

 属しているのか属していないのか、当事者すらわからない。

 全てが味方なのか敵なのかすらわからない。所属しているという言い方も正しくない。良いと思ったら協力する、何て不安定な関係を世界中に結んでいる少年。

 それが、『彼』なりけるのよ」



「……その少年が、カミジョーなのですか?」



「ええ、そうなりけるのよ。『上条当麻』。覚えておくべしの」










「いつの間にか、彼に協力するようになっていなしけるように♪」



 

投下完了。

遅れてすまんのー。

なっていなしけるようにってどういう意味だってばよ

そして、上条さんの一番身近にいるのが神の右席っと...
もはや、誰もかてねえじゃねえかww
上条さんに挑んだやつらは99%即死かよwwww
オッレルスとかオティヌスとか聖人レベルじゃないとかなわないだろww

そういえばまだ1日目だったな 更新待ってます

うう……最近筆が乗りません……四年ぶりに人生オワタの大冒険なんてやるんじゃなかった……

レス返しを。

>>260 すいません、ローラ語はよくわかりません……手元に原作がないとやはり厳しいですね。

>>268 
>>オッレルスとかオティヌスとか
 二ヤリ

>>271、272 遅すぎですね……もっとペースを上げたいのですが……
      さっさと12月25日に行きたい。

>>274
オッレルスは兎も角として不完全魔人も出るの?

結局のところ「なっていなしけるように」ってどういう?
「そうなっていることの無いように」って解釈でいいん?

ところで1のつつってツツ大主教?
...な訳ないか

筆が進まぬぅ……久しぶりに読みましたけど。見習いの卒業はいつ見ても切ないですね。
ほかにもトリシュ解放満足とかサザンのライブとか。
こんなに時間が経っているのに、ほとんど続きはかけていません。
明日には投下しに来ます。きっと。多分。

レス返しを。

>>275,286 オッレルスさんは既に台詞がありますね。オティヌスさんは……凄い後に出せるといいなぁ……

>>279,281 有難うございます、その通りであっています。しばらくはローラさんも出番はないのでそのすきに勉強しておきたいですね、

>>288,289 だ、誰だ(困惑)?

やあ、みんな。こんばんは。
うん、『何故』今頃来たのかって?謝る為だよ。
いい訳はしない。とある飛行士に追憶をささげて、パワポケ7の真央を攻略しようと頑張っていただけさ。


………マジすんません。

一番好きなゲームはパワポケです。
あそこまでいろんな意味で凄い野球ゲームなんて他に存在するのでしょうか。


投下します。
もしかしたら途中で落ちるかもしれません。

AM5:00。


料理長「うう……少し頭が痛いな。カッコつけてワインなんて飲むんじゃなかった……」


料理長の朝は早い。


料理長「ワインは好きだけど、私は弱いからなぁ。そりゃ二杯も一気飲みしたら頭も痛くなるよ。
    ……さて、上条くんはもう起きているかな?」

まだ覚醒しきっていないまま、ロビーへ向かう。


料理長は寮に住み込みで働いているので、もはや自分の家のようなものである。


なので、寝巻のままロビーへ移動する。


料理長「上条くーん、起きているかい?」


返事はない。


料理長(まぁまだ朝早いし………と?)


だが、そこに上条当麻の姿はない。


料理長「ありり?」

トイレにでも行っているのかと、ソファーに腰を下ろすと、ロビーの机の上に書置きが見つかった。


『お世話になりました。 上条』


料理長「…………簡潔極まりないな」


なんともわかりやすい。


そして、書置きの上に置かれた小袋。


料理長「中に入っているのは、マフィンかな?」


昨日の夕飯の跡に出されたパフェは、かなりの味だった。


恐らくこれもかなりの出来なのだろう。

料理長(黒子ちゃんや初春ちゃんにあげるべきかな……いや、美味しそうだし………)


料理長(うん。なかった事にしよう。用意されたマフィンは、料理長がおいしく頂く事に 「おはようございます料理長」 ひょわぁ!?」


黒子「?どうかしましたの?」


料理長「お、お早う。早起きだね」


黒子「上条さんに朝の挨拶をしようと思いまして。………上条さんは?」


料理長「もうどこかに行ってしまったよ」


黒子「そうなんですの?それは残念です……」


そういうと、部屋に帰っていく黒子。

料理長(危なかった………だが何とかばれずに済んだようだね!また誰か来る前にさっさと食べ 「おはようございます!」にょわぁ!?」


初春「にょ、にょわぁ?」


料理長「何でもない!忘れなさい!!」


………………………………………………………………

AM5:12。


上条当麻は、朝の街を歩いていた。

まだ日は昇りきっておらず、どこか薄暗い。


上条「Holy,holy and bright♪A star is shining so holy and bright♪」


歌を歌いながら、明朝の街を歩いて行く上条。


上条(昨日はついぞ行けなかったが、自分の学園都市の家はどうなってるのか確認しなきゃいけないからな)


目的地は、自分が住む事になるであろう土地。

上条「フィアンマに希望を聞かれた時に、『とりあえずある程度広い、マンションとかじゃない土地』としか答えてないからな~。どうなる事やら」


通帳に105円とか言うふざけた金額を仕込んできたフィアンマのことだ。油断はできない。

というか今日のご飯はどうしよう。適当な動物でも捕るか。近くに森とかあればいいな。

そんな事を考えながら歩くこと数十分。


ついに、記された住所のところにたどりついた。


これから住む事になる土地。

上条「…………………………いや」


なんということでしょう。感想も出てきません。


上条「いや、多少予測はしてたよ?フィアンマの馬鹿の事だから、『広い土地』なんて指定したら駅から徒歩40分とかそんな感じの場所を用意されてるかもしれないってね?」


彼の目の前には、信じられない光景が広がっていた。

明らかに、人を済むのには適していない。


上条「だけどさ、こう、なんというか、あのね?」




『屋外貯蔵タンクポンプ設備

 第四類第二石油類

 火  気  厳  禁』。




そんな看板が下げられた、明らかに爆発したと思わしき工場施設。






上条「不幸だーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」




上条当麻の叫びは、暁の空に空しく響き渡って行った………。

投下完了。
上条さんの真の敵は科学サイドなどではなくフィアンマさんなのかもしれません。



パワポケ7は裏技使って登録したキャラ使ってサクセスやってたな

パワポケは野球バラエティーだからな!

おー待ってた フィアンマさすがですwww

次の投下は、きっと三日以内です。アイテム登場。乞うご期待。

>>310,313 幸せ草バグ使ってもラッキョウをパクってもヒーローズはかなり強いし、何よりあの後のミニゲームがホントクリアできません。お陰でおもいでは穴だらけです。

>>315,318,319 パワポケ最初期からすでに野球バラエティでしたからね。たかゆきとかほるひすとか亀田とか。

>>317 フィアンマさんはきっとこれからも上条さんの障害であり続けます。悪気もあります。

頭が痛いです。
夏風邪ですかね。せきは出ないんですけどね。
ここ数日ダウンしてました。お陰で大会はパァになるは約束はキャンセルする事になるは投下予告は守れないはさんざんです。
かなり厳しいのですがもう少し投下は遅れると思います………。申し訳ありません。





上条当麻という人間は、『異質』である。




もっとも、彼の周りにいる人間もどこか歪んでいるので、それはある意味『普通』なのかもしれない。

だが、一般的な倫理観において、彼の確立された心は、歪で恐ろしかった。

上条当麻は、死を恐れない。

死とは、恐怖の対象ではないからだ。

死に対する恐怖とは、それまでの生き方と死に方。己の心のあり方にのみ左右されると、彼は考える。

上条当麻は、後悔をしない。

後悔をするという事は、それに関わったものを卑下するという事だからだ。

どんなに自分が行った事で人が傷つこうと、どんなに自分が行った事で人が死のうと、彼は後悔をしない。

反省はするし、心も痛める。しかし、後悔はしない。

上条当麻は、涙を見せない。

涙は、彼にとって敗北の証だからだ。

もちろんうれし泣きというものもあるだろうし、感動して泣くという事もあるかもしれない。

だが、彼にとってはそれもまた敗北に過ぎなかった。

上条当麻は、躊躇わない。

躊躇っていて、碌なことにならないからだ。

たとえそれが結果的に世界を左右するかのような判断でも、彼は躊躇わない。

考察する事はあるし、対策をいくつか考える事もあるが、一度それをやると決めたら、もし他にどんないい案があるとしても彼は躊躇わない。

上条当麻は、嘘を嫌わない。

嘘とは、生き残るための手段だからだ。

嘘をつくのはいけない事だ、と多くの人が言う。それもそうだろう。彼は納得する。

だが、『多くの人』と『自分』の世界が違う事も理解していた。

上条当麻は、女性を愛さない。

既に彼の心には一人の少女が刻まれているからだ。

今までのように彼の倫理観などとは関係ない。単純に今も一人の少女を愛し続けているから。

家族や友人として親愛の情を捧ぐことはあっても、一人の異性として愛を持つ事は、ない。

上条当麻は、揺らがない。

日本の大多数の人が送るような人生は送っていず、己の確立された世界を持っているからだ。

もし彼が能力者になるのであれば、大層強力な能力者になるのだろう。超能力者とも遜色のない、『自分だけの現実』と言えるものを持っている。

それは己の人生に裏打ちされた世界。己の経験に裏打ちされた世界。

上条当麻は、散歩が好きだ。

散歩は、周りを見渡す事が出来るからだ。

雨の日だろうと晴れの日だろうと、そこには常に色々な世界が広がっている。



何か重大な決断をするとき、彼はよく散歩に行く。



そしてひょっこり戻ってきて、それをあっさりと行動に移すのだ。

上条当麻は、人を助ける。



どんな些細なことであろうと、その人を助けなければならないと思ったならば、何をしてでも助ける。



その結果如何に自分が傷つこうと、死にかけようと、彼は人を救うのをやめない。


いや、救うと決めた人間以外はどうなっても構わないということならば、それは彼のやりたい事をやっているだけのエゴかもしれない。


だがそれは彼自身がお人よしの自称偽善使いというのもあるし、愛した人との約束もあるし、魔法名に誓ったというのもある。

上条当麻は、立ち止まらない。


もちろん、徒歩の話ではない。


どんなに被害を出そうとも、どんなに自らが嫌悪されようとも、決して立ち止まらない。


躊躇わないことと似ている。彼は、立ち止まる意味が無いと考えている。

上条当麻は、世界を愛している。


どんなに悲劇的だろうと、その分世界には奇跡が溢れているからだ。


どこかで人が美味しいご飯を食べている裏で、どこかで人が上で死んでいっている。


どこかで人が娯楽に興じている中で、どこかで人が苦痛に死んでいく。


だが、それが世界のあり方なのだ。彼はそれをありのままに受け入れ、愛している。

上条当麻は、人を愛している。


人類という、一つの種族としてだ。


欲があり、憎しみがあり、悲しみがあり、いつくしみがあり、愛があり、優しさがある人が、上条当麻は大好きだ。

上条当麻は、 不幸な人間だろうか?


多くの場合に傷つき、多くの場合に妨害されていて、多くの場合に災いが降りかかっている彼は、不幸な人間だろうか?


彼に聞くと、なんて答えるのだろうか?


世界を愛し、人を愛するこの男は、いったい不幸なのだろうか?


本当の答えは、彼しかわからないのか?

それでも、彼と共に過ごす人間は、やがていつか思うのだ。



『彼が幸せでなかったとしても、彼と過ごしている自分は、とても幸せだ』、と。



それは、幸せなことではないだろうか?



それは、とても素晴らしい事ではないだろうか?



やがて彼は、戦いの日々だろう。



その時彼は、幸せなのだろうか―――――





挿話3 『上条当麻という人間』



いやっほ―みんな、元気してたー?


…………まずは最初に大幅に更新が遅れたことへの謝罪を。いい訳になりますが、まあパソコンがぶっ壊れた訳です。
お陰で書いて多分の4分の1くらいは吹っ飛んで、それでやる気がちょっと減ったのが一つ。
それでも帰ってきたのはパソコンが帰ってきたのは9月中旬なので、もっとさっさとこれたんじゃないかと思いきや。
くるしいことに文化祭、運動会、中間テストのトリプルパンチ。これはもうだめかも知れんね。
なんて思いながら恐る恐るこのスレを開いてみたら、沢山の身を案じてくれる声がある訳ですよ。
ったくしょーがねーなーこうなったら今日中に投下するしかねーなーとか思いながらキーボードを叩いていたら、
すごくパソコンが壊れている間に妄想してた上条さん魔改造シリーズ第五段が急に書きたくなって。
いやーやっちまいましたね。3時間ぐらいそっちばっか書いてたらもうこっちほったらかし。
まったく参った参った。
せっかく書こうとしたのに、やれやれだぜ。
んな事言ってる場合じゃねぇ!!という訳で書いたのがこの短い話、『上条当麻という人間です』。
で、書きためはあるのかというと、あんまりないです。
しょうしょう風邪ひいてる間に書いた奴が残ってても、大したことないです。
たかが一回の投下で亡くなるでしょうね。


つまり何が言いたかったと言うと、こんなに長い時間ほっぽいて、あんまり書きためなくてごめんなさい。

oh,,,ついに復活か
乙です
















てが抜けてるぞやり直しだ

>>428 マジかよ……

>>425-435 有難うございます!絶対に完結させますので!!

さて、今日の分少し投下―。

AM8:35。



第七学区のとあるファミレスに、三人の少女が集まっていた。

飲食店ないにもかかわらず、おのおのがコンビニ弁当や缶詰を持ちこんでいる。

店からしたら迷惑極まりないのだろうが、注意を出来るような人間はいない。

いつものことで、店ももう慣れてしまっている。

その上に、今日の彼女たち『アイテム』は、非常に不安定だった。

麦野「……………で?滝壺に呼び出されて待たされること15分。まだアイツは来ないわけ?」


絹旗「いや、まだ15分でしょう。遅れるかも、とメールでも言われていましたし、超ゆっくり待ちましょう」


麦野「チッ……」


麦野沈利の機嫌は、昨日の夕方から目に見えて不機嫌だ。

絹旗(まあ超無理もありませんけどね。あのウニ頭に会ってから)


フレンダ(第三位をいなしながら麦野から逃げて、しかも手を抜かれてるってことが分かったら、麦野が怒るのも分かるって訳よ)


絹旗(しかもよりによって『AIMがない』と来ましたからね。超超能力者のプライドに触ったんでしょう)


フレンダ(超超能力者ってなんか凄そうな訳)


絹旗(超どうでもいいです)


ピリリリリリリ……

彼女らの携帯が鳴る。メールの着信だ。


麦野「………滝壺からね」


フレンダ「えーと、なになに………『ほんとはファミレスに行きたかったんだけど、ちょっと難しい。アイテムの隠れ家の3番目で待ってる』……何でファミレスに呼び出したわけ……?」


麦野「あ?要するに、わざわざファミレスまで来て金払って待っててやったのに、やっぱドタキャンして隠れ家まで来いと?」


絹旗「お金はほとんど払ってな……超なんでもありません」


蛇に睨まれた蛙のように縮こまる絹旗。

絹旗(どうするんですかフレンダ!ご機嫌が超斜めを通り越して真横に転がってるんですけど!)


フレンダ(んな事言われたって結局どうにもならない訳よ!絹旗こそ何とかすべき!)


絹旗(いや超無理ですよ!これ下手に口答えしたら死にますよ!?)


フレンダ(そこを何とかしてこその絹は「おい」!?」


小声で二人が会話していると、麦野が一声。


麦野「行くぞ、隠れ家に」


絹旗フレンダ「「了解!!」」

睨みつけるような視線を投げかけられ、とっさに馬鹿な返事をしてしまう二人。

そのまま、ドリンクバー代だけを払い、ファミレスを出る。

とてつもない威圧感を放ちながら街を闊歩して行く麦野に、通行人も思わず引いている。

その後ろを、びくびくしながらついて行く二人。

フレンダ(け、結局どうする訳よ!下手したら滝壺死んじゃう!)


絹旗(超落ち着いて下さいフレンダ!呼び出したからには何か発見があるはずです!)


フレンダ(そんな事言ったって「おい」!?」


麦野「コソコソしゃべんな」


絹旗フレンダ「「了解!」」

とりあえず終了。
続きは2,3日後ですかね。

もう駄目だ……。中間テストが帰ってきて凹んでました……
しかもそろそろ修学旅行なんで次の投下もかなり遅れると思います………2週間たつまでには投下したいー。

とりあえず短いですが投下―。

~~『アイテム』隠れ家玄関 ~~



麦野「………滝壺?」



来い、と言われたので来てみれば。

呼び出した本人が出てこない。

鍵もかかっているし、強行突破も普通にできるがやはりインターホンを押しても反応がないという事は何かあるのだろう。

麦野「そんだけならブチ切れて殺そうかと思うんだけどにゃーん」



絹旗「血の匂い、ですね」



アジトの周りに漂うのは、嗅ぎ慣れた匂い。

人間の、血。

フレンダ「………結局、アジトを襲撃されたって訳?」


絹旗「それにしては超不自然です。少なくとも外見上は何かあったようには思えませんが」


フレンダ「空間移動能力者か精神系能力者って訳?」


麦野「と言うかまず襲撃された、って言うのも多分ないわね」

フレンダ「?なんで?」



麦野「携帯で、『ファミレスに行きたかったけど無理そうだから』って言ってたでしょ?
   てことはこの時点で何か問題が起こってるわけで、だけど約束を覚えてるってことは滝壺本人。
   私たちに関するメールはすべて読んだり送ったりしたらすぐ消すように『アイテム』全員がしてるはずだから、滝壺の携帯を後から見て連絡するのは不可能ってこと。
   で、滝壺が襲ってきた奴にばれないように何かのメッセージとして送ってきたって線もあるけど、それも多分ないわね。滝壺はそこらへんよくわかってるから、こんなみょうちきりんなメッセージは送らない」

フレンダ(………やば、メール消すの忘れてた訳よ)


麦野「フレンダ?いま『ヤバ、メール消してない』とか考えたでしょ」


フレンダ「ううぇ!?そんなことない訳よ!」


麦野「………まあいいわ。それで問題は滝壺」


絹旗「呼び出した、という事は超私たちに会う意思があるんでしょうが……」


麦野「この血のにおいと反応がないことからして、動ける状態にないって考えるのが妥当ね」

フレンダ「……麦野。やる?」


先ほどとは雰囲気が変わり、ベレー帽をかぶり直すフレンダ。
懐から、何やらテープのようなものを取り出す。


麦野「いや絹旗に頼むわ。不意打ちの可能性も無い事はないし、接近戦が有利な奴の方がいい。
   私とフレンダはもしなんかあった時の為に待機してるわ」


絹旗「超わかりました」


そういうと、彼女は自らの能力『窒素装甲』を発動させる。

絹旗「フンッ!」


ドゴォ、というごつい音と共に吹き飛ぶドア。
もしドアの前で敵が待機していたとしたら、跳んできたがれきにあたり気絶でもしているだろう。

だが、ドアの前に人影はない。
身構えていた後ろの二人は警戒態勢を続けながらも、とりあえず息をついた。


麦野「………特に殺気とか人影とかはないわね」


フレンダ「心配して損したって訳よ………」

絹旗「どうしますか?」


麦野「行かなきゃしょうがないでしょ。滝壺が血流してるかもしれないし」


そのまま慎重に二階へと上がっていく。

『アイテム』の隠れ家はいくつかあるが、この隠れ家の一回はすべて段ボールや保存食など、何かの倉庫のような形態を取っている。

よって、基本的にアイテムのメンバーが過ごす時は二階にいるのである。

絹旗「………人の気配はありませんね」



ゆっくりと階段を踏みしめながら、絹旗が呟いた。



麦野「そうね……私たちが気付かないくらい気配が消すのが上手い奴ってのも考えられない事も無いけど……」


絹旗「それならば滝壺さんにメールを送らせるようなへまはしないと思います」


フレンダ「私たちをおびき寄せる、って言う可能性は?」


麦野「滝壺ならそれぐらい気付いてむしろ『アジトが襲われたから気をつけて、近づかないで』くらいのメールは送ってくるでしょ」


絹旗「超想像できますね……」

軽口をたたき合いながらも、一切気を抜かない。
足音と気配を殺しながら、滝壺の私室の前に移動する。


麦野「いい?恐らくこの部屋に滝壺はいるわ。気配があるし血の匂いが一番濃い。
   とくに殺気とかは感じないけど、下手したらとんでもない奴が居るかもしれない。しっかり戦闘準備はしときなさい」


フレンダ「?さっき結局その可能性は否定してたような」


麦野「滝壺に仲間をおびき寄せられてると気付かせないレベルの化け物の可能性も無い訳じゃないわ。警戒するに越したことはない」


絹旗「………超準備できました。麦野」


麦野「ええ。3,2,1、で突撃するわ。もし何か問題があったら、各自考えて対処する事」


フレンダ「結局おおざっぱって訳」

麦野「行くわよ、3」



絹旗「……」



絹旗は、全身に再び窒素装甲を展開し、重心を低くする。

…………兎に角、滝壺さんに超何もない事を祈るのみですね。おもに麦野的な意味で。

麦野「2」



フレンダ「……」



フレンダは、両手にどこからか取り出したぬいぐるみを持って、同じく重心を低くした。

めんどくさい事が起こって欲しくない訳よ………。おもに麦野的な意味で。

麦野「1……」



麦野は己の能力、原子崩しを周りに纏う。

もし誰かが居たら、殺す。

今のアタシは機嫌が悪いんだ。悪いな。

麦野「ゼロォッ!!!!!」



そして、三人は一斉に、部屋の中へ突撃した。

土地srぅ終えs^ロ
続きはさっき言った通りかなり遅れるかも知れも三

なんだこりゃ。

>>477は、とりあえずおしまい。
    続きはさっき言った通りかなり遅れるかもしれません

です。

「お黙り」で何か思い出しそう

初代花団のヒバリなんちゃらにいたあの女の子、名前が出てこない……






と思ったら、これ書いてる途中で思い出した

「お黙り『こまり』!!」だ

あーすっきりした。頭痛い……おやすみ

「お黙り」で何か思い出しそう

初代花団のヒバリなんちゃらにいたあの女の子、名前が出てこない……






と思ったら、これ書いてる途中で思い出した

「お黙り『こまり』!!」だ

あーすっきりした。頭痛い……おやすみ

連投すいません

一回目でなんかエラーになっちゃって…

パワポケで一番好きなエンディングは10の裏サク、ラセツだったりします。
ああいうなんかこう、男の生きざま、みたいなのにぐっと来るものがあります。

安価したいと思います。
別にこの安価の結果によってストーリー展開はたいして変わりません。
女だったら上条さんフラグが立つみたいなわけでも、男だったら打ち止めフラグが立つみたいなわけでもないです。
ただホントに実際どうなんだろ、って思ったので安価で決めちゃえ!と思っただけです。
しばらくは来れませんが、明日の丁度24時までに多かった方で。



一方通行の性別は?
1.男
2.女
3.不明





―――――AM6:25









――――――その『人間』は、立っていた。



「第3972実験の終了を確認。続けて、第3973から3993、『物理攻撃に依存しない戦闘』実験を開始します」








周りに、幾重もの屍を携えて。

『実験用』に作られた、巨大な『運動場』の中に機関銃の音が響き渡る。

180度、あらゆる角度から弾丸が発射されるも、その人間にはきかない。

ソレにあたったそばから、まるで逆再生でもしているかのように弾丸が元の軌跡を通っていた。



「『反射』の正常通りの働きを確認。これより作戦を開始します」






血の海に沈む人影の上に立つその人間は、白くて、白かった。




 

だがだからと言ってやすやすと弾丸を受けはしない。

今まで散々殺されてきたのだ。反射に対応できるような軌跡を走りながら、機関銃を床に捨てる。

軽くて小回りのきくハンドガンに持ち替え、特殊な弾丸を込め、『作戦』を、開始する。



「3977号、3983号、3990号、『はじめて下さい』」



「了解です、とミサカは承諾の意を示します」



「了解です、とミサカは承諾の意を示します」



「了解です、とミサカは承諾の意を示します」








その人間は、『最強』。学園都市第一位の名を手に入れた、学園都市で最も演算能力が高く、最も学園都市にとって利益を出すことができる能力者。





 

四方八方から弾丸を浴びせつつも不規則な動きで翻弄しつつ、地面からその少年の能力で飛ばされた土砂を避けていく。

何人か『ミサカ』が被弾するも、何の問題も無い。

作戦実行のための布石を、少しずつ整えていく。



「3977号が、行動不能に陥りました、とミサカは連絡します。なので、3978号がフォローに入って下さい」



「了解です、とミサカは承諾の意を示します」








その能力者の能力。あらゆるベクトルを操る最強の能力。





 

準備は整った。

地面も、天井も、壁も。死角はない。

作戦起動の為のスイッチを押す。



「ではそれぞれ、作戦どおりに、とミサカは連絡します」



「「「了解」」」








その能力の名は―――――





 

地面にあらかじめ仕掛けられていた仕掛けが作動する。

ぽっかりと、地面に穴が現れる。

一瞬だけ、その人間の意識が傾く。



「おそらくあなたは空を飛ぶこともできるのでしょう」



その一瞬に、



「ですが、それも意識すれば。意識できないような状態に持っていけば、あなたはそのまま穴に落ちていく、とミサカ仮説をたてました」
 

数十人のミサカが、一斉に一見普通のハンドガンの引き金を引いた。



「そのハンドガンは、学園都市の特別製。対象に着弾すると同時にではなく、時限式で爆発と共に爆風が特殊な形でまき散らされ、そこをえぐり取るのだとか」



その特殊な弾丸は、真っ直ぐにその人間のもとに向かう。そして、衝突する直前に発光した。



「それだけ特殊な軌道を描く風を幾多も反射しながら、空を飛ぶ為の演算をするのは至難の業でしょう、とミサカは憶測します」

爆音が響き渡り続け、白い人間が大量の衝撃を受ける。

その弾丸によるダメージは全くないが、その分演算のストレージは大量に使われている事だろう。

ミサカたちは、ほんの一秒の隙間もなく、完全なコンビネーションで引き金を引き続ける。




「ひとつ、誤算があるなァ」






声が、響いた。






「確かに演算をさせねェッてのは良い発想だった。だけど、」




声の高い少年のような、ハスキーな少女のような、声。




「この衝撃を、全てオマエ達に返されたら、オマエ達は、ひとたまりもねェよなァ?」




爆風が、数十のミサカを襲った。

「実験の、終了を、確、認、と……ミサ………カは」


先程まで指示を出していた一人のミサカが、その言葉を最後に動かなくなる。

後に残ったのは、静寂。

その中で、その人間の声だけが響く。



「なァるほど?この穴に落とした後は、この天井のでけェ機械で……なかなか考えてるなァ」

天井を眺めながら、感心したように声を上げるその人間。



その名は―――――







「ぎゃは」






『一方通行』。





一旦投下完了。
遅くなってしまいました……多分次も遅くなるんですけど。
2学期行事多すぎぃ!

ちなみに今回の内容と前回の内容は時間を見てもらえれば分かりますけど続いてません。
アイテムたちは次の次くらいに。
一方通行初登場。
上条さんと一方さんの絡みのとこだけは書き溜めてあります。そこまで行けたらあとは楽になるのに……

アンケートですが、3になりました。
絶対等速といい神の右席たちといい一方さんといい色々本名不詳な人が多すぎますね。

短いですけど投下しますー。
いつになったら一方さんが上条さんに会うんでしょう……

上条「どうしよう………マジで」



上条当麻は本気で悩んでいた。

人間の生活に必要なもの、衣食住。

衣については彼は基本的に単純なローブかパジャマか神父服の三通りしかないので常に彼の持ち運ぶトランクの中に入っている。

だが、食と住。

預金残高105円、住所は恐らく事故現場。

上条「…………とりあえずフィアンマはぶちのめすとして。緊急の課題はだな、金だな」



まさかお金で悩む羽目になるとは…………、と彼は心の中で毒づく。

基本的に彼は質素な生活を営んでいるので、月の生活費を素で10000円以内に収められるような生活をしていた。

よって給料はほぼ全て師匠に預けて、自身はローマ正教の寮においてある食材を調理して生活していたのだ。

く、こんなことならばちゃんと師匠の言うとおり自分でお金は管理しておくんだった……と今更後悔しても後の祭り。

上条「バイトしようにも、この街にはIDってのが必要だろうし……だいたい上条さんにはこの街の常識がありませんのことよ……」


上条(頼りになりそうな人……白井、初春の二人はね、流石に女子小学生にたかるとかないわ。料理長……まず女子寮勤務だし、絶対等速、留置所だね。やべぇ……ガチで死ぬぞ俺……)

………そうだ、自分で食材を手に入れればいいんじゃないか?

そんなことが思い浮かぶ。

上条当麻は師匠、後方のアックアの修行の一環で、数年に渡りサバイバル生活を営んでいた事もある。

狩りも釣りもお手の物。キャンプも得意なのだが。



上条「学園都市にそんな獲物がいるような場所があるのでせうか……」

ぐぬぬ、と考え込むこと数十分。



上条「よし」



基本的に彼は行動派なのだ。悩んでいても仕方ない。

そう決断し、とりあえず街に出る事に決める。

一週間程度なら飲まず食わずでも、……流石に飲まずは無理だが暮らしていけるだろう。

学園都市には奨学金制度と言うものがあると言うし、何とかなるだろ。

上条「よし、とりあえず街だな。地理を把握しなきゃやれることもやれないからな。
   とりあえず目下の目標はフィアンマに爆弾を送り届けることとフィアンマを灰にすることとIDの取得。
   ………IDの手配とやらもフィアンマがやったみたいだから果てしなく不安なんだが……」



長い独り言をこぼしながら教皇に渡された資料を開く。

そこに書かれていたのは、『とある中学』という学校名だった。

そして共に書かれた「ここでIDと入学許可証をもらうんだな」という腹立つ文字。

上条「まあ行くっきゃないか。ドアは無いけど、行ってきます」


幸い住所はココからそこまで遠い所ではない。

フィアンマもそこまで外道ではなかったのだろう。







そして、彼は関わり始めてしまった。

これが、2日間に渡る彼の激闘の始まり。

投下終了ー。

投下開始。

フレンダ「滝壺!」


麦野「フレンダ!待ちなさい!」


滝壺「…………う………」


勢い良く彼女たちが飛び込んだ先には、地面に倒れ伏した滝壺の人影があるだけだった。
特に襲撃者の姿は無く、壁や窓にも破壊の跡は無かった。

ただ。


麦野(この床いっぱいに広げられてる血で書かれた模様は何?魔法陣、みたいな)


地面は恐らく滝壺の者と思わしき血がかなりの量こびりついていて、それらは乱雑に円と直線で繋がれている。
まさか、黒魔術でも行っていたのか?そんな疑問が麦野の頭をよぎる。
当の滝壺は、いつも来ているピンクのジャージを真っ赤に染めて倒れ伏している。
その付近に転がっている結晶状の物体。


麦野(これは…………体晶?と言う事はこの血しぶきは体晶の副作用ってこと?それにしてはこんな派手な出血をするとは思わないけど)

やべ、とりいれ忘れてました

絹旗「滝壺さん、大丈夫ですか?」


滝壺「………うん…………だい、じょうぶ」


麦野「ここで何があった?説明できる?」


滝壺「……………まってて」


そういうと、滝壺は床を這って地面に転がっている札を取ろうとする。

絹旗「滝壺さん、超無茶しないでください」


フレンダ「この紙?取ってあげるってわけ……… 滝壺「だめっ!」え?」


フレンダが彼女が這った先に落ちていた紙を拾おうとすると、血だらけにもかかわらず飛びついた。


滝壺「ごほっ、これに触っちゃ、だめ……」


麦野「……………どういうことか、説明してもらえない?その紙切れ、あのウニ頭が持ってたやつよね」


滝壺「言うより、実践したほうが、はやい」


そう呟くと彼女は転がっている体晶を舐めようとする。
それを取り上げる麦野。

麦野「説明が先。体晶はアンタの体にもかなりのダメージを与えられるんだから、そんなホイホイ使われちゃ困るの」


滝壺「…………あの人の使ってた力を、私が使う」


絹旗「え?」


滝壺「むぎの。お願い。体晶をつかわせて。きっとそれが、あの人を見つけるのに一番近道」


先程よりほんの少しまともになった息を整えながら、滝壺が凛と言いきる。
ちなみにフレンダが包帯を巻こうとすると、「意味がないから」といって断る。
どういう事?と言う問いに対しても、またすぐこうなるからと返すだけだ。

麦野「…………それは確実か?あの、AIMがないとかいう能力者を100%補足しきれるのか?それは無理だとアンタがいったんでしょ?」


滝壺「あの人にAIMは、多分存在しない」


フレンダ「それじゃ結局どういう事な訳よ」


滝壺「あの人は、きっと学園都市の能力者じゃない」


絹旗「学園都市内にはいなかった原石と言う事ですか?確かにいくら『書庫』をいくら漁っても情報が出てこないのは妙だと思いましたが」


滝壺「原石の人でも、AIMはある。この街の人とは少し違うけど。だけどあの人には全くない」

回りくどい言い回しをする滝壺に対し、イラついたように麦野が問う。


麦野「結論を言いなさい。結局アイツは何者で、それをアンタは追えるの?」


滝壺「…………」


滝壺は、その時否定も肯定もしなかった。

ただ、麦野の手から乱暴に体晶を奪い取りそのまま倒れた。

絹旗「滝壺さん!?」


フレンダ「何やってるって訳!?」


麦野「…………おーけー。死にたいってことでいいわね?」


彼女の周りに、白く輝く光球が生み出される。
『原子崩し』。超能力者の中でも純粋な『貫通力』においてはトップクラスに立つ能力だ。

滝壺は、それを目の前にしても動じない。

ただ、体晶を口に運び、何かを祈るかのように目をつぶった。そして。





麦野「最後のチャンスよ。あなたは、『アイツを、解析し、それを追えるの』?」





左手を、血痕の中心に、青い札に。








床面いっぱいに広がる血痕が光を発した。


青く白く、輝くその光はだんだんと黄色へと変化していき―――――




『陣』を、形成する。


それは、まさに。



絹旗「!!!」


フレンダ「これは……あのウニ頭の!!」

ゆらり、と。

滝壺は幽鬼のような動作で立ち上がり、何かに操られるかのように、ある言葉を呟いた。



『ラグ』。


 

刹那、彼女の足元から、まるで意思を持っているかの如く水弾が噴き出し、彼女を覆った。



麦野「…………へぇ?」



数瞬後、彼女の全身の皮膚が弾け飛んだ。

それと同時に『陣』の光は薄れ、水弾は停止する。
水浸しで大量に出血し、皮膚はボロボロなのにもかかわらず、滝壺ははっきりと自らの足で立っていた。


麦野は、再び問いかける。
先ほどとは違い、苛立ちのままにではなく、挑発的な笑みを浮かべ、何かを試すかのように。

麦野「もう一度聞くわ、滝壺。あなたはアイツを追える?」




対して滝壺は、前髪から水滴をしたらせながら、感情の薄いいつものような表情の中、目にだけ強い意志を浮かべて、告げた。



滝壺「してみせる。『能力追跡』の名にかけて」



麦野「……上等!」

投下完了。
滝壺さんに覚醒フラグ。アイテムは多分今後絶対等速くらい良く出てきます。

HAHAHAクリスマス熱出して倒れてた腹いせにss書いてたら全く関係ないssがいっこ完成してしまいましたそれもこれも友達のせいですねラインの中でひたすら幸せそうなこと良いまくりやがって絶対に許さない。

………何て言ってますけどいらついたのはホントですけどそこまで怒っては無いです。未来はあるしね!
こんなに遅くなったのは単純に期末がひどくて大変な事になってたのと前述の通り関係ないssを書きまくってしまったせいです。
少ないですけど年内に一回でも投下しておこうと思ったので急いで書きました。
投下します。


P.S. ダルク君の活躍はいつになったら見れるんでしょうか………

『してみせる。『能力追跡』の名にかけて』



そんな威勢をいいことを言った直後。



滝壺「げふっ」



そんなギャグのような声を上げながら滝壺は盛大に吐血。
それと同時にぱったりと倒れ伏した。

麦野「ちょ、滝壺!?」

絹旗「……はっ!滝壺さん、大丈夫ですか!?」

フレンダ「しっかりする訳よ!たき…つ……ぼ…………」

滝壺「………」

絹旗「まさか……!」

フレンダ「し、死んでる………」

麦野「バカな事やってんじゃないわよ!サッサと病院に運ぶわよ!!」

絹旗「そうです!そんなんだからフレンダは超フレンダなんですよ!」

フレンダ「ちょ、それってどういう訳!?」

麦野「いいからさっさと運びなさい!!」


本来ならば暗部の人間はあまり表の病院に連れて行かない方がいいのだが、謎の大量吐血に皮膚の破裂、そして体晶の過剰使用から、下手な医者ではどうにもできないだろう。

というわけで、自分の知りうる限り最高の腕を持つ、『冥土帰し』の異名を持つ医者がいる病院へ運びこんだのだ。

冥土帰し「……さて、この子がここに来るのは二回目だね?」

麦野「ええ。そうね」

冥土帰し「前回は体晶とかいう毒を飲み過ぎて身体が拒否反応で大変な事になっていてね。それも説明したよね?
 これからは使用をできるならば完全に、妥協してもそれこそ本当に必要な時だけにしてと頼んだよね?」

麦野「そうね」

冥土帰し「うん。覚えているんならいいんだ」

麦野「そうね」

冥土帰し「それで、二回目の今回なんだけどね?」

麦野「ええ」

冥土帰し「…………」

麦野「………」

冥土帰し「分かるね?」

麦野「さっぱりね」

冥土帰し「……………ハァ。仕方ないね。とりあえず治療は任せてもらおう」

麦野「助かるわ」

冥土帰し「できればあの薬は二度と使って欲しくないんだけどね?」

麦野「保証しかねるわね」

冥土帰し「やれやれ。今回の彼女の容体だけどね。輸血も済んだし、命の別状はないよ。派手に吹っ飛んでた皮膚も今培養中だ。4日もすれば完全に前と同じような皮膚の状態になるだろう」

麦野「了解。じゃあ失礼するわ」

冥土帰し「はい、君もお大事にね」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

絹旗「麦野!滝壺さんの容体は?」

麦野「安心しなさい。命に別条はないそうよ。ただ皮膚の損傷と失血が激しいから入院してるだけ」

フレンダ「それなら良かった訳よ……だけど何で?体晶に皮膚が弾け飛ぶなんてみた事ないけど」

絹旗「そうですね……やっぱりあの魔法陣が超原因でしょうが」

麦野「詳しい事は滝壺にしかわからないわ。確かなのは、あのウニ頭を追いかけられる可能性が出てきた事」

絹旗「そうですね。だけど滝壺さんにだけ超頼るってわけにもいかないでしょう」

麦野「わかってるじゃない。絹旗、アンタは『書庫』でもう一度あのウニ頭の素性を探りなさい。多重能力者じゃなくて、水流操作能力者の枠でいいわ。あと第三位とウニ頭の関係についても。
 フレンダ。あんな怪しい黒ローブなんて目立って仕方ないでしょう。アンタは足で実際に調べなさい。第七学区を中心にね」

フレンダ「えー……「何か?」……何でもないって訳よ」

絹旗「了解しました。では次の集合は?」

麦野「とりあえず成果が出ることには期待してないからお昼時にいつものファミレスでいいわ」

フレンダ「了解!」

絹旗「ではまた」


そういうと、それぞれ病院の出口へ走り去っていく。


麦野「さて、私も働きますか」


麦野沈利もまた、怪しい笑みを浮かべて出口へ向かって行った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

フレンダ「だいたい見つかる訳ないって訳よ……」


フレンダ=セイヴェルンは、愚痴をこぼしながら歩いていた。


フレンダ「第七学区だけでどんだけ広いと思ってる訳?東京の一区分くらいあるんだよ?」


麦野に無茶ぶりされてから数十分が経過。全く収穫はない。


フレンダ「それなのにいくら怪しいからってそんなポンポン見つかる訳が……」



上条「TYPICAL,TYPICALJUVESTYPICAL!!」


フレンダ(いた――――!何か歌ってるぅ―――――!)

投下終了ー。

折角ですしスレ立ててきます。

書けと言われたら書かなきゃならないじゃないですか。
パッと書いてきました。一時間ぐらい。
ようやく絶対能力者進化実験編も本編に入ってくれそうな見通しが立ちましたです。






ピリリリリリリ……

麦野「フレンダから着信?数十分前に別れたばっかりなのになにかしら」

麦野「はい」


フレンダ『麦野!!ウニみつけったって訳よウニ!!!』

麦野「…………ウニってのはウニ頭のことでいいのかしら」

フレンダ『そう!街歩いてたらなんかいた訳よ!!』

麦野「そう、でかしたわ。だけど私は今忙しいの。だからアンタが自力で捕まえなさい」

フレンダ『え?』

麦野「今アタシが行ってもアンタ一人と大して変わらないわ。だからフレンダ。一人で頑張りなさい」

フレンダ『ええええええええ!?無理無理無理無理無理って訳よ!!!』

麦野「と言っても捕縛は正直無理だと思うから、発信機とかを取りつけらたら万々歳ね」

フレンダ『無茶無理無謀!結局麦野の原子崩しかわせるような男の隙を突くなんて出来る訳ないって訳よ!』

麦野「まあ最悪一発ぐらいかましてきなさい。街中でもロケットランチャーの使用は許可するわ」

フレンダ『えええーーー』

麦野「何か?文句でも?」

フレンダ『無いです』


麦野「ならいいわ。じゃあ切るわよ」

フレンダ『…………』

麦野「フレンダ?」

フレンダ『…………』

麦野「どうかしたの?」

フレンダ『いやぁ、せっかく頑張って見つけた訳だから、結局何か御褒美が欲しいなぁ……って』

麦野「ハァ………何を言い出すかと思ったら、そんなこと?」

フレンダ『そんな事って!これでもアタシ勇気出して言っ』


麦野「イイ子ね、フレンダ。戻ってきたらイイコトしてあげるわ」

フレンダ『おっしゃぶっ飛ばしてくる訳よぉぉぉおおお!!』


ピッ


麦野「………単純すぎるんじゃないかしら」

麦野「まあいいけど。私もしっかり準備をしておかないとね」


そういうと、彼女は第一学区の研究所の中に入って行った。

―――アイツを潰すには、今のままじゃダメだ。
   もっと力がいる。そのためには。

麦野「たとえ胸糞悪いクズにも、しっかり媚を売っとかないと」

声色の割に、嗜虐的な楽しげな笑みを浮かべる麦野。
彼女は、研究所の闇の中に消えていった。






上条(…………話し声が切れたな。大声出し過ぎだろ尾行してるのに。それにしても誰だ?気配の消し方からして一般人じゃないだろ。
 一応襲われてもいいように人通りの少ない工場っぽいとこに来たんだけど。
 目的は何だ?まさか学園都市の暗部とかいうやつ?俺を狙ってるのか。学園都市に話は通ってるんじゃなかったのk……)


方向は間違っているが実態はたいして間違っていない推測を立てる上条。


フレンダ「そこのウニ頭!!勝負するって訳よ!!」

上条(………ないな。なんだコイツ)


だがその推測も、急に堂々と姿を現したフレンダの前に消える

上条「………ウニ頭で勝負を吹っかけられてるのは、上条さんって事でいいんでせうか?」

フレンダ「あったり前でしょぶっ飛ばすぞ上条さん!!」

上条「お、おう。名乗ったのは俺だけどウニ頭呼ばわりでさんづけ?」

フレンダ「いいから勝負!行くわよ上条!!」


そういうと、彼女の手元に現れた、ロケットランチャー。


上条「ファッ!?」

上条(やっぱり刺客か!?)

フレンダ「フゥゥーーーハハハハァーーーー!!!食らうって訳よぉぉぉーーーー!!!」

上条「テンション高いなお嬢さん!!!」

彼女の手元のロケットランチャーから、武骨な鉄塊が発射される。

大きく右に大ジャンプ。しかしかわし切れず上条は爆風を受ける。


上条(範囲攻撃は苦手なのですよー!!)

フレンダ「まだまだぁぁあああ!!!」

上条「人はいないけどココ街中ぁー―ー!!!」

フレンダ「知ったこっちゃない訳よ!!」

ロケットランチャーの弾を装填している間、またまたどこからか取りだされたハンドガンを構えるフレンダ。

躊躇なく引き金を引いて行く。

だが、ロケットよりはかわしやすい。

視線と引き金の方向から予測を立て、細かい身体の動きでかわしていく。


フレンダ「ええいちょこまかと!!」

上条「銃弾をかわすのには慣れてるんだよ!」


何度も引き絞られた引き金が、カチッっと乾いた音を立てた。


上条(勝機!!)

その隙に距離を詰める上条。ロケットランチャーの弾はまだ装填されていない……!!


フレンダ「と、思った?」


彼女の手に現れる、二機目のロケットランチャー。



上条「な……っ!!」

上条(油断ッ………!!!)


フレンダ「死ね」


ガチン、と重い引き金を置く音が響き、



そして上条当麻は、閃光に包まれた。

投下完了。
フレンダだからって戦闘能力がない?そんな事は無い。
次回予告、一方通行VS上条当麻。お楽しみに!

フレンダみたく銃火器使いは
ここの上条さんを持ってしても手こずるか

可愛いものが好きなだけです
だから男の娘属性も守備範囲内なのであって、決してホモって訳じゃありません
というか何故性転換ネタはOKで女装ネタはOUTだと断じるのですか
女になっちゃったら、『犯される側』。女装なら、『犯す側』
可愛いのに男でいられる。男のまま、格好良くも可愛くも、好きな方に好きな時に好きなだけなれる
たったこれだけでも充分に人生が倍以上に楽しめる愉しめる
理解ある友人だっていくらでも見つかる。いないわけがない

ね? 百聞は一の経験におよぶわけが無し、ですよ?
まずは片足突っ込んでみましょう。今までそうして色々なことを知ってきたんですから

ごめん誤爆

貼る場所(スレ)間違えちゃった

あー・・・アソコか(察し)

>>674
………お、教えて?(小声

>>675
上条「お前……男だったのか!?」禁書「ふぇ?」

コレかも

最近カービィにハマり直した1です。
ダークマター1分以内に倒すとか無理やろあれ。
投下します。




上条「当然、死するはずなし!!」

フレンダ「………ホントにしつこいね。大人しく死ぬ訳よ」

上条「死んでたまるか!!」


もちろん、上条当麻は無事である。

ロケットランチャーの直撃は食らったが、爆風・爆熱は何とかぎりぎり彼の札魔術で相殺する事が出来た。
よって、打撲くらいはしたかもしれないが骨折まではしていない。


………確かにフレンダのロケットランチャーの弾速自体は時速50km程度だが、それでも一般人ならガードした腕ごと折れてもおかしくないのだが、そこは上条パワー。



フレンダ「ふふん、でも結局アンタは追い詰められてる事に違いは無い訳よ……!」


上条「この地面に引っ張ってある導火線のことか?」


フレンダ「……」

上条「それならもう、無駄だぜ」

フレンダ「え?」

上条「おいおい……冷静に考えろよ、上条さんが使うのは『水』ですよ?濡れたものが燃える訳ないだろ?」

フレンダ「………」

上条「ほれ、分かったらさっさと帰れ。何者か知らんけど、学園都市で事件は(あんまり)起こしたくないんだよ」


いまさらじゃねーか、と上条の頭にもよぎらなくはなかったが、そこも華麗にスルー。


フレンダ「プッ………やっぱりアンタ、学園都市の暗部じゃないね。というか学園都市に住んですらないかも?」

上条「?」


フレンダ「―――――学園都市製の爆導テープ、なめんじゃねーって訳よ!!」


そういうと、既に濡れた導火線に、躊躇なく手に持っていたライターで火をつけていくフレンダ。

その炎は、火花をまき散らしながら『水の中を』進んでいく。


上条(マァジで!?)


そのテープの先にあるのは、これまたいつから設置されていたのか、フレンダお手製ぬいぐるみ爆弾。

おっちょこちょいでアホな所もあるが、フレンダは紛れも無く学園都市の暗部を生き残ってきた凄腕の爆弾使いなのだ。




フレンダ「もちろん、火薬も濡れてるから爆弾の威力も下がるけど、結局爆発したら致命傷ことに変わりはなし」


上条の周りを囲むようにして走る黄色の火花は、やがて設置された5体のぬいぐるみに行きつく。


フレンダ「ついでに言うと、むしろ水の中だとアタシのテープは進みが早いって訳。タダの火じゃなくて電荷とかも利用してるからね………もっとも、もう聞こえてないだろうけど」


爆音が響き渡り、上条の背にあった工場の壁が砕け散る。大量のがれきが、上条がいた場所に降り注がれた。

その様子を満足げに眺めながら、フレンダは踵を返し、



フレンダ「あれ?アイツは麦野が殺すんじゃなかったんだっけ?」



気付いちゃった。

フレンダ「ややややばいって訳よ!!死んでないよね!?上条」


もし本当に死んでいたなら自分が麦野に殺されかねない。なんせあんなに憤っていたのだ。

彼女は満点パーフェクトではないと満足しないタチだ。もし自分の手でなくフレンダに勝手に殺されていたとすれば……



麦野『ブ・チ・殺・シ・カ・ク・テ・イ・ネ』


フレンダ「いやあああああああああああああああああああ!!!」


どどどどどどうする!どうすればいい!?

とりあえず上条が生きていないとなにも始まらない、というか生きていないと終わりの始まり。

ぶっちゃけ焼夷弾に使われるテルミットとかいうやつを使えば学園都市外だろうが水に濡れても平気な爆薬あるし

焼夷しゅりゅうだんで数千どの熱発して数秒とはいえ水のなかでも使えるやつが

フレンダ「だけど私じゃこの瓦礫をどけるのは無理があるって訳よ……」


爆弾を使えば吹き飛ばす事くらいはできるだろうけど、とフレンダは呟く。
そんなことしてしまったらさらに追い打ちだ。もしこの瓦礫の下で奇跡的に生き残っていたとしたら、まず間違いなくとどめを指すことになるだろう。


フレンダ「あああああ……フレメア、ごめんって訳よぉー。お姉ちゃんは先にこの世を離れちゃうよ……」


手詰まり、チェック、ゲームオーバー。

どうあがいても絶望、希望などないのです。

さまざまな言葉がフレンダの頭の中をいきかい、そして彼女の過去と現在が混ざり合い、

彼女が行ったのは、通常では到底選択しえないものだった。



フレンダ「サバ缶食べよ」



そうしてフレンダは、考えるのを止めた。







無心のままサバ缶を貪るフレンダの意識が覚醒したのは、瓦礫の山が爆発した時だった。


フレンダ「!?何!?」


そしてそこから飛び出してくる影。

それはすぐさま消えてしまったが、それが何かを抱えた上条だとフレンダは十分に判別できた。


フレンダ「よ、よかったぁ~~~」


思わず安堵のため息をつく。

そのため息が消し飛んだのは、



一方「くか」



学園都市の、白い最強を見た直後であった。

投下終了。
え?上条と一方通行が戦ってないって?
ハハハ、書かれてないだけでちゃんと戦ってるさ。


………次回はちゃんと書きます。


フレンダ鯖缶常備ww

レスが壊死

>>667 ぶっちゃけ油断が原因なので、上条さんなら楽に倒せるはず。

>>671 お、おう。

>>686 あ、アレだし。爆薬自体じゃなくて爆導テープだし…………

>>691 サバ缶常備です。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月03日 (火) 01:11:01   ID: bmg2y_Iy

続きお願いします~

2 :  SS好きの774さん   2014年01月17日 (金) 22:01:59   ID: RxqJhs4f

楽しみにしてます!!!

3 :  SS好きの774さん   2014年01月18日 (土) 00:46:52   ID: 2qhHgbeq

どんどん更新していって欲しい!

4 :  SS好きの774さん   2014年01月24日 (金) 09:14:47   ID: Y4aeKzpR

結局そろそろ更新されると思う訳!

5 :  SS好きの774さん   2014年05月31日 (土) 21:34:14   ID: oJ3eZyQv

更新!更新!

6 :  SS好きの774さん   2015年01月06日 (火) 20:52:59   ID: anJFuDwR

更新よろしく!

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