アルミン「なるほど」 (48)

※進撃の巨人10巻までのネタバレがあります。

アルミン「エレン、大変だ!!」

エレン 「どうしたんだアルミン、そんなに慌てて」

アルミン「ライナーとベルトルトが!」

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食堂

ライナー 「俺が鎧の巨人で、ベルトルトが超大型巨人ってわけだ」

コニー  「な、何言ってるんだ? 理解できないのは、俺が馬鹿だからなのか?」

ベルトルト「今まで、目的を持って秘密裏に行動していたけれど、その必要が無くなった」

ライナー 「俺たちは王に保護を求める」

エレン  「おい、ライナーどういうことだよ!?」

ライナー 「エレンか、お前は巨人を駆逐すると息巻いていたな。諦めろ、もう無理だ」

エレン  「お前ら、今まで騙してやがったのか!?」

ベルトルト「その必要があっただけだよ。そうでなければ、君達なんか相手にしない」

ジャン  「お前ら、罪悪感とか……無いのか?」

ベルトルト「逆に知りたいね。肉になる家畜に罪悪感を感じるのか?」

ミカサ  「よくも……!削いでやる!」

ライナー 「やめておけ、もう憲兵団が迎えに来る」

憲兵   「お迎えに、上がりました」

ライナー 「そういうわけだ。お前らと過ごした時間は、本当に無駄だった」

エレン  「畜生……!畜生がぁ!」ポロポロ

アルミン 「エレン、憲兵団に保護されたんだ、僕らにはもうどうしようもない」

ミカサ  「エレン、あの二人はこれから裁判にかけられるはず」

アルミン 「そうか。巨人だったなら、壁を破壊した責を問われるはずだ」

エレン  「……ウォールマリアを破壊したんだ。死刑になるよな?」ポロポロ

アルミン 「人を守る為の法だよ。そうでなければ、憲兵団も"示し"が付かない」

エレン  「そうだよな、ははっ。あいつ等、保護を求めたなんて言ってるが、死罪だ。ざまぁみろ」

数日後

ウォール・ローゼ 壁上

ピクシス 「ちゅぅううううっもおおおおおおくっ!!」

ピクシス 「これより、憲兵団より両巨人に対する判決を読み上げる!」

ナイル  「憲兵団団長のナイル・ドークである!」

アルミン 「エレン、立体起動を持ち出して、屋根の上にあがったりしたら、あとで怒られるよ」

エレン  「人が多すぎるんだ、大目に見てもらえるさ」

ナイル  「先日、自らを超大型巨人、鎧の巨人として王に保護を求めた二人について裁判を行った!」

エレン  「死罪に決まっている。あいつ等は、俺の母さんを、沢山の人を殺したんだ!」

ナイル  「ウォールマリアの破壊、及びそれに伴う巨人の流入により、人類の活動範囲は大きく後退した!」

アルミン 「僕の両親も、口減らしで……」グス

ナイル  「元より、壁の破壊は死罪であり、その後の結果を見るまでも無く極刑は妥当である!」

エレン  「当然だ。そうならなければ、何の為の法だ」

ナイル  「しかし、彼らは自由に巨人化できることを、我々に証明した!」

エレン  「……あ?」

ナイル  「彼らは今後、我々に協力し、人類の土地を取り戻すことも約束している!」

エレン  「おい、待てよ。まさか……!」

ナイル  「我々は、彼らを人の法に当てはまらない、巨人族として扱うことを決定した!」

エレン  「ふざけんなよ!あいつ等、自分可愛さに逃げやがった!」

ナイル  「巨大な獣が居たとして、それが壁を破壊した場合、罪に問えるだろうか!?」

アルミン 「最悪だ、自分達の功績と、天秤にかけたんだ」

ナイル  「否である!我々は、この巨人族を利用し、更なる領地、自由を手に入れるべきだと判断した!」

アルミン 「便宜上、巨人族より人類の方が立場が上であることにして、面子を保つつもりだ!」

ナイル  「ただの獣を法に問うことは出来ない!今後、より豊かな……何だ、貴様!?」

アルミン 「はっ……エレン! いつの間に、立体起動で!?」

ザシュッ

ライナー 「ごふっ、何しやがる……」ゲホッ

ベルトルト「こんな手作りの槍で…ゲハッ」ビシャ

ナイル  「きょ、巨人化するんだ!まだ間に合う!」

エレン  「脳に血液が行かなくなると、何も考えられなくなる。もう遅い」

ナイル  「お前、自分が何をしたのか分かっているのか!?然るべき法で裁かれるぞ!?」

エレン  「……そんな法があるのか?」


エレン  「ただの獣を駆除した!! たまたま人と恰好が似ていただけだ!!」

まあそりゃそうなるわなww

(おわり)

元ネタは、星バーーーローー『かぼちゃの馬車』より「なるほど」から。
後で他のショートショートも書くかも。

新.一 って、続けて書くと、勝手に変換されるのか。ビビった。

sagaってメ欄に入れると引っかからなくなるぞ

星新一とかなんて俺得なんだ
待っている

一時は人類の仇をとったとして英雄に祭り上げられるエレン
しかしその後猿が総攻撃をしかけてきたことにより人類は再び戦力の差を思い知らされることになる
もはや土地の奪還はおろか、そう遠くない未来全ての壁が壊されてしまう
そして誰かが言い出した
「あの二体さえ武器に出来ていれば」「残存兵の何百倍もの戦力があったのに」と
あれほど巨人暗殺に歓喜していた人々は、いつしか“私怨で人類の希望を摘んだ者”としてエレンに白い目を向けるようになったのであった

ほう

人間ほど都合が良い生き物は居まい(笑)

エレン「鍵」

※色々あって、巨人は駆逐されました。

エレン「父さんから預かったこの鍵、地下室の鍵だなんて言ってたけど、地下室なんか無かったな」

ミカサ「壁の外を、沢山冒険したけれど、この鍵に合う扉は無かった」

エレン「この鍵が何の鍵なのかが、気になる」

ミカサ「壁の中の扉なのかもしれない」

エレン「そうだな、俺たちも歳をとったし、のんびり旅行をしながら扉を探そうか」

ミカサ「どこまでも付き合う」



エレン「と言ってから数十年、結局扉は見つからなかったな」

エレン「ミカサも去年アルミンのところに旅立った。俺も、そんなに長く無いだろう」

エレン「少し、疲れた」

エレン「業者に依頼して、地下室を作ってもらった。この鍵に合う扉も付けた」

エレン「やっと、お前を使うときが来たな」

カチャン

エレン「あぁ、心に響く音だ。ずっとこれを聞きたかった」

エレン「今日は、地下室の中で寝よう」

クリスタ「エレン……起きて、エレン」

エレン 「クリスタ?久しぶりだなぁ」

クリスタ「クリスタではありません。女神です」

エレン 「そうか。そういうこともあるかもな」

クリスタ「やっと、鍵を使ってくれましたね」

エレン 「あぁ、長かった」

クリスタ「この鍵は、女神を呼び出す鍵なのです」

エレン 「なんで、そんな面倒くさい物にしたんだ」

クリスタ「密閉された空間でないと、女神を呼び出すことが出来ないようにするためです」

エレン 「誰かに見られたら困るのか」

クリスタ「さあ、女神を呼び出した者には、何でも願いを一つだけ叶えましょう」

エレン 「本当にそんなことが?」

クリスタ「何でも願いを言ってください。
     例えば若返ったり、ミカサを生き返らせたりでも」

エレン 「そうか……そうだな……」

クリスタ「ゆっくり考えても、いいですよ」

エレン 「……………」

エレン 「いや、何もいらない

     今の俺に必要なのは、思い出だ。

     それはもう、持ってる」



(おわり)

「妄想銀行」から「鍵」より。


>>18
ありがとう。

懐かしいな。

雰囲気が星バーーーローーっぽいなと思ったら、まさしくだった。
全部は読んでなかったから、これを気に買ってみるか

ライナー「壁の中から来た男」


ライナー(俺は、ある目的を持って憲兵団に入ることを目論んでいる)

ライナー(その為に、厳しい訓練を潜り抜け、訓練兵の成績上位にもなった)

ライナー(だが、解散式も近いある日、教官に呼ばれた)

キース 「憲兵団を希望するものは、事前に身辺調査が入る。バレないとでも思ったか?」

ライナー「な、なにを……」

キース 「フーバーとレオンハートは、既に自白した。貴様と問答するつもりは無い」

ライナー「私は、処刑されるのですか」

キース 「そんな非人道的なことはしない」

ライナー「牢獄に一生監禁されるのでしょうか」

キース 「あるいは、そのほうが幸せかも知れんな」

ライナー「一体、どんなことを……」

キース 「黒金竹を知っているな」

ライナー「立体起動装置の原材料の……」

キース 「先日、巨大な黒金竹が発見された。節の中に人が入れるほどのな」

ライナー「それを、どうするんですか」

キース 「実験だ。氷爆石の出力を一気に与えて、大砲の玉のように貴様を壁の外に飛ばす」

ライナー「なっ、そんなことをしたら!?」

キース 「運がよければ、巨人のいない土地にいけるかもしれんな」

ライナー「何が人道的だ!十分、残虐な実験じゃないか!」

キース 「貴様の口がそれを言うか」

ライナー「ぐっ……」

キース 「フーバー、レオンハート共に、既に壁の外に飛んでもらった」

ライナー「あぁ、ベルトルト、アニ。可哀想に……」

キース 「案ずるな、貴様もすぐに行ってもらう。グリシャ頼んだぞ」

ライナー「あんた達はおかしい!どうかしているんだ!」

グリシャ「これが、君の為なんだよ」

ライナー「うぅ…注射が……」

ライナー「は!?」

ライナー「ここはどここだ?」

ライナー「草原だな、周りに巨人はいないようだ」

ライナー「遠くに壁が見えるな、そんなに遠くに飛ばなかったのか?」

ライナー「いや、どこか元いた壁の中とは違うようだ」

ライナー「こうしていても、仕方ない。とりあえず歩いてみよう、巨人と会わなければ良いが」

ライナー「しばらく歩いたが、巨人はいないようだ。かなり遠くまで来たんだな」

ライナー「あ、あれは人だ! 壁の外にも人がいたのか!」

ライナー「すみません!ここはどこですか!?」

ライナー(つい、話しかけてしまったが、そもそも言葉が通じるのか?)

開拓民 「ここは開拓地だよ。あんた、鍛えた体してるね。開拓しに来たのかい?」

ライナー「え、ああ、はい、そうです」

ライナー(言葉は通じた。まずは話を合わせて、壁の外のことを聞きだそう)

開拓民 「まぁ、ワケアリなんて珍しくないさ。深くは聞かないよ」

ライナー(その後、色々と話を聞くと、ここは巨人を遠ざけるために作られた壁の中らしい)

ライナー(驚いたことに、壁の名前や、地区名まで元いた壁の中と一緒だった)

ライナー(遠く離れていても、人間考えることは変わらないのだろう)

ライナー(元の壁に似ているようで、どこか違う壁に囲まれて、開拓を続ける)

ライナー(試してみたが、巨人化は出来なくなっていた。あの注射が原因だろうか)

ライナー(ときおり、誰かに大声で言いたくなる。俺は、ここではない壁の中から来たんだ、と)

ライナー(しかし、そんなことを言っても相手にされないか、下手をすれば憲兵に捕まる)

ライナー(この間、酒場でベルトルトによく似たやつを見かけて、声をかけた)

ライナー(酔っ払いの戯言として、壁の中から来た話をすると、そいつも同様だと分かった)

ライナー(ベルトルト似の男も、別の壁の中から飛ばされて、ここにたどり着いたらしい)

ライナー(それ以来、そいつとは良く呑んで語り明かす)

ライナー(自分達のいた、お互いの壁の中の話。良く知っているようで、どこか違う世界の話)

ライナー(そのうち、別の壁から来たアニに似た奴にも会えないだろうか)

ライナー(そんなことを楽しみにしながら、開拓を続ける)

「地球から来た男」から表題作より。

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