戒能良子「今年も帰省できませんでしたね……」 (69)

代行ID:Zy10Y9BB0

―――――――戒能良子のマンション

良子「ただいま…」


シーン


良子「…………………」

良子(プロ雀士になって、はや2年……)

良子(実家に一度も帰れてませんね)


prrrrr

良子「もしもし」

良子「ああ、お母さん……」

良子「うん、明日も仕事だから」

良子「ソーリー、お盆も戻れそうにないです」

良子「はい」

良子「いや、お米はまだありますから」

良子「ええ、それではグッナイ」


良子「はあ……」

良子(レベルの高いリーグで、毎日充実してるのは確かですが、忙殺されてる感はありますねー)

良子(シルバー・シューターも獲ってしまいましたし、今年は一段と忙しいです)

良子(ここらで一度リフレッシュしたいですねー)

良子「明日の予定は……対局の後、小鍛冶さん主催の飲み会ですか」

良子「はあ……」



期待してみよう

期待

―――――――居酒屋



健夜「でさあ、お母さんが男はまだいないのかってうるさいわけよ」

健夜「居るんだったら連れてくるからわざわざ聞かないでよ!」

良子「は、はあ。それはハードですね」

はやり「うんうん、でもすこやんのお母さんの気持ちもわかるよ☆」

はやり「うちの実家のあたりとか過疎地だからさ、マジに親の介護のこととか考えないとなんだよね★」

咏「うぉーい戒能ちゃーん、飲んでるかー!?」

理沙「イェーイ!」

良子「は、はぁ」

咏「おいおい、グラスほとんど空じゃねーか」

理沙「ついであげる!」ドボドボ

良子「ウェ、ウェイト!今このグラス日本酒飲んでたんですが」

咏「こまけーこと気にすんなって!」

理沙「夏はビール!」

良子「…………………」

健夜「だから、さ。わかる?良子ちゃん」

健夜「結局若さなんだよ。今を大切にしなよ?ね?」

健夜「私には、もう無いものだからさ……」

良子(帰りたい)

咏「うぉぉーいみんなー!野依さんが脱ぎ始めたぞー」

はやり「理沙ちゃんちょっとここお店!」

理沙「そげなん知らんし!」

咏「あっはっはっはっは!いけいけー!」










はやり「はやりもうねむーい」

健夜「じゃあみんな、おつかれぇ」

咏「ほいほーい」

理沙「帰る!」

良子「お、お疲れさまでした」

しえん

これは戒能プロ疲れますわ
支援

良子「ほ、ほんとに疲れました……」

良子「帰って早く休まなきゃですね」








健夜「まじかーる、まー、じゃんわんだーーーーーーらーん」

健夜「このおーおーきーなー……」


ドンッ

健夜「あ、すみません」

「…………………………」


「……………こちらこそごめんなさい」

すこやんが老害化してしまう風潮

ピシッ


健夜「ん、んうぅ……?」




健夜「…………うっ」バタ


「もうひとつ、ごめんなさい」


―――――――戒能良子のマンション


良子「ただいま」

良子(誰もいないんですけどね)


「……………おかえり」

良子「!?」


良子「は、ハル?」

春「うん」

良子「ワッツ?どうしてここに」

春「おばさんに頼まれて」

良子「う、うちの母にですか」

春「そう……」

春「帰省できないようだから、ならば故郷の側から訪ねればよいと」

良子「そ、それでハルが来たわけですか…」

良子「ハルとわたしは同郷じゃありませんけどね」

春「そのへんは気にしない……」

良子「鹿児島の方は大丈夫なんですか?」

春「問題ない。夏休みだから」

春「と、いうわけで」


春「今日からしばらく、里帰りのおもてなしをさせてもらう…」

良子「はあ」

春「とりあえず、上着を」

良子「ソ、ソーリー」

支援

春「お風呂は沸いてるから、入ってくればいい」

春「その間に食事の用意をしておく…」

良子「あ……いえ、もう外で食べてきたので、食事はノーサンキューです」

春「……そう」


春「じゃあ、かわりに背中を流す」

良子「は?」

春「早く脱いで……」

良子「オ、オーケーオーケー」




支援

春「かゆいところはございませんか」ワッシャワッシャ

良子「オーライです」

春「…………………」

良子「……………………」

良子(なんでされるがままになってるんでしょうか、私)


ザバー



春「では次は体」

良子「お願いします」

ニュルン

良子「ちょ、ちょっと……ハル?」

春「なに」

良子「何を使って洗ってるんですか」

春「胸」

良子「……なんでですか」

春「霞さんは初美さんを洗う時こうする…」

良子(なにやってるんですあの子)

良子「いや、普通にスポンジ使ってください」

春「了解」ゴシゴシ

春「あとは湯船で100数えて上がるだけ」

良子「数えなきゃダメなんですか?」

春「姫様はちゃんと数える」

良子「さいですか」チャプ



春「じゃあ私も入る」チャプ

良子「ちょっ、ウェイトウェイト」

春「なに」

良子「いくらなんでも、二人同時は無理でしょう」

春「私が良子の上になれば入る…」

良子「無理です」

春「入る」

良子「はあ、全く強情なんですから」

春「それが自慢……」



良子(疲れる…)





良子「とりあえず、さっぱりしましたね」

春「もう寝る?」

良子「明日も早いから、そうする」

春「そう……」

春「トランプとか持ってきたんだけど」

良子「や、やりませんよ」

春「……………」

良子「…………」

春「……………」

良子「………一回だけですよ」

ふんふむ

良子「…………」スッ

パサ

春「………」スッ

パサ


良子「…………」スッ


パサ


春「………」スッ

パサ

春「………ん」

良子「うーん」

良子「どっちかわかりません……さすがのポーカーフェイスですねー」

春「それが自慢」

良子「はいはい」スッ

良子「あがりですね」

春「あー」


良子「楽しかったですか……?ふたりババ抜き」

春「微妙」

良子「さて、約束ですしもう寝ますよ」


春「……UNOとオセロもある」

良子「ノーウェイ!」





―――――――翌朝


春「おはよう、良子」

良子「……んー、グッモーニン」

良子「……………今、何時ですか」

春「10時前」

ガバッ

良子「シット!対局!1時間後!」

春「今日の対局は中止……」

良子「は?」

春「対戦相手の小鍛治プロが腹痛で入院したと電話があった」

良子「そ、そうですか」

しえしえ

春「まあ、私のせいだけど」

良子「……どういうことですか?」

春「本家から呪物を借りてきた。小鍛治プロは3日間腹痛で苦しみ抜いた末に」

良子「末に…」

春「きりもみ回転しながら爆発四散」

良子「………」

春「嘘」

春「でも今日一日腹痛に悩まされるのはほんと」

良子「な、なんでそんなこと…」

春「発想の逆転。里帰りできないならこっちから行けばいい。仕事でゆっくりできないなら仕事をなくせばいい」

良子「とんでもないことしますね」

春「なんにせよ今日はオフ…」

良子「それはそうですが」

春「とりあえず、ご飯にしよう」

良子「オーキー・ドーキー。こうなったらなるようになれです」










春「いただきます」

良子「い、いただきます」

良子(シリアルとサラダ……)

良子「…………」

春「……………」モグモグ


良子「……あの、ハル?」

春「なに」

良子「これは、何?」

春「コーンフレークとサラダ」

良子「ハルが食べてるのは?」

春「アジの開きと煮物と味噌汁」

春「…………昨日の残りの」

良子「ふつう、里帰りのおもてなしというからには私がそっちを食べるのでは」

春「良子が昨日、要らないといったから」ツーン

良子(怒ってたんですか……)

良子「ハル、謝るからそれをください」

春「仕方ない」

春「良子、口開けて」

良子「自分で食べられますよ」

春「ダメ」

春「これもおもてなし……」

良子「わかりましたよ。あ、あーん」

春「はい」


良子「……ん、おいしい」

グッドです

良子「懐かしいですね、この味。黒糖使ったんですね」

春「もちろん」ソワソワ

良子「ちゃんとできてますね。前は甘すぎて食べられたものじゃなかったですけど」

春「もう3年も前の話……既に時効」ソワソワ

良子「そんなになりますか」

良子「って、ハル。なにソワソワしてるんです」

春「……限界!」ダッ

良子「!?」



バリッ

良子「ハ、ハル!?」

黒糖が切れたか

ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ


良子「」

糖尿にならないのだろうか

なにこれ怖い

春「ふ、はーーー」ゲフ


良子「ハ、ハル……いったいなんなんですか」

春「これで半日は持つ……」

春「昔、良子の前で黒糖食べてて怒られたことがあったから昨日から黒糖断ちしてた」

良子「それはハルが黒糖に夢中で人の話を聞かないから……」


春「じゃあ、ちゃんと話聞いたら食べてもいい?」

良子「いいですけど……」




良子「とりあえず、そこは掃除機かけといてくださいね」

春「うん」

良子(この子の健康が心配です………)

良子「それにしても、ハルは本当に黒糖が好きですね」

春「それが自慢」

良子「……結構自慢が多いですね」

春「それが自慢……」ニコ

良子(便利な返しですねーこれ)





良子「急にオフになった訳ですが」

良子「急すぎて何もすることが思い浮かびませんね」

春「UNO」

良子「二人じゃ面白くないでしょう……」

春「じゃあオセロ」

良子「まあ、たまにはいいかもしれませんね」

春「良子が白でいい」

良子「はいはい」







良子「…………」パチッ

トン トン

春「………」パチッ

トン

良子「…………」パチッ

トン トン トン トン トン

春「………」パチッ

トン トン

良子「…………」パチッ

トン トン トン

春「………」パチッ

トン


春「………ん」


良子「…………天地創世(ビギニングオブザコスモス)」ボソッ

トン

春「――――――っ」ジワ

春「つ、次は良子が黒!」グス

全部白になったんかwww

良子「ノープロブレム」







春「………パス」



良子「…………」パチッ

良子「……黒一色(エンドオブザワールド)」ボソッ




良子「ハル……弱いですね」フフン

春「もうやめる」

良子(拗ねちゃいましたか)

春「…………」

良子「機嫌治しなさい、ハル」

春「…………」プイ


良子(たしかまだ冷蔵庫に……)ガサゴソ

良子(無かった)


良子「ハル、アイス買ってあげるから行きますよ」

春「……………ハ」

良子(……?)


春「…ハーゲンリッツ」

良子「はいはい」クス






春「良子ー」

良子「なんですか」

春「……ひとくち」

良子「はい」

春「んー」



春「おかえし」

良子「こ、黒糖味ですか……いいです」

春「美味しいのに……」



春「ごちそうさま」ゴロン

良子「ハル、食べてすぐに横になると」

良子「……………」



良子(どうせまた胸が大きくなるだけですね)


春「なに」



良子「行儀が悪いですよ」

春「……じゃあ、良子も一緒に寝る」

良子「……うん」

良子「昔は、よく神代の本家でこうやってみんなで並んで寝てましたね」

春「夏休みと、冬休みに」

良子「うん」


春「ねえ、良子」

良子「うん?」


春「良子と会えないと……寂しい」

春「良子はどう?」

良子「オフコース、わたしもですよ」



春「……良子」

春「また冬に来てもいい?」

良子「もちろんです」

春「良子もまたこっちに来てくれる?」

良子「……頑張ります」


春「じゃあ、約束」

春「ゆーびきーりげーんまーん」

良子「うーそつーいたーら」

春「黒糖ひと箱飲ーます」

良子(箱!?)

春「指切った」




春「……おやすみ」

良子「おやすみ、ハル」






良子「…………ん」


良子「ハル……?」



良子(手紙がある)


『良子へ
 元気になりましたか?
 また来ます      春』


良子「まったく……」

良子「手紙でも口数少ないんですね」



良子「また来てくださいね、ハル……」




prrrrrr

良子「おっと、電話ですか」

良子「………もしもし」


健夜『あ、良子ちゃん?』

良子「お疲れ様です小鍛冶プロ」

健夜『うん、お疲れ。今わたし病院なんだけどね?』

良子(すっかり忘れてた)

健夜『お母さんに聞いたんだけど、わたしが眠ってる間に永水女子の滝見さんが来たらしいの』

健夜『で、なにやらお祈りみたいなことをして、私に「良子のことを宜しく」って言って帰ったんだって』

良子(ハル、後始末はちゃんとして帰ったんだ)


良子「あ、ああ……小鍛治プロが倒れたと聞いたのでハルに祈祷をするよう頼んだんです」

健夜『ええ!?永水って鹿児島だよね?わざわざ来たの!?』

良子「あ、あはははは……」

良子(そもそもあなたが倒れたのはその子のかけた呪いのせいですとは言えない)


健夜『でも、そのおかげかな。今すっごく調子がいいんだ』

健夜『延期になった明日の対局……楽しみにしててね!』

良子「あっ、ハイ」

健夜『でも、鹿児島から従姉妹のお願いを聞くためにわざわざ……いい子だね、滝見さん』

良子「………ええ」




良子「それが自慢、です」


カン



すっごく調子がいいすこやんの若手いびりが始まってしまうのか

お盆過ぎてしまったので。戒能&春の従姉妹コンビ書きたかっただけのSS。じゃあの
                _

                \ヽ, ,、
                _   `''|/ノ
              \`ヽ、|

                \, V
                   `L,,_
                  |ヽ、)    ,、
                  /      ヽYノ
                    /     r''ヽ、|
                 |      `ー-ヽ|ヮ
                 |            `|
                    ヽ、   __   |
                   .  ´        `  :、
                (⌒ヽ .:'    ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  ̄ ̄)
                ゝ /  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: f⌒ヽ  /
               /廴/ .:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.: ト、_,ノ ⌒ヽ
              / .:{ / .:.:.:.:/⌒  :.:.\.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.\  ト-イ.:\
          / イ人{.:.|.:.:.: |   \:.:.:.\.:.:.:.:.:.:|.:.:.:|`¨´ У.:.::.:.:.
            /// .:.:ハ`|人≫=ミ、  `¨≫=ミ、 .:!.:.: |.:.:.:.| i.:.:.:.:.:.:.|
        ///.:.:.:.:.:.|.:l: 〉{ んハ     ん ハ Y}-、l.:.:.: | |.:.:.:.:.:.:.|
        〃 { .:.:.:.:.:.|.:| ハ 弋rソ    弋_rソ :|:|ん} .:.: | |.:.:.:.:.:.:.!
        {{  ヽ.:.:.:.:.|人 } .:.:.  '    .:.:.:.  }:}, イ.:.:.:.:| | .:.:.:. /
         ヾ.  } .:.:.:| .:.:.込、   ( ̄ )    イ/:|.:.|.:.:.:. | |.:.:.: /
              | .:.:.:|.:.:.:.:./.:.:`> . __   イ‐/、:|.:.|.:.:.:. | |.:.:./
              |.:.:.:/ .:..:/.:.:.:.:.ハ ‘┴─/ /`ヽ .:|.:.:.:. |人:.{
            ノ .:/ 厂二ニ=┘}  }.........{  {   }‐く二二「}\       、
            /: / .:辷ニ=7 人__丿......人__廴ノ { てYV〉 \ 、_, イ
    ー==彡'  /:/ {_,7 /........................ , ┘  {__)....ヽ   `ー一'′   │┼  -|-|‐、  レ |
          /:〈...../    \.....Y....../     `ヽフ........〉          │d⌒  |  ノ  __ノ


はるしこはいいものだ

おつ

はるるとかいのーさんにおっぱいサンドイッチされたい

すばらでした。乙

豊音と白望の人

乙乙

おつかれちん

乙でしたー

やばい春ちゃんの可愛さに目覚めてしまった

大層乙

お、プロ組だ

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