モバP「あぁ、野球」 (114)

モバマスSSです。

巴「ふっふっふっふ…」

沙紀「と、巴ちゃん。笑い声が不気味っすよ」

巴「これが笑わずにおられるか。新セ界の神が来たんじゃ」

沙紀「あー、そうっすね。うちのピッチャーが高い所に投げるせいで…」

巴「まだ一試合しか出とらんから何とも言えんがのぉ」

沙紀「確かにそうっすねぇ…」

巴「だから、今日の試合がキーポイントになるんじゃ」

沙紀「そうっすね。今日は勝ちたいっすねぇ」

友紀「今年の助っ人外国人は当たりが多いからねー!」

千奈美「アタシの所のルナエルは膝を痛めてしまって心配だわ…」

P「…もうテレビの前で談義するのは慣れたよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373666595

まゆ「まゆのことも早く慣れて下さいね?」

P「うん?そうだな。悪い悪い」

まゆ「別にいいですよぉ」ピトッ

P「…あれだ。仕事に支障が出なきゃ好きにしてくれ」

まゆ「はぁい。まゆはPさんの邪魔はしませんから」

P「ありがとな」

まゆ「撫でてもいいですからね?」

P「はいはい」ナデナデ

まゆ「うふふ♪」

智香「なにしてるんですかー二人とも」

P「お、智香か」

智香「えぇ、智香です。レッスン行ってきますねっ!」

P「あぁ、行ってらっしゃい…」

奈緒「なに、怒らせてんだよ…」

P「うーん。なんでだろうなぁ」

奈緒「殴っていいか?」

P「勘弁してくれ…。あ、そう言えば、この間、奈緒が持ってきた漫画読んだけど面白かったぞ」

奈緒「お、どれ読んだの?」

P「えーと、あれだ……タイトルは忘れたけど」

奈緒「なんだよ、しっかりしてくれよなPさん」

P「悪い悪い。あぁ、ピッチャーのコントロールが良い奴だ」

奈緒「うーん、最近ノーコンのピッチャーのが少ないと思うんだけど…あれかなぁ?」

千奈美(後ろも後ろで賑やかね…)

実況「さぁ、始まりました。ナマーズ対スターズ。先発は仲崎、高碕でお送りしたいと思います」

巴「お、始まったんじゃ」

沙紀「頑張って欲しいっすねぇ」


カキーン

巴「良くやったで、角!」

友紀「あー、失点しそうだね」

実況「さぁ、ここで新外国人のギラ」

巴「おっ!行ったれ!」

カキーン

巴「おぉ!本当に行きよった!」

沙紀「あちゃー…」

友紀「うーん。チェックしておくべきかなぁ…」

巴「うんうん。やっぱり当たりだったんじゃなぁ♪」ニコニコ

沙紀「ま、まだ二点っす」

実況「さぁ、初回に二点ビハインドのスターズ。ここからどう巻き返すか!」

カキーン

沙紀「おー、勢いって凄いっすね」

沙紀(アタシもこの勢いに乗りたいっすね)

友紀「スターズは敵だけどさー。やっぱり二番は山嵜の方がいいと思うんだけど」

沙紀「アタシもそう思うっす」

カキーン

沙紀「おぉ!」

巴「ちょっとは踏ん張れやっ!」

沙紀「ちょっと今からタオル買ってくるっす」

千奈美「後にしなさいよ…」

P「賑やかですねぇ…」

ちひろ「そうですね。活気があるっていいことですよ」

ちひろ(話題が女の子っぽくないですけどね)

まゆ「この間の雑誌のカメラマンさんが言ってましたけど、野球の話が出来る女の子ってポイント高いらしいですよPさん」

P「まぁ…野球にしろ、サッカーにしろ男からしたら趣味が合う子がいいって言う人は多いからな」

まゆ「Pさんはどうですかぁ?」

P「ん?俺かそうだなぁ…」

ちひろ「はいはい。お仕事から脱線してきてますよ。ほら、まだ仕事残ってるんですから」

まゆ「…まゆが手伝えることはないですか?」

P「うーん。ないなぁ…ありがとな」

まゆ「分かりました。なら、お茶汲んできますねぇ」

ちひろ「あ、ありがとねー」

P「さて、あいつらは…?」

このシリーズ最近の楽しみだわ

沙紀「追いついたのはいいんすけど…」

巴「もう、バット振らんでええで!」

フォアボール

沙紀「あー…もう流れが悪いっすねぇ」

カキーン

巴「よう打ったわ!今までのエラーは見なかったことにしてもええんじゃ」

沙紀「あー、逆転されちゃったっす…」

フォアボール

沙紀「あー…」

沙紀「もうこれは辛いっすかねぇ…」

巴「オールスターにも出るし、これからも頑張るんじゃ!」

友紀「まぁ、こういう時もあるって。うん。しょうがないよ沙紀ちゃん。このまま終わりかなー」

千奈美(何故かしら…友紀さんの予想は得てして外れる気がするわ)

友紀「さてとー、キャッツはどうなってるのかなぁ」


五回裏

実況「あーっとランナー飛び出している!」

実況「挟まれたぁ!」

実況「おっと、三塁ランナーも飛び出している!」

実況「飛び出している……。あーっと!悪送球だぁ!」

実況「これは、奇跡ですっ!」

沙紀「と、巴ちゃん…?」

巴「……」プルプルプル

沙紀「そ、そんなこともあるっすよ」

友紀「なんでだろうなぁ…寒気がするんだけど」

千奈美「そりゃ…ねぇ?」

千奈美(今年のスターズとは横浜スタジアムで試合したくないわね…)

P「奈緒は帰らなくていいのか?」

奈緒「んー、ぼちぼちしたら帰るよ。まだそこまで暗くないし」

P「送ってやろうか?」

奈緒「…マジ?」

ちひろ「そんなことやる余裕はないですよ」

P「あ、はい…。ごめんな奈緒」

奈緒「まぁ、アタシらのために頑張ってくれてるんだから何も言えねぇって」

まゆ「奈緒さんも寮に入ればいいのに…」

奈緒「アタシはそこまで遠くないからさ、そこまで寮に空きもないだろうし」

P「今はそこまで逼迫してないけどな」

奈緒「まぁ、それでも実家から通うよ」

P「遅くなったら無理しないでいいからな」

まゆ「まゆの部屋をお貸ししますよぉ?」

奈緒「お、ありがとな」

友紀「PさんPさん…」チョイチョイ

P「ん?なんだ?」

友紀「テレビのリモコンあげるからテレビ消してよ」

P「まだ見てるんだろ?」

友紀「いや、ねぇ…」

千奈美「スコアがスコアなのよ?」

P「スコア?あ…」

P(10-5か…)

友紀「アタシとか千奈美ちゃんが消すと同じリーグの違うチームがファンだからさぁ…」

P「…そういうのがあるのか分からないが、とりあえず分かった」ポチッ

巴「あっ!」

沙紀「消えたっす…」

巴「何するんじゃP!」

P「ほらほら、もうそろそろ送ってやるから帰れよー!」

巴「まぁ、しょうがないんじゃ…。とりあえず現役時代の能村と監督の能村は別人じゃな…」ブツブツ

巴「いや、その前に狭殺プレーが出来ないってどういうことじゃ…。と言うか、なんでサードはランナーに被ったんじゃろうか?」

巴「そもそも、バッターランナー刺せばそれで終わりだったんじゃ!」

P「ほらほら。沙紀は帰れるよな?」

沙紀「も、もちろんっす。あ、Pさん」クイクイ

P「なんだ?」

沙紀「ありがとうございますっす。止めてくれなかったら巴ちゃん泣いてたっす」ボソボソ

P「そうだったのか」

沙紀「そうっす。ちょっと、勝ってるこっちも胃が痛くて…」

友紀「は、早く帰ろうよー!」

千奈美「アタシも早く帰りたいわ…」

P「悪い悪い。それじゃ、ちひろさん送ってきます」

ちひろ「行ってらっしゃーい」

まゆ「行ってらっしゃぁい」

P「…まゆも帰るぞ」

まゆ「はぁい♪」

事務所

P「ただいま帰りました」

ちひろ「お疲れ様です」

P「試合どうなったか分かりますか?」

ちひろ「えーと…17-8ですね。これって野球の試合ですよね?」

P「えぇ、プロ野球の試合です。8点取ってもダブルスコアで負けるなんて凄い試合ですね」

ちひろ「さっき終わったらしいですよ」

P「そりゃ、合わせて25点も取ればそうなりますよ」

ちひろ「ですよねぇ」

>>7
どうもありがとうございます。

若林さんきてる!

翌日

事務所

アーニャ「ドーブラエ ウートラ。プロデューサー」

P「お、おはようアーニャ」

アーニャ「んん。ロシア語にも慣れましたか?」

P「いや、まだまだだよ」

アーニャ「そうですか。頑張って慣れて下さいね」

P「おう。あれ?今日アーニャ仕事あったか?」

アーニャ「いえ、レッスンの予定を入れて貰いました」

P「そうか。それじゃ、終わったらこっちに顔出して貰っていいか?」

アーニャ「ダー。それでは行ってきます」

ちひろ「今度は北海道にでも行くんですか?」

P「えぇ、そうしようかと」

ちひろ「確か…オフの千秋ちゃん今が向こうに…」

P「えぇ、ですからアーニャの家に行ってから、そっちも行こうかと思いまして」

ちひろ「流石に遠いので数泊しなきゃいけませんね」

P「流石にいくらなんでも、海は超えられませんから」

ちひろ「陸続きなら帰ってくる気なんですか…」

P「いやいや…それはないですけど」

ちひろ「冗談ですって。それじゃ、頑張ってきてくださいね」

P「はい。任せて下さい」

アーニャ「ただいま帰りました」

P「あ、お帰りアーニャ」

アーニャ「ダー。それで、なんですかプロデューサー」

P「ん?ちょっとアーニャの家に行きたいと思ってさ」

アーニャ「ダー?」

P「ん?」

アーニャ「何を言ってるんですか?」

P「そのままの意味だよ」

アーニャ「そのままの意味…。ダー。分かりました。ただ、もう少し待ってください」

P「あ、予定合わないか」

アーニャ「予定?と言うより日本では捕まってしまうのであと一年待って欲しいのですが」

P「ん?いや、ただ仕事の報告を」

アーニャ「…ダー。理解しました。えぇ、すぐにでも平気だと思います」カァァ

アーニャ「一応聞いてみますけど…」

P「そうか。それはよかった」

アーニャ「飛行機で行くんですか?」

P「ダー。その通りだ」

アーニャ「ふふっ。面白いですねプロデューサー」


アーニャ「連絡が取れました。プロデューサー。いつでも平気だそうです」

P「お、そうか。それじゃ、明日行くか」

アーニャ「ダー。了解しました」

空港

アーニャ「プリヴェート♪」

P「おはよう。アーニャ」

P「それじゃ、行くか」

アーニャ「久しぶりに飛行機に乗ります」

P「俺もだなぁ」

アーニャ「それでは行きましょうか」

P「あ、ちょっと待って一つお願いがあるんだが…」

アーニャ「なんでしょうか。手短にお願いします」

P「万が一の場合は泊めてくれ」

アーニャ「ダー。貴方に万が一があるとは思えませんが了解しました」

P「ありがとな。それじゃ、行くぞ」

飛行機内

アーニャ「そう言えばプロデューサー」

P「ん?なんだ?」

アーニャ「この間、ユイに聞いたのですが」

P「うん」

アーニャ「プロデューサーは野球をよく、観に行くと」

P「まぁ…行ってるよ」

アーニャ「そうですか…。ヤー、プロデューサー。私は野球はルール程度しか分かりません」

P「まぁ、女の子だしな」

アーニャ「…?事務所の皆も女の子ですよ」

P「あぁ。そうだなー…何て言うかな、趣味は人それぞれってことだ」

アーニャ「ダー。理解しました」

P「そう言えばさ、野球選手にスタルビンって言う選手がいたんだよ」

アーニャ「ダー?」

P「ロシア人の野球選手だったんだけどな」

アーニャ「そうなんですか」

P「その人はさ、身長が190センチ以上もあって、尚且つ才能溢れていたが、その才能故に脅されて自由に野球が出来なかったんだ」

アーニャ「…可哀想ですね」

P「それでも、彼はプロ野球選手として偉大な記録を打ち立てたたんだ」

アーニャ「凄いですね」

P「あぁ、凄いと思う。その功績を讃えて、スタルビン球場と言う名前の球場があるんだ」

P「ちなみにアーニャの家の近くだぞ?」

アーニャ「へぇ…知りませんでした」

アーニャ「……プロデューサー」

P「なんだ?」

アーニャ「プロデューサーは私には才能があると思ってアイドルにスカウトしたんですよね?」

P「そうだよ」

アーニャ「スパシーバ、プロデューサー。私は自分の望む場所でアイドルをすることが出来ています。望まぬ地でやらなければならなかったその方の分までロシア人として頑張りたいと思います」

P「頑張ってくれよ?」

アーニャ「ダー」

アーニャ「それでですねプロデューサー」

P「ん?」

アーニャ「異国の地でその人がそこまで熱中した野球と言うものに少し興味が湧いてきました」

P「そうか」

アーニャ「……むぅ」プクー

P「悪い悪い。それじゃ試合観てみるか」

アーニャ「…!えぇ、そうしましょう!」

P「分かった。こんな時のためにそういう予定も立てておいた」

アーニャ「わぁ、準備いいですね」

P「プロデューサーだからな」

空港

P「やっぱり夏はどこでもそれなりに暑いよな」

アーニャ「ダー。それはしょうがないと思います。四季の移り変わりがあるんですから」

P「その通りだな」

アーニャ「して…どのように動くのですかプロデューサー」

P「えーとだな、先に野球の試合を見ようか」

アーニャ「ダー。いきなりメインですね。分かりました」

P「メインはアーニャの家だけどな」

アーニャ「細かいことはいいんです」プイッ

球場

アーニャ「広いですね」

P「広いなぁ…」

アーニャ「芝がびっくりするくらい青いですね」

P「人口芝だしな。あそこで滑ったら痛そうだ」

アーニャ「痛いんですか?」

P「まぁ、コンクリの上に敷いてるわけだし」

アーニャ「ダー。関節に負担掛かりそうですね」

P「プレーしたことないけど、そんな気もするなぁ…」

アーニャ「あ、選手が出てきました」

P「そうだな。お、大峪も出るな」

アーニャ「…誰ですか?」

P「あの、背の高い選手だよ」

アーニャ「私から見れば皆背が高いのですが…、あ、あの人ですね」

P「そうそう。外野手として頑張ってるんだよなぁ」

アーニャ「プロデューサー?私の目が正しければピッチャーって書いてありますが…」

P「あ、本当だ」

アーニャ「間違いですか?」

P「いや、合ってるだろうけど」

P(もう一軍で登板するのか。最近そういうニュースは見てなかったからなぁ)

アーニャ「プロデューサー?」

P(しかし、通用するのかなぁ…)

アーニャ「…むー」ツンツン

P「あ、悪い悪い。なんだ?」

アーニャ「私は、ルールも怪しいんですから。ヤー。あなたに黙られると困るんですよ」

P「悪い悪い。ごめんな」

アーニャ「投げた球をあの棒で打ち返せるってのは凄いですね」

P「そう言われると凄いな」

アーニャ「それにあのオオタニと言う投手の球は速いですね」

P「速いなぁ」

P(ブランティンも三振してたし)

カキーン

P「あっ」

アーニャ「打たれましたね」

P「まぁ、打たれるのはしょうがないしな」


カキーン

アーニャ「よく飛びましたね」

P「そうだな。やっぱり、プロって凄いよな」

アーニャ「えぇ。見ていてそれは思います」

P「アーニャもだぞ?」

アーニャ「……?」

P「アーニャもアイドルとしてプロじゃないか」

アーニャ「…スパシーバ。精進します」

P「しかし、これだけの球を投げても甲子園には出てないからなぁ」

アーニャ「コウシエン?」

P「高校野球の大会なんだけどな」

アーニャ「それは…何かの陰謀が?」

P「いや、普通に勝てなかっただけだな。一度負ければ終わりだからさ」

アーニャ「…厳しい世界ですね。私達が、いる、世界も、一度負ければ二度とチャンスが、来ないものもありますから頑張らなきゃ、いけないですね。頑張りましょう」

P「そうだな」

カキーン

P「お、一点返したな」

アーニャ「反撃開始ですね」

アーニャ(ワクワクしてきました…)

P「どうしたアーニャ?」

アーニャ「ただ、投げられた球を打つのを見ているだけですが、こんなにワクワクすると思いました」

P「そうかそうか。それじゃ、更に球場の醍醐味を味わおうか」

アーニャ「シトー?」

P「ちょっと付いてきてくれ」

アーニャ「ヤー」

是非とも日本シリーズまでやってほしい

アーニャ「お弁当ですか…?」

P「そうそう。ここでしか買えないから風情があると思ってな。思えばご飯食べてないだろ?」

アーニャ「まぁ、確かに食べてませんけど…」

P「お金とか気にしなくていいからな」

アーニャ「スパシーバ、プロデューサー」

P「俺は…そうだなぁ…」

P(折角北海道に来たことだし海鮮系を食べるか)

アーニャ「ヤー決まりましたプロデューサー」

P「お、どれにする?」

アーニャ「私は蟹のちらし鮨にしようかと思います」

P「お、アーニャも海鮮系か。俺もいくらの乗った鮨にしようかと思ってたんだよ」

アーニャ「気が合いますね」

P「そうだな。それじゃちょっと待っててな買ってくるから」

アーニャ「ありがとうございます。プロデューサー」

このアーニャんは、再現度というかセリフうまいな。
おれ、かんしん。

P「それじゃいただきます」

アーニャ「いただきます」

P「うん。美味しいなぁ。流石北海道」

アーニャ「ヤー。こちらも美味しいです」

P「こっちのも食べてみるか。ほれ」

アーニャ「…このまま食べていいんですか?」

P「ん?あ、ごめん俺の使った箸だもんな」

アーニャ「いいです。気にしないで下さい。私も気にしませんので。……あむ」カァァ

アーニャ「ハラショー。素晴らしいです。美味しいですね。それでは私のも」

P「ん?ありがとな。ってどうしたこの箸は?」

アーニャ「プロデューサーもこうしていたので」

P「いいのか?」

アーニャ「早くしないとあげませんよ?」

P「でも…」

アーニャ「ニェ スチェシニャーエシシャ。遠慮しないで下さい」

P「それじゃいただきます。…おぉ!美味いな!」

アーニャ「ダー。私もそう思います」

アーニャ「中々点数入りませんね」

P「お互い負けたくないからな」

アーニャ「確かに私たちもライブバトルで負けたくないですね」モグモグ

P「そうだよな。お、名方だ」

ショウブキメルヒトフリ チトアセノクンショウ〜

カキーン

P「おっ!」

アーニャ「わぁ…。これってなんて言うんですか?」

P「ホームランだよ。ホームラン」

アーニャ「カッコいいですねホームラン」

P「あぁ、野球の醍醐味だよな」

アーニャ「皆さんも盛り上がってますね」

P「そうだな。それじゃ、そろそろ行こうか」

アーニャ「え、まだ試合は続いてますよ?」

P「そうだけど、あくまで目的はアーニャの家に行くことだからな。余り遅くなっても悪いし」

アーニャ「ダー。なるほど。分かりました」シュン

P「また、事務所戻って時間あったら行こうな」

アーニャ「…スパシーバ。プロデューサー」

アーニャ「少しだけですが、野球の楽しさを理解できた気がします」

球場

P「ここからどう行けば近いかな?」

アーニャ「近くまでバスが出ているので…あ、もうないですね」

P「それじゃ、タクシーで行こうか」

アーニャ「ヤー。そうしましょうか」

車内

P「そう言えば、ご両親はどちら共いるのか?」

アーニャ「恐らくいると思います。プロデューサー。変な所はないでしょうか?」

P「平気だよ」

アーニャ「スパシーバ」

P「しかし、緊張するなぁ…」

アーニャ「フショー フ パリャートケ。問題ないですって。どちら共日本語喋れますし」

P「なら良かった」

アーニャ「もちろん。どっちもロシア語も話せますよ?」

P「俺と話す時は是非日本語でお願いしたいな」

アーニャ「ヤー。了解しました」

アーニャ「ここです」

P「お、ありがとう」

P(普通の日本の家だな)

アーニャ「プロデューサー?」

P「あぁ、悪い悪い」

アーニャ「プリヴェート」

アーニャ母「ダブロー・パジャーラヴァチ。お帰り、アーニャ」

P「こんばんは」

アーニャ母「プリヴェート、プロデューサーさん」

P(アーニャに似てるなぁ…)

アーニャ父「キミがプロデューサーくんか」

アーニャ「プリヴェート、アチェーツ」

P「あ、こんばんは。ご無沙汰してます」

アーニャ父「ささ、早く来たまえ」

P「え、あ、はい」

P「あ、あの…?」

アーニャ父「お酒はいけるかい?一人で飲むというのは寂しくてね」

P「は、はぁ、まぁ好きですけど」

アーニャ父「…東京に帰る便はないだろうからここに泊まっていけばいい」

P「いいんですか?」

アーニャ母「えぇ、私たちはそのつもりでした」

アーニャ「そうなの…?」

アーニャ父「Он любит его? 」

アーニャ「なっ…」カァァ

P「どうしたんですか?」

アーニャ父「なに、家長が言ったことだからいいだろ?って意味ですよ」

アーニャ母「うふふ…」

アーニャ「も、もう…」

アーニャ(プロデューサーが気づいてないからいいけど…)

P「ならお言葉に甘えまして…」

アーニャ父「それでは、乾杯」

P「あ、はい。乾杯」カンッ

アーニャ父「ふむ。意外そうな顔をしているね。別にロシアでは常にウォッカを飲んでいるわけではないですよ」

P「あ、そうなんですか」

アーニャ父「欲しいならあるが?」

P「い、いえ、それはまだ…」

アーニャ父「まだ。かね…ふふ」

アーニャ「楽しそうですねアチェーツ」

アーニャ母「楽しみにしてたもの。あなたたちが来るのを」

P「あ、それでは、アナスタシアさんがどんな仕事をしてきたかを——」

アーニャ父「あ、うーん。そうだな。手短に分かりやすくな」

P「えぇ、そのためにちゃんと分かりやすい資料を作ってきました」

アーニャ父「アルコールを体に入れてもケロリとしてるんだなキミは」

P「仕事が終わるまではプロデューサーですから」

アーニャ父「カッコいいことを言うね」

アーニャ(若干焦点が合ってない気がするけど…)

P「えぇ、それでは、こちらの資料をご覧ください」

P「——以上のようにまだ日は浅いながらも、そのルックスやその他諸々を活かし徐々に仕事が増えている状態です。私はアナスタシアさんをプロデュース出来て光栄です」

アーニャ(絶対酔ってる…)カァァ

アーニャ父「そこまで言うか。なるほど。これからも頼むよ。…これでキミの仕事は終わりだな?」

P「そうですね」

アーニャ父「よしっ、ウィスキーと洒落込もうじゃないか」

P「お酒と洒落って微妙に違う字ですよね」アハハ

アーニャ「プロデューサー、大丈夫?」

P「ん?平気だぞ」

アーニャ父「そうだぞ。これから男の会話をするからアーニャは寝なさい」

アーニャ「…よくわからないけれど、スパコイナイ ノーチ。おやすみ」

アーニャ父「スパコイナイ ノーチ」

P「おやすみ」

アーニャ父「それでなんだが」

P「はい。なんでしょうか」

アーニャ父「キミは本当にお酒が強いんだな」

P「いえ、上等なものを頂いているからですよ」

アーニャ父「面白いことを言うもんだね。それで…どうだ、ウチのアナスタシアは?」

P「真面目で仕事も精力的にこなすいい子ですね」

アーニャ父「ふむ。真面目なんだねキミは」

P「そうですか?」

アーニャ父「てっきり仕事が終わったから本当のキミが見えると思って期待したんだけどね」

P「……どういうことを期待されてるか分かりませんが。私は絶対にアナスタシアさんをトップアイドルにしてみせます」

アーニャ父「今はまだそれでいいか。頼みますよ」

P「ニエ ザ シトー。どういたしましてでしたっけ?」

アーニャ父「あぁ、中々いい発音じゃないか」

P「ありがとうございます。あ、お酒どうぞ」

アーニャ父「お、済まないね」

アーニャ父「さて、そろそろ寝るとするか」

P「えぇ、そうしましょうか」

アーニャ父「キミの寝床に案内するから付いて来たまえ」

P「わざわざすみません」

アーニャ父「ここだ。布団は…ここにある」

P「準備いいですね。ベッドの下に敷いておいて引っ張り出すだけなんて」

アーニャ父「備えあればという奴だ。あ、そうだちょっと耳を貸してくれないか?」

P「はい?」

アーニャ父「もし、アーニャがキミに——」ヒソヒソ

P「はぁ、そんなことはないと思いますけど」

アーニャ父「どうかな?きっと、あの子は今ならドゥリャー・ミーラバ・ドゥルシュカー・セーミ・ビョールスト・ニェ・アコーリツァだよ。おやすみ」

P「はい。おやすみなさい」

P「さて、寝るか…」

翌朝

P「う…頭痛い」ズキズキ

P(昨日どのくらい飲んだっけ…?)

P「えーと、ウィスキーと、焼酎と…」

P(途中からロックだったしよくこんな時間に起きれたなぁ…)

アーニャ「…ん」ゴロン

P「ん?」

アーニャ「……ん」ギュー

P(広島でも似たようなことあった気がするなぁ)

アーニャ「…ん?」

P「おはよう。アーニャ、可愛いパジャマなようで」

アーニャ「……ドーブラエ ウートラ。どういうことですか」

P「どういうことなんだろうなぁ…」

アーニャ「な、なんでそんなに落ち着いているんですかっ!」カァァ

P「いや、なんでだろう」

アーニャ「…ああ、分かりました。昨日寝ぼけてプロデューサーの布団に入ってしまったみたいですね」

P「そうなのか」

アーニャ「とりあえず、部屋から出て貰えますか?」

P「あ、ごめん」

アーニャ「いえいえ、気にしないで下さい」

P「それじゃ」バタンッ

アーニャ「———っ!」バタバタバタ

アーニャ(うう…恥ずかしい)カァァ

アーニャ「変な顔じゃなかったかな?」

アーニャ(髪とかハネてなかったかな?)

アーニャ「…過ぎたことは仕方ないのかな」ハァ

ガチャ

アーニャ「すみません。それでは朝食にしましょうか」

P「そうだな」

アーニャ父「おぉ、ドーブラエウートラ。二人とも一緒に起きたのかい?」

アーニャ「昨日、プロデューサーを私の部屋に入れたの?」

アーニャ父「おぉ、すまない。昨日は酔っぱらっていたんでな」

P(酔っぱらってる人が布団を予め準備しておくものなのか?)

アーニャ「……ならいいけれど」

P「私の寿命が縮みましたよ…」

アーニャ父「ははは。それはすまんね。昨日はキミのおかげで楽しい夜が過ごせたよ」

P「それはよかったです」

アーニャ父「月一程度で来てくれると嬉しいのだけどね」

P「流石にそれは…」

アーニャ父「ははは。何なら正月とクリスマスに来てもらってもいいな」

P「あははは…」

アーニャ「何を言ってるの…アチェーツ」

アーニャ「そう言えば、今日はどうするんですか?」

P「そうだな。ちょっと行くところがあってな」

P(あとで千秋に連絡しなきゃな…)

アーニャ「…プロデューサー」

P「ん?どうした?仕事は少しだけ余裕を取ってあるから親孝行しておけよ?」

アーニャ「あ、いや、それはするんですけど…」

P「それじゃ、どうした?」

アーニャ「昨日話したこと覚えていますか?」

P「…どの話だ?」

アーニャ「私は望んでアイドルをやっているという話です」

P「あったな、そんな話」

アーニャ「ダー。その通りです。私はあなたを信じる。あなたも私を信じてくれていることが昨日今日でより理解することが出来ました」

アーニャ「アイドルは皆のナジェーダです。トップへの道は高く険しいでしょう」

アーニャ「しかし、私と貴方であればきっとトップになれます」

アーニャ「そして、シャースティエ…し、幸せになれると思います」

P「そうだな。頑張ろうなアーニャ」

アーニャ「ダー。よろしくお願いします」

アーニャ「あ、それと——Я люблю вас 」ニコッ

アーニャ「それでは、失礼します。お仕事頑張って下さい」

P「お、おぉ」

P「……なんだかなぁ」ポリポリ

P(ヤー・リューブリュー・バスか…)

P「本当にお父さんが言ってた通りになったなぁ」

P「私はあなたを——ってか」

P「あー恥ずかしい」カァァ

P「そ、それじゃ、切り替えて千秋の実家へ行くとするかっ!」

読んで貰ってありがとうございます。
書き溜めがここで終わったんですが、
どうしましょうか。北海道は千秋で書く予定なんですけど、このまま続けた方がいいんですかね?
ここまでで今までと同じ位の文章量になので、このまま続けるとくどい気もするんですが…。

>>39
エロ!!!


好きにすれば良いと思うけど
俺は読みたい

>>53
おれもよみたいが、書く人のきもちがだいじ。
やりたいように、やって。

シリーズものは話数が増えるごとに、まとめサイトでは閲覧が減るそうな
区切りがいいなら纏めるのもありじゃない?

分かりましたー。
とりあえず、今から書き溜めてきます

でも、とりあえず一区切りついたので少し解説を。

ドゥリャー・ミーラバ・ドゥルシュカー・セーミ・ビョールスト・ニェ・アコーリツァ
「愛する人のためなら七露里もまわり道でない」
というロシアの諺ですね。

乙、そして待ってますっ☆

今日の夜には何とか更新できそうです。

最後にアーニャが言った
『Я люблю вас』
とは、愛しいとかそんな意味があったと思います。

ひゃっほーう☆
今夜はこのSSとプロフェスで盛りあがるよーっ☆

P「あ、もしもし千秋か?」

千秋『えぇ、そうよ。なにかしら?』

P「以前話した件なんだが…」

千秋『あぁ、私の実家に来るという話だったわね。構わないわよ』

P「そうか。それはよかった。今北海道にいるんだけどさ」

千秋『…随分と来るの早いわね』

P「まぁ、色々あってな」

千秋『仕事?』

P「どうだろう…」

千秋『どちらにせよ何かしらの理由でこっちにいるわけね。今すぐ迎えに行くわ。どこかしら?』

P「えーと、スタルビン球場なんだが…」

千秋『…どこかしら?』

P「えーと野球場だよ」

千秋『どうしてそんな所に?』

P「いや、バスの関係でここにしか停まらなくてさ」

千秋『分かったわ。それじゃそこから動かないで頂戴』

P「え、いや、最寄り駅までこっちから行くぞ?」

千秋『いいから動かないで。それじゃ』ピッ

P「……なんでだ?」

P「やることがない…」

P(あ、そうだ。昨日の匂いを消すためにガム噛んどかないと)

P「…ん?」モグモグ

P(大きい車だなぁ。なんか風景と合わないけど)

P(あ、停まった)

P「なんだろう?道にでも迷ったのかなぁ?」

ガチャ

千秋「全くなんて所にいるのよ…」

P「お、なんだ千秋か」

千秋「えぇ、そうよ。数日振りねPさん」

P「そうだな。どうだ親孝行出来てるか?」

千秋「親が満足してくれているか分からないけどそれなりにはね」

P(しかし、大きな車だなぁ…)

千秋「…ん?あぁ、車?北海道は広いから大きい車が必要なのよ」

P「いや、そりゃそうだろうけど」

P(それなら普通の乗用車でよくないか?)

千秋「まぁ、いいわ。それより早く乗って」

P「あぁ、分かった」

千秋「それじゃ、出して頂戴」

運転手「了解しました」

P「運転手がいるのか」

千秋「流石にPさんを探しながら運転する自信は私にはないもの。それにこの車を傷つけでもしたら大変だからね」

P「なるほどなぁ…」

P(運転手がいるのも広島以来だなぁ…)

千秋「思ったより元気そうね」

P「元気だよ」

千秋「アイドルの前じゃ弱ってる所を見せられないって感じかしらね?」

P「さぁね」

千秋「とぼけなくてもいいわ。付き合い長いんだから」

P「まぁ、そうだな…」

千秋「えぇ、だから私の前だけでもリラックスしたらどうかしら?」

P「お言葉に甘えて少し寝させて貰うな」

千秋「少しは素直になったのね。おやすみなさい」

P「おやすみ」

千秋「Pさん起きて」

P「…ん、あぁ、悪い悪い」

千秋「着いたわ。改めて私の家へようこそ」

P「大きい家だな」

千秋「そうね。でも、私の力が凄いわけじゃないわ。あっ、決してあなたの力が足りないと言っているわけじゃ…」

P「大丈夫言いたいことは分かってるから」

千秋「ならいいけれど…。あ、そうそう。私の両親に会うのは今晩でいいかしら」

P「構わないけど…」

千秋「丁度今夜パーティがあるからその時に簡単に話してくれないかしら」

千秋「私の親はアイドル活動に好意的だから平気よ」

P「ならいいが…って俺スーツしか持ってないぞ?」

千秋「スーツでも構わないけれど、折角私もめかし込んだドレスを着るから、Pさんの服も私が用意したものを着てくれないかしら?」

P「千秋が言うならそれで」

千秋「決まりね」

P「しかし、俺がパーティか。場違いじゃないかな…」

千秋「平気よ。だってアナタは私のプロデューサーなんだから」

P(理由になってるかそれ?)

千秋「と、とりあえず、家に着いたけれど寛いでいて構わないわよ?久々に仕事から解放されたんだし」

P「いや、さっきのでだいぶ楽になったよありがとう」

千秋「そう。それじゃ、ちょっと付き合って貰おうかしら」

P「別に構わないが…」

千秋「そ、それじゃ少し待ってて。準備するから」

ピリリリ

P「はい。Pですが」

ありす「あ、こんにちは。橘です」

P「あぁ、どうした?」

ありす「はい。昨日のニュースはご覧になったでしょうか」

P「ニュースか。観たぞ」

ありす「野球のニュースは見ましたか?」

P「いや、そこまで目を通せてないなぁ…」

ありす「そうですか。丁度良かったです」

P「何がだ?」

ありす「いえ、朝尾選手が復帰したという話を一番最初にお伝えすることが出来たので」

P「おー、もう投げてるのか」

ありす「はい。大差が付いていた中での登板でしたがきっちり三人で抑えていました」

P「そうか。良かったな。間に合って」

ありす「えぇ、…あとは監督に潰されないことを願うのみです。それでは失礼します」

P「あぁ、じゃあな」

千秋「誰から?」

P「ん?橘さんからだよ」

千秋「橘さんから?何かあったの?」

P「いや、そんなことはないよ。ただ律儀に報告してくれただけだよ」

千秋「報告…?」

P「自分の好きな選手が登板したから見て下さいってさ」

千秋「随分と可愛いこと言う子ね」

P「まだ小学生だしな」

千秋「そうね。それじゃ行きましょうか」

P「行くってどこに?」

千秋「買い物よ。ストレス発散しましょ」

P「お、これなんかどうだ?」

千秋「あなたは自分のものを買わないの?」

P「まぁ、俺のことはいいから、千秋のストレス発散だし」

千秋(私は、Pさんのストレスをと思ったんだけどね)

P「まぁ、俺の疲れなんて千秋の笑顔見てればすぐに吹っ飛ぶさ」

千秋「そう。随分と便利な体ね」

P「そうか?」

千秋「えぇ、そうよ」

P「あ、これなんかどうだ?」

千秋「私にこれが似合うとでも?」

P「可愛いじゃないか?」

千秋「キャラじゃないわ」

P「そうなのか。似合いそうだったんだけどな。それなら次行こうか」

千秋「…えぇ、そうしましょうか」

千秋「あ、そうだ。ちょっと待ってて貰っていいかしら」

P「ん?忘れ物か?」

千秋「ちょっと頼まれ物があったのを忘れていてね」

P「そうか。ここにいるから行ってきていいぞ」

千秋「えぇ、そうするわ」

千秋「可愛いか…」ボソッ

千秋(そんなこと言われてもどう反応していいかわからないじゃない…)

千秋「そういう言葉は得意じゃないのに…」

千秋「でも…。折角言ってくれたんだし…」

千秋「あの、すみません——。これ下さい」

千秋「待たせたわね」

P「いや、平気だけど」

千秋「そう、なら行きましょうか」

P「さっき行った洋服屋で頼まれた物があったんだったら、行った時に思い出してたらよかったな」

千秋「えっ、えぇそうね。私としたことが少し抜けていたようね」

P「もう平気か?」

千秋「えぇ、問題ないわ」

千秋「…こうやって漫然と過ごす時間も悪くないわね」

P「そうだな。北海道は時間がゆっくり流れてる気がするよ」

千秋「私もそんな気がするわ。たまにはいいわね。たまには」

P「気が合うな」

千秋「誰だってそう言うわ」

P「千秋…」

千秋「ふふ。冗談よ。嬉しいわ」

P「それは良かった」ホッ

千秋「そう言えば、一つ誤解があるかもしなれいから言っておくわね」

P「どうした?」

千秋「私だって可愛いものは嫌いじゃないのよ?Pさん」

P「これ変じゃないか?」

千秋「えぇ、よく似合ってるわ」

P「ならいいけど…」

千秋「やっぱりビシッとすれば決まるものね」

P「一応プロデューサーだし、俺がみすぼらしくて千秋達が恥ずかしい思いをさせたくないし」

千秋「私たちの中でそんなことを思ってる人なんていないわよ」

P「ありがとな」

千秋「本心だもの。お礼を言われる筋合いはないわ」

千秋「あぁ、言い忘れたけど、今日は私だけのプロデューサーだから、しっかりとしているのよ」

P「わ、分かった」

千秋「私の隣にいるんだからそれくらいして貰わないと困るわ。いずれは共に高みを目指すのだから」

パーティ会場

P「こうして見ると千秋ってお嬢様だよな」

千秋「もし、仮にそうだとしてもお嬢様扱いはしないでイイわ」

P「しないさ、アイドルとプロデューサーの間柄だからな」

千秋「あなたのそういう所、嫌いじゃないわ」

P「ははは…それはどうも」

千秋「一度は会ったことあるとは思うけど、父と母よ」

千秋父「こんばんは。急にパーティに参加させてしまって申し訳ないね」

P「いえ、楽しませていただいています」

千秋父「ならいいのですが」

P「はい」

千秋父「このパーティが終わる頃には飛行機もないので、今日は是非泊まっていって下さい」

P「よろしいんですか?」

千秋父「えぇ、千秋のプロデューサーさんですからね」

P「ありがとうございます」

千秋父「今丁度挨拶が終わった所です。それではお話をあちらで伺いましょうか」

P「は、はい」

P「それでは、最近の黒川千秋さんのお仕事についてお話させていただきます」

千秋父「はい」

P「黒川さんは最近徐々に営業が実ってきたのかメディアへの露出が増えてきています」

千秋父「そうですか」

P「得意としている歌も評価が高く、近いうちにそちらの方面でも押していきたいと考えています。これがその資料です」

千秋父「これはこれは、どうも」

千秋父「正直私は、千秋にはやりたいようにやらせようと思っているんですよ」

P「なるほど」

千秋父「学業と両立出来ているようですしこれからも頼みますよ」

P「はい。こちらこそ」

千秋父「時にプロデューサーさん」

P「はい。なんでしょうか?」

千秋父「千秋は私が言うのは変かもしれないが、かなりの欲張りですよ?」

P「は、はぁ…」

P(どういう意味だろう)

千秋父「さて、戻るとしましょうか」

千秋「お帰りなさい。どうだった?」

P「ん?千秋が言ってた通り問題なかったよ」

千秋「そう。良かったわ」

P「一つ聞いていいか?」

千秋「なにかしら?」

P「千秋って欲張りなのか?」

千秋「……はい?」

P「って親父さんが言ってたんだ」

千秋「…ふふ」

P「千秋?」

千秋「えぇ、欲張りよ。地位も名声もそれ以外も全て手に入れたいじゃない」

P「まぁな」

千秋(その中にはアナタも入っているのだけれど)

P「千秋はお酒とか飲むのか?」

千秋「嗜む程度ね。残念?」

P「別に残念なんて言わないさ」

千秋「あなたに介抱されるのも悪くないかもしれないわね」

P「おいおい…」

千秋「あなたが父と話している間にもう粗方挨拶は済ませたわ」

P「そうなのか」

千秋「えぇ、だから今からは私とアナタだけの時間よ」

P「そっか」

千秋「釣れないわね。アイドルと飲めるのよ?」

P「酔ってるのか?」

千秋「いいえ。そんなことはないわ」

P「そうか。ならいいけど」

千秋「静かな場所があるのよついてきて」グイッ

P「あ、あぁ」

P(酔ってそうだなぁ…)

千秋「…ふふ。久々に気持ちいい気分よ」

P「そうか」

千秋「お酒がないのかしら?」

P「いや、ちゃんと持ってるよ」

千秋「ちょっと頂いていいかしら?」

P「あ、あぁ…でも、強い——」

千秋「ちょっとなら平気よ。——ん。ぷはっ」

P「そんな勢いよく飲むなって」

P(ウィスキーのショットなんだけど…。まぁ、ほとんど俺が飲んでたから中身はなかったから平気かな)

千秋「大丈夫よ」

P「無理するなよ」

千秋「平気よ。ふふっ」

千秋「一つ話を聞いて貰っていいかしら」

P「あぁ」

千秋「私、アナタと一緒だからアイドルの楽しさに気づけたわ」

千秋「昇りつめても先がある。そして、アナタについていけばその先に行けると信じているわ」

千秋「でもいつまでもアナタに頼り切りにはならないわ」ゴクッ

千秋「私はPさんから貰った羽でどこまでも羽ばたいてみせるわ。そして、あなたに新しいステージを見せてあげる」

P「期待してるぞ」

千秋「えぇ、期待して貰って結構よ。——ただ、一つお願いがあるわ」

P「なんだ?」

千秋「私は自分のプロデューサーとして、Pさんを選んだの。私を誰よりも高めてくれると信じたから。だからPさんも信じて。私が高く飛べることを」

P「あぁ、そんなものスカウトした時から信じてるさ」

千秋「ふっ、そうだったわね」ストンッ

P「ん?どうした?」

千秋「……ん」スゥ

P「寝ちゃったか」

P「俺も頑張るよ千秋」

千秋「……ん」スリスリ

P(その前にこれをどうしようか…)

千秋「……ここはどこかしら?」キョロキョロ

千秋(私の家ね…)

千秋「……っ!」

千秋(頭が痛い…なにかしたかしら…)ズキズキ

P「お、目が覚めたか」

千秋「その声はPさん?」

P「水置いとくからちゃんと飲んでしっかり寝ろよ」

千秋「迷惑かけたかしら?」

P「いや、特にそんなことはない」

千秋「ならいいけど…」

P「それじゃ、おやすみ」

千秋「えぇ、おやすみなさい」



P「さて…明日の予定はと。仕事は明後日からだからいいとして…」

翌日

P「お、おはよう」

千秋「おはよう」

P「……ん?」

千秋「なにかしら」

P「意外に可愛いパジャマなんだな」

千秋「……っ!」カァァ

P「俺が昨日選んだ服も意外と好きだったりしたんじゃないか?」

千秋「い、いいじゃない別に。私だってオフは普通の女の子なんだから」

P「うん。そうだよな。別にいいと思うよ」

千秋「一つ聞いていいかしら?」

P「どうした?」

千秋「私昨日本当に何か言ってなかった?」

P「まぁ、うん。それなりにだな」

千秋「記憶が曖昧なのよね…」

P「そう言えば、そろそろ——」

千秋「えぇ、帰るわ」

P「そうか。まぁ、明日から仕事だもんな」

千秋「どうせなら一緒に帰らない?」

P「そうだな」

千秋「ちなみに何時の便で帰るつもりなの?」

P「まだ決めてないな」

千秋「そう…。まぁゆっくりしていきたいならしていってもいいわよ?」

P「ありがとな」

ピリリリ

千秋「あ、電話。誰かしら?」

千秋「はい。黒川…なに、友紀?どうしたの?」

友紀『いや、暇なら野球に誘おうかと思って』

千秋「私、今北海道よ?」

友紀『あちゃー、北海道じゃ流石に大変だね』

P「友紀から電話か」

友紀『ん?Pさんと一緒にいるの?』

千秋「ま、まぁ偶然ね」

友紀『北海道で偶然会うなんて凄いねー』

千秋「まぁ、そうね」

友紀『Pさんに代わってくれる?』

千秋「えぇ、分かったわ。Pさん、友紀からよ」

P「ん?あぁ、友紀どうした?」

友紀『あー、Pさんちょっとお願いがあってさ』

P「うん」

友紀『千秋ちゃんを野球好きにしてよー』

P「興味ない人に無理やり勧めるなよ?」

友紀『いや、興味ないってことはないって。チラチラ見てたし』

P「そうなのか」

友紀『うんうん。それで一回球場にPさんと行けば野球好きになるよ』

P「まぁ、分かった」

友紀『うん。それじゃよろしくねー』ツーツー

P「切れた…」

千秋「相変わらず勝手ね…」

P「あ、そうそう。今日の予定なんだがな」

千秋「えぇ」

P「札幌で野球観てから飛行機で帰ろうかと…」

千秋「野球?」

P「そう野球。見ていくか?」

千秋「まぁ、別に行ってもいいけれど…」

P「どうかしたのか?」

千秋「余り詳しくないのよね。触れる機会もなかったし」

P「でも友紀がチラチラ見てたって…」

千秋「だって、事務所でワイワイ話してたら気になるじゃない」

P「確かにそうだな」

千秋「でも、友紀に野球の振ったら十倍くらいで返ってきそうで話す気になれなかったのよ…」

P「まぁ、その気持ちは分からんでもない」

千秋「そうでしょう?まぁ、アナタがどうしてもと言うから付いて行ってあげるわ」

P「それじゃ行くか」

千秋「ああいう場所に行く場合って何かいるのかしら…?」

P「難しく考えなくていいと思うぞ。楽しむことが重要だからさ」

千秋「そうね。アナタが言うならそうなんでしょうね」

球場

P「とりあえず、長引いたら途中で帰るとして」

千秋「その辺りはアナタに任せるわ」

P「あぁ、任せてくれ」

千秋「しかし、なんだか独特の雰囲気があるわね」

P「それは俺も思うな」

千秋「ねぇ…。誰に注目しておけば面白いかしら?」

P「そうだなぁ、大峪と名方辺りかなぁ…」

千秋「あの芝の上にいる二人ね。分かったわ」

P「まぁ、分からなかったら聞いてくれ」

千秋「え、えぇ分かったわ」

カキーン

P「おぉ!」

千秋「きゃあ!」

P「ナイスバッティング大峪!」

千秋「一気に三点も入ったわね」

P「あいつは千秋よりも年下だぞ」

千秋「世界は広いわね…。まぁ、私より年下のアイドルもいることだし、不思議なことじゃないとは思うのだけれど…」

P「そして、ピッチャーとバッターの両立を目指してるんだ」

千秋「凄いわね」

P「お前も学業よアイドルを両立してるじゃないか。十分凄いよ」

千秋「…ありがとう」

カキーン

千秋「今度は反対のチームが打ったわ」

P「あのバッターは、以前ケンプファーズにいたんだぞ」

千秋「古巣から打ったってことね」

P「あぁ、そうなるな」

千秋「私だったら知り合いと戦うのは少し気が引けそうな気もするけど、彼は強いのね」

P「それだけ真摯に取り組んでるんだろ」

千秋「なるほどね」

カキーン

千秋「テレビで中継を見てると芝の上、外野だったかしら、外野に飛んでもそんなに驚かないけれど、実際の球場だと、ちょっと飛んだだけでもホームランじゃないかと錯覚するわ」

P「やっぱり、実際に観ないと分からないことはあるよな」

千秋「えぇ、それは実感したわ。この熱気もこの雰囲気も来なければ分からなかったってことね」

P「そこまで言ってくれると連れてきた甲斐があったよ」

千秋「えぇ、楽しかったわ」ニコッ

P「そろそろ、出るか」

千秋「楽しい時間はあっという間ね」

P「まぁ、東京戻っても観に行けばいいさ」

千秋「…ふふ。そうね」

千秋「まぁ、なるべくなら私はテレビじゃなくて実際に行ってこういう雰囲気を感じてみたいわ」

千秋「新しい何かが生まれるかもしれないし」

空港

P「忘れ物はないよな?」

千秋「子供扱いしないでくれる?」

P「…パジャマ可愛かったぞ」

千秋「う、うるさいわねっ!好きなのよ、悪い?」カァァ

P「いや、全然そんなことは思ってないよ」

千秋「……ふぅ。このことは内緒よPさん」

P「あぁ、二人だけの秘密だな」

千秋「『だけ』っていう響きが素敵ね」

P「秘密って言葉の響きがいいな」

千秋「えぇ」

千秋「……」スゥ

P「慣れない場所に行ったから疲れたのかな」

P(普段クールぶってるけどやっぱり女の子だなぁ)ナデナデ

P「こんなこと起きてたらさせてくれないだろうし」

千秋「……ん」

P「頑張ろうな千秋」

空港

P「あっという間に東京だな」

千秋「僅かな時間でも眠るということは大切なことね」

P「ちゃんと寝れるか?」

千秋「子供扱いしないで。平気よ」

P「そうか…ならいいけど」

千秋「でも…」

P「ん?」

千秋「家まで送って欲しいなぁなんて…」

P「何言ってるんだ。当たり前だろ」

千秋「その自信悪くないわね」ニコッ

P「なんなら手でも繋ぐか?」

千秋「えぇ」ギュッ

翌日
事務所

P「おはようございまーす…」

友紀「あ、お帰りなさい」

まゆ「お帰りなさーい」

P「ただいま」

友紀「聞いたよー、試合観に行ったんだよね」

P「あぁ」

友紀「大峪は、二刀流頑張ってるよね。そう言えば、二刀流と言えば——」

みく「ウチの能美チャンが一番にゃ!」

ありす「いえ、ウチの谷瀬だって、大学時代の打撃は捨てたもんじゃありませんでしたから」

P「お、二人ともおはよう」

みく「おはようにゃ!今日は七連勝が掛かった試合を見るために待機してるのにゃ」

ありす「私は山科さんが投げ朝尾選手が繋ぎ、谷瀬選手が抑えるリレーを観れたので満足です」

友紀「…おかげでウチの澤山田が悟ってたみたいだけどね…」

沙紀「最近よくここで試合を見てる気がするっす…」

沙紀(まぁ、アタシも含めて皆レッスンもお仕事も頑張ってるからPさんは何も言わないんだろうけど…)


実況「さぁ、大変長らくお待たせいたしました。スターズ対レパーズの試合が間もなく始まろうとしています」

みく「お、始まったにゃ」

友紀「スパイちゅのおかげで七連勝出来るといいね」

実況「スターズ先発は藤居。レパーズ先発は安芸山です」

みく「んー?なんでにゃ?」

みく(まさかこれも何か作戦が…?)

四回表

カキーン

沙紀「よしっ!いいすね山嵜!」

カキーン

沙紀「タオル買った甲斐があったすよ」

カキーン

沙紀「あ、ライトフライっすかねぇ」

みく「ふぅ…やっと終わった…んん?」

沙紀「あ、入ったっす」


オーオオーオーオー ワー

沙紀「流石二年目で首位打者取るだけあるすね」

みく「ううう…なんであれが入るんだにゃ」


九回表

カキーン

沙紀「おー、流石バレンコっす!」

みく「もう無理だにゃあ…」





友紀「と言うかさー、完封してるよね?」

みく「…にゃ」ピク

沙紀「言われてみれば…」

奏「となるとウチでした以来なのね」

友紀「あ、奏ちゃんおはよー」

奏「えぇ、おはよう。なにやらみくは固まってるようだけど…」

友紀「あ、新居が打った」

みく「芸術的なショートゴロにゃ」

みく「うう……負けちゃたにゃあ」

友紀「まぁ、そういう日もあるって」ポンポン

奏「そう言えば、ウチは…と。うん。勝ってるわね」

ありす「彼の長打力は脅威ですね」

友紀「ウチに欲しいよ。ライアンとセットで」

奏「だからあげないって言ってるでしょうに」

女子寮

巴「のぉ、聖來さん」

聖來「んー?どうしたの?」

巴「贔屓のチームが勝てない時は何を糧にして応援すればいいんじゃ…」

聖來「また、凄い質問ね…」

聖來(この子案外友紀に似てるんじゃないかしら…)

終わりです。見て下さった方ありがとうございました。

アナスタシア(15)
http://i.imgur.com/LmvmxI0.jpg

橘ありす(12)
http://i.imgur.com/PWXmgkn.jpg

前川みく(15)
http://i.imgur.com/481JLTs.jpg

佐久間まゆ(16)
http://i.imgur.com/dAatq0S.jpg

吉岡沙紀(17)
http://i.imgur.com/Dloqv0i.jpg

水木聖來(23)
http://i.imgur.com/cOaaGVV.jpg

黒川千秋(20)
http://i.imgur.com/mWOKZKP.jpg

小室千奈美(19)
http://i.imgur.com/rscDVh6.jpg

速水奏(17)
http://i.imgur.com/vlGEA9A.jpg

村上巴(13)
http://i.imgur.com/5QNCfDf.jpg

姫川友紀(20)
http://i.imgur.com/7r5rXWD.jpg

乙でした!

菜々連勝はまだですか?(半ギレ)


今回も面白かった、おつ!

おっつし

>>105
勝てない時こそ、応援ですよっ☆
楽しかったです、乙!

残る球団は二つだけど、
多分オリの方は二つ話を書く予定です。

あと、まだ出身地だけど書けなかった人も
時間と試合のネタがあれば書きたいかな…とも考えています。

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