カルピスウォーター「ぼくーどっちかっていうとー亀なんですけどー」

はちみつレモン「おいらも犬ってよりかは熊だな」

コーヒー「お黙りなさい！」

コーヒー「犬でもなんでもこのさいなんでもいいですわ」

コーヒー「それとも畜生、のほうがよろしくて？」

はちみつレモン「畜生？　おいカルピスそいつは一体どういう意味だ」

コーヒー「わからないのなら黙っていなさい」

はちみつレモン「おうそうか。悪かったな」

コーヒー「まぁ、そんなのはどうでもいいですわ」

コーヒー「重要なのはわたくしの人気ですことよ」

カルピスウォーター「にんきー？」

カルピス「それとー。レモン君。畜生って言うのは——」

コーヒー「その話はすでに終ってますわ！」

カルピス「えー？」

コーヒー「あなたは本当にノロマですわね」

カルピス「だってー、かめーだもん」

コーヒー「開き直らないで戴けます？」

コーヒー「ごほん。話の続きをしてもよろしいですか？」

はちレモ「おう。かまわねーぞ」

はちレモ「おいらも少しだけ話したい気分だしな」

コーヒー「わたくしはあなたとは話したくはありませんけどね」

コーヒー「だって、口とか臭そうですもの。目の前で口臭をぶちまけられたら死んでしまいますもの」

コーヒー「だから、距離は三メートルを保ってくださると助かりますわ」

はちレモ「なんで俺らは話を聞いてやろうとしてるのに上から目線でものを言われてるんだ？」

カルピス「さぁー？」

コーヒー「話を続けますわよ」

コーヒー「今回雪印ではオレたちのゆきこたんプロジェクトというのを開催しております」

コーヒー「これが一体なにかと申しますと、雪印コーヒーの公式擬人化キャラクターを決めるものとなっているんです」

カルピス「こうしきぎじんかキャラクター？」

コーヒー「えぇ。そうですことよ。日本人はなんでもかんでも擬人化したがるので本当に困りものですわ」

コーヒー「こういうのをー……なんていうんですか？　変態？」

はちレモ「おいらのことか？」

コーヒー「うるさいですわ。反応しなくてもよろしくてよ」

はちレモ「おう。そうかそりゃ悪いな」

コーヒー「私はその公式キャラクターに成り得ることが出来るかもしれない最後の六人まで残りましたわ」

コーヒー「ここから一名。公式キャラに選ばれるわけです」

はちレモ「よかったじゃねーか」

コーヒー「まだ最後の六人ってだけであって決まったわけではないのでよろこべませんわ」

カルピス「そーかもーねー」

コーヒー「それでも？　6843件の応募があったなかでわたくしが最後の六人に選ばれたことは誇らしいことですけどね」

コーヒー「おそらくは必然的にこうなったのでしょうけど」

カルピス「すごくじいしきかじょー」

コーヒー「しかし、わたくしはトップを取らなくては気がすまないのですわ！」

コーヒー「たかが、最後の六人に選ばれたくらいで満足してはいませんことよ！」

はちレモ「やけに気合はいってるなー」

コーヒー「そこで。あなたたちにはわたくしが人気を得るための算段を考えてもらいたいのです」

カルピス「さんだんー？」

コーヒー「ええ、近々わたくしが表紙になっている雪印のコーヒーが発売されることになっているのですわ」

コーヒー「そのときにわたくしが目立つようなインパクトのある表紙を飾れれば、人気は確実に上がりますわ」

コーヒー「もし成功さえすれば、公式キャラ待ったなしですことよ」

カルピス「じゃあー、ぼくらになにかいいひょうしをかんがえろってことー？」

コーヒー「そういうことですわ」

はちレモ「表紙っていってもなー」

はちレモ「普通にお前のイラストだけじゃだめなのか？」

コーヒー「そらそうよ、ですわ」

カルピス「えー、でもぼくはあいでぃあだすのにじかんかかるしー」

はちレモ「おいらは馬鹿だぞ？」

コーヒー「鼻から期待なんしてませんわ」

コーヒー「ただ、ここにいたのが貴方達二人だったんですから」

訂正　コーヒー「ただ、ここにいたのが貴方達二人だったんですから」×

　　　コーヒー「たまたまここにいたのが貴方達二人だけだったんですから」

コーヒー「てきとうにアイディアを出してみてくださいな」

コーヒー「もしかしたら二人のを繋げ合わせれば良い物になるかもしれませんわ」

はちレモ「おう。じゃあ、考えてみるぜ」

カルピス「まっててねー」

コーヒー「時間はありますわ。待ちますとも」

はちレモ「！　いいのを思いついたぜ」

コーヒー「ず、随分早いですわね」

コーヒー「どうぞ、いってみてください」

はちレモ「熊とお前が相撲をとっているパッケージってのはどうだ！」

コーヒー「……馬鹿ですか？」

コーヒー「なんでわたくしが、そんな華も爽やかさもない相撲なんてしなくてはいけないのですか」

コーヒー「金太郎じゃありませんわよ？」

はちレモ「結構いい案だとおもったんだけどよー」

コーヒー「これじゃあ、わたくしの人気はガタ落ちですことよ」

コーヒー「やっぱり脳筋でしたわね」

コーヒー「代わりにカルピスさん。何か思いつきましたか？」

カルピス「うーんとねー。ちょっとまっててねー」

コーヒー「はい。ごゆるりと考えてくださいませ」

—10分後—

コーヒー「……」

カルピス「うーん」

—20分—

コーヒー「……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

カルピス「うーんとね」

—30分後—

コーヒー「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

カルピス「うーん」

はちレモ「こ」

カルピス「レモンくーん。ちゃかさないでよー」

はちレモ「どうだ！？　面白かっただろ？」

コーヒー「どこも面白くありませんわ！　小学生ですか！」

コーヒー「そんなネタで笑う人種なんていませんわ！」

カルピス「ぼくたち、ひとじゃないよー？　コーヒーちゃんとは違ってぺっとぼとるだし」

コーヒー「お黙りなさい！」ｸﾞｼｬ

カルピス「ふぎゅ」

コーヒー「揚げ足取りは嫌われますわよ！」ｽﾘｽﾘ

カルピス「あぁー。らめぇ。かおはためぇー//」

コーヒー「なに頭踏まれて喘いでいるんですか！」

コーヒー「このまま！　その醜い体のなかにある！　白く濁った液体を！　ぶちまけるといいですわ！」ｽﾘｽﾘ

カルピス「あ、あぁ！」

カルピス「……」ｶﾞｸ

コーヒー「あら。情けないこと」

カルピス「……」

コーヒー「こんなんで体力つきてしまうなんて」

コーヒー「わたくしの下僕にはなれませんわね」

カルピス「スパァァァク！」

コーヒー「」ﾋﾞｸ

はちレモ「お、お前！　まさか！」

カルピスソーダ「さっきから聞いてればよー！　このくそあま！」

コーヒー「な、なんて暴力的な……訴えますわよ！」

カルピスソーダ「なんだ！？　パッケージを考えて欲しいのか？」

コーヒー「そ、そうですわよ」

カルピスソーダ「だったら頼みかたってもんがあるだろーよ」

カルピスソーダ「パパ、ママに教わらなかったか！　ビッチが！」

コーヒー「び、ビッチ！？」

コーヒー「ふ、不潔ですわ！　近寄らないでくださる！？」

カルピスソーダ「近寄るな？　ふざけんな！　萌豚に媚びている分際で！」

コーヒー「これは商売。売れるのであればそれくらい普通に出来ますわ」

カルピスソーダ「なに言ってるんだ阿婆擦れが！」

コーヒー「あば……！」

コーヒー「もう許せませんわ！」

コーヒー「脳内がチンパンジー以下のあなたには戦略なんて言葉はまだ早すぎましたね！」

コーヒー「大体なんですか？　あの白いタイツみたいなのを着たＣＭは」

コーヒー「カルピスソーダ学園でしたっけ？」

コーヒー「あんなのは宣伝にもなりませんわ」

カルピスソーダ「……あんな面白いＣＭなんて、どこの飲料会社にもないだろ！」

http://www.youtube.com/watch?v=7_t2UPNyaIY

コーヒー「確かに斬新かもしれませんけど、白いﾀｲﾂはないですわ」

コーヒー「宇宙人かってんですよ」

カルピスソーダ「大体、お前はＣＭ自体出してないだろ！」

コーヒー「う……」

カルピスソーダ「それに？　俺様のところで起用されている女優たちはどれも清純派」

カルピスソーダ「視聴者受けはめちゃくちゃいーんだよ！」