忍「あるじ様が寝てるから勝手に金を使ってゲーセンで遊んじゃお」 (51)

VIPに投下中、突如規制をくらったのでこちらで完結させようと思います

導入が少しおかしいのは、元スレが『忍「あるじ様が寝てるから>>5しちゃお」』、要するに安価SSだったからです

まあ、傾物語までアニメが進行した記念ということで書きました。

では、どうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377082658

忍「さて、まずは財布の中身の確認じゃな」

忍「どれ」ヒョイッ

忍「………」パカッ

忍「なんじゃ、大して入っとらんではないか」

忍「そういえば、少し前に貝木とやらに財布ごと金を盗られていたのう」

忍「元々大した金を持ってる男ではないが……」

忍「まあよい、これだけあれば十分じゃ」

忍「まず最初には………そうじゃな」

忍「スロットでも回すかのう」

忍「───という訳でゲーセンに来たが」

忍「騒がしい所じゃのう、耳がおかしくなってしまうわい」

忍「スロット台は………あれじゃな」スタスタ

忍「……椅子が高い」

忍「よ……いしょっ、と」

忍「……よし」

忍「ゲームスタートじゃ」チャリンッ

忍「やり方はなんとなく知っておる」

忍「レバーを引く、3つのボタンを押す」

忍「まずは一回目じゃ」クイッ

忍「………」パチッ パチッ パチッ

忍「………」シーン

忍「外れか」

忍「まあこんなもんじゃろうな、次じゃ次」クイッ パチッ パチッ パチッ

忍「次」クイッ パチッ パチッ パチッ


クイッ パチッ パチッ パチッ

クイッ パチッ パチッ パチッ


忍「なんじゃこのクソゲー」

忍「あっという間にクレジットとやらが切れてしまったわい」

忍「ニ度とやらん」




忍「お、なんじゃあれは?」

忍「……『ダーツ大会』?」

忍「行ってみるかのう」スタスタ

忍「………」

忍「ふむ」

忍「要は矢を3本投げて、最高得点を取った者が景品を貰えるというわけか」

忍「面白い」

忍「この儂に勝てる者など居る訳が無かろうに」スタスタ



忍「あの、すいません」

店員「お、何かな、お譲ちゃん?」

忍「あれ、参加したいんですけど」

店員「ああ、ダーツ大会ね。参加費は1000円だけど…えーと、お金は持ってるかい?」

忍「はい、あります」ピラッ

店員「ありがとね、じゃあ、そこの列に並んで順番を待ってて」

忍「はい、ありがとうございます」

忍「ふぅ」

忍「幼女のフリというのは面倒なものじゃのう」

忍「なぜあんな人間如きに敬語を使わねばならんのじゃ」

忍「……おっと、もう始まってるようじゃな」


ストッ ストッ ストッ

100点!

ワァァァァァ

忍「……ダブルブルもまともに狙えんのか」  ※ダブルブル=ど真ん中

忍「お、次か」

ストッ ストッ ストッ

80点!

忍「20のダブルを狙ったか」   ※得点が2倍になる所

忍「じゃが、1本外した時点でまだまだじゃな」

70点!

120点!

90点!

50点!


忍「どれもこれも下手じゃな、全くもってなっとらん」

忍「どれ、こやつの次が儂の番じゃな」

ストッ ストッ ストッ

150点!

ワアアアァァァァ!!

店員「おおっと!ここで最高得点だ!これは優勝か!?」

忍「……儂の番か」

忍「真の実力というものを見せてやるわい、かかっ」

店員「さてさて、最後に残るはこのお譲ちゃん!150点を超える事は出来るのかーっ!?」

店員「あ、これ矢ね」スッ

忍「ありがとうございます」

忍「……さて」

忍「ダーツもまともに出来ん奴らに、『本物のダーツ』を見せてやるかの」

忍「まずは1本目」ヒュッ ストッ

店員「おっと!いきなり20のトリプルだ!60点!」  ※トリプル=得点が3倍になる所

忍「いちいち騒ぐな……2本目」ヒュッ ストッ

ザワッ…

店員「お、おおっと!?またも20のトリプルだ!」

忍「ふん」ヒュッ ストッ

店員「に、20のトリプル──ッ!!」

ワアアアアァァァァァァッ!!!!

店員「合計180点!完璧な勝利です!」

店員「お譲ちゃん、すごいねぇ!」

忍「いえいえ、そんなことは……」

店員「という事で、景品はこのお譲ちゃんに与えられます!」

ワアアアァァッ!! スゴーイ! チッチャクテカワイー! オニンギョウサンミターイ!

店員「はい、景品の『北海道旅行、6泊7日の旅』だよ。おめでとう」スッ

忍「ありがとうございますっ!」ペコッ

カワイイ カワイイ カワイイ カワイイ カワイイ

店員「では、これにてダーツ大会を終了とします!皆様、お疲れ様でした!」





忍「どうすんのこれ」

忍「まあ、あるじ様にでもくれてやるか」

忍「ゲーセンはもういいわい、満足じゃ」

忍「帰ろっと」


阿良々木宅。

忍「ただいまー」ガチャ

阿良々木「し、忍!」

忍「なんじゃ、起きてたのか」

阿良々木「そりゃいきなりリンク切られたら起きるって!」

忍「それもそうじゃ」

阿良々木「で、どこ行ってたんだ?」

忍「あるじ様が寝ていたので財布をくすねて豪遊しようと思ったらダーツ大会で北海道旅行が当たった」

阿良々木「簡潔にまとめてくれてありがとう………」

阿良々木「お前、人の財布をなんだと思ってるんだ……」

忍「儂のもの」

阿良々木「ジャイアンか!」

忍「まあよいではないか、ほれ、北海道旅行6泊7日とやらじゃ」ポイッ

阿良々木「え、冗談だろ?」カサッ

阿良々木「………マジじゃねーか」

忍「感謝せい、儂のダーツの腕のお陰じゃぞ」

阿良々木「忍お嬢様、ドーナツをおいくつほど御所望で?」

忍「オールドファッション2個にゴールデンチョコレート3個」

阿良々木「明日までに用意します」

忍「まあ、あのツンデレ娘とでも行ってくるんじゃな、北海道」

阿良々木「ああ、そうだな、そうするよ」

阿良々木「戦場ヶ原とは、北海道に蟹を食べに行こうって約束してたしな」

忍「丁度よかったのう、かかっ」

忍「じゃ、儂は影の中で寝るからの」

阿良々木「ああ、わかった」

忍「では」スーッ



阿良々木「さて」

阿良々木「確か今日は日曜だったな……」

阿良々木「……そうだ」

阿良々木「羽川がいるかもしれない、例の公園に行こう!」

阿良々木「いや違う、羽川に会いに、例の公園に行く!」

阿良々木「僕の日曜は羽川の為に消え去った!」

阿良々木「行ってきます」ガチャ



忍(大げさな男じゃのう……)

道中。

八九寺「あ」

阿良々木「お」

八九寺「マハラ木さんじゃないですか」

阿良々木「八九寺、僕の名前を某アトラスゲーの敵全体に小ダメージの火炎属性攻撃を行う魔法みたいに呼ぶな、僕の名前はいつだって阿良々木だ」

八九寺「失礼、噛みました」

阿良々木「違う、わざとだ」

八九寺「貸しました!」

阿良々木「何を!?」

八九寺「何をとぼけてらっしゃるんですか、阿良々木さん………確かにわたし、アナタに貸しましたよ……ふふふ」

阿良々木「怪しい!闇金みたいな怪しさを感じる!」

八九寺「察しが良くて助かります」

阿良々木「闇金なの!?」

八九寺「ところで阿良々木さん」

阿良々木「何だ?」

八九寺「今日はどちらまで?」

阿良々木「羽川に会いに公園に行く」

八九寺「ああ、あの委員長さんですね」

阿良々木「そうだ、僕は羽川の為に日曜を潰す覚悟で来ているのだ」

八九寺「御立派ですね。気持ち悪いです」

阿良々木「称賛と罵倒を同時に行うな」

八九寺「どうでしょう、称賛された直後に罵倒されると、より一層ダメージが増加しませんか?」

阿良々木「いや、まあ、そうだな」

八九寺「例えば」

阿良々木「ふむ」

八九寺「阿良々木さんはカッコいいですね!友達少ない癖に!」

阿良々木「ぐああっ!」

八九寺「阿良々木さんって不死身に近いんですよね、凄いです!でもわたしは死んでほしいと思ってます」

阿良々木「ぐうっ!!」

八九寺「と、まあ、この様な具合です」

阿良々木「なあ、今のは冗談だよな?冗談なんだよな?」

八九寺「……………」

阿良々木「黙るのは一番不安になるからやめて!」

八九寺「はいはい、大体冗談ですよ、そんな不安にならないでくださいよーっと」

阿良々木「これ本心から言ってないやつだ……」

八九寺「いいじゃないですか、人の心なんてあるのかないのかわからないものに、本当も嘘もありませんよ」

阿良々木「なんかいい事言われた気がするけど、この流れで言われても何も感じないぞ、それ」

八九寺「冷たい人ですね、マハブフさんに改名してあげましょうか?」

阿良々木「火炎属性魔法が氷結属性魔法に変わっただけで威力も範囲も変わってねえ!」

八九寺「というか、よく御存じですね、女神転生」

阿良々木「僕が某アトラスゲーってわざわざ言ったのに台無しだよ!!」

八九寺「で、マハブフさん」

阿良々木「ホントに改名された!原型が無え!」

八九寺「ゲームでの魔法の属性について、お話したいのです」

阿良々木「スルーかよ………属性?」

八九寺「そうです。炎、水または氷、雷、土、風……代表的なものはこのあたりでしょうか」

阿良々木「ああ」

八九寺「そこでわたしは疑問に思ったんです」

八九寺「例えば、炎属性の魔法なんてとてもわかりやすいですね、発火、炎上、などなど」

阿良々木「そうだな」

八九寺「水、または氷属性もわかります。氷なんてとてもかっこいいと思います、こう、ピキーンって」

阿良々木「その口調でそういう頭悪そうな擬音出すと違和感が発生するからやめてくれ」

八九寺「心得ました。で、雷属性もシンプルですね、雷を落とすだなんて、強力な魔法だと思います」

阿良々木「…………」

八九寺「土属性、は………まあ、イメージ出来ないでもないですね、例えば岩石などを落下させるとか。質より量、量より質量といったところでしょうね」

八九寺「一方で!」

阿良々木「一方で?」

八九寺「風ってなんですか、風って!」

八九寺「かまいたちか何かで攻撃する以外の攻撃方法が思いつきません!」

阿良々木「ああ、言われてみればそうだな」

八九寺「そしてそのかまいたち、先程挙げた属性の中でもトップクラスで最弱の威力だと思うのです!」

阿良々木「まあ、そりゃあな」

八九寺「どうしてここまで微妙な魔法になってしまったのでしょう。答えは簡単です」

八九寺「炎、水、雷、土はそれなりに形として出来上がっていますが、風はただの気体です、ふわふわです。存在もふわふわです」

阿良々木「……………」

八九寺「だからこれといって明確な攻撃手段を持つ訳でもない、よくわからない魔法になってしまったのだ、とわたしは思います」

阿良々木「どうしてお前がそんなに風属性が嫌いなのかよくわからないけど、丁寧な解説をありがとう……」

八九寺「いえいえ、礼には及びません。後ほどアイスでも買っていただければ」

阿良々木「及んでんじゃねーか!!」

八九寺「冗談ですよ。阿良々木さんのただでさい薄っぺらい財布をこれ以上薄くするわけにはいきませんから」

阿良々木「うるせえ!」

八九寺「………おっと、もうそろそろ公園に到着してしまいそうですね」

阿良々木「お、もうそんな所まで来たのか。話してると時間が流れるのが早いなぁ」

八九寺「話していなくとも、時間なんてあっという間に過ぎていくものです」

八九寺「では私はこれで失礼しますね。時間を大切に」

阿良々木「じゃーな」

公園。

阿良々木「あれれ」

阿良々木「おかしいな」

阿良々木「羽川の姿が見えないんだけど………幻覚かな?」

阿良々木「幻覚だよな?」

阿良々木「いや、幻覚でなくとも、今日は少し遅めに公園に来る日なのかもしれないな」

阿良々木「少し待つか」


時間経過。


阿良々木「……もう少し」


時間経過。


阿良々木「…………もう少し、なら」


時間経過。


阿良々木「おや、辺りが真っ暗だ」

阿良々木「結局、夜まで公園でぼーっとして、日曜日を潰してしまった」

阿良々木「………時間は大切にしよう………」


忍(何をやっとるんじゃ、このあるじ様は……)

忍(………そうじゃ、少し慰めてやるかの)

忍(かかっ)


忍「…………」スゥーッ

忍「…………」スタスタスタ

阿良々木「………あ、忍の幻覚が見える………こっち来た」

忍「あるじ様、元気出してっ!」ギュッ

阿良々木「ああ、幻覚がとうとう触覚にまで干渉してきた、末期だな………」

忍「死ね」バキッ

阿良々木「ぐおっ!!」

阿良々木「げ、幻覚が攻撃してきた!怪異の仕業か!」

忍「怪異じゃボケ!何が幻覚じゃ、人がせっかく慰めてやろうかと思ったのに」

阿良々木「し、忍!」

忍「やっと認識したか、この阿呆めが」

忍かわええ

阿良々木「………慰めに?」

忍「なんじゃ、あの三つ編み………では無いのじゃったな、短髪委員長に会えなくて落ち込んでいるところではないのか」

阿良々木「いや、そうだけど………」

忍「さっき抱きついてやったじゃろうが。金髪ロリの抱擁じゃぞ、もっと喜んでもよいではないか」

阿良々木「いや、その胸で抱きつかれても何も嬉しくないんだけど………」

忍「やっぱり死ね!」ゴスッ

阿良々木「うごっ!」

忍「なんじゃ、口を開けば胸胸胸おっぱいおっぱいおっぱい、お主はそれしか考えとらんのか!!」

阿良々木「当たり前だ!」

忍「リンクしてるから知っとるわボケ!!」

阿良々木「全盛期のお前くらいの胸で抱きつかれない限り、僕は微動だにしないぞ」

忍「喜んでくれたら何でもしてよいぞ」

阿良々木「マジで!?眼球舐めたりくるぶしマッサージしてもらったり金髪を一日中触りまくったりしてもいいの!?」

忍「ごめん嘘」

阿良々木「ちっくしょおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

阿良々木「よくも騙したな、忍………」

忍「お?なんじゃ、お怒りのようじゃのう?」

阿良々木「ああ、僕は今普通に怒ってるぜ。よくも純情な男子の欲望を弄んでくれたな」

忍「あの異常性癖丸出しの欲求をしておいて何が純情なんじゃ………」

阿良々木「今更謝っても遅いぜ、忍!僕はもうやる気だぞ!」

忍「何をする気なんじゃい……」

阿良々木「お前の事を弄んでやる!」ガバッ

忍「む」

阿良々木「捕獲成功っ!」ガシッ

忍「………………」

阿良々木「ほらほら、太ももとか触っちゃうぞ!髪とかサラーってやっちゃうぞ!」

忍「………………」

阿良々木「二の腕とかすべすべだなおい!すべすべしちゃうぞ、すべすべ!!」

忍「…………………」

阿良々木「えっと、あの」

阿良々木「そこまで無抵抗だと逆にやりにくいというか」

忍「…………」

阿良々木「すいませんでしたっ!!」ドゲザァ

忍「言う事はそれだけか」

阿良々木「これは一生分の謝罪を込めている!」

忍「そうか、では儂からも一言」



忍「死ねチキン童貞ロリコン幼女大好きな癖に何を格好付けて興味が無いみたいな事言ってるんじゃ阿呆おまけにこっちが無抵抗だと何も出来ないビビりっぷりときたもんじゃ本当にどうしようも無い男じゃのうお前様は」



忍「以上」

阿良々木「うっ……ううっ……」グスッ

忍「何を幼女に責められた程度で泣いてるんじゃ、気色悪い」

忍「仕方無いのう」

忍「今夜は儂の膝枕で寝かせてやるか」

阿良々木「マジで!?」

忍「マジじゃ。喜ぶがいい、幼女の膝枕で寝れるなど一生に一度あるか無いかの機会じゃぞ」

阿良々木「やったぁ!!!」

忍「露骨に喜ぶのう、この変態は」

阿良々木「じゃあ早速帰るぞ忍!今日は早く寝る!」

忍「まあ本気ダッシュでもするがいい、儂は影で見ておる」スゥーッ

阿良々木「うおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」ダダダダダダッ


忍(本当に本気ダッシュしおったわい………)

戻りました


阿良々木宅。


阿良々木「よし寝るぞ」

忍「いくらなんでも速すぎるじゃろ。今何時だと思っとる」

阿良々木「僕は今日から早寝早起きを心掛ける事にした」

忍「そうかそうか、そんなに儂に膝枕をしてほしいか。ん?」

阿良々木「して欲しい」

忍「素直でよろしい」

阿良々木「という事で寝室へレッツゴー」

忍「仕方無いのう……」

こよこよの部屋。


忍「で、お前様はどういう膝枕をして欲しいのじゃ」

阿良々木「どういう、って?」

忍「儂の座る向きの話じゃ」

阿良々木「横向いて座って」

忍「即答過ぎて怖いんじゃが」

忍「ほれ」ストッ

阿良々木「やっほう!おやすみなさい!!」ドサッ

忍「…………………」

阿良々木「…………………」

忍(いつの間にこんな変態になったのかのう……)

阿良々木(やばい幼女の太ももマジやばい、あっ、これ落ちるわ、意識の底に沈んでくわ………)

忍(……いつの間にこんなド変態になったのかのう………)

忍「………………」

阿良々木「……………zzz」

忍(……寝るの早すぎじゃろ)

忍(……さて、儂も適当に寝るかのう……)

忍「全く、こんなのが儂のあるじ様だと思うと溜め息が出るわい」

忍「全く、全く以て全く全く…………」

忍「かわいい奴よのう…………」ジー

忍「はぁ………………」

忍「お前様よ…………」ギュッ

忍「………………」

忍「………………」スー スー スー

翌日。


阿良々木「ふぁ~ああ、おは…………」

忍「…………」スー スー

阿良々木「………………」

阿良々木「何でこいつ、僕の上に覆いかぶさってんの………」

阿良々木(しかも何か匂いをかいじゃいけないような所が丁度顔の上にあるんだけど………)

阿良々木(ていうか)

阿良々木(忍のロリおっぱいだった)

阿良々木「………いや、何を考えているんだ僕は」

阿良々木「ここは普通に起こすべきだろう、阿良々木暦」

阿良々木「よし」

阿良々木「僕を膝枕している金髪ロリを起こそう」

阿良々木「……忍」

忍「………………」スー スー

阿良々木「おい、忍」

忍「………………」スー スー

阿良々木「起きないとお前の胸の匂いをかいじゃうぞ」

忍「嗅げばいいじゃろ…………」

阿良々木「起きてたの!?」

忍「当たり前じゃ、耳元ならぬ胸元でそんなぶつぶつと喋られたら誰だって起きるわい」

阿良々木「いやそのだな、別にお前の胸の匂いを嗅ぎたくてお前をあんな位置に運んだ訳じゃないんだぞ」

忍「そうか。儂は眠いから影で寝る」スゥーッ

阿良々木「……………」

阿良々木「これ誤解してたら最悪だな………」

忍ちゃん最高

素晴らしい
掛け合いが原作みたいだな
こんな良スレがあったとは…

忍ちゃん可愛い

続行。


阿良々木「さて」

阿良々木「約束通り、忍にドーナツを買ってやるか」

忍「マジで!?儂も行く!」

阿良々木「影で寝るんじゃなかったのかよ………」

忍「睡眠よりもドーナツの方が大事に決まってるじゃろ」

阿良々木「そう……」

阿良々木「じゃ、何だ、お前はドーナツさえ与えていれば24時間ずっと起きてるとでも言うのか」

忍「は?何を当たり前の事を言っとるんじゃお前様。頭でもおかしくなったか。脳内掻き混ぜでもして欲しいのか?」

阿良々木「いや、頭がおかしいのはお前だろ……」

忍「ふん。お前様は何もわかっとらんようじゃの」

忍「って、そんな事はどうでもいいんじゃ!早く行こうではないか、ミスド!」グイグイ

阿良々木「わかったわかった、ちょっと待ってろ」

忍「ちょー、おー、っと。ちょっと待ったぞ、早く行かんか」

阿良々木「お前は子供か!小学生あたりの!」

忍「見た目は子供じゃ」

阿良々木「頭脳は大人、どころじゃないだろ」

阿良々木「……って、あれ、財布どこ行った?」

忍「奴は大切な物を盗んで行きました。貴方の財布です」

阿良々木「おのれルパン!……ってちげえよ!お前も探せ!」

忍「仕方無いのう……」

阿良々木「確かこの辺にあったと思うんだけど……」

忍「ノートの下敷きになってたりはせんのか」

阿良々木「えーと……」ピラッ

阿良々木「無いな」

忍「じゃあベッドの下とかじゃろ……」ゴソゴソ

忍「これでもない、これ……は違うのう、これも違う」ゴソゴソ

忍「あ」

阿良々木「お?」

忍「これではないか?」ズルズルッ

阿良々木「おー、それだそれだ………って、何で僕のエロ本まで一緒に出してんだよ!」

忍「仕方無いじゃろ、途中で引っかかったんじゃ」

忍「ほれ、本人以外が仕舞うと厄介なものなのじゃろ、こういう本は」ポイッ

阿良々木「うおっと」パシッ

阿良々木「僕の大事な本を投げるな」

忍「エロ本が大事な本とか、気持ち悪っ」

阿良々木「う………」


コンコン


月火「お兄ちゃん?なんか話し声が聞こえるんだけど」

阿良々木「!!」ガバッ

忍「む」スゥーッ

月火「誰と話してるの?ちょっと入るよ」ガチャ

阿良々木「………………」

月火「えーっと」

阿良々木「や、やあ月火ちゃん、どうしたんだ、いきなり」

月火「いや、お兄ちゃんの部屋から話し声が聞こえるから何となく来たんだけど………」

月火「何でうつぶせの状態なのかな?」

阿良々木「…………殺人事件ごっこ」

月火「一人で、しかも自分が被害者役って………」

阿良々木「月火ちゃんもやるか?」

月火「いや、遠慮しとくよ」

阿良々木「月火ちゃんが加われば連続殺人ごっこになるんだぞ」

月火「ちょっと待って、私も被害者になれって事?」

阿良々木「そうに決まってるだろ」

月火「犯人役は……?」

阿良々木「犯人がわかってたらつまんないだろ。僕にさえ犯人はわからない」

月火「お兄ちゃん………」

阿良々木「おい、何だその可哀想な人を見る目は。やめろ。実の兄をそんな目で見るんじゃない」

月火「ごめんね、私達姉妹が優しくしてあげなかったからお兄ちゃんはこんな奇行に移っちゃったんだね……」

月火「これからはもっと優しくしてあげるからねお兄ちゃん」

阿良々木「おいちょっと待て」

月火「じゃ、私はこれで」バタン

阿良々木「………………」

阿良々木「………何とかエロ本は隠し通せたな!」

忍「代償としてお前様の立場が『兄』から『可哀想な人』に変わったがのう」

阿良々木「大丈夫大丈夫、明日くらいに適当に言い訳しておけば、きっとすぐに元通りに」

忍「って、そんな事は本っ当にどうでもいいんじゃ!さっさと行くぞ、ミスド!」

阿良々木「あ、そうだった。行くか」

忍「全く、外出すら素早く出来んのか。のろまめ」

阿良々木「…………」


阿良々木宅前。

阿良々木「よし、乗ったな」

忍「しゅっぱーつ!」

阿良々木「さーいえっさー!」ガシャン

忍「ふんふふ~ん♪」

阿良々木「ご機嫌な様で何より」シャー…

忍「うむ、苦しゅうないぞよ」

阿良々木「何だその口調」

阿良々木「ところでさ」

忍「なんじゃ」

阿良々木「お前って何で絆創膏なの?」

忍「……………………」

阿良々木「お前って何で」

忍「聞こえとるわい阿呆!」

阿良々木「じゃあ教えてくれよ」

忍「別に理由などないわ」

阿良々木「なーんだ」

忍「なーにが、なーんだ、じゃ。『そういえば、何で今日は青い髪留めなの?』って程度でとんでもない事を言いおって」

阿良々木「いや、気になったもんだからさ」

忍「という事はあれか?お前様はいつも儂が籠に座っている時に、儂の股間を凝視していたということか?」

阿良々木「いや待て、誤解だ。別に見てなくても風とか揺れとかでちょっと見えちゃったりするんだよ」

忍「仮にそうだとして何でそれをストレートに聞くんじゃろうな………」

阿良々木「別にいいじゃないか。一日中、トイレも風呂も寝る時もあんな時も一緒なんだぜ?この位の質問は大目に見てくれよ」

忍「あんな時ってなんじゃ……」

阿良々木「まあ、そんな事はいいんだよ。で、何で絆創膏なんだ?」

忍「まだ聞くか」

忍「ま、答えてやるかのう」

阿良々木「おおっ」

忍「答えは『理由など無い』じゃ。服を儂のスキルで作る時に、下着を考えるのが面倒だっただけじゃ」

阿良々木「じゃあ何も着けなきゃいいじゃん」

忍「3回くらい死んでみたらどうじゃ」

阿良々木「しまった、思考が口からこぼれてしまった!」

忍「常に垂れ流しだと思うんじゃが……」

阿良々木「なんだよ、人を常に変態発言をしているような言い方して」

忍「そう言っとるんじゃ」

実際阿良々木の変態具合は常軌を逸してるよな
なんだよ眼球舐めたいって…

えっ
眼球舐めてみたいのって割と普通だろ

そういうのいいから

鎖骨はわかる

俺は尾骨かな

恥骨でお願いします

肋骨は俺のだな

なら俺は妥協して他全部

一ヶ月

まだか?

まあだだよ

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