喫煙者「フッ……“タバコの達人”とは俺のことさ……」 (87)

喫茶店──

男(どういうわけか……)

男(編集長の命令で、“タバコの達人”なる人物を、取材することになってしまった)

男(俺自身はタバコをほとんど吸わないが、もちろん喫煙席で彼を待っている)

男(──っていうかなんなんだよ、タバコの達人って)

男(『タバコを吸うドン!』とか、『もう一本吸えるドン!』みたいな感じ?)

男(しっかし、こんなのを取材しなきゃいけないなんて)

男(よほどネタがないんだな、ウチの雑誌は……)

ガラガラ……

男(お、どうやら来たみたいだ)

sssp://img.2ch.net/ico/si.gif
続けたまえ

おもしろそう

なかなか興味深い

気になる

喫煙者「こんにちは、今日取材を受ける約束をしていた喫煙者だ」

男「はじめまして、『週刊マスゴミ』編集部の男と申します」

喫煙者「かけていいかな?」

男「どうぞどうぞ」

喫煙者「失敬」スッ

男(ふうん……。見た目はハードボイルドな感じで、結構かっこいいな)

男「ところで、喫煙者さんは“タバコの達人”と呼ばれているとか……」

喫煙者「フッ……“タバコの達人”とは俺のことさ……」

男(いい年して“フッ……”とかいうなよ。でも、ちょっとかっこいいじゃねえか)

週刊マスゴミ…

男「えぇ、と……具体的にどう達人なのか、教えていただけますか?」

喫煙者「いいだろう」

喫煙者「これを見てくれ」スッ…

男(テーブルにカードを何枚も並べた……?)

男「!」

男「ま、まさかこれは──」

喫煙者「そう、俺の『taspo(タスポ)』コレクションだ」

男「えええええっ!?」

禁煙なんて簡単さ
僕は数え切れないほど禁煙しているよ
HAHAHA!

浦安鉄筋家族スレか

喫煙者「ちなみにこの金ピカのが、ゴールドtaspo」

喫煙者「優良喫煙者にのみ与えられる、名誉あるtaspoだ」

男「はぁ……」

男(こんなのあったのかよ……。ていうか、優良喫煙者なんて制度があるんだ)

喫煙者「こっちが江戸時代のtaspo」

喫煙者「時代が時代ゆえ、木で作られており平仮名で“たすぽ”と書かれている」

男「へぇ……」

男(taspoって江戸時代からあったんだ……意外と歴史が古いんだな)

喫煙者「さらにこれが『青眼の白taspo(ブルーアイズホワイトタスポ)』」

男「攻撃力は3000で、守備力は2500なんですね」

taspoの達人じゃねーか!

『taspo(タスポ)』コレクションってなんだよwwwww

喫煙者「さらにこれが──」

男「あ、いやもう結構です」

喫煙者「そうかい」

男(たしかにこれだけのtaspoを持ってるってのはスゴイ)

男(だけど、記事にするには今ひとつインパクトに欠けるよな……)

男(達人っていうくらいだし、もしかしたらすごいタバコの吸い方するのかも)

男「では……せっかく喫煙席ですので一本吸っていただけますか?」

喫煙者「オーケー」

面白い

煙草吸わないけど、ちょっと面白い

いまの太鼓の達人はバナパスというカードが使えてだな

パイプや煙管もコレクションしてそう

喫煙者「…………」シュボッ…

喫煙者「…………」ジジジ…

喫煙者「…………」フゥ…

男「ほぉ……」

男(なんというか、すごくキレイな吸い方だ。思わずため息が出ちゃったよ)

男(タバコの吸い方なんか、もちろん人それぞれに決まってるけど)

男(もし、タバコに教科書があっとしたら──)

男(今この人がやったフォームが“模範フォーム”として掲載されるんだろうな……)

男(そんな気がした……)

男「さすがですね」

男「ただタバコを吸っていただけなのに、ちょっと見とれてしまいましたよ」

喫煙者「ありがとう」

男「しかし、大変じゃないですか?」

喫煙者「なにが?」

男「今の世の中、あらゆる場所で禁煙化や分煙化が進んでいる」

男「タバコを吸える場所を探すのにも一苦労でしょう?」

喫煙者「ハハッ、まぁね」

喫煙者「だけど、ルールはルールだ」

喫煙者「世の中の流れがそうなってきてるというのであれば、俺はそれに従うまでさ」

男(さすがは優良喫煙者……)

男(きちんとわきまえてるな)

喫煙者「それに……」

喫煙者「本当にどうしても吸いたくなった時は、こんな技もある」

男「技?」

喫煙者「よ~く見てなよ」

喫煙者「…………」シュババッ

男「!?」

喫煙者「見えたか?」

男「いや、なにがなにやら……」

男「──ってあれ!? いつの間にか、灰皿にタバコが増えてる!」

男「しかも……これは吸いがらだ! 新品のタバコじゃない!」

男「いったいどうして……!?」

喫煙者「そう……俺は今の一瞬で、タバコを10本吸った」

男「えええええっ!?」

謎の超展開

早すぎwww

喫煙者「俺は一秒で最大50本のタバコを吸うことができるのさ」

男「一秒で50本!?」

喫煙者「この技を使えば、たとえ禁煙スペースでも気づかれずにタバコを吸える」

喫煙者「もちろん、めったなことじゃ使わないがね。ルールは守らねばならん」

男(す、すげえ!)

男(でもぶっちゃけ……タバコを無駄に浪費するだけの技のような気も……)

男(タバコって基本、じっくり吸って楽しむもんだろうし……)

喫煙者「他にもこんなアイテムもある」スッ

男「なんですか、これは?」

喫煙者「多機能付携帯灰皿だ」

男「多機能って……どんな機能がついてるんです?」

喫煙者「メールに通話、テレビを見ることもでき、インターネットも可能だ」

喫煙者「しかも、このとおりタッチパネルで簡単に操作できる」ススッ

喫煙者「便利な世の中になったもんだ」

男(名前……灰皿付きスマートフォンに変えた方がいいんじゃないかな)

男「なるほど……」

男「さすがタバコの達人といわれるだけあって」

男「時代の流れに合わせて、喫煙ライフを満喫しているというわけですね」

喫煙者「そういうことだ」

喫煙者「ルールを守れず、時代に適応できない奴に、タバコを楽しむ資格はない」

喫煙者「これが俺の持論さ」

男(いちいちかっこいいじゃねえかよ……)

男「しかし……タバコといえばもう一つ気になる点があります」

喫煙者「気になる点?」

男「人体に及ぼす影響、ですよ」

江戸から生きてんのか

男「例えば……確実な因果関係が実証されたわけではないらしいですが……」

男「タバコが肺ガンの一因になる、とかいいますよね」

喫煙者「肺ガン?」

喫煙者「ああ、俺はとっくの昔に肺ガンだよ」

男「は!?」

喫煙者「だけどいたって健康体さ」

男(いや、健康体じゃねえだろ。病院行けって)

喫煙者「なぜなら俺ほどの達人になると、肺ガンを飼いならすこともできる」

喫煙者「今、見せてやろう」

男「え!? 飼いならす!? え、え、え……!? おっしゃる意味が──」

!?

喫煙者「ノドに指を突っ込んで──」オエッ…

デロン……

男(うわっ、口からなんか出てきた……!)

喫煙者「こいつが俺の相棒さ」

肺ガン「よう!」

肺ガン「俺っちは肺ガン! よろしくな!」

男「ど、どうも」

男(なんかとんでもないことになった……。正直ついていけない……)

男「え、えぇ~と……肺ガンさん?」

肺ガン「みずくせえな、肺ガンでいいって!」

男「質問なんですが……喫煙者さんとはどういったご関係で?」

肺ガン「決まってんだろぉ? アニキとはマブよ、マブ」

男(マブ? ああ、親友ってことか)

男「え、でも……あなたは病気ですよね?」

肺ガン「おうよ、シックよシック! しかもとびっきりのな!」

男「なんで本来害するべきである喫煙者さんと、仲良くしてるんですか?」

とんでもないスレになってきた

肺がんが出てきてる間喫煙者がコヒューコヒュー言ってるかと思うとわろた

肺ガン「最初はよ、俺っちもよ、アニキなんて大嫌いだった」

肺ガン「だがよ、アニキのタバコLOVEっぷりを見てたらよぉ……」

肺ガン「アニキと争うのがバカらしくなってな」

肺ガン「こうして仲良くやってるってわけだ」

肺ガン「今や俺っちとアニキは切っても切れない関係よ」

肺ガン「その気になりゃ、俺っちを手術で切除することもできるのに」

肺ガン「アニキは俺っちを肺に住まわせてくれてるんだ」

男「はぁ……」

喫煙者「ま、変なヤツだが、コイツはこれでけっこう役に立つんだ」

男「肺ガンが……いったいなんの役に立つんです?」

役に立たねーよwwwww

愛煙家の叫びなのか嫌煙厨の喫煙叩きなのかわからなくなってきた

喫煙者「例えば、飲み会とかの隠し芸で使える」

喫煙者「いきなりコイツを肺から出して周囲を驚かせたり」

喫煙者「コイツと二人で漫才をやったりな」

男(ガン細胞と漫才かよ)

喫煙者「あとは地味だが、コイツはガンの進化バージョンみたいなもんだから」

喫煙者「他のガンを簡単にやっつけることができる。これまで何人も治療してきた」

肺ガン「末期ガンも俺っちにかかれば余裕だぜ!」

男「へぇ……」

男(──って地味どころか、そっちのが圧倒的にすげーじゃねえか!)

男「喫煙者さん、本格的に医学関係の仕事についたらどうです?」

男「ガンを完治できるんなら、ノーベル賞だって夢じゃありませんよ」

喫煙者「もちろん俺もそう思ったんだがね」

喫煙者「ある団体から“商売あがったりになるからやめろ”って圧力をかけられてさ」

喫煙者「今では医学方面については、細々と活動してるよ」

男「はぁ……」

男(“ある団体”がいったいどこかってのは、聞かない方がよさそうだな……)

男(下手すると俺の命まで危うくなりそうだ……)ゴクッ…

おおこわい

プルルルル……

男「ん?」

男(電話……編集長からだ)

喫煙者「出てかまわないよ」

男「すみません……」ピッ

男「はい、もしもし──」

編集長『オイお前、今日はたしか△△市で取材をしてるはずだよな!?』

男「はい、今まさに真っ最中ですけど……」

男「タバコの達人である喫煙者さんと、お話ししてまして……」

編集長『そんなのどうでもいいから、今すぐ俺がいう現場に向かえ!』

男「は、はぁ……? どうしたんです、いきなり……?」

編集長『今、△△市の駅前にあるビルで、たてこもり事件が起こってる!』

編集長『すぐ向かえ!』

編集長『うまくいけば、スクープの一つや二つ手に入れられるかもしれん!』

男「しかし……こっちも取材中……」

編集部『タバコの達人なんかより、たてこもり事件のがウケるに決まってんだろ!』

編集長『今すぐ現場に向かわなかったらクビだ! いいな!』プッ…

男「あっ、切れちまった……」

男(今日タバコの達人の取材しろっていったのも編集長なのに、勝手すぎる……)

喫煙者「どうかしたか?」

肺ガン「なんか事件のニオイがするな、オイ?」

男「実は……△△市の駅前ビルでたてこもり事件が発生したらしく──」

男「すぐそこに行けっていわれてしまって……」

男「すみません、せっかくお話しをうかがってる最中だったというのに……」

喫煙者「なに、かまわないさ。急な仕事ってのはそういうもんだ」

喫煙者「そうだ! どうせなら、俺が現場まで連れてってあげよう!」

男「え!?」

喫煙者「タクシーより、よっぽど早く現場にたどり着けるぞ」

喫茶店を出た二人(プラス肺ガン)──

喫煙者「フゥ~~~~~……」

モクモクモク……

男(なんだこれは!?)

男(喫煙者さんが吐き出した煙が、固まってゆく……!?)

喫煙者「さあ、これに乗るんだ!」ピョンッ

ボフッ……

男「え!? 乗れるんですか、これ!?」

喫煙者「早く!」

男「は、はい!」ピョンッ

ボフッ……

喫煙者「よし、出発!」

ギュゥゥゥゥゥン……!

肺ガン「ヒャッホーッ!」

男「うおおおおっ!?」

男(すごいスピードだ!)

男(まるで、孫悟空が乗る筋斗雲じゃないか!)

男(でもこの雲、すっげぇヤニくせぇ……)オエッ…

ニュータイプすぎる

これが喫煙者っ!

駅前──

ザワザワ…… ドヨドヨ……

男「……野次馬やらマスコミやら警察やらで、ごった返してますね」

喫煙者「せっかく空を飛んでるんだ、なにか写真でも撮ったらどうだ?」

男「それもそうですね」パシャパシャッ

男(よし、事件で大混雑する現場を上空から撮影できた)

男(これなら編集長も喜ぶぞ!)

男「じゃあ次は、たてこもりが起きてるビル内の写真でも撮りたいので……」

男「あのビルにちょっと寄って下さい」

喫煙者「オーケー!」

タバコの煙は機戒に致命的なダメージを与えるのでパソコンの近くでは吸わないでください。

ビル内──

主犯「野次馬やマスコミが、だいぶ集まってきたな」

手下A「ホントにやるんですね、ボス?」

主犯「おうよ」

主犯「この国の連中なんてのは」

主犯「たてこもり事件を一種のお祭りみたいにしかとらえてねえ」

主犯「最後には、なんだかんだ機動隊やら特殊部隊やらが突入して」

主犯「犠牲者も出ずに終了する、なんて思ってやがる」

主犯「それであぁよかったとか、死人が出た方が面白かったのに、とか思ったりする」

主犯「だが、今日はちがうぜ」ニヤッ

主犯「もっとこのビルの近くに人が集まったら」

主犯「ここにいる人質を公開処刑したり、生首を野次馬に投げ込んだりしてやる」

主犯「野次馬やお茶の間の皆さん全員がPTSDになるような──」

主犯「史上最悪のたてこもり事件を実現してやるぜ!」

主犯「ゲハハハハ……!」

手下A「やりましょう!」

手下B「俺たち、歴史に残りますよ!」

主犯「ってわけだ。てめぇら全員、助かる可能性はゼロだ」

主犯「ゲハハハハ……!」

人質A「ひぃぃ……」ガタガタ…

人質B「そんなぁ……」ブルブル…

青年(こいつら……本当に目立ちたいだけの一心でたてこもりを……?)

青年(きっとあさま山荘事件とかの特集番組を見て影響されたんだな……)

青年(だが、ボクだってむざむざ殺されてたまるか!)

青年「うわぁぁぁっ!」ダッ

主犯「!?」

ビルの外──

男「ん!?」

喫煙者「どうした!?」

男「中で人質の一人が抵抗したんだけど、あっさり取り押さえられた!」

男「ま、まずい! あの犯人ども、あの青年を殺すつもりだ!」

肺ガン「オイ、やべえよ!」

喫煙者「やむをえん! 助けに行くぞ!」

ギュンッ!

ビル内──

主犯「ゲハハ、犠牲者第一号はてめぇで決まりだ!」

主犯「バラバラにして、外にいる野次馬にプレゼントしてやるぜ!」

青年「ぐっ……!」

ビュンッ!

ジュゥゥッ……!

主犯「あっちぃぃぃぃぃっ!」

手下A「どこからともなく火のついたタバコが飛んできた!?」

手下B「大丈夫ですかい、ボス!」

喫煙者「やれやれ、ポイ捨ては本来やってはいけないんだがな」スタッ

手下A「窓から変な奴がやってきやがった!」

不意打ちで肺ガンなんて見せられたらそれこそPTSDになるだろうな

今日も若葉吸うか

主犯「だれだてめぇ!」

喫煙者「通りすがりの、タバコの達人さ」

男(オイオイ、無駄にかっこいいんだけど!)

主犯「ふざけやがって……だったらまずはてめえらから始末してやる!」

主犯「さっさととっつかまえろ!」

手下A「オラァッ!」

手下B「キエェッ!」

喫煙者「やれやれ……」

>>56
肺がんがお前の肺に住み着きそうだ

もう一本吸えるドン

喫煙者「“根性焼き(レア)”!」ジュッ…

手下A「あっちいいいいいっ!」ドサッ

肺ガン「“ガンガン逝こうぜ”!」ドゴッ

手下B「ぐぎゃああああっ!」ドサッ

喫煙者「一応解説しとくと、“根性焼き”は敵にタバコの火を押しつける技で」

喫煙者「“レア”はその中でもっとも威力が低い」

喫煙者「ようするに手加減……というか火加減しておいた」

男「多分、上位技は“ミディアム”とか“ウェルダン”なんでしょうね」

肺ガン「俺っちの“ガンガン逝こうぜ”は殴った相手を末期の肺ガンにする技だ」

男「“ガンガン逝こうぜ”強すぎるだろ……」

肺ガン「ま、ひとしきり苦しんだら治してやるから安心しときな!」

達人さんパネエ

一度肺がんなったら(しかも末期)安心できないよぉ!

主犯「くそぉ……!」

喫煙者「これはタバコの達人としての俺のカンだが──」

喫煙者「どうやらお前、ガンだと宣告されたな?」

主犯「!」ギクッ

男「なるほど、それで自暴自棄になって、こんな事件を起こしたってわけか」

肺ガン「俺っちが治してやっから、さっさと降参しな!」

主犯「う、うるせぇぇぇっ! そんなこと信じられるかぁぁぁ!」ダッ

喫煙者「お前はこの俺が止める!」

喫煙者「はああああ……」ゴゴゴ…

喫煙者(長年の喫煙で体内に蓄積したニコチンを、一気に放出する究極奥義!)

喫煙者「ニ、コ、チ、ン、波ァ─────ッ!!!」ボウッ

ドゴォォンッ!

主犯「ぐ、は……っ!」ガクッ

男「すごい威力だ……」

喫煙者「肺ガン、ヤツを治してやれ」

肺ガン「あいよっ!」

男(タバコを極めると、ビームを出せるようになるんだ……知らなかった)

どこかの第4位くらい凄いよ、いやそれ以上だよ。

青年「ありがとうございました! あなたたちは命の恩人です!」

喫煙者「気にするな」

肺ガン「人質が全員無事でよかったぜ!」

男「あれ? でもなんか変なニオイが……」クンクン…



メラメラ……



男「あっ、喫煙者さんが最初に主犯に投げつけたタバコが、ゴミに引火してる!」

喫煙者「なにいっ! マズイ!」

肺ガン「早く消しちまわないと、アニキが放火犯になっちまうぜ!」

喫煙者「水、水、水!」ダダダッ

男「消火器どこだ!」ダダダッ

その後──

喫煙者「いやぁ、すっかり助けられてしまったね。危うく火事になるところだった」

男「いえいえこちらこそ、スクープどころかたてこもり犯退治に立ち会えるなんて」

男「なかなかできない体験をさせてもらいました」

男「これなら、編集長に怒られずに済みますよ」

喫煙者「ハハハ、そうかい」

喫煙者「そうだ、せっかくだからウチでメシでも食べていかないか?」

男「いいんですか?」

喫煙者「もちろんだとも」

喫煙者の家──

男「ごちそうさまでした、お料理おいしかったです!」

妻「主人がお客さんを連れてくるなんて、珍しいわ」

妻「大したおもてなしもできませんが、ゆっくりしていって下さいね」

男「どうも……」

男(まさか喫煙者さんに、こんな奇麗な奥さんがいたなんてな……)

喫煙者「さて食後の一服……」シュボッ…

妻「!」ピクッ

鬼ババァか?

飯にニコチン入ってそう

妻「ちょっとあなた、タバコはベランダで吸ってっていつもいってるでしょ!?」

喫煙者「いいじゃないか、一本ぐらい……」

妻「ダメです! あたしがタバコ嫌いなの知ってるでしょ!」

妻「肺ガンも、家の中で吸っちゃダメって主人に注意しなきゃダメじゃないの!」

肺ガン「すんません、アネさん……」ショボン…

喫煙者「じゃあ、ちょっとベランダに出てくるよ……」スゴスゴ…

男「…………」

男(誰もが認める“タバコの達人”である喫煙者さんだけど──)

男(“奥さんの達人”にはなれなかったようだ)





                                    おわり

イイハナシダナー

普通に面白かった

おつおつ

タバコ吸ってくるわ

はーい

面白かった! 乙

やっと追いついたら終わってた
楽しくよませて頂いた
シリーズ化に期待

おもしろかった

おつ

TABAKO世界選手権編はまだですか
HAMAKI野郎にいにしえのKISERU技で対抗する兄貴はよ

やる夫はプロのタバコ吸いになるようです
を思いだした

この男は明らかに超喫煙者(タバコ・ファイター)だな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年06月04日 (日) 02:26:59   ID: CPJ_An1k

ワロタ

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