智子「モテないし、弟とデートでもするか」 (172)

智子「リハビリを続け、体調が良ければ鏡を凝視できるようになった」ジィィィ

智子「……、なんだよ睨んでんじゃねーよ目付き悪いなコラ」

智子「死んだ魚が恨みつらみで殺意の波動に目覚めたような眼しやがって」

智子「まあ私なわけだが」

智子「……はぁ……」

智子「とりあえずこの目付きさえなんとかなればな……」

智子「絶望的に悪いぞ私、鏡見た時反射的にガン飛ばされてるのかと思った」

智子「そして極めつけはこのクマだ、オマケに瞳も濁っている」

智子「目元を隠せば美少女なんだ、だったら原因はやはりここだろうが……」

智子「駄目だ、解決策が思いつかない……」

智子「というかなんなんだこのクマは、蒸しタオルもマッサージも全然効かないぞ」

智子「寝不足どころか寝過ぎた日にもクッキリしてるし、どうすりゃいいんだよこれ」

智子「そういや弟にもあったな、なんなの姉弟揃って呪われてるの? やだ何それ怖い」

智子「『お前達は神の逆鱗に触れた……、来世では我の呪いに苛まれ続けるだろう……』的な」

智子「……それで消えないクマとか嫌がらせレベルじゃねーか」

智子「うわぁ……、自分の想像ながら嫌な神だな、呪いがみみっちい」

智子「まあ嫌がらせとしては充分すぎるくらい効いてるけど」

智子「うぅ……妄想が脱線してきた、もっと前向きな解決策を考えよう」

智子「そうだ、無駄に輝きを放っているリア充の真似してみるか」

智子「私の周りで言えばゆうちゃんだな、いつも明るく積極的で、にこにこしていて……」

智子「(ゆうちゃんの真似をすれば私もいける、か……!?)」

智子「いや待てよ、アイツ確か……」

智子「……彼氏、居るんだったよな……」ズーン

智子「……はぁ……そりゃ彼氏出来たら誰の瞳だって輝くだろう」

智子「目を輝かせたいが目を輝かせるための相手がいない」

智子「なんだこの『服を買いに行く服が無い』みたいな状況、絶望的じゃないか」

智子「……、やっぱりもう次のワールドに希望を託すしかないのか……?」

智子「どうせ将来ナイトメアモード確定のゲームだし、もうゴールしても……」

智子「いや待て、落ち着け私、ここで決断するには早すぎるだろう」

智子「まだJKだぞ、いくらなんでも死に急ぎすぎだ、これからじゃないか」

智子「一人で考え込むのはよくないな、妄想がネガティブな方向にいってしまう」

智子「そうか、私の瞳がここまでくすんでいるのは、いつも一人だったからなのか……」

智子「っ、うくっ……、しまった、こんなことを考えていたら泣いてしまうっ……!!」グスッ

智子「はぁ……、どうして今日の妄想はネガティブにしかならないんだ」

智子「孤独を意識してしまったというのが大きいな……」

智子「逆に言えば、孤独を脱すればこのくすんだ瞳もなんとかなるかもしれんが」

智子「問題は誘う相手がいないということだ……」

智子「ゆうちゃん、は……休日だしどーせデートの予定があるに決まってる」カチカチ

智子「あとは、……あと、は……」カチカチ

智子「……私の携帯、ゆうちゃん以外は家族だけしか……」

智子「家族……、……ん? 家族?」


バタンッ 「ただいまー」


智子「!」

智子「あー、そうだアイツなら私と二人でも不自然ではないな」

智子「それに、早とちりビッチ共の勘違いによって私に彼氏がいるという噂が立つかもしれない」

智子「そうしたら『彼氏がいる女の子を好きになる』理論できっと私は男共からの注目を……!」

智子「うへへへ……、悪くないな」ニタァァ

智子「そうとなれば弟をデートにでも誘ってやるか」

智貴「なんだよ、俺今日試合帰りなんだけど」

智子「だからどうした?」

智貴「疲れてんだから出てけ」

智子「まあそう言うな、ゆっくりしてていいから」

智貴「お前がいたらゆっくり出来ねぇんだよ、出てけよ」

智子「そう冷たいこと言うな、弟」

智貴「トークなら後で相手してやるから出てけ」

智子「私は今話がしたいんだ」

智貴「なんつー自分勝手な……、出てけっつってんだろ殺すぞ」

智子「いいんですかそんなこと言って、自殺しますよ」

智貴「……で、話ってなんだよ」

智子「この脅し文句使うの二十八回目だけど智くんって結構優しいよね」

智貴「(うっぜぇ……)とっとと話して出てけ」ピキピキ

智子「弟、デートしよう」

智貴「は?」

智貴「この暑さでついにイカれたか」

智子「ついにとは失礼な」

智貴「そりゃこんな頭してりゃ猛暑はキツイわな」グワシッ

智子「なんだよ掴むなよー」

智貴「見てるだけで暑苦しい」ワシャワシャ

智子「やーめーろーよー」



智子「ぐしゃぐしゃになっちゃったじゃないか」

智貴「元との違いがわかんねーよ、散髪行け」

智子「こんなボサボサな頭で行けるわけないだろ恥ずかしい」

智貴「ボサボサの自覚はあったんだな」

智子「店員に『何あのモサい子、こんな店に来て散髪で夏休みデビューでも狙ってるの?プークスクス』とか思われるに決まっている!!」

智貴「考えすぎだろ……」

智子「髪を切りに行く髪がないんだ」

智貴「絶望的じゃねーか、じゃあ自分である程度切れよ」

智子「失敗したらそれこそ取り返しがつかないし……」

智子「そういうわけで、今度の土曜ヒマ?」

智貴「どういうわけだよ……」

智子「………」ジッ

智貴「(土曜か、サッカーの練習誘われてたような……)」

智子「……はぁ……」

智子「……そうだよな、お前が土曜ヒマなわけないよな」ハァ

智貴「え、まあ……」

智子「ぼっちの私とは違うんだもんな……人生楽しそうだね、いいな……」シュン

智貴「………」

智貴「そ、そういやその日たまたま暇だった、うん、たまたま」

智子「!」パァッ

智子「ふふふ、どうした弟! 休日の初めがヒマとはついに私の仲間入りか!?」

智貴「(ちょっと譲るとすぐこれだ)一緒にすんな、そういう日もあんだよ」

智子「そうならそうと即答してくれたら良かったのに、無駄に焦らしやがって」

智貴「なんなら今からキャンセルしてやってもいいんだぞ」

智子「それは駄目、クーリングオフ不可」

智貴「ったく……」

智貴「で、どこ行くんだよ」

智子「やはり王道はデパートだろうな」

智子「盛り上がりという意味では最近出来たデートスポットが一番だろうが」

智貴「常識的にそこはやばいだろ」

智子「ああ、私達を姉弟だと知っている者に見られたらまずい」

智子「最悪親にまで話が伝わって家族会議、黒木家はこの先ピリピリするだろう」

智子「現実は『そんなに仲が良いのなら…』みたいな雰囲気にはならない」

智子「ああいうのが許されるのはラノベとかギャルゲーの世界だけだからな」

智子「親は間違いなく泣く、しかも責任押し付け合って夫婦喧嘩になり、そのまま離婚ルート一直線という可能性も無きに白非ずだ」

智貴「リスク高いなおい……」

智子「でもやる、何故なら私はモテたいからだ」

智貴「必死だな」

智子「人は恋人がいる相手を意識してしまうものなんだ、これを略奪愛という」

智貴「で、俺にそのための恋人役をやってほしいと」

智子「ものわかりが良くなってきたな、偉いぞ」

智貴「………」イラッ

智子「それだけではない、兄弟とはいえ人と共に歩むことで私の瞳も少しは輝くかもしれない」

智貴「悲しいこと言うなよ」

智子「悲しいって言うな本当に悲しくなるだろ」

智貴「ちょっとぶらつく程度ならいいけど、その作戦成功するのか?」

智子「そうだな、流石に100%とはいかないが……」

智子「私の計算によると85%、といったところだな」

智貴「(ポジティブな数字だな)」

智子「共通点が多いというのは、恋人だと思わせるのにとても適している」

智貴「俺と姉ちゃんに共通点なんて」

智子「クセ毛、澱んだ瞳、目付きの悪さ、前世で呪いを受けたであろうクマ」

智貴「(うわ……結構あった)」

智子「これらを総合し客観的に見ると、私達は『長年付き合い続けた結果お互いの悪いところばかり目につきスレにスレてお互いに多大なるストレスを抱えながらも別れるに別れられないカップル』といったところか」

智子「倦怠期どころのレベルではないが未だ離別する決意が持てず駄目元でデートに……」

智貴「………」

智子「………」


  ((嫌なカップルだな……))

見てる人いますか?


智子「そして、そんな噂を聞きつけた男が『黒木さんを救えるのは僕しかいない』と」

智貴「よくあの流れからそこまでポジティブな思考出来るな、尊敬するわ」

智子「!、脳内シミュレーションのコツ教えてやろうか? 弟ならきっとすぐマスターできるぞ!」

智貴「皮肉だ馬鹿」

智子「む……、と、とにかく土曜だからな、覚えておけよ!」タッ

 バタンッ

支援ありがとうございます


~~土曜日~~


智子「ごめんね、待った? 準備に時間かかっちゃって」

智貴「いや、今来たところだ」

智子「………」

智貴「………」

智子「王道のやりとりなのにときめきを感じない」

智貴「そりゃそうだろ」

智貴「つーかわざわざ時間ずらさず同時に家出れば良かっただろ」

智子「デートは待ち合わせからスタートだ」

智貴「なんだよその謎のこだわり」

智子「なんだよはこっちの台詞だ」

智貴「あ?」

智子「なんなんだその恰好は」

智貴「別に……、普通に出かける時の格好だろ」ピシッ

智子「バッチリキメすぎだろ!? 私がダサく見えるじゃないか!!」

智貴「普通だろ。……逆にねーちゃん、仮にもデート設定でその服って……」

智子「これしか服がないんだ」

智子「勿論服を買いに行く服もないぞ」ドヤッ

智貴「(なんでちょっと得意気なんだよ)」

智子「で、これからどうする?」

智貴「考えてなかったのかよ」

智子「プランは男が考えるもんだろ」

智貴「発案者が考えろよ」

智子「チッ、使えねぇな」

智貴「(帰りてぇ)」イラッ

智子「そうだ、とりあえず手を繋ごう」

智貴「嫌だ」

智子「協力してくれるって言っただろ。さあ、カップルらしい行動をしよう」スッ

智貴「……わかったよ」スッ

智子「………」

智貴「………」

智子「歩き辛いだろ低くなれ」

智貴「お前が背伸びしろ」

智子「生意気だぞ弟のくせに」

智貴「誰の我儘に付き合ってやってると思ってんだ」

智子「うー……」

智子「やめだやめ! とりあえずデパートに入ろう」バッ

智貴「なんか欲しいもんあるのか?」

智子「いいや別に、雰囲気作りがてらウィンドウショッピングみたいな」

智貴「……、欲しいもん見つけてから行った方が早いだろ」

智子「これだから男は……、効率ばかり追求しているとあっという間にフられるぞ?」

智子「(へー、AAグッズもうこんなにシリーズ出てるのか)」

智子「(あ、この(´・ω・`)ストラップかわいい……、(^ω^)もいいな)」ジッ

智貴「………」

智子「(うーん、でもどいつもこいつもそこそこいい値段するな、この前ゲーム買っちゃったし)」

智子「(銘柄の無いストラップは投げ売りされてるのに、やっぱキャラ物は別格だなー……)」

智貴「貸せ」ヒョイッ

智子「え? あ……」


智貴「………」

店員「ありがとうございましたー」


智貴「ん」スッ

智子「……!」

智子「べ、べつに買ってくれなくても良かったんだけど」

智貴「要らないなら返せ」

智子「それはダメだ、もう私のものだからな!」キッ

智貴「(可愛げねぇな)」

智子「………、ありがと」

智貴「!、……おう」フイッ

智子「しかし、お前もらしいことが出来るようになってきたじゃないか」フフッ

智貴「うるせぇ、とっとと満足させて帰らせたいだけだ」

智子「素直じゃないな、性根悪そうな面で性格まで曲がってたらいよいよ終わりだぞ」

智貴「その言葉そっくりそのまま蹴り返してやろう」

智子「わ、私の心は清らかだ! 鏡には映らないが美しい心を」


優「ねぇねぇ、次はあっちみてみようよー」


智子「」ビクッ

智貴「どうした?」

支援どうもです!


智子「お、おお、おとっ、弟!!」サッ

智貴「な、なんだよ急に……」

智子「私というゴールを隠すキーパーになってくれ!!」ギュゥゥゥッ

智貴「ハァ!?」


優「えへへ、一緒に選びたいものがあるんだぁ」

  「えー、なになに?」


智子「……ッ!」プルプル

智貴「もしかして、あのカップル知り合いか?」

智子「……そ、そうだ……」

智貴「噂立てたいんなら別に隠れなくても」

智子「ち、違う、知り合いどころじゃないんだ、友達なんだ!」

智貴「友達いたのか姉ちゃん」

智子「……うん、唯一の……」ギュッ

智貴「それはキツいな……」

このもこっちの服装はスパークのやつでいいの?

智子「どうせ休日はデートだろうと思ったが、まさかデパートに来るとは……」

智子「想定できたはずなのに、そっちに気を向けてなかった……!」ギリッ

智貴「……で、いつまで隠れてる気だ」


優「も、もぅっ……、からかわないでよ!」


智子「決まっている、あのビッ……、盛った獣共が視界外に行くまでだ」

智貴「(言い直しても酷ぇな)友達なんだろ? そんな隠れる必要なんて……」

>>50 アニメ2話の服装をイメージ


智子「わかってない、お前はなんにもわかってない!」

智貴「何がだよ」

智子「彼氏連れの友人にこの状態で会ったら次に会った時何言われると思う!?」

智子「間違いなく『惚気合戦しようよ』とか『彼氏のグチ言い合い』とかそんな話題になるぞ!?」

智子「この心理状態で延々とリア充的性事情を聞かされてみろ……、間違いなく壊れる」

智子「姉弟だと明かしたら明かしたで『こんな休日にいい年した姉弟が何してんの引くわ』みたいな……」

智貴「ああ、本当何やってんだろうな俺等」

智子「まったくだ」

智貴「(お前のせいだろ)……じゃあ姉ちゃん一人になればいいんじゃね、俺あっち行っとくから」

智子「それこそダメだ! 彼氏連れの友人に休日一人で居るところを見られるなんて自殺ものだ!!」

智貴「(メンタル弱ぇぇ……)」

智子「かといって下手に私が動くと絶対見つかる、この髪型逆に目立つんだ……」

智貴「そこまでボッサボサなやつ早々居ねぇしな、前見えてんのか?」

智子「たびたび右側が視界不良」

智貴「じゃあ切れよ鬱陶しい」


優「うん、こっちこっち!」


智子「よしっ、去って行った」ギュッ

智貴「いい加減離れろ」

智子「いやー、間一髪だった」

智子「まったく、ビッチはビッチらしくビッチにお似合いのピンクコースに行けばいいものを」

智貴「(居なくなった途端言いたい放題だな)」

智子「ふぅやれやれ……うわっ!?」ブブブブブ

智子「な、なんだ? 迷惑メールか?」パカッ

智貴「(着信して真っ先に疑うのがそれかよ……)」

智子「どれ」

『from:ゆうちゃん
 titel:ごゆっくり!
 本文:
 やっほーもこっち(`・ω・´)
 もしかして今デート中だった?
 私もなんだ、えへへ。
 声かけちゃおうかなって思ったけど
 恥ずかしそうだったからやめておくね、ごゆっくり!』

智子「」

智貴「………」

智子「」

智貴「……大丈夫か?」

智子「」

智貴「駄目だ、心がここに無い」

智子「……最悪だ……」ズーン

智貴「誤解は早めに解いておけよ」

智子「解くにしても今度は何故弟にしがみついていたのかという問題に」

智貴「最初から堂々としてれば良かっただろ」

智子「はぁ……、気を取り直して昼飯でも食いに行こう」

智貴「何がいい?」

智子「あそこの牛丼屋でいい……」

店員「ご注文は?」

智子「ひゃいっ……ふぇ……ぇと……ぅどんの……」モジモジ

店員「はい?」

智子「……あぇっ……!!」ビクッ

智貴「牛丼大盛り二つ、ねぎだくで」

智子「!」

店員「かしこまりました」

智子「……な、ナイスフォローだ、褒めてやろう」モグモグ

智貴「注文一つまともに出来ない奴に褒められても嬉しくねぇよ」モグモグ

智子「しかも当然のように細かい注文をつけるとは、我が弟ながら末恐ろしい……」

智貴「普通だろ」コトッ

智子「(食うの早っ)うーむ、それにしても……」

智子「デートで来る店じゃないな、むさいオッサンと汗臭い男だらけだ」

智貴「牛丼屋なんてそんなもんだろ」

智子「目に入ったからつい選んでしまったが、ファミレスでも行けば良かった」モグモグ

智貴「………」

智子「………」モグモグ

智貴「早く食えよ」

智子「精一杯だ」モグモグ

時系列的にはいつくらいなんだ

>>63 お好みの時系列でどうぞ


智子「お前が急かすから食べ過ぎたじゃないか……」ウプッ

智貴「知らねーよ」

智子「というか何故私の分も大盛りにしたお前……」

智貴「別々に頼むのめんどくさかったんだよ、このくらい余裕だろ」

智子「サッカー馬鹿と乙女の食欲を同列に扱うな……」

あ、一応文化祭以降になります


智子「はー……、しかしこれ客観的に見てデートっぽいか?」

智貴「全然」

智子「私もそう思う。何が足りない?」

智貴「そりゃ楽しそうじゃ無いからだろ」

智子「……あー……」

智子「お前のせいだぞ、仏頂面しやがって」

智貴「お前が言うな」

智子「笑顔を見せてみろ」

智貴「今現在全然楽しくないのに出来るわけねーだろ」

智子「なるほど見られるのが恥ずかしいのか」

智貴「ちげーよ」

智子「そんなわけで人気のない場所まで来たから、存分に笑え」

智貴「ふざけんな」グワシッ

智子「痛たたたやめろ掴むな馬鹿力! お姉ちゃんが手本見せてやるから!!」

智貴「手本?」

智子「……ほ、ほら笑顔……」ニタァァァァァ

智貴「(うっわぁ……)」

原作だったら普通にワンパンされてシカトされそう

智貴「ブス通り越して怖ぇぇよ」

智子「なっ……、じゃ、じゃあやってみろよ私だけにやらせるな!!」

智貴「やらせてねーよ勝手にやったんだろ」

智子「うるさい、やってみろ! やるまでここ動かないからな!!」

智貴「(……急にやれって言われてもな……)」

智貴「………」ニィィィィッ

智子「ヒィ怖っ!?」ビクッ

智貴「人にやらせといて失礼にも程があるだろ」

智子「あ、悪魔の笑みだったぞ今、人間をゴキブリのように殺せそうだった!!」

智貴「お前から殺してやろうか」

智子「夢に出そうだ……」

智貴「ねーちゃんがやらせたんだろ」

智子「しかし、元が悪魔的な弟はさておき、私の笑顔も駄目か……」

智貴「」イラッ

智子「(……思えば昔から笑いかけた相手には変な反応されたな……)」

智子「弟、自然かつモテそうで友達も出来そうな笑顔をつくる方法を考えてくれ」

智貴「注文多すぎだろ」

智子「って言ってもお前には無理だよなー、だってあの顔だもんな」

智貴「………」イライラ

智子「あれは傑作だった、あそこまで笑顔が怖い人間もそう居な」

智貴「黙れ」グワシッ

智子「うひゃぁっ!?」ビクッ

智貴「笑いたいならこれが一番手っ取り早いな? あぁ?」コチョコチョ

智子「ちょっ、あっ、あはははははっ!! やめろ馬鹿!!」バタバタ

智貴「どうだお望みの自然な笑いだぞ」ワシワシ

智子「ぎゃはははは!! げほっ、し、自然じゃっ、しぜんじゃにゃあはははっ!?」ジタジタ

智貴「作ってないんだから自然だろ」コチョコチョ

智子「あははははっ!! はな、はなせぇぇっ!! ひゃはははははっ!!」バタバタ

智貴「どうした、好きなだけ笑え」グリグリ

智子「だ、だめへへへへっ! ホント、ホント無理っ!! やめろ悪魔あぁぁっはははは!!」ジタバタ

智貴「悪魔だからやめてやらん」イラッ

智子「~~~~ッははははは!! ごめんなさいごめんなさいぃぃっひひひひ!!」バシバシ

智子「はっ、はっ……、あはははっ! や、やめ……、ゲホッ! おと、うと……っ!!」ゼェゼェ

智貴「(まずった、下手に引き延ばしたせいで止め時が掴めん)」ウリウリ

智子「ほ、本当……、も、ダメ、だからっ……!!」ビクビクッ

智貴「(まあでも、コイツには普段から色々されてるし)」

智子「あはっ……! やめ、てっ……!! と、ともっ……!! やばいっ……」ブルッ

智貴「(正当な復讐行為だな)」コチョコチョ

作者「おはつおめにかかります」

作者「このたびFate/zeroのSSを書かせていただこうと思いスレを立てた作者です」

セイバー「このスレタイだけではではStaynightかZeroか判断できませんね」

作者「はい。それを説明したかったのがご挨拶の本当の目的だったり…」

パァン

作者「はうっ!?」バタッ

切嗣「目標の殲滅に成功…」

セイバー「いったい何が!?まさかアサシンのサーヴァント!?」

作者「いや…魔術師の戦いに銃なんて…切嗣かな…」

作者「でも切嗣に殺されるなら本望かも(´∀`*)」

セイバー「何を言っているんですか…」

作者「だって好きなんだもん!!」

作者「う、それはそうと…次のレスからSSが始まります…どうかお楽しみいただければ幸いです…」パタリ

セイバー「マスター!!」スゥ(消滅)

智子「……ぜーっ……、ぜーっ……、うぇっ……」ゴホッ

智貴「………」

智子「……だからやめろと言っただろ」

智貴「まさかゲロ吐くとは……」

智子「食いすぎた後にあんなことされたら吐くに決まってるだろこの鬼畜!!」

智子「いくらなんでもやりすぎだ! あんまりだ!!」グスッ

智子「どんな過酷な罰ゲームでもここまではやらねーよ!!」

智貴「いや……、悪ぃ、ちょっと待っててくれ」

智子「更にこの状態で置き去りにする気か!?」

智貴「大人しくしてろよ」

智子「……人ゲロ塗れにしといて本当に置いていきやがった」

智子「(まあ、ここなら人通りもないし、戻ってきたら説教してやろう)」


子供「ママー! なんかここクセー!!」

母親「駄目よヘンな所入っちゃ」


智子「!?」ビクッ

風呂行ってきます

再開します

子供「でもなんかくっせ……、うわぁゲロオバケ!! ママゲロオバケ!!」

母親「はいはい、早く出ていらっしゃい、ハンバーグ食べに行くわよ」

子供「はーい!!」


智子「……ッ……!!」

智貴「姉ちゃーん、……待ってろっつったのにな」キョロキョロ


智子「と、ともくん……?」コソッ


智貴「(ゴミ袋の山からなんか出てきた)」

智貴「(なんだあれゴミの精霊?)」

智貴「なにやってんだよねーちゃん……」

智子「う、うるさい、お前こそ私を置いてどこ行って」

智貴「ほら、服脱げよ」

智子「なっ!? お、お前こんなところで何考えて」

智貴「違ぇよ馬鹿! ……これだよ」スッ

智子「……、………ワンピース?」

智貴「後ろ向いて隠してやるから早く着替えろ、今回は俺が悪いと言えなくもないし」

智子「私が吐瀉物に塗れたのはどう考えても弟が悪い。……振り向くなよ」ゴソゴソ


智子「ふむ、ちょっと大きすぎるが悪くない」

智貴「そりゃ良かった」

智子「及第点だな、女心が全く分らなそうな上センスも無さそうなお前のわりには――」

智貴「あんま調子乗んなよテメェ」

智子「♪」

智貴「(まだ帰んねーのかな……)」

智子「(こういう服もアリだな、単純な可愛い系は私じゃないと思っていたが)」

智貴「(……ん?)」


恵美「………」ヒラヒラ


智貴「(あの人こっちに手振ってないか?)」

智子「?」

智貴「(姉ちゃんの知り合いか?)」


恵美「………」ニコッ


智子「(なんだ? 誰に手を振っているんだ?)」キョロキョロ

智貴「(周囲誰もいねーぞ、確実にお前だろ……)」

智子「智貴、手を振られているぞ、振りかえしてやれ」

智貴「おい」

智貴「どう見ても姉ちゃんだろ、視線も一直線だし」

智子「そ、そんなわけない! あれは絶対私の後ろの誰かに振っているんだ!!」

智子「うっかり振りかえしたりしたら変な反応されてその後合流した本来の相手と『何あの子…』って噂されるんだ!!」

智貴「(いくらなんでもネガティブすぎだろ……)」

智子「それにあの人ビッチタイプじゃないか、超可愛いし……」

智貴「でも俺あんな年上っぽい知り合いは居ねーぞ」

智子「友達のお姉さんとかじゃ?」

智貴「いや、違うと思う……」


恵美「………」シュン


智貴「可哀想だろ振りかえしてやれよ」

智子「わ、私じゃなく目的の人に無視されたんだろ……」

智貴「本当にお前の知り合いじゃないのか?」

智子「弟……、私にあんなどう見てもリア充な友人がいると思うか?」

智貴「全然」キッパリ

智子「即答は傷つく……、というかあの人明らかに私と対極だろ」

智子「しっかりしてそうだし、皆の中心に居そうだし、超絶真面目な委員長タイプみたいな」

智子「……ん、……委員長……?」

智子「ッ!?」サァァァァ

智貴「(やっぱり知り合いか)」

今江恵美 文化祭の着ぐるみハグの人で実行委員長(だったと思う)アニメはまだ未登場



智子「(あわわ制服じゃないから気づかなかった! やばい先輩無視しちゃった!!)」

智子「(ただでさえロクな印象持たれて無いのに! コミュ障でそっけなくて
    ストーカーで挙句の果てに手を振られて無視ってクズにも程があるだろ私!?)」

智子「(実行委員会にいじめ実行されても文句言えないレベルだ!!)」ガクガク

智子「ちょ、ちょ、ちょっと行ってくる!!」

智貴「あ、おい!?」

智子「しぇ、しぇんぱ……、こ、こんにちはっ……!」ペコッ

恵美「あ……、こんにちは」ニコッ

智子「(よし! とりあえず挨拶は出来た! だがこの後どうすればいい!?)」

恵美「そんなに息を切らして…… 大丈夫?」

智子「ぅ、えぁ……、その……(あれ、……待てよ……)」

恵美「?」

智子「(これよく考えたら別に話しかける必要無かったー!?)」

智子「(素直に手を振りかえせばそれで済んだ問題じゃねーか!!)」

恵美「ごめんね、気づいてくれるかなって思って手を振ったんだけど、気を遣わせちゃった?」

智子「ひ……、ぃぇ……、そん、な、……ことはっ……!」

智子「(先輩気まずそうな顔してる! な、なにか、なにか楽しい話題は!!)」

智子「ぁ、ぃ……、いい、天気ですねっ……!」

恵美「……えっと、……曇ってるけど……」

智子「(やっちまった! 最悪だー!!)」

智子「(そもそも天気の話はどう足掻いても楽しくならないだろ馬鹿か私は!!)」

恵美「あ、でもたしかに、曇っているくらいが涼しくて丁度いいかもね!」

智子「(あぁ、気を遣われている……)」


智貴「(姉ちゃん大丈夫かな)」

恵美「ところで、あの人はいいの? ……彼氏さんじゃあ……」

智子「うぇっ……、あ、い、ぃぃんです、……おとーと……、なのでっ!」

恵美「弟さん? へぇ、そうなんだ! 休日におでかけなんて仲がいいのね!」

智子「(しまった動揺のあまり離れるチャンスを自ら逃した!!)」

智子「(ダメムリ二人っきりもう限界! 助けて!!)」チラチラ


智貴「(まさか姉ちゃん俺に来いって言ってんのか……?)」

智貴「(……知り合いの弟とか相手も対応に困るだろうに)」

智貴「こんにちは、姉がお世話になってます」

恵美「お世話だなんてそんな、こっちが手伝ってもらったのに」

智子「へ、へへへ……」

智貴「(どうせ文化祭でクラスに馴染めずにやりきれない気持ちで行ったとかだろうな)」

恵美「……それにしても……」ジッ


恵美「そっくりね」

智貴・智子「「!」」

恵美「特に目元なんて瓜二つ……、クマまで一緒」

智貴・智子「「(うぐっ、コンプレックス……!)」」

恵美「そういえば、キミっていつもクマすごいよね……」

智子「ぇへっ!? そ、そうです…か?」ビクッ

恵美「………」

智子「(不摂生でだらしないって思われたかな、気持ち悪いって思われたかな……)」

恵美「(悩み事あるのかな、相談に乗りたいけどあの子自分から話してくれそうにないし……)」

智貴「(姉ちゃんの知り合いっていうからどんな人かと思ったけど普通に良い人っぽいな)」

智貴「(面倒見も良さそうだし、……姉の友達には勿体ないくらいだ)」

智子「(いや、良い人そうだしクマくらいでそんなことは思われない……、よな?)」ドキドキ

恵美「……ねぇ、弟くん」ヒソヒソ

智貴「!、な、なんすか?」ヒソヒソ

恵美「お姉さん、学校で困ってたりしてない?」ヒソヒソ

智貴「(むしろ姉が学校の困った人なんですが!!)」

智子「(!、先輩と弟がヒソヒソ話を!? な、なんの話してるんだ……!?)」

智貴「い、いや特に……、聞いてないですね」ヒソヒソ

恵美「……そう……」シュン

智子「(しょげさせた!? な、なんだ? フッたのか!? あんないい人をあっさり!?)」

智子「(いやいくらビッチでも一言目でプロポーズはしないか、ならなんの話だ?)」

恵美「だったら、お姉さんが好きなものとかある?」ヒソヒソ

智貴「(この清純そうな人にヤンデレCDと乙女ゲーとは言えねぇ!!)」

智子「(聞き耳を立てたいが位置が高すぎてまったく聞こえない……)」

智貴「え、えっと……、ああみえて寂しがりなんで、構われたらなんでも嬉しいみたいな」ヒソヒソ

智貴「(って、これだとまるでペット紹介してるみたいな)」

恵美「(猫みたいで可愛い……)」ポッ

智貴「!?」

智子「!?」

智貴「(何故このタイミングで赤く……!?)」

智子「(あ、赤くなった……、何を囁いたんだ弟!? エロいことか!? エロいことだな!?)」ハァハァ

恵美「それじゃあ、私友達と待ち合わせだからそろそろ行くね」ニコッ

智子「ふぇっ……ぁ……、ふぁいっ!」ビクッ

智子「(いちいち完璧すぎる笑顔を向けるな! 誘惑してるのか!? ビッチ怖い!!)」

恵美「今日は智子さんと話せて嬉しかったわ」ニコニコ

智子「(何故名前呼び……、弟も一緒だからか?)」

智子「(って嬉しかったって言われたらちゃんと答えないと!)」ハッ

智子「わ、私もっ……、先輩と、話せ……、しゅ、すごく嬉しかったです!!」

恵美「(すごく嬉しかったって……、そんなに……!?)」キュンッ

智貴「………」

恵美「智子さんって大人しいイメージがあったけど、私服可愛いのね」クスッ

智子「ぁ、ありがと……、ざいましゅ……!!(急に褒められた!?)」

智子「(ってそうか、ビッチ共は褒め合って盛り上がるんだったな、私もノッてやるか)」

智子「(そちらこそ綺麗な服ですね、髪型もキマってて素敵です今江先輩……)」

智子「(……いや、名前で呼んできた相手に名字は逆に失礼か? でも先輩名前呼びも……うーん……)」

恵美「智子さん?」

智子「ひっ!? あ、い、いやその……」ビクッ

智子「(急に話しかけるな! なんだっけ!? とにかく褒めるんだよな!?)」

智子「ぇみ、先輩も、その……、き、綺麗です、……す、ステキ、ですっ……!!」モジモジ

恵美「ッ……、そうかしら? ありがとう」ピクッ

智子「は、はいっ、ぇと……、もし私が男だったら絶対ナンパしてたっていうか!!」

智貴「(何言ってんだコイツ!?)」

智子「(何言ってんだ私!?)」

恵美「!!」カァァッ

智子「(あぁぁ思ってたことが口から! 真面目な子で通してたのに!!)」

恵美「ま、また学校でね!」タッ

智子「(休み明けからどんな顔して会えば……、もう学校行きたくない)」

智子「……はぁ……、絶対変な子だと思われた、変態かよ私は」ズーン

智貴「変態だろ」

智子「少しはフォローしろ、弟だろ……!」グスッ

智貴「(めんどくせーな……)……あれだ、少なくとも嫌われてはないと思う」

智子「何故そう言い切れるんだ、自分は女心マスターだとでも言いたいのか」

智貴「いや……、あの人お前と親しくなりたいみたいなこと言ってたし(言っちゃっていいよな?)」

智子「ほ、本当か!? あんな高嶺の花が私と!?」

智子「(……あ、でもあの人弟と話して赤くなってたな)」

智子「(なんだ、都合のいいパイプ扱いか……、まあ嫌われるよりマシか)」

智貴「どうした?」

智子「弟よ、お前も罪な男だな……」フッ

智貴「なんだよ藪から棒に」

智子「気づかなかったのか? あのビッチ女の顔してたぜ?」

智貴「(いなくなった瞬間堂々とビッチ呼ばわりはやめろよ)」

智子「後半なんてもう一目でわかるほど真っ赤だった」

智貴「いや、あれはねーちゃんにじゃないか……?」

智子「はァ?」

智貴「(うっぜぇ)」イラッ

智子「お前……、百合豚だったのか?」ハァ

智貴「(言葉の意味はわからんがムカつく)」イライラ

智子「現実的に考えろ、あんなに可愛い人が同性愛者とかそんな都合良い展開はラノベだけだ」

智子「二次元だけならまだしも、現実の人間を見てそんな妄想するのは末期だぞ……?」

智貴「(この姉にだけは末期とか言われたくねぇ!!)」

智貴「でもお前と話してた時のあの反応は……」

智子「まだ言っているのか、あれは女子同士のよくあるノリってやつだ、男はすぐ勘違いする」

智貴「(うぜぇ)」

智子「ふぅ……、それにしても、文化祭で少し手伝っただけなのに外で会話することになるとは」

智貴「……ん?」

智子「どうした?」

智貴「あの人とはそれだけの関係なんだよな?」

智子「そうだ、あの人……、今江委員長の校内放送を聞いて手伝いに行った」

智貴「他に会ったことは?」

智子「え? ……うーん、たまに声かけてくるけど……あんまり話せないというか」

智子「……話そうとしたけど、どう声かけたらいいか分からなくて失敗したというか……」ズーン

智貴「(……なんであの人姉ちゃんの名前知ってたんだ……?)」

智子「本当にどうしたんだ、委員長に惚れたか?」

智貴「そんなんじゃねぇよ(……まあいいか)」

智子「あの人はいい人だ、今後私の下僕になるなら特別に応援してやらなくもない」

智貴「だから違うってんだろ! しかも条件最低だな!!」

恵美「っくしゅん!」

恵美「……カゼひいたかしら……?」

恵美「………」

智子『ぇみ、先輩も、その……、き、綺麗な服と、髪で、……す、ステキ、ですっ……!!』

恵美「ふふっ、あの子と名前で呼び合う関係になっちゃった……♪」

恵美「クラスを突き止め、付近の人から名字を聞き、名簿から名前を調べ上げる」

恵美「それだけやった甲斐はあったというものね。……学校が楽しみ」クスッ…

智子「」ゾクッ

智子「カゼをひいたかもしれない、寒気がする」ブルッ

智貴「そう言ってまた学校サボる気か?」

智子「い、いや、今のは本当に……」

 カァー カァー

智子「しかし、すっかり暗くなってしまったな」

智貴「……時間と金を無駄にした気がする」

智子「まあこれだけぶらつけば十分だろう、帰るとするか」

智貴「ん」

智子「次の登校日は楽しみでもあり恐怖でもある、噂の期待が上回るか委員長への気まずさが上回るか」

智子「いくらなんでも大して親しくもない先輩に『ナンパしたい』は酷過ぎた……」

智貴「俺もあれは無いと思った」

智子「(うぅ、なんか具合悪いな……手持ちが全滅したわけでもないのに目の前が白い)」

智子「(思えば昼食全部ぶちまけちゃったし……、朝から食ってないのと同じか)」

智貴「………」

智子「(クソッ、お前のせいだぞ……)」ギロッ

智貴「……?」

智子「(正直かなりキツイが、弟に弱みを見せるわけには……!)」ヨロッ

智貴「(……いつも以上に姉ちゃんの顔色が悪いような……)」

智子「(ここから家まではそう遠くない……帰って早く横になろう)」

智貴「おい、大丈夫か?」

智子「(まずい……吐き気までしてきた……胃の中は空なのに……)」クラッ

智貴「!、ねーちゃん!?」ガシッ

智子「(………、……あれ、目の前に弟の顔……?)」

智貴「――い、……姉ちゃ……大丈……どうし……」

智子「(聞こえないな……、もう少しハッキリ……話しやが、れ……)」

智貴「おいねーちゃん! しっかりしろって!!」

智子「………」

智貴「(気を失ったか、熱があるとかじゃなさそうだが……貧血か?)」

智子「……すぅ……」

智貴「(起きそうにないな)……仕方ない」

 ヒョイッ

智貴「っと、思ってたより軽いな……あんな生活してりゃ当然か」

智子「……ん……、ぅ……」モゾッ

智貴「(……ねーちゃんがこんなに小さく見えるようになったの、いつからだっけな……)」

智子「(……あったかい……)」

智子「(あれ、ここ……)」パチッ

智子「ベッドの上……?」

智子「(なんで? いつのまに帰ったんだ? 確か帰り道で気分悪くなって、それから……)」

智子「(……まーでも、朦朧としてたからな……覚えてなくてもしょうがないか)」

智子「……Zzz……」

~~後日~~


智子「クラスメイト誰からも何も言われなかった」

智貴「そうか」

智子「よく考えたら、学校内で影薄いやつに外で会ったところで気づかないだろ……」

智貴「だろうな」

智子「この作戦は前提から間違っていたらしい……、はぁ……」

智貴「(今気づいたのかよ)」

智子「あ、でも聞いて驚け! 友達が増えた!!」バッ

智貴「……ふーん……」

智子「(興味津々って顔をしているな)」

智貴「(超絶にどうでもいい)」

智子「その友達とはなんと、あの今江先輩だ!!」

智貴「(驚く要素0じゃねぇか)」

智子「あれは校舎裏で、邪魔を赦さない優雅な食事を嗜んでいた時のこと……」

智貴「(ぼっち飯か)」

智子「そこら中に人がうろつき始めたからビビッて隠れてたらその内の一人に突然声かけられて」

智子「事件の容疑者にされたと思ったがどうやら今江先輩が探しているとのこと」

智子「あちこちをうろうろしていた人達は先輩に頼まれ私を探していたようだ」

智貴「(マジかよ人望パネェなあの人)」

智子「委員長という学校を牛耳る立場の者から大人数を使役した呼び出し、何事かと思うだろ?」

智貴「……それは俺でもちょっと怖いな」

智子「だろ? 私は日頃の行いもあり集団リンチを覚悟していた」

智貴「(日頃何してんだよ……)」

智子「そして許してもらえそうな土下座フォームを脳内シミュレーションしながら先輩に会った時……」

お察しの通りさるさんです 保守ありがとうございました



智子「手を差し伸べて言われたんだ、『お友達から始めましょう』って!」キラキラ

智貴「……ん?」

智子「勿論OKしたさ、あんな人と友達になれる機会なんてもう二度とないだろうからな!」

智貴「(なんかニュアンスおかしくね?)」

智子「私の人生捨てたものではないな、前世で5、6人殺したのかと思っていたがその後数人助けたのかもしれない」

智貴「(殺したのは前提なのかよ)」

ちょいちょいさるさん食らうのであと少しですがペース下げつつ投下。


智子「スタート地点で既に友達、これは将来は親友、ズッ友確定ルート!!」

智子「その上相手は委員長、私も勝ち組への第一歩を踏み出したというわけだ」

智子「残った弁当をあーんで食べさせられるのは恥ずかしかったが、寂しくない昼飯は美味しかった」

智貴「………」

智子「なにか言いたげだな? どした? 先輩に改めて紹介してやろうか?」ニヤニヤ

智貴「いらん」

智子「まあそうだよな、お前彼女居るんだもんな?」

智貴「彼女? なんのことだよ」

智子「お前今日友達とブックオン寄ったろ? 私も居たんだよそこ」

智貴「マジかよ……、で?」

智子「まだとぼける気か、お前友達に散々からかわれていたじゃないか」

智貴「………」

智子「複数人が見たと言っていた、それに証言の特徴も一致……、間違いなくクロだ!」

智子「さあ吐け弟! お前には彼女が居るんだろ!? 弟なら姉に隠し事は禁止だ!!」

智子「場合によっては私の妹になるんだし、知る権利はあるはず!!」



智子「黒髪でクセ毛のロリ少女とはどこまでイった!? お持ち帰りって聞いたぞ!!」バンッ

智貴「………」サッ

 つ鏡

智子「……な、なんのつもりだよ不意打ちで鏡なんて向けて」

智貴「これでも眺めてろ馬鹿」

智子「魔除けのつもりか貴様ッ……! それとも嫌がらせのつもりか!?」

智子「鏡を嫌がらせとして使うという行為自体が相当な嫌がらせだぞ!?」

智貴「……はぁ……、なんでもねーよ」スッ

智子「どうしたっていうんだ、まったく……」




終わりです。委員長はもう少し掘り下げたかったけど規制が……
それでは、ここまでお付き合い頂きありがとうございました!

ちなみに、昔に一度「モテないし、弟の部屋でも漁るか」でスレ(代行)立てさせていただいてます。


最後に一つ。もこっちかわいいよもこっち。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月10日 (月) 19:04:26   ID: MaWRbYyj

文句無しに良SS。
やっぱ智くんと一緒のもこっちはかがやいてるw

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