モバP「動物の言葉がわかる指輪を手に入れた」 (26)

ちひろ「へぇ。ソロモンの指輪ですか。なんだか思ったより地味ですね」

P「そうなんですよね。もっと宝石が付いてる物かと思ったんですけど……。
  ちひろさんなら鑑定できますよね?」

ちひろ「ええ、ちょっと貸して下さい。……本物っぽいですね。
    このへんの模様が術式になってるんですけど錆びてても機能しています」

P「よかったよかった。ちひろさんのお墨付きなら安心だな」

ちひろ「どうです? 売ってくれませんか?」

P「こればっかりはどれだけドリンク詰まれても売れませんよ。はっはっは」

ちひろ「……お好きなアイドルのプライベート映像三人分とかどうですか」

P「!?」

ちひろ「……五人?」

P「……!」

ちひろ「……七人プラスドリンク?」

P「くっ……」

ありす「待ってください」

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P「どうした、ありす」

ありす「いや、あの……ツッコミが渋滞起こしてるのでちょっと待ってください」

P「ツッコミされるようなこと言ってないだろう」

ありす「ではまずその指輪から。ソロモンの指輪ってあのソロモン王の指輪ですよね?
    現存したら国宝級どころの話じゃないですよ?」

ありす「次になんでちひろさんがそれを鑑定出来るんですか。術式って何言ってるんですか。
    いつからこのプロダクションの事務員は魔術を嗜むようになってのですか」

ありす「最後にプライベート映像ってつまり盗撮ですよね。犯罪ですよ。
    しかもそれに心動かされるPさんもどうかと思います」

P「日本にだって三種の神器があるじゃないか」

ありす「時代が違い過ぎます。ソロモン王は紀元前950年ぐらいの人間ですよ。
    もしも今Pさんが持っているそれが本物なら作られて3000年近く経つ代物です」

P「しかしちひろさんの見立てでは本物だと」

ありす「なんでちひろさんがそんなことわかるんですか。考古学でもやってるんですか」

ちひろ「ありすちゃん。好奇心は猫を[ピーーー]って言葉は知ってますよね?」

ありす「……じゃあ最後の盗撮映像はなんですか。犯罪ですよ」

ちひろ「ああ。セキュリティですよ。セキュリティ」

ありす「そういう問題じゃないですよ。そもそも……」

P「ありす」

ありす「なんですか!」

P「あまり気にすると禿げるぞ?」

ありす「既に剥げかかってる人に心配される筋合いはありません!」

P「」

ありす「盗撮映像があるなら全て消してください」

ちひろ「セキュリティ……」

ありす「女子寮のセキュリティなら玄関だけとかで十分ですよね?
    消してください」

ちひろ「仕方ないですね……。プロデューサーに使える交渉道具だったのに」

ありす「全く……。で、その指輪。本当に本物なら動植物の言葉がわかったり
    天使や悪魔を使役出来るそうですね」スースーポンポン

P「あ、ああ。そうらしいが……。待てよ、悪魔が使役できるなら
  鬼、悪魔と並べられるちひろさんを使役することも!」

ちひろ「はぁ?」

P「装着! さぁちひろさん。俺に大量のドリンクを無料でください!」

ちひろ「……確かに私もいつか誰かに跪くときが来るでしょう。
    だがそれは今でもないしお前でもない」

P「あ、はい……すみません……」

ありす(ちひろさんって生物なのかな)

ちひろ「そもそも天使が使役できるならアイドルの一部も使役できるんじゃないんですか。
    天使の二つ名を持っているぐらいですし」

P「それはまぁ指輪なくてもなんとでも」

ちひろ「全く大した自信ですね。指輪の効果を調べるには……あ、この観葉植物と話してください」

P「事務所に緑を彩る観葉植物ですか。どれどれ」

観葉植物「あのさー、毎日水くれるのはいいんだけどさー。回数多すぎるんだよねー。
     担当決めて毎朝一回くれればいいからー。マジで」

P「……ちひろさんこの子に水あげてますか?」

ちひろ「あげてますよ?」

ありす「私もあげてます」

P「俺もあげてるんだよな……。毎朝一回でいいって怒られた」

ちひろ「みんながあげてて過剰になってるんですね。じゃあホワイトボードにそのことを
    書いておきましょう……」

ありす「本当に聞こえたんですか? 適当言ってませんか?」

P「本当だよ、本当。プロデューサー、ウソツカナイ」

ありす「なんで片言なんですか。全く……」

ニャー

P「お、拓海の猫じゃないか。どうしたんだー、こんなとこで」

猫「おい、うちのおっぱいご主人しらねーか?」

P「いや、今日は見てないな。というかオフだろ。確か」

猫「ちっ、オフか。新発売の猫缶買って来てもらおうかと思ったんだが
  どこにいることやら」

P「テレビでやってるやつか。コンビニで売ってるなら買って来てやるぞ」

猫「お、マジか。へへっ、兄ちゃんいい奴じゃねーか。おっぱいご主人が……おっとこれ以上は言えねぇ」

P「ところでその呼び名はどうにかならんのか」

猫「あ? 仕方ねーだろ。おっぱいご主人と真っ黒ご主人がいるんだから」

P「真っ黒? ……ああ、蘭子か」

猫「そーそー。あのご主人は結構甘やかしてくれるからな。嫌いじゃないぜ。
  じゃあちょっと散歩行って来るから猫缶頼んだぞ」

P「はいはい。了解しました」

ありす「猫相手に会話してるなんて気持ち悪い構図ですね」

P「ありすの言葉は心に刺さるなぁ……」

ありす「それで行っちゃいましたけど何話してたんですか?」

P「新発売の猫缶が食いたいとさ。丁度お昼だしちょっとコンビニ行ってきますね」

ありす「私も行きます」

ちひろ「はーい、いってらっしゃーい。お土産はハーゲンダッツの抹茶でー」

P「……わかりました。いってきます」

凛「あ、プロデューサーじゃん。お疲れ」

P「ん? 凛か。お疲れ。ハナコの散歩か」

凛「そんなとこ。Pはお昼買いに?」

P「そんなとこさ」

ありす「ハナコ、よしよし」

ハナコ「わふわふ」

P「ハナコ元気そうだな。夏は犬が熱中症で大変って聞くんだが」

凛「うちのは気をつけてるから大丈夫だよ」

ハナコ「私は大丈夫なんだけどご主人が最近元気ないんですよね」

P「凛が? どうしたんだろう」

凛「え、何が?」

ハナコ「原因はですねぇ……あなたなんですよ。プロデューサーさん」

P「俺? なんで俺が原因なんだ?」

凛「何の話?」

ハナコ「鈍感ですね。私が答えを言ってもいいんですけどそれはご主人に悪いかな」

P「おいおい、知ってるなら教えてくれよ。全く検討がつかない」

凛「私もプロデューサーが何の話しているのか検討がつかないよ」

ハナコ「この様子だとご主人も苦労しそうですね。はぁ……」

P「……一体何なんだ」

凛「プロデューサーが何なの」

P「凛、最近元気ないのか?」

凛「え? いや、普通だけど……」

P「なんか俺が原因で元気ないんだろう?」

凛「へっ!? いや、別にそんなことないよっ!」

ハナコ「毎日ベッドでごろごろ転がってるのに」

P「毎日ベッドで転がってる? どっか痛いのか」

凛「ちょっなんでそんなこと知ってんの……いや、そんなことしてないし!
  ハナコ! 行くよ!」

ハナコ「鈍感ねぇ……」

P「何だったんだ」

ありす「おそらく話の内容は検討付きましたけど総じて言えることは
    渋谷さん可愛そうってこととPさんが鈍感だってことですね」

P「はぁ……。まさか凛が毎日俺の事を想像して恋わずらいでベッドごろごろなんて
  少女マンガみたいなことやらないだろうしなぁ」

ありす「……はぁ。Pさんは発想はすごいのに残念ですよね」

P「まぁな」

ありす「褒めてません……着きましたよ。私はプリンが食べたいですね」

P「一個だけだぞー。というか飯も買えよー」

ありす「はい」

P「アイスも買ったし溶ける前に帰るか」

ありす「暑いですしね」

P「本当に暑い。梅雨がもう明けたかと思ったらこれだもんな。夕立でも来れば涼しくなるんだが」

ありす「一面青空で夕立のゆの字もありませんね」

P「今年も暑くなりそうだ……。お、あれは」

優「Pくんとありすちゃんじゃーん。おつかれ☆」

P「おう、お疲れ。アッキーは……」

アッキー「暑い。ひたすらに暑い。犬という生物は確かに散歩をすることでストレスだとか運動不足
     だとか解消することは出来る。だがしかしだ。考えて欲しい。この炎天下の中。このモフ
     モフと名だがい毛を持つ俺が外に出たがるだろうか。自分の身になって考えればわかるは
     ずだ。そう、答えはノーだ。なんでこんな炎天下とコンクリート照り返しもあわせて両面
     焼グリル状態の外を歩かねばならないのか。主人に問いただしたい」

P「すごいアッキー暑そうだな。毛も相まって」

優「そうかなー? アッキー、暑い?」

アッキー「今の俺の姿をつぶさに、穴が開くほど観察してほしい。快適そうに見えるはずがなかろう。
     主人は決して悪い主人ではないのだがどうにも犬は散歩するものという固定観念を曲げる
     ことが出来ないようで台風の中でも「アッキー、散歩に行くよ☆」と平気で言ってくる。
     さすがに床に引っ付いて拒んだら「まぁ台風だし今日はいっか♪」と諦めてくれたが残念
     ながら今日の天気は晴天ゆえに床張りつきの努力もむなしく外に連れ出されたのであった」

優「……アッキーすごく暑そう」

P「コンクリートの照り返しがある分、低い位置を歩く犬とかのほうが暑く感じるんだ(多分)。
  今日はこの辺で引き上げて抱っこしながら帰ったほうがいいかもしれないぞ」

優「うーん……そうだね。今日は帰ろっかー」

アッキー「ああ、プロデューサー殿には深く感謝したい。ようやくこの行進が終わるのだ。これを機に
     主人も炎天下の外出を控えてくれるだろうし出るときも何かしらの対策をしてくれるだろう。
     俺の散歩嫌い具合は日に日に増大の一途を辿っていたが今日でそれに終止符が打たれること
     になる。もしも今日、ここで会う事が出来なければ俺は毎日主人に散歩はよくないというア
     ピールを訴えかけることしか出来なかっただろう。そう考えれば今日こうして地獄の行進を
     したことも悪くはない。プロデューサー。あなたに天使の祝福あれ」

優「ごめんね。今まで気付かなくて。今度はちゃんと日除けして行こうね♪」

P「おう、アッキー。達者でな」

ありす「どうでした。アッキーは。暑がっていたのはわかりましたけど」

P「すごく喋り方がラノベっぽかった」

ありす「見た目によらないものなんですね」

P「うむ」

P「戻りました」

小春「お帰りなさいです〜」

P「おう、小春とヒョウくん。元気か」

ヒョウ「無論」

小春「元気ですよ〜」

P「ならよろしい。ちひろさん。お土産ですよ」

ちひろ「ありがとうございます。冷凍庫に入れて置いてください」

P「わかりました。ありすのプリンも冷蔵庫に入れて置くぞ」

ありす「わかりました」

雪美「アイス……プリン……」

P「おう、雪美もいたのか。今日はペロも一緒か」

ペロ「にゃあ……」

雪美「アイス……プリン……」

P「……俺の食べるか?」

雪美「半分こ……」

P「そうするか。まずは俺が飯食ってからな」

雪美「待つ……」

ありす「にゃあ……」

P「そういえば小春たちは飯食ったのか?」

小春「食べましたよ〜」

ヒョウ「同じく」

雪美「食べた……けど……ペロが……」

ペロ「まだ……」

P「ペロがまだか。丁度良かったな。猫缶があるんだ」カパッ

ペロ「ありがとう……」

P「おう、遠慮するな。念のためいくつか買って来たのが正解だったな」

雪美「Pも……ペロと……心通じる?」

P「そりゃな。雪美と一緒だ」

雪美「うん……魂……繋がってるから……」

P「さてと俺もオニギリでも食うかな」

ヒョウ「質素であるな」

P「だが十分だ」

ヒョウ「栄養不足のように見える。セミを食べたほうがいい」

P「俺はセミは食わない。人間なんて炭水化物食ってれば生きていけるさ」

ヒョウ「そう単純な体はしていないだろう。我が嬢も食が細くて心配だ」

P「小春は元から食べるほうじゃないからな。気にする事はないさ」

小春「どうしました〜?」

P「ヒョウくんが小春の食が細くて心配だってさ」

小春「そんなことないですよ〜。もーヒョウくんったら〜ぺろぺろです〜」

ヒョウ「この行為は我が嬢の健康を害することはないのだろうか」

P「ないだろ。多分」

P「ふー。午後も頑張るかー」

コンコン

P「ん? あれは蘭子のフクロウか。どうしたんだ」

フクロウ「お手紙届けに参りました」

P「蘭子も好きだなぁ。ちょっと足失礼するぞ……。
 えーっと……『今日も暑いですね。プロデューサーもお仕事頑張ってください(要約)』」

フクロウ「なぜ彼女はメールを使わず、私を飛ばすのでしょう」

P「そっちのほうがかっこいいからだろ。返信しなくちゃな」

フクロウ「正直私が外に出ると目立つし恥ずかしいのでやめたいのですが……」

P「そうか。じゃあそう書いておこう。
 『そうですね。仕事頑張ります。あとフクロウが手紙を運ぶのをやめたがっています。
  そろそろ携帯のメールを使いましょう(要約)』っと。これでよし」

フクロウ「ありがとうございます。これで昼間もゆっくり休める」

P「これが最後の仕事だと思うから頼んだぞ」

フクロウ「はい、行って参ります」

P「……そもそも鳥を文通に使いたいなら鳩を飼えばいいのに。
 まぁ蘭子的にはフクロウのほうがポイントが高いんだろうな」

イヴ「海に行きましょ〜」

P「行きません。いきなりどうしたんだ」

イヴ「暑いじゃないですかぁ〜」

プリッツェン「」

P「おい、プリッツェン生きてるのか。それ」

イヴ「ぎりぎりですぅ」

P「ぎりぎりはまずいだろう。ほら、プリッツェン。氷でもお食べ」

プリッツェン「うぅ……」

イヴ「ほら、見てください。プリッツェンも海に行きたいって言ってますよぉ」

プリッツェン「暑いぃ……」

P「溶けてるようにしか見えないが……まぁ暑いのはわかった。
  しかし仮に海に行くとしてもそら、この予定表を見ろ!」

ホワイトボード「予定はふるふるふるみねーしょん☆」

イヴ「ぎっしりですぅ」

P「だろ? まぁここに一日あるしいけなくもないが……難しいんじゃないかな」

イヴ「じゃあこの辺を消してぇ」サーサー

P「おいやめろ何やってんだ」

イヴ「で、この辺に海に旅行と書いてぇ」キュッキュ

P「ああ、もう書きなおさないと……。しかもその辺って丁度
 三十時間テレビのところだろう。うちのアイドルも総出演だし無理無理」

イヴ「でもここが空けば前後も空いてるし旅行にいけそうなんですけどぉ」

P「予定があるのは売れっ子の証なんだから諦めるんだな」

イヴ「むー」

プリッツェン「今から海で撮影の仕事を取ってくるのは難しいのか?」

P「お、復活したか。さすがに難しいぞ。見ての通り既に予定は入ってるからな。
  今ある中でも海だとかプール撮影はないし……水着はいっぱいあるけど」

プリッツェン「水辺でもないのに水着になるなんて真に不思議な世の中だ」

イヴ「もしもし〜? ちょっと頼みたいことがあるんですけどぉ〜」

P「誰かに電話か」

プリッツェン「ああ、おそらく仲のいいアイドル仲間だろう」

P「また唐突に電話をかけるなぁ。そういえばイヴは誰と仲がいいんだ?」

プリッツェン「茄子さんだ」

イヴ「お願いねぇ〜」

P「おい、待て。茄子に何をお願いした」

イヴ「茄子さんの不幸をおすそ分けしてもらうんですよぉ」

P「不幸のおすそ分け? 幸運ならわかるがなんで不幸なんだ?」

ちひろ「プロデューサーさん。大変です」

P「ん?」

ちひろ「件の三十時間テレビの局が不祥事を起こしたので放送を自粛するそうです」

P「んん!?」

ちひろ「ということでこの辺の予定が……ってあれ、もうないですね。
    旅行に行くんですか? いいですね。事務所総出で慰安旅行ということで行きますか」

P「イ〜ヴ〜。お前はなんということをしてくれたんだ……」

イヴ「茄子さんも不幸の使い道に困っていたようですしぃ〜。いいじゃあないですかぁ」

P「不幸の使い道? ……ああ、幸福を集めた分だけ不幸も溜め込まれているのか。
 あくまでも幸福と不幸は合わせてゼロにしかならないということだな」

プリッツェン「理解が早いのはいいがそれでいいのか?」

P「言いわけないだろう……が、しかしだ。こうなったら旅行にいくしかなさそうだな。
 行くからには楽しむか!」

イヴ「う〜み〜♪」

その後、P一行は海へ旅行に出かけ、多いに楽しんだとさ。
どっとはらい。






P「綺麗な砂浜だな。みんなも楽しんでるしよかったよかった。
 ……あれ、みく。お前は泳がないのか?」

みく「み、みくは猫キャラだから泳がないにゃあ!」
みく(うぅ……泳げないとか言ったら笑われちゃうよぉ)

P「!?」

以上。
途中ペロがありすになっている箇所がありました。
この場を借りて謝罪いたします。申し訳ありません。

そんなことより海行こうぜ!

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