エレン「超大型巨人に喰われた」(33)

エレン『壁を破壊できるのはコイツだけ!コイツさえ仕留めれば――』ギュイイイッ


エレン(……)

エレン(あの直後アンカーがすっぽ抜けて…飛んだ先は運悪く超大型の口の中)

エレン(そしてそのまま飲み込まれちまった)

エレン(超大型も驚いたのか「エッ!?」って声上げてたな…あれ素なのか?)

エレン(アイツやっぱ知性あるんだな)

エレン「まあいいや…とにかくここから脱出しねえと」

エレン「外に繋がる喉の穴は遥か真上」

エレン「となりゃあ腹を切り裂いて脱出する以外にない」ザクッザクッザクッ

バシャン

アルミン「無駄だよエレン。いくら傷をつけても穴が空く前に再生されてしまう」

エレン「アルミン」

アルミン「大丈夫、きっとまだ手は残っているはずさ」グッ

エレン「いや何でお前いるの」

アルミン「超大型が出たと聞いて駆けつけたら丁度エレンが食べられるところでね。助けに来たんだ」

エレン「まさかわざわざ俺の後を追って?」

アルミン「いや、立ち向かおうと飛び出した瞬間、嫌がらせのようなタイミングでアンカーが外れたんだ」

エレン「ああ…」

アルミン「口に入る瞬間に見えた超大型の唖然とした表情が忘れられない」

エレン「さすがに二連続INはビックリするよなあ」

アルミン「しかし超大型の体内っていうから蒸し焼き死を覚悟してたんだけど…」

エレン「普通に人肌の温度だな」

アルミン「熱いのは表皮だけで内側は逆に熱量が少ないようだ」

エレン「正直言うとけっこう快適」

bゲフンゲフン…超大型の唖然とした表情が見てみた過ぎてつらい

エレン「しかしそれを差し引いてもこの肉壁と胃液の光景はキツイな。グロい」

アルミン「そ、そうかな?巨人の体内に五体満足で入れるなんてかなり貴重な体験だよ…!!」ワクワク

エレン「この状況でイキイキできるのはお前とサナダムシくらいだよ」

ハンジさんだってイキイキするだろ!

アルミン「…あ」

エレン「どうした」

アルミン「いや…よく見ると胃が荒れてるな、と思って」

エレン「本当だ、こことか爛れて赤くなってる」

アルミン「コイツも案外ストレスとか抱えてるのかもね」

エレン「ハハハ、巨人だぞ?そんなのあるわけないだろ」ザクッザクッ

アルミン(とかいいながら荒れた部分をピンポイントで刻んでる…)

ベルさんの胃が…

エレン「しかし巨人の腹の中なんて絶対臭くて汚いと思ってたが…案外そうでもねえな」

アルミン「他と違って人間を食べてないからじゃない?」

エレン「オレら現在進行形で喰われてるんだけど」

アルミン「まあこれは不可抗力というか…」

確かにあんだけ口でかいんだから中に入っちまった方が逆に勝機あるかもだよな
命知らずがありったけの火薬かなんか持って

エレン「あとずっと思ってたんだけどさ、何か…ピザの匂いしねえか」

アルミン「えええ、そんなわけ……(クンクン)…あるミン」

エレン「あとチーハンも」

アルミン「くんくん…うわホントだ…本当に何なんだこの巨人…」

エレン「絶妙にイイもん喰ってんのが腹立つな」

アルミン「僕らなんて毎食毎食アホみたいに味が薄いスープなのに…というかどこで食べて来てるんだこれ」

エレン「腹立たしいからもう一回刺したろ」ザクッ

宣伝のお仕事頑張っただけだからやめたげてww

ピザってもしかして
ピザハットコラボのあれかwww

一寸法師かよwww

エレン「……」ザクッザクッ

アルミン「……」ボー

エレン「これからどうするアルミン」ザクッザクッ

アルミン「んー?」

エレン「事態になんら進展がない」ザクッザクッ

アルミン「……」

エレン「暇だ…」ザクッザクッ

アルミン「…とりあえず肉抉るのやめたら?」

エレン「だって他にやることないし…ん?」ザクッザクッ

サシャ「わああああああ!!」

バッシャーン

エレン「おわっ」

アルミン「サシャが降ってきた」

サシャ「二人とも…無事で良かったです!」

エレン「まさかここで三人目INとは…」

アルミン「しかもサシャって…」

エレン「収拾つかなくなるぞ…」

サシャ「何ですかそのリアクション!私も勇気を振り絞って戦いを挑んだのに!」

サシャ「超大型巨人…奴のせいで…せっかく盗んだお肉を台無しにされたかと思うと…!」ギリィッ

アルミン「僕らの仇とかじゃないんだ」

エレン「そんでお前自身が喰われちゃ元も子もないな」

サシャ「だっていきなりアンカーが外ちゃったんですよう!スポンと!」

アルミン「ああ…」

サシャ「そしてあっけにとられる彼の口にホールインワン」

エレン「やっぱそれか…」

アルミン「もはやコントだなあ」

エレン「というか超大型の方もしっかり口閉じとけよ…」

口元ゆるい超大型さんきゃわわ(錯乱)

サシャ「アッ、ちなみにその超大型は二人を飲み込んだあとオロオロしながらお腹押さえてましたよ」

アルミン「ええー…」

サシャ「きっと想定外の事態に弱い性格なんでしょうねえ」

エレン「人間味に溢れすぎだろ」

アルミン(まあお腹押さえてるのは八割型エレンがザクザク胃を抉ってるせいだと思う)

サシャ「けどこれからどうしましょう」

エレン「正直行き詰ってる」

アルミン「まさに袋小路だよ、胃袋だけに…」

エレン「ちょっと休憩するか」

サシャ「アルミンも疲れてるみたいですしね」

サシャ「……ふー…」ちゃぷちゃぷ

エレン「あ゛ー……」ちゃぷちゃぷ

アルミン「……」ちゃぷちゃぷ

サシャ「すごくイイ湯加減です…」じんわり

エレン「ああ…身体に染みる温かさだ」ほっこり

アルミン「一応言っとくけどこれ巨人の体液だからね」

エレン「寮生活だとこうしてゆっくり風呂に入る時間なんてねえもんなあ」

アルミン「キミの中でコレは風呂にカテゴライズされるの?」

サシャ「ちょっとした混浴になっちゃいますね、えへへ」テレテレ

アルミン「何かもういいや」

何でこんなほのぼのしてるんだよwwww

えへへ って笑うサシャが何よりも可愛いんだけど

でもピザ臭いんだよな…ww

エレン「そういやずーっと浸かってるけど溶けたりしねえんだな、この胃液」

アルミン「人を食べないからその辺りの消化力?的なのが弱いんじゃないかな?」

エレン「すっげえご都合主義だな」

アルミン「ああ、ご都合主義だ」

エレン「しかしいい加減この状況を打破しないと」

アルミン「…思ったんだけどさ、立体機動装置あれば楽に上まで登れるんじゃない?」

サシャ「あっ」

エレン「不自然なほど今の今まで存在を忘れていた」

アルミン「よし、そうと決まれば脱出だ」

サシャ「あ、あの…もう少しゆっくりして行きません?」

エレン「ちょっと名残惜しくなってんじゃねーよ」

アルミン「さっさと上がらんかい!」

サシャ「あと10秒!10秒だけ!!」

どんだけ居心地いいんだよ

ミカサ「エレェェン!!!」 ドスッ


三人「!?」

ミカサ「フンッッ」 ググググ…

メキメキ…ブチブチ……ぐぱぁ…

アルミン「み、ミカサ!?」

エレン「スゲェ!刃と腕力だけで強引に超大型の腹をこじ開けてる!」

ミカサ「エレン…みんな…無事…?」 ググググ…

サシャ「はひいい」

アルミン(さすがに巨人が気の毒になってきた)

ミカサ「話は後…とにかく肉が再生する前に出てきて」 ググググ…

―――
―――――

アルミン「それから」

アルミン「何だかんだでようやく僕らがシャバに戻れると安堵した直後、突然大量の蒸気が視界を覆って…」

アルミン「気が付けば跡形もなく超大型巨人の体は消え去っていた」

アルミン「5年前と同じように」


ミカサ「…あと一歩のところで奴を逃してしまった。とても…残念だ」シュン

ミカサ「けれどそれ以上に…三人が無事で良かった…本当に…!」ギュッ

エレン「お、おう…」

アルミン「し、心配掛けてごめんよミカサ…」

サシャ(中で呑気にキャッキャしてたとは言えない…)

アルミン「あの珍妙な体験によって僕らと人類が得たモノは皆無に等しい」

アルミン「変化した事といえば、せいぜいサシャとエレンが風呂好きになったくらいだ」

アルミン「僕は逆にしばらくの間風呂が嫌いになった」

アルミン「意識しちゃうだろどうしても」


アルミン「それと、これは全く関係ないことだけど、最近ベルトルトがよくお腹を痛めるようになった」

アルミン「事情を知るライナー曰く『思い出し腹痛』だとかなんとか」

アルミン「よく分からないけど彼も様々な悩みを抱えているのだろう」

アルミン「今度機会があればお勧めの胃薬でもプレゼントしてあげようと思う」

おわり


ひたすら超大型萌えのSSだった

ベルさん可愛すぎる
他の人達が飲み込まれるバージョンも是非!

以上です。
他の104期連中も腹に詰め込んで行きたかったですね
ありがとうございました

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