P「安価でアイドルプロデュースしてIA大賞受賞を目指す」 (978)


P(……さあ、今日からいよいよ、俺の新しい生活の始まりだ!)


高木「……よく戻ってきてくれた! ああ、すでにわかっていることとは思うが……」

高木「この765プロダクションのプロデューサーとなった君に与えられた使命は、
   ここに所属する女の子達を、芸能界のトップへと導くことだ」

高木「道は険しいと思うが、頑張ってくれ!」

P「はい!」

高木「ウム! 良い返事だ! えー、では早速、
  今回、君がプロデュースするアイドルを選んでくれたまえ」

P「わかりました! えーっと……」


>>3
※765プロの女の子でお願いします
※シンデレラガールズやミリオンライブ固有のキャラは無しでお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362578656


P「それじゃあ……、この、我那覇響さんにします!」

高木「おお、我那覇君を選んだか! 彼女は、
   とても明るく元気で、まるで太陽のような子だよ!」

高木「まぁ、素直すぎるというか、なんというか……あまり難しいことを考えるのは苦手のようだがね」

P「はぁ……」

高木「ウォッホン! とにかく、私が説明するよりも、実際に会ってみた方が早いだろう。
   彼女はこの時間、近所の公園でペットの散歩をしているようだから、迎えに行ってあげてくれたまえ」

P「わかりましたっ!」


──────
────
──

 
【公園】

P「えーっと……確か社長が言っていたのは、この公園のはずだよな。
 我那覇さんは一体どこにいるんだろう?」

???「うわぁぁ〜! ま、待ってぇぇ〜!」


タッタッタ……


P「ん? なんだ……? 誰かが、叫びながらこっちに走って──」

P「っ!?」


P(……そこには、動物がいた。というか目の前に迫っていた)

P(いやまぁ、漠然と動物と言ってもアレなんだけど、その動物というのが、なんと……)


1 5メートル越えの犬だった
2 可愛らしいハムスターだった
3 その他(何かの動物)

>>8

3 ヤンバルクイナ


ヤンバルクイナ「クェーっ!」


バサバサッ!


P「どわああっ!! と、鳥!?」

ヤンバルクイナ「ふぅ……」

P「ふぅ……じゃない! な、なんだこれ……!?」

P(突然こっちに羽ばたいてきた鳥は、俺の肩で一休みしているみたいだ……鳥の癖に偉そうな顔をしておる)

P(……それにしても、なんて言ったかな、この鳥。テレビで見たことあるような気がするんだけど)


???「──ああっ! だめだよヤン子! 知らない人に止まったら……焼き鳥にされちゃうだろー」

ヤンバルクイナ(以下ヤン子)「ホーホケキョ」

P「誰が食べるか……。
 ゴホン! えーっと、君が、この鳥の飼い主?」

???「あっ、はい……あの、ごめんなさい! うちのヤン子が迷惑かけちゃって」

P「いや、いいんだけど……って、君は!」

P(社長からもらった写真に載っていた女の子だ!
 そこにいたのは、まさに今俺が捜し求めていた……えーっと……)

P(……なんて言ったかな?)


1 我那覇響さん!
2 我那覇響鬼さん!
3 その他

>>12

2


P「そうだ……我那覇、響鬼さん!」

響鬼?「えっ!? 確かに自分はヒビキだけど……自分のこと、知ってるの?」

P「ああもちろん! あはは、テレビで良く見ていたからね!」

響鬼?「えええええっ!? ウソでしょ? だって自分、まだそんなに売れてないのにっ!」

P「ウソなもんか。中の人含めて、俺、大ファンなんだから」

響鬼?「中の人? ……でも、そっかぁ〜……!
    えへへっ、まだまだ全然ファンもいないって思ってたけど、そんなことなかったんだね!」

P「うんうん! あー、なんか嬉しくなってきちゃったな。あの、出会っていきなりこんなこと言うのもなんだけど、
 ここにサインしてくれませんか? この手帳に……」


スッ


響鬼?「サイン!? うわぁ〜……! 自分、サインなんて書くの初めてだぞ!
    社長から言われて練習しといて良かったぁ〜!」

P「お願いできるかな」

響鬼?「うんっ、もっちろん! えへへー……」


サラサラ……


P「いやぁ、感激だよ……こう見えても俺、日曜朝の特撮には目が無くてな」

響鬼?「朝の特撮……? 自分、そんなのに出演した覚え、ないんだけど……」

P「えっ」

響鬼?「えっ?」


P「……」

響鬼?「……?」

P「……あれやってくれませんか? シュッてやつ」

響鬼?「シュッ?」

P「ほら、敬礼するときのさ。あれがトレードマーク的なところあったじゃないか」

響鬼?「えっ、えっ? トレードマーク?」

P「うん」

響鬼?「えーっと……トレードマークって、なんのこと?」

P「その人物のシンボル的な、象徴するもののこと」

響鬼?「象徴……なるほど、天皇みたいなものだねっ!
    えへへっ、こう見えても自分、勉強は出来るんだからちゃんと知ってるぞ!」

響鬼?(でも、自分のシンボルってなんだ? んっと、社長からは、
    『我那覇君はいつも元気で実に素晴らしいね』って言われてるから……)


響鬼?「……は」

P「……は?」

響鬼?「はいさーい! 自分、我那覇響だぞっ!」

P「えっ」

響鬼?「沖縄生まれの十六歳! 何をやっても完璧さー!
    どんなにつらいことがあったって、家族のためなら、なんくるないさー!」

響鬼?(こ、これであってるかな……)

P(何やってるんだろこの子)


P「……」

響鬼?「……うぅ」

響鬼?(まちがっちゃった気がするぞ……)

響鬼?「あの、はい……サイン、書いたよ」スッ

P「ん、ああ……ありがとう」

響鬼?「え、えへへ! どう、どう!? 完璧でしょっ!?」

P「……よ、読めない」

響鬼?「えええっ!!?」

P「これ、なんて書いてあるんだ?」

響鬼?「自分の名前に決まってるでしょ! ほら、ここがこう、我那覇の我で、あとヒビキって」

P「ああなるほど、崩してるんだな。芸能人らしい……でも、あれ?」

響鬼?「どーしたの?」

P「鬼って文字はどこに?」

響鬼?「鬼? 自分の名前は、そこに全部入ってるんだけど……」

P「……!」


P(……し、しまった)

P(この子は響鬼じゃない!!! 俺がプロデュースするアイドルの、響だ!
 お、俺としたことが、名前が似てるからついうっかり、数年前の仮面ライダーと間違ってしまった)

P(ここはどう誤魔化そう!?)


1 何事も無かったかのように自己紹介でもしよう
2 適当に褒めればなんとかなるだろう
3 その他

>>20

3自己紹介も兼ねて特撮が好きで間違えたと素直に謝罪する


P(……いいや、ダメだ)

P(誤魔化すなんて、間違ってるよな。我那覇さんとはこれから、パートナーになるんだから)

P(これからこの子と良い関係を築くためにも、変なウソは残しておかないほうがいい……)


P「……あの、ごめん」

響「え……?」

P「俺、勘違いしていたんだ……君のことを、仮面ライダー響鬼だと思っていた」

響「えええええっ!? か、仮面ライダー?」

P「俺、朝の特撮が大好きなんだ。それでついうっかり、
 心の中が響鬼でいっぱいになってしまって……目の前にある全てが仮面ライダーに見えていたんだよ」

P「俺が君のプロデューサーになろうって思ったのも、ヒビキって響きを聞いたから、それで……」

響「一回ちょっと病院行ったほうがいいと思うぞ……」

P「ほんっとーに、ごめん!」

響「……」

響「……そーなんだ。えへへっ、でもいいよ!」

P「許してくれるのか?」

響「うんっ! ちゃんと謝ってくれたから、自分、気にしないさー!」

P「……ありがとう。我那覇さんは、優しい子なんだな」

響「そ、そう? でへへへ……
  まぁ、君がファンじゃなくて、プロデューサーだったってことは、ちょっとショックだけ──」

響「……」

P「……?」

響「うぇえええええええ!!!!? ぷっ、ぷろっ、プロデューサー!!!?」

P(なんだかワンテンポずれた子だなぁ)


響「プロデューサー……自分の?」

P「ああ! えっと、紹介が遅れたけど……ほら、これ。名刺」スッ

響「あ、ありがとうございます」

P「あはは、何言っているんだ。お礼なんていいんだよ」

響「……ホントだ……765プロダクションの、プロデューサー……」

P「……えっと、我那覇さん?」

響「ね、ねえプロデューサー!」

P「お、さっそくプロデューサーって呼んでくれるんだな! なんだ?」

響「プロデューサーって、なにする人なのっ!?」

P「えっ」

響「んっと、パン買ってきたりしてくれるの!?
 あっ、それとも自分がパン買いにいったほうがいいかな!?」

P「い、いやいや、パンなんて今はいらないけど……」

響「社長がね、『もうすぐ新人の敏腕プロデューサーがやってくるから、楽しみにしていたまえ!』って言ってたんだ!」

響「えへへっ、だから自分、よくわかんないけど楽しみでっ! それでっ!」ピョンピョン

P「あ、あー、その、なんだ……とりあえず落ち着いてくれ」


P(プロデューサーが具体的に何をするか、か……)

P(まぁ色々とやることはあるんだけど、今急に難しいことを話しても、
 この子の場合、余計に混乱させてしまうだけかもしれないな)

P(ここはこう言っておこう……!)


P「……我那覇さん。プロデューサーっていうのはな、つまり、君の……」


1 家族だよ
2 恋人だよ
3 先生だよ
4 その他

>>25

相棒


P「相棒だよ」

響「あいぼう……?」

P「……ああ。俺はこれから、我那覇さんのことを、
 トップアイドルに育て上げるために、全力でサポートすることになるんだけど……」

P「でも、単なる仕事上の関係、という風にはしたくないって思っている。
 思っていることをお互いに言い合って、心から信頼できるパートナーになって……
 そうして俺達はふたり、二人三脚で頂点を目指して走っていくんだ!」

響「へぇ〜……! えへへっ、なんかカッコいいねっ!」

P「わかってくれたか?」

響「うんっ! 相棒、相棒っ♪」


P(相棒という言葉の響きが気に入ったのか、我那覇さんはまぶしいくらいの笑顔ではしゃぎまわっている)

P(理解をしてもらえたかは微妙なところだけど、詳しいことはこれから話していけばいいだろう。
 ……それにしても、本当に元気で素直で、可愛らしい子じゃないか!)

P(よし! 一時はどうなることかと思ったけど、なかなか良い印象を与えられたみたいだな!)



P「っと、忘れるところだった……はい、この子を返しておくよ」

ヤン子「……zzz……」

響「え? ああっ、ヤン子! すっかり忘れてたぞ……」

P「ヤン子って名前なのか。えっと、なんていう鳥なんだ、これ?」

響「ヤンバルクイナさーっ!」

P「……ヤンバルクイナ? ヤンバルクイナって、飛ばないんじゃなかったっけ?」

響「えっ、そうなの?」

P「……さっきもホーホケキョとか鳴いてたし……この鳥、本当は一体、なんなんだ……?」

響「んー……ま、いいじゃんそんなの! ヤン子がなんだって、自分の大切な家族なんだからっ!」

P「ははは……」

P(難しいことを考えるのが苦手、と社長は言っていたけど……本当にそうみたいだな。
 ま、まぁそれも、長所として受け取っておこう!)


響「あっ、でもでもプロデューサーっ」

P「ん?」

響「相棒って言うなら、自分のこと、我那覇さんなんて呼ぶのはやめてほしいぞ。
 生まれた島でも、自分のことはみーんな、『響』って呼んでたんだから!」

響「それにさ、事務所でもみんな……あっ、でも、千早だけは違うか……
 と、とにかく、ちゃんと名前で呼んでよねっ!」

P「ああ、確かに呼び名っていうのは大切だよな」

P「よし! それじゃあ俺はこれから、君のことを……」


1 響って呼ぶよ
2 響ちゃんって呼ぶよ
3 その他(呼称)

>>29

ひびきん


P「……ひびきんって呼ぶよ」ニヤァ

響「そーそ−、ちゃんとひびきんって……うぇぇぇ!?」

P「どうしたんだい、ひびきん」

響「えっ、ちょ……、ひびきん!? なんで!?」

P「愛称で呼べば、親しみやすくなるだろ? 可愛い響きじゃないか、ひびきん!」

響「かっ、かわいい響!?
 じゃ、じゃなくて、自分とプロデューサーの相性なんて、今は関係ないでしょっ!」

P「相性じゃなくて、愛称な。あだ名ってこと」

響「あだ名……うぅ、そりゃそうかもだけどさぁ〜……。
 なんか、亜美や真美に呼ばれるのとは違って……」

P「んー?」

響「……は、恥ずかしいぞ」カァァ

P「はははっ! さぁ行こうか、ひびきん!
 俺達の記念すべき、最初のお仕事に向かって……!」タタッ

響「うぇぇ!? ま、待ってよぉ〜!!」


P(この子をからかうのはちょっと楽しいな)

P(まぁ、ひびきんなんて、人に聞かれたら俺もちょっと照れくさいし、
 このあだ名はこれから、ここぞという時に使っていくことにしよう……!)


東京


  ──────────────────────
          営業:はじめてのお仕事
  ──────────────────────


                                 新宿
                      ──────────
                          活動 1週目 昼



ガヤガヤ……


P「ということで、はじめてのお仕事だな!」

響「……ねぇ、プロデューサー」

P「ん?」

響「お仕事って言ってもさ……
 さっきからずっと、街の中を歩いてるだけな気がするんだけど」

P「ああ、その通りだよ。そしてこれからも、それしかしないつもりだ。
 ……それがどうした?」

響「開き直ったー!?」

P「……いいか、響。でもこれはな、ただ歩いてるだけじゃないんだよ」

響「え? じゃあじゃあ、これってなんか、意味があるの?」

P「ああ、もちろん。それはな……」


1 俺と響との、初めてのデートって意味だよ……!
2 流行の傾向の調査だ!
3 その他

>>35

2


P「流行の傾向の調査だ!」

響「流行?」

P「うん。ほら、見てごらん、道行く人達のことを」

響「んーっと……」


ざわ……

     ざわ……


響「色んな人がいるねっ!」

P「そうだな、実に素直な感想だ。派手な格好をした人や、地味な人……
 なんだかよくわからないパフォーマンスをしている人もいれば、ただ音楽を聴いてボーっとしている人もいる」

響「うう、都会の人達はチカチカしてて、なんだか目が回るぞ……」

P「あはは……ま、とにかくな!」

P「響を……いや、響に限らず、アイドルをプロデュースするにあたって、
 流行のチェックをするということは、何よりも大切なことなんだ」

響「へ〜」

P「さっき響が言ったように、一見みんな、統一感の無い雑多な感じに見えるだろう。
 でも……よく見ると、決してそうじゃない」

響「えっ、ちがうの?」

P「ああ。二十代の女性が好む服の傾向とか、若い男性はどんな携帯を持っているかとか……、
 言い出したらキリがないけど、流行というものは確かに存在するんだ」

響「……自分、ゼンゼンわかんないぞ」

P「それはまぁ、仕方ないよ。とにかく今日は、響に、
 そういうものがあるということだけ実感して欲しかったんだ」

P「アイドルというのは、流行の発信源……。だから、いつか響にも、
 こんな風に道行く人達に、色んな影響を与える……、そんなアイドルになってほしいって思ってね」

響「そーだったんだ……」


響「……自分、なれるかな」

P「おいおいどうした、弱気なことを言って」

響「だ、だってさ! ここには、こーんなにいっぱい、人がいるじゃんっ!」

P「……そうだな。それにここは、東京の一部でしかない」

響「日本には、もっともーっと、いっぱい人がいるんでしょ?
 それなのに、自分……」

響「……島の……──ニキ、だって……、説得できなかったのに……」ボソボソ

P「……?」


P(……確か響は、沖縄生まれなんだっけ)

P(慣れない都会で、見たことがないくらい果てしない人の海に飲まれて……、
 少しだけ、弱気になってしまったのかな)

P(ここは、プロデューサーとして……こう言ってあげようか)


1 俺達なら、できるさ
2 それは響の努力次第だ
3 その他

>>39

今の響には不可能


P(──ここで、優しい言葉をかけてやることも出来るけど)

P(でもそれは……、根拠のない励ましになってしまう。
 まだまだ俺達は、スタートラインにすら立っていないんだから……)


P「……はっきり言って、今の響には不可能だな」

響「えっ……!?」

P「だってそうだろう? この業界、グイグイ強気で行く人が、最後には栄光を掴むんだ。
 そんな弱気なままじゃあ、誰にも影響なんて与えられない」

響「……」

P「……でもな、響。始まってすぐに、
 そんな存在になるなんて、誰にだって出来ないんだよ」

響「誰にも……?」

P「ああ。どんなに才能がある人だって、どんなに素晴らしい歌を歌える人だって、
 どんなにビジュアルが優れている人だって、どんなにダンスが上手い人だって……」

P「誰だって最初は、ゼロなんだ。実力や才能を真に発揮するためには、
 様々な経験を詰んで、自信という裏づけを持って……、初めて、そうすることができる」

響「……自信……」

P「……完璧、なんだろ?」

響「! う、うん……でもっ!」

P「大丈夫。大言壮語は、いくらだって吐いていい。
 俺達はまだ始まったばかりで、これから、たくさんの時間があるんだから」

P「だから……弱気になるな。強気なくらいがきっと、響には一番、似合ってるよ」

響「……プロデューサー……」


P「あはは……なーんてな! こんなお説教みたいなこと言ってもさ、俺だってまだまだ、
 ちゃんとしたプロデュース経験もない、プロデューサーのタマゴみたいなものなんだ」

P「だから全然、説得力なんてないんだけどね……」

響「……」フルフル

響「……相棒、でしょっ!」

P「えっ?」

響「さっきプロデューサー、言ったよね。
 『俺達はふたり、二人三脚で頂点を目指して走っていくんだ!』って」

響「……それなら、これから一緒に……ふたりで一緒に、自信を持てるようになっていけばいいさー!」

P「……そうだな!」

響「えへへっ、ごめんね! なんか自分、ヘンだったかもっ」

P「……俺も、ごめんな。響をイタズラに不安にさせたかもしれない」

響「ううん! いいんだ、そんなこと!
 よーしっ、自分、やるぞーっ! 目指せ、トップアイドルーっ!」


P(響が、元気を取り戻してくれたみたいだ。やっぱりこの子には、笑顔が一番よく似合ってる)

P(俺達はまだまだ、これから……。響だけじゃなく、この俺自身も……一緒に、成長していければいいな)



P「……なあ、響。これから頑張っていこうな。お互い、一歩ずつさ」

響「うんっ! プロデューサーとふたりなら、きっと、どんなことだって……」

P「ああ!」


響・P「「なんくるないさー!」」


パーフェクトコミュニケーション!


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 1週目 夜


ガチャッ

響・P「ただいま戻りましたーっ!」

高木「おお君達、戻ったか! どうだったかね、初日の活動は……」

響「えへへー……」

高木「ん? その表情から察するに……ハッハッハ、うまくいったようだねぇ」

P「はい!」

高木「うんうん、実に素晴らしい! アイドルとプロデューサーとして、
   良い関係を築けるように、これからも油断せず、頑張ってくれたまえよ」

P「もちろんです! な、ひびきんっ!」

響「うん、そうだねぷろうぇぇえええっ!? ひ、ひびきんってもう呼ばないんじゃなかったの!?」

P「あれ? 俺、ひびきんにそんなこと言ったっけ」

響「んもー! 恥ずかしいからやめてよぉ〜!!」


ギャーギャー!


高木「……はっはっは、余計な心配は無用だったかな」


高木「ウォッホン! ところで、君。
   今朝話した、例の件だが……、結論は出してはくれたかな?」

響「えっ、例の件?」

P「……はい! 今日響と一緒に活動しながら、これしかない! っていうふたりを決めました!」

高木「おおそうか! さすが、765プロ期待の新人プロデューサー君なだけはあるな。
   決断の迅速さはこの世界では重要な武器となる。大切にしたまえよ!」

響「……ねぇプロデューサー。例の件って、なんのことだ?」

P「ん? ……あっ! しまった、響にはまだ言ってなかったっけ……」

高木「ハハ、まだまだ、抜けてるところがあるようだね……。
   まぁいい、せっかくだから、今説明してあげたまえ」

P「わかりました。えっと……響」

響「う、うん」

P「……これから響は、トリオユニットのリーダーになるんだ」

響「……へっ? ゆ、ユニット!? リーダー!?」

P「ああ! そしてこれからは、三人……いや、俺を含めた四人で活動していくことになるっ!」

響「うぇえええええっ!!?」

P「メンバーも、社長からもらった資料を読み込んであるから、もう決めてあるぞ!」

P「俺がプロデュースする、響をリーダーとしたトリオユニット!
 その残るメンバーは……!!」


>>46
>>48
※響以外の765プロの女の子でお願いします
※シンデレラガールズやミリオンライブ固有のキャラは無しでお願いします

自らksk

真美

千早


P「それは……双海真美と、如月千早だっ!」

響「真美と……、ち、千早……!?」

高木「おお、なかなかユニーク……
   というか、色々な意味で扱いの難しそうなメンバーを選んだねぇ」

P「え、難しい?」

高木「ああいや、失礼。失言だった。
   双海真美君は、最近髪を伸ばして、美少女っぷりがググッと上がった感じだよ。
   まぁ、それにともなって中身も成長しているかと言えば……その点については、もう少しだけどね」

高木「──そして、如月千早君だが……」

P「……?」

高木「……彼女は、類まれなる歌の才能を持っている。
   そしてその才能に慢心せず、毎日欠かさず努力し続ける……まさに、天才だ」

P「そうですか! それは頼もしいですね。あはは、会うのが楽しみだな!」

高木「しかし、なんというか……少々気難しい性格でもあってね。
   ま、まぁいい、それも来週、直接会ってみればわかるだろう。
   なぁに心配することはない! ふたりとも、実に良い子達だからね!」

P「はぁ……」

P(なんだろう……、如月千早について、何か言いにくいことでもあるのかな)

響「う〜……じ、自分、なんか、また自信無くしてきちゃったかも……」

P「……でも、ふたりとも、以前から知り合いだったんだろ? 大丈夫さ、響ならバシッと決められるって!」

響「ん……」

P「よーし! じゃあ今日はここまでだ! また来週、頑張ろうなっ! おー!」

響「お、おーっ!」


【活動 1週目 おわり】

とりあえずここまで 読んでくれた方、安価に参加してくれた方ありがとうございました
最終週まで毎日のんびりやるつもりです
速報でやるのは初めてなので、直した方が良い点とかあったら言ってください


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 2週目 朝


P(前回のあらすじ……は、特にいらないか)

P(今日は、響以外のふたりのメンバーとの顔合わせの日だ。
 響とは良い感じで親睦を深められたし、この調子で他のメンバーとも仲良くなれたらいいな)

P(そして、ユニット名を決めて、三人で初めてのレッスンに行って……
 うん! ようやく本格的にプロデュース開始って感じになってきたな!)

P(よーし、プロデューサーらしく、颯爽と出勤するぞ!)


ガチャッ

P「おはようございま──」

ビンッ

P「っ!? うわっ、うわわわわぁっ!!」


どんがらがっしゃーん!!


P「あいたたたた……な、なんだ? 足になにかひっかかったような……」クルッ

P「……なにもない。気のせいだったのかな。
 うう、何もないところで転ぶなんて、どこかのリボンの似合う女の子じゃあるまいし……」



???「……んっふっふ〜」コソコソ


P(気を取り直して……みんなが来るまで、デスクで書類仕事でもしてよう)

P(プロモ素材を作ったり、これからの計画を練ったり……
 アイドルがいなくてもやらなくちゃいけないことは、たくさんあるからな)


P「よっこいしょういち、っと……」ストン


ブボボッ


P「!? お、俺じゃないぞっ!」ガタッ

P「……ぶ、ぶーぶークッション?
 俺の椅子になんでこんな……一体、誰がこんなこと……」

???「わぁーい、ひっかかったひっかかった〜!」

P「え……」

???「んっふっふー! 兄ちゃん、油断はキンピラだよ〜?
    いつなんどき、敵とエンカウントするかわかんないんだから!」

P「油断はキンピラ? 油断は禁物って言いたいのか?」

???「うん! まー、そんなカンジ」

P「……あ! というか、き、君は……」

P(そこにいたのは、先週決めたユニットのメンバーのひとりだった。
 その名も、双海……)


1 亜美!
2 真美!
3 麻美!

>>54

間違った 再安価>>56

2


P「君は……双海真美ちゃんだね」

真美「うんっ! あ、でも、真美のことを呼ぶときは『真美』でいーよ。
   兄ちゃんが、真美のプロデューサーさんになる人なんだよね?」

P「あ、ああ。社長から聞いてたのか?」

真美「そうだよーん! 兄ちゃん、これからよろしくねっ!」

P「うん……」


P(いきなりの洗礼を食らったというか……
 前もって聞いていたとおり、イタズラ好きな子なんだな)

P(……うう、でもなんか、バカにされてるような気が……。
 そりゃあ、仲良くしたいのは俺としてもその通りだけど、一応俺はプロデューサーなんだぞ)

P(ここはひとつ……)


1 ちょっとお説教をしよう
2 一緒に遊ぼう
3 その他

>>58

2


P(……今の時刻は、午前八時。
 そして、アイドル達との顔合わせは九時、ということになっていたはずだ)

P(日曜だから学校はないとはいえ、こんなにも早く真美がここに来ているということは……)


P「……ごほん! えー、真美」

真美「おっ、なになに? さっそくお仕事行くのっ!?」

P「いや、ちがうよ。まだみんな来ていないようだしね」

真美「えー、んじゃんじゃ、何すんの?」

P「……俺と一緒に、遊ぼう!」

真美「えええっ!?」

P「真美、ゲームとか好きか? そうだな、たとえば……モン○ンとか」

真美「うんっ! メッチャ好きだよ〜! 今日も持ってきてるもんねっ!」

P「おおそっか! いやぁ、実は俺もこう見えて、ゲームは大好きでな。
 みんなが来るまで、仲良くなるって意味も込めて……、ひと狩りいこうぜ!!」

真美「わぁ〜……! うんうんっ! やるやるー!」クルクル


P(……社長から聞いていた。真美の趣味は、ゲームなんだって)

P(こんなこともあろうかと、持ってきておいて良かったな)



カチカチ……


P「ホッハッ」

真美「でやぁぁぁっ!」

P「はいスタンきましたー」

真美「兄ちゃんナーイスっ! 真美ももうすぐ……はい尻尾切れたー!」

P「よーしよしよしっ! あと部位破壊できるとこはないかな……」

真美「んーと……」


P(──その後、俺と真美は、しばらくふたりでゲームを楽しんでいた)

P(きっと真美は、はりきっていたんだろう。
 そうだな……これまでずっと、なかなかアイドルとして花咲くことができずにいたんだもんな)

P(それなら、下手に説教するよりも……、
 こうして親睦を深めるほうが、これからの俺達にとって、正しい選択のはずだ)


カチカチ……


P「……なあ、真美」

真美「んー?」

P「イタズラをするのもいいけどさ、俺としては、こうやってふたりで遊ぶほうが楽しいよ。
 だから……ま、これからはほどほどにしてくれな」

真美「……んっふっふ〜。了解でありますっ、兄ちゃんっ!」


パーフェクトコミュニケーション!


P「さて……じゃ、次どれする?」

小鳥「あ、私、銀レウスがいいんですけど。シルソル一式揃うまであとちょっとで……」

真美「銀レウスか〜。んじゃ、ちょっと待っててね。雷武器に変えてくるからっ!」

P「俺も変えてこよっかな。えーっと、じゃあ先にクエスト貼っておいてくだ──」

小鳥「はい、了解しました♪ ふっふっふ〜ん……♪」カチカチ

P「……え、えっと」

小鳥「……? どうかしたんですか?
   そ、そんなに見つめないでくださいよ……」

P「だ、誰ですかっ!?」

小鳥「えええっ!!? 今更!?」


P(そこには、ヘアバンドとインカムが似合う、綺麗な女性がいた)

P(えっと、彼女はたしか──)


小鳥「私は、ここ765プロで事務を担当している、音無小鳥ですっ!
   もう、以前ちらっと自己紹介したじゃないですか」

P「あ、あはは……すみません。先週は緊張しちゃって、よく覚えていませんでした……」

小鳥「ひ、ひどい……」


小鳥「もう……やっぱり私なんて……眼中に……若い子のほうが……」ブツブツ

P「ははは……」


P(音無さん、少し拗ねてしまったみたいだ)

P(これはどう考えても俺のせいだな……よし、ここはひとつ、
 話題を変えるためにも、音無さんにこう言っておくとしよう!)


1 おいくつなんですか?
2 ゲーム、好きなんですか?
3 その他

>>65

自らksk

2


P「……音無さん、ゲーム、好きなんですか?」

小鳥「えっ」

P「いやぁ、随分手馴れてるなって思って。
 普段からモ○ハンをやりこんでいるかのような手際の良さでしたから」

小鳥「……」

P「……音無さん?」

小鳥「……し、しまったぁ〜……!!」

P「え、しまった?」

小鳥「うぅぅぅ……、わ、私としたことが、ついうっかりぃぃ……!
   今年こそは、今年こそはって思ってたのに……しょっぱなからゲーム好きなオタク女だなんて誤解されちゃって……!」

P「いや、オタクだなんて……」

小鳥「……おっほん! え、えーっと……こ、これはですね! たまたまですっ!
   真美ちゃんや亜美ちゃんがどうしても、ピヨちゃん一緒にやろうよって言うから……」

真美「わぁっ! ピヨちゃん、ついにプレイ時間700時間越えたんだねっ!」カチカチ

小鳥「ちょおちょちょちょっと真美ちゃんっ!? 勝手にギルドカードを見ないでちょうだいっ!」

P「あはは……」

小鳥「ちち、違うんですよっ! 決してそんな、
   お休みの日にもひとりでただひたすらゲームをしたりなんてそんなことは」

P「ええ、わかってます……でも……」


1 「ゲーム好きな女性は、嫌いじゃないですよ」と言おう
2 「さみしい生活を送っているんですね……」と言おう
3 その他

>>67

1


P「でも俺、ゲーム好きな女性は、嫌いじゃないですよ」

小鳥「えっ……」

P「みんなでひとつのことに取り組むっていうことは、お互いの距離を縮める一番の近道ですから。
 その点、こういうゲームっていうのは、本当に良い道具だって思います」

小鳥「……」

P「現に、俺と真美だって、初対面なのにこうやって仲良くなれましたし。な?」

真美「うんっ! 兄ちゃんメッチャ上手だから、真美ビックリしちゃったよ〜」

小鳥「……そ、そうですか?
   こんな年になってゲームなんて……、おかしくないですか?」

P「全然おかしくありませんよ。いいじゃないですか、こういうのはいくつになっても楽しいものですし、
 というか音無さん、それほど年じゃないですよね?」

小鳥「うっ……」

P「二十代前半……いや、角度によっては十代にも見えるな」

小鳥「!?」

P「──って、ああ、すみません! 女性に年のことを聞くなんて、失礼でしたねっ!」

小鳥「い、いえ……じゅうだい……」

真美「んっふっふー! 兄ちゃん、ピヨちゃんはホントは──もがもが」

小鳥「はい真美ちゃんっ! 今はちょっと黙ってましょうねっ! うふ、ふふふっ……♪」


P(……ふう、なんとかフォローが出来たみたいだ。
 しかし、喜怒哀楽で表情がコロコロ変わって、本当に可愛らしい人だな)

P(事務員じゃなくてアイドルをやっているって言われても、全然おかしくない)

P(こんな人が同僚だなんて、ちょっと楽しくなってきたかも……なーんてな)


パーフェクトコミュニケーション!



P(──あと、これは、なんとなくだけど)

P(これから先、まぁずっと先になるだろうけど……俺が取る選択次第では、
 音無さんがステージに立つ日も……くるかもしれない。そんな気がする……)


ガチャッ!

響「はいさーい! プロデューサー、おっはよー……」

P「ん、おお、響か。おはよう!」

真美「ひびきーん! おはおは〜!」

響「……なにやってるの?」

P「なにって……、見ての通り、○ンハンだよ」

真美「ひびきんもやろーよー! これでちょうど四人だしっ!」

響「え、ええ!? でも自分、そんなの持ってないし……でも……」チラッ

P「ん、どうした?」

響「……な、なんでもないぞ」

小鳥「……あら? 響ちゃんが来るってことは、もうこんな時間──ああっ!」

P「ど、どうしたんですか!? 急に大きな声を出して」

小鳥「いけない! プロデューサーさん、千早ちゃんを迎えに行ってあげてくださいっ!」

P「え、千早ちゃんっていうと……如月千早?」

小鳥「そうです! 千早ちゃん、プロデューサーさんが来る前にはここに居たんですけど、
   時間があるからって歌の練習に行っちゃって……顔合わせが始まりそうになったら呼ぶ、ってことになっていたんですっ!」

P「……なるほど。わかりましたっ! それじゃあさっそく──」

響「……」

P「……」


なんと 響が仲間になりたそうな目でこちらを見ている!
仲間にしてあげますか?

1 はい
2 いいえ

>>71


P「……よし。響も一緒に、如月さんを迎えに行こうか!」

響「え!? いいの?」

P「ああ……ほら、ちょっと耳貸して」

響「ん?」

P「……真美や音無さんの顔を見てみろ」ヒソヒソ


真美「ねぇねぇピヨちゃんっ! 次、どこいく!?」ワックワク

小鳥「そうねぇー……じゃあジエン行きましょうかっ!」テカカ


P「もう狩りにいきたくてしょうがないって顔してるだろ?」ヒソヒソ

響「たしかに……」

P「響はこういうゲーム慣れてないみたいだし、それなら、俺と一緒に行こう。
 お前はこれからリーダーになるんだから、この機会に、如月さんにリーダーとしての挨拶もしちゃおう」

響「……」

P(……先週の響の様子を見るに、響は、
 如月さんを引っ張っていくことに対して、少し不安を感じているらしい)

P(それなら──!)


P「……大丈夫。俺も付いてるから、さ」

響「……うん! えへへっ、わかったぞ!」

P「決まりだな! それじゃあ、真美、音無さん。行ってきます!」

真美・小鳥「行ってらっしゃーい!」


【河原】

P「えーっと、音無さんが言うには……如月さんはこのあたりで発声練習を──」

響「あ……ぷ、プロデューサー」クイクイ

P「ん? いたか?」

響「うん。あそこにいるのが、千早だぞ」



千早「……チチ、チチチ……」


 ちゅん、ちゅんちゅん……

            ぴよぴよ……


千早「……ふふっ」



P「……」

P「……鳥? 如月さんのまわりで、あんなにたくさん……」


P「……」

P(……社長からは、気難しい性格だと聞いていたけれど)

P(野鳥に囲まれている彼女は、とても柔らかい表情をしていて……とても美しかった)


P(──でも、なぜだろう)

P(俺はこのとき……その笑顔だって、一時的なものでしかなくて……。
 それは例えるなら、空を飛ぶ鳥達が一時、枝にとまって休んでいるだけであって……)

P(触れたらすぐに消えてしまうんじゃないか、壊れてしまうんじゃないか、と……そう感じてしまっていた)


P(……俺は、そんな彼女に対して……)


1 声をかける
2 見守る
3 響をけしかける

>>75


響「おーい、ちは──」

P「……響、ちょっと待ってくれ」

響「えっ? でも……」

P「……もう少し、見守っていよう」

響「……うん」



千早「……あ」


パサッ パサパサッ……

      チュピッ チィピピピ……


千早「……また、来てくれたのね。ありがとう……」



P(……ツバメ?)


千早「……あなたは、どうしてそんなに……、私になついてくれるの?」

千早「こんな私に……」

千早「……ふふっ。あなたの声が、理解できたら……どんなに素敵かしら。なんてね……」



P(……ここからじゃ、彼女が何を言っているかはわからないけど)

P(あのツバメが来た途端に、如月さんの表情がまた少しだけ、変わった。
 優しいような、悲しんでいるような……あの鳥は、彼女にとって、何か特別な存在なんだろうか?)



チュピッ チュチュチュ……!


千早「……え? 何、急にどうしたの?」


パサパサパサッ!!


千早「あ……行っちゃった……」クルッ

P・響「!」

千早「──って、あら? 我那覇さん?」

響「う、うん! はいさい、千早!」

千早「ええ、おはよう。それと、そこにいるのは……」

P「……初めまして、如月千早さん。俺は……」


1 君のプロデューサーだ
2 君のお兄さんだ
3 君の前世の恋人だ

>>79

1


P「俺は、君のプロデューサーだ」

千早「え、プロデューサー?」

Pえっと……いきなり言葉だけで言ってもあれだから……、俺、こういうものです」


スッ


千早「名刺……」

千早「……たしかにあなたは、765プロのプロデューサーのようですね。
   ではあなたが、社長が言っていた……」

P「……ああ。今日から俺が、
 如月さんを含めたユニットをプロデュースすることになったから……よろしくお願いします」

千早「……ええ、こちらこそ。至らぬ点もあると思いますが、
   厳しいご指導のほど、よろしくお願いします」ペコッ

響「え、えっとねっ! 千早、自分は……」

千早「我那覇さんが、そのユニットのリーダーなんでしょう? すでに社長から聞いているわ」

千早「……私も、あなたの勢いに負けないよう、努力する。だからこれから……改めて、よろしくね」

響「う、うんっ! えへへっ、よろしくねっ、千早っ!」


P(……な、なんだ……社長があんな風に言うから、
 少し身構えていたけれど、少し拍子抜けしたな)

P(物腰が低くて、受け答えも丁寧で……とても良い子じゃないか!)

P(響もすっかり、緊張が解けたみたいだ。うん、上々のスタート、といったところだな!)


P「それじゃあ……、色々と決めることもあるし、一度事務所に戻ろうか。
 ユニット結成の挨拶は改めてそこで、ということで」

千早「わかりました。さ、行きましょう、我那覇さん」

響「うん!」


  *  *  *


テクテク……


P「……」

千早「……」

響「……」


P(……な、なんだろう)

P(なんだか気まずいな。余計なことを喋っちゃいけない、そんなオーラを感じる)

P(俺がプロデュースしたい理想のユニットは、いつだって笑顔を絶やさない、そんなユニットなんだ。
  よ、よし……ここは如月さんに……)


1 「どんなアイドルになりたいか?」と、聞こう
2 「どんな男性が好みなのか?」と、聞こう
3 その他

>>82

1


P「……あの、如月さん」

千早「……っ。……なんですか?」

P「如月さんは、どんなアイドルになりたい?」

千早「どんなアイドル、と言うと?」

P「アイドルと一言に言ってもさ、色々な種類があるじゃないか。
 芝居をやったり、CMにバンバン出たり、あと……歌を歌ったり」

千早「……」

P「……社長からもらったプロフィールにも書いてあった。君は、歌が好きなようだね」

千早「……ええ。でも、好きとか、そういうレベルではなく……
   歌うことは、私のすべてだと思っています」

P「す、すべてか! はは、そこまで言うなら、やっぱりボーカルを重視したアイドルになりたいのかな?」

千早「そうですね……そしてその後、アイドルという道の先に、
   世界で通用するボーカリストになりたいと、私はそう考えています」

千早「……アイドルというのは、私にとっては通過点。
   私の歌を聴いてもらう機会を増やすために、私はこの道を選んだのですから」

P「……まだそんな年なのに、もうちゃんと将来の夢を考えて、言葉にすることが出来るんだな」

千早「まだ、ではなく、もう、です。最終的な目標のことを考えたら、むしろ遅すぎるくらい」

P(……お、大人だ。俺が如月さんくらいの年のときは、まだ鼻くそほじってた気がするぞ……)


P(……今の日本は、アイドル全盛の時代。本当に数多くの事務所が、毎日しのぎを削っている)

P(街を歩けばアイドルの歌が聴こえ、テレビをつければアイドルの顔が映り……。
 ラジオもネットも、あらゆるメディアがアイドルを起用するようになっている)

P(トップアイドルだけでなく、低ランクのアイドルを特集する番組も、注目度はかなり高い。
 みんながみんな、金の卵を探しているんだ)

P(……必然的に、アイドルになりさえすれば、手っ取り早く歌を聴いてもらうこともできるようになるから……)

P(だから、歌手ではなく、最初にアイドルという道を選んだのも……、彼女にとっては適切な選択だったのかもしれないな)



響「う〜……千早は、なんかすごいね」

千早「すごい? そうかしら……」

響「自分、立派なアイドルになる! ってことだけしか考えてなくて……
  その先のことなんて、考えたことなかった」

千早「……」

響「将来、かぁ……でも自分、そういうの考えると、頭がかゆくなっちゃうぞ……」

千早「……ふふっ。でもそれは、人それぞれだから。
   我那覇さんは我那覇さんのペースで、考えればいいと思うわ」

P「……ま、まぁ、先のことは置いておいてさ! とにかく、大切なのは今だ。
 仲良くやっていこうな、如月さん!」

千早「……。……仲良くやる必要は、ないかと」

P「……え」


千早「……私達に必要なことは、仕事を円滑に進め、成功をおさめること。それだけですから」

P「……! いや、でも──

響「ち、千早はっ!!」

P「えっ」

響「千早は……自分と仲良くしたくないのっ!?」

千早「え? あ、ああいえ、違うのよ。仲良くしたくないとか、そういうつもりはないの」

千早「ただ、あくまで私達は、仕事仲間だから……
   必要以上になれあって、余計な感情を持ってしまったら、それこそ仕事に支障が出るでしょう?」

響「そ、そんなことないしっ! プロデューサーも言ってた、自分達は相棒だって!」

千早「相棒……?」

響「そーだよ……思ってること全部言い合って、二人三脚でやっていくんだ、って。
  そうやって、信頼できるパートナーになっていくんだって!」

千早「……」

P「……ああ、そうだ、響の言うとおりだ。
 如月さんの意見ももっともだけど、でもそれは……」


1 少し冷たすぎる
2 全部が全部、正しくない
3 その他

>>86

2


P「全部が全部、正しくないと、俺は思う」

千早「……ではプロデューサーは、どのようにお考えなのですか?」

P「……確かに、必要以上に馴れ合うことが、必ずしも良い結果に繋がるとは限らないよ。
 でもな……それじゃあ、俺が困るんだ」

千早「プロデューサーが……?」

P「ああ。君達をプロデュースしていく上で、俺も、皆に不快な思いをさせてしまうこともあるかもしれない。
 というか、絶対にある。みんな年頃の女の子だし……女心を上手に扱えるほど、俺は器量のある男でもないしね」

P「でもそんなときに、『余計なことだ』って言って、考えていることを秘密にされるのは良くない。
 黙って不満を溜め込んだところで、いつか爆発してしまうことは目に見えている……」

千早「……」

P「……それに、俺自身、みんなの力になりたいんだ」

P「この業界、つらいことはたくさんある。悩むこともあるだろう。
 そんなときに、何もしないで手をこまねいているなんて、プロデューサーとして失格だ」

P「……だからさ。俺にプロデューサーとしての業務を全うさせるためと思って、
 ここはひとつ、ドライな関係でいるというのは避けてくれないか?」

千早「……」

千早「……そう、ですね。確かに、プロデューサーとしての立場と言い分を考えたら、一理あります」

P「お、おお、わかってくれたか?」

千早「ええ。ごめんなさい、ドライでいるつもりなんて、無かったのですけれど……
   仲良くやっていくことが、プラスにはならずとも、マイナスを消すことが出来るなら……、
   私も、そうしたいと思います」

P「……」


P(……きっとこの子は、真面目すぎるんだな)

P(この場では一応、納得はしてくれたみたいだけど……これから先、心を開いてくれる日が、来るんだろうか?)


グッドコミュニケーション!


千早「……仲良くなるというのなら、プロデューサー」

P「ん?」

千早「私達はアイドルとプロデューサーですから、仕事に関わることならば、
   これから先、一切の遠慮は不要です。だから……」

千早「……私のことは、『千早』と、下の名前で呼んでくださって結構です」

P「あ、ああ。わかったよ、千早」

千早「……それに」


千早「私、苗字で呼ばれるのは……嫌いですから」


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 2週目 昼


P(さてと……)

P(色々とあったが、ようやくこの事務所に帰ってきたな)


P(──あれから俺たちは、改めて、ユニット結成についての挨拶を済ませた)

P(とは言っても、三人は元々知り合いだったし、俺も全員と既に顔は合わせてあったから、
 あまり時間もかからなかったけど……)


P「……さて! それじゃあ響!」

響「うんっ!」

P「真美!」

真美「はーい!」

P「そして……千早!」

千早「はいっ」


P「俺たちはこれから、四人でひとつのチームだ。
 一丸となって、ともにトップアイドルを目指していこうっ!」

「「「はいっ!」」」


P「そこで、だ……まずは俺からお前達に、プレゼントがある」

響「へっ? プレゼント?」

真美「なになにー!? 兄ちゃんなんかくれんの〜!?」

P「はっはっは、まぁ落ち着いてくれ。……っていうか真美、今更だけど、
 その兄ちゃんって言うのはどうにかならないか……?」

真美「えー? だって兄ちゃんは兄ちゃんでしょ? ホントは姉ちゃんとか、弟ちゃんなの?」

P「いや、そうじゃないけど……ま、まぁいいや。ヘンなあだ名つけられるくらいなら、兄ちゃんで」

真美「うんー!」

P(なんだかこんなやり取り、前世でもしたような気がするな)


P「……とにかく! 俺からこのユニットにあげる、
 最初のプレゼントというのは、なんとなんとなんと──」

千早「ユニット名、ですね」

P「ぐっ……そ、そのとおりだ。さすが千早、察しがいいな」

千早「さっき帰り道に、ご自分で言ってらしたじゃないですか。あーでもない、こーでもないって……」

P「……ははは。なんかかっこ悪いな、俺……」


P「──まぁ、それは置いておいて!
 改めて、気を取り直して……発表するぞ」

真美「お〜! なんか真美、わっくわくしてきちゃったよ〜!」

P「あはは、カッコいい名前を考えてきたから、安心してくれ。えーと……
 響をリーダーとして、真美、千早で構成される、この新ユニット企画!」

P「その名も……!」


>>96
※ユニット名をお願いします

遠すぎたksk

フェアリーズステップ


P「その名も……フェアリーズステップだ!」

「「「……!」」」


P「……な、なんだ? そんなに俺のセンスの良さにビックリしたかな? なーんて……あはは」

響「ぷ、プロデューサー! 自分、見直したぞ!」

P「へっ?」

真美「うんうんっ! なんか、もっとヘンちくりんな名前にしてくるのかと思ったよ〜!」

千早「妖精のステップ……この場合ステップというのは、
   歩み、一歩……、あるいは少し意訳して、踊りやダンスのことを言うのかしら」

P「う、うん……まぁそんな感じ」

千早「……ふふっ、とても素敵な名前だと思います、プロデューサー。
   その言葉だけで、優しい物語が思い浮かべられるかのような……まるで童謡の世界にでも、入り込んでしまったみたい」

P「あはは……」

P(千早はめちゃくちゃ気に入ってくれたみたいだ……
 語感がいいからって言って、パッと思いついただけなんて、言えない雰囲気だな)

P(そんなに褒められると、逆に照れくさいぞ……)


千早「この名に恥じないように、頑張っていかないといけませんね……!」

P「お、おう! そ、それじゃあユニット名も決まったことだし、さっそく活動開始だ!
 まずは、初めての三人でのレッスンへと行こうか!」


「「「はいっ!」」」


東京


  ──────────────────────
         レッスン:はじめてのレッスン
  ──────────────────────


                          レッスンスタジオ
                      ──────────
                          活動 1週目 昼


P(よし……ようやく、三人そろって初めてのレッスンだ)

P(社長からもらったプロフィールには、この子はダンスが得意とか、あの子はボーカルが優れているとか、
 色々と評価が書かれていたけれど……)

P(実際に、この目で見ないことにはなんとも言えないよな。
 それに、俺の評価もここで決まってしまうだろう。適切なアドバイスができるといいんだけど……)

P(──さて、今日はどのレッスンをしようかな?)


1 ボーカルレッスン(千早とのコミュ発生)
2 ダンスレッスン(響、真美とコミュ発生)
3 ビジュアルレッスン(全員とのコミュ発生)

>>101

3


P(ということで、俺たちはビジュアルレッスンのスタジオへとやってきた)


「「「お願いしまーす!」」」


響「へへーん! みんな、自分についてくるさー!」

真美「え〜、ひびきんじゃなんか頼りないよ〜」

響「ええええっ!?」

千早「……たしかにそうね。我那覇さんはダンスは得意だけれど、
   表現力となると、あまり得意そうには……私が言うのもなんだけど、不器用そうだし」

響「うっ……そ、そんなことないしっ! ひどいよ千早ぁ〜……」

千早「ああっ、ご、ごめんなさい……悪口を言ったつもりはなかったんだけど……」

響「……よーし! そこまで言うなら、リーダーとしての自分の実力、見せてあげるからねっ!!」


P(……とまぁ、こんな感じで始まったはいいけど……)


P「はい、じゃあ……かわいく!」

響「か、かわいく!? んーっと……」

響「……」

響「……にゃ、にゃんにゃんっ」

P(か、かわいい!)

真美「んっふっふ〜っ! それじゃあ次は……悲しそうにっ!」

響「悲しそうに……」

響「……」

響「……うぇぇん……」

P・千早(か、かわいい!)

P「ふ、ふふ……激しく」

響「は、激しくって──っていうか!!!!」

P「えっ」

響「なんで自分ばっかりやってるんだよーっ!!!」

真美「だってひびきんが見てろっていうから……」

響「う……で、でも! 真美も、千早も! ずっと自分のことばっかり見てないでレッスンしてよねっ!!」

P「お、いいな。いい感じで激しさが出てる。響は案外、表現力の才能があるのかもしれないな」

響「え、そ、そう? でへへへ……」

真美「ひびきーん! 楽しそうに!」

響「楽しそうに……えへ、えへへへじゃなくてぇ〜! うぎゃー!! なんなのもー!!!」


響「なんだかどっと疲れたぞ……」

P「お疲れ。少し休憩にしようか」

響「……ねえプロデューサー。なんかさ、
  みんなして自分のことをからかってるような気がするんだけど」

P「そ、そんなことないぞ。なあみんな?」

千早「そうですね。我那覇さんの演技、とても参考になったわ」

真美「真美もだよ〜! ひびきん、メッチャ可愛かったよっ!」

響「そ、そう? んー、ま、リーダーとしてはトーゼンっていうか……えへへ」

P(ちょろい)

響「……でも、プロデューサー」

P「ん?」

響「ビジュアルレッスン……表現力のレッスンって、なんの意味があるの?
  自分、もっとこう、身体を動かして……ババーってダンスがしたいさー!」

P「……ふむ、そうだな」


P(ビジュアルレッスンの大切さを教える、か)

P(先週もそうだったけど、響には、難しいことを話してもかえって混乱させるだけになっちゃうだろうな)

P(よし、ここは……)


P「それじゃあ響、前半はお前ばっかりだったから……」


1 後半は、真美を見ておくんだ
2 後半は、千早を見ておくんだ
3 教えてやる……その体に
4 その他

>>105


P「後半は、真美を見ておくんだ」

響「真美?」

P「ああ。外から真美を見ていれば、きっと、大切なことがなんなのかわかると思うよ。
 見ている間、響は少し、休憩していていいから」

響「……うん、わかった」


  *  *  *


P「よし、それじゃあレッスン再開だ!」

真美・千早「お願いしますっ!」

P「じゃあまずは……嬉しそうにっ!」


響「……」

響(見てろっていうけど……ホントにわかるのかな……)


真美「楽しそうに〜♪」クルクル


響「……」


真美「……悲しそうに……うぅ……」グスグス


響「……あ……ま、真美……」


真美「激しくっ! うおおおおおっ!!」


響「ひっ……!」

響(え、演技だってわかってても、なんかこっちまでビックリしちゃうぞ……)

響(……真美、すごいなー……)



真美「うれしそーうにぃ〜♪」ピョンピョン

響「……えへへ」


P「……ふふ」


響「……」

響「じ、自分もやるっ!」ガタッ

P「おおそっか! よし、じゃあこっち来い!」

真美「んっふっふ〜! じゃあじゃあひびきん! 真美とショーブだねっ!」

響「勝負? へへーん! 真美なんかに負けないぞっ!
 あ、でも千早は……」


千早「か、かわいくですかっ!?」

千早「……」

千早「……か、かわいくなんて……出来ませんっ」プイッ


真美「千早お姉ちゃん、可愛いけど、そんなカンジじゃないっしょ?」

響「たしかにそうだね……よしっ! じゃあ真美、自分と一騎打ちの勝負だーっ!」

真美「おおーっ!」



P(……それから、響を加えて三人で行ったレッスンは、本当に実りのあるものとなった)

P(表現力というのは、感情、気持ちを、全身を使ってアピールする力のこと……。
 ステージに立つアイドル達は、その歌に込められた物語を、思いを、少しでも多くの人に届けなければならない)

P(心に響く歌は、歌詞とメロディ、歌唱力だけで成り立つものではないからな)


P(……普段からモノマネばっかりやっているらしい真美は、まだまだ荒削りではあるが、
 人の心に訴える術を無意識のうちに獲得しているようだ。響がそれを見て、思わず立ち上がってしまうくらいに)

P(千早に関しては……まぁ、これからと言ったところだけど……もちろん、光るものは感じる)

P(とにかく! なかなか良いレッスンが出来たようだな!)


パーフェクトレッスン!


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 2週目 夜


ガチャッ

「「「ただいま戻りましたーっ!」」」


P「さて……みんな! フェアリーズステップとして初めての活動だったわけだけど、どうだった?」

響「えへへっ! 自分は、すっごく楽しかったぞ!
  みんなであーだこーだって言い合って、それで、自分の良くないところとかも見えてきたしっ!」

真美「そだねっ! 真美もメッチャ楽しかったよ〜。
   ひびきんとの勝負は、真美の勝ちだったしねっ!」

響「えええええっ!? あ、あれは引き分けでしょっ!! じ、自分負けてないしーっ!」


ギャーギャー!


P「ははは……千早は?」

千早「え、……わ、私は……」

P「……つまらなかったか?」

千早「……」

千早「……いえ、そんなことはありません。真美も我那覇さんも、すごく賑やかだから……
   つまらないなんて感じるヒマも、無かったくらい」

P「……そっか!」

千早「今まではずっとひとりでのレッスンだったから……
   こうやってお互いに欠点を言い合えるというのは、新鮮だし、勉強になることも多かったです」

P「うんうん! その調子で、来週からも頑張ろうな」

千早「……はい!」


P「えーっと……それじゃあ今日はあとは……」

小鳥「あっ、いたいた。プロデューサーさーん!」パタパタ

P「音無さん、どうかしたんですか?」

小鳥「社長から、言伝です。今日のうちに、デビュー曲を決めておくように、って」


「「「デビュー曲!?」」」


小鳥「ふふっ、そうよ〜。どんな曲になるか、楽しみね!」

P「しかし、今日中ですか……随分急なんですね」

小鳥「あ、あはは……それが、社長ったら、勝手に、
   みんなのユニットをあるオーディションに登録してしまったみたいなんです」

P「え!? オーディション!?」

小鳥「あ、でも、心配はしないでくださいね。
   それほど大きなオーディションではないですし……はい、これ。資料です」

スッ

P「……新人アイドルの登竜門、『THE DEBUT』……」

小鳥「まだデビューしたての低ランクアイドルの子達を特集する、有名な番組ですね。視聴率も高いです。
   アイドルとしてデビューしたらみんな、一度はそのオーディションを受けるものなんですよ」

P「へ〜……よし、わかりましたっ! みんなも、それでいいよな?」

「「「はいっ!」」」


響「テレビかぁ〜……! じ、自分、楽しみだけど、なんだか緊張してきたぞ」ガチガチ

真美「だいじょーぶだよひーびきん! 真美もついてるかんねっ!
   んっふっふ〜、なにをしゃべろっかなぁ〜!」

P「気が早いなお前達……」

小鳥「えっと、ということですので……、
   来週はめいっぱいその曲を練習させて、オーディションに備えてください」

P「了解しました。それじゃあ……」

千早「……曲、デビュー曲……」

P「……そうだな。まずはそれを決めなくちゃ」


  *  *  *


P(それから俺たちは、四人で話し合って、このユニットの1stシングルとなる楽曲を選んだ)

P(記念すべき、フェアリーズステップのデビュー曲は……これだ!)


>>114
※アイマスオリジナル曲でお願いします
※カバー曲やシンデレラガールズの楽曲は無しでお願いします

Next Life



     1stシングル 『Next Life』


真美「おお〜……! なんか、カッコいい曲だねっ!」

千早「これは……この曲に込められた情熱を、いかに表現するかが鍵となりそうですね」

P(よしよし! ふたりとも、良い印象を持ってくれたみたいだな!)


響「……」

P「……響? どうした、さっきから黙っちゃって──

響「これだぁぁああっ!!」

P「」ビクッ

響「じ、自分っ、アイドルになったらこういう歌を歌いたかったんだっ!
  えへへっ、自分、この歌、でーじしちゅんさー! プロデューサー、にふぇーでーびるっ!」

P「そ、そっか。うん。何を言ってるかわからないけど、気に入ってくれたみたいで良かったよ」

P(響の好みに、まるっと合致していたみたいだ! これはきっといけるぞ……!)



P(……ちなみに、これからプロデュースしていく上での話だけど)

P(リリースする楽曲が担当アイドルの好みに合っていた場合、つまりいわゆる持ち歌だった場合、
 そのアイドルのやる気がググっと増える……ような気がする)

P(もしかしたら、親愛度も上がって……、
 安価とは関係なく、何か特別なコミュニケーションが起こる……かもしれない)



P「よし! とにかく来週は、この曲がパーフェクトになるまでレッスンを重ねて……」

P「そして週末に、オーディションだ! 『Next Life』をひっさげて、フェアリーズステップを全国にアピールしてやろう!」

「「「はいっ!」」」


【活動 2週目 おわり】

とりあえずここまで
また夜に再開します


  *  *  *

P「さて……アイドル達は帰ったか」

P(俺もファンレターを確認して帰ろうかな──って、ファンレターなんて届いてるわけないか)

P(まだフェアリーズステップのファンは、全国に一人しかいんだもんな……)


P「そう、この俺……ただひとりだけ……ふふ、ふふふっ……!」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん?」

P「おわあっ!? お、音無さん!? まだいたんですか……全然気付かなかったな」

小鳥「あ、はい……ふふふっ、気配を消す術は、学生の頃に見につけましたから」

P「あ、はは……そうすか」

P(……く、暗い学生生活だったのかな?
 なんだか、これ以上ツッコんではいけない気がする)


小鳥「ところで、プロデューサーさん。来週のオーディションの日の朝なんですけど……」

P「……? その日が、どうかしたんですか?」

小鳥「実は、765プロのもうひとつのアイドルユニットが、地方ロケから帰ってくるんですよ。
   プロデューサーさんはそのときが初対面だと思いますし、ご挨拶、しておいてくださいね」

P「え……も、もうひとつのユニット?」

小鳥「あら、社長からお話を聞いていませんでしたか? えーっと……」


P(──その後、俺は)

P(音無さんから、もうひとつのユニットについての資料を見せてもらった)


P「……」


ペラ、ペラ……


P(しかし、知らなかったな、こんなユニットがあるなんて……
 俺としたことが、勉強不足もいいところだ)


P「……トップアイドル、か」


P(トップアイドルの座は、決して広くはない)

P(……もしかしたら、彼女達は……
 フェアリーズステップのライバルに……なってしまうんだろうか)


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 3週目 朝


P(前回のあらすじ……)

P(響、真美、千早によるユニット、フェアリーズステップがついに活動を開始した)

P(彼女達のデビュー曲も無事、『Next Life』に決定され……
 あれから俺たちは、今日この日まで、新曲をマスターすべくレッスンの日々を重ねてきていたのである)


P(……そして、今日)

P(ついに、オーディションの日がやってきた……!)



P「うーん、朝の空気がうまい! アイドル達の様子は、っと……」

P「って、まだ誰も来ていないか。はりきって早く来すぎちゃったかな」


ガチャッ……


???「おはようございまー……えっ?」

P「ああ、おはよう……えっ」

???「えーっと……?」

P「あ、あの……俺は……」


P(……そ、そうだ! 確か、今日の朝に地方ロケから帰ってくるって言っていたっけ)

P(この子は確か、先週末に音無さんからもらった資料に書いてあった……)

P(765プロのもうひとつのユニット……そのリーダーだ!)


>>126
※響、真美、千早以外の765プロのアイドルでお願いします。この安価に限ってはピヨ無しで
※伊織を指名した場合、伊織率いるそのライバルユニットが『竜宮小町』かどうかを指定しておいてください
  もし竜宮小町だったら、残りのメンバーが亜美とあずささんに決定されます
  もし竜宮小町ではなかったら、その後の展開でまた残りメンバーの安価を出します

やよい


P(そこにいたのは……たしか、高槻やよいと言ったかな)

P(ふわふわで明るい茶色の髪の毛──光の角度によっては橙色にも見える──を、
 可愛らしいツインテールにまとめている)

P(……詳しいプロフィールには書いてなかったから、これから考えることはあくまで妄想だ)


P(彼女──高槻やよいは、心から家族を愛していて、
 家庭を助けるためにアイドルになった……元気でしっかり者のお姉さん)

P(とってもパワフルで、みんないつだって彼女の笑顔に力をもらっている)

P(……でも、ときには……ときには、つらくなってしまうこともある。ガンバれなくなっちゃうときもある。
 そんなとき、やよいは……誰か年上の、頼れるお兄さんに甘えたくもなるんだ)

P(彼女はそういう、守ってあげたくなる妹っぽい一面も秘めている。
 本当に……まるで天使のような子なんだ)

P(そんな気がする。そんな顔をしている)


P「お、おはよう。えっと、高槻さん……だよね?」

やよい「はいっ! えーっと、あなたは……」

P「俺かい? 俺はね……」


1 君のお兄さんだよ
2 君の永遠の恋人だよ
3 響たちのプロデューサーだよ
4 その他

>>130

3


P「君のおにい……」

やよい「おに?」

P「ゲフンゲフン! あー、失礼」

P(お、俺はいま、何を言おうとしていたんだ……!?
 危ない危ない、思わず初対面の高槻さんに対して、お兄さんだよなんて言うところだった!)


P「えっと……俺は、響達のプロデューサーだよ」

やよい「ええっ!? ひ、響さんの!? ということは、響さん達も……」

P「ああ、つい先日、アイドルデビューをしたんだ!
 これから事務所でも何回か顔を合わせるだろうけど、よろしくな!」

やよい「はっ、はいっ! よろしくお願いしまーっす!
    えっへへー、響さんたちもデビューしたなんて、私、すーっごく嬉しいかもーっ! うっうー!」ピョンッ

P「うっうー?」

やよい「はわっ、あ、あの……私、嬉しくなって、
    気持ちがうわーってなったら、これがつい出ちゃって……ご、ごめんなさいっ!」

P「いやいや、いいんだよ! 謝らないでくれ。可愛らしいじゃないか、うっうー!」

やよい「……えへへ……」


P(思ったとおり、元気で明るい子だな!)

P(ああ、可愛い……)


ガチャッ

律子「やよいー、あんたまた先に突っ走っていっちゃって……あら?」

P「あ、どうも」

律子「あなたは……ああ、新任のプロデューサーね! 社長から話は聞いてますよ」

P「はい! えーっと……プロデューサーの先輩の、秋月律子さん、ですよね?
 高槻さんたちをプロデュースしてるっていう……」

律子「ええ、そう。……あーでも、『先輩』とか『さん付け』なんて、しなくていいですよ。肩が凝っちゃうから」

P「わ、わかりました」

律子「敬語もいらない。ふふっ、見たところあなたの方が年上みたいだしね」

P「そ、そうですか? それじゃあ……これからよろしく、律子」

律子「はい、よろしく!」

やよい「あの……」

P「ん? どうしたんだい、高槻さん」

やよい「わ、私のことも『やよい』って呼んで下さいっ!」

P「……ああ、わかったよ、やよいは可愛いなぁ」

やよい「えええっ!?」

P「いや……なんでもない」


P(危ない危ない……ついつい、零れそうになってしまうな)


やよい「律子さんっ! 響さん達が、アイドルデビューしたんですって!」ピョンッ

律子「それは前に私からも話したでしょー?
   ほんとあんた達はいっつも賑やかで、人の話を聞かないんだから……」

P「……えーっと、今日は、他のメンバーは?」

律子「ええ、さっきまで一緒に向かってたので……もうすぐやってくるはずですよ」


タッタッタ……


律子「っと、噂をすれば……」

P「……」

P(……残りのメンバーがやってくる前に、もう一度ここで、おさらいしておこう)

P(765プロに所属する、フェアリーズステップとは別のアイドルユニット……)

P(プロデューサー、秋月律子。リーダーは高槻やよいで……)

P(残るふたりのメンバーはたしか……)


>>136
>>137
※響、真美、千早、やよい以外の765プロのアイドルでお願いします
※律っちゃんを指定した場合、彼女はプロデューサー兼アイドルにジョブチェンジします

貴音

はるかさん


ガチャッ

はるかさん「かっかー!」

P「!?」

律子「」キッ

はるかさん「」ビクッ

律子「おほほほ、今のは、見なかったことにしてくださいね〜?」グイグイ

はるかさん「ヴぁー……」

P「あ、ああ……」

P(なんだったんだろう、今の生き物……)



ガチャッ

春香「ほら貴音さんっ! はやく、はやくっ!」

貴音「お、お待ちください、春香……はぁ、はぁ……」

春香「もうっ、そんなんじゃやよいに追いつけませんよっ!」

貴音「で、ですが……このような格好では、私、うまく走ることなど……」


P(……と、改めて、残るメンバーが来たみたいだな! えーっと……)


P「えっと、天海春香さんと、四条貴音さん……ですね?」

春香「はい! ……あれ? えっと、あなたは……」

律子「新任のプロデューサー。前に話したでしょ?」

春香「あ、ああ! はい、えへへ……、わ、私、もちろんちゃんと覚えてますよっ!」

律子「どーだか……目が泳いでるわよ」

貴音「……では、あなた様が、響の……」

P「あ、あなた様?」

貴音「……? 何か、おかしい点でも?」

P「おかしいというか……あの、できれば普通に呼んでください」

貴音「普通……それでは、『プロデューサー殿』、と」

P「……プロデューサー、でいいですよ」

貴音「……プロデューサー。ふふっ、かしこまりました。でしたら、そのように致しましょう」

P「はい……」


P(四条さん……なんだか、テンポがつかめない人だな)

P(あれ? というか今……響、とか言ってなかったっけ?)

P(……友達なのかな。まぁ、みんな以前から知り合いだったらしいし……それだけだろう、多分)


P(……なにはともあれ、それから俺たちは、改めて自己紹介を果たした)


春香「私、天海春香ですっ! 十七歳のおひつじ座で、
   趣味はえっと、カラオケと長電話と……あとあと……お菓子作りっ!」

春香「えへへー、プロデューサーさんにも、今度、
   春香特製のクッキーを作ってきますからねっ! 楽しみにしててくださいっ!」


P(天海春香……笑顔がまぶしい、元気いっぱいの女の子だな。
 歌うことが大好きで、歌でみんなを笑顔にしたくてアイドルになったらしい)

P(なんというか……一見普通っぽいけど、メインヒロインってオーラを感じる)



貴音「四条貴音と申します」

貴音「……はて、もっと何かないか、ですか?
   ふふっ……、それ以上は、秘密です」

貴音「お互いに縁を深めていけば、自ずと、私自身のことも知ることもできますから……
   今はイタズラに言葉を重ねずに、名前だけ知れれば、十分でしょう」


P(四条さん……いや、下の名前で呼んでくれと言われたから、貴音だな)

P(貴音は……はっきり言って、何もわからなかった。
 印象が薄いというわけではない。この風貌だし、むしろ目が惹きつけられっぱなしなんだけど……)

P(……それ以上に、貴音自身から、『自分のことを探らないで欲しい』と……そんな風に言われている気がしたんだ)

P(……ま、まぁ、追々仲良くなっていけばいいよな。うん……)



  *  *  *


律子「今日はこれから、オーディションなんですって?」

P「ああ。初めてのオーディション、行ってくるよ」

律子「ふふっ、頑張ってくださいね! 私達も応援していますから!」

P「ありがとう! 律子たちは?」

律子「あー、私達はもう、今日はこれで解散です。事務所に寄ったのも、報告だけ。
  長旅でクタクタになっちゃいましたからね……」

春香「ふふ、クタクタになってるのは、律子さんだけだったりしてね♪」ヒソヒソ

やよい「はわっ、だ、ダメですよ春香さんっ! ホントのこと言ったら……」

律子「……ふたりとも、聞こえてるわよー?」

春香「はぅっ! ごご、ごめんなさーいっ!」


P(……なんだか、賑やかなユニットだな)

P(プロデューサーとアイドル達との仲も良さそうで……こういうのが、俺の作りたいユニットなのかもしれない)

P(よし! >>149に負けないよう、俺たちも頑張ろう!)


>>149
※やよい、春香、貴音ユニットのユニット名をお願いします

スプラッシュ


東京


  ──────────────────────
         オーディション:THE DEBUT
  ──────────────────────


                             さくらてれび
                      ──────────
                          活動 3週目 昼


P(……そのあと、程無くしてやってきた響たちを連れて、テレビ局へとやってきた)

P(しかし……)


P「……」

響「……ねぇ、どしたのプロデューサー。さっきからボーっとしてるぞ」

P「え、あ、ああ……いや、なんでもないよ」

響「なんでもないってことないでしょ! も、もしかして……
  さっきスプラッシュに会ったって言ってたし……、貴音になんか言われた?」

P「貴音? いや、特にはなにも……」

響「……そう。なんにも言われてないなら、いいんだけど……
  いや、よくないけど……うぅ〜」

P(響……貴音と、何かあったのかな?
 まぁ、今はオーディション前だ。余計なことを言うのは、やめておこう……)


P「……ごめんな、響。ははは、ちょっと緊張しちゃってるのかもしれない」

響「緊張?」

P「お前達の記念すべき、初めての晴れ舞台だから。
 プロデューサーである俺がこんなんじゃ、いけないよな」

響「……へへっ。だいじょーぶ! プロデューサーが心配しなくたって、
  自分達、ゼッタイ、ゼーッタイ! 勝ってみせるからねっ!」

P「……ああ、そうだな。この日のために、ずっとレッスンを頑張ってきたもんな。
 期待してるぞ、響っ!」

響「うんっ!」



  *  *  *


スタッフ「みなさん、そろそろ時間なので、お願いします!」

「「「はいっ!」」」


P「……みんな、今日は初めてのオーディションだけど……」

P「お前達のポテンシャルも、この一週間の努力も、俺がちゃんと知っている。
 いつも通りの実力を出せれば、きっと……いや絶対、合格間違いなしだ!」

響「うんっ! 自分達なら、ゼッタイ、なんくるないっ!」

真美「真美だって、ガンバっちゃうかんねっ!」

千早「……全力を、尽くします」

P「よし、それじゃあ響……リーダーらしく、みんなに気合いをいれてやってくれ」

響「まっかしといてーっ!」



響「……みんなっ! 気合いをいれていくぞっ!!」

真美・千早「はいっ!」



千早「……3!」

真美「2っ!」

響「いーっち!」



「「「……トップアイドルーっ!!!」」」



  *  *  *


P「……行ったか」


ブルッ


P「……なんだろう。さっきから……、胸騒ぎが止まらないな」

P「……」

P「このテレビ局の中に入ってから……?」


P(……みんなは今、オーディションに行っていて、
 ここに帰ってくるのは、約一時間後……時間は、確かにある)

P(……なんとなく、何かに出会える気がするんだけど……。
 どうしよう、少し、その辺の様子を見に……)


1 行く
2 行かない

>>160

1


P(……もやもやした気持ちのまま、ここでみんなを待っていても、
 時間はなかなか過ぎていかないだろう)

P(すこし、テレビ局の中をブラつこう)


  *  *  *


P「えーっと……いおりんのオレンジジュース、っと」ピッ


ガコンッ


P「うっへっへ……これがうまいんだよなぁ」ゴクゴク


ロングヘアーの女「……あー、だるっ」


P「……?」

P(なんだ? 声が……)



ロングヘアーの女「ほんっと、くっだらない……お前達のために踊ってるんじゃねーつーの……」

ショートカットの女「……まぁ、そうだけど。ここ、テレビ局よ?」

黒ツインテールの少女「いひっ♪ プロデューサー、ストレス溜め込んでんねー。ま、わかるケドさ」



P(……思わず隠れてしまった)

P(誰だろう、見たことがないな。ここにいるってことは……あの子達も、アイドルか?)


P「……」コソコソ


ロングヘアーの女「……ってうわー! サイッアク! いおりんのオレンジジュース売り切れてんじゃん」


P(あ、俺が買ったのが最後だったのか)


黒ツインテールの少女「じゃーさ、もう帰ろうよー。こんなとこいてもつまんないしね」

ロングヘアーの女「……そーね。あーもう、超ムカつくっ」ガコンッ

ショートカットの女「……」

黒ツインテールの少女「麗華、いおりんのこと好きだもんね」

ロングヘアーの女「やかましいっ! そんなんじゃないわよ!」

ショートカットの女「……はぁ」



P(……行ってしまった)

P(な、なんだか柄の悪い連中だったな。顔は綺麗なのに、もったいない)

P(胸騒ぎの原因は、あの子達だったのか? それとも……)

P(……とにかく、俺も、そろそろ戻ろう)


P(……う、うわあ……)

P(どうしよう、道に迷ってしまった。初めてくるテレビ局だったからな……)



金髪ゴスロリの少女「……ったく……なんでアタシが、リアドルのマネゴト……」テクテク

茶髪ロングヘアーの女「しかたないでしょ。私だって本望じゃないわよ、こんなこと」



P「……お、ちょうどあそこに人影が……あの、すみま──」



金髪ゴスロリの少女「あーあ。せめて、センパイが来てくれたらな〜」

茶髪ロングヘアーの女「それはこっちの台詞! もう、ブツブツ言ってないで、行くわよ鈴木さん」

金髪ゴスロリの少女「だからその名前で呼ぶんじゃないわヨっ!! このロン毛ロン毛ロン毛!!」

茶髪ロングヘアーの女「うるさーい! 鈴木さん鈴木さん鈴木さん!!」



P「……お取り込み中だったみたいだ。もう、自力で戻ろう……」

P(それにしても、さすがテレビ局だな。個性的な人達がいっぱいだ……)


P(そのあと俺は……、警備員の人に道を聞いて、ようやく元の場所へと帰ってくることが出来た)

P(オーディション終了までは……な、なんとかギリギリセーフ、といったところだな。問題ない問題ない)


  *  *  *


響「……あっ! プロデューサーっ!」

P「おお、響! それに皆も……オーディション、どうだった?」

響「へへー……!」

P「……うまくいったみたいだな!」

響「うんっ!」

千早「……あとは……結果を待つだけです」

真美「んっふっふ〜! そんなん待たなくたって、真美たちが一番で間違いないっしょ!」


P(……みんな、とても生き生きとしている)

P(実力を発揮できたようで、俺も嬉しいよ……!)


P(そして……結果発表のときがやってきた)

P(本来ここには、そのユニットの代表であるアイドルしか入れないはずなのだけど……)


「六位通過……○○プロダクション所属……」


響「うぅ〜……まだ呼ばれない……」

P「……響、そんなに緊張してるのか?」

響「うええ!? そそ、そんなことないしっ!」

P「大きな声を出すなって……」


P(……そのアイドルが、めちゃくちゃ緊張してしまったので、
 ムリを言って、保護者同伴でもオーケーということにしてもらったのだ)




P「というかさっきは、あんなに元気だったじゃないか」

響「あっ、あれは……その……みんなの前だったから……」

P「……」

P(……響も、リーダーとして皆を引っ張っていこうって思ってくれてるのかもしれないな)

P(まぁ、いまさら緊張してようがしていまいが、結果は変わらないんだけど、
 俺が今、緊張でガチガチになっている響にしてやれることは……)


1 そっと手を繋いでやろう
2 「愛してるよ」と囁こう
3 その他

>>172


P「……響」

響「え?」


ギュッ


P(──俺は……、そっと、響の手を握った)


響「……! ぷ、プロデューサー……」

P「あはは……わかるか?」

響「……うん」

P「……ごめんな。こんなプロデューサーで」

響「……ううん、いいんだ、そんなこと。だって自分達、相棒だもんねっ」

P「……ああ」

響「えへへっ……」


P(……ここにいるのは、みんな、新人アイドルで……。
 自分達のデビューが華々しいものになるか、そのことで頭がいっぱいで)

P(だからきっと、誰にも、わからないだろう)


P(……こんな場所で、堂々と手を繋いでいることも)

P(そして……)

P(俺『たち』の手が、ふたつとも……これからやってくる明るい未来に期待して、
 それと同じだけ、先の見えない未来に不安を感じて……、ひどく震えていたことも)

P(それは……、俺たちにしか、わからない)




  *  *  *



「……それでは、歌っていただきましょう!」

「765プロダクション所属……」

「アイドルらしからぬサイケデリック・トランスをひっさげてやってきた、期待の新星。
今宵生まれた妖精達のダンスを、よくご覧下さい……」



響「……よし、みんな……行くぞっ!」

真美「うんっ!」

千早「……ええ!」



「──フェアリーズステップの皆さんですっ!!」



ワァァァ……!





 ……あなたの遺伝子が、呼んでる




東豪寺麗華「……ん」

朝比奈りん「どったの?」

三条ともみ「……あのビル、見てる? 電光掲示板?」

麗華「……別に。ただ、くっだらないって思っただけよ。
   新人なんかのために、あんな番組作って、あんな風に大げさにテレビに出ちゃって」

りん「……ま、確かにそーだね」

ともみ「……」

麗華「……偶像(アイドル)なんて、虚像。ニセモノ……」

麗華「せいぜい夢見てるといいわ、新人さん。
   その夢が、本当にくだらないもので、嘘の塊の上に成り立つものなんだって気付く、そのときまで……」

りん「……」

ともみ「……あの頃、思い出したの?」

麗華「……ちがうわよ。さ、もう行くわよ。
   来週も再来週も、フェスなんだから。『準備』にいかないと」

りん「いひっ♪ でもでも、勝ちが決まってる戦いなんだケドねっ!」

麗華「……ふふ。そうよ、そしてそれが……この世界の、本当の姿」



麗華「……さぁ」

麗華「魔王エンジェルの、プロデュースを……、始めましょう」




 ……今こうして自分が ここにいるのが

                良く考えたら凄く不思議で……



水谷絵理『……』


ポー…ン


…………………………
Room Master : ELLIE
Enter : CINERIA
…………………………


絵理「……サイネリア?」

ピッ

サイネリア「ELLIEセンパーイっ! おひっさでーす!」

絵理「……」ピッ


ポー…ン!


絵理「……何?」

サイネリア『ちょっとおおお!? いきなり切るとかひどくないデスか!?』

絵理「今、忙しいから……」

サイネリア『えー……何やってるんです?』

絵理「……テレビ」

サイネリア『テレビ?』

絵理「……うん。『THE DBUT』、見てるの」

サイネリア『ふーん……面白いですか、んなの』

絵理「……正直、微妙? でも……」

サイネリア『でも?』

絵理「……」



絵理「……真美、ちゃん……」




……離れてゆく螺旋の記憶が

      時を越えてまた二人巡り逢わせるまで……



律子「……よーく観ておきなさい、みんな。響たちの出発を」

やよい「……」

春香「……」

貴音「……」

律子「……厳しいことを言うようだけど、あの子達こそが、きっと……、
   『アイドルアカデミー大賞』を狙うのに、最大のライバルになるんだからね」

律子「かけがえの無い、仲間……だけど、今のうちから研究をしておくことに、損は無いわ」

やよい「……でも、私」

春香「……やよい」

やよい「っ! ……ご、ごめんなさい」

貴音「……」


スッ


律子「……貴音、どこに行くの?」

貴音「……もう、十分ですから」

律子「……そう」





……憶えていたい二人いるだけで

      それが全て 満たされた幸せな日々を……




天ヶ瀬冬馬「……こんな新人だけの番組を見るなんて、仕事熱心なんだな」

黒井「フン……なんとでも言え」

冬馬「……これが、黒井社長の言ってた、765プロか?」

黒井「ああそうだ……掃き溜めの、どうしようもない弱小事務所だよ……!」

冬馬「……ヘッタクソな歌。ダンスもビジュアルも、三人かかっても俺一人に及ばねーな」

黒井「当然だ。冬馬、お前は私が育てた、王者となる器の持ち主なんだからな」

冬馬「フン……ま、どーでもいいけど」


冬馬「裏でコソコソ、汚いマネをしているような奴らには……俺は絶対に負けねぇし」

冬馬「こんな低レベルな奴らは、俺と同じ土俵にすら上がらせねぇ」

冬馬「……楽勝、だぜ」





……忘れはしない君の温もりと

      偽り無い真剣な眼差しを ずっと……




小鳥「社長、テレビ、観なくてもいいんですか?
   せっかくの響ちゃんたちの晴れ舞台なのに……」

高木「……」

小鳥「……何を見ていらっしゃるんです?」

高木「ウム……いや、私も年を取ったと思ってね。
   少し、昔のことを思い出していただけだよ」

小鳥「……これって……」


スッ


高木「……東豪寺プロダクション所属、魔王エンジェル」

高木「正体不明のネットアイドル……サイネリア」

高木「そして──黒井率いる、961プロダクション」

小鳥「……本当に、どこまでお顔が広いのかしら」

高木「ははは……、しかし、今年の『アイドルアカデミー大賞』は、荒れそうだねぇ」

小鳥「……そうですね。ふふっ、社長も、なんだか昔の血が騒ぐんじゃないですか?」

高木「何を言っているのだね、音無君。私はもう、引退した身だ。
   このまま『影』で、彼女達を見守っているほうが、私にはふさわしい……」

高木「時代の荒波に揉まれるのは、若い者達の仕事。……私はね」

高木「フェアリーズステップか、スプラッシュか……
   彼女達のうち、どちらかがIA大賞を受賞してくれれば、それで満足だよ」



小鳥「……社長ったら。そんなこと言ったらいけませんよ」

高木「うん? どういうことだね?」

小鳥「だって……」



ガチャッ……

「……失礼します」



小鳥「……ふふっ。765プロダクションには、まだまだ、アイドルがいるんですから」

高木「……ああ、そうだったね」



「……社長、私は……」



高木「ははは、まぁ、座りたまえ……それで、なんだったかな」




高木「……ソロで、アイドルデビューしたい、と?」

伊織「……はい」



ワァァァァ……!

    パチパチパチ……!



P(……響たちの出演が終わった)

P(三人揃っての、初めてのオーディション。
 それが大成功に終わって、俺たちはようやく、アイドルとしての一歩を踏み出すことことが出来た)

P(『Next Life』……くすぶっていたあの子達は、もういない。
 移り変わる世界の中で、彼女たちはこれから、文字通り……、新しい命として生まれ変わっていくことだろう)


P(……でも、俺はまだ、知らなかった)

P(このときの俺はただ、彼女達の輝く姿を見るのに夢中で)

P(これからやってくるであろう、華やかな未来を思い描くのに必死で……)


P(……トップアイドル。アイドルマスター……
 その場所にたどり着くまで、どれほど多くの苦難が待ち受けているかを)

P(俺は、ほんのひとかけらすらも……、考えてはいなかった)


【活動 3週目 おわり】

とりあえずここまで
前回VIPでやったのをそのままなぞるのもなんか微妙なので、
IA大賞を軸にはするけど、ここからは前回のアレともゲームとも少し違う話にしたいって思ってます
次は日曜のお昼に書く おやすみ

あと>>178の『DEBUT』ってスペル間違えた 恥ずかしいごめんなさい

次書くまで少し日にちが開くので、いちおう酉を

再開する
でもその前に、前書いたところの>>182から2レス分だけ訂正させてください



小鳥「……社長ったら。そんなこと言ったらいけませんよ」

高木「うん? どういうことだね?」

小鳥「だって……」



ガチャッ……

???「……失礼します」



小鳥「……ふふっ。765プロダクションには、まだまだ、アイドルがいるんですから」

高木「……ああ、そうだったね」



???「……社長、あの……」



高木「ははは、まぁ、座りたまえ……それで、なんだったかな」




高木「……ソロで、アイドルデビューしたい、と?」

???「……はい」



ワァァァァ……!

    パチパチパチ……!



P(……響たちの出演が終わった)

P(三人揃っての、初めてのオーディション。
 それが大成功に終わって、俺たちはようやく、アイドルとしての一歩を踏み出すことが出来た)

P(『Next Life』……くすぶっていたあの子達は、もういない。
 移り変わる世界の中で、彼女たちはこれから、文字通り……、新しい命として生まれ変わっていくことだろう)


P(……でも、俺はまだ、知らなかった)

P(このときの俺はただ、彼女達の輝く姿を見るのに夢中で)

P(これからやってくるであろう、華やかな未来を思い描くのに必死で……)


P(……トップアイドル。アイドルマスター……
 その場所にたどり着くまで、どれほど多くの苦難が待ち受けているかを)

P(俺は、ほんのひとかけらすらも……、考えてはいなかった)


【活動 3週目 おわり】

細かい修正おわり
社長と話をしていたのは、伊織でも良かったけど、やっぱり安価で決めたほうが良いかと思ったので
次に出す安価で、>>182で誰が社長と話をしていたのが決めます

ということで再開する


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 4週目 朝


P(前回のあらすじ……)

P(響、真美、千早で構成される新ユニット『フェアリーズステップ』が、
 ユニット結成以来初めての全国オーディションに挑戦した)

P(そして見事合格を果たし、華々しいデビューを飾ることが出来たのである!)


P(これでようやく、アイドルユニットとしての最初の一歩を踏み出した、と言ったところだな。
 でも、これから彼女達がどう活躍していくかは、俺のプロデュースにかかっている……)

P(今週も頑張っていこう!)



ガチャッ

???「おはようございまーす」

P「おお、おはよ……あれ?」

???「あ……」

P「えーっと、君は……」

P(……初めて見る子だな。たしか、名前は……)


そこにいたのは……
>>195
※お話に関わっていく(安価で決める)最後のアイドルです
※響、真美、千早、律子、やよい、春香、貴音、小鳥を除いた765プロの女の子でお願いします

あずさ


P(そこにいたのは、三浦あずささんだった。
 腰まで伸びた長い黒髪が美しく、出るところも出て……じゃなくて)

P(とにかく、すれ違う男みな振り返るほど綺麗な、765プロのアイドル候補生のひとりである)


あずさ「えっと……あ、おはようございますー」

P「おはようございます。三浦あずささん……ですよね?」

あずさ「はい。そういうあなたは確か、響ちゃん達のプロデューサーさん……」

P「ええ。初めまして、これからよろしくお願いします」

あずさ「ふふっ、これはご丁寧に……こちらこそ、よろしくお願いしますー」


P(……彼女に会ったのは、これが初めてだ)

P(うーん、写真で見るより、ずっと綺麗だな。なんとかお近づきに……じゃなくて!)

P(たとえ担当アイドルではなくとも、コミュニケーションを取ることは大切だろう!
 下心なんて一切なく、あくまで765プロのプロデューサーとして!)

P(それじゃあ、まぁ、初めて会ったことだし……)


1 とりあえず連絡先を聞いておこう
2 挨拶代わりのπタッチでもしよう
3 「今日はどうして事務所に?」と聞こう
4 その他

>>197


P「ところで、今日はどうして事務所に? こんなに朝早くから……」

あずさ「……うふふっ。聞いてくれますか?
    実は、私もついに、新曲を出せることが決まったんですー♪」

P「ああ、そうだったんですか!」

あずさ「ええ。ですから今日は、作曲家の方と打ち合わせ……で……」


P(765プロに所属するアイドル達は、今から約半年前に、形式上では一応デビューを果たしている。
 しかしデビューしたのはいいものの、その後はいまいちパッとした活躍が出来ず……)

P(そこで、リスタートを切る、という意味を込めて、
 俺や律子がプロデューサーとなり新ユニットを立ち上げることで、改めて再デビューさせているのだ)

P(ソロプロデュースではなくユニットプロデュースなのは、それにもまた理由があるんだけど──)


あずさ「……はふぅ」

P「ははは……なんだか眠そうですね」

あずさ「ご、ごめんなさい。こんなに早起きをしたのは、随分久しぶりで……」

P「朝、苦手なんですか?」

あずさ「はい……目覚ましを十個セットして、ようやく起きることができました……」


P(眠そうな顔も絵になるなぁ)


P(……その後、一言二言世間話をして、俺とあずささんは別れた)

P(なんでも、あずささんをプロデュースするのは、高木社長ということになったらしい。
 事務所で昔なじみの記者さんとお茶を飲んだり、週末だけ現れてテレビを見せることだけが仕事ではなかったんだな)

P(……ここに来てなぜ、あずささんを再びソロで活動させることになったのか)

P(そしてなぜ、社長自らが動きだしたのか……)

P(気になることはいくつかあるけれど、まぁ、追々知っていけばいいだろう。
 それより今は、自分の担当アイドルのことを考えないといけないな)


P(……あずささん)

P(綺麗な人だったなぁ)ポケー


グッドコミュニケーション!



  *  *  *


P「……よし、皆揃ったな!」

「「「はいっ!」」」

響「ねぇねぇプロデューサーっ! 今日は何をするんだ?」

真美「またテレビに出よーよ〜! 真美、ガッコでめっちゃ人気者になっちゃったからさ〜!」

千早「真美、ダメよ。テレビなんてそう簡単に出演できるものじゃないんだから……
   メディアなんて関係なく、歌が歌えれば、今はそれで十分でしょう?」


P(皆、なかなか良いテンションだな! 初めてのユニットでのテレビ出演が、刺激になったらしい)

P(でも、今は……)


P「今週は……営業に出かけるとしよう」

響「営業?」

P「ああ。テレビとはちょっと違うけど、これもアイドルの立派なお仕事だ」


P(先週のテレビ出演での活躍を受けて、いくつかのお仕事の依頼が入ってきている)

P(どれもまだまだ小さい仕事だけど、こういう一歩一歩の積み重ねが大切なんだ。
 そうだな、今の皆にぴったりの仕事と言えば……)


1 エキストラのお仕事
2 イベントのお仕事
3 地方ラジオのお仕事

>>201

3


中央エリア


  ──────────────────────
         営業:地方ラジオのお仕事
  ──────────────────────


                                 静岡
                      ──────────
                          活動 4週目 昼


P(よし……ようやく着いたな)

P(地方ラジオのお仕事。ほんの数分間の出番しかないとは言え、
 今のフェアリーズステップの知名度では、それはノドから手が出るほど欲しい、とても貴重な時間なんだ)

P(ばっちりアピールをして、この地方のファンを増やすことが出来るといいんだけど……)

P(さて……今日は、どのアイドルのプロデュースに、特に力を入れようかな?)


1 響
2 真美
3 千早

>>204


【地方ラジオのお仕事(響編)】

スタッフ「本番10分前でーす」

響「……」

P「……? 響、どうしたんだ?」

響「あ、プロデューサー……」

P「さっきから元気が無いように見えるけど……
 もうすぐ本番だぞ、皆の出番は中盤くらいとは言え、今からいつもみたいにテンション上げていかないと!」

響「で、でも……!」

P「……ははーん。さては、また緊張してるんだな?」

響「うぇえっ!? そ、そんなんじゃないしっ!」

P「じゃあ、なんでそんな顔をしているんだよ」

響「う……それは……」


P「──何を話したらいいかわからない?」

響「うん……」

P「……なるほど」


P(今回のラジオで響たちが出演するのは、『アイドルの新芽!』と言う名前のコーナーだ)

P(簡単に言ってしまえば、今注目を浴びている新人アイドルをゲストに呼んで、
 まだ誰も知らないその素顔を探っていこうって企画だな)

P(でも……)


響「素顔って言ってもさ、そのままの自分達を出しちゃっていいの?」

P「う〜ん……」


P(……実は、先週のテレビ出演のあと、事務所には数枚のファンレターが届いていたんだ)

P(初めてのファンレター。みんなとても喜んだんだけど、その内容が……)


『Next Life』、とてもクールでカッコいいです!

響ちゃんも千早ちゃんも真美ちゃんも、
年相応に見えなくて大人っぽい! これからも応援していきます!


P(ってカンジだったんだよな)

P(あのときはトークも一言二言くらいしかなかったし、曲の雰囲気を忠実に再現した結果、
 フェアリーズステップはクールなユニットというイメージが付いてしまったらしい)

P(……だから響は、素顔を見せることで、そんなイメージが崩れてしまうのが怖いんだろうな……)


響「素顔を見せて、ファンレターを送ってくれた人がガッカリしちゃったら……」

響「……自分、そんなの、ちょっとやだぞ」

P「……」


P(響も真美も、明るくて元気なところが売りだし、そこが一番の魅力だって俺は思う)

P(千早だってそうだ。数週間一緒に活動してきて気づいたけど、彼女は不器用なだけで、
 決して冷たいというわけではない。むしろ胸に秘めた情熱は、誰よりも熱い……)

P(と、俺は勝手にそう思っている)


P(……きっと、今日のラジオ出演で、フェアリーズステップのイメージはある程度固められてしまうだろう)

P(だから響は響なりに、リーダーとして、これからの自分達のことを考えて、
 素顔を出すことをためらっているのかもしれないな)

P(そんな響に、今言ってやるべき言葉は……)


1 先週のことは忘れるんだ
2 力を抜いて、適当にやればいい
4 思いっきりクールに振舞え
3 その他

>>208

自然体でいくんだ


P「……響。自然体でいくんだ」

響「自然体?」

P「ああ。まずは肩の力を抜いて……深呼吸をしろ」

響「深呼吸……」

響「……すー……はー……」

P「……気分はどうだ?」

響「……ちょっと落ち着いたかもしれないぞ」

P「うん、それでいい。それから次は……そうだな、MCの方と友達になってこい」

響「ともだ……えええっ!?」

P「真美も千早も、さっきからソワソワしてるだろ?
 まぁ、二人が頭の中で考えてることはちょっと違うだろうけどね」

P「……それに。響も、さ」

響「……いいの?」

P「ああ、もちろん。本番まであとほんのちょっとだけど、一言でいいから三人で改めて挨拶にいってくるんだ。
 そこで、友達になること。本番のことは、今は何も考えなくていいから」

響「……」

P「……だまされたと思って、やってみな。そしたらきっと、うまくいくから」

響「……うん、わかったぞ!」


P(それから響は、ふたりを連れて、進行の方に挨拶に行った)

P(本番直前ということで多少は面食らっていたものの、いきなりドストレートに
 『友達になってください!』と言った響や……)

P(真美の繰り出すへんちくりんな言葉、千早の必死に歌をアピールする姿を見て、和んでくれたらしい)

P(そして……)


響「プロデューサー!」

P「おお、どうだった?」

響「えへへっ、お茶菓子もらっちゃったぞ! いっしょに食べよっ!」

P「あはは、まぁそれは本番が終わってからな。
 それより……MCの人、どうだった?」

響「すっごく良い人だったぞ! 仕事が終わったら遊びに行こうって約束してくれたんだ〜!」

P「そっかそっか! 良かったな、響」

響「うんっ!」


スタッフ「本番入りまーす。5、4……」


P「……今話したその感じ、忘れずにいくんだぞ?」ヒソヒソ

響「え?」

P「小さいことで悩んでいるよりも、そういう自然体の、素顔の響が、一番魅力的だから」

響「んなっ!? ら、ラジオで顔なんて、関係ないでしょ!」



  *  *  *


MC『……それにしても、「Next Life」のあの振り付けは誰が考えたの?
  響ちゃんを先頭にして、後ろのふたりが手をぷらぷらさせて……まるで阿修羅みたいだったけど』

真美『あっ、それは真美だよ〜!』

響『えへへー、カッコいいでしょ!』

千早『あ、あのっ! 私は決して、賛成だったわけでは……!』


  *  *  *


P(それから響たちは、あくまで自然体で、MCの方と友達気分で話すことが出来た)

P(やっぱり、こういう風に話しているみんなが、一番可愛いな)


P(……アイドルにとって楽曲というのは、舞台を彩る重要な要素になるけれど、
 決して、ひとつの歌だけでアイドルの性格をすべて表現できるわけではない)

P(彼女達には、様々な顔がある。クールな顔、情熱的な顔……泣きそうな顔、切なそうな顔。
 そういった多くの一面を、少しでも引き出すために、楽曲というものは存在するんだ)

P(『Next Life』でファンになってくれた人も、きっと、彼女達のもっと色んな顔を見たいと思っているはずだろう……)


P(……よし! うまく響たちの、ありのままの魅力を引き出すことが出来たみたいだな!)


パーフェクトコミュニケーション!


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 4週目 夜


「「「ただいま戻りましたー!」」」

小鳥「みんな、お帰りなさい! ラジオの収録、どうだった?」

響「えへへっ、ばっちりだったぞ!」

小鳥「そう……ふふっ、良かったわねえ。これからも、頑張っていきましょうね」

響「うんっ!」


  *  *  *


P「……ということで、来週の予定は、今言った感じでよろしく。
 それじゃあ、今週の活動はこんなもんかな」

「「「はいっ!」」」

P「さてと……」

P(でもまだ少し、時間があるな。解散する前に、誰かと話でもしておこうか?)


1 話す
2 疲れているだろうから、解散!

>>214
※1を選んだ場合、誰と話すかを指定してください

1 真美


P「真美、最近どうだ?」

真美「えー? 最近どうだって言われても、意味フメイっぽいよ〜」

P「ぐっ……そ、そうだなぁ。じゃあ、学校生活とか、何か変わりはあった?」

真美「うんっ! 真美ね、クラスの友達からメッチャ褒められちゃったんだ〜っ!」

P「褒められた? ああ、先週のテレビ出演のことでか」

真美「そだよっ! んっふっふ〜、こりゃあ、真美にカレシさんが出来るようになるのも、
   もーすぐってカンジだね! 明日には告られちゃったりして〜」

P「か、彼氏!? ……真美、そういうのに興味あるのか……?」

真美「……んー、ホントはよくわかんないけど、でもでも、勝負だかんね」

P「勝負……?」

真美「あっ、兄ちゃん、ちょびっとヤキモチ焼いちゃった?」

P「ヤキモチって……お前、そりゃあ……」


1 ヤキモチとかじゃないけど……アイドルに恋愛なんて、厳禁だからな
2 真美に彼氏なんて出来たって想像したら、もちろん嫉妬するよ
3 その他

>>216

恋愛したいならするがいい。ただし親や他の人に迷惑かけるな。




とアイドルとして説教はここまでして→2

>>216
把握
でもすみません、少し席を離れます。夜に再開する


P「……恋愛したいなら、すればいい。真美だってそういうことに興味のある年頃だろうからな」

真美「あ……う、うん。ね、ねぇ兄ちゃん、顔がこわ──

P「でもな……」

真美「……」

P「親や他の人に、迷惑だけはかけるなよ」

真美「メーワク?」

P「そうだ。真美は今、ただの中学生じゃない。アイドルなんだから」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん、あの……何も今、そんなお説教みたいな……」

P「……心配しないでください。真美ならきっと、大丈夫ですから」

小鳥「え……?」

真美「でもでも! アイドルだからって、真美が彼氏作ったら、誰かメーワクになっちゃうの!?」

P「そりゃあそうだよ。何より、これからもっともっと増えるであろう、真美のファンが傷つくだろ?」

真美「……っ」

P「……ファンの皆は、アイドルにこんなことを願っているんだ。
 こんな妹がいたらいいな、こんな恋人がいたらいいな、って……」

P「真美が恋愛をするのは、真美の自由だ。
 だけど……もし、真美のことを大好きなファン達がそれを知ったら……、どう感じると思う?」

真美「……ガッカリしちゃうと思う。なんなのー!? って思うんじゃないかな……」

P「……うん、そうだな」


P「そのことを隠し通せるなら、それがモチベーションに繋がるなら……
 俺だって真美に、こんなことは言わないよ。でも……」

真美「……」

P「……さっき、勝負って言ってたよな?」

真美「あ……、う、うん」

P「それがなんのことだかは、俺にはわからないけれど……、
 恋愛っていうのは決して、誰かと競ってするものじゃない」

P「好きな人ってのはさ、自然と出来るものなんだから。もちろん、憧れる気持ちもわからないでもないけどね」

真美「自然と……?」

P「……ああ。この人と一緒にいたい、一緒に幸せになりたいって思う人が、真美の前にもきっと訪れる。
 だからそれまで……そういうことはなるべく、考えないようにしてくれると……、俺は嬉しい」

真美「……」

真美「……うん。わかったよ、兄ちゃん……」


P(……良くも悪くも、真美は誰よりも素直な子だ)

P(アイドルとして自覚を持て! なんて、真美にはまだ納得しきれないかもしれないけど……
 ちゃんと言い聞かせてやれば、わかってくれるはずだ)


真美「……ごめんね、あんなこと言って……」


P(……で、でも、ちょっと……い、言い過ぎたかな?
 テンションゲージがググッと下がる音が聞こえるようだ……)


P「ごほん! あー、その、なんだ……
 俺もちょっと、言い方が怖かったかもしれない。ごめんな」

真美「……」

P「……本当のことを言うと、俺もさ……、
 真美に彼氏なんて出来たって想像したら、もちろん嫉妬するんだよ」

真美・響「えぇっ!!?」

千早「ど、どうして我那覇さんまでビックリするの?」

響「なな、なんでもないぞ。いこいこっ、千早!」グイグイ

千早「きゃっ……ちょ、ちょっと、押さないで……!」


真美「……兄ちゃん、やっぱりヤキモチ焼いちゃうの?」

P「そりゃそうだよ」

真美「そっかー……んっふっふ〜! それってこれってもしかして……」


響「……」ピクピクッ

千早「……聞き耳立てるくらい気になるなら、近くで聞けばいいんじゃないかしら」

響「そ、そんなことないしっ! うー……」


真美「ねぇねぇ兄ちゃん! じゃあじゃあ、なんでヤキモチ焼いちゃうの?」

P「え? だって俺は──」

響「うー……」ジー

P「……」

P(……な、なぜか、どこからか視線を感じる)

P(ここは、どう答えておくべきかな……)

P(返答次第では、とあるアイドルの機嫌を損ねてしまう気がする……)


P「……おっほん! だって、俺はな……」


1 真美に一目惚れしたからだよ
2 真美達の一番のファンだからだよ
3 その他

>>222

2


P「……真美達の、一番のファンだからだよ」

真美「ファン? でもでも兄ちゃんは、ファンじゃなくてプロデューサーっしょ?」

P「ファンっていうのはさ、アイドルのことが大好きで、ずっとずっと応援してくれる人のことだ。
 そういう意味なら、間違ってないだろ?」

真美「んー……」

P「だから、ヤキモチだって焼くよ。男の噂なんて聞いたら、
 どこのどいつが俺のアイドルに手を出したんだ! って思っちゃう」

P「……誰よりも、大切に思っているんだ。もちろん真美だけじゃなくて、響も千早も、ね」

響「!」

千早「……」

P「……ということで、納得してくれたかな?」

真美「……うんっ! ま、今はそれでオッケー!」

P「ははは……ありがとな」


P(アイドルに恋愛はご法度……)

P(まだ俺達は一緒に歩き始めたばっかりなんだし、軽々しく惚れたのなんだの言うよりは、
 こう答えておくほうが……いいんだろうな、きっと)

P(……みんな年頃の女の子だし、女心は何よりデリケートなものだ。
 これからも、なるべく発言には気をつけるようにしよう……)


グッドコミュニケーション!



  *  *  *


P「さて……それじゃあ皆──」

ガチャッ

高木「……おお君達! 良かった、まだ帰っていなかったようだね」

P「ああ、社長! それにあずささんも……お疲れ様です」

あずさ「ふふっ、プロデューサーさんも。お疲れ様ですー」


P(朝以来だな、あずささん。そういえば今日は、作曲家の方と打ち合わせだ、って言っていたっけ……)

P(あずささんの歌、か……社長からもらったプロフィールには、
 歌唱力は765プロでも一、二を争うって聞いていたけど、実際はどんな感じなのかな)

P(……まぁそれも、いつか新CDが発売されればわかることか)


P「ところで、社長。俺達に何か用事でもあったみたいですけど……」

高木「ウム、それなんだが……三浦君もいることだし、君達にまとめて、
   これからの話をしておこうと思ってね」

P「これからの話?」

高木「ああ。トップアイドルを目指すにあたって君達が達成すべき、具体的な目標の話だよ」


高木「……トップアイドル。それは、アイドルの数だけ存在すると言ってもいい」

高木「ファンが心の中で、『彼女が自分にとっての最高のアイドルだ』と思ってしまえば、
   それも立派なトップアイドルだ。ランクの高い低いには関係なくね」

高木「しかし……明確な目標を持たなければ、明日へのモチベーションも保てないだろう。
   ただ闇雲に走り続けるよりは、たったひとつでも標があるほうがいい」

高木「そこで、だ……これはもう、律子君たちには話してあることなんだが……」

あずさ「……」

P「……?」

P(あずささん……? 律子の名前を聞いた途端に、少し……)


高木「……君達には、今から約一年後に発表される、
   『アイドルアカデミー大賞』の受賞を、目指してもらいたい!」


「「「……ええっ!?」」」


響「あ、アイドルアカデミー大賞(以下IA大賞)って、あのIA大賞っ!?」

真美「うあうあー! メッチャゆーめーな……なんだっけ?」

千早「……真美。IA大賞というのは、真のトップと認められたアイドルに贈られる、特別な賞のことよ」

真美「うあうあー! そういうカンジで、メッチャすごいやつじゃんっ!」

P「……」

P(IA大賞……)

P(アイドルアルティメイト(IU)やアイマスGPに並ぶ、日本で最も有名な、アイドルの祭典のひとつだ)

P(千早の言うとおり、一年で最も活躍したアイドルに贈られる名誉ある賞であり……
 これを受賞できたアイドルは、日本中からトップアイドルであると認められるようになる)


P「……大変な目標ですね」

高木「……ああ、その通りだ」

高木「今の君達はまだ、頂上に向かって山を登り始めたばかりであり、到底ゴールなど見えもしていないだろうが……
   しかし私はね、君達ならばIA大賞を受賞するのも、不可能ではないと思っている」

高木「……やってくれるね?」

P「……社長、俺は……」


1 俺達なら、やれます!
2 謹んで、お断りします
3 ……(不敵に微笑む)

>>227

1


P「俺は……」

響「……」

真美「……」

千早「……」

P(……ユニットの皆の視線を感じる)

P(期待、不安……それぞれ入り混じった、複雑な気持ちを感じる)


P(……そうだよな。IA大賞のステージって言ったら、誰もが夢見る、憧れの舞台だ。
 男の子はそのステージ立ったアイドルに恋をし、女の子はそのステージ立ったアイドルに憧れる……)

P(そんな大きな存在に、自分がなれるのか? そんなこと、今まで、考えたことも無かっただろう)

P(……でも)


響「プロデューサー……」


P(でも、ここで……! この俺が、大黒柱としての意地を見せてやらないでどうする!)

P(大言壮語は、いくらでも吐いてやる。だって俺は、響に約束したから……)

P(俺達は相棒だって……二人三脚で頂点を目指して、絶対にトップアイドルにしてやるぞ、って……!)


P「俺は……いや! 俺、だけじゃありません!」

P「俺達なら……、やれますっ!」

「「「……!」」」


P「……フェアリーズステップは、まだまだ、始まったばかりのユニットです。
 だけど、この広い世界の中で……俺だけは、ちゃんと知っている」

P「みんなの魅力を、みんなの根性を。だから……どんなことだって、絶対にやりとげられるって、信じている!」

P「取ってみせます、IA大賞……! なあ、みんな!」

「「「……はいっ!」」」

高木「……ウム! 良い返事だ! やはり君の言葉には勢いがあって、実に頼もしいな!」


あずさ「プロデューサーさん……」

小鳥「……おっほん! えーと、では、私からも説明をさせてもらいますね」

P「説明?」

小鳥「IA大賞を受賞するためには、まず、有力候補としてノミネートをされないといけません」

小鳥「残念ながら……、ランクに関係なく全てのアイドルをひとつひとつ審査して、
   最高のアイドルを決めるなんてことは、実質不可能ですからね」

P「ノミネート、というと……」

小鳥「まず第一の条件。誰にも胸を張れる、健全なアイドル活動をしている、ということ……」

小鳥「まあ、これは当たり前のことですね。無いとは思いますが、スキャンダルなんてもっての他ですよ?
   悪い噂が立ったら、その時点でIAU(アイドルアカデミー連合協会)からバッテンを貰っちゃいますから」

P「は、はい……気をつけます。気をつけさせます……」

小鳥「……そして、これが一番重要な問題なんですが……
   もちろん、ユニットとしての人気が無いといけません」

小鳥「具体的に言うと、IA大賞のグランプリが発表される約半年前に、『運命のランキング』が発表されるので、
   そこでランキング20位以内に入っておくこと……」

小鳥「あ、ちなみにこのランキングというのはCDの売り上げの話です」

小鳥「……つまり! その時点で実力、人気、ともにレベルの高いアイドルとして成長していないと、
   候補にすらなれずに終了、ということになってしまうのですよっ!」

P「……!」

小鳥「ぜぇ……ぜぇ……」

P「だ、大丈夫ですか? 一息ついてください」

小鳥「は、はい……あとちょっとなので、頑張ります……!」


小鳥「……とにかく!」

小鳥「『運命のランキング』が発表される週までに、つおいアイドルになっておくこと!
   そしてIA大賞のノミネートユニットになっておくこと!」

小鳥「これが今後の目標ですね。具体的な大賞受賞の条件は、まだ明らかになっていないので、今は気にしないでください」

P「……音無さん。『運命のランキング』っていうのは、具体的にいつ頃のことなんですか?」

小鳥「……」

P「……音無さん?」

小鳥「……──マス、なんです」

P「へ?」

小鳥「……『運命のランキング』が発表されるのは……毎年、12月の……クリスマスがある週、なんです……」

小鳥「もちろんその週にはお休みなんてありません。その週にラストスパートをかけるのは当然ですし、
   もしノミネートアイドルになれたら、取材でひっぱりだこですし、私も対応に追われ……うう」

小鳥「だからこの仕事に携わっている以上、
   クリスマスをロマンチックに過ごす、なんて夢のまた夢なんですよぉぉ……!」

高木「……ウォッホン!」

小鳥「おっと……私としたことが。まだ無い予定のことを悲しんでもしかたありませんね。
   むしろ間違いなく仕事があるってことだから、ひとりでイブを過ごすさみしさも紛れ……」ブツブツ

P「はぁ……」


P(……とにかく、話をまとめると……)

P(12月のクリスマスまでに、皆を立派なアイドルとして成長させること……それが第一の目標だな)

P(時間は……思ったより、少ないかもしれない。頑張らないと……!!)


P(……今は、ちょうど四月の終わり。活動としては4週目であり……えーっと)

P(『運命のランキング』が発表されるのは、最初から数えて36週目だな。
 あと32週の活動で、いかに皆を成長させられるか……俺の腕の見せ所だ)


P「……みんな、聞いての通りだ!」

P「俺達はこれから、クリスマスに向けて、実力をつける。みんなで一丸となって頑張っていこうな!」

「「「はいっ!」」」


響「IA大賞かー……へへっ、自分達なら絶対、なんくるないよねっ!」

真美「うんうん! 真美達、いま、ちょーノリノリってカンジだもんねっ!」

千早「……目標としては、不足はありません。必ず取ってみせます、IA大賞……!」


P「よーし! それじゃあみんな……」

P「安価でアイドルプロデュースしてIA大賞受賞を目指すぞ! おー!」

「「「おーっ!」」」


【活動 4週目 おわり】

とりあえずここまで
明日また書きます

お昼過ぎ頃だと思います
たぶん、14時前後…よろしければお付き合いください


東京


  ──────────────────────
             ある日の風景
  ──────────────────────


                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 5週目 夜


P(前回のあらすじ……)

P(地方での営業から帰ってきた俺達は、社長から今後の目標を聞かされた)

P(目指すはアイドルアカデミー大賞受賞! まずはクリスマスに向けて、頑張っていこう!)



カタカタ……


P「ふぅ……今週の活動も、もう終わりか」

P「少しずつ忙しくなってきたな。まだ仕事がガンガン入ってくるってわけじゃないけど、
 着実にファンの数は増えている……はずだ」


ターンッ!


P「……よし、プロモ素材完成、っと。これを使って、良い仕事が取れるといいな」

P「ふわぁ〜……ま、今日のところはこのくらいにして……もう帰って飯にしよう」


【スーパーマーケット】

P「……お、カップぬードルの新商品じゃないか!
 うまそうだな……今日の晩飯はこれにしよう」

P(安い、早い、うまい! カップ麺は人類が生み出した最も優秀な発明だよなぁ)

P(あと買うものは……)


P「えーっと、牛乳と、ティッシュと……」

響「あれっ?」

P「ん? おお、響じゃないか!」

響「はいさーい、プロデューサー! えへへっ、こんなとこで会うなんて珍しいねっ!」

P「そうだな。響も、食材の買い物?」

響「うんっ! ここはなんでもあるから、よく使ってるんだっ」

P「そっかそっか……」


P(確か響って、上京してから一人暮らししてるんだっけ)

P(こんな年で一人暮らしなんて、立派なもんだよな。
 俺なんて響くらいの年には、まだ鼻水垂らしてた気がするけど)

P(って言っても、響の性格から考えて、ちゃんと自炊とか出来てるんだろうか? うーん……)


1 「料理とか出来るの?」と聞こう
2 挨拶代わりのπタッチでもしよう
3 その他

>>240


P「響、料理とか出来るの?」

響「トーゼン! へへーん、自分こう見えて、料理はカンペキなんだぞっ!」

P「ふーん……」

響「……なに、その目? もしかして疑ってる!?」

P「あはは……だって、響って、そういう細かい作業とか苦手そうに見えるからさ」

P(まぁ、家事なんて機械に全部まかせてる俺が言うのもなんなんだけど)

響「そんなことないしっ! ペット達のご飯だって、毎日自分が作ってるんだぞ!」

P「ペット?」

響「あれ、言ってなかったっけ? 自分の家、いっぱいペットがいるんだ〜」

P「へ〜。ああ、そういえば最初に会ったときも、謎の鳥から逃げられてたっけ」

響「謎の鳥じゃなくて、ヤン子! ……っと、そーいうプロデューサーはどうなの?」

P「え? どう、って?」

響「プロデューサーも一人暮らしなんでしょ? ちゃんと自炊とかしてるのか?」

P「……うーん、正直に言うと……」


1 「よ、余計なお世話なんだからね!」と言おう
2 「今日もカップ麺なんだ……」と言おう
3 その他

>>242

2


P「実は、今日もカップ麺なんだ……」

響「えっ!? ……プロデューサー、もうお昼ご飯じゃなくて、夜だけど……」

P「べ、別にいいだろ。何時に食べたってうまいもんはうまいんだから!」

響「……もしかして、毎日それなの?」

P「もちろん、毎日じゃないよ。昨日はカップラーメンじゃなくて、カップ焼きそばだったし、
 その前はえーっと……ほっかほっかステーションの海苔弁だった」

響「……」

P「たまに贅沢して、牛丼を食べにいったりもするし……
 どうだ、ちゃんとバランスを考えてるだろ? ふふん」

響「どこがっ!!?」

P「えっ」

響「プロデューサー、そんなんじゃダメだぞっ! 身体壊しちゃうでしょ!」

P「いやーあはは、そんなことないって……俺だってまだ二十代! 若いんだから、平気平気」

響「う〜……」

P「……響?」

響「……決めたっ! 自分、決めたぞ!」

P「決めたって……なにを?」

響「今日、プロデューサーに、ご飯をゴチソウしてあげるっ!」

P「……ええっ!?」


【響ちゃんのお家】

ガチャッ

響「さ、入って入って!」

P「お邪魔しまーす……」

響「テキトーにくつろいでていいからね。自分、ちゃちゃっと作ってくるから!」

P「あ、ああ……」


P(さすがに遠慮しようんとしただけど、なんだか怒ってるようだったので、何も言えなかった……)

P(まぁ、可愛い女の子の手料理が食べられるなんて、滅多にあることじゃないからな。
 今日のところは素直にゴチソウになっておくとしよう!)

P(……とは言え)


ニャーニャー   チュー

     ウッウー    クェーッ


P「くつろいでていい、って言ってもな……ここ、動物園か?」

いぬ美「わおーん!」

P「うわっ! なんだ!? クマ!?」

響「クマじゃなくて、いぬ美!」

P「い、犬? このでかさで……犬なのか……。響ややよいくらいなら、余裕で背中に乗れそうだ」

いぬ美「キャンキャン」

P「……俺の知ってるセントバーナードは、もう少し小さかったんだけどな」ナデナデ

いぬ美「クゥーン」


ヤン子「……zzz……」

P「あ、ヤンバルクイナのヤン子だ……相変わらずふてぶてしい顔して寝てるな」

響「ヤン子はね、自分が東京に来る前……島に住んでたときに会ったんだ。
  ヒナだったヤン子がひとりぼっちでいるのを見つけて、それからずっと家族なんだぞ!」

P「へ〜……」

響「でも、フシギだよね。あんまり知らない人には懐かないのに……」

P「あはは、会ってすぐ、肩にとまられちゃったもんな」


P(……どうやら響は、捨てられてたり傷ついた動物を拾って、
 自分で面倒を見るっていうことをよくしているらしい)

P(放っておけないから、家族にする……優しい子なんだな)


トントントン……


P「……」ジー

響「……ん? どしたの?」

P「いや……ちょっと、料理をしてる姿を見ていたくなってね」

響「そんなの見てて、楽しいか?」

P「楽しいよ。響の意外な一面が見れるんだから」

響「……へへっ、それなら……どりゃああああ!!」


ズババババッ!


P「うおっ、瞬く間にキャベツがみじん切りになってく!」

響「えへへー、すごいでしょっ! 褒めてくれてもいいぞっ!」

P「そうだな……」


1 「響は良いお嫁さんになるな」と言おう
2 「調子に乗るな」と言おう
3 その他

>>247

1


P「響は良いお嫁さんになるな」

響「えへへー、そうでしょそうでしょうぇぇっ!?」

P「な、なんだ?」

響「お、おお、お嫁さんって……急に何言ってんのさ!?」

P「だって、料理の腕前は本当にあるみたいだし、
 こんなにペットだらけの家なのに、ちゃんと綺麗に掃除されてるし……」

P「……それに、優しいから」

響「や、優しい?」

P「そうだよ。傷ついた動物を放っておけない、なんて、優しい心を持ってないと出来やしない」

響「……そんなの、普通だぞ」

P「それが普通って思うことが、周りから見たら、優しいって評価されるんだよ」

響「……」

P「……ふふ。もしかして、照れてるのか?」

響「そそ、そんなことないしっ! うー……」プイッ

P「……響?」

響「こ、こっち来ないでよっ! 見られてると料理に集中できないから!
 あっちで皆と遊んでてっ!」

P「わ、わかったよ」

響「……」


トントントン……


響「……えへへ」


響「はい、どーぞ!」

P「いただきまーす!」


  *  *  *


P(それから俺達は、動物達に囲まれながら賑やかに食事をした)

P(ゴーヤチャンプルーは実に美味しかったし、食後に出してくれたサンピン茶も、
 なんだか心がホッとする味だった)

P(たまたまだったけど、今日は響に出会えて本当に良かったな……)


P「……響」

響「んー?」

P「今日はありがとな」

響「……えへへっ! これくらい、お安いごようだぞ!
 また食べたくなったら、いつでも言ってよね!」


P(……しかし今日は、響の意外な一面を知ることができたな。
 こういう一面をもっと前に押し出せば、さらにファン数が増えるかも……)

P(……なんてな。今そんなことを考えるのは、さすがに無粋か)


パーフェクトコミュニケーション!

活動5週目終わりで、とりあえず今はここまで
18時すぎくらいにまた再開します

あと、こういう仕事と関係ない寄り道の話は、
Pに対する親愛度がある程度高くなったら「ある日の風景」って形で安価に関係なく出していくつもりです
今回は響に関するコミュがほぼパーフェクト+リリース曲に響の持ち歌が選択されていたので出しました


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 6週目 朝


P(前回のあらすじ……)

P(響の家でご飯をご馳走になった。とても美味しかった。響は良いお嫁さんになるなぁ!)

P(……簡単だけど、こんな感じか。たとえ仕事とは関係なくても、
 こうやってアイドルとのコミュニケーションを取っていくことも、大切だよな)


ガチャッ

「「「おはようございまーす!」」」

P「ああ、おはようみんな!」


  *  *  *


真美「んー? くんくん……なんかメッチャ良い匂いする〜!」

響「えへへっ、真美、これだぞ!」

真美「おおー! これって……なんだっけ? ドーナッツ?」

響「サータアンダギーだぞ、今朝揚げてきたんだ〜。
 みんなで食べよ! ほら、千早も、プロデューサーも!」

千早「わ、私も? でも……」

P「おお、美味そうだな。……だけど、響?
 これからスケジュールを決めなくちゃいけないから、それは今じゃなくて、あとで食べような」

響「あ、そ、そうだよね……ごめんなさいっ!」


P(さてと、そろそろスケジュールを決める時間だ)

P(今週は……ああ、そうだ。フェアリーズステップの1stシングル、
 『Next Life』が発売されるんだったな)

P(発売日は水曜日、コロ○ビアから発売されるわけだけど……)

P(……今日は月曜日だから、発売日まであと二日か。
 残り少ない時間でどんな活動をしたら、より注目を浴びることができるかな?)


1 挨拶回りのお仕事(店頭PR)
2 イベントのお仕事
3 全国オーディション

>>256


中央エリア


  ──────────────────────
           営業:イベントのお仕事
  ──────────────────────


                                 山梨
                      ──────────
                          活動 6週目 昼


P(フェアリーズステップが、携帯電話の新商品を発表するイベントにおける
 キャンペーンガールの一組として選ばれた)

P(……まぁ、今朝入ってきた飛び込みの仕事だったんだけどな。
 なんでも、元々参加するはずだったアイドルが急病で、欠員が出てしまったということらしい)

P(とにかく! 新曲のPRには直接関係は無いけど、アイドルにとっては、こういったイベントに参加することも大切なお仕事だ。
 しっかり仕事をこなして、着実にファン数を増やしていこう!)


P(よし、それじゃあ……)

P(今日はどのアイドルのプロデュースに、特に力を入れようかな?)


1 響
2 真美
3 千早

>>260

3


【イベントのお仕事(千早編)】


  *  *  *


 ワイワイ……

        ガヤガヤ……


千早「……はぁ。やっと休憩ね……」

P「おお、千早! とりあえず前半終了だな、お疲れ様」

千早「あ、プロデューサー……ええ、お疲れ様です」

P「フェアリーズステップ、評判良いじゃないか!
 元気で明るくて……呼んでよかったって、スタッフの方も言ってたぞ。あはは、俺も鼻が高いよ」

千早「……」

P「……? どうした、なんだかさっきから元気が無いみたいだけど……」


P(前半の仕事っぷりを見てると、千早も、
 多少表情が硬かったものの、悪くはないと思ったんだけどな)

P(……でも、もしかして……千早のやつ、本当は……)


1 「機械、苦手なのか?」と言おう
2 「お腹空いてるのか?」と言おう
3 「その衣装、苦手なのか?」と言おう
4 その他

>>262

3


P「もしかして……その衣装、苦手なのか?」

千早「え? 衣装……ですか?」


P(今日のイベントガールの衣装は、ぴったりとしたタイトなミニスカートだった。
 上下ともに青と白のツートーンカラーで統一されていて、見る人に爽やかな印象を与えている)

P(……まぁ、白といえば……)


P「……」チラッ

千早「……?」


P(……千早の、スラッとした白いふともも)

P(眩しいな……思わず、チラチラと目が行ってしまう)


千早「……プロデューサー?」

P「あ、ああごめん! べ、別にそんな、やらしい気持ちなんて一切ないんだぞ!」

千早「こ、声に出てますよ、もう……!」


千早「な、なんだか……、急に恥ずかしくなってきました」グイグイ

P「あはは……でも、よく似合ってるよ」

千早「……ありがとうございます。でも、お世辞なんて」

P「お世辞なんかじゃないんだけど……」


P(どうやら、千早が気にしているのは、衣装のことでは無かったらしい)

P(必死にスカートの丈を伸ばそうとしているけど、あまり効果はないな……そのままでいいのに)


P「おっほん! えーっと……じゃあ、さっきはどうして元気が無かったんだ?」

千早「……、実は、私……」


  *  *  *


P「……機械が苦手?」

千早「……そうなんです。だから、さっきから、
   自分でも何を説明しているのか、よくわかっていなくて」

P「なるほど……」


P(イベントガールは、ただ笑顔を振りまいていればいい、というわけではない)

P(ステージに立って新表品のプレゼンをする、という役割はないし、
 専門的なことを聞かれたら、すぐにスタッフが助けにきてくれるようにはなっているけれど……)

P(ちょっとしたことを聞かれたときに、簡単に説明できるくらいの知識がないと、
 会場が効率良く回っていかないからだ)


千早「……一応、知識だけは、ここに来る前に詰め込んできたつもりです。
  でもそれが具体的に、どういった仕組みで動いているのかは、まったく理解できなくて……」

P「そっか……千早は、あまりネットとかはやらないのか?」

千早「ええ。パソコンなんて持っていませんし、携帯電話も、電話とメールくらいしか使いません」

P「いまどきの女子高生にしては珍しいな……」


P(……まぁ、知識が必要とは言っても、
 千早が考えるほど難しいことまで理解する必要はないんだ)

P(よし、それじゃあここは……千早に、こう言ってあげるとしよう)


1 俺が軽く説明してやろう
2 響に頼るんだ
3 真美に頼るんだ
4 その他

>>266

1


P「よーし、それじゃあ俺が軽く説明してやろう!」

千早「え? ……プロデューサーが?」

P「な、なんだその目は……。こう見えても、俺、そういうのは得意なんだぞ」

千早「失礼ですが、とてもそのようには……」

P「正直なやつめ……いまどきはアイドルプロデュースするにも、ネットの時代だからな。
 それに、こういう業界に携わる機会も多い。一般的な知識なら、ある程度は身に付けているつもりだよ」

千早「……でしたら、あの、ひとつ聞いてもいいでしょうか?」

P「おお、なんでも聞いてくれ!」

千早「える・てぃー・いー? とは……具体的に、どのような技術なのですか?」

P「そうだな……LTEっていうのはつまり、携帯電話の新しい通信規格のことだ。
 通信規格とは、簡単に言ってしまうと……目に見えない道路だな」

千早「道路?」

P「うん。ネットで通信を行うときには、色んな情報を持った電波が、
 空気中にあるその見えない道路を走っているんだ」

P「……でもな。これまで使っていた道路では、大きい情報を持った電波が渋滞を起こしてしまっていたんだよ」

千早「つまり……そこで、新しい高速道路を作ったんですね?」

P「そうそう。これまで使ってなかった周波数帯……まぁ、そのへんはいいか。
 とにかく、より多くの情報を、効率よくあっちこっちに飛ばすために設計されたのが、LTEなんだ」

千早「なるほど……」


P「まぁ、今まで使っていたものとはまるまる違うってわけでもないんだけどね。
 これまで使っていた道路を、舗装して、より便利にしたって感じかな」

P「だからLTEは、新世代、つまり4Gの通信規格というより、3.9G……」

千早「……?」

P「……そのへんはいいか。あと、何か気になるところはあるか?」

千早「ええと、では……」


  *  *  *


スタッフ「如月さーん。そろそろ休憩終了でーす」

千早「あ、はい! ……ふふっ、ありがとうございました」

P「う、うん……後半、頑張れそうか?」

千早「ええ。プロデューサーの説明、とてもわかりやすかったです。
   まずは身近なものに例えて、徐々に専門的な言葉も織り交ぜて……」

千早「おかげで、すんなりと頭に入ってきました。さっき言っていたことは、本当だったんですね」

P「お、おうまぁな! その調子なら、いけそうだな!」

千早「はい! では、行ってきます!」


P「……はぁ。な、なんだか疲れた……」

P(気になりだすと止まらないのか、説明中も、千早は次々と質問をしてきた)

P(俺だって専門家というわけではないから、うまく説明できたかはわからないけど……
 まぁ、あの様子なら、良いアドバイスができたみたい……かな?)


タッタッタ……

千早「……あ、プロデューサー?」クルッ

P「ん? どうした、まだ何か聞きたいことでも……」

千早「聞きたいこと、というわけではないんですけれど……
   あまり、他のキャンペーンガールの方を見て、鼻の下を伸ばさないでくださいね」

P「は、鼻の下を伸ばしてるつもりもないんだけどな」

千早「……ふふっ。私達相手ならともかく、
   他の事務所の人をジロジロ見ていたら、怒られてしまいますから」

千早「あなたは765プロの代表であり、私達のプロデューサーなんです。ですから、堂々としていてください」

P「……はい、気をつけます」

千早「お願いします。それでは……」


  *  *  *


P(その後の千早は、前半での疲れも見せず、
 生き生きとした様子でイベントガールの役割を果たした)

P(もちろんイベントは大成功! フェアリーズステップ全体もお客さんやスタッフの間で好評だったし、言うことなしだな)

P(……でも、まぁ……千早の中の俺のイメージが、良くなったのか悪くなったのか、
 そのへんは微妙なところだ……)


グッドコミュニケーション!


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 6週目 夜


P(フェアリーズステップがイベントガールをこなした日から、数日が経って……週末の夜)

P(俺達はあれから、レッスンやちょこちょことした仕事をこなしていた)

P(そして……今日は、ついに……!)


ガチャッ

「「「ただいまでーす!」」」

高木「おお君達! 今日もお疲れ様だったね」

P「しゃ、社長! ど、どうでしたか!?」

高木「ハハハ、まぁそう慌てるな。ちょうど今から、どっとっぷTVが始まるぞ!
  ほら君、テレビの電源をつけてくれたまえ」

P「は、はい……」


ピッ……

どっとくん『どっとっぷTV!』


P「……」ドキドキ


P(……どっとっぷTV。毎週土曜日の20時から放送されている音楽番組だ。
 週毎に、あらゆるアーティストのCD売り上げランキングを発表している)

P(IA大賞にノミネートされるためには、クリスマスまでに、
 このランキングで20位以内に入っていることが絶対条件となる)

P(今週は俺達の1stシングル、『Next Life』が発売されたわけだけど……ど、どうだったのかな……!?)



  *  *  *


どっとくん『……以上、今週の50位までのランキングでした!
     CMのあと、トップ50を発表しまーす!』


響「……」

真美「……」

千早「……」


P「み、みんな……!」

高木「君……よくやったね……!」

P「はいっ! お、おいおいどうしたんだ三人とも。
 なんかテンション低いじゃないか! もっと喜んでいいんだぞ!」

千早「……そうですね。今の私達にとっては、これが妥当かと」

真美「……でもでも、兄ちゃ〜ん……」

響「これって……喜んでいい順位なのか……?」

P「当たり前じゃないか! 快挙だよ、快挙! いきなりこんな結果を残せるなんて!」

響「……」

響「……96位、が……?」

P「……あ、あはは……。まぁ、気持ちはわからないでもないけど……ね」


P(フェアリーズステップの1stシングル、『Next Life』は、初週で96位にランクインした)

P(この世界では、毎日数多くのアイドルが誕生し、活躍を果たしている。
 ユニット名義だとか個人名義だとかはあるけれど、一般的なアーティストも含めたら、その総数は誰にも把握できない……)

P(そんな中で、デビュー曲からいきなりトップ100入りなんて、
 嘘でも大げさでもなく、本当に快挙なんだけど……)


響「……うがー! 自分達、もっとがんばんなきゃダメだぞっ!」

真美「そだね〜……こんなんじゃ、ガッコの友達にも自慢できないっぽいもんね」

千早「……プロデューサー。この結果に慢心せず、むしろこの結果は忘れて、
   これからさらに厳しい指導を、お願いします」

P「う、うん……」


P(……まぁ、この結果がかえって、やる気に繋がってくれたみたいだから……いいか)


P(ちなみに……)

P(やよい、春香、貴音で構成される765プロのもうひとつのユニット、スプラッシュは、
 現在ランキング60位となっていた)

P(曲は『SMOKY THRILL』。なんでも、律子が前々から用意していた、とっておきの曲らしい)


──────────────────────

 …… 知らぬが 仏 ほっとけない

         くちびるポーカーフェイス ……

──────────────────────


P(……スプラッシュの名にふさわしい、水飛沫と海底の深い蒼をテーマにした、美しいPVだった)

P(爽やかさと可愛らしさの中に垣間見える、妖しい魅力……。
 やよいも春香も貴音も、そこでは、立派なアイドルとして自分の役割を果たしていた)

P(……さすがは、765プロで今最も人気のあるユニット。俺達も、負けてはいられないな)



P「.……とにかくさ! 初登場でランク100入りなんて、本当に素晴らしい結果なんだから、
 来週からもっともっと──」


どっとくん『──それでは! 今週のランキング第1位を発表しますっ!』

TV『ウォォォ!!』


P(……え? な、なんだ、この熱狂……)


『なんとなんとなんと! 初リリース曲が58万枚の売り上げを達成し、
 多くのアーティストを押しのけ堂々の一位を獲得しましたっ!』


P「は、初登場で一位!? しかも、58万枚って……!?」

P(俺達の何倍……いや、何十倍売れてるんだ……!)


『……巷でウワサの、いま最もネットを熱くさせている謎のアイドルっ!』

『そのベールが、ついに本日、明らかになります!』


P(……ネット? ネット……アイドル?)



『それではご紹介しましょう……地上波初登場っ!』



『──サイネリア!!』

ウォォォ!!!


『曲は……』

『……「WORLD OF PAIN」ですっ!!』


……──♪ ──♪


P「……」

響「……」

真美「……」

千早「……」


P(……初登場、初リリース曲で一位ということだけでも信じられないのに、
 その売り上げが58万枚って……高ランクアイドルでも、そうそう達成できる数字じゃない)

P(そんな化け物が、俺達と同期であり……これから競っていくべき相手なのか)


P(……この世界の広さを、急に目の前に突きつけられてしまった気がする)

P(もちろん、俺達はまだまだ、始まったばかりだ。
 伸びしろもあるし、これからどんどん人気も増えていくだろう)

P(でも、さすがにこのときばかりは……それ以上、皆にかける言葉が、見つからなかった……)


【活動 6週目 おわり】

短かったけど、とりあえず今日は以上です
明日はガッツリ書きます

あとすみません Pが千早に話してたLTEの説明は、
俺が素人知識で書いた適当なものだから、あまり突っ込まないでくれると嬉しいですみません


東京

                          765プロ事務所前
                      ──────────
                          活動 7週目 朝


ピピピピ……


P「ん? 電話だ……」


ピッ


P「はい、もしもし……え、『IDOL POWER』の……ああ、はい!」

P「ええ、はい……本当ですか! ありがとうございますっ!」

P「よろしくお願いしますっ! はい、では、詳細は後ほどメールで……失礼します!」


ピッ……


P「ふ、ふふふ……」パタン

P「よーしよしよし……ようやく決まったか……!」

P「早くみんなに伝えてあげないとな!」タタッ


P(前回のあらすじ……)

P(イベントガールとして活躍したフェアリーズステップ。
 そしてついに発売された、初リリース曲『Next Life』も、無事にトップ100内にランクインした)

P(しかし俺達の同期に、サイネリアという、とんでもないアイドルがいるということが判明し……)

P(自分達はまだまだひよっこだ、と、改めて実感したのであった)



P「でも……ふふ、ふふふっ!」タタタッ


ガチャッ


P「おはようみんな! あはは、聞いてくれ、ついにライ──

響「ああっ! 真美、どこ投げ──!!」

P「へ?」


バコンッ!!


P「フゴッ」

響「あ」

真美「あ」

千早「……はぁ」


P「あいたたた……」


コロコロ……


P「な、なんだこれ……ゴムボール?」

響「だ、大丈夫かっ!? ごめんなさいっ! ほら真美も!」

真美「うあうあー! ご、ごめんね兄ちゃ〜ん!」

小鳥「あ、あの……」オロオロ

千早「……」

P「……えーっと……」


P(バットを持った響)

P(ベースボールキャップをかぶった真美)

P(なんだかオロオロとしている音無さん)

P(私は関係ありません、と知らん顔をしている千早……)

P(……どうやら、真美と響が野球をしていたみたいだな。
 ここは事務所だっていうのに、まったく……)


1 ふたりにお説教をしよう
2 音無さんにお説教をしよう
3 気にするな! そんなことより……

>>240


P(……何も聞かずに、いきなり説教をするのもなんだな。
 まずはふたりに事情を聞いてみよう)


P「……で、どうしてこんなことになったんだ?
 というか、ボールとバットなんて、ここには無かっただろう」

響「そ、それは……」

P「もしかして、こうやって事務所で遊ぶために持ってきたんじゃ……」

小鳥「ち、違うんですプロデューサーさん!」

P「え、音無さん?」

小鳥「ボールとバットは、以前、やよいちゃん達が持ってきていたんですよ」

P「やよいが?」

小鳥「ええ、プロモーションビデオを撮影するのに、野球道具が必要だっていうことで……
   もう撮影は終わったんですけど、持って帰るのを忘れちゃってたみたいなんです」

P「そうだったんですか……」

小鳥「……それで、ついに今日……、それが真美ちゃんに見つかってしまって……」

真美「えへへ……ベイブの血がぶーぶーって騒いじゃって」

P「……はぁ。やっぱりお前が発端じゃないか……
 あとたぶん、真美が言いたいのはベーブ・ルースな。ベイブじゃ豚になっちゃうだろ」

真美「ごめんなさ〜い……」

P「……」

真美「に、兄ちゃん……怒ってる……?」

P「……いや、真美はちゃんと謝ったし、怒ってるわけじゃないけど……」


1 「仕事はちゃんと真面目にやるんだぞ」
2 「止めなかった音無さんが悪いな」
3 「罰として真美と響にはπタッチな」
4 その他

>>292


P「怒ってるわけじゃないよ。でも、仕事はちゃんと真面目にやるんだぞ」

真美「う、うんっ!」

響「あの……自分も、リーダーなのに、一緒になって遊んじゃって……」

P「気にするな。こんな風にユニットの仲が良いのも、リーダーのおかげなんだからさ」

響「プロデューサー……!」

P「だけど、これからは事務所でこういう遊びは控えるように。
 ここには大切な備品だってあるんだから、壊しちゃったら大変だからな」

響・真美「は〜い」


P(……こう言っている間も、俺は内心、少し違うことを考えていた)

P(先週判明した、超大物新人アイドル……その存在を考えて、
 皆がこれからのアイドル生活に不安になっていないかと、心配していたんだ)

P(だけど皆、そんなことは全然気にしてないみたいだ……だから、少しホッとしたな)


  *  *  *


P「……ところで真美。珍しいな、キャップをかぶってくるなんて」

真美「んっふっふ〜。これ、おそろいでね、メッチャ気に入ってるんだ〜!」

P「おそろい?」

真美「うん! 亜美と、あとあと、おねーちゃんとね!」

P「おねーちゃん……?」


P(亜美というのは、この765プロダクションでアイドル活動をしている真美の双子の妹のことだ。
 これまで──描写はしなかったけど──俺も何度か顔を合わせたことがある)

P(髪型以外本当にそっくりで、イタズラ好きな性格まで似ていて……二人揃うと、まるで嵐のようだったな)

P(……しかし、おねーちゃん? 真美達には、まだ姉がいたんだろうか? それとも……)


P(……ちなみに)

P(キャップをかぶっているからか、真美はいつもとは少し違う髪形をしていた)

P(いつもは肩甲骨あたりまで伸びた髪を左耳の上あたりでまとめる、いわゆるサイドポニーなんだけど、
 今日は普通のポニーテールのようだな)

P(ベースボールキャップの後ろ穴……えーと、長さを調節するバンドの上から……)

P(……俺の語彙ではうまく説明が出来ないので、絵に描いてみるとこんな感じだ)


http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4031255.jpg


P(ちょこんと生えた馬の尻尾が可愛らしいな)


P「……ごほん! そんなことより皆、聞いてくれ!
 素晴らしいニュースがあるぞ!」

響「えっ、なになに!?」

真美「兄ちゃん、なんか真美にくれんの〜!? お菓子? ジュース?」グー

P「残念だけどお菓子は持ってきてない。……お腹空いてるんだな、あとで移動中になんか食べような」

真美「うんー!」

P「ほらほら、千早もいつまでも知らん顔してないで、こっちに来なさい」

千早「……? 一体、なんでしょうか」テクテク

P「ふっふっふ……聞いて驚け!」


P「──ついに! ライブが決まったぞ!」

「「「……」」」


「「「ええええええ!!?」」」


真美「ライブ!? ライブって……ドーム!?」

P「あはは……ご期待に添えなくて悪いけど、そんなに良い場所じゃないよ。
 日程は来週末。場所は、埼玉にある『れっどのーと』というホールだ」

響「で、でも、いいの!? 自分達、まだあんまり曲出してないのにっ!」

P「そのへんは心配しなくても大丈夫だ……もちろん、単独ライブってわけじゃないからな。
 何組かの新人アイドルで会場を貸しきって、そこに駆けつけてくれたファンに歌を披露するって形になる」

千早「……でも、生で、歌を聴いてもらえるんですね……!」

P「ああそうだ。……いいかみんな、これはかなり大きなチャンスだ」

P「会場に詰めかけたお客さんの中には、フェアリーズステップ以外の子を目当てに来る人もたくさんいるだろう。
 いやむしろ、皆に会うことだけを目的に来てくれるファンなんて、ほんの一握りしかいないと思ったほうがいい」

「「「……」」」

P「だからこそ、この機会に! そんな人達に、皆のことを知ってもらうんだ!」

P「皆が一番輝ける、生の歌と、生のパフォーマンスで!」

P「まだ皆のことに気付いてない遅れた人たちに、私はアイドル! ってところを、見せつけてやれ!」

「「「……はいっ!!」」」


真美「わぁ〜……どーしよどーしよ、なんか面白いことしたほうがいいかな!?」

響「えへへっ、それなら良いアイディアがあるぞ! あれをこーしてね……」

真美「おおー! ひびきん、それメッチャナイスアイディーア↑だよ〜!」

千早「あの……、さすがにそれはちょっと……あれ以上腕を増やして千手観音にでもなるつもり?
   というか、『Next Life』のあの阿修羅みたいな振り付けは、個人的にもう封印したいんだけど……」


P(うんうん! ライブのことを聞いて、皆なかなか良いテンションになったみたいだな!)


  *  *  *


P(さて、と……)

P(ライブが決まったはいいけど、お仕事もいくつか入ってるんだよな)

P(かなりハードになるけど、レッスンと両立して仕事をこなすか、
 それとも、初めてのライブに向けて、曲のクオリティを上げるか……)

P(どちらを選んでも、当日何かが起こらない限り、ライブが失敗ということにはならない気がする)

P(……でも、もしレッスン漬けということになったら、
 もう一曲くらい……新しい曲を練習することもできるかもしれないな)

 
1 レッスンと仕事の両立! 今週は営業に行こう(エキストラのお仕事)
2 ライブまでレッスン漬け!

>>301


P「……よーし皆! 来週のライブに向けて、これから特訓開始だっ!」

「「「はいっ!」」」

P「そこで、なんだけど……響、今やってる曲、どう思う?」

響「『Next Life』のこと? 自分はすーっごく好きだぞ!」

P「そうだな。でももう、この曲も随分歌って踊ってきたし……
 次の曲、行ってもいいと思わないか?」

響「新曲ってこと!?」

P「ああ。ニューシングル……通常のペースで考えたら、かなり早いけど、
 これからみっちり練習すれば、ライブで新曲を披露することも出来るかもしれない」

P「……どうする? 俺としては、皆のことを印象付けるためには、良い手段だと思うんだけど」

響「え……で、でも、自分が決めていいの?」

P「ああ。お前はリーダーだし、こういうことは、俺の一存で決められないから」

響「うーん……」

真美「ひびきん……」

千早「……」

響「……」

響「……やる。やるぞっ!」

P「おお、そうか!」

響「えへへっ、皆やりたいって顔してるもんね!
 それに自分だって、どんどん新しいこと、やってみたいさー!」

P「よく言った! よし、それじゃあ……また皆で、新しい曲を決めようか!」

「「「はいっ!」」」



  *  *  *


P(リリースする楽曲は、皆の宝となる大切なものだ。これによってググッとやる気が上がったり、
 安価とは関係無しに、何か特別なコミュニケーションも起こる……かもしれない)

P(それから俺たちは、そのあたりも踏まえつつ……、
 再び四人で話し合って、このユニットの2ndシングルとなる楽曲を選んだ)

P(ライブで初披露するであろう、フェアリーズステップの二枚目の曲は……これだ!)


>>305
※『Next Life』以外のアイマスオリジナル曲でお願いします
※カバー曲やジュピター曲、シンデレラガールズの楽曲は無しでお願いします

>>305把握
ちなみに876の曲でもおkのつもりでした。たとえばプリコグを選んだら、絵理に関するエピソードを少し挟んで…みたいな形にしようかと
話を折ってすみません、再開する



     2ndシングル 『空』


響「……『空』?」

P「……この曲は、皆は知らないかもしれないな。
 でも、随分昔のことだけど……この曲を歌った歌手がいたんだよ」

P(今から約三十年前。この場にいる誰もが、まだ生まれていない頃だ。
 俺がこの業界に入ろうって思ったのも、この曲を聞く機会があって……)

P(……ま、そのへんはいいか)


P「とにかく、これは本当に良い曲なんだ……ほら、ポチっとな」ポチッ


……──♪ ──♪


千早「……これ、は……」

小鳥「ほんと……良い曲ですね。でもプロデューサーさん、どうしてこのテープを?」

P「実は、以前社長に、これを渡されまして……。
 チャンスがあれば、皆にも歌わせようかと思っていたんです」

小鳥「そうだったんですか……」


……──♪ ──♪


小鳥「大事なのは やめないことと 諦めないこと──……」

小鳥「……春は花をいっぱい咲かせよう……夏は光いっぱい輝こう……」

P「あはは、音無さん、随分気に入ってくれたみたいですね」

小鳥「ええっ!? や、やだ私ったら……人前で歌なんて……」カァァ

P「もしかして、この歌、知っていたんですか?」

小鳥「……いえ、本当に、今初めて聴きました。でも……、
   ふふっ、なんだか……不思議なことに、頭の中に自然と歌詞が入り込んできたんです」


P(どうやら、ユニットの皆以上に、音無さんが気に入ってくれたらしい)

P(……しかし、今ちょっと聴いただけだけど……音無さん、歌、上手なんだな……)


千早「……本当に、素晴らしい歌詞だと思います」

響「うんうん! 自分も、気に入ったぞ!」

真美「真美もだよ〜!」

P「……よーし! それじゃあさっそく、レッスン開始だ!」

P「初めてのライブ! この二曲をカンペキにマスターして、
 他の新人アイドルとは違うんだってところを、存分にアピールしてやろう!」

「「「おー!」」」


【活動 7週目 つづく】

少し休憩 17時半くらいにまた再開します


東京

                           レッスンスタジオ
                      ──────────
                          活動 7週目 昼



真美「らーらーらーらー らーらーらーらーらー……」

千早「違うわ、真美。最後のあたりはもう少し上げて」

響「ら、らーらーらーらー らーらーらーらーらー!」

千早「我那覇さん、それじゃあ強すぎるわね。いい、こうやって……」


P「……」

P(……千早、いつに無くやる気まんまんだ)

P(『空』はボーカルが注目されやすい楽曲だ。だから今回は、レッスンは先生と千早にまかせて、
 俺は余計な口出しはしないほうがいいかもしれないな)


千早「らーらーらーらー らーらーらーらーらー……♪」

真美「うあうあー! 全然ちがいがわかんないよ〜!」

千早「大丈夫よ、練習すればすぐにわかるようになるから。
   さ、ふたりとも、もう一度やってみましょう!」

真美・響「はーい……」


P(……しかし、こんなに熱くなっている千早を見たのは初めてかもしれない。
 そんなにこの新曲が気に入ったのだろうか?)

P(……まぁ、初めてのライブだしな。多くの人に歌を聴いてもらえるチャンスだし、
 千早がこうなるのもムリはないか)

P(俺は皆に差し入れの飲み物でも買ってこよう……)



  *  *  *


P「えーっと、シークヮーサージュースと、あとは……」ピッピッ


ガチャッ!


P「……ん?」


?????「んきゃーーーーっ!! もうやってられっかーーーーっ!!!」

??「ま、待ちなさいっ!」

?????「待たないわヨッ! なんでアタシがこんなことーーーーっ!!!!」

ダダダダッ!


P「なんだ……? 随分騒がし……」

P「──って……あ、アレは……!!」


??「あなた、そんなんで絵理が……ああもう、待ち……、待てっ! 待てって言ってんでしょ!!」


P(な、なんで……こんなところに……!?)

P(あれは……先週、テレビで見た……!)


 『っしゃー! いくワヨっ、やろうドモーーーー!!』

 『ウォォォオオオ!!』


P「……さ、さ……」


尾崎「……止まりなさーい! サイネリアっ!! いや……鈴木さんっ!!」

サイネリア「だからその名前で呼ぶなって言ってんでしょっ!! このロン毛ーっ!!」


P「……サイネリアだ……!」


P(サイネリア……)

P(デビュー曲『WORLD OF PAIN』が58万枚の売り上げを達成し、
 ランキング一位をかっさらっていった、超大物新人アイドル……)

P(……な、なんだか、すごい人を見てしまった気がする!)


尾崎「もう……逃げ足のはやい子ね……」

P「……」

P(この人は、誰だろう?)

P(一緒にいたってことは、サイネリアのマネージャー?
 それとも、俺と同じプロデューサーだったりして……)

P(よし、ここは……)


1 この女性に声をかける
2 見なかったことにしよう

>>317


P(せっかくの機会だし……声をかけてみよう)


P「あの、すみません……」

尾崎「え?」

P「いま走り去っていった彼女……サイネリアですよね? 何があったんですか?」

尾崎「……。失礼ですが、あなたは?」

P「ああすみません! 申し遅れました、俺……いや、私は……」


1 765プロダクションのプロデューサーです
2 あなたの運命の人です
3 その他

>>319


P(俺はあなたの、運命の人……じゃなくて!
 まぁ普通に考えて、名刺でも渡して自己紹介するべきだよな)


P「俺は、こういう者です」スッ

尾崎「あ、これはどうも……」

尾崎「……765プロダクションの……プロデューサー?」

P「はい!」

尾崎「765プロ……石川社長から聞いたことがあるような……」

尾崎「……ああ! あの『スプラッシュ』の! 最近よくお見かけします」

P「あ、はい……はは」


P(……765プロといえば、スプラッシュ。
 やよい、春香、貴音で構成される、いまうちの事務所で最も人気のあるユニット……)

P(やっぱりまだ、そんなイメージなんだよな……とほほ)


尾崎「ええと……でしたら、私も」スッ

P「ありがとうございます。尾崎……玲子さんですね」

尾崎「はい。876プロダクションで、プロデューサーをしております」

P「876プロ……」

尾崎「まぁ、とは言っても……876プロの専属ではなく、外部スタッフなんですけどね」

P「ということは、本来はフリーの方なんですね」

尾崎「ええ。以後お見知りおきを」


P(芸能界で活動していく上で、こんな風に繋がりを持つことは何より大事なことだ。
 それがたとえ、他事務所の方であっても……)

P(……それにしても、一体何があったんだろうな? よし、もう少し聞いてみるか……)


1 サイネリアとは何が?
2 おいくつなんですか?
3 その他

>>322


P「彼女……サイネリアとは何が?」

尾崎「ああ、それが……あの子ったら、レッスンが厳しいからって逃げ出しちゃったんですよ。
   自分にはレッスンなんていらないー! とかなんとか言って」

P「そ、そうだったんですか」

尾崎「ったく……たまたまちょっと売れたからって調子に乗って……」

P「……尾崎さんは、サイネリアさんのプロデューサーの方なんですか?」

尾崎「え? ああいえ、そういうわけではないんです。
   わけあって、今は一緒に活動をしていますけど……」

尾崎「というかそもそも、あの子は876プロ所属というわけでもありません。
   そのあたりは……あの子のブログでも見ればわかると思います」

P「ブログ……そういえば彼女は、ネットアイドルなんでしたっけ」

尾崎「……ええ」

P(あれ? ブログって言葉……というより、ネットという言葉を聞いた途端、
 少し顔が曇ったような……)


尾崎「……」

P「……あの──」

真美「うあうあうあー!」ダダダッ

P・尾崎「えっ?」

真美「兄ちゃ〜ん! お助け〜!!」


どーん!


P「あいたっ! ま、真美……どうしたんだよ、廊下は走るなって、先生に言われただろ」

真美「どーしたもこーしたもないよ〜! 千早お姉ちゃん、スパンキングすぎっしょ〜!」

P「……スパルタって言いたいのか? でもだからって、逃げ出してくるなんて……」


尾崎「……その子、あなたの担当アイドルの子ですか?」

P「ええ……双海真美っていいます」

真美「あれ? 兄ちゃん、この姉ちゃん、だれ?」

P「彼女は尾崎玲子さん。他の事務所の、プロデューサーの方だよ」

真美「ふーん……真美は真美だよ! よろしくねっ、おざりん!」

尾崎「お、おざりん?」

P「あははは……す、すみません。こら真美、初対面の人に向かって何失礼なこと……」

尾崎「……ふふ、別に、いいですよ。仲が良さそうで、羨ましいわ」

P「羨ましい?」

尾崎「あ……い、いえ。それじゃあ私、そろそろあの子を探さないといけないので、これで」

P「あ、はい。すみません、お時間をいただいてしまって」

真美「じゃーねー!」

尾崎「ええ。それじゃあね、真美ちゃ──


尾崎「……!?」


真美「え? どったの?」

尾崎「…………その、帽子……」

P「……?」


P(いまだに真美の頭にちょこんと乗っかっている帽子を、尾崎さんがじっと見つめている……)

P(……このベースボールキャップが、何かあるのか?)


真美「な、なに? あげないよ……?」

尾崎「……あ、ご、ごめんなさい。欲しいってわけじゃないのよ」

P「この帽子が、どうかしたんですか?」

尾崎「……いえ、なんでもありません。
   ただ……知り合いが、それと同じものを持っていたってだけ」

P「知り合い……?」

尾崎「……ええ。それでは、私はこれで」


スタスタ……


真美「……」

P「……」

真美「……行っちゃったね」

P「ああ……」

真美「おざりん、いくつなのかな……」

P「ああ見えて、たぶん、まだ二十代中盤ってとこだと思うぞ」

真美「そっか……真美、てっきり、ピヨちゃんと同じくらいかと思っちゃったよ」

P「音無さんって、いくつなんだ……?」

真美「んっふっふー……」


P「……真美、その帽子、『亜美と真美とおねーちゃんでおそろいだ』って言ってたよな?」

真美「うんっ!」

P「真美達って、ほかに姉妹でもいるのか?」

真美「ううん。おねーちゃんっていうのはね、絵理おねーちゃんのこと」

P「絵理?」

真美「んっと、真美達がまだ765プロに入りたてホヤホヤの、小学生のときに、
   一緒にレッスンしたりしてたんだ〜」

真美「いっしょにお買い物とかしたりして、真美達、メッチャ仲良しだったんだよっ!」

P「へぇ……それじゃあ、その絵理って子も、アイドル?」

真美「うん……そう、だったんだけど……」

P「……?」

真美「……真美達がユニット組んだくらいのときにね、アイドル、やめちゃったみたい」

P「やめた? 一体なんで……」

真美「わかんない……メールで聞いても、ごめんね、って言われただけで……」

P「……」


P(仲良しのお姉さんだったアイドルが、突然の引退……
 そして……今も三人を繋いでいるものが、このキャップだったのか)

P(……尾崎さんが言っていた知り合いっていうのも、もしかして……)

P(……なんてな。さすがにそれは、都合が良すぎるか)



スタスタ……


千早「……真美っ! もう、どこに行ったの?」

P「お、千早」

真美「うあうあー! 鬼軍曹のお通りっぽいよ〜!」

千早「あっ、やっと見つけた……もう、誰が鬼軍曹よ。
  そういう台詞は、律子にでも言ってなさい」

真美「兄ちゃん助けて〜!」

千早「プロデューサー、真美を逃がさないでくださいね……」ゴゴゴ

P「……ああ、まかせろ!」ガシッ

真美「ええ〜っ!?」

千早「……ふふっ、捕まえた。さ、行きましょう。我那覇さんも待ってるから」ズルズル

真美「ううー……兄ちゃんのウラギリもの〜……!」

P「あはは……がんばれよー」


  *  *  *


P(……その後は、熱心な千早の指導もあってか、実りのあるレッスンが出来たみたいだな)

P(真美と響はヘトヘトになっていたけど、それでもなんだかんだ言って、ちゃんと最後まで練習をこなしていた)

P(……よし! なんだか色々とあったけど……、
 気持ちを切り替えて、来週のライブに向けて、これから頑張っていこう!)


パーフェクトレッスン!



  *  *  *


テクテク……


真美「……んー……」

響「……真美、どうしたの?」

真美「あっ、ひびき〜ん」

響「さっきから珍しく難しい顔してるけど……なんかあったのかー?」

真美「むむっ! 真美だって四年に一度くらいは、ちゃんと考えたりするんだかんね!」

響「オリンピックとおんなじくらいなんだ……」

真美「んっふっふ〜! なんだかスペシャルなカンジがするっしょ?」

響「あんまりジマンできないと思うぞ……それで、何考えてたの?」

真美「……んっとね。さっき、おざりんに会ったんだけど」

響「おざりん?」

真美「なーんか、どっかで見たことある気がするんだよね〜」

響「おざりんって……それ、だれだ?」

真美「うあうあー! だから、それが気になってるんでしょっ!」

響「えっ、えっ」

真美「……んー……ちっちゃい頃、かなー……」

響「……?」

真美「ま、いーや! それじゃ、真美こっちだから! ばいばーい!」

響「う、うん! ばいばーい! また明日ねっ!」


【活動 7週目 おわり】

ご飯をかねて少し休憩
21時くらいに再開します


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 8週目 朝



P(前回のあらすじ……)

P(ライブが決まり、新曲のレッスンに励む響たち)

P(レッスンスタジオではあのサイネリアと、彼女と行動をともにする尾崎さんとも出会ったりしたけど……
 まぁそれは、今は関係の無いことだな)

P(それからもずっと、毎日練習を続け……ついに、この日がやってきたんだ!)


  *  *  *


P「……よし、皆揃ったな!」

「「「はいっ!」」」

P「今日はついに、初めてのライブだ。緊張、していないか?」

響「だだ、大丈夫だぞ!」

真美「んっふっふ〜! 真美におまかせだよ〜!」

千早「……コンディションは、カンペキです。いつでも最高の歌が歌えるかと」


P(なるほど……)

P(よし、たまには朝コミュニケーションをしてみるとするか。
 この子に、意気込みを聞いてみよう!)


>>333

千早


P「千早……今日はなんだか、いつもと違って見えるな」

千早「違う……? そうでしょうか?」

P「ああ。やっぱり、楽しみか?」

千早「……ふふっ、そうですね。大勢の人の前で歌が歌えるチャンスなんて、
   今の私達ではまだ、そうそうあるものではありませんし、それに……」

P「それに?」

千早「……ステージに立つのも、随分と久しぶりな気がしますから」

千早「あのテレビ出演から、自分がどれだけ成長することができたのか……
   それを確認することも、今から楽しみです」


P(やる気がありありと感じられるな……)

P(よし、ここは、千早にこう言っておくとしよう!)


1 良い感じだな!
2 空回りするなよ

>>336


P「……良い感じだな! 本番もこのテンションで頼むぞ!」

千早「はい!」

真美「お〜……千早お姉ちゃん、なんだかメラメラーって燃えてるっぽいよ〜……!」

響「う〜……自分も緊張してちゃダメだよね。千早には負けてらんないぞ!」

団結値がぐーんと上がった!


  *  *  *


P「忘れ物ないな? 衣装も、アクセサリも……うん、大丈夫っぽいか」

P「よし、それじゃあ……出発しよう!」

「「「はいっ!」」」


埼玉


  ──────────────────────
           ライブ:IDOL POWER
  ──────────────────────


                            れっどのーと
                      ──────────
                          活動 8週目 昼


【舞台袖】


響「……」チラッ


アイドル『ありがとーございましたー!』

ワァァァ……!!


響「うわ……っ」

真美「すごいね……」

響「うん……」

P「……」

P(……朝はああ言っていたけど、やっぱり少し、緊張しているのかな)

P(まぁムリもないな。よし、ここは響に……)


P「……響。気圧されなくても、大丈夫だよ」

響「え?」

P「だって……」


1 初めてのライブなんだから、失敗したっていい
2 今歌ってたアイドルより、お前達のほうがずっと魅力的だから
3 俺がここで見守ってるから
4 その他

>>340

3


P「……俺がここで見守ってるから」

響「プロデューサー……」

P「ここにいるのが全員、フェアリーズステップのファンというわけではないけれど、
 お前達の一番のファンは、ここにいる。お前達が歌っているすぐ近くで、見守っているから」

P「転んだっていい、音をはずしたっていい。それでも、最後まで……歌いきって、踊りきって、
 今のお前達の精一杯の姿を、俺に見せてくれ」

響「……うんっ!」

スタッフ「みなさん、そろそろ時間なので、スタンバイお願いします!」

P「よし、それじゃあみんな……行ってこい!」

「「「はいっ!」」」



響「よーし……みんなっ! 気合いをいれていくぞっ!」

真美・千早「はいっ!」


千早「……3!」


真美「2っ!」


響「……いーっち!」


P(みんな……)


「「「ファイトー……」」」


P(頑張れよ……!)


「「「……おーっ!!」」」



……


……──♪ ……──♪


ざわ……!


……──♪ ……──♪




『……あなたの遺伝子が、呼んでる』


ワァァァ……!!




真美『今こうして自分が ここにいるのが 良く考えたら凄く不思議で……』


千早『……そこに存在意義を問う そんな幼い昔の自分の 記憶を辿る……』


響『……愛する人がいれば もう一人の自分を見つければ』



『運命の時計の針』



『……動き出してゆく』



 ウォォォ……!

         ワァァァァ!!



響『……離れてゆく螺旋の記憶が 時を越えてまた二人巡り逢わせるまで……!』


P(……す、すごい)


 ざわ……
       ざわ……


「おい、あれ……誰だっけ」

「アレだよ、たしか……フェアリーなんとか」

「……ほんとにアイドルか、あれ」



千早『憶えていたい二人いるだけで それが全て 満たされた幸せな日々を……!』


P(会場が、ざわめいている。みんな慌てて、青や黄のサイリウムを探している……)

P(『Next Life』……アイドルらしくないこのサイケデリック・トランスが、
 アイドルを見るためにここに駆けつけた人達の目には、かえって新鮮に見えているんだな……)


「……響ー!」

「真美ちゃーん!」

「ちひゃぁぁぁぁぁぁぁ」



真美『忘れはしない君の温もりと 偽り無い真剣な眼差しを ずっと……!!』


P(いいぞ、みんな……! 会場のアイドルファン達は皆、フェアリーズステップに夢中になっている!)

P(もっと、もっと……見せつけてやれ!)

P(皆の、魅力を……!!)



  *  *  *


ワァァァ……!


真美『……すー……』

真美『……会場のー!! にいちゃーーーーーん!!!』


はぁぁぁぁい!!


真美『ねえちゃーーーーーんっ!!!』


キャァァ……


真美『あり? 姉ちゃんはあんまいないみたいだね』


アハハハ……

真美ちゃーん! かわいいー!


真美『えっへへー、どーもどーも……もっと褒めてくれても、いいかんねっ!』

響『ま、真美っ!』

千早『ちょっと、そんなの、打ち合わせになかったでしょ……!?』

真美『えー、だって好きにやっていいって……』


アハハハハ……!


P「……はは」

P(大したやつだな、真美……この観衆の前で、あれだけいつも通りの自分を出せるなんて)

P(大物なのか、楽しむってことしか頭にないのか……)


響『あっ、あの! じ、自分たち』

千早『私達は、フェアリーズステップといいます』

響『そう! えっと、今日は……』

真美『今日は真美達の歌、聴いてくれてありがとねっ!』

響『……』

千早『……』

真美『……』

響『でも』

千早『でも、実は……』

真美『んっふっふー! まだこれだけじゃ、ないんだな〜!』

響『うぎゃー! なんなのもー!!』


ざわ……


千早『会場にお越しの皆さんの中には……、テレビで見たり、あるいはCDを買ってくださって、
   先ほどの曲、「Next Life」を既にご存知だという方もいるかもしれません』

真美『でもでも! 今日はね、もういっこ、初めて歌う曲があるんだ〜!』

響『うう……ひどいぞふたりとも……』



新曲ってことー!?


千早『……はい! その通りです!』

真美『今日のために、めっちゃ、めーっちゃ、練習してきたんだっ!
   千早お姉ちゃんのスパルタレッスンのおかげで、すっごい歌になったかんね!』

千早『ちょ、ちょっと真美! 何を言ってるのよ……』


なんて曲ー!?


千早『それは……ふふ、ほら、我那覇さん』

響『うえ?』

千早『いつまでもいじけてないで。リーダー、新曲のタイトルを発表してちょうだい』

真美『うんうん! この役目は、ひびきんしかいないっしょ〜!』

響『ふ、ふたりとも……うんっ! 自分、頑張るぞっ!』


あははは……!


響『えへへー……じゃ、発表しまーっす!』

響『……新曲のタイトルは……』



……──♪



響『……「空」!』



ワァァァァ!!



……空になりたい 自由な空へ

       翼なくて翔べるから 素敵ね



   空になりたい 好きな空へ

            雲で夢描けるから……



真美『……始まりはどこになるの? お終いはどこになるの?』

真美『上を見て あなたに聞いてみたら──……♪』


千早『始まりとお終いなんて 繋がって巡るもの……』

千早『大事なのはやめない事と 諦めない事──……♪』


……──♪


響『春は花をいっぱい咲かせよう 夏は光いっぱい輝こう』

響『奇跡じゃなくて……運じゃなくて……自分をもっと信じるの……♪』




……秋は夜を目一杯乗り越え

       冬は雪を目一杯抱きしめ



   笑っていいよ 泣いていいよ

       だって巡ってまた春は来るから……



『繋ぐレインボ──……♪』



──────
────
──


パチパチパチ……!


P(……ライブが、終わった)


響「……プロデューサーっ!」タタッ

P「おお、響っ!」

響「ねぇねぇ! 見てた!? 自分達、ちゃんと出来たでしょ!?」

P「ああ、二曲とも、カンペキだったぞ!」

響「えっへへー……もっと褒めてっ、褒めて!」

P「そうだな……じゃあ」


1 撫で回してやろう!
2 高い高いしてやろう!
3 「さすがは俺の愛する響だな」とささやこう
4 その他

>>352

1


P「よーしよしよし!」ワシャワシャ

響「うぇっうえ!? な、なんだよー!?」

P「よくやったな、ひびきん! 俺も鼻が高いよ!」

響「だ、だからって……っていうかひびきん!?」

真美「んっふっふ〜! ひびきん、そんなこと言って、めっちゃ嬉しそうだねっ!」

響「そそ、そんなことないし! もー、ワシャワシャしないでっ! 自分、いぬ美じゃないぞっ!」ブンブン

P「あっはっは! 手が全然届いてないぞ!」

響「うー……」カァァ

P「……ふふ」


ポンポン……


P「……お疲れ様。最高のステージだったぞ」

響「……」

響「……うんっ! えへへ……」



  *  *  *


ブロロロ……


P(……ライブは、大成功に終わった)

P(今日までフェアリーズステップをあまり知らなかった人も、
 これまでフェアリーズステップを応援してきてくれた人も……)

P(きっと、彼女達の新たな魅力に気づき、さらに夢中になってくれたことだろう)


響「……すー……すー……」

真美「……んふふー……ピヨちゃん、それはおまんじゅうじゃなくて……
   あずさお姉ちゃんのおっぱ……むにゃむにゃ」

千早「……」コクッ コクッ…


P(……みんな、本当にお疲れ様)

P(今日はもう、ゆっくり休んで……また来週から、頑張ろうな……!)


【活動 8週目 おわり】


東京


  ──────────────────────
             ある日の風景
  ──────────────────────


                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 9週目 夜


P(……大成功に終わったあのライブから、数日が経過して)

P(俺達は今も変わらず、アイドル活動を続けている)

P(……いや、変わらずというのは、ちょっとちがうか)


カタカタ……


P「ふ、ふふふ……!」

P「すごいぞ、入ってくる仕事が、こんなにたくさん……!」

P「音楽番組の出演依頼に、ラジオのゲスト……それに、地方CMの話まである」

P「ファンレターも、比べ物にならないくらいドッサリ……ふふ、ふふふ……!」


P(まだまだ仕事がよりどりみどりというわけではないけれど、
 着実にファンの数、知名度は向上しているようだ)

P(良い調子でいけば、IA大賞ノミネートも夢じゃない……
 いや、十分いけるぞ……!)


P「ハーッハッハッハ!」

律子「……」

P「ハ……?」

律子「あ、お疲れ様です」

P「……」

P「りっ、りり、律子!? お前、いつからそこに……!?」

律子「あなたがひとりでパソコン見つめながらニヤニヤしてたときからですけど……」

P「ぐっ……! つまり、最初からか……!」

気になったので訂正

×P(良い調子でいけば、IA大賞ノミネートも夢じゃない……
   いや、十分いけるぞ……!)

○P(この調子でいけば、IA大賞ノミネートも夢じゃない……
   いや、十分いけるぞ……!)

でオナシャス


律子「……ふふっ。でも、そうやって喜びたくなる気持ちも、わかりますけどね。
   フェアリーズステップ、最近良い感じみたいじゃないですか」

P「あはは……おかげさまでな。でもまだまだ、これからだよ」

律子「……やっぱり……」

P「ん?」

律子「……いーえ! ところで、プロデューサー。フェスって、知ってます?」

P「フェス? フェスっていうと……音楽祭のことか?」

律子「ええ」


P(フェス……音楽祭)

P(複数のアーティストが同時にステージに立ち、
 どちらがより多くの客を引き込ませるかを競う、アイドルのステージのひとつだ)

P(ライブとは違って、勝敗がはっきりと決められてしまう……勝負の舞台)


律子「社長から聞きました。あなた達もやっぱり、今年のIA大賞を狙うんでしょう?」

P「あ、ああ」

律子「……それなら、このフェスで勝つということが、とても重要になってくるんです」

P「……というと?」

律子「IAUの審査員は、いつどこに現れるかわかりませんからね」

律子「『このアイドルよりあのアイドルのほうが実力がある』と、はっきりしてしまえば、
   それは審査に大きな影響が出てきます」

律子「だから、ただ単に、人気があってランキングも上位というだけでは、IA大賞の獲得は難しいんですよ」

P「……そうなのか」


P(……勝負、か)

P(そうなったとき、彼女達は……本来の実力を、発揮できるんだろうか?)

P(だって、それは……)


律子「……あ、もしかして、
   私達と戦うことになるかもしれないって、心配してます?」

P「……そりゃ、まぁな」

律子「……心配しなくても、大丈夫ですよ。
   私達が思うほど、アイドルの子達は、弱くありませんから」

P「……? 律子──」

律子「とにかく! 今はそんな顔してないで、この調子を維持して、頑張ってください!」

律子「ユニットの中で、誰よりも、あなたが……
   プロデューサーがしっかりしていないと、みんな、不安になっちゃいますからね」

P「う、うん。そうだな!」


P(……律子の言うとおりだ。皆を引っ張っていく俺が、先の見えない未来に不安を抱いてどうする)

P(俺の仕事は、皆の力を最大限に引き出すためにサポートしてやることなんだから……!)


律子「……でも、まぁ……。プロデューサー殿も、ムリしないでね。
   忙しいからってずっと働いて、身体を壊したら、元も子もありませんから」

P「あはは、大丈夫だよ。こう見えても体力には自信があるんだから!」

律子「とか言って……ここのところ、ほとんど休みも取っていないんでしょう?」

P「う……ま、まぁね」

律子「それで体調を崩したりして、アイドル達に心配をかけたり、
   皆の活動に支障をきたしたりしたら、それこそ本末転倒よ?」

P「……はい。肝に銘じます」

律子「よろしい! ふふふっ……」


  *  *  *


P(それから律子は、書類仕事をパパッと済ませてササッと帰っていった)

P(……プロデューサーとしての心構えを改めて教えてもらった気がする。
 俺も律子を見習って、堂々としていたいものだ)


トントン……


P(……よし。それじゃあ俺も、そろそろ帰るとするかな)


【帰り道】


テクテク……


P「……ふわぁ〜……」

P(そういえば明日は……久々のオフか)

P(律子の言っていたとおり、明日ばかりは仕事を忘れて……のんびりとしようかな?)

P(……うん、そうしよう。そう考えると、なんだかわくわくしてきたぞ!
 ふふふ、どれだけ寝てやろうか──)


ピピピピ……


P「……」

P「……千早から、電話?」


P(……なんとなく、だけど)

P(この電話に出たら、明日の休みが消えてしまいそうな気がする)

P(さて、どうするか……)


1 電話に出る
2 見なかったことにしよう

>>363


P(いや、まぁ、出ないわけにいかないよな……)


ピッ……


P「もしもし、千早?」

千早『あっ……プロデューサー……』

P「どうしたんだ、こんな遅くに」

千早『じ、つは……げほっごほ……』

P「……? 千早、お前、もしかして……!」


1 声変わりか!?
2 風邪を引いたのか!?

>>365

2


P「風邪を引いたのか!?」

千早『……そう、みたい……、なんです。ですから、あの……
  明日の……自主……ごほっ、ごほっ!』

P「……いいから、もう無理に喋るな。言いたいことはわかったから……」


P(明日はオフである俺を除いて、アイドル達だけで自主レッスンをすることになっていた)

P(千早は、それに参加できないということを知らせたかったんだろうな……)


千早『すみません……』

P「大丈夫だよ、皆には俺から伝えておく。病院は行ったのか?」

千早『……いえ』

P「それじゃあ、今から行こう。車で迎えに行くから、待っててくれ」

千早『ええ!? げほっ、ごほ……』

P「この時間でも、開いているところはあるだろう。三十分で着くから、じっとしておいてくれよ」

千早『で、でも……!』

P「それじゃ!」ピッ


──────
────
──


【千早のマンション】

P(あれから俺は、一度事務所にトンボ帰りして、雇用ファイルを使って千早の現住所を調べた)

P(……事務所の車を勝手に使っちゃったけど、まぁ緊急事態だからしかたないよな)


ピンポーン……

──ガチャッ


千早「……ぷろ、でゅーさ」

P「おお、千早……あれからどうだ?」

千早「……じっとしていたら、少しは、ラクになりました。
   あの……とりあえず、入ってくだ……さい」

P「え、でも……今は一刻も早く病院に行かないと」

千早「……いいから、お願いします……」

P「あ、ああ……それじゃあ、お邪魔します」


P(……これが本当に女の子の部屋か? という印象を、隠せなかった)

P(生活する以上必要なものと……あとは、大量に積み重なったCD……)

P(その中で、ただひとつだけ、年頃の女の子っぽいものと言えば……)


P「……」チラッ


P(ベッドの隅に置いてある、クマのぬいぐるみだけだった)


千早「……驚きましたか? 何もない部屋……でしょう」

P「……そうだな」

千早「ふふっ……正直なんですね」

P「嘘をついても、千早にはすぐにバレそうな気がしたからさ」

千早「……。……昔から、よくあるんです、こういうこと」

P「こういうことって……風邪のことか?」

千早「はい……けほっ、こほ……」


千早「小さい頃から、なんの前触れもなく……急に、熱が出るんです」

千早「自分で言うのもなんですけど……日頃から、歌うために使う体力は鍛えているつもりだから、
   身体が弱いというわけではありません」

千早「じっとしていれば、すぐに良くなるので……そんなに心配、しないでください」

P「……でも、」

千早「……プロデューサーは、強引、すぎます」

P「……当然だろう、千早は俺にとって……」


1 大切な娘みたいなものだから
2 大切なアイドルだから
3 愛する人だから
4 その他

>>371

大切な仲間だから


P「……大切な仲間だから」

千早「なか、ま……?」

P「そうだよ。仲間のことを心配するのは、当然のことだ」

千早「……」

P「何か、食べたのか? もし何も食べていないんだったら、おかゆでも作るけど」

千早「……、あの、プロデューサー……!」

P「ん?」

千早「……」

千早「……いえ、なんでも、ありません……」

P「……ちょっと待ってろよ、俺特製おかゆ、作ってやるから」

千早「ふふっ……。あまり期待しないで、待っていますね」

P「あはは、それだけのことが言えるなら、本当に心配ないのかもな」

千早「……もし、そうだとしたら……、帰ってしまいますか?」

P「そんなわけないだろ」

千早「……そ、そうですか」モジモジ



  *  *  *


P「お待たせ。ほら、召し上がれ」

千早「……はい。いただきます」

パクッ

千早「熱っ……!」

カランコロン……

P「あーあー、スプーンが……ちょっと待っててくれ、替えのスプーン持ってくるから」

千早「す、すみません……」


P(……こんなことでスプーンを落としてしまうなんて、
 やっぱり身体に力が入っていないんだろうか)

P(……)

P(俺の中の悪いプロデューサーが、声をかけてきた)

P(こ、ここは……あれをしちゃおうかな。漫画でよく見る、あのシチュエーションを……!!)


1 『はい、あーん』をしよう!
2 そんな恥ずかしいことできるか!!
3 『あーん』どころじゃない、口移しで食べさせてやろう!!!

>>374

1


P「……新しいスプーン、持ってきたぞ」

千早「あ、ありがとうございます……」

P「……」

千早「プロデューサー?」

P「ふー、ふー……」

千早「……何をやっているんですか?
   あ、もしかして、プロデューサーも食べたかったんじゃ……」

P「違うよ」

千早「それじゃあ……」

P「……ふーふー……よし、これくらいでいいかな」

千早「……?」

P「千早」

千早「は、はい……」



P「はい、あーん」

千早「……えっ!?」


P「あーんして」

千早「な、ななな……何を……!?」

P「何って……、口に決まってるじゃないか」

千早「そうじゃなくて! 急に何を言い出すんですか!? けほっこほ……!」

P「あーあー、大きい声出すから……はい、あーん」

千早「……」

千早「……そ、そんな……そんな風に子ども扱いされなくても、自分で食べられます……」

P「力、入ってないみたいじゃないか。さっきみたいにまた、スプーンを落しちゃうぞ」

千早「今度は、大丈夫ですっ」

P「本当に?」

千早「本当に!」

P「……」

千早「……」

P「……頼むよ」


ポロッポロ……


千早「え……」

P「一生のお願いだ、千早……」ポロポロ

千早「な、泣いているんですか……?」

P「小さい頃からの、一番の夢だったんだよ……病気の女の子に、はいあーんするのが……」

千早(そんなことを夢に抱えている人が私のプロデューサーだったなんて……)


千早「……」

P「……ちらっ」

千早「……っ、……も、もうっ」

P「!」

千早「……またスプーンを落として、プロデューサーにご迷惑をかけるわけにはいきませんから」

P「ってことは……!」

千早「で、でも! ひとくち、だけ……ですからね」

P「あ、ああ!」

千早「……それが済んだら、あとは、自分で食べますから」

P「はい、あーん」

千早「は、早っ……!」

P「……」

千早「……」

千早「あー……ん」


ぱくっ……


千早「……。……」カァァ

P「どうだ? おかゆ、美味いか?」

千早「あ、味なんて、わかりませんっ!」プイッ


千早「もう、本当に……何を考えているのかわからない、不思議な人ですね」

P「考えてるのは、アイドルのことだけだよ」

千早「……」

千早「……それは、確かに……そう、みたいですけど」

P「もうひとくち、いっとくか?」

千早「結構ですっ。……スプーン、貸してください」

P「あはは……はい」


  *  *  *


千早「……」モグモグ

千早「……あの、プロデューサー」

P「ん?」

千早「美味しい、です。ありがとうございます……」

P「……うん」



  *  *  *


P(おかゆを食べ終えた千早は、薬を飲んで……そして、眠りについた)

P(顔色も随分と良くなったみたいだ。この分なら、きっとすぐに元気になるだろう)


千早「……すー……すー……」


P(……初めて会ったときは、仲良くやる必要もない、なんて言われてしまったけど、
 今ではそれが信じられないな)

P(三人でのユニット活動が、この子の心を少しだけ、柔らかくしてくれたのかもしれない……)


千早「ぷろ、でゅー……」

P「ど、どうした?」

千早「……しっかり……、してくだ……」

P「……はは。夢の中でも、怒られてるんだな」


P(……本当に、しっかりしないとな)

P(ライブが大成功に終わって、人気が急上昇したとはいえ……
 俺達はまだまだ、山の半分にも到達していないだから)

P(目指すは頂点……、これからも、頑張っていこうな、千早……!)


【活動 9週目 おわ




P(……あれ?)

P(……眠りに、つい……た?)

P(……)



──────
────
──


【翌日】


 チュン……

      チュン……


P「……」ボケー

P(……決して変な意味のチュンチュンじゃない)

P(結局……、俺はそのあと千早の部屋で、
 なんだか落ち着かない気持ちで一睡も出来ないまま、夜を明かしてしまった……)

P(帰ろうにも、鍵をかける本人が眠ってしまっていたからだ)


P「ふわぁ〜あ……」

千早「……」

P「千早は……まだ、寝てるか……」

P「……さすがに、眠気が限界だな。少し横になるだけ、横になる……だけ……」

P「……zzz……」

千早「…………」



「……あ、もしもし、我那覇さん?」

「……ごめんなさい、実は私、風邪を引いてしまって……だから、今日の自主レッスン……
ええ、プロデューサーにはもう、伝えてあるから」

「……ありがとう、でも、心配しなくても大丈夫よ。
かかりつけの病院があるから、そこにいけばすぐ……」

「ええ、うん……それじゃあ……」


ピッ……


「……」

「……ズル休み、なんて……初めてね」

「……」

「…………おやすみなさい、プロデューサー……」



【活動 9週目 おわり】

今日はこれで以上です
次は木曜日に書きます


東京
                           765プロ事務所
                      ──────────
                          活動 10週目 朝


P(前回のあらすじ……)

P(響、真美、千早による765プロの新ユニット『フェアリーズステップ』。
 初めてのライブが大成功に終わる。新曲『空』も最高の形で披露することが出来たし、一安心だな)

P(しかしそんな中、突然体調を崩してしまう千早。
 だが俺の必死で懸命で誠実な看病により、なんとか復活することが出来た)

P(……ま、まぁ、まるきり嘘というわけじゃないよな)


  *  *  *


P「さて……」

千早「プロデューサー、あの」

P「うおっ!? ち、千早!?」

千早「レッスンのことで、少し相談があるんですけど……
   って、何をそんなに驚いているんですか?」

P「急に出てきたからビックリしたんだよ……おはよう千早」

千早「あ……私ったら、挨拶も無しにすみません。おはようございます」



P(あれから千早は、何かと俺に相談を持ちかけてくるようになった)

P(まぁほとんどが仕事やレッスンの話だし、プライベートな話なんてほとんどしないけど、
 俺のことをプロデューサーであると認めて、少しは心を開いてくれたんだろうか?)

P(もしそうだったら……嬉しいな)



  *  *  *


千早「……ですから、あれをこうしたほうがいいんじゃないかと」

P「なるほど……あれをこうするんだな」

千早「ええ。それに、あれもあーしたら、もっと歌える幅が広くなるのでは……」

P「うん、そうだなぁ……確かに千早の言うことにも一理ある。
 よしわかった! それじゃあ今度、レッスンの先生に俺からもそう言ってみるよ」

千早「本当ですか! ありがとうございます!
   ふふっ、プロデューサーに相談してよかっ……あら?」

響「……じー」

真美「……じろじろ」

P「おお、響に真美じゃないか。おはよう!」

響・真美「おはようございまーす」

P「……どうしたんだ? なんか面妖な顔をしてるけど」

響「うぎゃーーー! どうしたもこーしたもないぞ!!」

真美「兄ちゃんと千早お姉ちゃん、最近仲良しすぎっしょ〜!
  ねえねえ、もしかして兄ちゃん達、付き合ってんの!? オトナの関係になっちゃったの〜!?」

千早「えぇっ!? な、なにを言ってるのよ真美っ! そんなわけないでしょう!?」

響「で、でも! こないだまでとゼンゼン違うぞ……」

千早「もう、我那覇さんまで……プロデューサーからも、なんとか言ってくださいっ!」


P(……どうやら、響と真美が勘違いをしてしまったらしい。
 先週のことはふたりには言ってなかったから、突然俺達の距離が急接近したように見えたんだろうな)

P(よし、ここは……こう言っておこうか)


1 仕事の話をしていただけだよ
2 そのとおり、オトナの関係になったんだよ
3 ……(意味深に微笑む)
4 その他

>>391

1


P「響、真美。俺達は、仕事の話をしていただけだよ」

真美「お仕事?」

P「そうそう。レッスンのやり方について、千早から意見をもらっていただけだ」

P「最近仲良くなったように見えたのだって、このユニットの活動が本格的に始まって、やれる選択肢が増えたからさ。
 これからどういう方向で活動をしていくのか、そろそろ俺ひとりで決めていい段階ではなくなってきたからな」

響「……ホントか? 自分達の知らない間に、なんかあったんじゃないの?」

P「ホントだって。千早と俺はそれ以外、一切、何も特別なことは話していない」

P「それにもちろん、こういう話は、これから響達にもたくさんしていくと思う。
 今日はたまたま、千早が早く出勤してきたから……それだけのことだよ」

響・真美「……」

P「な、千早!」

千早「……え、ええ。その通りよ、ふたりとも」

P「よし! それじゃあ今日も、元気にアイドル活動開始だ!」

響・真美「はーい……」


P(釈然としない、って顔に書いてある……でもまぁ、今はこれでいいだろう。
 下手にふたりの興味を引いて、活動に支障をきたしてしまったら、そっちの方が問題だ)

P(……なぜか、千早もそっぽを向いているけど……な、なにか変なこと、言ったかな?
 あとで話す機会があったら聞いてみるか……)


グッドコミュニケーション?



  *  *  *


P「さて、それじゃあ今週は……」

高木「ウォッホン! おはよう諸君!」

P「あ、社長! おはようございます!」

「「「おはようございまーす!」」」

高木「うんうん、今日も元気そうで何よりだねぇ。
   ところで君、今週の予定はもう決めてしまったかな?」

P「いえ、今から決めるところですが……」

高木「おおそうか! それでは、ひとつ提案があるんだが……フェスに、参加してみないか?」

P「フェス……ですか?」

高木「実は、律子君のユニット、スプラッシュが出るフェスに、一枠空きが出来てね。
   良い機会だから、君達も一度、フェスの感覚を味わってみてはどうだい?」

P「スプラッシュ……」


P(スプラッシュとは、やよい、春香、貴音で構成される、765プロで今最も人気のあるユニットだ)

P(プロデューサーは律子。そういえば先週も、律子はフェスがどうこうって言ってたな……)

P(しかし、今の俺達ではまだきっと、スプラッシュには到底……)


高木「なに、今回開催されるのはそれほど大きな規模のフェスというわけでもない。
   たとえ負けてしまっても、IA大賞の選考に影響は与えないだろう。きっと良い経験になると思うのだがね」

P「そうですか……」

響「スプラッシュ……貴音のユニット……」

P「……響、どうする?」

響「……。……自分、やってみたい!」

P「……よし。じゃあ、参加してみるか!」


P(響は、ことあるごとに貴音のことを考えている節がある)

P(……ふたりに以前、何があったんだろうか?
 事務所でときどき顔を合わせる機会があっても、なんだかふたりとも気まずそうにしているし)

P(……でも、今は聞かないでおくか。年頃の女の子同士の問題だろうし、
 これから先、響から話してくれる時が来るのを待とう……)


P「ということで……社長! そのフェス、参加してみます!」

高木「おお、そうか! ではさっそく、空港に向かってくれ!
   開催は明日。細かい手続きは、私のほうからフェス主催者に連絡しておくからね」

千早「え? ……空港?」

P「……社長、そのフェスって、一体どこで行われるんですか?」

高木「うん? 沖縄だよ」

響「……え」

真美「沖縄!? いやったぁぁ〜〜!! 沖縄旅行だ〜〜!!!」

響「……え、……え」

P「あはは……真美、遊び気分じゃだめだぞ。あくまで俺達は仕事に……」

響「……」プルプル

P「……あれ? 響、なんか顔が青いけど……どうし──

響「うぇぇぇぇええええええっ!!!?」


南エリア

                               那覇空港
                      ──────────
                          活動 10週目 昼



ゴォォー……


P「いやー……来たな、沖縄!」

響「うぅ……ホントに来ちゃった……」

真美「んっふっふ〜! ねぇねぇ、フェスって明日なんでしょ?
   それじゃあさー、どっか遊びにいこーよー!」

P「おいおい、真美。朝も言ったように、遊びに来たんじゃないんだぞ。
 時間もそれほど無いんだから、今はそんなことより……」

真美「うあうあー! でもでも、兄ちゃんだって、もうアロハシャツ着てんじゃん!」

P「え? ああ……いつの間に……」

千早「あの、私は……今日のところは、フェス会場の下見にでも行った方が──」

響「……」

千早「……我那覇さん? どうしたの、なんだか元気がなさそうだけど」

響「え!? い、いやなんでもないぞ! なんくるない!」

千早「そう……」


P(初めての沖縄……。あ、でも、響は沖縄出身だから、久しぶりって感じなのかな?)

P(みんな、色々としたいことはあるだろうけど……今日は……)


1 響の元気もなさそうだし、明日のために、もう宿で休もう
2 真美がとんで行っちゃいそうだし、遊びに行こう
3 千早の言うとおり、フェス会場の下見に行こう
4 その他

>>397

3


P「……今日のところは、フェス会場に下見にいこう」

真美「えぇ〜……ぶーぶー! せっかくここまで来たのに、ノリ悪いっしょ〜!」

P「そうむくれるなって。一目見るだけ、そう時間はかけないからさ。
 そのあとで、お土産屋さんでも見に行こうな」

真美「ホント!? わぁーい! 亜美に何買ってってあげよっかな〜」クルクル

響「ねぇ、プロデューサー……」

P「ん?」

響「……ううん、なんでもないぞ」

P「……響、やっぱりお前、調子でも悪いんじゃないか?
 体調崩してたり……」

響「そっ、そんなことない! ないんだけど……」

P「……」

響「……あとで話すね。……えへへっ、よーしみんな! 会場に向かって競争だ〜!」タタッ

真美「うあうあー! ひびきーん、待ってよ〜!!」タタッ

千早「あっ、もう、ふたりとも……!」


P(……響、やっぱり何か、思うところあるんじゃないだろうか)

P(あとで時間を作って、聞いてみるか……)


沖縄
                      DOGMAG海岸特設会場

                      ──────────
                          活動 10週目 昼


 ザザァ……

         ザザァ……


P(潮騒が聞こえ、磯の香りがする。ここに来るときにもチラッと見えたけど、海が近くにあるんだな)

P(まだ六月の頭だから、ビーチには人がいっぱい、ということにはなっていなかったけど、
 サーフィンや日焼けを楽しんでいる地元の人がちらほらと見受けられた)

P(いいなぁ……俺も仕事で来ているんじゃなければ、思いっきり羽を伸ばして──)


千早「……──サー。プロデューサー!」

P「お、おう!? 千早か……」

千早「どうしたんですか? さっきから、どこかぼんやりとしていますけど」

P「あーいや、なんでもないよ。暑さでやられちゃったのかもな。あはは……」

千早「……あの、あまり無理しないでくださいね。
   プロデューサーにまで倒られてしまったら、私……」

P「心配するなって。こう見えても体力には自信があるからさ!」

千早「……とてもそうには見えませんけれど」


P(パンフレットによると、ここDOGMAG海岸は、毎年たくさんの観光客が訪れる人気のスポットらしい)

P(その海岸近くの開けた場所に設置された、アイドルのための特設ステージ……それが今回のフェス会場だ。
 注目度は南エリアの中でもとくに大きく、時期が時期なら、IAUの審査員も視察に来るかもしれないとのこと)

P(……社長は『規模は大きくないから安心したまえ!』なんて言ってたけど……
 正直に言って、人気が上がったとはいえ、今の俺達にはまだ、早すぎる気もするが……)


千早「……」

P「……そういえば、千早。体調のほうは、大丈夫なのか?」

千早「……はい。すみません、先週はご心配をおかけしてしまって。
   もうすっかり、元通りになりましたから」

P「謝る必要なんてないよ。言ったじゃないか、俺達は仲間だってさ」

千早「……ふふっ、そうですね」

P「また何かあったら、すぐ頼ってくれ。千早のことだから、レッスンが中止にされるとかなんとか思って、
 ちょっと調子が悪くても、ギリギリまで誤魔化してそうだしな」

千早「そ、そんなこと……!」

千早「……」

千早「ある……かも、しれませんね」


千早「……本当のことを言うと、あの日より以前から、
  少しだけ、ノドに違和感があったんです」

P「え!? そ、そうだったのか……」

千早「はい……ときどき、高音域が出しづらくなることがあって……。
   プロデューサーは、そのことに気付いていたんですよね? だから今のようなことを……」

P「あ、ああ、うん! その通りだよ」

千早「さすがはプロデューサーです。やはり、毎日私達の歌を聞いてくださっているだけのことはありますね」

P「はは……」

P(本当はそんなこと、全然気付かなかったんだけど……まぁ、あえて言うことでもないな)

P(……というか、千早はやっぱり……)


P「……なぁ、千早」

千早「え?」

P「歌うことって、千早にとって、そんなに大事なことか?
 自分の体調を崩しそうになってまで、毎日変わらずレッスンを続けるなんて……」

千早「……はい。初めて会ったときにも言いましたけど、
   歌うことは、私にとってのすべてだと思っていますから」

千早「歌うことにしか、私は……私が存在する意味を、見出せない。だから、私は歌を歌うんです」


P(……そう言った千早は、どこかさみしそうだった)

P(千早に、なんて言ってやるべきだろう……)


1 そんなことないよ
2 ……そっか
3 厨二病乙!
4 その他

>>404

歌だけが全てじゃないんだけどな


P「……歌だけが全てじゃないんだけどな」

千早「……アイドルが、ですか?」

P「ああ。アイドルにとっては、歌うことももちろん大事だけど、それだけじゃない。わかるだろ?」

千早「それは……そうですけれど」

P「ステージひとつを考えただけでも、そうだ。歌とダンス、演技……
 それらすべてが噛み合って、初めて、アイドルは観客の心を掴む舞台を作り上げることができる」

千早「……」

P「千早がどうしてそこまで歌にこだわるのか、俺にはまだわからないよ。
 でも、アイドルを続ける以上、それを忘れないで欲しい」

千早「……。はい、すみません」

P「……なーんてな」

千早「えっ?」

P「あはは、なんかついつい、お説教みたいなことを言っちゃったけど……
 本心を言うと、俺が言いたいことはそれだけじゃないんだ。もっと単純なこと」

千早「単純……と、言うと?」

P「俺は、千早の歌っている姿だけじゃなくて……踊る姿も、演技をする姿も、好きだってことだよ」

千早「っ!? な、なにを急に……」


P「これまで見てきて、なんとなくわかったよ。
 響や真美に引っ張られたおかげで開花し始めたというところもあるけど、千早にはダンスの才能もある」

P「演技だってそうだ。千早が少し恥ずかしがりながら演技をする姿、ファン達にも好評なんだぞ?」

千早「そ、そんなこと……」モジモジ

P(千早が両手の人差し指を合わせてモジモジし始めた。この流れならいけるな……)


P「……千早の魅力は、歌だけが全てじゃない。
 だからさ、歌以外にも、もっといろんなことに興味を持ってくれないか?」

千早「いろんなこと……?」

P「根を詰めて常に歌のことばかり考えても、いずれ行き詰ってしまう日がくるかもしれないだろ。
 そんなときに自分を助けてくれるのは、きっと、日頃の経験だから」

千早「……でも、そうは言っても、どうしたらいいか、わからないです。
   たとえば、どんなことをすればいいんですか?」

P「うーん、そうだな……休みの日とか、何してるんだ?」

千早「音楽を聴いたり、ひとりで川辺に行って発声練習をしたり……あと、よくCDショップにも行きますね」


P(見事に歌ばかりの生活だな)

P(よし、ここは……!)


1 じゃあ今度、俺とデートしよう
2 じゃあ今度、ユニットのメンバーと遊びにいくんだ
3 その他

>>407

1


P「じゃあ今度、俺とデートしよう!」

千早「デート? デートって……えぇっ!?」

P「な、なんだ?」

千早「さ、さっきから何を言っているんですか!?
   もう……! そんなこと、できませんっ! 大体、で、デートなんて、私……」

P「ああ、勘違いをしないでくれ! 俺に下心は一切ないから!」

千早「……」

P「下心は一切ないから!」

千早「どうして繰り返し言うんですか……」

P「……ごほん! とにかくさ……」

P「異性と遊びにいくことで、千早も色々な気持ちを感じるかもしれない。
 それに俺も、千早のことはもっとよく知りたいから」

千早「……。……そ、それって……どういう意味ですか?」

P「プロデュースする以上、アイドルが秘めてる表情を引き出して知っておくことも、必要だろ?
 そうすればもっと、幅広く、様々な種類の仕事をさせてやることもできるかもしれない」

千早「つまり……、仕事をする上で必要なこと……と?」

P「ソウダヨ」

千早「……」

P「ソレシカ カンガエテ ナイヨ」

千早(とても嘘っぽく感じる……)


千早(でも……)

千早「……プロデューサーがそう言うなら。一応、考えておきます」

P「お、おお、そうか!」

千早「あのっ、別に……私だって、
   プロデューサーとデートがしたいなんて、考えているわけではありませんから!」

P「うんうん、わかってるよ」

千早「もう……そんな風に笑っていますけど、本当にわかっているんですか?
   あくまで私は、自分がもっと高みに行くために──」

タッタッタ……

真美「兄ちゃ〜ん! 千早おねえちゅあ〜ん!」

千早「……!」

響「さっきからふたりとも、何話してるんだー!?」

P「ん? ああ、実は千早と今度──」

千早「な、なんでもないのよっ! ただ、そう……仕事、
   仕事をするために必要な話をしていただけ!」

千早「……そうですよね、プロデューサー?」

P「あはは……そうだな。アイドルとプロデューサーとして必要なことを話していたけだよ」


P(それから俺達は四人で、会場の様子を見て回った。
 ステージの準備はもう万端らしく、俺達の他にも数組のアイドルらしき人達が歩き回っていたな)

P(……残念ながら、スプラッシュの面々とは会えなかったが)


千早「……プロデューサー、あの」クイクイ

P「ん?」

千早「……日程が決まったら、メールしてください」

P「日程? ああ、デー……」

真美「で?」ヒョコッ

千早「し・ご・との! です!」

真美「うあうあー! 千早お姉ちゃんがなんか隠してるっぽいよ〜!」


P(……それにしても、俺は勢いに任せて、なんてことを千早と約束してしまったんだろうか)

P(真美には以前、あんなことを言ったくせにな……)

P(……)

P(と、とにかく! 千早とは色々と話したけど……明日は初めてのフェスだ。
 勝負の舞台……俺も気を引き締めていこう!)


【活動 10週目 つづく】

少し休憩
22時にまた再開します

すみません寝すぎた
再開します


沖縄


  ──────────────────────
           フェス:RISING MOON
  ──────────────────────


                      DOGMAG海岸特設会場

                      ──────────
                          活動 10週目 昼


P(さて、あれから一晩が経過し、フェス当日となったわけだけど……)


 ワイワイ……

     ガヤガヤ……


「なーこの時間、どこ見に行く?」

「そーだなー。やっぱり……」

「あれ? このアイドルって……」


P「……すごい人だな。昨日とは段違いだ」

P(さすがは南エリアで人気のスポット。
 まだ開催まで二時間もあるが、当日券もすでに売り切れたらしい)

P(ちなみにみんなは今、控え室にメイクに行っている。
 ……この会場の雰囲気に、飲まれていないといいが)


???「……あら?」

P「ん? ああ、君はスプラッシュの……!」


そこにいたのは……
>>418
※律子、やよい、春香、貴音のうち誰かでお願いします

お姫ちん


P「お姫ちんじゃないか!」

貴音「ええっ!? あの……プロデューサー。お姫ちんというのは……?」

P「あ、あぁごめん! ついつい真美みたいな言い方になっちゃって……」


P(そこにいたのは、四条貴音──真名をお姫ちんという──だった)

P(ミステリアスな雰囲気をむんむんとかもし出しており、ファンの一部からは『銀色の女王』などとも呼ばれている、
 スプラッシュに所属する人気アイドル……)

P(ふわふわもふもふの綺麗な銀髪が沖縄の太陽の光を反射してキラキラと輝いていて、
 とても美しく見える。思わず見蕩れてしまうな……)


P「ぽぇー……」

貴音「あの、どうかなされたのですか? なにやら茫然自失といったご様子ですが……」

P「あっ、ああいや、なんでもないよ! あはは……」

P(ダメだダメだ! 同じ765プロの仲間とはいえ、今日はフェスで対決するライバルユニットのひとりだ。
 こんな風にボーっとして思わず目を離せなくなっていてはいけないな……)


P「ところで、そっちの準備は終わったのか?」

貴音「はい。やよいも春香も、気合い十分、と言った様子でした」

P「そっか……でも、こんなところで油を売ってていいのか?
 フェスまでそれほど時間もないだろうに」

貴音「……それは……あなた様がいたからですよ」

P「え、俺?」

貴音「はい。プロデューサーのお姿が見えたので、
   少し、お話がしたいと思い、私はここに参ったのです」

P「俺に話って……それはもしかして……」


1 こ、告白とか?
2 あ、逢引とか?
3 響のことか? 
4 その他

>>420

プロデューサーになって欲しいとか?


P(もしかして、貴音は……)

P「……プロデューサーになって欲しいとか?」

貴音「えっ」

P「そうか……やっぱりそうなんだな」

貴音「あの……」

P「わかるよ、律子の指導は厳しいもんな。真美も言ってたよ、律子は鬼軍曹なんだって。
 だから俺のプロデュースする下で、のんびりアイドルをやってみたい……そうなんだろ?」

貴音「いえ、私は──」

P「でもな、貴音。俺達だってなにも、何も考えずにアイドル活動をしているわけじゃない。
 毎日レッスンをこなして、仕事をして……頑張ってるんだ」

P「そりゃあスプラッシュに比べたらまだ仕事の幅は狭いけど、それでも、
 今の仕事に誇りを持ってやっている。……だから、貴音も思い出してくれ」

貴音「思い出す?」

P「ああ。あの頃の気持ちを……」

貴音「……」

P「こんな話をしたことは、律子には黙っておいてあげるよ。だから──」

貴音「……ふふっ」

P「え……ど、どうした? 急に笑ったりして……」

貴音「ふふふっ……やはり、響が言っていたとおり、あなた様はとてもゆにーくなお方なのですね」

P「へっ?」

P(……ど、どうやら、俺が勝手に勘違いしていただけで、貴音が話したい内容とは
 全然ちがったらしい。うわぁ、なんか恥ずかしい……!)


P「ごほん! あー……貴音? たか……おいおい、そ、そんなに笑うなって!」

貴音「も、申し訳ございません……でも、ふふっ、ふふふっ……!」

P「……それで、何の話をしにきたんだ?」

貴音「は、はい……私、実は──……」



  *  *  *


P「……響のことを、聞きにきた?」

貴音「はい。響は最近、どのような様子でいるかと思いまして……」


P(聞くところによると、貴音達スプラッシュの面々は、今日のフェスに
 俺達が飛び入りで参加することを知っていたらしい。社長から連絡があったんだそうだ)

P(そこで貴音は、響の様子を俺に聞きにきたらしいんだけど……)


P「うん、まぁ元気だけど……でもそんなこと、本人に直接聞けばいいんじゃないか?」

貴音「……」

P「響もさ、貴音のことは何かと気にかけているようだし。
 会って直接話したほうが、いろいろと伝わると思うよ」

貴音「それは、そうなのですが……。私、その……響とは、少々、顔を合わせづらいのです」

P「顔を合わせづらい……?」

P(……ううん、何があったんだろう。
 せっかくの機会だから、貴音に聞いてみようか)


P「なぁ、貴音……もしかして……」


1 響と昔、ケンカでもしたのか?
2 響と昔、付き合ってたのか?
3 その他

>>423

1


P「響と昔、ケンカでもしたのか?」

貴音「……。そう、ですね。ケンカといえば、その通りかもしれません」

P「……何があったんだ? ああ、もちろん、言いたくないなら言わなくてもいいけど」

貴音「……いえ。では、あまり時間もありませんが……少しだけ、昔の話をするといたしましょう」

P「あ、ああ……」

貴音「実は、私達──響と私は、昔、765プロではなく、別の事務所に所属していたのです」

P「へ〜……って、ええ!? なんだそれ、初耳だな……」

貴音「……やはり、そうでしたか」


  *  *  *


P(……それから貴音は、少しだけ、昔の話をしてくれた)

P(響と貴音。ふたりがどのように出会い、そして、どのように仲違いをしてしまったのかを……)



『響と貴音』 編

※ここから少しの間、Pとは関係ないアイドルだけの話になるので、安価がなくなります
※これから何度か、こういう感じで寄り道エピソードを書いていくこともあると思います
※話の腰を折ってすみません、再開します


【約一年前……夏】


ミーンミンミン……

        ミーンミンミン……


響「……はぁ〜〜……」

響「また落ちちゃったぞ……」ズーン

響(上京して、もう結構立つのに……
  こんなんじゃ自分、いつになったら、島に帰って、あんまーにまた会えるんだろ……)


響「……」

響「……あづい……都会の夏って、なんでこー暑いんだー……?」

響「島の暑さより……べとっとしてて、ずっと……気持ちわるい゛し……」

響「……」ダラダラ

響「うぎゃーーーー!! もうっ!! 悔しすぎるーーーー!!!」

貴音「ひっ!?」

響「もう家に帰って、みんなの散歩でもしようっ! そしたらきっと、元気もらえる!
  うん、そうしよう! えへへっ、よーし、待ってろよみんなー!!」

貴音「あ、あの……」

響「へっ?」

貴音「……我那覇、響殿、ですよね?」

響「う、うん……そーだけど……君は?」

貴音「四条貴音と申します。先程、同じ選考で隣に座っていたのですが……お忘れですか?」

響「んーと……あ、ああ! 確かにこんなキラキラした人、隣にいた気がするっ!」



  *  *  *


響「はい、ジュース」

貴音「あ、ありがとうございます」

プシュッ

響「ごくごく……、ぷはぁ。そっか……君も、さっきの選考、落ちちゃったんだ」

貴音「はい……」

響「貴音はこーんなに綺麗なのに、もったいないね!」

貴音「……きっと、審査員の方は、見透かしていたのでしょうね」

響「見透かすって?」

貴音「……いえ」

響「……」

響(うう……な、なんか気まずいぞ)

響「そ、それで! なんで自分に話しかけてきたの?」ゴクゴク

貴音「……あなたが、妹に、似ている気がいたしまして」

響「妹? へー、貴音には妹がいるんだ!」

貴音「ええ。もう随分、会ってはいませんが……」

響「ふーん……」

貴音「……」

響「……ねぇ、貴音」

貴音「え?」

響「ジュース、飲まないのか?」


貴音「そ、そうですね。では……」

カリ、カリ……

貴音「うぅ……」

響「……もしかして、開けらんないの?」

貴音「……」

響「だ、大丈夫! それなら自分、開けてあげるからっ!」

貴音「申し訳ございません……」

プシュッ

響「はいっ!」スッ

貴音「……ありがとう、ございます」

こく、こく……

貴音「……真、美味ですね。ふふっ……」

響「あっ! やっと笑ったな!」

貴音「え……?」

響「えへへっ、貴音は落ち込んでるより、笑ってるほうがずっといいさー。
 やっぱりもったいないね、貴音を落すなんて!」

貴音「……我那覇殿……」

響「『響』でいーよ! 島のみんなも、そう呼んでたし」

貴音「……はい!」



  *  *  *


響「おーい! どこに行っちゃったんだ、いぬ美ぃ〜!!
  自分が悪かった〜! もう勝手にいぬ美のご飯を食べたりしないから〜! おーい!」

貴音「おや、あなたは……響ではありませんか」

響「え? あっ、貴音ぇ! はいさーい!」

貴音「はて、はいさい……?」

響「沖縄の言葉で、こんにちはって意味だぞっ!」

貴音「なるほど……ふふっ、でしたら……」

貴音「は、はいさーい」カァァ

響「うんっ! えへへー」

貴音「……と、ところで、何か探していた様子でしたが」

響「ああっ、そうだった! ねぇ貴音、いぬ美を知らない? こーんなにおっきい犬なんだけど」

貴音「大きい犬……ああ、でしたら」スッ

パンパンッ!

響「へ? いきなり手拍子してどうし──」

いぬ美「バウッ バウバウ!」タタッ

響「い、いぬ美!?」

貴音「先程、私のまわりで走りまわっていたのですよ……よしよし」

いぬ美「クゥーン」

響「そ、そーなんだ……」


子どもA「わー、犬だー!」

子どもB「でっけー!」

いぬ美「キャンッキャンキャンッ!」


響「……貴音、あれからどう?」

貴音「……相変わらずです」

響「そっか……自分もだぞ」

貴音「……」

響「何がダメなんだろうね。自分、歌もダンスも、
  スクールでいっぱい練習したし、結構自信あるんだけどなー……」

貴音「……あの、響」

響「んー?」

貴音「袖触れ合うも、他生の縁と言いますし……
   こうして私達が再び出会えたのも、何かの導きがあってこそなのでしょう」

響「えっ、どーいうこと?」

貴音「……」

貴音「私と、ともに……同じ事務所を、探しませんか?」


響「え、でも……」

貴音「……無理にとは、言いませんが」

響「……」

貴音「……」

響「……貴音……うん、わかった!」

貴音「で、では……!」

響「……ホントのこと言うとさ、自分もちょっと、さみしかったんだ。
  こっちにきて、これからはなんでもひとりで頑張らなきゃいけないって思ってたけど……」

響「……で、でも……!」

貴音「響……?」

響「受ける選考、みーんな落ちちゃうし……
  学校でも、あんまり友達っていう友達も、出来ないし」

響「なんか……いろんなこと……、うまく、いかなくてぇ……!」

響「これじゃあ、自分、なんのために島から……──リサとも、もう、全然、だし……!」

貴音「……」

響「……」ゴシゴシ

響「でも、貴音といっしょなら……きっと、なんくるないよねっ!」

貴音「なんくるない……?」

響「なんとかなる、って意味だぞ! えへへっ……」


貴音「……響。これから、よろしくお願いいたします」

響「うんっ! えへへ……ねぇ、貴音!」

貴音「どうしたのですか?」

響「も、もしさ……もし、同じ事務所に、ふたりとも受かったらさ!」

響「そのときは……絶対、一緒のユニットで、アイドルやろうねっ!」

貴音「……ふふっ、ええ……わかりました」

響「約束だぞっ!」


──────
────
──


──────
────
──


ワー ワー……


貴音「そうして、私達は……共に歩み始めたのです」

P「……そうだったのか」

貴音「しかし、それから──」

律子「……あっ! こーんなところに居た! もう、探したわよ、貴音っ!」

貴音「おや、律子嬢?」

律子「もう春香もやよいもリハに行ってるわ。ほらほら、貴音も──って、あら?」

P「よう、律子」

律子「プロデューサー……」

貴音「……プロデューサー。私はもう、行かなくてはならないようです。
   この話の続きは、またいずれ……」

P「あ、ああ。頑張れよ……じゃなくて、負けないからな!」

貴音「ふふっ、それは、私とて同じ気持ちですよ。それでは……」


P(……なんだか、中途半端になってしまったけど)

P(きっと、響と貴音が交わしたというその約束──同じ事務所に受かったら、同じユニットで活動する、ということ)

P(この約束が果たされなかったことが、彼女達の仲を、少しだけ遠ざけてしまったんだろうな……)


P(……しかし、以前は765プロではない、別の事務所に所属していたとも言ってたけど……
 それは、どういうことなんだろう?)

P(その後ふたりは、どこかに受かったということなんだろうか? そして──)


律子「プロデューサー。貴音と、話をしていたんですか?」

P「う、うん。響とのことを、ちょっとな」

律子「……そうですか」

P「……律子は、ふたりの事情を知っているのか?」

律子「ええ、まぁ……というか、主に私が悪い、といいますか……」

P「……」


ピンポンパンポーン……

『……ご来場の皆様へご連絡いたします。
もう間もなくステージを開場いたしますので、チケットをお持ちになって、会場入り口へとお並びください』

『なお、入場の際には手荷物検査を行います。どうかご理解とご協力のほどを……』


律子「……時間ね」

P「……そうだな」

律子「それじゃあ、私達も行きましょうか」

P「ああ」


P(……とにかく、本当にもうすぐ、フェスが始まる)

P(何があったのか気になるところだけど、今は、自分に出来る仕事をするだけだな……)



  *  *  *


P「……よし、みんな! 準備はいいか?」

「「「はいっ!」」」

真美「ねぇねぇ兄ちゃ〜ん。さっきまで、ドコいってたの?」

P「ん? ああ……たまたま律子に会ってさ、話をしていたんだ」

響「! ってことは、貴音にも会ったの!? な、なんか言ってた?」

P「……いや、貴音には会ってない。
 律子にも、『胸を借りるつもりでドーンとかかってらっしゃい!』って、言われただけだよ」

響「そっか……」ホッ

P(……ステージ前だ。余計なことを言って、響のテンションを落すわけにはいかないよな)


スタッフ「……みなさん、そろそろ時間なので、お願いします!」

「「「はいっ!」」」

スタッフ「それと、お隣のステージでは、スプラッシュが本番の準備に入っていますよ!」

スタッフ「向こうに負けないくらい、ステージを盛り上げてくださいね!」


P「……さあみんな、これから初めてのフェスだ。
 しかも同じ時間には、スプラッシュの出番も入ってる……」

P「でも、気後れすることはないぞ!
 みんなの実力をちゃんと発揮すれば、きっといけるはずだ! 頑張ってこい!」

「「「はいっ!」」」

P「よし、じゃあ響……頼むな」

響「……うんっ!」


響「よーしみんな! 気合いを入れていくぞっ!!」

真美・千早「はいっ!」



千早「……3!」


真美「2っ!」


響「……1っ!」



「「「えい、えい……おーーーーっ!!!」」」



ワァァァ……!!


──────
────
──


 ワーワー……

      キャー……!


響『……』


……──♪


響『……』スゥ

響『空になりたい、自由な空へ……──♪』


ウォォォォ!!


響(!)


春香『……さすらうペテン師の青い吐息 Ah!』

貴音『手がかりにI wanna 恋どろぼ……♪』

やよい『射止めるなら 覚悟に酔いどれぅー♪』


「はるるーーーん!!」

「やよいちゃーーーーーん!!」

「貴音さまーーー!! あっあっあん!!」



響(貴音達のステージ、もうあんなに盛り上がって……)



『『『女は 天下のまわりもの 痺れるくびれ──……♪』』』



響(……っ!)


──────
────
──


響『……繋ぐ レインボ──……♪』


ワァァ……!


P(……終わった、か)

P(でも、これは……)



響『……はぁ……はぁ……』

千早『……っ』

真美『あぅ……』



「……響ー!」

「真美ちゃーーん!」

「ちひゃぁぁぁぁぁ!!」


パチパチパチ……!


響『……え、えへへ! ありがとー! みんなー!!』


P(……みんな……)



  *  *  *


ワーワー……


P「……みんな、お疲れ様」

真美「うぅ……負けちゃったぁ……」

千早「……やはり、まだ及ばなかったようですね」

響「……うぎゃーー! もう、悔しすぎるぞっ!!」

P「そ、そう気にするなって。
 スプラッシュは俺達より、ずっと早くデビューしてたんだし……な!」

「「「……」」」

P「……」

P(……フェスに負けて、少し落ち込んでいるようだ。
 でもみんな、やるだけのことはやってくれた。今ある実力を、最後まで、存分に発揮してくれたと思う)

P(だが……スプラッシュが、その実力も、人気も……俺達より上だった。それだけのこと……)

P(みんなに、なんて声をかけてやるべきだろうか……)


1 反省会でもしよう!
2 ……(今はそっとしておこう)
3 その他

>>442

1


P「……よし、みんな! これから反省会でもしよう!」

真美「えぇ〜!?」

千早「……そうですね」

真美「ち、千早お姉ちゃん!?」

千早「真美。ただ落ち込むよりは、これから先のことを考えましょう。
   そうしないと、また今日みたいに、何度も悔しい思いをすることになるわ」

真美「そーかもしんないけどぉ〜……でもでも、何も今しなくてもいいじゃん! ぶーぶー!」

P「……まm──

響「真美!」

真美「っ!」

響「……自分も、めちゃくちゃ悔しいぞ。でも、見たでしょ?」

真美「え……見たって?」

響「スプラッシュの方に行かないで、自分達を最後まで応援してくれた、ファンのみんなのこと」

真美「……。うん……」

響「……みんなの応援のおかげで、最後まで歌えたんだ。
  だから自分、もっともっと上手くなって、またファンのみんなの前で歌いたい! だ、だから……!」

真美「ひびきん……」


真美「……ごめんね、ひびきん……真美、ワガママ言っちゃった……」

響「……」

真美「……真美も、ガンバりたい!
   ファンの兄ちゃんや姉ちゃんのこと、メッチャ喜ばせてあげたいっ!」

真美「またガッカリさせちゃうなんて、そんなのヤダもん! うあうあー!」

響「……うん!」


P(……響。それに、真美……)

P(勝負には、確かに負けた。でも、負けたけれど、得るものはあったみたいだな……。
 そしてそれは、きっと……これから成長する上で、何よりも大切な気持ちだ)


響「プロデューサー! 自分達に足りないところ、教えてっ!」

P「……ああ。よーし、それじゃあ、着替えたらまた、ここに再集合だ!」

「「「はいっ!」」」


──────
────
──



  *  *  *


P「……はぁ」


ワーワー……!

「四条さぁーーーーん!! わ、私のことっ、踏んづけてくださぁぁぁぁいっ!!!」


P(……スプラッシュのアンコール、やってるみたいだな。
 しかしすごい熱狂だ……)


P「……足りないところ、か。そうは言っても、なんなんだろうな」

P「スプラッシュにあって、俺達に足りないもの……それは……」

???「……フン。そんなことは決まっているだろう。何もかもだよ、君ィ」

P「えっ?」

???「しかし、スプラッシュごときにも勝てないとは……
    弱小765プロの秘蔵っ子と聞いてやってくれば、とんだムダ足だったようだよハーッハッハ!!」

P「あ、あなたは……?」

???「この私を知らないとは……、やはり掃き溜めの765プロ。
    プロデューサーも随分とチンケな脳みそをしているらしいな」

P「はぁ……」

P(なんだろう、いきなりつっかかってきて……この黒い人、一体なんなんだ?)


P「……」

???「……」

P(まぁたぶん、頭がハッピーな人なんだろうな。あまり関わらないでおこう……)

P「……それじゃあ、俺はこれで」

???「ま、待ちたまえ!」

P「え〜……」

???「おい貴様……本当にこの私が誰だか、わからないのか?」

P「はい、さっぱり……」

???「なにィ!? た、高木から、話を聞いているだろう!?」

P「高木? うちの社長のことを、ご存知なんですか?」

???「フン。貴様ごときに教えてやる義理はない!」

P(なんなんだよ……)

???「……ならば教えてやろう!」

P(うわ、なんか語り始めそうだ。どうしよっかな……)


1 一応聞いておこう
2 逃げよう

>>447

1 ただし喫茶店に連れて行かれる


???「そう! 私こそが──」

P「……」スタスタ

???「世界で最もゆうしゅ……おい待て! 待てというのに!」

P「でも俺、これからみんなとミーティングがあるので」

???「貴様……!! ここで私のことを貴様が認識しないと、話が進まないだろうがッ!!」

P「そんなこと言われても……」

???「ぐっ……これだから高木のところの人間は……!」

P「……なんだか、ノドが乾きませんか?」

???「何?」

P「沖縄って、暑いですよね。今日はよく晴れてるし」

???「……」

P「……」

???「……ウィ。ならば仕方ない!
    飲み物ひとつ買えない哀れな貴様のために、この私が! アイスカーフィーでも奢ってやろう!」

P「へへっ、やーりぃ! そうこなくっちゃ!」


【喫茶店】

店員「961円になります」

???「カードで」スッ

店員「申し訳ございませんお客様。当店では、クレジットカードでのお支払いは……」

???「何ィ!? クソッ……これだから……! ええい、少し待っていろ!」

プルルル……

ピッ

???「……ああ、私だ。大至急、千円札を持ってきたまえ。
     何度も言わせるな、今すぐにだ!!」


  *  *  *


???「フン、待たせたな……」

P「いやぁ、ごちそうになります! ケーキまでつけてもらっちゃって、なんだか悪いなぁ」

???「……」ズズッ

P「ブラックなんですね」

???「当然だ……」


P「……」モグモグ

???「……」

P「……」チラッ

???「……」ソワソワ

P「……ごくん。それで、あなたは一体……!?」

???「フン……では改めて、教えてやろう!」

黒井「私こそが、世界で最も優秀で、セレブで、エ〜レガントなプロダクション!
    961プロを率いる、社長のくろ


 *  *  *


カランコロン……

店員「ありがとうございましたー」

P「ご馳走様でした。お土産のケーキまで買ってくれて、ありがとうございます。
  それじゃあ、俺はこれで……」

黒井「……う、ウィ。くそ……!! アデュー!」タッタッタ



P(……どうやらこの黒くてヒラヒラとした人は、961プロダクションの社長、黒井崇男だったらしい)

P(俺やユニットのメンバー、というより、765プロに対して色々と因縁をつけてきていたが……
 ケーキを食べながら聞いていたので、詳しいことはあまり覚えていないんだよな)

P(黒井社長……一体、何者なんだ……!?)


バッドコミュニケーション……



  *  *  *


P「……おーい、みんなー!」

響「プロデューサー!」

千早「……どこに行ってたんですか?」

P「いやー、悪い悪い。ちょっとケーキを買ってきててな、ほら」

真美「ケーキ!? いやったぁ〜! ねえねえ兄ちゃん、食べていいの!?」

P「ああ、もちろん! みんな今日は疲れただろ?
 反省会もさ、ケーキを食べながら、ゆっくりやろうじゃないか」

千早「はぁ……でも、そんなこと、またあとででも──」

響「……じゅるり」

真美「真美これもーらいっ!」

響「あっ! 真美、それは自分も狙ってたのにー!!」


ギャーギャー!


千早「……」

P「……千早は、いらないのか?」

千早「……いえ、いただきます。糖分の摂取も、必要なことですから」


  *  *  *


P(……それから俺達は、ケーキをつつきつつ、
 自分達に足りないところ、そしてこれからのことを話し合った)

P(今日は負けて悔しい思いをしただろうけど……
 でもみんな、ミーティングが終わる頃には、やる気に溢れた顔をしていた)

P(……負けることも、財産。それに、それはきっと、今しか味わえない、大切なことだ。
 これからまた、再出発だな……!)


パーフェクトコミュニケーション!


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 10週目 夜


P(さて……)

P(長かった二日間もようやく終わり、俺は事務所に帰ってきた)


高木「……おお、君! 帰ってきていたのかね」

P「ああ、社長……お疲れ様です」

高木「フェスの結果、私も聞き及んでいるよ。残念だったね……」

P「あはは……でもみんな、今はもう、立ち直ってくれたようです」

高木「そうか……女の子達は?」

P「今日はもう、帰らせました。なんだかんだ言って、みんな疲れているでしょうから」


高木「……心配には、及ばなかったようだな。
   もし君達が行き詰っているようなら、ひとつ提案をしようとしていたのだけどね」

P「え? 提案ですか?」

高木「……ああ。リーダーを替えてみる、という提案をね」

P「……!」

高木「ユニット内の空気を一新するには、そのようなやり方も、一つの考えだ。
   しかし……君の顔を見るに、そんなことは必要なかったようだね」

P「……リーダーを、替える」


P(……たしかに、それもひとつのやり方だ。
 リーダーを替えることで、新たに見えてくることもあるだろう)

P(でも、そうしたら……今まで頑張ってきた、彼女の──)


『……相棒、でしょっ!』

『……それなら、これから一緒に……ふたりで一緒に、自信を持てるようになっていけばいいさー!』


P(響の気持ちは……?)


高木「……ウォッホン! いやすまないね、今言ったことは忘れてくれ」

P「……」

高木「君ももう疲れただろう。今日のところはもう家に帰り、来週以降のために英気を養ってくれたまえ」

P「……はい」


【帰り道】


リーンリーン……


P「……」テクテク

P(リーダーを替える、か)

P(全ては俺次第……だけど)


P「響……俺は──……」



【活動 10週目 おわり】


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 11週目 朝



P(……初めてのフェスに参加したあの日から、数日が経った。
 みんなあれから、フェスで負けた悔しさもものともせず、元気に活動を続けている)

P(──しかし、俺は……)

P(あの夜、社長に言われたことを、ずっと頭の隅で考えてしまっているのであった)


P(『運命のランキング』が発表されるまで、あとおよそ半年……)

P(もう、迷ってなどいられない。きっと、リーダーを替えるなら……今、このタイミングしかないだろう)

P(……)



ガチャッ

「「「おはようございまーす!」」」


P「あ、ああ! おはよう、みんな!」


真美「おっはよーんっ、兄ちゃん!
   ……あれ、お腹でも痛いの〜? 風邪引きさん?」


P(……そうだ。いつまでも悩んではいてはダメだな)


千早「……、プロデューサー?」


P(俺たちが目指すのは、トップアイドル。IA大賞の受賞……。
 そのためなら、これくらいのことで悩んでなどいられない!)


響「プロデューサー……どうしたんだ?」


P(そうだ……俺は決めた!
 フェアリーズステップの、新しいリーダーは……!)


1 響
2 真美
3 千早

>>459
※話が分岐する安価です。この三人のうち誰かでお願いします
※これ以降、リーダーのチェンジはありません

1

席を離れててすみません、
今日はあとちょっとしか書けないと思うけど再開します


P「……響!」ガシッ

響「うぇっ!? な、なに!?」

P「少しでも悩んで、本当にごめん。でも、俺はもう、迷わないぞ。
 リーダーとしての響を信じるよ!」

響「ほ、ホント!? えへへー、なんのことかわかんないけど、それなら自分に任せといてっ!」

P「ああ!」

P(……一体俺は何を悩んでいたんだろう)

P(思えば、俺と響は最初から、ふたりで頑張ってきたんだもんな……!)


P・響「やいのやいの〜!」


真美「……どしたんだろーね?」

千早「……さぁ」

真美「あれ? 千早お姉ちゃん、なんかムスってしてる?」

千早「そ、そんなことないわよ。
   別に、あのふたりが仲良くしてるからって、私には関係ないし……」

真美「……もしかして千早お姉ちゃん、ヤキモ

千早「ちっ、ちがっ……! もう、プロデューサー! それに我那覇さん!
   いつまでもふざけて遊んでないで、仕事に行きましょう!」

P・響「は〜い」

真美「……んっふっふ〜♪」



  *  *  *


P「さて……それじゃあ気を取り直して、今日も元気にアイドル活動開始だ!」

「「「はいっ!」」」


P(そういえば今週は、2ndシングル『空』の発売日だったな)

P(1stシングルのときに比べ、フェアリーズステップの知名度も上がってきたし……
 この売り上げ次第では、これまでよりワンランク上の仕事が選べるようになるかもしれない)

P(注目を浴びるためには、今週はどんな仕事をしたらいいだろうか?)


1 全国オーディション
2 あいさつまわりのお仕事(店頭PR)
3 ささやかなふれあい(ファンとの交流)
4 その他

>>463

1


P「……」ペラッ

P(音無さん情報によると……うん、これならギリギリ、今からでも間に合うかな)

P「……よし、今週はオーディションを受けるぞ! しかもなんと、全国放送の音楽番組だ!」

響「テレビに出るのか!?」

P「まぁ、合格したらな。新CDのリリース週に全国の注目を集めておけば、きっと売り上げも変わってくるはずだ」

真美「オーデか〜。なーんか、メッチャ久しぶりだね!」

千早「そうね……」

P「オーディションの日時は、明後日。場所は熊本のリトルジャパンTVだ。
 合格したらそのまま生放送っていう、かなりハードスケジュールになるけど……
 みんな、気合いを入れていこうな!」

「「「はいっ!」」」

やべ、リロードしてないでそのまま書いちゃった
>>465は無しにして2の方向にしたほうがいいかな

そのままオーデって感じでいきます
再開する


熊本


  ──────────────────────
         オーディション:アイ×スタ
  ──────────────────────


                          リトルジャパンTV
                      ──────────
                          活動 12週目 昼


熊本


  ──────────────────────
         オーディション:アイ×スタ
  ──────────────────────


                          リトルジャパンTV
                      ──────────
                          活動 11週目 昼


ビュオオ!

P(うわっ、突風だ! これはとっぷうアイドル……、トップアイドルの誕生の前兆か!?)

P(……なーんてな。何考えてんだろ俺……)


  *  *  *


ディレクター「……おお! お待ちしていましたよ、フェアリーズステップの皆さん!」

P「今日はよろしくお願いします。すみません、急な参加になってしまって」

ディレクター「いや、いいんですよ。高木さんには昔お世話になりましたし」

P(本当に、社長の顔は広いな……)

P「……ええと、今日はどのようなアイドルを求めているか、聞かせてもらえますか?」

ディレクター「そうですねぇ……ずばり、世界にはばたく歌姫! ですかね」

ディレクター「フェアリーズステップの皆さんなら大丈夫だとは思いますが、
        一応選考は行いますので、ヨロシクです!」


P(今日の選考は、ボーカルに注目が集められるらしいな)

P(うちには千早がいるし、これはいけそうだな……!)



  *  *  *


真美「兄ちゃん兄ちゃ〜ん!」トテテ

P「ん? おお、真美、準備できたのか。随分早かったな……」

P「──って!? お前、その格好……」

真美「んっふっふ〜! こんなこともあろうかと、
   真美はステージ衣装を服の下に着ておいたのだよ!」

P「プールじゃないんだから……まぁ、心がけは立派だけど。
 でもな、真美……その格好はマズイんじゃないか?」

真美「え〜!? なんでー!?」

P「だってお前……」


1 可愛すぎるだろ
2 オーディションは、ステージ衣装じゃなくてジャージで行うんだろ
3 いいから脱げ! いや脱がしてやる!
4 その他

>>474

1


P「だって真美、お前……」

ジリッ……

真美「え……な、なに、兄ちゃん? 目がこわいっぽいよ〜……」

P「……──ぎるだろ……!」

真美「へっ?」

P「可愛すぎるだろッッ!!」クワッ

真美「!?」

P「いやー、やっぱり新曲のために新しい衣装買ってよかったなぁ!
 うへへ……真美、よく似合ってるぞ!」

真美「そ、そう!? んー、まぁ、それほどでも、あるけどねっ! えへへー」


P(新曲をリリースするにあたって、実は大枚はたいて新衣装を用意していたのである)

P(『タータンチェックローズ』……知る人ぞ知る隠れ家的名店『BK MANIAC』で購入した、フローラル衣装)

P(この衣装とは、目と目が逢う瞬間にティンときた。
 どんな衣装か気になる人は、タータンチェックローズでググって欲しい。めちゃくちゃ可愛いから)


真美「ねぇねぇ兄ちゃん! この衣装の、どのあたりが一番かわいい?」

P「ん? そうだなー……たとえば、ここかな」


   タッチしてください


1 おっぱい
2 ふともも
3 二の腕
4 その他

>>477

全部だ!!!


P「……ぁ……あ」パクパク

真美「……?」


P(──俺は、なんてくだらないことを考えていたんだろう)

P(真美のかわいいところ? そんなの、一個だけなんて……決められるわけ、ないじゃないか)


P「……──んぶだ……」ボソボソ

真美「ね、ねぇ兄ちゃん! どったの!? なんかへ──

P「全部だ!!! 真美ィッッ!!!」

真美「おおっ!?」

P「へへ……どこが可愛いかって、そりゃあ、
 頭の先からつま先まで、全部に決まってるだろ……?」

真美「に、兄ちゃん……?」

P「たとえば、さ……ここだ」スッ

真美「あたま?」

P「ああ、そうだ……俺は昔のことを知らないけど、
 真美、最近になって髪を伸ばしたらしいじゃないか」

真美「う、うん……亜美とね、いっしょに決めたんだ!
   中学生になったし、髪型とかも変えて──」

P「可愛いよ……」ナデナデ

真美「!!!?」


P「さらさらな髪の毛……」サラッ

真美「……っ」

P「亜美は少し後ろ髪にクセがあるけど、真美はストレートなんだよな。
 毎日ちゃんとケアをしてるのがわかる。やっぱりお前は、隠れた努力家なんだ……」

真美「にっ、にいちゃ……っ……!」

P「それに……この、二の腕」フニョン

真美「ひゃうっ!」

P「すべすべだぁ〜これ すべすべだぁ〜……」

真美「うあうあー! 兄ちゃんっ、どこさわってんの〜!? く、くすぐっ……!」

P「フゥー……」

真美「ひぃっ!」ゾワワ

P「……真美」ボソボソ

真美「な、なに〜……?」

P「……」


1 愛してるよ
2 胸、さわってもいいか?
3 ご、ごめん!(俺は正気に戻った!)

>>480


P「!」ハッ

P(俺は 正気に戻った!)

P「ご、ごめん真美!」バッ

真美「えっ」

P「どこが可愛いか指差そうと思ったら、つい手が滑っちゃって……いやー、ごめんな」

真美「手が滑ったって……ホントに?」ジトッ

P「当たり前だろ」

真美「……んじゃんじゃ、ホントはどこを可愛いって言おうとしたの?」

P「え? そりゃあ、全部だよ。それは本心だから」

真美「……」

P「……真美?」

真美「……んっふっふ〜。そっかそっか〜!
   いやー、兄ちゃんもようやく、真美のミリキに気付いちゃったんだねっ!」

P「ミリキ? 魅力って言いたいのか?」

真美「うん! まーそんなカンジ」

P「はは……ほ、ほら、そんなことより、着替えておいで。
 オーディションはステージ衣装じゃなくて、ジャージでやるんだから」

真美「えぇっ!? そ、そーだっけ?」

P「前にもやっただろ? さぁ、遅刻しないうちに、控え室に行ってくるんだ」

真美「はーい!」


タッタッタ……


P「……」

P(……な、なんとか誤魔化せた、かな?)

P(やばいやばい……つい興奮して、『真美は合法』だって勘違いしてしまった)

P(中学生に手を出したら、犯罪だもんな……気をつけないと)


【控え室】

ガチャッ

真美「……」

響「あっ、真美! どこ行ってたんだ?」

真美「……ちょっとおトイレ……」ポー

千早「……真美? どうしたの、顔が赤くなっている気がするけど。
   もしかしてあなた、熱でもあるんじゃ……」

真美「う、ううん! なんでもないっぽいよ〜!」


真美(う〜……兄ちゃんのアホ!)

真美(いっくら真美がへろもんむんむんだからって、
   いきなりセクハラ大魔王になることないっしょ〜!)

真美(今度やったら、イタズラ100連発にしてやるんだから!!)


グッドコミュニケーション!


真美(うあうあー! ぐ、グッドなんかじゃないもんっ!!)



  *  *  *


P「……よーしみんな、準備できたな!」

響・千早「はいっ!」

真美「は〜い」ジー

P(う……な、なんか真美が、こっちを睨んでいるような気がする。
 さっきのこと、あとで改めて謝っておいたほうがいいかな……)


P「……ゴホン! まぁ、なんだ……今回のオーディションの合格枠は10組。
 決して広き門というわけじゃないが、みんなの実力をちゃんと発揮できれば、合格間違いなしだ!」

P「全国放送で『空』をアピールできれば、きっとユニットの人気もググッとアップするはず。
 いつも通り、頑張って来い!」

「「「はいっ!」」」

スタッフ「皆さん! そろそろ出番ですので、スタンバイお願いします!」

響「よーし! それじゃあみんな、気合いを入れて行くぞっ!」


千早「……3!」

真美「にー!」

響「いっち!!」


「「「ファイトー……おーっ!!!」」」



  *  *  *


ワァァ……!


響「……」

真美「……ね、ひびきん」チョイチョイ

響「んー?」

真美「ひびきんってさ、兄ちゃんのこと、好き?」

響「んなっ!?」

千早「……それは、私も少し、興味があるわね」

響「うぇぇ!? ち、千早まで何言ってんだー!?
  じっ、自分は別に……プロデューサーのことなんて……」

真美「ホント? じゃあキライ?」

響「うぅ……キライじゃないけど、そーいう風には、
  まだ、考えたことないし……」モジモジ

千早「……まだ、ということは……これから先、あるということかしら?」

響「も、もう! ふたりとも、本番前だぞっ! ちゃんと集中してよねっ!」

真美「……んっふっふ〜! ひびきん、メッチャ顔赤くなってる〜!」

千早「……ふふっ」


「……続きまして、今番組初登場!
ただいま人気急上昇中、巷でウワサの新アイドルユニット……」

「フェアリーズステップの皆さんです!!」

ワァァァ!


響「……ほら! い、行くぞっ!」

千早・真美「はーい」


──────
────
──


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 11週目 夜


P(それから俺達は、無事に収録を終えて、事務所に帰ってくることができた)

P(うんうん、いい感じだ! これからもこの調子で頑張っていきたいところだな)


ガチャッ

「「「ただいま戻りましたー!」」」

小鳥「あ、お帰りなさーい! 生放送、観てたわよ。みんなすごかったじゃない!」

響「……」モジモジ

小鳥「……響ちゃん、どうしたの?
   そういえばあなた、本番中も顔真っ赤になってたみたいだけど……」

響「な、なな、なんでもないぞ!」

小鳥「ふふふ、やっぱりまだ、緊張しちゃってるのかな?
   大丈夫よ、もう響ちゃんだって、アイドルとして立派に……」

真美「んっふっふ〜。ピヨちゃんってば、ダメダメだなぁ〜」

小鳥「え、えぇ?」

真美「そんなんだから、にじゅう[ピヨピヨ]歳になってもまだ彼氏さんが」

小鳥「うわぁ、うわわわっ!! ま、真美ちゃん!
   プロデューサーさんの前で年齢の話は……!!!」

真美「えー、でもそんなの、兄ちゃんもう知ってるよ? 真美、こないだ言っちゃったもん」

小鳥「……!」


P(音無さん、この世の終わりのような表情でこちらを見ている)

P(何かあったんだろうか……)


P「えー、みんな。ランキングが発表されるのは週末。
 土曜日には今のところスケジュールが入ってないから、事務所に来なくてもOKだ」

P「各自、家で確認しておくように。それから……」


  *  *  *


P「……まぁ、こんなところか。
 ってなところで、今週の活動は以上だな。来週も頑張っていこう!」

「「「はいっ!」」」


P(しかし、例のごとくまた少し時間が余ったな)

P(誰かと少し話でもしておこうか? それとも……)


1 話す
2 今日は解散!

>>492
※1を選んだ場合、誰と話すか指定してください

1真美


P(真美と、話をしておくか)

P(そういえば真美には、さっきのこと、ちゃんと謝ってなかったしな……)


P「真美、このあと少し残ってくれるか? 話したいことがあるんだけど」

真美「え、真美? なになに、なんの話?」

P「いや、それは……」

響・千早「……」ジトッ

P「……」

P(なぜかふたりの視線を感じる)

小鳥(な、なんの話をするのかしら……。ハッ! も、もしかしてプロデューサーさん、
   プロデューサーという立場を利用して真美ちゃんにあんなことやこんなことを要求したりあわわわ……)

P(そしてなぜか、面妖な気配も感じる……)

P(この場でさっきのことを言うのもアレだしな。
 ここは一応、とりあえず嘘でもいいからこう言っておこうか……)


1 お説教だよ
2 皆には聞かれたくない、二人だけの秘密の話だよ
3 その他

>>494

2


P「皆には聞かれたくない、二人だけの秘密の話だよ」

千早・響「!?」

小鳥「やっぱり!!」

真美「え……」

P「さあ行くぞ、真美」ガシッ

真美「え、ええ!? ここで話すんじゃないの〜!?」

P「ここにいると、野次馬がいっぱいいるからね。
 今から俺と、二人きりになれる場所へ行こう」タタッ

真美「うあうあー! ちょ、ちょっと待ってよ兄ちゃ〜ん!」

響「ちょっ……プロデューサー!?」

P「それじゃあみんな、お疲れ様でーす!!」


タッタッタ……


千早「真美っ、プロデュ……もうっ」

響「う〜……何の話、するんだろ……」

千早「……我那覇さん、あなたやっぱり」

響「うぇぇ!? ち、ちち、ちがうしっ!」

小鳥「……今度、しっかり聞いておかなくっちゃ♪ ふふふ……」


【公園】

P「……ふぅ。こんなところでいいかな」

真美「……ねぇ兄ちゃ〜ん。あんなこと言っちゃっていいの〜?」

P「あんなことって?」

真美「二人だけのヒミツって! ひびきんと千早お姉ちゃん、
   『なんなのなの!』って感じで、メッチャ気になってたっぽいよ〜」

P「え、そうかな……」

真美「……」

P「そ、そう睨むなって。俺だって本当はちゃんとわかってるよ。
 でもまぁ、響達に聞かれたくない話っていうのも、本当だったしな」

真美「え……」

P(あんな大勢の前で、真美の身体をさわったなんてことを言ったら、
 それこそ社会的に抹殺されてしまう……)


真美「……そ、そんで、なんのお話すんの?」

P「……真美に、改めてちゃんと謝りたいと思ったんだ。さっきのこと」

真美「へ? 謝るって……」

真美「も、もしかして、兄ちゃんのお弁当食べちゃったことバレてた!?
   うあうあー! ごめんなさ〜い!」

P「アレはお前だったのか!! まったく……
 あのせいで、もしかして俺、イジめられてるんじゃないかって心配になったんだからな」

真美「えへへ、ついお腹減っちゃって……」

P「……ゴホン。まあ、それは今は置いておいて。
 そうじゃないよ。それじゃあ俺じゃなくて、真美が謝る話になっちゃうだろ」

P「俺が謝りたかったことはな……」


1 真美の気持ちも考えずに、身体をさわってしまったこと
2 真美の了承を得ずに、身体をさわってしまったこと
3 やっぱり弁当の話だ! この罪は身体で償ってもらうぞ!
4 その他

>>499

3


P「……」

P「すまん、やっぱり弁当の話だ」

真美「ええっ!?」

P「真美、俺はな……真美は、たとえ悪いことをしちゃっても、
 ちゃんと言えばわかってくれる、素直な良い子だって思ってるよ」

真美「うん、そうだけど……えへへ、真美はハイパー良い子だかんね!」

P「ああ。だからこそ、ちゃんとケジメはつけないといけないよな」

真美「ケジメ?」

P「そうだ……」

ユラッ……

真美「……に、兄ちゃん? また、眼が、さっきみたいに……」

P「……真美」

P「この罪は、身体で償ってもらうぞ」

真美「!?」

P「へへ……へへへ……」


P(プロデューサーとして、あるべき姿とはなんだろうか)

P(アイドルを思いやること? アイドルと一緒に、成長していくこと?)

P(……確かにそれもある。でも、それだけじゃない。
 プロデューサーとして最も大切な仕事、それは……)



P「真美……」ガシッ

真美「ひゃんっ!」

P「真美、お前は、中学生にしては……とても魅力的な身体をしてるよ……」

真美「にっ、にいちゃっ……痛っ……!」

P「へ、へへ……!」ジュルリ



P(──それは)

P(アイドルを、間違った道から救ってやることだ)

P(いけないことをした真美には、ちゃんとわかってもらわなくてはならない。
 そして反省させ、二度とこんなことをしないようにさせる……)

P(ヘンタイとかでは決してない。あくまでプロデューサーとして……)


P「さぁ、覚悟は出来たか……?」

真美「に……、に……いちゃ……」

P「……?」

P(真美の身体が、震えてる……)

真美「……っ、……! ──ん、なさい……」

P「えっ……」

真美「ごめんなざい……、ごめんなざいぃぃ……!」


ポロッ ポロッ……


P「!」

真美「お、怒んないでぇぇ……! ごめん゛ね、にいぢゃ……」

真美「う、う゛……うぇぇぇえ゛ええん……!」

P「ま、真美……」

真美「ま、真美、もうあんなことしないからぁ! だ、だから、だからぁ……!」

真美「いづもの……優しい、にいぢゃんに……戻ってぇぇ……!!」


P(真美が……泣いてる)

P(いつも元気で、やかましいくらいに明るい真美が……)


P(……俺は……なんてことを……!!)


P「……ごめん!」バッ

真美「え……」

P「お、俺……! 今ちょっと、頭、どうかしてた……本当にごめん!」

真美「……ずびっ」

P「真美を怖がらせるつもりなんてなかったんだ……!
 ただ、いけないことはいけないんだって、わかってもらおうとしただけで……」

真美「……」

P「真美、すまなかった……!」

真美「兄ちゃん……」


P(……真美を、ひどく傷つけてしまった)

P(俺は……)


1 そのまま土下座を続ける
2 「責任は取る。真美、結婚しよう」と言おう
3 真美が少し油断している。この隙にもう一回襲おう
4 その他

>>513
※話が分岐する重要な安価です
※選択次第では、安価があとひとつだけになり、エンディングまで一直線になります
※でもまぁアレな結末だったらこの時点からまたコンティニューします

4 なんでもひとつ言うことを聞くから許してくれ


真美「……ぐすっ」

P「……真美。お詫びに、俺、なんでもするよ」

真美「へ?」ピクッ

P「真美の言うこと、なんでもひとつ言うことを聞くから許してくれ……」

真美「……なんでも?」

P「い、いや……許してもらおうなんて、おこがましいな。
 でも、少しでも真美に償いたいって思うから……」

P「俺が765プロを辞める前に、どうか、真美のために何かさせてくれないか……?」

真美「にっ、兄ちゃん! 765プロ、辞めちゃうの!? なんでなんでぇっ!?」

P「だって……真美のことをこんなに傷つけちゃったし、
 こんなんじゃ俺、プロデューサー失格だから……」

真美「……で、でも……」

P「……」


リーンリーン……


P(……鈴虫の声が聞こえる。もう、そんな季節になっていたんだな)

P(765プロに入社して、響や真美達と出会って……あれから、もう数ヶ月。
 真美、俺は……本当にダメダメなプロデューサーだったみたいだ……)


真美「……兄ちゃん」


P(真美は今、何を考え、感じているんだろう)

P(俺に対する怒り? 恐怖と悲しさでいっぱいになってる?
 アイドルなんてもう、辞めちゃいたくなってるかもしれないな……)

P(……そのどれもが、俺の責任だ)


真美「……じゃあ、兄ちゃん」

P「うん……」

真美「真美のお願い、聞いてくれる?」

P「ああ、なんでも言ってくれ……」

真美「……えへへ。んじゃんじゃ……」


真美「そのお願い、百個に増やして!」

P「……え?」


真美「一個だけじゃ物足んないっしょ〜! ねぇねぇお願〜い!」

P「いや、でも……」


1 わかった
2 さすがに無理だよ

>>516

1


真美「……ダメ?」

P「……いや、ダメじゃないよ」

P「わかった。真美の気が済むまで、真美の言うこと、百個でもなんでも叶えてみせる」

真美「ホント!? やったぁ〜ん!
   兄ちゃん兄ちゃん、ゼッタイ、ゼーッタイ、約束だかんね!」

P「……で、でも、真美? 百個なんて叶えてたら、どれだけ時間が──

真美「じゃあじゃあ、一個目のお願い!」

P「あ、ああ……」

真美「んっふっふ〜! これはホントのホントに、ゼッタイ聞いてね!」

P「……もちろん。俺に出来ることなら、なんでも」

真美「……だいじょーぶだよ。兄ちゃんなら、こんくらい、
   ちょちょいのちょーいって、出来ちゃうから!」

真美「そんじゃー……言うよ!」


 リーンリーン……


真美「……765プロを辞める、なんて、言わないで」


P「……!」

真美「……兄ちゃんが辞めちゃったら、きっとつまんないよ……」

真美「真美達がユニットを作ってからさ、毎日がメーッチャ楽しいんだ。
   みんなと遊んだり、お喋りしたりして……レッスンだって、みんなといっしょだから、ガンバれるんだもん」

真美「……それに、ひびきんや千早お姉ちゃんだけじゃなくて……兄ちゃんだって」

P「……」

真美「兄ちゃんのおかげで、真美達はアイドルやれてるんだよ……」

真美「だ、だから、約束……! 765プロを辞めないで、ずっと真美達といっしょにいてよぉっ!」

P「……でも、いいのか? 俺、こんなに真美のことを……」

真美「……だって、それは、兄ちゃんが悪いんじゃないもん。
   兄ちゃんは悪くない、悪いのは真美だよ……」

真美「真美が、兄ちゃんのお弁当、勝手に食べちゃったから……」

P「……そんなことない。真美は、全然、悪くないよ」


P(悪いのは、俺だ)

P(真美を怖がらせたのも、真美を傷つけたのも)

P(全部……俺だ)


P「ごめん……ごめんな、真美」

真美「……うん」



  *  *  *


P(それから俺は、真美とひとつの約束を交わした)


『真美達がトップアイドルになるまで……』

『いや、トップアイドルになったあとも、ずっといっしょにいる』


P(……俺は暴走して、意味もなく真美の心を傷つけてしまった)

P(それでも真美は……こんな俺を、許してくれたみたいだ)

P(本当に、優しい子だと思う。そんな真美に対して、俺に出来ることは、ただひとつ……。
 これから先、この子の笑顔を曇らせないように、最高のアイドル生活を送らせてやる、ということ)



真美「……ねぇねぇ兄ちゃん、ふたつ目のお願い!」

P「ん、なんだ?」

真美「真美、泣いたらなんだか、お腹空いちゃった。なんか買って〜」

P「あはは……よーし、わかった! 寿司でもなんでも買ってやるぞ!」

真美「わぁーい!」クルクル



P(……真美と交わしたこの約束を、破るわけにはいかない)

P(そのためにも……俺はこれから、心を入れ替えていかないといけないな)


【活動 11週目 おわり】





P(────と、この時の俺は、そう思っていた)




真美「……んー、何にしよっかな〜。
   チョコレートケーキもいいし、ショートケーキもいいし……」

P「悩むくらいなら、両方でもいいぞ」

真美「兄ちゃん! こんな夜にケーキ二個も食べたら、太っちゃうっしょ!」

P「……それならそもそもケーキを選ばなければいいんじゃないか?」




P(けれど……真美と交わした、この約束は……)




?????「……あーっ! やっと見つけたわッ!」

P・真美「え?」

?????「アンタが真美ね? フーン……」ジロジロ

真美「な、なになに〜!?」

P「おい、いきなり真美のことジロジロ……──って、き、君は……!?」

?????「思ってたより……ま、なんでもいいケドネ」

P「……さ、さ……」




P(……俺の気持ちも、アイドル達の気持ちも関係なく)

P(いずれ果たされなくなる、ということを……この時の俺は、まだ知る由もなかったのである)




P「サイネリア……!?」

サイネリア「ELLIEセンパイが呼んでるから、ちょっと来なさいヨ」

真美「へ? ……えりー?」

真美「……! えりーって……、もしかして……!」



真美「絵理おねーちゃんのこと!?」


【活動12週目につづく】

とりあえず今日はここまで
明日は書けないので、次は水曜日の午前中から書きます

嘘をつきました 午前中から始められなかった
今から再開します


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 12週目 朝


チュン……

     チュチュン……


P「……」


 天使も妬いた 空を駆けるメロディ ──……♪


P「……ふわ〜ぁ……」


『……お送りしたのは、今週水曜日発売の「スプラッシュ」の新曲、
「キミはメロディ」でした。アイドルソングらしくとっても爽やかでいいですね』

『この番組では、リスナーの皆さんからのリクエストを募集しています。
あて先は……』


P「……ん、ああ……もうこんな時間か」カチッ


P(そろそろみんなが来るしな、目覚まさないと)

P(あーあ……また結局、徹夜してしまった)


P「……」

P「コーヒー、入れてくるか……」



コポ、コポポ……


P「……」


『絵理おねーちゃんのこと!?』


P「……真美、どうなったのかな、結局」


  *  *  *


P(前回のあらすじ……)

P(先週のことは……正直、あまり思い出したくは無い。
 思い出すよりも、反省しなくては)

P(俺の担当アイドルを、真美を……泣かせてしまったからだ)


P「はぁ……俺はなんで、あんなことを。真美は違法だっていうのに……」


P(新CDの発売日を前に控え、全国の注目を集めるためにオーディションに挑戦した
 響、真美、千早で構成される765プロの新ユニット『フェアリーズステップ』)

P(オーディションには合格し、無事にテレビ出演も済んだところまでは良かったものの、
 そのあと真美とふたりになったときに──)


『ごめんなざい……、ごめんなざいぃぃ……!』

『いづもの……優しい、にいぢゃんに……戻ってぇぇ……!!』


P(……)

P(可愛い真美を見てるとついつい……)

P(い、いやいや、ダメだな。ついついで許される話じゃない。
 真美は年頃の女の子なんだから、もっと優しくしてやらないと……)


P(……そして、その後のことだが)

P(なんと俺と真美の前に、あのサイネリアが現れたのだ)

P(サイネリアは、突然現れるやいなや、真美に対して──)


──────
────
──



【回想……】


サイネリア「……ELLIEセンパイが呼んでるから、ちょっと来なさいヨ」

真美「へ? ……えりー?」

真美「……! えりーって……、もしかして……!」


真美「絵理おねーちゃんのこと!?」ガシッ

サイネリア「んきゃっ!?」


真美「ねぇねぇ! おねーちゃんのこと知ってんの!?」グラグラ

サイネリア「し、知って……あばばばばば」

真美「おねーちゃんが呼んでるってどーいうこと!? 真美、おねーちゃんと……!」

P「お、おい、真美、落ち着け。なんかこの子から変な汁飛んでるから」

サイネリア「」ダラー

真美「うあうあー! 寝ちゃだめっしょ、起きてよー!」ペチペチ



……──♪


 君のハートを 揺らしたくって ウラハラ言葉クロスさせる……♪


真美「! おねーちゃんの曲……」

サイネリア「うぅん……ん、センパイから電話?」

ピッ

サイネリア「もっしもーし♪ ELLIEセンパイ? どしたんデスカ〜?」

サイネリア「へ? ハイ……あー、それなら」チラッ

真美「?」

サイネリア「目の前にいますケド──」

『……!! ……!!!』

サイネリア「ひぃっ!? せ、センパイ、そんな大声出せたんですね……」

真美「……」

サイネリア「ハイ、はい……えー。ヤで──う、ウソウソ! わかりマシタよ……」

サイネリア「……ほい。センパイが、アンタと話したいって言ってるわ」スッ

真美「え? 電話、していいの?」

サイネリア「はよ」

真美「う、うん……」


真美「……お、おねーちゃん! あの……」

真美「うん、うん……メッチャ久しぶりだね」

真美「……んっふっふ〜、トーゼンっしょ! そんでさ、おねーちゃんは……」

真美「へっ? あ、ちょ──」


プープープー……


真美「……切れちゃった」スッ

サイネリア「ん」

P「……なんて言ってたんだ?」

真美「『真美ちゃんのこと、テレビで見た。カッコよかったよ』って……そんだけ」

P「……」

サイネリア「……じゃ、アタシはこれで」

P「は!? 君、結局なんのために来たんだ?」

サイネリア「カンチガイだったみたいだから、帰るのヨ」

P「勘違い?」

サイネリア「センパイは会いたかったわけじゃなくて、話せればそれでジューブンだったみたい。
       あーあ、とんだムダ足だったわ」

サイネリア「んじゃ!」


タッタッタ……


P・真美「……」

P「……俺たちも、帰ろうか」

真美「うん……」


──────
────
──


──────
────
──

P(……結局あの日は、真美にはそれ以上何も聞けず、
 真美も俺には何も話そうとはしなかった)


P「……」ズズッ


P(そのあと俺は、なんだか気になってしまったので、少し調べてみた)

P(真美がおねーちゃんと呼び、サイネリアがセンパイと呼ぶ、
 そのアイドルの名前は──)


P「水谷絵理……」

P「あのときサイネリアの携帯から流れた歌は、
 たぶん……これだな。『クロスワード』……」カチッ


……──♪


P(……水谷さんは、今からおよそ一年前に876プロダクションからデビューしたアイドル。
 しかしアイドルランクCまで上り詰めたものの、その後突然活動を停止してしまったらしい)

P(原因は不明。当時の彼女のブログを読んでも、ごめんなさい、としか……)

P(……ランクCといえば、人気もかなりあるメジャーアイドルだ。
 現在のスプラッシュがそれに相当する)

P(地盤も固まり、ファンからの信頼も厚くなりつつあったはず。なのになぜ……)


P(……しかし、そんなことよりも──)


P「……偶然というか、こんなに都合のいいことも、あるもんだな」


P(水谷さんのブログを読んで、ひとつわかったことがある。
 それは……水谷さんのプロデューサーが、あの尾崎玲子さん、だったということ)

P(尾崎玲子──先月レッスンスタジオで出会った、サイネリアと行動を共にしていたあの女性だ)

P(過去のブログには、彼女の名前が幾度も登場している。
 それを見る限り、ふたりは随分と仲が良かったように思えるけど……)


『……仲が良さそうで、羨ましいわ』


P(……尾崎さんはあの日、俺と真美のことを見て、こんなことを言っていた。
 一体、彼女達の間に、何が起こってしまったんだろうか)



ガチャッ

「おはようございまーす!」

P「! あ、ああ! おはようみんな!」



P(……気にはなるけど、他の事務所のことばかりを考えていてもしかたないな)

P(さぁ、もうこれくらいにして……今日も元気に、アイドル活動の時間だ!)


真美「兄ちゃん、何見てたの〜?」

P「……最近の流行情報のチェックだよ。
 こういうのを基準にして、お前達の活動方針や衣装、曲を決めたりするんだ」

真美「ふーん。兄ちゃんも、ちゃんとお仕事するんだね! 真美見直しちゃったよ〜」

P「あはは……普段俺のことをどんな目で見てるんだ?」


P(俺がこんなことを調べてるって真美に知られたら、
 きっと真美はそっちのほうが気になってしまうだろうな)

P(今はまだ、この件について触れておくのはやめておこう……)


  *  *  *


P「……さて、と」

P(アイドル達との挨拶も済ませたし、そろそろ今週の活動を決める時間だ)

P(先週発売されたニューシングル、『空』は、初週で67位を記録した。
 前回の98位に比べたら、大躍進だ!)

P(売り上げはこれからも増えていくだろうし、きっとこれからは、
 これまでよりワンランク上の仕事が出来るようになるぞ)

P(よし、それじゃあ……今週は、何をしようかな?)


1 PVのお仕事
2 ファンイベントのお仕事
3 ラジオのお仕事

>>535

3


東京


  ──────────────────────
           営業:ラジオのお仕事
  ──────────────────────


                            ラジオカントー
                      ──────────
                          活動 12週目 昼


P(フェアリーズステップがついに、自分達のラジオ番組を持つことが出来た!)

P(インターネットで放送されるその番組では、リスナーからのお便りを読んで
 三人があーだこーだと言ったり、リクエストにこたえて歌を歌ったり……)

P(まぁ、よくある配信型のネットラジオだな。今日はその初回収録なんだけど……)

P(さて、それじゃあ……今日はどのアイドルのプロデュースに、特に力を入れようかな?)


1 響
2 真美
3 千早

>>538

1


【ラジオのお仕事(響編)】

P(さて、リハーサルも終わったみたいだし……本番の収録まで、少し休憩だな)

ガチャッ

響「……ぷ、プロデューサー!」

P「ん? どうした響。何かあったのか?」

響「ハイ、ターッチ!」スッ

P「えっ」

響「ターッチ!」

P「なにそれ、やよいのマネ?」

響「いいから〜!」

P「あ、うん……えーっと」


  タッチしてください


1 手のひら
2 右のおっぱい
3 左のおっぱい
4 頭
5 その他

>>540

1


P「ターッチ!」

パチンッ!

P・響「イェーイ!」


P(説明しよう!)

P(この『ハイターッチ→イェイ!』は、大天使やよいが作り出し我々に与えてくれた、
 一種の儀式のようなものなのである!)

P(これをすると、不思議なことに、どんなときでも元気が溢れてくるのだ!)

P(元気が有り余ってるときにやっても効果的だぞ! 絆を深めてくれる!)


響「よ、よしっ! これでなんくるないよねっ!」

P「……急にこれをやったってことは、響、お前もしかして……」


1 元気が有り余ってるのか?
2 少し緊張してるのか?
3 その他

>>542


P「もしかして、少し緊張してるのか?」

響「う……。そ、そんなことないしっ!」

P「強がらなくてもいいって、顔を見ればわかるよ」

響「……自分、昨日まではめちゃくちゃ楽しみだったんだ。
 初めての自分達だけのラジオ番組だし、どんなこと話そうかなってずっと考えてた」

響「でも、さっきリハーサルやったら……」

P「頭が真っ白になっちゃったのか?」

響「……うん。だ、だから自分、あびゅんくとぅ忘れちゃってから、
 失敗しちゃっのみぐさぁ〜らでーじなってるさー! うぎゃーー!」

P「うんうん、なるほどな……」


P(響が言ってることはよくわからなかったけど、まぁたぶん、失敗したらどうしようってことだろうな)

P(……まぁ、無理もない。こういう番組で、初回からいきなりいつも通りの自分を発揮できるのは、
 何も考えて……じゃなくて、尋常じゃないくらい度胸がある亜美や真美くらいだろう)

P(冠番組では、少なからず『慣れ』というものが必要なんだ。最初は失敗したって構わない。
 だけど響は、リーダーとして頑張ろうって気持ちが強いのか、少し力が入りすぎてるみたいだ)


響「う〜……なんくるない、なんくるないさー……」

P「……とりあえず、落ち着いてくれ。そのためにハイターッチ、したんだろ?
 はい、深呼吸、深呼吸」

響「……すー……はー……」


P(だけど響だって、これまでファン達の前で何度も歌を歌ってきたし、
 初めの一歩さえ踏み出せれば、そのあとはきっとなんとかなるはずだ)

P(よし、それじゃあ……!)


P「いいか、響。番組で話す事は、とりあえず今は忘れてくれてかまわない」

響「え!? わ、忘れちゃっていいの!?」

P「ああ。お前達の手元に進行表は置いてあるんだし、
 何かあったらスタジオ外から俺がヘルプするからさ。心配するな!」

響「プロデューサー……」

P「ただし……たったひとつ、このことだけを意識してくれ」

響「ひとつ?」

P「それはな……」


1 元気に挨拶をすること
2 千早の胸のサイズを大声で言うこと
3 その他

>>545


P「それは、元気に挨拶をすることだ」

響「あいさつ? そんなんでいいの?」

P「ああ、むしろそれで十分だよ。いつも俺たちにも言ってくれてるだろ、はいさーい! って。
 あの元気いっぱいの挨拶は、響らしさがよく出てると思うよ」

P「これから先、ラジオが放送されることになるわけだけど、
 リスナーの皆はさ、そういう、お前達らしさが一番知りたいんだ」

響「自分達らしさ……」

P「そう。飾らない、自然体の響達……
 ああ、そういえばこういう話は、以前ラジオのゲストで呼ばれたときもしたっけな。覚えてるか?」

響「覚えてるぞ! えへへ、MCの人と友達になっちゃったときだよね!」

P「……あのときに比べて、響達の人気も随分と上がった。
 だからさ、ちょっとくらい失敗したって構わないよ。
 響のことを完璧だなんて思ってる人、ファンの間ではきっと誰もいないから」

響「うぇぇ!? じ、自分、完璧だぞ!」

P「あはは! またまた〜」

響「むー……」


P(こうして話している間にも、響の顔から緊張の色が薄れていくのがわかる。
 この分なら、きっともう大丈夫だろう)


響「……でも、そっか。いつも通り、自分達らしく……」

P「いけるな?」

響「うん! よーし、プロデューサー! 自分、行って来る!」



  *  *  *


響『リスナーのみんな、はいさーい! フェアリーズステップの我那覇響ですっ!』

真美『同じくフェアリーズステップの、双海真美だよ〜! みんな、今日からよろよろー!』

千早『如月千早です。よろしくお願いします』

響『千早ー、なんか固いぞ』

真美『そーだよ千早お姉ちゃ〜ん。もっとこうさ、メラメラーって感じで、うわーいって感じにやろうよ〜』

千早『え、えぇっ? そんなこと言われても……』



P(その後行われた収録では、こんな感じで、いつも通りの彼女達が出せたようだ。
 やっぱり、いつも通りの自然体の姿が、彼女達の最も魅力的な部分だな)

P(スタッフの方達もそんな三人の様子を見て、終始笑顔だった。
 まだまだ始まったばかりだけど、これはきっと良い番組になるだろう……)

P(放送と反響が楽しみだな!)


パーフェクトコミュニケーション!


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 12週目 夜



P(さて、事務所に帰ってきたわけだけど……)

P(今週は、なかなか良い活動が出来たな! この調子で頑張っていこう!)


  *  *  *


千早「じゃん、けん……!」ムッ

P(千早が険しい表情になった。これは……)

千早「グー!」

P「チョキ!」

千早「あ……」

P「おっと、負けちゃったか。はは、やっぱり調子良いみたいだな!
 今のお前達なら向かうところ敵無しだ!」

千早「そんな……ふふっ、褒めすぎです、プロデューサー」

P「運も実力のうちって言うだろ。もっとドーンと構えてくれてもいいんだぞ」

真美「兄ちゃ〜ん。たまには真美もじゃんけんの相手に選んでよ〜」

P「お前はダメだよ、難しいから」

真美「ムズカしいって、なんの話?」

P「こっちの話。えっと、それじゃあみんな……」


  *  *  *


P「──って感じだな。今週もお疲れ様」

「「「はいっ!」」」

P(さて、と……またまた例のごとく、時間が少し余ってしまった。
 誰かと少し話でもしておこうか?)


1 話す
2 今日は解散!

>>550
※1の場合、誰と話すかを指定してください。ピヨちゃんも一応この場にいます

1千早


P「千早、最近調子はどうだ?」

千早「そうですね……、レッスンも仕事も充実していますし、今のところは特に問題ありません。
   この調子を、維持できればと」

P「お、おお、そうか」

P(ときどきこの子は、本当に十六歳の女子高生なのかと疑ってしまうことがあるな。
 受け答えが丁寧だし、自分の意見をハッキリと口にできるから……)

P(そんな千早に比べ……)チラッ

小鳥「? な、なんですか?」ピコピコ

P「いえ……」

小鳥「私だって、仕事はちゃんとやっていますよっ!」

P「な、なにも言ってないじゃないですか」

小鳥「今はただ、真美ちゃんと一緒に、
   『狩り』という共通の目的を持ってコミュニケーションを……」

真美「うあうあーっ! ピヨちゃん、粉塵お願〜い!」

小鳥「ちょ、ちょっと待ってててね、えーっと……」

P(音無さんは、違う意味で年齢不相応というか……
 まぁ、こんな感じでアイドルと同じ目線で付き合っていられるのも、音無さんの良いところなんだけどな)


P「ま、それを聞けて安心したよ」

千早「え? ……あの、それだけ、ですか?」

P「うん、そうだけど……千早とは最近、一対一で話す機会もなかなか取れなかったからさ。
 最近の調子はどんなもんかなーって思って」

千早「……」モジモジ

P「……千早?」

千早「あの、プロデューサー……何か、お忘れではありませんか?」

P「忘れる……?」

千早「……以前、お話したことです」ヒソヒソ

P「えーっと……」

P(──あ! そ、そういえば俺、前に千早とこんな約束を……)


1 デートのことか?
2 結婚のことか?
3 ふたりきりの夜のヒミツレッスンのことか?
4 その他

>>553

1


P「……千早、ちょっと耳貸してくれ」

千早「……はい」


響「真美とピヨコ、楽しそーだなー」

真美「うん! ひびきんもやろーよ〜」

響「えぇ!? じ、自分はそーいうの、たぶんあんまりトクイじゃないし……」


P「……デートのことか?」ヒソヒソ

千早「で、ですからっ! デートでは……!」

響「」ピクッ

P「声が大きいって……」


P(……でも、そうだな。俺から言い出したことだし。
 来週は……うん、一日くらいなら都合が付きそうだ)


1 来週、千早とデートをする
2 しない

>>555
※1を選んだ場合、次週の内容が千早とデート編になります
※どちらを選んでも、この時点では誰か特定のアイドルの親愛度が下がるということにはなりません


P「……よし、じゃあ千早」

千早「は、はい」

P「来週の木曜日、オフだったな。空けといてくれるか?」

千早「……わかりました」

P「詳しいことはまたあとでメール──ん?」チラッ

響「ぎくっ」

P「……響、聞き耳を立てるなんて感心しないな」

響「そ、そんじゃ、バイバーイっ!」タタッ

P「あっ、おい! 響が考えてるようなことじゃないぞ!」

千早「……何を着て……でも……」ブツブツ

真美「? 千早おねーちゃん、何ブツブツ言ってんの〜?」

P「……」


P(……お、俺、間違ったこと……してないよな?)

P(うん……たぶん……)


【活動 12週目 おわり】

少し休憩 18時半ごろ再開します




【デート? の前日:千早の家にて】



千早「……」

千早「……」ソワソワ

千早「こんな……感じ?」

クルッ

千早「……これじゃあ、少し地味かしら」

千早「それなら……確か、春香と以前……」ガサゴソ

千早「ああ、あったあった。これならきっと──」


千早「……」ピタッ


千早「……というか、わ、私……!」

千早「何をこんな……まるで、とても楽しみにしているみたいじゃない……!」カァァ

千早「……────〜〜〜ッ!」ジタバタ


千早「……」

千早「も、もう寝ちゃいましょうっ。服なんて、着れればなんでもいいわよ……」


ポフン……


千早「……はぁ……」


千早(……別に、プロデューサーに好意を抱いているつもりなんて、ない)

千早(私達はあくまで、アイドルとプロデューサーであって……、
   仕事上の関係でしかないんだから……)

千早(だから、これは──)



『プロデュースする以上、アイドルが秘めてる表情を引き出して知っておくことも、必要だろ?
そうすればもっと、幅広く、様々な種類の仕事をさせてやることもできるかもしれない』

『つまり……、仕事をする上で必要なこと……と?』



千早(……そう。ただの、仕事の一環よ)


千早(……そもそも、私は別に、あの人と一緒にいたところで、
   急に胸が締め付けられたり、焦がれるような感情を抱いたことなんてない)

千早(恋とは、そういうもの……)

千早(……まぁ、私自身、よくは知らないけれど、
   歌の歌詞ではよくそう言っているから……、きっとそうなんでしょう)


千早「だから、これは──……」


ピピピ……


千早「……? プロデューサー?」


ピッ……


千早「……」

千早「……ふふっ。了解しました、っと」


パタン……


千早「……」

千早「おやすみなさい……」


東京


  ──────────────────────
             ある日の風景
  ──────────────────────


                               都内某所
                      ──────────
                          活動 13週目 昼


P(今週のスケジュールもあらかた済み、ついに木曜日がやってきた。
 千早とデート……じゃないが、とにかくふたりで出かける日だ)


ガヤガヤ……


P(……駅前で待ち合わせ、ということだったんだけど、
 千早は、まだ来てないのかな?)


タッタッタ……


千早「……プロデューサー!」

P「ん、おお! 千早!」

千早「お、遅れてすみません!
   その……少し、準備に時間がかかってしまって」

P「いや、いいよ。俺も今来たところだし」

千早「……。……えぇっと……」

P「? どうした?」


P(千早が両手の人差し指を合わせてモジモジしている。
 俺はこの千早の仕草が大のお気に入りなのである)

P(……まぁ、それはともかくとして。
 まずは千早に、こう言っておくべきだろうな)


1 どこに行きたいか聞こう
2 千早の服装について感想を言おう
3 その他

>>564


P(今日のちはや)

P(今日の服装は、よく目にするボーダーシャツにジャケットという服装ではなく、
 なんというか……とても女の子らしかった)



千早「あの、プロデューサー……?」

P「……」



P(深い紺色のタートルネックシャツの上から、
 青を基調にしたタータン・チェックのジャンパースカートを穿いている。
 パンツスタイルではないので、足元にはブーツも……)

P(千早の青味がかった長い黒髪は、今日は片方だけまとめているようだ。
 こういうのも新鮮でいいな……)



千早「な、なぜ黙っているんですか?」

P「ちょっと静かに」

千早「はぁ……」



P(胸元には、なんと白のペンダントもあった。
 二重構造の細いヒモ、ペンダントトップには小さな花びらをモチーフにした石)

P(そのペンダントは、全体を青で統一させた千早の格好の中で一際目立っているが、
 決してジャマにはなっていない。むしろ、清楚で清潔なイメージを、見る人に与えている)

P(……千早がステージ衣装以外でアクセサリーを身につけているのを、俺は初めて見た)



千早「あの……正直に言ってください。
   そんなに、私の格好、変でしょうか……」

P「……いや、そんなことないよ。やれば出来るじゃないか! 千早!」

千早「えっ……」

P「黙っててごめん、つい見蕩れちゃってさ。よく似合ってるよ」

千早「…………」

P「……千早?」

千早「……ぁ、り──……います」

P「あの……」

千早「も、もうっ、行きましょうっ! 私の格好なんて、どうでもいいですからっ!」


P「でも……ほら、これ」スッ

千早「え? これは……帽子?」

P「こんなこともあろうかと、持ってきておいた。
 その髪が隠れるのはもったいないけど、かぶっておいてくれないか?」

千早「それは構いませんけど……どうしてですか?」

P「どうしてって、そりゃあ……」


1 千早はもう、無名じゃないからだよ
2 あんまり可愛いから、目立って他の男に見られたくないからだよ
3 その他

>>567


P(千早はもう、無名じゃないからだよ。千早は今や、ラジオ番組だって持ってるアイドルだ。
 普通に歩いてたら気づかれてしまうかもしれないだろ?)

P「あんまり可愛いから、目立って他の男に見られたくないからだよ」

千早「!?」

P「あっ、やべ」

千早「かっ、か、か──……!? もう、お世辞は結構ですっ!」

P「お世辞じゃないんだけどな……まぁ、本当に言おうとしていたこととは確かに違うけどさ」

千早「……プロデューサーは、誰に対してもそんなことを言っているんですか?」

P「いや、そんなわけ……」ポリポリ

P(……なんか、今になって恥ずかしくなってきたな。
 恋人きどりか、俺……)


P「ま、まぁ、とにかくかぶっておいてくれよ」

千早「……わ、わかりました……」

ポフッ

千早「……」プイッ

P(千早がそっぽを向いてしまった。それに、
 深く帽子をかぶったせいで、ここからじゃ千早の表情がまったく見えない)

P(調子に乗った俺に対して、怒ってたりするのだろうか……)


千早「……行きましょう、プロデューサー」

P「あ、ああ」


P(……さすがに、それはないか。本当に怒ってたら、帰っちゃいそうだしな)



ガヤガヤ……


千早「……それで、プロデューサー」

P「ん?」

千早「私達はこれから、どこへ行くんですか?」

P「……千早は、どこか行きたいところある?」

千早「そうですね、それなら──……」

P「……」

千早「……」

P「……どうしたんだい?」

千早「……あの、一応お聞きしておきますけど、自分からこの件について提案しておきながら、
   何も考えていないというわけではありませんよね?」

P「そそ、そんなわけないだろ」

千早「あ……ふふっ、やっぱりそうですよね。それを聞いて安心しました。
   でしたら私は、すべて、プロデューサーにお任せします」

P「えっ!?」

千早「だって私には、異性と遊びに行くといった経験が、ほとんどありませんから。
   そんな私が何かと口を出すよりは、プロデューサーの指示に従った方が、より良い結果になるかと」

P「あはは……真面目だなぁ」

千早「では、プロデューサー。私を、どこに連れていってくれるんですか?」


P(う……千早が期待に満ちた眼差しでこちらを見ている。
 これは下手な選択は出来ないぞ……)

P(それじゃあまずは……!)


1 CDショップだ!
2 ゲームセンターだ!
3 映画館だ!
4 その他

>>570

3


──────
────
──


【映画館】


ざわざわ……


P(そうして俺たちは、映画館へとやってきたのである)

P(まぁ、デートの定番らしいから……)


P「……千早、人が多いけど、堂々としておいてくれよ」

千早「誰かに見られていないかと心配になって挙動不審にしていると、
   かえって怪しまれる……ですよね? わかっています」

P「ああ。まだ誰もが知っているようなメジャーアイドルではないとはいえ、
 どこに目があるかわからないからな」

千早「ふふっ、大丈夫ですよ。今まで気付かれたこと、一度もありませんから」


P(……それはそれで、俺としてはちょっと複雑だったりもするんだけどな。
 いつかはこの子を、道を歩けばキャーキャー言われるアイドルにさせてやりたいものだ)

夕飯を食べるので、21時すぎにまた再開します


P「ところで、千早って、映画とかよく観る?」

千早「いえ、あまり……」

P「……もしかして、映画は好きじゃなかったか?」

千早「そういうわけではないんですけれど……好きとか嫌いとかの問題ではなく、
   もしつまらない映画だったら、時間がもったいないじゃないですか」

P「あはは、それだったら歌の練習、って感じなのかな」

千早「その通りです。時間をムダに過ごすくらいなら、
   少しでも歌のことを考えているほうが、よっぽど有意義かと」

P「は、はは……」

P(冗談のつもりだったんだけど、本当にそうだったみたいだな)

P(……ん? でもそれだったらなんで──)

千早「プロデューサー」

P「な、なんだ?」

千早「それで、どのような映画を観るんですか?
   早く決めて売り場に並ばないと、売り切れてしまうかもしれませんよ」

P「さすがにそんなに早くは売り切れないよ。
 でも、そうだなぁ。それじゃあ……」


1 ホラー映画だ!
2 恋愛映画だ!
3 ドキュメント映画だ!
4 その他

>>574


P「……」ニヤリ

千早「……?」

P「まぁ、俺にまかせといてくれ、チケット買ってくる。
 千早はここで待ってていいからさ」

千早「ええっ!? でも……」

P「売り場も今なら空いてるし、すぐ戻ってくるよ。それじゃ!」タッ

千早「ま、待ってください、プロデュ……もう」


──────
────
──


P「お待たせ、千早。さ、行こう。もう間もなく始まるみたいだから」

千早「ええ……でも、結局、なんの映画なんですか?」

P「すぐわかるよ。ほら、行くぞ!」

千早「……なんだか、あまり良い予感がしないんですけど」



  *  *  *


千早「……」

P「……」


フッ……


千早「!」ビクッ

P「お、暗くなった……もう始まるんだな」

千早「……──プロ、デューサー……?」

P「どうした?」

千早「あの……い、入り口に、看板、ありましたよね」

P「そうだね」

千早「……あれって、この映画の……では、ないですよね?」

P「たぶん、この映画のじゃないかな……」

千早「…………」

P(いいぞ。効いてる効いてる)


P(俺が買って来たチケット。それは……)

『恐怖! 呪われたアイドルと幽霊屋敷』

P(という、なんともB級臭いタイトルの映画だった)


P「あ、もしかして千早って、こういうの苦手だったか?」

千早「そ、そういうわけでは……。
   も、もちろん、決して、得意というわけでも、ありませんけど……」

P「そっか……ふふ、楽しみだな」

千早「……………………」


P(まぁ、女の子でこんなのが得意な子なんて、そうそういないよな。
 でも勘違いしないでほしい。俺は決して、千早に嫌がらせをしたくて、これを選んだわけじゃないんだ)

P(俺が千早をデートに誘った建前──じゃなくて、本来の目的を思い出して欲しい)


『プロデュースする以上、アイドルが秘めてる表情を引き出して知っておくことも、必要だろ?
そうすればもっと、幅広く、様々な種類の仕事をさせてやることもできるかもしれない』


P(俺は以前、千早にこう言った。だからこそだ)

P(いつもはクールで、あまり感情を露にしない千早。
 だからこそ、こうすることで、普段見せない表情が見れるかなと思ったのである)

P(千早の怖がる顔に興味があるとか、ビクビクさせたいとか、そういうことでは決してない。
 あくまで、プロデューサーとしてだ……!)




ヒタ、ヒタ……



……楽しそうね


「……!?」


わたしも……仲間に、入れて……?


「ね、ねぇ……今あなた、何か言った?」

「いってない……」

「……じゃ、じゃあ……今の──」


──ピシャァァァッ!!!!!!


「「いやぁあっ!!!」」


ゴロゴロゴロ……!



ザァァァ……


「イヤァァ!! も、もうっ、もう帰るぅっ!!」

「だ、大丈夫よっ! ほら、今のは、ただの雷だからっ!」

「イヤダイヤダいやだいやだ!!! もう帰る!!!」

「そんなこと言ったって、この雨じゃ──……」

「だ、大体、アンタのせいよぉぉっ!! アンタが、幽霊屋敷を見に行こう、なんて言うカらっ!!」

「なっ……!? あ、あなただって、最初は乗り気だったじゃない!」

「うるさいっ!!! うるさいウるさいうるサイっ!!
思えばソウよ、アンたとユニットを組んで以来、ずっとこんなことばっかりでッ!!」

「わ、私だって……!」


……ケンカ……?


「……!」

「ま、また……もう、いヤぁ……!」


──ピカッ!


「「ッ!!」」


ゴロゴロゴロ……


「「「……」」」


 ドクン……

       ドクン……



「……、……ねえ」

「……」

「ねえったら……」

「……ナニ?」

「こんなこと、言い合ってる場合じゃないよ……ふたりで、ちゃんと帰ろう?」

「……そう「ダね」」

「え?」

「どうしたノ?」

「……。……ううん、なんでも……」



 ドクン……

       ドクン……




……──ピシャァァァァン!!




「……っ! ほ、ほら、雷がくるってわかってれば、全然怖く……」

「……」

「……ね、ねえ、どうしたのよ? さっきから黙っちゃって……」

「……アンタは、イイわよね」

「え?」

「知ってる。あんタが、プロデューサーどデキてるって」

「な、なんのこと!? 私、そんなこと……っ!」

「知ってる。見たもん」

「見たってなによ!? 本当に、そんなの、心当たりないからっ!!」

「嘘」

「嘘じゃない! ていうか、今はそんなことはなしてる場合じゃ……!」

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だだからアんたばっかりあんタばっかりだってアタシ見たもん」

「ね、ねえ!! 本当に、どうし──────!!」



ゴロゴロゴロ……


「……っ、……!」

「……──さー……」

「え……?」

「……プロデューサープロデューサーさんプロデューサーさんプロデューサ
ーさん「プロデューサーサンプロデューさんプロデューサープロデゅーサー死
プロデューサー死死アンタがアタシノプロデューサーを奪プろデューさー」」

「な──」

「……」


ピシャァァァァンッッ!!!!


「……!!!」



P「……っ!」

P(……主人公はついに、気づく。傍らにいる彼女がおかしくなってしまったと)

P(そして、彼女の瞳が、ゆっくりとクローズアップされていく)

P(雷を反射して光る、その瞳の中にうつった、主人公の背後の窓ガラスには────)






ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ
ヒタヒタヒタヒタヒタヒ死タヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ
ヒタヒタヒタヒタヒ死タヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ死ヒタヒタヒタヒ
.ヒタ死ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ




『イヤァァァァァァァァァ!!!!!!』



──────
────
──


P(……次第にホールが明るくなっていく。
 映画が、終わったんだな……)



P「……」

千早「……」

P「……い、行こうか、千早」

千早「……」フルフル

P「……」

千早「す、すみません……わ、たし……」

P「……いや、いいよ」



P(千早の目、少し赤くなって……)

P(……完全に選択を間違ってしまったような気がする)


P(俺もそれほど余裕があったわけではないけど、
 映画を観ているときの千早は、真剣そのものだったように思える)

P(時折体をピクリと震わせつつも、千早は、最初から最後までスクリーンに眼を向けていた)

P(だから、抱きついてくるとか、そういうお決まりの一幕なんてあるはずもなく……)

P(……い、いや、別に、期待なんてしていないけどな)


千早「……プロデューサーは」

P「え?」

千早「どうして、この映画を、選んだんですか……?」

P「あ、いやー、その……」

千早「……」ジトッ

P(う……涙目だということもあるけど、すごい迫力だ。
 正直に言ったら間違いなく怒られる……でも……)


1 誤魔化そう
2 正直に言おう
3 その他

>>590


P「……千早の、怖がる顔が見たかったんだよ」

千早「こ、怖がる顔?」

P「ああ。普段はそういう表情、見ることが出来ないからさ。
 だから……ごめん」

千早「……。どうして、謝るんですか?」

P「千早に、嫌な思いをさせてしまったから」

千早「……」ゴシゴシ

千早「……私は別に、嫌な思いなんて、していませんよ」

P「え? で、でも……」

千早「映画のジャンルはともかく、内容はスリリングでしたし、
   ストーリーも深みがあって……決してつまらなくはなかったです」

千早「だから……それに関してプロデューサーが謝ることは、ありません」

P「千早……」

千早「……だけど。ホールに入る直前まで何を観るか秘密にしていたことは、関心しませんね」

P「はは……ごめんなさい」

千早「大方、私に拒否されるとでも思ったのでしょうけど……そんなこと、しませんから。
   さっき言ったように、今日の私は、プロデューサーの言うことに口を出したりしません。
   だから……これから先は、全部、ちゃんと伝えてください」

P「……ああ、約束するよ」



  *  *  *


P(それから俺達は、映画館を出て近くの喫茶店に入り、
 さっきの映画の感想なんかを話し合った)

P(千早いわく、主演の二人の女優はともかく、
 肝心のお化け役の役者の演技は、あまり大したことはなかったと……)

P(強がりかどうかはわからないけど、少なからず俺も同じことを感じていたから、
 さっき千早が言ったように、本当に楽しんで観てくれていたのかもしれないな)


P「……まぁ、終わってから腰が抜けて立てなくなってるくらいだしな」

千早「そ、そのことは忘れてくださいっ! もう……」


  *  *  *


P(それから……)


   カァ……
            カァ……


P「……ん、もうこんな時間か」

千早「……」

P「そろそろ帰ろうか。あまり遅くまで女の子を引っ張りまわすのも悪いしな」

千早「……あの、プロデューサー」

P「どうした?」

千早「帰るのでしたら……最後に、付き合って欲しい所があるんです。
   そこに寄ったら、少し帰りが遅くなってしまうかもしれないんですけど……」

P「付き合って欲しい所?」

千早「……無理にとは言いません。あまり、楽しい場所というわけでもないですので」


1 わかった
2 ダメだ

>>593

1


P「……わかった」

千早「……ありがとうございます」

P「それで、それはどこなんだ?」

千早「……」

千早「……私の、家族が……、いるところです」



──────
────
──



 ガタンガタン……


          ガタンガタン……


千早「……」

P「……」


P(──さっきまで談笑していたのがまるで幻だったかのように、
 電車に揺られている間、千早はずっと無言のままだった)

P(千早にかける言葉も、何も見つけられない。
 下手に触れたら、壊れて消えてしまいそうな気がしたから)

P(だから、このときの俺にはただ……、美しい朱色に染まった夕焼け空と、
 その明かりを照らされる千早の横顔を、交互に眺めていることしか出来なかった)



  *  *  *



千早「……プロデューサー。ここです」

P「ここって……」

千早「……」



P(電車に揺られて、約三十分。千早が連れてきたところ……)

P(……それは────)



P「……墓地?」

千早「……はい」


千早「このお墓の下に、私の弟が……、眠っているんです」


P「……弟さんは」

千早「九年前に、事故で他界しました」

P「……」

千早「明るく、人懐っこい子で……。誰にでも好かれる……そんな、弟でした」

P「……そうか」

千早「……ふふっ。何を言ったらいいか、わからないって顔をしてますね」

P「いや、そ、そんなこと……」

千早「いいんです。何を言っても、何を言わなくても。
   私の中で、もう整理はついていますから」

P「……」

千早「……すみません、こんな場所に連れてきてしまって。
   ただ、プロデューサーには……弟のことを、知っていてもらいたかったんです」


P(……それから千早は、少しずつ、自身のことを語ってくれた)

P(千早の両親は、九年前の千早の弟の死をきっかけに、
 お互いにひどく傷つけあうようになってしまったということ……)



千早「……きっとあの人達は、そうすることでしか、自分を保てなかったんでしょう。
   私は、本当に長い間……そんな二人のことを、ずっと近くで見てきました」



P(しかし、その両親も、やがて疲れ果て……、先日、ついに離婚してしまったらしい)

P(そして千早は……家を離れ、一人で暮らすようになった)



千早「……私は、この選択が間違っているとは思えません。
   こうすることで、私は振り返るものがなくなり、前だけ見て進めるようになりました」

千早「それに、父も母も、そのどちらも……弟の面影を持つ私を、
   そばに置いておきたいとは、思えないでしょうから」



P(……しかし千早は、結局、最後まで)

P(弟さんの死が、自身にとって、どんな影響を与えたかを……俺に語ろうとは、しなかった)


P(千早にとっては、それは触れたくないことなのか。
 それとも、本当に千早の言うとおり、すでに整理がついているからなのか)

P(……千早の本心は、わからない。
 千早が俺をここに連れてきた本当の理由も……、俺にはわからない)

P(だけど────)




千早「季節の変わり目や、何かの節目ごとに、私はこうしてお墓参りに来ているんです。
   でも、他の人を連れてきたのは……プロデューサーが初めてでした」

P「……そっか」

千早「……プロデューサー」

P「なんだ?」

千早「弟に、話しかけてあげてくれませんか?
   きっと、弟も喜ぶと思いますから」

P「……俺なんかが、いいのか?」

千早「……はい。むしろ、プロデューサーだから、です」

P「……わかった」



  *  *  *



P(──だけど、これだけは確かなことだ。
 千早が、自身の内面を、少しだけ俺に見せてくれたということ)

P(それは間違いなく、俺に信頼の感情を寄せてくれているからだろう)

P(……それなら俺は、そんな千早の気持ちに報いるしかない。
 プロデューサーとして力を尽くし、千早を頂点へと連れて行ってやることで……!)



 チュピッ……

     チュチュチュ……



P(霊園を出る際、空高くを舞い飛んでいた、一羽のツバメの姿を見ながら)

P(俺はこうして、決意を新たにしたのであった)


【活動 13週目 おわり】

今日はここまで 明日また書きます
お付き合いありがとうございました

ちなみに…
手元にある画像がこれしかなかったんだけど、千早の格好はこれを参考にしました
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4059745.jpg
この格好のちーちゃん可愛いよね


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 14週目 朝


P(前回のあらすじ……)

P(先週は、以前交わしていた千早と約束を果たした。
 つまりデート──ではないらしいが、とにかくふたりで遊びにでかけたのである)

P(本来の目的通り、普段見ることの出来ない、千早の貴重な素顔が見れたと思う。
 そして千早は、今の彼女を形作っているであろう過去の出来事も、少しだけ俺に打ち明けてくれた)

P(……俺も、頑張らないといけないな)



ガチャッ

???「おはようございまーす!」

P「ああ、おはよう! えーっと……」


そこにいたのは……
>>605
※ピヨ含む765プロの女の子の誰かでお願いします

じゃあ小鳥さんで


P「おはようございます、音無さん」

小鳥「あら? プロデューサーさん、もう来てらしてたんですね」

P「ええ。……ふわ〜ぁ」

小鳥「ふふっ、なんだかお疲れみたい」


ガチャッ……


小鳥「……あ、もしかして、また事務所で徹夜したんですか?」

P「て、徹夜じゃないですよ、ちゃんと仮眠は取りましたし」

小鳥「いけませんよ、ちゃんと家に帰らないと。最近人気が出てきて忙しいからって、
   もしプロデューサーさんに倒られてしまっては、みんな困っちゃいますからね」

P「あはは……律子にも以前、似たようなことを言われました。でも俺はまだまだ……」

小鳥「そんなことを言っていられるのも、若いうちだけですよ。
   今コーヒーいれますね。みんなが来る前に、目、ぱっちり覚ましておいてください」

P「……ありがとうございます」


P(音無さんって、なんだかんだ言って、やっぱり気の利く優しい女性だな……)


……──♪

「……お送りしたのは、最近人気急上昇、
魔王エンジェルさんで『ラッキースター!』でした」

「この番組では、リスナーの皆さんからの感想、リクエストを大募集しています。
あて先は……」



小鳥「はい、どうぞ」コトリ

P「すみません、いただきます……」ズズッ

P(美味いな……)

小鳥「プロデューサーさんって、ラジオとか聞かれるんですか?
   今も事務所で流れてますけど……」

P「ええ、一人で作業してるときとかはよく──っと、ごめんなさい、うるさかったですよね」

小鳥「いえ、大丈夫ですよ。音楽番組のラジオなら、
   邪魔にはなりませんし、私も家でたまに聞いていますから……」

P「歌、好きなんですか?」

小鳥「はい。小さい頃から、ずっと。ふふっ、私は聞く専門ですけどね」


P(でも、音無さん、以前、2ndシングルの『空』を決めたときにも、
 チラッと歌を歌っていたけど……)


1 歌うのは、好きじゃないんですか?
2 どんな歌が好きなんですか?
3 その他

>>608

1


P「聞く専門って言いましたけど……歌うのは、好きじゃないんですか?」

小鳥「う、歌うほうですか……嫌いというわけではないんですけど、
   あまり積極的に人前で歌うことはありませんね」

P「へぇ……」

小鳥「……恥ずかしくて、緊張してしまうんです。
   歌っている自分を誰かに見られてると思うと、頭が真っ白になっちゃって……」

P「そうなんですか……でもなんだか、もったいないな。歌、お上手なのに」

小鳥「えぇ!? ぷ、プロデューサーさん、いつ、どこで聴いたんですかっ!?」ガタッ

P「うおっ!? い、いや、前に新曲のデモテープをかけたとき、
 音無さん歌ってたじゃないですか。あのときですよ」

小鳥「あ……そ、そういうことですか。それなら……」ホッ


P(なんだか安心した顔をしている……。
 どうしてこんなに慌てているんだろう?)


小鳥「……でも、プロデューサーさん? 私に対してお世辞を言う必要なんて、ありませんよ」

P「お世辞?」

小鳥「私はアイドルのみんなではないんですから。
   歌が上手い、なーんて褒めたって、汗以外は何も出てきません」


P(……なんだか、誰かを褒めるたびに、お世辞だろそれって言われてる気がするな。
 俺の言葉ってそんなに、信頼がないんだろうか)

P(よし、それなら……!)


1 お世辞じゃないですよ。一度じっくり、聴いてみたいです
2 でも、汗は出るんですよね? それを舐めたいって思います
3 その他

>>610

3 まだまだ現役で通用しそうですね


P「あの時は少ししか聴けませんでしたけど、音無さん、まだまだ現役で通用しそうですね」

小鳥「またそんなことを言って……ふふっ、私に『アイドルにでもなれ』って言うんですか?
   プロデューサーさん、候補生をスカウトするなら、もっと他の……」

P「……ん? アイドル、か……」

小鳥「へっ?」

P「うーん、言われてみれば……。
 音無さん、歌だけじゃなくて、まだまだ見た目も……」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん?」

P「世の中には三十一歳でアイドルになる人もいるらしいし……」

小鳥「……あの、何を言っているんですか?」

P「音無さん!」ガタッ

小鳥「は、はい!?」


1 俺だけのアイドルになりませんか!?
2 一度、ステージに立ってみませんか!?
3 その他

>>612


P「……今から言うこと、俺、本気です。聞いてくれますか?」

小鳥「は、はい……」ゴクリ

小鳥(プロデューサーさん、真剣な目をしている……)

P「音無さん……」

小鳥「……」ドキドキ

小鳥(……こ、これってもしかして、アレ? 漫画でよく見るアレ?
   え、やだ、うそ、そんなフラグ立ってたかしら?)

小鳥(──いやいやいやいや、落ち着くのよ小鳥!
   だって私、今までプロデューサーさんとの絡みと言ったら、
   仕事で必要な連絡だとか、せいぜい一緒にゲームをするとかしかなかったじゃない!)

小鳥(だ、だから、期待しちゃだめよ……。それで今まで何度涙を飲んできたことか……)


小鳥「!」ハッ


小鳥(いやいや!? べ、別に期待なんてしてないけどね!?)

小鳥(……で、でもまぁ……、私としても今年こそは今年こそはとは思っていたし、
   今はまだお互いのことをよく知らないけど、これからより深く知っていけば、
   可能性は無きにしも非ずっていうかそのだからですね)


P「──俺だけのアイドルになりませんか!?」

小鳥「!?」


小鳥「そ、それって……どういう……!?」

P「そのままの意味です」

小鳥「!!!!」


P(──俺は考えた。音無さんに事務員だけをやらせるのはもったいない、
 ぜひ一度、ステージに立ってもらいって)

P(だけど音無さんは、人前で歌うのが恥ずかしいらしい。
 だから、いきなり大勢の人の前で歌え、アイドルをやれ、とは言わない……)

P(まずは、たった一人……そう一人でいいんだ。
 その一人の前で歌うことを慣れさせて、それから徐々に人数を増やしていけば、いつかは音無さんも……!)



小鳥「……! ……!」


小鳥(俺だけのアイドルって……そ、それってつまり、アレよね)

小鳥(俺だけの特別な存在になれ、ってことよね?
   プロデューサーさん的には、そういうことが言いたかったのよね)

小鳥(き、きた……? ついにきた……!?)

小鳥(我が世の春が来たぴよ!!!!!)



小鳥「で、でも……急にそんなこと言われても……」

P「音無さん」

小鳥「は、はいぃぃ!?」

P「今すぐに答えを出してくれ、とは言いません。
 でも、今度……一度、ふたりでカラオケにでも行きませんか」

小鳥(これはデートのお誘い!!!!!)


小鳥「……か、考えておきます」ボッ

P「ああ、良かった! それじゃあ、よろしくお願いします!」

小鳥「ふ、ふふ……」


パーフェクトコミュニケーション!
小鳥さんの親愛度がぐーんと上がった!



  *  *  *


ガチャッ

「「「おはようございまーす!」」」

小鳥「みんなー、おはよう! うふっ、ふふふっ♪」

真美「あれ? どったのピヨちゃん、なんかメッチャご機嫌っぽいね」

小鳥「うふふっ、そう見える? でも、ナイショよ♪」

響「ピヨコ、今にも飛んで行っちゃいそうだぞ……」


  *  *  *


P(さて、音無さんとの件は今は置いておくとして……
 みんなも来たことだし、そろそろ今週の予定を決める時間だな)

P(今週は、何をしようかな?)


1 PVのお仕事
2 ちょっとしたふれあい(ファン感謝イベント)
3 もっとイベントのお仕事

>>618


北東エリア


  ──────────────────────
            営業:PVのお仕事
  ──────────────────────


                                  宮城
                      ──────────
                          活動 14週目 昼


P(フェアリーズステップが、2ndシングル『空』のプロモーションビデオ撮影のために、
 宮城県にある『ざんばらスキーパーク』へとやってきた)

P(『空』の歌詞中にある、「冬は雪を目一杯抱きしめ」という部分を撮影するためだ。
 時期的には雪という季節でもないんだけど、ここは人工雪によって、
 一年を通してスキーやスノーボードが楽しめるからな)

P(さて、それじゃあ……)

P(今日は、誰のプロデュースに、力を入れようかな?)


1 響
2 真美
3 千早

>>621

2


【PVのお仕事(真美編)】

P(撮影監督から一通りの説明を聞かされ、
 あとは撮影をするだけ、ということになったのだが……)

P(どうやら撮影機材の搬入が少し遅れているみたいだな。
 撮影開始まで、もうしばらくかか──)


真美「うわぁぁ〜! に、兄ちゃ〜ん! どいて〜!」シャー

P「へっ?」


ドゴォッ!!


P「オゥフッ!」

真美「あたたた……ご、ごめんね兄ちゃん、ゼンゼン気づかなかったよ〜……」

P「あ、ああ……いてて」サスサス


P(スノーボーダーとなった真美が、突然俺の背中にぶつかってきた……)

P(いや、いいんだけどな。時間があるから自由行動って言ったのは俺だし、
 遊ぶのは構わないんだけど……)

P(普通、ぶつかるか……? 俺ってそんなに存在感ないのかな……)


……──♪

Let's Ski♪ 高鳴る白いゲレンデ
まっすぐコテージ チェックイン……♪


P(ちなみに、ゲレンデに流れているこの曲は、765プロのもうひとつのユニット、
 『スプラッシュ』に所属する貴音のソロ新曲、『Princess Snow White』だ)

P(……)


真美「に、兄ちゃん……怒ってる?」

P「え? あ、あぁごめん、別にそういうわけじゃないよ。
 ただ、スプラッシュはやっぱり人気なんだなって思ってさ」

真美「お姫ちんのこと?」

P「ああ……。テレビでもよく見るし、負けてられないよな」

真美「そだね〜。まぁでも、真美達だってすぐっしょ!
   たぶん明日くらいには、お姫ちんたちに追いつくんじゃないかな〜」

P「あはは、心強いな! ……ところで、真美」

真美「んー? なになに?」


1 スノボウェア、可愛いな
2 撮影内容のおさらい、しなくていいのか?
3 その他

>>624

俺にスノボを教えてくれないか


P「俺にスノボを教えてくれないか?」

真美「えっ? んっふっふ〜、兄ちゃんもしかして、スノボできないの〜?」

P「ああ、実を言うとな……学生時代に何回か経験があるけど、
 センスが無かったみたいで、さっぱりでさ」

真美「へー……うん、いいよっ! 真美マスターにまっかせといて!」

P「おお、そっか! それじゃあさっそく、ウェア借りてくるよ!」


P(……真美とは最近、仕事上の付き合いばっかりで、
 あまり一緒に遊んでやれなかったからな)

P(怖がらせて泣かせてしまうこともあったし……、
 今くらいは仕事を忘れて、真美と一緒に雪を楽しもう)


  *  *  *


P「ということで、一式借りてきたぞ!」

真美「兄ちゃん、なんかダサダサだね〜」

P「う……し、しかたないだろ? 借し出ししてるウェアなんてみんなこんなもんだし、
 これでもマシなやつを選んできたんだから」


真美「んじゃんじゃ、さっそくレッツゴーだよ兄ちゃん!」

P「ああ!」


  *  *  *


 ウィィィ……

      ガタンガタン……


P「……」チラッ

真美「……〜♪」プラプラ

P「真美、楽しそうだな」

真美「うんー! お仕事でスノボが出来るなんて、
   真美ちょーウルトラトロピカルやっほーいってカンジだよ〜!」

P「あはは、どういうことかわからないけど、真美が喜んでくれて俺も嬉しいよ。
 撮影内容、もう頭に入ってるか?」

真美「ばっちり!」

P「そっかそっか……おお、ほら真美、見てみろ」

真美「え? なになに?」

P「……景色、すごいな」


P(真美と二人、隣合って座るリフトの上から見た景色は、
 もちろん、ホンモノの雪ではなかったけれど……)

P(本当に、綺麗だった)



真美「……んっふっふー! でもでも、山の上からなら、
   もっとすごいんだよ! あとで写真、撮ろうね!」

P「ああ!」



  *  *  *


P(それから俺はしばらくの間、真美師匠の教えの元で、
 季節はずれのウィンタースポーツを楽しんだ)


P「こ、こんな感じ?」フラフラ

真美「そーそー、出来てんじゃん!」シャー

P「へ、へへ……っと!?」

真美「──って、に、兄ちゃんっ!」

P「お、お……うわぁぁっ!!」

どんがらがっしゃーん!

真美「うっわぁ、痛そ〜……だいじょぶ〜?」シャッ

P「あはは……なんとかな」


P(まぁ、転んでばっかりだったから、
 ちゃんと楽しめたかどうかはわからないけど……)


P「よ、よーし……もう一回だ……!」

真美「んっふっふ〜! そうこなくっちゃっ!」


P(……でも、真美の笑顔を、こんなに近くで見れたんだから、それで十分だな)



P(そして……)


ピピピ……


P「はい、はい……了解しました。
 では今から、真美を連れて下に向かいますので……失礼します」


ピッ


P「……真美、撮影機材、もう間もなく到着するってさ。そろそろ戻ろう」

真美「えー、もう着いちゃったんだ。
   真美、もうちょっと遊んでたかったな〜」

P「そう言うなって。今日は遊びじゃなくて、仕事で来たんだから」

真美「はーい……」

P「……真美」


1 そんな顔してないで、さっさと行くぞ
2 撮影が終わったら、また遊んでいいよ
3 その他

>>629

2


P「撮影が終わったら、また遊んでいいよ」

真美「えっ!? いいの!?」

P「ああ。今日はこのあと、もう予定もないしな。
 今度は響も千早も連れて、みんなで遊べばいい」

P「せっかくここまで来たんだから、仕事が終わってはい撤収、じゃもったいないだろ?」

真美「やったー! んっふっふ〜、そんじゃあ真美、
   メッチャ気合いいれまくって、そっこーで撮影終わらせてくるかんねっ!」

P「あはは、まぁでも──お、おい!?」

真美「先行ってるよーん!」シャー

P「す、すごい速さだ……。ちょ、ちょっと待ってく──うわっ!」ドテーン


  *  *  *


P(……それから、なんとかかんとか俺がふもとまで着いた頃には、
 もう撮影が始まっていた。まぁ本番中に俺が口を出せることもないから、いいんだけどな)

P(撮影のほうは、気合いの入りまくった真美のおかげもあってか、なんと一発OK!
 微笑みながら優しく雪を抱きしめる真美の姿は、まるで童話の中で出てくる白雪姫のようだと、
 スタッフの間でも好評だった)

P(まだ全部は完成はしていないけど、良いPVになりそうだな!)


パーフェクトコミュニケーション!


P(そして……)



  *  *  *


P(撮影終了後、撮影スタッフ達に挨拶も済ませた俺たち四人は、
 真美と約束したとおり、日が暮れるまでスノーボードを楽しんだ)

P(しかし響はともかく、千早まで残ってくれるとは思わなかったな)



真美「兄ちゃーん、はやくはやくー! 先行っちゃうよー!」

P「そ、そんなこと言ったって……高すぎだろここ……!」ブルブル



P(響も千早も、俺と同様スノーボードの経験はあまりないとのことだったけど、
 元々の運動神経の高さもあってか、飲み込みは俺よりずっとはやかった)

P(俺はといえば、相変わらず下手くそなままで、何度も何度もこけてしまっていた。
 きっと明日にはすごい筋肉痛になってそうだな……)



真美「いやっほーい! 兄ちゃん兄ちゃん、写真撮って〜!」シャー

P「あはは……よーし、行くぞみんな! ハイ、ターッチ!」

真美「いぇーい!」

パシャッ……



P(……まぁ、三人が楽しんでくれたみたいだから、それでいいか)


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 14週目 夜


P(今日撮るべきだった部分の撮影も終わり、
 事務所に帰ってきたんだけど……)


P「お、おぉ……あいたたた……!」

小鳥「だ、大丈夫ですか、プロデューサーさん」

P「慣れないことはするもんじゃないですね……体中、特になぜか腕が……」

小鳥「あー、わかりますその気持ち……。
   何度も転ぶと、腕で立ち上がるから、クるんですよね」


P(俺はさっそく、筋肉痛に襲われているのであった……。
 まぁ、こんなに早く筋肉痛が来るってことは、俺の体もまだ若いってこと……だといいな)


小鳥「ところで、みんなは今日、どうしたんですか?」

P「今日はもう、帰らせました。こんな時間になっちゃいましたしね」

小鳥「!」

小鳥(と、いうことは……、今事務所には、私とプロデューサーさんのふたりきり!?)

小鳥「そ、そんな……いや、急すぎますっ!」

P「え? なんのことですか?」


P(なんだか音無さんが慌てている。何かあったのかな……)

P(と、そこへ突然──)


1 誰かが事務所に入ってきた!
2 別に誰も来なかった。せっかくだし、音無さんと少し話でもしよう
3 「お疲れ様でした」と言って、今日はもう帰ろう

>>634
※1の場合、誰が入ってきたかを指定してください

2


P(と、そこに突然──)

P(……特に誰も来なかった。こんな時間だし、アイドル達はみんな家に帰ってるだろうからな)


小鳥「……だめ、だめですっ、プロデューサーさん! ステージ裏でなんて……
   みんなに気づかれちゃう……!」ブツブツ

P「……音無さん?」

小鳥「でっ、ですから! こういうことはもっと順序を踏んでですね……
   ああっ、そんなっ、強引すぎますぅっ!」

P「あの……」

小鳥(ナレーション)「──こうして二人は、決して許されないこととは知りつつも、
   快楽に身をゆだね、禁断のオフィスラァブを……」

P「──音無さん!」

小鳥「……へっ?」

P「ど、どうしたんですか? さっきから何かブツブツ言っていますけど……」

小鳥「え、えーっと……」

小鳥「!」ボッ

小鳥「あ、ああ、あたしっ、声に出してましたか……!?」

P「ええ……ボソボソ言ってたんで、はっきりとは聞こえませんでしたけど」

小鳥「うわぁぁぁ〜ぅじゅるるる!!」

小鳥(わ、私としたことが……! こんなノータイムで妄想の世界に入り込んじゃうなんて……!)


小鳥「……こっほん! 失礼しました……」

P「い、いえ、おかまいなく」


P(音無さんの目が正気に戻った。
 何があったかわからないけど、ひとまずは良かったな……)


小鳥「うぅぅぅぅ……」モジモジ

P「……」


P(……しかし、こうして音無さんとふたりきりになることも珍しいな。
 いつもは誰かしら事務所にいるから……せっかくだし、少し話でもしようか)

P(でも、どんな話題を……)


1 今朝言ったカラオケについて
2 さっきの妄想について
3 アイドル達について
4 その他

>>639

1


P「音無さん、今朝のことですけど……」

小鳥(どどどどどっきんちょ! さっそくきたぁ……!!)

小鳥「け、今朝? えーっと、なんのことでしたっけ?」

小鳥(わかっているのに、なんでこう誤魔化してしまうの!? 中学生か!!
   うぅ、今朝って言ったら……)


『俺だけの特別な存在になれよ、小鳥……』


小鳥(って、プロデューサーさんが言ったことに決まってるじゃない!
   細かいところはあんまり覚えてないけど、たしかこんな感じで言われたわ!)


P「カラオケにふたりで行こう、って話です」

小鳥「あ、あぁ……そうでしたね、まずは順序を踏む、ということになっていたんでした」

P「そうです! それで、考えてくれましたか?」

小鳥「……そ、それは……」


P(……音無さん、やっぱり人前で歌うのは恥ずかしいのかな?
 まぁ今朝は、俺も強引に話を進めちゃったってところもあるし……)



1 「来週、二人で行きませんか?」と言おう。このまま強引に行くしかない!
2 「アレは無かったことにしてください」と言おう。強引に行くのは良くない
3 その他

>>641
※1を選んだ場合、次週の内容が小鳥さんとカラオケ編になります

1


P「来週、二人で行きませんか?」

小鳥「ら、来週ですかっ!?」

P「はい。善は急げと言いますし……
 実行にうつすなら、早いほうがいいと思うんです」

小鳥「……で、でも、私……」


小鳥(……つい、浮かれちゃって、深くは考えてなかったけど、
   私は……、人前で、歌なんて──)



……── ワァァァ……! ──……



小鳥「……っ」

P「もし、やっぱりどうしても歌えないと言うのであれば、
 無理にとは言いませんが……」

小鳥「……」

小鳥「……いえ。行き……ます」

P「本当ですか! 良かった……」

小鳥「あ、あのっ! でもプロデューサーさん!
   ひとつだけ、約束してください……!」

P「約束?」

小鳥「……もし、ちゃんと歌えなくても、笑わないでください……」

P「……大丈夫ですよ、そんなに気を張らなくたって。
 遊びにいく、くらいの軽い気持ちでいればいいんです」

小鳥「……はい」



  *  *  *


P「それじゃあ、俺は先に帰りますね。お疲れ様でした」

小鳥「お疲れ様でした……」


ガチャッ……バタン


小鳥「……」

小鳥「……誰かの前で、歌、なんて」

小鳥「何年ぶりかしら……」


──────
────
──


P(こうして俺は、音無さんとカラオケに行く約束を取り付けることに成功した)

P(でも──……)


P「……音無さん、どうしてあんなに、歌うことに対して敏感になっていたんだろう」


P(やっぱり、緊張するからか?
 でもそれにしては、以前聞いたあの歌声……)



『春は花をいっぱい咲かせよう……夏は光いっぱい輝こう……♪』



P(まるで、レッスンを経験したことがある……みたいだったな)


【活動 14週目 おわり】

短いけど今日はここで終わりです
明日朝からまた書きます

また嘘をつきましたすみません
今から再開します


池袋


  ──────────────────────
             ある日の風景
  ──────────────────────


                             某カラオケ店
                      ──────────
                          活動 15週目 昼



小鳥「……」

小鳥(……ついに、この日がやってきました。
   今日は、プロデューサーさんと初めてのデートをする日……)

小鳥(人前で歌を歌うなんて、私には出来ないかもしれない。
   恥ずかしくて、緊張して……プロデューサーさんは先週、大丈夫ですよって言ってくれたけど、
   もしかしたら笑われちゃうかもしれない……)

小鳥(……でも、いつまでもこんなんじゃダメ。勇気を出さなくちゃ。
   そうじゃなくちゃ、いつまで経っても、私は昔のままで……これから先もずっと、何も変わらない)

小鳥(そうよ、プロデューサーさんといっしょなら、きっと私────!)



  *  *  *



小鳥「……で」



ワイワイ……

    ガヤガヤ……



春香「えへへー、じゃあ私、『ALIVE』歌っちゃおっかなー!」

響「いいぞー!」パチパチ

真美「いよっはるるん! 平成の日高舞っ!」パフパフ

春香「やーだもう、真美ったら。日高舞がブレイクしたのも一応平成じゃないえへ、えへへ」

千早「私は……ええと……」ピ、ピ

やよい「ええ!? ここのジュースって、いくら飲んでもいいんですか!?」

貴音「そうですよ、やよい。どりんくばーですから」

やよい「あぅぅ……それじゃあ、いつお店がツブれちゃわないか、私、シンパイかもです……」





小鳥「なんでこの子達もいるんですか……!?」

P「あはは……」

小鳥「プロデューサーさん、言いましたよね!? ふ・た・り・で、カラオケに行く、って!」

P「いや、それがですね……」



【回想……】


P「それじゃあ、今日の活動は以上だ。みんな、お疲れ様!」

「「「はい!」」」


P「さて、と……」

響「あれ? プロデューサー、もう帰るのか?」

真美「兄ちゃんが真っ先に帰るなんて、ちょっと珍しいっぽいね。
   んっふっふ〜、もしかして、彼女さんとデート〜?」

P「ん? ああ、彼女ではないけど、これから音無さんとカラオケに行くんだ」

「「「えええっ!!?」」」

P「な、なんだよ」

響「ピヨコとカラオケ!? 自分、聞いてないぞ!」

千早「……プロデューサー、だから今日の活動は、こんなにはやく切り上げたんですか?」

P「いや、元々今日は早く終わる予定だったから、この日に行こうかって話になってたんだけど……」

真美「うあうあー! 真美も行きたい!」

P「ええ!? いや、でも」

千早「……そうね。私も真美と同感です。音無さんの歌には興味ありますし」

P「千早まで……いいかお前達、音無さんはな──」

ガチャッ

律子「お疲れ様でーす……って、なんだか賑やかね」

春香「ねぇねぇ、なんか面白いことでもあったの?」

真美「はるるーん! あんね、あんね……」ゴニョゴニョ

春香「え、みんなでカラオケに行くの!? うわぁ、私も行きたいなぁ! 律子さん、いいですか?」

律子「えー? もう、しょうがないわねぇ……」

P「ちょ、あの……」


──────
────
──


──────
────
──


春香『──Keep your dreams』

春香『どんな想いも信じていれば いつかは届くぅぅ〜♪』



P「……ということで、あれよあれよと言う間に、
 スプラッシュのメンバーまで加わってきていたんです」

小鳥「……はぁ……」



春香『……見守っててね 素敵なわた春香さんが──……♪』

春香『と〜びぃ立つぅまでぇ〜……♪』



小鳥「まぁ……そういうことなら、しかたありませんね。
   みんな興味を持つのは当然だと思うし……」

P「……すみません、音無さん」

小鳥「え? な、なにがですか?」

P(俺が謝りたかったこと、それは……)


1 みんながいたら、余計に歌いづらくなるということ
2 ふたりきりになれなかったこと
3 その他

>>655

1


P「みんながいたら、余計に歌いづらくなりますよね。だから、すみません」

小鳥「……ふふっ、一応、覚えていてくれたんですね」

小鳥「でも、そんなことは謝らなくていいですよ。私だって、
   こうやってみんなといっしょに過ごして、近くで歌が聞けるのは、幸せなことですから」



響「やよい、次これ歌ってよっ!」ピピッ

やよい「はーい!」



小鳥「……昔なら、こんな風にみんなで遊ぶなんて、考えられなかったんです」

P「え? それは……どうして?」

小鳥「だって、あの頃はみんな……少し、心に余裕がなかったですから」

P「……」



やよい『……まほろば あたらしい みちへーとー♪ すすーめいーちにーさんしー♪』

やよい『てをかかげて バイバイよりー♪ てっをっならそうよ♪』

やよい『ハイ、ターッチ!』

響・千早「いぇい!」

響「え? 千早……?」

千早「……こほん」




小鳥「デビューしたはいいけれど、いつまで経ってもなかなか花咲くことが出来なくて……。
   それで、先の見えない未来に不安を抱いて、泣いちゃう子とかもいたんですよ」

P「……そうだったんですか」

小鳥「うふふっ、今なら考えられないですよね」


小鳥「この数ヶ月で、765プロはどんどん変わっていきました。
   そしてそれは、きっと、これからも……そうですよね?」

P「……はい、もちろんです!」

小鳥「ふふっ、だからこそ、今こうしてみんなといっしょにいれる時間を、私は大切にしたいんです」

小鳥「これから先、今より忙しくなったら……、昔とは違う意味で、
   みんなとゆっくり過ごせる時間がなくなっちゃいそうですからね」

P「音無さん……」

小鳥「だから……」


小鳥(……だから、今の私は──それだけで、十分、幸せ)

小鳥(これ以上を望むなんて……贅沢すぎるわよね)



真美「……ねぇ、千早お姉ちゃん」

千早「どうしたの?」

真美「ピヨちゃんと兄ちゃん、なーんかアヤしくない?
   ふたりで隣同士にすわって、ナイショ話しちゃってさ〜」

千早「……」

真美「……兄ちゃんは彼女じゃないって言ってたけど、
   ホントはふたり、付き合ってたりして……」

千早「……真美。プロデューサーの言うことを信じられないの?」

真美「そうじゃないけどぉ〜……千早お姉ちゃんは気になんないの?」

千早「わ、私は別に……!」

真美「ホント?」

千早「……まぁ、興味がないと言ったら、嘘になるわね」

千早「プロデューサーのことだから、恋人が出来たら浮かれてしまうでしょうし……。
   そんなことで仕事にまで影響が出てしまったら、私達が困るもの」


真美「……」ジー

千早「な、なに? そんな目で見て……」

真美「……千早お姉ちゃん、やっぱ素直じゃないっぽいね〜」

千早「……」



……──♪

響『──あなたの遺伝子が 呼んでる』

小鳥「響ちゃーん、カッコいい〜!」

響『えへ、えへへ、そう? まぁ自分、これでも完璧なとこあるし……えへへ』

春香「ひ、響ちゃん、歌、歌っ! 始まっちゃう!」

響『へ? うああっ! えーっと……』

小鳥「ふふっ……」

カラン……

P「……音無さん、飲み物無くなっちゃいましたね。俺、取ってきますよ」

小鳥「え? いや、いいですよ、プロデューサーさんに取りに行かせるなんて悪いです」

P「俺も無くなっちゃいましたから、ついでです。アイスティーでいいですよね?」

小鳥「……ありがとうございます」


  *  *  *


響『離れてゆく螺旋の記憶が 時を越えてまた二人巡り逢わせるまで──……♪』


千早「……音無さん」

真美(おお! 兄ちゃんがいなくなった隙をついて、ついに千早お姉ちゃんが動いた〜!)

小鳥「どうしたの、千早ちゃん」

千早「……」

千早「あの……音無さんは、歌、歌わないんですか?」

真美(でもホントに言いたいことは言えなかったっぽいよ〜……)


響『忘れはしない君の温もりと 偽り無い真剣な眼差しを ずっと──……♪』

やよい「うわぁー! 響さん、カッコいいですーっ!」パチパチ

響『ありがとーやよいー! えへへー、やよいは可愛いなぁ! 持って帰っちゃいたいぞ!』

やよい「ええ!? そ、それは困っちゃうかもです……みんなのご飯、作れなくなっちゃうから……」



小鳥「わ、私!? 私はいいわよ、こうしてみんなの歌を聴けるだけで……」

千早「……でも私、音無さんの歌に興味があります」

春香「あ、それは私も! 今までちゃんと聴いたことなかったし……。
   せっかくなんだから、何か歌いましょうよ〜」

小鳥「うぅ……」

春香「……あの、もしかして小鳥さん、あんまり歌、好きじゃなかったですか?
   ホントは……、た、楽しくなかったり……」シュン

小鳥「そ、そそ、そんなことないわよっ! だから落ち込まないで、春香ちゃん!」

春香「えへへ、それじゃあっ!」

小鳥「……わかったわ。それじゃあ──」


──────
────
──


ガチャッ……

P「……?」


♪夢のヒヨコ

小鳥『……コドモは、オトナじゃ、ないんですけれど──……♪』



P(……音無さん、歌ってるのか)



小鳥『……だってコドモは コドモは……』

小鳥『夢のヒヨコを、飼ってるもん 夢のヒヨコを……飼ってるも──』

小鳥『!』



P(……でも、これは……)



小鳥『ぴ、ピヨピヨピピピ──……』カァァ


──────
────
──



  *  *  *


春香・やよい『ねぇ ねぇ ねぇ 好きにーなって いーですかー♪』

春香・やよい『ねぇ ねぇ ねぇ 好きにーなって いーただけーますかー♪』



小鳥「うぅ……恥ずかしかった……」

P「……はい、アイスティーです」コトッ

小鳥「す、すみません……」


P(音無さんの歌……以前聴いたときとは、大分印象が違ったな。
 なんというか、固いというか……歌を楽しんでいるって感じじゃなかった)

P(やっぱり、みんなの前という緊張のせいか……?)


小鳥「……あの、プロデューサーさん」

P「え?」

小鳥「へ、ヘン……でしたよね、私」

P「……」


1 そんなことないですよ
2 正直に言って……
3 その他

>>663

今度こそ2人で来ましょう


P「……音無さん。今度こそ二人で来ましょう」

小鳥「えっ……」

P「ヘンというわけではなかったけど、確かに音無さんのさっきの歌は、
 以前聞いたときとは少し違うように感じました」

P「たぶんそれは、みんなの前だったからなんだと思います」

小鳥「……」

P「……すみません、今日はこういう形になってしまって。
 約束通りじゃなくなって、音無さんも困惑しちゃいましたよね……」

小鳥「……プロデューサーさん」


……──♪


小鳥「……」

P「……」


P(……それから音無さんは、しばらくの間、
 俺から顔を背け、黙ってみんなの歌を聴いていた)

P(『今度こそ二人で行きましょう』と俺が言った提案には、イエスともノーとも言わないまま……)

P(もしかして、間違ったことを言ってしまったのだろうか?
 俺は、音無さんの心情を汲み取ることが……できなかったのだろうか)


……──♪


小鳥「……プロデューサーさん」

P「……はい」

小鳥「さっきの私は、きっと……みんなの前だから歌えなかった、
   というわけじゃ、ないと思うんです」

P「……じゃあ、どうして?」

小鳥「それは──」


クルッ……


P(……カラオケ画面から溢れる光に背を向けて、音無さんはこちらを振り向いた。
 逆光のため、その表情はよく見えないが……)

P(けれど、その声は……いつもの音無さんとは違って、
 まるで幼い子どものように感じられた)



小鳥「それはきっと……、あなたの前だったから」

小鳥「プロデューサーさんが飲み物を持って、この部屋に帰ってきてから、
   なぜだか急に、頭が真っ白になっちゃったんです」

P「……」

小鳥「それでも、あなたは……また、二人で行こうって、言ってくれるんですか?」

小鳥「私はプロデューサーさんの前では、きっとまた……うまく、歌を歌えないのに……」

P「……音無さん」



1 もちろんです
2 ……

>>666

2


P「……」

小鳥「……」

小鳥「……ごめんなさい、急にこんなことを言われても、困っちゃいますよね」

P「あ、いや……困るなんてことは」

小鳥「カラオケの件は、考えておきます。でも、しばらくはまた忙しくなりそうだし……
   いつか、時間が出来たら、また誘ってください」

P「……はい」



  *  *  *



P(それから音無さんは、すぐにいつもの調子に戻った)

P(……だけど俺は、さっきの声が頭から離れず、
 そのあともずっと、音無さんになんて声をかけたらいいか、わからないままでいた)

P(なにか、声をかけてやるべきだったのかもしれない。
 音無さんが本当に欲しがっていた言葉は、なんだったんだろうか?)



響「ピヨコ、もう歌わないのか?」

小鳥「うん、ごめんね響ちゃん。なんだか今日は、ノドの調子が悪いみたいで……」

P「……」



P(……そんなことを考えながらも、時間はあっという間に過ぎていき)

P(やがて……、終了の時間となった)


──────
────
──


「お疲れ様でしたー!」

P「……ああ、お疲れ」

小鳥「みんな、気をつけて帰るのよ。寄り道しないで、まっすぐね」



  *  *  *



テクテク……

小鳥「……それじゃあ、プロデューサーさん。私はこっちですから」

P「……はい」

小鳥「今日は、ありがとうございました。
   みんなといっしょに楽しい時間を過ごせて、私も嬉しかったです」


P(……そう言った音無さんの表情は、微笑みを浮かべていたけれど、
 なんだかどこか……、さみしそうだった)


P「……音無さん!」

小鳥「え?」


P(きっとここが、分岐点……そして、最後のチャンスだ……!
 音無さんに対して、俺は、なんて声をかけてやればいい?)


1 「待ってください」
2 「お疲れ様でした」
3 その他

>>669
※話が分岐する少し重要な安価です


P「……」

小鳥「……プロデューサーさん?」


ドクン、ドクン……


P「……待ってください」

小鳥「……ふふっ、どうしたんですか?」

P「今から、カラオケ、行きましょう」

小鳥「え? い、今からですか!?」

P「いつかまた誘ってくれ、と音無さんは言いましたけど……
 でも、きっと、これから先、もうチャンスはないと思うんです」

小鳥「そんなことは……」

P「あります!」

小鳥「で、でも、時間だって、もうあまり無いですし……!」

P「一時間だけでもいい。いや……一曲だけでいい。
 音無さんの歌がひとつでも聴ければ、それでいいんです。お願いします!」

小鳥「……」


小鳥「……」

小鳥「……もう、強引なんだから」

P「あはは……アイドル達にも、よく言われます」

小鳥「……ふふっ」


小鳥(……そっか。アイドルのみんなも、いつも、こんな気持ちで、
   プロデューサーさんと付き合って、振り回されてるんだ……)


小鳥「だから……いつだって、笑っていられるんですね。落ち込むヒマもないくらいに」

P「え? な、なんのことですか?」

小鳥「こちらの話です。それじゃあ、プロデューサーさん!
   そうと決まったら、行きますよ!」

P「いいんですか!?」

小鳥「……ええ、もちろん。いつかまた誘ってくれって言ったのは、私ですから」



  *  *  *


P(そうして俺達は、再び先程のカラオケ店へとやってきた)

P(だけど、まだだ。まだ初めの一歩を踏み出したに過ぎない。
 音無さんに歌を歌ってもらうためには、今度こそ……道を間違えるわけにはいかない)



小鳥「……プロデューサーさん。あの、お願いがあるんですけど……」

P「お願い? なんですか?」

小鳥「私が歌う歌、選んでもらえませんか?
   自分で選ぶのは、ちょっと恥ずかしいというか……」

P「構いませんけど……でも俺、音無さんが歌える歌、わかりませんよ」

小鳥「これまで765プロのみんなが出した曲なら、きっと、なんでも大丈夫だと思います。
   プロデューサーさんがこれだ、と思う歌を、選んでください」

P「……わかりました。それじゃあ……」



P(と、その前に……一度、765プロのみんながこれまで発売して、
 カラオケにも登録されている曲を、思い出してみよう)


フェアリーズステップ
・1stシングル『Next Life』
・2ndシングル『空』

スプラッシュ
・1stシングル『SMOKY THRILL』
・2ndシングル『キミはメロディ』
・やよいソロ曲『まほろば』
・貴音ソロ曲『Princess Snow White』
・春香ソロ曲『SWITCH ON』

三浦あずさ
・1stシングル『ラ・ブ・リ』


P(これまで触れてこなかったけど、実はさっき春香とやよいが歌っていた曲は、
 あずささんの1stシングル『ラ・ブ・リ』だったのである)

P(……まぁ、今はそれは置いておこう)


P(とにかく、この8曲の中から、音無さんに歌ってもらう曲を選ぶとなると……)

P(……うん、これしかないだろう!)


>>674
※この8曲以外だったら安価下



ピッ……


……──♪


小鳥「……これ……」


P(俺が選択した曲、それは──)

P(フェアリーズステップの2ndシングル、『空』だった)


小鳥「……どうして、この曲を?」

P「音無さん、この曲を決めたとき、随分気に入っていたみたいでしたから。
 それこそ、アイドル達以上に……」

小鳥「……」


……──♪


P「……始まりますよ」

小鳥「……はい!」



……──♪


小鳥「……」

P「……」



小鳥(今、私の目の前には、プロデューサーさんしかいない)


……── ワァァァ……! ──……


小鳥(……『あのとき』とは、違う)



小鳥「……すぅー……」



小鳥(観客は、たったひとり)

小鳥(でもだからこそ、私のことを見てくれる、
   そのたったひとりために、私は……)



小鳥『……空になりたい 自由な空へ──……♪』



小鳥(今度こそ……!)



──────
────
──



小鳥『繋ぐレインボ──……♪』



P「……」

P(……歌が、終わった。あっという間に……)


小鳥「あ、あの……プロデューサーさん?」

P「は、はい!?」

小鳥「どうしたんですか、ボーっとして……えっと、やっぱりヘン……だったですか?」

P「……いや、俺がボケっとしてたのは……」


1 聞き惚れてしまっていたから
2 歌う姿に見とれてしまったから
3 ついつい他のことを考えてしまっていたから
3 その他

>>678

1


P「聞き惚れてしまっていたんです、音無さんの歌に」

小鳥「えぇっ!?」

P「やっぱり思ったとおり、音無さんは、
 現役アイドル達にも劣らない歌唱力を持っているみたいだ」

P「本当に、良い歌を聴かせてもらいました……!
 俺、ちょっと感動しちゃいましたよ……」

小鳥「そ、そんな……褒めすぎですっ」

P「そんなことありません! そうだな、それじゃあ次は……」ピ、ピ

小鳥「って、もう次の曲ですか!?」

P「765プロの曲ではないんですけど……これ、知ってますか?」

ピッ……


♪『花』


小鳥「ええ、まぁ……聴いたことはあります、有名な曲ですから」

P「……実は俺、『空』と『花』……このふたつの歌を歌った、この歌手に惚れて、
 この業界に入ろうと思ったんです」

小鳥「……そういえば、前にもそんなことを言っていましたね」

P「だから、是非!」

小鳥「……」

小鳥「……ふふっ、わかりました! それじゃあ今日は、
   バンバンリクエストにこたえちゃいますよっ!」


──────
────
──

うわあ間違った>>679は無かったことにしてください


P「聞き惚れてしまっていたんです、音無さんの歌に」

小鳥「えぇっ!?」

P「やっぱり思ったとおり、音無さんは、
 現役アイドル達にも劣らない歌唱力を持っているみたいだ」

P「本当に、良い歌を聴かせてもらいました……!
 俺、ちょっと感動しちゃいましたよ……」

小鳥「そ、そんな……褒めすぎですっ」

P「そんなことありません! そうだな、それじゃあ次は……」ピ、ピ

小鳥「って、もう次の曲ですか!?」

P「765プロの曲ではないんですけど……これ、知ってますか?」

ピッ……


♪『花』


小鳥「ええ、まぁ……聴いたことはあります、有名な曲ですから」

P「……実は俺、『空』と『花』……このふたつの歌を歌った、この歌手に惚れて、
 この業界に入ろうと思ったんです」

P(2ndシングルを決めるときに少し触れたけれど、実は『空』は、
 765プロオリジナルの曲というわけではないのである)

P(だからフェアリーズステップが出した『空』は、一応、カバーという形になるな)

小鳥「……そうだったんですか」

P「だから、是非!」

小鳥「……」

小鳥「……ふふっ、わかりました! それじゃあ今日は、
   バンバンリクエストにこたえちゃいますよっ!」


──────
────
──



P(歌っている音無さんの姿は、まるで羽が生えているかように楽しそうだった)

P(やっぱり、多少強引でも、こうして誘ってよかったな……)



小鳥「ほらほら、プロデューサーさんも! 次はいっしょに歌いましょう!」

P「え、いや、俺はいいですよ……」

小鳥「ここまで歌わせたんだから、そんなこと言わせませんよ〜!
   さあ、立ってください! ふふっ……♪」



P(そしてそれからも、時間はあっという間に過ぎていき……)



  *  *  *


【駅前】


P「……今日はありがとうございました、音無さん」

小鳥「こちらこそ……でも、なんだか私ばっかり歌っちゃって、ごめんなさい」

P「いいんですよ、俺が言い出したことですから」


……♪

『間もなく、○○番線に、電車が参ります……』



P「あ……もう、電車が来るみたいですね。それじゃあ、今日はこのへんで」

小鳥「……あ、あの! プロデューサーさん!」

P「え? どうしたんですか?」

小鳥「……ひとつ、聞いてもいいですか?」


小鳥「……プロデューサーさんは、どうして今日、私を誘ってくれたんですか?」

P「それは……」

小鳥「先週、プロデューサーさん、こう言いましたよね?
   お、俺だけの特別な存在になれよ……って」

P(特別な存在? ああ、アイドルは確かに、俺にとって特別な存在だな)

P「はい、言いました」

小鳥「あ、あれってつまり……そういうことなんですか!?」

P「そういうこと……って?」

小鳥「つ、つつつ、つまりその……」モジモジ

小鳥「……」

小鳥「……わ、私と付き──────」



プォォォ──……!


小鳥「   、    !      ……!?」


 ガタンガタン……

     ガタンガタン……!!


P「……え、えっと……」

小鳥「どうなんですか!?」


P(……電車の音でさっぱり聞こえなかった)

P(い、今のは俺が悪いのか!? 決して難聴とかじゃないぞ!)

P(と、とにかく……こう答えておくか)


1 そうです
2 違います
3 もう一回言ってください
4 その他

>>684

4 タイミングが悪すぎるよ……


P「(電車が来る)タイミングが悪すぎるよ……」

小鳥「へっ?」

P「あ、い、いえ……すみません。こっちの話です」

小鳥「はぁ……」

P「……音無さん。俺から言い出しておいてなんですけど……
 その件については、(今日はもう遅いし)タイミングが良くないかと思うんです」

小鳥「タイミング……」


小鳥(……そうね。まだ私達は、知り合って間もないんだもの。
   それに、みんなが売れ始めた今だからこそ、
   恋愛に現を抜かしていられない、大切な時期だということもあるし……)


小鳥「……もっとお互いによく知ってから、そしてみんなの活動が落ち着いてから、
   改めて言う……、ということですね?」

P「活動が落ち着いてから? まぁ……、言われてみれば、そうですね」


P(音無さんをステージに立たせることが、本来の俺の目的だった。
 だけど確かに、今あっちもこっちも芸能活動に手を出していたら、中途半端になっちゃいそうだしな)


小鳥「……わかりました。それじゃあ私……
   (プロデューサーさんから改めて告白される日を)待っています!」

P「はい!」



  *  *  *



P(そうして俺達は、今日のところは解散、ということになった)

P(音無さんの本気の歌も聴けたし、帰り際はなんだかとてもご機嫌だったし、言うことなしだな!)


P「……」


P(……言うことなし、だよな……?
 なんか、少し、かみ合ってなかったような気もするけど……)


【活動 15週目 おわり】


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 16週目 朝



P(さて……)

P(あれから数日が経過し、また月曜日の朝がやってきた)


小鳥「プロデューサーさん、お茶ですよ♪」コトッ

P「これはこれは……ありがとうございます!」


P(あのカラオケの日以降、音無さんはいつも上機嫌みたいだ。
 何か良いことでもあったのかな……)


小鳥「ウフフフ……♪」

P「!」ハッ


P(も、もしかして、彼氏が出来たとか……!?
 いや、音無さんは今はまだ事務員だし、恋愛なんていくらしたっていいんだけど……)

P(……なぜか、ちょっと、気になるな)


  *  *  *


ガチャッ

「「「おはようございまーす!」」」

P「ああ、おはよう、みんな!」


P(まぁ、今はそんなことより、仕事だ。今日もアイドル活動の時間がやってきたぞ!)


P「えーっと、今週は……」

響「……はぁ」

P「ん? 響、どうした」

響「え!? あ、そのー……なんでもない、なんでもないぞ!」

P「そうやってなんでもないって言われると、余計に気になるんだけどな。
 活動に支障が出たら問題だし、何かあるならなるべく今のうちに言ってくれ」

響「うー……」

P「……もしかして、プライベートなことか?」

響「ま、まぁ……そう、だね」

P「……なるほどな」

P(みんな年頃の女の子だ。芸能活動以外にも、
 プライベートで問題を抱えてしまうこともあるだろう)

P(あまり首を突っ込むのも、プロデューサーとしての範疇を越えているかもしれないが……)


1 響の気が向いたらでいいから、そのときは俺にも相談してくれ
2 仕事に影響は出すなよ
3 その他

>>691

1+俺に言いにくいことなら、真美や千早と話し合ってもいいから


P(……まぁ、プロデューサーとしての範疇とか、今更って感じだよな。
 たとえプライベートなことでも、力になってやれるなら、そうしてやりたい)


P「響、こういう場所ではなかなか言いにくいことかもしれないけどさ……、
 響の気が向いたらでいいから、そのときは俺にも相談してくれ」

響「プロデューサー……」

P「なんでもない、で誤魔化して、溜め込むのは一番よくない。
 俺達は四人、運命共同体なんだから」

P「それに、俺だけじゃなくて……」

真美「真美もいるよー!」

千早「我那覇さん、私だって……」

響「ふたりとも……」

P「……もし俺に言いにくいことなら、二人に相談したっていい。
 響はいま、ひとりじゃないんだからな」

響「ひとりじゃ、ない……」

響「……」

響「……うんっ! えへへ、ごめんねみんな!
  よーし、今日も気合いいれていくぞー!」

「「おー!」」


団結値がぐーんと上がった!


小鳥(さすがはプロデューサーさんね……
   さっきまであんなに暗かった響ちゃんが、もう笑顔に……)


小鳥さんの親愛度もなぜか上がった!



  *  *  *


P(響が抱えた問題がなんなのかはわからないけど、
 それは響から話してくれる時を待つことにしよう……)

P(それに、真美や千早もいる。俺なんかが下手に首を突っ込むよりは、
 同じ年代の女の子同士で話し合ったほうが、良い結果が生まれるかもしれないしな)

P(……よし! それじゃあ気を取り直して……
 今日も、元気にスケジュールを決めるとするか!)

P(今週は、何をしよう?)


1 もっとイベントのお仕事
2 ちょっとしたふれあい(ファン感謝イベント)
3 オーディション
4 ライブ
5 その他

>>694

2


新宿


  ──────────────────────
           ちょっとしたふれあい
  ──────────────────────


                                某書店
                      ──────────
                          活動 16週目 昼



P(フェアリーズステップが、ファン感謝イベントを行うことになった)

P(そのイベントが行われるここ某有名書店では、CD等も取り扱っている。
 もちろん、フェアリーズステップのCDも置かせていただいているわけだけど……)

P(今日は店内の一角に特集コーナーを設置してもらい、
 集まってくれたファンひとりずつに握手を行っていくという流れになる)

P(CDを持ってくれた人には、そのCDにサインもな)


P(……と、いうことなんだが)

P(さて、今日はどのアイドルのプロデュースに、特に力を入れようかな?)


1 響
2 真美
3 千早

>>697

1


【ちょっとしたふれあい(響編)】

スタッフ「では次の方ー」

ファンA「フヒヒ! こ、こ、これ……」スッ

響「あ、CD持って来てくれたんだ! よーっし、サインサイン!」

カキカキ……

ファンA「響ちゃん! フヒッ、ぼ、ぼく、『THE DEBUE』で一目見たときから、
     フェアリーズステップに夢中で! いつも応援してましゅぅ!」

響「ホント!? えへへー、ありがとね!」ギュッ

ファンA「響ちゃんに握手してもらえた! もう一生洗わないぞぉ!」

響「洗った方がいいと思うぞ……」

スタッフ「はいここまでー。次の方ー」


  *  *  *


ファンB「ひびきん! ぜ、ぜひ、アレやってください!」

響「へ? アレって?」

ファンB「ほら、ラジオでよくやってる……」

響「あー、あれね! はいさーい!」

ファンB「うひょぉぉ! 生で見ると可愛い!!」

スタッフ「はい次の方ー」

ファンB「え!? まだ握手……」


P「……」チラッ

P(響、順調にやってるみたいだな! ファンの皆も喜んでくれてるみたいだ)

P(しかし……ちょっとサービスが良すぎるのか、
 他の二人に比べて、列の進みが遅いみたいな……)



  *  *  *


響「うぇー……やっと休憩……」

P「前半お疲れ様。ほら、サンピン茶」

響「ありがと……」ゴキュゴキュ

P「どうだ、感触は?」

響「……ファンのみんな、良い人ばっかりだから、自分も楽しいけど、
  なんか、思ったより……、疲れたぞ……」

P「うーん、まぁそうだろうな。あれだけリクエストに答えてたら、疲れるだろ」

響「……ねぇ、プロデューサー。
  自分、もっと適当にやった方がいいのかな?」

P「え? 適当?」

響「ずっと気になってたんだ。うしろに並んでる人達、まだかなって顔してたの。
  あれってきっと、自分がちゃんと答えてるせいで、進みが遅かったからだよね」


P(……響のやつ、ちゃんと見てたんだな。スタッフの人がなんとか仕切ってたけど、
 確かにあのままじゃあ、響だけ終わるのが遅くなってしまいそうだ)

P(でも、適当にやらせるなんて……)


P「……そうだな、それじゃあ後半は……」


1 これまで以上に全力でやるんだ
2 適当にやるんだ
3 その他

>>700

響の好きなようにやればいいさ


P「響の好きなようにやればいいさ」

響「え? 好きに?」

P「ああ」


P(俺があーだこーだと指示を出して、響がそれをヘンに意識してしまうのは良くないだろう。
 響は考えすぎると頭がかゆくなって集中できなくなるタイプだからな)

P(それよりは、響の思うようにやらせた方が、ファンの皆も喜んでくれるはずだ)


響「ほ、ホントにやりたいようにやっていいの? あとで怒んないか?」

P「もちろん! 責任は俺が取る、だから響は何も気にするな!」

響「……そっかー……えへへ、わかったぞっ!
  それじゃあ自分、今からもう一回行ってくるっ!」ガタッ

P「あはは、気合い入ったみたいだな──え? 今から?」

響「みんなー!」タタッ

P「ちょ、響!? まだ後半始まってないぞ!?」


 ざわ……

       ざわ……


P「……い、一応、俺も様子を見に行ってみるか……」


──────
────
──


P「……」

P「あの人だかりは……」



 ざわ……

       ざわ……



響「あっ、CD持ってるんだ! よーし、出して出して!」

ファンC「響さん! つ、次、俺も……」

ファンD「ぼ、僕も!」

響「順番、順番! えへへー、はいっ!」



P「……響の身長は小さいから、ここからじゃ見えないけど、
 たぶんあの山の中心に響がいるんだろうな……」


P(どうやら響は、この休憩の時間を使って、握手会に集まったと思しきファンのみんなに、
 手当たり次第に交流をはかっているらしいな)

P(スタッフの人達も、予想外の響の行動に呆れている……)

P(……でも)



響「それじゃあいくぞー! はいさーい!」

ファンEFG「「「はいさーい!」」」

ワァァ……!



P(さっきまでの疲れたような声色とは打って変わって、
 響、思いっきり楽しんでやれてるみたいだな)

P(きっと前半は、うしろで並んで待っている人達の顔色が気になって、
 そのことが響の肩にのしかかっていたんだろう)

P(……この調子なら、後半ももう問題は無さそうだな!)


パーフェクトコミュニケーション!


P(そしてそれからも、順調にファン感謝イベントは進んでいった)

P(後半が始まってからの響は、椅子に座っている時間の方が短かったけど……
 まぁ、そのへんはあとで俺がスタッフの人に謝ればいいよな。なんくるないなんくるない)

P(駆けつけてくれたファンの皆も喜んでたし、今回のイベントは大成功のようだ!)



P(……しかし)



  *  *  *



スタッフ「えー、それでは……もう終わりのようですね」

「あの……もし。もう、いべんとは終わってしまったのでしょうか?」

スタッフ「あ、す、すみません、大丈夫で──えっ!?」

「何か……?」

スタッフ「い、いえ……我那覇さん、ラスト一人、お願いします」

響「はい! えーっと……」

響「っ!?」

P(あ、あれは……!?)


貴音「……響。私にも、握手をして、いただけますか?」

響「う、うん……」ギュッ


P(貴音……?)


東京
                           765プロ事務所

                      ──────────
                          活動 16週目 夜



P(ファン感謝イベントも無事終了し、俺達は一日の報告をすべく、
 事務所へと帰ってきたのだが……)


貴音「……」

響「……」

千早「……」

真美「あぅ……」

小鳥「……」

P「……」


P(なんという空気の重さ)


P(響と貴音の間に何かあった、ということは、
 以前から気にかかっていたことではあったけど……)

P(先週のカラオケでは、ふたりが同じ部屋にいても特に問題は無かったようだから、
 てっきりもう解決したのかと思ってた……)

P(どうしよう、ここはひとつ──)


1 渾身のダジャレでもぶちかまそう……!
2 黙って様子を見よう……
3 その他

>>707

3 思い切って、響と貴音に直接理由を訊いてみよう


P(いつまでも黙って様子を見るなんて、性に合わないな)

P(よーし……! ここは思い切って、響と貴音に直接理由を訊いてみよう!)



P「すぅー……はぁー……」

小鳥「……? プロデューサーさん?」

P「響! そして貴音ぇっ!」ガタッ

響・貴音「」ビクッ

P「なにがあった?」

響「え……」

P「明らかに空気が変だってことは、二人も気づいてるだろ?
 それにそのことを、俺達みんな気にしているってことも」

貴音「……」

P「なにがあったか、教えてくれ。先週一緒にいるときは、
 なんともなかったじゃないか」

響「そっ、それは、その──」

貴音「……響。それは、私から説明いたします」

響「貴音っ!?」

貴音「……響は悪くありません。悪いのは、私なのですから……」


貴音「プロデューサー。プロデューサーは先程、
   先週のからおけでは何もなかったとおっしゃいましたが……」

貴音「……実を言いますと、私達は、一度も、言葉を交わしてはおりませんでした」

P「……そうだったのか」

貴音「はい。正確に言えば……響が私に話しかけてくれたのですが、
   私がそれを、無視してしまっていたのです」

響「ち、ちがうし! 貴音は自分のことを無視なんてしてないぞ!
  ただ、『はい』とか『いいえ』しか言わなかっただけで……」

真美「お姫ちん、ドラクエみた──もがもが」

千早「真美、今はそういう空気じゃないでしょう」

真美「はーい……」

P(千早が空気を読むだなんて……)


P「……ごほん! それで、さ。カラオケではそういう感じだったとして……」

P「結局、何があったんだ? 二人は昔、仲が良かったらしいじゃないか。
 それがどうして、今みたいな……互いに互いの腹をさぐるような感じになっちゃったんだよ」

貴音「……、……そうですね……。
   もう、お話してもいいかもしれません」

響「……た、たかっ」

貴音「言葉にして、向き合わなければ、
   私達も、これより前には進めないでしょう。違いますか?」

響「……」

貴音「……私は、もう嫌なのです。響とすれ違いを重ねることは……!」


貴音「これよりお話することは、以前プロデューサーにお話したことの、続きです」

貴音「……少々長くなりますが、最後まで、よくお聞きになってください」

P「……ああ」



P(それから貴音は、ゆっくりと、俺達に語ってくれた)

P(ともに歩むことを決めた響と貴音の道が、いかにして別れてしまったのかを……)


P(……そして俺は、知ることになる。響達の間に起きた問題は、彼女達だけでなく)

P(最後のひとり──三浦あずささんの運命も、ほんの少し、変えてしまったということを)


──────
────
──



【『響と貴音』 編2 につづく】

今日はこれで以上です お付き合いありがとうございました
明日は書けないので、次は日曜のお昼すぎから再開します

こんな時間になっちゃいましたが再開します
回想編になるのでしばらく安価がありません

 

『響と貴音』 編2

 

 
貴音(──私と響が出会ってから、数週間が経ちました)

貴音(私達は所属事務所を求めて、行動をともにしていたのですが……)



響「なー、貴音。そういえば貴音って、どこの出身なんだ?」チュルチュル

貴音「それは……古い都ですよ」チュルチュル

響「ふーん。なんかカッコいいね!」

貴音「ふふ……しかし、そんなことよりも、響? いけませんよ」

響「へっ? なにが?」チュルチュル

貴音「らーめんを食べるときには、静かにしましょう」

貴音「食材と、食材を育てた方、そしてこれを調理してくださった方……
   私達は、集中し、全身でらーめんを味わうことで、
   らーめんに関わったすべての存在に感謝をしなくてはなりません」

響「そ、そうだね……ごめんなさい店員さん!」

店員「お構いなく」

チュルチュル……



黒井「……む?」

黒井「あの屋台でラーメンをすすっている二人は……」

 

響「ごちそーさまでした!」

貴音「真に、美味しゅうございました……」

店員「またどうぞ」


  *  *  *


テクテク……

響「それじゃ、貴音。今日はこれから……」

黒井「ボンジュール、マドモァゼル」

響「え?」

貴音「はて……あなた様は、一体……?」

響「……ダメだぞ、貴音。道を歩いて急に声をかけてくる人は、変態って決まってるんだ」

黒井「な、なにィ!?」

貴音「なんと! ではこの方が、かねてよりウワサに聞く、変態様……
   ふふっ、思っていたより、黒いのですね」

響「お腹の中も真っ黒に決まってるさー。いこいこ!」

黒井「ぐっ……待ちたまえ! くそっ、待てというのに!」

響「なんだよー、しつこいぞっ!」

黒井「……申し遅れたな。私はこういうものだ」


スッ


響「これ……名刺?」

貴音「……961、プロ?」

黒井「そう! この私は、セレブで! エ〜レガントで!
   世界で最も優秀な芸能プロダクション! 961プロを率いる、社長の黒井だ」

響・貴音「「……芸能プロダクション!?」」

黒井「ウィ……お嬢さん方、少々、私に時間をいただけるかな?」



黒井「で、あるからして……」ペラペラ


黒井「我が961プロでは王者にふさわしい優秀な人材を……」ペラペラ


黒井「セレブで……ゴージャスで……ファンタスティックなアイドルを……」ペラペラ


貴音・響「……?」ポケー


貴音(どうやら、この人物の名は、黒井崇男……)

貴音(時折言葉に混ざる横文字については、あまり理解が出来ませんでしたが……
   要約すると、私達を見て声をかけてきたのは、自らの経営する事務所の所属タレントとして
   私達を勧誘するため、とのことです)



響「……ね、ねぇ貴音! 言ってること、ほとんどよくわかんなかったけど、
  これってもしかして、スカートってやつじゃないか!?」

貴音「すかーと?」

響「そうそうっ! きっと自分達、アイドルにならないかって言われてるんだ!」

黒井「それを言うならスカウトだよ君」

黒井「まぁ、そんなことはどうでもいい。どうかな? 
   この私のもとで、頂点を目指してみる気はないだろうか」



貴音(……正直に申しまして、少々の怪しさも感じましたが……)

貴音(所属事務所を探していた私達にとっては、まさに渡りに舟の提案であることには間違いありません。
   私達は二つ返事でその誘いに了解の意を示しました)


貴音(……しかし──)


──────
────
──


【レッスンスタジオ】


♪KisS

響『……朝だって──……♪』

貴音『夜だって──……』

響『瞳を閉じれば一緒だから 抱きしめて今……』


貴音・響『ねぇ Kiss Kiss Kiss──……♪』


貴音(……私達二人が黒井殿の提案に乗り、961プロに所属して二週間ほど経った頃のことです)

貴音(黒井殿の言っていたとおり、この事務所には確かに力があるようでした)

貴音(私達は、それまででは考えられなかった最高の環境を与えられ、
   アイドルとしてデビューするその日に向けて、レッスンの日々を過ごしておりました)

貴音(しかしながら……)


  *  *  *


「「お疲れ様でした!」」


バタン……


響「……」キョロキョロ

貴音「響? どうかしたのですか?」

響「……ねぇ、貴音。今なら、誰もいないから言うけど……」

貴音「……はい」

響「なんかさ……この事務所、変じゃないか?」

貴音「……響も、そう感じておりましたか」


貴音(……おそらく、もし私が一人だったなら、その疑惑にも見て見ぬフリをしていたことでしょう。
   私と響は、常に二人で行動していたため、そのことに気づくことができたのです)

貴音(この事務所全体に漂う、異様とも言える、勝利への執念に……)


響「自分、今朝、たまたま社員の人達の朝礼を聞いちゃったんだけど……」



黒井『では復唱しろ! 私達は最強です!』

社員一同『『『私達は最強です!』』』

黒井『私達は最強です!!』

社員一同『『『私達は最強です!!!』』』

ウォォォォ!!



響「って……」

貴音「そ、それは……確かに、面妖な光景ですね」

響「……それにさ、自分、こんなことも言われたんだ。む、むむ……」

貴音「む?」

響「……コレ」スッ

貴音「はて、これは? 何やら、面妖な感触ですが」プニプニ

響「……それ、胸パッドって言うんだぞ」

響「それを衣装の下に詰め込んで、その……、胸の大きさを、誤魔化せって……
 プロフィールには、もう、そう書いちゃったからって……」カァァ

貴音「……」

響「いいのかな!? こ、これってつまり、ウソついてるってことでしょ!?」


貴音(芸能界では、このようなことはよくあること、と聞きますが……)

貴音(しかしながら、それもまた、私達の心に芽生えた一抹の不安を、
   より大きくしてしまっていたのでした)



  *  *  *


貴音(しかしながら、そのような思いを胸に抱きながらも、
   決して外には漏らさず……、私達は鍛錬の日々を続けました)

貴音(全ての不安は、アイドルとしてデビューすれば晴れていくと……そう信じていたのです)

貴音(何より、私達には黒井殿に大きな恩義がありました。
   道に迷っていた私達に目をかけ、希望を与えてくれたのですから)



響「貴音っ! 明日はついにオーディションだぞ!」

貴音「ええ。私達の初の舞台……気を抜かずに参りましょう」

響「うんっ!」



貴音(……しかし、その希望すらも)

貴音(やがて消えていくということを……このときの私達はまだ、知る由もなかったのです)


──────
────
──


【翌日 オーディション当日】


ざわざわ……


響「うー……な、なんか自分、緊張してきちゃったかも」

貴音「……響、落ち着きなさい。心を静めなければ、実力も発揮できませんよ」


貴音(その日、私達が受ける選考は、デビューの舞台としては少々大規模なものでした)

貴音(黒井殿は、『何も心配することはない』とおっしゃっていましたが……)



テクテク……

アイドルA「あはは! えーそれマジー?」

アイドルB「マジマジ! チョベリバって感じじゃない?」

響「あ、あの人達、テレビで見たことある……」

貴音「……」

響「……たっ、貴音! 自分、ちょっとトイレ!」

貴音「お、お待ちください! 私も……」


【女子トイレ】


ジャー……


響「……うん! すっきりしたら、なんか不安も飛んでったぞ!」

貴音「……そうですね。私も、覚悟が決まりました」

響「よーし! それじゃあ貴音、行こ──

ガチャッ

あずさ「律子さーん……あら? ここじゃな──

響「へっ?」

ぷにょん!

あずさ「きゃっ!」

響「うわっ! ご、ごめん貴音っ、ぶつかっちゃった!」

あずさ「え? 貴音……?」

響「あれ? 貴音、ちょっと胸大きくなった?」プニョプニョ

あずさ「そ、そうかしら〜……?」

貴音「……」


貴音(……響がどのような部分で人を判断しているかは、さて置いて……)

貴音(とにかく、これが……、私達と三浦あずさとの、初めての出会いだったのです)



テクテク……


あずさ「ごめんなさいね、道案内してもらっちゃって……えーっと……」

貴音「私は、四条貴音と申します」

響「自分、我那覇響だぞ!」ピョンッ

あずさ「貴音ちゃんに、響ちゃん。ふふっ、ちゃーんと覚えたわ」


貴音(道すがら、私達は互いに自己紹介をしました)

貴音(どうやら、道に迷っていたこの彼女──三浦あずさも、
   今回のオーディションの参加者だったようです)

貴音(デュオのユニットを組んでいるようですが……)


  *  *  *


あずさ「私達も、まだまだ全然有名じゃないんだけど……
    社長のおかげで、今回のオーディションを受けることができたの」

あずさ「ここまで大規模なオーディションは今回が初めてだからって、
    私も、張り切ってきたのはいいんだけどね、途中で──……あ」

律子「……あぁっ!」

あずさ「うふふっ、いたいた。律子さ〜ん!」トテトテ

律子「もう、や〜っと見つけた! あずささん、
   本番間近だっていうのにどこ行って……あら?」

貴音「……」ペコッ

律子「ど、どうも……」ペコッ


あずさ「道に迷っていたんだけど、この子達に助けてもらっちゃったんです」

律子「そうなんですか……あなた達、あずささんを連れてきてくれて、ありがとう。
   ここにいるということは、あなた達も今日のオーディションの参加者かしら?」

貴音(……! この方達は……)

響「そうだぞっ! 自分達は、961プ──」

貴音「『月光花』と申します」ズイッ

響「え? 貴音……?」

律子「『月光花』? ……うーん、私のデータにはないユニットね」

貴音「私達は、今回が初の舞台ですので……
   至らぬ点もあるかと思いますが、何卒、よろしくお願いいたします」

律子「ええ、よろしく! 私は秋月律子。お互い、全力を尽くしましょう!
   ……さ、本番前の確認確認。行きますよ、あずささん!」

あずさ「はーい。それじゃあ貴音ちゃん、響ちゃん。
    さっきは助けてくれて、本当にありがとう。頑張りましょうね〜」フリフリ



  *  *  *



響「……ねぇ貴音。なんで、自分達が961プロだ、って言わなかったんだ?」

貴音「あの二人は、765プロダクションのアイドルだからですよ。
   彼女達が身に着けていた衣装に、そう書いてありました」

響「え!? な、765プロってあの、ズルいことばっかりしてる変態事務所!?」

貴音「……ええ。961プロと765プロは、犬猿の仲という話ですから。
   余計なことを言って、わざわざいらぬ争いを招くこともないでしょう」

響「そっか……」


貴音(……765プロと言えば、黒井殿が常日頃口にしている、
   961プロダクションの敵事務所……)

貴音(しかし──)


響「でもなんか、話で聞いてたのとは、全然違って見えたぞ」

貴音「……それは、私も、同感です」


貴音(かねてより私達は、黒井殿の言葉……そして961プロダクションの方針には、
   いささかの疑問を抱いておりました)

貴音(だからこそ、私はこのとき、自分達の身分を明かさなかったのです)

貴音(本当に卑劣な手段を取っている者達なのかは、選考本番になればわかることですから……)


──────
────
──

貴音(そして、ついに……選考が始まりました)

貴音(選考は実際に舞台の上に立ち、順々に歌を披露するというもの。
   その様子は、邪魔をしない限り、他の参加者も舞台袖から見ることができました)

貴音(私と響も、他のアイドル達の歌を聴いていたのですが──……)



審査員「……はい、ありがとうございました。それでは次は……、前半の部の最後ですね。
    エントリーナンバー8番。876プロ所属、水谷絵理さん。どうぞ」

絵理「……よろしくお願いします」ペコッ



  *  *  *



律子「水谷さん……やっぱり来たわね。
   まぁ、この規模だから、ランクCが参加しててもおかしくはなかったんだけど……」

あずさ「そうですね〜……はぁ、大丈夫かしら」

律子「ああっ、でも弱気にならないで、あずささん。もちろん、勝算が無いわけじゃありません。
   あの子のことはよく知っているでしょう?」

あずさ「そうですけど……」


貴音「……?」



絵理『……すぅー……』


──……♪

…… いま 目指してく 私だけのストーリー

          BRAND NEW TOUCH 始めよう ……


絵理『SAY "HELLO!!"──……♪』


審査員「……」カキカキ



  *  *  *



絵理『……教科書がすべてじゃない 正解なんて無い世界──……♪』



響「……すごいね」

貴音「……ええ」

貴音(彼女……水谷絵理は、これまでの参加者とは一線を画す実力の持ち主のようでした)



絵理『いつか見たい 掴みたい まっすぐに……進む 光──……♪』



貴音(舞台の光を、まるで自らの手足のように……
   ただ踊っているように見えますが、あれはおそらく、緻密な計算を行ったの上での動きなのでしょう)



絵理『今 新しく描きだしたSTAGE』

絵理『夢になる 愛になる ほら何だって本当になる──……♪』



貴音(どこに立てば、自分の表情が最も映えるか……。
   彼女は確かに、それを理解しています)

貴音(あれが、アイドルとして経験を詰んできた者の、動き……)

貴音(他の参加者も審査員も……、その場にいた全ての者が皆、
   その瞬間だけは、彼女に魅了されておりました)


──────
────
──


審査員「……以上で、前半の部を終了します。
    二十分後に後半の部を始めますので、エントリーナンバー9番の方は準備をしておいてください」


  *  *  *


絵理「尾崎さん! わたし……」タタッ

絵理「……? いない……?」



貴音「……」

響「……」

貴音「……響」

響「うん……」

貴音「全力を、尽くしましょう」

響「そ、そうだね! まだ結果は決まってないぞ!」




貴音(──しかし)

貴音(『全力を尽くす』……私達には、たったそれすらも……、許されませんでした)



絵理「尾崎さん? 尾崎さーん……」

貴音「……?」



貴音(……思えば、この瞬間からでしょうか)

貴音(私は、何やら……不吉な予感を感じ取っていたのです)

貴音(会場全体を覆うような、不安体で、面妖な気配を……)

 
──────
────
──


貴音(胸騒ぎを感じつつも、その後も選考は続いていき……)



審査員「……はい、ありがとうございました。
    えー、では……エントリナンバー13番。765プロ所属、『ナムコエンジェル』さん、どうぞ」

律子・あずさ「はいっ!」



貴音(──ついに)

貴音(この瞬間が、やってきてしまいました)



貴音「……っ」キョロキョロ

響「貴音? どうしたんだ?」

貴音「……違和感が」

響「え?」

貴音「響、あなたにはわかりませんか? 私はあまり目が良くないので、
   はっきりとしたことは言えませんが……」

響「目? 目って……ど、どういうことっ!?」

貴音「……舞台」

響「ステージが、どうかし──


貴音「そうですっ! 舞台の……、光が……!」



貴音(……ふと見上げると)


貴音「……っ!」


グラッ……


貴音(舞台を照らす、照明器具の止め具が外れ)



律子『朝でも 夜でも──……』



貴音(その瞬間、まさに……)



貴音「み……!」

響「……っ!」タッ




あずさ『夢でも ねぇ、シャララ──……♪』




貴音(三浦あずさの頭上に、巨大な照明器具が、降りかかろうとしていました)






貴音「……三浦あずさっ!!」

あずさ「え────……?」

貴音「伏せなさいっ!!!」




「────っ!!」




……ガッシャーン!!!




 ざわ……

      ざわ……



響「いつつ……」

あずさ「……え……?」



 い、今……

    ──おい、曲止めろ!

            大丈夫ですかー!?



あずさ「あ……ぁ……」

響「……へ、へーきか?」

あずさ「え、えぇ……あり、が……とう……ひび、き、ちゃ……」

律子「あずささんっ!」

貴音「響っ!」



貴音(三浦あずさは……)

貴音(……咄嗟に飛び出した響に抱えられ、震えていました)



貴音「響っ、無事ですかっ!? あぁ、なぜ、このような危険なことを……!」

響「えへへ、つい飛び出しちゃって……でも大丈夫! 自分はなんくるないさー!」

あずさ「……、……っ!」

律子「あ、あずささん……?」


貴音(幸いなことに、彼女が負った怪我は、擦り傷だけだったようです。
   重傷を負った者は、ひとりもいませんでした)

貴音(……けれど──)



 ざわ……

        ざわ……


     一体なんでこんな……おい、点検はしてなかったのか!?


              ……──き、さん? ──ざきさん、まっ──……


  いえ、先月の点検ではなんの異常も……



貴音「……」

??「……」タタッ

貴音「……? あれは……」



貴音(けれど──私は、この目で見てしまったのです)

貴音(騒ぎを聞いて駆けつけた人混みの中に、
   この場所にいるはずのない人物がいたことを……)


──────
────
──


──────
────
──


貴音(その後……、選考は、中止となりました)

貴音(この続きは後日、会場を替え、改めて行うとのことでしたが……)



あずさ「……」

律子「あずささん、ほら、捕まって……もうすぐ社長が迎えにきてくれますからね」

あずさ「……は、い……」



貴音(……彼女の心には、取り返しのつかない傷が、出来てしまったようです)



  *  *  *



響「大丈夫かな……」

貴音「……っ」

響「……貴音? どうしたんだ?」

貴音「……いえ。響、あなたは本当に大丈夫ですか?」

響「うん……ちょっとビックリしたけど、自分はへーきだぞ」

貴音「……そうですか。でしたら、私達も、もう……今日のところは、帰るとしましょう」



  *  *  *



貴音(──しかし私は、最後に見たあの人影が忘れられず……)

貴音(その夜、響に黙って……、ひとりで、この場所を訪れました)



コン、コン……


黒井「入りたまえ」

貴音「……失礼いたします」



貴音(961プロダクションの、社長室へと……)


貴音「……」

黒井「事故があったようだな。報告は既に聞き及んでい──

貴音「黒井殿」

黒井「……なんだ」

貴音「単刀直入にお聞きします」



貴音「なぜ、あの場所にいたのですか?」

黒井「……」



貴音「……貴方は本日、北東エリアに観光……
   と言う名の、仕事をしにいっていると、お伺いいたしました」

黒井「ノンノン。私はセレブだ。庶民共と違って、あくせく仕事などしないよ」

貴音「もう一度お聞きします、なぜ、あの場所にいたのですか?」

黒井「……ふん。つまらん女だ」


黒井「例の事故について、私が手を加えたと、そう思っているのか?」

貴音「……私は、納得のいく説明を求めているだけです」

黒井「……フン。まぁ、どちらでも良い」

黒井「大方、こう考えているのだろう? 765プロのアイドルが危険な目に合い、
   そして常日頃765プロを敵対視している私がその場にいた……だから、私が怪しい、と」

黒井「奴らに感情移入でもしたか? バカめ……」

貴音「……そうではありません」

黒井「何?」

貴音「……一歩間違えば、響が大怪我を負っていました」

貴音「私は、そのことで……犯人に対し、何より、怒りを感じているのです……!」

黒井「クックック……犯人ときたか……ただの事故、とは考えないのか?」

貴音「会場に漂っていた違和感は、現場にいた私が、最もよく感じておりました故」

黒井「ただの勘だろう」

貴音「はぐらかさないでくださいませ。私は、貴方の口から、
   なぜ貴方があの場にいたかという理由をお聞きしたいだけなのです」

黒井「……」



黒井「……一つだけ、言えることがある。それは……
   765プロごときを潰すには、このようなつまらん手を使うまでもないということだ」

貴音「……では、貴方は無関係だと?」

黒井「……」


ガタッ……


貴音「お待ちください……!」

黒井「……気に入らないな。その、何もかもを見透かしたような瞳……
   かつての『彼女』を思い出すようだ」

貴音「黒井殿、話はまだ──!」

黒井「……、……四条、貴音」ギロッ

貴音「……っ」

黒井「この世界は広く、どこまでも暗い。一つの視点では見えてこないことも、数多く存在するのだよ。
   そして、その全て知ることが、アイドルにとって必ずしも幸せなこととは限らない」

貴音「それは……どういう、意味でしょうか」

黒井「知らない方がいいこともある、ということだ。
   お前達は、私の指示だけを黙って聞いていれば、それでいい」

貴音「……」

黒井「私から話せることは一切無い。これ以上、この件について首を突っ込むのはやめろ」

貴音「……お待ちくださいっ! まっ……」

黒井「アデュー!」


バタン……


貴音「……」


──────
────
──


貴音(……そしてそれから、数日が経過して──)



審査員「合格者は……876プロダクション所属、水谷絵理さんです」

絵理「……はい」

審査員「えー……ではこれで、オーディションを終了します。
    この度は、皆様に、多大なるご迷惑をおかけし、真に申し訳ございませんでした」



貴音(あのような事故があっても、何事も無かったかのようにオーディションは続きました)



審査員「謝罪の……は、後日、正式に……」



貴音(……私にはもう、何が正しいのかさえ、わかりません)

貴音(ただひとつ、確かだったことは……その場所にはもう、
   三浦あずさと秋月律子は、いなかったということだけです)



  *  *  *



貴音「……響」

響「うん……」

貴音「……もう一度、やり直しましょう」

響「……そうだね」



貴音(黒井殿とのやり取りは、響には黙っておりました)

貴音(……余計な心配をかけさせないため、というのもありますが、
   私自身、あまりあの日のことは、思い出したくはなかったのです)

貴音(ですが、響には……)



響「よーしっ、貴音! 今からラーメン食べに行こ!
  美味しいもの食べれば、元気になるさー!」

貴音「……ふふっ。はい!」



貴音(響には、何も言わずとも……、私の考えてることは、伝わっていたようです)




  *  *  *



社員「社長。ご報告を」

黒井「……」

社員「デュオユニット『月光花』の構成メンバー、四条貴音、我那覇響……
   両人が、本日を持って961プロダクションを辞めるとのことです」

黒井「……そうか。やはり小娘共には、荷が重かったようだな」

社員「……止めないのですか?」

黒井「フン。水谷絵理ごときにすら勝てない負け犬など、
   我が961プロダクションには必要ない。好きにさせるがいい」

社員「はぁ……」

黒井「クックック……それに、彼女達の代わり……
   いや、それ以上の逸材は、すでに用意してあるからな」


コンコン……


黒井「入れ」


ガチャッ……


冬馬「……邪魔するぜ」

すみません、眠気が限界なので、今日はここで終わりです
明日また書きます
ちなみに響貴音のユニット名「月光花」は、はらみーとぬーが歌ってたカバー曲からもらいました

再開します
引き続き回想編なので、しばらく安価がありません


──────
────
──


貴音(961プロダクションを辞めた私達は、再び以前のような生活に戻っていきました)

貴音(そうして過ごしていた、ある日……)

貴音(季節が過ぎ行き、樹木も赤く色づき始めた頃のこと──)




貴音「……はて? あれは……」



あずさ「……」

ギィ……ギィ……



貴音「三浦あずさ……」



貴音(自宅までの帰り道の途中、偶然通りかかった公園で、三浦あずさを見かけたのです)

貴音(彼女は一人、ぶらんこと呼ばれる遊具に腰掛け、物思いにふけっているようでした)



『……、……っ!』



貴音(……私の心には、未だに、最後に見た彼女の表情が焼きついたままでいました。
   恐怖に染まり、怯えきった顔が……)

貴音(……)

貴音(私は……、彼女に声をかけずには、いられませんでした)



貴音「……お久しぶりです、三浦あずさ」

あずさ「え……?」

貴音「私のことを覚えておりますか?」

あずさ「……『月光花』の、貴音ちゃん。ふふっ、覚えてるわよ、ちゃんと……」



  *  *  *


ギィ……ギィ……


あずさ「……オーディション、どうだった?」

貴音「合格者は、水谷絵理となりました。私達は、残念ながら……」

あずさ「……そう。やっぱり、絵理ちゃんはすごいわね」


貴音(彼女の隣の遊具に腰掛け、ふと空を見上げると、
   宵闇の中に、冷たく光る三日月が浮かんでいるのが見えました)

貴音(時刻は十九時。少女達は、もう、暖かい家へと帰る時間です)



 ビュゥゥ……!

       パラ、パラパラ……


あずさ「……っ」



貴音(その身体が震えたのは、決して秋風の冷たさのせいだけではないでしょう)

貴音(……音も無く散るのは、枯葉なのか、夢か。
   彼女は今、何を思っているのか……)

貴音(なぜだか他人事のようには思えず、しかしどう話したら良いかもわからず……。
   私にはただ……、彼女の隣に座り、その口が開くときを待つことしか、できませんでした)



あずさ「……」

貴音「……」

あずさ「……貴音ちゃん。私ね……」

貴音「……はい」

あずさ「もう……、歌えないって、思っちゃったのよ……」



貴音(……彼女はゆっくりと、語り始めました)



あずさ「……私は、アイドルの皆の中でも、最年長だから……、
    皆のお手本にならないと、って……、思っていたの」

あずさ「だから、あれから何度も、もう一度歌おうって思った。
    もう一度ステージに立つために、頑張ろうって思った」

あずさ「……で、でも……!」



貴音(風が吹くたびに肩を震わせながら、彼女は、その心を吐露していきます)



あずさ「もう、私は……、あのときのことを思い出すと、
    足が震えて、立ち上がれなくなっちゃってたのよ……!」

あずさ「私……、私はっ、自分が……、情けなくて……」

あずさ「やっぱり……──の人に、見つけてもらうなんて……
    そんな甘い考えじゃ、やっていけないのかなって……!」



貴音(……あずさは、声もあげず、静かに泣いていました)

貴音(ひび割れた願いに、傷ついた彼女の心は……
   未だ、帰る場所を失くしたままのようです)



貴音「……あずさ」



貴音(それはまるで、かつての私を見ているようで──)



あずさ「え……?」

貴音「少々、私事を話しても、構わないでしょうか?」



貴音(私には、どうしても……、彼女を見捨てることが、出来ませんでした)


貴音「……私にも、かつて、夢がありました。
   夢というより……使命と言った方が、良いのかもしれませんが」

あずさ「使命……?」

貴音「……はい。私は、幼い頃よりずっと、
   『そうすることがお前の生きる道だ』と教えられ育って参りました」

貴音「それは、私の目標であり、たったひとつの生きる意味……」



貴音(……それは)

貴音(頂点に立ち、歌を歌うことで……、
   『私はここにいる』と、世界中に散らばる同胞へ伝えること……)



貴音「──しかし、その使命も……、ある日、突然に、
   私ではない、他の者に、委ねられてしまったのです」



  *  *  *



貴音「生きる意味を奪われた私は、ただなんとはなしに、毎日を過ごしておりました」

貴音「これまで歩いてきた道を否定された私は、
   かつて目指した場所に何があるのか確認するために、アイドルを目指していたのです」

貴音「ですが……」



『……きっと、審査員の方は、見透かしていたのでしょうね』

『見透かすって?』

『……いえ』



貴音「……それも、思うように、上手くはいきませんでした」


貴音(当然のことでしょう。私には、確固たる信念が無かったのですから)

貴音(夢を奪われた私が、夢を追う者に敵う道理などありません……)



あずさ「貴音ちゃん……」

貴音「……ですが、それでも」



『えへへっ、貴音は落ち込んでるより、笑ってるほうがずっといいさー!』



貴音「それでも、そんな私にも……、大切な友が出来ました」



『貴音といっしょなら……きっと、なんくるないよねっ!』


貴音「彼女は、私のことを必要としてくれました」




『もし、同じ事務所に、ふたりとも受かったらさ!』

『そのときは……絶対、一緒のユニットで、アイドルやろうねっ!』


貴音「彼女は、希薄だった私の存在に、価値を与えてくれました」




あずさ「それって、もしかして……響ちゃん、のこと?」

貴音「……はい」


貴音(恐る恐る踏み出した、あの夏の日から……私達は、常に共にいました。
   そして、きっと、今の私は……、響の為に生きているのでしょう)


貴音(響の笑顔が見たい。
   彼女の笑顔は、私を、救ってくれたから)

貴音(響が悲しみに暮れているときには、
   傍にいて、彼女の悲しみを共有したい)

貴音(響が共に歩もうと言ってくれるのなら、
   私は、どこまでも、彼女と一緒に……)



貴音「……」

貴音「……ふふっ」

あずさ「え……?」

貴音「あずさ。あなたにも、いるはずですよ。
   私にとっての響のような……大切な、仲間の存在が」

あずさ「仲間……」

貴音「……後ろを、向いてみてください」



ザッ……


律子「……あずさ、さん」

あずさ「……!」


──────
────
──


貴音(それから私は、少し離れたところから、二人の様子を眺めていました)

貴音(そのようなことをせず、黙ってこの場を去れば良かったのかもしれません。
   しかし、野暮なことだとはわかっておりましたが……このときだけは、
   あずさが選ぶ道を、最後まで見届けたいと……、そう思ったのです)

貴音(そして……)



  *  *  *



律子「……四条さん」

貴音「……話は、終わったのですか?」

律子「ええ」

貴音「彼女は……?」

律子「今日のところは帰る、って言ってたわ。
   まだ、一人でいる時間が欲しいみたい」

貴音「……そうですか」


律子「あずささん、言ってたわ。あなたと話をして、とても気持ちが楽になったって。
   ……本当に、ありがとう。あなたには、何度も助けられちゃってるわね」

貴音「……構いませんよ。私はただ、自分のことを話しただけですので」

貴音「もし楽になったというのなら、それは……他でもない、彼女自身の心が、
   自分の力で、上を向き始めたということでしょう」

律子「……あなたは、優しいのね」



貴音(……優しくなど、ありません)

貴音(私はいつだって、自分のことを考えるだけで、精一杯なのですから)



貴音「……あの、秋月律子? ひとつ、お伺いしてもよろしいでしょうか」

律子「え? なに?」

貴音「貴女は、今……彼女に、何を求めているのですか?」

律子「……」

貴音「もう一度、アイドルに戻って欲しいと……そう、思っているのですか?」

律子「……ええ、もちろん、そう考えてはいるわ」


律子「……あずささんはいつも、実家のご両親から、
   アイドルなんて辞めて、普通に暮らして欲しいって言われているらしいの」

律子「だから、今のあずささんはきっと、放っておいたら、
   事務所を辞めて私達の元から去ってしまう……」

律子「……でも、それじゃ、私がイヤなのよ」

貴音「それは、寂しさからですか?」

律子「もちろん」

貴音「……しかし、だからと言って、今の彼女に
   無理をさせることが正しいとは、私には到底思えません」

律子「ちがう! さっきはああ言ったけど……
   私は別に、アイドルを無理矢理やらせたい、ってわけじゃない!」

律子「アイドル辞めるのも続けるのも、あずささんの自由よ。
   でも……、でも! 765プロで築いた最後の思い出が、こんな形になっちゃうだなんて……!」

律子「……『アイドルが怖いもの』なんだって、そう思われたまま、この先ずっと過ごしてほしくない」


律子「アイドルは皆に夢を、笑顔を届ける職業なんだから……!」

貴音「……」


律子「だから……、せめて、もう一度話を──って」

貴音「……ふふっ、ふふふ……」

律子「な、なんで笑ってるわけ……? 私、何かおかしなこと言ったかしら?」

貴音「い、いえっ……私は決して、可笑しくて笑っているわけではありません」



貴音(私がなぜ、あずさのことを放っておけなかったのか……
   このとき、初めてわかったような気がいたしました)

貴音(それは、過去の自分と彼女が重なって見えたから、などではなく──)



貴音「……私は、嬉しかったのですよ」

律子「嬉しい?」

貴音「はい……!」



貴音(私はきっと……、彼女に、いえ、彼女達に惹かれていたのでしょう)

貴音(彼女達の間に当たり前に存在する、思いやりの心……
   それは、私が何より、欲していたものだったからです)


律子「……なーんか、あなたと話してると調子狂うわね」ポリポリ

貴音「申し訳ございません……ふふっ」

律子「……ま、いいわ。とにかく、無関係のあなたに、こんな話をしてごめんなさい。
   えっと、確か四条さんは……『月光花』、だったかしら?」

貴音「『月光花』は、もう解散いたしました。私と響は、
   わけあって所属事務所を辞めてしまいましたので」

律子「あ、あら、そうなの。今度改めてお礼を、とでも思ったんだけど……」

律子「……」

律子「……んー、でも、それなら……」

貴音「……?」

律子「……ねぇ、四条さん。ひとつ、提案があるんだけど、聞いてくれるかしら」

貴音「はて、提案……ですか?」

律子「ええ。もし、あなた達に、行く場所がないのなら──」



貴音(……今となって思えば、この一言が、
   私達にとっての、本当の始まりだったのでしょう)

貴音(これまで私達に降りかかった、全てのことは、
   その瞬間の為にあったのかもしれません)



律子「私達のところに……」

律子「765プロに、来ない?」


貴音「え……?」

律子「ふふっ、こう見えても私、今はアイドルをやっているけど、本当はプロデューサー志望でね。
   あなた達なら、十分素質はあるだろうし、社長に会ってもらえればきっと……」

貴音「……それは、すかーと、ということでしょうか?」

律子「スカート? あぁ、スカウトのこと? まぁ、そういう風に取ってもらっても構わないわ」

律子「それに、四条さんだけじゃない。えっと……、
   なんて言ったかしら、一緒にいたあのちびっ子」

貴音「……響です」

律子「そうそう! 彼女も一緒に連れてきてもいい。だから……」

貴音「……」

律子「えーっと……四条さん?」

貴音「うふふっ……。私のことは、
   四条さん、などではなく……『貴音』とお呼びください」

律子「え、ええ、貴音……それで、どうする?」

貴音「……私の心は、もう決まっております。
   響も、きっと……喜んでくれることでしょう」

律子「ってことは……!」

貴音「……はい!」



貴音(こうして私達──私と響は、新たな一歩を踏み出したのです)

貴音(765プロダクションの一員として……)



貴音「これからよろしくお願いいたします、プロデューサー殿」

律子「……律子でいいわよ。それにまだ、貴女をプロデュースするかなんて──

貴音「ふふっ、かしこまりました! これからは、ともに手をたずさえて参りましょう、律子嬢……!」

律子「……ほーんと、調子狂うわね」



貴音(──しかしながら)

貴音(アイドルとして、本当の意味で歩み始めることが……、
   やがて響との間に、亀裂を生んでしまうということを……)

貴音(このときの私はまだ、知る由もなかったのです)


──────
────
──


──────
────
──


コンコン……


律子「……社長。以前お話していた二人を連れてきました」

高木「お、おおそうかね! ウム、入ってくれたまえ」


ガチャッ……


貴音「失礼いたします」

響「お、お邪魔しまーす……」

高木「ふたりとも採用だ!」

貴音・響「えっ!?」

律子「ちょ、ちょっと社長、いいんですか?
   確かに、これは私から言い出したことですけど、こんなに即決で……」

高木「一目見た瞬間にティーンと来たよ!
   それに、律子君が連れてきたと言うのなら、実力も十分のはず。迷うことはないだろう」

律子「はぁ……」


貴音(こうして私達は、正式に765プロダクションの所属アイドルとなりました)

貴音(しかし、やがて……)



貴音(765プロダクションは、私が思っていた通り、素晴らしい事務所だったようです)

貴音(確かに、以前所属していた961プロとは違い、裕福とは言えませんでしたが……)



やよい「私、高槻やよいって言いまーすっ!」ピョン

春香「私は天海春香です! えへへ、これから一緒に頑張っていきましょうねっ!
   四条さ……じゃなくて、貴音さん! 響ちゃん!」

真美「真美は真美だよ〜! よろしくねっ、お姫ちん、ひーびきん!」



貴音(皆、暖かく私達のことを迎えてくださり、私達は、
   これから訪れるであろう明るい未来を想像せざるを得ませんでした)

貴音(そして、彼女達とともに過ごし、三ヶ月が経った頃……)



  *  *  *



律子「……みんな、ちょっと大事な話があるから、こっちに来て」



貴音(……律子嬢が、何やら深刻な面持ちで、皆のことを集めました)

 


「「「……ユニット?」」」


律子「……そうよ。これからは私は、アイドルではなく、プロデューサーとして、
   あなた達のことを本格的にプロデュースしていくことになります」

律子「そのための最初の企画が、これよ。三人組の新ユニットの結成!」

千早「……律子。質問があるのだけど」

律子「はい、どうぞ」

千早「なぜ、ユニットなの? これまでどおり、各自ソロでの活動ではいけないのかしら」

律子「良い質問ね。ではまず、そこらへんから話していくことにしましょう」



律子「簡単に言えば、ファン数の確保がソロに比べて容易なこと……それが最も大きな理由。
   ユニットメンバー全員のファンの総数が、ユニットのファン数になるからね」

律子「あなた達が持つそれぞれの能力を、ソロよりもずっと幅広い層にアピールすることが出来るし、
   ユニットメンバーの誰か一人でも好きになってもらえれば、
   同じユニットの他メンバーに興味を持ってもらえる可能性はグンと増える」



律子「それに、メディアが注目しやすいということも、理由のひとつ」

律子「ソロだと、完全に個人の能力頼りになる。もしそれで大成することができれば、
   一人のアイドルとしての評価は高くなるけど……」

律子「……厳しいことを言うけど、これまでの状況を見るに、今までと同じことを続けても、
   その段階まで辿り着くには、長い時間がかかることは目に見えてる。
   私達には、そんな時間は……、もう無いのよ」



貴音「律子嬢。時間とは……、どういう意味でしょうか」

律子「……はっきり言って、今、765プロは、
   経済的に、非常にまずい状況を迎えています」

「「「……」」」

貴音(……それは)

貴音(誰もが思っていながらも、決して口には出さずにいたことでした)



律子「もう迷っている時間はない! だからこそ、今、新ユニットを立ち上げるときなのよ!」

律子「私がプロデュースするユニットが注目を浴びれば、事務所にお金も入ってくる。
   そうしたら、新しいプロデューサーを雇うこともできる……」

律子「これが皮算用になるかどうかは、みんなの気持ちと頑張り次第よ。
   だからお願い! 皆思うところはあると思うけど、どうか、納得してちょうだい!」



貴音(現状の765プロにおいて、これまでわずかでも注目を浴びたことがあるユニットは、
   律子嬢とあずさのデュオユニット『ナムコエンジェル』だけでした)

貴音(しかし、その三浦あずさは……、未だに、アイドルとしての活動を再開してはいませんでした。
   時折、事務所に顔を出してはくださるのですが……)


貴音(……)


貴音(……皆、言葉に出すまでもなく、わかっていたことなのです。
   変えなければならない、ということを)

貴音(そして──)



──────
────
──


律子「……新ユニット『スプラッシュ』のメンバーは、
  やよい、春香、そして最後に……」


律子「貴音」

貴音「……!?」

響「……!」


律子「……以上の三人よ」

春香「うわぁ〜……せ、責任重大、ですね……」

やよい「そんなこと言っちゃダメですっ、春香さんっ!
    一緒にガンバりましょーうっ!」

春香「……うん、そうだねっ! 貴音さんもいるんだし、きっとなんとかなるよね!」

貴音「……」


貴音(そして、私は……新ユニットの一人として、選ばれたのでした)


──────
────
──


響「……えへへっ、貴音、おめでとう!」

貴音「響……あの、私は──」

響「新ユニットか〜。なんか、先越されちゃったって感じがするけど、
  自分だってすぐ、貴音に追いつくから、見ててよねっ!」

貴音「……」

響「……そ、それじゃあ自分、これからレッスンに行かなきゃいけないから……」

貴音「私も、一緒に……!」

響「ダメだぞ!」

貴音「っ!」

響「……律子、言ってただろ。これからさっそく、テレビ局のエラい人に挨拶に行くんだって」

貴音「……響」



貴音(律子嬢が、なぜ私を選んだのか……)

貴音(そしてなぜ、響を選ばなかったのか……私には、何もわかりませんでした)

貴音(そんなことよりも、このときの私には──)



『……ねぇ、貴音!』

『もし、同じ事務所に、ふたりとも受かったらさ! 
そのときは……絶対、一緒のユニットで、アイドルやろうねっ!』



貴音(かつて響と交わした、この約束を違えてしまったことで……)

貴音(響が今、何を思っているのか……そのことで、頭が埋め尽くされていたのです)


貴音(けれど、そんな私に……、響はこう言ってくれたのです)


響「……ねぇ、貴音」

貴音「……?」

響「別々になっちゃったけど、もうしばらく一緒にアイドルも出来ないけど……」

響「自分達は、ずーっと、友達だぞっ!」

貴音「……はい!」


──────
────
──


貴音(たとえ別の道を歩むこととなっても、私達はいつまでも、友でいると……)

貴音(響の言葉に、私はどれだけ救われたことでしょうか)



律子「……さ、みんな。これから初めてのテレビ出演よ! 頑張っていきましょう!」

「「「はいっ!」」」


貴音「……三!」

春香「2!」

やよい「いーっち!」


「「「トップアイドルーっ!!!」」」


ワァァ……!



  *  *  *



貴音(それから私は、やよいと春香と共に、ただひたすら精進いたしました)


『私がプロデュースするユニットが注目を浴びれば、事務所にお金も入ってくる。
そうしたら、新しいプロデューサーを雇うこともできる……』


貴音(律子嬢がおっしゃった、この言葉を信じて……)

貴音(765プロ、そして響のために……私達は、失敗をするわけにはいきませんでした)


貴音(しかし、そんなある日のこと……)



  *  *  *


「「「……アイドルアカデミー大賞?」」」


律子「……そう。これまで話してこなかったけど、
   皆には、このIA大賞の受賞を目指してもらいます」



貴音(IA大賞……それは、その年で最も活躍したアイドルに贈られる、
   大変に名誉のある賞であるとお聞きしました)

貴音(私達が目指す場所は、ただひとつ、頂点のみ。
   ならばその大きな目標も、私達にふさわしいと……私は、そう思っていたのです)

貴音(しかし……)



律子「……きっと、この賞が贈られることになるのは、たった一組のアイドルだけ。
   みんな、頑張っていきましょう!」

やよい・春香「「はい!」」

貴音「……!」



貴音(このとき、私は、気付いてしまったのです)

貴音(もし、もしも……私達の活躍が認められ、事務所が潤い……)

貴音(律子嬢の言う通り、新しいプロデューサーを雇うまでに至ったら……)


貴音(そして、そのプロデューサーが)

貴音(響を、選んだとしたら……?)


貴音(私は、たった一つの椅子をかけて……、響と、争うことになるのでは、と……)


貴音(──しかしながら)



春香「あれ? 貴音さん、どうしたんですか?」

やよい「あぅ……な、なんか、元気ないかもです……」

貴音「……いえ、なんでもありませんよ、二人とも。
   IA大賞という目標の大きさに、少々困惑していただけです」



貴音(このときの私にとっては、すでに……、やよいと春香、この二人のことも、
   何よりも大切な存在となっていたのです)

貴音(毎日を共に過ごすうちに、私達の間には、確固たる絆が芽生え始めておりました)

貴音(響も、やよいも春香も……誰の笑顔も、曇らせたくはない)

貴音(……ですから、私には──)



貴音「……律子嬢。必ずや、IA大賞を、受賞してみせます」



貴音(私が抱える不安が現実にならないように、と……)

貴音(ただ、そう祈り……これまでと変わらず、精進することしか、選ぶことができませんでした)


──────
────
──


貴音(けれど、現実は非情なもの……)



響「……あ! 貴音ぇっ!」タタッ

貴音「おや、響……」



貴音(私の心情など関係なく、運命は……)



貴音「どうしたのですか? 何やら嬉しそうなご様子ですが」

響「えへへっ、聞いて聞いて!」




貴音(……響を、選んだのでした)



響「自分に、プロデューサーが出来たんだっ!」


貴音「ぷろ、……でゅーさー……」

響「うん! なーんか変な人でさ、急にサインを求めてきたり……」

貴音「……っ」



貴音(プロデューサー……響に、プロデューサーが……)



響「……仮面ライダーとかなんとか──……」



貴音(彼女の言葉が、どこか遠く……
   まるで、別の世界から、聞こえたような気がしました)



響「でも、自分のこ──……相棒だって……」



貴音「……」

響「……──かね? 貴音っ!?」

貴音「は、はいっ!」

響「どーしたんだ? なんかボーっとしてるけど……」

貴音「……いえ。良かったですね、響……」

響「う、うん……」


貴音「……では、私はこれで」

響「え!? も、もう行っちゃうのか?」

貴音「……これから、地方へと遠征に行かなくてはなりません。
   律子嬢達を待たせるわけにはいきませんから」

響「そ、そっか……貴音っ、ちばりよー!」

貴音「……どういう、意味ですか?」

響「沖縄の言葉で、ガンバレって意味だぞ!」

貴音「……っ」



貴音(頑張れ……)

貴音(私達が頑張ってきたからこそ、765プロに、新たな風が吹き)

貴音(そのせいで……私達は、これから……争うことになる、というのに……!)



貴音「……、……!」

響「貴音……? ね、ねぇ! もしかして、泣いてるのか!?」

貴音「来ないでくださいっ!」

響「っ!」

貴音「……それ、では……行って参ります」

響「……う、うん……ねえ、貴音っ!」

貴音「……なんですか?」

響「メールするから! 貴音達が遠くに行ってる間!
  ゼッタイ、読んで……返事、してよね!」

貴音「……響」



貴音(そうして、私は──)

貴音(弱くて、脆い、私は……ついに、この言葉を、響に……)

貴音(言ってしまったのです……)



貴音「……私達は、忙しい身ですから」

響「え……?」

貴音「遊びに行くというわけでは、ないのです。連絡をしてくるのは構いませんが、
   私がそれに返事をするとは、約束できません」

響「そ、そうだよね! ごめん、貴音……でも、読むくらいなら──

貴音「それに、私達はもう、別のユニットに所属するアイドル……」

貴音「ユニットの活動には、公に出来ないことも、数多くあります。
   たとえそれが、同じ事務所の仲間だとしても……」

響「た、貴音……?」

貴音「ですから、響……!」



貴音「これからは、あまり……、私に、話しかけて……こないで、ください」

響「……!!!」



響「た、貴音! 待ってっ!」

響「なんでそんなこと言うんだ!? じ、自分達、ずっと、友達、だって……!」

貴音「……」

響「……メール、するからな! ゼッタイ! 読むんだぞっ!」

響「や……約束、だからなっ!!」


──────
────
──


──────
────
──


貴音「……以上です」

P「……」

貴音「それから先のことは、プロデューサーもご存知のことかと……。
   私は……、必要以上に、響のことを、避け……」

貴音「自らの進む道と、響の進む道が交差する、そのときを恐れ……」

貴音「答えも出せないまま……、今日まで過ごしてきたのです」

響「貴音……」

貴音「……全ては……、私の心が、弱かったせいで……!」


ポロッポロ……


貴音「う、うぅ……!」



P(……長い、話が終わった)

P(響と貴音の間に起きたこと、そしてそれによって芽生えた感情は、
 今、涙という形になって、貴音の瞳から溢れ出ている)

P(俺は今……、何をしてやるべきだろう)



1 「どうして今日になって、響に会いにきたんだ?」と聞こう
2 響と貴音を、二人きりにしてあげよう
3 その他

>>769

2 だがこっそり物陰から様子をうかがう


P(……響と貴音を、二人きりにしてあげよう)


P「真美、千早」

真美「うぇっ? な、なに……にいぢゃん……」グスッ

千早「……」

P「……今は、俺達が出る幕じゃない。二人きりにしてやろう」

千早「……そうですね」

響「みんな……、行っちゃうのか?」

P「ああ。響は、貴音としっかり話しあっておくんだ。いいな?」

響「……うん」

小鳥「ずびっずびび……貴音ぢゃん……づらかったわね゛ぇ……」

P「ほらほら、音無さんも、行きますよ。まずはその鼻水拭いてください」

小鳥「……はい……」チーンッ




  *  *  *



P(──これは、響と貴音の、二人だけの問題だ。俺達がどうこう出来る話ではない)

P(しかし……!)



貴音「……」

響「あの、貴音……」

貴音「はい……」



P「……」コソコソ

P(三人が自宅へと帰っていくのを見届けた俺は、今……、
 物陰から、こっそり、二人の様子を伺っているのである)

P(興味本位とかじゃない。あくまで、響のプロデューサーとしてだ……!)


響「えーっと……」

貴音「……」

響「あのさ、色々と聞きたいことはあるんだけど……」

貴音「……はい」

響「貴音、今……自分のこと、どう思ってる?」

貴音「……私には、それを言う資格など……」

響「……」

響「う……う、う……」プルプル

貴音「ひ、響……?」


響「うぎゃー!!!!!」

貴音「ひぃっ!」


響「もうっ、資格とかよくわかんないしっ!! スキなのか!? キライなのかっ!?」

貴音「あ、あの……ですから……」

響「どっち!!?」


P(どっち!?)


貴音「い、今、この場で言うのですか……?」

響「そうだぞっ! 誰も見てないし!」

貴音「ですが……」チラッ


P(え?)


貴音「……先程から、何やら、面妖な気配を感じるのです」キョロキョロ

響「え? なにそれ?」


P(やっべ)


貴音「……」

響「……自分、よくわかんないけど……、貴音、言ってたよね」


『……私は、もう嫌なのです。響とすれ違いを重ねることは……!』


響「って……」

貴音「……ええ」

響「あれってさ、つまり……自分と、仲直りしたいってことじゃないの?」

貴音「……」コクン

響「……それなら、ちゃんと教えてよ」

響「貴音が、今、何を考えてるのかって……
  そうじゃなきゃ、自分だって、どうしたらいいか、わかんないぞ」

貴音「……」チラッ



P(うわっ、今度こそ目が逢った!)

P(ば、バレてるのか……!?)



貴音「そう、ですね……」



P(……あれ?)



貴音「むしろ、今こそが……絶好の機会、なのかもしれません」

貴音「私達のことを、見守ってくれる存在も、いるようですし……」

響「?」



P(……ここにいても、いい、ってことなのかな)


貴音「……響」ジッ

響「う、うん」

貴音「まず、最初に……貴女に言っておかなければなりません」

響「……なに?」

貴音「真に……、申し訳ございませんでした……」

響「……」

貴音「私はこれまで、ずっと……貴女に本心を隠したまま、
   態度を改めもせず、辛く当たって参りました」

貴音「本当に……申し開きのしようも、ありません……」

響「……いーよ、謝んなくて」

貴音「ですが──!」

響「そんなことよりさっ! さっきからずっと聞いてること、答えて!」

貴音「……は、はい……」



P「……」



貴音「わ、わたくし、は……、響のことを、嫌いになったことなど……」

貴音「……一度たりとも、ございません」

響「それってつまり、スキってことか?」

貴音「……」

響「どーなんだ?」

貴音「う……で、ですから……っ!」



P(すごいな、響……アレきっと、狙ってやってるんじゃないよな)



貴音「……は、ぃ」カァァ

響「……えへへー、そっか!」


響「……それが聞けて、良かったぞ。それなら自分達、もう、仲直りだな!」

貴音「響……私を、許してくださるのですか?」

響「うんっ! っていうか、自分、最初っから、怒っ……てなんか──」


ポロッ……


貴音「……!」

響「あ、あれ……?」ポロポロ

貴音「ひ、響……」

響「な、なんでだろ……え、えへへ、おかし……」

響「なんで……、なみ、だ……う、うぅ……!!」


ボロボロッ……


響「……ぅ、うぇ……うぇぇぇええ゛ええん……!!」

響「たがねぇっ、たかねぇえ……!!」

貴音「あ、ぁ……」ジワッ


貴音(──あなた様! 助けてください!!)クルッ


P(こいつ、脳内に直接……!?)

P(って……、それはさすがに気のせいか)



貴音「……!」ジッ



P(……でも、涙目の貴音が、俺の方にヘルプを求めてきているのは確かなようだ)

P(きっと、涙を流す響に対して、どうしたらいいかわからないんだろうな。
 ここは、こうサインを出しておくか……)


1 抱きしめてあげるんだ
2 キスをするんだ
3 その他

>>775

1


P「……」ギュッ

P(俺は、自らの両腕を交差し、自分で自分を抱きしめた)

P(……傍から見たら『何やってんだコイツ』と思われるかもしれないが……)


貴音「……」コクン


P(なんとか貴音には、俺が言いたかったことが伝わったみたいだな)



  *  *  *



貴音「……響」

響「うぇっ、うぇぇぇえええん……!」

貴音「もう、泣かないでください……」


ぎゅぅ……


響「……! たかねぇ……!」

貴音「貴女の涙を見ていると……わ、私まで……」


ぽろぽろ……


貴音「うぅ……!」

響「……──っ!」


「「うぇぇえぇぇん……!!」」


響「ばか、バカぁ……! もう、お前なんか……ばかねだぞっ!」ギュー

貴音「はい、はい……その通りです……」

響「なんで言わなかったんだぁ〜……! じ、自分達、友達、なのにぃ……!」

貴音「申し訳ございません……」

響「うわぁぁぁぁん!!!」

貴音「響……わ、私は……本当は、いつだって……!」



P「……」



響「たかねぇぇぇええ……!」

貴音「はい……」

響「じっ、自分も……貴音のこと──……!!」



P「……」スック

P(これ以上、この場にいるのは……)

P(さすがに、無粋だよな)


──────
────
──



  *  *  *


テクテク……


P「……」


P(なぜ今になって、貴音が響と仲直りしようとしてきたのか……
 ハッキリしたことは、俺にはわからないけれど)

P(でも、きっと……)


『……響。私にも、握手をして、いただけますか?』


P(あの場所──フェアリーズステップのファンが集まる場所に、
 貴音が現れたことが、彼女なりの今の気持ちの表れなのだろう)

P(貴音は……様々な思いを抱えながらも、本当に、ずっとずっと、
 響のことを見守ってきてくれたんだろうな……)

P(思えば、そうだ。貴音は、あの沖縄のフェスのときだって、
 響のことを気にかけ、俺に声をかけてきたんだもんな)



P(……おそらく、貴音は、成長した響を見て、嬉しかったんだろう)

P(『響と争いたくない』という、かつて抱えていた不安は形を変え、
 『共に同じステージに立って、正面から向き合いたい』と……、そう思うようになったのかもしれない)

P(そして今度こそ、響とともに切磋琢磨しあって、前に進んでいこうと──)



P「……なんて。まぁ全部、俺の想像に過ぎないけどな」



P(しかし……)

P(途中でツッコむことも出来なかったけど……
 貴音の話の中には、気になることがいくつも存在した)



P(まずひとつ、961プロのこと……)

P(961プロといえば、あの黒くてヒラヒラした黒井社長のプロダクションだ。
 765プロをやたらと敵対視していたが……)

P(……昔は昔、今は今だ。貴音と響が昔所属していた事務所なんて、関係ない。
 そんなことよりも、俺は……、黒井社長がなぜあの場所にいたのか、という方が気になる)



P(それに、あずささんの件もそうだ)

P(あずささんは今ではアイドルとして復帰し、
 新CDも出すほどの活躍をしているけど……)

P(あれから、彼女を再び立ち上がらせるほどの何かが、あったのだろうか?)



P(そして最後に……、水谷絵理のこと)

P(水谷絵理──真美がおねーちゃんと呼び慕う、876プロダクションの元アイドル。
 貴音達が765プロダクションに所属する以前には、まだ活動をしていたようだが……)

P(彼女があの事故の現場にいたことは、果たして偶然か?
 あるいは、あの事故がきっかけで、アイドルを引退……)


P(……いや、考えすぎだな)

P(貴音の話を聞いて、『彼女の出番のあとから会場に違和感が出始めたんじゃないか』と、
 勝手に俺がそう疑っているだけだ)

P(想像とはいえ、それは……さすがに、失礼が過ぎるだろう)



  *  *  *



P(……まぁ、気になることはいくつもあるけど、今はただ、
 貴音と響の間の問題が解決したことを、素直に喜ぼう)

P(響……、本当に、良かったな……!)



【活動 16週目 おわり】

今日は以上です お付き合いありがとうございました
明日は書けないので、次は木曜日に書きます

再開します


P(前回のあらすじ……)

P(ファン感謝イベントを行った、響、真美、千早で構成される765プロの新──)

P(……もう、新ユニットではないか。『フェアリーズステップ』は今や、
 まだまだメジャーアイドルとは言えなくとも、確実に人気と信頼を獲得しつつあるユニットだ)


P(とにかく、響が途中で予想外の行動に出たりもしたけど、結果としてイベントは大成功!
 会場に駆けつけてくれたファンの皆も、とても喜んでくれていたようだ)

P(そして……)



『……響。私にも、握手をして、いただけますか?』



P(イベントも終了間際という頃に突然現れた、765プロのもうひとつのユニット、
 『スプラッシュ』の構成メンバーである、四条貴音……)

P(貴音は俺達に、ゆっくりと話をしてくれた。響と歩いてきた道のりを、
 いかにして響と決別してしまったかを、そして今、響のことをどう思っているのかを……)



『ばか、バカぁ……! もう、お前なんか……ばかねだぞっ!』



P(……響は、涙を流しながらも、貴音を許し、
 その想いの全てを受け入れたようだった)



  *  *  *



P(ときに、悲しみに暮れ泣くこともある)

P(けれど、過去を振り返り立ち止まっているヒマはない。
 響にも貴音にも、彼女達を待っている大切なファン達がいるのだから)

P(だから今、俺に出来ることは、これ以上余計な心配をすることじゃない。
 アイドル達をもっともっと、輝かせてやること……。それだけだ)

P(……今日も、頑張っていこう!)



  *  *  *


P「……だけど、もっともっと輝かせるといっても、何をしたらいいのかな」

P「着実にファン数は増えている。それはわかっているんだけど……、
 でも、このまま同じことを続けても、IA大賞にノミネートされるかは微妙なところだ……」


P(フェアリーズステップの2ndシングル『空』は、最高57位を記録した)

P(スプラッシュの1stシングルの記録には追いついたものの、
 彼女達だって、今も尚人気を伸ばしつつある……)

P(……50位の壁というものは、本当に大きい。
 ここから先、再び新しい風を吹かせないことには……)


ガチャッ

??「おはようございまーす」


P(そんなことを考えているうちに、女の子がやってきたみたいだ)

P(……少し、話をしてみるか。今後の活動のヒントが見つかるかもしれないしな)


入ってきたのは……
>>789
※ピヨちゃん含む765プロの女の子のうち誰かでお願いします

雪歩


雪歩「あ……」

P「やあ、萩原さん。おはよう!」

雪歩「お、おお、おはようございますぅ、プロデューサー……」


P(彼女の名前は萩原雪歩。ソロで活動を続けている、765プロのアイドルだ)

P(今回は初登場だな)


雪歩「あ、あの、実は私、初登場じゃ……」

P「え?」

雪歩「なな、なんでもありませんっ、ごめんなさいですぅ!」

間違って途中送信しちゃった
>>790は無しでオナシャス