ライナー「自分の思いを伝えろ」ベルトルト「え、どういうこと?」(22)

※ネタバレ、捏造あり
 うだうだ話してるだけ ベルアニ期待した人も他CP期待した人もごめん

ライナー「えっ」

ベルトルト「えっ」

ライナー「……」

ベルトルト「……?」

ライナー「…あー、とぼけても無駄だぞ、俺には分かってる」

ベルトルト「だから何が?」

ライナー「お前の、アニへの思いだ」

ベルトルト「ん…?」

ベルトルト(え、今ライナーが何言ってるかわかんなかったんだけど、それは僕が馬鹿だからじゃないよね?)

ベルトルト(んーと…?)

ベルトルト(……)

ベルトルト(…!まさか、ライナーは僕がアニのこと好きだと思っているのか?)

ベルトルト(だとしたら)

ベルトルト「えっと、気のせいだよ、ライナーの」

ライナー「何言ってるんだ」

ベルトルト「何を言っているんだはこっちの台詞だよ、伝えることとかないから」

ライナー「嘘つけ、お前、アニのことしょっちゅう見てただろうが」

ベルトルト「えっ、嘘」

ベルトルト(そんな馬鹿な)

ライナー「まさかの自覚なしか。よく見てたぞ。見過ぎなくらいだ」

ベルトルト「見てないよ」

ライナー「見ていた」

ベルトルト「えぇー…」

ベルトルト(…あー、もしかして)

ベルトルト「…そう、ライナーが言うなら、見てたかもしれない」

ベルトルト「でも、それはあくまで仲間を心配するそれだよ。他意はない」

ベルトルト(はずだ、多分)

ベルトルト(ライナーのことも心配でしょっちゅうガン見しちゃったしなあ…)

ベルトルト「傍目で分かるほど見ていたなら迂闊だったよ、ごめん」

ライナー「本当にそれだけか?」

ベルトルト「他に何があるんだ」

ライナー「他意が、あるんじゃないのか」

ベルトルト「ないって言っただろ、しつこいよ」

ベルトルト(見ていただけで「好き」とかだったらホモになっちゃうじゃないか!やめてくれまじで!)

ベルトルト「自分がクリスタ好きだからって僕まで巻き込もうとしないでよ」

ライナー「ほう」ニヤ

ベルトルト「?」

ベルトルト(え、何)

ライナー「おかしいな、俺は思いを伝えろ、とか他意があるんじゃないか、とは言ったが、好意を伝えろ、とは言っていないぞ」

ベルトルト「…あっ」

ライナー「何故だ?何故『思い』が好意だと思った?」

ライナー「…お前が、アニにそういう思いを抱いているからじゃないのか?」

ベルトルト「…イヤ、僕は…」

ベルトルト(えっ、そんな馬鹿な…)

ベルトルト(…はめられた?)

ベルトルト(…それとも実は自覚ないだけでライナーの言うようにアニのことが好きだったのか?)

ベルトルト(いや、でも…)

ライナー「いいじゃねえか、先の短い殺人鬼どうしだろ。こんなの俺達以外に誰が理解しあえるっていうんだ」

ベルトルト「だから違うってば」

ライナー「往生際が悪いぞ、観念しろ」

ベルトルト「ライナーこそ人の言うこと信じろよ」

ライナー「お前が信じられないようなこと言うからだろ」

ベルトルト「ライナーにそれ言われたくない」

ベルトルト(わりと本気で)

ライナー「なんだと?俺はお前をそんな風に育てた覚えはありません!」

ベルトルト「僕だってライナーに育てられた覚えないよ!気色悪いこと言わないでくれ!」

ライナー「気色悪いってお前…地味に傷つくんだが…」

ベルトルト「知らないよ、君が変なこと言うから悪いんだろ」

ライナー「ひどい」

ベルトルト「……」

ライナー「……」

ベルトルト(…ライナー面倒くさいな。こんな人だったっけ)

ベルトルト(なんで僕がアニ好きだってことにしたいんだろ)

ベルトルト(いやまあ自分でもよく分からないからなー…。実は本当に好きな可能性もなきにしもあらずだけども)

ベルトルト(…うーん、好きなのかな?)

ベルトルト(……)

ベルトルト(うん、よく分からない)

ベルトルト「……」

ライナー「……」ジーッ

ベルトルト(こっち見んな)

ベルトルト「……はぁ、じゃあ仮に僕の巨人の百万歩分譲って僕がアニのことを好きだとしよう」

ベルトルト(もう面倒だからとりあえずそういうことにして話を進めよう)

ライナー「おう、やっと認めたか」

ベルトルト「認めてない、超大幅に譲ったうえでの仮定だから」

ライナー「頑固な…。まあいい。で、お前がアニを好きだと仮定すると、なんだ?」

ベルトルト(だって、どっちにしろ)

ベルトルト「…そう仮定しても、僕は、そういうの伝える気ないから」

ベルトルト(微塵も)

ライナー「はあ?なんでだよ」

ベルトルト「だって、それどころじゃないだろ」

ベルトルト(そう、それどころじゃない)

ベルトルト「アニだって困るはずだ」

ベルトルト(それに、)

ライナー「そりゃ今はまだそうだけどよ、『故郷に帰ったら』って言っただろ」

ベルトルト「…帰っても言わないけど」

ライナー「なぜだ」

ベルトルト「どうせフラれるからだよ」

ベルトルト(うん。そんな気しかしない)

ライナー「はあ?大丈夫だろ別に!告白しろよ!」

ベルトルト「絶対嫌だ」

ライナー「おい」

ベルトルト「僕は臆病なんだ、知ってるでしょ。残り少ない人生をわざわざ傷ついた状態で過ごしたいとは思えない」

ベルトルト(さすがに惨めすぎる…。考えるだけで鬱だ)

ライナー「お前のそのマイナス思考はなんなんだよ…」

ベルトルト「マイナス思考じゃないよ。実際そうとしか思えないだけだ」

ライナー「そんなわけないだろ。お前もっと自分に自信持てよ」

ベルトルト「持てないよ、自信なんて」

ライナー「持てよ」

ベルトルト「無理。アニが僕のこと好きになるわけがない」

ライナー「なんでそう言い切るんだよ。アニだってお前のこと好きかもしれないだろ」

ベルトルト(そうは思えないんだよなあ)

ベルトルト「…じゃあ聞くけど、アニってどんな人がタイプだと思う?」

ライナー「…知らねえけど。えー…強い奴とかじゃねえの」

ベルトルト「見解が一致したね。僕もそう思う。だから無理なんだ」

ライナー「お前、強いだろうが」

ベルトルト「…ありがとう。でも、強いって、意思とか根性の話だよ。…僕にはそういうの、全くないから」

ライナー「…でも、本当にアニのタイプがそうだとも限らないだろ」

ベルトルト「ライナー曰く『見過ぎ』な僕が言うんだから信憑性は高いと思うけど」

ベルトルト(あれ、しまった、いつのまにか完全にアニのこと好きだって認めたみたいな会話になってるな)

ベルトルト「ライナーとアニのほうがお似合いなんじゃない?良いと思うよ、僕は」

ベルトルト(…軌道修正できたかな…?微妙か)

ライナー「…ベルトルト、お前」

ベルトルト「何?」

ライナー「…認めないようにしたり、なんだかんだと理由をつけたりして、先に諦めようとしていないか?」

ベルトルト「……」

ベルトルト(…ああ、それはあるかもしれない)

ライナー「だとしたらそんなのは──」

ベルトルト「ライナー」

ライナー「…なんだよ」

ベルトルト(だって)

ベルトルト「…君だって、よく分かっているはずだ」

ベルトルト「…この世界で生きるには、色々なことを諦めてしまったほうが、ずっと楽だってことくらい」

ライナー「……お前…」

ライナー「!」

ライナー「ベルトルト」

ベルトルト「…!あれは、信煙弾?調査兵団が…もう!?」

ライナー「策敵の判断はすぐにできないと思ったんだがな…畜生」

ライナー「急ぐぞ」

ベルトルト「ああ」

ベルトルト(…結局、ライナーは何だったんだ…)

ベルトルト(この状況で恋バナって…大丈夫なのかな、彼)

ベルトルト(本格的に心配だ…いや前からだけど)

ベルトルト(まあ乗せられてしまった僕も僕か)

ベルトルト(……)

ベルトルト(僕は、アニのことが好きなんだろうか)

ベルトルト(やっぱり、自分でもいまいち良くわからない)

ベルトルト(ライナーが言うなら、これまで自覚がなかっただけで、そうなのだろうか)

ベルトルト(…そうなのかもしれない)

ベルトルト(でも)

ベルトルト(…もし、もしも)

ベルトルト(仮に、本当に僕がアニのことを好きだとしても、やっぱり僕は、それを伝えないだろう)

ベルトルト(ライナーに理由を色々つけたけれど)

ベルトルト(そもそもそれ以前の問題なんだ)

ベルトルト(たくさんの人の生活を壊した)

ベルトルト(多くの人の命を奪った)

ベルトルト(僕に、幸せになる権利なんてない)

ベルトルト(…そして、所属兵団を決めるとき、憲兵団でなく調査兵団を選んだように、)

ベルトルト(この先、もしも任務とアニを秤にかけなければならなくなった時、きっと僕は、アニを選べない)

ベルトルト(そんな僕に、思いを告げる資格なんてない)

ベルトルト(…まあいいや)

ベルトルト(ごちゃごちゃ考えるのはやめよう)

ベルトルト(どうせ、どうしようもない)

ベルトルト(とりあえず、そんなことを考えるよりも先に、ここから離れる準備をしなくては、いけない)

短くなっちゃったけど完
ベルトルトってアニ好きだとしても告白したがらなそうだなって思ったんだけどうまく展開できなかった

うん、まあ設定の解釈としては同意できる

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom